JP2019206062A - 回転切削工具及び切りくず分断部材 - Google Patents

回転切削工具及び切りくず分断部材 Download PDF

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Abstract

【課題】 切りくずを短く分断できる回転切削工具を提供する。【解決手段】 本発明の回転切削工具は、切れ刃と、回転中心軸周りに回転する胴部と、工作機械への取付部とを有する。回転中心軸から離れる方向へ突出する切りくず分断部を有する。切りくず分断部は、切れ刃より先端部側に位置する。【選択図】 図1

Description

本発明は、切削加工に用いる回転切削工具及びその切りくず分断部材に関する。
特許文献1に示した正面フライスカッタは、本体の外周を吸引フードで覆う場合に、生成された切屑を上方に吸引する。このため、切屑ポケットが略深さ方向に立ち上り、かつ軸方向に延びて本体の背面に抜ける案内壁を、切刃と向かい合う位置に備えている。
実開平4−83517号公報
特許文献1に示した正面フライスカッタは、本体の外周を吸引フードで覆うことを要する。また、この正面フライスカッタの案内壁は、切りくずを上方へ誘導する機能しかないため、切りくずの長さを短くすることができない。一方、吸引フードを用いない回転切削工具において、生成される切りくずを短く処理したい場合がある。すなわち、切りくずを短く分断できる回転切削工具が望まれていた。
本発明の回転切削工具は、切れ刃と、回転中心軸周りに回転する胴部と、工作機械への取付部とを有する。回転中心軸から離れる方向へ突出する切りくず分断部を有する。切りくず分断部は、切れ刃より先端側に位置する。
本発明の切りくず分断部材は、回転切削工具の先端側へ着脱自在に装着される切りくず分断部材であって、外方に向かって突出する切りくず分断部を有する。
本発明の第1の実施形態に係る回転切削工具の斜視図である。 図1の回転切削工具の拡大斜視図である。 図1の回転切削工具の先端部付近の拡大斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る回転切削工具の先端部付近の拡大斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る回転切削工具の先端部付近の拡大斜視図である。 本発明の実施形態に係る回転切削工具による切りくず分断方法の説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。また、以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る回転切削工具1を示す斜視図である。この実施形態に係る回転切削工具1は、3つの切削インサート30、40、50を有する面取りカッタである。すなわち、回転切削工具1は、回転中心軸Aの周りに回転し、被加工物の角部への面取り加工(ミリング加工)に適するカッタである。
回転切削工具1は、工具ボデー10及び2つの切りくず分断部材20、60を有する。回転切削工具1は、クランプ部材(締め付けねじ)を用いて、各々の切削インサート30、40、50を工具ボデー10に固定している。なお、切削インサートの固定方法は、締め付けねじによる方法に限定されず、既知の様々な固定方法が適用できる。
3つの切削インサート30、40、50の内、第1の切削インサート30は切れ刃31を有する。第1の切削インサート30は、工具ボデー10のインサート座へクランプするための、貫通穴を有する。第1の切削インサート30は、略多角形板状である。すなわち、第1の切削インサート30は、略多角形の2つの端面と、これらの端面をつなぐ周側面とを有する。この実施形態に係る第1の切削インサート30の端面は略正方形である。第1の切削インサート30の少なくとも一方の端面のうち、切れ刃31に接続する部分は、すくい面として機能する。第1の切削インサート30の切れ刃31に接続する周側面の部分は、逃げ面として機能する。この実施形態の回転切削工具1は、同一形状の3つの切削インサート30、40、50を用いている。したがって、第2の切削インサート40及び第3の切削インサート50は、第1の切削インサート30と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。なお、切削インサート30、40、50の形状は、略正方形板状に限らず様々なものが知られているが、本発明を適用するにあたって制限がないため、ここでは詳細な説明を省略する。
