JP2019212992A - 静電容量型トランスデューサ、及びその製造方法 - Google Patents

静電容量型トランスデューサ、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高出力および高信頼性の静電容量型トランスデューサを提供する。【解決手段】静電容量型トランスデューサは、第一の電極8と、第一の電極の上に設けられた第一の絶縁膜9と、第一の絶縁膜と空隙10を隔てて設けられた振動膜6とを有する。振動膜は、第二の絶縁膜11と第二の電極12とを含み、第二の絶縁膜が空隙側に位置するように設けられている。第一の絶縁膜の空隙に接する面と、第二の絶縁膜の空隙に接する面の少なくともいずれか一方の面に、凹部7が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、静電容量型トランスデューサ、及びその製造方法に関する。
マイクロマシニング技術によって製造される微小機械部材はマイクロメータオーダの加工が可能であり、これらを用いて様々な微小機能素子が実現されている。このような技術を用いた静電容量型超音波トランスデューサは、圧電素子の代替品として研究されている。このような静電容量型超音波トランスデューサよると、振動膜の振動を用いて超音波を送信、受信することができ、特に液中において優れた広帯域特性を容易に得ることができる。この広帯域特性により、発生させる超音波のパルス長さを短くすることができるため、空間分解能の向上につながる。また従来は複数の超音波プローブでの評価が必要なケースであっても、少ない数の超音波プローブでの評価が可能になり、装置の簡便化やコスト削減につながる。また、高調波を利用したイメージング技術には広帯域特性は有用である。
静電容量型超音波トランスデューサは、静電容量を形成する2枚の電極間に直流電圧および交流電圧を印加することで、振動膜を大きく振動させ超音波を発生させる。この際、一方の電極を含む振動膜ともう一方の電極を含む固定部が接触する可能性がある。振動膜が固定部に接触した際に、2つの電極間には薄い絶縁層のみが存在し、その絶縁層にかかる電界に応じて電荷が絶縁層を通過し、微弱な電流が流れる。振動膜は振動を継続するため、振動膜が固定部から離れた際に絶縁膜中に取り込まれた電荷が絶縁膜内部にとどまり、帯電を生じる。絶縁膜が一旦帯電すると初期状態に戻ることは困難であり、印加電圧に対する静電容量型トランスデューサの感度特性が変化する。つまり、使用を続けるうちに性能が変化するため長期信頼性に影響を及ぼす。この課題に対して、振動膜下部に突起を設けて振動膜と固定部との接触面積を小さくして、電荷移動量を抑制する方法がある。(特許文献1)。
特開2007−74263号公報
静電容量型超音波トランスデューサは外部から入力する交流電圧によって振動膜を振動させることによって超音波を発生させる。振動膜の下には空隙があり、空隙を介して他方の電極を含む固定部が存在する。したがって、振動膜の振幅が空隙の高さよりも大きくなる場合に、振動膜は空隙下部の固定部に接触する。その際に絶縁膜には瞬間的に大きな電界が加わり電荷の移動が生じ、帯電が生じる。帯電は静電容量型トランスデューサの感度特性を変化させてしまうため、長期信頼性の劣化が生じてしまう。
帯電を抑制する手段としては、印加電圧を制限して、振動膜が空隙底面に触れないようにすればよい。しかしながら、振動膜の振幅を制約してしまうため、十分な送信音圧を発せさせることができない可能性がある。また、絶縁膜の一部を厚くして、接触した際の電界強度を抑制することも可能であるが、同様に振動膜の振幅を制約してしまう。また、接触部直上および直下の電極を除去する構成とすることで、接触時に絶縁膜にかかる電界強度を弱めることができ、電荷移動量を減らすことができる。しかしながら、振動膜と固定部との距離が最も近づく部分に電極がない場合、静電容量型トランスデューサの感度が低下するだけでなく、必要な送信音圧を得るためにはより高い印加電圧が必要となる。素子の絶縁耐圧および電圧供給手段、電気回路などからおのずから印加電圧の大きさには制約があり、十分な送信音圧を発生させることができない可能性がある。また、絶縁膜および振動膜の接触部位に高抵抗導電材料を施すことで電荷が絶縁膜にとどまることなく流出する方法などもある。また、帯電量を測定し、測定された帯電量に応じて印加する電圧を変化させるなどの調整方法を施すことも可能であるが、素子の構造や装置が複雑化する。
本発明に係る静電容量型トランスデューサは、第一の電極と、前記第一の電極の上に設けられた第一の絶縁膜と、前記第一の絶縁膜と空隙を隔てて設けられた振動膜とを有し、前記振動膜は、第二の絶縁膜と第二の電極とを含み、前記第二の絶縁膜が前記空隙側に位置するように設けられている静電容量型トランスデューサであって、 前記第一の絶縁膜の前記空隙に接する面と、前記第二の絶縁膜の前記空隙に接する面の少なくともいずれか一方の面に、凹部が設けられていることを特徴とする。
本発明に係る静電容量型トランスデューサの製造方法は、第一の電極の上に第一の絶縁膜を形成する工程と、前記第一の絶縁膜の上に犠牲層を形成する工程と、前記犠牲層の上に第二の絶縁膜を形成する工程と、前記第二の絶縁膜の上に第二の電極を形成する工程と、
前記第二の絶縁膜の一部を除去して前記犠牲層の一部を露出させてエッチング孔を形成する工程と、前記犠牲層を除去して空隙を形成する工程とを有し、前記犠牲層は、前記犠牲層を除去すると、前記第二の絶縁膜の前記空隙に接する面に凹部が設けられるように形成されることを特徴とする。
別の本発明に係る静電容量型トランスデューサの製造方法は、第一の電極の上に第一の絶縁膜を形成する工程と、前記第一の絶縁膜の上に犠牲層を形成する工程と、前記犠牲層の上に第二の絶縁膜を形成する工程と、前記第二の絶縁膜の上に第二の電極を形成する工程と、前記第二の絶縁膜を除去して前記犠牲層の一部を露出させてエッチング孔を形成する工程と、前記犠牲層を除去して空隙を形成する工程とを有し、前記犠牲層は、前記犠牲層を除去すると、前記第一の絶縁膜の前記空隙に接する面に凹部が設けられるように形成されることを特徴とする。
本発明に係る静電容量型トランスデューサでは、振動膜の振幅が底面に接触する程度に大きくなっても、最大変位部では絶縁膜に凹部が存在するため直接に接触しない。それゆえ、振動振幅が凸部などにより抑制されることなく、大振幅が実現し、十分な音圧の超音波を生成できる。また、凹部の周囲部で絶縁膜との接触し、接触面積が小さくなることから、帯電を抑制することができる。したがって、帯電を抑制し、かつ高出力の静電容量型超音波トランスデューサを提供できる。
本発明の実施形態に係る静電容量型トランスデューサを説明するための上面図(a)、A−A’断面図(b)、駆動時の断面図(c)である。 本発明の実施形態に係る静電容量型トランスデューサを説明する断面図である。 本発明の実施形態に係る静電容量型トランスデューサを用いたアレイ素子を説明する図である。 本発明の実施形態に係る静電容量型トランスデューサを説明する上面図である。 本発明の実施形態に係る静電容量型トランスデューサを説明する上面図である。 本発明の実施形態に係る静電容量型トランスデューサを説明する上面図である。 本発明の実施形態に係る静電容量型トランスデューサの実施例3を説明する図である。 本発明の実施形態に係る静電容量型トランスデューサの実施例4を説明する図である。 本発明の実施形態に係る静電容量型トランスデューサの実施例5を説明する図である。 本発明の実施形態に係る静電容量型トランスデューサの実施例6を説明する図である。 本発明の実施形態に係る静電容量型トランスデューサの製造方法の実施例7を説明する図である。 本発明の実施形態に係る静電容量型トランスデューサの製造方法の実施例8を説明する図である。 本発明の実施形態に係る超音波プローブの実施例9を説明する図である。 従来の静電容量型トランスデューサの構成を説明する図である。
