JP2019203545A - 手動変速機 - Google Patents

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Shinichi Honda
真一 本田
泰樹 岡留
Yasuki Okatome
泰樹 岡留
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Abstract

【課題】車室フロアのトンネル部に配置される縦型の手動変速機において、大トルク動力源に適用される場合と小トルク動力源に適用される場合とで、共通の変速機ケースを使用しながらも、前席の足下スペースを確保できる手動変速機を提供する。【解決手段】縦置きの手動変速機3は、変速機ケース20を備えており、変速機ケース20は、手動変速機3が第1動力源2Aに適用される場合には最高変速段が直結段となる第1ギヤトレイン30が収容可能に構成されていると共に、手動変速機が第1動力源よりも最大トルクが大きい第2動力源2Bに適用される場合には中間変速段が直結段となる第2ギヤトレイン80が収容可能に構成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、車両に縦置き配置される手動変速機に関する。
特許文献1には、動力伝達軸が車両前後方向に延びる、いわゆる縦置き配置された手動変速機が開示されている。特許文献1の変速機では、変速機ケース内に、一端部が動力源にクラッチを介して連結される入力側動力伝達軸と、これと同一軸線上に配置された出力側動力伝達軸と、上記入力側動力伝達軸に対して平行に配置されたカウンタ軸とを備えている。
入力側動力伝達軸とカウンタ軸にはそれぞれ、互いに噛み合うギヤトレインが設けられており、入力側伝達軸からカウンタ軸に選択された変速段に応じた変速比で変速された回転が伝達される。さらに、カウンタ軸から減速機構を介して出力側動力伝達軸に動力が伝達されるようになっており、すなわち、この手動変速機は、アウトプットリダクションタイプである。
また、この手動変速機では、最高変速段である第6変速段において、入力側動力伝達軸と出力側動力伝達軸とを直接に連結することによって入力側伝達軸からの回転をそのままの回転数で出力側動力伝達軸に伝達する、直結段が構成されている。
特開2017−15250号公報
通例、手動変速機は適用される動力源の最大トルクに応じて設定される。最大トルクが大きい動力源に適用される変速機は、最大トルクが小さい動力源に適用される変速機に比して、ギヤトレインにおいて伝達される伝達トルクが増大するので、当該増大した伝達トルクにおける耐久性を確保すべく大型化しやすい。このため、大トルクに対応した手動変速機と、小トルクに対応した手動変速機とで、ギヤトレインの大きさが異なり、これを収容する変速機ケースはそれぞれ専用に形成される。
この場合、専用化された変速機ケース等の型治具、組立設備等の設備投資が嵩むことになるが、手動変速機は、自動変速機に比して量産台数が少ないため量産によるコスト低減効果が得られ難いので、省投資が求められている。
また、大トルクに対応した手動変速機用の変速機ケースを流用して、小トルク用のギヤトレインを収容することにより、変速機ケースを共用化することも考えられる。しかしながら、この場合、大きな変速機ケースに対応して、入力側伝達軸とカウンタ軸間の軸間ピッチが拡大しやすく、ギヤトレインが無駄に大型化してしまい、コストが増大すると共に、重量が増大してしまう。
さらに、小トルク用のギヤトレインに対して、無駄に大きな変速機ケースを使用することになるので、車両への搭載レイアウトに問題を生じる。例えば、縦置きの手動変速機は、車室フロアのトンネル部に配置されるため、変速機ケースの大きさによってはトンネル部を大型化する必要がある。この結果、前席の足下スペースが減少し、特に、運転席においてペダルを適切な位置に配置することが困難になり得、ペダルの操作性が悪化する。
本発明は、車室フロアのトンネル部に配置される縦型の手動変速機において、大トルク動力源に適用される場合と小トルク動力源に適用される場合とで、共通の変速機ケースを使用しながらも、前席の足下スペースを確保できる手動変速機を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本願発明は次のように構成したことを特徴とする。
本願の請求項1に記載の発明は、
動力伝達軸が車両前後方向に延びている縦置きの手動変速機であって、
変速機ケースを備えており、
前記変速機ケースは、前記手動変速機が第1動力源に適用される場合には最高変速段が直結段となる第1ギヤトレインが収容可能に構成されていると共に、前記手動変速機が前記第1動力源よりも最大トルクが大きい第2動力源に適用される場合には前記最高変速段より低速側の中間変速段が直結段となる第2ギヤトレインが収容可能に構成されている
ことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、
動力伝達軸が車両前後方向に延びている縦置きの手動変速機であって、第1動力源に適用されており、最高変速段が直結段となる第1ギヤトレインが収容された変速機ケースを有し、
前記手動変速機が前記第1動力源よりも最大トルクが大きい第2動力源に適用される場合、前記変速機ケースに、前記第1ギヤトレインに換えて最高変速段より低速側の中間変速段が直結段となる第2ギヤトレインが収容される
ことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、
動力伝達軸が車両前後方向に延びている縦置きの手動変速機であって、第2動力源に適用されており、最高変速段より低速側の中間変速段が直結段となる第2ギヤトレインが収容された変速機ケースを有し、
