本開示の種々の態様によると、コンタクトセンタの第1のエージェントは、(例えば、第1のエージェントが顧客を助けることができず、顧客が動転してきている等)種々の理由のためにコンタクトセンタの第2のエージェントにコールを転送したいことがある。しかしながら顧客(すなわち、コンタクト者)は、第2のエージェントが彼を助けることができる前に第2のエージェントに繰り返す必要がある場合、苛立ってくる(又はさらにも増して苛立つ)ことがある。そのような場合、ここに開示される処理は、これまでにない態様でコンピュータ技術を向上させて、顧客が第2のエージェントに接続される前に、短時間で第2のエージェントを素早くコールにつなぐ。
基本的に、コールは、静的又は動的なリストに記憶されるキーワードの出現について監視され、コールが何についてのものなのか及びコールがなぜ転送されているのかを第2のエージェントが理解する助けとなり得るコールのスニペットを識別する。次に、スニペットは、コールが第2のエージェントのコンピューティングデバイスに接続される前に順序付けされ、第2のエージェントに再生される。これら順序付けされたスニペットは、第2のエージェントがコール全てを聞く又はコールの全ての会話記録を読む必要なく、コールの要点を得ることができる点において映画の予告編と同様にふるまう。さらに、第2のエージェントは顧客、エージェント又は両方の声の調子、感情、苛立ち等を聞くことができるので、第2のエージェントはコール上でまさに何が起きていたかについて、より理解を深める。さらに、スニペットの音声再生は、会話記録のみの場合よりも、短時間で要約することがおそらく容易である。
図を参照すると、図1は、サーバ110、コンタクト者すなわち顧客の関連情報並びにコンタクト処理の有用性及び効率を促進し得る他の情報を含むデータストアのセット又はデータベース114、複数のサーバ(例えば、ボイスメールサーバ118、自動音声応答ユニット(例えば、IVR)122及び他のサーバ126)、スイッチ130、(コンピュータワークステーション又はパーソナルコンピュータなどの)パケット交換の(第1の)通信デバイス134−1〜Nを操作する複数の作業エージェント、及び/又は回線交換の(第2の)通信デバイス138−1〜Mを備え、そして、それらはローカルエリアネットワーク(LAN)142又はワイドエリアネットワーク(WAN)によって相互接続されているコンタクトセンタ100のブロック図を示す。サーバは、スイッチ130に選択的な通信回線146を介して接続され得る。理解されるように、他のサーバ126はまた、スキャナー(一般的にはスイッチ130又はウェブサーバに接続されない)、VoIPソフトウェア、ビデオ電話ソフトウェア、音声メッセージソフトウェア、IP音声サーバ、ファックスサーバ、ウェブサーバ、Eメールサーバ等も含んでもよい。スイッチ130は、複数のトランクを介して回線交換ネットワーク152(例えば、公衆電話回線(PSTN))に、及びリンク154を介して第2の通信デバイス138−1〜Mに接続される。セキュリティゲートウェイ158は、サーバ110とパケット交換ネットワーク162の間に位置し、サーバ110とパケット交換ネットワーク162の間を通過する通信を処理する。さらに、セキュリティゲートウェイ158は、(図示の)付属プロセッサを介するようにハードウェアとして、又はサーバ内のチップとして実装され得る。
ここでのシステムはクライアントサーバアーキテクチャを参照して議論されるが、本発明の原理は他のネットワークアーキテクチャにも適用されることが分かるはずである。例えば、本開示の態様は、セッション開始プロトコル(SIP)によって想定されるようなピアツーピアネットワークに適用できる。クライアントサーバモデル又はパラダイムにおいて、サービスにアクセスするエンドユーザによって使用されるネットワークサービス及びプログラムが説明される。クライアント側はユーザにネットワークからのサービスをリクエストするためのインターフェースを提供し、サーバ側はサービスのためのユーザリクエストを受託しユーザに透明なサービスを提供することを担う。ピアツーピアモデル又はパラダイムと比較して、各ネットワークホストは、アプリケーションプログラムのクライアント及びサーバの両方の役割を実行する。さらに、「パケット交換の」又は「回線交換の」ネットワークは必要ではない。
