JP2019203151A - 高アスペクト比構造物の製造方法、高アスペクト比構造物およびx線撮像装置 - Google Patents

高アスペクト比構造物の製造方法、高アスペクト比構造物およびx線撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、スティッキングの発生をより低減できる高アスペクト比構造物の製造方法および前記構造物ならびにこれを用いたX線撮像装置を提供する。【解決手段】本発明の製造方法は、所定の基板の少なくとも一つの主面に、前記主面に交差する方向に延びる複数の穴を形成する工程と、前記複数の穴を形成した前記主面に、一方向に延び、前記一方向と交差する第1交差方向に互いに所定の間隔を空けて周期的に配置される複数の第1領域部分と、互いに隣接する前記第1領域部分間に前記一方向と交差する第2交差方向に延びて配置される複数の第2領域部分と、を持つレジスト層を形成する工程と、前記エッチング液の中に浸漬することで前記複数の第1領域部分間それぞれおよび前記複数の第2領域部分下それぞれに対応する前記基板をウェットエッチングすることによって前記基板に前記第1交差方向に周期的な複数の凹部を形成する工程とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、例えばX線用金属格子や超音波プローブ等のアスペクト比が3以上である高アスペクト比の構造物を製造する高アスペクト比構造物の製造方法に関する。本発明は、このような高アスペクト比の構造物およびこれを用いたX線撮像装置に関する。
例えばX線を受けるX線用金属格子は、多数の平行な周期構造を備えた素子として様々な装置に利用されており、近年では、X線撮像装置への応用も試みられている。このX線撮像装置では、近年、被爆量の低減の観点から、例えばタルボ干渉計あるいはタルボ・ロー干渉計を応用したX線位相イメージングが注目されている。このようなX線位相イメージングでは、高透過特性を有するX線に対し、X線を透過する、透過しない、のコントラストが明瞭な吸収型回折格子や、位相差が明瞭な位相型回折格子等が必要になる。このため、例えばアスペクト比が3以上である、非常にアスペクト比の高い高アスペクト比構造の格子が必要となる。そのため、例えば特許文献1等に、半導体の加工技術を応用した作製方法が提案されている。この特許文献1に開示された製造方法では、ドライエッチング装置を用いてスリット溝(凹部)が形成され、その後、前記スリット溝に金属が埋設される。また、このような高アスペクト比構造物は、超音波プローブ(超音波探触子)にも見られる。
国際公開第2012/008118号公報
ところで、ドライエッチング装置は、高価であり、前記特許文献1に開示された製造方法では、この高価なドライエッチング装置を使う必要があるために、製造コストが高くなってしまう。特に、8インチウェハ以上の大面積な基板をドライエッチングする場合には、製造コストがより高くなってしまう。このため、より安価に加工できるウェットエッチングを用いて格子を作る方法が考えられる。しかしながら、このウェットエッチング法では、ワークをウェットエッチングした後に前記ワークを乾燥させる乾燥工程で、エッチング液の表面張力に起因して構造物が付着してしまうスティッキングという現象が起こってしまうことがある。特に、高アスペクト比構造物は、アスペクト比の高い凸部を持つため、前記凸部にスティッキングがより生じ易い。
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、スティッキングの発生をより低減できる高アスペクト比構造物の製造方法を提供することである。本発明は、前記高アスペクト比構造物、および、これを用いたX線撮像装置を提供することである。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様にかかる高アスペクト比構造物の製造方法は、所定の基板の少なくとも一つの主面に、前記主面に交差する方向に延びる複数の穴を形成する穴形成工程と、前記複数の穴を形成した前記主面に、一方向に延び、前記一方向と交差する第1交差方向に互いに所定の間隔を空けて周期的に配置される複数の第1領域部分と、互いに隣接する前記第1領域部分間に前記一方向と交差する第2交差方向に延びて配置される複数の第2領域部分と、を持つレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、前記エッチング液の中に浸漬することで前記複数の第1領域部分間それぞれおよび前記複数の第2領域部分下それぞれに対応する前記基板をウェットエッチングすることによって前記基板に前記第1交差方向に周期的な複数の凹部を形成する凹部形成工程とを備える。好ましくは、上述の高アスペクト比構造物の製造方法において、前記複数の第2領域部分は、前記複数の第1領域部分それぞれにおける互いに隣接する前記第1領域部分間それぞれに配置される。好ましくは、上述の高アスペクト比構造物の製造方法において、前記複数の第2領域部分は、前記複数の第1領域部分それぞれにおける互いに隣接する前記第1領域部分間それぞれに対し選択的に配置される。好ましくは、上述の高アスペクト比構造物の製造方法において、前記第1交差方向と前記第2交差方向とは、同方向である。または、上述の高アスペクト比構造物の製造方法において、前記第1交差方向と前記第2交差方向とは、異方向であっても良い。
このような高アスペクト比構造物の製造方法は、複数の第1領域部分間それぞれおよび複数の第2領域部分下それぞれに対応する基板を除去して複数の凹部を形成する凹部形成工程を備えるので、ウェットエッチングでより容易に前記複数の凹部を形成できる。そして、上記高アスペクト比構造物の製造方法は、ウェットエッチング後におけるエッチング液の乾燥の際に、前記複数の第2領域部分それぞれに当たる各部分でのレジスト層によって、前記複数の凹部の形成により残って形成された複数の凸部を支持できる。したがって、上記高アスペクト比構造物の製造方法は、スティッキングの発生をより低減できる。
なお、アスペクト比とは、凹部の幅に対する厚さ(深さ)の比(アスペクト比=厚さ/幅=深さ/幅)である。高アスペクト比とは、アスペクト比が3以上である場合をいう。
他の一態様では、上述の高アスペクト比構造物の製造方法において、前記凹部形成工程は、前記複数の第1領域部分それぞれについて、当該第1領域部分の両端それぞれから内側へ少なくとも前記第2領域部分の幅の半分の長さで当該第1領域部分下の前記基板をウェットエッチングする。
このような高アスペクト比構造物の製造方法は、第1領域部分の両端それぞれから内側へ少なくとも第2領域部分の幅の半分の長さで第1領域部分下の基板をウェットエッチングするので、前記複数の第2領域部分下それぞれに対応する前記基板をウェットエッチングでより確実に除去できる。
他の一態様では、上述の高アスペクト比構造物の製造方法において、前記複数の第2領域部分は、前記一方向においてランダムに配置されている。
これによれば、前記複数の第2領域部分を前記一方向においてランダムに配置する高アスペクト比構造物の製造方法が提供できる。
他の一態様では、上述の高アスペクト比構造物の製造方法において、前記穴形成工程は、陽極酸化法または陽極化成法によって前記複数の穴を形成する工程である。
このような高アスペクト比構造物の製造方法は、穴形成工程に、陽極酸化法または陽極化成法を用いるので、基板の主面上に、前記主面(前記主面の広がり面)に垂直な穴を複数、容易に形成できる。
