JP2019210309A - エポキシ化セルロースの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 セルロースへのエポキシ基導入を、より低温且つ短時間で行うことができるエポキシ化セルロースの製造方法を提供する。【解決手段】 エポキシ化セルロースの製造方法は、エピハロヒドリンとセルロースをオニウム化合物の水溶液中で反応させて、セルロースの水酸基がグリシジルエーテル化されたエポキシ化セルロースを生成させる工程を含む。前記オニウム化合物は第四級ホスホニウム化合物であってもよい。また、前記オニウム化合物はオニウム水酸化物であってもよい。前記オニウム化合物としては、テトラブチルホスホニウム水酸化物が好ましい。エポキシ化セルロースは、セルロースの水酸基がグリシジルエーテル化されたエポキシ化セルロースであって、エポキシ置換度が0.5〜3.0である。【選択図】 なし

Description

本発明は、エポキシ化セルロースの製造方法、エポキシ化セルロース、前記エポキシ化セルロースを含む硬化性エポキシ樹脂組成物及びその硬化物に関する。
近年、石油に代表される化石資源の枯渇が問題となっている。エネルギー資源だけでなく合成樹脂材料の分野でも同様であり、バイオマス資源、特に非可食のバイオマス資源を有効利用した樹脂材料及び接着材料が求められている。セルロースは、地球上に最も多く存在する炭素源であり、古くから様々な置換基を修飾することにより、セルロースの材料化が行われてきた。例えば、水酸基をアセチル化することにより、合成樹脂の一種であるアセチルセルロースが工業的に生産されている。
純粋なセルロースは、その化学構造により、分子間で強固な水素結合を競争的に築くために、セルロースの溶解には強酸性又は強アルカリ性の触媒と高温が必要である。しかし、このような処理条件は、セルロースの分子量を下げてしまうことがある。一方で近年、一連の有機塩が室温付近に融点を示すことが発見された。そして、イオン液体(「ILs」)と呼ばれるこれらの塩を利用した研究が、幅広い技術分野において行われるようになった。
イオン液体は、溶媒を含まない状態で、アニオン及びカチオンのみからなる液体である。常温イオン液体(「RTILs」)は、標準温度及び標準圧力で液体であるイオン液体を示す。イオン液体に関連するカチオンの構造は多様であるが、一般的には、環構造の一部である1以上の窒素原子を含有し、第四級アンモニウムへと変換しうる。このようなカチオンの例としては、ピリジニウム、ピリダジニウム、ピリミジニウム、ピラジニウム、イミダゾリウム、ピラゾリウムなどが挙げられる。
イオン液体に関連するアニオンも、その構造は多様であり、イオン液体の種々の媒体中における溶解性に顕著な影響を与える可能性が高い。例えば、トリフルオロメタンスルホニルアミドのような疎水性アニオンを含有するイオン液体は、水に対する溶解性が極めて低い一方、塩化物イオンや臭化物イオンなどの親水性アニオンを含有するイオン液体は、水と完全に混和する。
セルロースの水素結合のみを阻害し、室温から80℃程度の低温でセルロースの分子量を下げることなく溶解しうるイオン液体も知られている。非特許文献1には、イオン液体として1−アルキル−3−メチルイミダゾールをカチオンとした塩を用い、これにセルロースを溶解する技術が開示されている。より具体的には、1−アルキル−3−メチルイミダゾール塩化物とセルロースを混合し、100℃で加熱することにより10重量%のセルロース溶液を得ている。
セルロースを加熱することなくイオン液体に溶解させる技術も知られている。非特許文献2には、イオン液体として1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアルキルリン酸塩を用いると、45℃、30分の撹拌によって、セルロースを分解することなく10重量%の濃度で溶解できることが開示されている。
アルコール性水酸基の脱水縮合に関して、イオン液体を触媒として用いる検討もなされている。非特許文献3は、各種のツビッターイオン化合物と酸を反応させた酸型イオン液体を用いて、種々のアルコール性水酸基の脱水縮合における検討を行っている。
特許文献1には、室温付近でセルロース等の各種多糖類を溶解することが可能であり、かつ、粘度が低く液体としての取り扱い性及び被処理物の処理性の良好な多糖類の処理剤として、特定構造のイミダゾリウム系カチオンを含むイオン液体からなる処理剤が開示されている。
