JP2019210397A - 高濃度リン系難燃剤マスターバッチ、ポリカーボネート樹脂組成物、及びマスターバッチの製造方法 - Google Patents

高濃度リン系難燃剤マスターバッチ、ポリカーボネート樹脂組成物、及びマスターバッチの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】室温で液状のリン系難燃剤マスターバッチを得、それを用いて高度の難燃性を有するポリカーボネート樹脂組成物を得る。【解決手段】ポリカーボネート樹脂を55〜75質量%、室温で液状のリン系難燃剤を25〜45質量%、及び安定剤を0〜0.1質量%含有することを特徴とする高濃度リン系難燃剤マスターバッチ、および、二軸押出機にポリカーボネート樹脂を供給し、混練部でポリカーボネート樹脂が溶融された後に、室温で液状のリン系難燃剤を、全体に対し25〜45質量%の量で供給し、押出機の下流の混練部でポリカーボネート樹脂と液体リン系難燃剤を溶融混練することを特徴とする高濃度リン系難燃剤マスターバッチの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、高濃度リン系難燃剤マスターバッチ、ポリカーボネート樹脂組成物、及びマスターバッチの製造方法に関する。
ポリカーボネート樹脂は、耐熱性、および機械的物性に優れた樹脂であることから、例えば電気機器、電子機器、自動車等の車両、プリンターや複写機等のOA・情報機器、住宅、建築、その他の工業分野における部品製造用材料等に幅広く利用されている。これらの樹脂成形品等の製品は、高温による火災防止を目的とした安全上の観点から難燃性が要求され、特に、難燃化されたポリカーボネート樹脂組成物は、コンピューター、パソコン、各種携帯端末、バッテリー等の筐体等として好適に使用されている。
ポリカーボネート樹脂に難燃性を付与する手段としては、従来、有機臭素化合物等のハロゲン系難燃剤をポリカーボネート樹脂に配合する手法が広く知られているが、ハロゲン系難燃剤をポリカーボネート樹脂に配合した樹脂組成物は熱安定性が低下したり、成形加工時における成形機のスクリューや金型の腐食を招く恐れがある。またハロゲン系難燃剤を配合した場合は燃焼時に当該ハロゲンを含むガスが発生する恐れや製品の廃棄、回収時に環境汚染が問題になる可能性があるため、ハロゲン系難燃剤を使用することなく難燃化することが求められている。
そして、特許文献1では、ハロゲン系難燃剤に代わって、リン系難燃剤をポリカーボネート樹脂に配合することが提案され、現在ではリン系難燃剤が主体になりつつある。
特開昭62−4746号公報
リン系難燃剤、例えばリン酸エステル系難燃剤には、室温で固体状のものと液状のものがあり、液状のものは押出機への液体添加が必要となる。しかしながら、押出機を使って、液状のリン系難燃剤とポリカーボネート樹脂を溶融混練する場合、ポリカーボネート樹脂の未溶融物が発生したり、リン系難燃剤の均一な分散を達成することが難しく、得られたポリカーボネート樹脂組成物ペレットの難燃性は不十分となりやすい。
本発明の目的(課題)は、上記従来技術の問題点に鑑み、液状リン系難燃剤の高濃度マスターバッチを得、それを用いて難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を得ることにより、難燃性の高い樹脂組成物を得ることにある。
本発明者らは、上記課題を達成すべく、鋭意検討を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂と液状リン系難燃剤を25〜45質量%の濃度となるようにコンパウンディングして液状リン系難燃剤マスターバッチを得、それを用いて難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を得ることにより、難燃性の高い樹脂組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、第1の発明によれば、下記成分の合計100質量%基準で、ポリカーボネート樹脂を55〜75質量%、室温で液状のリン系難燃剤を25〜45質量%、及び安定剤を0〜0.1質量%含有することを特徴とする高濃度リン系難燃剤マスターバッチを提供する。
また、第2の発明によれば、下記成分の合計100質量%基準で、ポリカーボネート樹脂を62〜75質量%、含フッ素樹脂を0.1〜1質量%、安定剤を0.01〜0.2質量%、及び請求項1に記載のマスターバッチを25〜38質量%含有することを特徴とする難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を提供する。
また、第3の発明によれば、下記成分の合計100質量%基準で、ポリカーボネート樹脂を52〜73質量%、含フッ素樹脂を0.1〜1質量%、コアシェル型エラストマーを2〜10質量%、安定剤を0.01〜0.2質量%、及び請求項1に記載のマスターバッチを25〜38質量%含有することを特徴とする難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を提供する。
さらに、第4の発明によれば、二軸押出機にポリカーボネート樹脂を供給し、混練部でポリカーボネート樹脂が溶融された後に、室温で液状のリン系難燃剤を、全体に対し25〜45質量%の量で供給し、押出機の下流の混練部でポリカーボネート樹脂と液体リン系難燃剤を溶融混練することを特徴とする高濃度リン系難燃剤マスターバッチの製造方法を提供する。
