水力機械の一例としてのフランシス水車の一例を図12に示す。図12に示すフランシス水車101の水車運転時においては、図示しない水圧鉄管からケーシング102に水流が導かれ、この水流は、複数のステーベーン103および複数のガイドベーン104を通ってランナ105に流入する。この水流によって、ランナ105は、回転軸線Xを中心に回転する。これにより、水流の流体エネルギが回転エネルギに変換される。ランナ105の回転エネルギは、水車回転軸106を介して図示しない水車発電機に伝達され、水車発電機が発電を行う。フランシス水車101の出力を変化させる場合には、ガイドベーン104の開度を変化させて、ランナ105に流入する水の流量を調整する。
フランシス水車101では、ランナ105のランナ羽根105cは、クラウン105aおよびバンド105bに固定されている。このため、ガイドベーン104の開度を変化させると、ランナ羽根105cへの水の流入角度が変化する。この場合、水流の流体エネルギの一部は回転エネルギに変換されず、その結果としてランナ105から流出される水流が旋回流れとなる。
特に、部分負荷運転時には、この水流が旋回流れとなる現象が顕著になり、図12に示すように、ランナ105の下流側に設けられた吸出し管108内に、旋回流れに起因した渦110が発生し得る。この渦110は、ランナ105の回転方向と同じ方向に振れ回る。渦110の中心部では、圧力が著しく低下し、死水領域が形成される。また、渦110は、吸出し管108内を振れ回ることにより吸出し管108の壁面を激しく叩き、発電所の他の機器や構造物と共振を引き起こす場合がある。これは、発電所内の振動および騒音を引き起こし、安全かつ安定した運転が困難になり得る。
ここで、ランナ羽根105cの入口および出口における水流の速度三角形を図13に示す。実線は、最高効率点(設計点)における流れを示し、破線は部分負荷時(小流量運転時)における流れを示している。二点鎖線は、過負荷時(大流量運転時)における流れを示している。図13に示すCu、CvおよびCwはそれぞれ、周速度、絶対速度、および相対速度を、
で無次元化している。ランナ羽根105cの入口における流れを、Cu1、Cv1、Cw1で表わし、周速度Cu1と相対速度Cw1とがなす角度をβ1としている。同様に、ランナ羽根105cの出口における流れを、Cu2、Cv2、Cw2で表わし、周速度Cu2と相対速度Cw2とがなす角度をβ2としている。
最高効率点においては、ランナ羽根105cの出口における流れは、図13の実線で示すCv2のように旋回成分Cvu2(絶対速度Cv2の周方向成分)が小さく、ランナ105の回転軸線Xに沿うようになる。しかしながら、部分負荷時には、絶対速度Cv2は、破線で示すように、ランナ105の回転方向の側に傾斜する。これは、旋回流れが強くなり、旋回成分Cvu2が増加していることを表わしている。
この旋回成分Cvu2について、ランナ羽根105cの出口において行った流速測定により得られた半径方向分布を図14に示す。図14においては、絶対速度Cvの軸流成分Cvm2(Cvの軸方向成分)を実線で表わし、旋回成分Cvu2を破線で表わしている。また、最高効率点における分布を太線で表わし、部分負荷時における分布を細線で表わしている。軸流成分は下向きの方向を正とし、旋回成分はランナ105の回転方向を正としている。図14に示すように、部分負荷時では、軸流成分Cvm2の半径方向分布に偏りが生じ、外周側で軸流成分Cvm2が大きくなっている。このことにより、外周側で水流が速くなっていることがわかる。軸流成分Cvm2は、外周側から中心に向かって減速し、中心付近において負側の値をとっている。このことにより、中心付近では水流が逆流していることがわかる。部分負荷時における絶対速度Cv2の旋回成分Cvu2も同様に、半径方向分布に偏りが生じており、外周側で旋回成分Cvu2が大きくなっている。このことにより、外周側における水流がランナ105の回転方向に旋回する流れとなっていることがわかる。
図15に、吸出し管108の壁面近傍における流れの速度三角形を示す。実線は、最高効率点における流れを示しており、破線は、部分負荷時における流れを示している。上述したように、部分負荷時には流れが外周側に偏って旋回流れとなるため、絶対速度Cv2の軸流成分Cvm2および旋回成分Cvu2が共に増大する。すなわち、外周側で流体エネルギを多く持った流れ場となる。
一方、過負荷時(大流量運転時)には、図16に示すように、吸出し管108の中心部に、渦120が形成される。図13に二点鎖線で示すように、過負荷時における絶対速度Cv2の旋回成分Cvu2は、部分負荷時の旋回成分Cvu2とは反対方向の成分になっているため、ランナ105の出口における水流の旋回方向は、部分負荷時とは反対方向になる。すなわち、部分負荷時に発生する旋回流れとは反対方向の旋回流れが、過負荷時に発生し得る。
このようにして、部分負荷時および過負荷時には、ランナ羽根105cの出口において旋回流れが発生している。この旋回流れは、水流の流体エネルギをランナ105で回収し切れていないために発生しており、この回収されない流体エネルギが捨てられてしまう。このため、最高効率点よりも部分負荷時や過負荷時では効率が低下する傾向にある。