工具ボデー10は、胴部11と、工作機械への取付部12とを有する。胴部11は、回転中心軸Aを中心とする略円柱形状である。なお、この実施形態に係る回転切削工具1は、下穴の裏側も面取り加工することができる面取りカッタであるため、胴部11の先端部13側が偏心しつつ、細くなっている。ただし、胴部11の先端部13側の第1及び第2の切削インサート30、40を装着する部分は、細くなった部分から外方へ張り出ている。
胴部11は、外周部14からへこむ、2つの切りくずポケット16、16Bを有する。2つの切りくずポケット16、16Bの内、第1の切りくずポケット16からさらにへこむように、第1及び第2の切削インサート30、40を受容する各々のインサート座を有する(図示しない)。同様に、第2の切りくずポケット16Bからさらにへこむように、第3の切削インサート50を受容するインサート座を有する(図示しない)。各インサート座は、切削インサート30、40、50の各切れ刃31、41、51が面取り加工に適合するように配置する。具体的には、各切削インサート30、40、50の周側面と当接するインサート座の壁面が回転中心軸Aに対して傾斜するように配置する。
工具ボデー10の取付部12は、略円柱形状であり、シャンクとも呼ばれる。この実施形態に係る回転切削工具1のシャンクの直径は約16mmである。
第1の切削インサート30の切れ刃31は、工具ボデー10の先端部13付近に、面取り加工に適合するように回転中心軸Aに対して傾斜するように配置する。この実施形態の切削工具1は、第2の切削インサート40の第2の切れ刃41も、工具ボデー10の先端部13付近に、面取り加工に適合するように回転中心軸Aに対して傾斜するように配置する。2つの切削インサート30、40の各々の切れ刃が切削する範囲を分担させることで、各々の切れ刃で生成される各々の切りくずの幅を減少させる。
切削インサート30、40は、貫通穴をクランプ部材によって押さえることで、工具ボデー10のインサート座に押し付けられて固定される。
工具ボデー10は、胴部11に第1の切りくず誘導凹部17を有する。第1の切りくず誘導凹部17は、第1の切りくずポケット16からさらにへこむように形成されている。
2つの切りくず分断部材20の内、先端側に配置する第1の切りくず分断部材20は、切りくず分断部(第1の切りくず分断部)21を有する。第1の切りくず分断部21は、回転切削工具1の回転中心軸Aから離れる方向、すなわち径方向に突出する。径方向とは、回転中心軸Aと直交する方向と換言することもできる。第1の切りくず分断部21は、板状の部分を有するように形成されている。第1の切りくず分断部21は、外方に向かうに従い先端に向かうように傾斜する平面を有する。この実施形態の第1の切りくず分断部21は、全体を外方に向かうに従い先端に向かうように傾斜する平面として構成している。
第1の切りくず分断部材20は、固定手段(締め付けねじ)70を用いて工具ボデー10のへ固定される。さらに具体的に言えば、第1の切りくず分断部材20は胴部11の先端部13へ固定される。この実施形態に係る回転切削工具1は、締め付けねじ70を1個用いている。第1の切りくず分断部材20は、締め付けねじ70の頭部に対応する座繰りを有する貫通穴を有する。なお、切りくず分断部材20の固定方法は、締め付けねじによる方法に限定されない。切りくず分断部材20の固定方法は、既知の様々な固定方法が適用できる。
第1の切りくず分断部材20は、第1の切りくずポケット16へ概ね接続する切りくずポケット部を有する。この実施形態に係る第1の切りくず分断部21は、切りくずポケット部と接続している。
工具ボデー10は、胴部11におねじ部(第1の調整手段)15を有する。ただし、図1、図2及び図6において、ねじはねじ山が省略され、簡略に示されている。おねじ部15は、周囲の胴部11よりも一回り大きく形成されている。この実施形態に係る回転切削工具1は、おねじ部15の呼び径が約20mmである。
工具ボデー10は、胴部11に第2の切りくず誘導凹部17Bを有する。第2の切りくず誘導凹部17Bの横断面は略円弧状である。第2の切りくず誘導凹部17Bの横断面の曲率半径は、例えば約3mmである。
