JP2019209989A - 振り出し容器 - Google Patents
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Description
特許文献1の図4に記載された振出容器は、容器の口部に複数の振出口4を有するキャップ本体Aを装着して、回転蓋Bの開口部15を図2のように振出口4に合わせた後、キャップ本体Aの振出口4が下側に向くように容器を反転させて、容器自体を上下に振ることあるいはキャップA本体を軽くたたくこと(以下、「振り出し動作」という)により内容物である調味料を吐出する構成となっている。
本態様によれば、プレート数が3つと少ないので製造コストを低く抑えられるとともに、第1の態様から第4の態様の効果を有している。
本態様の容器本体2は合成樹脂を原料として射出成型によって製造されたものであるが、合成樹脂製に限らない。例えばガラス製の容器であっても良い。
詳説すると、口部21を覆うように積層された第1プレート31、第2プレート32及び第3プレート33と、第1プレート31と第2プレート32の間に形成される空間X、第2プレート32と第3プレート33の間に形成される空間Yからなる区画部が設けられ、第1プレート31、第2プレート32は粉体Sが通過する第1の通過孔311、第2の通過孔321が形成され、第3プレート33には振り出し孔331としての通過孔300が形成されている。
また、第1プレート31の第1の通過孔311、第2プレート32の第2の通過孔321が設けられている位置は、第3プレートの振り出し孔331側に偏って(中心部Oより左側に偏って)いる(図2(a)、図3(a)参照)。
本態様では、口部21とキャップ本体3の装着は螺合によるものであるが、突条22と係止部35がそれぞれアンダーカット部等による嵌合としても良い。
そして、第3プレート33に設けられた振り出し孔331を開閉させる蓋体4が第3プレート33の上面を覆うように第3プレート33周縁部と嵌合している。
蓋体4においては、本態様では第3プレート33の周縁部と嵌合する構造となっているが、第3プレート33とヒンジを介して回動可能に連結する構造としても良い。
図2は第1プレート31と第2プレート32の関係を示したものであり、図3は第2プレート32と第3プレート33の関係を示したものである。
なお、図1において説明した構成部分については、同様の符号を付して説明を省略することとする。
第1プレート31及び第2プレート32には、振り出し動作を行ったときに、容器本体2に収容されている粉体Sが通過可能な第1の通過孔311及び第2の通過孔321が形成されている。
また、第2プレート32の第2の通過孔321は、第1プレート31の第1の通過孔311の位置と重ならない位置に形成されており、本態様では、第2の通過孔321が第1の通過孔311の間に形成されている。そして、第2の通過孔321の直径は第1プレート31の第1の通過孔311の直径よりも小さい。さらに、本態様においては、第1プレート31の第1の通過孔311による開口面積が第2プレート32の第2の通過孔321による開口面積より大きくなるように、各プレートの通過孔が形成されている。
例えば、第1プレート31の第1の通過孔311による開口面積とは、3つの第1の通過孔311の面積の総和である。
第1プレート31の第1の通過孔311はその開口面積が小さすぎると粉体Sが目詰まりを起こしてしまい、大きすぎると粉体Sが区画部Xに大量に流れ込んで来るので、第2プレート32の第2の通過孔321に粉体Sが集中し、スムーズに粉体Sが通過孔321を通過することができなくなってしまう。
そのため、第1プレート31の第1の通過孔311は粉体Sが通過する上で、容器本体2から最初にどのくらいの量で粉体Sが通過するかを決定する、最初の調整機能を有する部分である。
吐出方向側とは、少なくとも平面図の中心線Pに対して左側の半円領域を言い、吐出方向側に偏って形成されているとは、当該領域に各プレートの通過孔が形成されていることをいう。なお、第1の通過孔311については、各プレートの中で最大孔を有し、且つ吐出方向側の第2の通過孔321へ粉体を通過させる関係上、第2の通過孔321よりも右側領域にあることが望ましい。したがって、中心線Pに対して左側の半円領域と右側半円領域の一部を含む範囲に設けることが望ましい。
図3(a)に示すように、本態様においては第2プレート32の第2の通過孔321は、前述したように4つ形成されており、第3プレート33の通過孔である振り出し孔331は5つ形成されている。
また、第3プレート33の振り出し孔331は、第2プレート32の第2の通過孔321の位置と重ならない位置に形成されるとともに、第2プレート32の第2の通過孔321の位置よりも粉体Sの吐出方向側に形成され、逆に言えば、第2プレート32の第2の通過孔321は、第3プレート33の振り出し孔331の位置よりも粉体Sの吐出方向と反対側、すなわち径方向内側に形成され(第2の通過孔321で振り出し孔331を囲むように形成され)、振り出し孔331の直径は第2プレート32の第2の通過孔321の直径よりも小さい。さらに、本態様においては、第2プレート32の第2の通過孔321の開口面積が第3プレート33の振り出し孔331の開口面積より大きくなるように、各プレートの通過孔が形成されている。
