JP2019209246A - ガス処理装置およびガス処理方法 - Google Patents

ガス処理装置およびガス処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】紫外線ランプの発光管の外表面や紫外線透過窓部材の表面に汚染物質が付着することによって生じる、紫外線の照度の低下を抑制することができ、汚染物質が付着した場合でも容易に除去することが可能なガス処理装置およびガス処理方法を提供する。【解決手段】本発明のガス処理装置は、内部に被処理ガスが流通する処理室を有するチャンバーと、少なくとも発光管の一部が前記処理室に露出するよう配置された紫外線ランプとを備えてなるガス処理装置であって、前記紫外線ランプにおける前記発光管の外表面には、ナノシリカ粒子による表層が形成されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、紫外線を利用して有害物質を含むガスを処理するガス処理装置およびガス処理方法に関する。
従来、有害物質を含むガスを処理する方法としては、紫外線を利用する方法が知られている。
例えば特許文献1には、被処理ガスが流通するハウジンク内に、波長200nm以下の真空紫外線を放射する紫外線ランプが配置されてなるガス処理装置が開示されている。このガス処理装置においては、被処理ガス中に含まれる酸素に真空紫外線が照射されることにより、オゾンや酸素ラジカルなどの活性種が発生し、この活性種によって、被処理ガス中に含まれる有害物質が分解される。
また、特許文献2には、被処理ガスが流通する容器内に、光触媒部および紫外線ランプが配置されてなるガス処理装置が開示されている。このガス処理装置においては、光触媒部に紫外線が照射されることにより、光触媒が活性化され、活性化された光触媒によって、被処理ガス中に含まれる有害物質が分解される。
しかしながら、このようなガス処理装置においては、紫外線ランプの発光管の外表面に被処理ガスが接触するため、当該発光管の外表面に、被処理ガス中に含まれる塵埃、水溶性または油溶性の有機物質や、紫外線または光触媒による分解生成物などの汚染物質が付着する。特に、紫外線ランプが、波長200nm以下の真空紫外線を放射するものである場合には、真空紫外線が照射されることによって、発光管の外表面の親水化が進行しているため、そのような傾向が著しく生じる。その結果、紫外線ランプから放射される紫外線が発光管の外表面において遮蔽され、これにより、被処理ガスや光触媒に照射される紫外線の照度が低下する、という問題がある。また、このような汚染物質が発光管の外表面に付着すると、当該汚染物質を容易に除去することが困難であり、紫外線ランプのメンテナンスが非常に煩雑である、という問題がある。
また、特許文献3には、被処理ガスが流通するケーシングと、このケーシング内に設けられた筒状の紫外線透過窓部材と、この紫外線透過窓部材に収容された紫外線ランプとを有するガス処理装置が開示されている。このガス処理装置においては、紫外線透過窓部材によって、紫外線ランプが被処理ガスの流路から隔離されているため、紫外線ランプの発光管の外表面に被処理ガスが接触することがなく、従って、紫外線ランプの発光管の外表面に汚染物質が付着することが回避される。
しかしながら、紫外線透過窓部材の外表面に被処理ガスが接触するため、当該外表面には汚染物質等が付着する結果、被処理ガスや光触媒に照射される紫外線の照度が低下する、という問題がある。
特開2012−207536号公報 特開2011−147874号公報 特開2001−170453号公報
本発明の目的は、紫外線ランプの発光管の外表面や紫外線透過窓部材の表面に汚染物質が付着することによって生じる、紫外線の照度の低下を抑制することができ、汚染物質が付着した場合でも容易に除去することが可能なガス処理装置およびガス処理方法を提供することにある。
本発明のガス処理装置は、内部に被処理ガスが流通する処理室を有するチャンバーと、少なくとも発光管の一部が前記処理室に露出するよう配置された紫外線ランプとを備えてなるガス処理装置であって、
前記紫外線ランプにおける前記発光管の外表面には、ナノシリカ粒子による表層が形成されていることを特徴とする。
