JP2019215450A - 光学材料用重合性組成物およびその用途 - Google Patents

光学材料用重合性組成物およびその用途 Download PDF

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慎一郎 門脇
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伸雄 河戸
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Abstract

【課題】フォトクロミック応答性能および透明性に優れた光学材料が得られる光学材料用重合性組成物を提供する。【解決手段】本発明の光学材料用重合性組成物は、(A)ポリイソシアネート化合物と、(B)2官能以上の活性水素化合物と、(C)一般式(i)で表される化合物と、(D)下記一般式(1)および下記一般式(2)で表される化合物から選択される少なくとも1種である、フォトクロミック化合物と、を含む。PC-L-Chain (1)PC-L-Chain-L'-PC' (2)【選択図】なし

Description

本発明は、フォトクロミック化合物を含む光学材料用重合性組成物、当該組成物から得られる光学材料およびプラスチックレンズに関する。
プラスチックレンズは、無機レンズに比べ高屈折率、高アッベ数であり、軽量で割れ難く、染色が可能なため眼鏡レンズ、カメラレンズ等の光学材料として急速に普及してきている。これまでに様々なレンズ用成形体が開発され使用されている。その中でも代表的な例として、イソシアネートとチオールから得られるポリチオウレタン樹脂が挙げられる。
また近年、様々な機能が付与されたプラスチックレンズが開発されてきている。
例えば、フォトクロミック性能を有するプラスチックレンズの開発が進められている。フォトクロミック性能を有する眼鏡とは、屋内では普通の透明色の眼鏡として機能し、屋外では太陽光(紫外線)に反応してレンズがグレー、ブラウン等に色づき、まぶしさから目を守る機能を発揮する眼鏡である。屋内・屋外の両方での使用に対応する高機能な眼鏡であり、近年、その需要が拡大している。
フォトクロミックレンズ材料として、例えば、特許文献1〜6に記載の技術を挙げることができる。
特許文献1には、フォトクロミック化合物と特定の構造の(メタ)アクリル酸エステルおよびジビニルベンゼンを含む重合性組成物を注型重合法でラジカル重合させることにより、屈折率が高く、フォトクロミック特性に優れた眼鏡用フォトクロミックレンズを提供できることが開示されている。
特許文献2には、フォトクロミック化合物とジ(メタ)アクリル基を有する重合性単量体を含む組成物を注型重合法でラジカル重合させることにより、光応答性の速いフォトクロミック性を有するとともに、低比重、耐衝撃性等の諸物性を有するフォトクロミック光学材料を提供できることが開示されている。また、フォトクロミック化合物とポリオールまたはポリチオールとポリイソシアネートおよびジ(メタ)アクリル基を有する重合性単量体を含む組成物を硬化させることにより、高屈折率のフォトクロミック光学材料を提供できることが開示されている。
特許文献3には、フォトクロミック化合物とフルオレンアクリレート化合物を含む光学材料用重合性組成物を注型重合法でラジカル重合させることにより、高屈折ながらも光変色性能と光学特性が優れたフルオレンアクリル系のフォトクロミック光学材料を提供できることが開示されている。
特許文献4には、所定のフォトクロミック化合物と、ジ(メタ)アクリレート化合物とを含む組成物からなる、レンズが記載されている。
特許文献5には、クロメン骨格を有するフォトクロミック化合物とフェノール化合物を含む組成物からなるコーティング層を、チオウレタン系プラスチックレンズの表面に設けたレンズが開示されている。
特許文献6には、チオウレタン樹脂からなるレンズ基材と、該基材上に、フォトクロミック化合物とラジカル重合性単量体とを含む溶液を塗布することで形成されたフォトクロミック膜とを有するフォトクロミックレンズが開示されている。
なお、特許文献7には、フォトクロミック特性を有する化合物が開示されている。
特許文献8には、脂肪族イソシアネート化合物および脂環族イソシアネート化合物から選択される1種以上のイソシアネート化合物と、二官能以上の活性水素化合物と、フォトクロミック化合物と、を含む、光学材料用重合性組成物が開示されている。
特許文献9には、ポリイソシアネート化合物および特定構造の数平均分子量が100以上であるポリオール化合物と二官能以上の活性水素化合物(ただし、前記ポリオール化合物を除く)と、フォトクロミック化合物を含む、光学材料用重合性組成物が開示されている。
特許文献10には、ポリイソシアネート化合物および特定構造の数平均分子量が100以上であるポリオール化合物と二官能以上の活性水素化合物(ただし、前記ポリオール化合物を除く)と、フォトクロミック化合物を含む、光学材料用重合性組成物が開示されており、フォトクロミック化合物として一般式(a)および一般式(b)から選択される少なくとも1種が例示されている。
PC-L-Chain (a)
PC-L-Chain-L’-PC’ (b)
国際公開第2012/141306号 特開2004−78052号公報 国際公開第2014/208994号 特開平8−272036号公報 特開2005−23238号公報 特開2008−30439号公報 特開2011−144181号公報 国際公開2014/002844号 国際公開2015/115648号 国際公開2017/047745号 国際公開第2009/146509号 国際公開第2010/20770号 国際公開第2012/149599号 国際公開第2012/162725号
しかしながら、ポリイソシアネート化合物および特許文献10に示される特定構造の数平均分子量が100以上であるポリオール化合物と二官能以上の活性水素化合物(ただし、前記ポリオール化合物を除く)と、フォトクロミック化合物を含む、光学材料用重合性組成物は、一般式(a)および一般式(b)から選択される少なくとも1種のフォトクロミック化合物のChainの分子構造によっても得られる光学材料のフォトクロミック性能に大きな違いを生じることが分かってきた。
本発明者らは鋭意検討したところ、ポリイソシアネート化合物および特許文献10に示される特定構造の数平均分子量が100以上であるポリオール化合物と二官能以上の活性水素化合物(ただし、前記ポリオール化合物を除く)と、フォトクロミック化合物を含む、光学材料用重合性組成物において、一般式(a)および一般式(b)から選択される少なくとも1種のフォトクロミック化合物が特定のChain構造を有する場合に得られる光学材料が特に優れたフォトクロミック性能を示すことを見出し、本発明を完成させた。
本発明は以下に示すことができる。
[1] (A)ポリイソシアネート化合物と、
(B)2官能以上の活性水素化合物と、
(C)下記一般式(i)で表される化合物と、
(D)下記一般式(1)および下記一般式(2)で表される化合物から選択される少なくとも1種である、フォトクロミック化合物と、を含む、光学材料用重合性組成物。
Figure 2019215450
(一般式(i)中、A、Aはそれぞれ異なるポリマー鎖を表す。Rはn価の有機基であり、Rは2種類のポリマー鎖を連結する連結基であり、Rは有機基である。nは1〜6の整数である。)
PC-L-Chain (1)
PC-L-Chain-L'-PC' (2)
(式(1)または式(2)中、PCとPC'は一般式(3)〜(6)で表される化合物から誘導される1価の基を示す。PCとPC'は同一でも異なっていてもよい。
LとL'は、オキシエチレン鎖、オキシプロピレン鎖、(チオ)エステル基、(チオ)アミド基から選択される1種以上を含む2価の有機基を示す。Chainは、ポリプロピレン鎖を示す。)
Figure 2019215450
(式(3)〜(6)中、R〜R18は、水素、ハロゲン原子、カルボキシル基、アセチル基、ホルミル基、置換されてもよいC1〜C20の脂肪族基、置換されてもよいC3〜C20の脂環族基、または置換されてもよいC6〜C20の芳香族有機基を示し、それぞれ同一でも異なってもよい。これら脂肪族基、脂環族基または芳香族有機基は、酸素原子、窒素原子を含んでもよい。一般式(3)〜(6)で表される化合物に含まれる、いずれか1つの基は、2価の有機基であるLまたはL'と結合する。)
[2] ポリイソシアネート化合物(A)は、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、およびジフェニルメタンジイソシアネートから選択される少なくとも1種である、[1]に記載の光学材料用重合性組成物。
[3] 2官能以上の活性水素化合物(B)は、グリセリン、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、およびトリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)から選択される少なくとも1種である、[1]または[2]に記載の光学材料用重合性組成物。
[4] [1]〜[3]のいずれかに記載の光学材料用重合性組成物を硬化させた成形体。
[5] [4]に記載の成形体からなる光学材料。
[6] [4]に記載の成形体からなるプラスチックレンズ。
[7] 偏光フィルムと、
前記偏光フィルムの少なくとも一方の面上に形成された、[4]に記載の成形体からなる基材層と、を備えるプラスチック偏光レンズ。
[8] (A)ポリイソシアネート化合物と、
(B)2官能以上の活性水素化合物と、
(C)下記一般式(i)で表される化合物と、
(D)下記一般式(1)および下記一般式(2)で表される化合物から選択される少なくとも1種である、フォトクロミック化合物と、
を一括混合して、光学材料用重合性組成物を調製する工程と、
前記光学材料用重合性組成物を注型重合することによりレンズ基材を形成する工程を含む、プラスチックレンズの製造方法。
Figure 2019215450
(一般式(i)中、A、Aはそれぞれ異なるポリマー鎖を表す。Rはn価の有機基であり、Rは2種類のポリマー鎖を連結する連結基であり、Rは有機基である。nは1〜6の整数である。)
PC-L-Chain (1)
PC-L-Chain-L'-PC' (2)
(式(1)または式(2)中、PCとPC'は一般式(3)〜(6)で表される化合物から誘導される1価の基を示す。PCとPC'は同一でも異なっていてもよい。
LとL'は、オキシエチレン鎖、オキシプロピレン鎖、(チオ)エステル基、(チオ)アミド基から選択される1種以上を含む2価の有機基を示す。Chainは、ポリプロピレン鎖を示す。)
Figure 2019215450
(式(3)〜(6)中、R〜R18は、水素、ハロゲン原子、カルボキシル基、アセチル基、ホルミル基、置換されてもよいC1〜C20の脂肪族基、置換されてもよいC3〜C20の脂環族基、または置換されてもよいC6〜C20の芳香族有機基を示し、それぞれ同一でも異なってもよい。これら脂肪族基、脂環族基または芳香族有機基は、酸素原子、窒素原子を含んでもよい。一般式(3)〜(6)で表される化合物に含まれる、いずれか1つの基は、2価の有機基であるLまたはL'と結合する。)
[9] (A)ポリイソシアネート化合物と、
(B)2官能以上の活性水素化合物と、
(C)下記一般式(i)で表される化合物と、
(D)下記一般式(1)および下記一般式(2)で表される化合物から選択される少なくとも1種である、フォトクロミック化合物と、を一括混合して、光学材料用重合性組成物を調製する工程と、