また、上述した各プレートの機能により、振り出し動作を行っても粉体Sが目詰まりを起こすことなく吐出できる構造となっている。
例えば、本態様では、区画部X、Yはそれぞれ一つの空間として形成されているが、第1プレート31上面から第2プレート32下面に向かって、または、第2プレート32上面から第3プレート33下面に向かって壁を立設する態様とし区画部X、Yの空間を分割する態様としても良い。このような態様であれば、粉体Sが、各プレート上で飛び散って広がらず粉体Sが各プレート通過孔付近に移動し易くなる。なお、区画部Xについては、吐出方向と反対側の第1の通過孔311との境界(端)部付近に、区画部Yについては、吐出方向と反対側の第2の通過孔321の境界(端)部付近に、それぞれ該壁が立設することが望ましい。
さらに、本態様では第1プレートから第3プレートの3つのプレートでキャップ本体を構成したが、第1プレートと第2プレートの2つのプレートでキャップ本体を構成することも可能である。
なお、4つ以上のプレートからキャップ本体を構成することももちろん可能である。
以下、本発明の実施例について説明する。
本発明に係る実施態様のキャップ本体3において、第1プレート31の開口面積が603mm2、第2プレート32の開口面積は192mm2、第3プレート33の開口面積は98mm2のものを作成した。
小麦粉を容器本体に充填してキャップを閉じ、振り出し動作として振り出し容器本体1を45°の角度で10秒間振り続けた後、吐出した小麦粉の量を測定した。
小麦粉は目詰まりすることなく吐出し、吐出量は0.9gであった。
市販されている振り出し容器を用いた。本発明の実施態様に係る第3プレートに相当するキャップ面の開口面積(本発明の振り出し孔に相当する面積の総和)は98mm2であった。
粉体Sは実施例と同様の小麦粉を使用し、振り出し動作も実施例と同様に行った。
小麦粉は目詰まりを起こし、吐出量は0.16gであった。
つまり、本発明は、振り出し容器内の粉体を目詰まりさせることなく、必要量を吐出させることができるという効果を有している。
2 :容器本体
3 :キャップ本体
4 :蓋体
5 :第1ヒンジ
5′ :第2ヒンジ
21 :口部
22 :突条
30 :プレート
31 :第1プレート
32 :第2プレート
33 :第3プレート
34 :側壁
34´ :側壁
34´´:側壁
35 :係止部
300 :通過孔
311 :第1の通過孔(通過孔)
321 :第2の通過孔(通過孔)
331 :振り出し孔(通過孔)
О :中心部
P :中心線
S :粉体
X :区画部
Y :区画部
Claims (6)
- 粉体(S)が収容される容器本体(2)の口部(21)に装着され、前記粉体(S)を振り出すための振り出し孔を有するキャップ本体(3)と、前記振り出し孔を開閉させる蓋体(4)と、を有してなる振り出し容器(1)であって、
前記キャップ本体(3)は、前記口部(21)を覆うように積層されると共に前記粉体(S)が通過する通過孔(300)がそれぞれ形成された少なくとも2以上のプレート(30)と、各プレート(30)の間に形成される空間から成る区画部が設けられており、
複数のプレート(30)のうち、最下段に配置されたプレートに形成された通過孔の開口面積は他のプレートに形成された通過孔の各開口面積より大きく形成され、
上下に連続して対向配置された2つのプレート(30)の間において、各プレート(30)に形成された通過孔(300)は互いに重ならない位置に形成され、
最上段に配置されたプレートに形成された通過孔(300)が前記振り出し孔であることを特徴とする、振り出し容器。 - 各プレートに設けられた通過孔(300)の開口面積は、最下段に配置されたプレートから上方に配置されているプレートにかけて小さくなることを特徴とする、請求項1に記載された振り出し容器。
- 各プレート(30)に形成された通過孔(300)は、吐出方向側に偏心して設けられていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載された振り出し容器。
- 各プレート(30)はヒンジを介して回動可能に連結され、
先のヒンジに対して次位のヒンジが反対側に設けられていることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載された振り出し容器。 - 前記プレート(30)の数が3つであることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載された振り出し容器。
- 前記最上段のプレート(33)の一段下のプレート(32)に形成された通過孔(321)の位置は、最上段のプレート(33)に形成された振り出し孔(331)の位置よりも、径方向内側に形成されていることを特徴とする、請求項5項に記載された振り出し容器。
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