JP2016130433A - 汚物搬送システム - Google Patents

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達典 村井
Tatsunori Murai
達典 村井
今井 茂雄
Shigeo Imai
茂雄 今井
博泰 新宮
Hiroyasu Shingu
博泰 新宮
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Abstract

【課題】停電時等にも機能し、設備全体の利用率が高く、衛生面でも問題がなく、非常時の省電力に優れた汚物搬送システムを提供すること。【解決手段】建物10に設けられた便器20に器具排水管21で接続され建物10の下方に配置された排水横流路30の最上流側に汚物の搬送水を供給するために、搬送水供給タンク40の第1の吐水口41から排水横流路30の上流側に搬送水を供給する通常時搬送水供給装置101と、搬送水供給タンク40の第2の吐水口42から搬送水供給タンク40の水頭圧で排水横流路30の上流側に搬送水を供給する非常時搬送水供給装置102と、を備えた汚物搬送システム。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、トイレの便器から排出された汚物等を搬送する汚物搬送システムに関する。
近年、災害時に下水道が一時的に使用できなくなっても、水洗トイレの機能を維持することを可能にしたトイレシステムが種々提案されている。
一つの例では、災害時には、水洗トイレからの排水を、防災桝(一種の汚物貯留タンク)の下部領域に設けられた貯留部へと流すように排水の流路を切り換え、この貯留部に貯留された排水をポンプで浄化処理部に移送し浄化処理した後、ポンプ槽のポンプでトイレ給水タンクへと移送する(例えば、特許文献1参照)。
尚、下水道が使用できないときには、トイレ等からの排水を下水道に導く配管を閉止し、閉止された管路の排水を所定の開口からオーバーフローさせて非常用貯留槽で受け、ここに溜めるようにした技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
更にまた、仮設トイレの複数のマンホールを繋ぐ第1排水管と下水管に連なる第2排水管とを接続管で接続し、下水が機能しないときにはこの接続管を取り払って第1排水管からの排水を槽に貯留する技術も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特許第4679412号公報 特開2014−66097号公報 特開2014−293号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、防災桝の貯留部や浄化処理部は非常時にしか使用されず設備としての利用率が低い。また、浄化処理部では停電時に機能せず処理が不十分となるおそれがあり、衛生的な問題がある。更に、貯留部に溜まった排水を浄化処理部に移送するポンプと浄化処理部での処理水をトイレ給水タンクへと移送するためにポンプ槽に設置するポンプとの複数のポンプを必要となるため、非常時の省電力化がはかりにくい。
また、特許文献2や特許文献3の技術では大容量の非常用貯留槽が必要とされるが、この場合も非常時にしか使用されず設備としての利用率が低い。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、停電時等にも機能し、設備全体の利用率が高く、衛生面でも問題がなく、非常時の省電力に優れた汚物搬送システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の汚物搬送システムは、建物(例えば、後述の建物10)に設けられた便器(例えば、後述の便器20)と、前記便器の下方に設けられた排水横流路(例えば、後述の排水横流路30)と、前記便器と前記排水横流路とを接続する器具排水管(例えば、後述の器具排水管21)と、前記排水横流路より上方に設けられた搬送水供給タンク(例えば、後述の搬送水供給タンク40、40a、40b)と、前記排水横流路の下流側に設けられ、前記排水横流路を流通する水を前記搬送水供給タンクに供給する揚水手段(例えば、後述の揚水手段としての揚水ポンプ31、31a)と、通常時において前記搬送水供給タンクの第1の吐水口(例えば、後述の第1の吐水口41、41a、41b)から、前記揚水手段又は別途設けられた搬送手段(例えば、後述の搬送手段としての搬送ポンプ32、32a、31a)により、前記排水横流路の上流側に搬送水を供給する通常時搬送水供給装置(例えば、後述の通常時搬送水供給装置101、101a、101b)と、非常時において前記搬送水供給タンクの第2の吐水口(例えば、後述の第2の吐水口42)から前記搬送水供給タンクの水頭圧で前記排水横流路の上流側に搬送水を供給する非常時搬送水供給装置(例えば、後述の非常時搬送水供給装置102、102a、102b)と、を備えている。
また、前記搬送水供給タンクの前記第1の吐水口は前記第2の吐水口よりも上方に設けられていることが好ましい。
また、下水(例えば、後述の下水50)への排水流路(例えば、後述の搬送ポンプ槽オーバーフロー排水管52、54,56)を閉止して排水をピット(例えば、後述のピット60)に貯留する流路(例えば、後述のピット貯留用配管53、55、57)に切り替えるピット貯留用流路切換装置を更に備えていることが好ましい。