前記手動変速機が前記第2動力源よりも最大トルクが小さい第1動力源に適用される場合、前記変速機ケースに、前記第2ギヤトレインに換えて最高変速段が直結段となる第1ギヤトレインが収容される
ことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明において、
前記手動変速機は、動力源にクラッチを介して連結される入力側動力伝達軸と、これと同一軸線上に配置された出力側動力伝達軸と、前記入力側動力伝達軸に対して平行に配置されたカウンタ軸とを備え、
前記入力側動力伝達軸と前記カウンタ軸にはそれぞれ、互いに噛み合うギヤトレインが設けられており、前記入力側動力伝達軸から前記カウンタ軸へ、選択された変速段に応じた変速比で変速された回転が伝達され、前記カウンタ軸から減速機構を介して前記出力側動力伝達軸に動力が伝達されるアウトプットリダクションタイプである
ことを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項1〜4のいずれか1つに記載の発明において、
前記第1ギヤトレイン及び前記第2ギヤトレインは変速段数が等しい
ことを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記請求項1〜5のいずれか1つに記載の発明において、
前記第1ギヤトレイン及び前記第2ギヤトレインは変速段数が6段であり、
前記第1ギヤトレインは、第6変速段が直結段であり、
前記第2ギヤトレインは、第4変速段が直結段である
ことを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、前記請求項1〜6のいずれか1つに記載の発明において、
前記第2ギヤトレインは、前記第1ギヤトレインに比して、対応する変速段のギヤ比が小さい
ことを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、前記請求項1〜7のいずれか1つに記載の発明において、
前記第2ギヤトレインが低速段で変速を行っているとき、前記第2動力源は最大トルクが制限されている
ことを特徴とする。
前記の構成により、本願各請求項の発明によれば、次の効果が得られる。
まず、請求項1に記載の発明によれば、第2ギヤトレインにおいて中間変速段を直結段に構成することによって各変速段における変速比が低減される。この結果、第2ギヤトレインにおいて伝達される伝達トルクの増大が低減されるので、最高段を直結段に構成する場合に比して、第2ギヤトレインをコンパクトに構成できる。一方、第1ギヤトレインは、最高段が直結段に構成されているものの、第2動力源に比して最大トルクが小さい第1駆動源に適用されるため、第2ギヤトレインに比して伝達トルクが過大とならない。
これにより、相対的に最大トルクが大きい第2動力源に適用される手動変速機の変速機ケースを、相対的に最大トルクが小さい第1動力源に適用される手動変速機の変速機ケースと共通化できる。よって、変速機ケースを形成するための型治具を共通化することによって省投資を実現できる。
さらに、第2動力源に適用される手動変速機において、変速機ケースの大型化が抑制されるので、車室フロアのトンネル部に配置する場合でも、該トンネル部を大型化することなく搭載しやすく、前席の足下スペースを確保しやすい。
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果が、変速機ケースに第1ギヤトレインが収容された手動変速機において得られる。
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果が、変速機ケースに第2ギヤトレインが収容された手動変速機において得られる。
また、請求項4に記載の発明によれば、変速機におけるトルク伝達経路の下流側に位置する減速機構においてトルク増大を分担することにより、この上流側のギヤトレインにおける伝達トルクが低減する。これによって、ギヤトレインをコンパクトに構成しやすく、この結果、変速機ケースをコンパクトに構成することができるので、手動変速機を車体フロアのトンネル部に配設しやすい。
また、請求項5に記載の発明によれば、手動変速機を最大トルクの異なる動力源に適用した場合でも、変速段数を同じにできる。
また、請求項6に記載の発明によれば、第1動力源に適用される場合には第6変速段が直結段とされ、第2動力源に適用される場合には第4変速段が直結段とされた、変速段数が6速である手動変速機において、請求項1〜5に記載の発明の効果が得られる。
また、請求項7に記載の発明によれば、第2ギヤトレインの伝達トルクが低減される。
また、請求項8に記載の発明によれば、高速段での走行性能を犠牲にすることなく、第2ギヤトレインの伝達トルクを低減しやすい。
すなわち、本発明に係る手動変速機によれば、車室フロアのトンネル部に配置される縦型の手動変速機において、大トルク動力源に適用される場合と小トルク動力源に適用される場合とで、共通の変速機ケースを使用しながらも、前席の足下スペースを確保できる。
本発明の一実施形態に係る車両を概略的に示す平面図。 第6変速段が直結段に構成された手動変速機の断面図。 第4変速段が直結段に構成された手動変速機の断面図。
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。また、図面は模式的なものであり、各距離の比率等は現実のものとは相違している。
[全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る車両1を概略的に示す平面図である。車両1は、車両前部に位置するエンジンルームEに、動力源としてのエンジン2を備えている。エンジン2の後端部には、手動変速機3が連結されている。エンジン2及び手動変速機3は、クランク軸の軸芯A1及び変速軸の軸芯A2がそれぞれ前後方向に延びており、縦置きで車両に搭載されている。
