以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は模式図であり、サイズ、形状等が必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
また、本明細書において、殺菌とは、例えば、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌等の菌類、Escherichia coli.(大腸菌)、Pseudomonas sp.(緑膿菌)、Klebsiella sp.(肺炎桿菌)等の細菌、Cladosporium. sp.(黒カビ)、Aspergillus(黒コウジカビ)等のカビ類を含む真菌類、及び/又は、ノロウィルス等のウィルスを分解して菌等の全体数を減らすことを意味し、除菌又は滅菌する意味も含む。なお、上記の殺菌の対象とする菌類、細菌類、真菌、ウィルス等は一例であり、限定されるものではない。
なお、本明細書においては、pHが7より低い場合を酸性とし、pHが7より高い場合をアルカリ性として説明する。また、pHが4.0〜6.5程度の場合を弱酸性と記載する場合がある。
(実施の形態)
[電解水生成装置の構成]
まず、図1を参照して、実施の形態に係る電解水生成装置の構成に関して説明する。図1は、実施の形態に係る電解水生成装置100の構成を示す図である。
電解水生成装置100は、容器110に収容されている塩素を含む水溶液を電気分解して、殺菌効果を有する電解水を生成する装置である。殺菌効果とは、菌類、細菌類、真菌類、ウィルス等を殺菌する効果であり、特に、短時間で多くの菌を殺菌する効果を意味する。
電解水生成装置100は、容器110と、複数のイオン透過性隔膜120〜123と、第1電極(主陽極電極)130と、第2電極(主陰極電極)131と、第1電圧印加部140と、第2電圧印加部141と、給液部150と、排液部151、152と、制御部200と、を備える。
なお、図1では、制御部200を機能的なブロックとして表している。制御部200は、例えば、マイコン(マイクロコントローラ)等で実現され、電解水生成装置100の図示しない外殻筐体の内部に配置されている。制御部200は、例えば、容器110の外側に取り付けられていてもよい。
以下、電解水生成装置100が備える各構成要素の詳細について説明する。
<容器>
容器110は、塩素成分を含む水である水溶液を収容するための容器である。具体的には、容器110は、収容している水溶液を電気分解するための電解槽である。塩素成分とは、具体的には、塩素イオン(Cl−)である。水溶液は、例えば、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化水素(HCl)等の塩素イオンを含む材料が添加された水(H2O)である。
容器110の内部は、4つのイオン透過性隔膜120〜123によって、第1室111と、第2室112と、第3室113と、第4室114と、第5室115と、に仕切られている。
例えば、第1室111、第3室113、及び、第5室115には、水が収容され、第2室112及び第4室114には、塩素成分を含む水である水溶液が収容される。
なお、以下では、電気分解が実行される前には、第1室111、第3室113、及び、第5室115には、水が収容されており、第2室112及び第4室114には、塩化ナトリウムを含む水である水溶液が収容されている例について説明する。
容器110の材料は、塩素成分を含む水溶液及び当該水溶液を電気分解することで生成される次亜塩素酸を含む電解水による腐食等が生じにくい材料であればよく、特に限定されない。容器110は、例えば、樹脂材料を用いて形成されている。
<イオン透過性隔膜>
複数のイオン透過性隔膜120〜123は、容器110内を第1室111と、第2室112と、第3室113と、第4室114と、第5室115と、に仕切り、容器110に収容されている水溶液中及び電解水中に含まれるナトリウムイオン等の陽イオン、及び、塩素イオン等の陰イオンの移動を制限する部材である。具体的には、複数のイオン透過性隔膜120〜123は、容器110の内部を、第1室111、第2室112、及び、第3室113がこの順に隣り合うように仕切り、且つ、第3室113、第4室114、及び、第5室115がこの順に隣り合うように仕切る。より具体的には、イオン透過性隔膜120は、第1室111及び第2室112の間に配置される。また、イオン透過性隔膜121は、第2室112及び第3室113の間に配置される。また、イオン透過性隔膜122は、第3室113及び第4室114の間に配置される。また、イオン透過性隔膜123は、第4室114及び第5室115の間に配置される。図1には、第1室111と、第2室112と、第3室113と、第4室114と、第5室115と一方向にこの順に配置されている場合を例示している。
