以下、実施形態、変形例では、同一の構成要素に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。各図面では、説明の便宜のため、構成要素の一部を適宜省略したり、構成要素の寸法を適宜拡大、縮小して示す。図面は符号の向きに合わせて見るものとする。本明細書での「接触」とは、特に明示がない限り、言及している二者が直接的に接触する場合の他に、他の部材を介して間接的に接触する場合も含む。
(第1の実施の形態)
図1は、第1実施形態の原水改質装置10の斜視図である。図2は、原水改質装置10の部分断面側面図である。図3は、原水改質装置10のカートリッジ12を交換している途中の状態を示す図である。
原水改質装置10は、上流側から原水が送り込まれる第1水路形成体16と、第1水路形成体16に着脱可能に取り付けられる第2水路形成体18と、各水路形成体16、18を支持する装置ベース20とを備える。本実施形態の第1水路形成体16は、第2水路形成体18を装置ベース20に接続する継手部材でもある。本実施形態の第2水路形成体18は、吐水部26から水を吐き出し可能な吐水ヘッド21でもある。本実施形態において、第2水路形成体18の内部には、カートリッジ出入口14aを通してカートリッジ12を出し入れ可能なカートリッジ収容室14が設けられる。
原水改質装置10は、ユーザにより操作される操作部材22と、操作部材22に対する操作を通じて各水路形成体16、18に送り込まれる水の流量や温度を調整可能な弁ユニット24と、を備える水栓装置でもある。
第1水路形成体16及び第2水路形成体18は、カートリッジ12を交換するときに互いに取り外される。第1水路形成体16及び第2水路形成体18は、互いに取り外すときに互いに遠ざかる方向に相対移動するように設けられる。以下、このように第1水路形成体16及び第2水路形成体18が相対移動する方向をX方向(第1方向)という。また、便宜的に、X方向の一方側となる吐水ヘッド21の先端側を単に「先端側」といい、X方向の他方側を「基端側」という。また、X方向の方向軸線を中心とする円の円周方向、半径方向を単に「周方向」、「径方向」という。
以下、原水改質装置10の概要を説明してから、その主な工夫点を説明する。
図4は、原水改質装置10の設置状態を示す平面図である。図1、図4に示すように、装置ベース20は、たとえば、流し台、洗面キャビネット等の基体28に設置される。本実施形態の基体28は、正面側(図4の下側)に居るユーザの作業に用いられるカウンター30と、カウンター30に一体化されたシンク32とを有する。シンク32は、第2水路形成体18の吐水部26から吐き出される水を受けるための槽部32aを有する。
図5は、原水改質装置10の内部に形成される一部の水路に関する説明図である。原水改質装置10は、吐水部26に水を供給するための給水路34を備える。給水路34は、第1水路形成体16の内部に形成される第1通水路36と、第2水路形成体18の内部に形成される第2通水路38とを有する。第1通水路36は、上流側から送り込まれる原水を送出口100から送り出せる。本実施形態での「上流側」とは後述する給水ホース74をいう。第2通水路38には、第1通水路36の送出口100から水が送り込まれる。
給水路34は、複数の上流側水路42A、42Bと複数の下流側水路44A、44Bとを有する。複数の上流側水路42A、42Bには、カートリッジ12を経由せずに下流側水路44A、44Bに原水を送るための原水水路42Aと、カートリッジ12を経由して下流側水路44A、44Bに改質水を送るための改質水水路42Bとが含まれる。複数の下流側水路44A、44Bには、吐水部26からストレート吐水で水を吐き出すためのストレート用水路44Aと、吐水部26からシャワー吐水で水を吐き出すためのシャワー用水路44Bとが含まれる。本実施形態において、これらの水路42A、42B、44A、44Bは第2通水路38に設けられる。
原水改質装置10は、複数の上流側水路42A、42Bのいずれかと、複数の下流側水路44A、44Bのいずれかとに通水経路を切り替え可能な弁機構46を備える。本実施形態の弁機構46は切替弁である。
原水改質装置10は、ユーザにより操作されることで弁機構46を作動させる複数の操作体48、50を備える。操作体48、50には、複数の上流側水路42A、42Bのいずれかを通水経路に切り替えるように弁機構46を作動させる押しボタン48と、複数の下流側水路44A、44Bのいずれかを通水経路に切り替えるように弁機構46を作動させる回転ハンドル50が含まれる。
図6は、第2水路形成体18に関する分解図である。第2水路形成体18は、ハウジング52と、内部アセンブリ54と、吐水部材56と、を備える。
ハウジング52は、第1筒状部52aと、第1筒状部52aの外周部から突出する第2筒状部52bとを有する。第1筒状部52aは、基端部から先端部までの範囲で継ぎ目なく連続するように形成される。第2筒状部52bは、根本部から先端部までの範囲で継ぎ目なく連続するように形成される。ハウジング52の第1筒状部52aの基端部から第2筒状部52bの根本部までの範囲は、ユーザにより把持される吐水ヘッドのグリップ部52cを構成する。本実施形態のカートリッジ収容室14はグリップ部52cの内側に設けられる。
内部アセンブリ54は、ハウジング52の第1筒状部52aに挿通される。本実施形態の内部アセンブリ54は複数の内部部品を組み合わせて構成されるが、単数の内部部品により構成されてもよい。吐水部材56は、ハウジング52の第2筒状部52bに先端側から差し込まれ、内部アセンブリ54に接続される。吐水部材56には吐水部26が設けられる。
本実施形態のカートリッジ収容室14は、内部アセンブリ54の内側に設けられる。カートリッジ収容室14のカートリッジ出入口14aは、装置ベース20側にある第2水路形成体18の基端側の端部18aに形成される。詳しくは、カートリッジ出入口14aは、内部アセンブリ54の基端側の端部に形成される。
カートリッジ12は、原水を改質して改質水を生成するためのものである。本明細書での「改質」とは、物理変化や化学変化を経て、特定の成分を原水から除去又は原水に付与することをいう。
図2に示すように、カートリッジ収容室14の内周面とカートリッジ12の外周面との間には原水水路42Aの一部となる外部水路58が形成される。外部水路58は、カートリッジ12の改質部68(後述する)を通してカートリッジ12の内部に水を送り込むためのものである。
本実施形態のカートリッジ12は、X方向に沿って長い長尺状である。本実施形態のカートリッジ12は、X方向の全長に亘る範囲がカートリッジ収容室14内に収容される。カートリッジ12は、カートリッジ出入口14aより奥側に収まるようにカートリッジ収容室14に収容されることになる。
図2、図6に示すように、本実施形態のカートリッジ12は、長尺状のカートリッジ本体60と、カートリッジ本体60の両端部に取り付けられるエンドキャップ62,64とを備える。エンドキャップ62、64には、X方向において先端側にある第1エンドキャップ62と、基端側にある第2エンドキャップ64とが含まれる。