ポリカーボネート樹脂と液状リン系難燃剤を25〜45質量%の濃度となるようにコンパウンディングして液状リン系難燃剤マスターバッチを得、それを用いて難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を得ることにより、難燃性の高い樹脂組成物を得ることができる。この原因は明らかでないが、一定の濃度の液状リン系難燃剤をポリカーボネート樹脂と最初に混練することにより液状リン系難燃剤とポリカーボネート樹脂との親和性が向上し、分子レベルに近いレベルで均一に混合され、それを用いた2度目のコンパウンディングで得られたポリカーボネート樹脂組成物の難燃性が向上すると考えられる。
以下、本発明について実施形態および例示物を示して詳細に説明するが、本発明は当該実施形態及び例示物等に限定して解釈されるものではない。
本発明の高濃度リン系難燃剤マスターバッチは、ポリカーボネート樹脂を55〜75質量%、室温で液状のリン系難燃剤を25〜45質量%、及び安定剤を0〜0.1質量%含有することを特徴とする。
[ポリカーボネート樹脂]
本発明の高濃度リン系難燃剤マスターバッチ及び難燃性樹脂組成物に用いるポリカーボネート樹脂としては、従来公知の任意のポリカーボネート樹脂を使用できる。ポリカーボネート樹脂としては、芳香族ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリカーボネート樹脂、芳香族−脂肪族ポリカーボネート樹脂が挙げられるが、好ましくは、芳香族ポリカーボネート樹脂である。
芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香族ヒドロキシ化合物と、ホスゲン又は炭酸のジエステルとを反応させることによって得られる、分岐していてもよい芳香族ポリカーボネート重合体である。芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、ホスゲン法(界面重合法)、溶融法(エステル交換法)等の従来法によることができる。また、溶融法で製造され、末端基のOH基量を調整して製造されたポリカーボネート樹脂であってもよい。
芳香族ポリカーボネート樹脂の原料の一つである芳香族ジヒドロキシ化合物の代表的なものとして、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等が挙げられる。
さらに、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシルフェニル)エタン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン等の分子中に3個以上のヒドロキシ基を有する多価フェノール等を分岐化剤として少量併用することもできる。
これらの芳香族ジヒドロキシ化合物のなかでも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)が好ましい。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂を得るには、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどのポリヒドロキシ化合物、あるいは3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチン、5,7−ジクロルイサチン、5−ブロムイサチンなどを前記芳香族ジヒドロキシ化合物の一部として用いればよく、その使用量は、該ヒドロキシ化合物に対して0.01〜10モル%であり、好ましくは0.1〜2モル%である。
エステル交換法による重合においては、ホスゲンの代わりに炭酸ジエステルがモノマーとして使用される。炭酸ジエステルの代表的な例としては、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等に代表される置換ジアリールカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート等に代表されるジアルキルカーボネートが挙げられる。これらの炭酸ジエステルは、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでも、ジフェニルカーボネート、置換ジフェニルカーボネートが好ましい。
また、上記の炭酸ジエステルは、好ましくはその50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下の量を、ジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで置換してもよい。代表的なジカルボン酸又はジカルボン酸エステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニル等が挙げられる。このようなジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで置換した場合には、ポリエステルカーボネートが得られる。
エステル交換法によりポリカーボネート樹脂を製造する際には、通常、触媒が使用される。触媒種に制限はないが、一般的にはアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物が使用されるが、中でもアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物が特に好ましい。これらは、単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。エステル交換法では、上記重合触媒をp−トルエンスルホン酸エステル等で失活させることが一般的である。
