JP2019215090A - 機器温調装置 - Google Patents

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功嗣 三浦
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康光 大見
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Abstract

【課題】サーモサイフォン方式の機器温調装置において、放熱量調整部の放熱能力が低下したときでも冷却能力が低下し難い構成を提供する。【解決手段】放熱量調整部(すなわち、第1冷凍サイクル31)によって作動流体の放熱量が調整される機器温調装置1において、以下の構成とする。機器温調装置1において、機器用熱交換器2aと、ガス通路部2bと、凝縮器2cと、液通路部2dとを含んで構成される環状の機器用流体回路を有する構成とする。そして、機器温調装置1の機器用流体回路2において、作動流体の冷熱および放熱量調整部が提供する熱媒体の冷熱の少なくとも一方を蓄積する蓄冷剤CSを有する構成とする。【選択図】図4

Description

本発明は、温調対象機器の温度を調整可能な機器温調装置に関する。
従来、温調対象機器を冷却する冷却装置として、ループ型のサーモサイフォン方式の冷却装置が知られている。この種の冷却装置としては、特許文献1に記載のものがある。
特許文献1に記載の機器温調装置は、機器用熱交換器、ガス通路部、凝縮器、および液通路部を含んで構成される環状の機器用流体回路を備えている。また、この機器温調装置は、凝縮器の内部に存する作動媒体と熱交換して該作動媒体を放熱させるための熱媒体(例えば、送風空気)を該凝縮器に供給することで作動流体の放熱量を調整する放熱量調整部(例えば、送風機)を備えている。機器用熱交換器は、温調対象機器から吸熱して液状の作動流体を蒸発させる熱交換器である。凝縮器は、機器用熱交換器よりも上方に配置され、機器用熱交換器にて蒸発したガス状の作動流体を凝縮させる熱交換器である。凝縮器は、該凝縮器の内部に存する作動媒体を、放熱量調整部から供給される熱媒体と熱交換させることで放熱させ、凝縮させる。ガス通路部は、機器用熱交換器にて蒸発したガス状の作動流体を凝縮器に導く通路部材である。液通路部は、凝縮器にて凝縮した液状の作動流体を機器用熱交換器に導く通路部材である。すなわち、この機器温調装置は、機器用流体回路において作動流体を循環させることで該作動流体の蒸発および凝縮による熱移動を行うヒートパイプである。この機器温調装置は、ガス状の作動流体が流れる流路と液状の作動流体が流れる流路とが分離されたループ型のサーモサイフォンとなるように構成されている。尚、この機器温調装置では、機器用流体回路において、機器用熱交換器、ガス通路部、凝縮器、液通路部の順に作動流体が流れる。また、機器用流体回路において、この順(すなわち、機器用熱交換器、ガス通路部、凝縮器、液通路部の順)に作動流体が流れる方向が、順方向である。
特開2012−9646号公報
特許文献1のようなサーモサイフォン方式の機器温調装置においては、諸事情により上記の放熱量調整部の放熱能力が低下し、これにより凝縮器の凝縮能力が低下することがある。特に、車両に搭載され、車載機器(例えば、電池などの電子機器)を冷却する機器温調装置においては、様々な事情により放熱量調整部の放熱能力が低下することがある。具体的には、例えば、放熱量調整部としてエンジンルームに設置される送風機が用いられる場合には、車速が低下したときに、送風機による風量も低下することで凝縮器の凝縮能力も低下し、十分に凝縮が行われなくなる。このとき、凝縮器の凝縮能力が低下することにより、順方向の作動流体の流量が減少することで、順方向の流れが維持され難い事態が生じ、機器温調装置の冷却能力が著しく低下する。また、一度このように順方向が維持され難い状態となると、再度、放熱量調整部の放熱能力を回復させたとしても、機器温調装置の冷却能力が元の状態と同程度に回復するまでに時間(例えば、数十秒)を要することとなってしまう。この結果、機器温調装置における全体的な冷却能力(すなわち、所定時間当たりに得られる総冷却能力)が著しく低下してしまう。また、別の例として、放熱量調整部として車室内に空調風を提供する車両用空調装置の冷凍サイクルが用いられる場合には、例えば車速の低下に対応して圧縮機の回転数上限を低下させるなど、諸制御などによって該冷凍サイクルの圧縮機の回転数上限が低下したときにも、凝縮器の凝縮能力が低下し、上記と同様の理由から冷却能力が著しく低下してしまう。
本発明は上記点に鑑みて、サーモサイフォン方式の機器温調装置において、放熱量調整部の放熱能力が低下したときでも冷却能力が低下し難い構成を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示の1つの観点によれば、温調対象機器(BP)を冷却可能な機器温調装置において、以下の構成とする。すなわち、機器温調装置において、機器用熱交換器(2a)と、ガス通路部(2b)と、凝縮器(2c)と、液通路部(2d)とを含んで構成される環状の機器用流体回路を有する構成とする。機器用熱交換器は、温調対象機器から吸熱して液状の作動流体を蒸発させることで温調対象機器を冷却するものである。ガス通路部は、機器用熱交換器にて蒸発したガス状の作動流体を凝縮器に導くものである。凝縮器は、機器用熱交換器よりも上方に配置され、機器用熱交換器にて蒸発したガス状の作動流体を凝縮させるものである。液通路部は、凝縮器にて凝縮した液状の作動流体を機器用熱交換器に導くものである。また、この機器温調装置は、放熱量調整部(31、BF)によって、作動流体の放熱量が調整される。放熱量調整部は、熱媒体を凝縮器に供給することで該熱媒体と前記凝縮器の内部に存する作動流体とで熱交換させるものである。そして、この機器温調装置において、機器用流体回路に配置され、作動流体の冷熱および上記熱媒体の冷熱の少なくとも一方を蓄積する蓄冷剤を有する構成とする。
この機器温調装置によれば、放熱量調整部の放熱能力が低下したときでも、蓄冷剤に蓄積された冷熱が作動流体に伝わることで、作動流体が冷却されて凝縮され易くなる。そして、作動流体が凝縮し易くなることで、機器用流体回路における作動流体の順方向の流れが維持され易くなり、ひいては機器温調装置の冷却能力が維持され易くなる。つまり、機器用流体回路に蓄冷剤が配置されていることで、放熱量調整部の放熱能力が低下したときでも冷却能力が低下せずに維持され易くなる。
尚、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態に係る機器温調装置の模式的な全体構成図である。 組電池の入出力特性を説明するための説明図である。 図1に示す機器温調装置の機器用熱交換器の内部を示す模式図である。 図1に示す機器温調装置の凝縮器の全体構成を示す図である。 圧縮機が停止したときにおいて、蓄冷剤を有する場合と有しない場合の各々の機器温調装置の冷却性能の変化を示す図である。 圧縮機の回転数の上限が低下したときにおいて、蓄冷剤を有する場合と有しない場合の各々の機器温調装置の冷却性能の変化を示す図である。 冷凍サイクルの冷却能力が第2冷凍サイクルに優先的に使用されるときにおいて、蓄冷剤を有する場合と有しない場合の各々の機器温調装置の冷却性能の変化を示す図である。 第2実施形態に係る機器温調装置の模式的な全体構成図である。 車速が低下したときにおいて、蓄冷剤を有する場合と有しない場合の各々の機器温調装置の冷却性能の変化を示す図である。 グリルシャッターが作動したときにおいて、蓄冷剤を有する場合と有しない場合の各々の機器温調装置の冷却性能の変化を示す図である。 送風機を車室内に設置したときにおいて、蓄冷剤を有する場合と有しない場合の各々の機器温調装置の冷却性能の変化を示す図である。 他の実施形態に係る機器温調装置の模式的な全体構成図である。 別の他の実施形態に係る機器温調装置の模式的な全体構成図である。