複数のイオン透過性隔膜120〜123のうち、容器110の内部を第1室111、第2室112、及び、第3室113をこの順に仕切るイオン透過性隔膜120及びイオン透過性隔膜121には、両イオン透過膜が採用される。両イオン透過膜は、ナトリウムイオン等の陽イオン、及び、塩素イオン等の陰イオンの移動を制限する部材である。両イオン透過膜は、例えば、多孔質膜又は両イオン交換膜である。多孔質膜の材料は、例えば、セラミック材料、樹脂材料が採用されるが、特に限定されない。
また、例えば、複数のイオン透過性隔膜120〜123のうち、容器110の内部を第3室113と第4室114とに仕切るイオン透過性隔膜122には、陰イオン透過膜が採用される。また、例えば、複数のイオン透過性隔膜120〜123のうち、容器110の内部を第4室114と第5室115とに仕切るイオン透過性隔膜123には、陽イオン透過膜が採用される。
<第1電極及び第2電極>
第1電極130及び第2電極131は、容器110内の水溶液を電気分解するための対をなす電極対である。具体的には、第1電極130は、第1室111に備えられており、第2電極131は、第3室113に備えられている。
例えば、第1電極130が陽極となり、且つ、第2電極131が陰極となるように、第1電圧印加部140によって第1電極130と第2電極131とに通電される、つまり、第1電極130及び第2電極131の間に電圧が印加されることで、第2室112に収容されている塩素イオンは、第1室111に移動される。さらに、第1室111に収容されている塩素イオンを含む水溶液が電気分解されて、第1室111には、次亜塩素酸(HClO)を含む電解水が生成される。また、第1室111の水溶液(具体的には、電解水)のpHは下がり、第3室113の水溶液(具体的には、電解水)のpHは上がる。
第1電極130及び第2電極131の材料は、特に限定されるものではないが、例えば、プラチナを主成分とする金属電極である。
<第3電極及び第4電極>
第3電極132及び第4電極133は、容器110内の水溶液を電気分解するための対をなす電極対である。具体的には、第3電極132は、第3室113に備えられており、第4電極133は、第5室115に備えられている。
また、第3電極132が陽極となり、且つ、第4電極133が陰極となるように、第2電圧印加部141によって第3電極132と第4電極133とに通電される。つまり、第3電極132は陽極であり、第4電極133は陰極である。
第2電圧印加部141によって第3電極132及び第4電極133の間に電圧が印加されることで、第4室114に収容されている塩素イオンは、第3室113に移動される。さらに、第2電圧印加部141によって、第3電極132及び第4電極133の間に電圧が印加されることで、第3室113に収容されている塩素イオンを含む水溶液が電気分解されて、第3室113には、次亜塩素酸を含む電解水が生成される。また、第3室113の水溶液(具体的には、電解水)のpHは下がり、第5室115の水溶液(具体的には、電解水)のpHは上がる。
第1電極130及び第2電極131の材料は、特に限定されるものではないが、例えば、プラチナを主成分とする金属電極である。
<第1電圧印加部>
第1電圧印加部140は、第1電極130と第2電極131との間に電圧を与えることで、水溶液を電気分解させる。第1電圧印加部140が印加する所定の電圧は、例えば、5.0Vの直流電圧である。なお、所定の電圧は、パルス電圧、又は、脈流電圧でもよい。
第1電圧印加部140は、具体的には、コンバータ等を含む電源回路で実現される。例えば、第1電圧印加部140は、商用電源等の外部電源から受けた電力に基づいて所定の電圧を生成して、第1電極130と第2電極131との間に印加する。
<第2電圧印加部>
第2電圧印加部141は、第3電極132と第4電極133との間に電圧を与えることで、水溶液を電気分解させる。第2電圧印加部141が印加する所定の電圧は、例えば、5.0Vの直流電圧である。なお、所定の電圧は、パルス電圧、又は、脈流電圧でもよい。
第2電圧印加部141は、具体的には、コンバータ等を含む電源回路で実現される。例えば、第2電圧印加部141は、商用電源等の外部電源から受けた電力に基づいて所定の電圧を生成して、第3電極132と第4電極133との間に印加する。
<給液部及び排液部>
給液部150は、容器110へ水を供給する。具体的には、給液部150は、第1室111と、第3室113と、第5室115とに水を供給する。給液部150は、例えば、容器110へ水を供給するための配管であるが、ポンプ、電磁弁等を備えてもよい。
排液部151、152は、容器110内に生成された電解水を排出する。具体的には、排液部151は、第1室111と第3室113とに生成された電解水を排出する。また、排液部152は、第5室115に生成された電解水を排出する。排液部151、152は、例えば、容器110から電解水を排出するための配管であるが、ポンプ、電磁弁等を備えてもよい。