カートリッジ本体60は、カートリッジ本体60の内部に設けられるとともに改質水水路42Bの一部となる内部水路66と、外部水路58と内部水路66の間に設けられる改質部68と、を有する。改質部68は、外部水路58から内部水路66に水を通すことができ、改質材により原水を改質することで改質水を生成可能である。本実施形態の改質部68は、複数の不織布等の透水膜間に改質材を収容して構成される。改質材は、たとえば、活性炭、炭酸カルシウム等である。
図7は、図2の第1水路形成体16周りの拡大図である。図2、図7に示すように、装置ベース20は、基体28に支持されるベース本体70と、ベース本体70に固定されるガイド72とを備える。本実施形態のベース本体70は、筒状の胴部70aと、胴部70aの外周部から突き出るとともにベース孔70cが形成される筒状部70bとを有する。前述の操作部材22は胴部70aの先端部に設けられ、弁ユニット24は胴部70aに内蔵される。ガイド72は、ベース本体70のベース孔70cに先端側から差し込まれるとともに留め具によりベース本体70に固定される。
ガイド72は、給水ホース74を引き出し可能なホース挿通孔72aと、第2水路形成体18が第1水路形成体16を介して接続される接続部72bとを有する。給水ホース74は可とう性を持つ素材を用いて構成される。
第1水路形成体16は、カートリッジ出入口14aから外側に向かう方向(図7の右下方向)でのカートリッジ12の動きを規制する規制体102でもある。ここでの「外側に向かう方向」とは、カートリッジ出入口14aからX方向において第2水路形成体18から遠ざかる方向をいう。
第1水路形成体16及び第2水路形成体18は、不図示の取付構造とロック部材76の組み合わせによって、互いに着脱可能に取り付けられる。取付構造は、たとえば、凸部と凹部を組み合わせた嵌合構造である。本実施形態の第1水路形成体16は、カートリッジ収容室14内にカートリッジ出入口14aを通して差し込まれている。本実施形態の第1水路形成体16は、このようなカートリッジ出入口14aの開閉を伴い第2水路形成体18に着脱可能に取り付けられる。
第1水路形成体16は、全体として有底筒状をなす。第1水路形成体16には、その内側に配置されるホース継手78を介して給水ホース74が接続される。第1水路形成体16の内側には装置ベース20の接続部72bが差し込まれる。接続部72bは、第2水路形成体18がX方向に沿って動くように第2水路形成体18をガイド可能である。
本実施形態の第1水路形成体16は、第2水路形成体18を装置ベース20に脱着自在に接続する。第2水路形成体18は、装置ベース20の接続部72bによるガイドを伴いX方向に沿って動かされることで、装置ベース20に対して脱着する。装置ベース20から第2水路形成体18を取り外すとき、装置ベース20のホース挿通孔72aから給水ホース74が引き出される。一方、装置ベース20に第2水路形成体18を取り付けるとき、ホース挿通孔72aに給水ホース74が押し戻される。
ロック部材76は、ユーザの操作によって、第2水路形成体18に対する第1水路形成体16のロックの有無を切り替え可能である。第1水路形成体16及び第2水路形成体18は、ロック部材76によるロックを解除したとき、互いに着脱自在となる。
カートリッジ収容室14を形成する内壁面と第1水路形成体16との間には第1シール部材80が配置される。第1シール部材80はOリング等の弾性体であり、カートリッジ収容室14と第1水路形成体16の間をシールする。
(第1の工夫点)
ここで、本実施形態の原水改質装置10は、第1水路形成体16の第1通水路36に一つの特徴がある。図8は、第1水路形成体16の一部を下方から見た斜視図である。図7、図8に示すように、本実施形態の第1通水路36は、第1水路形成体16やホース継手78の内部に形成され、その送出口100は第1水路形成体16に形成される。本実施形態の第1通水路36や送出口100はカートリッジ12とは別の部材が形成していることになる。
第1通水路36は、X方向に水が流れる水路部36aと、水路部36aを流れる水に対して下流側に設けられる突き当たり面36bとを有する。第1通水路36の送出口100は、水路部36aのX方向に延びる内周面に開口するように設けられる。突き当たり面36bは、水路部36aをX方向に流れる水が衝突したとき、その水が送出口100に向けて流れるように、その水の流れ方向を変更させる。
本実施形態における原水改質装置10では、カートリッジ12を交換するとき、次の手順(a)、(b)を経る。(a)第1水路形成体16から第2水路形成体18を取り外し、カートリッジ出入口14aを通してカートリッジ収容室14から既存のカートリッジ12を取り出す(図3参照)。(b)カートリッジ出入口14aを通してカートリッジ収容室14に新規のカートリッジ12を押し込み、第2水路形成体18を第1水路形成体16に取り付ける。このように、第2水路形成体18は、カートリッジ12を交換するときに第1水路形成体16から取り外される。
図9は、第1水路形成体16から第2水路形成体18を取り外した状態を示す側面断面図である。図10は、図9のA−A線断面図である。本図では後述するストレーナ116を省略する。図8〜図10に示すように、第1通水路36の送出口100は、このように第1水路形成体16から第2水路形成体18を取り外したときに、上流側から送り込まれる水を外部に送り出せる位置に設けられる。このような位置として、本実施形態の送出口100は、第1水路形成体16から第2水路形成体18を取り外したときに、第1水路形成体16の外部に露出する外周面に開口するように設けられる。
送出口100から水を送り出す送出方向Paは下向きに設定されている。送出方向Paは、本実施形態において、X方向と直交する下向きの方向に設定されているが、X方向と無関係に下向きの方向に設定されていてもよい。送出口100の送出方向Paは、送出口100から少なくとも一部の水が上向きに送り出されず、かつ、X方向と直交する水平方向Y(以下、単にY方向という)に沿って送り出されないように設定されるともいえる。また、送出口100の送出方向Paは、送出口100から少なくとも一部の水がX方向の第2水路形成体18側に向けてX方向に沿って送り出されないように設定されるともいえる。
以上の利点を説明する。
(A)カートリッジ12を交換するために、第1水路形成体16から第2水路形成体18を取り外した場合で、操作部材22の誤操作等によって、第1通水路36に水が送り込まれてしまった場合を考える。本実施形態において、第1通水路36の送出口100の送出方向Paは下向きに設定されている。よって、前述の場合において、送出口100の送出方向Paが上向きに設定されているケースと比べ、送出口100から外部に水が飛び出したとき、その飛び散る範囲を小さくできる。これは、送出口100の送出方向Paが上向きに設定されているケースと比べ、送出口100から外部に水が飛び出してから着水するまでの時間が短くなり、その分、その外部に飛び出した水が広がり難くなることに起因する。
第1通水路36はカートリッジ12とは別の部材が形成している。よって、カートリッジ12の有無によらず、第1通水路36の送出口100から下向きに水を送り出せる。このため、カートリッジ12の有無によらず、第1通水路36の送出口100から外部に水が飛び出したときに、その飛び散る範囲を小さくできる。
