JP2019209905A - ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極部による検出精度を向上する。【解決手段】ステアリングホイール12では、電極部28において、センサ電極32が絶縁帯34によって被覆されており、絶縁帯34では、誘電率が絶縁帯34Aよりも絶縁帯34Bにおいて大きくされている。これにより、ステアリングホイール12に運転者が触れた際の静電容量の変化が絶縁帯34A側よりも絶縁帯34B側において大きくなるので、運転者のタッチ操作等に対する検出精度が向上される。【選択図】図3
Description
本発明は、ステアリング装置に関する。
特許文献1の把持検出装置では、複数の電極部がリムの周方向(長手方向周り)に配置されると共に、各々ステアリングホイールの周方向に延びており、電極部のリム周方向の配置間隔は、ステアリングホイールの内周側よりステアリングホイールの外周側が大きくされている。また、少なくとも2つの電極部による電極組と、電極組の2つの電極部の間に配置された他の電極部とが、人体の近接を検出することで、運転者がステアリングホイールを把持したと判定される。
ところで、運転者には、ステアリングホイールにおいてタッチ操作のし易い領域(位置)とタッチ操作のし難い領域とがある。運転者がステアリングホイールに同様にタッチ操作を行ったつもりでも、タッチ操作をし易い領域とタッチ操作をし難い領域とでは、接触面積が相違して、静電容量の変化量に相違が生じることがある。このため、静電容量の変化から運転者がタッチ操作等をしたか否かを判定する際の判定結果にばらつきが生じ、運転者によるタッチ操作等の検出精度が低下する。
本発明は、上記事実を鑑みて成されたものであり、電極部による検出精度が向上されたステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様のステアリング装置は、操作者によって把持されて操作されることで操舵対象が操舵されるステアリング体と、センサ電極及び前記センサ電極を被覆する絶縁性の被覆部を含み、操作者が前記被覆部を介して前記センサ電極に近接することで静電容量が変化する第1部及び第2部が設けられると共に、前記静電容量の変化が前記第1部より前記第2部において大きくされる電極部と、を備える。
第2の態様のステアリング装置は、第1の態様のステアリング装置において、前記第1部が前記ステアリング体の径方向外側から操作者側の範囲に設けられている。
第3の態様のステアリング装置は、第1の態様又は第2の態様のステアリング装置において、前記被覆部の誘電率が前記第1部より前記第2部において大きくされている。
第4の態様のステアリング装置は、第1の態様から第3の態様の何れか1のステアリング装置において、前記被覆部の厚さが前記第1部より前記第2部において薄くされている。
第5の態様のステアリング装置は、第4の態様のステアリング装置において、前記被覆部の厚さが前記第1部から前記第2部に向かうにしたがって薄くされている。
第6の態様のステアリング装置は、第1の態様から第5の態様の何れか1のステアリング装置において、前記第1部において前記被覆部に開口部が設けられている。
第7の態様のステアリング装置は、第6の態様のステアリング装置において、前記被覆部の全面に前記開口部が配列されていると共に、前記被覆部の前記開口部による開孔率が前記第1部より前記第2部において小さくされている。
第8の態様のステアリング装置は、第1の態様から第7の態様の何れか1のステアリング装置において、前記第1部において前記センサ電極に非電極部分が設けられている。
第9の態様のステアリング装置は、第8の態様のステアリング装置において、前記センサ電極の全面が網目状とされていると共に、前記センサ電極の非電極部分の面積比率が前記第1部より前記第2部において小さくされている。
第1の態様のステアリング装置では、ステアリング体が操作者によって把持されて操作されることで、操舵対象が操舵される。電極部では、センサ電極を絶縁性の被覆部が被覆しており、電極部の第1部及び第2部では、操作者が被覆部を介してセンサ電極に近接することで、静電容量が変化する。
電極部では、静電容量の変化が第1部より第2部において大きくされる。このため、操作者がステアリング体に第2部において触れた場合でも、静電容量の変化が小さくなるのを抑制できて、電極部による検出精度を向上できる。
第2の態様のステアリング装置では、電極部の第1部がステアリング体の径方向外側から操作者側の範囲に設けられている。このため、ステアリング体の径方向外側から操作者側の範囲に操作者が比較的触れ易い領域が含まれることで、操作者がステアリング体に第2部において触れた場合でも、静電容量の変化が小さくなるのを抑制できて、電極部による検出精度を向上できる。
第3の態様のステアリング装置では、被覆部の誘電率が第1部より第2部において大きくされている。これにより、第1部における静電容量の変化より第2部における静電容量の変化を大きくできる。
第4の態様のステアリング装置では、被覆部の厚さが第1部より第2部において薄くされている。これにより、センサ電極と操作者との距離を第1部より第2部を小さくできて、第1部における静電容量の変化より第2部における静電容量の変化を大きくできる。
第5の態様のステアリング装置では、被覆部の厚さが第1部から第2部に向かうにしたがって薄くされている。これにより、第1部と第2部との境界部分において静電容量の変化にばらつきが生じるのを抑制できる。
第6の態様のステアリング装置では、第1部において被覆部に開口部が設けられている。これにより、第1部の誘電率を第2部よりも小さくできて、第1部における静電容量の変化より第2部における静電容量の変化を大きくできる。
