JP2019206086A - 液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置および液体噴射ヘッドの駆動方法 - Google Patents

液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置および液体噴射ヘッドの駆動方法 Download PDF

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直樹 濱嵜
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Abstract

【課題】印刷画質を向上させることが可能な液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置および液体噴射ヘッドの駆動方法を提供する。【解決手段】本開示の一実施の形態に係る液体噴射ヘッドは、液体を噴射する複数のノズルと、これら複数のノズルに個別に連通すると共に液体がそれぞれ充填される複数の圧力室を有し、その圧力室内の容積を変化させる圧電アクチュエータと、この圧電アクチュエータに対して1または複数のパルス信号を印加することにより、圧力室内の容積を膨張および収縮させて、圧力室内に充填された液体を噴射させる制御部とを備えている。この制御部は、液体を1滴噴射させる際に、複数のノズル間に重力方向に沿った高低差が生じるように液体噴射ヘッドが配置されている場合には、重力方向に沿った高低差に応じて、パルス信号のパルス数およびパルス幅のうちの少なくとも一方を調整する。【選択図】図8

Description

本開示は、液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置および液体噴射ヘッドの駆動方法に関する。
液体噴射ヘッドを備えた液体噴射記録装置が様々な分野に利用されている。液体噴射ヘッドでは、圧電アクチュエータにパルス信号が印加されることにより圧力室内の容積が変化し、それにより圧力室に充填された液体が、ノズルから噴射されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−205389号公報
このような液体噴射ヘッドでは一般に、印刷画質を向上させることが求められている。印刷画質を向上させることが可能な液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置および液体噴射ヘッドの駆動方法を提供することが望ましい。
本開示の一実施の形態に係る液体噴射ヘッドは、液体を噴射する複数のノズルと、これら複数のノズルに個別に連通すると共に液体がそれぞれ充填される複数の圧力室を有し、その圧力室内の容積を変化させる圧電アクチュエータと、この圧電アクチュエータに対して1または複数のパルス信号を印加することにより、圧力室内の容積を膨張および収縮させて、圧力室内に充填された液体を噴射させる制御部とを備えたものである。この制御部は、液体を1滴噴射(one firing)させる際に、複数のノズル間に重力方向に沿った高低差が生じるように液体噴射ヘッドが配置されている場合には、重力方向に沿った高低差に応じて、パルス信号のパルス数およびパルス幅のうちの少なくとも一方を調整する。
本開示の一実施の形態に係る液体噴射記録装置は、上記本開示の一実施の形態に係る液体噴射ヘッドを備えたものである。
本開示の一実施の形態に係る液体噴射ヘッドの駆動方法は、複数のノズルに連通する複数の圧力室内の容積を変化させる圧電アクチュエータに対して1または複数のパルス信号を印加することにより、圧力室内の容積を膨張および収縮させて、その圧力室内に充填された液体をノズルから1滴噴射させる際に、複数のノズル間に重力方向に沿った高低差が生じるように液体噴射ヘッドが配置されている場合には、重力方向に沿った高低差に応じて、パルス信号のパルス数およびパルス幅のうちの少なくとも一方を調整することを含むようにしたものである。
本開示の一実施の形態に係る液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置および液体噴射ヘッドの駆動方法によれば、印刷画質を向上させることが可能となる。
本開示の一実施の形態に係る液体噴射ヘッドの外観構成例を表す模式斜視図である。 図1に示した液体噴射ヘッドを備えた液体噴射記録装置の構成例を表す模式図である。 図2に示した液体噴射記録装置の構成例を表すブロック図である。 図2に示したノズルプレートおよびアクチュエータプレート等の断面構成例を表す模式図である。 図3に示したV部を拡大して表す模式断面図である。 液体の水頭差と液滴量との対応関係の一例を表す図である。 パルス信号のパルス幅と液滴量との対応関係の一例を表す図である。 パルス数およびパルス幅のうちの少なくとも一方についての調整方法の一例を表す模式波形図である。 パルス幅の調整方法の一例を表す模式波形図である。 パルス数の調整方法の一例を表す模式波形図である。 パルス数の調整方法の他の例を表す模式波形図である。 パルス幅の調整方法についての詳細例を表す模式波形図である。 変形例に係る液体噴射ヘッドの駆動方法の一例を表す模式図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(パルス数およびパルス幅のうちの少なくとも一方を調整する手法の例)
2.変形例(パルス信号の波形調整領域を3分割して配置した場合の例)
3.その他の変形例
<1.実施の形態>
[プリンタ3の構成]
図1は、本開示の一実施の形態に係る液体噴射ヘッドとしてのインクジェットヘッド1の外観構成例を、模式的に斜視図で表したものである。図2は、このインクジェットヘッド1を備えた、本開示の一実施の形態に係る液体噴射記録装置としてのプリンタ3の構成例を、模式図で表したものである。図3は、このプリンタ3の構成例をブロック図で表したものである。なお、本明細書の説明に用いられる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
また、図2では、インクジェットヘッド1における後述する複数のノズル孔Hn間に、重力方向dgに沿った高低差が生じるように、インクジェットヘッド1が配置されている場合の例を示している。具体的には、この図2では、詳細は後述するが、複数のノズル孔Hnの配列方向(X軸方向)が、水平方向dHと交差する方向(この例では、重力方向dg(垂直方向dV))となっている。
プリンタ3は、後述するインク9を利用して、被記録媒体(例えば記録紙)に対し、画像や文字等の記録(印刷)を行うインクジェットプリンタである。このプリンタ3は、図1〜図3に示したように、インクジェットヘッド1と、インク容器2およびインク供給チューブ20と、情報入力部30とを備えている。
ここで、インクジェットヘッド1は、本開示における「液体噴射ヘッド」の一具体例に対応し、プリンタ3は、本開示における「液体噴射記録装置」の一具体例に対応している。また、インク9は、本開示における「液体」の一具体例に対応している。なお、本開示の一実施の形態に係る液体噴射ヘッドの駆動方法は、本実施の形態のプリンタ3において具現化されるため、以下、併せて説明する。この点は、後述する各変形例においても同様である。
インク容器2は、図2に示したように、インク9を内部に収容する容器である。インク供給チューブ20は、図2に示したように、インク容器2の内部に収容されているインク9を、後述するインク供給口14からインクジェットヘッド1に対して供給するためのチューブである。
情報入力部30は、図3に示したように、インクジェットヘッド1内の後述する制御部19に対して、各種の情報(データ)を供給するものであり、このような各種の情報の入力や、各種の設定および操作等が行われるようになっている。このような情報入力部30は、例えば、プリンタ3の筺体等に配設されるタッチパネルを用いて構成されている。なお、情報入力部30がプリンタ3自体に設けられるのではなく、例えば、プリンタ3に対してネットワークを介して接続された、ホストコンピュータであってもよい。