偏光フィルムを、モールドから離隔した状態でレンズ注型用鋳型内に固定する工程と、
前記偏光フィルムと、前記モールドとの間に形成される空隙の少なくとも一方に前記光学材料用重合性組成物を注入する工程と、
前記光学材料用重合性組成物を重合硬化して、前記偏光フィルムの少なくとも一方の面に基材層を積層する工程と、
を含む、プラスチック偏光レンズの製造方法。
Figure 2019215450
(一般式(i)中、A、Aはそれぞれ異なるポリマー鎖を表す。Rはn価の有機基であり、Rは2種類のポリマー鎖を連結する連結基であり、Rは有機基である。nは1〜6の整数である。)
PC-L-Chain (1)
PC-L-Chain-L'-PC' (2)
(式(1)または式(2)中、PCとPC'は一般式(3)〜(6)で表される化合物から誘導される1価の基を示す。PCとPC'は同一でも異なっていてもよい。
LとL'は、オキシエチレン鎖、オキシプロピレン鎖、(チオ)エステル基、(チオ)アミド基から選択される1種以上を含む2価の有機基を示す。Chainは、ポリプロピレン鎖を示す。)
Figure 2019215450
(式(3)〜(6)中、R〜R18は、水素、ハロゲン原子、カルボキシル基、アセチル基、ホルミル基、置換されてもよいC1〜C20の脂肪族基、置換されてもよいC3〜C20の脂環族基、または置換されてもよいC6〜C20の芳香族有機基を示し、それぞれ同一でも異なってもよい。これら脂肪族基、脂環族基または芳香族有機基は、酸素原子、窒素原子を含んでもよい。一般式(3)〜(6)で表される化合物に含まれる、いずれか1つの基は、2価の有機基であるLまたはL'と結合する。)
本発明の光学材料用重合性組成物によれば、フォトクロミック応答性能および透明性の何れにも優れた眼鏡レンズ等の光学材料を得ることができる。
以下、本発明を実施の形態により説明する。
本実施形態の光学材料用重合性組成物は、
(A)ポリイソシアネート化合物と、
(B)2官能以上の活性水素化合物と、
(C)一般式(i)で表される化合物と、
(D)一般式(1)および一般式(2)で表される化合物から選択される少なくとも1種である、フォトクロミック化合物と、を含む
[ポリイソシアネート化合物(A)]
ポリイソシアネート化合物(A)としては、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアナトメチルエステル、リジントリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート化合物;
イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、ジシクロヘキシルジメチルメタンイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、3,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、3,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン等の脂環族イソシアネート化合物;
トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルスルフィド−4,4−ジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物;
2,5−ジイソシアナトチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)チオフェン、2,5−ジイソシアナトテトラヒドロチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、3,4−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、2,5−ジイソシアナト−1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,4−ジチアン、4,5−ジイソシアナト−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,3−ジチオラン等の複素環イソシアネート化合物;
等を挙げることができる。
本実施形態においては、これらから選択される少なくとも1種を組み合わせて用いることができる。
本発明の効果の観点から、ポリイソシアネート化合物(A)として、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、およびジフェニルメタンジイソシアネートから選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
[2官能以上の活性水素化合物(B)]
二官能以上の活性水素化合物(B)(以下、単に「活性水素化合物(B)」)としては、特に限定されるものではないが、ポリオール化合物、ポリチオール化合物、水酸基を有するチオール化合物を挙げることができる。
ポリオール化合物としては、たとえばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ブタントリオール、1,2−メチルグルコサイド、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビトール、エリスリトール、スレイトール、リビトール、アラビニトール、キシリトール、アリトール、マニトール、ドルシトール、イディトール、グリコール、イノシトール、ヘキサントリオール、トリグリセロース、ジグリペロール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、シクロブタンジオール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘプタンジオール、シクロオクタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ヒドロキシプロピルシクロヘキサノール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−ジメタノール、ビシクロ[4.3.0]−ノナンジオール、ジシクロヘキサンジオール、トリシクロ[5.3.1.1]ドデカンジオール、ビシクロ[4.3.0]ノナンジメタノール、トリシクロ[5.3.1.1]ドデカン−ジエタノール、ヒドロキシプロピルトリシクロ[5.3.1.1]ドデカノール、スピロ[3.4]オクタンジオール、ブチルシクロヘキサンジオール、1,1'−ビシクロヘキシリデンジオール、シクロヘキサントリオール、マルチトール、ラクトース等の脂肪族ポリオール;ジヒドロキシナフタレン、トリヒドロキシナフタレン、テトラヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゼン、ベンゼントリオール、ビフェニルテトラオール、ピロガロール、(ヒドロキシナフチル)ピロガロール、トリヒドロキシフェナントレン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、キシリレングリコール、ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)、テトラブロムビスフェノールA、テトラブロムビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)等の芳香族ポリオール;ジブロモネオペンチルグリコール等のハロゲン化ポリオール;グリセロールのエチレンオキサイド付加体、トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド付加体、ペンタエリスリトールのエチレンオキサイド付加体、グリセロールのプロピレンオキサイド付加体、トリメチロールプロパンのプロピレンオキサイド付加体、ペンタエリスリトールのプロピレンオキサイド付加体、カプロラクトン変性グリセロール、カプロラクトン変性トリメチロールプロパン、カプロラクトン変性ペンタエリスリトール等の3官能以上のアルコールとエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ε-カプロラクトンを付加させた化合物;
エポキシ樹脂等の高分子ポリオールが挙げられる。本実施形態においては、これらから選択される少なくとも1種を組み合わせて用いることができる。
また、ポリオール化合物として他に、シュウ酸、グルタミン酸、アジピン酸、酢酸、プロピオン酸、シクロヘキサンカルボン酸、β−オキソシクロヘキサンプロピオン酸、ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、サリチル酸、3−ブロモプロピオン酸、2−ブロモグリコール、ジカルボキシシクロヘキサン、ピロメリット酸、ブタンテトラカルボン酸、ブロモフタル酸などの有機酸と上記ポリオールとの縮合反応生成物;上記ポリオールとエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどアルキレンオキサイドとの付加反応生成物;アルキレンポリアミンとエチレンオキサイドや、プロピレンオキサイドなどアルキレンオキサイドとの付加反応生成物;さらには、ビス[4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−( 2,3−ジヒドロキシプロポキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−ヒドロキシシクロヘキシロキシ)フェニル]スルフィド、ビス[2−メチル−4−(ヒドロキシエトキシ)−6−ブチルフェニル]スルフィドおよびこれらの化合物に水酸基当たり平均3分子以下のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドが付加された化合物;ジ−(2−ヒドロキシエチル)スルフィド、1,2−ビス(2−ヒドロキシエチルメルカプト)エタン、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジスルフィド、1,4−ジチアン−2,5−ジオール、ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)スルフィド、テトラキス(4−ヒドロキシ−2−チアブチル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(商品名ビスフェノールS)、テトラブロモビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールS、4,4'−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1,3−ビス(2−ヒドロキシエチルチオエチル)−シクロヘキサンなどの硫黄原子を含有したポリオール等が挙げられる。本実施形態においては、これらから選択される少なくとも1種を組み合わせて用いることができる。