なお、電解水生成装置100は、容器110への水(及び水溶液)の給液、及び、容器110に生成された電解水の排出をできる構造であればよく、給液部150及び排液部151、152を備えてもよいし、備えなくてもよい。
<制御部>
制御部200は、電解水生成装置100の全体的な動作を制御する制御装置である。具体的には、制御部200は、第1電圧印加部140及び第2電圧印加部141の動作を制御する。例えば、制御部200は、第1電圧印加部140を制御することで、第1電極130と第2電極131との間に電圧を印加するタイミング、及び、電圧の大きさ等を制御する。また、例えば、制御部200は、第2電圧印加部141を制御することで、第3電極132と第4電極133との間に電圧を印加するタイミング、及び、電圧の大きさ等を制御する。
また、制御部200は、容器110内の電解水のpHを制御する。具体的には、制御部200は、第1室111に生成される電解水のpHが所定値となるように、第1電極130及び第2電極131の間に電圧を印加する向きを制御する。言い換えると、制御部200は、第1室111に生成される電解水のpHが所定値となるように、第1電極130と第2電極131との間の通電方向を制御する。より具体的には、制御部200は、第1電圧印加部140を制御することで、第2電極131を基準とした場合における第1電極130に正又は負の電圧を印加する。
制御部200は、第1電極130及び第2電極131に通電する通電方向である第1通電方向に第1時間通電させ、且つ、第1通電方向とは反対方向の第2通電方向に、第1時間とは異なる第2時間通電させるように、通電方向を繰り返し切り替える。ここで、第1通電方向とは、例えば、第1電極130を陽極とし、第2電極131を陰極とする通電方向であり、第2通電方向とは、例えば、第1電極130を陰極とし、第2電極131を陽極とする通電方向である。なお、第1電極130は、あくまで第2電極131に対して相対的に正又は負の極性となるように制御部200に制御されるのであって、第2電極131は、グランド電位でなくてもよい。
例えば、第1電極130を陽極、且つ、第2電極131を陰極としたとき、第1室111に生成される電解水のpHは4.0よりも低いpHまで下がり続ける。
図2は、電解水のpHに対する次亜塩素酸比率を示すグラフである。なお、次亜塩素酸比率とは、電解水中に含まれる塩素系物質のうちの次亜塩素酸として存在する塩素系物質の比率である。
図2に示すように、電解水のpHが、例えば、4.0以上6.5以下程度の弱酸性であれば、塩素イオンを含む水を電気分解した場合に生成される塩素系物質は、次亜塩素酸の割合が高い(例えば、90%以上となる)ことがわかる。
電解水のpHが高くなると、次亜塩素酸の割合が下がり、次亜塩素酸イオン(ClO−)が生成されることが知られている。また、pHが低くなると、次亜塩素酸の比率が下がり、塩素ガス(Cl2)が生成されることが知られている。そのため、殺菌効果の高い次亜塩素酸を効果的に生成するためには、電解水のpHを、4.0以上6.5以下となるように制御をする必要がある。
制御部200は、電解水のpHを所定値(例えば、4.0以上6.5以下)となるように制御するために、第1電極130と第2電極131とに印加する電圧の向き(つまり、通電方向)を好適に変更する。具体的には、制御部200は、電解水のpHの制御として、第1電極130及び第2電極131に印加する電圧の向きを、印加していた電圧の向きとは反対になるように、電圧の向きを反転させる制御をする。言い換えると、制御部200は、第1電極130と第2電極131との間に印加する電圧の向きを繰り返し反転させつつ、第1電極130と第2電極131との間に電圧を印加する第1電圧印加制御を行う。
また、制御部200は、例えば、第1通電方向を、第2電極131を基準とした場合における第1電極130に正の電圧を印加する通電方向とし、第1時間を第2時間より長くした場合に、第1室111における、次亜塩素酸を含む電解水のpHの最低値が、4.0以上となるように、第1電極130及び第2電極131に通電させる通電方向を繰り返し切り替える制御をする。
また、制御部200は、例えば、第2通電方向に通電する時間である第2時間に対する、第1通電方向に通電する時間である第1時間が、1.05以上1.5以下となるように、第1電極130及び第2電極131に通電させる通電方向を繰り返し切り替える制御をする。
また、制御部200は、例えば、第2時間に対する第1時間を1.05以上1.5以下とする場合、第2通電方向から第1電極130及び第2電極131への通電を開始させる。言い換えると、制御部200は、次亜塩素酸を含む電解水を主に生成する側の電極(以下、主陽極電極と呼称する)を、まず、陰極とするように通電方向を制御する。
なお、以下の説明においては、第1電極130を主陽極電極、第2電極131を主陽極電極とは反対の極性となる主陰極電極とする場合について説明する。