(インクジェットヘッド1)
インクジェットヘッド1は、図1,図2中の破線の矢印で示したように、後述する複数のノズル(ノズル孔Hn)から被記録媒体に対して液滴状のインク9を噴射(吐出)して、画像や文字等の記録を行うヘッドである。また、このインクジェットヘッド1は、後述する複数のチャネル(チャネルC1)における延在方向(Y軸方向)の中央部からインク9を吐出する、いわゆるサイドシュートタイプのインクジェットヘッドである。インクジェットヘッド1は、図2に示したように、ノズルプレート11およびアクチュエータプレート(圧電アクチュエータ)12等を有している。
図4は、図2に示したノズルプレート11およびアクチュエータプレート12等の断面構成例(Z−X断面構成例)を、模式的に表したものである。また、図5は、図4に示したV部を拡大して模式的に断面図(Z−X断面図)で表したものである。
インクジェットヘッド1は、図1〜図5に示したように、上記したノズルプレート11およびアクチュエータプレート12に加え、カバープレート13、インク供給口14、エアダンパー15、駆動基板16、姿勢検知部18および制御部19を有している。
なお、ノズルプレート11、アクチュエータプレート12およびカバープレート13は、例えば接着剤等を用いて互いに貼り合わされており、Z軸方向に沿ってこの順に積層されている(図4,図5参照)。また、カバープレート13の上面に、所定の流路を有する流路プレート(不図示)が設けられているようにしてもよい。
ノズルプレート11は、ポリイミド等のフィルム材または金属材料により構成されたプレートであり、図1,図2,図4,図5に示したように、インク9を噴射する複数のノズル孔Hnを有している。これら複数のノズル孔Hnは、X軸方向に沿って所定の間隔をおいて一直線上(1列)に並んで形成されており、円形状となっている。また、図2に示した配置例では、これら複数のノズル孔Hnは、重力方向dg(垂直方向dV)に沿って配列されている。したがって、この図2に示した配置例では、各ノズル孔Hnから水平方向dHへ向けて、インク9が噴射されるようになっている(図2中の破線の矢印参照)。
なお、各ノズル孔Hn(図2中に示した、後述するノズル孔Hn1,Hn2を含む)は、下方に向かうに従って漸次縮径するテーパ状の貫通孔となっており(図4,図5参照)、本開示における「ノズル」の一具体例に対応している。
アクチュエータプレート12は、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電材料により構成されたプレートであり、詳細は後述するが、後述する吐出チャネルC1e内の容積をそれぞれ変化させるようになっている。このアクチュエータプレート12は、その分極方向が厚み方向(Z軸方向)に沿って一方向に設定されている1つ(単一)の圧電基板によって、構成されている(いわゆる、カンチレバータイプ)。ただし、アクチュエータプレート12の構成としては、このカンチレバータイプには限られない。すなわち、例えば、分極方向が互いに異なる2つの圧電基板を厚み方向(Z軸方向)に沿って積層することによって、アクチュエータプレート12を構成するようにしてもよい(いわゆる、シェブロンタイプ)。
なお、このアクチュエータプレート12は、本開示における「圧電アクチュエータ」の一具体例に対応している。
ここで、図4,図5に示したように、チャネルC1には、インク9を吐出させるための(インク9が充填される)吐出チャネルC1eと、インク9を吐出させない(インク9が充填されない)ダミーチャネルC1dとが存在している。これらの吐出チャネルC1eとダミーチャネルC1dとは、X軸方向に沿って交互に配置されている。複数の吐出チャネルC1eはそれぞれ、ノズルプレート11における複数のノズル孔Hnに対して個別に連通している一方、複数のダミーチャネルC1dはそれぞれ、これらのノズル孔Hnには連通しておらず、ノズルプレート11の上面によって下方から覆われている(図4参照)。
なお、このような吐出チャネルC1eは、本開示における「圧力室」の一具体例に対応している。
ここで、図4,図5に示したように、上記した駆動壁Wdにおける対向する内側面にはそれぞれ、Y軸方向に沿って延在する駆動電極Edが設けられている。この駆動電極Edには、吐出チャネルC1eに面する内側面に設けられたコモン電極(共通電極)Edcと、ダミーチャネルC1dに面する内側面に設けられたアクティブ電極(個別電極)Edaとが存在している。なお、このような駆動電極Ed(コモン電極Edcおよびアクティブ電極Eda)は、図4,図5に示したように、駆動壁Wdの内側面上において、深さ方向(Z軸方向)の中間位置までしか形成されていない。
同一の吐出チャネルC1e内で対向する一対のコモン電極Edc同士は、コモン端子(不図示)において互いに電気的に接続されている。また、同一のダミーチャネルC1d内で対向する一対のアクティブ電極Eda同士は、互いに電気的に分離されている。一方、吐出チャネルC1eを介して対向する一対のアクティブ電極Eda同士は、アクティブ端子(不図示)において互いに電気的に接続されている。これらのコモン端子およびアクティブ端子はそれぞれ、フレキシブルプリント基板(不図示)に形成された配線パターン(不図示)を介して、後述する駆動基板16における駆動回路に対して電気的に接続されている。これにより、このフレキシブル基板を介して、駆動回路から各駆動電極Edに対し、後述する駆動電圧Vd(パルス信号Sp)が印加されるようになっている。
カバープレート13は、図4,図5に示したように、アクチュエータプレート12における各チャネルC1を閉塞するように配置されている。具体的には、このカバープレート13は、アクチュエータプレート12の上面に接着されており、板状構造となっている。
インク供給口14は、図1,図2に示したように、インク容器2内から前述したインク供給チューブ20を介して、インクジェットヘッド1内にインク9が供給される部分である。
エアダンパー15は、インク供給口14から供給されたインク9が内部を通過する部分であり、上記したカバープレート13およびアクチュエータプレート12(各吐出チャネルC1e)を介して各ノズル孔Hnへ向けて、インク9が供給されるようになっている。このエアダンパー15は、例えば印刷動作中のインクジェットヘッド1に物理的な衝撃が与えられた場合でも、いわゆるノズル抜けなどの不具合を発生しにくくするバッファ機能を有しており、様々な形態のものがある。
駆動基板16は、後述する制御部19を含む駆動回路(前述)が形成されている基板である。この駆動回路には、前述した情報入力部30から各種の情報(印刷データ等)が供給され、前述したフレキシブル基板を介して、駆動回路からアクチュエータプレート12の各駆動電極Edに対し、後述する駆動電圧Vd(パルス信号Sp)が印加されるようになっている。
姿勢検知部18は、インクジェットヘッド1の姿勢を常時検知するものであり、例えば加速度センサや地磁気センサ等を用いて構成されている。この姿勢検知部18は、具体的には、複数のノズル孔Hnの配列方向(X軸方向:図1,図2,図4参照)が、水平方向dHと平行となっているのか否かを検知するようになっている(図2参照)。このようにして姿勢検知部18により検知された、インクジェットヘッド1の姿勢情報Ipは、図3に示したように、制御部19へと随時供給されるようになっている。