本発明によれば、停電時等にも機能し、設備全体の利用率が高く、衛生面でも問題がなく、非常時の省電力に優れた汚物搬送システムを具現することができる。
本発明の第1実施形態としての汚物搬送システムを示す図である。 本発明の汚物搬送システムに適用される便器を例示する図である。 本発明の第2実施形態としての汚物搬送システムを示す図である。 本発明の第3実施形態としての汚物搬送システムを示す図である。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態としての汚物搬送システムを示す図である。
図1において、例えば、公共用屋外トイレの建屋等の建物10には複数の便器20、20が設置されている。建物10の下方には排水横流路30が配置されている。各便器20、20は器具排水管21、21によって排水横流路30に接続されている。排水横流路30より上方に搬送水供給タンク40が設けられている。本例では、搬送水供給タンク40は地上に設置されている。排水横流路30の下流側に、この排水横流路30を流通する汚物を含んだ水を搬送水供給タンク40に供給する揚水手段としての揚水ポンプ31が設けられている。
尚、以下の説明において、搬送水とは、汚物を搬送するための水であり、それ自体が汚物を含むなどした排水であり得る。
搬送水供給タンク40には、その高さの中央位置よりも上方に第1の吐水口41が設けられ、当該中央位置よりも下方に第2の吐水口42が設けられている。
搬送水供給タンク40の第1の吐水口41には第1取水配管43の一端が接続され、その他端は搬送手段としての搬送ポンプ32の搬送ポンプ槽321に向けて開放されている。即ち、搬送ポンプ32は水中ポンプであり、第1取水配管43の他端から出た排水は搬送ポンプ槽321を介して搬送ポンプ32のサクション側に吸入される。本例では、搬送ポンプ槽321及び搬送ポンプ32は地下に設置されている。
搬送ポンプ32のデリベリ側には、搬送配管33の一端が接続され、その他端は排水横流路30の最上流側に接続されている。また、第2の吐水口42と搬送配管33の合流部より搬送ポンプ32のデリベリ側には逆流を防ぐ逆止弁(不図示)を備えている。
搬送水供給タンク40の第2の吐水口42には第2取水配管44の一端が接続され、その他端は搬送配管33に合流するように接続されている。本例では、この合流するように接続された位置は、搬送ポンプ32のデリベリ側近傍の、若干下流側の位置である。
第2取水配管44の第2の吐水口42に近い位置には手動弁45が介挿されている。
上述において、第1の吐水口41→第1取水配管43→搬送ポンプ32(搬送ポンプ槽321)→搬送配管33→排水横流路30の最上流側、の流れを担う機器群が、搬送水供給タンク40の第1の吐水口41から排水横流路30の上流側に搬送水を供給する通常時搬送水供給装置101を構成している。
また、第2の吐水口42→第2取水配管44(手動弁45が介挿されている)→搬送配管33→排水横流路30の最上流側、の流れを担う機器群が、搬送水供給タンク40の第2の吐水口42から搬送水供給タンク40の水頭圧で排水横流路30の上流側に搬送水を供給する非常時搬送水供給装置102を構成している。
尚、本例では、揚水ポンプ31は揚水ポンプ槽311内に設けられた水中ポンプであり、排水横流路30の下流側は揚水ポンプ槽311に向けて開放されている。即ち、排水横流路30から揚水ポンプ槽311に流入した汚物を含んだ水は、揚水ポンプ31のサクション側に吸入され、揚水ポンプ31のデリベリ側に接続された供給配管34を通して搬送水供給タンク40に供給される。本例では、揚水ポンプ槽311及び揚水ポンプ31は地下に設置されている。
この揚水ポンプ31は、非常用電源(不図示)によって通常の商用電源が停電になった場合にも運転可能に構成されている。
揚水ポンプ槽311の上部には揚水ポンプ槽オーバーフロー排水管51の一端が接続され、その他端は下水管50に開放されている。同様に、搬送ポンプ槽321の上部には搬送ポンプ槽オーバーフロー排水管52の一端が接続され、その他端は下水管50に開放されている。また、搬送ポンプ槽オーバーフロー排水管52には、手動弁521が介挿されている。更に、搬送ポンプ槽オーバーフロー排水管52には、搬送ポンプ槽321から手動弁521に至る中間位置からピット60に至る分岐配管であるピット貯留用配管53が設けられ、このピット貯留用配管53には、手動弁531が介挿されている。
図2は、本発明の汚物搬送システムに適用される便器を例示する図である。
この便器20は後述する洗浄装置やその他の付属する器具と共に便器装置200を構成している。即ち、便器20と、排出装置210と、洗浄装置220と、を備えて簡易水洗式の便器装置である便器装置200が構成されている。
この便器20は、便器本体201と、便鉢202と、を備え、衛生陶器により形成される。便器本体201は、上面に開口が形成されており、前方周壁部201aと、後方周壁部201bと、を備え、この前方周壁部201aの内側に便鉢202が配置されている。
前方周壁部201a及び後方周壁部201bの下端は、建物10(図1)の床FLに当接している。便鉢202の下端部に鉛直下方に開口した排出口203が形成されている。便鉢202の下端部の汚物及び使用後の溜水Wは、洗浄水と共に、この排出口203を介して排出される。
尚、便器20には、便蓋250が、支軸251の周りに回動して上記開口を閉止可能に取り付けられている。