ポリカーボネート樹脂として好ましいものは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導される芳香族ポリカーボネート樹脂又は2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導される芳香族ポリカーボネート共重合体が挙げられる。また、難燃性等を付与する目的で、シロキサン構造を有するポリマー又はオリゴマーを共重合させることができる。ポリカーボネート樹脂は、原料の異なる2種以上の重合体及び/又は共重合体の混合物であってもよく、分岐構造を0.5モル%まで有していてもよい。
ポリカーボネート樹脂の末端ヒドロキシル基含有量は、熱安定性、加水分解安定性、色調等に大きな影響を及ぼす。実用的な物性を持たせるためには、ポリカーボネート樹脂の末端ヒドロキシル基含有量は、通常30〜2000ppm、好ましくは100〜1500ppm、さらに好ましくは200〜1000ppmであり、末端ヒドロキシル基含有量を調節する封止末端剤としてはp−tert−ブチルフェノール、フェノール、クミルフェノール、p−長鎖アルキル置換フェノール等を使用することができる。
ポリカーボネート樹脂中の残存モノマー量としては、芳香族ジヒドロキシ化合物が150ppm以下、好ましくは100ppm以下であり、さらに好ましくは50ppm以下である。エステル交換法により合成された場合には、さらに炭酸ジエステル残存量が300ppm以下、好ましくは200ppm以下、さらに好ましくは150ppm以下である。
ポリカーボネート樹脂の分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、25℃の温度で測定した溶液粘度より換算した粘度平均分子量で、好ましくは10000〜50000の範囲であり、より好ましくは10000〜40000の、特に好ましくは12000〜30000の範囲のものである。粘度平均分子量を10000以上とすることにより、機械的特性がより効果的に発揮され、50000以下とすることにより、成形加工がより容易になる。また、粘度平均分子量の異なる2種以上のポリカーボネート樹脂を混合してもよく、粘度平均分子量が上記好適範囲外であるポリカーボネート樹脂を混合して、上記分子量の範囲内としてもよい。
[リン系難燃剤]
本発明に用いるリン系難燃剤は、リンを含有し室温で液状のリン系難燃剤である。ここで「室温で液状」とは、23℃において液体であることをいう。
リン系難燃剤としては、ホスフェート系化合物、縮合リン酸エステル等が挙げられ、縮合リン酸エステルが好ましい。
縮合リン酸エステルとしては、下記一般式(1)で表されるリン酸エステル化合物で室温で液状のものが特に好ましい。
(式中、R、R、RおよびRは、炭素数1〜6のアルキル基またはアルキル基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基を示し、p、q、rおよびsは、0または1であり、kは1から5の整数であり、Xはアリーレン基を示す。)
上記一般式(1)で表されるリン酸エステル化合物は、kが異なる数を有する化合物の混合物であってもよく、かかるkが異なるリン酸エステルの混合物の場合は、kはそれらの混合物の平均値となる。異なるk数を有する化合物の混合物の場合は、平均のk数は好ましくは1〜2、より好ましくは1〜1.5、さらに好ましくは1〜1.2、特に好ましくは1〜1.15の範囲である。
また、Xは、二価のアリーレン基を示し、例えばレゾルシノール、ハイドロキノン、ビスフェノールA、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、2,3’−ジヒドロキシビフェニル、2,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジヒドロキシビフェニル、3,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシ化合物から誘導される二価の基である。これらのうち、特に、ビスフェノールA、3,3’−ジヒドロキシビフェニルから誘導される二価の基が好ましい。
また、一般式(1)におけるp、q、rおよびsは、それぞれ0または1を表し、なかでも1であることが好ましい。
また、R、R、RおよびRは、それぞれ、炭素数1〜6のアルキル基またはアルキル基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基を示す。このようなアリール基としては、フェニル基、クレジル基、キシリル基、イソプロピルフェニル基、ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、ジ−tert−ブチルフェニル基、p−クミルフェニル基等が挙げられるが、フェニル基、クレジル基、キシリル基がより好ましい。
一般式(1)で表される縮合リン酸エステルのうち、室温で液状である具体例としては、ビスフェノールAビス−ジフェニルホスフェート等が好ましく挙げられる。市販品としては、例えば、大八化学工業社製「CR−741」、ADEKA社製「FP−600」等が挙げられる。
[安定剤]
本発明に用いる安定剤としてはリン系安定剤やフェノール系安定剤が好ましい。
リン系安定剤としては、公知の任意のものを使用できる。具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜燐酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族または第2B族金属のリン酸塩;有機ホスフェート化合物、有機ホスファイト化合物、有機ホスホナイト化合物などが挙げられるが、有機ホスファイト化合物が特に好ましい。
有機ホスファイト化合物としては、トリフェニルホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノノニル/ジノニル・フェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリステアリルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等が挙げられる。