ポリチオール化合物としては、例えば、メタンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,2,3−プロパントリチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ビス(メルカプトメチル)スルフィド、ビス(メルカプトメチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ビス(メルカプトエチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトプロピル)スルフィド、ビス(メルカプトメチルチオ)メタン、ビス(2−メルカプトエチルチオ)メタン、ビス(3−メルカプトプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)エタン、1,2−ビス(3−メルカプトプロピルチオ)エタン、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、テトラキス(メルカプトメチルチオメチル)メタン、テトラキス(2−メルカプトエチルチオメチル)メタン、テトラキス(3−メルカプトプロピルチオメチル)メタン、ビス(2,3−ジメルカプトプロピル)スルフィド、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプト−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトメチル−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン、及びこれらのチオグリコール酸およびメルカプトプロピオン酸のエステル、ヒドロキシメチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピネート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(2−メルカプトアセテート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(3−メルカプトプロピオネート)、チオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、トリス(メルカプトメチルチオ)メタン、トリス(メルカプトエチルチオ)メタン等の脂肪族ポリチオール化合物;1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、2,6−ナフタレンジチオール等の芳香族ポリチオール化合物;2−メチルアミノ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、3,4−チオフェンジチオール、ビスムチオール、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタン等の複素環ポリチオール化合物;下記一般式(B)で表される化合物等を挙げることができる。本実施形態においては、これらから選択される少なくとも1種を組み合わせて用いることができる。
Figure 2019215450
式中、a、bは、独立して1〜4の整数を示し、cは1〜3の整数を示す。Zは水素またはメチル基であり、Zが複数存在する場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
水酸基を有するチオール化合物としては、例えば、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、グルセリンビス(メルカプトアセテート)、4−メルカプトフェノール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(チオグリコレート)等を挙げることができるが、これら例示化合物のみに限定されるものではない。
さらにこれら活性水素化合物のオリゴマーや塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換体を使用しても良い。これら活性水素化合物は単独でも、2種類以上を混合しても使用することができる。
本発明の効果の観点から、活性水素化合物(B)として、グリセリン、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、およびトリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネートから選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
本実施形態の光学材料用重合性組成物において、活性水素化合物(B)に含まれるOH基およびSH基の総和に対する、ポリイソシアネート化合物(A)に含まれるNCO基のモル比(NCO基/(OH基+SH基))は、通常0.8〜1.2の範囲内であり、好ましくは0.85〜1.15の範囲内であり、さらに好ましくは0.9〜1.1の範囲内である。
NCO基/(OH基+SH基)のモル比が0.8以上であれば未反応のOH基やSH基が残らず、組成物が十分硬化し、耐熱性、耐湿性、耐光性に優れた樹脂が得られ、NCO基/(OH基+SH基)の比率が1.2以下であれば未反応のNCO基が残らず耐熱性、耐湿性、耐光性に優れた樹脂が得られ、未反応のNCO基を減らすために反応温度を上げる必要もなく、着色等の欠点が見られず、樹脂材料として好ましい。
[化合物(C)]
化合物(C)としては、下記一般式(i)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2019215450
一般式(i)中、A、Aはそれぞれ異なるポリマー鎖を表す。Rはn価の有機基であり、Rは2種類のポリマー鎖を連結する連結基であり、Rは有機基である。nは1〜6の整数である。
ポリマー鎖としては、ポリアルキレン鎖、ポリエステル鎖、ポリシロキサン鎖、ポリエチレンイミン鎖、ポリアルキレンオキシド鎖等を挙げることができる。ポリマー鎖としては、ポリアルキレンオキシド鎖が好ましい。
ポリマー鎖であるポリアルキレン鎖としては、ポリエチレン鎖、ポリプロピレン鎖、ポリスチレン鎖、ポリ(メタ)アクリル酸エステル鎖、ポリ(メタ)アクリル酸鎖、ポリメチレンインダン鎖等を挙げることができる。
ポリマー鎖であるポリエステル鎖としては、ポリα−アセトラクトン鎖、ポリβ−プロピオラクトン鎖、ポリγ−ブチロラクトン鎖、ポリδ−バレロラクトン鎖、ポリε−カプロラクトン鎖、ポリ乳酸鎖、ポリグリコール酸鎖、ポリ乳酸グリコール酸共重合体鎖、ポリエチレンテレフタレート鎖等を挙げることができる。
ポリマー鎖であるポリシロキサン鎖としては、ポリジメチルシロキサン鎖、ポリメチルフェニルシロキサン鎖等を挙げることができる。
ポリマー鎖であるポリエチレンイミン鎖としては、ポリエチレンイミン鎖、ポリプロピオニルアジリジン鎖、ポリアセチルアジリジン鎖、ポリホルミルアジリジン鎖等を挙げることができる。
ポリマー鎖であるポリアルキレンオキシド鎖としては、ポリエチレングリコール鎖、ポリプロピレングリコール鎖、ポリブチレングリコール鎖、ポリペンテングリコール鎖、ポリヘキセングリコール鎖、ポリヘプテングリコール鎖等を挙げることができる。また、nが2以上の場合、複数のA、Aはそれぞれ異なるポリアルキレンオキシド鎖を有していてもよい。
は1〜6価の有機基である。
1価の有機基としては、メトキシ基、エトキシ基、1−プロパノキシ基、2−プロパノキシ基、メトキシエトキシ基などのアルコキシ基、メチルメルカプト基、エチルメルカプト基などのアルキルチオ基、アセチル基などが挙げられる。
2価の有機基としては、エチレングリコレート基、プロピレングリコレート基、ブチレングリコレート基などの2官能アルコキシ基、エタンジチオレート基、プロパンジチオレート基などの2官能チオレート基等が挙げられる。
3官能の有機基としては、グリセロレート基、トリオキシエチルアミン基、トリオキシエチル(アルキル)アンモニウム塩などの3官能アルコキシ基等が挙げられる。
4官能の有機基としては、エチレンジアミノ基やそのアルキルアンモニウム塩などの4価のアミノ基、テトラオキシエチレンジアミン基、ペンタエリスリトールのオキシ体などの4価のアルコキシ基が挙げられる。
6官能の有機基としては、ジペンタエリスリトールのオキシ体等が挙げられる。
は2種類のポリマー鎖を連結する炭素数1〜10の2価の連結基である。
2価の連結基としては、エチレングリコール基、プロピレングリコール基などのエーテル型連結基、βメルカプトプロピオン酸と(メタ)アクリル酸基とのマイケル付加体のようなビスカルボキシレート型の連結基、グリコール酸基のようなエーテルカルボキシレート型連結基などが挙げられ、ブロックコポリマーの合成方法に応じて任意の連結基を用いることができる。
は末端官能基であり、化合物(C)の分散性に影響を及ぼす。組成物の重合後にナノドメインの分散状態を維持する観点からRは重合性官能基(c)と反応性を有する重合性有機基が好ましい。
このような重合性有機基の例としてはヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ジヒドロキシプロピル基のような水酸基を有する有機基;アミノエチル基、アミノプロピル基のようなアミノ基を有する有機基:メルカプトエチル基、メルカプトプロピオン酸基、メルカプトエチルカルボニル基、メルカプトプロピルカルボニル基、チオグリコール酸基のようなメルカプト基を有する有機基;グリシジルエーテル基のようなエポキシ基を有する有機基;チオグリシジルエーテル基のようなチオエポキシ基を有する有機基;グリコール酸エーテルのようなカルボン酸を有する有機基;ビニル基、アリル基、アクリレート基、メタクリレート基のような末端に不飽和二重結合を有する有機基;プロパルギル基のような末端に不飽和三重結合を有する有機基等が挙げられる。
なお、Rは、ブロックコポリマーの種類によっては、重合性官能基(c)と反応性が無くてもよい場合もある。
反応性が無い有機基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基、エトキシブチル基、プロピオキシメチル基、プロピオキシエチル基、プロピオキシプロピル基、プロピオキシブチル基、ブチロキシメチル基、ブチロキシエチル基、ブチロキシプロピル基、ブチロキシブチル基などが挙げられる。
一般式(i)で表される化合物の具体的な例としては、下記一般式(ia)で表される化合物、化合物(a)〜(v)等を挙げることができる。
<一般式(ia)で表される化合物>
本実施形態においては、一般式(i)で表される化合物として下記一般式(ia)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2019215450
一般式(ia)中、RおよびRは、水素原子あるいは炭素数1〜18のアルキル基を表し、少なくともどちらか一方は水素原子である。複数存在するR同士は同一または相異なっていてもよく、複数存在するR同士は同一または相異なっていてもよい。mは15以上500以下、好ましくは30以上500以下の整数を示す。
一般式(ia)で表される化合物としては、数平均分子量が150以上、好ましくは200以上のものを用いることができる。
一般式(ia)で表される化合物としては、具体的に下記一般式(ia−1)で表される化合物を用いることができる。具体的には、一般式(i)において、Rがアルキレン(C2〜C20)グリコレート基であり、Aがポリアルキレン(C2〜C20)グリコール鎖、Rがオキシプロピレン基、Aがポリエチレングリコール鎖であり、Rがヒドロキシエチレン基、nがプロピレングリコレート基の価数の2の場合、当該化合物は下記一般式(ia−1)で表される。
Figure 2019215450