手動変速機3の前部内側にはクラッチ4が配設されており、クラッチ4を介して、エンジン2からの駆動トルクが手動変速機3に伝達される。エンジン2から伝達された駆動トルクは、手動変速機3において、所望の変速比(ギヤ比)に減速又は増速されることによってトルク増大又はトルク低減がなされる。
手動変速機3の後端部には、プロペラシャフト5が連結されている。プロペラシャフト5は、後方へ延びており、その後端部が車両後部に配置された差動装置6に連結されている。差動装置6の両側部には車幅方向に延びる左右一対のドライブシャフト7が連結されている。手動変速機3からプロペラシャフト5を介して差動装置6に伝達された駆動力が、左右一対のドライブシャフト7を介して左右の後車輪8に分配されて伝達される。すなわち、車両1は、左右一対の後車輪8を駆動輪とし、左右一対の前車輪9を非駆動輪(従動輪)とする、後輪駆動車(FR車)として構成されている。
車両1は、エンジンルームEに対してダッシュパネル10を挟んだ後方に車室Cが画定されている。車室Cの床面は、略水平に延びる車室フロア11により構成されている。車室フロア11の車幅方向中央部には、上方に突出したトンネル部12が形成されている。トンネル部12は、ダッシュパネル10に開口した入口開口部から後方へ延びおり、この内側に手動変速機3及びプロペラシャフト5の少なくとも一部が配置されている。
車室Cには、トンネル部12を挟んだ両側に、左右一対の前席13が配置されており、この後方に後席14が配置されている。本実施形態では、右側の前席13Rが運転席とされ、この前側の足下スペースSには、アクセルペダル、ブレーキペダル、及びクラッチペダル等の操作ペダル15が右側から順に配設されている。手動変速機3の側方に、足下スペースS及び操作ペダル15が位置している。
車両1には、出力特性の異なる複数種類のエンジン2のいずれか1つが搭載される。本実施形態では、複数種類のエンジン2には、第1動力源としてのガソリンエンジン2Aと、第2動力源としてのディーゼルエンジン2Bとが含まれている。ガソリンエンジン2Aは、最大トルクが例えば約300Nmに設定されている。ディーゼルエンジン2Bは、最大トルクが例えば約450Nmに設定されている。すなわち、ディーゼルエンジン2Bは、ガソリンエンジン2Aに比して、最大トルクが約1.5倍大きい。
上記複数種類のエンジン2に適用される手動変速機3は、最大トルクに応じてそれぞれ専用に設けられるものの、基本パッケージングは共通化されており、変速段数は前進6速である。具体的には、最大トルクが相対的に小さいガソリンエンジン2Aには第1手動変速機3Aが適用され、最大トルクが相対的に大きいディーゼルエンジン2Bには第2手動変速機3Bが適用される。
また、差動装置6は、手動変速機3に対応して専用に設けられており、第1手動変速機3Aには第1差動装置6Aが適用され、第2手動変速機3Bには第2差動装置6Bが適用される。以下の説明では、ガソリンエンジン2A、第1手動変速機3A、プロペラシャフト5、及び第1差動装置6Aを含むものを第1パワートレインと称し、ディーゼルエンジン2B、第2手動変速機3B、プロペラシャフト5、及び第2差動装置6Bを含むものを第2パワートレインと称する。
[第1パワートレイン]
図2は、第1手動変速機3Aの縦断面図である。図2に示されるように、第1手動変速機3Aは、変速機ケース20と、変速機ケース20内に収容された、第1変速機構24と第1ギヤトレイン30とを有する。変速機ケース20は、ガソリンエンジン2Aの後面に連結されたクラッチハウジング21とこの後側に連結されたギヤケース22とを含む。ギヤケース22の内側後部よりに、前後方向に直交する方向に延びるベアリングハウジング23が固定されている。
第1ギヤトレイン30は、変速軸としての、メインシャフト31及びこれに平行に配設されたカウンタ軸34とを備えている。メインシャフト31及びカウンタ軸34は前後方向に延びており、変速機ケース20に回転自在に支持されている。メインシャフト31は、クラッチ4を介してガソリンエンジン2Aの出力軸16(図1参照)に連結された入力軸32と、この後側において同一軸線上に配置された出力軸33とを備えている。
入力軸32は、前部がクラッチハウジング21に対して第1軸受41を介して回転自在に支持されている。出力軸33は、前部がベアリングハウジング23に対して第2軸受42を介して回転自在に支持されており、後部がギヤケース22に対して第3軸受43を介して回転自在に支持されている。入力軸32の後部は、出力軸33の前端部に対して、ここに穿設された嵌合孔33aの内周面に例えばニードルベアリングを介して支持されている。
カウンタ軸34は、前部がクラッチハウジング21に対して第4軸受44を介して回転自在に支持されており、後部がギヤケース22に対して第5軸受45を介して回転自在支持されており、前部及び後部の間の後側よりに位置する中間部がベアリングハウジング23に対して第6軸受46を介して回転自在に支持されている。
入力軸32とカウンタ軸34との間には、常時噛み合い式の変速用ギヤ列G1、G2,G3,G4,G5及びGRが設けられている。具体的に、入力軸32とカウンタ軸34との間に、後退速用ギヤ列GR、第1変速段用ギヤ列G1、第2変速段用ギヤ列G2、第3変速段用ギヤ列G3、第4変速段用ギヤ列G4、及び第5変速段用ギヤ列G5が、前から順に設けられている。出力軸33とカウンタ軸34との間には、常時噛み合い式の減速用ギヤ列G0が設けられている。