制御部19は、インクジェットヘッド1の各構成部品に電気的に接続されて相互に信号を送受信することで、各構成部品を包括的に制御するものである。具体的には、制御部19は、インクジェットヘッド1における各種動作(インク9の噴射動作等)を制御するようになっている。詳細には図3に示したように、制御部19は、情報入力部30から各種情報(印刷データ等)を入力するとともに、アクチュエータプレート12に対して前述した駆動電圧Vd(パルス信号Sp)を出力することで、各ノズル孔Hnからのインク9の噴射動作を制御する。この際に制御部19は、後述する所定の場合には、パルス信号Spにおけるパルス数およびパルス幅のうちの少なくとも一方を調整する(パルス信号Spの波形調整を行う)ようになっている。また、制御部19は、詳細は後述するが、上記した姿勢検知部18から供給される姿勢情報Ipを利用して、そのような波形調整を行うようになっている。なお、このような制御部19による制御動作(パルス信号Spの波形調整方法)の詳細については、後述する(図8〜図12等参照)。
このような制御部19は、各種の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、このCPUによって実行すべき制御プログラム等を格納するROM(Read Only Memory)と、各種データのバッファや演算処理のワークエリアとして用いられるRAM(Random Access Memory)と、を有している。
[動作および作用・効果]
(A.プリンタ3の基本動作)
このプリンタ3では、以下のようなインクジェットヘッド1によるインク9の噴射動作を用いて、被記録媒体に対する画像や文字等の記録動作(印刷動作)が行われる。具体的には、本実施の形態のインクジェットヘッド1では、以下のようにして、せん断(シェア)モードを用いたインク9の噴射動作が行われる。
まず、制御部19は、インクジェットヘッド1内の駆動電極Ed(コモン電極Edcおよびアクティブ電極Eda)に対し、前述した駆動電圧Vd(パルス信号Sp)を印加する。具体的には、制御部19は、吐出チャネルC1eを画成する一対の駆動壁Wdに配置された各駆動電極Edに対し、駆動電圧Vdを印加する。これにより、これら一対の駆動壁Wdがそれぞれ、その吐出チャネルC1eに隣接するダミーチャネルC1d側へ、突出するように変形する(図4参照)。
ここで、前述したように、アクチュエータプレート12では、分極方向が一方向に設定されていると共に、駆動電極Edが、駆動壁Wdにおける内側面上の深さ方向の中間位置までしか形成されていない。このため、制御部19によって駆動電圧Vdを印加することで、駆動壁Wdにおける深さ方向の中間位置を中心として、駆動壁WdがV字状に屈曲変形することになる。そして、このような駆動壁Wdの屈曲変形により、吐出チャネルC1eがあたかも膨らむように変形する(図5中に示した膨張方向da参照)。
ちなみに、アクチュエータプレート12の構成が、このようなカンチレバータイプではなく、前述したシェブロンタイプである場合には、以下のようにして、駆動壁WdがV字状に屈曲変形する。すなわち、このシェブロンタイプの場合、アクチュエータプレート12の分極方向が厚み方向に沿って異なっている(前述した2つの圧電基板が積層されている)と共に、駆動電極Edが、駆動壁Wdにおける内側面上の深さ方向の全体に亘って形成されている。このため、上記した制御部19によって駆動電圧Vdを印加することで、駆動壁Wdにおける深さ方向の中間位置を中心として、駆動壁WdがV字状に屈曲変形することになる。その結果、この場合においても、このような駆動壁Wdの屈曲変形により、吐出チャネルC1eがあたかも膨らむように変形することになる(図5中に示した膨張方向da参照)。
このように、一対の駆動壁Wdでの圧電厚み滑り効果による屈曲変形によって、吐出チャネルC1eの容積が増大する。そして、吐出チャネルC1eの容積が増大することにより、インク9が吐出チャネルC1e内へ誘導されることになる。
次いで、このようにして吐出チャネルC1e内へ誘導されたインク9は、圧力波となって吐出チャネルC1eの内部に伝播する。そして、ノズルプレート11のノズル孔Hnにこの圧力波が到達したタイミングで、駆動電極Edに印加される駆動電圧Vdが、0(ゼロ)Vとなる。これにより、上記した屈曲変形の状態から駆動壁Wdが復元する結果、一旦増大した吐出チャネルC1eの容積が、再び元に戻ることになる(図5中に示した収縮方向db参照)。
このようにして、吐出チャネルC1eの容積が元に戻ると、吐出チャネルC1e内部の圧力が増加し、吐出チャネルC1e内のインク9が加圧される。その結果、液滴状のインク9が、ノズル孔Hnを通って外部へと(被記録媒体へ向けて)吐出される(図1,図2,図4,図5参照)。このようにしてインクジェットヘッド1におけるインク9の噴射動作(吐出動作)がなされ、その結果、被記録媒体に対する画像や文字等の記録動作が行われることになる。
特に、本実施の形態のノズル孔Hnはそれぞれ、前述したように、下方に向かうに従って漸次縮径するテーパ状となっているため(図4,図5参照)、インク9を高速度で真っ直ぐに(直進性良く)吐出することができる。よって、高画質な記録を行うことが可能となる。
(B.制御部19による制御動作)
次に、図1〜図5に加えて図6〜図12を参照して、前述した制御部19による制御動作(前述したパルス信号Spの波形調整方法)について、詳細に説明する。
まず、インクジェットヘッドでは一般に、近年、特に産業用の分野において、樹脂や金属などあらゆる材質への印刷化や、印刷速度の高速化などの要求が高まっている。このため、高周波数や高温などの条件下において、多種多様なインクを使用して液滴噴射が可能な、インクジェットヘッドが製品化されている。また、画質の高精細性(高画質化)も求められるため、例えば液滴サイズの階調を増加させて吐出動作を行うことで、小液滴から大液滴までをカバーするようにした、インクジェットヘッドも開発されている。このようにしてインクジェットヘッドでは、高精細性および高生産性の双方が求められており、このことは、写真や文書などのOA(Office Automation)用途だけでなく、ダンボールや木材などの産業用途においても言えることである。
(B−1.水頭差hと液滴量Vとの対応関係について)
ところで、特にダンボールなどの梱包物の表示に、インクジェットヘッドによる印刷(インクジェット印刷)を適用する場合、被印刷面へ向けて、インクを水平方向へ噴射させる手法が用いられる(前述した図2の例を参照)。インクジェット印刷の際には一般に、ノズル面(複数のノズル孔の配列面)が水平方向に沿って配置されるようにするが、上記のように対象物の側面に印刷する場合、水平方向以外の方向(垂直方向や斜め方向)に沿って、ノズル面を配置することになる。また、このようにして、ノズル面を水平方向以外の方向に沿って配置する手法は、工場などのラインで大量生産する際にも使用されている。
この手法(吐出方法)による利点は、印刷してから梱包できないものや、梱包の向きが変更できないものであっても、対応が可能となるということである。
ところが、ノズル面を水平方向以外の方向に沿って配置した場合、複数のノズル孔間に重力方向に沿った高低差が生じることから(図2参照)、各ノズル孔とインクの液面との間に高低差が生じるため、インクジェットヘッド本来の性能を得ることが困難となる。具体的には、以下説明するように、複数のノズル孔間で印刷濃度のばらつきが生じ、印刷画質が低下してしまうおそれがある。
ここで、図6は、インク9の水頭差h(インク容器2内のインク9の液面と各ノズル孔Hnとの水頭差h:図2参照)と、各ノズル孔Hnから吐出される液滴量Vとの対応関係の一例(実験例)を、グラフG1として表したものである。なお、この実験は、エスアイアイ・プリンテック社製のインクジェットヘッドを用いて検証されたものである。
この図6中のグラフG1に示したように、インク9の水頭差hが、各ノズル孔Hnから吐出される液滴量Vを左右している。すなわち、この水頭差hが大きくなるのに従って、ノズル孔Hnのメニスカスに生じる背圧が大きくなるため、インク9の吐出量が減少していくことになる。