以上では、落差が一定であることを前提にして、最高効率点を挟んで部分負荷側および過負荷側の流れの様子を説明している。しかしながら、落差が変化した場合においても、ランナ105の出口における旋回流れの変化に応じて吸出し管108内に類似の現象が現れる。
このような問題点の対策として、特許文献1に示す水力機械が知られている。特許文献1においては、フランシス形ランナの下方に、水車回転軸に連動してフランシス形ランナとともに回転するプロペラ形ランナが設置されている。このことにより、上流側のフランシス形ランナから流出した旋回流れの流体エネルギを、下流側のプロペラ形ランナが回収することが可能になっている。
しかしながら、特許文献1で示す水力機械では、プロペラ形ランナがフランシス形ランナに直結されており、プロペラ形ランナが、フランシス形ランナを介して水車回転軸に一軸で連結されている。このことにより、フランシス形ランナの中心部に、プロペラ形ランナを連結するための構造物が配置されることになり、フランシス形ランナの出口において水流の流路面積が減少する。とりわけ、水車運転の過負荷時には流量が増大するため、流路面積の減少によって水車運転の効率が低下しやすくなっている。この問題を回避するために、フランシス形ランナのランナ羽根の出口開度を大きくすることが考えられるが、この場合には、ランナ羽根の翼長が短くなるため、翼負荷が増加し、フランシス形ランナの効率や特性が悪化する可能性がある。
また、特許文献2に示すフランシス水車においては、ランナのバンドの下端部とシール部との間に形成される流路を、ランナを通過した水流(主流)を乱さない方向に傾斜させている。これにより、隙間部(側圧室)から流出する流れの方向を変えて、吸出し管の壁面近傍における水の旋回流れを制御して、水車効率の低下抑制を図っている。しかしながら、特許文献2に示すフランシス水車ではランナから流出する旋回流れの流体エネルギを回収するようにはなっていない。
さらに、特許文献3に示す水力機械においては、吸出し管の壁面に配管を設置し、その配管の出口から高圧水を水流に向けて噴き出している。これにより、ランナの入口のうち吸出し管の壁面近傍における水流に旋回成分を付与し、揚水運転の高揚程時の特性の改善を図っている。しかしながら、特許文献3に示す水力機械では、吸出し管内に整流格子を配置して、水流に旋回成分を付与する例も示しているが、水車運転時における効率や特性の改善については言及していない。また、水車運転時において、ランナから流出する旋回流れの流体エネルギを回収するようにはなっていない。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態における水力機械用エネルギ回収装置、水力機械および水力機械の運転方法について説明する。
(第1の実施の形態)
まず、図1〜図4を用いて、第1の実施の形態における水力機械用エネルギ回収装置、水力機械および水力機械の運転方法について説明する。ここでは、まず、図1を用いて水力機械の一例であるフランシス水車について説明する。
図1に示すように、フランシス水車1は、水車運転時に上池から水圧鉄管(いずれも図示せず)を通って水が流入する渦巻き状のケーシング2と、複数のステーベーン3と、複数のガイドベーン4と、ランナ5と、を備えている。
ステーベーン3は、ケーシング2に流入した水をガイドベーン4およびランナ5に導くためのものであり、周方向に所定の間隔をあけて配置されている。ステーベーン3の間に水が流れる流路が形成されている。
ガイドベーン4は、流入した水をランナ5に導くためのものであり、周方向に所定の間隔をあけて配置されている。ガイドベーン4の間には、水が流れる流路が形成されている。各ガイドベーン4は、回動可能に構成されており、各ガイドベーン4が回動して隣り合うガイドベーン4とで形成される開度を変えることにより、ランナ5に流入する水の流量が調整可能になっている。このようにして、後述する水車発電機7の発電量が調整可能になっている。
ランナ5は、ケーシング2に対して回転軸線Xを中心に回転可能に構成され、水車運転時にケーシング2から流入する水によって回転駆動される。すなわち、ランナ5は、ランナ5に流入する水の流体エネルギを回転エネルギへと変換するためのものである。
ランナ5は、後述する水車回転軸6の下端に連結されたクラウン5aと、クラウン5aよりも外周側に設けられたバンド5bと、クラウン5aとバンド5bとの間に設けられた複数のランナ羽根5cと、を有している。このうちランナ羽根5cは、周方向に所定の間隔を開けて配置されており、クラウン5aおよびバンド5bに対して固定されている。ランナ羽根5cの間には、水が流れる流路が形成されている。
ランナ5には、水車回転軸6を介して水車発電機7が連結されている。この水車発電機7は、水車運転時には、ランナ5の回転エネルギが伝達されて発電を行うように構成されている。