なお、第1ギヤトレイン30は、第6変速段が、入力軸32と出力軸33とが後述する同期装置によって直結状態とされ、エンジン2からの回転がそのままの回転数で入力軸32から出力軸33に伝達される直結段として構成されている。このため、第1ギヤトレイン30には、第6変速段に対応したギヤ列は設けられていない。
第1及び第2変速段用ギヤ列G1,G2は、入力軸32の外周部に一体的に形成された第1及び第2ドライブギヤ51,52と、カウンタ軸34の外周部に例えばニードルベアリングを介して遊嵌された第1及び第2ドリブンギヤ61,62とを備えている。
第3〜第5変速段用ギヤ列G3〜G5は、入力軸32の外周部に例えばニードルベアリングを介して遊嵌された第3〜第5ドライブギヤ53〜55と、カウンタ軸34の外周部にスプライン嵌合された第3〜第5ドリブンギヤ63〜65とを備えている。
後退速用ギヤ列GRは、入力軸32の外周部に一体的に形成された後退速用ドライブギヤ57と、カウンタ軸34の外周部に例えばニードルベアリングを介して遊嵌された後退速用ドリブンギヤ67と、入力軸32に平行に配置されたリバースアイドル軸35の外周部に例えばニードルベアリングを介して遊嵌され、後退速用ドライブギヤ57及び後退速用ドリブンギヤ67に常時噛み合うリバースアイドルギヤ69とを備えている。
すなわち、後退速用ギヤ列GRにおいて、後退速用ドライブギヤ57と後退速用ドリブンギヤ67との間にリバースアイドルギヤ69が介在することになり、第1〜第5ドリブンギヤ61〜65とは反対方向の回転が、後退速用ドリブンギヤ67に伝達される。
また、入力軸32及びカウンタ軸34には、これらに遊嵌されたドライブギヤ又はドリブンギヤをそれぞれの軸に動力伝達可能に連結する同期装置71〜74が設けられている。具体的には、入力軸32には、ここに遊嵌された第3及び第4ドライブギヤ53,54の軸方向間に第3−4速用同期装置72が設けられ、遊嵌された第5ドライブギヤ55と出力軸33との軸方向間に第5−6速用同期装置73が設けられている。
カウンタ軸34には、ここに遊嵌された後退速用ドリブンギヤ67の前側に隣接して後退速用同期装置74が設けられている。さらに、カウンタ軸34には、ここに遊嵌された第1及び第2ドリブンギヤ61,62の軸方向間に第1−2速用同期装置71が設けられている。
同期装置を、第1−2同期装置71を例にとって説明する。第1−2同期装置71は、カウンタ軸34の外周部にスプライン嵌合された第1シンクロハブ71aと、この外周部にカウンタ軸34の軸方向にスライド可能にスプライン嵌合された第1シンクロスリーブ71bとを有している。第1シンクロスリーブ71bの外周部には周方向に延びる環状溝が形成されており、該環状溝に第1変速機構24の第1シフトフォーク24aが係合している。
ここで、不図示のシフトノブを第1−2速用ゲートへセレクト操作することによって第1シフトフォーク24aが、第1変速機構24のシフトフィンガ(不図示)に係合する。この状態から、シフトノブを第1速へシフト操作することによって、上記シフトフィンガが前方へ移動し、この結果、第1シフトフォーク24aを介して、第1シンクロスリーブ71bが、第1シンクロハブ71aの外周部に全体が位置する中立位置から前方に移動して、第1ドリブンギヤ61の後端部に固着された第1クラッチギヤ61aに例えばスプライン嵌合する。
このとき、第1シンクロスリーブ71bは、第1クラッチギヤ61aから第1シンクロハブ71aに跨がって位置しており、第1シンクロスリーブ71bを介して、第1ドリブンギヤ61と第1シンクロハブ71aとが動力伝達可能に連結される。第1シンクロハブ71aは、カウンタ軸34にスプライン嵌合しているので、この結果、カウンタ軸34に遊嵌された第1ドリブンギヤ61が、第1−2同期装置71を介してカウンタ軸34に動力伝達可能に連結され、これにより第1変速段が構成される。
同様に、第1−2同期装置71において、シフトノブを第1−2速用ゲートへセレクト操作すると共に第2速へシフト操作することによって、第1シフトフォーク24aを介して、第1シンクロスリーブ71bを中立位置から後方へ移動させると、第2ドリブンギヤ62が第1−2同期装置71を介してカウンタ軸34に動力伝達可能に連結されて、第2変速段が構成される。
第3−4同期装置72においても同様に、シフトノブを第3−4速用ゲートへセレクト操作すると共に第3速又は第4速へシフト操作することによって、第2シフトフォーク24bを介して第2シンクロスリーブ72bを中立位置から前方又は後方へ移動させると、入力軸32に遊嵌された第3又は第4ドライブギヤ53,54が第3−4同期装置72を介して入力軸32に動力伝達可能に連結されて、第3又は第4変速段が構成される。
第5−6同期装置73において、シフトノブを第5−6速用ゲートへセレクト操作すると共に第5速へシフト操作することによって、第3シフトフォーク24cを介して第3シンクロスリーブ73bを中立位置から前方へ移動させると、入力軸32に遊嵌された第5ドライブギヤ55が第5−6同期装置73を介して入力軸32に動力伝達可能に連結されて、第5変速段が構成される。一方、シフトノブの第6速へのシフト操作によって、第3シフトフォーク24cを介して第3シンクロスリーブ73bを中立位置から後方へ移動させると、出力軸33が第5−6同期装置73を介して入力軸32に動力伝達可能に連結されて、直結段としての第6変速段が構成される。
また、後退速用同期装置74においては、第4シンクロスリーブ74bは後退速用ドリブンギヤ67の前端外周部に、カウンタ軸34の軸方向へスライド可能にスプライン嵌合されている。シフトノブを後退速用ゲートへセレクト操作すると共に後退速へシフト操作することによって、第4シフトフォーク24dを介して第4シンクロスリーブ74bを前方へ移動させると、第4シンクロスリーブ74bが、カウンタ軸34の外周部にスプライン嵌合された第4シンクロハブ74aの外周部にスプライン嵌合されて、これによって、カウンタ軸34に遊嵌された後退速用ドリブンギヤ67が後退速用同期装置74を介してカウンタ軸34に動力伝達可能に連結されて、後退速段が構成される。
