JP2019211377A - 電子装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回路素子の温度を正確に検出できる電子装置を提供することを目的とする。【解決手段】電子制御装置は、配線基板と、配線基板に実装され、配線基板と電気的に接続された第1半導体素子32と、第1半導体素子32における配線基板との対向面の反対面に対して、反対面の全域と接触した状態で実装され、反対面の全域と接触した状態で、回路素子から生じる熱流束に応じた電気信号を出力する第1熱流束センサ41とを備えている。さらに、電子制御装置は、第1熱流束センサ41の出力結果である熱流束に、第1半導体素子32と第1熱流束センサ41とが対向している領域の面積を乗算することで、第1半導体素子32の放熱量を算出する計算部81を備えている。【選択図】図4

Description

本開示は、配線基板に回路素子が実装された電子装置に関する。
従来、配線基板に回路素子が実装された電子装置の一例として、特許文献1に開示された電子装置がある。
電子装置は、基板と、スイッチング素子、マイコン、抵抗、コンデンサ及びサーミスタを含む回路素子と、ヒートシンク等とを備えている。サーミスタは、基板に放熱ゲルが塗布された第1面とは反対側の第2面で、複数のスイッチング素子のうち発熱温度が比較的高いスイッチング素子の近くに設けられている。マイコンは、サーミスタの出力により、発熱温度が比較的高いスイッチング素子の温度を検出する。
特開2017−147259号公報
しかしながら、上記電子装置では、発熱温度が比較的高いスイッチング素子の近くに設けられているサーミスタの出力によって温度を検出している。このため、局所の温度しか検知できない。よって、電子装置は、スイッチング素子の温度を正確に検出することができないという問題がある。
本開示は、上記問題点に鑑みなされたものであり、回路素子の発熱量を正確に検出できる電子装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本開示は、
配線基板(31)と、
配線基板に実装され、配線基板と電気的に接続された少なくとも一つの回路素子(32、33)と、
回路素子における配線基板との対向面の反対面に対して、反対面の全域と接触した状態で実装され、反対面の全域と接触した状態で、回路素子から生じる熱流束に応じた電気信号を出力する熱流束センサ(41、42)と、
熱流束センサの出力結果である熱流束に、回路素子と熱流束センサとが対向している領域の面積を乗算することで、回路素子の放熱量を算出する算出部(81)と、を備えていることを特徴とする。
このように、本開示は、回路素子における反対面の全域と接触した状態で熱流束センサが実装されている。このため、本開示は、回路素子の温度変化に応答性良く、回路素子の反対面からの熱流束を得ることができる。そして、本開示は、このようにして得られた熱流束に基づいて、回路素子の放熱量を算出するため、回路素子の発熱量を正確に検出することができる。
なお、特許請求の範囲、及びこの項に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
第1実施形態における電子制御装置の概略構成を示す斜視図である。 図1のII-II線に沿う断面図である。 第1実施形態における第1半導体素子に実装された第1熱流束センサを示す平面図である。 第1実施形態における電子制御装置の概略構成を示すブロックである。 変形例におけるマルチコア素子に実装された熱流束センサを示す平面図である。 第2実施形態における電子制御装置の概略構成を示す断面図である。 第2実施形態における電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。 第2実施形態における電子制御装置の処理動作を示すフローチャートである。 第3実施形態における電子装置の概略構成を示す図面である。 第3実施形態における電子装置で発熱量を推定する際のグラフである。
以下において、図面を参照しながら、本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において、先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において、構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を参照し適用することができる。
なお、以下においては、互いに直交する3方向をX方向、Y方向、Z方向と示す。また、X方向とY方向とによって規定される平面をXY平面と示す。
(第1実施形態)
図1〜図4を用いて、第1実施形態の電子装置に関して説明する。本実施形態では、電子装置を電子制御装置100に適用した例を採用する。また、電子制御装置100は、例えば、車載機器とともに車両に搭載され、車載機器を制御するための車載制御装置などに適用できる。
図1、図2に示すように、電子制御装置100は、カバー10とベース20とを含む筐体、筐体内に収容された回路基板30、筐体内に収容された第1熱流束センサ41、第2熱流束センサ42などを備えている。熱流束センサは、熱流センサと言い換える事ができる。
カバー10は、カバー基部11、カバー突起12、放熱フィン13、コネクタ収納部14などを含んでいる。カバー10は、アルミニウムなどの金属を主成分として形成されている。カバー10は、例えば、ダイカストなどの製法によって製造することができる。カバー10は、ベース20と組み付けられることで、回路基板30を収容するための収容空間を形成可能に構成されている。なお、収容空間に対して、筐体の外部は、外部空間と称することができる。
図1、図2に示すように、カバー10は、カバー基部11と、カバー基部11に対して収容空間側に突出したカバー突起12、収容空間とは反対側に突出した放熱フィン13を含んでいる。また、カバー10は、コネクタ70が配置されるコネクタ部14が設けられている。