以下、本開示の実施形態について図に基づいて説明する。尚、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
本開示の第1実施形態に係る機器温調装置1について図1〜図7を参照して説明する。機器温調装置1は、温調対象機器BPを冷却可能な機器である。本実施形態では、車両に搭載された組電池BPの電池温度を調節する装置として図1に示す機器温調装置1を適用した例について、説明する。機器温調装置1を搭載する車両としては、組電池BPを電源とする不図示の走行用電動モータによって走行可能な電気自動車、ハイブリッド自動車等が想定されている。
図1に示すように、組電池BPは、直方体形状の複数の電池セルBCを積層配置した積層体で構成されている。組電池BPを構成する複数の電池セルBCは、電気的に直列に接続されている。組電池BPを構成する各電池セルBCは、充放電可能な二次電池(例えば、リチウムイオン電池、鉛蓄電池)で構成されている。尚、電池セルBCは、直方体形状に限らず、円筒形状等の他の形状を有していても良い。また、組電池BPは、電気的に並列に接続された電池セルBCを含んで構成されていても良い。
組電池BPは、不図示の電力変換装置およびモータジェネレータに接続されている。この電力変換装置は、例えば、組電池BPから供給された直流電流を交流電流に変換し、変換した交流電流を走行用電動モータ等の各種電気負荷に対して供給(すなわち、放電)する装置である。また、モータジェネレータは、車両の回生時に、車両の走行エネルギを電気エネルギに逆変換し、逆変換した電気エネルギを回生電力として電力変換装置等を介して組電池BPに対して供給する装置である。
組電池BPは、車両の走行中の電力供給等を行うと、自己発熱することで過度に高温になることがある。組電池BPが過度に高温になると、図2に示すように、電池セルBCの劣化が促進されることから、自己発熱が少なくなるように出力および入力を制限する必要がある。このため、電池セルBCの出力および入力を確保するためには、所定の温度以下に維持するための冷却手段が必要となる。
また、組電池BPは、夏季における駐車中等にも組電池BPの電池温度が過度に高温となることがある。すなわち、組電池BPを含む蓄電装置は、車両の床下やトランクルームの下側に配置されることが多く、車両の走行中に限らず、夏季における駐車中等にも組電池BPの電池温度が徐々に上昇して、組電池BPが過度に高温となることがある。組電池BPが高温環境下で放置されると、劣化が進行することで電池寿命が大幅に低下することから、車両の駐車中等にも組電池BPの電池温度を所定の温度以下に維持することが望まれている。
さらに、組電池BPは、各電池セルBCの温度にバラツキがあると、各電池セルBCの劣化の進行度合いに偏りが生じて、組電池BP全体の入出力特性が低下してしまう。これは、組電池BPが電池セルBCの直列接続体を含んでいることで、各電池セルBCのうち、最も劣化が進行した電池セルBCの電池特性に応じて組電池BP全体の入出力特性が決まるからである。このため、組電池BPを長期間、所望の性能を発揮させるためには、各電池セルBCの温度バラツキを低減させる均温化が重要となる。
ここで、組電池BPを冷却する冷却手段としては、送風機による空冷式の冷却手段、蒸気圧縮式の冷凍サイクルの冷熱を利用した冷却手段が一般的となっている。ところが、送風機を用いた空冷式の冷却手段は、車室内の空気等を組電池に送風するだけであるため、組電池BPを充分に冷却するだけの冷却能力が得られないことがある。また、冷凍サイクルの冷熱を利用した冷却手段は、組電池BPを冷却する能力は高いものの、車両の駐車中に、電力消費量の多い圧縮機等を駆動させることが必要となる。このことは、電力消費量の増大、騒音の増大等を招くことになるため好ましくない。
そこで、本実施形態の機器温調装置1では、圧縮機による冷媒の強制循環ではなく、作動流体の自然循環によって組電池BPの電池温度を調整するサーモサイフォン方式を採用している。
機器温調装置1は、車両に搭載された組電池BPを温調対象機器として、組電池BPの電池温度を調整する装置である。図1に示すように、機器温調装置1は、作動流体が循環する環状の機器用流体回路2および冷凍サイクル3を備えている。機器用流体回路2は、作動流体の蒸発および凝縮により熱移動を行うヒートパイプである。機器用流体回路2は、ガス状の作動流体が流れる流路と液状の作動流体が流れる流路とが分離されたループ型のサーモサイフォンとなるように構成されている。機器用流体回路2を循環する作動流体としては、蒸気圧縮式の冷凍サイクルで利用される冷媒(例えば、R134a、R1234yf)等を採用することができる。
次に、機器用流体回路2の詳細について説明する前に、冷凍サイクル3について説明する。図1に示すように、冷凍サイクル3は、圧縮機3a、凝縮器3b、膨張弁3c、膨張弁3d、蒸発器3e、および冷媒側熱交換器HECを有している。具体的には、冷凍サイクル3は、圧縮機3a、凝縮器3b、膨張弁3c、冷媒側熱交換器HECを含んで構成されている冷凍サイクル(以下、第1冷凍サイクルと称する)31を有している。また、冷凍サイクル3は、圧縮機3a、凝縮器3b、膨張弁3d、蒸発器3eを含んで構成されている冷凍サイクル(以下、第2冷凍サイクルと称する)32を有している。すなわち、冷凍サイクル3は、第1冷凍サイクル31および第2冷凍サイクル32を含む構成とされている。第1冷凍サイクル31は、圧縮機3aによって作動し、後述の凝縮器2c(すなわち、機器用流体回路2の凝縮器2c)の内部に存する作動流体を冷却する熱媒体(すなわち、冷媒)を流すための冷媒流路31aを有する。この熱媒体は、機器用流体回路2の凝縮器2cの内部に存する作動流体との間で熱交換することで該作動流体を冷却する冷媒である。本実施形態では、冷凍サイクル3における圧縮機3aの回転数が増減することで、機器用流体回路2の凝縮器2cにおける放熱量が変化する。第2冷凍サイクル32は、不図示の車両用空調装置に含まれている冷凍サイクルであり、圧縮機3aによって作動し、該車両用空調装置が提供する冷風を生成する。この熱媒体としては、従来から蒸気圧縮式の冷凍サイクルで利用される種々の冷媒(例えば、R134a、R1234yf)を採用することができる。本実施形態では、第1冷凍サイクル31および第2冷凍サイクル32は、このように、車両用空調装置の一部として、一体に構成されている。
すなわち、冷媒流路31aは、熱媒体流路に相当する。また、第1冷凍サイクル31は、熱媒体を凝縮器2cに供給することで機器用流体回路2の凝縮器2cの内部に存する作動流体の放熱量を調整する放熱量調整部に相当する。また、本実施形態では、放熱量調整部(すなわち、第1冷凍サイクル31)は、冷凍サイクル3の限られた総冷却能力を、車両用空調装置の冷風を生成する冷風生成部(すなわち、第2冷凍サイクル32)と種々の配分で分け合いつつ、発揮する。
次に、機器用流体回路2の詳細について説明する。図1に示すように、機器用流体回路2は、機器用熱交換器2a、ガス通路部2b、凝縮器2c、および液通路部2dを含んで構成されている。また、図4に示すように、機器用流体回路2には、蓄冷剤CSが備えられている。蓄冷剤CSの詳細については後述する。尚、図1、図3、図4に示す矢印DRgは、鉛直線の延びる方向、すなわち鉛直方向を示している。
本実施形態の機器用流体回路2は、機器用熱交換器2a、ガス通路部2b、凝縮器2c、および液通路部2dが互いに接続されることによって、閉じられた環状の流体回路として構成されている。機器用流体回路2は、その内部を真空排気した状態で、所定量の作動流体が封入されている。尚、本実施形態の機器用流体回路2においては、作動流体が、機器用熱交換器2a、ガス通路部2b、凝縮器2c、液通路部2dの順に流れる。以下、機器用流体回路2における作動流体のこの流れ方向を、順方向と称する。
機器用熱交換器2aは、温調対象機器である組電池BPの冷却時に、組電池BPから吸熱して液状の作動流体を蒸発させる機器用熱交換器として機能する熱交換器である。機器用熱交換器2aは、組電池BPの底面部側に対向する位置に配置されている。機器用熱交換器2aは、厚みの薄い扁平な直方体形状を有している。