本発明の実施形態に係る静電容量型トランスデューサ(CMUT)は、第一の電極と、第一の電極の上に設けられた第一の絶縁膜と、第一の絶縁膜と空隙を隔てて設けられた振動膜とを有する。振動膜は、第二の絶縁膜と第二の電極とを含み、前記第二の絶縁膜が前記空隙側に位置するように設けられている。そして、第一の絶縁膜の空隙に接する面と、第二の絶縁膜の前記空隙に接する面の少なくともいずれか一方の面に、凹部が設けられている。
凹部が設けられていることで、振動膜の振幅が底面に接触する程度に大きくなっても、最大変位部では絶縁膜に凹部が存在するため直接に接触しない。それゆえ、振動振幅が凸部などにより抑制されることなく、大振幅が実現し、十分な音圧の超音波を生成できる。また、凹部の周囲部で絶縁膜との接触し、接触面積が小さくなることから、帯電を抑制することができる。したがって、帯電を抑制し、かつ高出力の静電容量型トランスデューサを提供できる。
本実施形態において、凹部は、空隙に接する面に垂直な方向(各層の積層方向)から見て、振動膜が最も大きく変位する位置を含む領域に設けられていることが好ましい。
また、凹部の形状は特に限定されないが、空隙に接する面に垂直な方向から見て、円形、矩形、楕円形が例示される。
また、空隙に接する面に垂直な方向から見て、振動膜の形状が円形である場合、凹部は、振動膜の中心を含む領域に設けられていることが好ましい。空隙に接する面に垂直な方向から見て、振動膜の形状が矩形である場合、凹部は、振動膜の対角線が交差する点を含む領域に設けられていることが好ましい。
第一の絶縁膜や第二の絶縁膜の材料は特に限定されないが、帯電抑制の観点から、第一の絶縁膜が酸化シリコンを含み、振動膜の振動特性の観点から、第二の絶縁膜が窒化シリコンを含み構成されていることが好ましい。なお、帯電抑制の観点から、第一の絶縁膜、及び第二の絶縁膜が共に酸化シリコンを含み構成されていることが好ましい。
第一の絶縁膜に凹部が設けられ、第二の絶縁膜に前記凹部が設けられていない構成の場合、第二の電極が開口部を有し、その開口部は、空隙に接する面に垂直な方向から見て、凹部が設けられた領域に少なくとも設けられていることが好ましい。このような構成において、第二の絶縁膜が空隙に接する面であって、空隙に接する面に垂直な方向から見て、凹部と重なる位置に突起が設けられていることがさらに好ましい。
第二の絶縁膜に凹部が設けられ、第一の絶縁膜に凹部が設けられていない構成の場合、第一の電極が開口部を有し、その開口部は、空隙に接する面に垂直な方向から見て、凹部が設けられた領域に少なくとも設けられていることが好ましい。このような構成において、第一の絶縁膜が空隙に接する面であって、空隙に接する面に垂直な方向から見て、凹部と重なる位置に突起が設けられていることがさらに好ましい。
なお、開口部の有無に関わらず、第一の絶縁膜の空隙に接する面、及び第二の絶縁膜の空隙に接する面のいずれかの面に突起が設けられていても良い。そのような構成において、突起は、空隙に接する面に垂直な方向から見て、凹部と重なる位置に設けられていることが好ましい。
第一の電極は基板の上に設けられていても良い。また、第二の絶縁膜の上に、さらに、第三の絶縁膜が設けられていてもよい。
(静電容量型トランスデューサの一例の詳細な説明)
以下に、本発明の実施の形態について図1を用いて詳細に説明する。図1(a)は、本実施形態における静電容量型超音波トランスデューサ(単に静電容量型トランスデューサ、と略すことがある)の上面図である。また図1(b)は、図1(a)のA−A’断面図であり、図1(c)は振動膜の変形形状を表す図である。
本発明の実施形態に係る静電容量型トランスデューサは、複数のセル1を含み構成されているエレメント3を有している。エレメント3を構成する各々のセル1は配線2で電気的に接続されている。図1(a)では、エレメント3に含まれるセル1の数はいくつであっても構わない。図1(a)において、セル1の並び方は等間隔の正方格子であるが、並び方は六方最密でもよいし、不等間隔でもよい。図1(a)ではセル1を構成する振動膜6の形状は円形、多角形あるいは矩形であってもよい。多角形は特に限定されないが、例えば六角形が挙げられる。
なお、セルの形状に合わせて、後述の凹部の平面方向の形状を決めることが出来る。例えば、セルの形状が円形の場合、凹部の形状は円形とし、矩形の場合、凹部の形状は矩形、又は楕円形とすることができる。
セル1は、基板4上に形成された第一の電極8と、第一の絶縁膜9と空隙10と振動膜6で構成される。振動膜6は第二の絶縁膜11、第二の電極12および第三の絶縁膜13で構成され、支持部15で振動可能に支持されている。
また、図1(a)の静電容量型超音波トランスデューサでは、エレメント3は4つであるが1つでもよいし複数でもよく、数は問わない。エレメント3が複数ある場合、互いに異なるエレメントの第一の電極8と第二の電極12の一方は電気的に分離されている。また、第一の電極8と第二の電極12のうち、どちらか一方は複数のエレメント3で共通であってもよい。
第一の電極8あるいは第二の電極12は、直流バイアス電圧を印加する電極あるいは電気信号を加えるあるいは電気信号を取り出すための電極として用いる。バイアス電圧を印加する電極はエレメント内で共通となっている。バイアス電圧はエレメント間で共通となる構成としても構わない一方、信号を送受信する電極はエレメント毎に電気的に分離されていなければならない。
セル1を構成する材料について説明する。基板4上に第一の電極8が形成されている。該基板4はケイ素単結晶、Silicon on Insulator(SOI)、ガラス、結晶化ガラス、石英、炭化ケイ素、サファイア、ヒ化ガリウム、リン化ガリウム、チッ化ガリウム、リン化インジウムなどである。また、該基板4に集積回路を有していてもよい。第一の電極8は金属が望ましく、例えばタングステン、モリブデン、チタン、アルミニウム、ネオジウム、クロム、コバルトやこれらの積層、化合物および合金や、ケイ素や銅との化合物および合金でよい。また、高濃度の不純物を含んだ半導体もしくは化合物半導体でもよい。基板4が絶縁体でない場合、基板4と第一の電極8との間には例えば酸化ケイ素や窒化ケイ素などの絶縁層5が施される。
空隙10は大気圧と比較して十分減圧された状態で封止されている。封止されていることにより、封止後の工程中もしくは使用中に液体が空隙10内部に入ることを抑制している。また減圧されていることで静電容量型超音波トランスデューサの感度を高めている。第一の電極8と第二の電極12は空隙10を含めて絶縁体で絶縁されている。図1(b)の場合は、第一の絶縁膜9、第二の絶縁膜11および第三の絶縁膜13によって絶縁されている。これらの絶縁膜9、11、13は例えば酸化ケイ素や窒化ケイ素である。第二の電極12は金属が望ましく、例えばタングステン、モリブデン、チタン、アルミニウム、ネオジム、クロム、コバルトやこれらの化合物、及びこれらの合金や、ケイ素や銅との化合物および合金でよい。合金の例としてアルミニウムとネオジムの合金、AlSiCu、AnCU等が挙げられる。