第7の態様のステアリング装置では、被覆部の全面に開口部が配列されており、被覆部の開口部による開孔率が第1部より第2部において小さくされている。これにより、第1部における静電容量の変化より第2部における静電容量の変化を大きくできる。
第8の態様のステアリング装置では、第1部においてセンサ電極に非電極部分が設けられている。これにより、第1部においてセンサ電極の電極部分の面積を小さくでき、第1部における静電容量の変化より第2部における静電容量の変化を大きくできる。
第9の態様のステアリング装置では、センサ電極の全面が網目状とされており、センサ電極の非電極部分の面積比率が第1部より第2部において小さくされている。これにより、第1部における静電容量の変化より第2部における静電容量の変化を効果的に大きくできる。
以下、図面を参照して本発明の第1〜第4の実施形態について詳細に説明する。
第1〜第4の実施形態に係るステアリング装置10は、ステアリング体としてのステアリングホイール12を備えており、ステアリングホイール12は、操作者としての車両(操作対象)を運転する運転者(乗員)が着座する座席(運転席)の車両前側に配置されている。また、第1〜第4の実施形態に係るステアリング装置10には、接触検出装置(タッチセンサ)14が設けられている。接触検出装置14は、自動運転モードで走行可能な車両等に設けられて、運転者がステアリングホイール12を握っている(把持している)か、及び運転者の指などがステアリングホイール12に接触しているか否か等の検出に用いられる。
第1〜第4の実施形態に係るステアリング装置10は、ステアリング体としてのステアリングホイール12を備えており、ステアリングホイール12は、操作者としての車両(操作対象)を運転する運転者(乗員)が着座する座席(運転席)の車両前側に配置されている。また、第1〜第4の実施形態に係るステアリング装置10には、接触検出装置(タッチセンサ)14が設けられている。接触検出装置14は、自動運転モードで走行可能な車両等に設けられて、運転者がステアリングホイール12を握っている(把持している)か、及び運転者の指などがステアリングホイール12に接触しているか否か等の検出に用いられる。
〔第1の実施形態〕
図1には、ステアリングホイール12が運転者側から見た正面図にて示され、図2には、接触検出装置14の概略構成がブロック図にて示されている。なお、図面では、ステアリングホイール12径方向が矢印Rにて示され、ステアリングホイール12周方向が矢印L1にて示されている。また、図面では、車両前側が矢印FRにて示され、車幅右側が矢印HRにて示されている。
図1には、ステアリングホイール12が運転者側から見た正面図にて示され、図2には、接触検出装置14の概略構成がブロック図にて示されている。なお、図面では、ステアリングホイール12径方向が矢印Rにて示され、ステアリングホイール12周方向が矢印L1にて示されている。また、図面では、車両前側が矢印FRにて示され、車幅右側が矢印HRにて示されている。
図1に示すように、ステアリングホイール12は、把持部としての円環状のリム部16、中心部分に設けられたボス部18、及びステー部20によって構成されている。図3には、第1の実施形態に係るステアリングホイール12の主要部がステアリングホイール12径方向に沿った断面図(ステアリングホイール12周方向視の断面図)にて示され、図4には、第1の実施形態における接触検出装置14の主要部のステアリングホイール12径方向断面が展開図にて示されている。
ステアリングホイール12には、金属製の芯金が設けられており、芯金は、ステアリングホイール12の骨格を形成する。芯金は、リム部16のリム芯金部22(図3参照)、ボス部18のボス芯金部(図示省略)、及びステー部20のステー芯金部(図示省略)によって構成されており、ステアリングホイール12のリム芯金部22は、円環状(リング状)に形成されている。ステアリングホイール12では、リム芯金部22とボス芯金部とがステー芯金部によって連結されて、リム部16、ボス部18及びステー部20が一体とされている。
ステアリング装置10は、ステアリングシャフト(図示省略)を備えており、ステアリングシャフトは、軸線方向が車両前後方向とされて車体に回転可能に支持されている。ステアリングホイール12は、ボス部18のボス芯金部がステアリングシャフトの車両後側端部に固定されており、ステアリングホイール12は、ステアリングシャフトに支持されてステアリングシャフトと一体回転可能となっている。
このため、ステアリングホイール12が回転操作されることで、ステアリングシャフトが回転されて、車両が操舵される。なお、図1では、車両を直進させる状態における回転位置(直進操舵位置)のステアリングホイール12が示されている。
図3に示すように、ステアリングホイール12のリム部16は、ステアリングホイール12径方向断面が略円状(略楕円状でもよい)とされており、リム部16内には、基体24が配置されている。基体24は、絶縁材料としてのウレタンなどの樹脂材料が用いられ、円環状に形成されており、基体24は、ステアリングホイール12径方向断面外周が略円状(略楕円状でもよい)に形成されている。なお、図面では、ステアリングホイール12径方向断面におけるリム部16の周方向(長手方向周り)が矢印L2にて示されている。
基体24内には、リム芯金部22がインサート成形により収容されており、リム芯金部22は、基体24によって被覆されている。また、基体24の外周には、皮革製(樹脂製などの他の加飾材料でもよい)の加飾部材26が配置されており、基体24は、ステアリングホイール12径方向断面における全周、及びステアリングホイール12周方向の全周(全域)が加飾部材26によって被覆されている。これにより、ステアリングホイール12では、リム部16が加飾部材26によって加飾されている。
図2に示すように、接触検出装置14は、電極部28及び計測部30を含んで構成されている。接触検出装置14は、自己容量方式とされており、電極部28の静電容量(容量値)及び静電容量の変化(容量値の変化)が計測部30によって計測される。
