JP2019203688A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮機への液戻りを防止しつつ、制御性も向上することのできる冷凍サイクル装置を得る。【解決手段】冷凍サイクル装置は、圧縮機1、凝縮器となる熱交換器3または7、膨張弁6,8、蒸発器となる熱交換器7または3を順次冷媒配管で接続して冷凍サイクルを構成している。また、前記膨張弁と前記蒸発器となる熱交換器との間に蒸発温度センサ20,21を備え、該蒸発温度センサで検知される蒸発温度が、蒸発温度の制御目標値になるように前記膨張弁の開度を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、空気調和機などの冷凍サイクル装置に関する。
従来から、圧縮機、室外熱交換器、室外ファンなどを備えた室外機と、室内熱交換器などを備えた室内機とを冷媒配管で接続して冷凍サイクルを構成し、前記室内機で冷房や暖房などを行うようにした空気調和機が知られている。このような空気調和機で用いられる圧縮機は、液冷媒を大量に吸い込むと故障する可能性があるので、圧縮機への液戻りを回避するために、前記冷凍サイクルに設けられている膨張弁(例えば電子膨張弁)の開度制御が重要とである。
この膨張弁の開度制御としては、圧縮機の吐出温度が所定の値となるように制御することや、蒸発器となる熱交換器出口における冷媒過熱度が所定の値となるように制御することが知られている。
特開2004−225924号公報(特許文献1)のものには、蒸発器となる熱交換器の出口過熱度をゼロとし、かつ冷媒乾き度が1となるように、膨張手段を制御すること、蒸発温度を低圧圧力から換算して求め、この蒸発温度を目標蒸発温度に近づけるように膨張手段を制御すること、圧縮機の吐出側における冷媒過熱度が所定の範囲に収まるように膨張手段を制御することなどが開示されている。
また、特開2002−327950号公報(特許文献2)のものには、蒸発器出口における冷媒の過熱度が所望の値となるように室内膨張弁開度を制御し、かつ蒸発器における冷媒の蒸発温度が目標温度となるように圧縮機の容量を制御する際に、互いの制御が蒸発温度に影響を与えて安定しなくなるのを改善するための動的モデルを用いた制御方法が開示されている。
特開2004−225924号公報 特開2002−327950号公報
上記特許文献1のものでは以下の課題がある。
圧縮機を運転すると圧縮された冷媒が高温となり、圧縮機構部やモータなどを内蔵している圧縮機の容器が加熱される。また、前記容器は、前記圧縮機構部の機械損失等の損失が熱に変わることによっても加熱される。この加熱量は、空調負荷が比較的大きく、圧縮機回転数も高い場合には大きいが、空調負荷が比較的小さい場合には、発熱量が小さくなる。
一方、圧縮機の熱容量は変わらないので、空調負荷が小さい場合には圧縮機の温度変化が緩慢となる。このため、空調負荷が小さい場合には、膨張弁開度の変化に対して吐出温度の変化の遅れが顕著となるので、圧縮機の吐出温度に基づいて膨張手段を制御するものでは、制御性が悪化する課題がある。
空気調和機の信頼性を確保する上では、圧縮機への液戻りを防止することが重要であるが、このように制御性が悪化すると、条件によっては液戻り等が生じる恐れがある。特に、低負荷時においては、上述したように吐出温度の変化が緩慢となるため、信頼性を十分に確保できない課題がある。
また、特許文献1のものには、冷媒の蒸発温度を、冷凍サイクルにおける低圧圧力から換算して求め、この蒸発温度を目標蒸発温度に近づけるように制御することも記載されている。蒸発温度の変化は圧縮機熱容量の影響を受けないので、比較的速い。しかし、蒸発温度を低圧圧力から換算する場合、蒸発温度の推定精度に問題が生じる。
すなわち、圧縮機の吸込口近傍の低圧圧力は、室内機の蒸発圧力から、室内機から圧縮機までの接続配管(冷媒配管)に応じた圧力損失分だけずれているので、前記蒸発温度を正確に認識するためにはこれを補正する必要がある。
また、前記圧力損失は、配管の長さなどの施行条件によって変動するだけでなく、空気調和機の能力、すなわち前記接続配管を流れる冷媒の流量によっても変化するので、圧力損失の値を正しく検知することは難しい。
したがって、前記蒸発温度高い精度で推定することは難しく、さらに特許文献1のものでは、変化が緩慢な圧縮機の吐出温度を用いて制御をしているので、応答性が良く精度も高い制御をすることは難しいという課題があった。すなわち、圧縮機への液戻りを防止しつつ、制御性も向上することについての配慮が充分に為されていない。
一方、特許文献2のものでは以下の課題がある。
特許文献2に記載のように、蒸発器出口における冷媒過熱度を制御するものでは、圧縮機の熱容量の影響を受けないので応答性も速く、比較的空調負荷が小さい場合でも制御が容易となる。しかし、冷媒過熱度は、蒸発器出口の冷媒が完全にガス化しなかった場合、すなわち気液二相状態で流出する場合には、その液比率によらず値は0度になるという課題がある。この場合、冷媒が完全に蒸発するように膨張弁を絞って蒸発温度を下げる必要があるが、前記液比率を検知できないので、膨張弁をどの程度絞るべきかの判断ができない。
また、冷媒は、蒸発した後も空気との熱交換により温度上昇するが、空気温度が低い場合には温度の上昇幅が小さくなるので、過熱度が大きい場合にも、どの程度膨張弁開度を開くべきかの判断が難しい課題がある。
このため、過熱度が目標値から大きく外れた場合や、空気調和機の起動時など、過渡的変化が大きい条件でも、膨張弁開度を少しずつ開くなどゆっくりとした制御になり、応答性が悪く制御性が低下する課題がある。
また、この特許文献2のものでは、圧縮機吸入側に設けた低圧圧力センサと吸入温度センサにより、過熱度を検出するようにしているので、上記特許文献1と同様に、圧力損失の値を正しく検知することは難しく、蒸発器出口における冷媒過熱度を高い精度で推定することは難しいという課題もある。
すなわち、特許文献2のものでも、応答性が良く精度も高い制御をすることは難しく、圧縮機への液戻りを防止しつつ、制御性も向上することについての配慮が充分に為されていない。
本発明の目的は、圧縮機への液戻りを防止しつつ、制御性も向上することのできる冷凍サイクル装置を得ることにある。
上記目的を達成するため、本発明は、圧縮機、凝縮器となる熱交換器、膨張弁、蒸発器となる熱交換器を順次冷媒配管で接続して冷凍サイクルを構成している冷凍サイクル装置であって、前記膨張弁と前記蒸発器となる熱交換器との間に蒸発温度センサを備え、該蒸発温度センサで検知される温度に応じて前記膨張弁の開度を制御することを特徴とする。
本発明によれば、圧縮機への液戻りを防止しつつ、制御性も向上することのできる冷凍サイクル装置を得ることができる効果がある。