本実施形態の静電容量型超音波トランスデューサの動作原理を説明する。静電容量型トランスデューサで超音波を送受信する場合、電圧印加手段13で、第一の電極8と第二の電極12との間に電位差を形成する。第一の電極8と第二の電極12との間に直流電圧に加えて交流電圧を印加すると静電気力の時間変化によって振動膜6が振動する。振動膜の振動は10キロヘルツ以上100メガヘルツ以下、例えば数十キロヘルツから数十メガヘルツであり、超音波の周波数帯である。振動膜上の物質を直接振動させることで超音波が発生する原理である。このように、本実施形態に関わる静電容量型トランスデューサは電気信号を振動膜の振動に変換し、その振動が超音波を生成することで超音波を送信することができる。
一方、超音波を受信すると、第二の電極12を有する振動膜が振動するため、エレメント3の静電容量が変化する。この静電容量変化によって、信号取り出し電極に交流電流が流れる。このように、超音波が電気信号に変換されることで超音波を受信することができる。静電容量型超音波トランスデューサの場合は、超音波を受信すると静電容量変化による微小な交流電流となって出力される。この電流は演算増幅器等の回路によって増幅された電圧信号となり、アナログデジタルコンバータで離散化されたのちに信号処理される。
本実施形態の絶縁膜構造を説明する。図1(a)の静電容量型超音波トランスデューサでは、絶縁膜9に凹部7がある。静電容量型トランスデューサは送信時に振動膜6を大きく振動させることでより大きな音圧を送信することができる。その際、第一の電極8と第二の電極12との間により大きな交流電圧を印加する必要がある。しかし、空隙10の高さが制約となりそれ以上大きな振幅を与えることはできない。また、振動膜6が空隙10の底部に接触する可能性がある。接触した際、空隙10があることによって第一の電極8と第二の電極12との間の高く保たれていた絶縁性が、第一の絶縁膜9と第二の絶縁膜11が局所的に接触する。この接触した領域においては、第一の絶縁膜9と第二の絶縁膜11の中に強い電界がかかることによる電荷の移動が発生する。移動した電荷のうち一部は通り抜けて絶縁膜中を流れる電流として観察されるが、一部は絶縁膜中に取り込まれる。振動膜6が空隙10の底面から離れた瞬間に、第一の絶縁膜9と第二の絶縁膜11の接触が解放される。この瞬間に、第一の絶縁膜9、第二の絶縁膜11にかかっていた電界が急激に弱くなり、絶縁膜中に取り込まれた電荷が各々の絶縁膜中にとどまることになる。絶縁膜中にとどまった電荷は電界の一部を形成する要素となるため、振動膜6が空隙10の底面に接触した前後によって印加電圧に対する静電容量型トランスデューサの送信および受信の感度特性が変化する。このことは長きにわたって静電容量型トランスデューサを使用することを想定する上で、長期信頼性に大きな影響がある。
さらに、本実施形態に関わる静電容量型超音波トランスデューサはアレイ素子として活用されることを想定している。アレイ素子は複数のエレメント3が図3(a)に示すように1次元もしくは図3(b)に示すように2次元的に並べられたものであり、その際は全体のサイズが数センチメートルにおよぶ。これによってアレイ素子間では構造的な分布による性能バラつきが発生する。つまりは同じ交流電圧を印加した場合でも、一方の素子では振動膜6が底面に接触しないが、他方の素子では振動膜6が空隙10の底面に接触する。これによって増々素子間の感度ばらつきが大きくなる。
本実施形態の凹部7は振動膜6が空隙10の底部(第一の絶縁膜9が空隙10に接する面)に接触しようとする際に、接触面積を制限することによって絶縁膜中に電荷が取り込まれることを抑制する効果がある。比較として図14を参照されたい。図14は従来の静電容量型超音波トランスデューサのセルの断面構造をあらわしたものであり、絶縁膜に凹部はない。あきらかに、本実施形態の凹部7があることによって、振動膜6と空隙10の底部との接触面積が削減されている。絶縁膜を通過する電荷の量は接触面積に比例するため、接触面積を削減することは絶縁膜中の帯電量を抑制する効果がある。これにより使用時間に対する感度変化の大きさを大幅に抑制できる。また、凹部7で絶縁されるため、振動膜6の振幅の大きさを制約することはない。つまり、本実施形態においては、振動膜6の振幅を大きく保ちながら長期信頼性性能を高めることができ、素子性能バラつき変化を抑制することもできる。
本実施形態において凹部が設けられる位置は、空隙に接する面に垂直な方向から見て、振動膜6が最も大きく変位する位置であることが好ましい。ここで、振動膜6が最も大きく変位する位置とは、当該位置が少なくとも含まれていればよく、当該位置の周囲を含む領域が含まれていても良い。また、本実施形態において凹部が設けられる位置は、空隙に接する面に垂直な方向から見た振動膜6の形状によって、適宜変えることができる。例えば、振動膜6の形状が円形の場合は、中心を含む領域に設けることができる。振動膜6の形状が矩形の場合は、矩形の振動膜の2つの対角線が交差する点を含む領域に設けることができる。
なお、本実施形態において、凹部は、膜の一部に凹みを有することを意味し、単一の厚さの膜を、凹部を有する基体の上に設けることによって凹みを形成するものではない。
また図2には第二の絶縁膜12に凹部がある。本構成も振動膜6が大きく振動し、空隙10底面に接触した際、凹部7によって第一の絶縁膜9と第二の絶縁膜12の接触面積を抑制することになるため、図1の構成と同様の効果を有する。
振動膜形状と凹部形状の関係を示す。凹部7の位置は振動膜6の最大変位位置と一致させることに効果がある。また振動形状は振動膜形状に依存するため、凹部の形状もそれに応じて異なる。図4、図5のように振動膜形状が円形もしくは正多角形であれば、凹部は振動膜の中心に円形形状に形成されるべきである。また図6のように振動膜形状が大きなアスペクト比を有する矩形であれば、凹部7は長方形もしくは長い楕円形状であるべきである。また、凹部7の深さについては空隙10の表面の凹凸や粗さよりも大きく明確な段差となっていることが必要である。したがって、20ナノメートル程度かそれ以上が望ましい。凹部7の深さの最大値については、深ければ深いほど絶縁膜の絶縁性へのリスクがたかまるし、また振動膜側に凹部を施す場合には、振動膜の機械特性にも影響がでる。しかるに、凹部7の深さは凹部7の存在する絶縁膜の厚さの20パーセント程度までが望ましい。例えば、図1(b)の場合、第二の絶縁膜11の厚さが400ナノメートルであれば、凹部7の深さは20乃至80ナノメートル程度がよい。凹部7の幅や径については、振動膜6が空隙10の底面につく際に、振動膜の最大変位部が直接空隙10に接触しないような幅や径であればよい。したがって、振動膜6の径もしくは短辺幅を代表長さとすると、凹部7はその代表長さの10パーセントから50パーセント程度が望ましい。例えば、直径30マイクロメートルの円形の振動膜の場合、凹部の径は3〜15マイクロメートルとする。
さらに、図7のように、振動膜6側に突起14を有する場合、もしくは図8のように第一の絶縁膜9側に突起14を有する場合、凹部7は突起14と同じ位置に施されることにより、突起14のみが凹部7底面に接触する。当然、このとき凹部7の深さよりも突起14の高さを大きくする。これにより、突起14によって振動膜6の振幅が抑制されることなく、長期信頼性を向上することが可能になる。