電極部28は、シート状又はフィルム状の導電性材料によって帯状に形成されたセンサ電極32、及び絶縁性材料によって帯状に形成された被覆部としての絶縁帯34を含んで構成されており、電極部28は、リム部16において基体24と加飾部材26との間に配置されている。
図1及び図2に示すように、電極部28には、2本のセンサ電極32が用いられている。図1に示すように、センサ電極32の各々の長手方向の長さは、ステアリングホイール12のリム部16において、ステアリングホイール12の略半周分の長さとされている。また、2本のセンサ電極32は、リム部16において互いに重なることなく、ステアリングホイール12周方向に略半周ずつの範囲で配置されている。
図4に示すように、センサ電極32は、幅方向がリム部16の周方向とされ、基体24の外周の略全周に巻付けられている。これにより、センサ電極32は、ステアリングホイール12周方向及びリム部16周方向の略全周に渡って基体24の外周面に取付けられており、センサ電極32は、ステアリングホイール12の直進操舵位置において右側と左側とに配置されている。
図1に示すように、絶縁帯34は、長手方向がステアリングホイール12周方向とされ、リム部16においてステアリングホイール12の全周に渡って配置されている。また、図4に示すように、絶縁帯34は、幅方向がリム部16周方向とされて、センサ電極32の各々のリム部16外周側において、リム部16周方向の全周に渡って巻付けられている。
これにより、センサ電極32は、加飾部材26及び絶縁帯34によって被覆されており、運転者がステアリングホイール12のリム部16を握ったり触れたりした際には、センサ電極32に運転者の手や指が近接される。センサ電極32では、運転者の手や指が近接されることで、運転者(手や指)がセンサ電極32に対向する面積に応じて静電容量が変化する。
図2に示すように、計測部30には、2本のセンサ電極32の各々が電気的に接続されており、計測部30は、2本のセンサ電極32を一つとみなし、センサ電極32における静電容量及び静電容量の変化を計測(検出)する。また、計測部30は、計測した静電容量あるいは静電容量に応じた信号を出力する。
計測部30には、静電容量計測用のMCU(Micro Controller Unit)等が用いられており、計測部30は、所定のサンプリング間隔で静電容量(容量値)Cを検出して、検出された静電容量又は静電容量に応じた電流値等の信号を出力する。この際、計測部30は、所定回数分の静電容量の平均値又は加重平均値等を算出して、算出結果を出力してもよい。また、計測部30では、予め設定されたしきい値と静電容量又は静電容量の変化とから、運転者がステアリングホイール12(リム部16)を握っているか或いは運転者がステアリングホイール12に触れているか等を判定(把持判定及びタッチ判定)し、判定結果を出力してもよい。
ここで、ステアリングホイール12に運転者(運転者の指等)が触れるタッチ操作を例に、計測部30における処理を説明する。図5(A)には、センサ電極32における静電容量Cの変化の一例が線図にて示され、図5(B)には、図4(A)の静電容量Cの変化に対して計測部30から出力(OUT)されるタッチ操作の判定結果が線図にて示されている。なお、計測部30では、所定回数分の静電容量Cの計測値の平均値Caを用い、静電容量Cを計測するごとに更新した平均値Caを静電容量(容量値)として用いてタッチ判定を行なう。図5(A)には、計測される静電容量Cが実線にて示され、平均値Caが一点鎖線にて示されている。
計測部30には、静電容量Cの基準値Cref、判定しきい値ONth及び非判定しきい値OFFthが設定されている。タッチ判定において、基準値Crefは、運転者がステアリングホイール12に触れていない状態で計測される静電容量C等が用いられる。また、基準値Crefは、運転者が一方の手でステアリングホイール12を握った状態における静電容量C等を用いてもよく、基準値Crefは、運転者がステアリングホイール12を握っていない場合と運転者が一方の手で握っている場合とで切替えられてもよい。
タッチ判定において、判定しきい値ONthは、運転者の指がステアリングホイール12に触れることによる静電容量Cの変化量(増加量)が適用される。判定しきい値ONthは、運転者の指がステアリングホイール12に触れていると確実に判断できる静電容量Cの変化が適用されることが好ましい。また、タッチ判定において、非判定しきい値OFFthは、タッチ状態から非タッチ状態となることによる静電容量Cの変化量(減少量)ΔCに応じて設定される。計測部30では、MCUが用いられることで、基準値Cref、判定しきい値ONth、及び非判定しきい値OFFthをステアリングホイール12等に合せて設定できる。
なお、運転者のステアリングホイール12に対する把持判定では、判定しきい値ONthとして運転者の片手又は両手がステアリングホイール12を把持する(握る)ことにより変化(増加)する静電容量C等が適用される。また、把持判定における非判定しきい値OFFthは、運転者の片手又は両手がステアリングホイール12から離れた状態(非把持状態)となることによる静電容量Cの変化量に応じて設定される。計測部30は、タッチ判定とは別に運転者のステアリングホイール12の把持に合せて基準値Cref、判定しきい値ONth、及び非判定しきい値OFFthが設定されることで、運転者のステアリングホイール12の把持及び非把持を判定できる。
図5(A)及び図5(B)に示すように、運転者がステアリングホイール12(リム部16)に触れると静電容量Cが増加して平均値Caが増加する。これにより、平均値Caが判定しきい値ONthに達すると、計測部30は、運転者がステアリングホイール12に触れたと判定する(タッチ判定)。また、運転者がステアリングホイール12から離れると、静電容量Cが減少して平均値Caが減少する。これにより、平均値Caが非判定しきい値OFFthに達すると、計測部30は、運転者がステアリングホイール12から離れたと判定する(非タッチ判定)。