ここで、通常のインクジェット印刷(各ノズル孔Hnから垂直方向dV(重力方向dg)へ向けてインク9が噴射される場合)では、各ノズル孔Hnにおいて水頭差hの値が変わらない(一定値である)ため、全てのノズル孔Hnにおいて、均一な液滴量Vとなる。これに対して、図2に示した配置例のように、複数のノズル孔Hnの配列方向が水平方向dHではなく、複数のノズル孔Hn間に重力方向dgに沿った高低差が生じるようにインクジェットヘッド1が配置されている場合、以下のようになる。すなわち、この図2の配置例では、各ノズル孔Hnから水平方向dHへ向けてインク9が噴射されるため、ノズル孔Hn間において、インク9の水頭差hの値に差異が生じる。
具体的には、図2,図6に示した例では、重力方向dgに沿って上方側(最上端)のノズル孔Hn1では、水頭差h1となっており、重力方向dgに沿って下方側(最下端)のノズル孔Hn2では、水頭差h2(<水頭差h1)となっている。
この場合、水頭差hが相対的に大きいノズル孔Hn1(水頭差h1)では、水頭差hが相対的に小さいノズル孔Hn2(水頭差h2)と比べ、インク容器2内からインク9が供給されにくくなるため、吐出されるインク9の液滴量Vが小さくなる。すなわち、図6に示したように、ノズル孔Hn1(水頭差h1)における液滴量V1は、ノズル孔Hn2(水頭差h2)における液滴量V2と比べ、小さくなっている(液滴量V1<液滴量V2)。このため、水頭差hが相対的に大きいノズル孔Hn1(水頭差h1)では、水頭差hが相対的に小さいノズル孔Hn2(水頭差h2)と比べ、印刷濃度が小さくなることから、複素のノズル孔Hn間で、印刷濃度のばらつきが生じてしまうことになる。なお、このような水頭差h1,h2間での液滴量Vの変化量(液滴量V1,V2の差)は、一例として、4%程度である。
このようにして、図2に示した配置例のように、複数のノズル孔Hn間に重力方向dgに沿った高低差が生じるようにインクジェットヘッド1が配置されている場合、以下のようになる。すなわち、上記したような重力の影響(ノズル孔Hn間でのインク9の水頭差hの値の差異)に起因して、複数のノズル孔Hn間において、印刷濃度のばらつきが生じてしまうおそれがある。
なお、上記した水頭差h1,h2間の差異は、インクジェットヘッド1における有効印刷長に相当する(図2参照)。このため、ノズル孔Hnの数(ノズル数)が多い、いわゆる長尺タイプのインクジェットヘッドの場合に、上記した問題が特に顕著に現れると言える。ちなみに、この水頭差h1,h2間の差異(有効印刷長)は、一例として、72mm程度である。
(B−2.パルス信号Spのパルス幅Wと液滴量Vとの対応関係について)
また、図7は、前述したパルス信号Spにおけるパルス幅(パルス幅W)と、各ノズル孔Hnから吐出される液滴量Vとの対応関係の一例(実験例)を、グラフG21,G22,G23として表したものである。なお、この実験も、エスアイアイ・プリンテック社製のインクジェットヘッドを用いて検証されたものである。
ここで、グラフG21は、後述するポジティブパルス信号を1回印加する駆動波形(駆動電圧Vdのタイミング波形)の場合に相当し、いわゆる「1ドロップ(1d)」の場合である。また、グラフG22は、いわゆる「マルチパルス方式」によるインクジェットヘッド1の駆動方法の場合において、上記したポジティブパルス信号を2回印加する場合(いわゆる「2ドロップ(2d)」の場合)に相当する。同様に、グラフG23は、上記したポジティブパルス信号を3回印加する場合(いわゆる「3ドロップ(3d)」の場合)である。
この図7中のグラフG21,G22,G23にそれぞれ示したように、パルス信号Spにおけるパルス幅W(後述する図8参照)が、パルス幅W1,W2,W3と変化(増加)していくのに従って、各ノズル孔Hnから吐出される液滴量Vも、変化してくことが分かる。具体的には、上記した「1d」,「2d」,「3d」のいずれの場合においても、パルス幅W1からパルス幅W2へとパルス幅Wが増加するのに従って、液滴量Vが増加していくことが分かる。一方、「1d」,「2d」,「3d」のいずれの場合においても、パルス幅W2からパルス幅W3へとパルス幅Wが増加するのに従って、液滴量Vが減少していくことが分かる。このように、パルス信号Spにおけるパルス幅W等について波形調整を行うことで、各ノズル孔Hnから吐出される液滴量Vを変化させて調整することが可能となると言える。
ちなみに、図7の例では、パルス幅W2を基準としたパルス幅W1までの液滴量Vの変化率は、例えば以下のようになっている。すなわち、「1d」の場合には一例として、13.9%程度であり、「2d」の場合には一例として、9.7%程度であり、「3d」の場合には一例として、0.2%程度である。また、パルス幅W2を基準としたパルス幅W3までの液滴量Vの変化率は、例えば以下のようになっている。すなわち、「1d」の場合には一例として、2.1%程度であり、「2d」の場合には一例として、5.4%程度であり、「3d」の場合には一例として、4.3%程度である。
(B−3.パルス信号Spの波形調整方法)
以上のことから、本実施の形態のインクジェットヘッド1では、以下のようにして、パルス信号Spにおける波形調整を行うことで、前述した複数のノズル孔Hn間での印刷濃度のばらつきを抑えるようにしている。
図8〜図12はそれぞれ、制御部19によるパルス信号Spの波形調整方法の一例を、模式波形図で表したものである。具体的には、図8は、以下説明するように、パルス信号Spにおけるパルス数およびパルス幅Wのうちの少なくとも一方についての調整方法の一例を、示している。また、図9は、パルス信号Spにおけるパルス幅Wの調整方法の一例を、示している。一方、図10,図11はそれぞれ、パルス信号Spにおけるパルス数の調整方法の一例を、示している。また、図12は、パルス幅Wの調整方法についての詳細例を、示している。なお、これらの図8〜図12において、横軸は時間tを、縦軸は駆動電圧Vd(この例では正電圧)を、それぞれ示している。
まず、図8(A)〜図8(C)に示したパルス信号Spはいずれも、立ち上がりタイミングと立ち下がりタイミングとの間に、ON期間(「ON」のパルス幅W)を有している。そして、これらのパルス信号Spはいずれも、ハイ(High)状態の期間において吐出チャネルC1eを膨張させる(括弧内の膨張方向daを参照)と共に、ロウ(Low)状態の期間において吐出チャネルC1eを収縮させる(括弧内の収縮方向dbを参照)、パルス信号(ポジティブパルス信号)となっている。
ここで、本実施の形態の制御部19は、インク9を1滴噴射させる際に、複数のノズル孔Hn間に重力方向dgに沿った高低差が生じるようにインクジェットヘッド1が配置されている場合(図2参照)には、以下のようにして、パルス信号Spにおける波形調整を行う。すなわち、図8(A)〜図8(C)に示したように、制御部19は、重力方向dgに沿った高低差に応じて、パルス信号Spのパルス数およびパルス幅Wのうちの少なくとも一方を調整する。
具体的には、例えば図8(A)中の破線で示したON期間のように、制御部19は、パルス信号Spのパルス数を調整する(この例では、パルス数が1つから2つに増加するように、パルス数を調整している)。あるいは、例えば図8(B)中の破線の矢印で示したように、制御部19は、パルス信号Spにおけるパルス幅Wが、増加または減少するように、調整を行う。また、例えば図8(C)中の破線で示したように、制御部19は、図8(A),図8(B)で示した調整方法を組み合わせることで、パルス信号Spにおけるパルス数およびパルス幅Wの双方を調整する。
また、図9(A)〜図9(C)に示したパルス信号Spはいずれも、「マルチパルス方式」が適用されるパルス信号として、以下の複数(3つ)のパルス信号が設けられている(前述した「3ドロップ(3d)」の場合の例)。すなわち、そのようなパルス信号として、1つ目のON期間(「ON1」のパルス幅Wa)を有するパルス信号と、2つ目のON期間(「ON2」のパルス幅Wb)を有するパルス信号と、3つ目のON期間(「ON3」のパルス幅Wc)を有するパルス信号と、の3つが設けられている。
