JP2019202882A - 産業車両用遠隔操作システム、遠隔操作装置、産業車両、産業車両用遠隔操作プログラム、及び産業車両用遠隔操作方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安全性の向上を図る産業車両用遠隔操作システム、遠隔操作装置、産業車両、産業車両用遠隔操作プログラム、及び産業車両用遠隔操作方法を提供すること。【解決手段】産業車両用遠隔操作システム10は、両無線モジュール71,72を有するフォークリフト20と、両AP61,62を有する遠隔操作装置40と、を備えている。メイン無線モジュール71とメインAP61とは、メイン通信接続状態となることによって第1周波数帯域にて無線通信を行う。バックアップ無線モジュール72とバックアップAP62とは、バックアップ通信接続状態となることによって第2周波数帯域にて無線通信を行う。第2周波数帯域は、第1周波数帯域よりも低い。【選択図】図3
Description
本発明は、産業車両用遠隔操作システム、遠隔操作装置、産業車両、産業車両用遠隔操作プログラム、及び産業車両用遠隔操作方法に関する。
特許文献1には、産業車両としてのフォークリフトを遠隔操作する遠隔操作装置としての遠隔制御装置が、フォークリフトに対して離れた位置からフォークリフトの荷役作業を遠隔操作する点について記載されている。
産業車両用遠隔操作システムでは、無線通信を用いて産業車両を遠隔操作することが考えられる。この場合、無線通信が途絶すると、産業車両の遠隔操作に支障が生じ得るため、安全性の低下が懸念される。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、その目的は安全性の向上を図る産業車両用遠隔操作システム、遠隔操作装置、産業車両、産業車両用遠隔操作プログラム、及び産業車両用遠隔操作方法を提供することである。
上記目的を達成する産業車両用遠隔操作システムは、第1周波数帯域にて無線通信を行う第1車両通信部、及び、前記第1周波数帯域よりも低い第2周波数帯域にて無線通信を行う第2車両通信部を有する産業車両と、前記第1車両通信部と通信接続されることによって当該第1車両通信部と無線通信にて信号の送受信を行う第1リモート通信部、及び、前記第2車両通信部と通信接続されることによって当該第2車両通信部と無線通信にて信号の送受信を行う第2リモート通信部を有し、前記産業車両を遠隔操作するのに用いられる遠隔操作装置と、前記第1車両通信部及び前記第1リモート通信部が通信接続されている場合には、前記第1車両通信部と前記第1リモート通信部との無線通信である第1無線通信を用いて、前記産業車両が動作するように遠隔操作を行う第1遠隔制御部と、前記第1車両通信部及び前記第1リモート通信部が通信接続されておらず、前記第2車両通信部及び前記第2リモート通信部が通信接続されている場合には、前記第2車両通信部と前記第2リモート通信部との無線通信である第2無線通信を用いて、前記産業車両が動作するように遠隔操作を行う第2遠隔制御部と、を備え、前記第2遠隔制御部は、少なくとも一部の遠隔操作について、前記第1遠隔制御部による遠隔操作時よりも前記産業車両の前記動作が停止し易くなるように、前記第1遠隔制御部による遠隔操作態様とは異なる態様で行うことを特徴とする。
かかる構成によれば、第1無線通信を行う第1車両通信部及び第1リモート通信部とは別に第2無線通信を行う第2車両通信部及び第2リモート通信部が設けられている。第2無線通信の周波数帯域である第2周波数帯域は、第1無線通信の周波数帯域である第1周波数帯域よりも低いため、第2無線通信は到達性に優れている。これにより、仮に第1無線通信が途絶した場合であっても、第2無線通信を用いて産業車両の遠隔操作を行うことができる。
ここで、第2無線通信の通信速度は、第1無線通信の通信速度よりも低くなり易い。このため、第2無線通信を用いた遠隔操作は、第1無線通信を用いた遠隔操作よりも、産業車両の応答性が低下し易い。この点、本構成によれば、第2無線通信を用いた遠隔操作の少なくとも一部では、産業車両の動作が停止し易くなるように、遠隔操作態様が第1無線通信を用いた遠隔操作の遠隔操作態様とは異なっている。これにより、産業車両の応答性の低下に起因して産業車両が停止しにくいという不都合を抑制できる。
以上のことから、安全性の向上を図ることができる。
上記産業車両用遠隔操作システムについて、前記第1遠隔制御部は、第1上限値の動作速度の範囲内にて前記産業車両が動作するように遠隔操作を行うものであり、前記第2遠隔制御部は、前記第1上限値よりも低い第2上限値の動作速度の範囲内にて前記産業車両が動作するように遠隔操作するものであるとよい。
上記産業車両用遠隔操作システムについて、前記第1遠隔制御部は、第1上限値の動作速度の範囲内にて前記産業車両が動作するように遠隔操作を行うものであり、前記第2遠隔制御部は、前記第1上限値よりも低い第2上限値の動作速度の範囲内にて前記産業車両が動作するように遠隔操作するものであるとよい。
かかる構成によれば、第2無線通信を用いた遠隔操作時には、産業車両の走行速度が、第1無線通信を用いた遠隔操作時よりも低く制限されている。これにより、第1無線通信を用いた遠隔操作時と比較して、産業車両の動作が停止し易くなる。したがって、上述した効果を得ることができる。
上記産業車両用遠隔操作システムについて、前記産業車両用遠隔操作システムは操作部を有し、前記遠隔操作装置は、前記第1遠隔制御部及び前記第2遠隔制御部を有し、前記第1遠隔制御部は、前記操作部の操作に基づいて、前記第1上限値の範囲内の動作速度指示値を導出する第1導出部と、前記第1リモート通信部を用いて、前記第1導出部によって導出された前記動作速度指示値が設定された第1遠隔指示信号を、前記第1車両通信部に向けて送信する第1送信制御部と、を備え、前記第2遠隔制御部は、前記操作部の操作に基づいて、前記第2上限値の範囲内の動作速度指示値を導出する第2導出部と、前記第2リモート通信部を用いて、前記第2導出部によって導出された前記動作速度指示値が設定された第2遠隔指示信号を、前記第2車両通信部に向けて送信する第2送信制御部と、を備え、前記産業車両は、前記動作が行われるように駆動する駆動部と、前記第1車両通信部及び前記第2車両通信部のいずれか一方によって受信される遠隔指示信号に対応した動作が行われるように前記駆動部を制御する駆動制御部と、を備えているとよい。
かかる構成によれば、駆動制御部としては、遠隔指示信号に基づく駆動制御を行えばよく、第1無線通信を用いた遠隔操作時と第2無線通信を用いた遠隔操作時とで駆動制御態様を異ならせる必要がない。これにより、駆動制御部に対する変更を抑制しつつ、上述した効果を得ることができる。
上記産業車両用遠隔操作システムについて、前記第1車両通信部及び前記第1リモート通信部が通信接続され、且つ、前記第2車両通信部及び前記第2リモート通信部が通信接続されている場合には、前記第2遠隔指示信号の送信が行われないように制限する一方、前記第2車両通信部と前記第2リモート通信部とが通信接続されている状態を維持する通信制限部を備えているとよい。
かかる構成によれば、第1車両通信部及び第1リモート通信部が通信接続され、且つ、第2車両通信部及び第2リモート通信部が通信接続されている場合には、第2無線通信を用いた遠隔指示信号の送信が行われない。これにより、無駄な遠隔指示信号の送信を回避できる。
一方、第2車両通信部と第2リモート通信部との通信接続状態は維持されているため、仮に第1車両通信部と第1リモート通信部との通信接続状態が解除された場合には、第2無線通信を用いた遠隔指示信号の送信を早期に実行できる。これにより、第1無線通信が途絶したことに起因して遠隔指示信号の送信が遅延することを抑制できる。
上記産業車両用遠隔操作システムは、操作部を有し、前記第1遠隔制御部は、前記操作部の操作量に応じた動作速度で前記産業車両が動作するように遠隔操作を行うものであり、前記第2遠隔制御部は、前記操作部の操作量に応じた動作速度で前記産業車両が動作するように遠隔操作を行うものであり、前記第2遠隔制御部による遠隔操作時における前記操作部の単位操作量当たりの前記動作速度の変化量である第2単位変化量は、前記第1遠隔制御部による遠隔操作時における前記単位操作量当たりの前記動作速度の変化量である第1単位変化量よりも小さいとよい。
かかる構成によれば、操作量が同一であっても、第2無線通信を用いた遠隔操作時の動作速度が、第1無線通信を用いた遠隔操作時の動作速度よりも低くなる。これにより、上述した効果を奏する。特に、本構成によれば、例えば第2無線通信を用いた遠隔操作時に操作部の操作範囲を狭くするなどといった制限機構を設ける必要がないため、構成の簡素化を図ることができる。
上記産業車両用遠隔操作システムについて、前記第1遠隔制御部は、前記遠隔操作装置に対して動作停止操作が行われた場合には、第1制動力で前記動作を停止させるものであり、前記第2遠隔制御部は、前記遠隔操作装置に対して前記動作停止操作が行われた場合には、前記第1制動力よりも大きい第2制動力で前記動作を停止させるとよい。
かかる構成によれば、第2無線通信を用いた遠隔操作時の方が第1無線通信を用いた遠隔操作時よりも制動距離が短くなり易い。これにより、産業車両が停止し易いため、上述した効果を得ることができる。
上記目的を達成する遠隔操作装置は、第1周波数帯域にて無線通信を行う第1車両通信部、及び、前記第1周波数帯域よりも低い第2周波数帯域にて無線通信を行う第2車両通信部を有する産業車両を遠隔操作するのに用いられるものであって、前記第1車両通信部と通信接続されることによって当該第1車両通信部と無線通信にて信号の送受信を行う第1リモート通信部と、前記第2車両通信部と通信接続されることによって当該第2車両通信部と無線通信にて信号の送受信を行う第2リモート通信部と、前記第1車両通信部及び前記第1リモート通信部が通信接続されている場合には、前記第1車両通信部と前記第1リモート通信部との無線通信である第1無線通信を用いて、前記産業車両が動作するように遠隔操作を行う第1遠隔制御部と、前記第1車両通信部及び前記第1リモート通信部が通信接続されておらず、前記第2車両通信部及び前記第2リモート通信部が通信接続されている場合には、前記第2車両通信部と前記第2リモート通信部との無線通信である第2無線通信を用いて、前記産業車両が動作するように遠隔操作を行う第2遠隔制御部と、を備え、前記第2遠隔制御部は、少なくとも一部の遠隔操作について、前記第1遠隔制御部による遠隔操作時よりも前記産業車両の前記動作が停止し易くなるように、前記第1遠隔制御部による遠隔操作態様とは異なる態様で行うことを特徴とする。
上記目的を達成する産業車両は、第1周波数帯域にて無線通信を行う第1車両通信部、及び、前記第1周波数帯域よりも低い第2周波数帯域にて無線通信を行う第2車両通信部を備え、前記第1車両通信部と通信接続されることによって当該第1車両通信部と無線通信にて信号の送受信を行う第1リモート通信部、及び、前記第2車両通信部と通信接続されることによって当該第2車両通信部と無線通信にて信号の送受信を行う第2リモート通信部を有する遠隔操作装置によって遠隔操作されるものであり、前記産業車両は、前記第1車両通信部及び前記第1リモート通信部が通信接続されている場合には、前記第1車両通信部と前記第1リモート通信部との無線通信である第1無線通信を用いて、前記産業車両が動作するように遠隔操作を行う第1遠隔制御部と、前記第1車両通信部及び前記第1リモート通信部が通信接続されておらず、前記第2車両通信部及び前記第2リモート通信部が通信接続されている場合には、前記第2車両通信部と前記第2リモート通信部との無線通信である第2無線通信を用いて、前記産業車両が動作するように遠隔操作を行う第2遠隔制御部と、を備え、前記第2遠隔制御部は、少なくとも一部の遠隔操作について、前記第1遠隔制御部による遠隔操作時よりも前記産業車両の前記動作が停止し易くなるように、前記第1遠隔制御部による遠隔操作態様とは異なる態様で行うことを特徴とする。
上記目的を達成する産業車両用遠隔操作プログラムは、第1周波数帯域にて無線通信を行う第1車両通信部、及び、前記第1周波数帯域よりも低い第2周波数帯域にて無線通信を行う第2車両通信部を有する産業車両を、前記第1車両通信部と通信接続されることによって当該第1車両通信部と無線通信にて信号の送受信を行う第1リモート通信部、及び、前記第2車両通信部と通信接続されることによって当該第2車両通信部と無線通信にて信号の送受信を行う第2リモート通信部を有する遠隔操作装置を用いて遠隔操作するためのものであって、前記遠隔操作装置又は前記産業車両を、前記第1車両通信部及び前記第1リモート通信部が通信接続されている場合には、前記第1車両通信部と前記第1リモート通信部との無線通信である第1無線通信を用いて、前記産業車両が動作するように遠隔操作を行う第1遠隔制御部と、前記第1車両通信部及び前記第1リモート通信部が通信接続されておらず、前記第2車両通信部及び前記第2リモート通信部が通信接続されている場合には、前記第2車両通信部と前記第2リモート通信部との無線通信である第2無線通信を用いて、前記産業車両が動作するように遠隔操作を行う第2遠隔制御部と、として機能させるものであり、前記第2遠隔制御部は、少なくとも一部の遠隔操作について、前記第1遠隔制御部による遠隔操作時よりも前記産業車両の前記動作が停止し易くなるように、前記第1遠隔制御部による遠隔操作態様とは異なる態様で行うことを特徴とする。
上記目的を達成する産業車両用遠隔操作方法は、第1周波数帯域にて無線通信を行う第1車両通信部、及び、前記第1周波数帯域よりも低い第2周波数帯域にて無線通信を行う第2車両通信部を有する産業車両を、前記第1車両通信部と通信接続されることによって当該第1車両通信部と無線通信にて信号の送受信を行う第1リモート通信部、及び、前記第2車両通信部と通信接続されることによって当該第2車両通信部と無線通信にて信号の送受信を行う第2リモート通信部を有する遠隔操作装置を用いて遠隔操作するものであって、前記遠隔操作装置又は前記産業車両が、前記第1車両通信部及び前記第1リモート通信部が通信接続されている場合には、前記第1車両通信部と前記第1リモート通信部との無線通信である第1無線通信を用いて、前記産業車両が動作するように遠隔操作を行う第1遠隔制御ステップと、前記遠隔操作装置又は前記産業車両が、前記第1車両通信部及び前記第1リモート通信部が通信接続されておらず、前記第2車両通信部及び前記第2リモート通信部が通信接続されている場合には、前記第2車両通信部と前記第2リモート通信部との無線通信である第2無線通信を用いて、前記産業車両が動作するように遠隔操作を行う第2遠隔制御ステップと、を備え、前記第2遠隔制御ステップは、少なくとも一部の遠隔操作について、前記第1遠隔制御ステップによる遠隔操作時よりも前記産業車両の前記動作が停止し易くなるように、前記第1遠隔制御ステップによる遠隔操作態様とは異なる態様で行うことを特徴とする。