一般式(ia−1)中、RおよびRは、水素原子あるいは炭素数1〜18のアルキル基を表し、少なくともどちらか一方は水素原子である。a+cは2以上600以下、好ましくは2以上400以下の整数であり、bは1以上300以下、好ましくは1以上100以下の整数を表す。複数存在するRおよびRは、同一でも異なっていてもよい。
このような化合物の例としてはBASF社製のプルロニック(Pluronic)シリーズなどが挙げられる。プルロニックに含まれる化合物の構造は非特許文献1に示される。
なお、一般式(ia)で表される化合物の末端水酸基は、イソシアネート等の重合性化合物(c)と反応する場合もある。
混合する化合物の比率は特に制限されるものではないが一般式(ia)で表される化合物のうち、化合物(プルロニックL64)と化合物(プルロニックP65)とを用いた場合、これらの合計100重量%に対して、化合物(プルロニックL64)を0.1〜99.9重量%、好ましくは5〜95重量%、さらに好ましくは10〜90重量%、特に好ましくは20〜80重量%含むことができる。
重合体(a)として複数の化合物を混合して用いた場合、変色濃度の増加や消色速度の向上等が認められ、より優れたフォトクロミック特性を備えるプラスチックレンズを提供することができ、さらに透明性が向上するなど樹脂物性をより改善することができる。
<化合物(a)〜(v)>
本実施形態においては、一般式(i)で表される化合物として化合物(a)〜(v)を用いることができる。
(a)二官能ブロックポリオール
一般式(i)において、Rがプロピレングリコレート基であり、Aがポリプロピレングリコール鎖、Rがオキシプロピレン基、Aがポリエチレングリコール鎖であり、Rがヒドロキシエチレン基、nがプロピレングリコレート基の価数の2の場合、当該化合物は下記一般式(a−1)で表される。
Figure 2019215450
一般式(a−1)中、a、b、cはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。
このような化合物の例としてはPluronicシリーズ(BASF社製)などが挙げられる。
類似の化合物として、一般式(i)において、Rがエチレングリコレート基であり、Aがポリエチレングリコール鎖、Rがオキシエチレン基、Aがポリプロピレングリコール鎖であり、Rがヒドロキシプロピレン基、nがプロピレングリコレート基の価数の2の場合、当該化合物は下記一般式(a−2)で表される。
Figure 2019215450
一般式(a−2)中、a、b、cはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。
このような化合物の例としてはPluronic Rシリーズ(BASF社製)などが挙げられる。
(b)3官能ブロックポリオール
一般式(i)において、Rがグリセロレート基であり、Aがポリプロピレングリコール鎖、Rがオキシプロピレン基、Aがポリエチレングリコール鎖であり、Rがヒドロキシエチレン基、nがグリセロール基の価数の3の場合、当該化合物は下記一般式(b−1)で表される。
Figure 2019215450
一般式(b−1)中、b、cはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。*は結合手を示す。
このような化合物の例としては、グリセロールポリプロピレンオキシドブロックポリエチレンオキシド(Aldrich社製)などが挙げられる。
また、式中Qにおいて、プロピレンオキシド鎖とエチレンオキシド鎖が入れ替わった下記一般式(b−2)で表される化合物も例として挙げられる。
Figure 2019215450
(c)4官能ブロックポリオール
一般式(i)において、Rがエチレンジアミノ基であり、Aがポリプロピレングリコール鎖、Rがオキシプロピレン基、Aがポリエチレングリコール鎖であり、Rがヒドロキシエチレン基、nがエチレンジアミノ基の価数の4の場合、当該化合物は下記一般式(c−1)で表される。
Figure 2019215450
一般式(c−1)中、b、cはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。*は結合手を示す。
このような化合物の例としては、Tetronicシリーズ(BASF社製)などが挙げられる。また、式中Qにおいて、プロピレンオキシ基とエチレンオキシ基が入れ替わったTetronic Rシリーズ(BASF社製)も例として挙げられる。
をハロゲン化ベンジル等で4級アンモニウム塩化して触媒活性を抑えた中性型の4官能ポリオールを用いることもできる。その場合、一般式(i)は下記一般式(c−2)で表わされる。
Figure 2019215450
一般式(c−2)中、b、cはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。Xはハロゲンイオン、カルボン酸陰イオン、もしくは無機酸陰イオンを表し、*は結合手を示す。
(d)2官能ブロックポリアミン
一般式(i)において、Rがエチレングリコレート基であり、Aがポリエチレングリコール鎖、Rがオキシプロピレン基、Aがポリプロピレングリコール鎖であり、Rがアミノプロピレン基、nがエチレングリコール基の価数の2の場合、当該化合物は下記一般式(d)で表される。
Figure 2019215450
一般式(d)中、a、b、cはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。
このような化合物の例としては、ジェフアミンEDシリーズ(ハンツマン社製)などが挙げられる。
(e)1官能ブロックポリアミン
一般式(i)において、Rがメトキシ基であり、Aがポリエチレングリコール鎖、Rがオキシプロピレン基、Aがポリプロピレングリコール鎖であり、Rがアミノプロピレン基、nがメトキシ基の価数の1の場合、当該化合物は下記一般式(e)で表される。
Figure 2019215450
一般式(e)中、b、cはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。
このような化合物の例としては、ジェフアミンMシリーズ(ハンツマン社製)などが挙げられる。
(f)2官能ブロックポリチオール
一般式(i)において、Rがプロピレングリコレート基であり、Aがポリプロピレングリコール鎖、Rがオキシエチレン基、Aがポリエチレングリコール鎖であり、Rがメルカプトエチルカルボニル基、nがプロピレングリコール基の価数の2の場合、当該化合物は下記一般式(f−1)で表される。
Figure 2019215450
一般式(f−1)中、a、b、cはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。
また、Rがメルカプトエチル基の場合、一般式(1)は下記一般式(f−2)で表される。
Figure 2019215450
一般式(f−2)中、a、b、cはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。
(g)2官能ブロックポリ(チオ)エポキシド
一般式(i)において、Rがプロピレングリコレート基であり、Aがポリプロピレングリコール鎖、Rがオキシエチレン基、Aがポリエチレングリコール鎖であり、Rが2,3−エポキシプロピル基、nがプロピレングリコール基の価数の2の場合、当該化合物は下記一般式(g−1)で表される。
Figure 2019215450
一般式(g−1)中、a、b、cはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。
また、Rが2,3−エピチオプロピル基の場合、一般式(1)は下記一般式(g−2)で表される。
Figure 2019215450
一般式(g−2)中、a、b、cはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。
(h)2官能ブロックポリカルボン酸
一般式(i)において、Rがプロピレングリコレート基であり、Aがポリプロピレングリコール鎖、Rがオキシエチレン基、Aがポリエチレングリコール鎖であり、Rがカルボキシメチル基、nがプロピレングリコール基の価数の2の場合、当該化合物は下記一般式(h)で表される。
Figure 2019215450
一般式(h)中、a、b、cはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。
(i)2官能ブロックポリメタ(アクリル)酸エステル
一般式(i)において、Rがプロピレングリコレート基であり、Aがポリプロピレングリコール鎖、Rがオキシエチレン基、Aがポリエチレングリコール鎖であり、Rがアクリロイル基、nがプロピレングリコール基の価数の2の場合、当該化合物は下記一般式(i−1)で表される。
Figure 2019215450
一般式(i−1)中、a、b、cはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。
また、Rがメタクリロイル基の場合、一般式(1)は下記一般式(i−2)で表わされる。
Figure 2019215450
一般式(i−2)中、a、b、cはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。
(j)接続基を含む2官能ブロックポリオール
一般式(i)において、Rがプロピレングリコール基であり、Aがポリプロピレングリコール鎖、Rがβメルカプトプロピオン酸とメタクリル酸基のマイケル付加体であり、Aがポリエチレングリコール鎖であり、Rがヒドロキシエチレン基、nがプロピレングリコール基の価数の2の場合、当該化合物は下記一般式(j)で表される。
Figure 2019215450
一般式(j)中、a、bはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。*は結合手を示す。
また、当該ブロックコポリマーは、(a)〜(j)で説明したそれぞれの要素を同時に含んでいても良く、ブロックポリマーAおよびAは任意のポリアルキレンオキシド基を用いることが可能である。また、複数のブロックコポリマーの混合物を用いることで物性が改良されることがある。
(k)ポリアルキレンオキシド-ブロック-ポリカプロラクトンアルコール
一般式(i)において、Rがメトキシ基であり、Aがポリエチレングリコール鎖、Rがオキシエチレン基、Aがポリカプロラクトン鎖であり、Rがヒドロキシヘキサン酸基、nがメトキシ基の価数の1の場合、当該化合物は下記一般式(k−1)で表される。
Figure 2019215450
一般式(k−1)中、a、bはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上500以下の整数である。
一般式(i)において、Rがアミノエトキシ基であり、Aがポリエチレングリコール鎖、Rがオキシエチレン基、Aがポリカプロラクトン鎖であり、Rがヒドロキシヘキサン酸基、nがメトキシ基の価数の1の場合、当該化合物は下記一般式(k−2)で表される。
Figure 2019215450
一般式(k−2)中、a、bはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上500以下の整数である。
一般式(i)において、Rがメルカプトエトキシ基であり、Aがポリエチレングリコール鎖、Rがオキシエチレン基、Aがポリカプロラクトン鎖であり、Rがヒドロキシヘキサン酸基、nがメトキシ基の価数の1の場合、当該化合物は下記一般式(k−3)で表される。
Figure 2019215450
一般式(k−3)中、a、bはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上500以下の整数である。