特許文献2には、セルロースを含むリグノセルロース等のバイオマスを処理する方法であって、過酸化物を含む水溶液中で前記バイオマスを加熱処理する第1の工程と、その加熱処理した水溶液を乾燥する第2の工程と、乾燥させたバイオマスをイオン液体中で撹拌混合し、バイオマスを含むイオン液体からセルロースを析出させてセルロースを再生する第3の工程とを有し、セルロースを含むバイオマスを、前記第1の工程、第2の工程及び第3の工程の順で処理する、セルロースを含むバイオマスの前処理方法が開示されている。この文献には、イオン液体としては、1-エチル−3−メチルイミダゾリウム酢酸塩であることが好ましいとされている。
特許文献3には、(a)セルロースをカルボキシル化イオン液体中で溶解させることによってセルロース溶液を形成すること;(b)該セルロース溶液をアシル化試薬と触媒の存在下で接触させることによって、該カルボキシル化イオン液体によって供与される少なくとも1つのアシル基を含むセルロースエステルを含むアシル化セルロースを調製すること;(c)該アシル化セルロース溶液を非溶媒と接触させて該セルロースエステルの少なくとも一部を沈殿させることによって、沈殿したセルロースエステル及び該カルボキシル化イオン液体を含むスラリーを調製すること;(d)該沈殿したセルロースエステルの少なくとも一部を該カルボキシル化イオン液体から分離することによって、回収されたセルロースエステル及び分離されたカルボキシル化イオン液体を調製すること;ならびに、(e)該分離されたカルボキシル化イオン液体の少なくとも一部を、追加のセルロースの溶解において使用するために再循環させること;を含む方法が開示されている。
特許文献4には、第四級ホスホニウム水酸化物及び第四級アンモニウム水酸化物から選ばれる少なくとも1種のオニウム水酸化物と水とを含み、且つ前記オニウム水酸化物の含有量が45〜85重量%、水の含有量が15〜55重量%である溶媒にセルロースを溶解する工程(A)、前記工程(A)で得られたセルロース溶液を貧溶媒と接触させてセルロースを沈殿させる工程(B)、及び前記工程(B)で沈殿したセルロース固化物を分離回収する工程(C)を含む固体状セルロースの製造方法が開示されている。
特許文献5には、セルロース溶解能に優れる、イミダゾリウム系カチオンを含むイオン液体と、触媒能に優れる酸型イオン液体とを特定の割合で混合した混合イオン液体にセルロースを溶解させ、エポキシ化剤を添加して加熱することにより、有害な副生成物なしにセルロースの側鎖水酸基を直接エポキシ化しうる方法が開示されている。
特開2010−132558号公報 特開2014−97012号公報 特開2014−12852号公報 特開2014−144998号公報 特開2016−150950号公報
J. Am. Chem. Soc., 2002, 124, 4974-4975 Green Chem., 2008, 10, 44-46 J. Am. Chem. Soc., 2002, 124, 5962-5963
セルロースは、無水グルコースのβ−1,4−グルコシド結合のポリマーであり、水及びほとんど全ての一般的な有機溶媒に不溶性である高分子量の多分散ポリマーである。非修飾セルロースは、フィルム、繊維又は薬剤用途等に利用されている。また、セルロースをエステル化又はエポキシ化することによって得られる修飾セルロースは、幅広い商業用途に利用されている。例えば、エポキシ化セルロースは、一般的に、強酸性水性媒体中において、まずセルロースをナトリウムメトキシドと反応させ、次いでエピクロロヒドリン等と反応させることにより得ることができる。
しかしながら、上記の方法では、(1)媒体として強酸性媒体、触媒として強アルカリが必要であり、そのため触媒であるにもかかわらず、精製過程で消費される;(2)副生成物である塩化ナトリウムの精製が必要である;(3)強酸がセルロースのβ−1,4−グルコシド結合を切断してしまうため、重合度の保持が困難である;(4)反応過程で高エネルギー(130℃以上)が必要である、という問題点があった。
セルロースが有する側鎖水酸基にグリシドールのようなエポキシ化アルコールを直接反応させアルコール脱水縮合させることができれば、反応系にハロゲンを含まないので、上記(2)の問題は克服できるといえる。しかし、セルロース側鎖の水酸基により強固に水素結合しているセルロース分子間に直接置換基を導入することは、実際には困難である。
そのため、非特許文献1〜3、又は特許文献1〜4に開示されている方法のように、水酸基のみをアニオンが配位する形で、セルロースをイオン液体に分散又は溶解することが検討されてきた。ところが、これらのイオン液体には、アルコール脱水縮合における触媒効果は見られないという別の問題点がある。