このような「マルチパルス方式」が適用されたパルス信号Spの場合、制御部19は、これら複数(3つ)のパルス幅Wa,Wb,Wcのうちの少なくとも1つについて、パルス幅の調整を行う。また、この場合、制御部19は、これら3つのパルス幅Wa,Wb,Wcのうち、少なくとも、最終パルス信号におけるパルス幅(この例では、パルス幅Wc)について、パルス幅の調整を行うのが望ましい。そして、制御部19は、これら3つのパルス幅Wa,Wb,Wcのうち、最終パルス信号におけるパルス幅(この例では、パルス幅Wc)のみについて、パルス幅の調整を行うのが、更に望ましい。
具体的には、図9(A)に示した例では、制御部19は、3つのパルス幅Wa,Wb,Wcのうち、パルス幅Wb(2つ目のON期間「ON2」のパルス幅)のみについて、パルス幅の調整を行うようにしている(図9(A)中の破線の矢印参照)。また、図9(B)に示した例では、制御部19は、パルス幅Wbと、最終パルス信号のパルス幅Wc(3つ目のON期間「ON3」のパルス幅)との双方について、パルス幅の調整を行うようにしている(図9(B)中の破線の矢印参照)。更に、図9(C)に示した例では、制御部19は、最終パルス信号のパルス幅Wcのみについて、パルス幅の調整を行うようにしている(図9(C)中の破線の矢印参照)。
また、制御部19は、重力方向dgに沿って相対的に上方側に位置するノズル孔Hnに対応するパルス信号Spのパルス数が、重力方向dgに沿って相対的に下方側に位置するノズル孔Hnに対応するパルス信号Spのパルス数よりも多くなるように、パルス数を調整してもよい。この際に、制御部19は、ノズルプレート11における複数のノズル孔Hnに対応するパルス信号Spを、複数の波形調整領域に分割したうえで、個別に(独立して)出力する。
具体的には、まず、図2に示した例では、パルス信号Spの波形調整領域が、2つの波形調整領域A1,A2に分割(2分割)されている。つまり、重力方向dgに沿った上端(水頭差h1)のノズル孔Hn1を含む、相対的に上方側のノズル孔Hnに適用される波形調整領域A1と、重力方向dgに沿った下端(水頭差h2)のノズル孔Hn2を含む、相対的に下方側のノズル孔Hnに適用される波形調整領域A2とが、設けられている。そして、制御部19は、以下説明するように、波形調整領域A1に適用されるパルス信号Sp1と、波形調整領域A2に適用されるパルス信号Sp2と、の2種類のパルス信号Sp1,Sp2を用いて、2つの波形調整領域A1,A2を個別に(独立して)制御する。
ここで、図10(A),図10(B)に示した例では、制御部19は、以下のようにして、2つの波形調整領域A1,A2におけるパルス信号Sp1,Sp2に対して、個別に波形調整を行う。すなわち、制御部19は、波形調整領域A1に適用されるパルス信号Sp1におけるパルス数(パルス幅Wb,Wcの2つのパルス数)が、波形調整領域A2に適用されるパルス信号Sp2におけるパルス数(パルス幅Wcの1つのパルス数)よりも多くなるように、パルス数を調整している。
また、例えば図11(A),図11(B)に示した例では、前述した「マルチパルス方式」の場合において、制御部19は以下のようにして、波形調整を行う。すなわち、制御部19は、波形調整領域A1に適用されるパルス信号Sp1におけるパルス数(パルス幅Wa,Wb,Wcの3つのパルス数)が、波形調整領域A2に適用されるパルス信号Sp2におけるパルス数(パルス幅Wb,Wcの2つのパルス数)よりも多くなるように、パルス数を調整している。
また、制御部19は、重力方向dgに沿って相対的に下方側に位置するノズル孔Hnに対応するパルス信号Spのパルス幅Wを調整することにより、複数のノズル孔Hn間において、吐出されるインク9の液滴量Vの差を減少させるようにしてもよい。この際にも、制御部19は、複数のノズル孔Hnに対応するパルス信号Spを、複数の波形調整領域に分割したうえで、個別に(独立して)出力する。
具体的には、図12(A),図12(B)に示した例では、制御部19は、以下のようにして、前述した2つの波形調整領域A1,A2におけるパルス信号Sp1,Sp2に対して、個別に波形調整を行っている。すなわち、制御部19は、まず、波形調整領域A1に適用されるパルス信号Sp1については、最終パルス信号のパルス幅Wcが、オンパルスピーク(AP)の幅と等しくなるように調整する(Wc=AP[μs]:図12(A)参照)。また、制御部19は、波形調整領域A2に適用されるパルス信号Sp2については、最終パルス信号のパルス幅Wcが、APの幅に所定の期間X[μs]を加算した幅となるように調整する(Wc=(AP+X)[μs]:図12(B)参照)。
なお、上記したAPとは、吐出チャネルC1e内におけるインク9の固有振動周期の1/2の期間(1AP=(インク9の固有振動周期)/2)に対応しており、通常の1滴分のインク9を吐出(1滴吐出)させる際に、インク9の噴射速度が最大となるようになっている。また、このAPは、例えば、吐出チャネルC1eの形状やインク9の比重などによって、規定されるようになっている。
また、図12(A),図12(C)に示した例では、制御部19は、以下のようにして、前述した2つの波形調整領域A1,A2におけるパルス信号Sp1,Sp2に対して、個別に波形調整を行っている。すなわち、制御部19は、まず、波形調整領域A1に適用されるパルス信号Sp1については、上記したように、最終パルス信号のパルス幅Wcが、APの幅と等しくなるように調整する(Wc=AP[μs]:図12(A)参照)。また、制御部19は、波形調整領域A2に適用されるパルス信号Sp2については、最終パルス信号のパルス幅Wcが、APの幅から上記した期間X[μs]を減算した幅となるように調整する(Wc=(AP−X)[μs]:図12(C)参照)。
ここで、例えば図12中に示したように、上記した期間X[μs]は、以下説明する水頭差の差分値Hと所定の定数αとの乗算値(X=H×α)、という数式で規定されるようにするのが望ましい。この数式において、重力方向dgに沿って相対的に上方側に位置するノズル孔Hn(例えば図2中のノズル孔Hn1)と、相対的に下方側に位置するノズル孔Hn(例えば図2中のノズル孔Hn2)との間における、水頭差hの差分値を、H[cm]としている。また、所定の定数を、α[μs/cm](0.1<α<0.6)としている。ちなみに、図2に示した例では、水頭差の差分値Hは、H=(h1−h2)となる(図12中の数式参照)。
なお、この数式については、基本的には非常に狭い範囲にて規定されることから、例えば、所定の一次関数を用いて近似的に規定するようにしてもよい。
また、制御部19は、このようにしてパルス信号Spの波形調整を行う際に、姿勢検知部18により検知されたインクジェットヘッド1の姿勢(姿勢情報Ip)に応じて、パルス信号Spにおけるパルス数およびパルス幅Wのうちの少なくとも一方を調整する(図3参照)。すなわち、例えば制御部19は、姿勢情報Ipに基づいて、複数のノズル孔Hnの配列方向が水平方向dHと平行となっていない(複数のノズル孔Hn間に重力方向dgに沿った高低差が生じている)ことが検知された場合に、上記したパルス信号Spの波形調整を開始する。
(C.作用・効果)
このようにして本実施の形態のインクジェットヘッド1では、複数のノズル孔Hn間での重力方向dgに沿った高低差に応じて、パルス信号Spにおけるパルス数およびパルス幅Wのうちの少なくとも一方が、調整される(パルス信号Spの波形調整が行われる)。
