[第1実施形態]
次に、発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、乗物用シートの一例としての車両用シートSは、自動車の運転席に使用されるシートであり、シートクッションS1と、シートバックS2と、ヘッドレストS3とを主に備えている。シートバックS2は、運転者の背中が当たる中央部S21と、シートバックS2の中央部S21の左右両側に配置されて中央部S21よりも前側に張り出した側部S22とを有している。また、車両用シートSは、制御装置100と、車両用シートSに着座した運転者の体格に関連する情報を検出する検出手段、一例として、座高検出センサ81、重量検出センサ82、前後位置検出センサ83および横幅検出センサ84とを備えている。
シートクッションS1およびシートバックS2には、図2に示すようなシートフレームFが内蔵されている。シートフレームFは、シートクッションS1のフレームを構成するシートクッションフレームF1と、シートバックS2のフレームを構成するシートバックフレームF2とから主に構成されている。
図1および図2に示すように、シートクッションS1は、シートクッションフレームF1に、ウレタンフォームなどのクッション材からなるシートクッションパッドP1と、合成皮革や布地などからなる表皮材U1を被せることで構成されている。シートクッションS1は、シートクッションフレームF1が乗物の基体の一例としての車体のフロア上にスライドレールSLを介して前後の位置が調節自在に設置されていることで、車体に対して前後に移動可能に設けられている。
シートバックS2は、シートバックフレームF2に、クッション材からなるシートバックパッドP2と、合成皮革や布地などからなる表皮材U2を被せることで構成されている。シートバックS2は、シートバックフレームF2の下部がシートクッションフレームF1の後部にリクライニング機構RLを介して回動自在に連結されていることで、シートクッションS1に対して前後に回動可能に設けられている。
なお、本明細書において、前後、左右および上下は、車両用シートSに着座した運転者を基準とする。
座高検出センサ81は、車両用シートSに着座した運転者の座高を検出するセンサであり、ヘッドレストS3に配置されている。座高検出センサ81は、制御装置100に接続されており、検出結果を制御装置100に出力する。重量検出センサ82、前後位置検出センサ83および横幅検出センサ84については、後述する他の実施形態で説明する。
図2に示すように、シートバックフレームF2は、上部フレーム10と、左右のサイドフレーム20と、下部フレーム30とを主に有して構成され、上部フレーム10、左右のサイドフレーム20および下部フレーム30が溶接などによって一体に結合された枠状に形成されている。
上部フレーム10は、金属製のパイプ材を略U字形状に屈曲して形成され、横パイプ部11に、ヘッドレストS3を取り付けるためのサポートブラケット12が固定されている。また、左右の縦パイプ部13は、その下部がサイドフレーム本体部21の上部に結合され、サイドフレーム本体部21とともにサイドフレーム20を構成している。
サイドフレーム本体部21は、金属板をプレス加工するなどして形成されている。サイドフレーム本体部21は、その下部に上部よりも前側に張り出し、シートバックS2の側部S22を形成する張出部22を有している。
枠状のシートバックフレームF2の内側には、運転者の背中を支持する受圧部材40と、受圧部材40の向きを左右に変えるための姿勢制御機構50が配置されている。
受圧部材40は、樹脂などからなる弾性変形可能な板状の部材であり、左右のサイドフレーム20の間で運転者の後方に配置されている。詳しくは、受圧部材40は、シートバックパッドP2などを介して運転者の背中を支持する受圧部41と、受圧部41の上部における左右両端から左右方向外側および前方に延出した支持部42とを有している。受圧部41は、シートバックS2の中央部S21の後ろに位置し、支持部42は、側部S22の後ろに位置している。支持部42は、運転者の上体上部を側方から支持する。
受圧部材40は、上部連結ワイヤW1および下部連結ワイヤW2を介して左右のサイドフレーム20に連結されている。詳しくは、上部連結ワイヤW1は、その両端部が姿勢制御機構50に係合し、下部連結ワイヤW2は、その両端部がサイドフレーム本体部21の左右内側に設けられたワイヤ取付部23に係合していることで、左右のサイドフレーム20の間に架け渡されるように配置されている。そして、受圧部材40は、その後側に配置された上部連結ワイヤW1および下部連結ワイヤW2に係合していることで、左右のサイドフレーム20に連結されている。
姿勢制御機構50は、受圧部材40の左右両側に配置され、制御装置100により制御されてシートバックS2の一部である受圧部材40を動かすことで、シートバックS2の向きを左右に変えることができるように構成されている。
図3に示すように、姿勢制御機構50は、主に、アクチュエータ51と、保持ブラケット52(52A,52B)と、第1リンク部材53と、第2リンク部材54と、トーションバネ55とを備えて構成されている。