前記非特許文献3に開示されている方法のように、アルコール性水酸基の脱水縮合に関して、イオン液体を触媒として用いる検討もなされている。しかし、種々のアルコール性水酸基を脱水縮合させる反応性はそれぞれ異なり、ある構造を有するイオン液体が全ての反応に汎用的に用いられるわけではないため、目的化合物にあった触媒としてもイオン液体の化学構造設計が必要である。また、非特許文献3に開示されている酸型イオン液体群には、セルロースの溶解性はほとんど見られない。
そこで、我々はこれまでにイオン液体中でのセルロースへのエポキシ基の導入を種々検討してきた。バイオマス素材であるセルロースをエポキシ樹脂の改質剤として利用することで、エポキシ樹脂の強靭化が可能となると考えた。
セルロースをエポキシ樹脂に溶解しつつ、エポキシ樹脂との架橋形成を行うため、セルロース側鎖の水酸基をエポキシ官能基化する手法を検討してきた中で、(1)セルロース溶解性の既存のイオン液体と、(2)遊離のH+、あるいは高度に分極した水素原子を有する直接エポキシ化反応を促進する触媒としてのイオン液体とを混合した、イオン液体混合溶液でのセルロースの直接エポキシ化に成功した(前記特許文献5)。しかしこの方法では、比較的高い反応温度が必要である。
したがって、本発明の目的は、セルロースへのエポキシ基の導入を、より低温且つ短時間で行うことができるエポキシ化セルロースの製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、エポキシ置換度の高いエポキシ化セルロースの効率的な製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、溶剤やエポキシ樹脂に対する溶解性に優れたエポキシ化セルロースの効率的な製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、エポキシ樹脂の硬化物に強靱性等の有利な特性を付与できるエポキシ樹脂の改質剤として有用なエポキシ化セルロースの効率的な製造方法を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、エポキシ置換度の高い新規なエポキシ化セルロース、該エポキシ化セルロースを含む硬化性エポキシ樹脂組成物、及びその硬化物を提供することにある。
本発明の他の目的は、溶剤やエポキシ樹脂に対する溶解性に優れたエポキシ化セルロース、該エポキシ化セルロースを含む硬化性エポキシ樹脂組成物、及びその硬化物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、エポキシ樹脂の硬化物に強靱性等の有利な特性を付与できるエポキシ樹脂の改質剤として有用なエポキシ化セルロース、該エポキシ化セルロースを含む硬化性エポキシ樹脂組成物、及びその硬化物を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため、イオン液体の探索・最適化を行った結果、その中でエピクロロヒドリンとテトラブチルホスホニウム化合物の水溶液を使用することで、セルロースの有する水酸基のグリシジルエーテル化(以下、「水酸基のエポキシ化」と称する場合がある)が高効率で進行することが分かった。本発明は、上記知見に基づき、さらに検討を加えて完成させたものである。
すなわち、本発明は、エピハロヒドリンとセルロースをオニウム化合物の水溶液中で反応させて、セルロースの水酸基がグリシジルエーテル化されたエポキシ化セルロースを生成させる工程を含むエポキシ化セルロースの製造方法を提供する。この製造方法では、セルロースとエピハロヒドリンとをオニウム化合物の水溶液中で反応させるので、エポキシ置換度の高いエポキシ化セルロースを低温で且つ短時間で得ることができる。
前記オニウム化合物としては第四級ホスホニウム化合物であることが好ましい。前記第四級ホスホニウム化合物はテトラブチルホスホニウム化合物(例えば、テトラブチルホスホニウム水酸化物)であってもよい。
また、前記オニウム化合物としてはオニウム水酸化物であることが好ましい。
本発明は、また、セルロースの水酸基がグリシジルエーテル化されたエポキシ化セルロースであって、エポキシ置換度が0.5〜3.0であるエポキシ化セルロースを提供する。このようなエポキシ化セルロースは、溶剤やエポキシ樹脂に対する溶解性に優れる。また、エポキシ樹脂に当該エポキシ化セルロースを添加して硬化させると、添加しない場合よりも強靱性の高い硬化物が得られる。そのため、エポキシ樹脂の改質剤として有用である。
本発明は、さらに、前記エポキシ化セルロースを少なくとも含む硬化性エポキシ樹脂組成物を提供する。この硬化性エポキシ樹脂組成物は、前記エポキシ化セルロース以外のエポキシ化合物をさらに含んでいてもよい。
本発明は、また、前記硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物を提供する。この硬化物は、セルロース骨格を含むので強靱性に優れる。