カバー突起12は、周辺よりも突出しており、第1熱流束センサ41と対向する部位に設けられている。カバー突起12は、第1半導体素子32とカバー基部11とを間接的に接触させるための部位である。カバー突起12は、第1熱流束センサ41との対向面が、第1熱流束センサ41の表面と同等、もしくは、第1熱流束センサ41の表面よりも広く設けられている。カバー突起12の対向面及び第1熱流束センサ41の表面は、XY平面に沿う平坦面である。しかしながら、カバー突起12は、第1熱流束センサ41との対向面が、第1熱流束センサ41の表面よりも狭くても採用することができる。
放熱フィン13は、カバー10に伝達された熱を外部空間に放熱するための部位である。なお、本開示は、放熱フィン13が形成されていないカバー10であっても採用できる。
ベース20は、ベース基部21と、ベース基部21に対して収容空間側に突出したベース突起22を含んでいる。ベース20は、アルミニウムなどの金属を主成分として形成されている。ベース20は、例えば、ダイカストなどの製法によって製造することができる。
ベース突起22は、第2半導体素子33とベース基部21とを間接的に接触させるための部位である。ベース突起22は、第2熱流束センサ42との対向面が、第2熱流束センサ4の表面と同等、もしくは、第2熱流束センサ42の表面よりも広く設けられている。ベース突起22の対向面及び第2熱流束センサ42の表面は、XY平面に沿う平坦面である。しかしながら、ベース突起22は、第2熱流束センサ42との対向面が、第2熱流束センサ4の表面よりも狭くても採用することができる。
回路基板30は、配線基板31、第1半導体素子32、第2半導体素子33、サーミスタ34、コネクタ70、マイコン80など含んでいる。
配線基板31は、樹脂やセラミックなどの絶縁性基材に、導電性の配線が形成されている。配線基板31は、第1基板面S1と、第1基板面S1の反対面である第2基板面S2を含んでいる。配線基板31は、例えば、第1基板面S1と第2基板面S2が矩形状である基板を採用できる。第1基板面S1と第2基板面S2は、XY平面に沿う平坦面である。なお、配線基板31は、第1基板面S1や第2基板面S2に配線やソルダーレジストなどが設けられていることもある。しかしながら、これらは、絶縁基材に対して十分に薄い。このため、第1基板面S1や第2基板面S2は、平坦面とみなすことができる。
配線基板31には、複数の回路部品が実装されている。本実施形態では、第1基板面S1に第1半導体素子32、サーミスタ34、コネクタ70が実装され、第2基板面S2に第2半導体素子33が実装された配線基板31を採用している。また、本実施形態では、第1基板面S1と第2基板面S2の少なくとも一方の面にマイコン80が実装された配線基板31を採用している。
しかしながら、本開示は、これに限定されず、配線基板31に、少なくとも一つの回路素子が実装されていればよく、第2半導体素子33やサーミスタ34が実装されていなくてもよい。また、配線基板31は、第1半導体素子32、第2半導体素子33、サーミスタ34、マイコン80以外の素子が実装されていてもよい。
第1半導体素子32、第2半導体素子33は、回路素子に相当する。第1半導体素子32と第2半導体素子33は、同じ処理を実行しても、異なる処理を実行してもよい。以下においては、第1半導体素子32と第2半導体素子33とを区別する必要がない場合は、第1半導体素子32を代表として説明する。よって、第1半導体素子32のみに関して説明している場合、その説明は、第2半導体素子33にも採用できる。
第1半導体素子32は、例えば、半導体により構成されたMOSFETやIGBTなどを含む。第1半導体素子32は、動作することで熱を発する素子である。よって、第1半導体素子32は、発熱素子とも言える。第1半導体素子32は、例えば、配線基板31と対向する面に電極が設けられており、電極と配線基板31の配線とがはんだなどの導電性部材を介して電気的に接続されている。このように、第1半導体素子32は、配線基板31と電気的に接続されている。
第1半導体素子32は、配線基板31との対向面の反対面である第1対向面S3に第1熱流束センサ41が実装されている。言い換えると、第1半導体素子32は、第1対向面S3に第1熱流束センサ41が接している。第1対向面S3は、XY平面に沿う平坦面である。同様に、第1対向面S3は、第1対向面S3と対向する面がXY平面に沿う平坦面である。
なお、第2半導体素子33は、同様に、第2対向面S4に第2熱流束センサ42が実装されている。第2対向面S4は、第1対向面S3に相当する面であり、第2半導体素子33における配線基板31との対向面の反対面である。以下においては、第1熱流束センサ41と第2熱流束センサ42とを区別する必要がない場合は、第1熱流束センサ41を代表として説明する。よって、第1熱流束センサ41のみに関して説明している場合、その説明は、第2熱流束センサ42にも採用できる。このように、電子制御装置100は、複数の半導体素子32、33のそれぞれに個別に実装された二つの熱流束センサ41、42を備えていると言える。
図2に示すように、第1熱流束センサ41は、第1対向面S3に対して、第1対向面S3の全域と接触した状態で実装されている。つまり、図3に示すように、第1熱流束センサ41は、第1半導体素子32における第1対向面S3の全域と接触した状態で実装されている。第1熱流束センサ41は、第1放熱部材61を介して第1対向面S3に実装されると、第1対向面S3との間における熱抵抗を下げることができるので好ましい。なお、接触した状態とは、直接接触した状態だけでなく、熱抵抗を下げるための放熱部材を介して間接的に接触した状態も含んでいる。
第1熱流束センサ41は、第1配線51を介して、配線基板31の配線とはんだなどの導電性部材によって電気的に接続されている。また、第1熱流束センサ41は、配線基板31を介してマイコン80と電気的に接続されている。第1熱流束センサ41は、第1半導体素子32の発熱で生じる熱流束に応じた電圧を出力する。よって、第1熱流束センサ41の出力結果は、第1半導体素子32から生じる熱流束に相当する。なお、第2熱流束センサ42は、第2配線52を介して、配線基板31の配線と電気的に接続されている。