このようなガス処理装置においては、前記発光管が石英ガラスよりなることが好ましい。
また、本発明のガス処理装置は、内部に被処理ガスが流通する処理室を有するチャンバーと、少なくとも表面の一部が前記処理室に露出するよう配置された紫外線透過窓部材と、この紫外線透過窓部材を介して前記処理室内に紫外線を照射する紫外線ランプとを備えてなるガス処理装置であって、
前記紫外線透過窓部材における前記処理室に露出する表面には、ナノシリカ粒子による表層が形成されていることを特徴とする。
このようなガス処理装置においては、前記紫外線透過窓部材が石英ガラスよりなることが好ましい。
本発明のガス処理装置においては、前記ナノシリカ粒子は、平均粒径が100nm未満のものであることが好ましい。
また、前記紫外線ランプがエキシマランプであることが好ましい。
また、本発明のガス処理装置は、揮発性有機化合物を含む被処理ガスを処理するものであってもよい。
本発明のガス処理方法は、処理室を流通する被処理ガスに、少なくとも発光管の一部が前記処理室に露出するよう配置された紫外線ランプによって紫外線を照射するガス処理方法であって、
前記紫外線ランプにおける前記発光管の外表面には、ナノシリカ粒子による表層が形成されていることを特徴とする。
また、本発明のガス処理方法は、処理室を流通する被処理ガスに、少なくとも表面の一部が前記処理室に露出するよう配置された紫外線透過窓部材を介して紫外線を照射するガス処理方法であって、
前記紫外線透過窓部材における前記処理室に露出する表面には、ナノシリカ粒子による表層が形成されていることを特徴とする。
また、本発明のガス処理方法は、被処理ガスが流通する処理室内に配置された光触媒に、少なくとも発光管の一部が前記処理室に露出するよう配置された紫外線ランプから紫外線を照射するガス処理方法であって、
前記紫外線ランプにおける前記発光管の外表面には、ナノシリカ粒子による表層が形成されていることを特徴とする。
また、本発明のガス処理方法は、被処理ガスが流通する処理室内に配置された光触媒に、少なくとも表面の一部が前記処理室に露出するよう配置された紫外線透過窓部材を介して紫外線を照射するガス処理方法であって、
前記紫外線透過窓部材における前記処理室に露出する表面には、ナノシリカ粒子による表層が形成されていることを特徴とする。
本発明のガス処理方法においては、前記被処理ガスは、揮発性有機化合物を含むものであってもよい。
本発明によれば、被処理ガスが流通する処理室に露出する、紫外線ランプの発光管の外表面または紫外線透過窓部材の表面に、ナノシリカ粒子による表層が形成されていることにより、当該表面に汚染物質が付着することが抑制される。そのため、発光管の外表面または紫外線透過窓部材の表面に汚染物質が付着することによって生じる、紫外線の照度の低下を抑制することができ、しかも、発光管の外表面または紫外線透過窓部材の表面に汚染物質が付着した場合でも容易に除去することができる。
本発明に係るガス処理装置の一例における構成を示す説明用断面図である。 図1に示すガス処理装置におけるエキシマ放電ランプの構成を示す説明図である。 本発明に係るガス処理装置の他の例における構成を示す説明用断面図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係るガス処理装置の一例における構成を示す説明用断面図である。
図1に示すガス処理装置は、被処理ガス中の酸素に波長200nm以下の真空紫外線を照射することによって、オゾンや酸素ラジカルなどの活性種が発生し、この活性種によって、被処理ガス中に含まれる有害物質を分解するものである。
このガス処理装置は、内部に被処理ガスG1が流通する処理室Sを有する円筒状のチャンバー1を有する。このチャンバー1における周壁の一端側には、処理室S内に被処理ガスG1を導入するガス導入管2が設けられ、当該チャンバー1における周壁の他端側には、処理室S内から処理済みガスG2を排出するガス導入管3が設けられている。
チャンバー1の処理室S内には、直管状の発光管10を有するエキシマ放電ランプ4が、当該チャンバー1の筒軸に沿って伸びるよう配置されている。
図2は、図1に示すガス処理装置におけるエキシマ放電ランプの一例における構成を示す説明図である。