本発明の冷凍サイクル装置の実施例1を示す冷凍サイクル構成図である。 冷凍サイクル装置の冷房運転時におけるP−h線図の一例である。 冷凍サイクル装置の冷房運転時におけるP−h線図の他の例で、膨張弁における減圧量が不足している場合の図ある。 本実施例1の冷凍サイクル装置における蒸発温度の制御目標値の設定方法を説明するブロック図である。 本実施例による効果を説明するための図で、膨張弁開度と、過熱度及び蒸発温度との関係を示す線図である。 本発明の冷凍サイクル装置の実施例2を示す冷凍サイクル構成図である。 本実施例2の冷凍サイクル装置における蒸発温度の制御目標値の設定方法を説明するブロック図である。 本発明の冷凍サイクル装置の実施例3を示す冷凍サイクル構成図である。 本発明の冷凍サイクル装置の実施例4を示す冷凍サイクル構成図である。 本発明の冷凍サイクル装置の実施例5を示す冷凍サイクル構成図である。
以下、本発明の冷凍サイクル装置の具体的実施例を、図面を用いて説明する。各図において、同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分を示している。
本発明の冷凍サイクル装置の実施例1を、図1〜図4を用いて説明する。この実施例1では、冷凍サイクル装置として、空気調和機に本発明を適用した場合の例を説明する。
図1は本実施例1の冷凍サイクル装置のサイクル系統図である。
図1において、90は室外機、91は室内機である。
前記室外機90には、冷媒を圧縮する圧縮機1、冷房運転と暖房運転で冷媒の流れ方向を切替えるための四方弁2、冷媒と外部空気(外気)を熱交換させるための室外熱交換器(熱交換器)3、この室外熱交換器3に外気を送風するための室外ファン4、及び室外膨張弁(膨張弁)6などが備えられている。また、この室外機90には、前記室外膨張弁6と前記室外熱交換器3の間に、暖房運転時に前記室内膨張弁6出口の温度(冷媒配管の温度)を検知するための蒸発温度センサ20が設けられており、さらに前記室外熱交換器3に吸い込まれる外気の温度を検知する外気温度センサ24も備えられている。
前記室内機91には、室内熱交換器(熱交換器)7、室内膨張弁(膨張弁)8及び前記室内熱交換器7に室内空気を送風するための室内ファン9などが備えられており、前記室内膨張弁8と前記室内熱交換器7の間には、冷房運転時に前記室内膨張弁8出口の温度を検知するための蒸発温度センサ21が設けられている。また、この室内機91には、吸込空気の温度を検知する吸込温度センサ22及び湿度を検知する湿度センサ23も備えられている。
前記室外機90と前記室内機91とは、ガス冷媒が流れるガス用接続配管(冷媒配管)10と液冷媒が流れる液用接続配管(冷媒配管)11により接続されている。なお、前記室外機90には、前記液用接続配管11に接続される部分に液阻止弁15が、前記ガス用接続配管12に接続される部分にガス阻止弁16が設けられている。
冷房運転時には、圧縮機1で圧縮されて高温高圧となったガス冷媒は、四方弁2を実線で示す回路を通り、室外熱交換器3へ供給される。室外熱交換器3では、高温高圧のガス冷媒が室外ファン4により供給される外気と熱交換して放熱することにより凝縮・液化し、液冷媒となる。この液冷媒は、液用接続配管11を通って室内機91に入り、室内膨張弁8により所定の圧力まで減圧されて低温低圧の冷媒となり、室内熱交換器7に流入する。この室内熱交換器7では、冷媒が、室内ファン9により供給される室内空気と熱交換して室内空気から熱を奪い、冷房を行う一方で冷媒自身は蒸発してガス化する。その後、ガス冷媒はガス用接続配管10を通って前記室外機90へ戻り、四方弁4を介して圧縮機1へ吸入される。冷房運転時にはこのような冷凍サイクルを繰り返す。
なお、図1に示す例では、室内機91が1台のみの場合を示したが、後述する図8に示すように、室内機91が複数台、並列に設けられる場合も多く、この場合、前記室内膨張弁8は冷媒を減圧するだけでなく、各室内機91に流れる冷媒流量を調整する作用も行う。
暖房運転時には、前記四方弁2を破線で示す回路に切り替えて運転を行う。圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒は、四方弁2、ガス用接続配管10を通って室内機91へ流入し、室内熱交換器7で室内空気と熱交換して放熱し、室内空気を加熱すると共に自らは凝縮して液化する。この液化した液冷媒は、液用接続配管11を通って室外機90へ戻り、室外膨張弁6で減圧されて低温低圧となった冷媒は室外熱交換器3において室外ファンにより送風される外気と熱交換して、外気から熱を奪い蒸発した後、前記四方弁4を介して圧縮機1へ吸入される。暖房運転時にはこのような冷凍サイクルを繰り返す。
図2は冷凍サイクル装置の冷房運転時におけるP−h線図(モリエル線図)の一例であり、横軸は比エンタルピh(kJ/kg)を、縦軸は圧力P(MPa)を示している。圧縮機1で吸い込まれた冷媒は、状態aから圧縮されて状態bとなり、高温高圧冷媒となる。その後、室外熱交換器3で凝縮した冷媒は状態cとなり、室内膨張弁6で減圧されて状態dとなる。減圧された冷媒は、室内熱交換器7で吸熱して蒸発し、状態eとなる。その後、室内機91から室外機90までの接続配管等を通過する際に、冷媒流動圧力損失により減圧されて状態aに戻る。
図3は冷凍サイクル装置の冷房運転時におけるP−h線図の他の例で、膨張弁(例えば室内膨張弁8)における減圧量が不足している場合の図ある。この図3において、破線は図2の状態を示している。室内膨張弁8における減圧量が不足すると、蒸発温度が上がることになるので、室内空気との温度差が減少し、交換熱量が減少する。このため室内熱交換器7の出口で冷媒を過熱(スーパーヒート)させることができずに、冷媒には液相(液冷媒)が含まれた状態で圧縮機1に戻ることになる。
圧縮機1では液冷媒を圧縮することはできないので、液冷媒が大量に圧縮機1へ戻ると圧縮機1が故障する可能性がある。したがって、室内膨張弁8における減圧量を適切に制御することが、圧縮機への液戻りを防止して信頼性を確保する上で非常に重要となる。
一方、前記室内膨張弁8における減圧量が過剰になると、蒸発器となる室内熱交換器7出口における過熱度が増大し、圧縮機に吸入される冷媒の温度が高くなる。また、吸込圧力が低くなるので、冷媒物性から定まる理論上の圧縮機1の吐出温度がさらに上昇する。
これらの要因により圧縮機1の吐出温度が上昇するので、条件によっては圧縮機1の温度が高くなり過ぎて、その信頼性を損なう可能性がある。
また、室内熱交換器7の内部で過熱ガスとなった冷媒は空気との伝熱性能が低いので、過熱ガスの領域が広くなると熱交換器としての伝熱性能(熱交換効率)が低下する課題もある。したがって、空気調和機としての効率も低下するので、室内膨張弁8における減圧量が過剰になるのも望ましくない。
以上のように、圧縮機1における信頼性を確保する観点だけでなく、空気調和機としての効率の観点からも、室内膨張弁8の開度を適切に制御して、蒸発器出口過熱度を適切に保つことが重要である。圧縮機1の吐出温度は、減圧量が不足し液戻りが発生すると低下し、逆に減圧量が過剰になると上昇する特性を持つので、圧縮機1の吐出温度を適正に保つことでも信頼性を確保することはある程度可能である。
しかし、圧縮機1の吐出温度は、冷媒の状態変化に対して、圧縮機1の熱容量の分だけ変化が緩慢となるので、冷媒の状態の急激な変化に対して追随性が劣る(制御応答性が悪い)という課題がある。この課題は、圧縮機回転数が低く、圧縮機1における熱損失が低下する条件で特に顕著となり、圧縮機1の回転数や室内膨張弁8開度などの変化の影響が、吐出温度にあらわれるまでに時間を要する。