本発明の製造方法によれば、セルロースを出発原料として、従来法よりも低温且つ短時間でエポキシ化セルロースを得ることができる。また、エポキシ置換度の高いエポキシ化セルロースを効率よく製造できる。さらに、溶剤やエポキシ樹脂に対する溶解性に優れたエポキシ化セルロースを効率よく得ることができる。さらに、反応で得られたエポキシ化セルロースは容易に精製可能である。使用したオニウム化合物は、回収して再利用することができる。
本発明のエポキシ化セルロースは、エポキシ置換度が高く、溶剤やエポキシ樹脂に対する溶解性に優れる。そのため、種々の組成物の調製に幅広く利用できる。本発明のエポキシ化セルロースは、単独で樹脂や接着剤として有用であるだけでなく、エポキシ樹脂の改質剤として利用できる。エポキシ樹脂の改質剤として用いる場合、エポキシ樹脂への溶解性が高いため、エポキシ樹脂に多く配合でき、エポキシ樹脂硬化物の改質度を向上できる。また、エポキシ樹脂の改質剤として利用する際、エポキシ樹脂への配合量を多くできることに加え、エポキシ化セルロースのエポキシ置換度が高いため、エポキシ樹脂硬化物の架橋密度を向上できる。そのため、強靱性等の特性に優れた硬化物を得ることができる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物によれば、硬化させることにより、強靱性等の特性に優れたエポキシ樹脂硬化物を得ることができる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物は、強靱性等の特性に優れる。
実施例1で得られたエポキシ化セルロースの1H−NMRスペクトルを示す図である。
[エポキシ化セルロースの製造方法]
本発明の製造方法では、エピハロヒドリンとセルロースをオニウム化合物の水溶液中で反応させて、セルロースの水酸基がグリシジルエーテル化されたエポキシ化セルロース(以下、単に「エポキシ化セルロース」と称する場合がある)を生成させる工程を含む。
エポキシ化セルロースは、例えば、以下の工程で製造できる。
(工程I):オニウム化合物の水溶液中にセルロースを溶解させてセルロース溶液を得る工程
(工程II):工程Iで得られたセルロース溶液にエピハロヒドリンを添加し、グリセリンとエピハロヒドリンを反応させて、エポキシ化セルロース溶液を得る工程
(工程III):工程IIで得られたエポキシ化セルロース溶液を精製に付すことにより固体状のエポキシ化セルロースを単離する工程
以下、工程I〜IIIについて詳細に説明する。
(工程I)
工程Iでは、オニウム化合物の水溶液中にセルロースを溶解させてセルロース溶液を得る。用いるオニウム化合物としては、第四級ホスホニウム化合物、第四級アンモニウム化合物等のいずれであってもよいが、第四級ホスホニウム化合物が好ましい。オニウム化合物は、オニウムカチオンと、ハロゲン化物アニオン、テトラフルオロボレートアニオン、テトラフルオロフォスフェートアニオン、トリフルオロメタンスルホネートアニオン等のアニオンとの塩であってもよいが、オニウム水酸化物が好ましい。なお、オニウム水酸化物の水溶液はイオン液体の一種とみなされている。オニウム化合物は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
第四級ホスホニウム化合物は、例えば、下記式(1)で表されるホスホニウムカチオンを有している。
Figure 2019210309
(式中、R1、R2、R3及びR4は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜12の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を示す)
前記炭素数1〜12の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、デシル基などが挙げられる。
第四級ホスホニウム化合物としては、特に、第四級ホスホニウム水酸化物が好ましい。第四級ホスホニウム水酸化物の代表的な例として、水酸化テトラエチルホスホニウム、水酸化テトラプロピルホスホニウム、水酸化テトラブチルホスホニウム、水酸化テトラヘキシルホスホニウムなどの炭素数2〜8のアルキル基を有する水酸化テトラアルキルホスホニウムが挙げられる。これらの中でも、水酸化テトラブチルホスホニウムが特に好ましい。
オニウム化合物の水溶液におけるオニウム化合物の濃度としては、例えば45〜85重量%程度の中から適宜選択できる。