図2に示すように、第1放熱部材61は、第1熱流束センサ41における第1半導体素子32との対向面の反対面に実装されている。第1放熱部材61は、第1熱流束センサ41とカバー突起12との間に設けられている。第1放熱部材61は、第1熱流束センサ41とカバー突起12の両方に接触している。第1放熱部材61は、放熱ゲルなどの熱伝導性が良好な部材を採用できる。
このため、第1半導体素子32は、第1熱流束センサ41と第1放熱部材61を介して間接的にカバー10と接していると言える。また、カバー10と第1熱流束センサ41とは、第1放熱部材61を挟み込んだ状態で対向配置されていると言える。
なお、第2放熱部材62は、同様に、第2熱流束センサ42とベース突起22との間に設けられている。以下においては、第1放熱部材61と第2放熱部材62とを区別する必要がない場合は、第1放熱部材61を代表として説明する。よって、第1放熱部材61のみに関して説明している場合、その説明は、第2放熱部材62にも採用できる。
このように、第1半導体素子32は、第1熱流束センサ41や第1放熱部材61を介して、カバー10に接続されている。このため、第1半導体素子32が発熱した場合、第1半導体素子32からカバー10に向かう方向に熱流が形成される。同様に、第2半導体素子33が発熱した場合、第2半導体素子33からベース20に向かう方向に熱流が形成される。
サーミスタ34は、配線基板31の配線とはんだなどの導電性部材を介して電気的に接続されている。サーミスタ34は、第1半導体素子32から発せられた熱に応じた電気信号を出力する。例えば、サーミスタ34は、電気信号をマイコン80などに出力する。コネクタ70は、電子制御装置100と、電子制御装置100の外部に設けられた外部機器とを電気的に接続するものである。
ここで、図4を用いて、マイコン80に構成及び処理動作に関して説明する。マイコン80は、CPUなどの処理部、ROMやRAMなどの記憶部84を備えている。また、マイコン80は、第1AD変換器85と第2AD変換器86を備えている。さらに、マイコン80は、処理部として、計算部81、比較部82、出力計算部83を含んでいる。処理部は、マイコン80が実行する機能と言い換えることができる。なお、記憶部84には、第1半導体素子32と第1熱流束センサ41とが対向する面(領域)の面積A1[m]と、第2半導体素子33と第2熱流束センサ42とが対向する面の面積A2[m]とが記憶されている。なお、面積A1は、第1半導体素子32からの熱流束が第1熱流束センサ41を通過する領域の面積とも言える。同様に、面積A2は、第2半導体素子33からの熱流束が第2熱流束センサ42を通過する領域の面積とも言える。第1半導体素子32、第2半導体素子33と、第1熱流束センサ41、第2熱流束42は電気的には接続されていない。図2に示すS3面と第1放熱部材61の温度差により、ゼーベック効果で起電圧が発生する。
第1AD変換器85は、第1熱流束センサ41及び計算部81と電気的に接続されている。第1AD変換器85は、第1熱流束センサ41から出力された電気信号(電圧)が入力され、その電気信号をAD変換して計算部81へ出力する。同様に、第2AD変換器86は、第2熱流束センサ42と計算部81と電気的に接続されており、第1熱流束センサ41から出力された電気信号をAD変換して計算部81へ出力する。よって、計算部81には、第1半導体素子32による熱流束を示す信号H1[V]と、第2半導体素子33による熱流束を示す信号H2[V]とが入力される。
計算部81は、算出部に相当する。計算部81は、第1半導体素子32の放熱量と、第2半導体素子33の放熱量を個別に算出する。計算部81は、AD変換器85、86から出力された信号H1、H2と、記憶部84に記憶された面積A1、A2及び係数[mV/W・m−2]とを用いて放熱量を算出する。計算部81は、第1AD変換器85から出力された信号H1[V]を係数で除算し、除算で得られた値に面積A1[m]を乗算することで、第1半導体素子32の放熱量W1(=H1×A1)[W]を算出する。同様に、計算部81は、第2AD変換器86から出力された信号H2[V]を係数で除算し、除算で得られた値に面積A2[m]を乗算することで、第2半導体素子33の放熱量W2(=H2×A2)[W]を算出する。
このように、電子制御装置100は、第1半導体素子32における第1対向面S3の全域と接触した状態で第1熱流束センサ41が実装されている。このため、電子制御装置100は、第1半導体素子32の温度変化に応答性良く、第1半導体素子32の第1対向面S3からの熱流束を得ることができる。そして、電子制御装置100は、このようにして得られた熱流束に基づいて、第1半導体素子32の放熱量を算出する。なお、電子制御装置100は、第2半導体素子33に関しても同様の効果を奏することができる。
電子制御装置100は、第1半導体素子32から発せられた熱は、配線基板31よりもカバー10に伝達されやすい。つまり、電子制御装置100は、第1半導体素子32から発せられる熱の経路を第1熱流束センサ41に集中させやすく、第1半導体素子32から発せられる熱が配線基板31などに逃げることを抑制できる。このため、電子制御装置100は、第1半導体素子32の本来の放熱量に相当する放熱量W1を算出する。なお、電子制御装置100は、第2半導体素子32側に関しても同様である。なお、本来の放熱量とは、第1半導体素子32の全面を対象に測定した放熱量に相当する。
また、本実施形態では、上記のようにして得られた放熱量に基づいて、第1半導体素子32の放熱量と第2半導体素子33の放熱量のバランスをとることで、素子の負荷を均衡にしたり、緩めたり、停止してもいいようにマイコン80を採用している。そのために、電子制御装置100は、比較部82と出力計算部83とを備えている。