加えて、図9のように第一の絶縁膜9と振動膜6が接触する部位の直上部あるいは直下部に第一の電極8および第二の電極12のいずれかもしくは両方を配置しない構成とする。そのような構成により、接触時の第一の絶縁膜9および第二の絶縁膜11にかかる電界強度をさらに抑制することが可能となる。また図10に示すように、突起14を有する場合には、振動膜6と空隙10の底部が接触する部位が突起14で制約される。この場合、第一の電極8もしくは第二の電極12のいずれかもしくは両方を、突起14の直下あるいは直上から離れさせることで、第一の絶縁膜9および第二の絶縁膜11にかかる電界強度を低下させることができる。
そして各構成において、絶縁膜のみに凹部を施し、電極を平坦にしてあることで、電界集中を抑制している。このことは振動膜6と空隙10の底部の接触時に発生する電界強度を抑制し、電荷の移動量をさらに小さきものにする効果を有する。
絶縁膜を透過する電荷量は絶縁膜にかかる電界強度に対して比例ではなく、ある一定程度の電界強度を超えることにより電導機構が変化することが知られている。例えば、シリコン酸化膜では一部のトンネル効果を伴うFowler−Nordheim伝導機構やシリコン窒化膜ではトラップ準位を介するPoole−Frenkel伝導機構である。これらの伝導機構が生じる電界強度がかかると電荷は大量に流れ出し、絶縁膜中に多くの電荷が捕捉され、帯電の要因となる。したがって、振動膜6と空隙底部10の接触部位では大きな電荷の移動が起こらない程度の電界強度になるように第一の絶縁膜9、第二の絶縁膜11の厚さ、第一の電極8、第二の電極12の構成を決定しなくてはならない。シリコン酸化膜を使用する場合、最大電界強度は4MV/cm以下、シリコン窒化膜の場合は3MV/cm以下に設定することで、電荷の大量移動を抑制できる。
本実施形態は、静電容量型超音波トランスデューサについて、送信時に電極間に生じる電荷の移動を抑制し、長期信頼性の向上に寄与する素子の構成を提案したものである。この静電容量型超音波トランスデューサは振動膜が接触し、帯電が生じることによる感度の変化を防ぐために、振動膜の振動振幅は空隙高さよりも小さい領域に制約されていた。しかし、高いS/Nのエコー信号を取得する、あるいは超音波伝播の非線形効果による情報抽出を行うためには大きな音圧出力が必要である。大きな空隙高さの素子を設計すれば、送信音圧を大きくすることは不可能ではないが、同時に大きな電圧の印加も求められる。本実施形態による絶縁膜の凹部構造は、空隙高さを最大限に利用して、振動膜の振幅を大きくできる。仮に振動膜が空隙底面に接触しても絶縁膜中の電荷の移動は最小限となり、継続使用による感度変化が小さくなることで長期信頼性が向上する。安全性や電気回路・電圧印加手段などによる印加電圧の制約の中でも高い送信音圧、高い受信感度の静電容量型超音波トランスデューサを実現でき、それを搭載した超音波プローブを実現できる。
(超音波プローブ)
本発明の実施形態に係る超音波プローブは、被検体に照射された超音波を受信して受信信号を出力する受信部と、得られた受信信号に少なくとも基づいて、被検体の情報を取得する情報取得部と、を有する。受信部は、上記本実施形態に係る静電容量型トランスデューサを含む。
(静電容量型トランスデューサの製造方法の一例)
本発明の実施形態に係る静電容量型トランスデューサの製造方法の一例は少なくとも以下の各工程を有する。
(1)第一の電極の上に第一の絶縁膜を形成する工程。
(2)第一の絶縁膜の上に犠牲層を形成する工程。
(3)犠牲層の上に第二の絶縁膜を形成する工程。
(4)第二の絶縁膜の上に第二の電極を形成する工程。
(5)第二の絶縁膜の一部を除去して犠牲層の一部を露出させてエッチング孔を形成する工程。
(6)犠牲層を除去して空隙を形成する工程。
そして、犠牲層は、その犠牲層を除去すると、第二の絶縁膜の空隙に接する面に凹部が設けられるように形成される。すなわち、犠牲層が凸部形状を有するように設けられることで、それを除去した際に、第二の絶縁膜に凹部を有する空隙を得ることができる。
本手法において、凹部を有する空隙を得る方法として、以下の各工程を有していても良い。
まず、犠牲層が第一の犠牲層と、第二の犠牲層とを含み構成され、第二の絶縁膜が第一層と第二層を含み構成される。犠牲層を形成する工程が第一の犠牲層を形成する工程と、第一の犠牲層の上に、第一の犠牲層を覆うように、第二の犠牲層を形成する工程と、を有する。そして、第二の絶縁膜を形成する工程は、第二の絶縁膜の第一層を形成した後に、
第一の犠牲層が露出するように、第二の絶縁膜の第一層のうちの一部を除去する工程と、露出した第一の犠牲層の上に、前記第二の絶縁膜の第二層を形成する工程と、を含む。
(静電容量型トランスデューサの製造方法の他の例)
本発明の実施形態に係る静電容量型トランスデューサの製造方法の他の例は少なくとも以下の各工程を有する。
(1)第一の電極の上に第一の絶縁膜を形成する工程。
(2)第一の絶縁膜の上に犠牲層を形成する工程。
(3)犠牲層の上に第二の絶縁膜を形成する工程。
(4)第二の絶縁膜の上に第二の電極を形成する工程。
(5)第二の絶縁膜を除去して犠牲層の一部を露出させてエッチング孔を形成する工程。
(6)犠牲層を除去して空隙を形成する工程。
そして、犠牲層は、その犠牲層を除去すると、第一の絶縁膜の前記空隙に接する面に凹部が設けられるように形成される。すなわち、犠牲層が凸部形状を有するように設けられることで、それを除去した際に、第二の絶縁膜に凹部を有する空隙を得ることができる。
本手法において、凹部を有する空隙を得る方法として、以下の各工程を有していても良い。
まず、前記第一の絶縁膜が、第一層と第二層を含み構成され、犠牲層が第一の犠牲層と第二の犠牲層を含み構成される。そして、第一の絶縁膜の第一層を形成する工程と、第一の絶縁膜の第一層の上に、第一の犠牲層を形成する工程と、第一の犠牲層の上に、第一の犠牲層を覆うように、第一の絶縁膜の第二層を形成する工程を含む。さらに、第一の犠牲層が露出するように第一の絶縁膜の第二層のうちの一部を除去する工程と露出した前記第一の犠牲層の上に、前記第二の犠牲層を形成する工程を含む。
なお、第一の絶縁膜は酸化シリコンを含み、第二の絶縁膜は窒化シリコンを含む構成でもよく、第一の絶縁膜と第二の絶縁膜は共に酸化シリコンを含み構成されていてもよい。
また、第二の電極の上に第三の絶縁膜を形成する工程をさらに有していてもよい。また、エッチング孔を封止する第四の絶縁膜を、第三の絶縁膜の上に形成する工程をさらに有していてもよい。
以下、より具体的な実施例を挙げて本実施形態を詳細に説明する。各実施例で挙げた材料やパラメータは一例であり、本発明を限定するものではない。
図1を用いて本実施例の静電容量型超音波トランスデューサの実施例1を説明する。図1(a)は本実施例における静電容量型超音波トランスデューサの上面図であり、エレメント3は一次元アレイとして構成されている。
まず、セル1の断面構造を説明する。絶縁層5として酸化ケイ素膜1マイクロメートルを成膜したケイ素単結晶基板4、厚さ100ナノメートルのタングステンと厚さ10ナノメートルのチタンの積層膜を第一の電極8、厚さ400ナノメートルの酸化ケイ素を絶縁層9とする。凹部7を除く空隙10の高さは300ナノメートルであり、200パスカルで減圧、封止されている。空隙10の上の第二の絶縁膜11は窒化ケイ素膜で厚さは600ナノメートルである。第二の電極12は厚さ100ナノメートルのアルミニウム・ネオジウム合金である。セル1の振動膜の直径は30マイクロメートル、第二の電極12の直径は28マイクロメートルで、配線2の幅は4マイクロメートルである。第三の絶縁膜13は窒化ケイ素で厚さは400ナノメートルである。第二の絶縁膜11、第二の電極12および第三の絶縁膜13は振動膜6の構成要素である。第二の絶縁膜11と第三の絶縁膜は引張応力を有することで振動膜6を安定的に形成している。本実施例では第二の絶縁膜および第三の絶縁膜であるシリコン窒化膜は100メガパスカルの応力を有している。