スイッチ130及び/又はサーバ110は、コンタクト者を1つ以上の通信デバイスに導くために任意のアーキテクチャとなり得る。ある実施形態において、スイッチ130は、複数の論理的及び/又は地理的に別個なコンタクトセンタの間で、着信又は発信コンタクトを割り当てることによって負荷分散機能を実行し得る。例示的には、スイッチ130及び/又はサーバ110は、DefinityTM構内交換機(PBX)ベースのACDシステム、MultiVantageTM PBX、Communication MangagerTM、S8300TMメディアサーバ及び任意の他のメディアサーバ、SIP Enabled ServicesTM、Intelligent Presence ServerTM、並びに/又はAvaya Interaction CenterTMという名前でAvaya社によって販売されている加入者構内機器、及びAvaya又は別の会社によって提供される任意の他の製品又はソリューションの変形形態であればよい。通常、スイッチ130/サーバ110は、外部通信リンクへのインターフェース、通信スイッチングファブリック、サービス回路(例えば、トーン発生器、アナウンス回路等)、制御プログラム及びデータを記憶するためのメモリ、並びに記憶された制御プログラムを実行してインターフェース及びファブリックを制御し、ACD機能性を提供するためのプロセッサ(すなわち、コンピュータ)を従来含む、記憶されたプログラムにより制御されるシステムである。既知のスイッチ及びサーバの他の種類は、本技術において周知であり、そのためここでは詳細に説明しない。
第1の通信デバイス134−1〜Nはパケット交換であり、例えば、Avaya社の4600シリーズIP PhonesTM等のIPハードフォン、Avaya社のIP SoftphoneTM等のIPソフトフォン、携帯情報端末(PDA)、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、パケットベースのH.320ビデオフォン及び会議ユニット、パケットベースの音声メッセージ送信応答ユニット、パケットベースの従来のコンピュータテレフォニー付属品、ピアツーピアベースの通信デバイス、並びに任意の他の通信デバイスを含み得る。
第2の通信デバイス138−1〜Mは、回線交換である。通信デバイス138−1〜Mの各々は、内線のセットExt1〜Mの1つにそれぞれ対応する。第2の通信デバイス138−1〜Mは、例えば、有線及び無線の電話、PDA、H.320ビデオフォン及び会議ユニット、音声メッセージ送信応答ユニット、従来のコンピュータテレフォニー付属品並びに任意の他の通信デバイスを含み得る。
なお、発明は、スイッチ、サーバ、又は第1及び第2の通信デバイスの間の情報転送媒体について特別なタイプを何も必要としない(すなわち、発明は、転送チャネルの異なるタイプの組合せと同様、転送媒体の任意の所望のタイプを用いて実施されてもよい)。
パケット交換ネットワーク162は、インターネットのような任意のデータ及び/又は分散処理ネットワークである。通常、パケット交換ネットワーク162は、パケットフローを管理するためにプロキシ(不図示)、レジスタ(不図示)及びルータ(不図示)を含む。
図1に示すように、パケット交換ネットワーク162はセキュリティゲートウェイ178を介して通信デバイス174と通信し、回路交換ネットワーク152は外部の第2の通信デバイス180と通信する。
好適な構成において、サーバ110、パケット交換ネットワーク162及び第1の通信デバイス134−1〜Nは、セッション開始プロトコル(SIP)に対応しており、ライトウェイトディレクトリアクセスプロトコル(LDAP)、H.248、H.323、シンプルメールトランスファープロトコル(SMTP)、IMAP4、ISDN、E1/T1及びアナログ線又はトランク等の種々の他のプロトコルのためのインターフェースを含み得る。
理解されるように、サーバ110は、図1に示すように着信コンタクトを受信している通信コンポーネント(例えば、スイッチ130、ファックスサーバ、Eメールサーバ、ウェブサーバ及び/又は他のサーバ)によって、着信コンタクトについてLAN142を介して通知される。着信コンタクトは、選択されたエージェントに関連するIVRユニット122、ボイスメールサーバ118、及び/又は第1若しくは第2の通信デバイス134−1〜N、138−1〜M等のコンタクトセンタの特定のリソースに、コンタクトを送付又はルーティングする命令をサーバ110がコンポーネントに送付するまで、受信電気通信コンポーネントによって保持される。サーバ110は、これらのコンタクトを、上述の予め決められた基準に基づいて、利用可能なエージェントの電気通信デバイスに分配及び接続する。サーバ110がコンタクトをエージェントに送付するとき、サーバ110はまた、顧客関連情報をデータベース114からエージェントのコンピュータワークステーションに(ポップアップディスプレイ等による)閲覧のために送付して、エージェントがコンタクトセンタの顧客に、より良質なサービングを行うことを可能にする。エージェントのプロファイル、彼らの現在の作業ステータス及び着信コンタクトのパラメータに応じて、サーバ110は、コンタクトセンタのエージェントにマルチチャネルのコンタクトを割り当ててもよい。エージェントは、サーバ110によって彼らに送信された着信コンタクトを処理する。この実施形態は、顧客が企業とコンタクトを取るのに任意の媒体を使用可能な顧客関係管理(CRM)環境に特に適している。CRM環境では、リアルタイム及び非リアルタイム両方のコンタクトが均等な効率性及び有効性で対処及び分配されなくてはならない。さらに、リアルタイム音声分析器182は、コンタクト者とエージェントの間のリアルタイム(又はほぼリアルタイム)の音声を通信デバイス上で分析することができる。