他の一態様では、上述の高アスペクト比構造物の製造方法において、前記所定の基板は、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、シリコン(Si)、ガリウムヒ素(GaAs)およびインジウムリン(InP)のうちのいずれか1つで形成されている。
このような高アスペクト比構造物の製造方法は、基板がこれらいずれか1つで形成されているため、例えば陽極酸化法または陽極化成法により主面に垂直に延びる複数の穴を容易に形成できる。
他の一態様では、上述の高アスペクト比構造物の製造方法において、前記複数の凹部それぞれに、X線吸収可能なX線吸収性材料を埋設するX線吸収性材料埋設工程をさらに備える。好ましくは、上述の高アスペクト比構造物の製造方法において、X線吸収性材料を前記複数の凹部それぞれにより容易により確実に埋設できる観点から、前記X線吸収性材料埋設工程は、電鋳法によって、X線吸収性材料である金属を埋設する。好ましくは、上述の高アスペクト比構造物の製造方法において、前記金属は、金(Au)、プラチナ(Pt)、ロジウム(Rh)およびイリジウム(Ir)のうちのいずれか1つである。
このような高アスペクト比構造物の製造方法は、前記複数の凹部それぞれにX線吸収性材料を埋設することで、前記複数の凹部それぞれをX線吸収部に形成でき、前記複数の凹部の形成によって残って形成された複数の凸部をX線透過部にできる。
他の一態様では、上述の高アスペクト比構造物の製造方法において、前記高アスペクト比構造物は、X線タルボ干渉計またはX線タルボ・ロー干渉計に用いられるX線用金属格子である。
このような高アスペクト比構造物の製造方法は、より性能の高い、X線タルボ干渉計またはX線タルボ・ロー干渉計に用いられる第0格子、第1格子および第2格子のX線用金属格子を製造できる。
本発明の他の一態様にかかる高アスペクト比構造物は、基板と、前記基板に形成された格子とを備え、前記格子は、空間的な周期を持つように形成された複数の凸部と、前記複数の凸部上それぞれに形成された第1領域部分および互いに隣接する第1領域部分間に架け渡されて形成された複数の第2領域部分を備える層とを備え、前記複数の凸部それぞれは、前記格子の格子面に交差する方向に延びる複数の穴を備える。
このような高アスペクト比構造物は、これら上述のいずれかの高アスペクト比構造物の製造方法によって製造可能であるので、製造工程中にウェットエッチング法が利用される場合でも、スティッキングをより低減できる。
本発明の他の一態様にかかるX線撮像装置は、X線を放射するX線源と、前記X線源から放射されたX線が照射されるタルボ干渉計またはタルボ・ロー干渉計と、前記タルボ干渉計またはタルボ・ロー干渉計によるX線の像を撮像するX線撮像素子とを備え、前記タルボ干渉計またはタルボ・ロー干渉計は、上述の高アスペクト比構造部をX線用金属格子として含む。
このようなX線撮像装置は、タルボ干渉計またはタルボ・ロー干渉計を構成するX線用金属格子に、より性能の高い上述の高アスペクト比構造物を用いるので、より鮮明なX線の像を得ることができる。
本発明にかかる高アスペクト比構造物の製造方法および高アスペクト比構造物は、スティッキングの発生をより低減できる。本発明によれば、このような高アスペクト比構造物を用いたX線撮像装置を提供できる。
第1実施形態にかかるX線用金属格子の構成を説明するための図である。 図1に示すX線用金属格子の構成を説明するための一部拡大図である。 図1に示すX線用金属格子の製造方法を説明するための図(その1)である。 図1に示すX線用金属格子の製造方法を説明するための図(その2)である。 図1に示すX線用金属格子の製造方法を説明するための図(その3)である。 金属基板に複数の穴を形成する陽極酸化法を説明するための図である。 図5に示す凹部形成工程において、金属基板に凹部を形成する際の説明図である。 変形形態にかかるX線用金属格子の構成を説明するための図である。 凹部を金属材料で埋める電鋳法を説明するための図である。 第2実施形態におけるX線用タルボ干渉計の構成を示す斜視図である。 第3実施形態におけるX線用タルボ・ロー干渉計の構成を示す上面図である。 第4実施形態におけるX線撮像装置の構成を示す説明図である。 スティッキングを生じた凸部の様子を説明するための図である。
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
本実施形態における高アスペクト比構造物は、基板と、前記基板に形成された格子とを備え、前記格子は、空間的な周期を持つように形成された複数の凸部と、前記複数の凸部上それぞれに形成された第1領域部分および互いに隣接する第1領域部分間に架け渡されて形成された複数の第2領域部分を備える層とを備え、前記複数の凸部それぞれは、前記格子の格子面に交差する方向に延びる複数の穴を備える。このような高アスペクト比構造物は、例えば、金属格子や超音波プローブ製造用型等を挙げることができる。ここでは、以下に、金属格子の一例として、X線用金属格子に関してより具体的に説明する。
(第1実施形態;高アスペクト構造物の一例であるX線用金属格子およびその製造方法)
図1は、第1実施形態にかかるX線用金属格子の構成を説明するための図である。図2は、図1に示すX線用金属格子の構成を説明するための一部拡大図である。図2は、図1に示す範囲αを側面視した図である。なお、図1では、X線吸収部111aに形成される複数の穴部の図示が省略されている。
図1および図2に示す第1実施形態におけるX線用金属格子1aは、金属基板13に設けられた格子領域10aおよび枠領域12を備えて構成される。格子領域10aは、格子11aを形成した領域であり、枠領域12は、この格子領域10aを取り囲むようにその周辺に設けられている。
この格子11aは、図1に示すようにDxDyDzの直交座標系を設定した場合に、所定の厚さ(深さ)H(格子面DxDyに垂直なDz方向(格子面DxDyの法線方向)の長さ)を有して一方向Dxに線状に延びる複数のX線吸収部111aと、前記所定の厚さHを有して前記一方向Dxに線状に延びる複数のX線透過部112aと、層(膜)113とを備える。
これら複数のX線吸収部111aと複数のX線透過部112aとは、交互に平行に配設される。このため、複数のX線吸収部111aは、空間的な周期を持つように、前記一方向Dxと直交する方向Dy(第1交差方向の一例)に所定の間隔を空けてそれぞれ配設される。言い換えれば、複数のX線透過部112aは、空間的な周期を持つように、前記一方向Dxと直交する方向Dyに所定の間隔を空けてそれぞれ配設される。この所定の間隔(ピッチ)Pは、本実施形態では、一定とされている。すなわち、複数のX線吸収部111aは、前記一方向Dxと直交する方向Dyに等間隔Pでそれぞれ配設されている。本実施形態では、X線吸収部111aは、前記DxDy面に直交するDxDz面に沿った板状または層状の凸部であり、複数のX線透過部112aは、互いに隣接するX線吸収部111aに挟まれた、DxDz面に沿った板状または層状の空間(凹部)である。