このため、例えば吐出温度が目標より高いために室内膨張弁8開度を開く場合を仮定すると、室内膨張弁8の開度を大きくしても吐出温度がなかなか低下しないので、室内膨張弁8の開度を大きくし過ぎてしまい、圧縮機1への液戻りが発生するといった状況が発生し得る。このように、圧縮機1の吐出温度を適正に保つ制御では、制御性が悪化し、空調機としての信頼性を損なう可能性があった。
また、室外機90と室内機91間の接続配管(冷媒配管)10,11が長い場合、前記接続配管10,11の熱容量の影響も大きく受けるので、室内膨張弁8の開度変化による影響が圧縮機の吐出温度に現れるまでにさらに時間を要することになる。このため、さらに制御性が悪化する。
上記課題を解決するための本発明の実施例を以下説明する。本実施例では、膨張弁出口と蒸発器となる熱交換器との間、すなわち冷房運転時であれば、室内膨張弁8と蒸発器となる室内熱交換器7との間の冷媒配管に、蒸発温度を検知する蒸発温度センサ21を設置し、その検知温度が制御目標値となるように前記室内膨張弁8を制御するようにしたものである。
室内膨張弁8の出口は、該室内膨張弁8の開度を変えた場合や圧縮機1の回転数を変えた場合に、温度が最初に変化する場所であり、制御状態の変化に対する応答が速いという特徴がある。本実施例では、蒸発温度センサ21を室内膨張弁8出口に配置し、この蒸発温度センサ21で検知した温度(蒸発温度)を用いて前記室内膨張弁8を制御するようにしているので、制御状態の変化に対する蒸発器の状態の変化を素早く検知して膨張弁8を制御することができる。また、本実施例では、蒸発温度を前記蒸発温度センサ21により直接検知するので、従来のように、ガス用接続配管10における圧力損失等により、蒸発温度の推定に誤差が生じる恐れもない。
したがって、本実施例によれば、室内膨張弁8の開度制御等の制御性を向上させることができ、この結果、圧縮機1への液戻りを防止して信頼性を向上することができる。また、本実施例では、応答性の良い制御が可能になるだけでなく、蒸発温度を高精度で検知できるので、蒸発器出口の過熱度制御を高精度で行うことが可能となる。これにより、適切な過熱度に制御することが容易に可能となるから、空気調和機における熱交換効率も向上することができる。したがって、本実施例によれば、圧縮機への液戻りを防止しつつ、制御性も向上して効率の良い空気調和機を得ることができる。
特に、本実施例では、圧縮機1とガス用接続配管10の熱容量やガス用接続配管10における圧力損失等の影響を受けないので、空調負荷が小さく圧縮機1の回転数が低い条件であっても、蒸発温度を高い精度で迅速に検出することが可能となり、制御性を向上できるので、空気調和機の制御可能な能力範囲を低負荷側に拡大させることも可能となる。
空気調和機の低負荷時に、蒸発器における過熱度を一定としたまま空気調和機の能力を落とすため圧縮機の回転数を下げると、圧縮機の吸込圧力が上昇し、圧縮機に必要な差圧や圧力比を確保できない恐れがある。圧縮機の回転数を下げない場合、空調能力が過剰となるので、圧縮機を断続運転する必要があり、省エネルギー性が悪化する。
これに対し、本実施例では、空気調和機の制御可能な能力範囲を低負荷側に拡大できるので、低負荷条件における圧縮機の断続運転を抑制でき、圧縮機の断続運転に伴う消費電力増大を抑制できる。したがって、この点からも消費電力が少なく効率の高い空気調和機を得ることができる。
さらに、圧縮機1の吸入側の低圧圧力から蒸発温度を推定する従来の方法では、室内機91が複数台並列に設けられている場合、室内機91のそれぞれの状態を検知することはできない。これに対し、本実施例では、室内機91が並列に複数台設置されている場合でも、それぞれの室内機91における蒸発温度の変化を正しく検知することができるので、各室内機の変化に応じた適切な制御が可能となる効果も得られる。
次に、本実施例1の冷凍サイクル装置における蒸発温度の制御目標値の設定について、図4を用いて説明する。図4は本実施例1における蒸発温度の制御目標値の設定方法を説明するブロック図である。
蒸発温度の制御目標値は様々な方法で決定することができるが、本実施例では図4に示すように、室内熱交換器7への吸込空気の温度を前記吸込温度センサ22で、湿度を前記湿度センサ23で検知し、これらの値と、風量設定値30による室内熱交換器7への風量及び交換熱量31から、蒸発温度を推定する蒸発温度推定部50を備えている。ここで室内熱交換器7の前記交換熱量31は、前記蒸発温度センサ21で検知した蒸発温度や圧縮機1の回転数などから推定することができる。また、前記風量設定値30は室内ファン9により前記室内熱交換器7に供給される風量の設定値である。
なお、図4に示す湿度センサ23からの情報については、必ずしも必要ではなく、例えば湿度センサ23からの検出値を用いる代わりに湿度を推定して用いても良い。また、風量設定値30については、室内ファン9の回転数を使用しても良い。
また、前記蒸発温度推定部50により推定された蒸発温度から蒸発温度の制御目標値を設定する蒸発温度の制御目標値設定部51を備える。これら蒸発温度推定部30及び蒸発温度の制御目標値設定部51の機能は、空気調和機に備えられている制御装置(図示せず)などに具備させると良い。前記蒸発温度推定部50及び前記蒸発温度の制御目標値設定部51で設定される蒸発温度の制御目標値は、予め定めた制御周期毎に修正されるように構成することが好ましい。
前記室内膨張弁8は、前記蒸発温度センサ21で検知される温度が、前記蒸発温度の制御目標値設定部51で設定された蒸発温度の制御目標値になるように、前記制御装置により制御される。本実施例では、蒸発温度の制御目標値を絶対値として持つことができるため、例えば過熱度が過剰な場合や、液戻りが生じた場合であっても、室内膨張弁8出口に設けた蒸発温度センサ21の値が、蒸発温度の制御目標値となるように、室内膨張弁8の開度を制御することができる。
例えば、空気調和機の起動時に、液戻りを防止するために室内膨張弁8を絞り気味にすると、蒸発圧力が過剰に低下して、空気調和機の冷房能力が出難く、冷房能力が低くなる。冷房能力が低いと、圧縮機1の吐出温度の上昇速度が緩慢となり時間を要する。
このため、従来の吐出温度を用いて室外膨張弁を制御するようにしたものでは、室内膨張弁の開度を開ける動作が為されるまで時間が掛かり、冷房能力の低い状態がしばらく継続することにより、起動時の冷房能力が不足し易い。
また、蒸発器出口における冷媒過熱度が所望の値になるように室内膨張弁を制御するようにした従来のものでは、空気調和機の起動時に、室内膨張弁を絞り気味にした場合、蒸発器出口の過熱度は比較的早期に確保され上昇していくが、次に前記過熱度を適切な値にするためには前記室内膨張弁をどの程度あけて良いかの判断が難しく、液戻りを防止して信頼性を確保するためには、前記室内膨張弁を、時間を掛けて徐々にあけていくしかなかった。
このように従来のものでは、空気調和機の冷房能力が出難いという問題があった。