これにより、例えば、複数のノズル孔Hnの配列方向が水平方向dHではなく、複数のノズル孔Hn間に重力方向dgに沿った高低差が生じるようにインクジェットヘッド1が配置されている場合(図2参照)であっても、以下のようになる。すなわち、前述したような重力の影響(ノズル孔Hn間でのインク9の水頭差hの値の差異)に起因した、複数のノズル孔Hn間での印刷濃度のばらつきが抑えられる。具体的には、パルス信号Spにおけるパルス数およびパルス幅Wのうちの少なくとも一方が調整されて、インク9を1滴噴射させる際の液滴量Vが調整されることで、以下のようになる。すなわち、上方側のノズル孔Hn(例えば図2中のノズル孔Hn1)と下方側のノズル孔Hn(例えば図2中のノズル孔Hn2)との間での、印刷濃度のばらつきが抑えられる。
以上のことから、本実施の形態のインクジェットヘッド1では、印刷濃度のばらつきを抑えることができ、印刷画質を向上させることが可能となる。
また、特に図2に示したように、複数のノズル孔Hnが重力方向dgに沿って配列されている場合には、以下のようになる。すなわち、上記した制御部19によるパルス信号Spの波形調整が行われないと、上記した重力の影響に起因した複数のノズル孔Hn間での印刷濃度のばらつきが、最も大きくなってしまう。従って、上記した制御部19によるパルス信号Spの波形調整が行われることで、複数のノズル孔Hn間での印刷濃度のばらつきの抑制効果が、最も大きくなる結果、印刷画質の向上効果も最も大きくすることが可能となる。
更に、複数のノズル孔Hn間での重力方向dgに沿った高低差に応じて、パルス信号Spにおけるパルス数およびパルス幅Wの双方が調整されるようにした場合(図8(C)参照)には、インク9を1滴噴射させる際に、液滴量Vの微調整が容易となる。従って、上記した印刷濃度のばらつきが更に抑えられる結果、印刷画質を更に向上させることが可能となる。
加えて、上方側のノズル孔Hn(例えば図2中のノズル孔Hn1)について、下方側のノズル孔Hn(例えば図2中のノズル孔Hn2)についてよりも、パルス信号Spにおけるパルス数が多くなるように調整される場合(図10,図11参照)には、以下のようになる。すなわち、上方側のノズル孔Hnにおける液滴量Vが増加し、上方側のノズル孔Hnと下方側のノズル孔Hnとの間での液滴量Vの差が減少することで、上記した印刷濃度のばらつきが抑えられる結果、印刷画質を向上させることが可能となる。
また、下方側のノズル孔Hn(例えば図2中のノズル孔Hn2)について、パルス信号Spにおけるパルス幅Wが調整されるようにした場合(図12参照)には、以下のようになる。すなわち、複数のノズル孔Hn間(上方側のノズル孔Hnと下方側のノズル孔Hnとの間)での液滴量Vの差が減少するため、上記した印刷濃度のばらつきが抑えられる結果、印刷画質を向上させることが可能となる。
更に、パルス信号Spが複数設けられている場合(前述した「マルチパルス方式」の場合)においても、これら複数のパルス信号Spのうちの少なくとも1つのパルス信号Spについて、パルス幅Wの調整が行われるようにした場合(図9,図12参照)には、以下のようになる。すなわち、上記した印刷濃度のばらつきが抑えられる結果、印刷画質を向上させることが可能となる。
加えて、これら複数のパルス信号Spのうちの少なくとも最終パルス信号(望ましくは最終パルス信号のみ)について、パルス幅Wの調整が行われるようにした場合(図9(B),図9(C),図12参照)には、以下のようになる。すなわち、上記した液滴量Vの調整がより効果的に実現できるため、上記した印刷濃度のばらつきが抑えられ易くなる結果、印刷画質を容易に向上させることが可能となる。
また、前述した水頭差の差分値H[cm]、前述した定数α[μs/cm](0.1<α<0.6)としたとき、前述した期間X[μs]が、(X=H×α)という数式で規定されるようにした場合(図12参照)には、以下のようになる。すなわち、例えば、定数αの値を0.1以下(α≦0.1)とした場合、期間Xの値が小さ過ぎて、パルス幅Wの調整が不十分となり、印刷濃度のばらつきを抑制する効果も不十分となってしまうおそれがある。一方、定数αの値を0.6以上(0.6≦α)とした場合、期間Xの値が大き過ぎて、パルス幅Wの調整が過大となり、印刷濃度のばらつきが却って増大してしまうおそれがある。従って、上記した数式(X=H×α)において、(0.1<α<0.6)という範囲に定数αが設定されることで、パルス幅Wの調整量が良好な範囲内となるため、印刷濃度のばらつきを抑制する効果が、効果的に発揮されるようになる。その結果、印刷画質を更に向上させることが可能となる。
更に、姿勢検知部18によって検知されたインクジェットヘッド1の姿勢(姿勢情報Ip)に応じて、上記した制御部19によるパルス信号Spの波形調整が行われることから、以下のようになる。すなわち、上記した印刷濃度のばらつきが、より効果的に抑えられる結果、印刷画質を更に向上させることが可能となる。
<2.変形例>
続いて、上記実施の形態の変形例について説明する。具体的には、液体噴射ヘッド(インクジェットヘッド)に関する変形例について説明する。なお、この変形例に係る液体噴射ヘッドもまた、上記実施の形態と同様にして、液体噴射記録装置(プリンタ)に設けられているようにしてもよい。また、以下では、上記実施の形態における構成要素と同一のものには同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図13は、変形例に係る液体噴射ヘッド(インクジェットヘッド1)の構成例を、模式的に側面図(Z−X側面図)で表したものである。本変形例のインクジェットヘッド1は、機械的な構造については、実施の形態のインクジェットヘッド1(図2等参照)と同様となっている。
ただし、実施の形態(図2参照)では、パルス信号Spの波形調整領域が、2分割して配置されていた(2つの波形調整領域A1,A2が設けられていた)。これに対し、本変形例(図13参照)では、パルス信号Spの波形調整領域が、3分割して配置されている(3つの波形調整領域A1,A2,A3が設けられている)。
具体的には、図13に示した例では、重力方向dgに沿って相対的に上方側のノズル孔Hnに適用される波形調整領域A1と、相対的に下方側のノズル孔Hnに適用される波形調整領域A3と、これらの波形調整領域A1,A2の間に位置する波形調整領域A2とが、設けられている。また、これら3つの波形調整領域A1,A2,A3にはそれぞれ、図13中に示したように、3種類のパルス信号Sp1,Sp2,Sp3が個別に適用されるようになっている。そして、制御部19は、このような3種類のパルス信号Sp1,Sp2,Sp3を用いて、3つの波形調整領域A1,A2,A3を個別に(独立して)制御する。
このような構成の本変形例においても、基本的には実施の形態と同様の作用により、同様の効果を得ることが可能である。すなわち、例えば、複数のノズル孔Hnの配列方向が水平方向dHではなく、複数のノズル孔Hn間に重力方向dgに沿った高低差が生じるようにインクジェットヘッド1が配置されている場合(図13参照)であっても、複数のノズル孔Hn間での印刷濃度のばらつきを抑えることができる。よって、本変形例においても、印刷画質を向上させることが可能となる。
また、特に本変形例では、パルス信号Spの波形調整領域を3分割して配置するようにしたので、2分割して配置されている実施の形態と比べ、複数のノズル孔Hn間での印刷濃度のばらつきを、よりきめ細やかに抑えることができる。よって、本変形例では、印刷画質を更に向上させることが可能となる。
なお、この変形例では、パルス信号Spの波形調整領域が3分割して配置されている場合について説明したが、これには限られない。すなわち、インクジェットヘッド1内において、複数のノズル孔Hnの配列方向(X軸方向)に沿って、パルス信号Spの波形調整領域が4つ以上に分割して配置されている(波形調整領域を4つ以上設ける)ようにしてもよい。そして、制御部19が、これら4つ以上の波形調整領域に個別に適用される4種類以上のパルス信号Spを用いて、4つ以上の波形調整領域を個別に(独立して)制御するようにしてもよい。
<3.その他の変形例>