層(膜、層部、膜部)113は、これら複数のX線吸収部111a上それぞれに形成された複数の第1領域部分(層本体部、膜本体部)1131と、互いに隣接する第1領域部分1131間に架け渡されて形成された複数の第2領域部分(延長部、梁部)1132とを備える。層113は、後述の製造方法から分かるように、X線用金属格子1aを製造するために形成されたレジスト層113がそのまま残置されたものである。複数の第1領域部分1131それぞれは、複数のX線吸収部111a上それぞれに形成されているので、X線吸収部111aの延びる前記一方向Dxに線状に延び、複数の第2領域部分1132それぞれは、前記一方向Dxに交差する第2交差方向に延びて形成されている。この第2交差方向は、図1および図2に示す例では、前記第1交差方向と同方向Dyであるが、前記第1交差方向と異方向であって良い。すなわち、第2交差方向は、方向Dxと交差する方向であれば、方向Dyに対し斜行しても良い。複数の第2領域部分1132は、図1および図2に示す例では、複数の第1領域部分1131それぞれにおける互いに隣接する第1領域部分1131間それぞれの全てに配置されているが、複数の第1領域部分1131それぞれにおける互いに隣接する第1領域部分1131間それぞれに対し選択的に配置されて良い。互いに隣接する第1領域部分1131間に形成される第2領域部分1132は、複数の第1領域部分1131それぞれにおける互いに隣接する第1領域部分1131間それぞれにおいて、図1および図2に示す例では異数であるが、同数であって良い。互いに隣接する第1領域部分1131間に形成される第2領域部分1132は、複数の第1領域部分1131それぞれにおける互いに隣接する第1領域部分1131間それぞれにおいて、図1および図2に示す例ではランダム(無作為)に配置されているが、同位置に配置されて良い。互いに隣接する第1領域部分1131間に形成される第2領域部分1132は、複数である場合に、前記一方向Dxにおいて、不等間隔であって良く、等間隔であって良い。第1領域部分1131の幅(第2幅、方向Dyに沿った長さ)W2は、X線吸収部111aの幅(第1幅、方向Dyに沿った長さ(厚さ))W1より広く(長く)、第1領域部分1131の両側端は、X線吸収部111aに対し庇のように突出している。この突出している部分の長さLpは、後述の製造方法から分かるように、少なくとも第2領域部分1132の幅(第3幅、方向Dxに沿った長さ)W3の半分の長さとなっている(Lp≧W3/2)。第2領域部分1132の第3幅W3、その厚さ、個数および間隔は、スティッキングの発生を防止できるように適宜に設定される。
そして、本実施形態では、これら複数のX線吸収部111aそれぞれは、図2に示すように、格子11の格子面DxDyに交差する方向に延びる複数の穴PEを備える。これら複数の穴PEは、それぞれ、枝分かれしながら格子面DxDyと略直交する方向に延びて良く、あるいは、枝分かれせずに格子面DxDyと略直交する方向に延びて良い。互いに隣接する穴PE間の隔壁は、その厚さが格子面DxDy側から穴PEの底部側に渡って略一定であって良く、あるいは、その厚さが格子面DxDy側より穴PEの底部側の方が薄くなっていて良い。図2に示す例では、これら複数の穴PEは、途中で枝分かれしながら格子面DxDyと略直交する方向に延びてX線吸収部111a内に形成され、互いに隣接する穴PE間の隔壁は、その厚さが前記方向に沿って格子面DxDyから穴PEの底部へ向かうに従って徐々に薄くなっている。
これら複数のX線吸収部111aは、X線を吸収するように機能し、これらX線透過部112aは、X線を透過するように機能する。ここで、吸収とは、X線吸収部111aがX線透過部112aより多くのX線を吸収することをいい、透過とは、X線透過部112aがX線吸収部111aより多くのX線を透過することをいう。このため、このようなX線用金属格子1aは、一態様として、ピッチPがX線の波長に対し十分に長く干渉縞を生じない通常の格子、例えば、X線タルボ・ロー干渉計における第0格子として利用できる。あるいは、このようなX線用金属格子1aは、他の一態様として、前記所定の間隔PをX線の波長に応じて適宜に設定することにより、回折格子として機能し、例えば、X線タルボ・ロー干渉計やX線タルボ干渉計における第1格子および第2格子として利用できる。X線吸収部111aは、例えば仕様に応じて充分にX線を吸収することができるように、適宜な厚さHとされている。X線は、一般的に透過性が高いので、この結果、X線吸収部111aにおける第1幅W1に対する厚さHの比(アスペクト比=厚さH/第1幅W1)は、例えば、3以上の高アスペクト比とされている。X線吸収部111aにおける第1幅W1は、前記一方向(長尺方向)Dxに直交する方向(幅方向)DyにおけるX線吸収部111aにおける長さであり、その厚さHは、前記一方向Dxとこれに直交する前記方向Dyとで構成される平面DxDyの法線方向(深さ方向)DzにおけるX線吸収部111aの長さである。
なお、上述では、X線用金属格子1aは、吸収型回折格子であるが、X線用金属格子1aは、X線吸収部111aを、X線透過部112aに対し所定の位相変化を与えるようにその厚さHを調整したX線位相部とすることで、位相型回折格子となる。また、複数のX線吸収部111aは、空間的な周期を持つように形成された複数の凸部の一例に相当する。複数のX線透過部112aは、周期的な複数の凹部の一例に相当する。
このようなX線用金属格子1aは、所定の基板の少なくとも一つの主面に、前記主面に交差する方向に延びる複数の穴を形成する穴形成工程と、前記複数の穴を形成した前記主面に、所定の幅(第2幅W2)で一方向に延び、前記一方向と交差する第1交差方向に互いに所定の間隔を空けて周期的に配置される複数の第1領域部分と、互いに隣接する前記第1領域部分間に所定の幅(第3幅W3)で前記一方向と交差する第2交差方向に延びて配置される複数の第2領域部分と、を持つレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、前記エッチング液の中に浸漬することで前記複数の第1領域部分間それぞれおよび前記複数の第2領域部分下それぞれに対応する前記基板をウェットエッチングすることによって前記基板に前記第1交差方向に周期的な複数の凹部を形成する凹部形成工程とを備える。以下、本実施形態では、一例として前記凹部がスリット溝である1次元格子の前記X線用金属格子1aの製造方法について、詳述する。
図3ないし図5は、図1に示すX線用金属格子の製造方法を説明するための図である。これら図3ないし図5において、図Aおよび図Bを1組として一区切りの製造工程が模式的に説明されており、図Aは、図Bの断面図であり、図Bは、上面図であり、図Cおよび図Dを1組として一区切りの製造工程が模式的に説明されており、図Cは、図Dの断面図であり、図Dは、上面図である。図6は、金属基板に複数の穴を形成する陽極酸化法を説明するための図である。図7は、図5に示す凹部形成工程において、金属基板に凹部を形成する際の説明図である。
高アスペクト比構造物の一例としてX線用金属格子1aを製造する、高アスペクト比構造物の製造方法では、このX線用金属格子1aを製造するために、まず、板状の金属基板13が用意される(図3Aおよび図3B)。金属基板13は、陽極酸化法または陽極化成法によって複数の穴PEを形成できる金属(合金を含む)で形成される。ここでは、一例として、金属基板13がアルミニウムで形成されている場合について説明する。
次に、金属基板13の少なくとも一つの主面に、前記主面に交差する方向に延びる複数の穴PEが形成される(穴形成工程、図3C、図3D、図4A、図4B、図6)。