本例における排出装置210は、所謂バランス式のものであり、器具排水管21(図1)と便鉢202の下端部とを接続する排水ソケット211と、この排水ソケット211内に設けられ便鉢202の排出口203を開閉するフラッパー弁機構212とを有する。便鉢202の下端部と排水ソケット211との接続部にはパッキン202aが挟み込まれている。
フラッパー弁機構212は、フラッパー弁213と、フラッパー弁回動軸214と、錘215と、を備える。フラッパー弁213は便鉢202の排出口203を閉止可能な弁体部213aと、フラッパー弁回動軸214を挟んで弁体部213aと反対側に延び出したバランスアーム部213bとを有する。このバランスアーム部213bに錘215が取付けられている。
便鉢202の下端部の汚物及び使用後の溜水Wの重みが、バランスアーム部213bにおける錘215の重みとのバランスにおいて勝った状態になると、フラッパー弁213の弁体部213aがフラッパー弁回動軸214の周りに一点鎖線で図示の如く下方に回動して排出口203が開放される。従って、上述のように、便鉢202の下端部の汚物及び使用後の溜水Wは、洗浄水と共に、この排出口203を介して排出される。
一方、洗浄装置220は、便器本体201の後方上面に設置された洗浄タンク221と、洗浄タンク221内の下面に配置された洗浄水供給弁222と、洗浄タンク221内の洗浄水を便鉢202に内に向けて吐出する洗浄水供給管223と、を備える。
また、洗浄タンク221の側面に洗浄操作レバー225が配置され、この洗浄操作レバー225が洗浄ワイヤ224により洗浄水供給弁222と連結される。これにより、洗浄操作レバー225を回動させると、洗浄ワイヤ224が上方に引っ張られて洗浄水供給弁222が開き、洗浄タンク221内の洗浄水が洗浄水供給管223を介して便鉢202内に供給される。なお、本実施形態では、例えば、1回の洗浄におよそ350〜500ミリリットル程度の極少量の洗浄水を供給する。
尚、上記の実施形態では、便器はバランス式のフラッパー弁構造を備えたものであったが、フラッパー弁構造はバランス式に限られず、バネなどでフラッパー弁が固定されるロック式であっても良い。ロック式の場合は便鉢内の溜水量を任意に調整可能であり、1リットル程度の使用水量で使用すると快適な洗浄力が得られる。一方で、断水時など便器洗浄水が貴重な状況下では、バランス式構造の便器と同様に、350〜500ミリリットル程度の洗浄水量での使用も可能である。
次に、図1の第1実施形態の汚物搬送システムの動作について説明する。
通常時には、便器20、20の洗浄水として上水が使われ、また、揚水ポンプ31及び搬送ポンプ32の何れも商用電源によって通常通り運転される。
このとき、第2取水配管44の手動弁45は閉止状態が維持される。
従って、揚水ポンプ31によって揚水ポンプ槽311から汲み上げられて搬送水供給タンク40に溜まった排水は、第1の吐水口41から搬送ポンプ槽321へと流入する。
このようにして搬送ポンプ槽321に流入した排水は、搬送ポンプ32によって搬送配管33を通して圧送され、排水横流路30の最上流側に搬送水として供給される。
第1の吐水口41は、既述のように、搬送水供給タンク40の高さの中央位置よりも上方に設けられている。このため、搬送水供給タンク40内で汚物の濃度が相対的に薄い比較的水質の良い排水が搬送手段としての搬送ポンプ32によって搬送配管33を通して排水横流路30の最上流側に搬送され、汚物を搬送する搬送水として用いられることになる。
即ち、第1の吐水口41→第1取水配管43→搬送ポンプ32(搬送ポンプ槽321)→搬送配管33→排水横流路30の最上側、の流れを担う通常時搬送水供給装置101が有効に機能する。
従って、便器20、20から器具排水管21、21を通して排水横流路30に合流する汚物を含んだ排水は、上述のような比較的水質の良い搬送水によって搬送され、排水横流路30における汚物の残留や詰りは生ぜず、良好な汚物搬送状態が維持される。
尚、排水横流路30から揚水ポンプ槽311への排水流入量が揚水ポンプ31による揚水量を超えて、揚水ポンプ槽311の液位が所定の水準を超えようとする場合には、揚水ポンプ槽オーバーフロー排水管51を通して溜水が下水管50に排水されて、揚水ポンプ槽311の溢れが防止される。
同様に、搬送ポンプ槽321への排水流入量が搬送ポンプ32による排水の搬送量を超えて、搬送ポンプ槽321の液位が所定の水準を超えようとする場合には、手動弁521を、通常時は開いておくことにより、搬送ポンプ槽オーバーフロー排水管52を通して溜水が下水管50に排水されて、搬送ポンプ槽321の溢れが防止される。
本実施形態における便器20、20は、図2を参照して詳述したように、使用後の溜水を排出する時以外は排出口203を閉止するフラッパー弁機構212を有する。このため排水横流路30を流れる搬送用の排水からの飛沫や臭気が便器20、20より上まで上がってくることが効果的に抑制される。
一方、非常時には、便器20、20の洗浄水として、便器装置200の洗浄タンク221の貯留水が尽きた後は、柄杓等によって適宜の代替用洗浄水を散水してもよい。しかしながら、商用電源が停電状態になると、揚水ポンプ31は非常用電源によって運転されるが、非常用電源を持たない搬送ポンプ32は運転できず、上述の通常時搬送水供給装置101は機能しなくなる。