比較部82は、比較部に相当する。比較部82は、計算部81と電気的に接続されており、計算部81で算出された各半導体素子32、33の放熱量を比較する。また、比較部82は、出力計算部83と電気的に接続されており、比較結果を出力計算部83に出力する。
出力計算部83は、電力制御部に相当する。出力計算部83は、第1半導体素子32と第2半導体素子33の動作制御を行う。また、出力計算部83は、比較部82での比較で各半導体素子32、33の放熱量が異なる場合、比較結果に応じて、第1半導体素子32と第2半導体素子33の電力を制御することで、第1半導体素子32の放熱量と第2半導体素子33の放熱量のバランスをとる。例えば、出力計算部83は、第1半導体素子32よりも第2半導体素子33の方が放熱量が多かった場合、第2半導体素子33の処理負荷を減らすとともに、第1半導体素子32の処理負荷を増やして電力を制御する。
電子制御装置100は、第1半導体素子32の放熱量と第2半導体素子33の放熱量を個別に算出しているため、放熱量が多い箇所を特定しやすい。また、電子制御装置100は、各半導体素子32、33の放熱量の比較結果に応じて、第1半導体素子32の放熱量と第2半導体素子33の放熱量のバランスをとるため、第1半導体素子32と第2半導体素子33の一方のみ放熱量が増えることを抑制できる。なお、電子制御装置100は、第1半導体素子32と第2半導体素子33の一方のみに熱負荷が集中することを抑制できる、とも言える。また、電子制御装置100は、個々の半導体素子32、33の電力を制限することができる、とも言える。
しかしながら、本開示は、これに限定されず、第1半導体素子32など少なくとも一つの回路素子の放熱量を算出するマイコン80であればよい。
また、電子制御装置100は、計算部81で算出された第1半導体素子32の放熱量と第2半導体素子33の放熱量が出力計算部83に入力される構成であってもよい。この場合、出力計算部83は、第1熱流束センサ41で算出された放熱量に基づいて、第1半導体素子32の電力を制御する。同様に、出力計算部83は、第2熱流束センサ42で算出された放熱量に基づいて、第2半導体素子33の電力を制御する。
出力計算部83は、例えば、第1熱流束センサ41で算出された放熱量と所定値とを比較する。そして、出力計算部83は、第1熱流束センサ41の放熱量が所定値を超えていると判定した場合、第1半導体素子32の放熱量が定格を超える可能性があるとみなす。この場合、出力計算部83は、第1半導体素子32の放熱量が所定値を下回るように、第1半導体素子32を動作させて電力を制御する。これによって、電子制御装置100は、第1半導体素子32が定格を超えることを抑制でき、第1半導体素子32に異常が生じたり、異常が継続することを抑制できる。なお、電子制御装置100は、第2半導体素子33に関しても同様の制御を行うことができ、同様の効果を奏することができる。
さらに、マイコン80は、計算部81で算出された放熱量に基づいて、半導体素子の放熱経路における異常を検知してもよい(異常検知部)。この場合、マイコン80は、計算部81で算出された第1半導体素子32の放熱量に基づいて、第1半導体素子32の放熱経路における異常を検知する。同様に、マイコン80は、計算部81で算出された第2半導体素子33の放熱量に基づいて、第2半導体素子33の放熱経路における異常を検知する。
例えば、マイコン80は、配線基板31に実装されたサーミスタ34で第1半導体素子32の温度を監視することもできる。しかしながら、この場合、第1半導体素子32は、はんだクラック等に起因して配線基板31への放熱が減少することがありうる。このため、マイコン80は、サーミスタ34が読み取る温度が低下し、第1半導体素子32の温度が低下したと誤認識してしまう。
これに対して、マイコン80は、第1半導体素子32に実装された第1熱流束センサ41からの電圧に基づいた放熱量を得ることができるため、第1半導体素子32の放熱経路の状態を監視し異常を検知することができる。また、マイコン80は、サーミスタ34が配置されていない部位の異常を検知できる、とも言える。なお、電子制御装置100は、第2半導体素子33に関しても同様の異常検知を行うことができる。例えば、熱流束センサの、ある一部の領域で放熱量が減少した場合、第1放熱部材61の一部剥離が発生している可能性がある。その他、ある一部の領域で放熱量が増加した場合、基板31への放熱量が減少し、はんだボールのクラック等が発生している可能性がある。
なお、本実施形態では、二つの半導体素子32、33のそれぞれに、熱流束センサ41、42が実装された例を採用した。しかしながら、本開示は、これに限定されず、一つの半導体素子に実装された一つの熱流束センサが実装された構成であっても、半導体素子の温度を正確に検出できるという効果を奏することができる。つまり、本開示は、複数の熱流束センサを備えていなくても効果を奏することができる。
(変形例)
上記実施形態では、一つの回路素子に対して、一つの熱流束センサを設ける例を採用した。しかしながら、本開示は、これに限定されない。
本変形例では、図5に示すように、回路素子として、第1コアc1、第2コアc2、第3コアc3、第4コアc4の四つのコア(処理部)が設けられたマルチコア素子32aを採用している。マルチコア素子32aは、コア毎に処理負荷が異なることで、コア毎に放熱量が異なることもある。
本変形例の熱流束センサは、各コアc1〜c4のそれぞれに対応して、第1コア用センサ411、第2コア用センサ412、第3コア用センサ413、第4コア用センサ414を含んでいる。また、熱流束センサは、第1コア用センサ411、第2コア用センサ412、第3コア用センサ413、第4コア用センサ414が一体的に形成されていてもよい。電子制御装置100は、マルチコア素子32aにおける第1対向面S3に対して、複数の熱流束センサ411〜414が実装されているとも言える。
