JP2019203256A - 便器システム - Google Patents
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横引配管と連通可能な排水口が便鉢部の底部に開口しており、前記横引配管に沿って配置された複数の便器装置と、
前記便器装置に設けられ、前記排水口を閉塞する閉弁方向に付勢され、開弁時には前記排水口を前記横引配管に連通させるフラッパー弁と、
前記横引配管のうち前記複数の便器装置との接続部位より上流側の部位に接続可能であり、前記横引配管へ洗浄水を供給可能な搬送用給水装置と、
前記便鉢部への洗浄水の供給量が多い平常モードと、前記便鉢部への洗浄水の供給量が前記平常時モードより少ない節水モードとの間で変更可能な供給モード変更手段とを備えていることを特徴とする。
以下、本発明を具体化した実施例1を図1〜図7を参照して説明する。尚、以下の説明において、前後の方向については、図2,3における左方を前方と定義する。上下の方向については、図1〜7にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。
本実施例1の便器システムAは、公共施設(例えば、学校等)や商業施設等に設けられるものであり、施設の床下に設けられた1本の横引配管10の上方に配されている。便器システムAは、1つの搬送用給水装置11と複数の便器装置17を、横引配管10の配管方向(長手方向)に沿って一列に並ぶように配置して構成されている。搬送用給水装置11は、横引配管10の配管方向において最も上流側の位置に配置され、複数の便器装置17は、搬送用給水装置11より下流側の領域に適宜間隔を空けて配置されている。横引配管10の下流端は、下水管16に接続されている。
搬送用給水装置11は、上面が開放された水槽12と、給水管13とを備えている。給水管13にはトラップ(図示省略)が設けられ、下水管16との縁切りがされている。給水管13の上端部(上流端部)は水槽12の底部に接続され、給水管13の下端部(下流端部)は、連通管14を介して横引配管10に接続されている。給水管13と連通管14は、水槽12と横引配管10とを連通させる給水路15を構成する。
便器装置17は、施設の床面に設置される便器本体18と、便器本体18に付帯するフラッパー弁24と、便器本体18に付帯する洗浄水タンク28とを備えて構成されている。便器本体18は、上面が開放された便鉢部19と、便鉢部19の底部において下向きに開口する排水口20と、排水口20から下方へ延出した排水孔21とを有している。排水孔21の下端部には、排水管22の上流端が接続されている。
フラッパー弁24は、排水口20を開閉する手段として機能するものである。フラッパー弁24は、左右方向の水平軸を支点として上下方向に揺動するフラップ25と、フラップ25を閉弁方向に付勢するための閉弁バネ26とを備えている。閉弁バネ26は、フラップ25に形成したリンクアーム27と、便器本体18との間に装着されている。フラッパー弁24は、常には、閉弁バネ26の弾力によりフラップ25が排水口20を閉塞する閉弁状態(図2を参照)に保持されている。閉弁状態(図3を参照)では、便鉢部19内が排出路23及び横引配管10から液密状に遮蔽されるので、便鉢部19内には洗浄水Wが貯留された状態に保たれる。
洗浄水タンク28は、便器本体18の後端部に設けられている。洗浄水タンク28は、アウタタンク29と、外蓋66と、インナタンク30と、中蓋51と、オーバーフロー管33と、ボールタップ35と、フロート弁38(請求項に記載の供給モード変更手段)と、浮き62(請求項に記載の水位確認部材)とを備えて構成されている。アウタタンク29は、上面が開放された箱形をなし、便器本体18の上面後端部に載置された状態で取り付けられている。アウタタンク29の上面の開口部は、アウタタンク29に対して着脱可能な外蓋66により開閉されるようになっている。
フロート弁38は、揺動軸39と、レバー40と、玉鎖41と、弁体42と、フロート43と、止めリング44とを備えて構成されている。揺動軸39は、軸線を左右方向に向けていて、アウタタンク29の側壁部に貫通状態で取り付けられている。揺動軸39は、軸線回りに回動可能であり、揺動軸39のうちアウタタンク29の外部に突出した外端部には、手動操作用のレバー40が一体的に揺動し得るように取り付けられている。揺動軸39のうちアウタタンク29内に収容された内端部には、揺動軸39から径方向外方へ突出した形態の第1アーム部45が形成されている。第1アーム部45には玉鎖41の上端部が連結され、玉鎖41は、インナタンク30内において第1アーム部45から垂れ下がった状態となっている。
便器装置17には、フラッパー弁24とフロート弁38をレバー40のワンアクション操作により連動してほぼ同時に開弁させるための手段として、開弁用操作機構46が設けられている。開弁用操作機構46は、上記の揺動軸39とレバー40に加えて、第1リンクバー47と、第2リンクバー48と、揺動ブラケット49とを備えて構成されている。揺動軸39のうち平面視において作動空間32と対応する位置には、揺動軸39から径方向外方へ延出した第2アーム部50が形成されている。