これに対し、本実施例は、蒸発温度の制御目標値を絶対値として持ち、前記蒸発温度センサ21の検知温度が前記制御目標値になるように前記室内膨張弁8を制御するようにしているので、室内膨張弁8の開度を過剰に小さくしたり大きくすることなく、適切な開度に保つことができる。
また、前記室内膨張弁8が絞りすぎの状態であっても、前記蒸発温度センサ21の検知温度と前記蒸発温度の制御目標値との偏差を知ることができるので、どの程度前記室内膨張弁8の開度を変更すべきかの判断が可能となる。したがって、空気調和機の起動時に蒸発圧力が過剰に低くなって冷房能力が不足するのを防止することができ、十分な冷房能力を発揮できるまでの時間を短縮することも可能になるので、空気調和機の快適性を向上させることもできる。
さらに、蒸発器となる室内熱交換器7における圧力変化が急激な場合、室内膨張弁8開度の絞りすぎや圧縮機への液戻りが発生する可能性があるが、従来の吐出温度や過熱度を用いた制御では、どの程度室内膨張弁の開度を変化させるべきか判断できない場合が発生する。
これに対しても、本実施例のものでは、蒸発温度の制御目標値を絶対値として持つので、前記蒸発温度センサ21の検知温度と前記制御目標値との偏差を検知することができ、圧縮機への液戻りが発生した場合や過熱度が過剰な場合であっても、必要な室内膨張弁8開度の変化量を推定することができる。したがって、空気調和機の信頼性を高めることもできる。
上述したことを、図5を用いて、具体例で説明する。図5は本実施例による効果を説明するための図で、膨張弁開度と、過熱度及び蒸発温度との関係を示す線図である。
蒸発器出口における冷媒過熱度を制御する従来例の場合、図5(a)に示すように、冷媒過熱度は、蒸発器出口の冷媒が完全にガス化しなかった場合(気液二相状態で流出する場合)、その液比率が多い場合(A点の場合)でも、少ない場合(B点の場合)でも、過熱度の値は0度になる。この場合、冷媒が完全に蒸発するように膨張弁を絞って蒸発温度を下げる必要があるが、前記液比率を検知できないので、膨張弁をどの程度絞るべきかの判断ができない。
また、冷媒は、蒸発した後も空気との熱交換により温度上昇するが、空気温度が低い場合には温度の上昇幅が小さくなるので、過熱度が大きい場合(D点やE点の場合)にも、どの程度膨張弁開度を開くべきかの判断が難しい。
すなわち、膨張弁開度はC点が適正だと仮定したときに、上記A点とB点の過熱度は0度で等しいので、過熱度だけ見ていると、C点まで膨張弁開度を変える際に、どの程度開度を絞るべきか判断が難しい。
また、膨張弁を絞りすぎた場合にも、蒸発温度は膨張弁開度に応じて下がるが、過熱度はD点とE点でほぼ同じであるため、C点に制御するために、どの程度膨張弁を開くべきか判断が難しい。
このため、蒸発器出口における冷媒過熱度を制御するようにした従来のものでは、安全をみて徐々に開度を変更することになり、制御が遅れるという欠点がある。
これに対し本実施例では、室内膨張弁8と蒸発器となる室内熱交換器7との間に蒸発温度センサ21を設置し、その検知温度が制御目標値となるように前記室内膨張弁8を制御するようにしているので、図5(b)に示すように、蒸発温度の制御目標値(C点)と、検知された蒸発温度との差異の大きさが明確になり、膨張弁開度をどの程度絞るべきか或いは開くべきかの判断が容易になる。
すなわち、上記A点とB点の過熱度は0度で等しいが、蒸発温度を見ると、A点とB点の蒸発温度はC点の制御目標値に対する差が異なるので、それぞれの差異に応じて、絞り量をX,Xのように調整することにより、膨張弁開度を適切かつ迅速に修正できる。
膨張弁を絞りすぎた場合にも、過熱度はD点とE点でほぼ同じであるが、蒸発温度は膨張弁開度に応じて下がるので、D点とE点で大きく異なる。したがって、この場合にも、それぞれの制御目標値(C点)との差異に応じて、開き量をX,Xのように調整することにより、膨張弁開度を適切かつ迅速に修正できる。したがって、本実施例によれば、膨張弁の適切な開度制御量を把握することができるので、迅速かつ正確に蒸発温度を制御目標値に近づける制御が可能になり、制御性の良い冷凍サイクル装置を得ることができる。
このため、過熱度が目標値から大きく外れた場合や、空気調和機の起動時など、過渡的変化が大きい条件でも、膨張弁開度を迅速かつ正確に制御できるので、制御の応答性が良くなり、制御性を向上できる。
ところで、冷凍サイクル装置においては、通常、空調負荷すなわち交換熱量が小さくなると、室内機91での、冷媒と室内空気との温度差が小さくなるので、蒸発温度が高くなる。これにより圧縮機1の吸込圧力が高くなるので、吸込圧力と吐出圧力の差が小さくなり、圧縮機1の運転可能範囲を逸脱する可能性が生じる。このため、蒸発温度の過剰な上昇は圧縮機1の信頼性を確保する上で望ましくない。
そこで、本実施例では、前記蒸発温度の制御目標値に上限値を設定するようにしている。室内膨張弁8の出口は冷媒が気液二相状態となっており、冷媒温度に応じて飽和圧力も決まる。したがって、蒸発圧力はこの蒸発温度の飽和圧力以上には上がらないので、蒸発温度の制御目標値に上限値を設けることにより、蒸発圧力に制限を設けることができる。
圧縮機1の吸込圧力はガス用接続配管10の圧力損失分だけ低いので、蒸発圧力に制限を設けることで、圧縮機1の吸込圧力を蒸発器となる室内熱交換器7における蒸発圧力よりも確実に低い状態に保つことができる。したがって、吸込圧力の上昇を抑制することができるから、圧縮機1の信頼性を確保することができる。
なお、圧縮機1の回転数を上げて、すなわち冷房能力を上げることにより、圧縮機1の吸込圧力の上昇を防止することも考えられるが、このようにすると冷房能力が空調負荷に対して過剰となるため、圧縮機1が断続運転されることになり、消費電力が増大する。これに対して本実施例では、圧縮機1の回転数を上げることなく吸込圧力の上昇を抑制できるので、圧縮機1の断続運転を抑制して連続運転させることが可能となり、消費電力の増大を抑制でき、省エネルギー性の高い空気調和機を得ることができる。
上述した説明は、冷房運転時についての説明であるが、本発明は暖房運転時であっても同様に実施できる。これを図1により説明する。暖房運転時には、四方弁2を、冷媒が破線側へ流れるように切替え、圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒を室内熱交換器7へ流し、ここで凝縮した液冷媒は液用接続配管11を通って室外機90へと流入する。
このとき、室内膨張弁8は全開であり、冷媒の減圧は室外膨張弁6で行う。
また、室外膨張弁6と室外熱交換器3の間の冷媒配管には蒸発温度センサ20が設置されており、この蒸発温度センサ20で検知された蒸発温度が所定温度(制御目標値)となるように前記室外膨張弁6の開度を制御する。暖房運転時においても、蒸発温度の制御目標値を絶対値で保持することにより、安定して室外膨張弁6を制御することができるので、圧縮機1への液戻りを防止した運転が可能となり、信頼性を向上させることができる。