このような、有機ホスファイト化合物としては、具体的には、例えば、ADEKA社製「アデカスタブ1178」、「アデカスタブ2112」、「アデカスタブHP−10」、城北化学工業社製「JP−351」、「JP−360」、「JP−3CP」、BASF社製「イルガフォス168」等が挙げられる。
なお、リン系安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
フェノール系安定剤としては、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。その具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド]、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン,2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
なかでも、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。このようなフェノール系酸化防止剤としては、具体的には、例えば、BASF社製「イルガノックス1010」、「イルガノックス1076」、ADEKA社製「アデカスタブAO−50」、「アデカスタブAO−60」等が挙げられる。
なお、フェノール系安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
[高濃度リン系難燃剤マスターバッチ]
本発明の高濃度リン系難燃剤マスターバッチは、ポリカーボネート樹脂を55〜75質量%、室温で液状のリン系難燃剤を25〜45質量%、及び安定剤を0〜0.1質量%含有する。ここで上記各成分の割合は、これら成分の合計100質量%基準の質量%である。
マスターバッチ中における室温で液状のリン系難燃剤の含有量は、25質量%以上45質量%以下という濃度とする。液状リン系難燃剤の濃度は25〜45質量%より低くても、高くてもよくなく、上記範囲を外れる場合にはリン系難燃剤がポリカーボネート樹脂の中に局在化し難燃効果の発現が悪くなる。
マスターバッチは、安定剤を含有することも好ましく、その含有量は0〜0.1質量%とすることが好ましい。安定剤の含有量が0.1質量%を超えると色相が悪化するので好ましくない。
本発明の高濃度リン系難燃剤マスターバッチの好ましい含有量は、ポリカーボネート樹脂60〜70質量%、室温で液状のリン系難燃剤30〜40質量%、及び安定剤0〜0.08質量%である。
[高濃度リン系難燃剤マスターバッチの製造方法]
本発明の高濃度リン系難燃剤マスターバッチの製造方法は、二軸押出機にポリカーボネート樹脂を供給し、混練部でポリカーボネート樹脂が溶融された後に、室温で液状のリン系難燃剤を、全体に対し25〜45質量%の量で供給し、押出機の下流の混練部でポリカーボネート樹脂と液状リン系難燃剤を溶融混練することを特徴とする。
本発明の高濃度リン系難燃剤マスターバッチの製造方法には二軸押出機が使用される。二軸押出機は各種のものを使用することが出来、スクリューの回転方式は、同方向回転式でも、逆方向回転式でもよいが、同方向噛み合い型二軸押出機が好ましい。二軸押出機のスクリューの長さ、径、噛みあい率等は、任意のもの或いは任意の設定が可能である。また、二軸押出機には、減圧或いは大気に開放されたベント口を設けてもよい。
ポリカーボネート樹脂は二軸押出機の根元にある供給口から供給され、第1の混練部にてポリカーボネート樹脂は溶融される。ポリカーボネート樹脂が溶融された後に、室温で液状のリン系難燃剤が、供給口から、液体供給ポンプ等を用いて、供給される。液状のリン系難燃剤の供給量は、マスターバッチ全体に対し25〜45質量%の量とする。そして、下流にある第2の混練部でポリカーボネート樹脂と液状リン系難燃剤は溶融混練され、高濃度のリン系難燃剤マスターバッチが製造される。
第1の混練部および第2の混練部のスクリュー構成は、順送りのニ―ディングディスク(R)に、直交ニーディングディスク(N)や逆送りのニ―ディングディスク(L)等を組み合わせた構成にすることが好ましい。
第1の混練部および第2の混練部の間に液状のリン系難燃剤を供給することにより、液状のリン系難燃剤の濃度を高めることができ、また、上記した好ましいスクリュー構成のスクリューの回転による剪断により、液状リン系難燃剤がポリカーボネート樹脂中に均質に分散され、ポリカーボネート樹脂組成物の製造に用いると高度の難燃性を安定して発現させることが可能となる。
上記方法で、溶融混練した混練物は、ストランド状に押し出した後、ペレット状やフレーク状等の形態に加工し、押出機を使用して各成分を溶融混練し、混練物をストランド状に押し出した後、ストランド状に押し出した混練物はペレット状やフレーク状等の形態に加工され、高濃度リン系難燃剤マスターバッチとして、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の製造に使用される。
[難燃性ポリカーボネート樹脂組成物]
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂を62〜75質量%、含フッ素樹脂を0.1〜1質量%、安定剤を0.01〜0.2質量%、及び上記した高濃度リン系難燃剤マスターバッチを25〜38質量%含有する、あるいは、ポリカーボネート樹脂を52〜73質量%、含フッ素樹脂を0.1〜1質量%、コアシェル型エラストマーを2〜10質量%、安定剤を0.01〜0.2質量%、及び上記した高濃度リン系難燃剤マスターバッチを25〜38質量%含有することを特徴とする。
なお、上記各成分の含有量(質量%)は、各成分の合計100質量%基準での質量%を意味する。