機器用熱交換器2aは、組電池BPの底面部に近接する機器近接部2aaが、組電池BPと機器用熱交換器2aとの間で熱を移動させる伝熱部を構成している。機器近接部2aaは、組電池BPを構成する各電池セルBCに温度分布が生じないように、組電池BPの底面部の全域を覆う大きさを有している。機器用熱交換器2aは、組電池BPとの間で熱移動可能なように、機器近接部2aaが組電池BPの底面部に接触している。尚、機器用熱交換器2aは、組電池BPとの間で熱移動可能であれば、機器近接部2aaが組電池BPの底面部から離れた配置構成となっていても良い。
ここで、機器用熱交換器2aにおける作動流体の液面が機器用熱交換器2aの機器近接部2aaから離れている場合、組電池BPの熱が、機器用熱交換器2aの内部の液状の作動流体に伝わり難くなってしまう。すなわち、機器用熱交換器2aにおける作動流体の液面が機器用熱交換器2aの機器近接部2aaから離れている場合、機器用熱交換器2aの内部に存する液状の作動流体の蒸発が抑制されてしまう。このため、本実施形態の機器用流体回路2は、組電池BPの熱が機器用熱交換器2aの内部に存する液状の作動流体に伝達されるように、作動流体の液面が機器用熱交換器2aの機器近接部2aaに接する構成となっている。すなわち、本実施形態の機器用流体回路2は、組電池BPの冷却時において、機器用熱交換器2aの内部空間が、気泡を含む液状の作動流体で満たされる構成となっている。例えば、図3に示すように、機器用熱交換器2aが中空状の容器で構成されている場合、組電池BPの冷却時において、機器用熱交換器2aの内部に存する作動流体の液面LSが、組電池BPに近接する機器近接部2aaに接する構成となっている。尚、機器用熱交換器2aは、中空状の容器に限らず、熱交換チューブ等により複数の流路が形成される構成となっていても良い。
図1に示すように、機器用熱交換器2aは、ガス通路部2bの下方側の端部が接続されるガス出口部2ab、および液通路部2dの下方側の端部が接続される液入口部2acを有している。本実施形態の機器用熱交換器2aでは、ガス出口部2abおよび液入口部2acが互いに対向する側面部に設けられている。また、本実施形態の機器用熱交換器2aは、ガス出口部2abおよび液入口部2acが、鉛直方向DRgにおいて同様の高さとなる位置に設けられている。機器用熱交換器2aは、アルミニウム、銅等の熱伝導性に優れた金属または合金によって構成されている。尚、機器用熱交換器2aは、金属以外の材料によって構成することも可能であるが、少なくとも伝熱部を構成する機器近接部2aaを熱伝導性に優れた材料によって構成することが望ましい。
図1に示すように、ガス通路部2bは、機器用熱交換器2aにて蒸発したガス状の作動流体を凝縮器2cに導く通路部材である。ガス通路部2bは、下方側の端部が機器用熱交換器2aのガス出口部2abに接続され、上方側の端部が凝縮器2cの後述のガス入口部2caに接続されている。本実施形態のガス通路部2bは、内部に作動流体が流通する流路が形成された配管で構成されている。本実施形態のガス通路部2bは、凝縮器2cのガス入口部2caから上方側に向かって延びる上方側ガス通路部2bを含んで構成されている。換言すれば、本実施形態のガス通路部2bは、凝縮器2c側の部位の一部が凝縮器2cのガス入口部2caに向かって延びる通路部を含んで構成されている。本実施形態の上方側ガス通路部2bは、鉛直方向DRgに沿って上方に延びている。尚、図面に示すガス通路部2bは、あくまでも一例である。ガス通路部2bは、車両への搭載性を考慮して適宜変更可能である。
凝縮器2cは、機器用熱交換器2aにて蒸発したガス状の作動流体を凝縮させる熱交換器である。凝縮器2cは、第1冷凍サイクル31を流れる冷媒とガス状の作動流体とを熱交換させて、ガス状の作動流体を凝縮させる空冷式の熱交換器で構成されている。図1に示すように、凝縮器2cは、その内部で凝縮した液状の作動流体が自重によって機器用熱交換器2aに移動するように、鉛直方向DRgにおいて機器用熱交換器2aよりも上方に配置されている。凝縮器2cは、ガス通路部2bの上方側の端部が接続されるガス入口部2ca、および液通路部2dの上方側の端部が接続される液出口部2cbを有している。本実施形態の凝縮器2cでは、ガス入口部2caおよび液出口部2cbが鉛直方向において互いに対向する部位に設けられている。また、本実施形態の凝縮器2cは、鉛直方向DRgにおいてガス入口部2caが液出口部2cbよりも上方に位置するように設けられている。具体的には、本実施形態の凝縮器2cは、ガス入口部2caが凝縮器2cにおける上端部に設けられ、液出口部2cbが凝縮器2cにおける下端部に設けられている。凝縮器2cは、基本的には、アルミニウム、銅等の熱伝導性に優れた金属または合金によって構成されている。尚、凝縮器2cは、金属以外の材料を含んで構成されていても良いが、少なくとも空気と熱交換する部位については、熱伝導性に優れた材料によって構成することが望ましい。
具体的には、図4に示すように、凝縮器2cは、作動流体が流れる複数の流路部(以下、作動流体流路部と称する)P1と、第1冷凍サイクル31の一部であって第1冷凍サイクル31の冷媒が流れる複数の流路部(以下、冷媒流路部と称する)P2を有している。また、本実施形態に係る凝縮器2cには、複数の蓄冷剤CSが備えられている。複数の作動流体流路部P1の各々、複数の蓄冷剤CSの各々、および複数の冷媒流路部P2の各々は、鉛直方向(すなわち、図4における上下方向)に延びるように形成されている。複数の作動流体流路部P1の各々、複数の蓄冷剤CSの各々、および複数の冷媒流路部P2の各々は、図4における左右方向(すなわち、水平方向)の右から作動流体流路部P1、蓄冷剤CS、冷媒流路部P2、作動流体流路部P1、蓄冷剤CS、冷媒流路部P2、・・・の順に配置されている。複数の作動流体流路部P1の各々は、互いの間で作動流体が流通可能に、連通している。複数の冷媒流路部P2の各々は、互いの間で冷媒が流通可能に、連通している。
蓄冷剤CSは、作動流体の冷熱および第1冷凍サイクル31の冷媒の冷熱の少なくとも一方を蓄積するためのものである。この蓄冷剤CSは、特に材料等の構成が限定されるものではないが、パラフィンなどの公知の種々のものが採用され得る。例えば、この蓄冷剤CSを、アルミニウムなどの金属で構成された容器の中に詰め込んだ部材を用いても良い。尚、本実施形態では、蓄冷剤CSは、作動流体の冷熱および第1冷凍サイクル31の冷媒の冷熱の両方を蓄積できるように構成されている。すなわち、複数の蓄冷剤CSの各々は、複数のうち最も近い隣接する作動流体流路部P1を流れる作動流体と熱交換可能に、かつ複数のうち最も近い隣接する冷媒流路部P2を流れる冷媒と熱交換可能に配置されている。具体的には、複数の蓄冷剤CSの各々は、隣接する作動流体流路部P1と隣接する冷媒流路部P2の両方に接触して配置されている。
このように、本実施形態では、蓄冷剤CSは、機器用流体回路2において、順方向におけるガス通路部2bのうち最も上に位置する最上部よりも先であってガス出口部よりも手前に配置されている。また、本実施形態では特に、蓄冷剤CSは、機器用流体回路2において、ガス入口部2caよりも先であってガス出口部2abよりも手前に配置されている。また、本実施形態では特に、蓄冷剤CSは、作動流体との間に熱媒体流路(すなわち、冷媒流路31a)を介さずに、配置されている。また、本実施形態では特に、蓄冷剤CSは、凝縮器2cにおける作動流体の流路(すなわち、作動流体流路部P1)と熱媒体流路(すなわち、冷媒流路31a)との間に、配置されている。本実施形態では、蓄冷剤CSは、凝縮器2cと一体に構成されている。