図2は、コンタクトセンタにおいて第2のエージェントをコールについてアップデートするための処理200を示す。この点に関して、処理200は、機械実行可能プログラムコードを記憶するコンピュータ可読ハードウェア上で実施されることができ、プログラムコードはプロセッサに命令して、説明される処理を実行する。処理200はまた、メモリに接続されるプロセッサによって実行されてもよく、プロセッサはメモリに記憶されたプログラムコードによってプログラムされ、説明される処理を実行する。このようにして、処理200は、図1に関して上述した任意のサーバ上又は所望の別のデバイス上で実行され得る。
202において、コール(例えば、テレフォンコール、ビデオコール、チャットウィンドウ等)は、コンタクトセンタで受信される。204において、コールは、コンタクトセンタの第1のエージェントに関連するデバイスに接続される。例えば、コールが受信されると、そのコールに対処するのにエージェントに必要とされるスキル(例えば、技術サポート、販売業務等)の表示があり得る。例えば、コールに関連するコンタクト者は、自動音声応答(IVR)システムを通して進み、何のスキルが必要とされるかを示せばよい。他の例として、コンタクト者は、電話のタッチ選択を通して進んでもよい。いずれの場合においても、そのような表示が受信される場合には、表示されたスキル(又は表示されたスキルの少なくともサブセット)を有するエージェントに関連するデバイス(図1の134−1〜N)にコールはルーティングされてもよく、その結果エージェントはコールに対処することができる。さらに、コールは、将来の再生に備えて記録される。
206において、キーワードがコールに対して識別される。キーワードは、キーワードのリスト中に保持されればよく、後の再生用にコールのスニペットを識別するためにコールの間に検出される単語である。キーワードのリストは、コンタクト者が不快であることを表すキーワードを識別して、それらの単語をリストに追加することによって構成されてもよい。他の例として、任意のスキルがそのコールに重要であると表示される場合には、それらのスキルがキーワードとして構成されてもよい。またさらには、エージェントが困惑していることを示す単語がリストに追加されてもよい。他の例では、エージェントがそのコールを転送しようとしていることを示す単語が、後の再生用にコールのスニペットを識別するためにコールの間検出されるキーワードのリストに追加されてもよい。
さらに、「キーワード」は、1つの単語に限られるものではない。例えば、1つのキーワードはフレーズを含んでもよい(例えば、「私のセダンのバンパー」が1つのキーワードであってもよい)。
さらに、「キーワード」は単語でなくてもよい。例えば、コールがビデオ要素を含む場合には、キーワードのリストにジェスチャーがキーワードとして追加されてもよい。他の例として、コンタクトセンタが感情分析器を有する場合には、後の再生用にコールのスニペットを識別するためにコールの間検出されるキーワードのリストに、検出され得る感情(例えば、怒り、困惑等)が追加されてもよい。
キーワードのリストはまた、任意の場合においてコンタクトセンタの管理者が任意のコールで検出される任意の所望のキーワードを入力できるように構成可能であってもよい。さらに、他のキーワードは、すでに識別されたキーワードに基づいて特定され得る(図3下参照)。このように、リストは、静的部分(すなわち、特定のコールに関連しないキーワード)及び動的部分(特定のコール又はコールセンタのセクションに関連するキーワード)を有してもよい。
208において、音声分析(並びに、場合によっては、ジェスチャー分析及び/又は感情分析)は、コールの間リストの任意のキーワードが存在するか(すなわち、発言されたか)検出するのに使用される。この検出は(例えば、図1の音声分析器182を使用して)リアルタイム又はほぼリアルタイムで実行されるので、そのコールが第2のエージェントに転送されるより前に検出は実行される。例えば、サーバ又はエージェントデバイス上で余剰処理能力を有するコールセンタにおいて、検出は、コールが第1のエージェントに接続される時刻からコールの間ずっと実行され得る。一方、限られた処理能力のコンタクトセンタでは、コールが他のエージェントに転送されることをエージェントが表示した(例えば、エージェントがグラフィカルユーザインターフェース(GUI)、電話を通じて等により表示を与えてもよい)後まで音声分析は発生し得ない。そのような場合、コール転送の表示を受信すると、音声分析器はコールの始めからコールの録音を分析してキーワードを検出することができる。