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂と上記高濃度リン系難燃剤マスターバッチとを含有する樹脂組成物とすることで、マスターバッチを用いずに各成分を混練する場合に比べて、高度の難燃性を安定して発現させることが可能となり、またリン系難燃剤のブリードアウトを生じ難くすることができる。
また、液状のリン系難燃剤を高濃度でマスターバッチ化して固体(ペレット)とし、これを、他の必須原料と、さらに各グレード毎に配合される添加成分と押出機に一括フィードし、1回のコンパウンディングによって、所望の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を製造できるので、コスト的に極めて有利である。
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂、上記高濃度リン系難燃剤マスターバッチ、含フッ素樹脂、安定剤、必要によりコアシェル型エラストマー、更に必要に応じて用いられるその他の成分を用いて、従来公知の任意の方法を適宜選択して製造することができる。
具体的には、ポリカーボネート樹脂、上記高濃度リン系難燃剤マスターバッチ、含フッ素樹脂、安定剤、必要によりコアシェル型エラストマー、更に必要に応じて用いられるその他の成分を、タンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどで溶融混練して樹脂組成物を製造することができる。
難燃性ポリカーボネート樹脂組成物に用いるポリカーボネート樹脂、安定剤は、マスターバッチのところで説明した通りであり、同様のものが使用できる。
[含フッ素樹脂]
含フッ素樹脂としては、フルオロオレフィン樹脂が好ましい。フルオロオレフィン樹脂は、通常フルオロエチレン構造を含む重合体あるいは共重合体であり、具体例としては、ジフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂等が挙げられるが、なかでもテトラフルオロエチレン樹脂が好ましい。
また、この含フッ素樹脂としては、フィブリル形成能を有するものが好ましく、具体的には、フィブリル形成能を有するフルオロオレフィン樹脂が挙げられる。フィブリル形成能を有することで、燃焼時の滴下防止性が著しく向上する傾向にある。
また、含フッ素樹脂として、有機重合体被覆フルオロオレフィン樹脂も好適に使用することができる。有機重合体被覆フルオロオレフィン樹脂を用いることで、分散性が向上し、成形品の表面外観が向上し、表面異物を抑制できる。
有機重合体被覆フルオロオレフィン樹脂は、公知の種々の方法により製造でき、例えば(1)ポリフルオロエチレン粒子水性分散液と有機系重合体粒子水性分散液とを混合して、凝固またはスプレードライにより粉体化して製造する方法、(2)ポリフルオロエチレン粒子水性分散液存在下で、有機系重合体を構成する単量体を重合した後、凝固またはスプレードライにより粉体化して製造する方法、(3)ポリフルオロエチレン粒子水性分散液と有機系重合体粒子水性分散液とを混合した分散液中で、エチレン性不飽和結合を有する単量体を乳化重合した後、凝固またはスプレードライにより粉体化して製造する方法、等が挙げられる。
フルオロオレフィン樹脂を被覆する有機系重合体を生成するための単量体としては、ポリカーボネート樹脂に配合する際の分散性の観点から、ポリカーボネート樹脂との親和性が高いものが好ましく、芳香族ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、シアン化ビニル系単量体がより好ましい。
含フッ素樹脂は、1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用してもよい。
難燃性ポリカーボネート樹脂組成物における含フッ素樹脂の含有量は、前記各成分の合計100質量%基準で、0.1〜1質量%であり、好ましくは0.1〜0.5質量%である。
[コアシェル型エラストマー]
コアシェル型エラストマーとしては、ゴム成分にこれと共重合可能な単量体成分をグラフト重合したグラフト共重合体が好ましい。
このようなグラフト共重合体の製造方法としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などのいずれの製造方法であってもよく、共重合の方式は一段グラフトでも多段グラフトであってもよい。なかでも、乳化重合で行うのが最も容易であり、好ましい方法である。
上記ゴム成分は、ガラス転移温度が通常0℃以下、中でも−20℃以下のものが好ましく、更には−30℃以下のものが好ましい。ゴム成分の具体例としては、ポリブタジエンゴム、ブタジエン−アクリル複合ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ブタジエンゴムなどを好ましく挙げることができる。これらは、単独でも2種以上を混合して使用してもよい。
ゴム成分とグラフト共重合可能な単量体成分の具体例としては、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリル酸化合物、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル化合物、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド化合物、マレイン酸、フタル酸、イタコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸化合物やそれらの無水物(例えば無水マレイン酸等)などが挙げられる。これらの単量体成分は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、機械的特性や表面外観の面から、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリル酸化合物が好ましく、より好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物である。(メタ)アクリル酸エステル化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル等を挙げることができる。