本実施形態では、ガス入口部2caから流れ込んだガス状の作動流体は、図4中の矢印F1にて示すように、複数の作動流体流路部P1の各々に分配され、巨視的には上から下に向かって流れ、そののちに複数の作動流体流路部P1の各々の作動流体が集合した後に液出口部2cbから流れ出る。一方で、冷媒流路部P2を流れる冷媒は、図4中の矢印F2にて示すように、入口HECaより流入後、複数の冷媒流路部P2の各々に分配される。尚、この冷媒は、作動流体流路部P1を流れる作動流体の向きとは反対の向きに流れる。そののちに、複数の冷媒流路部P2の各々の冷媒は、集合した後に出口HECbより流れ出る。
本実施形態に係る機器温調装置1では、冷却モード時に、車両の走行時の自己発熱等によって組電池BPの電池温度が上昇すると、組電池BPの熱が機器用熱交換器2aに移動する。機器用熱交換器2aでは、組電池BPから吸熱することで液状の作動流体の一部が蒸発する。組電池BPは、機器用熱交換器2aの内部に存する作動流体の蒸発潜熱によって冷却され、その温度が低下する。機器用熱交換器2aにて蒸発したガス状の作動流体は、機器用熱交換器2aのガス出口部2abからガス通路部2bに流出し、図1の矢印Fcgで示すように、ガス通路部2bを介して凝縮器2cへ移動する。凝縮器2cでは、第1冷凍サイクル31を流れる冷媒に放熱することで、ガス状の作動流体が凝縮する。凝縮器2cの内部では、ガス状の作動流体が液化して作動流体の比重が増大する。これにより、凝縮器2cの内部で液化した作動流体は、その自重によって凝縮器2cの液出口部2cbに向かって下降する。凝縮器2cで凝縮した液状の作動流体は、凝縮器2cの液出口部2cbから液通路部2dに流出し、図1の矢印Fclで示すように、液通路部2dを介して機器用熱交換器2aへ移動する。そして、機器用熱交換器2aでは、液通路部2dを介して液入口部2acから流入した液状の作動流体の一部が組電池BPから吸熱することで蒸発する。このように、機器温調装置1は、冷却モード時に、作動流体がガス状態と液状態とに相変化しながら機器用熱交換器2aと凝縮器2cとの間を循環し、機器用熱交換器2aから凝縮器2cに熱が輸送されることで組電池BPが冷却される。機器温調装置1は、圧縮機等による作動流体の循環に要する駆動力がなくても、機器用流体回路2の内部を作動流体が自然循環する構成となっている。このため、機器温調装置1は、冷凍サイクル等に比べて、電力消費量および騒音の双方を抑えた効率の良い組電池BPの温度調整を実現することができる。
上記したように、本実施形態に係る機器温調装置1では、機器用流体回路2において、作動流体の冷熱および放熱量調整部が供給する冷媒(すなわち、第1冷凍サイクル31の冷媒)の冷熱の少なくとも一方を蓄積する蓄冷剤CSを有する。
このため、本実施形態に係る機器温調装置1では、放熱量調整部(すなわち、第1冷凍サイクル31)の放熱能力が低下したときでも、蓄冷剤CSに蓄積された冷熱が作動流体に伝わることで、作動流体が冷却されて凝縮され易くなる。これにより、機器用流体回路2における作動流体の順方向の流れが維持され易くなり、ひいては機器温調装置1の冷却能力が維持され易くなる。つまり、本実施形態に係る機器温調装置1では、機器用流体回路2に蓄冷剤CSが配置されていることで、放熱量調整部(すなわち、第1冷凍サイクル31)の放熱能力が低下したときにおいても、冷却能力が低下せずに維持され易くなる。
具体的には、図5に示すような効果が得られる。図5は、圧縮機3aの回転数が変化したときの機器温調装置1の冷却性能の変化を、蓄冷剤CSを有する場合と有しない場合とを比較しつつ、示している。
すなわち、図5に示すように、蓄冷剤CSを有しない場合においては、圧縮機3aが停止したとき、放熱量調整部(すなわち、第1冷凍サイクル31)の放熱能力が低下することで凝縮器2cの凝縮能力も低下し、ひいては機器温調装置1の冷却性能が低下する。これは、凝縮器2cの凝縮能力が低下することにより、順方向の作動流体の流量が減少することで、順方向の流れが維持されにくくなる事等に起因する。そして、のちに第1冷凍サイクル31の放熱能力が回復しても、機器温調装置1の冷却能力が元の状態と同程度に回復するまでに時間(例えば、数十秒)を要し、この結果、機器温調装置1における全体的な冷却能力(すなわち、所定時間当たりに得られる総冷却能力)が著しく低下する。これに対して、蓄冷剤CSを有する本実施形態の場合においては、圧縮機3aが停止する前(すなわち、図5の1以前)には、凝縮器2cにて第1冷凍サイクル31を流れる冷媒に放熱することで機器温調装置1の冷却性能が確保される。これとともに、第1冷凍サイクル31の冷熱が蓄冷材CSへ直接もしくは間接的に蓄積される。そののち、圧縮機3aが停止したとき(すなわち、図5の1)には、第1冷凍サイクル31内に冷媒が流れていないため凝縮器2cにて放熱することはできなくなるが、蓄冷剤CSに蓄積された冷熱が作動流体に伝わることで、十分に作動流体が凝縮され、機器温調装置1の冷却能力が維持される。そして、のちに圧縮機3aが再度駆動開始した場合(すなわち、図5の2)には、1の時に順方向の流れが維持されているため、蓄冷材CSを有しない場合に比べて冷却能力が元の状態と同程度に回復するまでに時間を要しない。本実施形態では、上述のような作動により、凝縮器2cの放熱能力が低下したときでも機器温調装置1の冷却性能が低下せずに維持され易くなり、全体的な冷却能力(すなわち、所定時間当たりに得られる総冷却能力)が上昇する。
また、圧縮機3aが完全に停止するときに限られず、圧縮機3aの回転数の上限が低下したときにおいても、蓄冷剤CSを有する本実施形態の機器温調装置1によれば、図6に示すように、基本的には上記と同様の効果が得られる。図6は、圧縮機3aの回転数の上限が低下したときの機器温調装置1の冷却性能の変化を、蓄冷剤CSを有する場合と有しない場合とを比較しつつ、示している。尚、圧縮機3aの回転数の上限が低下する状況とは、例えば、車速が低くなったときのNV(すなわち、騒音や振動)に対する要求を満たすために圧縮機3aの回転数の上限を低下させる制御が行われる場合である。また、車両が急加速するときに車両走行用電池の出力確保のために圧縮機3aの回転数の上限を低下させる制御が行われる場合である。また、電池の残容量が少ないときに圧縮機3aの回転数の上限を低下させる制御が行われる場合などである。
また、上記したように、本実施形態に係る機器温調装置1は、放熱量調整部(すなわち、第1冷凍サイクル31)が総冷却能力を第2冷凍サイクル32と分け合う構成である。このような構成においては、図7に示すように、冷凍サイクル3の冷却能力が第2冷凍サイクル32(すなわち、空調装置用の冷凍サイクル)に優先的に使用されるときにも、蓄冷剤CSを有しない場合には、放熱量調整部の放熱能力が低下する。図7は、冷凍サイクル3の冷却能力が第2冷凍サイクル32に優先的に使用されるときの機器温調装置1の冷却性能の変化を、蓄冷剤CSを有する場合と有しない場合とを比較しつつ、示している。このときにおいても、蓄冷剤CSを有する本実施形態の機器温調装置1によれば、基本的には上記と同様の効果が得られる。尚、冷凍サイクル3の冷却能力が第2冷凍サイクル32に優先的に使用される状況とは、例えば、目標室内温度よりも現在の車室温度が高いときなどに実施されるクールダウンの場合である。また、乗員のマニュアル操作によって空調の設定温度が急低下した場合などである。
また、上記したように、本実施形態では、蓄冷剤CSは、機器用流体回路2において、順方向におけるガス通路部2bのうち最も上に位置する最上部よりも先であってガス出口部2abよりも手前に配置されている。
このため、本実施形態に係る機器温調装置1では、順方向におけるガス通路部2bのうち最上部よりも先であってガス出口部2abよりも手前に蓄冷剤CSが配置されていることで、該最上部よりも手前の部分に蓄冷剤CSが配置された場合のように順方向における作動流体の流量が減少することは無いため、作動流体の順方向の流れがより維持され易い。
尚、順方向におけるガス通路部2bのうち最上部よりも手前の部分は、順方向において作動流体が下から上に向かう通路である。このため、仮に、該手前の部分に蓄冷剤CSが配置された場合には、蓄冷剤CSに蓄積された冷熱によってガス状の作動流体が液化して下に落ちることによって、順方向における作動流体の流量が減少してしまう。これに対して、本実施形態に係る機器温調装置1では、順方向におけるガス通路部2bのうち最上部よりも先であってガス出口部2abよりも手前に蓄冷剤CSが配置されていることで、このように順方向における作動流体の流量が減少することは無い。このため、本実施形態に係る機器温調装置1では、作動流体の順方向の流れがより維持され易いという利点がある。