この場合には、搬送水供給タンク40の第2の吐水口42に接続された第2取水配管44の手動弁45を間欠的に、乃至は、定常的に開ける。
本実施形態では、既述のように、第2の吐水口42は搬送水供給タンク40の高さの中央位置よりも下方に設けられている。従って、手動弁45を開けている時間中は、第2の吐水口42から搬送水供給タンク40の水頭圧によって排水が流出し、第2取水配管44を通して搬送配管33に流入する。このように、搬送水供給タンク40の水頭圧によって搬送配管33に流入した排水が、排水横流路30の上流側に搬送水として供給される。
即ち、搬送ポンプ32が運転できない非常時には、手動弁45を開けている時間中において、第2の吐水口42→第2取水配管44(手動弁45が介挿されている)→搬送配管33→排水横流路30の最上流側、の流れによって、搬送水供給タンク40の水頭圧で排水横流路30の上流側に搬送水を供給する非常時搬送水供給装置102が有効に機能する。尚、設計により、水頭圧は、例えば2水柱メートル程度得られる。
また、非常時搬送水供給装置102は、仮に搬送ポンプ32が作動不能になっていても、搬送水供給タンク40の水頭圧が得られる限りは、別段の動力手段を必要とせずに有効に機能する。
但し、搬送ポンプ32が機能しない場合には、管路内の流れの勢いが相対的に弱まるため、手動弁45を開けて搬送水を流す時間を搬送ポンプ32が機能する場合におけるよりも相応に長くすることが好ましい。
この場合、第2の吐水口42は搬送水供給タンク40の相対的に下方にあるため、そこから吐出される排水は、上方の第1の吐水口41からの排水に比し汚物の濃度が濃く、水質としては相対的に悪い。
しかしながら、非常時においては、敢えてこのように相対的に水質が悪い排水を搬送水として用いて、排水横流路30における汚物を搬送し、一定の汚物搬送状態を維持する。
尚、停電により搬送ポンプ32が機能せず、搬送ポンプ槽321の液位が所定の水準を超えようとする場合には、下水が機能している限りは、手動弁521を開いておくことにより、搬送ポンプ槽オーバーフロー排水管52を通して溜水を下水管50に排水して、搬送ポンプ槽321の溢れを防止する。
しかしながら、大地震等の災害時に、下水が機能しなくなった場合には、手動弁521を閉じて下水管50への排水を停止する。この場合には、手動弁531を開き、ピット貯留用配管53を通して排水をピット60に貯留する。即ち、搬送ポンプ槽オーバーフロー排水管52、手動弁521、ピット貯留用配管53、及び、手動弁531は、下水50への排水流路を閉止して排水をピット60に貯留する流路に切り替えるピット貯留用流路切換装置を構成している。
本実施形態では、水質が悪い搬送水が便器20、20の近くまで循環することになるが、この搬送水を便器20、20の洗浄には用いず、便器20、20よりも下方の排水横流路30のフラッシングに用いる。このため、搬送水の飛沫が便器20、20の使用者にかかる等のおそれがなく、衛生上の問題が生じない。
また、図2におけるような便器を適用した場合には、使用後の溜水Wを排出する時以外は、フラッパー弁機構212のフラッパー弁213(その弁体部213a)によって排出口203が閉止される。このため排水横流路30に連なる器具排水管21からフラッシング用の搬送水の臭気がトイレ内に上がってきたり、飛沫が飛んでくるといった不都合が効果的に抑制される。即ち、快適性や衛生面において優れる。
以上に説明した本発明の第1実施形態の汚物搬送システムによれば、非常時搬送水供給装置102は、仮に搬送ポンプ32が作動不能になっていても、搬送水供給タンク40の水頭圧が得られる限りは、別段の動力手段を必要とせずに有効に機能する。
また、搬送水供給タンク40は、通常時か非常時かを問わずに搬送水供給のために機能しており、非常時にのみ機能させる設備ではない。従って、設備全体としての利用率が高く無駄がない。また、この搬送水供給タンク40として排水処理機能(例えば、好気性水処理機能等)を備えたものを適用すれば、衛生面で一段と優れたシステムになる。
また、非常時にも、上述の非常時搬送水供給装置102によって、排水が循環的に利用されるため、下水が機能しない場合にも対処可能である。
更に、非常時に非常時搬送水供給装置102によって、比較的水質の悪い搬送水が利用されるが、この搬送水は便器20の洗浄等には用いられず、便器20より下方の排水横流路30のフラッシングに用いられる。従って、衛生面でも問題がない。
更に、非常時搬送水供給装置102では、揚水ポンプ31のみを運転すればよく、省電力化がはかられるため、小規模の非常用電源で所要電力が賄える。
尚、上述の例では、第1の吐水口41を搬送水供給タンク40の高さの中央位置よりも上方に設け、第2の吐水口42を、当該中央位置よりも下方に設けたが、当該中央位置との相対関係は特に問題ではない。即ち、第2の吐水口42が第1の吐水口41より下方であればよい。
[第2実施形態]
図3は、本発明の第2実施形態としての汚物搬送システムを示す図である。
図3において、前掲の図1との対応部には同一の符号を附してある。
即ち、複数の便器20、20が設置された建物10の下方には排水横流路30が配置され、この排水横流路30に各便器20、20が器具排水管21、21によって接続されている点は、図1の例と同様である。
また、排水横流路30の下流側に、排水横流路30を流通する汚物を含んだ水をポンプ槽311で受けて、搬送水供給タンクに供給する揚水手段としての揚水ポンプ31が設けられている点も図1の例と同様である。本例でも、ポンプ槽311及び揚水ポンプ31は地下に設置されている。