図示の例の発光管10は、円管状の発光部11と、この発光部11の一端に縮径部12を介して連続する封止部13とを有する。発光管10の他端には、ランプの製造過程において発光管10内を排気するための排気経路の残部であるチップ部15が形成されている。
封止部13は、金属箔18を埋設して気密封止したいわゆる箔封止構造であって、例えば、発光管10を構成する発光管形成材料の端部を加熱してピンチャーで圧潰することにより形成されている(ピンチシール構造)。
発光管10の外表面10aには、ナノシリカ粒子による表層が形成されて構成されている。
ナノシリカ粒子による表層は、発光管10の外表面全面にわたって形成されていることは必要ではなく、発光管10の外表面10aにおいて防汚性が要求される一部の領域、すなわち処理室Sに露出する領域のみに形成されていてもよい。
発光管10を構成するガラスとしては、発光管10内において生成されたエキシマが発する光に対して透過性を有するものであれば特に限定されないが、石英ガラス(溶融石英ガラス、合成石英ガラス)、サファイアガラス、フッ化マグネシウムガラスなどを用いることが好ましい。
発光管10における表層を構成するナノシリカ粒子としては、平均粒子径が100nm未満のものを用いることが好ましく、より好ましくは50nm以下、更に好ましくは30nm以下、特に好ましくは20nm以下であるまた、ナノシリカ粒子の平均粒子径の下限値は特に限定されないが、製造上の観点から、平均粒子径が5nm以上のナノシリカ粒子が好ましい。
ナノシリカ粒子の平均粒子径が過大である場合には、紫外線に対する透過性が低下する虞がある。
発光管10の外表面10aに表層を形成する方法としては、発光管10の外表面10aにナノシリカ粒子を圧接する乾式法、ナノシリカ粒子が分散されてなる分散液を発光管10の外表面10aに塗布して乾燥する湿式法を利用することができる。
乾式法の具体例としては、例えばボールミルのように、発光管10およびナノシリカ粒子を円筒状の容器に入れ、この容器を筒軸が水平となる姿勢で配置し、当該筒軸を中心軸として回転させることにより、発光管10の外表面10aにナノシリカ粒子を圧接する方法、ローラによって発光管10の外表面10aにナノシリカ粒子を圧接する方法などが挙げられる。
湿式法において、分散液を調製するための液状の分散媒としては、例えばイソプロピルアルコール、メチルアルコール、エチレングリコール、エチレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルアセトアミドなどの親水性有機溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエンなどの疎水性有機溶媒を用いることができる。
分散液中のナノシリカ粒子の割合は、例えば15〜50質量%である。
また、発光管10の外表面10aに分散液を塗布する方法としては、ディップ法、スプレーコート法、インクジェットプリンタによって塗布する方法、スクリーン印刷法などを利用することができる。
発光管10の両端部の各々には、例えば無機絶縁性のセラミックス(例えばアルミナ)等からなる筒状のベース部材40,41が設けられている。ベース部材40,41は、例えば無機接着剤により発光管10に対して固定されている。ベース部材40,41の外周面には、周方向の全周にわたって延びる溝部42が形成されている。
発光管10の内部には、エキシマを生成するための発光ガスが封入されていると共に、内側電極20が発光管10の管軸に沿って伸びるよう配置されている。
発光ガスとしては、例えばキセノンガス(Xe)、アルゴンガス(Ar)、クリプトンガス(Kr)などのエキシマ放電によってエキシマ分子を生成する放電媒質としての作用を有する希ガスが用いられる。また、放電媒質としては、希ガスと共に必要に応じて、フッ素ガス(F)、塩素ガス(Cl)、沃素ガス(I)および臭素ガス(Br)などのハロゲンガスが封入されていてもよい。
内側電極20は、例えばタングステンなどの耐熱性を有する金属よりなり、金属素線がコイル状に巻回されてなるコイル状部分21と、当該コイル状部分21の両端に設けられた略直線状に伸びるリード部分22,23とを有する。この内側電極20は、コイル状部分21の中心軸が発光管10の管軸と一致する状態で配置されており、他方のリード部分23の他端部がチップ部15内に位置され、一方のリード部分22の一端部が封止部13に埋設された金属箔18の他端部に電気的に接続されている。