ランナ5よりも水車運転時の下流側には、吸出し管8(ドラフト管とも言う)が設けられている。この吸出し管8は、図示しない下池(または放水路)に連結されており、ランナ5を回転駆動した水の圧力を回復させて、下池に放出させるようになっている。吸出し管8は、ランナ5の側に設けられた上部管8aと、上部管8aよりも下流側に設けられた曲がり管8bと、曲がり管8bよりも下流側(下池の側)に設けられた拡大管(図示せず)と、を有している。上部管8aは、回転軸線Xに沿う方向に延び、円錐状または円筒状に形成されている。拡大管は、横向きの流路を画定する部分である。このように形成された上部管8aと拡大管とを滑らかに接続するように、曲がり管8bは、湾曲した形状を有している。
なお、本実施の形態によるフランシス水車1は、ポンプ水車として揚水運転を行うことができるフランシス形ポンプ水車として構成されていてもよい。この場合、水車発電機7は、電動機としての機能をも有し、電力が供給されることによりランナ5を回転駆動するように構成される。このため、吸出し管8を介して下池の水を吸い上げて上池に放出させることが可能になる。ガイドベーン4の開度は、ポンプ揚程に応じて適切な揚水量になるように変えられる。
図1に示すように、吸出し管8の上部管8aには、本実施の形態による水力機械用エネルギ回収装置(以下、単に「エネルギ回収装置10」と記す)が設けられている。このエネルギ回収装置10は、フランシス水車1の水車運転時にランナ5から流出される旋回流れの流体エネルギを回収するための装置である。エネルギ回収装置10について、以下により詳細に説明する。
図1に示すように、エネルギ回収装置10は、水の旋回流れの流体エネルギを回転エネルギに変換する羽根車11と、羽根車11の回転エネルギで発電を行う回収発電機12と、を備えている。このうち羽根車11は、ランナ5とは独立に回転可能に構成されている。すなわち、羽根車11の後述するベース13は、ランナ5や水車回転軸6とは、トルク伝達可能には連結されておらず、回転トルクが互いに伝達不能になっている。このため、回収発電機12は、上述した水車発電機7とは独立して発電を行うようになっている。
羽根車11は、吸出し管8の上部管8aに回転可能に設けられたベース13と、ベース13に支持された複数の回収翼14と、を含んでいる。ベース13は、回転軸線Xに沿って見たときには環状に形成されており、羽根車11は、ランナ5の回転軸線Xを中心に回転可能になっている。すなわち、回転軸線Xは、ランナ5の回転軸線であるだけでなく、羽根車11の回転軸線にもなっている。
上述したように、ベース13は、吸出し管8の上部管8aに回転可能に設けられている。より具体的には、上部管8aには、羽根車11および回収発電機12を収容する収容部15が設けられている。収容部15は、上部管8aの全周にわたって形成されており、上部管8aよりも外周側に突出している。収容部15は、回転軸線Xに沿って見たときには環状に形成されており、羽根車11のベース13は、この収容部15に回転可能に収容されている。
ベース13と収容部15の壁面との間にシール16が介在されており、このシール16によって、吸出し管8内を流れる水を封止している。シール16は、ベース13の上側および下側にそれぞれ設けられている。回転軸線Xに沿って見たときに各シール16は環状に形成されており、上側のシール16と下側のシール16は、重なるように配置されている。
ベース13は、軸受17を介して、収容部15の壁面に回転可能に支持されている。すなわち、軸受17は、ベース13の上側および下側にそれぞれ設けられている。ベース13の上側において、半径方向(図1における左右方向)に離間して2つの軸受17が配置されている。同様に、ベース13の下側において、半径方向に離間して2つの軸受17が配置されている。上側の軸受17と対応する下側の軸受17は、回転軸線Xに沿って見たときに重なるように配置されている。このようにして、ベース13は、収容部15の壁面に対して滑らかに回転可能になっている。
回収翼14は、ランナ5から流出する水流を受けるように形成されている。回収翼14は、ベース13の内周面に取り付けられてベース13に支持されている。本実施の形態では、各回収翼14は、ベース13に対して固定されている。また、回収翼14は、回転軸線Xを中心としたときの周方向に所定の間隔をあけて配置されている。このようにして、羽根車11は、ランナ5から流出した旋回流れの流体エネルギを回転エネルギに変換する。すなわち、ランナ5から流出した水流を回収翼14が受けると、羽根車11は、ランナ5と同じ方向に回転するようになっている。
本実施の形態においては、回収翼14は、部分負荷時にランナ5から流出した旋回流れの流体エネルギを回収できるような角度で、ベース13に固定されている。すなわち、回収翼14の角度は、部分負荷時における所望の出力点で、旋回流れの流体エネルギを効果的に回収できるような角度になっている。