アクチュエータ51は、第1リンク部材53および第2リンク部材54を回動させるための駆動源であり、正転および逆転が可能なステッピングモータ51Aと、ギヤボックス51Bと、出力軸51Cとを備え、出力軸51Cが上下方向に沿うように配置されている。アクチュエータ51は、保持ブラケット52によりサイドフレーム20に固定されている。そして、ステッピングモータ51Aからの駆動力がギヤボックス51Bで減速されて出力軸51Cに伝達されることで、出力軸51Cが回動するようになっている。
第1リンク部材53は、長尺状に形成される板状部材であり、その一端部がアクチュエータ51の出力軸51Cに固定されることで、他端部が出力軸51Cを中心に前後方向に揺動可能となっている。
第2リンク部材54は、一端部が第1リンク部材53の他端部にピン54Aを介して回動可能に連結されている。第2リンク部材54の他端部には、上部連結ワイヤW1の先端が回動可能に係合する連結孔54Bが形成されている。
トーションバネ55は、第1リンク部材53に対し第2リンク部材54を上から見て時計回りに付勢する部材であり、一端が第1リンク部材53に係合し、他端が第2リンク部材54に係合している。
なお、ここでは、図3に示した右側の姿勢制御機構50の構成について説明した。左側の姿勢制御機構50については、右側の姿勢制御機構50と左右対称に構成されているので、詳細な説明は省略する。
図4(a)に示すように、受圧部材40は、通常時には、前を向いた初期位置に位置し、このとき、シートバックS2は、運転者を支持する支持面S23が前を向いている。
そして、例えば、車両が左に旋回するときには、制御装置100による制御によって、右側の姿勢制御機構50のステッピングモータ51Aが正転することで、第1リンク部材53が前方に回動し、かつ、第2リンク部材54が回動して、受圧部材40の右端部が、初期位置から、図4(b)や図5(a),(b)に示す前進位置に移動する。これにより、受圧部材40は、その右端部が前に移動し、全体として旋回方向である左を向くこととなる。このとき、シートバックS2は、受圧部材40の右端部によってシートバックパッドP2が前に押し出されることで、旋回方向(左方向)とは逆側の端部である右端部が、旋回方向側の端部である左端部に対して前に移動し、支持面S23が全体として左を向くこととなる。
一方、シートバックS2の向きを戻すときには、制御装置100による制御によって、右側の姿勢制御機構50のステッピングモータ51Aが逆転することで、第1リンク部材53が後方に回動し、かつ、第2リンク部材54が回動して、受圧部材40の右端部が、図4(b)や図5(a),(b)に示す前進位置から、図4(a)に示す初期位置に移動する。これにより、受圧部材40およびシートバックS2は、その右端部が後に移動し、全体として前を向くこととなる。
車両が右に旋回するときには、制御装置100による制御によって、左側の姿勢制御機構50のステッピングモータ51Aが正転する。その後の動作については、左旋回の場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。
本実施形態において、受圧部材40は、制御装置100によってステッピングモータ51Aの正転量が制御されることで、図4(a)に示す初期位置から、図4(b)に示す第1前進位置、第1前進位置よりも前の位置である図5(a)に示す第2前進位置、または、第2前進位置よりも前の位置(最も前の位置)である図5(b)に示す第3前進位置まで移動するようになっている。
図6に示すように、制御装置100は、アクチュエータ51の駆動を制御して受圧部材40を動かしシートバックS2の向きを左右に変えるため、横加速度取得手段110と、体格情報取得手段120と、姿勢制御手段140と、サポート量設定手段150と、制御状態設定手段160と、通知手段170と、記憶手段190とを主に備えている。制御装置100は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有し、記憶手段190に予め記憶されているプログラムを読み出して実行することで、これらの各手段を実現している。
横加速度取得手段110は、車両に掛かる横加速度を取得する手段であり、本実施形態においては、車両の速度と、操舵角とに基づいて、横加速度を計算により取得するように構成されている。具体的に、横加速度取得手段110は、車輪速センサ91から取得した車輪速度と、操舵角センサ92から取得した操舵角とに基づいて横加速度GCを計算により算出する。一例として、横加速度GCは、車輪速度から公知の方法により車体速度Vを決定し、車両固有の定数であるスタビリティファクタA、車両のホイールベースL、操舵角φ、旋回半径Rを用いて、以下の式により計算することができる。
R=(1+AV2)/(L/φ)
GC=V2/R
なお、本実施形態において、操舵角φは、ステアリングホイールの操舵の角度とするが、定数を変更すれば、例えば、車輪の操舵の角度で計算してもよい。また、本実施形態において、横加速度GCは、右を正、左を負とする。
体格情報取得手段120は、運転者の体格に関連する情報を検出する手段から運転者の体格の情報を取得する手段であり、本実施形態においては、座高検出センサ81からの出力に基づき、運転者の体格の情報として運転者の座高SHを取得するように構成されている。