金属箔18の一端部には、封止部13の外端から管軸方向外方に突出して延びる外部リード25の他端部が電気的に接続されている。このようにして、内側電極20は、金属箔18を介して外部リード25と電気的に接続されている。
発光管10の外表面10aには、網状の外側電極30が発光管10の管軸方向に沿って延びるよう配設されている。外側電極30は、一方のベース部材40を貫通して延びる配線35を介して図示しない電源に接続されており、例えば接地電極として機能する。
この例における外側電極30は、例えば、導電性を有する複数本の金属素線を筒状の形態をなすよう編んで形成された網状の電極形成部材(以下、「網状電極形成部材」ともいう。)31により構成されている。網状電極形成部材31を構成する金属素線の素線径は、例えばφ0.01〜φ1.0mmである。
このようなガス処理装置においては、被処理ガスG1がチャンバー1のガス導入管2から処理室Sに導入される。そして、エキシマ放電ランプ4においては、図示しない電源によって、エキシマ放電ランプ4における内側電極20と外側電極30との間に高周波高電圧が印加されることにより、発光管10の内部空間においてエキシマ放電が生じる。そして、エキシマ放電によってエキシマ分子が生成され、そのエキシマ分子から放出される真空紫外光が発光管10を透過し、外側電極30を構成する網状電極形成部材31の網目の間隙を介して放射される。この真空紫外線が、被処理ガスG1中の酸素に照射されることにより、オゾンや酸素ラジカルなどの活性種が生成され、この活性種によって、被処理ガス中に含まれる有害物質、例えば揮発性有機化合物が分解されてガス処理が達成される。そして、処理済みガスG2は、処理室Sからガス排出管3を介して外部に排出される。
以上において、チャンバー1の内面とエキシマ放電ランプ4における発光管10の外表面10aとの離間距離は、5〜30mmであることが好ましい。この離間距離が過小である場合には、発光管10の表面における被処理ガスG1の流速が大きすぎて、被処理ガスG1に十分なエネルギーを与えることができない虞がある。一方、この離間距離が過大である場合には、エキシマ放電ランプ4からの紫外線が被処理ガスG1に吸収されることにより、処理室Sにおける発光管10の表面から最も離れた領域、例えばチャンバー1の内面近傍の領域に十分な量の紫外線が到達しない。そのため、当該領域を流通する被処理ガスG1中の有害物質が十分に分解されずに処理室Sから排出する虞がある。
処理室S内の被処理ガスに対するエキシマ放電ランプ4からの真空紫外線の照度は、例えば20〜100mW/cm2である。
また、処理室Sを流通する被処理ガスの流量は、処理室S内における被処理ガスの滞留時間などを考慮して設定されるが、例えば1〜1000L/minである。
上記のガス処理装置によれば、エキシマ放電ランプ4における発光管10の外表面10aにナノシリカ粒子による表層が形成されていることにより、当該発光管10の外表面10aに汚染物質が付着することが抑制される。そのため、発光管10の外表面10aに汚染物質が付着することによって生じる、紫外線の照度の低下を抑制することができる。また、発光管10の外表面10aに汚染物質が付着しにくいため、発光管10の外表面10aを洗浄する頻度が小さく、しかも、発光管10の外表面10aに汚染物質が付着した場合でも容易に除去することができる。
図3は、本発明に係るガス処理装置の他の例における構成を示す説明用断面図である。 図3に示すガス処理装置は、被処理ガス中の酸素に波長200nm以下の真空紫外線を照射することによって、オゾンや酸素ラジカルなどの活性種が発生し、この活性種によって、被処理ガス中に含まれる有害物質を分解するものである。
このガス処理装置は、内部に被処理ガスG1が流通する処理室Sを有する円筒状のチャンバー5を有する。このチャンバー5における周壁の一端側には、処理室S内に被処理ガスG1を導入するガス導入管6が設けられ、当該チャンバー5における周壁の他端側には、処理室S内から処理済みガスG2を排出するガス導入管7が設けられている。