図1に示すように、回収発電機12は、羽根車11の回収翼14よりも外周側に配置されており、所謂アウターロータ構造を有している。回収発電機12は、羽根車11のベース13に設けられた回転子18と、回転子18に対してランナ5の側およびランナ5の側とは反対側のうちの少なくとも一方に設けられた固定子19と、を有している。本実施の形態においては、回転子18に対して上下方向両側に固定子19が設けられており、回転子18および固定子19は、回転軸線Xに沿って見たときに環状に形成されるとともに重なるように配置されている。すなわち、回収発電機12は、所謂アキシャルギャップ方式の発電機として構成されている。回転子18に永久磁石を用い、固定子19にコイルを用いてもよい。固定子19は、収容部15の壁面に固定されていてもよい。
ベース13の上面に、上側の固定子19が収容された上側凹部20が設けられており、ベース13の下面に、下側の固定子19が収容された下側凹部21が設けられている。上側凹部20は、ベース13の上側に設けられた一対の軸受17の間に配置されており、下側凹部21は、ベース13の下側に設けられた一対の軸受17の間に配置されている。上側凹部20は、上下方向において上側の固定子19に対向する底面20aを含んでおり、この底面20aに、上側の固定子19に対向するように回転子18が設けられている。同様に、下側凹部21は、上下方向において下側の固定子19に対向する底面21aを含んでおり、この底面21aに、下側の固定子19に対向するように回転子18が設けられている。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
水車運転時、上池から図示しない水圧鉄管を通ってケーシング2に水流が導かれ、ステーベーン3およびガイドベーン4を通ってランナ5に流入する。ランナ5のランナ羽根5cが水流を受けて、ランナ5が回転軸線Xを中心に回転する。ランナ5を回転させた水は、吸出し管8を通って下池に放出される。
この間、ランナ5において水流の流体エネルギが回転エネルギに変換され、ランナ5の回転エネルギが、水車回転軸6を介して水車発電機7に伝達される。そして、水車発電機7が発電を行う。水車発電機7の発電量を調整する場合には、ガイドベーン4の開度を変化させて、ランナ5に流入する水の流量が調整される。
一般的に、最高効率点(設計点)から外れた部分負荷時(小流量運転時)には、上述したように、図12に示すような渦110が、吸出し管8内に形成され得る。すなわち、ランナ5から流出される水の流れが、旋回成分を有する旋回流れとなる。
しかしながら、本実施の形態では、図1に示すように、吸出し管8にエネルギ回収装置10が設けられており、このエネルギ回収装置10で、水の旋回流れの流体エネルギが回収される。そして、旋回成分を低減した流れが、回収翼14から下流側に排出される。
すなわち、エネルギ回収装置10の回収翼14が、ランナ5から流出した水流を受けて、羽根車11が、回転軸線Xを中心に回転する。これにより、エネルギ回収装置10の羽根車11において旋回流れの流体エネルギが回転エネルギに変換され、回収発電機12が発電を行う。
ここで、ランナ羽根5cおよびエネルギ回収装置10の羽根車11における水流の速度三角形を図2に示す。図2においては、部分負荷時の水流の速度三角形を示しており、ランナ羽根5cの入口および出口における水流の速度三角形は、図15において破線で示したランナ羽根5cの入口および出口における壁面近傍の水流の速度三角形と同じである。ランナ羽根5cの入口における流れを、Cu1、Cv1、Cw1で表わし、周速度Cu1と相対速度Cw1とがなす角度をβ1としている。同様に、ランナ羽根5cの出口における流れを、Cu2、Cv2、Cw2で表わし、周速度Cu2と相対速度Cw2とがなす角度をβ2としている。回収翼14の出口における流れを、Cu3、Cv3、Cw3で表わし、周速度Cu3と相対速度Cw3とがなす角度をβ3としている。
図2に示すように、羽根車11の出口における流れの絶対速度Cv3は、ランナ羽根5cの出口における流れの絶対速度Cv2よりもランナ5の回転方向の側に傾斜していない。すなわち、ランナ羽根5cから流出した旋回流れの流体エネルギが回収されているため、旋回成分Cvu3は、旋回成分Cvu2よりも小さくなり、絶対速度Cv3は、絶対速度Cv2よりも回転軸線Xに沿うようになる。
図3は、部分負荷時の、羽根車11の回収翼14の出口における水流速度の半径方向分布を示す。図3においては、絶対速度Cvの軸流成分を実線で表わし、旋回成分を破線で表わしている。また、図3には、図14で示したランナ羽根5cの入口および出口における水流速度の半径方向分布も示している。本実施の形態による回収翼14についての分布(Cvm3、Cvu3)を太線で表わし、図14に示す分布(Cvm2、Cvu2)を細線で表わしている。図14と同様に、軸流成分は下向きの方向を正とし、旋回成分はランナ5の回転方向を正としている。