図4に示すように、本実施形態の送出口100から水を送り出す範囲Saは、送出口100から送り出される水をシンク32の槽部32aの内壁面で受けられるように設定される。本実施形態では、全ての水を槽部32aの底壁面で受けられるように設定される。この条件は、装置ベース20が基体28に鉛直軸周りに回転可能に設置される場合、その回転可能範囲の一部で満たしていればよい。これにより、第1通水路36の送出口100から外部に水が飛び出しても、シンク32の槽部32aの外部まで水が届くのを避けられ、その水によりユーザが濡れてしまう事態を防止できる。
本工夫点に関する他の特徴を説明する。図11は、図7の一部の拡大図である。図12は、図7のB−B線断面図である。第2水路形成体18は、カートリッジ12と第1水路形成体16との間に形成される第1隙間水路104を有する。第1隙間水路104は、カートリッジ12と第1水路形成体16のX方向で互いに対向する箇所の間に形成される。第1隙間水路104は、第1通水路36の送出口100の下方から、カートリッジ12の長手方向(X方向)に延びる中心軸線Lc1周りで周方向に広がるように形成される。本実施形態の第1隙間水路104は環状に広がるように形成される。第1隙間水路104は、前述の外部水路58とX方向に重なる位置に設けられ、その外部水路58に連通している。
なお、外部水路58は、カートリッジ収容室14の内周面とカートリッジ本体60の外周面との間や、第1エンドキャップ62の外周部に形成される複数のリブ部62aの間に形成される。
各水路形成体16、18の内部での水の流れ方を説明する。第1通水路36の水路部36aを流れる水は突き当たり面36bと衝突し、第1通水路36の送出口100に向けて流れるように流れ方向を変更する(方向Pb1参照)。このとき、突き当たり面36bと衝突した水は、自重の影響を受けつつ流れ方向を下向きに変更する。第1通水路36の送出口100から送り出される水は、第2水路形成体18の第1隙間水路104に送り込まれた後、第1隙間水路104を経由して外部水路58に導かれる。
前述の押しボタン48により原水水路42Aを通水経路に切り替えた場合、外部水路58に送り込まれる水はカートリッジ12を経由せずに下流側水路44A、44B(図5参照)に送り出される。前述の押しボタン48により改質水水路42Bを通水経路に切り替えた場合、外部水路58に送り込まれる水は、カートリッジ12のカートリッジ本体60の外周部から改質部68を経由して改質水水路42Bに送り出される。
ここで、送出口100から送り出される水は、第1隙間水路104を経由する過程で拡散してから外部水路58に送り出される。このとき、送出口100から送り出される水は、第1隙間水路104の内周面やカートリッジ12の基端側端面との衝突を伴い、第1隙間水路104内で周方向に広がるように拡散する(方向Pb2参照)。よって、送出口100から送り出される水を第1隙間水路104を経由せずに外部水路58に送り出す場合と比べ、外部水路58に周方向で均一に水を流し易くなる。これに伴い、カートリッジ12の外周部から内部に向かう水の入り込み量を周方向で均一にでき、カートリッジ12を経由する水の流量の増大を図れる。この結果、吐水部26から吐き出される改質水の流量の増大を図れる。
なお、第1通水路36の送出口100の開口面積は、本実施形態において、第1通水路36より上流側の水路の最小断面積より大きくなるように設定される。ここでの開口面積とは送出口100の中心軸線Lb(図10参照)に直交する断面での送出口100の面積をいう。
(第2の工夫点)
原水改質装置10の他の工夫点を説明する。図7、図8を参照する。本実施形態の第1水路形成体16が構成する規制体102は、カートリッジ12及び規制体102のX方向で互いに遠ざかる方向での相対移動を拘束するカートリッジ拘束部82を有する。また、本実施形態のカートリッジ12は、規制体102のカートリッジ拘束部82により前述の相対移動が拘束される被拘束部84を有する。詳しく説明する。
規制体102のカートリッジ拘束部82は、カートリッジ12とX方向に対向する位置に設けられる。本実施形態のカートリッジ拘束部82は、規制体102の先端側の端面部からX方向に突き出る突起部82aと、突起部82aから突き出る爪部82bとを有する。本実施形態のカートリッジ拘束部82は、カートリッジ12の被拘束部84を取り囲むようにU字状に延びている。本実施形態のカートリッジ拘束部82は、上向きに開放する開放口82cが形成される溝部を構成する。
カートリッジ12の被拘束部84は、カートリッジ12の基端側の端面部からX方向に突き出る凸部84aと、凸部84aの基端側の端部から径方向外側に張り出す爪受け部84bとを有する。本実施形態の爪受け部84bは環状に連続している。
爪部82bは、カートリッジ12の爪受け部84bの裏側に配置され、その爪受け部84bに裏側から引っ掛けられる。ここでの「裏側」とは、第1エンドキャップ62の爪受け部84bに対してX方向で規制体102から離れる側(図7の左上側)をいう。これにより、被拘束部84は、規制体102の一部となるカートリッジ拘束部82が引っ掛かることによって、X方向に拘束される。
図3に示すように、第2水路形成体18は、装置ベース20に接続された状態の規制体102から分離可能である。規制体102のカートリッジ拘束部82は、装置ベース20に接続された状態の規制体102から第2水路形成体18を分離したとき、カートリッジ12の被拘束部84を支持している。
被拘束部84は、カートリッジ拘束部82の開放口82cを通してカートリッジ拘束部82の内側から方向Paに出し入れ可能である。被拘束部84は、規制体102に対して、X方向と交差する方向に脱着自在に構成されることになる。被拘束部84は、規制体102に対して、X方向に脱着自在に構成される。本実施形態では、規制体102のカートリッジ拘束部82及び被拘束部84の少なくとも一方の弾性変形を伴い脱着自在である。
以上の工夫点の効果を説明する。カートリッジ12は、カートリッジ12の被拘束部84や規制体102のカートリッジ拘束部82によって、規制体102とX方向に一体的に動かせる。よって、第1水路形成体16及び第2水路形成体18をX方向での相対移動を伴い分離するとき、規制体102によってカートリッジ収容室14のカートリッジ出入口14aからカートリッジ12を取り出せる(図3参照)。このため、第1水路形成体16及び第2水路形成体18の取り外し作業とカートリッジ12の取り出し作業を同時に行うことができ、カートリッジ12の取り出し作業にかかる手間を軽減できる。
(第3の工夫点)
原水改質装置10の他の工夫点を説明する。図7、図8を参照する。原水改質装置10は、前述の第1水路形成体16の他に、第1水路形成体16の第1通水路36に配置されるストレーナ116を備える。原水改質装置10は、第1水路形成体16とストレーナ116を有する水回り部品118を備えていると捉えられる。また、原水改質装置10は、このような水回り部品118を備える水回り装置120であるとも捉えられる。
