JP2019209246A - ガス処理装置およびガス処理方法 - Google Patents
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例えば特許文献1には、被処理ガスが流通するハウジンク内に、波長200nm以下の真空紫外線を放射する紫外線ランプが配置されてなるガス処理装置が開示されている。このガス処理装置においては、被処理ガス中に含まれる酸素に真空紫外線が照射されることにより、オゾンや酸素ラジカルなどの活性種が発生し、この活性種によって、被処理ガス中に含まれる有害物質が分解される。
また、特許文献2には、被処理ガスが流通する容器内に、光触媒部および紫外線ランプが配置されてなるガス処理装置が開示されている。このガス処理装置においては、光触媒部に紫外線が照射されることにより、光触媒が活性化され、活性化された光触媒によって、被処理ガス中に含まれる有害物質が分解される。
しかしながら、紫外線透過窓部材の外表面に被処理ガスが接触するため、当該外表面には汚染物質等が付着する結果、被処理ガスや光触媒に照射される紫外線の照度が低下する、という問題がある。
前記紫外線ランプにおける前記発光管の外表面には、ナノシリカ粒子による表層が形成されていることを特徴とする。
前記紫外線透過窓部材における前記処理室に露出する表面には、ナノシリカ粒子による表層が形成されていることを特徴とする。
また、前記紫外線ランプがエキシマランプであることが好ましい。
また、本発明のガス処理装置は、揮発性有機化合物を含む被処理ガスを処理するものであってもよい。
前記紫外線ランプにおける前記発光管の外表面には、ナノシリカ粒子による表層が形成されていることを特徴とする。
前記紫外線透過窓部材における前記処理室に露出する表面には、ナノシリカ粒子による表層が形成されていることを特徴とする。
前記紫外線ランプにおける前記発光管の外表面には、ナノシリカ粒子による表層が形成されていることを特徴とする。
前記紫外線透過窓部材における前記処理室に露出する表面には、ナノシリカ粒子による表層が形成されていることを特徴とする。
図1は、本発明に係るガス処理装置の一例における構成を示す説明用断面図である。
図1に示すガス処理装置は、被処理ガス中の酸素に波長200nm以下の真空紫外線を照射することによって、オゾンや酸素ラジカルなどの活性種が発生し、この活性種によって、被処理ガス中に含まれる有害物質を分解するものである。
チャンバー1の処理室S内には、直管状の発光管10を有するエキシマ放電ランプ4が、当該チャンバー1の筒軸に沿って伸びるよう配置されている。
図示の例の発光管10は、円管状の発光部11と、この発光部11の一端に縮径部12を介して連続する封止部13とを有する。発光管10の他端には、ランプの製造過程において発光管10内を排気するための排気経路の残部であるチップ部15が形成されている。
封止部13は、金属箔18を埋設して気密封止したいわゆる箔封止構造であって、例えば、発光管10を構成する発光管形成材料の端部を加熱してピンチャーで圧潰することにより形成されている(ピンチシール構造)。
ナノシリカ粒子による表層は、発光管10の外表面全面にわたって形成されていることは必要ではなく、発光管10の外表面10aにおいて防汚性が要求される一部の領域、すなわち処理室Sに露出する領域のみに形成されていてもよい。
ナノシリカ粒子の平均粒子径が過大である場合には、紫外線に対する透過性が低下する虞がある。
分散液中のナノシリカ粒子の割合は、例えば15〜50質量%である。
また、発光管10の外表面10aに分散液を塗布する方法としては、ディップ法、スプレーコート法、インクジェットプリンタによって塗布する方法、スクリーン印刷法などを利用することができる。
発光ガスとしては、例えばキセノンガス(Xe)、アルゴンガス(Ar)、クリプトンガス(Kr)などのエキシマ放電によってエキシマ分子を生成する放電媒質としての作用を有する希ガスが用いられる。また、放電媒質としては、希ガスと共に必要に応じて、フッ素ガス(F)、塩素ガス(Cl)、沃素ガス(I)および臭素ガス(Br)などのハロゲンガスが封入されていてもよい。
金属箔18の一端部には、封止部13の外端から管軸方向外方に突出して延びる外部リード25の他端部が電気的に接続されている。このようにして、内側電極20は、金属箔18を介して外部リード25と電気的に接続されている。
この例における外側電極30は、例えば、導電性を有する複数本の金属素線を筒状の形態をなすよう編んで形成された網状の電極形成部材(以下、「網状電極形成部材」ともいう。)31により構成されている。網状電極形成部材31を構成する金属素線の素線径は、例えばφ0.01〜φ1.0mmである。
また、処理室Sを流通する被処理ガスの流量は、処理室S内における被処理ガスの滞留時間などを考慮して設定されるが、例えば1〜1000L/minである。