また、上記したように、本実施形態では特に、蓄冷剤CSは、機器用流体回路2において、ガス入口部2caよりも先であってガス出口部2abよりも手前に配置されている。
このため、本実施形態に係る機器温調装置1では、順方向における凝縮器2cのガス入口部2caよりも先に蓄冷剤CSが配置されている。すなわち、凝縮器2cよりも下流側に蓄冷剤CSが配置されている。よって、凝縮器2cによって凝縮された液状の作動流体を蓄冷剤CSと熱交換させることで、蓄冷剤CSに冷熱を蓄積させることができる。
また、本実施形態では特に、蓄冷剤CSは、機器用流体回路2において、順方向におけるガス入口部2caよりも先であって液入口部2acよりも手前に配置されている。
このため、本実施形態に係る機器温調装置1では、順方向における凝縮器2cのガス入口部2caよりも先に蓄冷剤CSが配置されている。すなわち、凝縮器2cよりも下流側に蓄冷剤CSが配置されている。よって、凝縮器2cによって凝縮された液状の作動流体を蓄冷剤CSと熱交換させることで、蓄冷剤CSに冷熱を蓄積させることができる。さらに、順方向における機器用熱交換器2aの液入口部2acの手前に蓄冷剤CSが配置されている。すなわち、機器用熱交換器2aよりも上流側に蓄冷剤CSが配置されている。順方向における液通路部2dのうち凝縮器2cの液出口部2cbから機器用熱交換器2aの液入口部2acに至る部分は、順方向において作動流体が上から下に向かう通路である。このため、本実施形態に係る機器温調装置1では、該液入口部2acに至る部分に蓄冷剤CSが配置されていることで、蓄冷剤CSに蓄積された冷熱によってガス状の作動流体が液化して自重で下に落ちることによって、作動流体の順方向の流れがより生じ易くなる。
また、本実施形態では特に、蓄冷剤CSは、作動流体との間に熱媒体流路(すなわち、冷媒流路31a)を介さずに、配置されている。具体的には、本実施形態では、蓄冷剤CSの少なくとも一部が、作動流体との間に熱媒体流路(すなわち、冷媒流路31a)を介さずに、配置されている。
このため、本実施形態に係る機器温調装置1では、蓄冷剤CSの冷熱が作動流体に伝わり易くなり、作動流体の順方向の流れが特に維持され易くなる。
また、本実施形態では特に、蓄冷剤CSは、凝縮器2cにおける作動流体の流路(すなわち、作動流体流路部P1)と熱媒体流路(すなわち、冷媒流路31a)との間に、配置されている。具体的には、本実施形態では、蓄冷剤CSの少なくとも一部が、凝縮器2cにおける作動流体の流路(すなわち、作動流体流路部P1)と熱媒体流路(すなわち、冷媒流路31a)との間に、配置されている。
このため、本実施形態に係る機器温調装置1では、蓄冷剤CSが熱的緩衝材として機能する。従来、この種の機器温調装置1では、作動流体と熱媒体流路(すなわち、冷媒流路31a)を流れる熱媒体との間の温度差が激しい場合には、突沸が生じ、これにより異音が発生することが問題となっていた。しかしながら、実施形態に係る機器温調装置1では、蓄冷剤CSが間に配置されていることで、作動流体の温度低下が緩やかとなり、突沸が生じ難くなる。
また、上記したように、本実施形態では特に、凝縮器2cと一体に構成されている。
このため、本実施形態に係る機器温調装置1では、凝縮器2cによって凝縮された液状の作動流体を即座に蓄冷剤CSと熱交換させることができるため、効率良く蓄冷剤CSに冷熱を蓄積させることができ、作動流体の順方向の流れが特に維持され易くなる。
また、上記したように、本実施形態では、温調対象機器が、複数の電池セルBCを有する組電池BPである。
このため、本実施形態に係る機器温調装置1は、サーモサイフォン方式の冷却装置であるため、作動流体の蒸発の際に生じる蒸発熱、すなわち潜熱を利用して、温調対象機器を冷却する。これに対して、送風機による送風によって組電池BPを冷却する方法もあるが、この方法の場合、冷却能力が低いことが問題となる。また、この場合、空気の潜熱によって冷却するため、空気の上流と下流とで温度差が大きくなり、これにより、各電池セルBC間の温度分布にばらつきが生じる。しかしながら、本実施形態に係る機器温調装置1では、潜熱を利用して温調対象機器を冷却するため、各電池セルBCの温度バラツキを低減させることができ、各電池セルBCを均等に冷却することができる。よって、本実施形態に係る機器温調装置1は、各電池セルBCの温度バラツキを低減させる均温化が重要となる組電池BPの冷却に特に好適である。
図1に示すように、液通路部2dは、凝縮器2cにて凝縮した液状の作動流体を機器用熱交換器2aに導く通路部材である。液通路部2dは、下方側の端部が機器用熱交換器2aの液入口部2acに接続され、上方側の端部が凝縮器2cの液出口部2cbに接続されている。本実施形態の液通路部2dは、内部において、作動流体が流通する流路が形成された配管で構成されている。本実施形態の液通路部2dは、凝縮器2c側の部位が機器用熱交換器2a側の部位の上方に位置している。また、本実施形態の液通路部2dは、機器用熱交換器2a側の部位が機器用熱交換器2aの最も下方側の部位と同程度または上方側に位置するように構成されている。尚、図面に示す液通路部2dは、あくまでも一例である。液通路部2dは、車両への搭載性を考慮して適宜変更され得る。
以上で説明したように、本実施形態に係る機器温調装置1では、機器用流体回路2において、作動流体の冷熱および放熱量調整部が供給する熱媒体(すなわち、第1冷凍サイクル31の冷媒)の冷熱の少なくとも一方を蓄積する蓄冷剤CSを有する。
このため、本実施形態に係る機器温調装置1では、放熱量調整部(すなわち、第1冷凍サイクル31)の放熱能力が低下したときでも、蓄冷剤CSに蓄積された冷熱が作動流体に伝わることで、作動流体が冷却されて凝縮され易くなり、順方向の作動流体の流量が維持され易くなる。これにより、機器用流体回路2における作動流体の順方向の流れが維持され易くなり、ひいては機器温調装置1の冷却能力が維持され易くなる。つまり、本実施形態に係る機器温調装置1では、機器用流体回路2に蓄冷剤CSが配置されていることで、放熱量調整部(すなわち、第1冷凍サイクル31)の放熱能力が低下したときにおいても、冷却能力が低下せずに維持され易くなる。
また、上記したように、本実施形態では、蓄冷剤CSは、機器用流体回路2において、順方向におけるガス通路部2bのうち最も上に位置する最上部よりも先であってガス出口部2abよりも手前に配置されている。
このため、本実施形態に係る機器温調装置1では、順方向におけるガス通路部2bのうち最上部よりも先であってガス出口部2abよりも手前に蓄冷剤CSが配置されていることで、該最上部よりも手前の部分に蓄冷剤CSが配置された場合のように順方向における作動流体の流量が減少することは無いため、作動流体の順方向の流れがより維持され易い。
また、上記したように、本実施形態では特に、蓄冷剤CSは、機器用流体回路2において、ガス入口部2caよりも先であってガス出口部2abよりも手前に配置されている。
このため、本実施形態に係る機器温調装置1では、順方向における凝縮器2cのガス入口部2caよりも先に蓄冷剤CSが配置されている。すなわち、凝縮器2cよりも下流側に蓄冷剤CSが配置されている。よって、凝縮器2cによって凝縮された液状の作動流体を蓄冷剤CSと熱交換させることで、蓄冷剤CSに冷熱を蓄積させることができる。
また、本実施形態では特に、蓄冷剤CSは、機器用流体回路2において、順方向におけるガス入口部2caよりも先であって液入口部2acよりも手前に配置されている。