詳述すると、熱流束センサは、第1コア用センサ411が第1コアc1と対向し、第2コア用センサ412が第2コアc2と対向し、第3コア用センサ413が第3コアc3と対向し、第4コア用センサ414が第4コアc4と対向するようにマルチコア素子32aに実装される。第1コア用センサ411は、第1センサ用配線511と配線基板31の配線とがはんだなどの導電性部材を介して電気的に接続されており、主に第1コアc1から生じる熱流束に応じた電気信号を出力する。第2コア用センサ412は、第2センサ用配線512と配線基板31の配線とがはんだなどの導電性部材を介して電気的に接続されており、主に第2コアc2から生じる熱流束に応じた電気信号を出力する。第3コア用センサ413は、第3センサ用配線513と配線基板31の配線とがはんだなどの導電性部材を介して電気的に接続されており、主に第3コアc3から生じる熱流束に応じた電気信号を出力する。第4コア用センサ414は、第4センサ用配線514と配線基板31の配線とがはんだなどの導電性部材を介して電気的に接続されており、主に第4コアc4から生じる熱流束に応じた電気信号を出力する。
この場合、マイコン80は、マルチコア素子32aの各コアc1〜c4のそれぞれの放熱量を測定することができる。よって、マイコン80は、上記実施形態を適用して、各コアc1〜c4のそれぞれの放熱量に応じて、マルチコア素子32aの各コアc1〜c4の電力を制御することができる。このため、マイコン80は、マルチコア素子32aのあるコアだけが局所的に放熱量が増えることを抑制できる。さらに、マイコン80は、上記実施形態と同様の効果も奏することができる。
なお、本変形例では、四つのコアが設けられたマルチコア素子32aを採用している。しかしながら、コア数は、これに限定されない。また、熱流束センサは、取付対象の回路素子のコア数に対応したコア用センサを備えたものを採用すると好ましい。
以上、本開示の好ましい実施形態について説明した。しかしながら、本開示は、上記実施形態に何ら制限されることはなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能である。以下に、本開示のその他の形態として、第2実施形態、第3実施形態に関して説明する。上記実施形態及び第2実施形態、第3実施形態は、それぞれ単独で実施することも可能であるが、適宜組み合わせて実施することも可能である。本開示は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。
(第2実施形態)
図6、図7、図8を用いて第2実施形態の電子制御装置100を説明する。本実施形態では、便宜的に、電子制御装置の符号として、上記実施形態と同じ符号を採用している。また、本実施形態では、上記実施形態と同様の構成要素に関して、上記実施形態と同じ符号を採用している。このため、同じ符号の構成要素に関しては、上記実施形態を参照して適用することができる。本実施形態は、主に、各半導体素子32、33に対して設けられている熱流束センサの数、マイコン80の構成及び処理動作が上記実施形態と異なる。
図6に示すように、電子制御装置100は、第3熱流束センサ43、第4熱流束センサ44を備えている。第3熱流束センサ43、第4熱流束センサ44は、裏面側熱流束センサに相当する。なお、図6は、図2の断面図に相当する断面図である。
第3熱流束センサ43は、配線基板31における、第1半導体素子32の実装領域の裏面に実装されている。つまり、第3熱流束センサ43は、配線基板31の第2基板面S2において、第1半導体素子32の実装領域とオーバーラップする領域に実装されている。第3熱流束センサ43は、第3配線53を介して、配線基板31の配線とはんだなどの導電性部材によって電気的に接続されている。また、第3熱流束センサ43は、配線基板31を介してマイコン80と電気的に接続されている。
第4熱流束センサ44は、配線基板31における、第2半導体素子33の実装領域の裏面に実装されている。つまり、第4熱流束センサ44は、配線基板31の第2基板面S2において、第2半導体素子33の実装領域とオーバーラップする領域に実装されている。第4熱流束センサ44は、第4配線54を介して、配線基板31の配線とはんだなどの導電性部材によって電気的に接続されている。また、第4熱流束センサ44は、配線基板31を介してマイコン80と電気的に接続されている。
図7に示すように、マイコン80は、熱流束センサの数に合わせて、AD変換器が設けられている。つまり、マイコン80は、第3熱流束センサ43と電気的に接続された第3AD変換器87と、第4熱流束センサ44と電気的に接続された第4AD変換器88とを備えている。
第3AD変換器87は、第3熱流束センサ43から出力された電気信号(電圧)が入力され、その電気信号をAD変換して計算部81へ出力する。同様に、第4AD変換器88は、第4熱流束センサ44と計算部81と電気的に接続されており、第4熱流束センサ44から出力された電気信号をAD変換して計算部81へ出力する。
よって、計算部81には、第1半導体素子32によるカバー10側への熱流束を示す信号H1[V]と、第2半導体素子33によるベース20側への熱流束を示す信号H2[V]が入力される。さらに、計算部81には、第1半導体素子32による配線基板31側への熱流束を示す信号H3[V]と、第2半導体素子33による配線基板31側への熱流束を示す信号H4[V]が入力される。
また、記憶部84には、面積A1、A2と係数に加えて、配線基板31と第3熱流束センサ43とが対向する面(領域)の面積A3[m]と、配線基板31と第4熱流束センサ44とが対向する面の面積A4[m]とが記憶されている。なお、面積A3と面積A1は、同等とみなすことができる。面積A4と面積A2は、同等とみなすことができる。さらに、記憶部84には、計算部81で計算した計算結果なども記憶される。
そして、計算部81は、上記と同様にして、第3熱流束センサ43から出力された電気信号に基づいて、放熱量W3(=H3×A3)[W]を算出する。また、計算部81は、第4熱流束センサ44から出力された電気信号に基づいて、放熱量E4(=H4×A4)[W]を算出する。放熱量W3、W4は、裏面側への熱流束に基づく放熱量に相当する。