ところで、平行な電極間に生じる静電容量Cは、電極間の誘電率ε、電極間の距離d、及び面積(対向面積)Sから、以下の式で表される。但し、ε0は、真空中の誘電率、εrは、比誘電率としている(ε=ε0・εr)。
C=(ε・S)/d=(ε0・εr・S)/d
C=(ε・S)/d=(ε0・εr・S)/d
したがって、静電容量Cは、距離d及び面積Sが同様の場合、誘電率εが大きいほど変化が大きくなる。
第1の実施形態に係る電極部28では、絶縁帯34が誘電率εの異なる複数の絶縁材料によって形成されている。図4に示すように、絶縁帯34には、幅方向の中間部に第1部を構成する絶縁帯34Aが配置され、絶縁帯34Aの幅方向両側に第2部を構成する絶縁帯34Bが配置されている。絶縁帯34Aの幅寸法は、絶縁帯34全体の幅寸法の略半分(略1/2)とされており、絶縁帯34Aの幅方向の中心線が絶縁帯34の幅方向の中心線CLに重ねられている。
また、絶縁帯34Aには、誘電率ε1(比誘電率εr1)の絶縁材料が用いられ、絶縁帯34Bには、誘電率ε2(比誘電率εr2)の絶縁材料が用いられており、絶縁帯34Bの誘電率ε2は、絶縁帯34Aの誘電率ε1よりも大きくされている(ε1<ε2、εr1<εr2)。これにより、電極部28では、センサ電極32における単位面積当たりの静電容量の変化が、絶縁帯34A側よりも絶縁帯34B側が大きくされている。
電極部28は、センサ電極32の絶縁帯34A側及び絶縁帯34B側が一体で加飾部材26によって覆われている。このため、センサ電極32における絶縁帯34A側の静電容量の変化と絶縁帯34B側の静電容量の変化との相違は、主に絶縁帯34Aの誘電率ε1と絶縁帯34Bの誘電率ε2との相違に起因している。
図1及び図2に示すように、電極部28では、絶縁帯34Aがステアリングホイール12の外周部36側(径方向外側)に配置され、絶縁帯34Bがステアリングホイール12の内周部38側(径方向内側)に配置されている。これにより、電極部28では、接触面積が同様であれば、運転者がステアリングホイール12の外周部36に触れた場合よりも、運転者がステアリングホイール12の内周部38に触れた場合の方が、センサ電極32における静電容量の変化が大きくなる。
次に、第1の実施形態の作用を説明する。
ステアリング装置10では、運転者がステアリングホイール12(リム部16)を握ったり触れたりすることで、センサ電極32における静電容量Cが変化する。計測部30では、センサ電極32の静電容量Cの変化が、判定しきい値ONthを越えることで、運転者がステアリングホイール12に握っているか又は触れていると判定する。
ステアリング装置10では、運転者がステアリングホイール12(リム部16)を握ったり触れたりすることで、センサ電極32における静電容量Cが変化する。計測部30では、センサ電極32の静電容量Cの変化が、判定しきい値ONthを越えることで、運転者がステアリングホイール12に握っているか又は触れていると判定する。
ステアリングホイール12のリム部16周面には、運転者が比較的触れ易い領域(外周部36)と、運転者が比較的触れ難い領域(内周部38)とがあり、運転者が同様にステアリングホイール12に触れたとしても、触れ難い領域への運転者の接触面積は、触れ易い領域への運転者の接触面積より小さく(狭く)なり易い。
ここで、電極部28には、センサ電極32を覆う絶縁帯34が設けられており、絶縁帯34は、誘電率ε1の絶縁帯34Aと誘電率ε2が誘電率ε1よりも大きい(ε1<ε2)絶縁帯34Bとによって構成されている。また、電極部28では、ステアリングホイール12において、絶縁帯34Aが運転者の比較的触れ易い外周部36側とされ、絶縁帯34Bが運転者の比較的触れ難い内周部38側とされている。
このため、電極部28では、運転者がステアリングホイール12をタッチ操作した際、タッチ位置によって静電容量Cの変化がばらつくのが抑制される。これにより、ステアリングホイール12において、運転者が比較的触れ難い領域(内周部38)に運転者が触れているにもかかわらず、運転者が触れていないと判定(非タッチ判定)されるのを抑制でき、タッチ判定の検出精度を向上できる。
しかも、判定しきい値ONthが低い(小さい)場合、運転者が触れていないにもかかわらずタッチ判定される誤判定が生じ易いが、電極部28では、判定しきい値ONthを高く(大きく)できる。このため、接触検出装置14では、計測部30に誤判定が生じるのを抑制できて、タッチ操作等の検出精度を向上できる。
運転者は、ステアリングホイール12(リム部16)を握る際に、ステアリングホイール12の径外側(外周部36側)よりも径内側(内周部38側)が触れ難い。また、運転者がステアリングホイール12を握る際には、ステアリングホイール12の径外側(外周部36側)に掌が接触し、ステアリングホイール12径内側(内周部38側)に指が触れる。このため、運転者がステアリングホイール12を緩く握る(握りを緩める)際には、指先側を緩めた場合より、掌側を緩める(掌をステアリングホイール12から離す)場合に、接触面積が大きく変化する。これにより、運転者がステアリングホイール12を緩く握ったり、握りを緩めたりすると、静電容量Cの変化にばらつきが生じ易い。
これに対して、電極部28では、ステアリングホイール12の外周部36側に絶縁帯34Aが配置され、内周部38側に絶縁帯34Bが配置されており、運転者がステアリングホイール12の握りを緩めても、静電容量Cが減少するのを抑制できる。これにより、計測部30では、運転者によるステアリングホイール12の把持の判定に誤判定が生じるのを抑制でき、運転者によるステアリングホイール12の把持の検出精度が向上される。