上記各構成によれば、第1無線通信を行う第1車両通信部及び第1リモート通信部とは別に第2無線通信を行う第2車両通信部及び第2リモート通信部が設けられている。第2無線通信の周波数帯域である第2周波数帯域は、第1無線通信の周波数帯域である第1周波数帯域よりも低いため、第2無線通信は到達性に優れている。これにより、仮に第1無線通信が途絶した場合であっても、第2無線通信を用いて産業車両の遠隔操作を行うことができる。
ここで、第2無線通信の通信速度は、第1無線通信の通信速度よりも低くなり易い。このため、第2無線通信を用いた遠隔操作は、第1無線通信を用いた遠隔操作よりも、産業車両の応答性が低下し易い。この点、上記各構成によれば、第2無線通信を用いた遠隔操作の少なくとも一部では、産業車両の動作が停止し易くなるように、遠隔操作態様が第1無線通信を用いた遠隔操作の遠隔操作態様とは異なっている。これにより、産業車両の応答性の低下に起因して産業車両が停止しにくいという不都合を抑制できる。
以上のことから、安全性の向上を図ることができる。
この発明によれば、安全性の向上を図ることができる。
(第1実施形態)
以下、産業車両用遠隔操作システム等の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、産業車両用遠隔操作システム10は、産業車両としてのフォークリフト20と、フォークリフト20を遠隔操作するのに用いられる遠隔操作装置40と、操作部としての走行コントローラ51及び荷役コントローラ52と、を備えている。
以下、産業車両用遠隔操作システム等の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、産業車両用遠隔操作システム10は、産業車両としてのフォークリフト20と、フォークリフト20を遠隔操作するのに用いられる遠隔操作装置40と、操作部としての走行コントローラ51及び荷役コントローラ52と、を備えている。
フォークリフト20は、例えば搭乗者が起立した状態で搭乗可能なリーチ式である。フォークリフト20は、機台21と、車輪22と、機台21に対して前方に向けて延びた左右一対のリーチレグ23と、リーチレグ23に対して起立したマスト24と、マスト24に取り付けられたフォーク25と、を備えている。
機台21は、車輪22が取り付けられた機台本体21aと、機台本体21aから起立した起立フレーム21bと、起立フレーム21bの先端に取り付けられた屋根21cと、を備えている。
マスト24は、前後方向のスライド移動と前後方向への傾斜移動が可能な状態でリーチレグ23に取り付けられている。フォーク25は、上下方向に移動可能な状態でマスト24に取り付けられている。これにより、フォーク25は、リフト動作、リーチ動作及びチルト動作を行うことができる。
ここで、リフト動作、リーチ動作及びチルト動作等のフォーク25に関する動作を荷役動作という。荷役動作は、走行動作とは異なる動作である。走行動作は第1動作とも言え、荷役動作は第2動作とも言える。なお、荷役動作は、リフト動作、リーチ動作及びチルト動作のいずれか1つでもよい。本実施形態では、走行動作及び荷役動作が「産業車両」の「動作」に対応する。
なお、フォークリフト20は、搭乗者が搭乗して直接操作する有人操作が可能に構成されていてもよいし、有人操作が行われず、遠隔操作のみが可能に構成されていてもよい。
図1及び図2に示すように、フォークリフト20は、複数のカメラ31〜36を備えている。複数のカメラ31〜36は、フォークリフト20の一部又は周囲を撮影するものである。複数のカメラ31〜36は、互いに視点が異なるように配置されている。このため、複数のカメラ31〜36で撮影された画像の視点は互いに異なっている。換言すれば、各画像は、撮影位置又は撮影角度が異なっているとも言える。
図1及び図2に示すように、フォークリフト20は、複数のカメラ31〜36を備えている。複数のカメラ31〜36は、フォークリフト20の一部又は周囲を撮影するものである。複数のカメラ31〜36は、互いに視点が異なるように配置されている。このため、複数のカメラ31〜36で撮影された画像の視点は互いに異なっている。換言すれば、各画像は、撮影位置又は撮影角度が異なっているとも言える。
第1カメラ31〜第4カメラ34は、屋根21cの上に設置されている。詳細には、図2に示すように、第1カメラ31は、屋根21cの上において右を向いた状態で設置されており、第2カメラ32は、屋根21cの上において左を向いた状態で設置されている。第1カメラ31及び第2カメラ32は、フォークリフト20の左右方向に対向配置されている。
同様に、第3カメラ33は、屋根21cの上において前方を向いた状態で設置されており、第4カメラ34は、屋根21cの上において後方を向いた状態で設置されている。第3カメラ33及び第4カメラ34は、フォークリフト20の前後方向に対向配置されている。
図1に示すように、第5カメラ35は、フォーク25又は当該フォーク25に積載される荷物が撮影されるように斜め下を向いた状態でマスト24の先端部に配置されている。第6カメラ36は、フォーク25の先端部付近が撮影されるように前方を向いた状態でフォーク25の下面に設置されている。
図1に示すように、遠隔操作装置40は、表示部としてのモニタ41を備えている。モニタ41には、複数のカメラ31〜36で撮影された複数の画像のうち少なくとも1つが表示される。
また、遠隔操作装置40には、走行コントローラ51及び荷役コントローラ52が接続されている。走行コントローラ51及び荷役コントローラ52は、例えば傾倒可能なレバー式のコントローラであり、遠隔操作者が把持した状態で使用されることを想定しているものである。両コントローラ51,52は、操作されていない場合には初期位置に復帰するように構成されている。
走行コントローラ51は、遠隔操作装置40によるフォークリフト20の走行動作の遠隔操作に用いられるものである。
荷役コントローラ52は、遠隔操作装置40によるフォークリフト20の荷役動作の遠隔操作に用いられるものである。本実施形態では、荷役動作として、リフト動作、リーチ動作及びチルト動作の複数種類の動作が設定されていることに対応させて、荷役コントローラ52は複数(詳細には3つ)設けられている。
荷役コントローラ52は、遠隔操作装置40によるフォークリフト20の荷役動作の遠隔操作に用いられるものである。本実施形態では、荷役動作として、リフト動作、リーチ動作及びチルト動作の複数種類の動作が設定されていることに対応させて、荷役コントローラ52は複数(詳細には3つ)設けられている。
なお、説明の便宜上、以降の説明において、リフト動作に対応する荷役コントローラ52を第1荷役コントローラ52aとし、リーチ動作に対応する荷役コントローラ52を第2荷役コントローラ52bとし、チルト動作に対応する荷役コントローラ52を第3荷役コントローラ52cとする。
本実施形態の産業車両用遠隔操作システム10では、遠隔操作者は、モニタ41に表示される画像を確認しながら両コントローラ51,52を操作することによって、フォークリフト20を直接視認することができない位置からフォークリフト20を遠隔操作することができる。
次に産業車両用遠隔操作システム10の電気的構成について説明する。
図3に示すように、走行コントローラ51は、当該走行コントローラ51に対する操作の一種である第1入力操作としての走行入力操作を検知する走行入力操作検知部51aを備えている。本実施形態では、走行入力操作検知部51aは、走行入力操作として走行コントローラ51の傾倒操作を検知する。詳細には、走行入力操作検知部51aは、走行コントローラ51の傾倒操作が行われているか否かを検知するとともに、傾倒操作が行われている場合には、その傾倒方向及び傾倒角度を検知する。
図3に示すように、走行コントローラ51は、当該走行コントローラ51に対する操作の一種である第1入力操作としての走行入力操作を検知する走行入力操作検知部51aを備えている。本実施形態では、走行入力操作検知部51aは、走行入力操作として走行コントローラ51の傾倒操作を検知する。詳細には、走行入力操作検知部51aは、走行コントローラ51の傾倒操作が行われているか否かを検知するとともに、傾倒操作が行われている場合には、その傾倒方向及び傾倒角度を検知する。
走行コントローラ51は、走行入力操作検知部51aの検知結果が含まれた走行系検知信号SG1を出力する。走行系検知信号SG1には、例えば走行入力操作の有無及び走行入力操作が行われている場合にはその操作態様に関する情報が含まれている。
荷役コントローラ52a〜52cは、荷役コントローラ52a〜52cに対する操作の一種である第2入力操作としての荷役入力操作を検知する荷役入力操作検知部53a〜53cを備えている。本実施形態では、荷役入力操作検知部53a〜53cは、荷役入力操作として荷役コントローラ52a〜52cの傾倒操作を検知する。詳細には、荷役入力操作検知部53a〜53cは、荷役コントローラ52a〜52cの傾倒操作が行われているか否かを検知するとともに、傾倒操作が行われている場合には、その傾倒方向及び傾倒角度を検知する。
荷役コントローラ52a〜52cはそれぞれ、荷役入力操作検知部53a〜53cの検知結果が含まれた荷役系検知信号SG2を出力する。荷役系検知信号SG2には、例えば荷役入力操作の有無及び荷役入力操作が行われている場合にはその操作態様に関する情報が含まれている。
遠隔操作装置40は、第1入力部42と、第2入力部43と、リモートCPU44と、リモートメモリ45と、ルータ46及びハブ47と、画像受信部48と、リモート画像処理部49と、メインAP(アクセスポイント)61と、バックアップAP62と、を備えている。
第1入力部42は、走行コントローラ51から出力された走行系検知信号SG1が入力されるものである。第2入力部43は、各荷役コントローラ52a〜52cから出力された荷役系検知信号SG2が入力されるものである。入力部42,43は、有線通信又は無線通信によってコントローラ51,52と接続されている。
なお、入力部42,43の具体的な構成は任意であるが、例えば、入力部42,43とコントローラ51,52とがケーブルなどの有線通信によって接続されている場合には、入力部42,43は、ケーブルなどが接続されるコネクタであり、無線通信によって接続されている場合には、入力部42,43は、無線の受信装置である。
リモートCPU44は、両入力部42,43と電気的に接続されている。リモートCPU44には、入力部42,43を介して検知信号SG1,SG2が入力される。リモートCPU44は、遠隔操作装置40を用いたフォークリフト20の遠隔操作を行う場合には、フォークリフト20に対して遠隔操作を指示する遠隔指示信号SGxを生成する。
遠隔指示信号SGxの具体的なデータ構造については任意であるが、例えば以下の構成が考えられる。
図4に示すように、遠隔指示信号SGxは、走行動作に関する指示情報である走行指示情報Dx1と、荷役動作に関する指示情報である荷役指示情報Dx2とを含む無線通信形式の信号である。
図4に示すように、遠隔指示信号SGxは、走行動作に関する指示情報である走行指示情報Dx1と、荷役動作に関する指示情報である荷役指示情報Dx2とを含む無線通信形式の信号である。
走行指示情報Dx1とは、例えば走行速度の指示値である速度指示値Dxv、加速度の指示値である加速度指示値Dxα、及び操舵角の指示値である操舵角指示値Dxθを含む。
荷役指示情報Dx2とは、例えばリフト動作の指示値であるリフト指示値Dxfa、リーチ動作の指示値であるリーチ指示値Dxfb、及びチルト動作の指示値であるチルト指示値Dxfcを含む。各指示値Dxfa,Dxfb,Dxfcは動作速度を含む。本実施形態では、各指示値Dxv,Dxfa,Dxfb,Dxfcが「動作速度指示値」に対応する。
画像受信部48、メインAP61及びバックアップAP62は、フォークリフト20と無線通信を行う通信インターフェースであり、例えば1つ以上の専用のハードウェア回路、及び、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ(制御回路)の少なくとも一方によって実現されている。
メインAP61及びバックアップAP62は、ハブ47及びルータ46を介して、リモートCPU44と電気的に接続されている。メインAP61及びバックアップAP62は、リモートCPU44にて生成された遠隔指示信号SGxを送信するのに用いられる。また、メインAP61及びバックアップAP62は、フォークリフト20から送信される車両信号SGyを受信するのに用いられる。
車両信号SGyは、フォークリフト20の状態を示す情報が設定されている信号である。車両信号SGyの具体的なデータ構造については任意であるが、例えば以下の構成が考えられる。
図5に示すように、車両信号SGyは、車両情報として、走行情報Dy1、荷役情報Dy2及び機台情報Dy3を含む。
走行情報Dy1とは、フォークリフト20の走行動作に関する情報を含み、例えば走行速度、加速度、及び操舵角の少なくとも1つに関する情報を含む。荷役情報Dy2とは、フォークリフト20の荷役動作に関する情報を含み、例えばフォーク25の上下方向の位置、マスト24の前後方向の位置又はマスト24の傾斜角度に関する情報と、荷役動作が行われている場合には動作速度に関する情報とを含む。機台情報Dy3は、例えば搭乗者の有無又はフォークリフト20の異常を示す情報を含む。