210において、コールにおいて任意のキーワードが検出される場合には、検出されたキーワードに基づいてコールのスニペットが識別される。スニペットは、そのキーワードが検出される前、後又はその両方で検出された単語の設定数によって特定され得る。例えば、スニペットがキーワードの検出前後の10個の単語によって識別される場合には、スニペットは前に10個の単語、キーワード、及び後に10個の単語で21個の単語からなり得る。あるいは、スニペットは、そのキーワードを含む文全体として定義されてもよい。したがって、音声分析器がキーワードを含む文の始めと終わりを特定できる場合には、スニペットはその文全体となり得る。もう1つの例として、スニペットは、キーワードが検出される前、後又は両方の設定時間窓によって特定されてもよい。
212において、識別されたスニペットは、第2のエージェントに関連する重要度の点から順序付けされる。例えば、コールが転送されることを表示している第1のエージェントの近くでキーワードが発生する場合には、そのキーワードを含むスニペットは他のスニペットより高い重み付けを有し得る。他の例として、コンタクト者が怒っているという検出をキーワードが含む場合には、コンタクト者が怒り始めたことを表示したキーワードを含むスニペットが、より高い重み付けを保持し得る。さらなる例では、あるスニペットが他のスニペットよりも多くのキーワードを含む場合、そのスニペットは、より高い重み付けを付与され得る。他の基準(例えば、時系列、感情、重要キーワード(例えば、「私の口座を解約する」、転送理由等))がスニペットの順序を決定するのに使用されてもよく、そして2以上の基準がスニペットの順序付けを決定するのに使用されてもよい。
214において、順序付けされたスニペットは、上記で決定された順序で第2のエージェントに提示される。例えば、順序付けされたスニペットは、第2のエージェントがスニペット上をクリックして、そのスニペットの記録を再生できるようなGUIを介して第2のエージェントに提示されてもよい。GUIの例は、図5を参照してより詳細に説明される。ある実施形態では、スニペットは、第2のエージェントがスニペット上をクリックすることを要さず、又はスニペットがGUIを介して提示されることすらなく、第2のエージェントに提示される順番で再生を開始する。
コンタクト者がまだ第1のエージェントに関連づけられている間、順序付けされたスニペットの提示は実行され得るが、それにより、コールが第2のエージェントに転送されるより前に、第2のエージェントがスニペットを検討する時間を与える。一方、コンタクト者は、第2のエージェントが順序付けされたスニペットにアクセスする間、IVRにルーティング、又は保留にされ得る。
216において、コールは、第2のエージェントに関連するデバイスに接続される。この時点で、第2のエージェントは、コール及び第2のエージェントにそのコールを転送させた理由を理解しているはずである。そのため、コンタクト者は、第1のエージェントとのコールの一部を第2のエージェントに繰り返して言う必要がない。そして、処理200は、204にループバックし、コールが第3のエージェントに転送される場合に備えてスニペットを識別及び順序付けする。
ここで図3を参照して、キーワードを識別するための処理を示す。302において、図2の処理200のボックス204と同様に、キーワードが識別され、キーワードのリストに入れられる。304において、音声分析(並びに場合によっては感情分析及びジェスチャー分析)は、図2の処理200のボックス206と同様に、コール中にキーワードを検出する。306において、図2の処理200のボックス208と同様に、スニペットはキーワードに基づいて識別される。
キーワードのリストのためにキーワードを識別することは、コールの間にわたって発生し得る。例えば、ある単語がスニペット内に複数回見つかる場合には、その単語はキーワードとして識別され、リストに追加され得る。例えば、コンタクト者が与えたIVR応答から、あるキーワード(例えば「セダン」)が検出され、コンタクト者が「セダン」と言う回数の80%でコンタクト者が「私のセダンのバンパー」と言う場合には、「バンパー」がキーワードのリストに追加され得る。他の例として、コンタクト者がある単語を使用する直近の数回でコンタクト者が動転していることを感情検出器が検出する場合には、その単語がキーワードのリストに追加され得る。この処理は308において示されるが、この処理は継続的に発生してもよい。新しいキーワードが308において識別されると、処理300は304にループバックする。それ以外の場合、310において、図2の処理200のボックス212と同様に、識別されたスニペットが順序付けされる。