減速用ギヤ列G0は、カウンタ軸34の外周部にスプライン嵌合された減速用ドライブギヤ58と、出力軸33の外周部にスプライン嵌合された減速用ドリブンギヤ68とを備えている。減速用ドライブギヤ58の外径は、減速用ドリブンギヤ68の外径よりも小さく、したがって、直結段である第6変速段を除いて、カウンタ軸34に伝達された回転は、減速用ギヤ列G0により所定の変速比で減速されて出力軸33に伝達される。
すなわち、直結段である第6変速段を除いて、入力軸32にガソリンエンジン2Aから入力された駆動トルクが、第1〜第5変速用ギヤ列G1〜G5又は後退速用ギヤ列GRのいずれか1つを介して所定の変速比で変速されてカウンタ軸34に伝達され、最終的にカウンタ軸34から減速用ギヤ列G0を介して減速されて出力軸33に伝達されるようになっている。すなわち、第1ギヤトレイン30は、出力軸33側で減速される、いわゆるアウトプットリダクションタイプとして構成されている。
なお、第1ギヤトレイン30では、第6変速段が直結段として構成されており、すなわち、第6変速段の変速比は1であり、これより低速側の第1〜第5変速段における変速比(第1〜第5変速用ギヤ列G1〜G5及び後退速用ギヤ列GRにおける変速比に減速用ギヤ列G0における変速比を乗じたもの)は、1より大きく、第1変速段から第6変速段に向かって小さくなるように減速側に設定されている。
図1に示されるように、第1手動変速機3Aにおいて所定の変速比で変速された伝達トルクは、プロペラシャフト5を介して第1差動装置6Aに伝達される。第1差動装置6Aにおいて、ここに設けられた最終ギヤ列GFによって、所定の最終変速比で更に変速(例えば減速)されて、左右一対のドライブシャフト7を介して、左右の後車輪8に伝達される。
[第2パワートレイン]
図3は、第2手動変速機3Bの縦断面図である。図3に示されるように、第2手動変速機3Bは、第1手動変速機3Aに対して、異なる第2ギヤトレイン80及び第2変速機構25を備えており、変速機ケース20は共通している。
第2ギヤトレイン80は、変速軸としての、メインシャフト81及びこれに平行に配設されたカウンタ軸84とを備えている。メインシャフト81及びカウンタ軸84は前後方向に延びており、変速機ケース20に回転自在に支持されている。メインシャフト81は、ディーゼルエンジン2Bの出力軸17(図1参照)にクラッチ4を介して連結された入力軸82と、この後側において同一軸線上に配置された出力軸83とを備えている。
第2ギヤトレイン80の出力軸83及びカウンタ軸84は、第1ギヤトレイン30の出力軸33及びカウンタ軸34と共通であるので説明を省略する。また、メインシャフト81及びカウンタ軸84は、第1手動変速機3Aと共通の第1〜第6軸受41〜46によって変速機ケース20に回転可能に支持されている。
第2ギヤトレイン80は、第4変速段が直結段に構成されている。このため、入力軸82と出力軸83とが直結状態となることによって構成される第4変速段の前側に隣接した入力軸82の後端部に対応して第3変速段用ギヤ列D3が設けられている。また、これに伴って、第2ギヤトレイン80では、第1ギヤトレイン30における第3及び第4変速段用ギヤ列G3,G4に対応する位置に、第5及び第6変速段用ギヤ列D5,D6が設けられている。
すなわち、入力軸82とカウンタ軸84との間には、常時噛み合い式の変速用ギヤ列が設けられており、具体的には、後退速用ギヤ列DR、第1変速段用ギヤ列D1、第2変速段用ギヤ列D2、第5変速段用ギヤ列D5、第6変速段用ギヤ列D6、及び第3変速段用ギヤ列D3が、前から順に設けられている。出力軸83とカウンタ軸84との間には、常時噛み合い式の減速用ギヤ列D0が設けられている。
上述したように、第2ギヤトレイン80は、第4変速段が直結段に構成されているので、第4変速段に対応したギヤ列は設けられていない。また、第2ギヤトレイン80の第1変速段用ギヤ列D1及び後退速用ギヤ列DRは、第1ギヤトレイン30の第1変速段用ギヤ列G1及び後退速用ギヤ列GRと共通であるので、これらの説明を省略する。
第2ギヤトレイン80は、第4変速段が直結段として構成されているので、第4変速段の変速比は1である。また、各ギヤ列G1,G2,G3,G5,G6,G0の変速比は、第1変速段から第6変速段に向かって変速比が小さくなるように設定されている。このため、第2ギヤトレイン80は、第1〜第3変速段における変速比は1より大きい減速側に設定される一方で、第5,6変速段における変速比は1より小さい増速側に設定されている。
上述したように、第1及び第2ギヤトレイン30,80では、第1変速段用ギヤ列G1,D1が共通であるので、第4変速段が直結段に構成された第2ギヤトレイン80では、第6変速段が直結段に構成された第1ギヤトレイン30に比して、対応する各変速段における変速比が小さく設定されている。
第2変速段用ギヤ列D2は、入力軸82の外周部に一体的に形成された第2ドライブギヤ92と、カウンタ軸84の外周部に例えばニードルベアリングを介して遊嵌された第2ドリブンギヤ102とを備えている。
第3,5,6変速段用ギヤ列D3,5,6は、入力軸82の外周部に例えばニードルベアリングを介して遊嵌された第3,5,6ドライブギヤ93,95,96と、カウンタ軸84の外周部にスプライン嵌合された第3,5,6ドリブンギヤ103,105,106とを備えている。