以上、実施の形態および変形例を挙げて本開示を説明したが、本開示はこれらの実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態等では、プリンタ3およびインクジェットヘッド1における各部材の構成例(形状、配置、個数等)を具体的に挙げて説明したが、上記実施の形態等で説明したものには限られず、他の形状や配置、個数等であってもよい。また、上記実施の形態等で説明した各種パラメータの値や範囲、大小関係等についても、上記実施の形態等で説明したものには限られず、他の値や範囲、大小関係等であってもよい。
具体的には、例えば、上記実施の形態等では、1列タイプ(複数のノズル孔Hnが1列に沿って配列されているタイプ)のインクジェットヘッド1を例に挙げて説明したが、この例には限られない。すなわち、例えば、2列以上の複数列タイプのインクジェットヘッドであってもよい。また、ノズル孔Hnの形状についても、上記実施の形態等で説明したような円形状には限られず、例えば、三角形状等の多角形状や、楕円形状や星型形状などであってもよい。
また、上記実施の形態等では、各吐出チャネルC1eの延在方向(Y軸方向)の中央部からインク9を吐出する、いわゆるサイドシュートタイプのインクジェットヘッドの例について説明したが、この例には限られない。すなわち、各吐出チャネルC1eの延在方向に沿ってインク9を吐出する、いわゆるエッジシュートタイプのインクジェットヘッドにおいて、本開示を適用するようにしてもよい。
更に、例えば、インク容器2とインクジェットヘッド1との間でインク9を循環させて利用する、循環式のインクジェットヘッド1、あるいは、インク9を循環させずに利用する、非循環式のインクジェットヘッド1のいずれであっても、本開示を適用することが可能である。
加えて、上記実施の形態等では、制御部19による制御方法の例を具体的に挙げて説明したが、上記実施の形態等で挙げた例には限られず、他の手法を用いて制御するようにしてもよい。具体的には、例えば、姿勢検知部18によって検知された姿勢情報Ipを用いずに、パルス信号Spの波形調整(パルス数およびパルス幅のうちの少なくとも一方の調整)を行うようにしてもよい。
また、上記実施の形態等では、各吐出チャネルC1e内の容積を膨張させるパルス信号が、ハイ(High)状態の期間において膨張させるパルス信号(ポジティブパルス信号)である場合について説明したが、この場合には限られない。すなわち、ハイ状態の期間において膨張させると共にロウ(Low)状態の期間において収縮させるパルス信号の場合だけでなく、逆に、ロウ状態の期間において膨張させると共にハイ状態の期間において収縮させるパルス信号(ネガティブパルス信号)としてもよい。
更に、例えば、ON期間の直後のOFF期間中に、更に、液滴の吐出を補助するための信号を、付加的に印加するようにしてもよい。この液滴の吐出を補助するための信号としては、例えば、各吐出チャネルC1e内の容積を収縮させるためのパルス信号や、吐出した液滴の一部を引き戻すためのパルス信号(補助パルス信号)などが挙げられる。また、後者の補助パルス信号の直前に印加されるパルス信号(メインパルス信号)は、例えば、オンパルスピーク(AP)の幅以下のパルス幅を有している。なお、このような液滴の吐出を補助するための信号を付加したとしても、これまでに説明してきた本開示の内容(駆動方法等)には、影響を及ぼさない。
加えて、上記実施の形態等で説明した一連の処理は、ハードウェア(回路)で行われるようにしてもよいし、ソフトウェア(プログラム)で行われるようにしてもよい。ソフトウェアで行われるようにした場合、そのソフトウェアは、各機能をコンピュータにより実行させるためのプログラム群で構成される。各プログラムは、例えば、上記コンピュータに予め組み込まれて用いられてもよいし、ネットワークや記録媒体から上記コンピュータにインストールして用いられてもよい。なお、このようなプログラムは、本開示における「液体噴射ヘッドの駆動プログラム」の一具体例に対応している。
また、上記実施の形態等では、本開示における「液体噴射記録装置」の一具体例として、プリンタ3(インクジェットプリンタ)を挙げて説明したが、この例には限られず、インクジェットプリンタ以外の他の装置にも、本開示を適用することが可能である。換言すると、本開示の「液体噴射ヘッド」(インクジェットヘッド1)を、インクジェットプリンタ以外の他の装置に適用するようにしてもよい。具体的には、例えば、ファクシミリやオンデマンド印刷機などの装置に、本開示の「液体噴射ヘッド」を適用するようにしてもよい。
更に、これまでに説明した各種の例を、任意の組み合わせで適用させるようにしてもよい。
なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
また、本開示は、以下のような構成を取ることも可能である。
(1)
液体を噴射する液体噴射ヘッドであって、
前記液体を噴射する複数のノズルと、
前記複数のノズルに個別に連通すると共に前記液体がそれぞれ充填される複数の圧力室を有し、前記圧力室内の容積を変化させる圧電アクチュエータと、
前記圧電アクチュエータに対して1または複数のパルス信号を印加することにより、前記圧力室内の容積を膨張および収縮させて、前記圧力室内に充填された前記液体を噴射させる制御部と
を備え、
前記制御部は、前記液体を1滴噴射させる際に、
前記複数のノズル間に重力方向に沿った高低差が生じるように前記液体噴射ヘッドが配置されている場合には、前記重力方向に沿った高低差に応じて、前記パルス信号のパルス数およびパルス幅のうちの少なくとも一方を調整する
液体噴射ヘッド。
(2)
前記制御部は、前記液体を1滴噴射させる際に、
前記複数のノズル間での重力方向に沿った高低差に応じて、前記パルス数および前記パルス幅の双方を調整する
上記(1)に記載の液体噴射ヘッド。
(3)
前記制御部は、
前記重力方向に沿って相対的に上方側に位置する前記ノズルに対応する前記パルス信号の前記パルス数が、
前記重力方向に沿って相対的に下方側に位置する前記ノズルに対応する前記パルス信号の前記パルス数よりも多くなるように、
前記パルス数を調整する
上記(1)または(2)に記載の液体噴射ヘッド。
(4)
前記制御部は、
前記重力方向に沿って相対的に下方側に位置する前記ノズルに対応する前記パルス信号の前記パルス幅を調整することにより、
前記複数のノズル間において、吐出される前記液体の液滴量の差を減少させる
上記(1)または(2)に記載の液体噴射ヘッド。
(5)
前記制御部は、
前記複数のパルス信号のうちの少なくとも1つのパルス信号について、
前記パルス幅の調整を行う
上記(4)に記載の液体噴射ヘッド。
(6)
前記制御部は、
前記複数のパルス信号のうちの少なくとも最終パルス信号について、
前記パルス幅の調整を行う
上記(5)に記載の液体噴射ヘッド。
(7)
前記制御部は、
前記重力方向に沿って相対的に上方側に位置する前記ノズルに対応する前記最終パルス信号については、前記パルス幅がオンパルスピーク(AP)の幅と等しくなるように調整すると共に、
前記重力方向に沿って相対的に下方側に位置する前記ノズルに対応する前記最終パルス信号については、前記パルス幅が、前記オンパルスピークの幅に所定の期間X[μs]を加算した幅(=AP+X)となるように調整する
上記(6)に記載の液体噴射ヘッド。
(8)
前記制御部は、
前記重力方向に沿って相対的に上方側に位置する前記ノズルに対応する前記最終パルス信号については、前記パルス幅がオンパルスピーク(AP)の幅と等しくなるように調整すると共に、
前記重力方向に沿って相対的に下方側に位置する前記ノズルに対応する前記最終パルス信号については、前記パルス幅が、前記オンパルスピークの幅から所定の期間X[μs]を減算した幅(=AP−X)となるように調整する
上記(6)に記載の液体噴射ヘッド。
(9)
前記重力方向に沿って相対的に上方側に位置する前記ノズルと、前記重力方向に沿って相対的に下方側に位置する前記ノズルとの間における、水頭差の差分値をH[cm]、