より具体的には、金属基板13のまま、陽極酸化法または陽極化成法が実施されると、金属基板13の両面主に前記複数の穴PEが形成される。このように金属基板13の両主面に前記複数の穴PEが形成されても良いが、本実施形態では、金属基板13の一方の主面に前記複数の穴PEを形成するために、この穴形成工程では、まず、金属基板13の他方の主面に保護膜(保護層)131が形成される(保護膜形成工程、図3C、図3D)。
一例では、保護膜形成工程では、金属基板13の他方の主面に保護膜131として石英(二酸化ケイ素、SiO)膜131が形成される。この石英膜131は、例えば、公知の常套手段である化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition、CVD)およびスパッタ法等の種々の成膜方法によって形成される。例えば、本実施形態では、テトラエトキシシランを用いたプラズマCVDによって石英膜131は、成膜される。より詳しくは、まず、有機シランの一種であるテトラエトキシシラン(Tetraethoxysilane、TEOS)が加温され、キャリアガスによってバブリングされることによってTEOSガスが生成され、このTEOSガスに例えば酸素やオゾン等の酸化ガスおよび例えばヘリウム等の希釈ガスが混合されて原料ガスが生成される。そして、この原料ガスが例えばプラズマCVD装置に導入され、プラズマCVD装置内の金属基板13の表面に所定の厚さ(例えば2μm等)の石英膜131が形成される。
なお、上述では、保護膜131は、石英膜131であったが、これに限定されるものではない。保護膜131は、陽極酸化工程における陽極酸化法の実施の際に、該陽極酸化法で用いられる酸性液に抗して金属基板13を保護する機能を有すれば良いので、例えば、窒化ケイ素(SiN)等の誘電体材料や金属膜で形成されても良い。
そして、金属基板13の一方の主面に、陽極酸化法または陽極化成法によって複数の穴PEを有する穴群層13aが形成される(陽極酸化工程(陽極化成工程)、図4A、図4B、図6)。この陽極酸化工程では、一例では、図6に示すように、上述の保護膜131が形成された金属基板13に電源21の陽極が通電可能に接続され、電源21の陰極に接続された陰極電極22および金属基板13が、電解液24を貯留した水槽23内における前記電解液24に浸けられる。その際、陰極電極22と金属基板13の一方の主面(保護膜131の無い面)とを対向させて、陰極電極22および金属基板13が、浸けられる。前記電解液24は、酸化力が強く、かつ陽極酸化法によって生成された金属酸化膜を溶解する酸性溶液、例えば、リン酸およびシュウ酸等のエッチング液が好ましい。陰極電極22は、この電解液24に対して溶解しない金属、例えば、金(Au)、白金(Pt)およびカーボン(C)等で形成されることが好ましい。一例では、アルミニウムで形成された金属基板13に対し、電解液24は、液温10℃の0.1M(モル濃度、mol/l)のシュウ酸液であり、陰極電極22は、白金をメッキしたチタン板である。通電されると、金属基板13の主面表面から内部に向かって延びる複数の穴PEが形成される。本実施形態では、通電されると、金属基板13の主面表面から、金属基板13の厚さ方向(Dz方向、表面と垂直方向)に延びる複数の穴PEが互いに間隔を空けて形成される。一例では、約60Vの直流電圧を陰極電極22および金属基板13間に約18時間印加することによって、直径φが約40nmであって深さHが約120μmである複数の穴PEが、平均ピッチが約150nmで互いに間隔を空けて形成された。
なお、陽極酸化法(または陽極化成法)では、互いに隣接する穴PE間の隔壁厚さは、電圧に比例する。このため、通電開始時の第1印加電圧V1より通電終了時の第2印加電圧V2が低くなるように陽極酸化法(または陽極化成法)が実施されても良い。これによって互いに隣接する穴PE間の隔壁厚さが、前記主面側より前記穴PEの底部側の方が薄くなる。
次に、前記複数の穴を形成した前記主面に、レジスト層113が形成される(レジスト層工程、図4C、図4D)。このレジスト層113は、図4Cおよび図4Dに示すように、一方向に延び、前記一方向と交差する第1交差方向に互いに所定の間隔を空けて周期的に配置される複数の第1領域部分1131と、互いに隣接する第1領域部分1131間に前記一方向と交差する第2交差方向に延びて配置される複数の第2領域部分1132とを持つ。
上述から、前記第1交差方向と前記第2交差方向とは、異方向であって良いが、図4Cおよび図4Dに示す例(図1および図2に示す例)では、前記一方向は、一例として、方向Dxであり、前記第1交差方向は、一例として方向Dyであり、前記第2交差方向は、一例として、前記第1交差方向と同方向の方向Dyである。上述から、複数の第2領域部分1132は、複数の第1領域部分1131それぞれにおける互いに隣接する第1領域部分1131間それぞれに対し選択的に配置されて良いが、図4Cおよび図4Dに示す例(図1および図2に示す例)では、複数の第2領域部分1132は、複数の第1領域部分1131それぞれにおける互いに隣接する第1領域部分1131間それぞれの全てに配置されている。上述から、互いに隣接する第1領域部分1131間に配置される第2領域部分1132は、複数の第1領域部分1131それぞれにおける互いに隣接する第1領域部分1131間それぞれにおいて、同数であって良いが、図4Cおよび図4Dに示す例(図1および図2に示す例)では異数である。上述から、互いに隣接する第1領域部分1131間に形成される第2領域部分1132は、複数の第1領域部分1131それぞれにおける互いに隣接する第1領域部分1131間それぞれにおいて、同位置に配置されて良いが、図4Cおよび図4Dに示す例(図1および図2に示す例)ではランダム(無作為)に配置されている。上述から、互いに隣接する第1領域部分1131間に形成される第2領域部分1132は、複数である場合に、前記一方向Dxにおいて、等間隔であって良いが、図4Cおよび図4Dに示す例(図1および図2に示す例)では不等間隔とある。
より詳しくは、このレジスト形成工程では、まず、金属基板13の穴群層13a上に層(膜)を形成する第1工程と、前記層をパターニングして、第1および第2領域部分1131、1132を残すとともに残余を除去してレジスト層113を形成する第2工程とを備える。このレジスト層113は、凹部形成工程におけるウェットエッチング法の実施の際に、エッチング液に抗して金属基板13の穴群層13aを保護するとともに、前記エッチング液の乾燥の際にスティッキングを防止する梁のように機能すれば良く、例えばシリコン等の無機材料で形成されて良い。
より具体的には、本実施形態では、前記第1工程では、穴群層13aを形成した金属基板13の主面全面上に、スパッタ法によってシリコン層が約500nmで前記層として成膜された。スパッタ法は、ステップカバレッジ(Step Coverage、段差被覆性)に優れているので、穴PE内を基本的に埋めることなく金属基板13の主面全体を覆うことができる。前記第2工程では、フォトリソグラフィー技術を用いて前記シリコン層をパターニングするために、まず、前記シリコン層上に、スピンコート法によって有機材料から成るフォトレジスト層が成膜され、前記第1および第2領域を残すためのリソグラフィーマスクを介して紫外線が照射され、前記フォトレジスト層がパターン露光され、現像される。そして、露光されなかった部分(あるいは露光された部分)の前記フォトレジスト層が除去される。その後、このパターニングされたフォトレジスト層をマスクに、SFガスを用いたドライエッチング法によって、前記パターンニングされたフォトレジスト層が前記シリコン層に転写され、第1および第2領域部分1131、1132を残すとともに残余を除去したレジスト層113が形成される。このレジスト層113は、一例では、複数の第1領域部分1131が周期5.3μm、幅3.65μmであるラインアンドスペースパターンで配置され、この各スペース部分にスティッキング防止用の複数の第2領域部分1132が適宜に配置されている。例えば、複数の第2領域部分1132は、15μm〜40μmの間でランダム周期で、幅0.9μmで配置される。その後、前記フォトレジスト層が酸素アッシングによって除去される。一例では、このようにレジスト層形成工程が実施される。