原料セルロースとしては、特に限定されず、結晶セルロース(微結晶セルロース)のほか、木材パルプ(針葉樹パルプ、広葉樹パルプ)、リンターパルプ(コットンリンターパルプなど)などの種々のセルロース源を用いることができる。これらのパルプは、通常、ヘミセルロースなどの異成分を含有している。従って、本明細書において、用語「セルロース」は、ヘミセルロースなどの異成分も含有する意味で用いる。木材パルプとしては、広葉樹パルプ及び針葉樹パルプから選択された少なくとも一種が使用でき、広葉樹パルプと針葉樹パルプとを併用してもよい。また、リンターパルプ(精製綿リンターなど)と木材パルプとを併用してもよい。重合度も特に限定されず、例えば、重合度200〜10000程度のセルロースを使用できる。また、セルロースの結晶化度の指標となるα−セルロース含有量(重量基準)も特に限定されず、任意の含有量のものを使用でき、例えば、90%以上、特に98%以上の高結晶度のセルロースであっても用いることができる。セルロースは、通常、セルロース分子及び/又はヘミセルロース分子に結合した状態などで多少のカルボキシル基を含有しているものであってもよい。
本発明では、セルロースをオニウム化合物水溶液に溶解させるので、セルロースを温和な温度条件、例えば、5〜60℃、好ましくは10〜45℃、特に好ましくは常温(25℃)付近(例えば15〜40℃)で撹拌することで、速やかに溶解させることができる。
こうして調製されるセルロース溶液中のセルロース濃度は、例えば0.1〜20重量% 、好ましくは0.2〜15重量%、さらに好ましくは0.5〜5重量%である。セルロース溶液における、セルロースとオニウム化合物との割合[前者/後者(重量比)]は、例えば0.001〜1、好ましくは0.01〜0.1の範囲である。
(工程II)
工程IIでは、工程Iで得られたセルロース溶液にエポキシ化剤としてのエピハロヒドリンを添加し、グリセリンとエピハロヒドリンとを反応させて、エポキシ化セルロース溶液を得る。エピハロヒドリンとしては、下記式(2)で表される化合物が好ましく使用できる。
Figure 2019210309
(式中、Xは、臭素原子又は塩素原子を示す)
エピハロヒドリンの中でも、上記式(2)においてXが塩素原子であるエピクロロヒドリンが好ましい。
エピハロヒドリンの使用量は、エピハロヒドリンとオニウム化合物との割合[前者/後者(重量比)]として、例えば0.01〜10、好ましくは0.1〜1の範囲である。
本発明では、オニウム化合物の水溶液中でセルロースとエピハロヒドリンとを反応させるので、低温且つ短時間で反応が進行する。反応温度としては、例えば0〜80℃、好ましくは10〜50℃、さらに好ましくは15〜38℃である。反応時間は、原料セルロースの種類等によっても異なるが、例えば3分〜10時間、好ましくは5分〜3時間程度の範囲である。反応は撹拌下に行うのが好ましい。撹拌速度は、例えば、50〜1000rpm程度の範囲で適宜調整できる。エピハロヒドリンの使用量、反応温度、反応時間等を調整することにより、セルロースへのエポキシ基導入量(エポキシ置換度)を制御することができる。
セルロースとエピハロヒドリンとの反応により、セルロースの側鎖にエポキシ基を導入でき、エポキシ基で修飾されたセルロースが生成する。そして、本発明の方法によれば、エポキシ置換度の高いエポキシ化セルロースを得ることができる。エポキシ化セルロースのエポキシ置換度は、例えば0.5〜3.0、好ましくは1.0〜2.5、さらに好ましくは1.3〜2.0である。なお、エポキシ置換度とは、セルロースの側鎖水酸基にエポキシ基がグリシジル基としてどの程度導入されたかを示す指標であって、セルロースのグルコース単位に結合している3つの水酸基がグリシジルエーテル化した割合(平均値)である。エポキシ置換度の最大値は3である。エポキシ化セルロースのエポキシ置換度は、例えば、1H−NMRにより測定できる。
(工程III)
工程IIIでは、工程IIで得られたエポキシ化セルロース溶液を精製に付すことにより固体状のエポキシ化セルロースを単離する。エポキシ化セルロースを単離・精製する方法としては、(a)前記エポキシ化セルロース溶液に、貧溶媒となる溶媒を過剰に添加し、好ましくは、例えば撹拌速度200〜2000rpm程度で撹拌して、エポキシ化セルロースを沈殿させる方法、(b)前記エポキシ化セルロース溶液を、貧溶媒となる溶媒を用いたソックスレー抽出法に付し、エポキシ化セルロースを沈殿させる方法である。
前記(a)及び(b)における貧溶媒としては、エポキシ化セルロースの貧溶媒であれば特に限定されず、周知の種々の有機溶媒を使用できる。これらの中でも、使用後、反応に用いたオニウム化合物水溶液と蒸留により容易に分離除去できるという点から、水より沸点が低い有機溶媒が好ましい。また、前記オニウム化合物水溶液との混和性等の点から、親水性有機溶媒(例えば、20℃における水100gに対する溶解度が3g以上である溶媒)が好ましい。