ボックス308とともに、312において、スニペットの順序付けに基づいて新しいキーワードが識別されると、それらのキーワードはキーワードのリストに追加される。例えば、上位3つのスニペットが全て、キーワードとして識別されていない単語を含む場合、その単語はキーワードのリストに追加され得る。この時点では、処理300は304にループバックする。図3の処理300は、ここに記載する処理200、400(図4)のいずれのサブ処理として使用されてもよい。例えば、処理300は、図2の処理200のボックス206〜212の代わりに使用されてもよい。
ここで図4を参照して、コールについて次のエージェントを通知するための処理400を示す。402において、コールが受信される。404において、コールは、新しいエージェントに関連するデバイスに接続される。コールに関連するエージェントがない場合(すなわち、コールがまだエージェントのデバイスに接続されていない場合)には、コールは第2のエージェントのデバイスに接続される。ボックス406〜410は、上述した図2のボックス206〜210と同様に動作する。
412において、コールに関する問題のためにそのコールが転送されるべきかについての決定がなされる。例えば、現在のエージェントが困惑しているので、そのコールは他のエージェントに転送されるべきであると現在のエージェントが決定する場合には、現在のエージェントはコールを転送する表示を送信し得る。
表示が受信される場合には、処理は414に続き、識別された任意のスニペットは、そのコールが前のエージェントとともにいたときのコールからのスニペットに追加される。例えば、現在のエージェントが、そのコールに対処した第2のエージェントである場合には、第2のエージェントに関連すると判定された任意のスニペットは、第1のエージェントに関連すると判定されたスニペットに追加される。したがって、第1のエージェントと共にいたコールの一部の間に識別された7個のスニペット及び第2のエージェントと共にいたコールの一部で識別された5個のスニペットがある場合、全部で12個の識別されたスニペットがある。
416において、スニペットは、図2のボックス212と同様に順序付けされる。なお、(直近のエージェントに対する重み付けがない限り)スニペットが識別されたとき誰がエージェントかに関わらず、全てのスニペットは順序付けされる。したがって、12個(7個が第1のエージェントに関連、5個が第2のエージェントに関連)のスニペットが識別された上記例において、直近に識別された5個のスニペットだけでなく、全12個のスニペットが順序付けされる。
418において、順序付けされたスニペットは、図2のボックス214と同様に新しいエージェントに提示される。例えば、第2のエージェントが第3のエージェントにコールを転送する必要がある場合には、第1及び第2の両方のエージェントから順序付けされたスニペットが第3のエージェントに提示される。
420において、コール転送パスがアップデートされる。コール転送パスは、コールに対処したことのあるエージェントを表示し、各エージェントがコールの一部にいつ対処したかについてのタイムスタンプ等のメタデータを含み得る。例えば、3人のエージェントが順次コールに対処した場合には、コール転送パスは第1のエージェント、第2のエージェント、及び第3のエージェントを含む。
412において、これ以上のコールの転送がないと判定される場合には、422において、コールの記録がメモリに記憶される。424において、転送パスがメモリに記憶され、426において、そのコールに関連するキーワードのリストがメモリに記憶される。
ここで図5を参照して、順序付けされたスニペットをエージェントに提示するためのGUI画面500の例を示す。順序付け及び提示されるスニペットは、ここに説明した処理200、300、400又はそれらの組合せのいずれかを使用して識別される。GUI画面500の上部には、いくつかのタブ502、504、506があり、「スニペット」タブ502が選択されている。図示するように、3つのタブ502、504、506があるが、GUI画面500の上部には任意数(ゼロを含む)のタブがあってもよい。
「スニペット」タブ502が選択されると、GUI画面500が順序付けされたスニペット508、510、512をGUI画面500の「順序付けされたスニペット」部514に示す。コールの会話記録516の一部は、GUI画面500の「会話記録」部518内で利用可能である。エージェントがスニペットを選択すると、「会話記録」部518はそのスニペット近辺のコールの会話記録516を示し、そのスニペット自体はマーキング(ハイライト、下線等)される。さらにスニペットは、選択を行っているエージェントに対して再生される。ある実施形態では、エージェントはスニペットを選択する必要がない、すなわち、スニペットは、順序付けされたスニペットの第1のスニペット508において再生をスタートさせるだけである。スニペットは、コンタクト者及びエージェントの声を直接使用して再生されてもよく、会話記録からテキスト音声合成を使用して再生されてもよく、又は合成音声を提供するための会話再生サーバを介して再生されてもよい。