第3の切削インサート50の第3の切れ刃51は、胴部11の基端側に、面取り加工に適合するように回転中心軸Aに対して傾斜するように配置する。第3の切削インサート50は、貫通穴をクランプ部材によって押さえることで、工具ボデー10のインサート座に押し付けられて固定される。
切削インサート30、40、50の切れ刃31、41、51周辺の材質は、特に限定されるものではないが、例えば超硬合金、サーメット、セラミックス、立方晶窒化ほう素を含む焼結体、単結晶ダイヤモンド及びダイヤモンドを含む焼結体等の硬質材料、又はこれら硬質材料の表面にPVDもしくはCVDによる被覆膜を被膜したものの中から選定するとよい。
第2の切りくず分断部材60は、第2の切りくず分断部61を有する。第2の切りくず分断部61は、回転切削工具1の回転中心軸Aから離れる方向、すなわち径方向に突出する。第2の切りくず分断部61は、板状の部分を有するように形成されている。すなわち、第2の切りくず分断部61は、円盤状の部分を有する。
第2の切りくず分断部材60は、めねじ部(第2の調整手段)62を有する。めねじ部62は、胴部11のおねじ部15と螺合する形状とする。
第2の切りくず分断部材60は、第2の固定手段(締め付けねじ)80を用いて工具ボデー10の胴部11へ固定される。この実施形態に係る回転切削工具1は、第2の締め付けねじ80を3個用いている。3個の第2の締め付けねじ80は、等間隔に配置するとよい。なお、第2の切りくず分断部材60の固定方法は、締め付けねじによる方法に限定されない。第2の切りくず分断部材60の固定方法は、既知の様々な固定方法が適用できる。
工具ボデー10の材質は、特に限定されるものではないが、例えば炭素鋼、合金鋼、工具鋼、アルミ合金、又はこれらの材料の表面に被覆膜を被覆したものの中から選定するとよい。また、被覆の方法は、メッキなどの既知の様々な被覆方法が適用できる。
以上のように構成された工具ボデー10は、例えば切削加工により製造される。切りくず分断部材20、60も、例えば切削加工により製造される。切削加工に用いる工作機械は、旋盤やマシニングセンタなどの様々な既知の技術が適用できる。
切削インサート30、40、50は、例えば粉末加圧成形した成形体を焼結することにより製造される。さらに、必要に応じて、研削加工や被覆膜の被覆処理が行われる。切削インサート30、40、50の製造方法には、様々な既知の技術が適用できる。
次に、この実施形態に係る回転切削工具1が奏する作用と効果について説明する。また、本発明の好ましい形態についても説明する。
回転切削工具1は、例えばマシニングセンタなどの工作機械の主軸に、アダプタ(アーバ)などを介して装着され、金属などの切削加工に使用される。工作機械の主軸の回転に伴って回転切削工具が回転し、被加工物に近づけて切り込むことで、被加工物を切削加工する。この実施形態に係る回転切削工具1は、面取りカッタであるため、被加工物の面取り加工に特に適する。
図6に模式的に示すように、回転切削工具1は、第1の切りくず分断部21を有することで、切れ刃31にて生成される切りくずCを、短く分断することができる。切れ刃31により被加工物Wから削り取られた切りくずCは、第1の切りくず分断部21に勢いよく衝突することで分断される。特に、各種鋼材、アルミ合金及びステンレス鋼などの延性材料の面取り加工において、切りくずが伸び絡みやすいため、高い効果が得られる。なお、図6において、加工部が見えるように、被加工物Wの一部を切断したような形状で示したが、実際には略円筒状である。
詳細な説明を省略するが、第2の切削インサート40の切れ刃にて生成される切りくずも、第1の切りくず分断部21に勢いよく衝突することで分断される。また、切りくずが逆側(基端側)に向かって流出する、第3の切削インサート50の切れ刃にて生成される切りくずは、第2の切りくず分断部61に勢いよく衝突することで分断される。
例えば、炭素鋼の被加工物の面取り加工において、第1の切りくず分断部21のない従来回転切削工具では、切りくずの長さが70mm以上となって伸び絡んでいた。同様に、例えば炭素鋼の被加工物の面取り加工において、第2の切りくず分断部61のない従来回転切削工具では、切りくずの長さが70mm以上となって伸び絡んでいた。この実施形態に係る回転切削工具1によると、例えば切りくずの長さを10mm以上50mm以下にまで短くできた。