また、外気温度が高い場合など、蒸発圧力が高くなり易い条件であっても、蒸発温度の制御目標値に上限値を設定することにより、蒸発圧力に制限を設けることができる。したがって、圧縮機の吸込圧力が過剰に高くなることを防止することができるので、圧縮機1の信頼性を確保し、空気調和機としての信頼性を向上させることができる。
次に、本発明の実施例2を、図6及び図7を用いて説明する。図6は本発明の冷凍サイクル装置の実施例2を示す冷凍サイクル構成図、図7は本実施例2の冷凍サイクル装置における蒸発温度の制御目標値の設定方法を説明するブロック図である。
図6及び図7において、図1及び図4と同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分であり、図1と異なる点を中心に説明する。本実施例2では、室内機91における室内熱交換器7の室内膨張弁8側とは反対側に、出口温度センサ25を設け、さらに室外機90における室外熱交換器3の室外膨張弁6側とは反対側に出口温度センサ26を設置している点が、上記実施例1とは異なっている。なお、本実施例2では、上記実施例1における吸込温度センサ22及び湿度センサ23については設置していないが、実施例1と同様に、これらのセンサ22,23も設置して、実施例1と同様の制御もするように構成しても良い。
本実施例2においても、上記実施例1と同様に、冷房運転時には、蒸発温度センサ21が検知した温度が目標温度(蒸発温度の制御目標値)となるように、室内膨張弁8の開度を制御する。ここで、実施例1とは異なり、蒸発温度の制御目標値を固定せずに、室内熱交換器7出口に設置した前記出口温度センサ25により検知された蒸発器出口温度と蒸発温度センサ21により検知された蒸発温度との差が所望の値となるように、蒸発温度の制御目標値を逐次補正するようにしたものである。この蒸発温度の制御目標値は、予め定めた制御周期毎に修正される。
蒸発器出口温度と蒸発温度の差は蒸発器出口の過熱度に相当するので、この過熱度が所望の値となるように蒸発温度を逐次補正する。前記過熱度に応じて蒸発温度の制御目標値を逐次補正することにより、図7に示す蒸発温度推定部50で推定した蒸発温度が誤っていた場合であっても、蒸発器となる室内熱交換器7出口の過熱度を確保することにより、圧縮機1の信頼性を高めることができるだけでなく、効率の良い空気調和機の運転も可能となる。
蒸発器出口過熱度を保つことによる効果は従来の過熱度制御と同様であるが、本実施例2では、蒸発温度の絶対値を制御目標値としているので、過熱度が過剰の場合やゼロとなった場合であっても、上記実施例1と同様に、制御目標値と、蒸発温度センサ21により検知された蒸発温度との偏差を把握することができ、室内膨張弁8の開度をどの程度変更すべきか、膨張弁開度の制御量が明確になるので、安定した制御を実現することができるものである。
ところで、出口温度センサ25で検知する温度は過熱度が十分高い場合には安定するが、過熱度が小さい場合には温度が変動する。これは熱交換器出口の過熱度が十分大きい場合には冷媒が完全に蒸発してガス化するので温度が安定するが、過熱度が小さい場合には、冷媒が完全に蒸発して温度が上昇した状態と、蒸発しきれなかった低温の液相冷媒が混在した状態が交互に発生し、その動きに応じて温度が変動するためである。
この温度の変動は条件によっては5℃程度の大きな変動となるが、過熱度の情報だけでは、温度変化の原因が、運転条件が変わった影響と、このような変動による影響のどちらに起因するのかを判断することが難しい。このような場合、信頼性を確保するために、膨張弁を絞り過熱度を大きく保つ制御とすることが考えられるが、過熱度を大きく保つ制御にすると、熱交換器の全伝熱面積を有効に利用できず、伝熱性能が低下するので、空気調和機の消費電力が増大する。
これに対し、本実施例では、蒸発温度センサ21が検知した温度が目標温度となるように、室内膨張弁8の開度を制御するので、過熱度が小さく蒸発器出口温度が変動している場合であっても、蒸発器入口の蒸発温度は安定しているから、蒸発器出口の温度変動による温度の誤検知などの問題を回避することができる。したがって、誤検知による影響を受けることなく、安定した制御を実現できる効果が得られる。
また、圧縮機1や室外ファン4などの構成機器の運転状態の変化がなく、サイクルが比較的安定いている場合には、適正な蒸発温度も安定することになるので、蒸発器出口過熱度(または出口温度)の変動があったとしても、蒸発温度の制御目標値の変化は小さくて良い。したがって、過熱度が比較的小さく過熱度が変動する条件であっても、制御目標値となる蒸発温度の変動は小さく、制御が容易になるので、過熱度を大きくすることによる熱交換器性能の低下を抑制して、過熱度の小さい効率の良い運転を行うことができる。すなわち、本実施例によれば、消費電力量の少ない効率の良い空気調和機を得ることができる。
また、前記蒸発温度の制御目標値に上限値及び下限値を設定すれば、蒸発圧力の極端な上昇や低下を防止することができるので、圧縮機1の信頼性を確保することができる。なお、前記蒸発温度の制御目標値の上限値及び下限値は、蒸発器となる熱交換器7へ流入する空気温度に応じて設定すれば良く、また風量や湿度等に応じて前記制御目標値を変更しても良い。例えば、風量が少ない場合には、蒸発温度は低くなるので、前記下限値を下げるようにすると良い。
ところで、空調負荷が急激に変動し、圧縮機1の回転数も変動する場合には、蒸発温度も急変する。蒸発温度の目標値を変えない場合には、蒸発器出口過熱度が過剰となったり、液戻りが生じたりする可能性がある。これに対し、本実施例では図7に示すように、圧縮機回転数32の変化量に応じて、蒸発温度の制御目標値51を補正する機能を蒸発温度推定部50に備えている。したがって、空調負荷が変動した場合であっても、蒸発温度の制御目標値51を適正化し、その制御目標値に向かって室内膨張弁8の開度を制御することができるので、過熱度が過剰となったり、液戻りが生じたりする不具合を回避することができる。
また、冷房運転時に室内機91の風量設定値30をユーザが変更した場合など、室内ファン9の風量が変更される場合においても蒸発温度が急変するので、本実施例では、前記蒸発温度推定部50に、風量設定値30が変わった場合の蒸発温度の変化を推定する機能を備えている。これにより、空調負荷が変動した場合と同様に、蒸発温度の制御目標値を予め変更することで、蒸発器出口過熱度が過剰となったり、液戻りが生じたりする不具合を回避することができる。
ところで、吐出温度を検出する吐出温度センサ(図示せず)を圧縮機の吐出配管或いは圧縮機の密閉容器に設け、吐出温度を検出して、該吐出温度を目標値に制御する吐出温度制御を行う場合には、蒸発器出口の過熱度を小さく制御することが比較的容易である。これに対し、蒸発温度を用いた過熱度制御では目標過熱度を0度とすることはできないので、目標過熱度をある程度大きく保つことが必要である。過熱度を大きくすると、蒸発器となる熱交換器出口近傍に過熱ガス域が大きく形成されることになり、この過熱ガス域の伝熱性能は、二相域の伝熱性能に対して低下するので、熱交換器全体としての伝熱性能が低下する。したがって、空気調和機を効率良く運転するためには、蒸発温度を用いた過熱度制御よりも、前述した吐出温度制御の方が望ましい。