図3に示すように、部分負荷時では、ランナ羽根5cの出口における旋回成分Cvu2が外周側で大きくなっているが、回収翼14の出口における旋回成分Cvu3は減少し、旋回成分の偏りが大幅に軽減されている。また、ランナ羽根5cの出口における軸流成分Cvm2が外周側で大きくなっているが、回収翼14の出口における軸流成分Cvm3は減少し、軸流成分の偏りも軽減されている。このことにより、ランナ羽根5cの出口における旋回流れの流体エネルギが羽根車11で効果的に回収され、その結果として、羽根車11の出口における水流の旋回成分が低減していると言える。
図4は、本実施の形態によるエネルギ回収装置10を備えたフランシス水車1の水車運転の効率を示す。図4には、エネルギ回収装置10を備えていないフランシス水車の効率も示している。上述したように、部分負荷時にランナ羽根5cの出口における旋回流れの流体エネルギがエネルギ回収装置10で回収されるため、部分負荷時における水車運転の効率が向上する。また、回収翼14の出口における旋回成分Cvu3が、エネルギ回収装置10を備えていない場合のランナ羽根5cの出口における旋回成分Cvu2よりも低減されて、吸出し管8内を流れる水流が旋回することが抑制される。このため、吸出し管8内における水流の損失を低減でき、水力損失が低減される。この点においても、水車運転の効率が向上する。この結果、図4に示すように、本実施の形態によるフランシス水車1は、エネルギ回収装置10を備えていないフランシス水車よりも、部分負荷時における水車運転の効率を向上させることができる。
このように本実施の形態によれば、エネルギ回収装置10の羽根車11が、ランナ5から流出される旋回流れの流体エネルギを回転エネルギに変換し、回収発電機12で発電が行われる。このため、部分負荷時にランナ5から流出した旋回流れの流体エネルギを回収することができる。また、吸出し管8内を流れる水流が旋回することを抑制でき、吸出し管8における水流の損失を低減できる。このため、水力損失を低減することができる。
また、本実施の形態によれば、エネルギ回収装置10の羽根車11が、ランナ5とは独立に回転可能に構成されている。このことにより、羽根車11の回転トルクをランナ5に伝達することを不要にでき、ランナ5の出口に構造物が設けられることを不要にできる。このため、ランナ5から流出した水流の流路面積が低減することを防止でき、水力損失を低減することができる。
また、本実施の形態によれば、エネルギ回収装置10の回収発電機12が、羽根車11の回収翼14よりも外周側に配置されている。このことにより、羽根車11よりも内周側に、羽根車11の回転トルクを伝達するための機構を設けることを不要にできる。このため、ランナ5から流出した水流の流路が低減することを防止でき、水力損失を低減することができる。
また、本実施の形態によれば、エネルギ回収装置10の羽根車11が、ランナ5の水車運転時の下流側に設けられた吸出し管8の曲がり管8bよりも上流側に回転可能に設けられている。このことにより、羽根車11を、ランナ5の回転軸線Xを中心に回転させることが可能になる。このため、部分負荷時にランナ5から流出した旋回流れの流体エネルギを効果的に回収することができる。また、吸出し管8内を流れる水流が旋回することを効果的に抑制できる。
また、本実施の形態によれば、回収発電機12の回転子18に対してランナ5の側およびランナ5の側とは反対側のうちの少なくとも一方に固定子19が設けられている。このことにより、磁束の通過断面積を大きくとることができ、回収発電機12の出力を高めることができる。また、回収発電機12の回転軸線Xに沿う方向(上下方向)の寸法を低減することができる。
なお、上述した本実施の形態においては、回収翼14が、部分負荷時にランナ5から流出した旋回流れの流体エネルギを回収できるような角度で、ベース13に固定されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。例えば、回収翼14の角度は、過負荷時にランナ5から流出した旋回流れの流体エネルギを回収できるような角度であってもよい。この場合には、過負荷時にランナ5から流出した旋回流れの流体エネルギを回収することができる。また、羽根車11の出口における水流の旋回成分が低減されるため、過負荷時に吸出し管8内を流れる水流が旋回することを抑制でき、吸出し管8における水流の損失を低減できる。このため、水力損失を低減することができる。
(第2の実施の形態)
次に、図5〜図8を用いて、第2の実施の形態による水力機械用エネルギ回収装置、水力機械および水力機械の運転方法について説明する。