以下においては、半導体素子32、33に実装された熱流束センサ41、42から出力された電気信号に基づいて算出された放熱量W1、W2を上側放熱量とも称する。一方、配線基板31に実装された熱流束センサ43、44から出力された電気信号に基づいて算出された放熱量W3、W4を下側放熱量とも称する。
なお、第1熱流束センサ41は、第1半導体素子32の第1対向面S3から第1放熱部材61を介してカバー10に放熱する熱流束を測定するためのセンサと言える。一方、第3熱流束センサ43は、第1半導体素子32の配線基板31との対向面から配線基板31を介して空気へ放熱する熱流束を測定するためのセンサと言える。
同様に、第2熱流束センサ42は、第2半導体素子33の第2対向面S4から第2放熱部材62を介してベース20に放熱する熱流束を測定するためのセンサと言える。一方、第4熱流束センサ44は、第2半導体素子33の配線基板31との対向面から配線基板31を介して空気へ放熱する熱流束を測定するためのセンサと言える。
ここで、図8を用いて、マイコン80の処理動作に関して説明する。マイコン80は、例えば、所定時間に図8のフローチャートに示す処理を実行する。
ステップS10では、電子制御装置を作動させる。出力計算部83は、電子制御装置100を作動させる。出力計算部83は、第1半導体素子32や第2半導体素子33などを動作させる。
ステップS11では、熱流束測定データを入力する。計算部81は、各熱流束センサ41〜44のそれぞれから出力された電気信号が各AD変換器85〜88でAD変換された変換結果を入力する。このように、変換結果は、熱流束測定データとも言える。計算部81は、AD変換器85〜88での変換結果を取得するたびに、記憶部84に記憶する。しかしながら、AD変換器85〜88での変換結果は、計算部81を介さずに記憶部84に記憶されてもよい。よって、記憶部84には、所定時間毎の熱流束を示す信号H1〜H4が記憶されている。
ステップS12では、放熱量を算出する。計算部81は、上記実施形態の発熱量の算出と同様に、各AD変換器85、86の変換結果に、面積を乗算して放熱量を算出する。このようにして、計算部81は、第1半導体素子32からカバー10への放熱量W1と、第2半導体素子33からベース20への放熱量W2を算出する。
ステップS13では、熱流束測定データが変化したか否かを判定する。計算部81は、今回取得した熱流束測定データと、前回取得した熱流束測定データとを比較して、変化しているか否かを判定する。計算部81は、H1、H2のそれぞれに関して、今回取得した熱流束測定データと、前回取得した熱流束測定データとを比較して、変化しているか否かを判定する。例えば、計算部81は、今回取得した熱流束測定データである信号H1と、前回取得した熱流束測定データである記憶部84に記憶された信号H1とを比較して、変化しているか否かを判定する。H2に関しても同様である。そして、計算部81は、変化していないと判定した場合はステップS11へ戻り、変化していると判定した場合はステップS14へ進む。
ステップS14では、放熱量を算出する。計算部81は、変化した後の信号H1、H2を用いて放熱量W1、W2を算出する。
ステップS15では、トータル発熱量を算出する。トータル発熱量は、例えば第1半導体素子32から放熱される放熱量と、放熱されずに第1半導体素子32に残留している残留発熱量の合計値である。
計算部81は、第1半導体素子32と第2半導体素子33のそれぞれのトータル発熱量を算出する。第1半導体素子32と第2半導体素子33のトータル発熱量は、算出に用いる放熱量が異なるだけで同様に算出することができる。よって、以下では、代表して第1半導体素子32のトータル発熱量の算出方法に関して説明する。なお、後程説明する実効発熱量の算出方法に関しても、同様な理由によって、第1半導体素子32を代表例として採用して説明する。
計算部81は、今回取得した信号H1、H3に基づいて算出した放熱量W1、W3、及び前回取得した信号H1、H3に基づいて算出した放熱量W1、W3を用いて第1半導体素子32のトータル発熱量を算出する。以下では、放熱量の今回値と前回値を区別するために、前回の放熱量をW11、W31、今回の放熱量をW12、W32とする。従って、前回の上側放熱量がW11、前回の下側放熱量がW31であり、今回の上側放熱量がW12、前回の下側放熱量がW32である。
計算部81は、縦軸に上側放熱量、横軸に下側放熱量をとり、前回の放熱量W11、W31が示す点と、今回の放熱量W12、W32が示す点を結んだ直線を示す一次関数の切片を、トータル発熱量として算出する。なお、この放熱量のグラフは、図10の縦軸を上側放熱量、横軸を下側放熱量にかえたグラフとなる。このように、計算部81は、第1熱流束センサ41の出力結果に基づく複数時点での放熱量と、第3熱流束センサ43の出力結果に基づく複数時点での放熱量とに基づいて生成される一次関数の切片を第1半導体素子32のトータル発熱量として算出する。
このように、計算部81は、第1半導体素子32上に実装された熱流束センサ41と熱流束センサ43を用いることで、第1半導体素子32の放熱量だけでなく、トータル発熱量を算出することができる。
ステップS16では、実効発熱量を算出する。実効発熱量は、回路素子の残留発熱量に相当する。計算部81は、トータル発熱量から、第1熱流束センサ41の出力結果に基づく放熱量と、第3熱流束センサ43の出力結果に基づく放熱量とを減算することで、第1半導体素子32の実効発熱量を算出する。
第1半導体素子32で発生する熱は、一部がカバー10などに放熱され、残りが第1半導体素子32に残留することになる。このように、実効発熱量は、放熱されずに第1半導体素子32に残留している熱量であるため、第1半導体素子32に不具合を生じさせる原因となりうる。つまり、第1半導体素子32は、総発熱量が所定値(定格発熱量)を超えると不具合が発生する可能性が高くなる。そこで、電子制御装置100は、計算部81にて実効発熱量を算出するため、第1半導体素子32の実効発熱量が所定値を超えるか否かを監視することができる。