しかし、低負荷領域において前記吐出温度制御をする場合、吐出温度の変化が緩慢となり制御性が悪化するため、低負荷領域においては、蒸発温度を用いた過熱度制御の方が効率は良い。
そこで本実施例では、低負荷領域では、蒸発温度が制御目標値となるように制御する蒸発温度制御を採用し、一方、圧縮機の回転数が高い高負荷領域では、吐出温度を目標値に制御する吐出温度制御に切り替えて運転できるようにしている。すなわち、前記蒸発温度センサ21で検知される蒸発温度が、蒸発温度の制御目標値となるように前記室内膨張弁8の開度を制御する蒸発温度制御機能に加え、前記圧縮機の吐出温度が目標値になるように制御する吐出温度制御機能を更に備え、低負荷領域では、前記蒸発温度制御機能を選択して運転し、高負荷領域では、前記吐出温度制御機能を選択して運転するように切り替え制御する制御装置(図示せず)を備えている。この制御装置も空気調和機を制御する制御装置に備えるようにすると良い。
したがって、高負荷領域においては、前記吐出温度制御により、吐出温度を適切に保ち省エネルギー性の高い運転を実現できる一方、低負荷領域においては、前記蒸発温度制御により、蒸発温度が適切になるように前記室内膨張弁8を制御することにより、応答性が良く安定した膨張弁制御を実現し、圧縮機1を連続運転させることで、省エネルギー性の高い空気調和機を実現できる。これにより、年間を通じて消費電力の少ない空気調和機が得られ、特に高負荷領域では省エネルギー性を高めることができるので、ピーク時の消費電力を低減できる効果も得られる。
なお、本実施例2では、高負荷領域では吐出温度制御に切り替えて運転を行うようにしたが、高負荷領域でも前記蒸発温度制御のままとし、その代わりに高負荷領域では、蒸発温度の制御目標値を算出するために吐出温度を用いるようにしても同様の効果が得ることができる。
また、本実施例2においても、上記実施例1と同様に、上述した制御は暖房運転時にも同様に実施できる。すなわち、暖房運転時には、室外機90に設けた蒸発温度センサ20と出口温度センサ26との差が所定の温度となるように、蒸発温度の制御目標値を逐次補正しながら、蒸発温度センサ20が検知する蒸発温度が前記制御目標値となるように、室外膨張弁6の開度を制御する。前記室外膨張弁6の開度を過熱度ではなく、蒸発温度の制御目標値(絶対値)で制御することにより、冷房運転時と同様の効果が得られる。
本発明の実施例3を図8により説明する。図8は本発明の冷凍サイクル装置の実施例3を示す冷凍サイクル構成図である。図8において、図1や図6と同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分であり、図1や図6と異なる点を中心に説明する。
本実施例3では、室内機91に膨張弁(図1や図6に示す室内膨張弁8)を備えておらず、冷房運転時においても暖房運転時と同様に、室外膨張弁6を使用して減圧するようにしている。また、本実施例では、圧縮機1の吸込配管に吸込温度センサ27を設けることで、冷房運転時、暖房運転時ともに、蒸発器出口の出口温度は前記吸込温度センサ27を用いることにより、図6に示す出口温度センサ25,26を不要にしている。更に、上記実施例1,2では室内機91に設けられていた蒸発温度センサ21を、室外機90内の室外膨張弁6よりも室内熱交換器7側に設けている。これらの点が上記実施例1,2とは異なっている。
本実施例では、冷房運転時には、前記吸込温度センサ27と蒸発温度センサ21との差が所望の値となるように、蒸発温度の制御目標値を逐次補正し、前記蒸発温度センサ21で検知される温度がこの制御目標値となるように室外膨張弁6を制御する。また、暖房運転時には、前記吸込温度センサ27と蒸発温度センサ20との差が所望の値となるように、蒸発温度の制御目標値を逐次補正し、前記蒸発温度センサ21で検知される温度がこの制御目標値となるように室外膨張弁6を制御する。
本実施例3では、上述したように構成し、制御することにより、上記実施例1,2とほぼ同様の機能のものが得られると共に、膨張弁及び出口温度センサの数を低減できるので、コスト低減を図ることができる。また、部品数が減る分、機器の故障が発生し難くなるので、より信頼性の高い空気調和機を得ることができる。
次に、本発明の実施例4を図9により説明する。図9は本発明の冷凍サイクル装置の実施例4を示す冷凍サイクル構成図である。図9において、図1や図6と同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分であり、図1や図6と異なる点を中心に説明する。
本実施例4では、室外機90に室内機91を複数台並列に接続されている点が上述した実施例のものとは異なっている。
冷房運転時には、室外熱交換器3で凝縮した冷媒は、液用接続配管11を通り、Fの部分で並列に接続されている前記複数の室内機91a,91bへと分岐して流れる。各室内機91a,91bの他端では分岐した冷媒が、Gの部分で再度合流し、ガス用接続配管10を通り、室外機90へ戻るように構成されている。
ここで各室内機91a,91bへ流れる冷媒は、Fの分岐部からGの合流部までの圧力損失が等しくなるように流量分配される。各室内機91a,91bにはそれぞれ室内膨張弁8a,8bが備えられており、各室内膨張弁8a,8bと各室内熱交換器7a,7bとの間には、冷媒温度を検知する蒸発温度センサ21a,21bが設置されている。また、各室内機91a,91bにおける前記各室内熱交換器7a,7bの室内膨張弁8a,8bとは反対側には出口温度センサ25a,25bが設置されている。9a,9bは各室内機91a,91bに設けられた室内ファンである。
従来のように、圧縮機1の吸込側圧力から各室内熱交換器7a,7bにおける蒸発温度を推定する場合、各々の室内熱交換器7a,7bにおける蒸発温度を個別に検知することはできないので、各室内膨張弁8a,8bをどのように制御すべきか判断ができない。これに対し、本実施例では、各室内機91a,91bに前記蒸発温度センサ21を設けているので、各室内機91a,91b毎に、各室内膨張弁8a,8bの出口温度(蒸発温度)を検出することができる。
従って、上記実施例1や2と同様に、蒸発温度の制御目標値を定め、その蒸発温度となるように室内膨張弁8の開度制御をすることができる。本実施例4においても、上記実施例と同様に、蒸発器出口過熱度が0度となり、液戻りが発生する状態になった場合でも、蒸発温度の制御目標値と蒸発温度センサ21a,21bとの偏差を検知できるので、この偏差に応じて、各室内膨張弁8a,8bの開度を変化させれば良く、応答性が良く、制御性の高い空気調和機を得ることができる。
また、複数の室内機91a,91bのうち、一部の室内機91aは運転中で、他の室内機91bは停止中の場合、室内機91bを停止状態から運転を開始する場合、室内機の運転台数が1台から2台に変化する。このような過渡的な条件では、運転を継続している室内機91aの過熱度が安定しない場合があるが、室内機91aの運転状態は基本的に変化しないので、蒸発温度の制御目標値を変える必要はない。このように蒸発温度の制御目標値が絶対値として与えられているので、蒸発器出口過熱度が過渡的に変動するような場合であっても、安定した室内膨張弁8aの制御を実現できる。