チャンバー5の処理室S内には、管状の紫外線透過窓部材8が、チャンバー5の両端壁を貫通して当該チャンバー5の筒軸に沿って伸びるよう配置されている。
紫外線透過窓部材8の内部には、直管状の発光管10を有するエキシマ放電ランプ9が、当該紫外線透過窓部材8の管軸に沿って伸びるよう配置されている。すなわち、エキシマ放電ランプ9は、紫外線透過窓部材8によって、被処理ガスG1が流通する処理室Sと隔離された空間に配置されている。このエキシマ放電ランプ9は、発光管10の外表面10aにナノシリカ粒子による表層が形成されていないことを除き、図2に示すエキシマ放電ランプ4と同様の構成である。
また、紫外線透過窓部材8における処理室Sに露出する外表面8aには、ナノシリカ粒子による表層が形成されている。この紫外線透過窓部材8に形成された表層は、図2に示すエキシマ放電ランプ4の発光管10の外表面10aに形成された表層と同様の構成である。
また、紫外線透過窓部材8の内部は、窒素ガスなどの不活性ガスによってパージされている。
また、処理室S内の被処理ガスに対するエキシマ放電ランプ9からの真空紫外線の照度、および処理室Sを流通する被処理ガスの流量は、図1に示すガス処理装置と同様の条件である。
(1)紫外線ランプとしては、エキシマ放電ランプの代わりに低圧水銀ランプを用いることができる。
(2)上記の実施の形態は、被処理ガス中に含まれる酸素に真空紫外線を照射することにより生ずるオゾンや酸素ラジカルなどの活性種によって、被処理ガス中に含まれる有害物質を分解する構成のものであるが、紫外線を照射することにより活性化された光触媒によって、被処理ガス中に含まれる有害物質を分解する構成のものであってもよい。このような実施の形態においては、処理室内における適宜の個所に、二酸化チタン等よりなる光触媒を配置すると共に、紫外線ランプとして、光触媒を活性化し得る紫外線を放射するものを用いればよい。処理室内に光触媒を配置する手段としては、チャンバーの内壁面に光触媒を担持させる手段、光触媒が担持された担持体を処理室内に配置する手段などが挙げられる。
(3)被処理ガスは、揮発性有機化合物を含むものに限定されず、オゾンや酸素ラジカル等の活性種によって或いは活性化された光触媒によって分解し得る有害物質を含むものであればよい。
(4)図1に示すガス処理装置において、紫外線ランプ(エキシマ放電ランプ)は、発光管における発光部の表面全面が処理室に露出するよう配置されているが、発光部の表面の一部のみが処理室に露出するよう配置されていてもよい。
図2の構成に従い、下記の仕様のエキシマ放電ランプAを作製した。
発光管(10):
ガラス基体の材質=合成石英ガラス
表層の材質=平均粒子径が10nmのナノシリカ粒子
発光部(11)の外径=16mm
発光部(11)の内径=14mm
発光部(11)の長さ=130mm
内側電極(20):
材質=タングステン
素線径=0.3mm
外側電極(30):
材質=ステンレス(SUS304)
素線径=0.2mm
封入ガス:
ガス種:キセノンガス
封入圧:20kPa
定格電圧:4kV
内径が90mm、長さが150mmの円筒状の容器内に、発光管を構成するガラス基体と、平均粒子径が10nmのナノシリカ粒子1gを入れ、この容器を筒軸が水平となる姿勢で配置し、筒軸を中心軸として200rpmで10分間回転させることにより、発光管の表面にナノシリカ粒子を圧接することにより、発光管の外表面に表層を形成した。
また、エキシマ放電ランプAにおける発光管の外表面について、原子間力顕微鏡(キーエンス社製、品番:VN−8010)によって表面解析し、その表面粗さRaを測定したところ、5nmであった。
エキシマ放電ランプBにおける発光管の外表面の表面粗さRaをエキシマ放電ランプAと同様にして測定したところ、12.1nmであった。
平均粒子径が10nmのナノシリカ粒子が30質量%となる割合で分散されてなる分散液を、ディップ法によって発光管を構成するガラス基体の外表面に塗布し、72時間放置して乾燥することにより、ガラス基体の外表面に表層を形成した。
エキシマ放電ランプDにおける発光管の外表面の表面粗さRaをエキシマ放電ランプAと同様にして測定したところ、1.7nmであった。
エキシマ放電ランプA、エキシマ放電ランプBおよびエキシマ放電ランプDの各々について、放射される紫外線の照度を測定した。エキシマ放電ランプAおよびエキシマ放電ランプBの各々による紫外線の照度について、エキシマ放電ランプDによる紫外線の照度を100としたときの相対値を求めたところ、エキシマ放電ランプAでは99.8であり、エキシマ放電ランプBでは49.5であった。
エキシマ放電ランプA、エキシマ放電ランプBおよびエキシマ放電ランプDの各々について、粉体汚染物質(JIS試験用粉体11種を使用)、水溶性汚染物質(JIS L