GUI画面500は、順序付けされたスニペットをここで説明した処理200、300、400の順序付けとは異なる方法で再順序付けするボタン520を含み得る。図示するように、ボタン520は、スニペットを時系列順に再順序付けする。使用され得る他のボタンの例は、スニペットの長さで順序付け、スニペットに関連するエージェントによって順序付け、感情、重要キーワード、転送理由等を含む。さらに、スニペットを再順序付けする2以上のボタンがあってもよい。あるいは、順序付けは同じままでも、スニペットは異なる順番で再生されてもよい。例えば、スニペットは時系列順に再生され得るが、「スニペット」部514における順序付けは同一のままである。
さらに、クロック522は、コールがエージェントに転送されるまでのカウントダウンをエージェントに提供することができる。したがって、クロック522は、そのコールが第2のエージェントに転送される前に時間がどのくらい残されているかを表示する。この時間の間、コールは、現在のエージェントとともにいるままであってもよいし、保留されてもよいし、IVRに置かれるなどしてもよい。
「単語群」タブ504が選択されると、順序付けされたスニペットは、ユーザに単語の群として提示される。「転送パス」タブ506は、それまでのコールの転送パスを表示する。
以下の非限定的な例は、上記処理200、300、400を使用するコンタクトセンタにコールをする顧客の例を示す。処理200、300、400の一部は括弧内に提供され、2xxは図2からのものであり、3xxは図3からのものであり、4xxは図4からのものである。コンタクトセンタはコール(202、402)を受信し、顧客をインタラクティブボイスレスポンダ(IVR)に接続し、ここで顧客はコールがタイムトラベル車両のための保険についてであることを表示する。そのような場合、コールの初期キーワードは、「保険」及び「タイムトラベル車両」(206、302、406)となる。顧客は、第1のエージェントのデバイスに接続され(204、404)、第1のエージェントは顧客を支援するのを試みる。コールの間、音声分析器(例えば、図1のリアルタイム音声分析器182)は、キーワードに基づいて、いくつかのスニペットを識別する(208、210、304、306、408、410)。
スニペットは分析され、顧客はタイムトラベル車両の主ドライバは21歳未満であるということをいくつかのスニペット内に示すことが特定される。そのような場合、「21歳未満」がキーワードに追加され(308)、音声分析器はそのキーワードを検出して、1つ存在する任意の新しいスニペットを識別する(208、210、304、306、408、410)。
しばらくして、第1のエージェントは、21歳未満の人に対する保険は彼の知識の範囲外であると判定し、そこで彼はコールを第2のエージェントに転送することを決める(412)。これが最初の転送であるため、スニペットの既存のリストにそのスニペットを追加する必要は無く(414)、そのため、コールを転送する決定に時間的により近いスニペットに、より大きな重み付けを置くアルゴリズムに基づいてスニペットは順序付けされる(212、416)。順序付けに基づいて新しいキーワードは識別されず(312)、そして、順序付けされたスニペットは第2のエージェントに提示される(214、418)。
スニペットの提示は図5のGUI画面と同様であり、スニペットは第2のエージェントに対して自動的に再生し始める。スニペットを聞いた後、第2のエージェントが再度第2のスニペットを聞きたいので第2のエージェントは第2のスニペットをクリックすると、第2のスニペットの再生を開始する。数秒後、第2のエージェントは、彼女がコールを受信する前に起きたことについてアップデートされている。コールは第2のエージェントに転送され(216、404)、転送パスはアップデートされる(420)。
第2のエージェントは顧客の関心の全てに回答が可能であり、したがってコールについて何ら問題はなく(412)、そのためコールの記録、識別されたキーワード及び転送パスは必要に応じて後の検索のために全てメモリに記憶される(422、424、426)。
このようにして、第2のエージェントは、顧客が繰り返すことを要さずに、そのコールが何についてのものなのかを理解することができた。さらに、第2のエージェントは、顧客、エージェント又はその両方の声の調子、感情、苛立ち等を聞くことができるので、まさに何が起きていたのかについて、より理解を深める。さらに、スニペットの音声再生は、会話のみの場合よりも、短時間で要約することがおそらく容易である。