また、制御部200は、第2電圧印加部141を制御することで、第3電極132と第4電極133との間に電圧を印加する第2電圧印加制御を行う。具体的には、制御部200は、第3電極132を陽極とし、第4電極133を陰極とするように、第2電圧印加部141を制御する。
また、例えば、給液部150、及び、排液部151、152、ポンプ、電磁弁等を備える場合、制御部200は、これらポンプ、電磁弁等を制御することで、容器110へ水を供給するタイミング、容器110に生成された電解水を排出するタイミング等を制御する。
制御部200は、例えば、マイクロコントローラ等で実現される。具体的には、制御部200は、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサ等で実現される。制御部200は、各動作を実行する専用の電子回路で実現されてもよい。
また、制御部200は、時間を計測するために、RTC(Real Time Clock)等の計時部を備えてもよい。
なお、制御部200は、第1電圧印加部140及び第2電圧印加部141を制御することができればよく、無線信号を送信することで第1電圧印加部140及び第2電圧印加部141を制御してもよいし、第1電圧印加部140及び第2電圧印加部141と制御線等により接続されていてもよい。また、例えば、給液部150、及び、排液部151、152、ポンプ、電磁弁等を備える場合、制御部200は、これらポンプ、電磁弁等と無線により通信可能に接続されていてもよいし、制御線等により接続されていてもよい。
[電解水生成方法]
続いて、図3〜図5を参照して、実施の形態に係る電解水生成装置100が実行する電解水の生成方法の詳細について説明する。
図3は、実施の形態に係る電解水生成装置100が電解水を生成する手順を示すフローチャートである。
まず、電解水生成装置100は、第1電極130を陰極とし、第2電極131を陽極とする第2通電方向に通電を開始することで、電解水の生成を開始する(ステップS101)。具体的には、ステップS101において、制御部200は、第1電圧印加部140を制御して、第1電極130を陰極とし、第2電極131を陽極とするように、第1電極130及び第2電極131に通電させることで、第1電極130と第2電極131との間に電圧を印加する。
次に、第1電極130と第2電極131との間に印加する電圧の向きを繰り返し反転させつつ、第1電極130と第2電極131との間に電圧を印加する第1電圧印加制御を行う(ステップS102)。具体的には、ステップS102において、制御部200は、第1電圧印加部140を制御することで、第1電極130と第2電極131との間に印加する電圧の向きを繰り返し反転させつつ、第1電極130と第2電極131との間に電圧を印加することで、水溶液の電気分解を行う。ステップS102によって、主陽極側である第1電極130が配置される第1室111には、次亜塩素酸を多く含む弱酸性の電解水が生成される。また、主陰極側である第2電極131が配置される第3室113には、次亜塩素酸を含むアルカリ性の電解水が生成される。
次に、制御部200は、第3電極132及び第4電極133に通電させる(ステップS103)。具体的には、ステップS103において、制御部200は、第2電圧印加部141を制御することで、第3電極132と第4電極133との間に電圧を印加する第2電圧印加制御を行う。ステップS103によって、第3室113に収容されていた電解水は、pHが下がる。
図4は、実施の形態に係る電解水生成装置100が実行する水溶液の電気分解を説明するための図である。具体的には、図4の(a)は、実施の形態に係る電解水生成装置100が備える第1電極130及び第2電極131による水溶液の電気分解を説明するための図であり、図4の(b)は、実施の形態に係る電解水生成装置100が備える第3電極132及び第4電極133による水溶液の電気分解を説明するための図である。
より具体的には、図4の(a)は、図3に示すステップS102で第1電極130を陽極とする場合に行なわれる電気分解の様子を示し、図4の(b)は、図3に示すステップS103で行なわれる電気分解の様子を示す。
図4の(a)及び下記の反応式(1)に示すように、第1電極130及び第2電極131に電圧が印加されると、水溶液中の塩素イオン(Cl−)が反応し、陽極側にて塩素ガス(Cl2)が発生する。
2Cl−→Cl2+2e− (1)
次に、下記の反応式(2)に示すように、塩素ガス(Cl2)と水(H2O)とが反応することで、次亜塩素酸(HClO)と塩化水素(HCl)とが生成される。
Cl2+H2O→HClO+HCl (2)
上記の反応式(2)から、陽極側では、水溶液が電気分解されて電解水が生成されると、当該電解水は酸性になることがわかる。
一方、陰極側では、下記の反応式(3)に示すように、水の電気分解が行われる。
2H2O+2e−→H2+2OH− (3)