走行情報Dy1とは、フォークリフト20の走行動作に関する情報を含み、例えば走行速度、加速度、及び操舵角の少なくとも1つに関する情報を含む。荷役情報Dy2とは、フォークリフト20の荷役動作に関する情報を含み、例えばフォーク25の上下方向の位置、マスト24の前後方向の位置又はマスト24の傾斜角度に関する情報と、荷役動作が行われている場合には動作速度に関する情報とを含む。機台情報Dy3は、例えば搭乗者の有無又はフォークリフト20の異常を示す情報を含む。
リモートCPU44は、車両信号SGyに含まれる走行情報Dy1及び荷役情報Dy2に基づいて、フォークリフト20の走行状態及びフォーク25の動作状態を把握できる。更に、リモートCPU44は、車両信号SGyに含まれる機台情報Dy3に基づいて、搭乗者の有無やフォークリフト20の異常の有無を把握できる。
画像受信部48は、フォークリフト20から送信される画像信号SGgを受信するものである。画像信号SGgとは、1又は複数の画像データが設定された信号である。本実施形態では、画像信号SGgに設定されている1又は複数の画像データは、信号処理が行われている。信号処理としては、例えばデータ量を削減する符号化処理である。なお、符号化処理の規格は任意である。
リモート画像処理部49は、モニタ41の表示制御を行うものである。リモート画像処理部49は、画像信号SGgに設定されている画像データに基づいてモニタ41に画像を表示させる。リモート画像処理部49は、画像信号SGgに設定されている画像データからモニタ41に画像を表示させるための処理を実行する。例えば、リモート画像処理部49は、画像受信部48が受信した符号化された1又は複数の画像データの復元処理を実行し、当該復元処理によって復元された画像をモニタ41に表示させる。
本実施形態では、リモートCPU44とリモート画像処理部49とは電気的に接続されている。リモートCPU44は、通信状況に応じて、リモート画像処理部49に向けて所定の表示を指示する表示指示信号を出力するように構成されている。リモート画像処理部49は、リモートCPU44から入力される表示指示信号に基づいて、モニタ41の表示制御を行う。具体的な表示内容については後述する。
図3に示すように、フォークリフト20は、無線ユニット70と、駆動部としての走行アクチュエータ81及び荷役アクチュエータ82と、車両CPU83と、車両メモリ84と、車両画像処理部85と、画像送信部86と、を備えている。
無線ユニット70は、遠隔指示信号SGxを受信するのに用いられるとともに、車両信号SGyを送信するのに用いられる。無線ユニット70は、車両CPU83と電気的に接続されており、車両CPU83と信号のやり取りが可能となっている。
無線ユニット70は、遠隔操作装置40と無線通信を行う通信インターフェースであり、例えば1つ以上の専用のハードウェア回路、及び、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ(制御回路)の少なくとも一方によって実現されている。
無線ユニット70は、メインAP61と信号の送受信を行うメイン無線モジュール71と、バックアップAP62と信号の送受信を行うバックアップ無線モジュール72と、両無線モジュール71,72を制御する無線マイコン73と、無線メモリ74と、を備えている。
無線マイコン73は、メイン無線モジュール71を用いてメインAP61を探索し、メインAP61を発見した場合にはメイン無線モジュール71との通信接続(ペアリング)を確立する。これにより、メイン無線モジュール71とメインAP61とが、パケット通信によって、遠隔指示信号SGx及び車両信号SGyの送受信を行う。
また、無線マイコン73は、バックアップ無線モジュール72を用いてバックアップAP62を探索し、バックアップAP62を発見した場合にはバックアップ無線モジュール72との通信接続(ペアリング)を確立する。これにより、バックアップ無線モジュール72とバックアップAP62とが、パケット通信によって、遠隔指示信号SGx及び車両信号SGyの送受信を行う。
すなわち、無線モジュール71,72とAP61,62とは、互いに通信接続された状況下において遠隔指示信号SGx及び車両信号SGyのやり取りを行うものである。
説明の便宜上、以降の説明において、メイン無線モジュール71とメインAP61とが通信接続されている状態をメイン通信接続状態といい、メイン無線モジュール71とメインAP61とが通信接続されていない状態をメイン未接続状態という。
説明の便宜上、以降の説明において、メイン無線モジュール71とメインAP61とが通信接続されている状態をメイン通信接続状態といい、メイン無線モジュール71とメインAP61とが通信接続されていない状態をメイン未接続状態という。
同様に、バックアップ無線モジュール72とバックアップAP62とが通信接続されている状態をバックアップ通信接続状態といい、バックアップ無線モジュール72とバックアップAP62とが通信接続されていない状態をバックアップ未接続状態という。
換言すれば、通信接続状態とは、無線モジュール71,72とAP61,62との間で遠隔操作に関する信号(例えば遠隔指示信号SGx又は車両信号SGy)のやり取りを行うことができる状態である。一方、未接続状態とは、無線モジュール71,72とAP61,62との間で遠隔操作に関する信号のやり取りを行うことが規制(又は禁止)されている一方、通信接続するのに必要な信号のやり取りを行うことができる状態である。
ここで、図6を用いて、メイン無線モジュール71とメインAP61との無線通信(以下、「メイン無線通信」という。)と、バックアップ無線モジュール72とバックアップAP62との無線通信(以下、「バックアップ無線通信」という。)との違いについて説明する。
本実施形態では、メイン無線通信で使用される第1周波数帯域f1min〜f1maxと、バックアップ無線通信で使用される第2周波数帯域f2min〜f2maxとが異なっている。詳細には、メイン無線モジュール71とメインAP61とは、第1周波数帯域f1min〜f1maxにて無線通信を行うものである。換言すれば、メイン無線モジュール71とメインAP61とは、第1周波数帯域f1min〜f1maxの無線通信に対応させて構成された無線通信部である。
第1周波数帯域f1min〜f1maxは、例えばWi−Fi(換言すればIEEE802.11規格の無線LAN)に対応する周波数帯域である。すなわち、本実施形態におけるメイン無線モジュール71とメインAP61との無線通信形式はWi−Fiである。
なお、Wi−Fiには、IEEE802.11aやIEEE802.11ac等といった複数の規格が存在するが、メイン無線モジュール71とメインAP61との無線通信形式は上記複数の規格のうちいずれでもよい。この場合、メイン無線モジュール71は、汎用品のアンテナ付き無線LANモジュールでもよい。
バックアップ無線モジュール72とバックアップAP62とは、第1周波数帯域f1min〜f1maxよりも低い第2周波数帯域f2min〜f2maxにて無線通信を行うものである。換言すれば、バックアップ無線モジュール72とバックアップAP62とは、第2周波数帯域f2min〜f2maxにおける無線通信に対応させて構成された無線通信部である。
本実施形態では、第2周波数帯域f2min〜f2maxの最大値である第2最大周波数f2maxは、第1周波数帯域f1min〜f1maxの最小値である第1最小周波数f1minよりも小さい。このため、第1周波数帯域f1min〜f1maxと第2周波数帯域f2min〜f2maxとは重なっていない。なお、第1周波数帯域f1min〜f1max及び第2周波数帯域f2min〜f2maxの具体的な数値は任意である。
また、メイン無線モジュール71とメインAP61との無線通信形式については、Wi−Fiに限られず、任意であり、例えばBluetooth(登録商標)やZigbee(登録商標)等であってもよい。同様に、バックアップ無線モジュール72とバックアップAP62との無線通信形式は、任意である。
周波数帯域の違いに起因して、メイン無線通信は、バックアップ無線通信と比較して、電波の到達性が悪い一方、単位時間当たりに送信可能なデータ量が大きくなり易い。このため、メイン無線通信の方がバックアップ無線通信よりも、通信速度は高くなり易い。換言すれば、バックアップ無線通信は、メイン無線通信と比較して、到達性に優れている一方、通信速度は低くなり易い。
なお、電波の到達性とは、信号の送受信が可能な距離に限られず、障害物がある状況において信号の送受信が正常に行われるといった回り込み特性も含む。
本実施形態では、メイン無線モジュール71、メインAP61及びメイン無線通信が、「第1車両通信部」、「第1リモート通信部」及び「第1無線通信」に対応し、バックアップ無線モジュール72、バックアップAP62及びバックアップ無線通信が、「第2車両通信部」、「第2リモート通信部」及び「第2無線通信」に対応する。
本実施形態では、メイン無線モジュール71、メインAP61及びメイン無線通信が、「第1車両通信部」、「第1リモート通信部」及び「第1無線通信」に対応し、バックアップ無線モジュール72、バックアップAP62及びバックアップ無線通信が、「第2車両通信部」、「第2リモート通信部」及び「第2無線通信」に対応する。
無線マイコン73は、両無線モジュール71,72のいずれかが遠隔指示信号SGxを受信した場合には、無線メモリ74に設けられている受信バッファ74aに遠隔指示信号SGxを保存する。受信バッファ74aは、1又は複数の遠隔指示信号SGxを記憶可能な記憶領域であり、本実施形態では複数の遠隔指示信号SGxを記憶するものである。
図3に示すように、無線マイコン73は、車両CPU83と電気的に接続されている。無線マイコン73は、車両CPU83からの要求に基づいて、受信バッファ74aに記憶されている遠隔指示信号SGxを車内通信規格の制御信号に変換し、制御信号を車両CPU83に出力する。
制御信号には、遠隔指示信号SGxに設定されていた走行指示情報Dx1及び荷役指示情報Dx2が設定されている。なお、車内通信規格は任意であるが、例えばCAN規格であり、制御信号は例えばCAN信号である。
走行アクチュエータ81は、フォークリフト20の第1動作(詳細には走行動作)を行わせる第1動作駆動部(詳細には走行動作駆動部)である。走行アクチュエータ81は、車輪22を回転駆動させるとともに操舵角(進行方向)を変更させるものである。
なお、例えばフォークリフト20がエンジンタイプであれば、走行アクチュエータ81はエンジン及び操作角を変更する操舵装置等であり、例えばフォークリフト20が蓄電装置を有するEVタイプであれば、走行アクチュエータ81は車輪22を回転駆動させる電動モータ及び操舵装置等である。
荷役アクチュエータ82は、第2動作(詳細には荷役動作)を行わせる第2動作駆動部(詳細には荷役動作駆動部)である。荷役アクチュエータ82は、マスト24及びフォーク25を駆動させるものである。詳細には、荷役アクチュエータ82は、リフト動作、リーチ動作及びチルト動作が行われるようにマスト24及びフォーク25を駆動させるものである。
車両CPU83は、車両メモリ84に記憶されている各種プログラムを実行することにより、フォークリフト20の動作に関する制御を行うものである。例えば、車両CPU83は、車両メモリ84に記憶されている車両制御プログラム84aを実行することにより、両無線モジュール71,72のいずれかによって受信された遠隔指示信号SGx、詳細には当該遠隔指示信号SGxを変換することによって得られる制御信号に基づいて両アクチュエータ81,82の駆動制御を行う。
例えば、車両CPU83は、遠隔指示信号SGx(詳細には制御信号)に設定されている走行動作に関する指示値Dxv,Dxα,Dxθに基づいて、走行アクチュエータ81を駆動制御する。これにより、走行入力操作に対応した走行動作が行われる。
同様に、車両CPU83は、遠隔指示信号SGx(詳細には制御信号)に設定されている荷役動作に関する指示値Dxfa,Dxfb,Dxfcに基づいて、荷役アクチュエータ82を駆動制御する。これにより、荷役入力操作に対応した荷役動作が行われる。
以上のことから、遠隔操作装置40によるフォークリフト20の遠隔操作が行われる。つまり、フォークリフト20は、遠隔操作装置40から送信される遠隔指示信号SGxによって遠隔操作される。換言すれば、車両CPU83は、両無線モジュール71,72のいずれかによって受信された遠隔指示信号SGxに対応した動作が行われるようにフォークリフト20の駆動制御を行う駆動制御部とも言える。また、車両制御プログラム84aは、車両CPU83を駆動制御部として機能させる産業車両用遠隔操作プログラムの一種であるとも言える。
なお、車両CPU83は、遠隔指示信号SGxに基づいて当該フォークリフト20の駆動制御を行うことができれば、その具体的な駆動制御態様は任意である。同様に、車両制御プログラム84aの具体的な構成も任意である。
また、フォークリフト20は、各種センサを有している。車両CPU83は、各種センサの検知結果に基づいて車両状態を把握し、その把握結果に対応した車両情報が設定された制御信号を無線ユニット70に出力する処理を繰り返し実行している。無線マイコン73は、車両CPU83から車両情報が設定された制御信号が入力される度に、当該制御信号を車両信号SGyに変換し、両無線モジュール71,72のいずれかを用いて車両信号SGyを送信する。
本実施形態では、無線マイコン73は、メイン通信接続状態である場合には、メイン無線モジュール71を用いて車両信号SGyをメインAP61に向けて定期的に送信する。一方、無線マイコン73は、メイン通信接続状態ではなくバックアップ通信接続状態である場合には、バックアップ無線モジュール72を用いて車両信号SGyをバックアップAP62に向けて定期的に送信する。これにより、メイン通信接続状態及びバックアップ通信接続状態の少なくとも一方である状況下では、フォークリフト20から遠隔操作装置40に向けて車両信号SGyが定期的に送信される。なお、無線マイコン73は、メイン未接続状態及びバックアップ未接続状態である場合には、車両信号SGyを送信しない。
かかる構成によれば、リモートCPU44は、両AP61,62のうちいずれかによって受信される車両信号SGyに基づいて、現在のフォークリフト20の走行状況及び荷役動作状況を把握できる。
車両画像処理部85は、複数のカメラ31〜36と電気的に接続されており、複数のカメラ31〜36で撮影された各画像データが全て入力される。