図6を参照すると、データ処理システムのブロック図が本発明に従って図示される。データ処理システム600は対称型マルチプロセッサ(SMP)システム、又はシステムバス620に接続された複数のプロセッサ610を含む他の構成を備え得る。あるいは、シングルプロセッサ610が用いられ得る。また、システムバス620に接続されているのは、ローカルメモリ630である。I/Oバスブリッジ640は、システムバス620に接続されて、I/Oバス650へのインターフェースを提供する。I/Oバスは、1つ以上のバス、及びストレージ660、取り外し可能な媒体ストレージ670、入出力デバイス(I/Oデバイス)680、ネットワークアダプタ690等のような対応するデバイス670を支持するのに用いられ得る。データ処理システムが、介在する私設又は公衆のネットワークを介して、他のデータ処理システム又は遠隔のプリンタ又はストレージデバイスに接続されることを可能とするように、ネットワークアダプタもシステムに接続され得る。
また、グラフィックアダプタ、ストレージ、及びそこに具現化されるコンピュータ利用可能なプログラムコードを有するコンピュータ利用可能記憶媒体等のデバイスは、I/Oバスに接続され得る。コンピュータ利用可能なプログラムコードが実行されて、本発明の任意の態様を実施、例えば、図1〜5に示される任意の方法及び/又はシステムコンポーネントの任意の態様を実施することができる。
当業者によって理解されるように、本開示の態様は、システム、方法又はコンピュータプログラム製品として具現化され得る。したがって、本開示の態様は、全てがハードウェアの実施形態、全てがソフトウェア(ファームウェア、常駐のソフトウェア、マイクロコード等を含む)の実施形態、又はここでは全て一般に「回路」、「モジュール」若しくは「システム」といわれることがあるソフトウェア及びハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形態をとり得る。さらに、本開示の態様は、そこで具現化されるコンピュータ可読プログラムコードを有する1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体において具現化されるコンピュータプログラム製品の形態をとり得る。
1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組合せが使用され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であればよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線若しくは半導体のシステム、装置若しくはデバイス、又は前記の任意の適切な組合せであればよいがこれに限定されるものではない。コンピュータ可読記憶媒体のより特殊な例(不完全なリスト)は以下:1本以上のワイヤを有する電気的接続、携帯型コンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、フラッシュメモリ、光ファイバ、携帯型コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、光学ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、又は前記の任意の適切な組合せを含む。本明細書の文脈において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって、又はそれらと関連して使用するためのプログラムを含む、又は記憶することができる任意の有形の媒体であればよい。
コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンドにおいて、又は搬送波の一部として、そこで具現化されるコンピュータ可読プログラムコードを有する伝搬データ信号を含み得る。そのような伝搬信号は、電磁気、光学、又はそれらの任意の適切な組合せを含むがこれに限定されるものではない任意の種々の形態をとり得る。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって、又はそれらと関連して使用するためのプログラムを伝達、伝搬又は転送することのできる任意のコンピュータ可読媒体であればよい。
コンピュータ可読媒体上で具現化されるプログラムコードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RF等、又は前記の任意の適切な組合せを含むがこれに限定されない任意の適切な媒体を使用して送信され得る。
本開示の態様に対する動作を実行するためのコンピュータプログラムは、Java、Smalltalk、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語及び「C」プログラミング言語又は同様なプログラミング言語のような従来の手続き型プログラミング言語を含む1つ以上のプログラミング言語の任意の組合せで記述され得る。プログラムコードは、スタンドアローンのソフトウェアパッケージとしてユーザのコンピュータ上で全体若しくは一部を、ユーザのコンピュータ上で一部及び遠隔コンピュータ上で一部を、又は遠隔コンピュータ若しくはサーバ上で全部を実行し得る。後者のシナリオでは、遠隔コンピュータはユーザのコンピュータに、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介して接続され得る、又は(例えば、ネットワークサービスプロバイダを使用しているネットワークを介して)外部のコンピュータに接続がなされ得る。