また、入力軸82及びカウンタ軸84には、これらに遊嵌されたドライブギヤ又はドリブンギヤをそれぞれの軸に動力伝達可能に連結する同期装置111〜114が設けられている。具体的には、入力軸82には、ここに遊嵌された第5及び第6ドライブギヤ95,96の軸方向間に第5−6速用同期装置113が設けられ、遊嵌された第3ドライブギヤ93と出力軸83との軸方向間に第3−4速用同期装置112が設けられている。
第1−2速用同期装置111及び後退速用同期装置114は、第1ギヤトレイン30に設けられた第1−2速用同期装置81及び後退速用同期装置74と共通である。一方、第3−4速用同期装置112及び第5−6速用同期装置113は、第1ギヤトレイン30に設けられた第3−4速用同期装置72及び第5−6速用同期装置73に対して位置が入れ替わって設けられている。すなわち、第3−4速用同期装置112は、第1ギヤトレイン30の第5−6速用同期装置73と共通であり、第5−6速用同期装置113は、第1ギヤトレイン30の第3−4速用同期装置72と共通である。
カウンタ軸84には、ここに遊嵌された後退速用ドリブンギヤ67の前側に隣接して後退速用同期装置114が設けられている。さらに、カウンタ軸84には、ここに遊嵌された第1及び第2ドリブンギヤ61,102の軸方向間に第1−2速用同期装置111が設けられている。
第2変速機構25は、第1変速機構24に対して、第3−4速用同期装置112及び第5−6速用同期装置113それぞれに係合する、第2及び第3シフトフォーク25b及び25cのみ異なり、第1−2速用同期装置111及び後退速用同期装置114それぞれに係合する第1及び第4シフトフォーク25a及び25dは、第1変速機構24の第1及び第4シフトフォーク24a及び24dと共通している。
したがって、不図示のシフトノブを第1−2速用ゲートへセレクト操作すると共に第1速又は第2速へシフト操作することによって、第1シフトフォーク25aを介して第1シンクロスリーブ111bを中立位置から前方又は後方へ移動させると、カウンタ軸84に遊嵌された第1又は第2ドリブンギヤ61,102が第1−2同期装置111を介してカウンタ軸84に動力伝達可能に連結されて、第1又は第2変速段が構成される。
また、シフトノブを第3−4速用ゲートへセレクト操作すると共に第3速へシフト操作することによって、第2シフトフォーク25bを介して第2シンクロスリーブ112bを中立位置から前方へ移動させると、入力軸82に遊嵌された第3ドライブギヤ93が第3−4同期装置112を介して入力軸82に動力伝達可能に連結されて、第3変速段が構成される。一方、第2シフトフォーク25bを介して第2シンクロスリーブ112bを中立位置から後方へ移動させると、出力軸83が第3−4同期装置112を介して入力軸82に動力伝達可能に連結されて、直結段としての第4変速段が構成される。
また、シフトノブを第5−6速用ゲートへセレクト操作すると共に第5速又は第6速へシフト操作することによって、第3シフトフォーク25cを介して第3シンクロスリーブ113bを中立位置から前方又は後方へ移動させると、入力軸82に遊嵌された第5又は第6ドライブギヤ95,96が第5−6同期装置113を介して入力軸82に動力伝達可能に連結されて、第5又は第6変速段が構成される。
また、シフトノブを後退速用ゲートへセレクト操作すると共に後退速へシフト操作することによって、第4シフトフォーク25dを介して第4シンクロスリーブ114bを中立位置から前方へ移動させると、カウンタ軸84に遊嵌された後退速用ドリブンギヤ67が後退速用同期装置114を介してカウンタ軸84に動力伝達可能に連結されて、後退速段が構成される。
減速用ギヤ列D0は、カウンタ軸84の外周部にスプライン嵌合された減速用ドライブギヤ98と、出力軸33の外周部にスプライン嵌合された減速用ドリブンギヤ108とを備えている。減速用ドライブギヤ98の外径は、減速用ドリブンギヤ108の外径よりも小さく、したがって、直結段である第4変速段を除いて、カウンタ軸84に伝達された回転は、減速用ギヤ列D0により所定の変速比で減速されて出力軸83に伝達される。
なお、第2ギヤトレイン80の減速用ギヤ列D0の変速比は、第1ギヤトレイン60の減速用ギヤ列G0の変速比よりも小さい。すなわち、第1及び第2ギヤトレイン30,80において、対応する変速段では、第2ギヤトレイン80の方が、変速比が小さい。
すなわち、直結段である第4変速段を除いて、入力軸82にディーゼルエンジン2Bから入力された駆動トルクが、第1〜第3変速用ギヤ列D1〜D3、第5〜第6変速用ギヤ列D5〜D6又は後退速用ギヤ列DRのいずれか1つを介して所定の変速比で変速されてカウンタ軸84に伝達され、最終的にカウンタ軸84から減速用ギヤ列D0を介して減速されて出力軸83に伝達されるようになっている。すなわち、第2ギヤトレイン80は、第1ギヤトレイン30と同様に、アウトプットリダクションタイプとして構成されている。
図1に示されるように、第2手動変速機3Bにおいて所定の変速比で変速された伝達トルクは、プロペラシャフト5を介して第2差動装置6Bに伝達される。第2差動装置6Bにおいて、ここに設けられた最終ギヤ列DFにより所定の最終変速比で更に変速(例えば減速)されて、左右一対のドライブシャフト7を介して、左右の後車輪8に伝達される。なお、第2差動装置6Bの最終ギヤ列DFの最終変速比は、第1差動装置6Aの最終ギヤ列GFの最終変速比よりも大きい。
これにより、第2ギヤトレイン80において第1ギヤトレイン30よりも小さく設定された変速比のために抑制されたトルク増大が、第2差動装置6Bにおいて、第1差動装置6Aの最終ギヤ列GFよりも逆に大きく設定された最終ギヤ列DFの最終変速比によって、効果的に増大するように構成されている。