姿勢制御手段140は、車両の旋回中に、横加速度取得手段110が取得した横加速度GCと、体格情報取得手段120が取得した運転者の座高SHとに基づいてアクチュエータ51を制御して、受圧部材40を動かすことでシートバックS2の向きを旋回方向に向けるシート姿勢制御を実行する手段である。
具体的に、姿勢制御手段140は、横加速度GCの大きさ(絶対値)が横加速度閾値GCth以上となった場合に、アクチュエータ51を制御してステッピングモータ51Aを正転させ、受圧部材40を初期位置から前進位置に移動させてシート姿勢制御を開始するように構成されている。
また、姿勢制御手段140は、横加速度GCが横加速度閾値GCth以上となってシート姿勢制御を実行するときに、運転者の体格の情報に応じてアクチュエータ51の作動量を変更するように構成されている。詳しくは、姿勢制御手段140は、運転者の体格が、所定の基準以上の場合、所定の基準未満の場合よりもアクチュエータ51の作動量、具体的には、ステッピングモータ51Aの正転量を小さくする。
より詳しく説明すると、図7に示すように、姿勢制御手段140は、シート姿勢制御を実行するときに、座高検出センサ81から取得した運転者の座高SHが、第1座高SHth1未満、かつ、第1座高SHth1より小さい第2座高SHth2以上の場合、ステッピングモータ51Aの正転量を「中」とする。これにより、受圧部材40は、図4(a)に示す初期位置から、図5(a)に示す第2前進位置まで移動する。
また、姿勢制御手段140は、シート姿勢制御を実行するときに、運転者の座高SHが、第1座高SHth1以上の場合、運転者の体格が大きいと推定できるので、ステッピングモータ51Aの正転量を、運手者の座高SHが第1座高SHth1未満の場合よりも小さい「小」とする。これにより、受圧部材40は、図4(a)に示す初期位置から、図4(b)に示す第1前進位置まで移動する。その結果、運転者の体格が大きい場合は、体格が大きくない場合に比べて、シートバックS2の旋回方向とは逆側の端部の前への移動量が小さくなる。
また、姿勢制御手段140は、シート姿勢制御を実行するときに、運転者の座高SHが、第2座高SHth2未満の場合、運転者の体格が小さいと推定できるので、ステッピングモータ51Aの正転量を、運手者の座高SHが第2座高SHth2以上の場合よりも大きい「大」とする。これにより、受圧部材40は、図4(a)に示す初期位置から、図5(b)に示す第3前進位置まで移動する。その結果、運転者の体格が小さい場合は、体格が小さくない場合に比べて、シートバックS2の旋回方向とは逆側の端部の前への移動量が大きくなる。
また、姿勢制御手段140は、シート姿勢制御を実行しているときに、横加速度GCの大きさがリセット閾値Rth以下となった場合には、アクチュエータ51を逆転させ、受圧部材40を前進位置から初期位置に移動させてシート姿勢制御を終了するように構成されている。
なお、本実施形態において、各閾値は、走行試験やシミュレーションなどにより、予め設定されている。また、本実施形態では、GCthを正の値とし、右旋回時のように左向きに発生する横加速度GCを負で扱う場合においては、横加速度GCの大きさが横加速度閾値GCth以上であるということをGC≦−GCthと表すこととする。
図6に戻り、サポート量設定手段150は、車両の操作パネル93から入力を受け、シート姿勢制御を実行するときのステッピングモータ51Aの正転量(以下、サポート量という。)を記憶手段190に書き込んで設定する手段である。本実施形態において、姿勢制御手段140は、シート姿勢制御を実行するときに、記憶手段190に運転者によって選択されたサポート量が記憶されている場合、記憶手段190に記憶されているサポート量でアクチュエータ51を制御するように構成されている。これにより、運転者が操作パネル93を操作してサポート量の大きさを、例えば、大、中、小などから選択することで、運転者の座高(体格)の検出結果に関わらず、運転者の好みのサポート量でシートバックS2を駆動させることができるようになっている。
通知手段170は、アクチュエータ51の作動量に関連する情報を運転者に通知する手段である。具体的に、通知手段170は、運転者の体格に応じて設定したサポート量の情報や、運転者が自らサポート量を設定した場合には当該サポート量の情報を、操作パネル93に出力して、例えば、大、中、小などのような形で操作パネル93に表示させることで、現在設定されているサポート量を運転者に通知するように構成されている。
制御状態設定手段160は、操作パネル93から入力を受け、シート姿勢制御の実行が要求されているか否かの情報を記憶手段190に書き込んで設定する手段である。そして、本実施形態において、姿勢制御手段140は、運転者の操作によってシート姿勢制御の実行が要求されていること、具体的には、運転者が操作パネル93を操作してシート姿勢制御をONとしていることを条件として、横加速度GCの大きさが横加速度閾値GCth以上となった場合にシート姿勢制御を実行するように構成されている。言い換えれば、姿勢制御手段140は、運転者の操作によってシート姿勢制御の実行が要求されていない、具体的には、シート姿勢制御をOFFとしている場合には、横加速度GCの大きさが横加速度閾値GCth以上となっても、シート姿勢制御を実行しない。なお、シート姿勢制御をONとするかOFFとするかの切り替えは、操作パネル93の操作ではなく、例えば、車両や車両用シートSに設けたスイッチなどを操作することで行うようにしてもよい。