1919 表3)、油溶性汚染物質(JIS L 1919 表4)を付着させた。各汚染物質の付着方法はJIS L 1919に準拠し、汚染物質を付着した後に流水に1分間晒すことにより、各汚染物質に対する発光管の防汚性と洗浄性の評価を行った。
以上、結果を下記表1に示す。
100Lデシケータ内に、トルエンで満たされたシャーレ(直径が約37mm)2個と、エキシマ放電ランプA、エキシマ放電ランプCおよびエキシマ放電ランプDの各々を入れた。100Lデシケータ内のトルエン濃度は約40ppmを示した。その後、各エキシマ放電ランプを点灯した。そして、点灯を開始してから24時間経過後および48時間経過後において、各エキシマ放電ランプによる紫外線の照度を測定し、試験前の初期の照度に対する維持率を求めた。
以上、結果を下記表2に示す。
これに対して、エキシマ放電ランプDの発光管は、表面にナノシリカ粒子による表層が形成されていないため、粉体汚染物質、水溶性汚染物質および油溶性汚染物質のいずれの汚染物質に対しても防汚性および洗浄性が低いものであった。
2 ガス導入管
3 ガス排出管
4 エキシマ放電ランプ
5 チャンバー
6 ガス導入管
7 ガス排出管
8 紫外線透過窓部材
8a 外表面
9 エキシマ放電ランプ
10 発光管
10a 外表面
11 発光部
12 縮径部
13 封止部
15 チップ部
18 金属箔
20 内側電極
21 コイル状部分
22 一方のリード部分
23 他方のリード部分
25 外部リード
30 外側電極
31 網状電極形成部材
35 配線
40 一方のベース部材
41 他方のベース部材
42 溝部
G1 被処理ガス
G2 処理済みガス
S 処理室
Claims (12)
- 内部に被処理ガスが流通する処理室を有するチャンバーと、少なくとも発光管の一部が前記処理室に露出するよう配置された紫外線ランプとを備えてなるガス処理装置であって、
前記紫外線ランプにおける前記発光管の外表面には、ナノシリカ粒子による表層が形成されていることを特徴とするガス処理装置。 - 前記発光管が石英ガラスよりなることを特徴とする請求項1に記載のガス処理装置。
- 内部に被処理ガスが流通する処理室を有するチャンバーと、少なくとも表面の一部が前記処理室に露出するよう配置された紫外線透過窓部材と、この紫外線透過窓部材を介して前記処理室内に紫外線を照射する紫外線ランプとを備えてなるガス処理装置であって、
前記紫外線透過窓部材における前記処理室に露出する表面には、ナノシリカ粒子による表層が形成されていることを特徴とするガス処理装置。 - 前記紫外線透過窓部材が石英ガラスよりなることを特徴とする請求項3に記載のガス処理装置。
- 前記ナノシリカ粒子は、平均粒径が100nm未満のものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のガス処理装置。
- 前記紫外線ランプがエキシマランプであることを特徴とする請求項2または請求項4に記載のガス処理装置。
- 揮発性有機化合物を含む被処理ガスを処理するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のガス処理装置。
- 処理室を流通する被処理ガスに、少なくとも発光管の一部が前記処理室に露出するよう配置された紫外線ランプによって紫外線を照射するガス処理方法であって、
前記紫外線ランプにおける前記発光管の外表面には、ナノシリカ粒子による表層が形成されていることを特徴とするガス処理方法。 - 処理室を流通する被処理ガスに、少なくとも表面の一部が前記処理室に露出するよう配置された紫外線透過窓部材を介して紫外線を照射するガス処理方法であって、
前記紫外線透過窓部材における前記処理室に露出する表面には、ナノシリカ粒子による表層が形成されていることを特徴とするガス処理方法。 - 被処理ガスが流通する処理室内に配置された光触媒に、少なくとも発光管の一部が前記処理室に露出するよう配置された紫外線ランプから紫外線を照射するガス処理方法であって、
前記紫外線ランプにおける前記発光管の外表面には、ナノシリカ粒子による表層が形成されていることを特徴とするガス処理方法。 - 被処理ガスが流通する処理室内に配置された光触媒に、少なくとも表面の一部が前記処理室に露出するよう配置された紫外線透過窓部材を介して紫外線を照射するガス処理方法であって、
前記紫外線透過窓部材における前記処理室に露出する表面には、ナノシリカ粒子による表層が形成されていることを特徴とするガス処理方法。 - 前記被処理ガスは、揮発性有機化合物を含むものであることを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれかに記載のガス処理方法。
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