図5〜図8に示す第2の実施の形態においては、各回収翼が、回転軸線に直交する方向に延びる回収軸線を中心に回動可能になっている点が主に異なり、他の構成は、図1〜図4に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図5〜図8において、図1〜図4に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態においては、図5に示すように、各回収翼14は、回転軸線Xに直交する方向に延びる回収軸線Yを中心に、ベース13に対して回動可能になっている(図5に示す両矢印P参照)。ベース13よりも外周側に、回収翼14を回動させるための駆動機構30が設けられている。駆動機構30は、ベース13内を貫通する駆動軸31を介して回収翼14に連結されている。駆動軸31の中心軸線は、回収軸線Yに沿う方向(半径方向)に延びている。駆動機構30は、回収翼14毎に設けられている。このようにして、一の駆動機構30によって対応する一の回収翼14が回動し、回収翼14の角度が調整されるようになっている。駆動機構30は、駆動軸31を介して対応する回収翼14を回動させることができれば、任意の構成とすることができる。例えば、駆動機構30は、電動駆動や油圧駆動などで、対応する回収翼14を個別に回動するようにしてもよい。あるいは、図示しないが、各駆動軸31がリンク機構(図示せず)によって互いに連結されて、図示しない駆動部によって、各回収翼14が一体に回動するように構成されていてもよい。なお、駆動軸31とベース13との間には、第2のシール32が設けられており、吸出し管8内を流れる水を封止している。
本実施の形態によるフランシス水車1は、後述するようにフランシス形ポンプ水車として構成されている。本実施の形態による回収発電機12は、羽根車11を回転駆動する電動機としての機能を有している。この場合、回収発電機12に電力が供給されることにより、羽根車11を、回転軸線Xを中心として回転させることができる。このため、フランシス水車1が揚水運転を行う場合、回収発電機12が羽根車11を回転駆動し、ランナ5に流入する水流に旋回成分が付与される。
また、本実施の形態による回収発電機12は、可変速発電機であってもよい。このことにより、回収翼14の角度の調整だけでは、部分負荷時のランナ5から流出される旋回流れの流体エネルギを回収しきれない場合であっても、羽根車11の回転速度を細かく調整することで、回収翼14の出口における流れの絶対速度Cv3を回転軸線Xに沿うようにすることができる。このため、水車運転の効率を向上させることができる。
図5に示す例においては、部分負荷時と過負荷時の両方で、運転点に応じて回収翼14の角度を調整することで、ランナ5から流出する水流の流体エネルギを回収することができるとともに、吸出し管8における水流の損失を効果的に低減して水力損失を低減することができる。このため、図6の破線で示すように、部分負荷時における水車運転の効率を向上させるだけでなく、過負荷時においても水車運転の効率を向上させることができる。
ここで、本実施の形態によるフランシス水車1は、最高効率点での出力を100%としたときに、120%以上の出力で運転可能である。
一般的に、フランシス水車1の最高効率点は、最大出力点が最高効率点から例えば約2%前後の効率低下範囲に収まるように設定される。図6に示す特性曲線において水車運転の効率が最も高いときの出力点が最高効率点であり、最大出力点は、この特性曲線の右端に相当する。この最大出力点での効率は、最高効率点での効率の2%以内に収められている。
過負荷側の運転制限は、信頼性の観点で考慮され、ランナ羽根5cの出口におけるキャビテーション性能または旋回流れに起因する吸出し管8内における水圧脈動の大きさに依存する。最高効率点を過度に部分負荷側に設定した場合には、ランナ羽根5cの出口における水流の旋回成分の増加により、水圧脈動が増大し、場合によってはサージングという顕著な出力変動を生じるおそれがあり、運用上好ましくない。一方、最高効率点を過度に過負荷側に設定した場合には、吸出し管8内で振れ回る渦110(図12参照)が、部分負荷側で顕著となり、水圧脈動の増大が懸念される。
本実施の形態では、最高効率点の出力を100%としたときに最大出力点が120%以上の出力に設定されている。すなわち、上述したように、本実施の形態では、図6に示すように、過負荷時においても水車運転の効率を向上させることができる。このことにより、最高効率点での水車運転の効率に対する過負荷側における水車運転の効率の低下を抑制することができる。このため、最大出力点を一般的なフランシス水車における最大出力点よりも大きな出力点に設定することができる。この際、上述した水圧脈動を抑制できるとともに、キャビテーション性能の悪化を抑制できる。とりわけ、水車運転時におけるランナ5の下流側には、エネルギ回収装置10の回収翼14が設けられているため、ランナ5の出口における水流の圧力低下を抑制できる。この点においても、ランナ羽根5cの出口におけるキャビテーションの発生を抑制することができる。このようにして、最高効率点の出力を100%としたときに120%以上の出力に最大出力点を設定することができ、この最大出力点でフランシス水車1を運転できる。
ところで、本実施の形態によるフランシス水車1では、揚水運転(ポンプ運転)を行うことができるフランシス形ポンプ水車として構成されている。この場合、揚水運転時における効率を向上させることもできる。
ここで、フランシス水車1をポンプ水車として運転する場合(揚水運転時)の流れについて、図7を用いて説明する。揚水運転時においても揚程の条件によってランナ羽根5cに流入する流れが大きく変化し得る。図7に、揚水運転時におけるランナ羽根5cの吸込み側(揚水運転時の入口)における水流の速度三角形を示す。実線は、最高効率点における流れを示し、破線は高揚程時(小流量運転時)における流れを示し、二点鎖線は低揚程時(大流量運転時)における流れを示している。