次に、エッチング液の中に浸漬することによって、複数の第1領域部分1131間それぞれおよび複数の第2領域部分1132下それぞれに対応する基板13をウェットエッチングすることによって、X線透過部112aとして、前記基板13に周期的な複数の凹部112aが形成される(凹部形成工程、図5Aないし図5B)。前記エッチング液には、穴PEに浸透し、互いに隣接する穴PE間の隔壁を好適に溶解する溶液が利用される。
本実施形態では、金属基板13は、上述したようにアルミニウム(Al)で形成され、陽極酸化法によって酸化アルミニウム(Al、アルミナ)に化学変化するので、エッチング液としてリン酸液が利用される。より具体的には、前記レジスト層形成工程後の金属基板13が、8vol%のリン酸液(エッチング液)に浸漬され、24時間放置される。このとき、金属基板13の浸漬後、数秒から数分で、図7A、図7B、図7Cに示すように、レジスト層113で被覆されずに露出している第1領域部分1131間における各穴PEに、リン酸液が浸透する。その後、約8時間かけて、図7D、図7Eに示すように、リン酸液は、穴PE内で、等方的に、互いに隣接する穴PE間の隔壁CWをエッチングし、第1領域部分1131間に凹部が形成される。さらに、その後、約16時間かけて、図7Eに示すように、リン酸液は、第1領域部分1131の両端下それぞれから内側へ、隔壁CWをエッチングするとともに、第2領域部分1132下の隔壁CWをエッチングし(図7には不図示)、第1領域部分1131間にスリット溝状の凹部112aが形成される。このため、この凹部形成工程では、複数の第1領域部分1131それぞれについて、当該第1領域部分1131の両端それぞれから内側へ少なくとも第2領域部分1132における幅W3の半分の長さ(サイドエッチング量)Lp(≧W3/2)で当該第1領域部分1131下の基板13がウェットエッチングされる。例えば、第2領域部分1132の幅W3が0.9μmに設計された場合(W3=0.9μm)、前記長さ(サイドエッチング量)Lpが約0.5μmとなり(Lp=0.5μm)、凸部111aは、その幅W1が、第1領域部分1131の幅W2の3.65μmより細い2.65μmとなった(W1=2.65μm、W2=3.65μm)。この結果、図5Aおよび図5Bに示すように、第2領域部分1132が、互いに隣接する第1領域部分1131間に架け渡されるように残る。
このような各製造工程を経ることによって、図1および図2に示すX線用金属格子1aが製造される。
以上説明したように、本実施形態における高アスペクト比構造物の製造方法は、複数の第1領域部分間1131それぞれおよび複数の第2領域部分1132下それぞれに対応する基板13を除去して複数の凹部112aを形成する凹部形成工程を備えるので、ウェットエッチングでより容易に前記複数の凹部112aを形成できる。
そして、従来の通常のウェットエッチングでは、例えば図13に示すように、エッチング液の乾燥の際にスティッキングが生じてしまう虞がある。しかしながら、本実施形態における高アスペクト比構造物の製造方法は、ウェットエッチング後におけるエッチング液の乾燥の際に、前記複数の第2領域部分1132それぞれでのレジスト層113によって、前記複数の凹部112aの形成により残って形成された複数の凸部111aを支持できる。したがって、本実施形態における高アスペクト比構造物の製造方法は、スティッキングの発生をより低減できる。
上記高アスペクト比構造物の製造方法は、第1領域部分1131の両端それぞれから内側へ少なくとも第2領域部分1132の幅W2の半分の長さLpで前記第1領域部分1131下の基板13をウェットエッチングするので(Lp≧W3/2)、前記複数の第2領域部分1132下それぞれに対応する前記基板13をウェットエッチングでより確実に除去できる。
上記高アスペクト比構造物の製造方法は、陽極酸化法または陽極化成法によって穴形成工程を実施するので、基板13の主面上に、前記主面(前記主面の広がり面)に略垂直な穴PEを複数、容易に形成できる。
本実施形態によれば、複数の第2領域部分1132を前記一方向においてランダムに配置する高アスペクト比構造物の製造方法が提供できる。
なお、上述では、陽極酸化法または陽極化成法によって複数の穴を形成できる金属(合金を含む)として、アルミニウムが用いられたが、金属基板13は、他の金属(合金を含む)で形成されても良い。このような金属として、例えば、上述のアルミニウム(Al)の他に、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、シリコン(Si)、ガリウムヒ素(GaAs)およびインジウムリン(InP)が挙げられる。これら金属は、陽極酸化法または陽極化成法によって、微細垂直穴を形成し易い。なお、陽極酸化法と同様な処理が実施された場合、金属基板13の材料によって金属基板13が酸化しない場合があり、この場合、前記処理は、陽極酸化法と呼称されず、陽極化成法と呼称される。
金属基板13がタングステンやモリブデンで形成される場合、硝酸およびシュウ酸等の溶液を用いた陽極酸化法によって複数の穴が形成できる。
金属基板13がシリコンで形成される場合、例えば金属基板13がp型シリコンの(001)基板である場合、フッ酸とメタノールの混合溶液を用いた陽極化成法によって複数の穴が形成できる。
金属基板13がガリウムヒ素やインジウリウムで形成される場合、例えば金属基板13がn型ガリウムヒ素の(001)基板である場合、水酸化アンモニウム(NHOH)の溶液を用いた陽極化成法によって複数の穴が形成できる。この陽極化成法では、金属基板13は、光照射および磁界印加されながら水酸化アンモニウム溶液中に浸漬され、電圧が印加される。
また、上述では、予め他方の主面に石英膜からなる保護膜131を形成することで、陽極酸化法または陽極化成法による複数の穴PEが一方の主面のみに形成されたが、酸化による面精度の変化を抑えるために、穴形成工程で一方および他方の両主面に複数の穴PEが形成されても良い。この場合、両面に複数の穴PEを形成した後、格子11aを形成する主面ではない方の主面に、例えばTEOS−CVD等の手法で石英膜を形成することによって、保護膜が形成されても良い。
また、上述のX線用金属格子1aでは、凹部形成工程によって形成された、スリット溝状の空間である複数の凹部それぞれは、X線透過部112aとして機能し、前記複数の凹部の形成によって残った複数の凸部それぞれは、X線吸収部(またはX線位相部)111aとして機能したが、前記複数の凹部それぞれに、X線吸収可能なX線吸収性材料を埋設することで、このX線吸収材料を埋設した前記複数の凹部それぞれは、X線吸収部(またはX線位相部)111aと同様に機能し、前記複数の凹部の形成によって残った複数の凸部それぞれは、X線透過部112aと同様に機能しても良い。