第2実施形態では、排水横流路30より上方に設けられている搬送水供給タンク40aに、水中ポンプである搬送手段としての搬送ポンプ32aが設けられている。この搬送ポンプ32aのサクション側が、実質的に、搬送水供給タンク40aの第1の吐水口41aとして機能する。本例では、搬送水供給タンク40a及び搬送ポンプ32aは地上に設置されている。
この搬送ポンプ32aのデリベリ側に、他端が排水横流路30の最上流側に連なる搬送配管33aの一端が接続されている。
搬送水供給タンク40aには、その高さの中央位置よりも下方に第2の吐水口42が設けられ、この第2の吐水口42に、他端が搬送配管33aに連なる第2取水配管44の一端が接続されている点は図1の例と同様である。また、この第2取水配管44の第2の吐水口42に近い位置に手動弁45が介挿されている点も図1の例と同様である。
この実施形態では、揚水ポンプ槽311の上部には揚水ポンプ槽オーバーフロー排水管51の一端が接続され、その他端は下水管50に開放されている。また、搬送水供給タンク40aの上部には搬送水供給タンクオーバーフロー排水管54の一端が接続され、その他端は下水管50に開放されている。この搬送水供給タンクオーバーフロー排水管54には、手動弁541が介挿されている。搬送水供給タンク40aから手動弁541に至る中間位置からピット60に至る分岐配管であるピット貯留用配管55が設けられ、このピット貯留用配管55には、手動弁551が介挿されている。
第2実施形態では、上述の第1の吐水口としての搬送ポンプ32aのサクション側→搬送ポンプ32aのデリベリ側→搬送配管33a→排水横流路30の最上流側、の流れを担う機器群が、搬送水供給タンクの第1の吐水口から排水横流路の上流側に搬送水を供給する通常時搬送水供給装置101aを構成している。
また、搬送水供給タンク40aの第2の吐水口42→第2取水配管44(手動弁45が介挿されている)→搬送配管33a→排水横流路30の最上流側、の流れを担う機器群が、搬送水供給タンク40aの水頭圧で排水横流路30の上流側に搬送水を供給する非常時搬送水供給装置102aを構成している。
尚、便器20、20については、図2を参照して上述したものが適用される。
次に、図3の第2実施形態の汚物搬送システムの動作について説明する。
通常時には、便器20、20の洗浄水として上水が使われ、また、揚水ポンプ31及び搬送ポンプ32aの何れも商用電源によって通常通り運転される。
このとき、第2取水配管44の手動弁45は閉止状態が維持される。
従って、揚水ポンプ31によって揚水ポンプ槽311から汲み上げられて搬送水供給タンク40aに溜まった排水は、第1の吐水口として実質的に機能する搬送ポンプ32aのサクション側から搬送ポンプ32aによって搬送配管33aを通して圧送され、排水横流路30の最上流側に搬送水として供給される。
第2実施形態では、第1の吐水口としての搬送ポンプ32aのサクション側は搬送水供給タンク40aの高さの中央位置よりも下方に位置することになる。このため、搬送水供給タンク40a内で汚物の濃度が相対的に濃い比較的水質の悪い排水が搬送ポンプ32aによって搬送配管33aを通して排水横流路30の最上流側に搬送され、汚物を搬送する搬送水として用いられることになる。
即ち、第1の吐水口としての搬送ポンプ32aのサクション側→搬送ポンプ32aのデリベリ側→搬送配管33a→排水横流路30の最上側、の流れを担う通常時搬送水供給装置101aが有効に機能する。
従って、便器20、20から器具排水管21、21を通して排水横流路30に合流する汚物を含んだ排水は、上述のような比較的水質の悪い搬送水によって搬送され、排水横流路30におけるフラッシングが行われる。
尚、排水横流路30から揚水ポンプ槽311への排水流入量が揚水ポンプ31による揚水量を超えて、揚水ポンプ槽311の液位が所定の水準を超えようとする場合には、揚水ポンプ槽オーバーフロー排水管51を通して溜水が下水管50に排水されて、揚水ポンプ槽311の溢れが防止される。
同様に、搬送水供給タンク40aへの排水流入量が搬送ポンプ32aによる排水の搬送量を超えて、搬送水供給タンク40aの液位が所定の水準を超えようとする場合には、手動弁541を、通常時は開いておくことにより、搬送水供給タンクオーバーフロー排水管54を通して溜水が下水管50に排水されて、搬送水供給タンク40aの溢れが防止される。
第2実施形態における便器20、20も、図2を参照して説明したものである。従って、使用後の溜水を排出する時以外は便器20(便鉢202)の排出口を閉止するフラッパー弁機構212を有する。このため排水横流路30を流れる搬送用の排水からの臭気が便器20、20より上まで上がって来たり、飛沫が飛んでくる等の不都合が効果的に抑制される。
一方、非常時には、便器20、20の洗浄水として、便器装置200の洗浄タンク221の貯留水が尽きた後は、柄杓等によって適宜の代替用洗浄水を散水してもよい。しかしながら、商用電源が停電状態になると、揚水ポンプ31は非常用電源によって運転されるが、非常用電源を持たない搬送ポンプ32aは運転できず、上述の通常時搬送水供給装置10a1は機能しなくなる。
この場合には、搬送水供給タンク40の第2の吐水口42に接続された第2取水配管44の手動弁45を間欠的に、乃至は、定常的に開ける。