さらに、1本のセンサ電極32に対し、計測部30が1個のみ設けられている。このため、2本のセンサ電極32について、センサ電極32ごとに計測部30を設ける場合とは異なり、コストを削減できる。
なお、第1の実施形態では、加飾部材26とは別に被覆部としての絶縁帯34(34A、34B)を設けた。しかしながら、被覆部とは別に加飾部材を設けずに、被覆部がステアリング体を加飾してもよい(加飾部材を被覆部として用いてもよい)。
〔第2の実施形態〕
次に、第2の実施形態を説明する。第2の実施形態の基本的構成は、第1の実施形態と同様にされており、第2の実施形態では、第1の実施形態のリム部16に替えてリム部40が用いられ、リム部40には、第1の実施形態の電極部28に替えて電極部42が設けられている。図6(A)には、第2の実施形態に係る電極部42の主要部のステアリングホイール12径方向断面が展開図にて示されており、図6(B)には、第2の実施形態に係るステアリングホイール12の主要部がステアリングホイール12径方向の断面図にて示されている。
次に、第2の実施形態を説明する。第2の実施形態の基本的構成は、第1の実施形態と同様にされており、第2の実施形態では、第1の実施形態のリム部16に替えてリム部40が用いられ、リム部40には、第1の実施形態の電極部28に替えて電極部42が設けられている。図6(A)には、第2の実施形態に係る電極部42の主要部のステアリングホイール12径方向断面が展開図にて示されており、図6(B)には、第2の実施形態に係るステアリングホイール12の主要部がステアリングホイール12径方向の断面図にて示されている。
図6(A)に示すように、電極部42には、加飾部材及び絶縁性の被覆部としての表皮部材44が用いられている。表皮部材44は、皮革製の帯状に形成されて、センサ電極32の運転者側(基体24とは反対側)を覆っている。
表皮部材44には、幅方向の中間部に第1部を構成する厚肉部44Aが形成され、幅方向の両側に第2部を構成する薄肉部44Bが形成されている。表皮部材44では、厚肉部44Aが厚さd1とされ、薄肉部44Bが厚さd2とされており、薄肉部44Bは、厚肉部44Aよりも薄くされている(d1>d2)。また、表皮部材44の厚さは、厚肉部44Aから薄肉部44Bに向かうにしたがって薄くされている。
図6(B)に示すように、リム部40には、基体24の外周に表皮部材44が配置され、基体24と表皮部材44との間にセンサ電極32が配置されている。表皮部材44は、幅方向が基体24の周方向とされており、表皮部材44は、基体24のステアリングホイール12径方向断面における全周、及びステアリングホイール12周方向における全周を被覆している。これにより、表皮部材44は、ステアリングホイール12の加飾部材として用いられ、リム部40(ステアリングホイール12)を加飾している。
電極部42において静電容量Cは、以下の式で表される。
C=(ε・S)/d=(ε0・εr・S)/d
C=(ε・S)/d=(ε0・εr・S)/d
ここで、電極部42では、距離dが表皮部材44の厚さに相当し、電極部42では、距離dが厚肉部44Aより薄肉部44Bが小さくされている(d1>d2)。このため、電極部42では、厚肉部44A側における静電容量の変化よりも薄肉部44B側における静電容量の変化が大きくなっている。
表皮部材44は、幅方向の中心線CLがステアリングホイール12径方向とされて、厚肉部44Aがステアリングホイール12の外周部36側(径外側)に配置され、薄肉部44Bがステアリングホイール12の内周部38側(径外側)に配置されている。これにより、ステアリングホイール12では、運転者が接触した際の静電容量の変化が、外周部36側よりも内周部38側において大きくなる。
このように構成されている第2の実施形態では、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。これにより、電極部42では、ステアリングホイール12へのタッチ位置が異なっても静電容量Cの変化がばらつくのを抑制できて、タッチ操作の判定結果にばらつきが生じるのを抑制できる。また、電極部42では、リム部40の握りが緩められても、把持判定の判定結果にばらつきが生じるのを抑制できる。したがって、運転者のステアリングホイール12への把持やタッチ操作等の判定精度を向上できる。
なお、以上説明した第2の実施形態では、表皮部材44(被覆部)の厚さを厚肉部44A(第1部)から薄肉部44B(第2部)に向かうにしたがって薄くした。しかしながら、被覆部材は、幅方向の中央部に厚さd1の厚肉部分を設け、厚肉部分の幅方向両側に厚さd2の薄肉部分を設けた2段構造であってもよい。
また、第2の実施形態では、表皮部材44(被覆部)において厚肉部44A(第1部)及び薄肉部44B(第2部)が同様の誘電率となっている。しかしながら、被覆部は、第1部と第2部とで、厚さ及び誘電率が異なってもよく、例えば、第1部の厚さよりも第2部の厚さを薄くすると共に、第1部の誘電率よりも第2部の誘電率を大きくしてもよい。これにより、第1部における静電容量の変化より、第2部における静電容量の変化をより大きくできて、把持判定やタッチ判定の判定結果にばらつきが生じるのを効果的に抑制できて、判定精度をより向上できる。
〔第3の実施形態〕
次に、第3の実施形態を説明する。第3の実施形態の基本的構成は、第1の実施形態と同様にされている。第3の実施形態では、第1の実施形態のリム部16に替えてリム部50が用いられ、リム部50には、第1の実施形態の電極部28に替えて電極部52が用いられている。図7(A)には、第3の実施形態に係る電極部52の主要部が展開図にて示され、図7(B)には、第3の実施形態に係るステアリングホイール12の主要部が径方向の断面図にて示されている。