また、運転を開始する室内機91bにおける蒸発温度の制御目標値については、運転していないので推定する必要がある。本実施例4では、運転を継続している室内機91aにおける蒸発温度の制御目標値を用いて、運転を開始する室内機91bにおける蒸発温度の制御目標値を定めるようにしている。
室内熱交換器7a,7bの出口側の合流部(G)における圧力は、複数の室内機91a,91bで等しいので、各室内熱交換器7a,7bから合流部までの配管における圧力損失を除けば、各室内機91a,91bにおける蒸発温度は等しくなる。したがって、運転を継続している室内機91aの蒸発温度を利用して、運転を開始する室内機91bの蒸発温度の制御目標値を定める本実施例によれば、蒸発温度の推定精度が比較的高く、信頼性の高い制御が可能となる。上述した本実施例4のような制御は、室内機91aと91bが同じ空調空間に設置されている場合に特に有効である。
また、室温が低下して室内機91a,91bの運転が一旦停止した後で、室温が上昇し、停止させていた室内機の運転を再度開始する場合には、停止する前の蒸発温度の制御目標値の情報を保持しておき、その制御目標値を再度利用すると良い。この場合には、室内機91a,91bが設置されている空間の状況に合わせて設定された蒸発温度の制御目標値を利用することができるので、制御目標値の推定精度を高めることができる。したがって、液戻りや過剰な過熱度の上昇といった不具合を回避でき、信頼性の高い空気調和機を得ることができる。
このような停止前の情報を保持しておく制御は、室内機91aと91bが異なる空調空間に設置されるような状況の場合にも有効であり、また室内機が1台しか運転していない場合や、実施例1などと同様に室内機が1台しか接続されていない場合にも有効である。
本発明の実施例5を図10により説明する。図10は本発明の冷凍サイクル装置の実施例5を示す冷凍サイクル構成図である。図10において、図1や図6と同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分であり、図1や図6と異なる点を中心に説明する。
本実施例5は、本発明をヒートポンプ式の給湯機に適用した場合の例であり、本発明は、空気調和機に限らず、冷凍サイクル装置であれば、給湯機や冷凍機などにも適用が可能である。図10により、冷凍サイクル装置のとしての給湯機に本発明を適用した場合の実施例を説明する。
図10において、40は給湯機を構成する水タンクで、この水タンク内の水は水熱交換器5により加熱される。圧縮機1、水熱交換器5、室外膨張弁6、室外熱交換器3はガス用接続配管10及び液用接続配管11により環状に接続され、冷凍サイクルが構成されている。前記水熱交換器5では、圧縮機1から吐出され熱交換器内を流れる高温高圧の冷媒と、水タンク40内の水とが熱交換することにより、水タンク40内の水を加熱するように構成されている。前記室外熱交換器3では、前記室外膨張弁6で減圧され熱交換器内を流れる低温低圧の冷媒と、室外ファン4により送風される室外空気とが熱交換するように構成されている。
給湯運転を行う場合、圧縮機1で圧縮された高温高圧の冷媒は熱交換器5に流れて、水タンク内の水へ放熱することで、水温を上昇させる。水熱交換器5で凝縮した冷媒は膨張弁6で減圧された後、室外熱交換器3で蒸発してガス化した冷媒は前記圧縮機1へ戻り再び圧縮される。
この給湯運転時に、前記室外膨張弁6の開度は、該室外膨張弁6と前記室外熱交換器3の間に設置されている蒸発温度センサ20で検知された蒸発温度が、制御目標温度となるように調整される。蒸発温度の前記制御目標値は、出口温度センサ26で検知された室外熱交換器(蒸発器)3の出口温度と、前記蒸発温度センサ20で検知された蒸発温度との差が所定の温度差となるように、逐次補正される。
このようなヒートポンプ式の給湯機においても、給湯負荷が小さく圧縮機1の回転数が小さい条件では、吐出温度の変化が緩慢となり制御性が悪化する。これに対し、本実施例5では、蒸発温度センサ20で検知した蒸発温度を用いて室外膨張弁6の開度を制御するようにしているので、応答性の高い制御が可能となり、給湯負荷が小さい場合であっても、安定した制御を実現することができる。
また、前記出口温度センサ26で検知される蒸発器出口温度が変動するような過熱度の小さい運転条件であっても、前記蒸発温度センサ20で検知する蒸発温度は変動しない。
したがって、前記蒸発温度センサ20で検知された蒸発温度を、制御目標値となるように制御することで、安定した制御が可能となり、さらに蒸発器出口における冷媒過熱度を制御する従来のものと比べて、過熱度の値をより小さく設定したものを使用して蒸発温度の制御目標値を決めることも可能となる。これにより、室外熱交換器3の伝熱面積を有効に活用して伝熱性能を向上させることができるので、消費電力の少ない給湯機を得ることができる。
また、本実施例においても、前述した各実施例と同様に、膨張弁の適切な開度制御量を把握できるので、起動時など、過渡的変化が大きい場合でも、室外膨張弁6の制御を適正化し、過剰な絞りを抑制することにより、起動時の給湯能力を向上させ、さらに消費電力も低減することができる。
また、給湯負荷が変動するような場合であっても、負荷変動に追随して変化する圧縮機1の回転数変化に対応させて、図7で説明したものと同様に、蒸発温度の制御目標値を変えることで、負荷変動への追随性を高めることができる。
このように、本実施例5においても、通常運転時はもちろんのこと、低負荷時や過渡時においても、応答性が良く安定性の高い制御を実現することができるので、信頼性の高い給湯機(冷凍サイクル装置)を得ることができる。
上述した本発明の各実施例によれば、膨張弁の出口に蒸発温度センサを備え、蒸発温度が所望の温度(蒸発温度の制御目標値)となるように膨張弁開度を制御するようにしているので、応答性の良い蒸発温度制御が可能となり、適正な蒸発温度にできる。したがって、過熱度を確実に確保して圧縮機への液戻りを防止しつつ、適正な過熱度に制御でき、熱交換効率も向上できる。すなわち、本実施例によれば、液戻りを防止して信頼性を向上しつつ、応答が速く安定した制御が可能な制御性の良い冷凍サイクル装置を得ることができる。また、本実施例によれば、適切な過熱度に精度良く制御可能になるから熱交換効率も向上でき、さらに低負荷域においても安定した膨張弁の開度制御が可能になる効果がある。
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
更に、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
1:圧縮機、2:四方弁、3:室外熱交換器(熱交換器)、4:室外ファン、
5:水熱交換器、6:室外膨張弁(膨張弁)、
7(7a,7b):室内熱交換器(熱交換器)、
8(8a,8b):室内膨張弁(膨張弁)、
9(9a,9b):室内ファン、
10,11:冷媒配管(10:ガス用接続配管、11:液用接続配管)、