図4に第2の実施形態に係る第1の切りくず分断部材120を装着した回転切削工具100を示す。この実施形態の第1の切りくず分断部121は、全体を外方に向かうに従い先端から遠ざかるように傾斜する平面として構成している。
図5に第3の実施形態に係る第1の切りくず分断部材220を装着した回転切削工具200を示す。この実施形態の第1の切りくず分断部221は、全体を先端面222と略平行な平面として構成している。
これらの実施形態にかかる回転切削工具1、100、200のように、第1の切りくず分断部21、121、221は、形状の異なる第1の切りくず分断部材20、120、220を交換することで、切れ刃31からの距離や切れ刃に対する傾斜の向きを調整することができる。第1の切りくず分断部21、121、221の、切れ刃31からの距離や切れ刃に対する傾斜の向きを調整することにより、分断される切りくずの長さを適切に制御することができる。なお、第1の切りくず分断部21、121、221の位置の調整手段は、第1の切りくず分断部材21、121、221を交換する方法に限定されない。第1の切りくず分断部21、121、221の位置の調整手段は、既知の様々な技術を適用できる。例えば、所定の厚さのスペーサを第1の切りくず分断部材20と胴部11の先端部13との間に挟むことで調整することもできる(図示しない)。ただし、第1の切りくず分断部材20は、第1の切りくず分断部21、121、221の形状が異なる部材と交換する方法により、簡単に精度よく、切りくず分断部21、121、221の位置を調整することができる。従来技術では、切削油を勢いよく噴射して切りくずを吹き飛ばしていた。また、それでも切りくずが伸び絡むときはステップ加工(間欠動作)などを行わなければならなかった。この実施形態に係る回転切削工具1は、切削油やステップ加工によらず、好適に切りくずを短く処理できる。
第1の切りくず分断部21、121、221の位置調整範囲は、2mm以上30mm以下が好ましい。位置調整範囲が2mmに満たないと、好適な短さに切りくずを調整できない場合がある。位置調整範囲が30mmを超えると、回転切削工具1、100、200の長さが増大し、被加工物との干渉などの不具合が発生しやすくなる。
図示しないが、第2の切削インサート40の第2の切れ刃41にて生成される切りくずを短く分断するための切りくず分断部を、第1の切りくず分断部21、121、221とは別に設けてもよい。
第2の切りくず分断部61は、第3の切削インサート50の第3の切れ刃51からの距離を、調整することができる。前述のとおり、第2の切りくず分断部材60のめねじ部62は、胴部11のおねじ部15と螺合している。したがって、第2の切りくず分断部材60を胴部11に対して相対的に回転させると、第2の切りくず分断部61の回転中心軸A方向の位置を調整することができる。切りくず分断部61の位置(第3の切れ刃51からの距離)を調整することで、切りくずの長さを自在に調整することができる。なお、切りくず分断部21の位置の調整手段は、ねじの螺合による方法に限定されない。切りくず分断部21の位置の調整手段は、既知の様々な技術を適用できる。ただし、切りくず分断部材20は、めねじ部(第2の調整手段)22と、胴部11のおねじ部15とを螺合させることで、簡単に精度よく、切りくず分断部21の位置を調整することができる。同時に、切りくずの衝突により発生する力に抗して、切りくず分断部21の位置を正確に保つことができる。この実施形態のような、ねじの螺合による調整手段は、構造も簡単であるため製造コストも低く、好ましい。従来技術では、切削油を勢いよく噴射して切りくずを吹き飛ばしていた。また、それでも切りくずが伸び絡むときはステップ加工(間欠動作)などを行わなければならなかった。この実施形態に係る回転切削工具1は、切削油やステップ加工によらず、好適に切りくずを短く処理できる。
第2の切りくず分断部61の位置調整範囲は、5mm以上30mm以下が好ましい。位置調整範囲が5mmに満たないと、好適な短さに切りくずを調整できない場合がある。位置調整範囲が30mmを超えると、胴部11の長さが増加し、工具剛性が低下し、びびり振動などの不具合が発生しやすくなる。