凹部7は、振動膜6の上面から見て、振動膜6の最大変位となる位置に施される。凹部7の大きさは振動膜6の大きさに応じて相対的に決定される。本実施例において、振動膜6は円形であるため、凹部7は空隙10の中央部に配設される。凹部7の深さは20ナノメートル程度であり、直径は5マイクロメートル程度である。
なお、凹部は、複数設けられていても良い。凹部が複数設けられる場合、各々の凹部の径は同じであっても、異なっていても良い。また、凹部が複数設けられる場合、後述の突起部も複数設けることができる。
静電容量型超音波トランスデューサは電圧印加手段16から直流電圧を第一の電極8と第二の電極12の間に印加することにより、電気機械変換を行い、超音波の送信および受信が可能になる。なお、超音波送信時には電圧印加手段16より直流電圧に加えて交流電圧を印加する。静電容量型超音波トランスデューサの駆動条件はセル1のプルイン電圧より決定する。プルインとは第一の電極8と第二の電極12との間に直流電圧を印加したとき、振動膜の剛性による復元力と静電気力のつり合いがとれなくなり、振動膜が空隙10の底面に接触することであり、この電圧をプルイン電圧と呼ぶ。本実施例におけるセル1のプルイン電圧は300ボルトであり、駆動条件は、直流電圧は200V、交流電圧の振幅最大値は100Vである。
静電容量型超音波トランスデューサの主な用途は送信した超音波のエコーを自ら受信し、様々な種類の情報、例えば距離、方向、物体の種類、特性、速度などを取得する。高い精度の情報を得るためには、送信すべき音圧は可能な限り大きくする必要がある。したがって、静電容量型超音波トランスデューサの場合、振動膜6を空隙10高さと同程度に心服させることで最大の音圧を発生させることができる。その際に、振動膜6が空隙10の底部に接触することで、第一の絶縁膜9、第二の絶縁膜11中に電荷が入り、帯電を引き起こす。本実施例では凹部7によってこの接触面積を低減させることにより帯電量を低減させることができ、静電容量型超音波トランスデューサの長期信頼性を向上することが可能になる。
図2を用いて本実施例の静電容量型超音波トランスデューサの実施例2について説明する。静電容量型超音波トランスデューサのエレメントの構成は実施例1とほぼ同様である。
まず、セル1の断面構造を説明する。絶縁層5として酸化ケイ素膜1マイクロメートルを成膜したケイ素単結晶基板4、厚さ500ナノメートルの窒化チタン、アルミニウム合金、窒化チタンの積層膜を第一の電極8、厚さ400ナノメートルの酸化ケイ素を第一の絶縁膜9とする。凹部7を除く空隙10の高さは300ナノメートルであり、200パスカルで減圧、封止されている。空隙10の上の第二の絶縁膜11は酸化ケイ素膜で厚さは700ナノメートルである。第二の電極12は厚さ500ナノメートルの窒化チタン、アルミニウム合金、窒化チタンの積層である。セル1の振動膜の直径は30マイクロメートル、第二の電極12の直径は28マイクロメートルで、配線2の幅は4マイクロメートルである。第三の絶縁膜13は窒化ケイ素で厚さは600ナノメートルである。第二の絶縁膜11、第二の電極12および第三の絶縁膜13は振動膜6の構成要素である。第二の絶縁膜11と第三の絶縁膜は引張応力を有することで振動膜6を安定的に形成している。本実施例では第三の絶縁膜であるシリコン窒化膜は100メガパスカルの応力を有している。
凹部7は、振動膜6の一次振動方向から見て、振動膜6の最大変位となる位置に施される。凹部7の大きさは振動膜6の大きさに応じて相対的に決定される。本実施例において、振動膜6は円形であるため、凹部7は空隙10の中央部に配設される。凹部7の深さは20ナノメートル程度であり、直径は5マイクロメートル程度である。本実施例におけるセル1のプルイン電圧は300ボルトであり、駆動条件は、直流電圧は200V、交流電圧の振幅最大値は100Vである。
本実施例の静電容量型超音波トランスデューサは、振動膜6が空隙10の底面に接触した際でも、第一の絶縁膜9に施した凹部7の効果により接触面積は大幅に低減される。したがって実施例1と同様に、第一の絶縁膜9および第二の絶縁膜11内部の帯電量を低減させることができ、静電容量型超音波トランスデューサの長期信頼性を向上することが可能になる。さらに、第一の絶縁膜9に凹部があり、振動膜6の形状が単純であるため、素子間での特性の均一性がよくなる。
図7を用いて本実施例の静電容量型超音波トランスデューサの実施例3を説明する。静電容量型超音波トランスデューサのエレメントの構成、および材料は実施例1と同様である。図7(a)は本実施例の断面構成図であり、図7(b)はその振動膜6が変位した際の構造の変形を表した図である。
凹部7は、振動膜6の一次振動方向から見て、振動膜6の最大変位となる位置に施される。凹部7の大きさは振動膜6の大きさに応じて相対的に決定される。本実施例において、振動膜6は円形であるため、凹部7は空隙10の中央部に配設される。凹部7の深さは20ナノメートル程度であり、直径は5マイクロメートル程度である。
これに対して、空隙10の底部側の突起14は凹部7と空隙10を介して向かい合う位置に配設されている。突起14の高さは凹部7の深さよりも高く、また突起14の幅は凹部7の幅よりも小さい。本実施例では突起14は高さ30ナノメートル程度、幅3マイクロメートル程度である。
本実施例におけるセル1のプルイン電圧は300ボルトであり、駆動条件は、直流電圧は200V、交流電圧の振幅最大値は100Vである。
図7(b)で示すように、本実施例の静電容量型超音波トランスデューサは、振動膜6が空隙10の底面に接触した際でも、第一の絶縁膜9に施した突起14と第二の絶縁膜に配設した凹部7の効果により接触面積は大幅に低減される。また、突起14のみでも接触面積は同等であるが、凹部7があることにより振動膜6の振幅の大きさを大きく取ることが可能である。
また図7(c)で示すように、突起14の振動膜6との接触部が曲面を有していてもよく、この場合、接触面積がより小さくなるため帯電量の抑制ができる。
したがって、第一の絶縁膜9および第二の絶縁膜11内部の帯電量を低減させることができ、静電容量型超音波トランスデューサの長期信頼性を向上することが可能になる。
図8(a)を用いて本実施例の静電容量型超音波トランスデューサの実施例4を説明する。静電容量型超音波トランスデューサのエレメントの構成は実施例1と同様である。またセルの断面構造と材料は実施例1もしくは2とほぼ同様である。
凹部7は、振動膜6の一次振動方向から見て、振動膜6の最大変位となる位置に施される。凹部7の大きさは振動膜6の大きさに応じて相対的に決定される。本実施例において、振動膜6は円形であるため、凹部7は空隙10の中央部に配設される。凹部7の深さは20ナノメートル程度であり、直径は5マイクロメートル程度である。
これに対して、振動膜6の下面の突起14は第一の絶縁膜9に形成された凹部7と空隙10を介して向かい合う位置に配設されている。突起14の高さは凹部7の深さよりも高く、また突起14の幅は凹部7の幅よりも小さい。本実施例では突起14は高さ30ナノメートル程度、幅3マイクロメートル程度である。
本実施例におけるセル1のプルイン電圧は300ボルトであり、駆動条件は、直流電圧は200V、交流電圧の振幅最大値は100Vである。