上述のX線用金属格子1aに対し、前記複数の凹部それぞれに、X線吸収可能なX線吸収性材料を埋設したX線用金属格子1bの一例が図8に示されている。図8は、変形形態にかかるX線用金属格子の構成を説明するための図である。図9は、凹部を金属材料で埋める電鋳法を説明するための図である。
このX線用金属格子1bは、図8に示すように、格子領域10bおよび枠領域12を備える。このX線用金属格子1bの枠領域12は、上述のX線用金属格子1aの枠領域12と同様であるので、その説明を省略する。格子領域10bは、格子11bを形成した領域であり、格子11bは、複数のX線吸収部111bと、複数のX線透過部112bと、層113とを備える。
上述のX線用金属格子1aでは、X線吸収部111aは、上述の各工程を実施することによって金属基板13から作り出された、DxDz面に沿った板状(層状)の部材であり、X線透過部112aは、上述の各工程を実施することによって金属基板13から作り出された、DxDz面に沿った板状(層状)の空間(スリット溝)である。一方、この変形形態におけるX線用金属格子1bでは、X線吸収部111bは、後述の各工程を実施することによって金属基板13から作り出された、DxDz面に沿った板状(層状)の空間(スリット溝)、に入れられた、X線吸収性(好ましくは比較的高いX線吸収性)を持つ金属材料から成る部材であり、X線透過部112bは、後述の各工程を実施することによって金属基板13から作り出された、DxDz面に沿った板状(層状)の部材である。このX線用金属格子1bの層113は、上述のX線用金属格子1aの層113と同様であるので、その説明を省略する。
このようなX線用金属格子1bは、第1実施形態で説明した上述の穴形成工程、レジスト層形成工程および凹部形成工程の各工程後に、さらに、前記凹部に、X線吸収可能なX線吸収性材料を埋設するX線吸収性材料埋設工程を備えることによって製造される。
このX線吸収性材料埋設工程では、金属基板13を形成する第1金属(合金を含む。上述の例ではアルミニウム)におけるX線に対する第1特性とは異なる第2特性を持つ第2金属(合金を含む)が、スリット溝状の前記複数の凹部に埋められる。前記第2金属は、例えば、原子量が比較的重い元素の金属や貴金属、より具体的には、例えば、金(Au)、プラチナ(白金、Pt)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)およびイリジウム(Ir)等である。
より具体的には、X線吸収性材料を前記複数の凹部それぞれにより容易により確実に埋設できる観点から、電鋳法(電気メッキ法)によって、第2金属が前記複数の凹部それぞれに埋設される。特に、上述では、前記凹部の側壁は、電気的に絶縁性の二酸化アルミニウム(アルミナ)である一方、その底部は、電気的に導電性のアルミニウムであるので、その底部からボトムアップで第2金属が前記凹部に埋設できる。より詳しくは、図9に示すように、前記凹部形成工程の後の金属基板13(ここではX線用金属格子1a)に電源31の陰極が接続され、電源31の陽極に接続された陽極電極32および金属基板13(ここではX線用金属格子1a)が、メッキ液34を貯留した水槽33内における前記メッキ液34に浸けられる。なお、金属基板13の側面等がメッキされないように、金属基板13の側面等に絶縁膜が成膜され、電源31の陰極に接続される部分の前記絶縁膜が除去され、この除去部分で電源31の陰極と金属基板13とが互いに電気的に接続される。これによって、電鋳法で前記複数の凹部それぞれの底部側から第2金属が析出し、成長する。そして、この第2金属が前記複数の凹部それぞれを埋めると、電鋳法の実施が終了される。これによって第2金属が前記複数の凹部それぞれを埋め、前記凹部の深さ(厚さH)だけ成長する。こうしてX線吸収部111bが形成される。
このような各製造工程を経ることによって、図8に示す構成のX線用金属格子1bが製造される。
このような高アスペクト比構造物の製造方法は、前記複数の凹部にX線吸収性材料を埋設することで、図1に示すX線用金属格子1aのX線透過部112aに対応する部分をX線吸収部111bに形成でき、図1に示すX線用金属格子1aのX線吸収部111aに対応する部分をX線透過部112bにできる。
なお、上述では、電鋳法によって前記複数の凹部それぞれに第2金属が埋設されたが、例えば金粉等の第2金属粉を前記複数の凹部それぞれに流し込むことによって第2金属が埋設されても良い。
また、上述では、第1金属は、第1特性としてX線透過性を持つ金属(合金を含む)であって、第2金属は、第2特性としてX線吸収性を持つ金属(合金を含む)であったが、第1金属は、第1特性として位相シフトの小さい低位相シフト性を持つ金属(合金を含む)であって、第2金属は、第2特性として相対的に位相シフトの大きい高位相シフト性(第1金属の位相シフトより大きい位相シフト)を持つ金属(合金を含む)であってもよい。
また、電鋳法で前記複数の凹部に第2金属が埋設された場合には、透過率を向上するために、前記複数の凹部の底、すなわち、埋設された第2金属が露出するまで、金属基板13における他方の主面が研磨されても良い。また、この場合に、透過率の高い材料(例えばアクリル樹脂等)の板状部材が支持基板として接着剤等によって格子11bに接着されても良い。
次に、別の実施形態について説明する。
(第2および第3実施形態;タルボ干渉計およびタルボ・ロー干渉計)
上記実施形態のX線用金属格子1(1a、1b)は、高アスペクト比で格子部分を形成することができるので、X線用のタルボ干渉計およびタルボ・ロー干渉計に好適に用いることができる。このX線用金属格子1を用いたX線用タルボ干渉計およびX線用タルボ・ロー干渉計について説明する。
図10は、第2実施形態におけるX線用タルボ干渉計の構成を示す斜視図である。図11は、第3実施形態におけるX線用タルボ・ロー干渉計の構成を示す上面図である。
実施形態のX線用タルボ干渉計100Aは、図10に示すように、所定の波長のX線を放射するX線源101と、X線源101から照射されるX線を回折する位相型の第1回折格子102と、第1回折格子102により回折されたX線を回折することにより画像コントラストを形成する振幅型の第2回折格子103とを備え、第1および第2回折格子102、103がX線タルボ干渉計を構成する条件に設定される。第2回折格子103により画像コントラストの生じたX線は、例えば、X線を検出するX線画像検出器105によって検出される。このX線用タルボ干渉計100Aでは、第1回折格子102および第2回折格子103の少なくとも一方は、上述したX線用金属格子1(1a、1b)の製造方法のいずれかによって製造されたX線用金属格子1である。
タルボ干渉計100Aを構成する前記条件は、次の式1および式2によって表される。式2は、第1回折格子102が位相型回折格子であることを前提としている。
l=λ/(a/(L+Z1+Z2)) ・・・(式1)
Z1=(m+1/2)×(d/λ) ・・・(式2)
ここで、lは、可干渉距離であり、λは、X線の波長(通常は中心波長)であり、aは、回折格子の回折部材にほぼ直交する方向におけるX線源101の開口径であり、Lは、X線源101から第1回折格子102までの距離であり、Z1は、第1回折格子102から第2回折格子103までの距離であり、Z2は、第2回折格子103からX線画像検出器105までの距離であり、mは、整数であり、dは、回折部材の周期(回折格子の周期、格子定数、隣接する回折部材の中心間距離、前記ピッチP)である。