車両画像処理部85は、画像送信部86から画像受信部48へ送信される画像データが設定された画像信号SGgを生成する。本実施形態の車両画像処理部85は、複数の画像データに対して信号処理(詳細には符号化処理)を実行し、その画像データが設定された画像信号SGgを画像送信部86に向けて出力する。
車両画像処理部85は、画像送信部86から画像受信部48へ送信される画像データが設定された画像信号SGgを生成する。本実施形態の車両画像処理部85は、複数の画像データに対して信号処理(詳細には符号化処理)を実行し、その画像データが設定された画像信号SGgを画像送信部86に向けて出力する。
画像送信部86は、遠隔操作装置40と無線通信を行う通信インターフェースであり、例えば1つ以上の専用のハードウェア回路、及び、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ(制御回路)の少なくとも一方によって実現されている。
画像送信部86は、画像信号SGgを画像受信部48に向けて送信するものである。詳細には、画像送信部86は、登録済みの画像受信部48を探索し、探索された画像受信部48と通信接続(ペアリング)を確立する。そして、画像送信部86は、画像受信部48との通信接続が完了したことに基づいて、画像信号SGgを定期的に送信する。これにより、モニタ41に最新の画像(換言すればリアルタイムの画像)が表示される。
なお、本実施形態では、画像送信部86と画像受信部48との通信接続は、無線モジュール71,72とAP61,62との通信接続状態に関わらず、独立して行われる。つまり、遠隔指示信号SGxの送受信と、画像信号SGgの送受信とはそれぞれ独立して行われる。
但し、これに限られず、画像送信部86及び画像受信部48の通信接続と、無線モジュール71,72及びAP61,62の通信接続とが同期していてもよい。例えば、メイン通信接続状態又はバックアップ通信接続状態となることによって画像送信部86及び画像受信部48の通信接続が確立され、両通信接続状態が解除(切断)されることによって画像送信部86及び画像受信部48の通信接続が解除(切断)されてもよい。
また、画像送信部86及び画像受信部48の無線通信形式は、メイン無線モジュール71及びメインAP61間の無線通信形式と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
本実施形態の産業車両用遠隔操作システム10は、メイン無線通信を用いたフォークリフト20の遠隔操作が優先的に行われ、メイン無線通信が使用できない場合にバックアップ無線通信を用いたフォークリフト20の遠隔操作が行われるように構成されている。この点について、以下に詳細に説明する。
本実施形態の産業車両用遠隔操作システム10は、メイン無線通信を用いたフォークリフト20の遠隔操作が優先的に行われ、メイン無線通信が使用できない場合にバックアップ無線通信を用いたフォークリフト20の遠隔操作が行われるように構成されている。この点について、以下に詳細に説明する。
リモートメモリ45には、メインAP61とメイン無線モジュール71との無線通信、及び、バックアップAP62とバックアップ無線モジュール72との無線通信に関する制御を行うためのリモート通信制御処理プログラム45aが記憶されている。リモート通信制御処理プログラム45aは、産業車両用遠隔操作プログラムの一種であり、リモートCPU44にてリモート通信制御処理を実行させるためのプログラムである。
図7を用いてリモート通信制御処理について説明する。リモート通信制御処理は定期的に実行されるものである。
図7に示すように、リモートCPU44は、まずステップS101にて、メイン通信接続状態であるか否かを判定する。
図7に示すように、リモートCPU44は、まずステップS101にて、メイン通信接続状態であるか否かを判定する。
詳細には、リモートメモリ45には、メイン通信接続状態であるか否かを特定するためのリモートメイン通信情報が記憶されている。リモートCPU44は、リモートメイン通信情報を参照することにより、メイン通信接続状態であるか否かを判定する。
リモートCPU44は、メイン通信接続状態ではない場合には、ステップS102に進み、メインAP61に対してメイン無線モジュール71から接続要求があるか否かを判定する。
詳細には、本実施形態では、メイン無線モジュール71は、メインAP61との通信接続条件が成立した場合にメイン接続信号を送信するように構成されている。このため、リモートCPU44は、ステップS102では、メインAP61がメイン接続信号を受信しているか否かを判定する。
リモートCPU44は、メインAP61がメイン接続信号を受信していない場合にはステップS106に進む一方、メインAP61がメイン接続信号を受信している場合には、ステップS103にて、通信状態をメイン通信接続状態に設定する。詳細には、リモートCPU44は、リモートメイン通信情報を、メイン通信接続状態に対応した情報に更新する。換言すれば、リモートCPU44は、メインAP61とメイン無線モジュール71との無線通信(メイン無線通信)にて信号の送受信を行うことを認証するとも言える。
一方、リモートCPU44は、メイン通信接続状態である場合には、ステップS101を肯定判定し、ステップS104にて、メイン無線通信が途絶しているか否かを判定する。
既に説明したとおり、産業車両用遠隔操作システム10は、メイン通信接続状態である状況下では、メイン無線モジュール71からメインAP61に向けて車両信号SGyが所定の周期で送信されるように構成されている。かかる構成において、リモートCPU44は、例えば、メインAP61が車両信号SGyを受信してから上記所定の周期よりも長い規定期間以上に亘って車両信号SGyを受信していないか否かを判定する。
リモートCPU44は、メインAP61が車両信号SGyを受信してから上記規定期間が経過していない場合には、メイン無線通信は途絶していない、換言すればメイン無線通信が継続しているとしてステップS106に進む。
一方、メインAP61が上記規定期間以上に亘って車両信号SGyを受信していない場合には、リモートCPU44は、メイン無線通信が途絶していると判定し、ステップS105にて、メイン通信接続状態を解除してステップS106に進む。詳細には、リモートCPU44は、リモートメイン通信情報を、メイン未接続状態に対応した情報に更新する。
なお、ステップS104の処理は、上記構成に限られない。例えば、メイン無線モジュール71は、遠隔指示信号SGxを正常に受信したことに基づいて、正常に受信したことを示すACK信号をメインAP61に向けて送信する構成でもよい。この場合、リモートCPU44は、メインAP61から遠隔指示信号SGxが送信されてから規定期間以上に亘ってACK信号を受信していないか否かを判定してもよい。
図7に示すように、リモートCPU44は、ステップS106では、バックアップ通信接続状態であるか否かを判定する。
詳細には、リモートメモリ45には、バックアップ通信接続状態であるか否かを特定するためのリモートバックアップ通信情報が記憶されている。リモートCPU44は、リモートバックアップ通信情報を参照することにより、バックアップ通信接続状態であるか否かを判定する。
詳細には、リモートメモリ45には、バックアップ通信接続状態であるか否かを特定するためのリモートバックアップ通信情報が記憶されている。リモートCPU44は、リモートバックアップ通信情報を参照することにより、バックアップ通信接続状態であるか否かを判定する。
リモートCPU44は、バックアップ通信接続状態ではない場合には、ステップS107にて、バックアップAP62に対してバックアップ無線モジュール72から接続要求があるか否かを判定する。
詳細には、本実施形態では、バックアップ無線モジュール72は、バックアップAP62との通信接続条件が成立した場合にバックアップ接続信号を送信するように構成されている。このため、リモートCPU44は、ステップS107では、バックアップAP62がバックアップ接続信号を受信しているか否かを判定する。
リモートCPU44は、バックアップAP62がバックアップ接続信号を受信していない場合には本リモート通信制御処理を終了する。一方、リモートCPU44は、バックアップAP62がバックアップ接続信号を受信している場合には、ステップS108にて、通信状態をバックアップ通信接続状態に設定して、本リモート通信制御処理を終了する。詳細には、リモートCPU44は、リモートバックアップ通信情報を、バックアップ通信接続状態に対応した情報に更新する。換言すれば、リモートCPU44は、バックアップAP62とバックアップ無線モジュール72との無線通信(バックアップ無線通信)にて信号の送受信を行うことを認証するとも言える。
一方、リモートCPU44は、バックアップ通信接続状態である場合には、ステップS106を肯定判定し、ステップS109にて、メイン通信接続状態であるか否かを判定する。
リモートCPU44は、メイン通信接続状態である場合にはそのまま本リモート通信制御処理を終了する一方、メイン通信接続状態ではない場合には、ステップS110に進み、バックアップ無線通信が途絶しているか否かを判定する。
既に説明したとおり、本実施形態の産業車両用遠隔操作システム10は、メイン未接続状態且つバックアップ通信接続状態である状況下では、バックアップ無線モジュール72からバックアップAP62に向けて車両信号SGyが所定の周期で送信されるように構成されている。かかる構成において、リモートCPU44は、ステップS110では、例えばバックアップAP62が車両信号SGyを受信してから上記所定の周期よりも長い規定期間以上に亘って車両信号SGyを受信していないか否かを判定する。
リモートCPU44は、バックアップAP62が車両信号SGyを受信してから上記規定期間が経過していない場合には、バックアップ無線通信は途絶していないとしてそのまま本リモート通信制御処理を終了する。
一方、リモートCPU44は、バックアップAP62が上記規定期間以上に亘って車両信号SGyを受信していない場合には、バックアップ無線通信が途絶していると判定し、ステップS111にて、バックアップ通信接続状態を解除して本リモート通信制御処理を終了する。詳細には、リモートCPU44は、リモートバックアップ通信情報を、バックアップ未接続状態に対応した情報に更新する。
なお、ステップS110の処理は、上記構成に限られない。例えば、バックアップ無線モジュール72は、遠隔指示信号SGxを正常に受信したことに基づいて、正常に受信したことを示すACK信号をバックアップAP62に向けて送信する構成でもよい。この場合、リモートCPU44は、バックアップAP62から遠隔指示信号SGxが送信されてから規定期間以上に亘ってACK信号を受信していないか否かを判定してもよい。
次に、リモートメモリ45に記憶されているリモート遠隔制御処理プログラム45bについて説明する。リモート遠隔制御処理プログラム45bは、遠隔操作装置40を用いてフォークリフト20を遠隔操作するための産業車両用遠隔操作プログラムの一種であり、詳細には遠隔指示信号SGxの生成/送信等を行うリモート遠隔制御処理を実行するためのプログラムである。リモートCPU44は、リモート遠隔制御処理を実行することにより、遠隔指示信号SGxの生成/送信を行う。
図8を用いてリモート遠隔制御処理について説明する。リモート遠隔制御処理は定期的に実行されるものである。
図8に示すように、リモートCPU44は、ステップS201にて、メイン通信接続状態であるか否かを判定する。
図8に示すように、リモートCPU44は、ステップS201にて、メイン通信接続状態であるか否かを判定する。
リモートCPU44は、メイン通信接続状態である場合には、ステップS202に進み、メイン無線通信を用いた遠隔操作が行われていること、詳細にはメイン無線通信を用いて信号の送受信を行っていることを報知する。詳細には、リモートCPU44は、モニタ41において、メイン無線通信を用いて信号の送受信を行っている旨の表示であるメイン表示を行う。
本実施形態では、例えばリモートCPU44は、メイン表示に対応した表示指示信号をリモート画像処理部49に対して出力する。これにより、リモート画像処理部49は、モニタ41にてメイン表示を行う。
続くステップS203では、リモートCPU44は、走行入力操作及び荷役入力操作を把握する。
詳細には、リモートCPU44は、走行コントローラ51から入力される走行系検知信号SG1に基づいて、走行入力操作の有無及び走行入力操作が行われている場合にはその操作態様を把握する。
詳細には、リモートCPU44は、走行コントローラ51から入力される走行系検知信号SG1に基づいて、走行入力操作の有無及び走行入力操作が行われている場合にはその操作態様を把握する。
走行入力操作の操作態様とは、走行コントローラ51の操作方向及び操作量を含む。本実施形態では、走行入力操作の操作態様は、走行コントローラ51の傾倒方向及び傾倒角度(換言すればストローク量)を含む。これにより、リモートCPU44は、走行コントローラ51がどちらの方向に傾倒されたのかを把握できるとともに、どれだけ傾倒されたのかを把握できる。なお、以降の説明において、走行コントローラ51の操作量を走行操作量という。
同様に、リモートCPU44は、各荷役コントローラ52a〜52cから入力される荷役系検知信号SG2に基づいて、荷役入力操作の有無及び荷役入力操作が行われている場合にはその操作態様を把握する。
荷役入力操作の操作態様とは、荷役コントローラ52a〜52cの操作方向及び操作量を含む。本実施形態では、荷役入力操作の操作態様は、荷役コントローラ52a〜52cの傾倒方向及び傾倒角度を含む。これにより、リモートCPU44は、荷役コントローラ52a〜52cがどちらの方向に傾倒されたのかを把握できるとともに、どれだけ傾倒されたのかを把握できる。なお、以降の説明において、第1荷役コントローラ52aの操作量を第1荷役操作量といい、第2荷役コントローラ52bの操作量を第2荷役操作量といい、第3荷役コントローラ52cの操作量を第3荷役操作量という。