本実施例の静電容量型超音波トランスデューサは、振動膜6が空隙10の底面に接触した際でも、第一の絶縁膜9に施した突起14と第二の絶縁膜に配設した凹部7の効果により接触面積は突起14の先端部に限られるため大幅に低減される。また、突起14のみでも接触面積は同等であるが、凹部7があることにより振動膜6の振幅の大きさを大きく取ることが可能である。
また図8(b)で示すように、突起14の振動膜6との接触部が曲面を有していてもよく、この場合、接触面積がより小さくなるため帯電量の抑制ができる。
したがって、第一の絶縁膜9および第二の絶縁膜11内部の帯電量を低減させることができ、静電容量型超音波トランスデューサの長期信頼性を向上することが可能になる。
図9を用いて本実施例の静電容量型超音波トランスデューサの実施例5を説明する。静電容量型超音波トランスデューサのエレメントの構成、膜構成は実施例1と同様であるが、セルの形状を矩形とする。図9(a)はセルの上面図であり、図9(b)はセルの断面図であり、電圧が印加された際の振動膜6の変形形状を表している。
セル1の振動膜6の短辺方向長さは24マイクロメートル、長辺方向長さは240マイクロメートルで、第二の電極12の幅は22マイクロメートルで、配線2の幅は4マイクロメートルである。第三の絶縁膜13は窒化ケイ素で厚さは400ナノメートルである。また、本実施例におけるセル1のプルイン電圧は300ボルトであり、駆動条件は、直流電圧は200V、交流電圧の振幅最大値は100Vである。
凹部7は、振動膜6の一次振動方向から見て、振動膜6の最大変位となる位置に施される。凹部7の大きさは振動膜6の大きさに応じて相対的に決定される。本実施例において、振動膜6は矩形であるため、凹部7は空隙10の短辺方向では中心位置に配設されるが、長辺方向には振動膜6の変位は一様性があるため、凹部7の形状も同様に矩形になる。凹部7の深さは20ナノメートル程度であり、短辺方向長さは5マイクロメートル程度であり、長辺方向長さは230マイクロメートルである。
本実施例の静電容量型超音波トランスデューサは、振動膜6が空隙10の底面に接触した際でも、第一の絶縁膜9に施した突起14と第二の絶縁膜に配設した凹部7の効果により接触面積は突起14の先端部に限られるため大幅に低減される。さらに、凹部7の短辺方向端部で振動膜6が接触するが、その直上からは第二の電極12を避けて形成しているので、第一の電極と第二の電極との電極間距離が広がり、第一の絶縁膜9と第二の絶縁膜11の内部にかかる電界強度はさらに抑制される。したがって、第一の絶縁膜9および第二の絶縁膜11内部の帯電量を低減させることができ、静電容量型超音波トランスデューサの長期信頼性を向上することが可能になる。
図10を用いて本実施例の静電容量型超音波トランスデューサの実施例6を説明する。静電容量型超音波トランスデューサのエレメントの構成は実施例1と同様であり、膜構成および空隙高さは実施例5とほぼ同等である。図10(a)はセルの上面図であり、図10(b)はセルの断面図であり、電圧が印加された際の振動膜6の変形形状を表している。
凹部7は、振動膜6の一次振動方向から見て、振動膜6の最大変位となる位置に施される。凹部7の大きさは振動膜6の大きさに応じて相対的に決定される。本実施例において、振動膜6は矩形であるため、凹部7は空隙10の短辺方向については中央部に配設される。しかし、長辺方向には振動膜6の振幅一様であるため、図10(a)のように、数か所に凹部7および突起14があればよい。本実施例では、これらを5か所配設した。凹部7の深さは20ナノメートル程度であり、幅は5マイクロメートル程度である。
これに対して、振動膜6の底部側の突起14は凹部7と空隙10を介して向かい合う位置に配設されている。突起14の高さは凹部7の深さよりも高く、また突起14の幅は凹部7の幅よりも小さい。本実施例では突起14は高さ30ナノメートル程度、幅3マイクロメートル程度である。
本実施例におけるセル1のプルイン電圧は300ボルトであり、駆動条件は、直流電圧は200V、交流電圧の振幅最大値は100Vである。
本実施例の静電容量型超音波トランスデューサは、振動膜6が空隙10の底面に接触した際でも、第一の絶縁膜9に施した突起14と第二の絶縁膜に配設した凹部7の効果により接触面積は突起14の先端部に限られるため大幅に低減される。また、突起14のみでも接触面積は同等であるが、凹部7があることにより振動膜6の振幅の大きさを大きく取ることが可能である。さらに、突起14と凹部7の底部で振動膜6が接触するが、その直上からは第二の電極12を避けて形成しているので、第一の電極と第二の電極との電極間距離が広がり、第一の絶縁膜9と第二の絶縁膜11の内部にかかる電界強度はさらに抑制される。したがって、第一の絶縁膜9および第二の絶縁膜11内部の帯電量を低減させることができ、静電容量型超音波トランスデューサの長期信頼性を向上することが可能になる。
図11を用いて本実施例の静電容量型超音波トランスデューサの製造方法の実施例7を説明する。本実施例で製造される静電容量型超音波トランスデューサは図1に示したものに対応する。
図11(a)にケイ素単結晶基板101を熱酸化させて酸化ケイ素膜102を1マイクロメートル成膜する。熱酸化工程では基板表面すべてが酸化するが、図11(a)では裏面側は図示しない。
次に、図11(b)に示すように、タングステン100ナノメートルとチタン10ナノメートルをスパッタリングで連続して成膜し、フォトリソグラフィー、パターニング工程を経て、第一の電極103を形成する。図11(b)では第一の電極103は一様であるが、実際はパターン形成をしている。その後、Plasma−Enhanced Chemical Vapor Deposition(PECVD)により酸化シリコン膜を400ナノメートル成膜し、第一の絶縁膜104を形成する。パターニング部位もあるが図示しない。その後、非晶質ケイ素膜を犠牲層の第一層105として成膜する。この時の膜厚が凹部の深さにあたる。犠牲層の第一層105の厚さを30ナノメートルとする。
凹部部位にあたる部分として、犠牲層の第一層105をパターニングする。これを図11(c)に示す。図11(d)では犠牲層の第二層106を形成する工程を示す。非晶質ケイ素をPECVDで300ナノメートル成膜し、形成する振動膜のサイズにパターニングする。
図11(e)に第二の絶縁膜の第一層107の形成を示す。PECVDによって窒化ケイ素膜を30ナノメートル成膜する。
犠牲層の第一層105と第二層106が重なる部分の上にある第二の絶縁膜の第一層をエッチングもしくはChemical Mechanical Polishing(CMP)で除去する。犠牲層露出部108の高さが、周囲の第二の絶縁膜の第一層と一致することで、これより上部の膜の平坦性が保たれる(図11(f))。
図11(g)には第二の絶縁膜の第二層109と第二の電極110の形成工程を示す。PECVDによって窒化ケイ素膜を570ナノメートル成膜する。その後、アルミニウム・ネオジウム合金膜をスパッタリングで100ナノメートル成膜し、第二の電極110を形成する。
その後、窒化シリコンをPECVDで400ナノメートル成膜し、第三の絶縁膜111を形成する(図11(h))。犠牲層105および106を除去するために、第二の絶縁膜、第三の絶縁膜の一部に孔を形成する(図不示)。そして、二フッ化キセノンによるドライエッチングによって犠牲層105、106を形成する非晶質ケイ素を除去し、凹部112を含む空隙が形成される。