開示の実施形態による、方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャートの図及び/又はブロック図を参照して、本開示の態様が、ここに説明される。フローチャートの図及び/又はブロック図の各ブロック、並びにフローチャートの図及び/又はブロック図におけるブロックの組合せは、コンピュータプログラム命令によって実行され得るということがわかる。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータのプロセッサ又は他のプログラマブルデータ処理装置を介して実行する命令がフローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実行するための手段を生成するように、一般用途のコンピュータ、特殊な用途のコンピュータ、又はマシン製造のための他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供され得る。
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置又は他のデバイスに、コンピュータ可読媒体に記憶された命令がフローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実行する命令を含む1つの製品を製造するように特定の形態で機能するよう指示することができるコンピュータ可読媒体に記憶され得る。
また、コンピュータ又は他のプログラマブル装置上で実行する命令が、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実行するための処理を提供するように、コンピュータプログラム命令は、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイスに読み込まれ、一連の動作工程がコンピュータ、他のプログラマブル装置又は他のデバイス上で実行されるようにして、コンピュータで実行されるプロセスを生成することができる。
図面中のフローチャート及びブロック図は、本開示の種々の実施形態による、システム、方法及びコンピュータプログラム製品の、アーキテクチャ、機能性、及び可能な事例の動作を示す。この点において、フローチャート又はブロック図の各ブロックは、特定の論理関数を実行するための1つ以上の実行可能な命令を備える、モジュール、セグメント又はコードの一部を表し得る。また、ある代替実施例において、ブロック中に記される関数は、図中に記される順序に関係なく発生し得ることに留意すべきである。例えば、関連する機能性に応じて、連続して示される2つのブロックは事実上実質的に同時に実行されてもよいし、又はブロックは時には逆の順序で実行されてもよい。なお、ブロック図及び/又はフローチャートの図の各ブロック、並びにブロック図及び/又はフローチャートの図のブロックの組合せは、特定の機能若しくは動作を実行する特殊な用途のハードウェアによるシステム、又は特殊な用途のハードウェア及びコンピュータ命令の組合せによって実行されてもよい。
ここで使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のためだけのものであって、発明を限定するものではない。ここで使用されるように、単数形「a」、「an」及び「the」は、明示的に断りがない限り、複数形も同様に含むことを意図する。用語「comprises」及び/又は「comprising」は、本明細書中に使用される場合、記述された構成、整数、工程、動作、要素及び/又は構成要素の存在を示すが、1以上の他の構成、整数、工程、動作、要素、構成要素及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではないことがさらに理解されるはずである。
後述の請求項で機能要素を追加した全ての手段又は工程の、対応する構造、材料、作用及び均等物は、具体的に請求された他の請求項の要素と組み合わせて機能を実行するための任意の構造、材料又は作用を含むことを意図する。本開示の説明は、表示及び説明の目的のために提示されたが、網羅的であること又は開示された形態の発明に限定されることを意図しない。多くの変形例及び変化例は、発明の範囲及び精神から逸脱することなく、当業者にとって明らかである。開示の態様は、発明の本質及び実践的な応用の最良の説明を行い、予期される特定の使用に適合するような種々の変形を有する種々の実施形態に対する発明を当業者が理解するのを可能とするために選択及び記載された。