さらに、出力計算部83は、第1半導体素子32の実効発熱量が所定値を超えそうな場合、第1半導体素子32の実効発熱量が所定値を下回るように、第1半導体素子32を制御してもよい。つまり、出力計算部83は、第1半導体素子32の実効発熱量が所定値を超えるか否かを監視して、第1半導体素子32の実効発熱量が所定値を超えないように第1半導体素子32の電力を制御してもよい。これによって、電子制御装置100は、第1半導体素子32が定格を超えることを抑制でき、第1半導体素子32に異常が生じたり、異常が継続することを抑制できる。なお、出力計算部83は、第2半導体素子33に関しても同様に制御することができる。
ステップS17では、実効発熱量を比較する(比較部)。比較部82は、ステップS16で算出された、第1半導体素子32の実効発熱量と、第2半導体素子33の実効発熱量とを比較する。
ステップS18では、発熱量を制御する(電力制御部)。出力計算部83は、ステップS17での比較結果に基づいて、第1半導体素子32と第2半導体素子33の電力を制御する。出力計算部83は、ステップS17での比較で第1半導体素子32と第2半導体素子33の実効発熱量が異なる場合、実効発熱量が多い方の半導体素子の処理負荷を減らすとともに、実効発熱量が少ない方の半導体素子の処理負荷を増やして電力を制御する。このように、出力計算部83は、各半導体素子32、33の実効発熱量の比較結果に応じて、第1半導体素子32の実効発熱量と第2半導体素子33の実効発熱量のバランスをとるため、第1半導体素子32と第2半導体素子33の一方のみ実効発熱量が増えることを抑制できる。なお、電子制御装置100は、第1半導体素子32と第2半導体素子33の一方のみに熱負荷が集中することを抑制できる、とも言える。
なお、第3熱流束センサ43の値が0[V]の場合、第1半導体素子32の発熱の大部分は、第1熱流束センサ41を通過するとみなせる。よって、計算部81は、信号H1[V]を係数で除算し、除算で得られた値に面積A1[m]を乗算することで、第1半導体素子32の発熱量を求めることができる。さらに、第3熱流束センサ43の値が0[V]の場合であっても、計算部81は、上記のように、電子制御装置100周囲の温度環境が変化し、熱流束センサ41、43の値が変化すると、線形近似により発熱量の推定が可能である。
本実施形態では、一例として、上側放熱量と下側放熱量を用いて、トータル発熱量を算出する例を採用した。しかしながら、本開示は、これに限定されず、上側放熱量と下側放熱量のかわりに、上側熱流束と下側熱流束を用いて、トータル発熱量を算出することもできる。つまり、本開示は、上側放熱量に相関する値と下側放熱量に相関する値とを用いて、トータル発熱量を算出する、と言える。
(第3実施形態)
図9、図10を用いて第3実施形態の電子装置を説明する。本実施形態では、本開示の電子装置を測定装置に適用した例を採用する。なお、本実施形態では、上記実施形態と同様の構成要素に関して、上記実施形態と同じ符号を採用している。このため、同じ符号の構成要素に関しては、上記実施形態を参照して適用することができる。
測定装置は、上記の電子制御装置100のほか、別の装置でも搭載できる。また、車両に搭載されるものに限らない。電子制御装置100に搭載される第1半導体素子32などの実効発熱量を測定するための装置である。本実施形態では、回路素子としてMOSFET32bを採用している。MOSFET32bは、実効発熱量の測定対象である。
MOSFET32bは、配線基板31に実装されている。配線基板31は、測定部300と電気的に接続されている。MOSFET32bは、測定部300から配線基板31を介して電力供給されて動作する。
測定装置は、第1熱流束センサ41、第3熱流束センサ43、チラー200、測定部300などを備えている。
第1熱流束センサ41と第3熱流束センサ43は、第2実施形態と同様に、MOSFET32bと配線基板31に実装されている。第1熱流束センサ41と第3熱流束センサ43は、測定部300と電気的に接続されており、電気信号を測定部300に出力する。
なお、本実施形態では、一例として、MOSFET32bに素子側放熱部材91を介して第1熱流束センサ41が実装され、配線基板32に基板側放熱部材92を介して実装されている。この素子側放熱部材91、基板側放熱部材92は、第1放熱部材61と同様の材料によって構成されており、同様の理由で設けられている。しかしながら、素子側放熱部材91、基板側放熱部材92は、設けられていなくてもよい。
チラー200は、第1熱流束センサ41上に実装されている。つまり、チラー200は、第1熱流束センサ41におけるMOSFET32bとは反対側に実装されている。チラー200は、水を循環させて対象物(MOSFET32b)を冷却するものである。チラー200は、測定部300からの指令に応じて、冷却力を調整(温度制御)可能に構成されている。チラー200は、MOSFET32bからの熱流束を第1熱流束センサ41側の一方向に集約するために設けられている。なお、本開示は、チラー200のかわりに、熱媒体式チラーを採用することもできる。
測定部300は、CPUなどの処理部310、ROMやRAMなどの記憶部320、電源部330などを含んでいる。なお、測定部300は、上記マイコン80と同様にAD変換器を備えていてもよい。
処理部310は、MOSFET32bを動作させるとともに、熱流束センサ41、43から電気信号を取得して、放熱量、トータル発熱量、実効発熱量を算出する。また、処理部310は、実効発熱量を算出するために、電源部330に電源の供給を指示したり、チラー200に冷却力の調整を指示したりする。
記憶部320には、上記実施形態の面積A1、A3に相当する面積や、処理部310の計算結果などが記憶される。電源部330は、処理部310からの指示に応じて、配線基板31及びMOSFET32bに電源を供給する。