犠牲層エッチングに用いたエッチング孔はその後PECVDによって窒化ケイ素により封止される。この際、成膜条件が200パスカル程度の雰囲気になることから、空隙は減圧封止される。封止の際に、振動膜上部に積層された窒化ケイ素はエッチングにより除去する場合がある。封止工程に相当の膜厚が必要な場合には、犠牲層エッチング前に、第三の絶縁膜111の上部にエッチングストップ層を形成し、犠牲層エッチング、封止、封止膜のエッチング後にエッチングストップ層を除去する。
本実施例の静電容量型超音波トランスデューサの製造方法により、振動膜側に凹部を有する長期信頼性の高い超音波トランスデューサを提供できる。
図12を用いて本実施例の静電容量型超音波トランスデューサの製造方法の実施例8を説明する。本実施例で製造される静電容量型超音波トランスデューサは図2に示したものに対応する。上面図は図1(a)と同等である。
図12(a)にケイ素単結晶基板201を熱酸化させて酸化ケイ素膜202を1マイクロメートル成膜する。熱酸化工程では基板表面すべてが酸化するが、図12(a)では裏面側は図示しない。
次に、図12(b)に示すように、タングステン100ナノメートルとチタン10ナノメートルをスパッタリングで連続して成膜し、フォトリソグラフィー、パターニング工程を経て、第一の電極203を形成する。図12(b)では第一の電極203は一様であるが、実際はパターン形成をしている。その後、PECVDにより酸化シリコン膜を370ナノメートル成膜し、第一の絶縁膜204を形成する。パターニング部位もあるが図示しない。
その後、非晶質ケイ素膜を犠牲層の第一層205として成膜する。この時の膜厚が凹部の深さにあたる。犠牲層の第一層205の厚さを30ナノメートルとする。凹部部位にあたる部分として、犠牲層の第一層205をパターニングする。これを図12(c)に示す。
酸化ケイ素をPECVDで30ナノメートル成膜し、第一の絶縁層の第一層206を形成する(図12(d))。その後、犠牲層の第一層205上の第一の絶縁層の第一層206をエッチングもしくはCMPで除去する。この時、犠牲層の第一層205とその周囲の第一の絶縁層の第一層の高さが一致し、これより上部の膜の平坦性が保たれる。
図12(f)では犠牲層の形成工程と第二の絶縁膜の成膜についてしめす。PECVDで非晶質ケイ素膜を300ナノメートル成膜し、振動膜の形状になるようにパターニングし、犠牲層の第二層208を形成する。その後、PECVDで窒化ケイ素膜を600ナノメートル成膜し、第二の絶縁層209を形成する。以降、実施例7と同等である。
本実施例の静電容量型超音波トランスデューサの製造方法では、犠牲層207および208を形成して以降は振動膜の形成が複雑でないため、素子間でより均一な特性が期待できる。また前述の実施例同様に、第一の絶縁膜側に凹部を有する長期信頼性の高い超音波トランスデューサを提供できる。
図13を用いて本実施例の超音波プローブを説明する。
本実施形に係る超音波プローブは、複数の上記静電容量型トランスデューサが、同一の基板の上に設けられているアレイ素子を含む。アレイ素子は、静電容量型トランスデューサごとに配線によって電気基板に接続し、電気基板の上には超音波送信時と受信時の切り替えスイッチと、超音波受信時に変換された電気信号を増幅する増幅器とを有する。
本実施形態の超音波プローブ300で用いられる静電容量型超音波トランスデューサ301とエレメント303の構成は実施例1乃至実施例6と同様である。静電容量型トランスデューサ301には直流電源印加手段311より直流電圧が印加されている。各エレメント303からは配線302が電気基板304に接続されており、送信信号305または受信信号306が各エレメント303に送受信される。送信信号305に対応して、超音波307が送信され、入射する超音波308はエレメント303で電機変換され、受信信号306が生成される。電気基板304上には増幅器310があり、受信信号を増幅する。増幅器310は送信時にはスイッチ309によって保護される。電気基板304はケーブル314と接続し、各エレメントの送信信号305と受信信号306はプローブ外部とやりとりされる。超音波送信時には交流電圧印加手段312より、交流電圧が生成され、ケーブル314を通り、増幅器310をバイパスし、エレメント303に入力され、超音波307が送信される。一方、超音波受信時は、入射した超音波308が各エレメント303で受信信号306が生成され、ケーブル314を介し、情報取得部313に送られる。
本実施形態の静電容量型超音波トランスデューサを超音波プローブに搭載することで長期信頼性の高い超音波プローブを提供できる。
1 セル
2 配線
3 エレメント
4 基板
5 絶縁層
6 振動膜
7 凹部
8 第一の電極
9 第一の絶縁膜
10 空隙
11 第二の絶縁膜
12 第二の電極
13 第三の絶縁膜
14 突起
15 支持部
16 電圧印加手段

Claims (28)

  1. 第一の電極と、
    前記第一の電極の上に設けられた第一の絶縁膜と、
    前記第一の絶縁膜と空隙を隔てて設けられた振動膜とを有し、
    前記振動膜は、第二の絶縁膜と第二の電極とを含み、前記第二の絶縁膜が前記空隙側に位置するように設けられている静電容量型トランスデューサであって、
    前記第一の絶縁膜の前記空隙に接する面と、前記第二の絶縁膜の前記空隙に接する面の少なくともいずれか一方の面に、凹部が設けられている
    ことを特徴とする静電容量型トランスデューサ。
  2. 前記凹部は、前記空隙に接する面に垂直な方向から見て、前記振動膜が最も大きく変位する位置を含む領域に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の静電容量型トランスデューサ。
  3. 前記凹部の形状は、前記空隙に接する面に垂直な方向から見て、円形、矩形、及び楕円形のいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電容量型トランスデューサ。
  4. 前記空隙に接する面に垂直な方向から見て、前記振動膜の形状が円形であり、
    前記凹部は、前記振動膜の中心を含む領域に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の静電容量型トランスデューサ。
  5. 前記空隙に接する面に垂直な方向から見て、前記振動膜の形状が矩形であり、
    前記凹部は、前記振動膜の対角線が交差する点を含む領域に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の静電容量型トランスデューサ。
  6. 前記第一の絶縁膜が酸化シリコンを含み、前記第二の絶縁膜が窒化シリコンを含み構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の静電容量型トランスデューサ。
  7. 前記第一の絶縁膜、及び前記第二の絶縁膜が共に酸化シリコンを含み構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の静電容量型トランスデューサ。
  8. 前記第一の絶縁膜に前記凹部が設けられており、前記第二の絶縁膜に前記凹部が設けられておらず、前記第二の電極が開口部を有し、
    前記開口部は、前記空隙に接する面に垂直な方向から見て、前記凹部が設けられた領域に少なくとも設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の静電容量型トランスデューサ。
