JP2019203383A - 複合建具 - Google Patents
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Description
また、ブリッジ材105の下方で内障子102の上框108と室内枠部材104との間に気密ラインを構成する気密材107が設置されている。
本発明によれば、金属上枠の屋内側の垂下片部の先端と少なくとも屋内側の面を樹脂部材で囲っているために垂下片部の表面温度が高くなり、屋外側から流入する冷気によって垂下片部に結露することを低減できる。
なお、垂下片部の表面を囲う樹脂部材は屋内側の面でもよいし屋内外両側の面でもよい。垂下片部の両側の面を樹脂部材で囲うようにすれば表面温度を高くできるため、冷気による垂下片部の結露の発生を一層抑制できる。
垂下片部の先端を囲う樹脂部材に断熱層を形成したことで、屋外からの冷気が垂下片部の屋内側に伝達されることを断熱層で防いで結露も防止できる。
垂下片部から屋外側に延びる気密材、または障子の上框から屋内側に延びる気密材を取り付けて、障子または垂下片部等に接触させると共に、この気密材を断熱層の屋外側に設けたことで、屋外からの冷気が屋内側に伝達されることをより一層抑制できる。
断熱層を垂下片部の先端から内障子等の上框に向けて断面略コの字状の樹脂片部で形成したため、冷気の伝達を阻止できると共に、垂下片部に結露が発生して流れ落ちたとしても略コの字状の樹脂片部で受け止めて貯留することができる。
なお、断面略コの字の下側の樹脂片部を上側の樹脂片部より軟質の軟質樹脂を用いてもよい。
断熱層をホロー部で形成することで断熱効果が高くなり、冷気の屋内側への伝達を一層低減できる。
また、仮に垂下片部の面が冷気に晒されて結露したとしても、垂下片部の先端と屋内側の面を樹脂部材で覆っているため結露を屋内側から目視できない上に結露水の落下を樹脂部材の先端で阻止できる。
本発明の第一実施形態による引き違い窓1を図1から図5に基づいて説明する。
図1及び図2に示す実施形態による引き違い窓1は、上枠2と下枠3と左右の縦枠4とで四角形枠状に形成された枠体5内に内障子7と外障子8が見込み方向に納められている。内障子7と外障子8はそれぞれ上框10と下框11と左右の縦框12、13とで四角形枠状に形成され、その内部に例えばペアガラス等の複層ガラス9が納められている。
そして、屋外側垂下片部15bと中間レール部15cとの間に外障子8が走行可能に保持されている。中間レール部15cと屋内側垂下片部15dとの間にも内障子7が走行可能に保持されている。
また、外障子8と内障子7は、複層ガラス9の四辺の框部が上框10、下框11、左右の縦框12,13で構成されている。複層ガラス9はグレージングチャンネルを介して金属上框10a、金属下框11a、左右の金属縦框12a、13aにそれぞれ設けたガラス受け部34で四辺の側縁部を支持されている。これら金属框の屋内側を樹脂上框10b、樹脂下框11b、左右の樹脂縦框12b、13bでそれぞれ覆っている。
なお、金属上枠15、金属下枠19、左右の金属縦枠25、金属上框10a、金属下框11a、左右の金属縦框12a、13aは例えばアルミ合金製である。
なお、気密材としてアルミ合金等の金属に代えてゴム等の弾性部材を用いてもよい。屋内側垂下片部15dの屋内側の面a1には係合受け部37が形成されている。
更に、上部樹脂アングル16は、段付き部16aの近傍先端側には基部が屋内側垂下片部15dに当接すると共に先端側が屋内側に屈曲して係合受け部37に係合可能な係止片38を有する。更に、上部樹脂アングル16は、本体部16bから上方に延びていて先端側で屈曲または湾曲して屋内側垂下片部15dに当接する当接片39を形成している。
また、段付き部16aには屋外側即ち内障子7の上框10に向かって延びる軟質樹脂からなるヒレ部40が連結または一体形成されている。ヒレ部40の軟質樹脂は他の樹脂よりも軟質で弾性変形可能に形成されており、内障子7の上框10に当接している。内障子7を走行させるとヒレ部40が当接した状態で変位し、気密状態を維持する。
なお、ヒレ部40は他の樹脂と同様に比較的硬質の樹脂で形成してもよく、この場合には内障子7の上框10と非接触で近接することが気密を保持するために好ましい。