このような構成のX線用タルボ干渉計100Aでは、X線源101から第1回折格子102に向けてX線が照射される。この照射されたX線は、第1回折格子102でタルボ効果を生じ、タルボ像を形成する。このタルボ像が第2回折格子103で作用を受け、モアレ縞の画像コントラストを形成する。そして、この画像コントラストがX線画像検出器105で検出される。
タルボ効果とは、回折格子に光が入射されると、或る距離に前記回折格子と同じ像(前記回折格子の自己像)が形成されることをいい、この或る距離をタルボ距離Lといい、この自己像をタルボ像という。タルボ距離Lは、回折格子が位相型回折格子の場合では、上記式2に表されるZ1となる(L=Z1)。タルボ像は、Lの奇数倍(=(2m+1)L、mは、整数)では、反転像が現れ、Lの偶数倍(=2mL)では、正像が現れる。
ここで、X線源101と第1回折格子102との間に被写体Sが配置されると、前記モアレ縞は、被写体Sによって変調を受け、この変調量が被写体Sによる屈折効果によってX線が曲げられた角度に比例する。このため、モアレ縞を解析することによって被写体Sおよびその内部の構造が検出される。
このような図10に示す構成のタルボ干渉計100Aでは、X線源101は、単一の点光源であり、このような単一の点光源は、単一のスリット(単スリット)を形成した単スリット板をさらに備えることで構成することができ、X線源101から放射されたX線は、前記単スリット板の前記単スリットを通過して被写体Sを介して第1回折格子102に向けて放射される。前記スリットは、一方向に延びる細長い矩形の開口である。
一方、タルボ・ロー干渉計100Bは、図11に示すように、X線源101と、マルチスリット板104と、第1回折格子102と、第2回折格子103とを備えて構成される。すなわち、タルボ・ロー干渉計100Bは、図10に示すタルボ干渉計100Aに加えて、X線源101のX線放射側に、複数のスリットを並列に形成したマルチスリット板104をさらに備えて構成される。
このマルチスリット板104は、いわゆる第0格子であり、上述したX線用金属格子1(1a、1b、1c)の製造方法のいずれかによって製造されたX線用金属格子1であってよい。マルチスリット板104を、上述したX線用金属格子1の製造方法のいずれかによって製造することによって、X線を、スリット状のX線透過部112(112a、112b)によって透過させるとともにより確実にスリット状のX線吸収部111(111a、111b)によって遮断することができるので、X線の透過と非透過とをより明確に区別することができるから、マルチスリット板104は、X線源101から放射されたX線を、より確実にマルチ光源とすることができる。
そして、タルボ・ロー干渉計100Bとすることによって、タルボ干渉計100Aよりも、被写体Sを介して第1回折格子102に向けて放射されるX線量が増加するので、より良好なモアレ縞が得られる。
次に、別の実施形態について説明する。
(第4実施形態;X線撮像装置)
前記X線用金属格子1(1a、1b)は、種々の光学装置に利用することができるが、高アスペクト比でX線吸収部111を形成することができるので、例えば、X線撮像装置に好適に用いることができる。特に、X線タルボ干渉計を用いたX線撮像装置は、X線を波として扱い、被写体を通過することによって生じるX線の位相シフトを検出することによって、被写体の透過画像を得る位相コントラスト法の一つであり、被写体によるX線吸収の大小をコントラストとした画像を得る吸収コントラスト法に較べて、約1000倍の感度改善が見込まれ、それによってX線照射量が例えば1/100〜1/1000に軽減可能となるという利点がある。本実施形態では、前記X線用金属格子1を用いたX線タルボ干渉計を備えたX線撮像装置について説明する。
図12は、第4実施形態におけるX線撮像装置の構成を示す説明図である。図12において、X線撮像装置200は、X線撮像部201と、第2回折格子202と、第1回折格子203と、X線源204とを備え、さらに、本実施形態では、X線源204に電源を供給するX線電源部205と、X線撮像部201の撮像動作を制御するカメラ制御部206と、本X線撮像装置200の全体動作を制御する処理部207と、X線電源部205の給電動作を制御することによってX線源204におけるX線の放射動作を制御するX線制御部208とを備えて構成される。
X線源204は、X線電源部205から給電されることによって、X線を放射し、第1回折格子203へ向けてX線を照射する装置である。X線源204は、例えば、X線電源部205から供給された高電圧が陰極と陽極との間に印加され、陰極のフィラメントから放出された電子が陽極に衝突することによってX線を放射する装置である。
第1回折格子203は、X線源204から放射されたX線によってタルボ効果を生じる回折格子である。第1回折格子203は、例えば、上述したX線用金属格子1の製造方法のいずれかによって製造された回折格子である。第1回折格子203は、タルボ効果を生じる条件を満たすように構成されており、X線源204から放射されたX線の波長よりも充分に粗い格子、例えば、格子定数(回折格子の周期)dが当該X線の波長の約20以上である位相型回折格子である。なお、第1回折格子203は、このような振幅型回折格子であってもよい。
第2回折格子202は、第1回折格子203から略タルボ距離L離れた位置に配置され、第1回折格子203によって回折されたX線を回折する透過型の振幅型回折格子である。この第2回折格子202も、第1回折格子203と同様に、例えば、上述したX線用金属格子1の製造方法のいずれかによって製造された回折格子である。
これら第1および第2回折格子203、202は、上述の式1および式2によって表されるタルボ干渉計を構成する条件に設定されている。
X線撮像部201は、第2回折格子202によって回折されたX線の像を撮像する装置である。X線撮像部201は、例えば、X線のエネルギーを吸収して蛍光を発するシンチレータを含む薄膜層が受光面上に形成された二次元イメージセンサを備えるフラットパネルディテクタ(FPD)や、入射フォトンを光電面で電子に変換し、この電子をマイクロチャネルプレートで倍増し、この倍増された電子群を蛍光体に衝突させて発光させるイメージインテンシファイア部と、イメージインテンシファイア部の出力光を撮像する二次元イメージセンサとを備えるイメージインテンシファイアカメラ等である。
処理部207は、X線撮像装置200の各部を制御することによってX線撮像装置200全体の動作を制御する装置であり、例えば、マイクロプロセッサおよびその周辺回路を備えて構成され、機能的に、画像処理部271およびシステム制御部272を備えている。
システム制御部272は、X線制御部208との間で制御信号を送受信することによってX線電源部205を介してX線源204におけるX線の放射動作を制御すると共に、カメラ制御部206との間で制御信号を送受信することによってX線撮像部201の撮像動作を制御する。システム制御部272の制御によって、X線が被写体Sに向けて照射され、これによって生じた像がX線撮像部201によって撮像され、画像信号がカメラ制御部206を介して処理部207に入力される。
画像処理部271は、X線撮像部201によって生成された画像信号を処理し、被写体Sの画像を生成する。