次に、第3の実施形態を説明する。第3の実施形態の基本的構成は、第1の実施形態と同様にされている。第3の実施形態では、第1の実施形態のリム部16に替えてリム部50が用いられ、リム部50には、第1の実施形態の電極部28に替えて電極部52が用いられている。図7(A)には、第3の実施形態に係る電極部52の主要部が展開図にて示され、図7(B)には、第3の実施形態に係るステアリングホイール12の主要部が径方向の断面図にて示されている。
図7(A)に示すように、電極部52には、加飾部材及び絶縁性の被覆部としての表皮部材54が用いられており、表皮部材54は、皮革製の帯状に形成されて、センサ電極32の運転者側(基体24とは反対側)を覆っている。
表皮部材54には、幅方向の中間部に第1部を構成する穴あき部54Aが配置され、穴あき部54Aの幅方向の両側に第2部を構成する非穴あき部54Bが配置されている。穴あき部54Aには、開口部としての複数のパンチ孔56が形成されており、パンチ孔56は、穴あき部54Aにおいて表皮部材54の幅方向及び長手方向に配列されている。パンチ孔56の各々は、略円孔(三角形や四角形等の他の開口形状であってもよい)とされて、表皮部材54の穴あき部54Aに貫通形成されている。
図7(B)に示すように、リム部50には、基体24の外周に表皮部材54が巻付けられており、基体24と表皮部材54との間にセンサ電極32が配置されている。表皮部材54は、幅方向が基体24の周方向とされており、表皮部材54は、基体24のステアリングホイール12径方向断面における全周、及びステアリングホイール12周方向における全周を被覆している。これにより、リム部50(ステアリングホイール12)は、表皮部材54によって加飾されている。
上記したように、電極部52において静電容量Cは、以下の式で表される。
C=(ε・S)/d=(ε0・εr・S)/d
C=(ε・S)/d=(ε0・εr・S)/d
ここで、空気の誘電率(比誘電率)は、表皮部材54を形成する皮革の誘電率(比誘電率)に比して小さく、穴あき部54Aでは、パンチ孔56内の誘電率が空気の誘電率となっている。このため、穴あき部54Aの全面積に対するパンチ孔56の開口総面積の比率を開孔率とすると、穴あき部54Aの実質的な誘電率(平均誘電率)は、開孔率によって変化し、開孔率が大きくなるほど穴あき部54Aの実質的な誘電率が小さくなる。また、開孔率は、パンチ孔56のサイズ(内径)や数(配列密度)によって変化し、穴あき部54Aには、所定の開孔率となるようにパンチ孔56のサイズ及び配列(数)が定められている。
表皮部材54では、穴あき部54Aの誘電率(比誘電率)が穴あき部54Bの誘電率より小さくなっており、電極部52では、穴あき部54Aにおける静電容量の変化よりも非穴あき部54Bにおける静電容量の変化が大きくなる。
また、表皮部材54は、幅方向の中心線CLがステアリングホイール12径方向とされて、穴あき部54Aがステアリングホイール12の外周部36側に配置されると共に、非穴あき部54Bがステアリングホイール12の内周部38側に配置されている。これにより、ステアリングホイール12では、運転者が接触した際の静電容量の変化が、ステアリングホイール12の外周部36側よりも内周部38側において大きくなる。
このように構成されている第3の実施形態では、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の効果を奏することができる。これにより、電極部52では、ステアリングホイール12へのタッチ位置が異なっても静電容量Cの変化がばらつくのを抑制できて、タッチ操作等の判定結果にばらつきが生じるのを抑制できる。また、電極部52では、リム部50の握りが緩められても、把持判定の判定結果にばらつきが生じるのを抑制できる。したがって、運転者のステアリングホイール12への把持やタッチ操作等の判定精度を向上できる。
しかも、ステアリングホイール12を加飾する表皮部材54にパンチ孔56が形成されるので、パンチ孔56により表皮部材54をさらに加飾できる。これにより、表皮部材54では、パンチ孔56がステアリングホイール12を加飾できて、ステアリングホイール12の意匠性をより効果的に向上できる。
なお、第3の実施形態では、表皮部材54(被覆部)にパンチ孔56(開口部)が形成された穴あき部54A(第1部)及びパンチ孔56が形成されていない非穴あき部54B(第2部)を設けた。しかしながら、被覆部は、全面に開口部が形成されてもよい。
図8には、開口部が全面に形成された絶縁性の被覆部としての表皮部材60が示されている。表皮部材60は、皮革製の帯状とされており、幅方向の中間部に第1部を構成する穴あき部60Aが配置され、穴あき部60Aの幅方向の両側に第2部を構成する穴あき部60Bが配置されている。穴あき部60Aには、開口部としての複数のパンチ孔56Aが幅方向及び長手方向に配列されて貫通形成されており、穴あき部60Bには、開口部としての複数のパンチ孔56Bが幅方向及び長手方向に配列されて貫通形成されている。
パンチ孔56A、56Bは、サイズ(内径)及び数(配列密度)の少なくとも一方が異なっており、パンチ孔56Aは、穴あき部60Aにおいて所定の開孔率となるように形成され、パンチ孔56Bは、穴あき部60Bにおいて穴あき部60Aの開孔率よりも低い開孔率となるように形成されている。これにより、表皮部材60では、穴あき部60Aの誘電率(平均誘電率)よりも穴あき部60Bの誘電率(平均誘電率)が大きくされ、穴あき部60Aにおける静電容量の変化よりも穴あき部60Bにおける静電容量の変化が大きくされている。
このように構成されている表皮部材60を表皮部材54に替えて用いることで、表皮部材54を用いた場合と同様の効果を奏することができる。しかも、表皮部材60は、全面にパンチ孔56A、56Bが形成されるので、表皮部材60によってステアリングホイール12をより効果的に加飾できて、ステアリングホイール12の意匠性をより効果的に向上できる。