第1及び第2の切りくず分断部21、121,221,61は、板状に形成されると、回転切削工具1の全体の重量の増加を抑制できるため好ましい。特に、第2の切りくず分断部61は、円盤状に形成されると、静バランスに加えて、回転時の動バランスが優れるようになるため好ましい。また、一周取り巻く壁面が形成されるため、第2の切りくず分断部61の位置を調整するときに、常に切りくずの流出方向に第2の切りくず分断部61を配置できる。なお、調整手段をねじの螺合によらず、例えばスライド式の調整手段などを用いる場合は、切りくずの流出方向にだけ第2の切りくず分断部61が形成されればよい。その場合の第2の切りくず分断部61は、円盤状である必要がなく、必要な部分にだけ配置して、さらに軽量化することができる。ただし、その場合でも回転時の動バランスに配慮することが好ましい。すなわち、第2の切りくず分断部61は、回転中心軸Aに対して回転対称な位置に配置することが好ましい。
第2の切りくず分断部61により、工作機械の主軸に装着されるアダプタ(アーバ)の寿命を延長できる場合もある。切りくずが伸び絡むと、アダプタに傷をつける場合がある。この実施形態に係る回転切削工具1、100、200は、第2の切りくず分断部61を有することにより、切りくずがアダプタに衝突することや、伸び絡むことを防止する。
前述のとおり、工具ボデー10の胴部11は、第1の切りくず誘導凹部17および第2の切りくず誘導凹部17Bを有する。第1及び第2の切りくず誘導凹部17、17Bは、切りくずが切りくず分断部21、121,221、61に向かうように誘導する凹部である。すなわち、第1の切りくず誘導凹部17は、切れ刃31、41と切りくず分断部21、121、221との間に配置する。第2の切りくず誘導凹部17Bは、第3の切れ刃51と切りくず分断部61との間に配置する。第1の切りくず誘導凹部17は、切れ刃31側から切りくず分断部21、121,221に向かって伸びている。切れ刃31で生成されて第1の切りくず誘導凹部17に接触した切りくずは、進行方向を強制的に変えられ、第1の切りくず誘導凹部17の伸びる方向に沿って、切りくず分断部21、121、221と衝突するように誘導される。第2の切りくず誘導凹部17Bは、第3の切れ刃51側から第2の切りくず分断部61に向かって伸びている。第3の切れ刃51で生成されて第2の切りくず誘導凹部17Bに接触した切りくずは、進行方向を強制的に変えられ、第2の切りくず誘導凹部17Bの伸びる方向に沿って、第2の切りくず分断部61と衝突するように誘導される。
切りくずを好適に誘導するために、第1および第2の切りくず誘導凹部17、17Bの断面には好適な形状がある。第2の切りくず誘導凹部17Bの切断面において、断面形状は略円弧状であることが好ましい。さらに、断面形状の円弧の曲率半径は、2mm以上4mm以下が好ましい。断面形状の曲率半径は、2mmに満たないと、切りくずが内部に入れずに乗り越えてしまう場合がある。断面形状の曲率半径は、4mmを超えると、切りくずを誘導する能力が弱まり、切りくずの流出方向が安定しなくなり、切りくず分断部21に衝突しない切りくずが増加する場合がある。
工具ボデー10の胴部11は、第3の凹部18を有する。第3の凹部18は、切りくずの噛み込みや擦過を防止するための凹みである。工具ボデー10は第3の凹部18を有することで、摩耗や欠損が抑制され、工具寿命が延長される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の切削工具は、種々の変更が可能である。例えば、前述の実施形態では、略菱形板状の切削インサート30、40、50を用いたが、それに限定されず様々な形態のものに適用できる。
本発明の切削工具は、切削インサートを用いる形態の切削工具にも限定されない。チップをろう付けする形態の切削工具や、一体タイプの切削工具などにも適用できる。
前述した実施形態では本発明をある程度の具体性をもって説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明については、請求の範囲に記載された発明の精神や範囲から離れることなしに、さまざまな改変や変更が可能であることを理解されなければならない。すなわち、本発明には、請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が含まれる。
1 回転切削工具
2 先端部
10 工具ボデー
11 胴部
12 取付部
13 胴部の先端部
14 外周部
15 第1の調整手段(おねじ部)
16 第1の切りくずポケット