記憶手段190は、各センサから取得した情報や、横加速度取得手段110が計算した横加速度、各閾値、運転者によって選択されたサポート量の情報などを記憶する手段である。
次に、制御装置100で実行される処理の一例について説明する。なお、図8のフローチャートは、車両が左に旋回する場合(横加速度GCを正で扱う場合)を示しており、スタートからエンドまでの処理が所定の制御サイクルごとに繰り返し実行される。また、フラグFLは、シート姿勢制御を行っていない通常時が0であり、シート姿勢制御を行っているときが1である。受圧部材40は、通常時には初期位置に位置しており、フラグFLは、初期値が0である。
図8に示すように、姿勢制御手段140は、運転者の操作によってシート姿勢制御がONとされているか否かを判定する(S10)。シート姿勢制御がOFFとされている場合(S10,No)、姿勢制御手段140は、今回の制御サイクルを終了する。一方、シート姿勢制御がONとされている場合(S10,Yes)、横加速度取得手段110は、車輪速センサ91および操舵角センサ92から値を取得し、体格情報取得手段120は、座高検出センサ81から値を取得する(S11)。そして、横加速度取得手段110は、取得した車輪速度と操舵角から横加速度GCを計算する(S12)。
次に、姿勢制御手段140は、フラグFLが1であるか否かを判定する(S20)。そして、フラグFLが1でない場合(S20,No)、すなわち、シート姿勢制御を実行していない場合、姿勢制御手段140は、横加速度GCの大きさが横加速度閾値GCth以上であるか否かを判定する(S30)。そして、横加速度GCの大きさが横加速度閾値GCth以上でない場合(S30,No)、姿勢制御手段140は、今回の制御サイクルを終了する。一方、横加速度GCの大きさが横加速度閾値GCth以上である場合(S30,Yes)、姿勢制御手段140は、運転者によって選択されたサポート量(アクチュエータ51の作動量)が記憶されているか否かを判定する(S31)。
運転者によって選択された作動量が記憶されている場合(S31,Yes)、姿勢制御手段140は、右のアクチュエータ51(ステッピングモータ51A)を選択された作動量で正転させて、受圧部材40を図4(a)に示す初期位置から、選択された作動量に対応する前進位置に向けて移動させる(S32)。一方、ステップS31において、運転者によって選択された作動量が記憶されていない場合(S31,No)、姿勢制御手段140は、判定制御を実行する(S100)。
具体的には、図9に示すように、姿勢制御手段140は、体格情報取得手段120が取得した運転者の座高SHが第1座高SHth1以上であるか否かを判定する(S111)。そして、運転者の座高SHが第1座高SHth1以上である場合(S111,Yes)、運手者の体格が大きいと推定できるので、姿勢制御手段140は、右のアクチュエータ51を作動量小で正転させて、受圧部材40を図4(a)に示す初期位置から図4(b)に示す第1前進位置に向けて移動させる(S112)。
また、ステップS111において、運転者の座高SHが第1座高SHth1未満である場合(S111,No)、姿勢制御手段140は、運転者の座高SHが第2座高SHth2以上であるか否かを判定する(S113)。そして、運転者の座高SHが第2座高SHth2以上である場合(S113,Yes)、姿勢制御手段140は、右のアクチュエータ51を作動量中で正転させて、受圧部材40を図4(a)に示す初期位置から図5(a)に示す第2前進位置に向けて移動させる(S114)。一方、ステップS113において、運転者の座高SHが第2座高SHth2未満である場合(S113,No)、運手者の体格が小さいと推定できるので、姿勢制御手段140は、右のアクチュエータ51を作動量大で正転させて、受圧部材40を図4(a)に示す初期位置から図5(b)に示す第3前進位置に向けて移動させる(S115)。
図8に戻り、初期位置から前進位置への移動が完了した場合(S33,Yes)、姿勢制御手段140は、フラグFLを1にして(S34)、ステップS40へ進む。また、ステップS20において、フラグFLが1である場合(S20,Yes)、すなわち、シート姿勢制御を実行している場合も、姿勢制御手段140は、ステップS40へ進む。
ステップS40において、姿勢制御手段140は、横加速度GCの大きさリセット閾値Rth以下であるか否かを判定する(S40)。そして、横加速度GCの大きさがリセット閾値Rth以下でない場合(S40,No)、姿勢制御手段140は、今回の制御サイクルを終了する。一方、横加速度GCの大きさがリセット閾値Rth以下である場合(S40,Yes)、姿勢制御手段140は、右のアクチュエータ51を逆転させて、受圧部材40を前進位置から図4(a)に示す初期位置に向けて移動させる(S42)。そして、前進位置から初期位置への移動が完了した場合(S43,Yes)、姿勢制御手段140は、フラグFLを0にして(S44)、今回の制御サイクルを終了する。