その後、ステップS204にて、リモートCPU44は、ステップS203の把握結果に基づいて、メイン通信接続状態である条件下における各指示値Dxv,Dxα,Dxθ,Dxfa,Dxfb,Dxfcを導出するメイン指示値導出処理を実行する。
詳細には、リモートCPU44は、走行入力操作の操作態様に基づいて、走行速度指示値Dxv等を導出する。例えば、リモートCPU44は、走行コントローラ51の初期位置(ニュートラル位置)からの操作方向に対応させて前進/後退を決定する。また、リモートCPU44は、走行コントローラ51の走行操作量(本実施形態では走行コントローラ51の傾倒角度)に対応させて走行速度指示値Dxvを導出する。
ここで、本実施形態では、リモートCPU44は、第1走行上限速度vr1の範囲内でフォークリフト20が走行するように走行速度指示値Dxvを導出する。
例えば、リモートCPU44は、走行操作量に応じて走行速度指示値Dxvを変更する。詳細には、図9の実線で示すように、リモートCPU44は、走行操作量が大きくなるに従って走行速度指示値Dxvを大きくする。より具体的には、メイン通信接続状態における単位走行操作量当たりの走行速度指示値Dxvの変化量を第1単位変化量δv1とする。本実施形態では、第1単位変化量δv1は、図9における実線の傾きである。リモートCPU44は、走行操作量と第1単位変化量δv1とに基づいて走行速度指示値Dxvを導出する。
例えば、リモートCPU44は、走行操作量に応じて走行速度指示値Dxvを変更する。詳細には、図9の実線で示すように、リモートCPU44は、走行操作量が大きくなるに従って走行速度指示値Dxvを大きくする。より具体的には、メイン通信接続状態における単位走行操作量当たりの走行速度指示値Dxvの変化量を第1単位変化量δv1とする。本実施形態では、第1単位変化量δv1は、図9における実線の傾きである。リモートCPU44は、走行操作量と第1単位変化量δv1とに基づいて走行速度指示値Dxvを導出する。
かかる構成において、リモートCPU44は、走行操作量が最大である場合に走行速度指示値Dxvが第1走行上限速度vr1となるように第1単位変化量δv1を調整する。換言すれば、リモートCPU44は、メイン通信接続状態では、走行操作量に基づいて第1走行上限速度vr1以下の走行速度指示値Dxvを導出する。
また、リモートCPU44は、車両信号SGyに基づいて、フォークリフト20の走行速度を把握する。フォークリフト20の走行速度には「0」を含む。なお、フォークリフト20の走行速度が「0」である場合とは、フォークリフト20が走行停止中である場合に対応する。
そして、リモートCPU44は、現在の走行速度と走行速度指示値Dxvとに基づいて加速度指示値Dxαを導出する。例えば、リモートCPU44は、走行速度指示値Dxvが現在の走行速度よりも大きい場合には、加速に対応したものであって両者の差が大きくなるほど大きな絶対値の加速度指示値Dxαを導出する。
一方、リモートCPU44は、走行速度指示値Dxvが現在の走行速度よりも小さい場合には、減速に対応したものであって両者の差が大きくなるほど大きな絶対値の加速度指示値Dxαを導出する。すなわち、リモートCPU44は、減速時には、走行速度指示値Dxvと走行速度との差が大きいほど制動力が大きく働くように加速度指示値Dxαを導出する。
ちなみに、本実施形態のリモートCPU44は、走行コントローラ51を初期位置にする操作が行われている場合には、走行停止に対応した走行速度指示値Dxv(例えば「0」)を導出する。
既に説明したとおり、走行コントローラ51は、走行入力操作が行われていない場合、詳細には走行コントローラ51が把持されておらず走行コントローラ51の操作が行われていない場合には、初期位置に復帰するように構成されている。このため、リモートCPU44は、走行入力操作が行われていない場合には、走行停止に対応した走行速度指示値Dxv(例えば「0」)を導出する。したがって、仮にフォークリフト20が走行中に走行入力操作が行われなくなると、フォークリフト20は減速して停止する。
本実施形態では、傾倒していた走行コントローラ51を初期位置に戻す操作が走行停止操作といえる。当該走行停止操作は、動作停止操作の一種である。走行停止操作は、操作者が自ら走行コントローラ51を初期位置に戻すことを含むとともに、傾倒させていた走行コントローラ51から手を離すことを含む。
なお、操舵角指示値Dxθの導出態様は任意であるが、例えば走行コントローラ51が360°に傾倒可能に構成されている場合には、リモートCPU44は、走行コントローラ51の傾倒方向に基づいて操舵角指示値Dxθを導出してもよい。また、両コントローラ51,52とは別に操舵角を制御するコントローラが設けられている場合には、リモートCPU44は、当該コントローラの操作態様に基づいて操舵角指示値Dxθを導出してもよい。
リモートCPU44は、荷役入力操作の操作態様に基づいて、荷役動作に関する各指示値Dxfa,Dxfb,Dxfcを導出する。例えば、リモートCPU44は、荷役コントローラ52a〜52cの操作方向に対応させて動作方向を決定し、荷役操作量(本実施形態では荷役コントローラ52a〜52cの傾倒角度)に対応させて荷役動作の動作速度を導出する。
例えば、リモートCPU44は、第1荷役コントローラ52aが操作されている場合には、第1荷役コントローラ52aの操作方向に基づいてリフト動作の動作方向(詳細には上昇/下降)を決定し、第1荷役操作量(本実施形態では第1荷役コントローラ52aの傾倒角度)に対応させてリフト動作の動作速度を導出する。そして、リモートCPU44は、リフト動作の動作方向及び動作速度に対応したリフト指示値Dxfaを導出する。
ここで、本実施形態では、リモートCPU44は、第1リフト上限速度va1の範囲内でリフト動作が行われるようにリフト指示値Dxfaを導出する。
例えば、リモートCPU44は、第1荷役操作量に応じてリフト指示値Dxfaを変更するものであり、詳細には、走行速度指示値Dxvと同様に、第1荷役操作量が大きくなるに従ってリフト動作の動作速度が大きくなるようにリフト指示値Dxfaを導出する。
例えば、リモートCPU44は、第1荷役操作量に応じてリフト指示値Dxfaを変更するものであり、詳細には、走行速度指示値Dxvと同様に、第1荷役操作量が大きくなるに従ってリフト動作の動作速度が大きくなるようにリフト指示値Dxfaを導出する。
かかる構成において、リモートCPU44は、第1荷役操作量が最大である場合に第1リフト上限速度va1に対応したリフト指示値Dxfaが導出されるように第1荷役操作量に対するリフト動作速度の変化量を調整する。
また、リモートCPU44は、リフト動作中にリフト停止操作が行われた場合には、リフト動作が停止するようにリフト指示値Dxfaを導出する。リフト停止操作とは、動作停止操作の一種であり、例えば傾倒していた第1荷役コントローラ52aを初期位置に戻すことである。なお、リフト停止操作は、操作者が自ら第1荷役コントローラ52aを初期位置に戻すことに限られず、傾倒していた第1荷役コントローラ52aから手を離すことも含む。
同様に、リモートCPU44は、第2荷役コントローラ52bが操作されている場合には、第2荷役コントローラ52bの操作方向に基づいてリーチ動作の動作方向(詳細には前方移動/後方移動)を決定し、第2荷役操作量(本実施形態では第2荷役コントローラ52bの傾倒角度)に対応させてリーチ動作の動作速度を導出する。そして、リモートCPU44は、リーチ動作の動作方向及び動作速度に対応したリーチ指示値Dxfbを導出する。
かかる構成において、リモートCPU44は、第1リーチ上限速度vb1の範囲内でリーチ動作が行われるようにリーチ指示値Dxfbを導出する。詳細な導出態様については、リフト指示値Dxfaの導出と同様であるため、説明を省略する。
リモートCPU44は、第3荷役コントローラ52cが操作されている場合には、第3荷役コントローラ52cの操作方向に基づいてチルト動作の動作方向(詳細には前方傾斜/後方傾斜)を決定し、第3荷役操作量(本実施形態では第3荷役コントローラ52cの傾倒角度)に対応させてチルト動作の動作速度を導出する。そして、リモートCPU44は、チルト動作の動作方向及び動作速度に対応したチルト指示値Dxfcを導出する。
かかる構成において、リモートCPU44は、第1チルト上限速度vc1の範囲内でチルト動作が行われるようにチルト指示値Dxfcを導出する。詳細な導出態様については、リフト指示値Dxfaの導出と同様であるため、説明を省略する。
以上のとおり、リモートCPU44は、各荷役コントローラ52a〜52cの操作に対応させて、荷役指示情報Dx2の指示値Dxfa〜Dxfcを導出する。
その後、リモートCPU44は、ステップS205では、ステップS204にて導出された各指示値Dxv,Dxα,Dxθ,Dxfa,Dxfb,Dxfcが設定された遠隔指示信号SGxを生成し、メインAP61を用いて、生成された遠隔指示信号SGxをメイン無線モジュール71に向けて送信する処理を実行する。そして、リモートCPU44は、本リモート遠隔制御処理を終了する。
その後、リモートCPU44は、ステップS205では、ステップS204にて導出された各指示値Dxv,Dxα,Dxθ,Dxfa,Dxfb,Dxfcが設定された遠隔指示信号SGxを生成し、メインAP61を用いて、生成された遠隔指示信号SGxをメイン無線モジュール71に向けて送信する処理を実行する。そして、リモートCPU44は、本リモート遠隔制御処理を終了する。
なお、リモートCPU44は、走行入力操作及び荷役入力操作の双方が行われていない場合には、走行動作及び荷役動作の双方を停止又は停止状態を維持する動作停止情報が設定された遠隔指示信号SGxを生成して、メインAP61を用いて送信する。
ここで、説明の便宜上、メイン通信接続状態において送信される遠隔指示信号SGxをメイン遠隔指示信号SGx1という。メイン遠隔指示信号SGx1は、メインAP61によって送信される遠隔指示信号SGxであり、走行速度が第1走行上限速度vr1に制限され且つ荷役動作の動作速度が第1上限速度va1,vb1,vc1に制限された遠隔指示信号SGxである。
リモートCPU44は、メイン通信接続状態ではない場合、すなわちメイン未接続状態である場合にはステップS201を否定判定し、ステップS206に進み、バックアップ通信接続状態であるか否かを判定する。
リモートCPU44は、バックアップ通信接続状態である場合には、ステップS207に進み、バックアップ無線通信を用いた遠隔操作が行われていること、詳細にはバックアップ無線通信を用いて信号の送受信を行っていることを示す報知の一例としてバックアップ表示を行う。例えば、リモートCPU44は、バックアップ表示として、モニタ41に、バックアップ無線通信を用いて信号の送受信を行っている旨を表示させる。
本実施形態では、リモートCPU44は、バックアップ表示に対応した表示指示信号をリモート画像処理部49に対して出力する。これにより、リモート画像処理部49は、モニタ41にてバックアップ表示を行う。
なお、メイン表示及びバックアップ表示の具体的態様は任意であり、例えば文字表示であってもよいし、モニタ41の背景色を異ならせるといったことでもよい。要は、メイン無線通信及びバックアップ無線通信のいずれの無線通信を用いて信号の送受信が行われているかを区別できるように、メイン表示とバックアップ表示とで表示態様が異なっていればよい。
また、遠隔操作で使用している無線通信の報知態様は、モニタ41の表示に限られず、音など任意である。また、遠隔操作で使用している無線通信の報知は、遠隔操作装置40に限られず、フォークリフト20において行われてもよいし、遠隔操作装置40及びフォークリフト20の双方において行われてもよい。更に、バックアップ表示(換言すればバックアップ報知)は、通信速度が低いこと、又は、フォークリフト20の応答性が悪くなっていることを示す表示(報知)でもよい。
続くステップS208では、リモートCPU44は、走行入力操作及び荷役入力操作を把握する。ステップS208の処理は、ステップS203の処理と同一である。
その後、ステップS209にて、リモートCPU44は、ステップS208の把握結果に基づいて、バックアップ通信接続状態である条件下における各指示値Dxv,Dxα,Dxθ,Dxfa,Dxfb,Dxfcを導出するバックアップ指示値導出処理を実行する。バックアップ指示値導出処理では、リモートCPU44は、メイン無線通信を用いた遠隔操作の遠隔操作態様とバックアップ無線通信を用いた遠隔操作の遠隔操作態様とが異なるようにメイン指示値導出処理とは異なる各指示値Dxv,Dxα,Dxθ,Dxfa,Dxfb,Dxfcを導出し得る。
その後、ステップS209にて、リモートCPU44は、ステップS208の把握結果に基づいて、バックアップ通信接続状態である条件下における各指示値Dxv,Dxα,Dxθ,Dxfa,Dxfb,Dxfcを導出するバックアップ指示値導出処理を実行する。バックアップ指示値導出処理では、リモートCPU44は、メイン無線通信を用いた遠隔操作の遠隔操作態様とバックアップ無線通信を用いた遠隔操作の遠隔操作態様とが異なるようにメイン指示値導出処理とは異なる各指示値Dxv,Dxα,Dxθ,Dxfa,Dxfb,Dxfcを導出し得る。
詳細には、リモートCPU44は、ステップS204と同様に、走行入力操作の操作態様に基づいて、走行速度指示値Dxvを導出する。
ここで、本実施形態では、リモートCPU44は、第2走行上限速度vr2の範囲内でフォークリフト20が走行するように走行速度指示値Dxvを導出する。第2走行上限速度vr2は、第1走行上限速度vr1よりも低い。
ここで、本実施形態では、リモートCPU44は、第2走行上限速度vr2の範囲内でフォークリフト20が走行するように走行速度指示値Dxvを導出する。第2走行上限速度vr2は、第1走行上限速度vr1よりも低い。
詳細には、図9の一点鎖線に示すように、リモートCPU44は、走行操作量が大きくなるに従って走行速度指示値Dxvを大きくする。より具体的には、バックアップ通信接続状態における単位走行操作量当たりの走行速度指示値Dxvの変化量を第2単位変化量δv2とする。本実施形態では、第2単位変化量δv2は、図9における一点鎖線の傾きである。リモートCPU44は、走行操作量と第2単位変化量δv2とに基づいて走行速度指示値Dxvを導出する。