また、電解質として塩素イオンを用いるために、塩化ナトリウムが用いられることがある。この場合、塩化ナトリウム(NaCl)に含まれるナトリウムイオン(Na+)は、陰極側へ移動する。
以上のことから、陰極側では、水溶液が電気分解されて電解水が生成されると、当該電解水はアルカリ性になることがわかる。そこで、電解水生成装置100は、第1電極130と第2電極131との間の通電方向を時間に応じて反転させる、つまり、第1電極130及び第2電極131の極性を時間に応じて反転させる。そのため、電解水生成装置100は、電解水のpHが高くなりすぎる、及び、電解水のpHが低くなりすぎることを抑制することができる。
ここで、例えば、第1室111に弱酸性の電解水が生成される場合、第3室113には、アルカリ性の電解水が生成されることとなる。そのため、第1室111のpHを次亜塩素酸の生成に適したpHとすることはできるが、同時に第3室113のpHを次亜塩素酸の生成に適したpHとすることはできない。
そこで、電解水生成装置100は、第3電極132及び第4電極133を用いてさらに電気分解を行うことで、第3室113のpHを次亜塩素酸の生成に適切なpH(つまり、pHが4.0〜6.5程度の弱酸性)に制御する。
電解水生成装置100は、第1電極130及び第2電極131による電気分解を行った後に、第3電極132及び第4電極133による電気分解を行う。
図4の(b)に示すように、第3電極132及び第4電極133により電気分解を行うことで、第3室113には、上記反応式(1)〜(3)の反応が起こり、次亜塩素酸と塩化水素とが生成される。そのため、第1電極130及び第2電極131による電気分解によってアルカリ性となっていた第3室113に収容されている電解水は、第3電極132及び第4電極133による電気分解によってpHが下がる。こうすることで、第3室113のpHを次亜塩素酸の生成に適したpHに調整することができる。
なお、電解水生成装置100は、電解水のpHを測定するために、イオン濃度センサ等のpH測定器をさらに備えてもよい。また、制御部200は、当該pH測定器で測定された電解水のpHに基づいて、第1電極130及び第2電極131への通電の開始又は終了を制御してもよい。
図5の(a)は、実施の形態に係る電解水生成装置100が生成する電解水における、通電時間に対する電解水のpHの変化の一例を示すグラフであり、図5の(b)は、実施の形態に係る電解水生成装置100が生成する電解水における、通電時間に対する電解水に生成される次亜塩素酸濃度の変化の一例を示すグラフである。
なお、図5の(a)に示すグラフは、印加電流は0.1A、第2通電時間に対する第1通電時間の時間比を1.12とした場合の実験結果である。具体的には、第1時間を3分10秒とし、第2時間を2分50秒としている。なお、横軸は、第1電極130及び第2電極131、又は、第3電極132及び第4電極133への通電時間(単位:分)を示す。
また、図5の(a)に示すグラフの右側縦軸は、第2電極131を基準とした場合における第1電極130の電位、又は、第3電極132を基準とした場合における第4電極133の電位を示す。
図5の(a)に示すように、制御部200は、第2電極131に対して第1電極130に負の電位を印加するようにして、通電を開始させる。そのため、通電を開始した直後は、第1電極130側の電解水のpHは上昇し、当該電解水はアルカリ性となる。
第2時間経過後、制御部200は、第1電極130及び第2電極131への通電方向を反転(つまり、印加電圧を反転)させると、電圧の変化に伴い、第1電極130側のpHもまた、低下する。
さらに、第1時間経過後、制御部200は、第1電極130及び第2電極131への通電方向を反転させると、電圧の変化に伴い、第1電極130側のpHもまた、上昇する。
このような通電方向を反転させる制御を繰り返すことで、第1電極130側のpHは、上下を繰り返しながら、第1電極130側の電解水のpHの最小値が徐々に低下する。
また、時間経過に伴い、第1電極130側のpHの最小値は、低下しにくくなり、通電開始から24分後においても、pHが6程度の状態となっている。つまり、第2時間に対する第1時間を好適に制御することで、第1電極130側の電解水のpHを好適に維持し続けることができる。これにより、図5の(b)に示すように、第1室111には、次亜塩素酸が多く生成されていることがわかる。
一方、第3室113のpHは、第1室111のpHとは逆の変動をする。そのため、通電開始から24分後において、pHが12程度と高い状態となっている。しかしながら、図5の(b)に示すように、第1室111と同様に、第3室113においてもまた、次亜塩素酸が生成されていることがわかる。
そこで、制御部200は、第1電極130及び第2電極131による電気分解を中止し、次に、第3電極132及び第4電極133による電気分解を行う。