処理部310は、上記計算部81と同様に、放熱量、トータル発熱量、実効発熱量を算出する。本実施形態では、図10に示すように、上側放熱量と下側放熱量のかわりに、上側熱流束と下側熱流束を用いてトータル発熱量、実効発熱量を算出する例を採用している。
また、測定部300は、チラー200の過冷却により、MOSFET32bのみでなく周囲環境や他素子からも熱引きしてしまう可能性がある。そこで、処理部310は、第3熱流束センサ43に基づく熱流束が0[W/m]となるように、チラー200の温度制御を行う。
発熱量X[W]のMOSFET32bを測定対象として、実際に上記のように実効発熱量を算出した結果、同等の値を算出することができた。なお、発熱量X[W]は、MOSFET32bの電流×電圧の実測データから算出した値である。このように、測定装置は、上記実施形態と同様に、実効発熱量を算出することができる。さらに、測定装置は、第3熱流束センサ43に基づく熱流束が0[W/m]となるように、チラー200の温度制御を行って実効発熱量を算出するため、MOSFET32bの全てに面に熱流束センサを設けなくても正確な実効発熱量を算出できる。
10…カバー、11…カバー基部、12…カバー突起、13…放熱フィン、14…コネクタ部、20…ベース、21…ベース基部、22…ベース突起、30…回路基板、31…配線基板、32…第1半導体素子、33…第2半導体素子、34…サーミスタ、41…第1熱流束センサ、42…第2熱流束センサ、43…第3熱流束センサ、44…第4熱流束センサ、51…第1配線、52…第2配線、53…第3配線、54…第4配線、61…第1放熱部材、62…第2放熱部材、70…コネクタ、80…マイコン、81…計算部、82…比較部、83…出力計算部、84…記憶部、85…第1AD変換器、86…第2AD変換器、87…第3AD変換器、88…第4AD変換器、91…素子側放熱部材、92…基板側放熱部材、100…電子制御装置、200…チラー、300…測定部、310…処理部、320…記憶部、330…電源部、S1…第1基板面、S2…第2基板面、S3…第1対向面、S4…第2対向面

Claims (9)

  1. 配線基板(31)と、
    前記配線基板に実装され、前記配線基板と電気的に接続された少なくとも一つの回路素子(32、33)と、
    前記回路素子における前記配線基板との対向面の反対面に対して、前記反対面の全域と接触した状態で実装され、前記回路素子から生じる熱流束に応じた電気信号を出力する熱流束センサ(41、42)と、
    前記熱流束センサの出力結果である熱流束に、前記回路素子と前記熱流束センサとが対向している領域の面積を乗算することで、前記回路素子の放熱量を算出する算出部(81)と、を備えている電子装置。
  2. 前記算出部で算出された前記回路素子の前記放熱量に基づいて、前記回路素子の電力を制御する電力制御部(83)を備えている請求項1に記載の電子装置。
  3. 前記配線基板に実装され、少なくとも同じ処理を実行する二つの前記回路素子と、
    複数の前記回路素子のそれぞれに個別に実装された二つの前記熱流束センサと、
    前記算出部で算出された各回路素子の前記放熱量を比較する比較部(82)と、を備えており、
    前記電力制御部は、前記比較部による比較で各回路素子の前記放熱量が異なる場合、前記放熱量が多い方の前記回路素子の処理負荷を減らすとともに、前記放熱量が少ない方の前記回路素子の処理負荷を増やして前記電力を制御する請求項2に記載の電子装置。
  4. 前記配線基板における、前記回路素子の実装領域の裏面に実装された裏面側熱流束センサ(43、44)を備えており、
    前記算出部は、前記裏面側熱流束センサの出力結果である前記裏面側への熱流束に、前記配線基板と前記裏面側熱流束センサとが対向している領域の面積を乗算することで、前記裏面側への熱流束に基づく放熱量を算出し、前記熱流束センサの出力結果に基づいて算出した複数時点での前記放熱量と、前記裏面側熱流束センサの出力結果に基づいて算出した前記複数時点での前記放熱量とに基づいて生成される一次関数の切片を前記回路素子のトータル発熱量として算出する請求項1に記載の電子装置。
  5. 前記算出部は、前記トータル発熱量から、前記熱流束センサの出力結果に基づいて算出した前記放熱量と、前記裏面側熱流束センサの出力結果に基づいて算出した前記放熱量とを減算することで、前記回路素子の残留発熱量を算出する請求項4に記載の電子装置。
  6. 前記配線基板に実装され、少なくとも同じ処理を実行する二つの前記回路素子と、
    複数の前記回路素子のそれぞれに個別に実装された二つの前記熱流束センサと、
    前記算出部で算出された各回路素子の前記残留発熱量を比較する比較部(82)と、
    前記比較部による比較で各回路素子の前記残留発熱量が異なる場合、前記残留発熱量が多い方の前記回路素子の処理負荷を減らすとともに、前記残留発熱量が少ない方の前記回路素子の処理負荷を増やして電力を制御する電力制御部(83)と、を備えている請求項5に記載の電子装置。
  7. 前記熱流束センサにおける前記回路素子との対向面の反対面に実装された放熱部材を備えている請求項1乃至6いずれか一項に記載の電子装置。
  8. 前記算出部で算出された前記放熱量に基づいて、前記回路素子の放熱経路における異常を検知する異常検知部(80)を備えている請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電子装置。
  9. 前記回路素子における前記配線基板との対向面の反対面に対して、複数の前記熱流束センサが実装されている請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電子装置。
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