チャンバー5の処理室S内には、管状の紫外線透過窓部材8が、チャンバー5の両端壁を貫通して当該チャンバー5の筒軸に沿って伸びるよう配置されている。
紫外線透過窓部材8の内部には、直管状の発光管10を有するエキシマ放電ランプ9が、当該紫外線透過窓部材8の管軸に沿って伸びるよう配置されている。すなわち、エキシマ放電ランプ9は、紫外線透過窓部材8によって、被処理ガスG1が流通する処理室Sと隔離された空間に配置されている。このエキシマ放電ランプ9は、発光管10の外表面10aにナノシリカ粒子による表層が形成されていないことを除き、図2に示すエキシマ放電ランプ4と同様の構成である。
紫外線透過窓部材8は、エキシマ放電ランプ9からの紫外線に対して透過性を有するガラス材料によって構成されている。このようなガラス材料としては、石英ガラス(溶融石英ガラス、合成石英ガラス)、サファイアガラス、フッ化マグネシウムガラスなどを用いることが好ましい。
また、紫外線透過窓部材8における処理室Sに露出する外表面8aには、ナノシリカ粒子による表層が形成されている。この紫外線透過窓部材8に形成された表層は、図2に示すエキシマ放電ランプ4の発光管10の外表面10aに形成された表層と同様の構成である。
また、紫外線透過窓部材8の内部は、窒素ガスなどの不活性ガスによってパージされている。
このようなガス処理装置においては、被処理ガスG1がチャンバー5のガス導入管6から処理室Sに導入される。そして、エキシマ放電ランプ9からの真空紫外線が、紫外線透過窓部材8を介して被処理ガスG1中の酸素に照射されることにより、オゾンや酸素ラジカルなどの活性種が生成され、この活性種によって、被処理ガス中に含まれる有害物質、例えば揮発性有機化合物が分解されてガス処理が達成される。そして、処理済みガスG2は、処理室Sからガス排出管3を介して外部に排出される。
以上において、チャンバー5の内面と紫外線透過窓部材8の外表面8aとの離間距離は、5〜30mmであることが好ましい。
また、処理室S内の被処理ガスに対するエキシマ放電ランプ9からの真空紫外線の照度、および処理室Sを流通する被処理ガスの流量は、図1に示すガス処理装置と同様の条件である。
上記のガス処理装置によれば、処理室Sに露出する紫外線透過窓部材8の外表面8aにナノシリカ粒子による表層が形成されていることにより、当該紫外線透過窓部材8の外表面8aに汚染物質が付着することが抑制される。そのため、紫外線透過窓部材8の外表面8aに汚染物質が付着することによって生じる、紫外線の照度の低下を抑制することができる。また、紫外線透過窓部材8の外表面8aに汚染物質が付着しにくいため、紫外線透過窓部材8の外表面8aを洗浄する頻度が小さく、しかも、紫外線透過窓部材8の外表面8aに汚染物質が付着した場合でも容易に除去することができる。
本発明は、上記の実施の形態に限定されず、種々の変更を加えることが可能である。
(1)紫外線ランプとしては、エキシマ放電ランプの代わりに低圧水銀ランプを用いることができる。
(2)上記の実施の形態は、被処理ガス中に含まれる酸素に真空紫外線を照射することにより生ずるオゾンや酸素ラジカルなどの活性種によって、被処理ガス中に含まれる有害物質を分解する構成のものであるが、紫外線を照射することにより活性化された光触媒によって、被処理ガス中に含まれる有害物質を分解する構成のものであってもよい。このような実施の形態においては、処理室内における適宜の個所に、二酸化チタン等よりなる光触媒を配置すると共に、紫外線ランプとして、光触媒を活性化し得る紫外線を放射するものを用いればよい。処理室内に光触媒を配置する手段としては、チャンバーの内壁面に光触媒を担持させる手段、光触媒が担持された担持体を処理室内に配置する手段などが挙げられる。
(3)被処理ガスは、揮発性有機化合物を含むものに限定されず、オゾンや酸素ラジカル等の活性種によって或いは活性化された光触媒によって分解し得る有害物質を含むものであればよい。
(4)図1に示すガス処理装置において、紫外線ランプ(エキシマ放電ランプ)は、発光管における発光部の表面全面が処理室に露出するよう配置されているが、発光部の表面の一部のみが処理室に露出するよう配置されていてもよい。