こうすることで、図5の(a)に示すように、第3室113のpHは下がり、図5の(b)に示すように、第3室113の次亜塩素酸濃度は、増加する。
[効果等]
以上、実施の形態に係る電解水生成装置100は、塩素成分を含む水溶液を電気分解することで電解水を生成する。電解水生成装置100は、水溶液が収容される容器110と、容器110の内部を、第1室111、第2室112、及び、第3室113がこの順に隣り合うように仕切り、且つ、第3室113、第4室114、及び、第5室115がこの順に隣り合うように仕切る複数のイオン透過性隔膜120〜123と、第1室111に配置される第1電極130と、第3室113に配置され、第1電極130と対となる第2電極131と、第3室113に配置される第3電極132と、第5室115に配置され、第3電極132と対となる第4電極133と、第1電極130と第2電極131との間に印加する電圧の向きを繰り返し反転させつつ、第1電極130と第2電極131との間に電圧を印加する第1電圧印加制御、及び、第3電極132と第4電極133との間に電圧を印加する第2電圧印加制御を行う制御部200と、を備える。
このような構成によれば、電解水生成装置100は、第1室111に収容されている電解水だけでなく、第3室113に収容されている電解水のpHもまた次亜塩素酸の生成に適したpHに調整することができる。そのため、電解水生成装置100によれば、次亜塩素酸の濃度の高い電解水を多く生成することができる。例えば、電解水生成装置100のように、容器110を5室構造とし、且つ、4つの電極の構成とすることで、容器を3室構造とし、且つ、2つの電極の構成とする電解水生成装置よりも、水溶液を電気分解する時間が同じであっても、容器が同じ容量であれば電解水生成装置100の方がより多くの弱酸性で且つ次亜塩素酸を多く含む電解水を生成することができる。
例えば、複数のイオン透過性隔膜120〜123のうち、容器110の内部を第3室113と第4室114とに仕切るイオン透過性隔膜122は、陰イオン透過膜であり、複数のイオン透過性隔膜120〜123のうち、容器110の内部を第4室114と第5室115とに仕切るイオン透過性隔膜123は、陽イオン透過膜である。
このような構成によれば、制御部200は、第2電圧印加ステップを行った際に、第4室114の陽イオンの第3室113への移動を抑制しつつ、且つ、陰イオンのみを第4室114から第3室113へ移動させやすくなる。そのため、このような構成によれば、制御部200が行う第2電圧印加制御によって、すばやく第3室113に収容されているpHを下げることができる。
また、例えば、第3電極132は陽極であり、第4電極133は陰極である。
このような構成によれば、制御部200は、簡便な構成で第2電圧印加制御を行うことで、第3室113に収容されている電解水のpHを下げることができる。
また、例えば、制御部200は、第1電圧印加制御を行った後に第2電圧印加制御を行う。
このような構成によれば、制御部200は、第1電圧印加制御を行うことによる第3室113のpHの変動がない状態で、第2電圧印加制御を行うことができる。そのため、このような構成によれば、精度良く第3室113に収容されている電解水のpHを次亜塩素酸の生成に適したpHにすることができる。
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
例えば、本実施の形態に係る電解水生成方法は、塩素成分を含む水溶液を電気分解することで電解水を生成する電解水生成装置100が行う電解水生成方法であって、電解水生成装置100は、水溶液が収容される容器110と、容器110の内部を、第1室111、第2室112、及び、第3室113がこの順に隣り合うように仕切り、且つ、第3室113、第4室114、及び、第5室115がこの順に隣り合うように仕切る複数のイオン透過性隔膜120〜123と、第1室111に配置される第1電極130と、第3室113に配置され、第1電極130と対となる第2電極131と、第3室113に配置される第3電極132と、第5室115に配置され、第3電極132と対となる第4電極133と、を備え、電解水生成方法は、第1電極130と第2電極131との間に印加する電圧の向きを繰り返し反転させつつ、第1電極130と第2電極131との間に電圧を印加する第1電圧印加ステップと、第3電極132と第4電極133との間に電圧を印加する第2電圧印加ステップと、を含む。
このような方法によれば、第1室111だけでなく、第3室113のpHもまた次亜塩素酸の生成に適したpHに調整することができる。そのため、次亜塩素酸の濃度の高い電解水を多く生成することができる。
また、例えば、本実施の形態に係る電解水生成方法は、第1電圧印加ステップを行った後で、前記第2電圧印加ステップを行う。
このような方法によれば、第1電圧印加ステップを行うことによる第3室113のpHの変動がない状態で、第2電圧印加ステップを行うことができる。そのため、このような方法によれば、精度良く第3室113に収容されている電解水のpHを次亜塩素酸の生成に適したpHにすることができる。