(l)ポリアルキレンオキシド-ブロック-(ポリ乳酸ポリグリコール酸共重合体)アルコール
一般式(i)において、Rがメトキシ基であり、Aがポリエチレングリコール鎖、Rがオキシエチレン基、Aがポリ乳酸、ポリグリコール酸ランダム共重合体鎖であり、Rがヒドロキシ酢酸基もしくは2−ヒドロキシプロピオン酸基、nがメトキシ基の価数の1の場合、当該化合物は下記一般式(l)で表される。
Figure 2019215450
一般式(l)中、a、b、cはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。
このような化合物の例としては、市販のメトキシポリエチレングリコール(ポリ乳酸ポリグリコール酸ランダム共重合体)ブロックコポリマー(Aldrich社製)などが挙げられる。
(m)ポリアルキレンオキシド-ブロック-ポリベンジルアクリレートチオール
一般式(i)において、Rがメトキシ基であり、Aがポリエチレングリコール鎖、Rが4−シアノペンタン酸基、Aがポリベンジルアクリレート鎖であり、Rがベンジル−2−メルカプトプロピオン酸エステル基、nがメトキシ基の価数の1の場合、当該化合物は下記一般式(m)で表される。
Figure 2019215450
一般式(m)中、a、bはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。
(n)ポリアルキレンオキシドポリカプロラクトントリブロックポリマー
一般式(i)において、Rがヒドロキシヘキサン酸基であり、Aがカプロラクトン鎖、Rがオキシエチレン基、Aがポリエチレングリコール鎖であり、Rがヒドロキシエチル基、nがヒドロキシヘキサン酸基の価数の2の場合、当該化合物は下記一般式(n−1)で表される。
Figure 2019215450
一般式(n−1)中、a、b、cはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。
また、Rがメトキシエチル基の場合、一般式(i)は下記一般式(n−2)で表される。
Figure 2019215450
一般式(n−2)中、a、b、cはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。
(o)ポリスチレンポリアクリル酸ブロック共重合体
一般式(i)において、Rがフェニルエチル基であり、Aがポリスチレン鎖、Rがフェニルエチレン基、Aがポリアクリル酸鎖であり、Rがプロパン酸基、nがフェニルエチル基の価数の1の場合、当該化合物は下記一般式(o)で表される。
Figure 2019215450
一般式(o)中a、bはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上500以下の整数である。
このような化合物の例としては、ポリスチレンポリアクリル酸ブロック共重合体(Aldrich社製)などが挙げられる。
(p)ポリエチレンオキシドポリアルキレンオキシドジブロックポリマー
一般式(i)において、Rがメトキシ基であり、Aがポリエチレングリコール鎖、Rがオキシエチレン基、Aがポリプロピレングリコール鎖であり、Rがヒドロキシプロピル基、nがメトキシ基の価数の1の場合、当該化合物は下記一般式(p-1)で表される。
Figure 2019215450
一般式(p−1)中、a、bはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。
また、Aがポリブチレングリコール基の場合、一般式(i)は下記一般式(p−2)で表される。
Figure 2019215450
一般式(p−2)中、a、bはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。
(q)ポリアルキレンポリエチレンオキシドジもしくはトリブロックポリマー
一般式(i)において、Rがジメチルベンジル基であり、Aがポリメチルインダン鎖、Rがオキシエチレン基、Aがポリエチレングリコール鎖であり、Rがヒドロキシエチル基、nがジメチルベンジル基の価数の1の場合、当該化合物は下記一般式(q-1)で表される。
Figure 2019215450
一般式(q-1)中、a、bはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。
また、Rがイソブチル基、Aがポリスチレン鎖の場合、一般式(i)は下記一般式(q−2)で表される。
Figure 2019215450
一般式(q−2)中、a、bはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。
また、Rがメチルスチレン二量体基、Aがポリスチレン鎖、nがメチルスチレン二量体基の価数の2の場合、一般式(i)は下記一般式(q−3)で表される。
Figure 2019215450
一般式(q−3)中、a、b、c、dはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。
(r)ポリエチレンオキシドポリアジリジンジブロックポリマー
一般式(i)において、Rがメトキシ基であり、Aがポリエチレンオキシド鎖、Rがオキシエチレン基、Aがポリ保護化アジリジン鎖であり、Rがヒドロキシエチル基、nがメトキシ基の価数の1の場合、当該化合物は下記一般式(r)で表される。
Figure 2019215450
一般式(r)中、a、bはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。
このような化合物の例としてRがプロピオン酸基である、下記一般式(r−1)で表される化合物があげられる。
Figure 2019215450
一般式(r−1)中、a、bはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。
(s)ポリアルキレンオキシドポリジメチルシロキサンジもしくはトリブロックポリマー
一般式(i)において、Rがイソブチル基であり、Aがポリジメチルシロキサン鎖、Rがオキシエチレン基、Aがポリエチレングリコール鎖であり、Rがメチル基、nがイソブチル基の価数の1の場合、当該化合物は下記一般式(s-1)で表される。
Figure 2019215450
一般式(s-1)中、a、bはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。
また、R1がジメチルシロキシ基、Rがプロピレン基の場合、一般式(i)は下記一般式(s-2)で表される。
Figure 2019215450
一般式(s−2)中、a、b、cはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。
(t)末端非対称型ポリアルキレンオキシドトリブロックポリマー
一般式(i)において、Rがプロピレングリコレート基であり、Aがポリプロピレングリコール鎖、Rがオキシエチレン基、Aがポリエチレングリコール鎖であり、Rのうち一方がヒドロキシエチル基、もう一方はメトキシエチル基、nがプロピレングリコレート基の価数の2の場合、当該化合物は下記一般式(t)で表される。
Figure 2019215450
一般式(t)中、a、b、cはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。
(u)非対称型ポリアルキレンオキシドトリブロックポリマーグリシジルエーテル
一般式(i)において、Rがプロピレングリコレート基であり、Aがプロピレングリコール鎖、Rがオキシエチレン基、Aがポリエチレングリコール鎖であり、Rが2,3-エポキシプロピル基、nがプロピレングリコレート基の価数の2の場合、当該化合物は下記一般式(u)で表される。
Figure 2019215450
一般式(u)中、a、b、cはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。
(v)ポリアルキレンオキシドトリブロックポリマー乳酸エステル
一般式(i)において、Rがプロピレングリコレート基であり、Aがプロピレングリコール鎖、Rがオキシエチレン基、Aがポリエチレングリコール鎖であり、Rが乳酸基、nがプロピレングリコレート基の価数の2の場合、当該化合物は下記一般式(v)で表される。
Figure 2019215450
一般式(v)中、a、b、cはそれぞれユニット数を示し、それぞれ独立に3以上300以下の整数である。
本実施形態においては、一般式(i)で表される化合物から選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態において、化合物(C)は、本発明の効果の観点から、化合物(A)および(B)の合計100重量%に対して、0.1〜20重量%。好ましくは0.5〜15重量%、さらに好ましくは1〜10重量%用いることができる。
[フォトクロミック化合物(D)]
本実施形態においては、フォトクロミック化合物(D)として下記一般式(1)および下記一般式(2)で表される化合物から選択される少なくとも1種を用いることができる。
PC-L-Chain (1)
PC-L-Chain-L'-PC' (2)
PCとPC'は一般式(3)〜(6)の化合物から誘導される1価の基を示す。PCとPC'は同一でも異なっていてもよい。
Figure 2019215450
式(3)〜(6)中、R〜R18は、水素、ハロゲン原子、カルボキシル基、アセチル基、ホルミル基、置換されてもよいC1〜C20の脂肪族基、置換されてもよいC3〜C20の脂環族基、または置換されてもよいC6〜C20の芳香族有機基を示し、それぞれ同一でも異なってもよい。これら脂肪族基、脂環族基または芳香族有機基は、酸素原子、窒素原子を含んでもよい。一般式(3)〜(6)で表される化合物に含まれる、いずれか1つの基は、2価の有機基であるLまたはL'と結合する。
置換されてもよいC1〜C20の脂肪族基としては、直鎖あるいは分枝鎖状のC1〜C10アルキル基、直鎖あるいは分枝鎖状のC1〜C10アルコキシ基、直鎖あるいは分枝鎖状のC2〜C10アルケニル基、C1〜C10ヒドロキシアルキル基、C1〜C10ヒドロキシアルコキシ基、C1〜C10アルコキシ基で置換されたC1〜C10アルキル基、C1〜C10アルコキシ基で置換されたC1〜C10アルコキシ基、C1〜C5ハロアルキル基、C1〜C5ジハロアルキル基、C1〜C5トリハロアルキル基、C1〜C10アルキルアミノ基、C1〜C10アミノアルキル基、直鎖あるいは分枝鎖状のC1〜C20アルコキシカルボニル基等を挙げることができる。
置換されてもよいC3〜C20の脂環族基として、C3〜C20のシクロアルキル基、C6〜C20のビシクロアルキル基等を挙げることができる。
置換されてもよいC6〜C20の芳香族有機基としては、フェニル基、C7〜C16アルコキシフェニル基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アリールC1〜C5アルキルアミノ基、環状アミノ基、アリールカルボニル基、アロイル基等を挙げることができる。
とRとして、好ましくは、水素原子;ハロゲン原子;
直鎖あるいは分枝鎖状のC1〜C10アルキル基、直鎖あるいは分枝鎖状のC1〜C10アルコキシ基、C1〜C10ヒドロキシアルコキシ基、C1〜C10アルコキシ基で置換されたC1〜C10アルコキシ基、C1〜C5ハロアルキル基、C1〜C5ジハロアルキル基、C1〜C5トリハロアルキル基、C1〜C5アルキルアミノ基等の、置換されてもよいC1〜C20の脂肪族基;