〈実験例〉
図2の構成に従い、下記の仕様のエキシマ放電ランプAを作製した。
発光管(10):
ガラス基体の材質=合成石英ガラス
表層の材質=平均粒子径が10nmのナノシリカ粒子
発光部(11)の外径=16mm
発光部(11)の内径=14mm
発光部(11)の長さ=130mm
内側電極(20):
材質=タングステン
素線径=0.3mm
外側電極(30):
材質=ステンレス(SUS304)
素線径=0.2mm
封入ガス:
ガス種:キセノンガス
封入圧:20kPa
定格電圧:4kV
以上において、発光管における表層は、以下のようにして形成した。
内径が90mm、長さが150mmの円筒状の容器内に、発光管を構成するガラス基体と、平均粒子径が10nmのナノシリカ粒子1gを入れ、この容器を筒軸が水平となる姿勢で配置し、筒軸を中心軸として200rpmで10分間回転させることにより、発光管の表面にナノシリカ粒子を圧接することにより、発光管の外表面に表層を形成した。
また、エキシマ放電ランプAにおける発光管の外表面について、原子間力顕微鏡(キーエンス社製、品番:VN−8010)によって表面解析し、その表面粗さRaを測定したところ、5nmであった。
また、ナノシリカ粒子として、平均粒子径が50nmのものを用いたこと以外は、エキシマ放電ランプAと同様の仕様のエキシマ放電ランプBを作製した。
エキシマ放電ランプBにおける発光管の外表面の表面粗さRaをエキシマ放電ランプAと同様にして測定したところ、12.1nmであった。
また、発光管における表層を、以下のようにして形成したこと以外は、エキシマ放電ランプAと同様の仕様のエキシマ放電ランプCを作製した。
平均粒子径が10nmのナノシリカ粒子が30質量%となる割合で分散されてなる分散液を、ディップ法によって発光管を構成するガラス基体の外表面に塗布し、72時間放置して乾燥することにより、ガラス基体の外表面に表層を形成した。
また、ナノシリカ粒子による表層を形成しなかったこと以外はエキシマ放電ランプAと同様の仕様のエキシマ放電ランプDを作製した。
エキシマ放電ランプDにおける発光管の外表面の表面粗さRaをエキシマ放電ランプAと同様にして測定したところ、1.7nmであった。
[試験1]
エキシマ放電ランプA、エキシマ放電ランプBおよびエキシマ放電ランプDの各々について、放射される紫外線の照度を測定した。エキシマ放電ランプAおよびエキシマ放電ランプBの各々による紫外線の照度について、エキシマ放電ランプDによる紫外線の照度を100としたときの相対値を求めたところ、エキシマ放電ランプAでは99.8であり、エキシマ放電ランプBでは49.5であった。
[試験2]
エキシマ放電ランプA、エキシマ放電ランプBおよびエキシマ放電ランプDの各々について、粉体汚染物質(JIS試験用粉体11種を使用)、水溶性汚染物質(JIS L
1919 表3)、油溶性汚染物質(JIS L 1919 表4)を付着させた。各汚染物質の付着方法はJIS L 1919に準拠し、汚染物質を付着した後に流水に1分間晒すことにより、各汚染物質に対する発光管の防汚性と洗浄性の評価を行った。
以上、結果を下記表1に示す。
Figure 2019209246
[試験3]
100Lデシケータ内に、トルエンで満たされたシャーレ(直径が約37mm)2個と、エキシマ放電ランプA、エキシマ放電ランプCおよびエキシマ放電ランプDの各々を入れた。100Lデシケータ内のトルエン濃度は約40ppmを示した。その後、各エキシマ放電ランプを点灯した。そして、点灯を開始してから24時間経過後および48時間経過後において、各エキシマ放電ランプによる紫外線の照度を測定し、試験前の初期の照度に対する維持率を求めた。
以上、結果を下記表2に示す。
Figure 2019209246
表1の結果から明らかなように、発光管の表面にナノシリカ粒子による表層が形成されたエキシマ放電ランプは、発光管の表面に汚染物質が付着することが抑制され、発光管の外表面に汚染物質が付着した場合でも容易に除去することができることが確認された。従って、このようなエキシマ放電ランプを備えたガス処理装置によれば、発光管の外表面に汚染物質が付着することによって生じる、紫外線の照度の低下を抑制することができ、汚染物質が付着した場合でも容易に除去することが可能であることが理解される。