以下、実施の形態に係る電解水生成装置の変形例について説明する。なお、以下の変形例においては、電解水生成装置100と実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明を省略又は簡略化する場合がある。
[変形例1]
図6は、実施の形態の変形例1に係る電解水生成装置101の構成を示す図である。
実施の形態の変形例1に係る電解水生成装置101は、実施の形態に係る電解水生成装置100の構成に、さらに、連結部160を備える。
容器110aは、容器110と同様に、塩素成分を含む水である水溶液を収容する。容器110aの内部は、4つのイオン透過性隔膜120〜123によって、第1室111と、第2室112と、第3室113と、第4室114と、第5室115と、に仕切られている。例えば、第1室111、第3室113、及び、第5室115には、水が収容されており、第2室112及び第4室114には、塩素成分を含む水である水溶液が収容されている。また、容器110aには、第2室112及び第4室114に対応する空間と容器110aの外部とを繋ぐ貫通孔が形成されている。貫通孔は、連結部160と繋がることで、第2室112と第4室114との内部空間は、連結部160を介して繋がっている。
連結部160は、第2室112と第4室114とに収容される水溶液を移動可能に連結する。連結部160は、例えば、容器110aに形成された貫通孔と接続された流路を有する配管である。連結部160が備える配管の材料は、塩素成分を含む水溶液及び当該水溶液を電気分解することで生成される次亜塩素酸を含む電解水による腐食等が生じにくい材料であればよく、特に限定されない。連結部160が備える配管は、例えば、樹脂材料を用いて形成されている。
このような構成によれば、第2室112に収容された水溶液と、第4室114に収容された水溶液とは、連結部160を介して混ざり合うことができる。そのため、例えば、制御部200が第1電圧印加制御を行った場合においても、第2室112に収容されている水溶液のイオン濃度の変化を抑制することができる。通常、第2室112の方が、第4室114よりも塩素成分を多く利用する。そのため、このような構成によれば、第2室112と第4室114と収容させる水溶液の塩素成分の濃度を変えるといった手間を減らし、且つ、第2室112及び第4室114に収容した塩素成分を効果的に利用することができる。
なお、図6には、第2室112及び第4室114の下方に貫通孔を形成して連結部160を設けている例を示しているが、連結部160が設けられる場所は、特に限定されない。例えば、連結部160は、容器110aの側壁に設けられた貫通孔と接続して設けられてもよいし、上方に設けられてもよい。また、連結部160は、第2室112及び第4室114に収容されている水溶液を互いに移動させるために、ポンプ、電磁弁等を備えてもよい。この場合、制御部200は、これらポンプ、電磁弁等と通信可能に接続され、これらポンプ、電磁弁等の制御を行ってもよい。
[変形例2]
図7Aは、実施の形態の変形例2に係る電解水生成装置102の構成を示す概略斜視図である。図7Bは、実施の形態の変形例2に係る電解水生成装置102が備える容器110bを示す上面図である。
実施の形態の変形例2に係る電解水生成装置102は、実施の形態に係る電解水生成装置100の構成とは、容器が異なる。
容器110bは、容器110と同様に、塩素成分を含む水である水溶液を収容する。容器110bの内部は、2つのイオン透過性隔膜124、125及び壁部117によって、第1室111と、第3室113と、第5室115と、第6室116とに仕切られている。例えば、第1室111、第3室113、及び、第5室115には、水が収容されており、第6室116には、塩素成分を含む水である水溶液が収容されている。
壁部117は、容器110b内に設けられた壁であり、容器110bの底部及び側壁部に立設して形成されている。壁部117は、容器110b内の空間を第1室111と第5室115とを仕切ればよく、容器110bに一体的に形成されていてもよいし、容器110bとは別体で設けられてもよい。壁部117は、例えば、容器110bと同一の材料で形成される。
複数のイオン透過性隔膜124、125は、容器110b内を第1室111と、第2室112と、第3室113と、第4室114と、第5室115と、に仕切り、容器110bに収容されている水溶液中及び電解水中に含まれるナトリウムイオン等の陽イオン、及び、塩素イオン等の陰イオンの移動を制限する部材である。具体的には、2つのイオン透過性隔膜124、125は、容器110bの内部を、第1室111、第6室116、及び、第3室113がこの順に隣り合うように仕切り、且つ、第3室113、第6室116、及び、第5室115がこの順に隣り合うように仕切る。