本実施形態では、既述のように、第2の吐水口42は搬送水供給タンク40aの高さの中央位置よりも下方に設けられている。従って、手動弁45を開けている時間中は、第2の吐水口42から搬送水供給タンク40aの水頭圧によって排水が流出し、第2取水配管44を通して搬送配管33aに流入する。このように、搬送水供給タンク40の水頭圧によって搬送配管33に流入した排水が、排水横流路30の上流側に搬送水として供給される。
即ち、搬送ポンプ32aが運転できない非常時には、手動弁45を開けている時間中において、第2の吐水口42→第2取水配管44(手動弁45が介挿されている)→搬送配管33b→排水横流路30の最上流側、の流れによって、搬送水供給タンク40aの水頭圧で排水横流路30の上流側に搬送水を供給する非常時搬送水供給装置102aが有効に機能する。設計により、水頭圧は、例えば2水柱メートル程度得られる。
また、非常時搬送水供給装置102aは、仮に搬送ポンプ32aが作動不能になっていても、搬送水供給タンク40aの水頭圧が得られる限りは、別段の動力手段を必要とせずに有効に機能する。
但し、搬送ポンプ32aが機能しない場合には、搬送配管33b管路内の流れの勢いが相対的に弱まるため、手動弁45を開けて搬送水を流す時間を搬送ポンプ32aが機能する場合におけるよりも相応に長くすることが好ましい。
第2実施形態の場合、水質が悪い排水を搬送水として用い、排水横流路30における汚物を搬送し、一定の汚物搬送状態を維持する。このため、水質が悪い搬送水が便器20、20の近くまで循環することになるが、この搬送水を便器20、20の洗浄には用いず、便器20、20よりも下方の排水横流路30のフラッシングに用いる。従って、搬送水の飛沫が便器20、20の使用者にかかる等のおそれがなく、衛生上の問題が生じない。
また、既述のように、本例における便器20、20は、便器20(便鉢202)の排出口を閉止するフラッパー弁機構212を有する。このため排水横流路30を流れる搬送水の水質が悪い場合にも、その臭気がトイレ内に上がってきたり、飛沫が飛んでくるといった不都合が効果的に抑制される。
尚、停電により搬送ポンプ32aが機能せず、搬送水供給タンク40aの液位が所定の水準を超えようとする場合には、下水が機能している限りは、手動弁541を開いておくことにより、搬送水供給タンクオーバーフロー排水管54を通して溜水を下水管50に排水して、搬送水供給タンク40aの溢れを防止する。
しかしながら、大地震等の災害時に、下水が機能しなくなった場合には、手動弁541を閉じて下水管50への排水を停止する。この場合には、手動弁551を開き、ピット貯留用配管55を通して排水をピット60に貯留する。即ち、搬送ポンプ槽オーバーフロー排水管54、手動弁541、ピット貯留用配管55、及び、手動弁551は、下水50への排水流路を閉止して排水をピット60に貯留する流路に切り替えるピット貯留用流路切換装置を構成している。
以上に説明した本発明の第2実施形態の汚物搬送システムによれば、非常時搬送水供給装置102aは、仮に搬送ポンプ32aが作動不能になっていても、搬送水供給タンク40aの水頭圧が得られる限りは、別段の動力手段を必要とせずに有効に機能する。
また、搬送水供給タンク40aは、通常時か非常時かを問わずに搬送水供給のために機能しており、非常時にのみ機能させる設備ではない。従って、設備全体としての利用率が高く無駄がない。また、この搬送水供給タンク40aとして排水処理機能(例えば、好気性水処理機能等)を備えたものを適用すれば、衛生面で一段と優れたシステムになる。
更に、非常時に非常時搬送水供給装置102aによって、比較的水質の悪い搬送水が利用されるが、この搬送水は便器20の洗浄等には用いられず、便器20より下方の排水横流路30のフラッシングに用いられる。従って、衛生面でも問題がない。
更に、非常時搬送水供給装置102aでは、揚水ポンプ31のみを運転すればよく、省電力化がはかられるため、小規模の非常用電源で所要電力が賄える。
尚、上述の例では、第2の吐水口42を搬送水供給タンク40の高さの中央位置よりも下方に設けたが、当該中央位置との相対関係は必ずしも問題ではない。即ち、第2の吐水口42が水頭圧を利用可能な程度に下方に位置していればよい。
[第3実施形態]
図4は、本発明の第3実施形態としての汚物搬送システムを示す図である。
図4において、前掲の図1との対応部には同一の符号を附してある。
即ち、複数の便器20、20が設置された建物10の下方には排水横流路30が配置され、この排水横流路30に各便器20、20が器具排水管21、21によって接続されている点は、図1の例と同様である。
第3実施形態では、排水横流路30の下流側に、比較的大容量のポンプ槽311aが設けられている。ポンプ槽311aは、例えば、地下に設置され、その上方である地上に、搬送水供給タンク40bが設置されている。
ポンプ槽311aには、貯留排水を搬送水供給タンク40bに供給する揚水手段としての揚水ポンプ31aが設けられている。揚水ポンプ31aは水中ポンプである。
搬送水供給タンク40bには、その高さの中央位置よりも上方に第1の吐水口41bが設けられ、当該中央位置よりも下方に第2の吐水口42が設けられている。
この第1の吐水口41bに、他端が排水横流路30の最上流側に連なる搬送配管33bの一端が接続されている。
また、第2の吐水口42に、他端が搬送配管33bに連なる第2取水配管44の一端が接続されている。第2取水配管44の第2の吐水口42に近い位置に手動弁45が介挿されている。