かかる構成において、リモートCPU44は、走行操作量が最大である場合に走行速度指示値Dxvが第2走行上限速度vr2となるように第2単位変化量δv2を調整する。換言すれば、リモートCPU44は、バックアップ通信接続状態では、走行操作量に基づいて第2走行上限速度vr2以下の走行速度指示値Dxvを導出する。
ここで、第2単位変化量δv2は、第1単位変化量δv1よりも小さい。このため、メイン通信接続状態とバックアップ通信接続状態との双方において走行コントローラ51の操作範囲は同一である条件下にて、第2走行上限速度vr2が第1走行上限速度vr1よりも低くなっている。
なお、フォークリフト20は、走行速度指示値Dxvの走行速度になるように走行するように構成されていることを鑑みれば、単位変化量δv1,δv2は、単位走行操作量当たりの走行速度の変化量といえる。
また、リモートCPU44は、車両信号SGyに基づいて、フォークリフト20の走行速度を把握し、現在の走行速度と走行速度指示値Dxvとに基づいて加速度指示値Dxαを導出し、更に操舵角指示値Dxθを導出する。加速度指示値Dxα及び操舵角指示値Dxθの導出は、ステップS204と同様である。
更に、リモートCPU44は、ステップS204と同様に、荷役入力操作の操作態様に基づいて、荷役動作に関する各指示値Dxfa,Dxfb,Dxfcを導出する。本実施形態では、リモートCPU44は、ステップS209では、ステップS204よりも(換言すればメイン通信接続状態である場合よりも)、荷役動作の動作速度が制限されるように各指示値Dxfa,Dxfb,Dxfcを導出する。
例えば、リモートCPU44は、ステップS209では、第1リフト上限速度va1よりも低い第2リフト上限速度va2の範囲内でリフト動作が行われるようにリフト指示値Dxfaを導出する。詳細には、リモートCPU44は、第1荷役操作量が大きくなるに従ってリフト動作の動作速度が大きくなるようにリフト指示値Dxfaを導出する。そして、リモートCPU44は、第1荷役操作量が最大である場合に第2リフト上限速度va2に対応したリフト指示値Dxfaが導出されるように第1荷役操作量に対するリフト動作速度の変化量を調整する。
同様に、リモートCPU44は、ステップS209では、第1リーチ上限速度vb1よりも低い第2リーチ上限速度vb2の範囲内でリーチ動作が行われるようにリーチ指示値Dxfbを導出する。そして、リモートCPU44は、第1チルト上限速度vc1よりも低い第2チルト上限速度vc2の範囲内でチルト動作が行われるようにチルト指示値Dxfcを導出する。
その後、リモートCPU44は、ステップS210にて、ステップS209にて導出された各指示値Dxv,Dxα,Dxθ,Dxfa,Dxfb,Dxfcが設定された遠隔指示信号SGxを生成し、バックアップAP62を用いて、生成された遠隔指示信号SGxをバックアップ無線モジュール72に向けて送信する処理を実行する。そして、リモートCPU44は、本リモート遠隔制御処理を終了する。
なお、リモートCPU44は、走行入力操作及び荷役入力操作の双方が行われていない場合には、走行動作及び荷役動作の双方を停止又は停止状態を維持する動作停止情報が設定された遠隔指示信号SGxを生成して、バックアップAP62を用いて送信する。
ここで、説明の便宜上、バックアップ通信接続状態において送信される遠隔指示信号SGxをバックアップ遠隔指示信号SGx2という。バックアップ遠隔指示信号SGx2は、バックアップAP62によって送信される遠隔指示信号SGxであり、走行速度が第2走行上限速度vr2に制限され且つ荷役動作の動作速度が第2上限速度va2,vb2,vc2に制限された遠隔指示信号SGxである。
念のため説明すると、両遠隔指示信号SGx1,SGx2は、送信されるAP及び設定される指示値の上限値が異なるが、データ形式などは同一の信号である。本実施形態では、第1上限速度vr1,va1,vb1,vc1が「第1上限値」に対応し、第2上限速度vr2,va2,vb2,vc2が「第2上限値」に対応する。つまり、本実施形態では、無線通信によって異なる遠隔操作態様の一例として、フォークリフト20の走行速度及びフォーク25の動作速度が採用されている。
図8に示すように、リモートCPU44は、メイン通信接続状態ではなくバックアップ通信接続状態でもない場合(ステップS201:NO,ステップS206:NO)、ステップS211にて、通信エラーに対応するための通信エラー対応処理を実行して、本リモート遠隔制御処理を終了する。
通信エラー対応処理の具体的構成は任意であるが、例えば通信エラーが発生している旨、又は、遠隔操作を行うことができない旨の報知を行うことなどが考えられる。
かかる構成によれば、メイン通信接続状態である場合にはメインAP61からメイン遠隔指示信号SGx1が送信される一方、メイン未接続状態であってバックアップ通信接続状態である場合にはバックアップAP62からバックアップ遠隔指示信号SGx2が送信される。
かかる構成によれば、メイン通信接続状態である場合にはメインAP61からメイン遠隔指示信号SGx1が送信される一方、メイン未接続状態であってバックアップ通信接続状態である場合にはバックアップAP62からバックアップ遠隔指示信号SGx2が送信される。
既に説明したとおり、バックアップ遠隔指示信号SGx2は、メイン遠隔指示信号SGx1と比較して、走行動作及び荷役動作双方において動作速度の上限値が低く設定されている。このため、バックアップ遠隔指示信号SGx2に基づいて遠隔操作が行われる場合、メイン遠隔指示信号SGx1に基づいて遠隔操作が行われる場合と比較して、最大制動距離が短くなるため、フォークリフト20が停止し易いといえる。
本実施形態では、ステップS201の処理がステップS206の処理よりも先に実行されている。このため、メイン遠隔指示信号SGx1が優先的に送信され、バックアップ遠隔指示信号SGx2は、メイン遠隔指示信号SGx1が送信できない場合、すなわちメイン通信接続状態ではない場合にのみ送信される。換言すれば、リモートCPU44は、メイン通信接続状態且つバックアップ通信接続状態である場合には、バックアップ遠隔指示信号SGx2の送信が行われないように制限している。ステップS201を肯定判定した場合にはステップS210の処理を実行しないリモートCPU44が「通信制限部」に対応する。
ここで、メインAP61は、メイン通信接続状態である場合には、上述したとおりメイン遠隔指示信号SGx1を定期的に送信している一方、メイン通信接続状態ではない場合、すなわちメイン未接続状態である場合には、メインビーコン信号bc1を定期的に送信している。メインビーコン信号bc1は、無線ユニット70がメインAP61を探索するのに用いられるものであり、メインビーコン信号bc1にはメインAP61の識別情報が設定されている。
同様に、バックアップAP62は、バックアップ通信接続状態である場合にはバックアップ遠隔指示信号SGx2を定期的に送信している一方、バックアップ通信接続状態ではない場合、すなわちバックアップ未接続状態である場合には、バックアップビーコン信号bc2を定期的に送信している。バックアップビーコン信号bc2は、無線ユニット70がバックアップAP62を探索するのに用いられるものであり、バックアップビーコン信号bc2には、バックアップAP62の識別情報が設定されている。
図3に示すように、無線ユニット70の無線メモリ74には、車両受信処理プログラム74bが記憶されている。車両受信処理プログラム74bは、無線マイコン73にて車両受信処理を実行させるためのプログラムである。車両受信処理は、両AP61,62から送信される信号受信に係る処理である。
図10を用いて車両受信処理について説明する。
図10に示すように、無線マイコン73は、まずステップS301にて、メインAP61がメイン遠隔指示信号SGx1を受信しているか否かを判定する。無線マイコン73は、メインAP61がメイン遠隔指示信号SGx1を受信している場合には、ステップS302にて、当該メイン遠隔指示信号SGx1を無線メモリ74に設けられた受信バッファ74aに保存して、ステップS305に進む。
図10に示すように、無線マイコン73は、まずステップS301にて、メインAP61がメイン遠隔指示信号SGx1を受信しているか否かを判定する。無線マイコン73は、メインAP61がメイン遠隔指示信号SGx1を受信している場合には、ステップS302にて、当該メイン遠隔指示信号SGx1を無線メモリ74に設けられた受信バッファ74aに保存して、ステップS305に進む。
一方、無線マイコン73は、メインAP61がメイン遠隔指示信号SGx1を受信していない場合には、ステップS303にて、バックアップAP62がバックアップ遠隔指示信号SGx2を受信しているか否かを判定する。無線マイコン73は、バックアップAP62がバックアップ遠隔指示信号SGx2を受信している場合には、ステップS304にてバックアップ遠隔指示信号SGx2を受信バッファ74aに保存する一方、バックアップAP62がバックアップ遠隔指示信号SGx2を受信していない場合にはステップS305に進む。
すなわち、無線マイコン73は、両AP61,62のいずれかが遠隔指示信号SGxを受信したことに基づいて、当該遠隔指示信号SGxを受信バッファ74aに保存する。なお、本実施形態では、無線マイコン73は、受信された両遠隔指示信号SGx1,SGx2をそのまま受信バッファ74aに保存するものであり、両遠隔指示信号SGx1,SGx2に設定されている各指示値Dxv,Dxα,Dxθ,Dxfa,Dxfb,Dxfcについては変更しない。
無線マイコン73は、ステップS305では、メイン無線モジュール71を用いてメインAP61を探索するメインスキャン中であるか否かを判定する。メインスキャンは、メイン未接続状態である場合に実行されるものである。
無線マイコン73は、メインスキャン中ではない場合にはステップS308に進む一方、メインスキャン中である場合にはステップS306に進む。
ステップS306では、無線マイコン73は、メイン無線モジュール71がメインビーコン信号bc1を受信しているか否かを判定する。無線マイコン73は、メイン無線モジュール71がメインビーコン信号bc1を受信していない場合にはステップS308に進む一方、メイン無線モジュール71がメインビーコン信号bc1を受信している場合にはステップS307にて、無線メモリ74に設けられたスキャン情報を更新する。例えば、無線マイコン73は、メインビーコン信号bc1を受信したこと、及び、当該メインビーコン信号bc1を送信したメインAP61の識別情報をスキャン情報に記憶させる。
ステップS306では、無線マイコン73は、メイン無線モジュール71がメインビーコン信号bc1を受信しているか否かを判定する。無線マイコン73は、メイン無線モジュール71がメインビーコン信号bc1を受信していない場合にはステップS308に進む一方、メイン無線モジュール71がメインビーコン信号bc1を受信している場合にはステップS307にて、無線メモリ74に設けられたスキャン情報を更新する。例えば、無線マイコン73は、メインビーコン信号bc1を受信したこと、及び、当該メインビーコン信号bc1を送信したメインAP61の識別情報をスキャン情報に記憶させる。
無線マイコン73は、ステップS308では、バックアップ無線モジュール72を用いてバックアップAP62を探索するバックアップスキャン中であるか否かを判定する。バックアップスキャンは、バックアップ未接続状態である場合に実行されるものである。
無線マイコン73は、バックアップスキャン中ではない場合にはそのまま車両受信処理を終了する一方、バックアップスキャン中である場合にはステップS309に進む。
ステップS309では、無線マイコン73は、バックアップ無線モジュール72がバックアップビーコン信号bc2を受信したか否かを判定する。無線マイコン73は、バックアップ無線モジュール72がバックアップビーコン信号bc2を受信していない場合には、そのまま車両受信処理を終了する。一方、無線マイコン73は、バックアップ無線モジュール72がバックアップビーコン信号bc2を受信している場合にはステップS310にてスキャン情報を更新して、本車両受信処理を終了する。例えば、無線マイコン73は、バックアップビーコン信号bc2を受信したこと、及び、当該バックアップビーコン信号bc2を送信したバックアップAP62の識別情報をスキャン情報に記憶させる。
ステップS309では、無線マイコン73は、バックアップ無線モジュール72がバックアップビーコン信号bc2を受信したか否かを判定する。無線マイコン73は、バックアップ無線モジュール72がバックアップビーコン信号bc2を受信していない場合には、そのまま車両受信処理を終了する。一方、無線マイコン73は、バックアップ無線モジュール72がバックアップビーコン信号bc2を受信している場合にはステップS310にてスキャン情報を更新して、本車両受信処理を終了する。例えば、無線マイコン73は、バックアップビーコン信号bc2を受信したこと、及び、当該バックアップビーコン信号bc2を送信したバックアップAP62の識別情報をスキャン情報に記憶させる。
かかる構成によれば、両無線モジュール71,72のいずれかによって受信された遠隔指示信号SGxは受信バッファ74aに順次保存される。また、スキャン情報を参照することにより、メインスキャンにおいてメインAP61が発見されたか否か、及び、バックアップスキャンにおいてバックアップAP62が発見されたか否かを把握できる。
ここで、車両CPU83は、車両制御プログラム84aの実行時、すなわち遠隔指示信号SGxに基づいてフォークリフト20を遠隔操作する場合には、無線ユニット70に対して制御信号を要求する。
無線マイコン73は、車両CPU83からの要求に基づいて、受信バッファ74aに保存されている遠隔指示信号SGxを制御信号に変換し、その制御信号を車両CPU83に出力する。
本実施形態では、無線マイコン73は、各指示値Dxv,Dxα,Dxθ,Dxfa,Dxfb,Dxfcの内容を変更することなく、制御信号に変換する。すなわち、無線マイコン73は、両無線モジュール71,72のいずれかによって受信された無線通信形式の遠隔指示信号SGxを、当該遠隔指示信号SGxに設定された各指示値Dxv,Dxα,Dxθ,Dxfa,Dxfb,Dxfcを保持した状態で車内通信形式の制御信号に変換する。