より具体的には、イオン透過性隔膜124は、第1室111及び第5室115と、第6室116の間に配置される。また、イオン透過性隔膜125は、第6室116及び第3室113の間に配置される。このように、第6室116は、実施の形態に係る電解水生成装置100が備える容器110に設けられた第2室112及び第4室114を一体化した構造である。
イオン透過性隔膜124、125には、例えば、両イオン透過膜が採用される。両イオン透過膜は、ナトリウムイオン等の陽イオン、及び、塩素イオン等の陰イオンの移動を制限する部材である。両イオン透過膜は、例えば、多孔質膜又は両イオン交換膜である。多孔質膜の材料は、例えば、セラミック材料、樹脂材料が採用されるが、特に限定されない。
以上のような、容器110bに設けられた第6室116のように、容器110が備える第2室112と第4室114とは、一室構造でもよい。
このような構成によれば、電解水生成装置100が備える容器110よりも、内部空間を仕切るイオン透過性隔膜124、125の数を少なくすることができる。また、このような構成によれば、第2室112と第4室114と収容させる水溶液の塩素成分の濃度を変えるといった手間を減らし、且つ、第2室112及び第4室114に収容した塩素成分を効果的に利用することができる。
[変形例3]
図8は、実施の形態の変形例3に係る電解水生成装置103の構成を示す図である。
実施の形態の変形例3に係る電解水生成装置103は、実施の形態に係る電解水生成装置100の構成とは異なり、第2電極131及び第3電極132を1つの電極とした第5電極134を備える。
第5電極134は、第1電極130と対となり、且つ、第4電極133とも対となる電極である。
第5電極134は、容器110に設けられた第3室113に収容されている。
第5電極134の材料は、特に限定されるものではないが、例えば、プラチナを主成分とする金属電極である。
例えば、制御部200は、第1電圧印加部140を制御することで第1電極130と第5電極134との間に印加する電圧の向きを繰り返し反転させつつ、第1電極130と第5電極134との間に電圧を印加する第1電圧印加制御を行う。次に、制御部200は、第1電圧印加制御の後で、第5電極134を陽極とし第4電極133を陰極とするように第5電極134を陽極と第4電極133との間に電圧を印加する第2電圧印加制御を行う。こうすることで、電解水生成装置103は、電解水生成装置100と同様に水溶液の電気分解を行う。
このように、第2電極131と第3電極132とは、一つの電極でもよい。
このような構成によれば、電解水生成装置103の構造は、簡便化され得る。
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態及び変形例1〜3に係る電解水生成装置等について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、容器110は、4つのイオン透過性隔膜120〜123によって分離される5室を備えた。しかしながら、容器110は、容器110内は6つのイオン透過性隔膜によって分離される7室構造でもよいし、容器110内は8つのイオン透過性隔膜によって分離される9室構造でもよく、9室以上の構成でもよい。例えば、容器110が7室構造の場合、第1室〜第7室は、この順に配置され、第1室及び第3室と、第3室及び第5室と、第5室及び第7室と、に電極対が配置されればよい。また、第1室及び第3室と、第3室及び第5室とに配置される電極対は、制御部によって極性反転制御がなされるとよい。こうすることで、第1室、第3室、及び、第5室には、次亜塩素酸濃度が高い弱酸性の電解水が生成される。
また、上記実施の形態において、制御部200等の構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、或いは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサ等のプログラム実行部が、HDD(Hard Disk Drive)又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、制御部200等の構成要素は、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)等が含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
また、本発明の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路又はコンピュータプログラムで実現されてもよい。或いは、当該コンピュータプログラムが記憶された光学ディスク、HDD若しくは半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。