ポンプ槽311aの上部にはポンプ槽オーバーフロー排水管56の一端が接続され、その他端は下水管50に開放されている。また、ポンプ槽オーバーフロー排水管56には、手動弁561が介挿されている。更に、ポンプ槽オーバーフロー排水管56には、搬送水供給タンク40bから手動弁561に至る中間位置からピット60に至る分岐配管であるピット貯留用配管57が設けられ、このピット貯留用配管57には、手動弁571が介挿されている。
第3実施形態では、搬送水供給タンク40bの第1の吐水口41b→搬送配管33b→排水横流路30の最上流側、の流れを担う機器群が、搬送水供給タンク40bの第1の吐水口41bから排水横流路30の上流側に搬送水を供給する通常時搬送水供給装置101bを構成している。
また、搬送水供給タンク40bの第2の吐水口42→第2取水配管44(手動弁45が介挿されている)→搬送配管33b→排水横流路30の最上流側、の流れを担う機器群が、搬送水供給タンク40bの水頭圧で排水横流路30の上流側に搬送水を供給する非常時搬送水供給装置102bを構成している。設計により、水頭圧は、例えば2水柱メートル程度得られる。
尚、便器20、20については、図2を参照して上述したものが適用される。
次に、図4の第3実施形態の汚物搬送システムの動作について説明する。
通常時には、便器20、20の洗浄水として上水が使われ、また、揚水ポンプ31aも商用電源によって通常通り運転される。
このとき、第2取水配管44の手動弁45は閉止状態が維持される。
従って、揚水ポンプ31aによってポンプ槽311aから汲み上げられて搬送水供給タンク40bに溜まった排水は、第1の吐水口41bから搬送配管33bを通して排水横流路30の最上流側へと循環する。
第1の吐水口41bは、既述のように、搬送水供給タンク40bの高さの中央位置よりも上方に設けられている。このため、搬送水供給タンク40b内で汚物の濃度が相対的に薄い比較的水質の良い排水が搬送配管33bを通して排水横流路30の最上流側に搬送され、汚物を搬送する搬送水として用いられることになる。
即ち、搬送水供給タンク40bの第1の吐水口41b→搬送配管33b→排水横流路30の最上側、の流れを担う通常時搬送水供給装置101b装置が有効に機能する。
従って、便器20、20から器具排水管21、21を通して排水横流路30に合流する汚物を含んだ排水は、上述のような比較的水質の良い搬送水によって搬送され、排水横流路30におけるフラッシングが行われる。
上述において、商用電源によって揚水ポンプ31aを通常通り運転する場合にも、非常用電源による場合と同様に、間欠運転等の省電力モードで運転するようにしてもよい。即ち、揚水ポンプ31aによって、徐々に、持続的に、ポンプ槽311aから搬送水供給タンク40bへと供給するようにしてもよい。
さらに、41bに電動バルブを設けて間欠的にバルブを開閉して搬送水を供給したり、40bの内部にサイホンタンク構造の仕組みを備え、間欠的に搬送水を供給することもできる。
尚、排水横流路30からポンプ槽311aへの排水流入量が揚水ポンプ31aによる揚水量を超えて、ポンプ槽311aの液位が所定の水準を超えようとする場合には、手動弁561を、通常時は開いておくことにより、ポンプ槽オーバーフロー排水管56を通して溜水が下水管50に排水されて、ポンプ槽311aの溢れが防止される。
第3実施形態における便器20、20も、図2を参照して説明したものである。従って、使用後の溜水を排出する時以外は便器20(便鉢202)の排出口を閉止するフラッパー弁機構を有する。このため排水横流路30を流れる搬送用の排水からの臭気が便器20、20より上まで上がってきたり、飛沫が飛んでくるといった不都合が効果的に抑制される。
一方、非常時には、便器20、20の洗浄水として、便器装置の洗浄タンクの貯留水が尽きた後は、柄杓等によって適宜の代替用洗浄水を散水してもよい。しかしながら、商用電源が停電状態になると、揚水ポンプ31aは非常用電源によって間欠運転等の省電力モードで運転される。
この場合には、搬送水供給タンク40bの第2の吐水口42に接続された第2取水配管44の手動弁45を間欠的に、乃至は、定常的に開ける。
本実施形態では、既述のように、第2の吐水口42は搬送水供給タンク40bの高さの中央位置よりも下方に設けられている。従って、手動弁45を開けていて搬送水供給タンク40bの液位が適度に確保される時間中は、第2の吐水口42から搬送水供給タンク40bの水頭圧によって排水が流出し、搬送配管33bに流入する。このように、搬送水供給タンク40bの水頭圧によって搬送配管33bに流入した排水が、排水横流路30の上流側に搬送水として供給される。
即ち、揚水ポンプ31aが非常用電源によって省電力モードで運転される非常時には、手動弁45を開けている時間中において、搬送水供給タンク40bの第2の吐水口42→第2取水配管44(手動弁45が介挿されている)→搬送配管33b→排水横流路30の最上流側、の流れによって、搬送水供給タンク40bの水頭圧で排水横流路30の上流側に搬送水を供給する非常時搬送水供給装置102bが有効に機能する。
この場合、第2の吐水口42は搬送水供給タンク40bの相対的に下方にあるため、そこから吐出される排水は、上方の第1の吐水口41bからの排水に比し汚物の濃度が濃く、水質としては相対的に悪い。