フェニル基、C7〜C16アルコキシフェニル基、C1〜C5ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アリールC1〜C5アルキルアミノ基、環状アミノ基等の、置換されてもよいC6〜C20の芳香族有機基;等を挙げることができる。RとRは、それぞれ同一でも異なってもよい。
として、好ましくは、水素原子;ハロゲン原子;カルボキシル基;アセチル基;
直鎖あるいは分枝鎖状のC1〜C10アルキル基、直鎖あるいは分枝鎖状のC2〜C10アルケニル基、直鎖あるいは分枝鎖状のC1〜C10アルコキシ基、C1〜C10ヒドロキシアルキル基、C1〜C10アルコキシ基で置換されたC1〜C10アルキル基、C1〜C10アミノアルキル基、直鎖あるいは分枝鎖状のC1〜C20アルコキシカルボニル基等の、置換されてもよいC1〜C20の脂肪族基;
C3〜C20のシクロアルキル基、C6〜C20のビシクロアルキル基等の、置換されてもよいC3〜C20の脂環族基;
アリールカルボニル基、ホルミル基、アロイル基等の、置換されてもよいC6〜C20の芳香族有機基;等を挙げることができる。
として、好ましくは、水素原子;ハロゲン原子;カルボキシル基;アセチル基;ホルミル基;
直鎖あるいは分枝鎖状のC1〜C10アルキル基、直鎖あるいは分枝鎖状のC2〜C10アルケニル基、直鎖あるいは分枝鎖状のC1〜C10アルコキシ基、C1〜C10ヒドロキシアルキル基、C1〜C10アルコキシ基で置換されたC1〜C10アルキル基、C1〜C10アミノアルキル基、直鎖あるいは分枝鎖状のC1〜C20アルコキシカルボニル基、等の、置換されてもよいC1〜C20の脂肪族基;
C3〜C20のシクロアルキル基、C6〜C20のビシクロアルキル基等の、置換されてもよいC3〜C20の脂環族基;
アリールカルボニル基、アロイル基、フェニル基、C7〜C16アルコキシフェニル基、C1〜C10ジアルコキシフェニル基、C1〜C10アルキルフェニル基、C1〜C10ジアルキルフェニル基等の、置換されてもよいC6〜C20の芳香族有機基;等を挙げることができる。
とRは互いに結合してもよい。RとRが互いに結合して環構造を形成する場合、一般式(7)または(8)が挙げられる。点線部分は、Rが結合している炭素原子とRが結合している炭素原子との間の結合を表す。
Figure 2019215450
、R、R、R、R、R10、R14、R15、R16は、R、Rと同様な官能基を示す。複数存在するR〜Rとは同一でも異なっていてもよい。
11として、好ましくは、水素原子;ハロゲン原子;
直鎖あるいは分枝鎖状のC1〜C20アルキル基、C1〜C5ハロアルキル基、C1〜C5ジハロアルキル基、C1〜C5トリハロアルキル基等の、置換されてもよいC1〜C20の脂肪族基;
C3〜C20のシクロアルキル基、C6〜C20のビシクロアルキル基、C1〜C5アルキル基で置換されたC3〜C20のシクロアルキル基、C1〜C5アルキル基で置換されたC6〜C20のビシクロアルキル基等の、置換されてもよいC3〜C20の脂環族基;
C1〜C5アルキル基で置換されたアリール基等の、置換されてもよいC6〜C20の芳香族有機基;等を挙げることができる。
12とR13として、好ましくは、水素原子;ハロゲン原子;
C1〜C10アルキル基、C1〜C5アルキルアルコキシカルボニル基等の、置換されてもよいC1〜C20の脂肪族基;C5〜C7のシクロアルキル基等の、置換されてもよいC3〜C20の脂環族基;等を示す。
17とR18として、好ましくは、水素原子;ハロゲン原子;
直鎖あるいは分枝鎖状のC1〜C10アルキル基、C1〜C10ヒドロキシアルキル基等の、置換されてもよいC1〜C20の脂肪族基;C5〜C7のシクロアルキル基等の、置換されてもよいC3〜C20の脂環族基;等を示す。
一般式(1)または(2)のLとL'は、オキシエチレン鎖、オキシプロピレン鎖、(チオ)エステル基、(チオ)アミド基から選択される1種以上を含む2価の有機基を示す。
具体的には、LとL'は、一般式(9)〜(15)で表される。LとL'は同一でも異なっていてもよい。
Figure 2019215450
式(9)〜(15)中、
Yは、酸素、硫黄を示す。
19は、水素、直鎖あるいは分枝鎖状のC1〜C10アルキル基を示す。
20は、直鎖あるいは分枝鎖状のC1〜C10アルキル基を示す。
pは、0〜15の整数を示し、rは、0〜10の整数を示す。
Qは、直鎖あるいは分枝鎖状のC1〜C10アルキレン基、C1〜C10アルケニレン基、1,2-、1,3-、1,4-位の置換アリール基から誘導される2価の基、置換ヘテロアリール基から誘導される2価の基等を示す。
*1、*2は結合手を表し、*1は「Chain」で表される1価または2価の有機基と結合し、*2はPCまたはPC' で表される1価の有機基と結合する。
一般式(1)または(2)の「Chain」は、ポリプロピレン鎖を示す。
「Chain」の分子量は200〜3000、好ましくは300〜2000、さらに好ましくは400〜1500である。分子量が200未満であるとフォトクロミック性能の改善効果が十分に得られず、3000を超えると相対的にPC部濃度が下がってフォトクロミック性能が得られなくなる。すなわち、フォトクロミック化合物(D)として、「Chain」の分子量が上記範囲内である一般式(1)または一般式(2)で表される化合物を用いることにより、フォトクロミック応答性能に優れた眼鏡レンズ等の光学材料を得ることができる。
本実施形態のフォトクロミック化合物は、WO2009/146509公報、WO2010/20770公報、WO2012/149599公報、WO2012/162725公報に記載の方法により得られる。
本実施形態のフォトクロミック化合物としては、Reversacol Heath Green(ポリオキシアルキレン鎖、ナフトピラン系発色団(一般式3))、Reversacol Wembley Grey(ポリオキシアルキレン鎖、ナフトピラン系発色団(一般式3))、Reversacol Cayenne Red(ポリオキシアルキレン鎖、ナフトピラン系発色団(一般式3))等が挙げられる。
本実施形態において、フォトクロミック化合物(D)は、本発明の効果の観点から、化合物(A)および(B)に対して、100〜3000ppm、好ましくは100〜2000ppm含むことができる。
[その他の成分]
本実施形態においては、上記(A)〜(D)成分に加えて、重合触媒、内部離型剤、樹脂改質剤、紫外線吸収剤等をさらに含んでいてもよい。
重合触媒としては、ラジカル重合開始剤としてペルオキシエステル系ラジカル重合開始剤、ペルオキシケタール系ラジカル重合開始剤又はアゾ系ラジカル重合開始剤を挙げることができる。
本実施形態の製造法において光学材料を製造するために単量体組成物を硬化するためには、単量体組成物にラジカル重合開始剤を添加し、次に加熱硬化法又は活性エネルギー線硬化法により硬化させて得ることができる。
これらのラジカル重合開始剤を用いて単量体組成物を硬化すると、硬化時のフォトクロミック化合物の分解を防止し、さらに、ポリオール、ポリチオール、ポリイソシアネート等を含む場合には、硬化時の着色を抑制することができる。
ペルオキシエステル系ラジカル重合開始剤としては、例えば、t−へキシルペルオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルぺルオキシネオデカノエート、t−へキシルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルペルオキシネオデカノエート、クミルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ヘキシルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシイソブチレート、t−ブチルペルオキシラウレート、t−ブチルペルオキシノナノエート等が挙げられる。
パーオキシケタール系ラジカル重合開始剤としては、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、ジ−t−ブチルペルオキシ−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが好ましい。さらに好ましくは、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、ジ−t−ブチルペルオキシ−2−メチルシクロヘキサンの少なくとも1種を選択することである。
アゾ系ラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等が挙げられる。
これらは1種又は2種以上を混合して用いることができる。また、さらに必要に応じて他のラジカル重合開始剤を併用しても良い。
本実施形態において、ラジカル重合開始剤の添加量は、単量体組成物に対して、通常0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。0.01重量%未満では硬化が不十分となり、10重量%を超えると硬化物に歪みが入る傾向にある。
内部離型剤としては、酸性リン酸エステルを用いることができる。酸性リン酸エステルとしては、リン酸モノエステル、リン酸ジエステルを挙げることができ、それぞれ単独または2種類以上混合して使用することできる。
樹脂改質剤としては、例えば、エピスルフィド化合物、アルコール化合物、アミン化合物、エポキシ化合物、有機酸及びその無水物、(メタ)アクリレート化合物等を含むオレフィン化合物等が挙げられる。
紫外線吸収剤として、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、プロパンジオック酸エステル系紫外線吸収剤、オキサニリド系紫外線吸収剤等が挙げられる。
<光学材料用重合性組成物の製造方法>
本実施形態の光学材料用重合性組成物は、(A)成分〜(D)成分、必要に応じてさらにその他添加剤を一括混合して、調製することができる。
混合する際の温度は通常25℃以下で行われる。重合性組成物のポットライフの観点から、さらに低温にすると好ましい場合がある。ただし、触媒、内部離型剤、添加剤のモノマーへの溶解性が良好でない場合は、あらかじめ加温して、モノマー、樹脂改質剤に溶解させることも可能である。
本実施形態において、樹脂成形体の製造方法は、特に限定されないが、好ましい製造方法として注型重合が挙げられる。はじめに、ガスケットまたはテープ等で保持された成型モールド間に重合性組成物を注入する。この時、得られるプラスチックレンズに要求される物性によっては、必要に応じて、減圧下での脱泡処理や加圧、減圧等の濾過処理等を行うことが好ましい場合が多い。
重合条件については、重合性組成物の組成、触媒の種類と使用量、モールドの形状等によって大きく条件が異なるため限定されるものではないが、およそ、−50〜150℃の温度で1〜50時間かけて行われる。場合によっては、10〜150℃の温度範囲で保持または徐々に昇温して、1〜48時間で硬化させることが好ましい。
樹脂成形体は、必要に応じて、アニール等の処理を行ってもよい。処理温度は通常50〜150℃の間で行われるが、90〜140℃で行うことが好ましく、100〜130℃で行うことがより好ましい。
本実施形態において、樹脂を成形する際には、上記「その他の成分」に加えて、目的に応じて公知の成形法と同様に、鎖延長剤、架橋剤、光安定剤、酸化防止剤、ブルーイング剤、油溶染料、充填剤、密着性向上剤などの種々の添加剤を加えてもよい。
<用途>