このため、本実施形態に係る機器温調装置1では、順方向における凝縮器2cのガス入口部2caよりも先に蓄冷剤CSが配置されている。すなわち、凝縮器2cよりも下流側に蓄冷剤CSが配置されている。よって、凝縮器2cによって凝縮された液状の作動流体を蓄冷剤CSと熱交換させることで、蓄冷剤CSに冷熱を蓄積させることができる。さらに、順方向における機器用熱交換器2aの液入口部2acの手前に蓄冷剤CSが配置されている。すなわち、機器用熱交換器2aよりも上流側に蓄冷剤CSが配置されている。順方向における液通路部2dのうち凝縮器2cの液出口部2cbから機器用熱交換器2aの液入口部2acに至る部分は、順方向において作動流体が上から下に向かう通路である。このため、本実施形態に係る機器温調装置1では、該液入口部2acに至る部分に蓄冷剤CSが配置されていることで、蓄冷剤CSに蓄積された冷熱によってガス状の作動流体が液化して自重で下に落ちることによって、作動流体の順方向の流れがより生じ易くなる。
また、本実施形態では特に、蓄冷剤CSは、作動流体との間に熱媒体流路(すなわち、冷媒流路31a)を介さずに、配置されている。具体的には、本実施形態では、蓄冷剤CSの少なくとも一部が、作動流体との間に熱媒体流路(すなわち、冷媒流路31a)を介さずに、配置されている。
このため、本実施形態に係る機器温調装置1では、蓄冷剤CSの冷熱が作動流体に伝わり易くなり、作動流体の順方向の流れが特に維持され易くなる。
また、本実施形態では特に、蓄冷剤CSは、凝縮器2cにおける作動流体の流路(すなわち、作動流体流路部P1)と熱媒体流路(すなわち、冷媒流路31a)との間に、配置されている。具体的には、本実施形態では、蓄冷剤CSの少なくとも一部が、凝縮器2cにおける作動流体の流路(すなわち、作動流体流路部P1)と熱媒体流路(すなわち、冷媒流路31a)との間に、配置されている。
このため、本実施形態に係る機器温調装置1では、蓄冷剤CSが熱的緩衝材として機能する。従来、この種の機器温調装置1では、作動流体と熱媒体流路(すなわち、冷媒流路31a)を流れる熱媒体との間の温度差が激しい場合には、突沸が生じ、これにより異音が発生することが問題となっていた。しかしながら、実施形態に係る機器温調装置1では、蓄冷剤CSが間に配置されていることで、作動流体の温度低下が緩やかとなり、突沸が生じ難くなる。
また、上記したように、本実施形態では特に、凝縮器2cと一体に構成されている。
このため、本実施形態に係る機器温調装置1では、凝縮器2cによって凝縮された液状の作動流体を即座に蓄冷剤CSと熱交換させることができるため、効率良く蓄冷剤CSに冷熱を蓄積させることができ、作動流体の順方向の流れが特に維持され易くなる。
また、上記したように、本実施形態では、温調対象機器が、複数の電池セルBCを有する組電池BPである。
このため、本実施形態に係る機器温調装置1は、サーモサイフォン方式の冷却装置であるため、作動流体の蒸発の際に生じる蒸発熱、すなわち潜熱を利用して、温調対象機器を冷却する。これに対して、送風機による送風によって組電池BPを冷却する方法もあるが、この方法の場合、冷却能力が低いことが問題となる。また、この場合、空気の潜熱によって冷却するため、空気の上流と下流とで温度差が大きくなり、これにより、各電池セルBC間の温度分布にばらつきが生じる。しかしながら、本実施形態に係る機器温調装置1では、潜熱を利用して温調対象機器を冷却するため、各電池セルBCの温度バラツキを低減させることができ、各電池セルBCを均等に冷却することができる。よって、本実施形態に係る機器温調装置1は、各電池セルBCの温度バラツキを低減させる均温化が重要となる組電池BPの冷却に特に好適である。
(第2実施形態)
本開示の第2実施形態について図8〜図11を参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して、放熱量調整部を送風機BFに変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様である。よって、第1実施形態と同様であることを明記する場合を除いて、第1実施形態と異なる部分のみについて説明する。
第1実施形態では、熱媒体を凝縮器2cに供給することで機器用流体回路2の凝縮器2cの内部に存する作動流体の放熱量を調整する放熱量調整部として第1冷凍サイクル31が備えられ、作動流体と冷凍サイクルの冷媒とで熱交換させる構成であった。これに対して、本実施形態では、図8に示すように、この放熱量調整部として送風機BFが備えられ、作動流体と送風機BFの送風空気とで熱交換させる構成とされている。すなわち、送風空気は、放熱量調整部が供給する熱媒体に相当する。
送風機BFは、車室内の空気または車室外の空気を機器用熱交換器2aに向けて吹き出す装置である。送風機BFは、通電によって作動する電動ファンを含んで構成されている。送風機BFは、不図示の制御装置に接続され、該制御装置からの制御信号に基づいて送風能力が制御される。
すなわち、本実施形態に係る機器温調装置1では、凝縮器2cの内部に存する作動流体は、車両内の空気との間で熱交換することで冷却される。
本実施形態に係る機器温調装置1においても、作動流体の冷熱および放熱量調整部が供給する熱媒体(すなわち、送風機BFの送風空気)の冷熱の少なくとも一方を蓄積する蓄冷剤CSを有する。尚、本実施形態においても、蓄冷剤CSは、凝縮器2cと一体に構成されている。
このため、本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
すなわち、本実施形態においては、蓄冷剤CSを有しない場合、送風機BFの送風能力が低下したとき、放熱量調整部である第1冷凍サイクル31の放熱能力が低下することで凝縮器3bの凝縮能力も低下し、ひいては機器温調装置1の冷却性能が低下する。これに対して蓄冷剤CSを有する本実施形態の場合は、送風機BFの送風能力が低下しても、蓄冷剤CSに蓄積された冷熱が作動流体に伝わることで、十分に作動流体が凝縮され、機器温調装置1の冷却能力が維持される。尚、送風機BFの送風能力が低下する状況とは、例えば、図9に示すように車速が低下したときである。また、図10に示すように車両側の要求などによりグリルシャッターが作動したときである。また、図11に示すように送風機BFを車室内に設置したときなどである。また、蓄冷剤CSが凝縮器2cと一体に構成されていることで、第1実施形態と同様、効率良く蓄冷剤CSに冷熱を蓄積させることができる。
また、第1実施形態と同様、本実施形態においても、蓄冷剤CSは、機器用流体回路2において、順方向におけるガス通路部2bのうち最も上に位置する最上部よりも先であってガス出口部よりも手前に配置されている。
このため、本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、第1実施形態と同様、本実施形態においても、蓄冷剤CSは、機器用流体回路2において、ガス入口部2caよりも先であってガス出口部2abよりも手前に配置されている。
このため、本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、第1実施形態と同様、本実施形態においても、蓄冷剤CSは、機器用流体回路2において、順方向におけるガス入口部2caよりも先であって液入口部2acよりも手前に配置されている。
このため、本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、第1実施形態と同様、本実施形態においても、凝縮器2cの内部に存する作動流体との間で熱交換することで該作動流体を冷却する熱媒体を流すための流路である不図示の熱媒体流路を有する。そして、本実施形態においても、蓄冷剤CSの少なくとも一部が、作動流体との間に熱媒体流路を介さずに、配置されている。
このため、本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、第1実施形態と同様、本実施形態においても、凝縮器2cにおける作動流体の流路と熱媒体流路との間に、配置されている。
このため、本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
(他の実施形態)