ランナ羽根5cに流入する流れの絶対速度Cv1が旋回成分を持たない(Cvu1=0)という条件とした場合、最高効率点における絶対速度Cv1は、ランナ羽根5cの入口角度βb1とほぼ一致した流れの角度β1で流入する。しかしながら、低揚程時においては流量が増大するため、流れの角度β1が最高効率点での角度よりも大きくなり、相対速度Cw1は図7の二点鎖線で示すようになる。一方、高揚程時においては流量が減少するため、流れの角度β1が最高効率点での角度よりも小さくなり、相対速度Cw1は図7の破線で示すようになる。このように、最高効率点から外れた非設計点である高揚程時および低揚程時の運転では、ランナ羽根5cに流入する水流の角度が、ランナ羽根5cの角度からずれることによる形状損失が発生し、揚水運転の効率が低下し得る。
しかしながら、本実施の形態では、上述したように、各回収翼14は、回転軸線Xに直交する方向に延びる回収軸線Yを中心に、ベース13に対して回動可能になっている。すなわち、揚水運転時にランナ5に流入する水流に旋回成分を付与するように回収翼14の角度を調整することができる。また、回収発電機12によって羽根車11を回転駆動させて、ランナ5に流入する水流に旋回成分を付与することができる。
図8に、本実施の形態によるランナ5の吸込み側(揚水運転時の入口)における低揚程時の水流の速度三角形を示す。実線は、エネルギ回収装置10が設けられていない場合にランナ5に流入する水流の速度三角形を示しており、図7に示す低揚程時における速度三角形と同一である。破線は、本実施の形態によるランナ5に流入する水流の速度三角形を示している。図8に示すように、ランナ5に流入する水流に旋回成分が付与されるため、ランナ5に流入する水流の角度β1’を、ランナ羽根5cの角度βb1に沿うようにすることができる。
このように本実施の形態によれば、各回収翼14が、回転軸線Xに直交する方向に延びる回収軸線Yを中心に回動可能になっている。このことにより、部分負荷時および過負荷時において、回収翼14の角度を、ランナ羽根5cの出口における水の旋回流れの流体エネルギを効果的に回収することができる角度に調整することができる。このため、部分負荷から過負荷までの広い運転範囲にわたって、ランナ5から流出する旋回流れの流体エネルギを効果的に回収することができるとともに、吸出し管8における水流の損失を効果的に低減することができる。
また、本実施の形態によれば、最高効率点での出力を100%としたときに、120%以上の出力で運転される。このことにより、フランシス水車1の運転の安全性を維持しながら、フランシス水車1の出力を増大させることができる。このため、水車発電機7の発電量の調整範囲を拡大させることができる。
また、本実施の形態によれば、揚水運転時に、回収発電機12によって羽根車11を回転駆動することができる。また、各回収翼14が、回転軸線Xに直交する方向に延びる回収軸線Yを中心に回動可能になっているため、揚水運転時の高揚程時および低揚程時において、回収翼14の角度を、ランナ5に流入する水流に旋回成分を効果的に付与することができる角度に調整することができる。このため、ランナ5に流入する水流が、ランナ羽根5cの角度からずれることによる形状損失が発生することを防止でき、揚水運転の効率を向上させることができる。また、揚水運転時のキャビテーション性能も向上させることができる。
(第3の実施の形態)
次に、図9を用いて、第3の実施の形態による水力機械用エネルギ回収装置、水力機械および水力機械の運転方法について説明する。
図9に示す第3の実施の形態においては、回収翼が、ランナの回転軸線に直交する方向に移動可能になっている点が主に異なり、他の構成は、図5〜図8に示す第2の実施の形態と略同一である。なお、図9において、図5〜図8に示す第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態においては、図9に示すように、各回収翼14は、ランナ5の回転軸線Xに直交する方向(半径方向)に移動可能になっている。より具体的には、羽根車11のベース13は、ベース固定部40と、ベース固定部40に対して移動可能に設けられたベース可動部41と、を含んでいる。ベース固定部40に、回収発電機12の回転子18が設けられている。ベース可動部41は、対応する駆動機構30によって、駆動軸31と共に半径方向に移動可能になっている。例えば、駆動機構30は、電動駆動や油圧駆動などで、対応する回収翼14を、個別に移動するようになっている。
回収翼14は、半径方向における任意の位置に移動させてもよい。図9の実線で示す回収翼14は、吸出し管8の壁面近傍に位置付けられている。この場合、吸出し管8の壁面近傍に偏っている旋回流れの流体エネルギを効果的に回収することができる。図9の二点鎖線で示す回収翼14は、実線で示す回収翼14よりも内周側(回転軸線Xの側)に位置付けられている。この場合、吸出し管8の壁面近傍よりも中心側に偏っている旋回流れの流体エネルギを効果的に回収することができる。また、部分負荷時に吸出し管8内の渦110(図12参照)によって中心部に形成される死水領域を崩壊させることもできる。