本実施形態の樹脂は、注型重合時のモールドの種類を変えることにより種々の形状の成形体として得ることができる。
本実施形態の光学材料用重合性組成物を硬化させた成形体は、発色後の380nmにおける光線透過率を通常8%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは2%以下まで抑制することができる。本実施形態の樹脂成形体は、このような優れた紫外線カット機能とともに光応答性の速いフォトクロミック性能を備え、さらに高い屈折率及び高い透明性を備えており、プラスチックレンズ等の各種光学材料に使用することが可能である。特に、プラスチック眼鏡レンズやプラスチック偏光レンズとして好適に用いることができる。
本実施形態のプラスチックレンズの製造方法は、光学材料用重合性組成物を注型重合することによりレンズ基材を形成する工程を含む。
[プラスチック眼鏡レンズ]
本実施形態の成形体からなるレンズ基材を用いたプラスチック眼鏡レンズは必要に応じて、片面又は両面にコーティング層を施して用いてもよい。
本実施形態のプラスチック眼鏡レンズは、上述の重合性組成物からなるレンズ基材とコーティング層とからなる。
コーティング層として、具体的には、プライマー層、ハードコート層、反射防止層、防曇コート層、防汚染層、撥水層等が挙げられる。これらのコーティング層はそれぞれ単独で用いることも複数のコーティング層を多層化して使用することもできる。両面にコーティング層を施す場合、それぞれの面に同様なコーティング層を施しても、異なるコーティング層を施してもよい。
これらのコーティング層はそれぞれ、赤外線から目を守る目的で赤外線吸収剤、レンズの耐候性を向上する目的で光安定剤や酸化防止剤、フォトクロ化合物、レンズのファッション性を高める目的で染料や顔料、帯電防止剤、その他、レンズの性能を高めるための公知の添加剤を併用してもよい。
塗布によるコーティングを行う層に関しては塗布性の改善を目的とした各種レベリング剤を使用してもよい。
プライマー層は通常、後述するハードコート層とレンズとの間に形成される。プライマー層は、その上に形成するハードコート層とレンズとの密着性を向上させることを目的とするコーティング層であり、場合により耐衝撃性を向上させることも可能である。プライマー層には得られたレンズに対する密着性の高いものであればいかなる素材でも使用できるが、通常、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、メラニン系樹脂、ポリビニルアセタールを主成分とするプライマー組成物などが使用される。プライマー組成物は組成物の粘度を調整する目的でレンズに影響を及ぼさない適当な溶剤を用いてもよい。無論、無溶剤で使用してもよい。
プライマー層は塗布法、乾式法のいずれの方法によっても形成することができる。塗布法を用いる場合、プライマー組成物を、スピンコート、ディップコートなど公知の塗布方法でレンズに塗布した後、固化することによりプライマー層が形成される。乾式法で行う場合は、CVD法や真空蒸着法などの公知の乾式法で形成される。プライマー層を形成するに際し、密着性の向上を目的として、必要に応じてレンズの表面は、アルカリ処理、プラズマ処理、紫外線処理などの前処理を行っておいてもよい。
ハードコート層は、レンズ表面に耐擦傷性、耐摩耗性、耐湿性、耐温水性、耐熱性、耐候性等機能を与えることを目的としたコーティング層である。
ハードコート層は、一般的には硬化性を有する有機ケイ素化合物とSi,Al,Sn,Sb,Ta,Ce,La,Fe,Zn,W,Zr,In及びTiの元素群から選ばれる元素の酸化物微粒子の1種以上および/またはこれら元素群から選ばれる2種以上の元素の複合酸化物から構成される微粒子の1種以上を含むハードコート組成物が使用される。
ハードコート組成物には上記成分以外にアミン類、アミノ酸類、金属アセチルアセトネート錯体、有機酸金属塩、過塩素酸類、過塩素酸類の塩、酸類、金属塩化物および多官能性エポキシ化合物の少なくともいずれかを含むことが好ましい。ハードコート組成物にはレンズに影響を及ぼさない適当な溶剤を用いてもよいし、無溶剤で用いてもよい。
ハードコート層は、通常、ハードコート組成物をスピンコート、ディップコートなど公知の塗布方法で塗布した後、硬化して形成される。硬化方法としては、熱硬化、紫外線や可視光線などのエネルギー線照射による硬化方法等が挙げられる。干渉縞の発生を抑制するため、ハードコート層の屈折率は、レンズとの屈折率の差が±0.1の範囲にあるのが好ましい。
反射防止層は、通常、必要に応じて前記ハードコート層の上に形成される。反射防止層には無機系および有機系があり、無機系の場合、SiO、TiO等の無機酸化物を用い、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビ−ムアシスト法、CVD法などの乾式法により形成される。有機系の場合、有機ケイ素化合物と、内部空洞を有するシリカ系微粒子とを含む組成物を用い、湿式により形成される。
反射防止層は単層および多層があり、単層で用いる場合はハードコート層の屈折率よりも屈折率が少なくとも0.1以上低くなることが好ましい。効果的に反射防止機能を発現するには多層膜反射防止膜とすることが好ましく、その場合、低屈折率膜と高屈折率膜とを交互に積層する。この場合も低屈折率膜と高屈折率膜との屈折率差は0.1以上であることが好ましい。高屈折率膜としては、ZnO、TiO、CeO、Sb、SnO、ZrO、Ta等の膜があり、低屈折率膜としては、SiO膜等が挙げられる。
反射防止層の上には、必要に応じて防曇層、防汚染層、撥水層を形成させてもよい。防曇層、防汚染層、撥水層を形成する方法としては、反射防止機能に悪影響をもたらすものでなければ、その処理方法、処理材料等については特に限定されずに、公知の防曇処理方法、防汚染処理方法、撥水処理方法、材料を使用することができる。例えば、防曇処理方法、防汚染処理方法では、表面を界面活性剤で覆う方法、表面に親水性の膜を付加して吸水性にする方法、表面を微細な凹凸で覆い吸水性を高める方法、光触媒活性を利用して吸水性にする方法、超撥水性処理を施して水滴の付着を防ぐ方法などが挙げられる。また、撥水処理方法では、フッ素含有シラン化合物等を蒸着やスパッタによって撥水処理層を形成する方法や、フッ素含有シラン化合物を溶媒に溶解したあと、コーティングして撥水処理層を形成する方法等が挙げられる。
[プラスチック偏光レンズ]
本実施形態のプラスチック偏光レンズは、偏光フィルムと、前記偏光フィルムの少なくとも一方の面に形成された、本実施形態の光学材料用重合性組成物を硬化させた成形体からなる基材層と、を備える。
本実施形態における偏光フィルムは、熱可塑性樹脂から構成することができる。熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポリカーボネート、熱可塑性ポリオレフィン、熱可塑性ポリイミド等を挙げることができる。耐水性、耐熱性および成形加工性の観点から、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポリカーボネートが好ましく、熱可塑性ポリエステルがより好ましい。
熱可塑性ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及びポリブチレンテレフタレート等を挙げることができ、耐水性、耐熱性および成形加工性の観点からポリエチレンテレフタレートが好ましい。
偏光フィルムとして、具体的には、二色性染料含有熱可塑性ポリエステル偏光フィルム、ヨウ素含有ポリビニルアルコール偏光フィルム、二色性染料含有ポリビニルアルコール偏光フィルム等が挙げられる。
偏光フィルムは乾燥、安定化のため加熱処理を施したうえで使用してもよい。
さらに、偏光フィルムは、アクリル系樹脂との密着性を向上させるために、プライマーコーティング処理、薬品処理(ガス又はアルカリ等の薬液処理)、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、粗面化処理、火炎処理などから選ばれる1種又は2種以上の前処理を行った上で使用してもよい。このような前処理のなかでも、プライマーコーティング処理、薬品処理、コロナ放電処理、プラズマ処理から選ばれる1種又は2種以上が特に好ましい。
本実施形態のプラスチック偏光レンズは、このような偏光フィルムの少なくとも一方の面上に、本実施形態の光学材料用重合性組成物を硬化させて得られる基材層を設けることにより得ることができる。
プラスチック偏光レンズの製造方法は、特に限定されないが、好ましくは注型重合法を挙げることできる。
本実施形態のプラスチック偏光レンズの製造方法は、例えば、
偏光フィルムを、モールドから離隔した状態でレンズ注型用鋳型内に固定する工程と、
前記偏光フィルムと、前記モールドとの間に形成される空隙の少なくとも一方に前記光学材料用重合性組成物を注入する工程と、
前記光学材料用重合性組成物を重合硬化して、前記偏光フィルムの少なくとも一方の面に基材層を積層する工程と、を含むことができる。
レンズ注型用鋳型は、ガスケットで保持された2個の略円盤状のガラス製のモールドから構成されるものが一般的である。このレンズ注型用鋳型の空間内に、偏光フィルムを、フィルム面が対向するフロント側のモールド内面と平行となるように設置する。偏光フィルムとモールドとの間には、空隙部が形成される。なお、偏光フィルムは予め附形されていてもよい。
光学材料用重合性組成物の重合条件は、重合性組成物の組成、触媒の種類と使用量、モールドの形状等によって条件が異なるが、5〜140℃の温度で1〜50時間かけて行われる。場合によっては、5〜130℃の温度範囲で保持または徐々に昇温して、1〜25時間で硬化させることが好ましい。
重合により硬化した積層体を鋳型より離型して、本実施形態のプラスチック偏光レンズを得ることができる。
本実施形態において、重合・離型後の積層体は、必要に応じて、アニール等の加熱処理を行ってもよい。処理温度は、本発明の効果の観点から、90〜150℃の間で行われるが、110〜130℃で行うことが好ましく、115〜125℃で行うことがより好ましい。処理時間は、本発明の効果の観点から、1〜10時間、好ましくは2〜5時間の範囲である。
なお、得られた基材層の表面には、プラスチック眼鏡レンズと同様な前記コーティング層を形成してもよい。
本実施形態においては、光学材料用重合性組成物からなる基材を含むプラスチック眼鏡レンズ等により説明したが、フォトクロミック化合物および紫外線吸収剤を含まない基材上に、本実施形態の光学材料用重合性組成物からなる層を設けることもできる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の様々な構成を採用することができる。
以下に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、硬化樹脂からなる成形体およびプラスチックレンズの評価は以下の方法により実施した。
・発色時透過率:2mm厚に加工した成形体にウシオ電機MS−35AAF/FBキセノンランプ光源装置を用いて温度23℃、照度50000ルクスで15分間照射した後の極大吸収波長λmaxにおける透過率T%を測定した。この透過率が小さいほど発色時の遮光性が高いことを示す。
・消色半減速度τ:発色時透過率測定と同様に成形体に15分間光線照射した後、光線照射を止めてから成形体サンプルの極大吸収波長における吸光度が発色前後の吸光度の中間値まで回復するのに要する時間(秒)を測定した。この時間を消色半減速度として退色速度の指標とした。