なお、車両が右に旋回する場合(横加速度GCを負で扱う場合)は、上記した左旋回の場合とは、正負およびアクチュエータ51の左右が逆となる。すなわち、ステップS30においては、GC≦−GCthである場合が、横加速度GCの大きさが横加速度閾値GCth以上である場合となり、GC≦−GCthでない場合が、横加速度GCの大きさが横加速度閾値GCth以上でない場合となる。また、ステップS40においては、GC≧−Rthである場合が、横加速度GCの大きさがリセット閾値Rth以下である場合となり、GC≧−Rthでない場合が、横加速度GCの大きさがリセット閾値Rth以下でない場合となる。また、右旋回の場合には、左のアクチュエータ51を作動させる。
以上説明した本実施形態によれば、シート姿勢制御を実行するときに、運転者の体格に関連する情報を検出するセンサから取得した運転者の体格の情報に応じてアクチュエータ51の作動量を変更するので、運転者の体格に応じてシートバックS2の向きを変更することができる。これにより、運転者の体格に応じて、運転者の肩付近を後ろから支えたり、腕を前に押し出したりして、運転者の運転操作をサポートすることができるので、運転者の体格によらずに運転者を良好にサポートすることができる。
また、運転者の体格が所定の基準以上の場合、具体的には、運転者の座高SHが第1座高SHth1以上で体格が大きい場合には、アクチュエータ51の作動量を小さくするので、シートバックS2の旋回方向とは逆側の端部が前に移動する量を小さくすることができる。これにより、運転者の腕を必要以上に前に押し出すことが抑制されるので、運転者に違和感を与えることを抑制することができる。
また、運転者の体格が所定の基準未満の場合、具体的には、運転者の座高SHが第2座高SHth2未満で体格が小さい場合には、アクチュエータ51の作動量を大きくするので、シートバックS2の旋回方向とは逆側の端部が前に移動する量を大きくすることができる。これにより、体格が小さい運転者の腕を大きく前に押し出すことができるので、運転操作をしやすくすることができる。
また、記憶手段190に運転者によって選択されたサポート量が記憶されている場合には、当該サポート量でステッピングモータ51A(アクチュエータ51)を制御するので、運転者が自ら選択した希望のサポート量がある場合には、当該サポート量を優先することができる。これにより、運転者の希望に応じたサポートを行うことができる。
また、運転者の操作によってシート姿勢制御の実行が要求されていることを条件としてシート姿勢制御を実行するので、運転者の意思に応じて、運転操作のサポートを望む場合にはシート姿勢制御を実行させるようにし、また、運転操作のサポートを望まない場合にはシート姿勢制御を実行させないようにすることができる。
また、現在設定されているサポート量(アクチュエータ51の作動量に関連する情報)を運転者に通知する通知手段170を備えるので、車両用シートSによるサポートの内容を操作パネル93を介して運転者に知らせることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。なお、これから説明する各実施形態においては、第1実施形態と異なる点について詳細に説明し、第1実施形態と同様の構成や処理などについては同一符号を付して適宜説明を省略する。
図10に示すように、重量検出センサ82は、車両用シートSに着座した運転者の重量(体重)を検出するセンサであり、シートクッションS1の下側に配置されている。重量検出センサ82は、制御装置100に接続されており、検出結果を制御装置100に出力する。
体格情報取得手段120は、本実施形態においては、重量検出センサ82からの出力に基づき、運転者の体格の情報として運転者の重量WTを取得するように構成されている。
図11に示すように、姿勢制御手段140は、横加速度GCが横加速度閾値GCth以上となってシート姿勢制御を実行するときに、重量検出センサ82から取得した運転者の重量WTが、第1重量WTth1未満、かつ、第1重量WTth1より小さい第2重量WTth2以上の場合、ステッピングモータ51Aの正転量を「中」とする。また、姿勢制御手段140は、シート姿勢制御を実行するときに、運転者の重量WTが、第1重量WTth1以上の場合、運転者の体格が大きいと推定できるので、ステッピングモータ51Aの正転量を、運手者の重量WTが第1重量WTth1未満の場合よりも小さい「小」とする。また、姿勢制御手段140は、シート姿勢制御を実行するときに、運転者の重量WTが、第2重量WTth2未満の場合、運転者の体格が小さいと推定できるので、ステッピングモータ51Aの正転量を、運手者の重量WTが第2重量WTth2以上の場合よりも大きい「大」とする。
次に、本実施形態の制御装置100で実行される処理の一例について説明する。
図12に示すように、ステップS100において、姿勢制御手段140は、体格情報取得手段120が取得した運転者の重量WTが第1重量WTth1以上であるか否かを判定する(S121)。そして、運転者の重量WTが第1重量WTth1以上である場合(S121,Yes)、姿勢制御手段140は、右のアクチュエータ51を作動量小で正転させて、受圧部材40を初期位置から第1前進位置に向けて移動させる(S122)。