車両CPU83は、上記制御信号に基づいて各アクチュエータ81,82の駆動制御を行う。詳細には、車両CPU83は、制御信号に設定されている各指示値Dxv,Dxα,Dxθ,Dxfa,Dxfb,Dxfcのとおり動作するように各アクチュエータ81,82の駆動制御を行う。そして、車両CPU83は、各アクチュエータ81,82の駆動制御の終了後、再度制御信号を要求する。
以上のとおり、車両CPU83が制御信号の要求と制御信号に基づく各アクチュエータ81,82の駆動制御とを繰り返し行うことによって、遠隔指示信号SGxに基づくフォークリフト20の遠隔操作が行われる。
ここで、フォークリフト20が遠隔指示信号SGxに基づいて動作するように構成されている点に着目すれば、両AP61,62のいずれかを用いて遠隔指示信号SGxを送信する遠隔操作装置40(詳細にはリモートCPU44)が、単独でフォークリフト20の遠隔操作を行うものとも言える。
本実施形態では、ステップS204,S205の処理が「第1遠隔制御ステップ」に対応し、当該処理を実行するリモートCPU44が「第1遠隔制御部」に対応する。特に、ステップS204の処理を実行するリモートCPU44が「第1導出部」に対応し、ステップS205の処理を実行するリモートCPU44が「第1送信制御部」に対応する。
また、ステップS209,S210の処理が「第2遠隔制御ステップ」に対応し、当該処理を実行するリモートCPU44が「第2遠隔制御部」に対応する。特に、ステップS209の処理を実行するリモートCPU44が「第2導出部」に対応し、ステップS210の処理を実行するリモートCPU44が「第2送信制御部」に対応する。
なお、無線マイコン73は、受信バッファ74aに複数の遠隔指示信号SGxが記憶されている場合には、車両CPU83からの要求に基づいて、古いものから順に出力する。また、無線マイコン73は、制御信号を出力したことに基づいて、当該制御信号の変換元である遠隔指示信号SGxを受信バッファ74aから消去する。
図3に示すように、無線メモリ74には、産業車両用遠隔操作プログラムの一種として、無線マイコン73に車両通信制御処理を実行させるための車両通信制御処理プログラム74cが記憶されている。
車両通信制御処理は、メインAP61とメイン無線モジュール71との通信接続、及び、バックアップAP62とバックアップ無線モジュール72との通信接続を制御する処理である。車両通信制御処理は、車両受信処理とは別に定期的に実行されている。なお、車両通信制御処理と車両受信処理とは、それぞれ並行に行われる構成でもよいし、いずれか一方の処理の後に他方の処理が行われる構成でもよい。
図11を用いて車両通信制御処理について説明する。
図11に示すように、無線マイコン73は、まずステップS401にて、メイン通信接続状態であるか否かを判定する。例えば、無線メモリ74には、メイン無線モジュール71の通信状態を特定するための車両メイン通信情報が記憶されており、無線マイコン73は、当該車両メイン通信情報を参照することにより、メイン無線モジュール71がメイン通信接続状態となっているか否かを判定する。
図11に示すように、無線マイコン73は、まずステップS401にて、メイン通信接続状態であるか否かを判定する。例えば、無線メモリ74には、メイン無線モジュール71の通信状態を特定するための車両メイン通信情報が記憶されており、無線マイコン73は、当該車両メイン通信情報を参照することにより、メイン無線モジュール71がメイン通信接続状態となっているか否かを判定する。
無線マイコン73は、メイン通信接続状態ではない場合には、ステップS402に進み、メインスキャン中であるか否かを判定する。無線マイコン73は、メインスキャン中である場合には、ステップS404に進む。一方、無線マイコン73は、メインスキャン中ではない場合には、ステップS403にて、メインスキャンを開始する。詳細には、無線マイコン73は、メイン無線モジュール71を用いてメインAP61から送信されるメインビーコン信号bc1を検知することによって、メイン無線モジュール71の通信範囲内に存在するメインAP61を探索する。その後、無線マイコン73は、ステップS404に進む。
無線マイコン73は、ステップS404では、メインスキャンが完了したか否かを判定する。メインスキャン完了と判定する契機は、例えばメインスキャンを開始してから所定期間が経過したことである。
但し、メインスキャン完了と判定する契機は、これに限られず、例えばメインAP61が発見されたことでもよいし、メインスキャンを開始してから所定期間が経過する、又は、メインAP61が発見されたことでもよい。
無線マイコン73は、メインスキャンが完了していない場合にはステップS409に進む一方、メインスキャンが完了した場合にはステップS405に進み、スキャン情報に基づいて、メインAP61を発見したか否かを判定する。
無線マイコン73は、メインAP61を発見しなかった場合にはステップS409に進む一方、メインAP61を発見した場合にはステップS406にてメイン無線モジュール71とメインAP61とを通信接続する処理を実行して、ステップS409に進む。
ステップS406の処理について詳細に説明すると、無線マイコン73は、まず車両メイン通信情報を、メイン通信接続状態に対応した情報に更新する。また、無線マイコン73は、メイン無線モジュール71を用いてメイン接続信号をメインAP61に向けて送信する。これにより、遠隔操作装置40及びフォークリフト20の双方において、メイン通信接続状態となったことを認識できる。
一方、無線マイコン73は、メイン通信接続状態である場合には、ステップS401を肯定判定して、ステップS407に進み、メイン無線通信が途絶しているか否かを判定する。
本実施形態では、無線マイコン73は、メイン無線モジュール71がメイン遠隔指示信号SGx1を受信してから規定期間以上に亘ってメイン遠隔指示信号SGx1を受信していないか否かを判定する。
無線マイコン73は、メイン無線モジュール71がメイン遠隔指示信号SGx1を受信してから上記規定期間が経過していない場合には、メイン無線通信は途絶していない、換言すればメイン無線通信が継続しているとしてステップS409に進む。
一方、メイン無線モジュール71が上記規定期間以上に亘ってメイン遠隔指示信号SGx1を受信していない場合には、無線マイコン73は、メイン無線通信が途絶していると判定し、ステップS408にて、メイン通信接続状態を解除してステップS409に進む。詳細には、無線マイコン73は、車両メイン通信情報を、メイン未接続状態に対応した情報に更新する。
ステップS409では、無線マイコン73は、バックアップ通信接続状態であるか否かを判定する。例えば、無線メモリ74には、バックアップ無線モジュール72の通信状態を特定するための車両バックアップ通信情報が記憶されており、無線マイコン73は、当該車両バックアップ通信情報を参照することにより、バックアップ無線モジュール72がバックアップ通信接続状態となっているか否かを判定する。
無線マイコン73は、バックアップ通信接続状態ではない場合には、ステップS410に進み、バックアップスキャン中であるか否かを判定する。無線マイコン73は、バックアップスキャン中である場合には、ステップS412に進む。一方、無線マイコン73は、バックアップスキャン中ではない場合には、ステップS411にて、バックアップスキャンを開始する。詳細には、無線マイコン73は、バックアップ無線モジュール72を用いてバックアップAP62から送信されるバックアップビーコン信号bc2を検知することによって、バックアップ無線モジュール72の通信範囲内に存在するバックアップAP62を探索する。その後、無線マイコン73は、ステップS412に進む。
無線マイコン73は、ステップS412では、バックアップスキャンが完了したか否かを判定する。バックアップスキャン完了と判定する契機は、例えばバックアップスキャンを開始してから所定期間が経過したことである。
但し、バックアップスキャン完了と判定する契機は、これに限られず、例えばバックアップAP62が発見されたことでもよいし、バックアップスキャンを開始してから所定期間が経過する、又は、バックアップAP62が発見されたことでもよい。
無線マイコン73は、バックアップスキャンが完了していない場合にはそのまま本処理を終了する一方、バックアップスキャンが完了している場合にはステップS413に進み、スキャン情報に基づいて、バックアップAP62を発見したか否かを判定する。
無線マイコン73は、バックアップAP62を発見しなかった場合にはそのまま本処理を終了する一方、バックアップAP62を発見した場合にはステップS414にてバックアップ無線モジュール72とバックアップAP62とを通信接続する処理を実行して、本車両通信制御処理を終了する。
ステップS414の処理について詳細に説明すると、無線マイコン73は、まず車両バックアップ通信情報を、バックアップ通信接続状態に対応した情報に更新する。また、無線マイコン73は、バックアップ無線モジュール72を用いてバックアップ接続信号をバックアップAP62に向けて送信する。これにより、遠隔操作装置40及びフォークリフト20の双方において、バックアップ通信接続状態となったことを認識できる。
一方、無線マイコン73は、バックアップ通信接続状態である場合には、ステップS409を肯定判定して、ステップS415に進み、メイン通信接続状態であるか否かを判定する。
無線マイコン73は、メイン通信接続状態である場合にはそのまま本処理を終了する一方、メイン通信接続状態ではない場合にはステップS416に進み、バックアップ無線通信が途絶しているか否かを判定する。
本実施形態では、無線マイコン73は、バックアップ無線モジュール72がバックアップ遠隔指示信号SGx2を受信してから規定期間以上に亘ってバックアップ遠隔指示信号SGx2を受信していないか否かを判定する。
無線マイコン73は、バックアップ無線モジュール72がバックアップ遠隔指示信号SGx2を受信してから上記規定期間が経過していない場合には、バックアップ無線通信は途絶していない、換言すればバックアップ無線通信が継続しているとして本処理を終了する。
一方、バックアップ無線モジュール72が上記規定期間以上に亘ってバックアップ遠隔指示信号SGx2を受信していない場合には、無線マイコン73は、バックアップ無線通信が途絶していると判定し、ステップS417にて、バックアップ通信接続状態を解除して本車両通信制御処理を終了する。詳細には、無線マイコン73は、車両バックアップ通信情報を、バックアップ未接続状態に対応した情報に更新する。
かかる構成によれば、メイン無線モジュール71とメインAP61とが通信接続されていない状態(すなわちメイン未接続状態)においてメインAP61が発見された場合には、当該メインAP61とメイン無線モジュール71とが通信接続される。
メイン無線モジュール71とメインAP61とが通信接続されている状態(すなわちメイン通信接続状態)では、メイン無線通信が途絶しているか否かの判定が定期的に行われ、メイン無線通信が途絶している場合には、メイン通信接続状態が解除される。
また、バックアップ無線モジュール72とバックアップAP62とが通信接続されていない状態(すなわちバックアップ未接続状態)では、メイン通信接続状態であるか否かに関わらず、バックアップAP62の探索が行われる。そして、バックアップAP62が発見された場合には、バックアップAP62とバックアップ無線モジュール72とが通信接続される。
ここで、本実施形態では、メイン通信接続状態且つバックアップ通信接続状態である場合には、メイン無線通信によって遠隔指示信号SGxの送受信が行われる一方、バックアップ無線通信による信号の送受信は行われない。但し、メイン通信接続状態中であっても、バックアップ通信接続状態は維持されている。すなわち、バックアップ通信接続状態は、メイン無線通信による遠隔指示信号SGxの送受信中も維持されている。
また、メイン通信接続状態ではなくバックアップ通信接続状態である場合には、バックアップ無線通信による遠隔指示信号SGxの送受信が行われるとともに、バックアップ無線通信が途絶しているか否かの判定が行われる。
バックアップ無線通信による遠隔指示信号SGxの送受信中にはメインAP61の探索が行われており、メインAP61が発見されれば、メイン無線モジュール71とメインAP61との通信接続が行われる。この場合、遠隔指示信号SGxの送受信が行われる無線通信が、バックアップ無線通信からメイン無線通信に切り替わる。
次に本実施形態の作用として、メイン通信接続状態時及びバックアップ通信接続状態時の動作について図12〜図14を用いて説明する。
まず、メイン通信接続状態である状況下における走行停止について図12を用いて説明する。
まず、メイン通信接続状態である状況下における走行停止について図12を用いて説明する。
図12に示すように、t0のタイミングにて、走行入力操作(詳細には走行コントローラ51の傾倒操作)が行われており、フォークリフト20が第1走行上限速度vr1で障害物Wに向けて走行しているとする。
その後、t1のタイミングにて、走行停止操作、詳細には走行コントローラ51を初期位置に戻す操作が行われたとする。これにより、t2のタイミングにて、フォークリフト20の制動が開始される。
ここで、メイン通信接続状態である状況下においては遠隔指示信号SGxの送受信が円滑に行われるため、走行停止操作が行われてから、フォークリフト20にて停止動作が開始されるまでのタイムラグが短い。本実施形態では、説明の便宜上、t1のタイミングとt2のタイミングとのタイムラグは、ほぼ「0」とする。このため、走行停止操作が行われると、直ちにフォークリフト20の停止動作(制動)が開始される。その後、t3のタイミングにて、フォークリフト20が停止する。
ここで、動作停止操作としての走行停止操作が行われてからフォークリフト20の走行動作が停止するまでの期間(詳細にはt1〜t3の期間)中にフォークリフト20が移動した距離を全体停止距離Laという。