図13は、ストレーナ116の正面図である。図14は、図13のC−C線断面図である。図14では周辺構造を併せて示す。ストレーナ116は、第1通水路36を横断するように配置される。
ストレーナ116は、厚み方向Ptに水が通り抜け可能なシート状のスクリーン122と、スクリーン122を保持する保持部材124とを有する。厚み方向Ptは、シート状のスクリーン122の厚み方向をいう。厚み方向Ptは、シート状のスクリーン122の主面の法線方向でもある。厚み方向Ptは、本実施形態において、X方向でもある。
スクリーン122は、自らを通り抜けようとする水に含まれる異物を捕捉可能である。本実施形態のスクリーン122は、メッシュであるが、多孔板等でもよい。第1通水路36を流れる水はスクリーン122を経由して送出口100から送り出される(矢印Pd参照)。
保持部材124は、たとえば、樹脂等を用いて構成される。保持部材124は、厚み方向Ptに貫通する貫通孔124aが形成される板状の基部124bを有する。本実施形態の基部124bには複数の貫通孔124aが形成される。スクリーン122は貫通孔124aを横断するように配置される。基部124bは、環状の外枠部124cと、外枠部124cの内側に架け渡される内枠部124dとを有する。基部124bの貫通孔124aは外枠部124cや内枠部124dに囲まれて形成される。外枠部124cや内枠部124dはストレーナ116の外周縁部を挟持することでストレーナ116を保持する。
ストレーナ116は、第1水路形成体16に形成されるストレーナ出入口126を通して厚み方向Ptと交差する方向に出し入れ自在に構成される。本実施形態のストレーナ出入口126は、第1通水路36の一部、詳しくは、第1通水路36の送出口100を構成している。
図15は、図13の矢視Dから見た図である。本図は、ストレーナ出入口126に対するストレーナ116の出し入れ方向Peからストレーナ116を見た図でもある。本実施形態のストレーナ116は、ストレーナ116の出し入れ方向Peから見て、扁平な形状である。詳しくは、スクリーン122の厚み方向Ptでの寸法を厚み寸法Ltとし、出し入れ方向Peから見て厚み方向Ptと直交する方向での寸法を幅寸法Lwとする。このとき、ストレーナ116は、厚み寸法Ltより幅寸法Lwが大きい扁平な形状である。ストレーナ116の幅寸法Lwは、たとえば、厚み寸法Ltの2倍以上の大きさに設定される。この条件は、本実施形態において、ストレーナ116の全体が満たしているが、ストレーナ出入口126より奥側に配置されるストレーナ116の一部116b(図14参照)が満たしていればよい。
これにより、ストレーナ116の一部116bを円筒状とするより、ストレーナ116の一部116bや第1水路形成体16の厚み方向Ptでの寸法の小型化を図れる。
図14に戻る。ストレーナ116は、厚み方向Ptで上流側に位置する上流側側面128aと、厚み方向Ptで下流側に位置する下流側側面128bとを有する。第1水路形成体16は、ストレーナ116の上流側側面128aと厚み方向Ptに対向する上流側対向面130aと、その下流側側面128bと厚み方向Ptに対向する下流側対向面130bとを有する。ストレーナ出入口126を通してストレーナ116を出し入れするとき、ストレーナ116は、これら一対の対向面130a、130bに対するスライドを伴い、ストレーナ出入口126を通して方向Peに出し入れ自在である。
ストレーナ116のメンテナンス方法を説明する。このメンテナンスは、ストレーナ116の清掃、交換等を目的として行われる。この清掃は、たとえば、ストレーナ116により捕捉した異物の除去を目的とする。ストレーナ116をメンテナンスするとき、第1水路形成体16から第2水路形成体18を取り外して、ストレーナ出入口126を外部に露出した状態にする(図9参照)。この状態のもと、ストレーナ出入口126を通してストレーナ116を引き出し、ストレーナ116をメンテナンスする。ストレーナ116のメンテナンスが完了したら、ストレーナ出入口126を通してストレーナ116を押し込む。第1水路形成体16の内部でストレーナ116が配置されるべき箇所までストレーナ116を押し込んだら、第2水路形成体18を第1水路形成体16を取り付ける。
以上の工夫点の効果を説明する。ストレーナ116は、ストレーナ出入口126を通して出し入れ自在に構成される。よって、ストレーナ出入口126を通してストレーナ116を容易に出し入れでき、ストレーナ116のメンテナンスの容易化を図れる。
かりに、スクリーンの厚み方向にストレーナを出し入れ自在な構成とした場合を考える。この場合、ストレーナ出入口から奥まった箇所にストレーナが配置されると、ストレーナを掴みにくくなり、ストレーナ出入口からストレーナを取り出し難くなる。
この点、本実施形態のように、スクリーン122の厚み方向Ptと交差する方向にストレーナ116を出し入れ自在な構成とした場合、ストレーナ出入口126の近くにストレーナ116の側部116aを配置できる。よって、ストレーナ116の側部116aを掴んでストレーナ出入口126からストレーナ116を引き出し易くなり、この点でも、ストレーナ116のメンテナンスの容易化を図れる。
ストレーナ116が配置される第1通水路36は、給水路34においてカートリッジ12を経由する改質水水路42Bより上流側に設けられる(図5参照)。よって、ストレーナ116により異物を捕捉してからカートリッジ12を経由するように水を流すことができ、その異物によるカートリッジ12の目詰まりを防げる。
ストレーナ出入口126は、第1通水路36の一部を構成している。よって、第1通水路36の一部がストレーナ出入口126を兼ねるような設計を実現できる。特に、第1通水路36の一部をストレーナ出入口126とは別の箇所に設けるより、省スペース化を図れる利点がある。
本工夫点に関連する他の特徴を説明する。図14を参照する。ストレーナ116は、ストレーナ116の上流側側面128aから厚み方向Ptに窪む凹部132を有する。凹部132は、ストレーナ116の上流側側面128aに開口している。スクリーン122は、凹部132の上流側開口縁132aより凹部132の底側に設けられる。本実施形態のスクリーン122は、凹部132の底面部を構成している。
これにより、ストレーナ116の凹部132内でスクリーン122により異物を捕捉できる。よって、ストレーナ出入口126からストレーナ116を引き出すとき、ストレーナ出入口126の壁面126a(図14参照)に異物が引っ掛かるのを抑えられる。これに伴い、ストレーナ116により捕捉した異物が第1水路形成体16の内部に残存してしまう事態を避けられる。
図13、図14を参照する。ストレーナ116の下流側側面128bは、第1水路形成体16の下流側対向面130b側に向けて突出するとともに、その下流側対向面130bに接触する間隔保持部134を有する。本実施形態の間隔保持部134はストレーナ116に複数設けられる。詳しくは、間隔保持部134は、保持部材124の外枠部124cや内枠部124dから突出するように設けられる。本実施形態の間隔保持部134は、ストレーナ116の出し入れ方向Peに延びている。