前記貧溶媒としては、特に、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等の炭素数1〜4程度のアルコール;アセトン等のケトンなどが好ましい。貧溶媒は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
前記エポキシ化セルロース溶液を前記貧溶媒と接触させると、貧溶媒中には、前記オニウム化合物及び水が溶出して、オニウム化合物、水及び貧溶媒の混合物となる。この混合物から貧溶媒を蒸留により分離除去することは容易であり、貧溶媒を除去した後のオニウム化合物及び水は、再びセルロースを溶解する媒体として使用することができる。この際、前記のように貧溶媒として水より沸点が低い有機溶媒を用いる場合には、水を蒸発させることなく該貧溶媒のみを留去できるため、エネルギー低減の観点から特に好ましい。
エポキシ化セルロース溶液を貧溶媒と接触させる際の温度は、例えば、0〜95℃、好ましくは5〜70℃、さらに好ましくは10〜60℃、特に好ましくは10〜40℃である。
沈殿した固体状エポキシ化セルロースは、濾過、遠心分離、乾燥等の慣用の手段により分離回収できる。
[エポキシ化セルロース]
本発明のエポキシ化セルロースは、エポキシ置換度が0.5〜3.0である。該エポキシ置換度は、好ましくは1.0〜2.5、さらに好ましくは1.3〜2.0である。本発明のエポキシ化セルロースは上記本発明の製造方法により製造できる。
本発明のエポキシ化セルロースは、通常、粉末状、フレーク状等の形態であり、色は白色である。
上記エポキシ化セルロースの製造方法では、反応が緩和な条件で進行するため、重合度の低下が極めて小さい。そのため、得られるエポキシ化セルロースの重合度は、原料セルロースとほぼ同じであり、例えば、200〜10000程度である。
本発明のエポキシ化セルロースは、高いエポキシ置換度を有するため、有機溶媒に対する溶解性に優れ、特に非プロトン性極性溶媒に溶解しやすい。非プロトン性極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドなどが挙げられる。
[硬化性エポキシ樹脂組成物及び硬化物]
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、本発明のエポキシ化セルロースを少なくとも含む。本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、エポキシ化合物として、本発明のエポキシ化セルロースのみを含んでいてもよいが、本発明のエポキシ化セルロースと共に他のエポキシ化合物(エポキシ樹脂)を含んでいてもよい。本発明のエポキシ化セルロースはエポキシ置換度が高いため他のエポキシ化合物に溶解しやすいので、他のエポキシ化合物の改質剤として有用である。また、エポキシ置換度が高いことから、架橋密度が向上し改質効果も大きい。本発明のエポキシ化セルロースを他のエポキシ化合物の改質剤として用いることにより、硬化物の強靱性等の特性を向上させることができる。
他のエポキシ化合物としては、例えば、脂環式エポキシ化合物、芳香族グリシジルエーテル型エポキシ化合物、脂肪族多価アルコールポリグリシジルエーテル、エポキシ基を有するシラン化合物等を挙げることができる。本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、エポキシ化合物以外の硬化性成分を含んでいてもよい。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、硬化剤及び/又は硬化触媒を含有することが好ましい。前記硬化剤としては、エポキシ化合物の硬化剤として使用される周知慣用の化合物を挙げることができ、例えば、3又は4−メチル−1,2,3,6−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、3又は4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル−3,6エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、5−ノルボルネン−2,3−カルボン酸無水物等の酸無水物;アミン類(ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の鎖状脂肪族ポリアミン;N−アミノメチルピペラジン等の環状脂肪族ポリアミン;メタキシレンジアミン、メタフェニレンジアミン等の芳香族アミン等);ポリアミド樹脂;2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;アミンのBF3錯体化合物;脂肪族スルホニウム塩、芳香族スルホニウム塩、ヨードニウム塩、及びホスホニウム塩等のブレンステッド酸塩類;アジピン酸;セバシン酸;テレフタル酸;トリメリット酸;カルボキシル基含有ポリエステル等のポリカルボン酸類等である。