また、ステップS121において、運転者の重量WTが第1重量WTth1未満である場合(S121,No)、姿勢制御手段140は、運転者の重量WTが第2重量WTth2以上であるか否かを判定する(S123)。そして、運転者の重量WTが第2重量WTth2以上である場合(S123,Yes)、姿勢制御手段140は、右のアクチュエータ51を作動量中で正転させて、受圧部材40を初期位置から第2前進位置に向けて移動させる(S124)。一方、ステップS123において、運転者の重量WTが第2重量WTth2未満である場合(S123,No)、姿勢制御手段140は、右のアクチュエータ51を作動量大で正転させて、受圧部材40を初期位置から第3前進位置に向けて移動させる(S125)。その後、制御装置100は、図8のステップS33以降の処理を実行する。
以上説明した本実施形態によれば、第1実施形態の場合と同様に、運転者の体格によらずに運転者を良好にサポートすることができる。具体的には、運転者の重量WTが第1重量WTth1以上で体格が大きい場合には、シートバックS2の旋回方向とは逆側の端部が前に移動する量を小さくできるので、運転者に違和感を与えることを抑制することができる。また、運転者の重量WTが第2重量WTth2未満で体格が小さい場合には、シートバックS2の旋回方向とは逆側の端部が前に移動する量を大きくできるので、運転操作をしやすくすることができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。
図13に示すように、前後位置検出センサ83は、車体に対するシートクッションS1(車両用シートS)の前後の位置を検出するセンサであり、シートクッションS1に配置されている。前後位置検出センサ83は、制御装置100に接続されており、検出結果を制御装置100に出力する。
体格情報取得手段120は、本実施形態においては、前後位置検出センサ83からの出力に基づき、シートクッションS1の前後の位置(以下、前後位置という。)SPを取得するように構成されている。
本実施形態において、前後位置SPは、前方ほど小さい値となり、後方ほど大きい値となるように設定されている。そのため、後述する前後位置SPが第1位置SPth1以上の場合とは、前後位置SPが、第1位置SPth1と同じ位置もしくは当該第1位置SPth1より後方の位置にある場合を意味する。また、前後位置SPが第1位置SPth1より前方の位置である第2位置SPth2未満の場合とは、前後位置SPが、第2位置SPth2より前方の位置にある場合を意味する。さらに、前後位置SPが第1位置SPth1未満かつ第2位置SPth2以上の場合とは、前後位置SPが、第1位置SPth1より前方の位置にあり、かつ、第2位置SPth2と同じ位置もしくは当該第2位置SPth2より後方の位置にある場合を意味する。
図14に示すように、姿勢制御手段140は、横加速度GCが横加速度閾値GCth以上となってシート姿勢制御を実行するときに、前後位置検出センサ83から取得した前後位置SPが、第1位置SPth1未満、かつ、第2位置SPth2以上の場合、ステッピングモータ51Aの正転量を「中」とする。また、姿勢制御手段140は、シート姿勢制御を実行するときに、前後位置SPが、第1位置SPth1以上の場合、運転者の体格が大きいと推定できるので、ステッピングモータ51Aの正転量を、前後位置SPが第1位置SPth1未満の場合よりも小さい「小」とする。また、姿勢制御手段140は、シート姿勢制御を実行するときに、前後位置SPが、第2位置SPth2未満の場合、運転者の体格が小さいと推定できるので、ステッピングモータ51Aの正転量を、前後位置SPが第2位置SPth2以上の場合よりも大きい「大」とする。
次に、本実施形態の制御装置100で実行される処理の一例について説明する。
図15に示すように、ステップS100において、姿勢制御手段140は、体格情報取得手段120が取得した前後位置SPが第1位置SPth1以上であるか否かを判定する(S131)。そして、前後位置SPが第1位置SPth1以上である場合(S131,Yes)、姿勢制御手段140は、右のアクチュエータ51を作動量小で正転させて、受圧部材40を初期位置から第1前進位置に向けて移動させる(S132)。
また、ステップS131において、前後位置SPが第1位置SPth1未満である場合(S131,No)、姿勢制御手段140は、前後位置SPが第2位置SPth2以上であるか否かを判定する(S133)。そして、前後位置SPが第2位置SPth2以上である場合(S133,Yes)、姿勢制御手段140は、右のアクチュエータ51を作動量中で正転させて、受圧部材40を初期位置から第2前進位置に向けて移動させる(S134)。一方、ステップS133において、前後位置SPが第2位置SPth2未満である場合(S133,No)、姿勢制御手段140は、右のアクチュエータ51を作動量大で正転させて、受圧部材40を初期位置から第3前進位置に向けて移動させる(S135)。その後、制御装置100は、図8のステップS33以降の処理を実行する。