(B)間隔保持部134は、ストレーナ116の下流側側面128bと第1水路形成体16の下流側対向面130bとの間の間隔を保持する役割を果たす。これにより、第1水路形成体16の下流側対向面130bとストレーナ116との間に流れ方向を変えるための第2隙間水路136を形成する設計を実現できる。スクリーン122を通り抜けた水は、この第2隙間水路136を経由する過程で、第1水路形成体16の下流側対向面130bが構成する突き当たり面36bに突き当たることで、送出口100に向けて流れるように流れ方向が変えられる。
ストレーナ116は、一対の対向面130a、130bの間に圧入された状態で配置される。これにより、簡易な構成によって、ストレーナ116の厚み方向Ptでの位置ずれを防げる。このような位置ずれが生じると、第1水路形成体16の上流側対向面130aとストレーナ116の間に隙間が生じ、その隙間からストレーナ116より下流側に異物が漏れる恐れがある。この点、本実施形態によれば、そのような事態を避けられる利点がある。特に、ストレーナ116を厚み方向Ptに押さえる押さえ部材を不要とできるうえ、ストレーナ116の厚み方向Ptでの寸法誤差の影響を排除して、このような効果を得られる利点がある。
ストレーナ116は、ストレーナ出入口126からストレーナ116を引き出すときに物体を掛けるための物掛け部137を有する。ここでの「物体」には、たとえば、ドライバー等の工具、作業者の指が含まれる。本実施形態の物掛け部137は保持部材124に設けられる。本実施形態の物掛け部137は、ストレーナ116の下流側側面128bから厚み方向Ptに窪む凹部により構成される。このような凹部として、本実施形態の物掛け部137はストレーナ116を厚み方向Ptに貫通する貫通孔が構成している。本実施形態の物掛け部137は、ストレーナ116をストレーナ出入口126の奥側に突き当たるまで差し込んだ状態にあるとき、ストレーナ出入口126の外側に配置される。これにより、物掛け部137に掛けた物体に力を加えることで、ストレーナ出入口126からストレーナ116を引き出し易くなる。
図16は、ストレーナ出入口126を通してストレーナ116を押し込む途中の状態を示す図である。ストレーナ116は、このようなときに、ストレーナ116の動きをガイドするガイド部138を有する。本実施形態のガイド部138は、ストレーナ116の間隔保持部134に設けられる。ガイド部138は、ストレーナ116の厚み方向Ptの下流側側面128b側に設けられることになる。ガイド部138は、ストレーナ出入口126を通してストレーナ116を押し込む方向Pfに向かうにつれて、第1水路形成体16から厚み方向Ptに離れるように設けられる。第1水路形成体16に対してガイド部138を接触させつつ、ストレーナ出入口126を通してストレーナ116を押し込むことで、そのガイド部138によって、厚み方向Ptでのストレーナ116の動きがガイドされる。
(C)これにより、ストレーナ出入口126に対するストレーナ116の厚み方向Ptでの位置合わせが容易となり、ストレーナ出入口126を通してストレーナ116を押し込み易くなる。
図17は、図9のD−D線断面図である。本図ではストレーナ116の外観を示す。ストレーナ116は、ストレーナ出入口126を通してストレーナ116を引き出す方向Pgでの動きを規制するように、他部材の一部に引っ掛けられる引掛部140を有する。ここでの「他部材」とは、本実施形態において第1水路形成体16であるが、それとは別の部材でもよい。本実施形態の引掛部140は、ストレーナ116の一部となる保持部材124の基部124bから延びる腕部142の先端部に設けられる。第1水路形成体16は、ストレーナ116の引掛部140を引っ掛けるための凹状の受け部144を有する。本実施形態の受け部144は第1水路形成体16の外周部に設けられる。これにより、ストレーナ出入口126からストレーナ116が意図せず抜け出るのを抑えられる。
ストレーナ116の腕部142は、ストレーナ出入口126を通してストレーナ116を出し入れするときに弾性変形可能である。詳しくは、ストレーナ出入口126を通してストレーナ116を押し込むとき、第1水路形成体16の一部となる外周部との接触によって、腕部142が弾性変形する。ストレーナ116が配置されるべき箇所までストレーナ116を押し込むと、腕部142が復元し、第1水路形成体16の受け部144に引掛部140が引っ掛け可能な位置に配置される。
一方、ストレーナ出入口126を通してストレーナ116を引き出すとき、腕部142が弾性変形することによって、受け部144に対する引掛部140の引っ掛けが解除される。この状態でストレーナ116を更に引き出すと、ストレーナ出入口126からストレーナ116全体が引き出され、腕部142が復元する。
なお、腕部142は、本実施形態において、X方向から見てストレーナ116の出し入れ方向Peと交差する方向に弾性変形する。この「交差する方向」とは、本実施形態ではY方向となる。
図18は、誤組付防止構造145の説明図である。図16〜図18に示すように、水回り部品118は、ストレーナ116の誤組み付けを防止するための誤組付防止構造145を備える。誤組付防止構造145は、第1水路形成体16に設けられる干渉部147と、厚み方向Ptに非対称な形状を持つストレーナ116とを組み合わせて構成される。本実施形態の干渉部147は第1水路形成体16に設けられる突起部である。
誤組付防止構造145の干渉部147とストレーナ116は、ストレーナ出入口126を通してストレーナ116を押し込む場合に、図16に示すように、所定の向きにストレーナ116が向いているときは干渉しない。ここでの「所定の向き」とは、第1水路形成体16の内部でストレーナ116が配置されるべき箇所に配置されるときにストレーナ116が向いているべき向きをいう。これにより、第1水路形成体16の内部でストレーナ116が配置されるべき箇所までストレーナ116を押し込み可能となる。
一方、誤組付防止構造145の干渉部147とストレーナ116は、ストレーナ出入口126を通してストレーナ116を押し込む場合に、所定の向きとは厚み方向Ptで逆向きをストレーナ116が向いているときは干渉する。よって、第1水路形成体16の内部でストレーナ116が配置されるべき箇所までストレーナ116を押し込み不能となる。
これにより、第1水路形成体16に対してストレーナ116が厚み方向Ptで誤った向きで組み付けられるのを防げる。特に、ストレーナ116が厚み方向Ptで逆向きに配置されると、第1水路形成体16の上流側対向面130aとストレーナ116の間に隙間が形成される。この場合、ストレーナ116により異物を捕捉できず、ストレーナ116により所期の性能を発揮できなくなる。本実施形態によれば、このような事態を避けられる利点がある。
(第2の実施の形態)
図19は、第2実施形態の原水改質装置10の一部を示す側面断面図である。本実施形態は、主に、第1の工夫点や第2の工夫点に関連する。
図11では、第1通水路36は、カートリッジ12とは別の部材が形成する例を説明した。本実施形態の第1通水路36の一部は、カートリッジ12が形成している。詳しく説明する。