本発明に用いるコアシェル型エラストマーは、ウエルド強度の点からブタジエン系のエラストマーが好ましい。中でもポリブタジエン含有ゴム成分をコア層とし、その周囲にメタアクリル酸エステルを共重合して形成されたシェル層からなるコアシェル型グラフト共重合体が特に好ましい。上記コアシェル型グラフト共重合体において、ブタジエン系ゴム成分を40質量%以上含有するものが好ましく、60質量%以上含有するものがさらに好ましい。また、メタアクリル酸成分は、10質量%以上含有するものが好ましい。
このようなコアシェル型エラストマーの好ましい具体例としては、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレングラフト共重合体、メチルメタクリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフト共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエングラフト共重合体、メチルメタクリレート−アクリル・ブタジエンゴムグラフト共重合体、メチルメタクリレート−アクリル・ブタジエンゴム−スチレングラフト共重合体等が挙げられる。この様なゴム性重合体は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
難燃性ポリカーボネート樹脂組成物におけるコアシェル型エラストマーの含有量は、前記各成分の合計100質量%基準で、2〜10質量%であり、好ましくは3〜9質量%である。
[その他の成分]
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、所望の諸物性を著しく損なわない限り、必要に応じて、上記したもの以外に他の成分を含有していてもよい。他成分の例を挙げると、ポリカーボネート樹脂以外の樹脂、各種樹脂添加剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
<その他の樹脂>
その他の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性ポリエステル樹脂;ポリスチレン樹脂、高衝撃ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)などのスチレン系樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリメタクリレート樹脂等が挙げられる。
なお、その他の樹脂は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
なお、ポリカーボネート樹脂以外のその他の樹脂を含有する場合、その含有量は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、70質量部以下とすることが好ましく、60質量部以下がより好ましく、さらには50質量部以下、特には40質量部以下とすることが好ましい。
<樹脂添加剤>
樹脂添加剤としては、例えば、染顔料、離型剤、滑剤、充填剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。なお、樹脂添加剤は1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
[ポリカーボネート樹脂成形品]
本発明のポリカーボネート難燃性樹脂組成物から成形品を製造する方法は、特に限定されるものではなく、ポリカーボネート樹脂について一般に採用されている成形法、すなわち一般的な射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、多色射出成形法、ガスアシスト射出成形法、断熱金型を用いた成形法、急速加熱冷却金型を用いた成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法などを採用することができる。また、各種射出成形法においてはホットランナー方式を用いた成形法を選択することもできる。
得られた成形品は、電気機器、電子機器、自動車等の車両、プリンターや複写機等のOA・情報機器、住宅、建築、その他の部品として好適に使用でき、特に、コンピューター、パソコン、各種携帯端末、バッテリー等の筐体等として好適に使用できる。
以下、実施例を示して本発明について更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定して解釈されるものではない。
製造例1
ポリカーボネート樹脂「S3000F」(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名、粘度平均分子量22000)を120kg/hrで、二軸押出機(日本製鋼所社製、TEX44αII)に供給し、第1混練部(RRNNL:最上流のRは長さ1.0D、その他のRNNLは0.5D、D(スクリュー径)=44mm)で溶融混練し、その下流に常温で液状のリン系難燃剤「アデカスタブFP−600」(ADEKA社製、商品名、ビスフェノールAビス−ジフェニルホスフェート)を80kg/hrで供給し、その下流の第2混練部(RNL:各長さは0.5D)でポリカーボネート樹脂と混練し、ダイノズルから押出し、水槽で冷却し、ペレタイジングして、リン系難燃剤の濃度が40質量%のマスターバッチペレットを得た。スクリュー回転数は700rpmとした。