硬化剤の使用量としては、例えば、樹脂組成物中に含まれる全硬化性成分の50〜130重量%程度、好ましくは60〜120重量%程度である。
硬化剤は、硬化促進剤と共に使用することが好ましい。前記硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン等のリン系化合物やその誘導体;ベンジルジメチルアミン等のアミン系化合物やその誘導体;テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラベンジルアンモニウムブロミド等の第4級アンモニウム化合物やその誘導体;2−エチル−4−メチル−イミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2a]ベンズイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチル−イミダゾール等のイミダゾール系化合物やその誘導体;1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7やその誘導体等を挙げることができる。
硬化促進剤の使用量としては、上記硬化剤100重量部に対して0.05〜5.0重量部程度、好ましくは0.1〜4.0重量部程度である。
前記硬化触媒としては、光カチオン重合開始剤、熱カチオン重合開始剤等の重合開始剤を挙げることができる。
光カチオン重合開始剤としては、例えば、トリアリルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のスルホニウム塩;ジアリールヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ヨードニウム[4−(4−メチルフェニル−2−メチルプロピル)フェニル]ヘキサフルオロホスフェート等のヨードニウム塩;テトラフルオロホスホニウムヘキサフルオロホスフェート等のホスホニウム塩;ピリジウム塩等を挙げることができる。
熱カチオン重合開始剤としては、例えば、アリールジアゾニウム塩、アリールヨードニウム塩、アリールスルホニウム塩、アレン−イオン錯体等を挙げることができる。
硬化触媒の使用量としては、例えば、樹脂組成物に含有する全硬化性成分の0.1〜10.0重量%程度、好ましくは0.3〜3.0重量%程度である。
さらに、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内で、必要に応じて他の添加物を添加してもよい。他の添加物としては、例えば、オルガノシロキサン化合物、金属酸化物粒子、ゴム粒子、シリコーン系やフッ素系の消泡剤、シランカップリング剤、充填剤、可塑剤、レベリング剤、帯電防止剤、離型剤、難燃剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、イオン吸着体、顔料、溶剤等を挙げることができる。これら各種の添加剤の配合量は樹脂組成物全量(不揮発分全量)に対して、例えば5重量%以下程度である。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、例えば、前記本発明のエポキシ化セルロース、必要に応じて他のエポキシ化合物、その他の硬化性成分、硬化剤及び硬化促進剤、又は硬化触媒、その他の添加剤等を配合して、必要に応じて真空下で気泡を排除しつつ、撹拌・混合することにより調製される。撹拌・混合する際の温度は、例えば、10〜60℃程度である。撹拌・混合には、公知の装置、例えば、自転公転型ミキサー、1軸又は多軸エクストルーダー、プラネタリーミキサー、ニーダー、ディソルバー等を使用できる。
上記方法により調製された樹脂組成物は、例えば、周知慣用の成形方法により成形し、その後、加熱処理を行うことによって重合反応を促進し、硬化物を得ることができる。加熱温度としては、例えば50〜200℃程度、好ましくは55〜150℃程度である。加熱時間は、例えば0.5〜12時間程度、好ましくは、1〜10時間程度である。加熱手段としては、オーブン等が挙げられる。前記加熱処理後、さらにポストベークを行っても良い。ポストベークは、例えば、50〜200℃程度、好ましくは60〜180℃程度で、0.5〜12時間程度、好ましくは、1〜10時間程度加熱することにより行われる。