図20は、図19からカートリッジ12を取り外した状態を示す図である。図19、図20に示すように、第1水路形成体16は、環の一部を切り欠いた切欠環状をなす第1水路形成部148を有する。第1水路形成部148は、第1水路形成体16のカートリッジ12側の端部に設けられる。第1水路形成部148は、下向きに開いた第1切欠部148aと、X方向でカートリッジ12側に向かって開いた第1開口部148bとを有する。
図21は、カートリッジ12の第1エンドキャップ62を示す斜視図である。図19、図21に示すように、カートリッジ12は、切欠環状をなす第2水路形成部150を有する。第2水路形成部150は、カートリッジ12の第1水路形成体16側の端部にある第1エンドキャップ62に設けられる。第2水路形成部150は、下向きに開いた第2切欠部150aと、X方向で第1水路形成体16側に向かって開いた第2開口部150bとを有する。
第1水路形成体16の第1水路形成部148の内側にはカートリッジ12の第2水路形成部150が嵌め込まれる。第1水路形成部148や第2水路形成部150の内側には、第1通水路36の一部が形成される。この第1通水路36の一部は、第2水路形成部150の第2開口部150bを上流側とし、第1水路形成部148の第1切欠部148aを送出口100として水が流れる経路をいう。本図では、この第1通水路36の一部での水の流れ方向に矢印Phを付して示す。前述した第1通水路36の突き当たり面36bは第1水路形成体16側にあるカートリッジ12の端面部が構成する。
図19に示すように、カートリッジ収容室14内にカートリッジ12が収容されている場合、第1水路形成体16の第1開口部148bはカートリッジ12により覆われた状態となる。このとき、前述の通り、第1通水路36にはカートリッジ12により突き当たり面36bが形成される。このとき、前述の通り、第1通水路36の水路部36aを流れる水は突き当たり面36bと衝突して流れ方向を変更し、第1通水路36の送出口100から下向きに送り出される。
図22は、第1水路形成体16から第2水路形成体18を取り外した状態を示す側面断面図である。本実施形態においても、送出口100から水を送り出す送出方向Paは下向きに設定されている。よって、前述した効果(A)を得られる。
図20に示すように、カートリッジ収容室14内にカートリッジ12が収容されていない場合、第1水路形成体16の第1開口部148bは開いた状態となる。このとき、第1通水路36には前述の突き当たり面36bが形成されない状態となる。よって、第1通水路36の水路部36aを流れる水は流れ方向を変更することなく第1開口部148bからX方向に送り出される。
このように、本実施形態によれば、第1通水路36の一部をカートリッジ12が形成している。よって、カートリッジ12の有無によって第1通水路36での水の流れ方を変えるような設計を実現できる。
なお、カートリッジ12と第1水路形成体16のX方向に対向する箇所の間には送出口100の一部となる隙間100aが形成される。この隙間100aにも突き当たり面36bに衝突して流れ方向を下向きに変更した水が送り出され、その隙間100aから下向きに水が送り出される。
図19〜図21を参照する。本例の第1水路形成体16のカートリッジ拘束部82は、前述の第1水路形成部148が構成する。本例のカートリッジ12の被拘束部84は、前述の第2水路形成部150が構成する。カートリッジ拘束部82及び被拘束部84の一方には嵌合凸部152が設けられ、それらの他方には嵌合凹部154が設けられる。本実施形態の嵌合凸部152は被拘束部84に設けられ、嵌合凹部154はカートリッジ拘束部82に設けられる。
嵌合凹部154は、X方向に延びる第1溝部154aと、第1溝部154aの奥側端部から周方向に延びる第2溝部154bとを有する。嵌合凸部152は第1溝部154aや第2溝部154bに沿ってスライド可能である。嵌合凸部152は嵌合凹部154の第2溝部154b内に嵌合される。嵌合凸部152と第2溝部154bの接触によって、これらのX方向で互いに遠ざかる方向での相対移動が規制される。これにより、被拘束部84がカートリッジ拘束部82によりX方向に拘束される。このようにカートリッジ拘束部82及び被拘束部84は、嵌合凸部152が嵌合凹部154に嵌合することによってX方向に拘束される。以下、カートリッジ12がカートリッジ拘束部82によりX方向に拘束される位置を拘束位置という。
以上のカートリッジ12及び第1水路形成体16は、嵌合凹部154に対する嵌合凸部152のスライドを伴い、互いに相対回転させた後に互いにX方向で遠ざかる方向に相対移動させることで分離可能である。また、カートリッジ12及び第1水路形成体16は、嵌合凹部154に対する嵌合凸部152のスライドを伴い、互いにX方向で近づく方向に相対移動させた後に相対回転させることで拘束位置まで動かすことができる。
(第3の実施の形態)
図23は、第3実施形態の原水改質装置10の模式的な正面図である。図23(a)は、第1水路形成体16に第2水路形成体18を取り付けた状態を示し、図23(b)は、第1水路形成体16から第2水路形成体18を取り外した状態を示す。本実施形態は、主に、第1の工夫点に関連する。
図2では、スパウトインタイプの原水改質装置10を説明した。この原水改質装置10は、吐水装置を兼ねており、第2水路形成体18が構成する吐水ヘッド21にカートリッジ12が組み込まれる。
本例では、蛇口直結タイプの原水改質装置10を示す。この原水改質装置10は、吐水ヘッド21に着脱可能に取り付けられる第1水路形成体16と、第1水路形成体16に着脱可能に取り付けられる第2水路形成体18とを備える。原水改質装置10の吐水部156A、156Bには、本実施形態において、原水用の第1吐水部156Aと、改質水用の第2吐水部156Bが含まれる。
吐水部156A、156Bに水を供給するための給水路34は、単数の上流側水路158と、複数の下流側水路160A、160Bとを有する。複数の下流側水路160A、160Bには、第1吐水部156Aに原水を送るための原水水路160Aと、第2吐水部156Bに改質水を送るための改質水水路160Bとが含まれる。改質水水路160Bは、第1水路形成体16及び第2水路形成体18の内部を経由するように設けられる。第2水路形成体18の内部には改質部68が設けられる。
原水改質装置10は、ユーザにより操作される回転ハンドル50(操作体)と、回転ハンドル50に対する操作を通じて、複数の下流側水路160A、160Bのいずれかに通水経路を切り替え可能な弁機構46とを備える。
本実施形態の第1水路形成体16の第1通水路36は改質水水路160Bの上流側部分が構成する。本実施形態の第2水路形成体18の第2通水路38は改質水水路160Bの下流側部分が構成する。
図2では、第2水路形成体18の内部にカートリッジ12を収容するカートリッジ収容室14が設けられる例を説明した。本実施形態では第2水路形成体18そのものが原水を改質するためのカートリッジ12を構成する。カートリッジ12を交換するとき、第2水路形成体18の全体を対象として交換することになる。この場合、第2水路形成体18は、自らを交換するときに第1水路形成体16から取り外される。