ここで、Rは5枚のパドルを有した順送りのニーディングディスク、Nは5枚のパドルを有した直交ニーディングディスク、Lは5枚のパドルを有した逆送りのニーディングディスクである。なお、
製造例2
ポリカーボネート樹脂「S3000F」の供給量を130kg/hr、リン系難燃剤「FP−600」の供給量を70kg/hrとした以外は、実施例1と同様にして、リン系難燃剤の濃度が35%のマスターバッチペレットを得た。
製造例3
ポリカーボネート樹脂「S3000F」の供給量を140kg/hr、リン系難燃剤「FP−600」の供給量を60kg/hrとした以外は、実施例1と同様にして、リン系難燃剤の濃度が30%のマスターバッチペレットを得た。
製造例4
さらに、ポリカーボネート樹脂「S3000F」の供給量を120kg/hr、リン系安定剤「アデカスタブ2112」(ADEKA社製、商品名、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト)を、0.08kg/hr、リン系難燃剤「FP−600」の供給量を80kg/hrとした以外は実施例1と同様にして、リン系難燃剤の濃度が40%、リン系安定剤の濃度が0.04質量%のマスターバッチペレットを得た。
比較製造例1
ポリカーボネート樹脂「S3000F」の供給量を160kg/hr、リン系難燃剤「FP−600」の供給量を40kg/hrとした以外は、実施例1と同様にして、リン系難燃剤の濃度が20%のマスターバッチペレットを得た。
比較製造例2
ポリカーボネート樹脂「S3000F」の供給量を100kg/hr、リン系難燃剤「FP−600」の供給量を100kg/hrとした以外は、実施例1と同様にして、リン系難燃剤の濃度が50%のマスターバッチペレットを得た。
上記で得られたマスターバッチを使用し、以下のポリカーボネート樹脂組成物を製造した。
実施例1
ポリカーボネート樹脂「S3000F」を74.72質量部、四フッ化エチレン樹脂「FA−500H」(ダイキン工業社製、商品名)を0.2質量部、リン系安定剤「AS2112」(ADEKA社製、商品名、トリス(2,4,−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト)を0.03質量部、フェノール系安定剤「AO−60」(ADEKA社製、商品名、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート])を0.05質量部、および製造例1で得られたリン系難燃剤の濃度が40質量%のマスターバッチペレット25.00質量部を混合し、二軸押出機TEX44αII(スクリュー構成は製造例1と同じ)の根本ホッパーに200kg/hrで供給し、スクリュー回転数300rpmで溶融混練し、ダイノズルから押出し、水槽冷却してストランドカットし、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
実施例2
ポリカーボネート樹脂「S3000F」を71.15質量部、製造例2で得られたリン系難燃剤の濃度が35質量%のマスターバッチペレットを28.57質量部とした以外は、実施例1と同様にして行った。
実施例3
ポリカーボネート樹脂「S3000F」を66.39質量部、製造例3で得られたリン系難燃剤の濃度が30質量%のマスターバッチペレットを33.33質量部とした以外は実施例1と同様にして行った。
実施例4
ポリカーボネート樹脂「S3000F」を74.72質量部、四フッ化エチレン樹脂「FA−500H」を0.2質量部、リン系安定剤「AS2112」を0.02質量部、フェノール系安定剤「AO−60」を0.05質量部、および製造例4で得られたリン系難燃剤の濃度が40質量%、リン系安定剤の濃度が0.04質量%のマスターバッチペレット25.01質量部を混合し、二軸押出機TEX44αII(スクリュー構成は製造例1と同じ)の根本ホッパーに200kg/hrで供給し、スクリュー回転数300rpmで溶融混練し、ダイノズルから押出し、水槽冷却してストランドカットし、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
比較例1
ポリカーボネート樹脂「S3000F」を59.72質量部、比較製造例1で得られたリン系難燃剤の濃度が20質量%のマスターバッチペレットを40.00質量部とした以外は実施例1と同様にして行った。
比較例2
ポリカーボネート樹脂「S3000F」を79.72質量部、比較製造例2で得られたリン系難燃剤の濃度が50質量%のマスターバッチペレットを20.00質量部とした以外は実施例1と同様にして行った。
比較例3
ポリカーボネート樹脂「S3000F」を89.72質量部、四フッ化エチレン樹脂「FA−500H」を0.2質量部、リン系安定剤「AS2112」を0.03質量部、フェノール系安定剤「AO−60」0.05質量部を混合し、実施例1と同様にスクリュー構成Aの根本に180kg/hrとなるように供給し、リン系難燃剤「FP−600」10.00質量部を押出機根本ホッパーと第1混練部の中間に20kg/hrで液添し、以下実施例1と同様にして行った。
実施例5
ポリカーボネート樹脂「S3000F」を69.62質量部、四フッ化エチレン樹脂「FA−500H」を0.3質量部、コアシェル型エラストマー「カネエースM711」(カネカ社製、商品名、メタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体)を5.0質量部、リン系安定剤「AS2112」を0.03質量部、フェノール系安定剤「AO−60」を0.05質量部、および製造例1で得られたリン系難燃剤の濃度が40質量%のマスターバッチペレット25.00質量部を混合し、二軸押出機TEX44αII(スクリュー構成は製造例1と同じ)の根本ホッパーに200kg/hrで供給し、スクリュー回転数300rpmで溶融混練し、ダイノズルから押出し、水槽冷却してストランドカットし、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