なお、図示しないが、回収翼14の全体が、収容部15に収容される位置まで外周側に移動可能になっていてもよい。この場合、吸出し管8の壁面から流路に回収翼14が突出することを回避できる。例えば、ランナ5の出口において旋回流れが形成されない最高効率点において、回収翼14を収容部15に収容させることにより、水車運転の効率が低下することを抑制できる。
このように本実施の形態によれば、各回収翼14は、ランナ5の回転軸線Xに直交する方向(半径方向)に移動可能になっている。このことにより、回収翼14を、ランナ5の出口における旋回流れの偏り具合に応じて、半径方向における任意の位置に位置付けることができ、旋回流れの流体エネルギを効果的に回収することができる。このため、部分負荷から過負荷までの広い運転範囲で水車運転の効率を向上させることができる。
(第4の実施の形態)
次に、図10を用いて、第4の実施の形態による水力機械用エネルギ回収装置、水力機械および水力機械の運転方法について説明する。
図10に示す第4の実施の形態においては、回収発電機の固定子が、回転子よりも外周側に設けられている点が主に異なり、他の構成は、図5〜図8に示す第2の実施の形態と略同一である。なお、図10において、図5〜図8に示す第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態においては、図10に示すように、回収発電機12の回転子18は、ベース13の外周面に設けられており、固定子19は、回転子18よりも外周側に設けられている。回転子18および固定子19は、回転軸線Xに沿って見たときに環状に形成されており、回転軸線Xに沿う方向に直交する方向(半径方向)で見たときに重なるように配置されている。
回収翼14を回動するための駆動機構30は、ベース13の上面に設けられている。回収翼14と駆動機構30とは、第1駆動軸50および第2駆動軸51を介して連結されている。このうち第1駆動軸50は、回収翼14側で、中心軸線が半径方向に延びるように配置されている。第2駆動軸51は、駆動機構30側で、中心軸線が回転軸線Xに沿う方向(上下方向)に延びるように配置されている。第1駆動軸50と第2駆動軸51とは、伝達部52を介して連結されている。伝達部52は、第2駆動軸51の回動トルクを、回動方向を変換させながら、第1駆動軸50に伝達可能に構成されている。
また、本実施の形態では、軸受17は、ベース13の上側および下側において、それぞれ1つずつ設けられている。
このように本実施の形態によれば、回収発電機12の固定子19は、回転子18よりも外周側に設けられている。このことにより、回収発電機12の半径方向寸法を低減することができる。
(第5の実施の形態)
次に、図11を用いて、第5の実施の形態による水力機械用エネルギ回収装置、水力機械および水力機械の運転方法について説明する。
図11に示す第5の実施の形態においては、収容部が、回転子と固定子との間に介在された封水壁を有している点が主に異なり、他の構成は、図10に示す第4の実施の形態と略同一である。なお、図11において、図10に示す第4の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態においては、図11に示すように、収容部15は、回転子18と固定子19との間に介在された封水壁60を有している。この封水壁60によって、吸出し管8内を流れる水を封止している。このため、図10等に示されているシール16は設けられておらず、ベース13は水中に存在している。回転子18は、図示しない密封部材で密封された状態で水中に存在している。駆動機構30は、カバー61で封水されている。
また、本実施の形態では、軸受17は、ベース13の上側および下側において、それぞれ2つずつ設けられている。
このように本実施の形態によれば、回収発電機12の回転子18と固定子19との間に封水壁60が介在されている。このことにより、図10等に示すシール16を設けることを不要にできる。このため、エネルギ回収装置10の構造を簡素化することができる。
以上述べた実施の形態によれば、ランナから流出した旋回流れの流体エネルギを回収するとともに、水力損失を低減することができる
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、当然のことながら、本発明の要旨の範囲内で、これらの実施の形態を、部分的に適宜組み合わせることも可能である。
上述した各実施の形態においては、水力機械の一例として、揚水運転可能なフランシス水車を例にとって説明した。しかしながら、水力機械は、揚水運転可能であることには限られない。また、フランシス水車以外の水車(例えば、カプラン水車などのプロペラ水車など)にも上述した各実施の形態を適用することができる。