本実施形態においても、第1通水路36の送出口100は、第1水路形成体16から第2水路形成体18を取り外したとき、上流側から送り込まれる水を外部に送り出せる位置に設けられる。また、この送出口100の送出方向Paは、下向きに設定されている。他の点では前述した構成と同様である。本実施形態によっても、前述した効果(A)を得られる。
なお、本実施形態の原水改質装置10は第2水路形成体18の第2吐水部156Bから改質水を吐き出す例を説明したが、第1水路形成体16の第1吐水部156Aから改質水を吐き出してもよい。また、本実施形態の原水改質装置10でも、送出口100から水を送り出す範囲Sa(図4参照)は、その水をシンク32の槽部32aの内壁面で受けられるように設定されてもよい。
(第4の実施の形態)
図24は、第4実施形態の原水改質装置10の一部を示す図である。図24(a)は、第1通水路36にストレーナ116が配置された状態を示し、図24(b)は、ストレーナ116をストレーナ出入口126から押し込もうとする状態を示す。本実施形態は、主に、第3の工夫点に関連する。
図14では、ストレーナ116の下流側側面128bが間隔保持部134を有する例を説明した。この他にも、第1水路形成体16の下流側対向面130bが間隔保持部134を有していてもよい。詳しくは、第1水路形成体16の下流側対向面130bは、ストレーナ116の下流側側面128b側に向けて突出するとともに、その下流側側面128bに接触する間隔保持部134を有する。
この場合でも、前述した(B)の効果を得られる。このように、ストレーナ116又は第1水路形成体16は、ストレーナ116の下流側側面128b及び第1水路形成体16の下流側対向面130bの一方から突出するとともに、その下流側側面128b及び下流側対向面130bの他方に接触する間隔保持部134を有していてもよい。
図14ではストレーナ116がガイド部138を有する例を説明した。この他にも、第1水路形成体16がガイド部138を有していてもよい。本実施形態のガイド部138は、ストレーナ116の下流側側面128bと対向する下流側対向面130b、詳しくは、第1水路形成体16の間隔保持部134に設けられる。ガイド部138は、ストレーナ出入口126を通してストレーナ116を引き出す方向に向かうにつれて、ストレーナ116から厚み方向Ptに離れるように設けられる。
第1水路形成体16のガイド部138に対してストレーナ116を接触させつつ、ストレーナ出入口126を通してストレーナ116を押し込むことで、そのガイド部138によって、厚み方向Ptでのストレーナ116の動きがガイドされる。これにより、前述した(C)の効果を得られる。
以上、実施形態をもとに本発明を説明した。次に、各構成要素の変形例を説明する。
原水改質装置10は、スパウトインタイプ、蛇口直結タイプを例に説明したが、アンダーシンクタイプ、据え置きタイプでもよい。スパウトインタイプの原水改質装置10の場合、操作部材22や弁ユニット24を備えていなくともよい。
第1水路形成体16や第2水路形成体18は、装置ベース20を介して基体28に支持される例を説明したが、基体28に直接に支持されていてもよい。これは、たとえば、アンダーシンクタイプ、据え置きタイプの原水改質装置10を想定している。
カートリッジ12の原水の改質態様として、原水の浄化を例に説明したが、これに限定されない。たとえば、美容成分、臭い成分、炭酸成分、水素成分の付与等でもよい。
カートリッジ12は、カートリッジ収容室14にX方向の少なくとも一部に亘る範囲が収容されていればよい。カートリッジ12は、カートリッジ出入口14aから外側にはみ出るように設けられてもよいということである。カートリッジ12は、たとえば、第2水路形成体18のカートリッジ収容室14にX方向の半分以上の範囲が収容され、その他の箇所を第1水路形成体16や装置ベース20に収容してもよい。この場合、第2水路形成体18を第1水路形成体16から取り外したとき、その装置ベース20によってカートリッジ12を支持しつつ、カートリッジ12の一部を露出させることができる。このカートリッジ12の露出箇所を用いてカートリッジ12の交換を容易にできる。
第1水路形成体16は継手部材、第2水路形成体18は吐水ヘッドを例に説明したが、その具体例は特に限定されない。たとえば、吐水ヘッドを互いに別体のグリップ部と頭部により構成し、グリップ部を第1水路形成体16、頭部を第2水路形成体18としてもよい。
第1水路形成体16は、第2水路形成体18を装置ベース20に脱着自在に接続していなくともよい。実施形態では装置ベース20から給水ホース74を引き出し可能な例を説明したが、給水ホース74を引き出し可能ではなくともよいということである。
第1水路形成体16及び第2水路形成体18を互いに脱着可能に取り付けるための具体的手段は特に限定されない。たとえば、このような具体的手段としては、クリップ等の留め具、ねじ構造等を用いてもよい。
第2実施形態、第3実施形態の原水改質装置10に第3の工夫点で説明した構成を組み合わせてもよい。
(第1の工夫点に関して)
カートリッジ収容室14は第2水路形成体18の内部に設けられる例を説明したが、第1水路形成体16の内部に設けられてもよい。この場合でも、カートリッジ12を交換するときに、第1水路形成体16から第2水路形成体18が取り外されることが前提になっていればよい。第1水路形成体16の内部にカートリッジ収容室14が設けられる場合、カートリッジ出入口14aは第1水路形成体16に形成されることになる。この場合、第2水路形成体18が規制体102を構成し、その規制体102にカートリッジ拘束部82を設けてもよい。
第2水路形成体18は外部水路58と第1隙間水路104とを有する例を説明したが、第1隙間水路104がなくともよい。カートリッジ12の内部に水を送り込むための外部水路の位置は特に限定されない。カートリッジ12に対して外周側ではなく、カートリッジ12に対してX方向に設けられてもよい。
第1の工夫点で説明した構成を採用するうえで、原水改質装置10はストレーナ116を備えていなくともよい。
(第2の工夫点に関して)
規制体102のカートリッジ拘束部82は、カートリッジ12及び規制体102のX方向で互いに遠ざかる方向での相対移動を拘束していればよく、支持していなくともよい。
カートリッジ拘束部82によるカートリッジ12の拘束態様は特に限定されない。たとえば、カートリッジの被拘束部84に爪部82bを引っ掛けたり、嵌合凸部152と嵌合凹部154の嵌合の他に、圧入、マグネット等によって実現されてもよい。
カートリッジ12の被拘束部84は、規制体102に対して脱着自在に構成されていなくともよい。これは、たとえば、カートリッジ12と規制体102が脱着不能に構成されており、カートリッジ12の交換と併せて規制体102を交換する場合を想定している。
(第3の工夫点に関して)
水回り装置120は水栓装置である例を説明した。本発明の適用の対象となる水回り装置120は水栓装置に限られず、たとえば、止水栓や電磁弁等の弁装置の他、便器、浴槽、洗面台、シンク等に用いられる機械装置でもよい。水回り部品118は、このような水回り装置に用いられる水路形成体を備えるものであればよい。