中蓋51は、合成樹脂製の単一部材であり、蓋本体部52と、周壁部53と、注水口54と、ボトル保持部58とを備えている。蓋本体部52は、全体として概ね水平な板状をなし、インナタンク30の上面の開口部のほぼ全体を覆うようになっている。周壁部53は、蓋本体部52の外周縁の全領域から上方へ立ち上がった形態である。
便器装置17は、常には、閉弁バネ26の弾性復元力によりレバー40と揺動軸39が初期位置に保持され、フラッパー弁24とフロート弁38が閉弁状態に保たれている。フロート弁38においては、フロート43が浮力付与形態となっており、フロート弁38が平常モードとなっている。洗浄水タンク28には上水道設備から供給された10リットル以上の水が、洗浄水Wとして満水状態で貯留され、便鉢部19内には600cc程度の洗浄水Wが貯留されている。
災害や上水道設備の故障等により洗浄水タンク28への給水が停止した場合は、各便器装置17のフロート弁38において、洗浄水タンク28から便鉢部19への洗浄水Wの供給量を減らすための変更作業を行う。具体的には、まず、外蓋66をアウタタンク29から取外し、中蓋51をインナタンク30から外す。この状態で、玉鎖41から止めリング44を外し、フロート43が玉鎖41に沿って上方へ自由に移動できるようにする。
便器システムAは、複数の便器装置17と、1基の搬送用給水装置11と、フロート弁38(供給モード変更手段)を備えている。各便器装置17は、横引配管10と連通可能な排水口20を便鉢部19の底部に開口させた形態である。複数の便器装置17は、横引配管10に沿って配置されている。便器装置17には、便鉢部19の排水口20を閉塞する閉弁方向に付勢され、開弁時には排水口20を横引配管10に連通させるフラッパー弁24が設けられている。搬送用給水装置11は、横引配管10のうち複数の便器装置17との接続部位より上流側の部位に接続され、横引配管10へ洗浄水Wを供給し得るようになっている。フロート弁38は、便鉢部19への洗浄水Wの供給量が多い平常モードと、便鉢部19への洗浄水Wの供給量が平常時モードより少ない節水モードとの間で変更可能である。
次に、本発明を具体化した実施例2を図8を参照して説明する。本実施例2の便器システムBは、搬送用給水装置67を上記実施例1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施例1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、フラッパー弁を閉弁方向に付勢する手段として閉弁バネを用いたが、付勢手段は、ウエイトを用いたものであってもよい。
(2)上記実施例では、平常時にフラッパー弁を開弁する手段として、洗浄水タンクに設けた手動操作タイプのレバーを用いたが、フラッパー弁は、ペダルの足踏み操作で開弁させてもよく、便鉢部にバケツ等で投入した洗浄水の重量や圧力で開弁させてもよい。
(3)上記実施例では、節水時にフラッパー弁を開弁する手段として、洗浄水タンクに設けた手動操作タイプのレバーを用いたが、フラッパー弁は、ペダルの足踏み操作で開弁させてもよく、便鉢部にバケツ等で投入した洗浄水の重量や圧力で開弁させてもよい。
(4)上記実施例では、平常時に、レバーのワンアクション操作により、フラッパー弁の開弁動作と便鉢部への洗浄水の給水を連動させて行うようにしたが、フラッパー弁の開弁と便鉢部への洗浄水の給水は、連動させずに個別に実行されるようにしてもよい。
(5)上記実施例では、節水時に、レバーのワンアクション操作により、フラッパー弁の開弁動作と便鉢部への洗浄水の給水を連動させて行うようにしたが、フラッパー弁の開弁と便鉢部への洗浄水の給水は、連動させずに個別に実行されるようにしてもよい。
(6)上記実施例では、平常時に、フラッパー弁が閉弁している状態で便鉢部に洗浄水を溜めるようになっているが、フラッパー弁が閉弁している状態で便鉢部に洗浄水を溜めないようにしてもよい。
(7)上記実施例では、節水時に、フラッパー弁が閉弁している状態で便鉢部に洗浄水を溜めるようになっているが、フラッパー弁が閉弁している状態で便鉢部に洗浄水を溜めないようにしてもよい。
(8)上記実施例では、洗浄水タンクに供給モード変更手段を設けることにより、節水時にも洗浄水タンク内の洗浄水を便鉢部に供給するようにしたが、洗浄水タンクに供給モード変更手段を設けず、節水時には、洗浄水タンクへの給水を行わずに、バケツ、柄杓、飲料ボルト(ペットボトル)等を用いて手作業によって洗浄水を便鉢部に流し込み、レバーの操作によって便鉢部内の汚物を横引配管へ排出するようにしてもよい。
(9)上記実施例では、搬送用給水装置が便器装置としての機能を有しない専用の単機能装置であるが、搬送用給水装置は便器装置としての機能を兼ね備えたものであってもよい。便器装置兼用の搬送用給水装置は、他の便器装置と同一構造であってもよく、他の便器装置とは異なる構造であってもよい。
(10)上記実施例では、フロートを浮力付与形態から浮力解除形態へ変更する手段として、フロートの止めリングを玉鎖から外してフロートと弁体の連結を解除するようにしたが、フロートを浮力解除形態へ変更する手段としては、フロート内に水を注入してもよく、フロートに錘を載せてもよい。また、1つの弁体に2本の玉鎖を接続して一方の玉鎖にフロートを取付ける構造とした上で、フロートが取り付けられている玉鎖を、フロートと玉鎖を連結した状態のままで弁体から切り離してもよく、フロートが取り付けられている玉鎖を切断してフロートを弁体から切り離してもよい。