実施例6
ポリカーボネート樹脂「S3000F」を66.05質量部とし、製造例2で得られたリン系難燃剤の濃度が35質量%のマスターバッチペレットを28.57質量部とした以外は実施例5と同様にして行った。
実施例7
ポリカーボネート樹脂「S3000F」を61.29質量部とし、製造例3で得られたリン系難燃剤の濃度が30質量%のマスターバッチペレットを33.33質量部とした以外は実施例5と同様にして行った。
実施例8
ポリカーボネート樹脂「S3000F」を69.62質量部、四フッ化エチレン樹脂「FA−500H」を0.3質量部、コアシェル型エラストマー「カネエースM711」を5.0質量部、リン系安定剤「AS2112」を0.02質量部、フェノール系安定剤「AO−60」を0.05質量部、および製造例4で得られたリン系難燃剤の濃度が40質量%、リン系安定剤の濃度が0.04質量%のマスターバッチペレット25.01質量部を混合し、二軸押出機TEX44αII(スクリュー構成は製造例1と同じ)の根本ホッパーに200kg/hrで供給し、スクリュー回転数300rpmで溶融混練し、ダイノズルから押出し、水槽冷却してストランドカットし、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
比較例4
ポリカーボネート樹脂「S3000F」を54.62質量部とし、比較製造例1で得られたリン系難燃剤の濃度が20質量%のマスターバッチペレットを40.00質量部とした以外は実施例5と同様にして行った。
比較例5
ポリカーボネート樹脂「S3000F」を74.62質量部とし、比較製造例2で得られたリン系難燃剤の濃度が50質量%のマスターバッチペレットを20.00質量部とした以外は実施例5と同様にして行った。
比較例6
ポリカーボネート樹脂「S3000F」を84.62質量部、四フッ化エチレン樹脂「FA−500H」を0.3質量部、コアシェルエラストマー「カネエースM711」を5.0質量部、リン系安定剤「AS2112」を0.03質量部、フェノール系安定剤「AO−60」0.05質量部を混合し、二軸押出機TEX44αII(スクリュー構成は製造例1と同じ)の根本ホッパーに180kg/hrで供給し、リン系難燃剤「FP−600」10.00質量部を押出機根本ホッパーと第1混練部の中間に20kg/hrで液添し、スクリュー回転数300rpmで溶融混練し、ダイノズルから押出し、水槽冷却してストランドカットし、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
UL94試験
上記で得られたポリカーボネート樹脂組成物のペレットを、120℃で4時間乾燥した後、射出成形機(住友重機械工業社製「SE100DU」)を用い、樹脂温度280℃、金型温度80℃の条件下で、厚みが0.8mmのUL試験用試験片を得た。
得られたUL試験用試験片を、23℃、相対湿度50%の高温室の中で48時間調湿し、米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)が定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼試験)に準拠して試験を実施した。
合計有炎燃焼時間は、UL規格94の20mm垂直燃焼試験における、5試料、即ち、10回接炎後の合計燃焼時間を、秒の単位で表示する。合計有炎燃焼時間は、50秒以下であることが好ましく、40秒以下であることがより好ましい。
評価結果を、以下の表1に示す。
本発明によれば、液状リン系難燃剤を含有し高度の難燃性を示すポリカーボネート樹脂組成物を安定して生産性よく得ることができ、電気機器、電子機器、自動車等の車両、プリンターや複写機等のOA・情報機器、住宅、建築、その他の工業分野における部品製造用材料等に幅広く利用でき、産業上の利用性は非常に高い。

Claims (4)

  1. 下記成分の合計100質量%基準で、ポリカーボネート樹脂を55〜75質量%、室温で液状のリン系難燃剤を25〜45質量%、及び安定剤を0〜0.1質量%含有することを特徴とする高濃度リン系難燃剤マスターバッチ。
  2. 下記成分の合計100質量%基準で、ポリカーボネート樹脂を62〜75質量%、含フッ素樹脂を0.1〜1質量%、安定剤を0.01〜0.2質量%、及び請求項1に記載のマスターバッチを25〜38質量%含有することを特徴とする難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 下記成分の合計100質量%基準で、ポリカーボネート樹脂を52〜73質量%、含フッ素樹脂を0.1〜1質量%、コアシェル型エラストマーを2〜10質量%、安定剤を0.01〜0.2質量%、及び請求項1に記載のマスターバッチを25〜38質量%含有することを特徴とする難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 二軸押出機にポリカーボネート樹脂を供給し、混練部でポリカーボネート樹脂が溶融された後に、室温で液状のリン系難燃剤を、全体に対し25〜45質量%の量で供給し、押出機の下流の混練部でポリカーボネート樹脂と液体リン系難燃剤を溶融混練することを特徴とする高濃度リン系難燃剤マスターバッチの製造方法。
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