ストレーナ116は、スクリーン122と保持部材124を組み合わせて構成される例を説明したが、スクリーン122のみで構成されていてもよい。
スクリーン122は、平板状である例を説明したが、曲板状等のシート状をなしていてもよい。また、スクリーン122は、シート状のスクリーン122を巻いた筒状をなしていてもよい。
ストレーナ116が配置される第1通水路36は、給水路34において改質水水路42Bより下流側に設けられてもよい。
ストレーナ116は凹部132を有していなくともよい。スクリーン122は、ストレーナ116の上流側側面128aと面一に設けられてもよいということである。
ストレーナ出入口126は、第1通水路36の一部を構成する場合、上流側から水が送り込まれる第1通水路36の送入口を構成していてもよい。
第1水路形成体16の下流側対向面130bとストレーナ116との間には、流れ方向を変更するための第2隙間水路136がなくともよい。これは、たとえば、第1水路形成体16の下流側対向面130bに第1通水路36の一部となる貫通孔が形成される場合を想定している。
ストレーナ116は、第1水路形成体16の一対の対向面130a、130bの間に圧入しない状態で配置されてもよい。
ストレーナ116や第1水路形成体16は、間隔保持部134、ガイド部138がなくともよい。ストレーナ116や第1水路形成体16のガイド部138は間隔保持部134とは別の箇所に設けられてもよい。
ストレーナ116の引掛部140は第1水路形成体16の外周部に引っ掛けられる例を説明したが、第1水路形成体16の内部に引っ掛けられてもよい。また、引掛部140はなくともよい。
ストレーナ116の物掛け部137は、保持部材124に設けられる例を説明したが、スクリーン122に設けられてもよい。物掛け部137は凸部でもよいし、その形状は特に限定されない。また、物掛け部137はなくともよい。
ストレーナ116は、出し入れ方向Peから見て、扁平な形状である例を説明したが、その形状は特に限定されない。
第3の工夫点で説明した構成を採用するうえで、第1通水路36の送出口100の送出方向Paは、下向きに設定されていなくともよい。
以上、本発明の実施形態や変形例について詳細に説明した。前述した実施形態や変形例は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体例を示したものにすぎない。実施形態や変形例の内容は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、請求の範囲に規定された発明の思想を逸脱しない範囲において、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態の」「実施形態では」等との表記を付して強調しているが、そのような表記のない内容でも設計変更が許容される。以上の構成要素の任意の組み合わせも、本発明の態様として有効である。図面の断面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。
以上の実施形態、変形例により具体化される発明を一般化すると、以下の技術的思想が導かれる。以下、発明が解決しようとする課題に記載の態様を用いて説明する。
第2態様の水回り部品は、第1態様において、前記ストレーナは、前記厚み方向で上流側に位置する前記ストレーナの上流側側面から前記厚み方向に窪む凹部を有し、前記スクリーンは、前記凹部の上流側開口縁より前記凹部の底側に設けられてもよい。
この態様によれば、ストレーナの凹部内でスクリーンにより異物を捕捉できる。よって、ストレーナ出入口からストレーナを引き出すとき、ストレーナ出入口の壁面に異物が引っ掛かるのを抑えられる。
第3態様の水回り部品は、第1または第2態様において、前記水路形成体は、前記厚み方向で下流側に位置する前記ストレーナの下流側側面と前記厚み方向に対向する下流側対向面を有し、前記下流側側面及び前記下流側対向面の一方は、前記下流側側面及び前記下流側対向面の他方に向けて突出するとともに、その他方に接触する間隔保持部を有してもよい。
この態様によれば、水路形成体の下流側対向面とストレーナとの間に流れ方向を変えるための隙間水路を形成する設計を実現できる
第4態様の水回り部品は、第1から第3態様のいずれかにおいて、前記ストレーナ又は前記第1水路形成体は、前記ストレーナ出入口を通して前記ストレーナを押し込むとき、前記厚み方向での前記ストレーナの動きをガイドするガイド部を有してもよい。
この態様によれば、ストレーナ出入口に対するストレーナの厚み方向での位置合わせが容易となり、ストレーナ出入口を通してストレーナを押し込み易くなる。
第5態様の水回り部品は、第1から第4態様のいずれかにおいて、前記第1水路形成体は、前記ストレーナの前記厚み方向の両側面と前記厚み方向に対向する一対の対向面を有し、前記ストレーナは、前記一対の対向面の間に圧入された状態で配置されてもよい。
この態様によれば、簡易な構成によって、ストレーナの厚み方向での位置ずれを防げる。
第6態様の水回り部品は、第1から第5態様のいずれかにおいて、前記ストレーナは、前記ストレーナ出入口に対して前記ストレーナを引き出す方向での動きを規制するように、他部材の一部に引っ掛けられる引掛部を有してもよい。
この態様によれば、ストレーナ出入口からストレーナが意図せず抜け出るのを抑えられる。
第7態様の水回り部品は、第1から第6態様のいずれかにおいて、前記ストレーナは、前記ストレーナ出入口から前記ストレーナを引き出すときに物体を掛けるための物掛け部を有してもよい。
この態様によれば、物掛け部に掛けた物体に力を加えることで、ストレーナ出入口からストレーナを引き出し易くなる。
第8態様の水回り部品は、第1から第7態様のいずれかにおいて、前記ストレーナ出入口を通して前記ストレーナを押し込むとき、所定の向きの前記ストレーナと干渉せず、前記所定の向きとは前記厚み方向で逆向きの前記ストレーナと干渉する誤組付防止構造を備えてもよい。
この態様によれば、第1水路形成体に対してストレーナが厚み方向で誤った向きで組み付けられるのを防げる。
第9態様の水回り部品は、第1から第8態様のいずれかにおいて、前記ストレーナ出入口より奥側に配置されるの一部は、前記ストレーナの出し入れ方向から見て、扁平な形状であってもよい。
この態様によれば、ストレーナの一部を円筒状とするより、ストレーナの一部や水路形成体の厚み方向での寸法の小型化を図れる。
第10態様の水回り部品は、第1から第9態様のいずれかにおいて、前記ストレーナ出入口は、前記通水路の一部を構成してもよい。
この態様によれば、通水路の一部がストレーナ出入口を兼ねるような設計を実現できる。
第11態様の水回り装置は、第10態様において、前記第1通水路を有する給水路を備え、前記給水路は、原水を改質するためのカートリッジを経由する改質水水路を有し、前記通水路は、前記給水路において前記改質水水路より上流側に設けられてもよい。
この態様によれば、ストレーナにより異物を捕捉してからカートリッジを経由するように水を流すことができ、その異物によるカートリッジの目詰まりを防げる。