次に、本実施形態のX線撮像装置の動作について説明する。被写体Sが例えばX線源204を内部(背面)に備える撮影台に載置されることによって、被写体SがX線源204と第1回折格子203との間に配置され、X線撮像装置200のユーザ(オペレータ)によって図略の操作部から被写体Sの撮像が指示されると、処理部207のシステム制御部272は、被写体Sに向けてX線を照射すべくX線制御部208に制御信号を出力する。この制御信号によってX線制御部208は、X線電源部205にX線源204へ給電させ、X線源204は、X線を放射して被写体Sに向けてX線を照射する。
照射されたX線は、被写体Sを介して第1回折格子203を通過し、第1回折格子203によって回折され、タルボ距離L(=Z1)離れた位置に第1回折格子203の自己像であるタルボ像Tが形成される。
この形成されたX線のタルボ像Tは、第2回折格子202によって回折され、モアレを生じてモアレ縞の像が形成される。このモアレ縞の像は、システム制御部272によって例えば露光時間などが制御されたX線撮像部201によって撮像される。
X線撮像部201は、モアレ縞の像の画像信号をカメラ制御部206を介して処理部207へ出力する。この画像信号は、処理部207の画像処理部271によって処理される。
ここで、被写体SがX線源204と第1回折格子203との間に配置されているので、被写体Sを通過したX線には、被写体Sを通過しないX線に対し位相がずれる。このため、第1回折格子203に入射したX線には、その波面に歪みが含まれ、タルボ像Tには、それに応じた変形が生じている。このため、タルボ像Tと第2回折格子202との重ね合わせによって生じた像のモアレ縞は、被写体Sによって変調を受けており、この変調量が被写体Sによる屈折効果によってX線が曲げられた角度に比例する。したがって、モアレ縞を解析することによって被写体Sおよびその内部の構造を検出することができる。また、被写体Sを複数の角度から撮像することによってX線位相CT(Computed Tomography)により被写体Sの断層画像が形成可能である。
そして、本実施形態の第2回折格子202では、高アスペクト比のX線吸収部111を備える上述した実施形態におけるX線用金属格子1であるので、良好なモアレ縞が得られ、高精度な被写体Sの画像が得られる。
なお、上述のX線撮像装置200は、X線源204、第1回折格子203および第2回折格子202によってタルボ干渉計を構成したが、X線源204のX線放射側にマルチスリットとしての上述した実施形態におけるX線用金属格子1をさらに配置することで、タルボ・ロー干渉計を構成してもよい。このようなタルボ・ロー干渉計とすることで、単スリットの場合よりも被写体Sに照射されるX線量を増加することができ、より良好なモアレ縞が得られ、より高精度な被写体Sの画像が得られる。
また、上述のX線撮像装置200では、X線源204と第1回折格子203との間に被写体Sが配置されたが、第1回折格子203と第2回折格子202との間に被写体Sが配置されてもよい。
また、上述のX線撮像装置200では、X線の像がX線撮像部201で撮像され、画像の電子データが得られたが、X線フィルムによって撮像されてもよい。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
PE 穴
1、1a、1b X線用金属格子(高アスペクト比構造物)
10a、10b 格子領域
11a、11b 格子
12 枠領域
13 金属基板
100A X線用タルボ干渉計
100B X線用タルボ・ロー干渉計
102、203 第1回折格子
103、202 第2回折格子
104 マルチスリット板
113 層
200 X線撮像装置
1131 第1領域部分(層本体部)
1132 第2領域部分(延長部、梁部)

Claims (9)

  1. 所定の基板の少なくとも一つの主面に、前記主面に交差する方向に延びる複数の穴を形成する穴形成工程と、
    前記複数の穴を形成した前記主面に、一方向に延び、前記一方向と交差する第1交差方向に互いに所定の間隔を空けて周期的に配置される複数の第1領域部分と、互いに隣接する前記第1領域部分間に前記一方向と交差する第2交差方向に延びて配置される複数の第2領域部分と、を持つレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、
    前記エッチング液の中に浸漬することで前記複数の第1領域部分間それぞれおよび前記複数の第2領域部分下それぞれに対応する前記基板をウェットエッチングすることによって前記基板に前記第1交差方向に周期的な複数の凹部を形成する凹部形成工程とを備える、
    高アスペクト比構造物の製造方法。
  2. 前記凹部形成工程は、前記複数の第1領域部分それぞれについて、当該第1領域部分の両端それぞれから内側へ少なくとも前記第2領域部分の幅の半分の長さで当該第1領域部分下の前記基板をウェットエッチングする、
    請求項1に記載の高アスペクト比構造物の製造方法。
  3. 前記複数の第2領域部分は、前記一方向においてランダムに配置されている、
    請求項1または請求項2に記載の高アスペクト比構造物の製造方法。
  4. 前記穴形成工程は、陽極酸化法または陽極化成法によって前記複数の穴を形成する工程である、
    請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の高アスペクト比構造物の製造方法。
  5. 前記所定の基板は、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、シリコン(Si)、ガリウムヒ素(GaAs)およびインジウムリン(InP)のうちのいずれか1つで形成されている、
    請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の高アスペクト比構造物の製造方法。
  6. 前記複数の凹部それぞれに、X線吸収可能なX線吸収性材料を埋設するX線吸収性材料埋設工程をさらに備える、
    請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の高アスペクト比構造物の製造方法。
  7. 前記高アスペクト比構造物は、X線タルボ干渉計またはX線タルボ・ロー干渉計に用いられるX線用金属格子である、
    請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の高アスペクト比構造物の製造方法。
  8. 基板と、
    前記基板に形成された格子とを備え、
    前記格子は、空間的な周期を持つように形成された複数の凸部と、前記複数の凸部上それぞれに形成された第1領域部分および互いに隣接する第1領域部分間に架け渡されて形成された複数の第2領域部分を備える層とを備え、
    前記複数の凸部それぞれは、前記格子の格子面に交差する方向に延びる複数の穴を備える、
    高アスペクト比構造物。
  9. X線を放射するX線源と、
    前記X線源から放射されたX線が照射されるタルボ干渉計またはタルボ・ロー干渉計と、
    前記タルボ干渉計またはタルボ・ロー干渉計によるX線の像を撮像するX線撮像素子とを備え、
    前記タルボ干渉計またはタルボ・ロー干渉計は、請求項8に記載の高アスペクト比構造物をX線用金属格子として含む、
    X線撮像装置。
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