発色時透過率が低く、退色速度が速い成形体を調光性能が良好と判断する。
・透明性:2mm厚に加工した成形体を暗所にてプロジェクターに照射して曇りの有無を目視にて判断した。曇りが確認されないものを「〇」、わずかに確認されるものを「△」、明所で見ても明らかに曇りが確認されるものを「×」とした。
[実施例1]
2,5(2,6)−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン39.8重量部にフォトクロミック化合物として、表−1に記載された化合物0.05重量部、紫外線吸収剤としてHostavin PR−25を0.3重量部加え、混合撹拌して溶解し、さらにジオール化合物としてアデカ社製プルロニックL−64(数平均分子量2900のポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマー)5.8重量部を加え、20℃で30分間、激しく撹拌した。ここに内部離型剤としてブトキシエチルアシッドホスフェートを0.3重量部、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン24.9重量部、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)23.0重量部、さらに、2,5(2,6)−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン10重量部にジメチルチンジクロリド0.04重量部を溶解した溶液を加えて混合、撹拌を続け、均一な溶液とした。
その後この溶液を真空ポンプに接続し、撹拌しながら発泡が落ち着くまで40分間脱気した。
さらにこの溶液をガラスモールドとテープからなる型へ注型し、これをオーブンに投入して30℃から120℃まで徐々に昇温する温度プログラムで14時間かけて重合させた。その後オーブンから型を取り出し、テープとガラスモールドをはずして、直径80mm、厚さ2mmの円盤状成型体を得た。
成形体は無色透明であり、太陽光線下に置くと直ちに紫色に着色し、光線を遮断すると消色するという良好な調光性能を有するものであった。この成形体の調光性能を評価した結果は表−1の通りであり、基材、及び、フォトクロミック化合物の分子構造が本発明の要件を満たしているため、極大吸収波長(λmax:565nm)での発色時の光線透過率が18.7%、消色半減速度が36秒という良好な結果を示した。
[実施例2]
フォトクロミック化合物の種類を表−1に記載の化合物に変更した以外は、実施例1と同様にモノマー溶液を調製し、この溶液から円盤状成型体を製造した。
成形体は無色透明であり、太陽光線下に置くと直ちに着色し、光線を遮断すると消色するという良好な調光性能を有するものであった。この成形体の調光性能を評価した結果は表−1の通りであり、基材、及び、フォトクロミック化合物の分子構造が本発明の要件を満たしているため、極大吸収波長(λmax:455nm)での発色時の光線透過率が18.9%、消色半減速度が50秒という良好な結果を示した。
[比較例1]
フォトクロミック化合物の種類を表−1に記載の化合物に変更した以外は、実施例1と同様にモノマー溶液を調製し、この溶液から円盤状成型体を製造した。
成形体は太陽光線下に置くと直ちに着色し、光線を遮断すると消色するという調光性能を有するものであったが、フォトクロミック化合物の分子構造が本発明の要件であるChainの構造を有していないため、極大吸収波長(λmax:455nm)での発色時の光線透過率が17.5%、消色半減速度が51秒となり、同じPC構造の実施例2と比較して大きく性能が劣る結果となった。また、フォトクロミック化合物の分子構造が本発明の要件であるChain構造とは異なるため白濁を生じており、光学材料としては使用できないものであった。
Figure 2019215450
表−1に記載のフォトクロミック化合物は以下のとおりである。
・化学式
Type(2):PC−L−Chain−L−PC
・上記化学式におけるL
一般式(9)で表される基
・上記化学式におけるPC
(a)Reversacol Wembley Greyと同一構造
(b)Reversacol Heath Greenと同一構造
・上記化学式におけるChain
PPG:ポリプロピレングリコール
PSiO:ポリジメチルシロキサン
表−1中、これらの略称の後に記載された数字は分子量を示す。

Claims (9)

  1. (A)ポリイソシアネート化合物と、
    (B)2官能以上の活性水素化合物と、
    (C)下記一般式(i)で表される化合物と、
    (D)下記一般式(1)および下記一般式(2)で表される化合物から選択される少なくとも1種である、フォトクロミック化合物と、を含む、光学材料用重合性組成物。
    Figure 2019215450
    (一般式(i)中、A、Aはそれぞれ異なるポリマー鎖を表す。Rはn価の有機基であり、Rは2種類のポリマー鎖を連結する連結基であり、Rは有機基である。nは1〜6の整数である。)
    PC-L-Chain (1)
    PC-L-Chain-L'-PC' (2)
    (式(1)または式(2)中、PCとPC'は一般式(3)〜(6)で表される化合物から誘導される1価の基を示す。PCとPC'は同一でも異なっていてもよい。
    LとL'は、オキシエチレン鎖、オキシプロピレン鎖、(チオ)エステル基、(チオ)アミド基から選択される1種以上を含む2価の有機基を示す。Chainは、ポリプロピレン鎖を示す。)
    Figure 2019215450
    (式(3)〜(6)中、R〜R18は、水素、ハロゲン原子、カルボキシル基、アセチル基、ホルミル基、置換されてもよいC1〜C20の脂肪族基、置換されてもよいC3〜C20の脂環族基、または置換されてもよいC6〜C20の芳香族有機基を示し、それぞれ同一でも異なってもよい。これら脂肪族基、脂環族基または芳香族有機基は、酸素原子、窒素原子を含んでもよい。一般式(3)〜(6)で表される化合物に含まれる、いずれか1つの基は、2価の有機基であるLまたはL'と結合する。)
  2. ポリイソシアネート化合物(A)は、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、およびジフェニルメタンジイソシアネートから選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の光学材料用重合性組成物。
  3. 2官能以上の活性水素化合物(B)は、グリセリン、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、およびトリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)から選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の光学材料用重合性組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の光学材料用重合性組成物を硬化させた成形体。
  5. 請求項4に記載の成形体からなる光学材料。
  6. 請求項4に記載の成形体からなるプラスチックレンズ。
  7. 偏光フィルムと、
    前記偏光フィルムの少なくとも一方の面上に形成された、請求項4に記載の成形体からなる基材層と、を備えるプラスチック偏光レンズ。
  8. (A)ポリイソシアネート化合物と、
    (B)2官能以上の活性水素化合物と、
    (C)下記一般式(i)で表される化合物と、
    (D)下記一般式(1)および下記一般式(2)で表される化合物から選択される少なくとも1種である、フォトクロミック化合物と、
    を一括混合して、光学材料用重合性組成物を調製する工程と、
    前記光学材料用重合性組成物を注型重合することによりレンズ基材を形成する工程を含む、プラスチックレンズの製造方法。
    Figure 2019215450
    (一般式(i)中、A、Aはそれぞれ異なるポリマー鎖を表す。Rはn価の有機基であり、Rは2種類のポリマー鎖を連結する連結基であり、Rは有機基である。nは1〜6の整数である。)
    PC-L-Chain (1)
    PC-L-Chain-L'-PC' (2)
    (式(1)または式(2)中、PCとPC'は一般式(3)〜(6)で表される化合物から誘導される1価の基を示す。PCとPC'は同一でも異なっていてもよい。
    LとL'は、オキシエチレン鎖、オキシプロピレン鎖、(チオ)エステル基、(チオ)アミド基から選択される1種以上を含む2価の有機基を示す。Chainは、ポリプロピレン鎖を示す。)
    Figure 2019215450
    (式(3)〜(6)中、R〜R18は、水素、ハロゲン原子、カルボキシル基、アセチル基、ホルミル基、置換されてもよいC1〜C20の脂肪族基、置換されてもよいC3〜C20の脂環族基、または置換されてもよいC6〜C20の芳香族有機基を示し、それぞれ同一でも異なってもよい。これら脂肪族基、脂環族基または芳香族有機基は、酸素原子、窒素原子を含んでもよい。一般式(3)〜(6)で表される化合物に含まれる、いずれか1つの基は、2価の有機基であるLまたはL'と結合する。)
  9. (A)ポリイソシアネート化合物と、
    (B)2官能以上の活性水素化合物と、
    (C)下記一般式(i)で表される化合物と、
    (D)下記一般式(1)および下記一般式(2)で表される化合物から選択される少なくとも1種である、フォトクロミック化合物と、を一括混合して、光学材料用重合性組成物を調製する工程と、
    偏光フィルムを、モールドから離隔した状態でレンズ注型用鋳型内に固定する工程と、
    前記偏光フィルムと、前記モールドとの間に形成される空隙の少なくとも一方に前記光学材料用重合性組成物を注入する工程と、
    前記光学材料用重合性組成物を重合硬化して、前記偏光フィルムの少なくとも一方の面に基材層を積層する工程と、
    を含む、プラスチック偏光レンズの製造方法。
    Figure 2019215450
    (一般式(i)中、A、Aはそれぞれ異なるポリマー鎖を表す。Rはn価の有機基であり、Rは2種類のポリマー鎖を連結する連結基であり、Rは有機基である。nは1〜6の整数である。)
    PC-L-Chain (1)
    PC-L-Chain-L'-PC' (2)
    (式(1)または式(2)中、PCとPC'は一般式(3)〜(6)で表される化合物から誘導される1価の基を示す。PCとPC'は同一でも異なっていてもよい。
    LとL'は、オキシエチレン鎖、オキシプロピレン鎖、(チオ)エステル基、(チオ)アミド基から選択される1種以上を含む2価の有機基を示す。Chainは、ポリプロピレン鎖を示す。)
    Figure 2019215450
    (式(3)〜(6)中、R〜R18は、水素、ハロゲン原子、カルボキシル基、アセチル基、ホルミル基、置換されてもよいC1〜C20の脂肪族基、置換されてもよいC3〜C20の脂環族基、または置換されてもよいC6〜C20の芳香族有機基を示し、それぞれ同一でも異なってもよい。これら脂肪族基、脂環族基または芳香族有機基は、酸素原子、窒素原子を含んでもよい。一般式(3)〜(6)で表される化合物に含まれる、いずれか1つの基は、2価の有機基であるLまたはL'と結合する。)
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