  9. 前記第二の絶縁膜が前記空隙に接する面であって、前記空隙に接する面に垂直な方向から見て、前記凹部と重なる位置に突起が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の静電容量型トランスデューサ。
  10. 前記第二の絶縁膜に前記凹部が設けられており、前記第一の絶縁膜に前記凹部が設けられておらず、前記第一の電極が開口部を有し、
    前記開口部は、前記空隙に接する面に垂直な方向から見て、前記凹部が設けられた領域に少なくとも設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の静電容量型トランスデューサ。
  11. 前記第一の絶縁膜が前記空隙に接する面であって、前記空隙に接する面に垂直な方向から見て、前記凹部と重なる位置に突起が設けられていることを特徴とする請求項10に記載の静電容量型トランスデューサ。
  12. 前記第一の絶縁膜の前記空隙に接する面、及び前記第二の絶縁膜の前記空隙に接する面のいずれかの面に突起が設けられており、
    前記突起は、前記空隙に接する面に垂直な方向から見て、前記凹部と重なる位置に設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の静電容量型トランスデューサ。
  13. 前記凹部は前記第二の絶縁膜の前記空隙に接する面に設けられていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の静電容量型トランスデューサ。
  14. 前記凹部は前記第一の絶縁膜の前記空隙に接する面に設けられていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の静電容量型トランスデューサ。
  15. 前記第一の電極は基板の上に設けられていることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の静電容量型トランスデューサ。
  16. 前記第二の絶縁膜の上に、さらに、第三の絶縁膜が設けられていることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の静電容量型トランスデューサ。
  17. 前記第一の電極と前記第二の電極との間に電圧を印加するための電圧印加手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の静電容量型トランスデューサ。
  18. 被検体に照射された超音波を受信して受信信号を出力する受信部と、
    前記受信信号に少なくとも基づいて、前記被検体の情報を取得する情報取得部と、を有する超音波プローブであって、
    前記受信部は、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の静電容量型トランスデューサを含むことを特徴とする超音波プローブ。
  19. 複数の、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の静電容量型トランスデューサが、
    同一の基板の上に設けられているアレイ素子を含み、
    前記アレイ素子は、前記静電容量型トランスデューサごとに配線によって電気基板に接続し、前記電気基板の上には超音波送信時と受信時の切り替えスイッチと、
    超音波受信時に変換された電気信号を増幅する増幅器と
    を有していることを特徴とする超音波プローブ。
  20. 第一の電極の上に第一の絶縁膜を形成する工程と、
    前記第一の絶縁膜の上に犠牲層を形成する工程と、
    前記犠牲層の上に第二の絶縁膜を形成する工程と、
    前記第二の絶縁膜の上に第二の電極を形成する工程と、
    前記第二の絶縁膜の一部を除去して前記犠牲層の一部を露出させてエッチング孔を形成する工程と、
    前記犠牲層を除去して空隙を形成する工程と、
    を有し、
    前記犠牲層は、前記犠牲層を除去すると、前記第二の絶縁膜の前記空隙に接する面に凹部が設けられるように形成されることを特徴とする静電容量型トランスデューサの製造方法。
  21. 前記犠牲層が第一の犠牲層と、第二の犠牲層とを含み構成され、
    前記第二の絶縁膜が第一層と第二層を含み構成され、
    前記犠牲層を形成する工程は、
    前記第一の犠牲層を形成する工程と、
    前記第一の犠牲層の上に、前記第一の犠牲層を覆うように、前記第二の犠牲層を形成する工程と、
    を有し、
    前記第二の絶縁膜を形成する工程は、
    前記第二の絶縁膜の第一層を形成した後に、
    前記第一の犠牲層が露出するように、前記第二の絶縁膜の第一層のうちの一部を除去する工程と、
    露出した前記第一の犠牲層の上に、前記第二の絶縁膜の第二層を形成する工程と、を含むことを特徴とする請求項20に記載の静電容量型トランスデューサの製造方法。
  22. 第一の電極の上に第一の絶縁膜を形成する工程と、
    前記第一の絶縁膜の上に犠牲層を形成する工程と、
    前記犠牲層の上に第二の絶縁膜を形成する工程と、
    前記第二の絶縁膜の上に第二の電極を形成する工程と、
    前記第二の絶縁膜を除去して前記犠牲層の一部を露出させてエッチング孔を形成する工程と、
    前記犠牲層を除去して空隙を形成する工程と、
    を有し、
    前記犠牲層は、前記犠牲層を除去すると、前記第一の絶縁膜の前記空隙に接する面に凹部が設けられるように形成されることを特徴とする静電容量型トランスデューサの製造方法。
  23. 前記第一の絶縁膜が、第一層と第二層を含み構成され
    前記犠牲層が第一の犠牲層と第二の犠牲層を含み構成され、
    前記第一の絶縁膜の第一層を形成する工程と、
    前記第一の絶縁膜の第一層の上に、前記第一の犠牲層を形成する工程と、
    前記第一の犠牲層の上に、前記第一の犠牲層を覆うように、前記第一の絶縁膜の第二層を形成する工程と、
    前記第一の犠牲層が露出するように前記第一の絶縁膜の第二層のうちの一部を除去する工程と、
    露出した前記第一の犠牲層の上に、前記第二の犠牲層を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項22に記載の静電容量型トランスデューサの製造方法。
  24. 基板の上に前記第一の電極を形成する工程を含むことを特徴とする請求項20乃至23のいずれか1項に記載の静電容量型トランスデューサの製造方法。
  25. 前記第一の絶縁膜は酸化シリコンを含み、前記第二の絶縁膜は窒化シリコンを含むことを特徴とする請求項20乃至24のいずれか1項に記載の静電容量型トランスデューサの製造方法。
  26. 前記第一の絶縁膜と前記第二の絶縁膜は共に酸化シリコンを含み構成されることを特徴とする請求項20乃至24のいずれか1項に記載の静電容量型トランスデューサの製造方法。
  27. 前記第二の電極の上に第三の絶縁膜を形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項20乃至26のいずれか1項に記載の静電容量型トランスデューサの製造方法。
  28. 前記エッチング孔を封止する第四の絶縁膜を、前記第三の絶縁膜の上に形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項20乃至27のいずれか1項に記載の静電容量型トランスデューサの製造方法。
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