これに対して、エキシマ放電ランプDの発光管は、表面にナノシリカ粒子による表層が形成されていないため、粉体汚染物質、水溶性汚染物質および油溶性汚染物質のいずれの汚染物質に対しても防汚性および洗浄性が低いものであった。
1 チャンバー
2 ガス導入管
3 ガス排出管
4 エキシマ放電ランプ
5 チャンバー
6 ガス導入管
7 ガス排出管
8 紫外線透過窓部材
8a 外表面
9 エキシマ放電ランプ
10 発光管
10a 外表面
11 発光部
12 縮径部
13 封止部
15 チップ部
18 金属箔
20 内側電極
21 コイル状部分
22 一方のリード部分
23 他方のリード部分
25 外部リード
30 外側電極
31 網状電極形成部材
35 配線
40 一方のベース部材
41 他方のベース部材
42 溝部
G1 被処理ガス
G2 処理済みガス
S 処理室

Claims (12)

  1. 内部に被処理ガスが流通する処理室を有するチャンバーと、少なくとも発光管の一部が前記処理室に露出するよう配置された紫外線ランプとを備えてなるガス処理装置であって、
    前記紫外線ランプにおける前記発光管の外表面には、ナノシリカ粒子による表層が形成されていることを特徴とするガス処理装置。
  2. 前記発光管が石英ガラスよりなることを特徴とする請求項1に記載のガス処理装置。
  3. 内部に被処理ガスが流通する処理室を有するチャンバーと、少なくとも表面の一部が前記処理室に露出するよう配置された紫外線透過窓部材と、この紫外線透過窓部材を介して前記処理室内に紫外線を照射する紫外線ランプとを備えてなるガス処理装置であって、
    前記紫外線透過窓部材における前記処理室に露出する表面には、ナノシリカ粒子による表層が形成されていることを特徴とするガス処理装置。
  4. 前記紫外線透過窓部材が石英ガラスよりなることを特徴とする請求項3に記載のガス処理装置。
  5. 前記ナノシリカ粒子は、平均粒径が100nm未満のものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のガス処理装置。
  6. 前記紫外線ランプがエキシマランプであることを特徴とする請求項2または請求項4に記載のガス処理装置。
  7. 揮発性有機化合物を含む被処理ガスを処理するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のガス処理装置。
  8. 処理室を流通する被処理ガスに、少なくとも発光管の一部が前記処理室に露出するよう配置された紫外線ランプによって紫外線を照射するガス処理方法であって、
    前記紫外線ランプにおける前記発光管の外表面には、ナノシリカ粒子による表層が形成されていることを特徴とするガス処理方法。
  9. 処理室を流通する被処理ガスに、少なくとも表面の一部が前記処理室に露出するよう配置された紫外線透過窓部材を介して紫外線を照射するガス処理方法であって、
    前記紫外線透過窓部材における前記処理室に露出する表面には、ナノシリカ粒子による表層が形成されていることを特徴とするガス処理方法。
  10. 被処理ガスが流通する処理室内に配置された光触媒に、少なくとも発光管の一部が前記処理室に露出するよう配置された紫外線ランプから紫外線を照射するガス処理方法であって、
    前記紫外線ランプにおける前記発光管の外表面には、ナノシリカ粒子による表層が形成されていることを特徴とするガス処理方法。
  11. 被処理ガスが流通する処理室内に配置された光触媒に、少なくとも表面の一部が前記処理室に露出するよう配置された紫外線透過窓部材を介して紫外線を照射するガス処理方法であって、
    前記紫外線透過窓部材における前記処理室に露出する表面には、ナノシリカ粒子による表層が形成されていることを特徴とするガス処理方法。
  12. 前記被処理ガスは、揮発性有機化合物を含むものであることを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれかに記載のガス処理方法。
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