(11)上記実施例では、フロートを浮力解除形態へ変更するときに止めリングを玉鎖から外すようにしたが、止めリングは、玉鎖から外さずに、玉鎖に対して自由に昇降可能に遊嵌させておくようにしてもよい。
(12)上記実施例では、中蓋に注水口が形成されているが、中蓋は、注水口を有しないものであってもよい。
(13)上記実施例では、中蓋に周壁部が形成されているが、中蓋は周壁部を有しないものであってもよい。
(14)上記実施例では、中蓋の上面に傾斜面が形成されているが、中蓋は傾斜面を有しないものであってもよい。
(15)上記実施例では、洗浄水タンクに水位確認部材を設けているが、洗浄水タンクは水位確認部材を有しないものであってもよい。
(16)上記実施例では、水位確認部材が水に浮かべて使用する浮きであるが、水位確認部材は、洗浄水タンクの上方に配置したミラーであってもよい。この場合、ミラーを洗浄水タンクの上方に斜めの向きにして配置し、便器装置の前方から洗浄水タンクの内部がミラーに映るようにしてもよい。
(17)上記実施例では、ライフラインが止まって洗浄水タンクに手作業で水を補給する場合に、中蓋を取り付けたままで水を洗浄水タンク内に注入するようにしたが、中蓋を外した状態で水を洗浄水タンクに補給するようにしてもよい。この場合、外した中蓋を洗浄水タンクの側面等に引っ掛けておくことで、ライフラインが止まっていることや、平常時とは違う形態で便器装置を使用すべきこと等を、周知させることができる。
(18)上記実施例において、洗浄水タンクの外面に、給水用の柄杓や折り畳み式バケツを掛けておくためのホルダを設けてもよい。
(19)上記実施例において、外蓋の裏面に、給水用の柄杓や折り畳み式バケツを収容するための収納スペースを設けてもよい。
(20)上記実施例において、外蓋を、蛇腹状に変形可能な形態とすることでバケツとしての機能を持たせるようにしてもよい。
W…洗浄水
10…横引配管
11,67…搬送用給水装置
17…便器装置
19…便鉢部
20…排水口
24…フラッパー弁
28…洗浄水タンク
31…給水口
33…オーバーフロー管
34…オーバーフロー口
38…フロート弁(供給モード変更手段)
42…弁体
43…フロート
51…中蓋
53…周壁部
54…注水口
56…傾斜面
60…覆い部
62…浮き(水位確認部材)
Claims (6)
- 横引配管と連通可能な排水口が便鉢部の底部に開口しており、前記横引配管に沿って配置された複数の便器装置と、
前記便器装置に設けられ、前記排水口を閉塞する閉弁方向に付勢され、開弁時には前記排水口を前記横引配管に連通させるフラッパー弁と、
前記横引配管のうち前記複数の便器装置との接続部位より上流側の部位に接続可能であり、前記横引配管へ洗浄水を供給可能な搬送用給水装置と、
前記便鉢部への洗浄水の供給量が多い平常モードと、前記便鉢部への洗浄水の供給量が前記平常時モードより少ない節水モードとの間で変更可能な供給モード変更手段とを備えていることを特徴とする便器システム。 - 前記便器装置には、前記便鉢部に供給するための洗浄水を貯留する洗浄水タンクが設けられ、
前記供給モード変更手段が、
前記洗浄水タンクの給水口を開閉する弁体と、
前記弁体に浮力を付与する浮力付与形態と前記弁体に対する浮力の付与を解除する浮力解除形態との間で変更が可能なフロートを備えて構成されていることを特徴とする請求項1記載の便器システム。 - 前記便器装置に設けられ、前記便鉢部に供給するための洗浄水を貯留可能な洗浄水タンクと、
前記洗浄水タンクの上面の開口部に取り付けられた中蓋と、
前記中蓋に形成され、前記洗浄水タンク内に水を注入することを可能にする注水口とを備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の便器システム。 - 前記中蓋に形成され、前記中蓋を包囲するように配された周壁部と、
前記中蓋の上面に形成され、前記中蓋の外周側から前記注水口側に向かって下るように傾斜した傾斜面とを備えていることを特徴とする請求項3記載の便器システム。 - 前記洗浄水タンク内においてオーバーフロー口を上向きに開口させたオーバーフロー管と、
前記中蓋に形成され、前記オーバーフロー口の上方に間隔を空けて配された覆い部とを備えていることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の便器システム。 - 前記便器装置に設けられ、前記便鉢部に供給するための洗浄水を貯留可能な洗浄水タンクと、
前記洗浄水タンク内の水位を平面視における前記洗浄水タンクの外側から目視確認可能な水位確認部材を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の便器システム。
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JP7209410B1 (ja) * | 2022-08-30 | 2023-01-20 | 株式会社アルソナ技研 | 水洗トイレ節水システム及びトイレ洗浄方法 |
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