なお、第1及び第2ギヤトレイン30,80の変速比それぞれに第1及び第2差動装置6A,6Bにおける最終変速比を乗じた合計変速比は、第1パワートレインのほうが、第2パワートレインよりも大きい。換言すれば、第1パワートレインにおけるトルク増大量は、第2パワートレインよりも大きい。一方で、第1パワートレインのガソリンエンジン2Aは最大トルクが相対的に小さく、第2パワートレインのディーゼルエンジン2Bは最大トルクが相対的に大きい。このため、第2パワートレインによるトルク増大量は、第1パワートレインよりも小さいが、ドライブシャフト7に伝達される伝達トルクは大きい。
また、第2パワートレインにおいて、第2手動変速機3Bにおいて低速段が選択されている場合、ディーゼルエンジン2Bは最大トルクがガソリンエンジン2Aと略同等となるように制限されている。例えば、第2手動変速機3Bにおいて、第1変速段が選択されている場合、最大トルクが300Nmに制限され、第2変速段が選択されている場合、最大トルクが330Nmに制限されている。
すなわち、第1手動変速機3Aを第2手動変速機3Bに変更する場合、第1ギヤトレイン30を第2ギヤトレイン80に変更すればよい。具体的には、第1ギヤトレイン30の入力軸32、第2〜第5変速段用ギヤ列G2〜G5、及び減速用ギヤ列G0を、第2ギヤトレイン80の入力軸82、第2、第3、第5、第6変速段用ギヤ列D2,D3,D5,D6及び減速用ギヤ列D0に変更すればよい。
さらに、第1変速機構24の第2及び第3シフトフォーク24b及び24cを、第2変速機構25の第2及び第3シフトフォーク25b及び25cに変更し、第3−4速用ゲートへのセレクト操作によって第2シフトフォーク25bが第2変速機構25のシフトフィンガに係合するように構成すると共に、第5−6速用ゲートへのセレクト操作によって第3シフトフォーク25cが第2変速き25のシフトフィンガに係合するように構成すればよい。
第2手動変速機3Bを第1手動変速機3Aに変更する場合、上記と反対に部品を変更すればよい。
上記実施形態に係る車両1に搭載された第1及び第2パワートレインによれば、以下の効果を奏する。
(1)第2ギヤトレイン80において中間変速段である第4変速段を直結段に構成することによって各変速段における変速比が、第1ギヤトレイン60に比して低減される。この結果、第2ギヤトレイン80において伝達される伝達トルクの増大が低減されるので、最高段である第6変速段を直結段に構成する場合に比して、第2ギヤトレイン80をコンパクトに構成できる。一方、第1ギヤトレイン60は、最高段である第6変速段が直結段に構成されているものの、ディーゼルエンジン2Bに比して最大トルクが小さいガソリンエンジン2Aに適用されるため、第2ギヤトレイン80に比して伝達トルクが過大とならない。
これにより、相対的に最大トルクが大きいディーゼルエンジン2Bに適用される第2手動変速機3Bの変速機ケース20を、相対的に最大トルクが小さいガソリンエンジン2Aに適用される第1手動変速機3Aの変速機ケース20と共通化できる。よって、変速機ケース20を形成するための型治具を共通化することによって省投資を実現できる。
さらに、ディーゼルエンジン2Bに適用される第2手動変速機3Bにおいて、変速機ケース20の大型化が抑制されるので、車室フロア11のトンネル部12に配置する場合でも、該トンネル部12を大型化することなく搭載しやすく、前席13の足下スペースSを確保しやすく、操作ペダル15を操作するためのペダルワークスペースを好適に確保しやすい。
(2)手動変速機3は、アウトプットリダクションタイプであるので、これらの手動変速機3におけるトルク伝達経路の下流側に位置する減速用ギヤ列G0,D0においてトルク増大を分担することにより、この上流側のギヤトレイン30,80における伝達トルクが低減する。これによって、ギヤトレイン30,80をコンパクトに構成しやすく、この結果、変速機ケース20をよりコンパクトに構成することができるので、手動変速機3を車室フロア11のトンネル部12により一層配設しやすい。
(3)ディーゼルエンジン2Bは、これに適用される第2手動変速機3Bにおいて変速比が大きい低速段が選択されている場合、最大トルクが制限されるようになっているので、高速段での走行性能を犠牲にすることなく、第2ギヤトレイン80の伝達トルクを低減しやすい。具体的には、変速比が大きいため伝達トルクが大きくなり、このためにギヤの耐久性がより求められる第1及び第2変速段において、動力源側の最大トルクを制限することによって、第2ギヤトレイン80の第1及び第2変速段における第1及び第2ドライブギヤ51,52及び第1及び第2ドリブンギヤ61,62の大型化が抑制される。なお、低速段において、最大トルクを制限しても、実用上の問題が少ない一方で、高速時における動力性能を犠牲にしない。
上記実施形態では、後輪駆動車を例にとって説明したが、これに限らない。すなわち、エンジン及び手動変速機が縦置き配置されるものであればよく、FRベースの4輪駆動車や、リヤエンジンフロントドライブ(RF車)や、RFベースの4輪駆動車にも適用できる。
また、上記実施形態では、前進6速の変速段を有する手動変速機を例にとって説明したが、これに限らない。すなわち、前進3速以上の変速段を有する手動変速機に適用することができ、相対的に最大トルクが大きい動力源に適用する場合に中間変速段で直結となるように構成すると共に、相対的に最大トルクが小さい動力源に適用する場合に最高段で直結となるように構成して、変速機ケースを共通とするものであればよい。また、第1手動変速機と第2手動変速機とで、変速段数を同じに設定しなくてもよい。
また、上記実施形態では、第1ギヤトレイン30から第2ギヤトレイン80に変更する場合に、一部の部品、すなわち入力軸32及び、第2〜第5変速段用ギヤ列G2〜G5、及び減速用ギヤ列G0を変更したが、これに限らない。すなわち、第1ギヤトレイン30の全部品を、形状のことなる第2ギヤトレイン80の全部品に変更するものでもよく、また、上記実施形態より少ない部品を変更するようにしてもよい。