15:液阻止弁、16:ガス阻止弁、
20,21:蒸発温度センサ、22:吸込温度センサ、23:湿度センサ、
24:外気温度センサ、25(25a,25b),26:出口温度センサ、
27:吸込温度センサ、
30:風量設定値、32:圧縮機回転数、
40:水タンク、
50:蒸発温度推定部、51:蒸発温度の制御目標値設定部、
90:室外機、91(91a,91b):室内機。
なお、図1に示す例では、室内機91が1台のみの場合を示したが、後述する図9に示すように、室内機91が複数台、並列に設けられる場合も多く、この場合、前記室内膨張弁8は冷媒を減圧するだけでなく、各室内機91に流れる冷媒流量を調整する作用も行う。

Claims (15)

  1. 圧縮機、凝縮器となる熱交換器、膨張弁、蒸発器となる熱交換器を順次冷媒配管で接続して冷凍サイクルを構成している冷凍サイクル装置であって、
    前記膨張弁と前記蒸発器となる熱交換器との間に蒸発温度センサを備え、該蒸発温度センサで検知される温度に応じて前記膨張弁の開度を制御することを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 請求項1に記載の冷凍サイクル装置において、前記蒸発温度センサは前記膨張弁と前記蒸発器となる熱交換器との間の蒸発温度を検知するためのものであり、該蒸発温度センサで検知される蒸発温度が、蒸発温度の制御目標値となるように前記膨張弁の開度を制御することを特徴とする冷凍サイクル装置。
  3. 請求項2に記載の冷凍サイクル装置において、前記蒸発器となる熱交換器へ吸込まれる吸込空気の温度、湿度、前記熱交換器に要求される交換熱量、前記熱交換器への風量の少なくとも何れかに基づいて前記蒸発温度の制御目標値を推定する蒸発温度推定部を備え、この蒸発温度推定部で推定された蒸発温度の制御目標値を用いて前記膨張弁の開度を制御することを特徴とする冷凍サイクル装置。
  4. 請求項2に記載の冷凍サイクル装置において、前記蒸発器となる熱交換器の出口側の冷媒温度を検知するための出口温度センサを設け、該出口温度センサで検知された温度と前記蒸発温度センサで検知された蒸発温度との温度差が所定の値となるように、前記蒸発温度の制御目標値を修正することを特徴とする冷凍サイクル装置。
  5. 請求項4に記載の冷凍サイクル装置において、前記蒸発温度の制御目標値は、前記圧縮機の回転数の変化に応じて変更されることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  6. 請求項4に記載の冷凍サイクル装置において、前記蒸発温度の制御目標値は、前記熱交換器への風量の変化に応じて変更されることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  7. 請求項3に記載の冷凍サイクル装置において、前記蒸発温度の制御目標値に上限値または下限値の少なくとも何れかを設けることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  8. 請求項4に記載の冷凍サイクル装置において、前記蒸発温度の制御目標値は、制御周期毎に修正されることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  9. 請求項1に記載の冷凍サイクル装置において、前記蒸発温度センサで検知される蒸発温度が、蒸発温度の制御目標値となるように前記膨張弁の開度を制御する蒸発温度制御機能に加え、前記圧縮機の吐出温度が目標値になるように制御する吐出温度制御機能を更に備え、低負荷領域では、前記蒸発温度制御機能を選択して運転し、高負荷領域では、前記吐出温度制御機能を選択して運転するように切り替え制御する制御装置を備えることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  10. 請求項2に記載の冷凍サイクル装置において、圧縮機、四方弁、室外熱交換器及び室外膨張弁を備える室外機と、室内熱交換器を備える室内機とを備え、前記室外機には、前記圧縮機の吸込側の冷媒配管に設けた吸込温度センサと、前記室外膨張弁の両側の冷媒配管に設けた蒸発温度センサを備え、前記吸込温度センサで検知された温度と前記蒸発温度センサで検知された蒸発温度との温度差が所定の値となるように、前記蒸発温度の制御目標値を修正することを特徴とする冷凍サイクル装置。
  11. 請求項2に記載の冷凍サイクル装置において、圧縮機、四方弁、室外熱交換器、室外膨張弁、前記室外熱交換器と前記室外膨張弁との間の冷媒配管に設けられた蒸発温度センサ及び前記室外熱交換器の前記室外膨張弁とは反対側の冷媒配管に設けられた出口温度センサを有する室外機と、
    室内熱交換器、室内膨張弁、前記室内熱交換器と前記室内膨張弁との間の冷媒配管に設けられた蒸発温度センサ及び前記室内熱交換器の前記室内膨張弁とは反対側の冷媒配管に設けられた出口温度センサを有する室内機とを備え、
    かつ前記室内機は複数台並列に接続され、各室内機毎に蒸発温度の制御目標値を個別に有していることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  12. 請求項11に記載の冷凍サイクル装置において、前記複数台の室内機のうち、一部の室内機は運転中で、他の室内機は停止中の場合、停止中の室内機の運転を開始する際、運転を継続している室内機の蒸発温度の制御目標値を用いて、運転を開始する前記室内機における蒸発温度の制御目標値を定めることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  13. 請求項3に記載の冷凍サイクル装置において、圧縮機、四方弁、熱交換器、膨張弁、及び前記熱交換器と前記膨張弁との間の冷媒配管に設けられた蒸発温度センサを有する室外機と、
    熱交換器、膨張弁及び前記熱交換器と前記膨張弁との間の冷媒配管に設けられた蒸発温度センサを有する室内機とを備え、
    前記室内機の運転停止後、再度運転を再開する場合には、運転停止する前の蒸発温度の制御目標値を用いて、蒸発器となる熱交換器側の前記膨張弁の開度を制御することを特徴とする冷凍サイクル装置。
  14. 請求項2に記載の冷凍サイクル装置において、前記凝縮器となる熱交換器は水タンクの水を加熱する水熱交換器であり、前記蒸発器となる熱交換器は室外熱交換器であって、前記膨張弁と前記室外熱交換器との間に蒸発温度センサを備え、該蒸発温度センサで検知される蒸発温度が、蒸発温度の制御目標値となるように前記膨張弁の開度を制御することを特徴とする冷凍サイクル装置。
  15. 請求項14に記載の冷凍サイクル装置において、前記蒸発器となる熱交換器の出口側の冷媒温度を検知するための出口温度センサを設け、該出口温度センサで検知された温度と前記蒸発温度センサで検知された蒸発温度との温度差が所定の値となるように、前記蒸発温度の制御目標値を修正することを特徴とする冷凍サイクル装置。
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