また、金属上框10aに屋内側で連結された樹脂上框10bは、ヒレ部40が当接する部分が例えば平面状をなす屋内側鉛直部10baを形成している。更に、その下方部分は屋内側に向かって拡幅するように傾斜するテーパ部10bbを形成し、更にその下方側には先端に突起部を有する凹部10bcを形成している。
なお、樹脂上框10bは内障子7を枠体5から屋内側に外す際に上枠2に当接して損傷しないように軟質樹脂で形成してもよい。
そして、樹脂上框10bは凹部10bcから垂直面またはわずかに傾斜して降下する面と複層ガラス9側に傾斜する逆テーパ面10bdとを有している。これによって凹部10bcをあふれ出た結露水は樹脂上框10bに沿って流れて逆テーパ面10bdから複層ガラス9上に流れ落ちるため、室内に落下しない。
また、中間レール部15cの屋内側に連結した中間樹脂枠17は、上述した屋内側垂下片部15dに取り付けた上部樹脂アングル16と同様な構成を有している。即ち、中間レール部15cの屋内側に連結した中間樹脂枠17も先端片17aが中間レール部15cの下端部に当接することで屋内側と先端を囲っている。中間樹脂枠17の先端片17aと傾斜段部と軟質樹脂製のヒレ部40Aとによって断面略コの字状の断熱層42Aを形成し、断熱層42Aによって断熱ラインを構成している。
また、外障子8の金属上框10aに取り付けた樹脂上框10bにおいて、内障子7に設けた樹脂上框10bと同様に、ヒレ部40Aが当接する屋内側鉛直部10ba、テーパ部10bb、凹部10bc、凹部10bcから垂直またはわずかに傾斜して降下する面と逆テーパ面10bdとを有している。
下部樹脂アングル24は上述した上部樹脂アングル16と略同一の構成を有している。金属下框11aは屋内側端部で樹脂下框11bとの係合部の更に下側に延びていて略L字状に屈曲する下部枠11aaを形成している。金属下枠19の屋内側端部に設けた屋内側壁面19aは上下方向に延びており、上端部で下部枠11aaと水平方向に重なっていて、その屋外側に受け部19bが形成されている。屋内側壁面19aの屋内側には係合受け部19cが形成されている。
そして、この受け部19bに嵌合するアルミ合金製またはゴム製等の弾性部材からなるシール部材44が下部枠11aaに当接しており、冷気の屋内側への通気を阻止する気密材を構成する。
下部樹脂アングル24には、ヒレ部46の近傍で間隙内の下方に向けて係合受け部19cに係合可能な係止片48が形成され、更にその額縁22側には間隙内の下方に延びていて先端側で屈曲または湾曲して金属下枠19の屋内側壁面19aに当接する当接片49を形成している。
そのため、下部樹脂アングル24は固定ボルト45と係止片48によって額縁22と金属下枠19の係合受け部19cに係止されている。しかも係止片48は屋内側壁面19aの屋内側に設けられているため、固定ボルト45を額縁22から外して下部樹脂アングル24のヒレ部46側の先端を引き上げると、当接片49が弾性変形することで係止片48が係合受け部19cから外れるため取り外すことができる。そのため、下部樹脂アングル24は損傷等した場合に着脱交換可能である。
また、下部樹脂アングル24も、先端片16cを引き下げると当接片39が弾性変形して係止片38を係合受け部37から離脱させて着脱交換できる。
外気は屋内側の金属上枠15と内障子7の上框10との隙間を通って屋内側垂下片部15d側に流れる。ここでは、屋内側垂下片部15dに設けたシール部材36が内障子7の金属上框10aに当接することで気密シールできる。この気密ラインによって外気がシール部材36を超えて屋内側に流れることを阻止する。
しかし、一部の冷気は内側樹脂枠18を回り込んで屋内側垂下片部15dに接触することで、屋内側垂下片部15dの内外の面a1,a2に結露が生じることがある。この場合でも、屋内側垂下片部15dは上部樹脂アングル16の当接片39で覆われており、屋内側に露出しないので屋内の人が目視できない。
また、断熱層42に保水された結露水がその重みでヒレ部40を経由して下方に流れる場合には、樹脂上框10bにおける屋内側鉛直部10baからテーパ部10bbを流れて突起を有する凹部10bcに貯留される。これによっても結露水が屋内側を落下することを防止できる。