以上説明した本実施形態によれば、第1実施形態の場合と同様に、運転者の体格によらずに運転者を良好にサポートすることができる。具体的には、前後位置SPが第1位置SPth1以上で運転者の体格が大きい場合には、シートバックS2の旋回方向とは逆側の端部が前に移動する量を小さくできるので、運転者に違和感を与えることを抑制することができる。また、前後位置SPが第2位置SPth2未満で運転者の体格が小さい場合には、シートバックS2の旋回方向とは逆側の端部が前に移動する量を大きくできるので、運転操作をしやすくすることができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。
図16に示すように、横幅検出センサ84は、車両用シートSに着座した運転者の横幅を検出するセンサであり、シートバックS2に配置されている。一例として、横幅検出センサ84は、左右および上下に配列された複数の圧力センサや静電容量センサなどから構成されている。横幅検出センサ84は、制御装置100に接続されており、検出結果を制御装置100に出力する。
体格情報取得手段120は、本実施形態においては、横幅検出センサ84からの出力に基づき、運転者の体格の情報として運転者の横幅BWを取得するように構成されている。一例として、体格情報取得手段120は、体格情報取得手段120を構成する複数の圧力センサなどから検出結果が、各圧力センサなどのシートバックS2上の配置位置と運転者の体格(横幅)に応じて異なることを利用して運転者の横幅BWを取得(推定)する。
図17に示すように、姿勢制御手段140は、横加速度GCが横加速度閾値GCth以上となってシート姿勢制御を実行するときに、横幅検出センサ84から取得した運転者の横幅BWが、第1横幅BWth1未満、かつ、第1横幅BWth1より小さい第2横幅BWth2以上の場合、ステッピングモータ51Aの正転量を「中」とする。また、姿勢制御手段140は、シート姿勢制御を実行するときに、運転者の横幅BWが、第1横幅BWth1以上の場合、運転者の体格が大きいと推定できるので、ステッピングモータ51Aの正転量を、運手者の横幅BWが第1横幅BWth1未満の場合よりも小さい「小」とする。また、姿勢制御手段140は、シート姿勢制御を実行するときに、運転者の横幅BWが、第2横幅BWth2未満の場合、運転者の体格が小さいと推定できるので、ステッピングモータ51Aの正転量を、運手者の横幅BWが第2横幅BWth2以上の場合よりも大きい「大」とする。
次に、本実施形態の制御装置100で実行される処理の一例について説明する。
図18に示すように、ステップS100において、姿勢制御手段140は、体格情報取得手段120が取得した運転者の横幅BWが第1横幅BWth1以上であるか否かを判定する(S141)。そして、運転者の横幅BWが第1横幅BWth1以上である場合(S141,Yes)、姿勢制御手段140は、右のアクチュエータ51を作動量小で正転させて、受圧部材40を初期位置から第1前進位置に向けて移動させる(S142)。
また、ステップS141において、運転者の横幅BWが第1横幅BWth1未満である場合(S141,No)、姿勢制御手段140は、運転者の横幅BWが第2横幅BWth2以上であるか否かを判定する(S143)。そして、運転者の横幅BWが第2横幅BWth2以上である場合(S143,Yes)、姿勢制御手段140は、右のアクチュエータ51を作動量中で正転させて、受圧部材40を初期位置から第2前進位置に向けて移動させる(S144)。一方、ステップS143において、運転者の横幅BWが第2横幅BWth2未満である場合(S143,No)、姿勢制御手段140は、右のアクチュエータ51を作動量大で正転させて、受圧部材40を初期位置から第3前進位置に向けて移動させる(S145)。その後、制御装置100は、図8のステップS33以降の処理を実行する。
以上説明した本実施形態によれば、第1実施形態の場合と同様に、運転者の体格によらずに運転者を良好にサポートすることができる。具体的には、運転者の横幅BWが第1横幅BWth1以上で体格が大きい場合には、シートバックS2の旋回方向とは逆側の端部が前に移動する量を小さくできるので、運転者に違和感を与えることを抑制することができる。また、運転者の横幅BWが第2横幅BWth2未満で体格が小さい場合には、シートバックS2の旋回方向とは逆側の端部が前に移動する量を大きくできるので、運転操作をしやすくすることができる。
以上、実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、下記のように発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
前記実施形態では、横加速度取得手段110が、車輪速度と操舵角とに基づいて横加速度GCを計算により算出して取得していたが、これに限定されるものではない。例えば、横加速度取得手段は、横加速度センサから横加速度を取得してもよい。また、車両が備える電子制御ユニットが横加速度を提供可能である場合には、横加速度取得手段は、電子制御ユニットに問い合わせて横加速度を取得してもよい。
前記実施形態では、姿勢制御手段140が横加速度GCの大きさが横加速度閾値GCth以上となった場合にシート姿勢制御を開始するように構成されていたが、シート姿勢制御の開始条件は、前記実施形態の条件に限定されるものではない。シート姿勢制御の終了条件についても同様である。例えば、姿勢制御手段は、横加速度を計算することなく、操舵角と車体速度の組み合わせに基づいて、シート姿勢制御を実行するように構成されていてもよい。