なお、第3の実施形態では、表皮部材54、60(被覆部)を貫通するようにパンチ孔56、56A,56B(開口部)を形成した。しかしながら、開口部は、被覆部を貫通せずに有底であってもよい。また、有底の開口部は、基体の径外側に向けて開口されてもよく、基体側(センサ電極側)に開口されてもよい。また、被覆部には、幅方向の中間部から幅方向の端部に向かうにしたがって開孔率が低くなるように開口部が形成されてもよい。
さらに、第2の実施形態では、表皮部材54(被覆部)に穴あき部54A(第1部)と非穴あき部54B(第2部)を設けるか、表皮部材60(被覆部)に穴あき部60A(第1部)と穴あき部60B(第2部)を設けて、第1部と第2部とで開孔率を異ならせた。しかしながら、被覆部は、開孔率の異なる第1部と第2部とに、誘電率の異なる絶縁性材料が用いられてもよく、また、被覆部は、開孔率の異なる第1部と第2部とで厚さが異なってもよい。例えば、開孔率の大きい第1部の誘電率を開孔率の小さい第2部の誘電率よりも大きくしたり、開孔率の小さい第2部の厚さを開孔率の大きい第1部の厚さよりも薄くしたりすればよい。これにより、第1部における静電容量の変化より、第2部における静電容量の変化をさらに大きくできて、把持判定やタッチ判定の判定結果にばらつきが生じるのをより効果的に抑制できて、判定精度をより一層向上できる。
〔第4の実施形態〕
次に、第4の実施形態を説明する。第4の実施形態の基本的構成は、第1の実施形態と同様にされている。第4の実施形態では、第1の実施形態のリム部16に替えてリム部66が設けられており、リム部66には、第1の実施形態の電極部28に替えて電極部68が用いられている。図9(A)には、第4の実施形態に係る電極部68の主要部が展開図にて示され、図9(B)には、ステアリングホイール12の主要部がステアリングホイール12径方向の断面図にて示されている。
次に、第4の実施形態を説明する。第4の実施形態の基本的構成は、第1の実施形態と同様にされている。第4の実施形態では、第1の実施形態のリム部16に替えてリム部66が設けられており、リム部66には、第1の実施形態の電極部28に替えて電極部68が用いられている。図9(A)には、第4の実施形態に係る電極部68の主要部が展開図にて示され、図9(B)には、ステアリングホイール12の主要部がステアリングホイール12径方向の断面図にて示されている。
図9(A)に示すように、電極部68は、導電材料によって形成された帯状かつシート状(フィルム状であってもよい)のセンサ電極70と、加飾部材及び絶縁性の被覆部としての皮革製帯状の表皮部材72とを含んで構成されている。
センサ電極70には、幅方向の中間部に第1部を構成する網状のメッシュ電極70Aが配置され、メッシュ電極70Aの幅方向の両側に第2部を構成する網状のメッシュ電極70Bが配置されている。
図9(B)に示すように、リム部66には、基体24の外周側に電極部68が配置されており、電極部68は、基体24の外周にセンサ電極70が巻付けられ、センサ電極70の外周側(基体24とは反対側)が表皮部材72によって被覆されている。表皮部材72の幅方向は、基体24の周方向とされており、表皮部材72は、基体24のステアリングホイール12径方向断面における全周、及びステアリングホイール12周方向における全周を被覆している。これにより、表皮部材72が、リム部66を被覆して、リム部66を加飾している。
電極部68において静電容量Cは、以下の式で表される。
C=(ε・S)/d=(ε0・εr・S)/d
C=(ε・S)/d=(ε0・εr・S)/d
電極部68において距離dは、表皮部材72の厚さであり、誘電率ε(比誘電率εr)は、表皮部材72を形成する皮革の誘電率となる。このため、電極部68において静電容量Cは、面積(対向面積)Sに応じて変化する。また、メッシュ電極70A、70Bは、網目(開口部分)が非電極部分となり、網目の周囲が電極部分となっており、メッシュ電極70A、70Bにおいて、面積Sは、編目を除いた電極部分の面積となる。
ここで、センサ電極70では、メッシュ電極70Aに比してメッシュ電極70Bの編目が密にされており(メッシュ電極70Aの網目が粗くされており)、メッシュ電極70Aの開孔率がメッシュ電極70Bの開孔率より大きくされている。このため、メッシュ電極70A、70Bでは、同様の面積が対向された場合に、実質的な面積Sが、メッシュ電極70Aよりもメッシュ電極70Bが大きく(広く)なる。これにより、センサ電極70では、メッシュ電極70Aにおける静電容量の変化よりメッシュ電極70Bにおける静電容量の変化が大きくなっている。
図9(B)に示すように、センサ電極70は、幅方向の中心線CLがステアリングホイール12径方向とされて、メッシュ電極70Aがステアリングホイール12の外周部36側に配置され、メッシュ電極70Bがステアリングホイール12の内周部38側に配置される。これにより、ステアリングホイール12では、運転者が接触した際の静電容量Cの変化が、ステアリングホイール12の外周部36側よりも内周部38側が大きくなる。
このように構成されている第4の実施形態では、第1の実施形態から第3の実施形態と同様の効果を奏することができる。これにより、電極部68では、ステアリングホイール12へのタッチ位置が異なっても静電容量Cの変化がばらつくのを抑制できて、タッチ操作等の判定結果にばらつきが生じるのを抑制できる。また、電極部68では、リム部66の握りが緩められても、把持判定の判定結果にばらつきが生じるのを抑制できる。したがって、運転者のステアリングホイール12への把持やタッチ操作等の判定精度を向上できる。