要するに、第1及び第2手動変速機において、パッケージングが共通であればよく、具体的には、変速機ケース20の外観寸法(例えば、全長、胴回り寸法)が同じであって、メインシャフトとカウンタ軸との軸間ピッチが少なくとも同じであればよい。また、第1〜第6軸受41〜46が共通であればなお好ましい。
また、変速機ケース20が共通とは、鋳造(アルミダイカスト若しくは重力鋳造)された素材形状において少なくとも同一であることを意味しており、鋳造後の機械加工において異なっていてもよく、外観上にボスが追加されてもよく又は削除されていてもよい。要するに、変速機ケース20が、共通の金型をベースとして鋳造されるものであればよい。
特許請求の範囲に記載された本発明の精神および範囲から逸脱することなく、各種変形及び変更を行うことも可能である。
以上説明したように、本発明に係る手動変速機によれば、車室フロアのトンネル部に配置される縦型の手動変速機において、大トルク動力源に適用される場合と小トルク動力源に適用される場合とで、共通の変速機ケースを使用しながらも、前席の足下スペースを確保できるので、この種の製造技術分野において好適に利用される可能性がある。
1 車両
2 エンジン(2A ガソリンエンジン,2B ディーゼルエンジン)
3 手動変速機(3A 第1手動変速機,3B 第2手動変速機)
6 差動装置(6A 第1差動装置,6B 第2差動装置)
12 トンネル部
20 変速機ケース
24 第1変速機構
25 第2変速機構
30 第1ギヤトレイン
31 メインシャフト
32 入力軸
33 出力軸
34 カウンタ軸
41〜46 第1〜第6軸受
51〜55 第1〜第5ドライブギヤ
57 後退速用ドライブギヤ
58 減速用ドライブギヤ
61〜65 第1〜第5ドリブンギヤ
67 後退速用ドリブンギヤ
68 減速用ドリブンギヤ
71 第1−2速用同期装置
71a 第1シンクロハブ
71b 第1シンクロスリーブ
72 第3−4速用同期装置
73 第5−6速用同期装置
74 後退速用同期装置
80 第2ギヤトレイン
81 メインシャフト
82 入力軸
83 出力軸
84 カウンタ軸
92〜93 第2〜第3ドライブギヤ
95〜96 第5〜第6ドライブギヤ
98 減速用ドライブギヤ
102〜103 第2〜第3ドリブンギヤ
105〜106 第5〜第6ドリブンギヤ
108 減速用ドリブンギヤ
111 第1−2速用同期装置
112 第3−4速用同期装置
113 第5−6速用同期装置
114 後退速用同期装置

Claims (8)

  1. 動力伝達軸が車両前後方向に延びている縦置きの手動変速機であって、
    変速機ケースを備えており、
    前記変速機ケースは、前記手動変速機が第1動力源に適用される場合には最高変速段が直結段となる第1ギヤトレインが収容可能に構成されていると共に、前記手動変速機が前記第1動力源よりも最大トルクが大きい第2動力源に適用される場合には前記最高変速段より低速側の中間変速段が直結段となる第2ギヤトレインが収容可能に構成されている手動変速機。
  2. 動力伝達軸が車両前後方向に延びている縦置きの手動変速機であって、第1動力源に適用されており、最高変速段が直結段となる第1ギヤトレインが収容された変速機ケースを有し、
    前記手動変速機が前記第1動力源よりも最大トルクが大きい第2動力源に適用される場合、前記変速機ケースに、前記第1ギヤトレインに換えて最高変速段より低速側の中間変速段が直結段となる第2ギヤトレインが収容される手動変速機。
  3. 動力伝達軸が車両前後方向に延びている縦置きの手動変速機であって、第2動力源に適用されており、最高変速段より低速側の中間変速段が直結段となる第2ギヤトレインが収容された変速機ケースを有し、
    前記手動変速機が前記第2動力源よりも最大トルクが小さい第1動力源に適用される場合、前記変速機ケースに、前記第2ギヤトレインに換えて最高変速段が直結段となる第1ギヤトレインが収容される手動変速機。
  4. 前記手動変速機は、動力源にクラッチを介して連結される入力側動力伝達軸と、これと同一軸線上に配置された出力側動力伝達軸と、前記入力側動力伝達軸に対して平行に配置されたカウンタ軸とを備え、
    前記入力側動力伝達軸と前記カウンタ軸にはそれぞれ、互いに噛み合うギヤトレインが設けられており、前記入力側動力伝達軸から前記カウンタ軸へ、選択された変速段に応じた変速比で変速された回転が伝達され、前記カウンタ軸から減速機構を介して前記出力側動力伝達軸に動力が伝達されるアウトプットリダクションタイプである、
    請求項1〜3のいずれか1つに記載の手動変速機。
  5. 前記第1ギヤトレイン及び前記第2ギヤトレインは変速段数が等しい、
    請求項1〜4のいずれか1つに記載の手動変速機。
  6. 前記第1ギヤトレイン及び前記第2ギヤトレインは変速段数が6段であり、
    前記第1ギヤトレインは、第6変速段が直結段であり、
    前記第2ギヤトレインは、第4変速段が直結段である、
    請求項1〜5のいずれか1つに記載の手動変速機。
  7. 前記第2ギヤトレインは、前記第1ギヤトレインに比して、対応する変速段のギヤ比が小さい、
    請求項1〜6のいずれか1つに記載の手動変速機。
  8. 前記第2ギヤトレインが低速段で変速を行っているとき、前記第2動力源は最大トルクが制限されている、
    請求項1〜7のいずれか1つに記載の手動変速機。
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