上記重合反応は常圧下で行ってもよく、減圧下又は加圧下で行ってもよい。反応の雰囲気は反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の何れであってもよい。
こうして得られる本発明の硬化物は強靱性に優れるため、例えば、機械部品材料、電気・電子部品材料、コンポジット、自動車部品材料、土木建築材料、成形材料、コーティング材料、接着剤、封止材、繊維強化プラスチック、CFRP材料、プラスチック形成材料等として好適に用いられる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例で用いた原材料を以下に示す。
<オニウム化合物>
A:テトラブチルホスホニウム ハイドロオキサイド(=水酸化テトラブチルホスホニウム)
<セルロース>
B:結晶セルロース(商品名「セオラス」、重合度300、旭化成ケミカルズ社製)
<エポキシ化剤>
C:エピクロロヒドリン
実施例1〜11
下記の表1に示す組成で、Aのテトラブチルホスホニウム ハイドロオキサイドの所定濃度の水溶液に、Bのセルロースを所定濃度となるように添加し、室温で30分間、300rpmの撹拌速度で撹拌し、セルロース溶液を調製した。次いで、調製したセルロース溶液に、Cのエポキシ化剤であるエピクロロヒドリンを所定量添加し、所定温度、所定時間、300rpmの撹拌速度で撹拌することで、セルロースへのエポキシ基修飾を行い、エポキシ化セルロース溶液を得た。得られたエポキシ化セルロース溶液の外観を表1に示す。なお、表1において、「gIL」はオニウム化合物のグラム数を意味する。従って、表1におけるセルロースの溶液中濃度はオニウム化合物に対するセルロースの重量割合であり、エポキシ化剤の溶液中濃度はオニウム化合物に対するエポキシ化剤の重量割合である。
上記で得られたエポキシ化セルロース溶液に過剰量のアルコール(メタノールあるいはブタノール)を添加することによりエポキシ化セルロースを析出させ、析出したエポキシ化セルロースからアルコールを留去(減圧乾燥)することによりエポキシ化セルロース粉末を得た。実施例1〜11のエポキシ化セルロース粉末はすべてジメチルスルホキシドに溶解した。また、実施例5、6及び11のエポキシ化セルロースはN−メチルピロリドンにも溶解した。得られたエポキシ化セルロース粉末を重ジメチルスルホキシド(DMSO−d6)に溶解して1H−NMR測定し、エポキシ置換度を算出した。エポキシ化セルロース粉末のエポキシ置換度と外観を表1に示した。なお、図1に実施例1のエポキシ化セルロース粉末の1H−NMRスペクトルを示す。横軸はδ値(ppm)である。図1にはセルロースの水酸基のプロトン、導入されたグリシジル基の各プロトンの帰属も示した。
Figure 2019210309
本発明のエポキシ化セルロースの製造方法では、反応条件を変えるだけで種々のエポキシ置換度を有するエポキシ化セルロースが合成可能となり、溶剤やエポキシ樹脂に対する溶解性を向上させることができる。また、エポキシ置換度が向上することで、エポキシ樹脂の改質剤として用いた場合、エポキシ樹脂硬化物の架橋密度が向上し、改質効果も向上する。これにより、エポキシ樹脂が利用される電子材料用途やコンポジットにおいて、エポキシ樹脂の課題である強靱化が可能となる。

Claims (8)

  1. エピハロヒドリンとセルロースをオニウム化合物の水溶液中で反応させて、セルロースの水酸基がグリシジルエーテル化されたエポキシ化セルロースを生成させる工程を含むエポキシ化セルロースの製造方法。
  2. 前記オニウム化合物が第四級ホスホニウム化合物である請求項1記載のエポキシ化セルロースの製造方法。
  3. 前記オニウム化合物がオニウム水酸化物である請求項1又は2記載のエポキシ化セルロースの製造方法。
  4. 前記第四級ホスホニウム化合物がテトラブチルホスホニウム化合物である請求項2記載のエポキシ化セルロースの製造方法。
  5. セルロースの水酸基がグリシジルエーテル化されたエポキシ化セルロースであって、エポキシ置換度が0.5〜3.0であるエポキシ化セルロース。
  6. 請求項5記載のエポキシ化セルロースを少なくとも含む硬化性エポキシ樹脂組成物。
  7. 前記エポキシ化セルロース以外のエポキシ化合物をさらに含む請求項6記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
  8. 請求項7記載の硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物。
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