なお、以上説明した第4の実施形態では、センサ電極70がメッシュ電極70A(第1部)及びメッシュ電極70B(第2部)によって形成されている。しかしながら、電極部では、センサ電極が第1部と第2部とで開孔率が異なり、かつ第1部の開孔率より第2部の開孔率が小さければよい。例えば、センサ電極は、幅方向の中間部が第1部を構成するメッシュ電極によって形成され、メッシュ電極の幅方向両側が第2部を構成する非メッシュ電極(全面電極、開孔率がゼロの電極)によって構成されてもよい。
また、第4の実施形態では、電極部68に表皮部材72(被覆部)を用いた。しかしながら、被覆部としては、表皮部材72に替えて、第1部と第2部とで誘電率が異なる被覆部(第1の実施形態の絶縁帯34)、第1部と第2部とで厚さの異なる被覆部(第2の実施形態の表皮部材54)、又は第1部と第2部とで開孔率の異なる被覆部(第3の実施形態の表皮部材60等)を用いてもよく、被覆部は、これらが組み合わされて構成されてもよい。
なお、以上説明した第1〜第4の実施形態では、ステアリングホイール12の外周部36側に第1部(絶縁帯34A、厚肉部44A、穴あき部54A、穴あき部60A、メッシュ電極70Aの何れか少なくとも一つ)を配置すると共に、ステアリングホイール12の内周部38側に第2部(絶縁帯34B、薄肉部44B、非穴あき部54A、穴あき部60B、メッシュ電極70Bの何れか少なくとも一つ)を配置した。しかしながら、第2部は、ステアリング体において操作者の触れ難い部分に配置されればよい。また、第1部は、ステアリング体において操作者が触れ易い部分であればよく、第1部は、基体の操作者側(運転者側)、又は基体においてステアリング体径外側から操作者側までの範囲において、基体の略半周(略1/2周)の範囲に配置されればよい。
また、第1〜第4の実施形態では、被覆部(絶縁帯34、表皮部材44、54,60、センサ電極70)の幅方向の中央部分に第1部(絶縁帯34A、厚肉部44A、穴あき部54A、60A、メッシュ電極70A)を配置し、第1部の幅方向両側に第2部(絶縁帯34B、薄肉部44B、非穴あき部54B、穴あき部60B、メッシュ電極70B)を配置した。しかしながら、被覆部は、幅方向の一側に第1部が配置され、幅方向の他側に第2部が配置されてもよい。この場合においても、被覆部を基体に巻付けることで、電極部において第1部の幅方向の両側に第2部が配置された状態が得られる。
さらに、第1〜第4の実施形態では、2本のセンサ電極を用いたが、センサ電極の数は、1本でもよく3本以上であってもよい。また、第1〜第4の実施形態では、ステアリングホイール12の周方向の略全周に渡ってセンサ電極を配置したが、センサ電極は、運転者が通常把持している領域などのステアリング体の周方向の一部の領域に配置されてもよい。
また、第1〜第4の実施形態では、2本のセンサ電極を1本のセンサ電極とみなして静電容量の変化を計測した。しかしながら、センサ電極ごとに計測部を設けて、センサ電極ごとの静電容量の変化を計測するようにしてもよい。これにより、ステアリング体における操作者の把持位置や接触位置の特定を可能にできる。
10…ステアリング装置、12…ステアリングホイール、24…基体、28、42、52、68…電極部、32、70…センサ電極、34…絶縁帯(被覆部)、44、54、60,72…表皮部材(被覆部)、56(56A、56B)…パンチ孔(開口部)、70A、70B…メッシュ電極(第1部及び第2部)。
Claims (9)
- 基体が操作者によって把持されて操作されることで操舵対象が操舵されるステアリング体と、
幅方向が前記基体の周方向とされて前記基体の外周に設けられたセンサ電極、及び前記センサ電極の前記基体とは反対側を被覆する絶縁性の被覆部材を含み、前記センサ電極の幅方向において前記被覆部材を介して操作者が前記センサ電極に近接することで静電容量が変化する第1部分、及び前記静電容量の変化が前記第1部分より大きくされた第2部分が設けられた電極部と、
を備えるステアリング装置。 - 前記電極部は、前記第1部分が、前記基体の前記ステアリング体の径方向外側から前記基体の操作者側の範囲の半周に設けられた請求項1に記載のステアリング装置。
- 前記電極部は、前記被覆部材の誘電率が前記第1部分と前記第2部分とで異なる請求項1又は請求項2に記載のステアリング装置。
- 前記電極部は、前記被覆部材の厚さが前記第1部分と前記第2部分とで異なる請求項1から請求項3の何れか1項に記載のステアリング装置。
- 前記電極部は、前記センサ電極の幅方向において前記被覆部材の厚さが前記第1部分から前記第2部分に向かうにしたがって薄くされている請求項4に記載のステアリング装置。
- 前記第1部分における前記被覆部材には、複数の開口部が配列されている請求項1から請求項5の何れか1項に記載のステアリング装置。
- 前記被覆部材には、全面に開口部が配列されていると共に、前記開口部による開孔率が前記第1部分より前記第2部分が小さくされている請求項6に記載のステアリング装置。
- 前記電極部は、前記第1部分における前記センサ電極が網目状とされた請求項1から請求項7の何れか1項に記載のステアリング装置。
- 前記センサ電極は、全面が網目状とされると共に、非電極部分の面積比率が前記第1部分よりも前記第2部分が小さくされている請求項8に記載のステアリング装置。
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Cited By (1)
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CN111332356A (zh) * | 2020-03-30 | 2020-06-26 | 芯海科技(深圳)股份有限公司 | 检测装置、转向盘以及转向盘套 |
-
2018
- 2018-06-07 JP JP2018109519A patent/JP2019209905A/ja active Pending
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