所定の定数をα(0.1<α<0.6)としたとき、
前記所定の期間Xは、前記Hと前記αとの乗算値(X=H×α)である
上記(7)または(8)に記載の液体噴射ヘッド。
(10)
前記液体噴射ヘッドの姿勢を検知する姿勢検知部を更に備え、
前記制御部は、前記姿勢検知部により検知された前記液体噴射ヘッドの姿勢に応じて、前記パルス数およびパルス幅のうちの少なくとも一方を調整する
上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の液体噴射ヘッド。
(11)
前記複数のノズルが、前記重力方向に沿って配列されている
上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の液体噴射ヘッド。
(12)
上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の液体噴射ヘッドを備えた
液体噴射記録装置。
(13)
液体を噴射する液体噴射ヘッドの駆動方法であって、
複数のノズルに連通する複数の圧力室内の容積を変化させる圧電アクチュエータに対して1または複数のパルス信号を印加することにより、前記圧力室内の容積を膨張および収縮させて、前記圧力室内に充填された前記液体を前記ノズルから1滴噴射させる際に、
前記複数のノズル間に重力方向に沿った高低差が生じるように前記液体噴射ヘッドが配置されている場合には、前記重力方向に沿った高低差に応じて、前記パルス信号のパルス数およびパルス幅のうちの少なくとも一方を調整すること
を含む液体噴射ヘッドの駆動方法。
1…インクジェットヘッド、11…ノズルプレート、12…アクチュエータプレート(圧電アクチュエータ)、13…カバープレート、14…インク供給口、15…エアダンパー、16…駆動基板、18…姿勢検知部、19…制御部、2…インク容器、20…インク供給チューブ、3…プリンタ、30…情報入力部、9…インク、Hn,Hn1,Hn2…ノズル孔、h,h1,h2…水頭差、H…水頭差の差分値、X…期間、α…定数、dH…水平方向、dV…垂直方向、dg…重力方向、Sp,Sp1,Sp2,Sp3…パルス信号、Vd…駆動電圧、Ip…姿勢情報、V,V1,V2…液滴量、W,W1,W2,W2,Wa,Wb,Wc…パルス幅、A1,A2,A3…波形調整領域、C1…チャネル、C1e…吐出チャネル、C1d…ダミーチャネル、Wd…駆動壁、Ed…駆動電極、Edc…コモン電極、Eda…アクティブ電極、da…膨張方向、db…収縮方向、t…時間。

Claims (13)

  1. 液体を噴射する液体噴射ヘッドであって、
    前記液体を噴射する複数のノズルと、
    前記複数のノズルに個別に連通すると共に前記液体がそれぞれ充填される複数の圧力室を有し、前記圧力室内の容積を変化させる圧電アクチュエータと、
    前記圧電アクチュエータに対して1または複数のパルス信号を印加することにより、前記圧力室内の容積を膨張および収縮させて、前記圧力室内に充填された前記液体を噴射させる制御部と
    を備え、
    前記制御部は、前記液体を1滴噴射させる際に、
    前記複数のノズル間に重力方向に沿った高低差が生じるように前記液体噴射ヘッドが配置されている場合には、前記重力方向に沿った高低差に応じて、前記パルス信号のパルス数およびパルス幅のうちの少なくとも一方を調整する
    液体噴射ヘッド。
  2. 前記制御部は、前記液体を1滴噴射させる際に、
    前記複数のノズル間での重力方向に沿った高低差に応じて、前記パルス数および前記パルス幅の双方を調整する
    請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記制御部は、
    前記重力方向に沿って相対的に上方側に位置する前記ノズルに対応する前記パルス信号の前記パルス数が、
    前記重力方向に沿って相対的に下方側に位置する前記ノズルに対応する前記パルス信号の前記パルス数よりも多くなるように、
    前記パルス数を調整する
    請求項1または請求項2に記載の液体噴射ヘッド。
  4. 前記制御部は、
    前記重力方向に沿って相対的に下方側に位置する前記ノズルに対応する前記パルス信号の前記パルス幅を調整することにより、
    前記複数のノズル間において、吐出される前記液体の液滴量の差を減少させる
    請求項1または請求項2に記載の液体噴射ヘッド。
  5. 前記制御部は、
    前記複数のパルス信号のうちの少なくとも1つのパルス信号について、
    前記パルス幅の調整を行う
    請求項4に記載の液体噴射ヘッド。
  6. 前記制御部は、
    前記複数のパルス信号のうちの少なくとも最終パルス信号について、
    前記パルス幅の調整を行う
    請求項5に記載の液体噴射ヘッド。
  7. 前記制御部は、
    前記重力方向に沿って相対的に上方側に位置する前記ノズルに対応する前記最終パルス信号については、前記パルス幅がオンパルスピーク(AP)の幅と等しくなるように調整すると共に、
    前記重力方向に沿って相対的に下方側に位置する前記ノズルに対応する前記最終パルス信号については、前記パルス幅が、前記オンパルスピークの幅に所定の期間X[μs]を加算した幅(=AP+X)となるように調整する
    請求項6に記載の液体噴射ヘッド。
  8. 前記制御部は、
    前記重力方向に沿って相対的に上方側に位置する前記ノズルに対応する前記最終パルス信号については、前記パルス幅がオンパルスピーク(AP)の幅と等しくなるように調整すると共に、
    前記重力方向に沿って相対的に下方側に位置する前記ノズルに対応する前記最終パルス信号については、前記パルス幅が、前記オンパルスピークの幅から所定の期間X[μs]を減算した幅(=AP−X)となるように調整する
    請求項6に記載の液体噴射ヘッド。
  9. 前記重力方向に沿って相対的に上方側に位置する前記ノズルと、前記重力方向に沿って相対的に下方側に位置する前記ノズルとの間における、水頭差の差分値をH[cm]、
    所定の定数をα(0.1<α<0.6)としたとき、
    前記所定の期間Xは、前記Hと前記αとの乗算値(X=H×α)である
    請求項7または請求項8に記載の液体噴射ヘッド。
  10. 前記液体噴射ヘッドの姿勢を検知する姿勢検知部を更に備え、
    前記制御部は、前記姿勢検知部により検知された前記液体噴射ヘッドの姿勢に応じて、前記パルス数およびパルス幅のうちの少なくとも一方を調整する
    請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッド。
  11. 前記複数のノズルが、前記重力方向に沿って配列されている
    請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッド。
  12. 請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッドを備えた
    液体噴射記録装置。
  13. 液体を噴射する液体噴射ヘッドの駆動方法であって、
    複数のノズルに連通する複数の圧力室内の容積を変化させる圧電アクチュエータに対して1または複数のパルス信号を印加することにより、前記圧力室内の容積を膨張および収縮させて、前記圧力室内に充填された前記液体を前記ノズルから1滴噴射させる際に、
    前記複数のノズル間に重力方向に沿った高低差が生じるように前記液体噴射ヘッドが配置されている場合には、前記重力方向に沿った高低差に応じて、前記パルス信号のパルス数およびパルス幅のうちの少なくとも一方を調整すること
    を含む液体噴射ヘッドの駆動方法。
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