本開示は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
例えば、第1、第2実施形態では、蓄冷剤CSは、凝縮器2cと一体に構成されていたが、この構成に限られるものでは無い。
しかしながら、蓄冷剤CSが凝縮器2cと一体に構成されていなくとも、少なくとも機器用流体回路2に蓄冷剤CSが配置されていれば、上記の効果が得られる。すなわち、機器用流体回路2に蓄冷剤CSが配置されていれば、蓄冷剤CSに蓄積された冷熱が作動流体に伝わることで、作動流体が冷却されて凝縮され易くなり、冷却能力が低下せずに維持され易くなる。
また、蓄冷剤CSが凝縮器2cと一体に構成されていなくとも、機器用流体回路2において順方向におけるガス通路部2bのうち最も上に位置する最上部よりも先であってガス出口部2abよりも手前に蓄冷剤CSが配置されていれば、上記の効果が得られる。すなわち、機器用流体回路2において順方向におけるガス通路部2bのうち最も上に位置する最上部よりも先であってガス出口部2abよりも手前に蓄冷剤CSが配置されていれば、該最上部よりも手前の部分に蓄冷剤CSが配置された場合のように順方向における作動流体の流量が減少することは無いため、作動流体の順方向の流れがより維持され易い。
また、蓄冷剤CSが凝縮器2cと一体に構成されていなくとも、機器用流体回路2においてガス入口部2caよりも先であってガス出口部2abよりも手前に蓄冷剤CSが配置されていれば、上記の効果が得られる。すなわち、機器用流体回路2においてガス入口部2caよりも先であってガス出口部2abよりも手前に蓄冷剤CSが配置されていれば、凝縮器2cによって凝縮された液状の作動流体を蓄冷剤CSと熱交換させることで、蓄冷剤CSに冷熱を蓄積させることができる。
また、蓄冷剤CSが凝縮器2cと一体に構成されていなくとも、機器用流体回路2において順方向におけるガス入口部2caよりも先であって液入口部2acよりも手前に蓄冷剤CSが配置されていれば、上記の効果が得られる。すなわち、機器用流体回路2において順方向におけるガス入口部2caよりも先であって液入口部2acよりも手前に蓄冷剤CSが配置されていれば、凝縮器2cによって凝縮された液状の作動流体を蓄冷剤CSと熱交換させることで、蓄冷剤CSに蓄積された冷熱によってガス状の作動流体が液化して下に落ちることによって、作動流体の順方向の流れがより生じ易くなる。
また、水は熱容量が大きいため、上記実施形態の蓄冷剤CSとして水を用いても良い。すなわち、上記実施形態において、図12に示すように、水が循環して流れる水循環路4を流れる水によって、作動流体の冷熱を蓄積するようにしても良い。この水は、不凍液である。図12の符号4aはポンプである。符号4bは熱交換器である。符号4cはバルブである。符号4dはクーラコアである。クーラコアは、水循環路4の冷水と車室内空気を熱交換することで冷風を発生させることにより車室内を冷房するための熱交換器であり、蒸発器の代替として用いられるものである。クーラコアは、水と空気とで熱交換させることで冷房を行う。図12の符号5は冷凍サイクルである。符号5aは圧縮機であり、符号5bは凝縮器であり、符号5cは膨張弁であり、符号5eは冷凍サイクル5を流れる冷媒と水循環路4を流れる水とで熱交換するための蒸発器である。このように蓄冷剤CSとして水を用いた場合、簡易な構成にて安定した冷却が可能である。図12の例では、冷凍サイクル5によって冷却される水(すなわち、水循環路4を流れる水)を、放熱量調整部としての放熱のために用いるとともに、クーラコアを冷却するためにも用いている。尚、冷凍サイクル5によって冷却される水を、放熱量調整部としての放熱のためにのみ用いるようにしても良い。
また、図12の例ではクーラコア4dと、凝縮器2c、4eとを並列としたが、直列としても良い。その際は、クーラコア4dおよび凝縮器2c、4eの少なくとも一方をバイパスする流路を設けた上でバルブを設置することが望ましい。また、図12の例においては車室内を冷房するための熱交換器としてクーラコア4dを用いていた。しかしながら、図13に示すように、冷凍サイクル5において、従来の車室内を冷房するための蒸発器5fを用いても良い。また、図13では2つの蒸発器5e、5fを直列としていたが、並列としても良い。このとき、2つの蒸発器5e、5fの各々の上流側に膨張弁を設置することが望ましい。また上記の実施形態では水冷の凝縮器2cを、冷凍サイクルと熱交換させるために蒸発器5eと接続させたが、外気もしくは車室内の空気と熱交換させるための熱交換器と接続させても良い。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点では、温調対象機器を冷却可能な機器温調装置において、機器用熱交換器と、ガス通路部と、凝縮器と、液通路部とを含んで構成される環状の機器用流体回路を有する。機器用熱交換器は、温調対象機器から吸熱して液状の作動流体を蒸発させることで温調対象機器を冷却する。ガス通路部は、機器用熱交換器にて蒸発したガス状の作動流体を凝縮器に導く。凝縮器は、機器用熱交換器よりも上方に配置され、機器用熱交換器にて蒸発したガス状の作動流体を凝縮させる。液通路部は、凝縮器にて凝縮した液状の作動流体を機器用熱交換器に導く。そして、この機器温調装置において、機器用流体回路に配置され、作動流体の冷熱および熱媒体の冷熱の少なくとも一方を蓄積する蓄冷剤を有する。
また、上記各実施形態の一部または全部で示された第2の観点では、第1の観点における機器温調装置において、順方向において、機器用熱交換器、ガス通路部、凝縮器、および液通路部は、この順に配置され、機器用熱交換器は、ガス通路部の下方側の端部が接続されるガス出口部を有する。そして、蓄冷剤が、機器用流体回路において、順方向におけるガス通路部のうち最も上に位置する最上部よりも先であってガス出口部よりも手前に配置されている。
この第2の観点によれば、順方向におけるガス通路部のうち最上部よりも先であってガス出口部よりも手前に蓄冷剤が配置されていることで、該最上部よりも手前の部分に蓄冷剤が配置された場合のように順方向における作動流体の流量が減少することは無いため、作動流体の順方向の流れがより維持され易い。
また、上記各実施形態の一部または全部で示された第3の観点では、第1の観点における機器温調装置において、順方向において、機器用熱交換器、ガス通路部、凝縮器、および液通路部は、この順に配置され、機器用熱交換器は、ガス通路部の上方側の端部が接続されるガス入口部を有する。そして、蓄冷剤が、機器用流体回路において、順方向におけるガス入口部よりも先であってガス出口部よりも手前に配置されている。
この第3の観点によれば、順方向における凝縮器のガス入口部よりも先に蓄冷剤が配置され、すなわち凝縮器よりも下流側に蓄冷剤が配置されている。よって、凝縮器によって凝縮された液状の作動流体を蓄冷剤と熱交換させることで、蓄冷剤に冷熱を蓄積させることができる。
また、上記各実施形態の一部または全部で示された第4の観点では、第1の観点における機器温調装置において、順方向において、機器用熱交換器、ガス通路部、凝縮器、および液通路部は、この順に配置されている。また、機器用熱交換器は、液通路部の下方側の端部が接続される液入口部を有し、凝縮器は、ガス通路部の上方側の端部が接続されるガス入口部を有する。そして、蓄冷剤が、機器用流体回路において、順方向におけるガス入口部よりも先であって液入口部よりも手前に配置されている。
この第4の観点によれば、順方向における凝縮器のガス入口部よりも先に蓄冷剤が配置され、すなわち凝縮器よりも下流側に蓄冷剤が配置されている。よって、凝縮器によって凝縮された液状の作動流体を蓄冷剤と熱交換させることで、蓄冷剤に冷熱を蓄積させることができる。さらに、順方向における機器用熱交換器の液入口部の手前に蓄冷剤が配置され、すなわち機器用熱交換器よりも上流側に蓄冷剤が配置されている。順方向における液通路部のうち凝縮器の液出口部から機器用熱交換器の液入口部に至る部分は、順方向において作動流体が上から下に向かう通路である。このため、該液入口部に至る部分に蓄冷剤が配置されていることで、蓄冷剤に蓄積された冷熱によってガス状の作動流体が液化して下に落ちることによって、作動流体の順方向の流れがより生じ易くなる。