更に凹部10bcを結露水が溢れたとしても、この結露水は床面等に落下することなく、樹脂上框10bの凹部10bcの略鉛直の面から逆テーパ面10bdを経由して複層ガラス9の表面に流れ落ちる。そのため、結露水の一部が内障子7の屋内側で樹脂上框10bから複層ガラス9を通って下方に流れたとしても目立たない。
しかも、断熱層42Aに加えて、中間レール部15cの屋内側の面は中間樹脂枠17で囲われているために表面温度を向上でき、冷気による結露を阻止できる。仮にわずかに結露が生じたとしても、中間樹脂枠17で覆われているために屋内側に露出せず室内から目視できない。そして、中間レール部15cの屋外側の表面に結露が生じた場合、結露水が降下しても断熱層42Aで結露水の貯留を行えるため、落下を阻止できる。
なお、上部樹脂アングル16を屋内側垂下片部15dに係止させ、中間樹脂枠17を中間レール部15cに係止させることで、熱によって上部樹脂アングル16や中間樹脂枠17が伸縮することを抑制できる。
また、屋内側垂下片部15dの先端と屋内外の両面を上部樹脂アングル16と内側樹脂枠18と断熱層42とで囲ったため、屋内側垂下片部15dの表面温度が高くなり、屋内側垂下片部15dの内外面に結露が生じ難く、仮に結露が生じても室内側から見えないようにすることができて見栄えがよい。
また、金属上枠15内における低温の外気の熱伝達を阻止するために金属上枠15に樹脂製のシール材を用いないため、かしめ固定等が必要なく組立も容易で低廉である。
また、外障子8の上框10と金属上枠15の中間レール部15c及び中間樹脂枠17とにおいても同様な構成を備えているため同様な作用効果を得られる。
本第二実施形態による引き違い窓1Aでは、第一実施形態による引き違い窓1と概略同一の構成を備えている。相違点として、本第二実施形態による引き違い窓1Aでは、第一実施形態による上部樹脂アングル16に設けた断面略コの字状の断熱層42に代えて、樹脂で覆われた中空のホロー形状の断熱層50が形成されている。この断熱層50は開口部がないため落下する結露水を貯留する機能を得られないが中空のホロー部を形成しているため断熱性能が一層向上する。
また、断熱層42、50を形成する樹脂製の先端片16c、17a、軟質樹脂のヒレ部40、40Aまたは硬質樹脂は樹脂片部を形成する。
また、上述した各実施形態において、断熱構造として屋内側垂下片部15dの屋内側と屋外側とに上部樹脂アングル16と内側樹脂枠18を設けて屋内側垂下片部15dの表面温度の低下と結露の抑制を行うようにしたが、内側樹脂枠18は必ずしも設置しなくてもよい。
また、断熱層42、42Aにおいて、ヒレ部40、40Aはなくてもよい。
なお、本発明において、上部樹脂アングル16と内側樹脂枠18と中間樹脂枠17は樹脂部材を構成する。また、本発明は引き違い窓1に限定されることなく、片引き障子等の各種の複合建具に適用できる。
2 上枠
7 内障子
8 外障子
10 上框
11 下框
10a 金属上框
10b 樹脂上框
15 金属上枠
15b 屋外側垂下片部
15c 中間レール部
15d 屋内側垂下片部
16 上部樹脂アングル
16c、17a 先端片
17 中間樹脂枠
24 下部樹脂アングル
36,36A シール部材
40,40A ヒレ部
42,42A、50 断熱層
Claims (5)
- 枠体内に障子を納めた複合建具であって、
前記枠体の金属上枠における屋内側の垂下片部の先端と少なくとも屋内側の面が樹脂部材で囲われていることを特徴とする複合建具。 - 前記屋内側の垂下片部の先端を囲う前記樹脂部材には断熱層が形成されている請求項1に記載された複合建具。
- 前記屋内側の垂下片部から屋外側に延びる気密材、または前記障子の上框から屋内側に延びる気密材が取り付けられている請求項1または2に記載された複合建具。
- 前記樹脂部材に形成された前記断熱層は、前記垂下片部の先端から前記障子の上框に延びる断面略コの字状の樹脂片部で形成している請求項2に記載された複合建具。
- 前記樹脂部材に形成された前記断熱層は、中空のホロー部で形成されている請求項2に記載された複合建具。
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