16B 第2の切りくずポケット
17 第1の切りくず誘導凹部
17B 第2の切りくず誘導凹部
18 第3の凹部
20 第1の切りくず分断部材
21 第1の切りくず分断部
22 先端面
30 第1の切削インサート
31 切れ刃
40 第2の切削インサート
41 第2の切れ刃
50 第3の切削インサート
51 第3の切れ刃
60 第2の切りくず分断部材
61 第2の切りくず分断部
62 第2の調整手段(めねじ部)
70 第1の切りくず分断部材の締め付けねじ(固定手段)
80 第2の切りくず分断部材の第2の締め付けねじ(第2の固定手段)
100 第2の実施形態に係る回転切削工具
120 第1の切りくず分断部材
121 第1の切りくず分断部
200 第3の実施形態に係る回転切削工具
220 第1の切りくず分断部材
221 第1の切りくず分断部
222 先端面
A 回転中心軸
C 切りくず
W 被加工物

Claims (15)

  1. 切れ刃(31)と、回転中心軸(A)周りに回転する胴部(11)とを有する回転切削工具(1)であって、
    前記回転中心軸(A)から離れる方向へ突出する切りくず分断部(21、121,221)を有し、
    前記切りくず分断部(21、121、221)は、前記切れ刃(31)より前記回転切削工具(1)の先端部(2)側に位置する回転切削工具。
  2. 前記切りくず分断部(21、121、221)は、前記回転中心軸(A)と直交する径方向に3mm以上20mm以下の寸法で突出する請求項1に記載の回転切削工具。
  3. 前記切りくず分断部(21、121、221)は切りくず分断部材(20、120、220)に形成され、
    前記切りくず分断部材(20、120,220)は、前記胴部(11)の先端側へ着脱自在に固定される請求項1又は2に記載の回転切削工具。
  4. 前記切りくず分断部(21、121、221)は、前記切れ刃(31)からの距離を調整する調整手段を有する請求項1から3のいずれか1項に記載の回転切削工具。
  5. 前記切りくず分断部(21、121、221)は切りくず分断部材(20、120、220)に形成され、
    前記調整手段は、所定の厚さのスペーサを前記切りくず分断部材(20、120、220)と前記胴部(11)の先端部(13)との間に挟むことで調整する請求項4に記載の回転切削工具。
  6. 前記切りくず分断部(21、121、221)の前記調整手段の調整範囲は、2mm以上30mm以下である請求項4又は5に記載の回転切削工具。
  7. 前記切りくず分断部(21、121、221)は、板状の部分を有する請求項1から6のいずれか1項に記載の回転切削工具。
  8. 前記切れ刃(31)と前記切りくず分断部(21、121、221)との中間に切りくず誘導凹部(17)を有する請求項1から7のいずれか1項に記載の回転切削工具。
  9. 前記切れ刃(31)は、ミリング加工用である請求項1から8のいずれか1項に記載の回転切削工具。
  10. 前記切れ刃(31)は、面取り加工用である請求項9に記載の回転切削工具。
  11. 前記胴部(11)の基端側に工作機械への取付部(12)を有し、
    前記切れ刃(31)よりも前記取付部(12)側に他の切れ刃(51)を有し、
    前記他の切れ刃(51)よりも前記取付部(12)側に、前記回転中心軸(A)から離れる方向へ突出する第2の切りくず分断部(61)を有する請求項1から10のいずれか1項に記載の回転切削工具。
  12. 回転切削工具(1)の先端部(2)へ着脱自在に装着される切りくず分断部材(20)であって、
    外方に向かって突出する切りくず分断部(21)を有する切りくず分断部材。
  13. 前記切りくず分断部(21)は、外方に向かうに従い先端に向かうように傾斜する曲面又は平面を有する請求項12に記載の切りくず分断部材。
  14. 前記切りくず分断部(121)は、外方に向かうに従い先端から遠ざかるように傾斜する曲面又は平面を有する請求項12に記載の切りくず分断部材。
  15. 前記切りくず分断部材(220)は、平面状の先端面(222)を有し、
    前記切りくず分断部(221)は、前記先端面(222)と略平行な平面を有する請求項12に記載の切りくず分断部材。
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