また、上記各実施形態の一部または全部で示された第5の観点では、第1の観点における機器温調装置において、蓄冷剤が、凝縮器と一体に構成されている。
この第5の観点によれば、凝縮器によって凝縮された液状の作動流体を即座に蓄冷剤と熱交換させることができるため、効率良く蓄冷剤に冷熱を蓄積させることができ、作動流体の順方向の流れが特に維持され易くなる。
また、上記各実施形態の一部または全部で示された第6の観点では、第1ないし5のいずれか1つの観点における機器温調装置において、放熱量調整部は、凝縮器の内部に存する作動流体との間で熱交換することで該作動流体を冷却する熱媒体を流すための流路である熱媒体流路を有する冷凍サイクルである。
また、上記各実施形態の一部または全部で示された第7の観点では、第6の観点における機器温調装置において、冷凍サイクルは、第1冷凍サイクルであり、第1冷凍サイクルは、圧縮機によって作動する第2冷凍サイクルを備える空調装置の圧縮機によって作動する。
また、上記各実施形態の一部または全部で示された第8の観点では、第1ないし5のいずれか1つの観点における機器温調装置において、凝縮器の内部に存する作動流体との間で熱交換することで該作動流体を冷却する送風空気を送風する送風機である。また、凝縮器の内部に存する作動流体との間で熱交換することで該作動流体を冷却する熱媒体を流すための流路である熱媒体流路を有する。
また、上記各実施形態の一部または全部で示された第9の観点では、第6の観点における機器温調装置において、蓄冷剤が、作動流体との間に熱媒体流路を介さずに、配置されている。具体的には、蓄冷剤の少なくとも一部が、作動流体との間に熱媒体流路を介さずに、配置されている。
この第9の観点によれば、蓄冷剤の冷熱が作動流体に伝わり易くなり、作動流体の順方向の流れが特に維持され易くなる。
また、上記各実施形態の一部または全部で示された第10の観点では、第6の観点における機器温調装置において、蓄冷剤が、凝縮器における作動流体の流路と熱媒体流路との間に、配置されている。具体的には、蓄冷剤の少なくとも一部が、凝縮器における作動流体の流路と熱媒体流路との間に、配置されている。
この第10の観点によれば、蓄冷剤の冷熱が作動流体に伝わり易くなり、作動流体の順方向の流れが特に維持され易くなる。
上記各実施形態の一部または全部で示された第11の観点では、第1ないし5のいずれか1つの観点における機器温調装置において、蓄冷剤が、水が循環して流れる水循環路を流れる水である。
また、上記各実施形態の一部または全部で示された第12の観点では、第1ないし11のいずれか1つの観点における機器温調装置において、温調対象機器が、複数の電池セルを有する組電池である。
この第12の観点によれば、潜熱を利用して温調対象機器を冷却するため、各電池セルの温度バラツキを低減させることができ、各電池セルを均等に冷却することができる。よって、各電池セルの温度バラツキを低減させる均温化が重要となる組電池の冷却に特に好適である。
1 機器温調装置
2 機器用流体回路
2a 機器用熱交換器
2b ガス通路部
2c 凝縮器
2d 液通路部
BP 組電池
BC 電池セル
CS 蓄冷剤

Claims (12)

  1. 温調対象機器(BP)を冷却可能な機器温調装置であって、
    前記温調対象機器から吸熱して液状の作動流体を蒸発させることで前記温調対象機器を冷却する機器用熱交換器(2a)と、
    前記機器用熱交換器にて蒸発したガス状の作動流体を前記凝縮器に導くガス通路部(2b)と、
    前記機器用熱交換器よりも上方に配置され、前記機器用熱交換器にて蒸発したガス状の作動流体を凝縮させる凝縮器(2c)と、
    前記凝縮器にて凝縮した液状の作動流体を前記機器用熱交換器に導く液通路部(2d)と、を含んで構成される環状の機器用流体回路(2)を有するとともに、
    熱媒体を前記凝縮器に供給することで該熱媒体と前記凝縮器の内部に存する前記作動流体とで熱交換させる放熱量調整部(31、BF)によって、前記作動流体の放熱量が調整され、
    前記機器用流体回路に配置され、前記作動流体の冷熱および前記熱媒体の冷熱の少なくとも一方を蓄積する蓄冷剤(CS)を有する機器温調装置。
  2. 前記機器用流体回路における前記作動流体の流れ方向を順方向としたとき、
    前記順方向において、前記機器用熱交換器、前記ガス通路部、前記凝縮器、および前記液通路部は、この順に配置され、
    前記機器用熱交換器は、前記ガス通路部の下方側の端部が接続されるガス出口部(2ab)を有し、
    前記蓄冷剤が、前記機器用流体回路において、前記順方向における前記ガス通路部のうち最も上に位置する最上部よりも先であって前記ガス出口部よりも手前に配置されている請求項1に記載の機器温調装置。
  3. 前記機器用流体回路における前記作動流体の流れ方向を順方向としたとき、
    前記順方向において、前記機器用熱交換器、前記ガス通路部、前記凝縮器、および前記液通路部は、この順に配置され、
    前記機器用熱交換器は、前記ガス通路部の下方側の端部が接続されるガス出口部(2ab)を有し、
    前記凝縮器は、前記ガス通路部の上方側の端部が接続されるガス入口部(2ca)を有し、
    前記蓄冷剤が、前記機器用流体回路において、前記順方向における前記ガス入口部よりも先であって前記ガス出口部よりも手前に配置されている請求項1に記載の機器温調装置。
  4. 前記機器用流体回路における前記作動流体の流れ方向を順方向としたとき、
    前記順方向において、前記機器用熱交換器、前記ガス通路部、前記凝縮器、および前記液通路部は、この順に配置され、
    前記機器用熱交換器は、前記液通路部の下方側の端部が接続される液入口部(2ac)を有し、
    前記凝縮器は、前記ガス通路部の上方側の端部が接続されるガス入口部(2ca)を有し、
    前記蓄冷剤が、前記機器用流体回路において、前記順方向における前記ガス入口部よりも先であって前記液入口部よりも手前に配置されている請求項1に記載の機器温調装置。
  5. 前記蓄冷剤が、前記凝縮器と一体に構成されている請求項1に記載の機器温調装置。
  6. 前記放熱量調整部は、前記凝縮器の内部に存する前記作動流体との間で熱交換することで該作動流体を冷却する熱媒体を流すための流路である熱媒体流路(31a)を有する冷凍サイクル(31)である請求項1ないし5のいずれか1つに記載の機器温調装置。
  7. 前記冷凍サイクルは、第1冷凍サイクルであり、
    前記第1冷凍サイクルは、圧縮機(3a)によって作動する第2冷凍サイクル(32)を備える空調装置の前記圧縮機によって作動する請求項6に記載の機器温調装置。
  8. 前記放熱量調整部は、前記凝縮器の内部に存する前記作動流体との間で熱交換することで該作動流体を冷却する送風空気を送風する送風機(BF)であり、
    前記凝縮器の内部に存する前記作動流体との間で熱交換することで該作動流体を冷却する熱媒体を流すための流路である熱媒体流路を有する請求項1ないし5のいずれか1つに記載の機器温調装置。
  9. 前記蓄冷剤の少なくとも一部が、前記作動流体との間に前記熱媒体流路を介さずに、配置されている請求項6または8に記載の機器温調装置。
  10. 前記蓄冷剤の少なくとも一部が、前記凝縮器における前記作動流体の流路(P1)と前記熱媒体流路(P2)の間に、配置されている請求項6または8に記載の機器温調装置。
  11. 前記蓄冷剤が、水が循環して流れる水循環路(4)を流れる前記水である請求項1ないし5のいずれか1つに記載の機器温調装置。
  12. 前記温調対象機器が、複数の電池セル(BC)を有する組電池(BP)である請求項1ないし11のいずれか1つに記載の機器温調装置。
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