前記実施形態では、制御装置100が、シート姿勢制御を実行するときに、記憶手段190に運転者によって選択されたサポート量が記憶されている場合、記憶手段190に記憶されているサポート量でアクチュエータ51を制御するように構成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、制御装置は、運転者によって選択されたサポート量を記憶して実行するような機能を備えない構成であってもよい。
前記実施形態では、制御装置100が、運転者の操作によってシート姿勢制御の実行が要求されていることを条件としてシート姿勢制御を実行するように構成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、制御装置は、常にシート姿勢制御を実行するように構成されていてもよい。
前記実施形態では、制御装置100が、アクチュエータ51の作動量に関連する情報を運転者に通知する通知手段170を備えていたが、これに限定されるものではない。例えば、制御装置は、通知手段を備えない構成であってもよい。
前記実施形態では、制御装置100は、座高SH、重量WT、前後位置SPおよび横幅BWのいずれかを用いてアクチュエータ51の作動量を制御するように構成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、制御装置は、運転者の座高や運転者の重量、シートクッションの前後の位置、運転者の横幅などのうち、2つ以上を用いて、運転者の体格を総合的に判定した上で、アクチュエータの作動量を制御するように構成されていてもよい。
前記実施形態では、シート姿勢制御の実行中において、アクチュエータ51の作動量を小さくするときに、ステッピングモータ51Aの正転量を「大」から「中」または「小」に変更したり、「中」から「小」に変更したりするように構成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、シート姿勢制御の実行中において、アクチュエータの作動量を小さくするときは、アクチュエータを作動させない構成としてもよい。
前記実施形態では、アクチュエータ51の作動量が「大」、「中」および「小」の3段階に設定されていたが、これに限定されるものではない。例えば、アクチュエータの作動量は、2段階に設定されていてもよいし、4段階以上に設定されていてもよい。
前記実施形態では、検出手段としての座高検出センサ81、重量検出センサ82、前後位置検出センサ83および横幅検出センサ84が車両用シートSに設けられていたが、これに限定されるものではない。例えば、検出手段は、車両用シートSの外部、具体的には、車両に設けられていてもよい。また、検出手段は、センサに限定されず、例えば、車両に設けられたカメラなどであってもよい。
前記実施形態では、アクチュエータ51(姿勢制御機構50)が、シートバックS2の一部としての受圧部材40を動かすことでシートバックS2の向き(支持面S23の向き)を左右に変えることができるように構成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、アクチュエータは、シートバックの一部としてのシートバックの左右の側部(図1のS22参照)を動かすことでシートバックの向き(側部の向き)を左右に変えることができるように構成されていてもよい。また、アクチュエータは、シートバック全体を動かすことでシートバック全体の向きを左右に変えることができるように構成されていてもよい。
前記実施形態では、乗物用シートとして、自動車で使用される車両用シートSを例示したが、これに限定されず、乗物用シートは、自動車以外の乗物、例えば、スノーモービルや船舶、航空機などで使用されるシートであってもよい。
前記第3実施形態では、姿勢制御手段140は、前後位置SPが第1位置SPth1以上の場合、第1位置SPth1未満の場合よりもアクチュエータ51の作動量を小さくし、前後位置SPが第2位置SPth2未満の場合、第2位置SPth2以上の場合よりもアクチュエータ51の作動量を大きくするように構成されていたが、これに限定されるものではない。
例えば、姿勢制御手段は、前後位置SPが第1位置SPth1以上で、シートバックS2とステアリングホイールとの距離が遠くなった場合には、前後位置SPが第1位置SPth1未満の場合よりもアクチュエータ51の作動量を大きくしてもよい。これによれば、シートバックの旋回方向とは逆側の端部が前に移動する量を大きくできるので、シートバックS2とステアリングホイールとの距離が遠くなっても、運転者の肩付近を後ろから支えたり、腕を前に押し出したりすることができるため、運転操作を良好にサポートすることができる。
また、姿勢制御手段は、前後位置SPが第2位置SPth2未満で、シートバックS2とステアリングホイールとの距離が近くなった場合には、前後位置SPが第2位置SPth2以上の場合よりもアクチュエータ51の作動量を小さくしてもよい。これによれば、シートバックの旋回方向とは逆側の端部が前に移動する量を小さくできるので、シートバックS2とステアリングホイールとの距離が近くなっても、シートバックS2とステアリングホイールとの間で運転者に窮屈感を与えることを抑制することができる。