しかしながら、非常時においては、敢えてこのように相対的に水質が悪い排水を搬送水として用いて、排水横流路30における汚物を搬送し、一定の汚物搬送状態を維持する。
尚、停電により揚水ポンプ31aが非常用電源によって間欠運転等の省電力モードで運転され、ポンプ槽311aの液位が所定の水準を超えようとする場合には、下水が機能している限りは、手動弁561を開いておくことにより、ポンプ槽オーバーフロー排水管56を通して溜水を下水管50に排水して、ポンプ槽311aの溢れを防止する。
しかしながら、大地震等の災害時に、下水が機能しなくなった場合には、手動弁561を閉じて下水管50への排水を停止する。この場合には、手動弁571を開き、ピット貯留用配管57を通して排水をピット60に貯留する。即ち、搬送ポンプ槽オーバーフロー排水管56、手動弁561、ピット貯留用配管57、及び、手動弁571は、下水50への排水流路を閉止して排水をピット60に貯留する流路に切り替えるピット貯留用流路切換装置を構成している。
第3実施形態でも、水質が悪い搬送水が便器20、20の近くまで循環することになるが、この搬送水を便器20、20の洗浄には用いず、便器20、20よりも下方の排水横流路30のフラッシングに用いる。このため、搬送水の飛沫が便器20、20の使用者にかかる等のおそれがなく、衛生上の問題が生じない。
また、既述のように、本例における便器20、20は、排出口を閉止するフラッパー弁機構212を有する。このため排水横流路30を流れる搬送水の水質が悪い場合にも、その臭気がトイレ内に上がってきたり、飛沫が飛んでくるといった不都合が効果的に抑制される。
以上に説明した本発明の第3実施形態の汚物搬送システムでは、非常時搬送水供給装置102bは、仮に揚水ポンプ31aが作動不能になっていても、搬送水供給タンク40bの水頭圧が得られる限りは、別段の動力手段を必要とせずに有効に機能する。
また、ポンプ槽311aも搬送水供給タンク40bも、通常時か非常時かを問わずに搬送水供給のために機能しており、非常時にのみ機能させる設備ではない。従って、設備全体としての利用率が高く無駄がない。また、このポンプ槽311aとして排水処理機能(例えば、好気性水処理機能等)を備えたものを適用すれば、衛生面で一段と優れたシステムになる。
また、非常時にも、上述の非常時搬送水供給装置102bによって、排水が循環的に利用される。
更に、非常時に非常時搬送水供給装置102bによって、比較的水質の悪い搬送水が利用されるが、この搬送水は便器20の洗浄等には用いられず、便器20より下方の排水横流路30のフラッシングに用いられる。従って、衛生面でも問題がない。
更に、非常時搬送水供給装置102bでは、揚水ポンプ31aのみを省電力モードで運転すればよく、小規模の非常用電源で所要電力が賄える。
尚、上述の例では、第1の吐水口41bを搬送水供給タンク40の高さの中央位置よりも上方に設け、第2の吐水口42を、当該中央位置よりも下方に設けたが、当該中央位置との相対関係は特に問題ではない。即ち、第2の吐水口42が第1の吐水口41bより下方であればよい。
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形変更等は本発明に含まれる。
上記実施形態では、搬送手段としてポンプを適用したが、これに替えてサイホンタンクを適用することもできる。また、流路の切替えに手動弁を用いたがこれに限定されず電動弁を用いてもよい。また、各ポンプに水中ポンプを適用したがこれに限定されない。
更に、上述の各実施形態の汚物搬送装置の系統の適所に通気箇所を設けて臭気を排出可能に構成してもよい。この場合、特に、排水横流路に通気手段を設け、この通気手段によって排水横流路内を負圧にする(換気ファン等で強制排気する)構成を採れば、既述の便器におけるフラッパー弁機構を開状態にしたときに、上がってくる臭気を効果的に低減することができる。
10…建物
20…便器
21…器具排水管
30…排水横流路
32、32a…搬送ポンプ
31…揚水ポンプ
40、40a、40b…搬送水供給タンク
41、41b…第1の吐水口
42、42b…第2の吐水口
31、31a…揚水ポンプ
101、101a、101b…通常時搬送水供給装置
102、102a、102b…非常時搬送水供給装置

Claims (3)

  1. 建物に設けられた便器と、
    前記便器の下方に設けられた排水横流路と、
    前記便器と前記排水横流路とを接続する器具排水管と、
    前記排水横流路より上方に設けられた搬送水供給タンクと、
    前記排水横流路の下流側に設けられ、前記排水横流路を流通する水を前記搬送水供給タンクに供給する揚水手段と、
    通常時において前記搬送水供給タンクの第1の吐水口から、搬送手段により、前記排水横流路の上流側に搬送水を供給する通常時搬送水供給装置と、
    非常時において前記搬送水供給タンクの第2の吐水口から前記搬送水供給タンクの水頭圧で前記排水横流路の上流側に搬送水を供給する非常時搬送水供給装置と、
    を備えた汚物搬送システム。
  2. 前記搬送水供給タンクの前記第1の吐水口は前記第2の吐水口よりも上方に設けられている請求項1に記載の汚物搬送システム。
  3. 下水への排水流路を閉止して排水をピットに貯留する流路に切り替えるピット貯留用流路切換装置を更に備えた、請求項1又は2に記載の汚物搬送システム。
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