全体停止距離Laは、タイムラグ距離L1と制動距離L2とを合わせた距離である。タイムラグ距離L1は、走行停止操作が行われてからフォークリフト20にて停止動作が開始されるまでの期間(詳細にはt1〜t2の期間)中のフォークリフト20の移動距離である。制動距離L2は、停止動作(制動)が開始されてから停止するまでの期間(詳細にはt2〜t3の期間)中のフォークリフト20の移動距離である。
本実施形態では、メイン通信接続状態である状況下におけるタイムラグはほぼ「0」であるため、タイムラグ距離L1はほぼ「0」である。このため、全体停止距離Laは制動距離L2とほぼ同一である。
次に、本実施形態の対比として、仮にバックアップ通信接続状態である状況下においてフォークリフト20が第1走行上限速度vr1で走行している場合について図13を用いて説明する。
図13に示すように、t10のタイミングにて、走行入力操作(詳細には走行コントローラ51の傾倒操作)が行われており、フォークリフト20が第1走行上限速度vr1で障害物Wに向けて走行しているとする。その後、t11のタイミングにて、走行停止操作が行われたとする。
ここで、バックアップ通信接続状態である状況下では、メイン通信接続状態である状況下よりも通信速度が低くなるため、遠隔指示信号SGxの送受信に遅延が生じる。このため、走行停止操作が行われたt11のタイミングから、タイムラグTdが経過したt12のタイミングにて、フォークリフト20にて停止動作が開始される。
この場合、フォークリフト20は、走行停止操作が行われてから停止動作を開始するまでの間、第1走行上限速度vr1で走行している。このため、走行停止操作が行われてからフォークリフト20の停止動作が開始されるまで、タイムラグ距離L1(vr1×Td)の分だけフォークリフト20が進んでいる。したがって、停止動作が開始された位置から障害物Wまでの距離が短くなっている。その結果、t13のタイミングにて、フォークリフト20が障害物Wに衝突する。
すなわち、バックアップ通信接続状態である状況下ではタイムラグ距離L1が生じる分だけ、全体停止距離Laが長くなる。このため、メイン通信接続状態である状況下と同一タイミングで走行停止操作が行われても、フォークリフト20が障害物Wに衝突するおそれがある。
この点、本実施形態では、メイン通信接続状態である状況下ではフォークリフト20の走行速度が第1走行上限速度vr1よりも低い第2走行上限速度vr2に制限されている。この点について図14を用いて説明する。
図14に示すように、t20のタイミングにて、走行入力操作(詳細には走行コントローラ51の傾倒操作)が行われており、フォークリフト20が第2走行上限速度vr2で障害物Wに向けて走行しているとする。
その後、t21のタイミングにて、走行停止操作、詳細には走行コントローラ51を初期位置に戻す操作が行われたとする。すると、走行停止操作が行われたt21のタイミングから、タイムラグTdが経過したt22のタイミングにて、フォークリフト20にて停止動作が開始される。この場合、フォークリフト20は、走行停止操作が行われてからフォークリフト20の停止動作が開始されるまで、タイムラグ距離L1の分だけ進む。
ここで、既に説明したとおり、第2走行上限速度vr2は第1走行上限速度vr1よりも低いため、タイムラグ距離L1は、第1走行上限速度vr1で走行している場合よりも短くなる。また、バックアップ通信接続状態である状況下では、走行速度が第2走行上限速度vr2に制限されているため、制動距離L2もメイン通信接続状態と比較して短くなる。
以上のことから、タイムラグ距離L1及び制動距離L2を合わせた全体停止距離Laは、メイン通信接続状態である場合よりもバックアップ通信接続状態である場合の方が短くなる。つまり、バックアップ通信接続状態の方が、メイン通信接続状態よりも、フォークリフト20が停止し易いと言える。したがって、t23のタイミングにて、フォークリフト20は、障害物Wに衝突することなく停止する。
以上詳述した本実施形態によれば以下の効果を奏する。なお、説明の便宜上、効果については、基本的には走行動作について説明するが、荷役動作についても同様である。
(1−1)産業車両用遠隔操作システム10は、メイン無線モジュール71及びバックアップ無線モジュール72を有するフォークリフト20と、メインAP61及びバックアップAP62を有する遠隔操作装置40と、を備えている。メイン無線モジュール71とメインAP61とは、メイン通信接続状態となることによって第1周波数帯域f1min〜f1maxにて無線通信を行う。バックアップ無線モジュール72とバックアップAP62とは、バックアップ通信接続状態となることによって第2周波数帯域f2min〜f2maxにて無線通信を行う。第2周波数帯域f2min〜f2maxは、第1周波数帯域f1min〜f1maxよりも低い。
(1−1)産業車両用遠隔操作システム10は、メイン無線モジュール71及びバックアップ無線モジュール72を有するフォークリフト20と、メインAP61及びバックアップAP62を有する遠隔操作装置40と、を備えている。メイン無線モジュール71とメインAP61とは、メイン通信接続状態となることによって第1周波数帯域f1min〜f1maxにて無線通信を行う。バックアップ無線モジュール72とバックアップAP62とは、バックアップ通信接続状態となることによって第2周波数帯域f2min〜f2maxにて無線通信を行う。第2周波数帯域f2min〜f2maxは、第1周波数帯域f1min〜f1maxよりも低い。
かかる構成において、産業車両用遠隔操作システム10のリモートCPU44は、メイン無線モジュール71とメインAP61とが通信接続されたメイン通信接続状態である場合には、メイン無線通信を用いて、フォークリフト20が動作するように遠隔操作を行う。また、リモートCPU44は、メイン通信接続状態ではなく、バックアップ無線モジュール72とバックアップAP62とが通信接続されたバックアップ通信接続状態である場合には、バックアップ無線通信を用いて、フォークリフト20が動作するように遠隔操作を行う。バックアップ無線通信を用いた遠隔操作の遠隔操作態様は、メイン無線通信を用いた遠隔操作の遠隔操作態様とは異なっている。
かかる構成によれば、メイン無線通信を行うものとは別にバックアップ無線通信を行うバックアップ無線モジュール72及びバックアップAP62が設けられている。バックアップ無線通信の周波数帯域である第2周波数帯域f2min〜f2maxは第1周波数帯域f1min〜f1maxよりも低いため、バックアップ無線通信は到達性に優れている。これにより、仮にメイン無線通信が途絶した場合であっても、バックアップ無線通信を用いてフォークリフト20の遠隔操作を行うことができる。
ここで、バックアップ無線通信の通信速度は、メイン無線通信の通信速度よりも低くなり易い。このため、バックアップ無線通信を用いた遠隔操作は、メイン無線通信を用いた遠隔操作よりも、フォークリフト20の応答性が低下し易い。
この点、本実施形態によれば、メイン無線通信を用いた遠隔操作と、バックアップ無線通信を用いた遠隔操作とで、遠隔操作態様が異なっている。これにより、用いられる無線通信の違いに起因するフォークリフト20の応答性の違いに対応させて、遠隔操作態様を異ならせることにより、意図しない動作が行われることを抑制できる。
(1−2)リモートCPU44は、バックアップ無線通信を用いた遠隔操作を行う場合には、メイン無線通信を用いた遠隔操作時よりも、フォークリフト20の動作が停止し易いように、メイン無線通信を用いた遠隔操作の遠隔操作態様とは異なる態様で遠隔操作を行う。
かかる構成によれば、バックアップ無線通信を用いた遠隔操作時は、メイン無線通信を用いた遠隔操作時よりもフォークリフト20の動作が停止し易い。これにより、フォークリフト20の応答性の低下に起因してフォークリフト20が停止しにくいという不都合を抑制できる。
詳細には、バックアップ無線通信を用いた遠隔操作時では、遠隔操作装置40に対して動作停止操作が行われてから、実際にフォークリフト20において停止動作が開始されるまでにタイムラグTdが生じ得る。すると、動作停止操作が行われてからフォークリフト20の動作が停止するまでの動作距離(詳細には走行距離又はフォーク25の移動距離等)が長くなり易い。この場合、フォークリフト20の動作が意図せず継続して、障害物Wに衝突するなどといった安全性の低下が懸念される。
この点、本実施形態によれば、バックアップ無線通信を用いた遠隔操作時は、メイン無線通信を用いた遠隔操作時よりも、フォークリフト20の動作が停止し易く構成されているため、動作停止操作が行われてからフォークリフト20の動作が停止するまでの距離(全体停止距離La)を短くできる。これにより、安全性の向上を図ることができる。
(1−3)リモートCPU44は、メイン無線通信を用いた遠隔操作では、第1走行上限速度vr1の範囲内にてフォークリフト20が走行するように遠隔操作する。リモートCPU44は、バックアップ無線通信を用いた遠隔操作では、第2走行上限速度vr2の範囲内にてフォークリフト20が走行するように遠隔操作する。第2走行上限速度vr2は、第1走行上限速度vr1よりも低い。
かかる構成によれば、バックアップ無線通信を用いた遠隔操作時には、フォークリフト20の走行速度が、メイン無線通信を用いた遠隔操作時よりも低く制限されている。これにより、メイン無線通信を用いた遠隔操作時と比較して、タイムラグTd中にフォークリフト20が進む距離であるタイムラグ距離L1が短くなり易く、且つ、制動距離L2も短くなり易い。これにより、全体停止距離Laが短くなり易い。したがって、フォークリフト20の応答性が悪い状況下であっても、フォークリフト20の動作停止位置を、操作者の意図した位置に近づけることができる。
(1−4)産業車両用遠隔操作システム10は、操作部としての走行コントローラ51を備えている。リモートCPU44は、走行コントローラ51の操作量である走行操作量に応じた走行速度(走行速度指示値Dxv)でフォークリフト20が走行するようにフォークリフト20の遠隔操作を行う。
かかる構成において、メイン無線通信を用いた遠隔操作時における単位走行操作量当たりの走行速度の変化量である第2単位変化量δv2は、バックアップ無線通信を用いた遠隔操作時における単位走行操作量当たりの走行速度の変化量である第1単位変化量δv1よりも小さい。
かかる構成によれば、走行操作量が同一であっても、バックアップ無線通信を用いた遠隔操作時の走行速度が、メイン無線通信を用いた遠隔操作時の走行速度よりも低くなる。これにより、(1−3)の効果を奏する。
特に、本実施形態によれば、例えばバックアップ無線通信を用いた遠隔操作時には、走行コントローラ51の操作可能範囲を狭くするなどといった制限機構を設ける必要がないため、構成の簡素化を図ることができる。
(1−5)リモートCPU44は、メイン通信接続状態である場合には、走行操作量に基づいて第1走行上限速度vr1の範囲内の走行速度指示値Dxvを導出し、その導出された走行速度指示値Dxvが設定されたメイン遠隔指示信号SGx1を送信するための処理を実行する。リモートCPU44は、メイン通信接続状態ではなくバックアップ通信接続状態である場合には、走行操作量に基づいて第2走行上限速度vr2の範囲内の走行速度指示値Dxvを導出し、その導出された走行速度指示値Dxvが設定されたバックアップ遠隔指示信号SGx2を送信するための処理を実行する。そして、フォークリフト20の車両CPU83は、両無線モジュール71,72のいずれか一方によって受信される遠隔指示信号SGxに対応した動作が行われるように各アクチュエータ81,82の駆動制御を行う。
かかる構成によれば、フォークリフト20の車両CPU83としては、遠隔指示信号SGxに基づく駆動制御を行えばよく、メイン無線通信を用いた遠隔操作時とバックアップ無線通信を用いた遠隔操作時とで駆動制御態様を異ならせる必要がない。これにより、フォークリフト20(詳細には車両制御プログラム84a)に対する変更を抑制しつつ、上述した効果を得ることができる。したがって、汎用性の向上を図ることができる。
(1−6)リモートCPU44は、メイン通信接続状態且つバックアップ通信接続状態である場合には、バックアップ無線通信を用いた遠隔指示信号SGxの送信が行われないように制限する一方、バックアップ通信接続状態を維持する。
かかる構成によれば、メイン通信接続状態且つバックアップ通信接続状態である場合には、バックアップ無線通信を用いた遠隔指示信号SGxの送信が行われない。これにより、無駄な遠隔指示信号SGxの送信を回避できる。一方、バックアップ通信接続状態は維持されているため、仮にメイン通信接続状態が解除された場合には、バックアップ無線通信を用いた遠隔指示信号SGxの送信を早期に実行できる。これにより、メイン無線通信が途絶したことに起因して遠隔指示信号SGxの送信が遅延することを抑制できる。
(1−7)無線マイコン73は、メイン通信接続状態且つバックアップ未接続状態である場合には、バックアップAP62を探索する処理を実行する。無線マイコン73は、バックアップAP62を発見した場合には、バックアップ無線モジュール72とバックアップAP62とを通信接続し、その状態(バックアップ通信接続状態)を維持する。
かかる構成によれば、メイン無線通信を用いて遠隔指示信号SGxを送信しつつ、バックアップ通信接続状態にすることができる。これにより、メイン無線通信の途絶に対応できる。
(1−8)無線マイコン73は、バックアップ通信接続状態且つメイン未接続状態である場合には、メインAP61を探索する処理を実行する。無線マイコン73は、メインAP61を発見した場合には、メイン無線モジュール71とメインAP61とを通信接続する。そして、産業車両用遠隔操作システム10は、バックアップ無線通信ではなくメイン無線通信を用いて遠隔指示信号SGxの送受信が行われるように切り替える。
かかる構成によれば、メイン無線通信を優先的に用いることにより、フォークリフト20の応答性が低い状態で遠隔操作が行われる期間の短縮化を図ることができる。
(1−9)産業車両用遠隔操作システム10は、メイン無線通信を用いた遠隔操作が行われている場合には、メイン無線通信を用いて遠隔操作が行われていることを報知する一方、バックアップ無線通信を用いた遠隔操作が行われている場合には、バックアップ無線通信を用いて遠隔操作が行われていることを報知するように構成されている。
(1−9)産業車両用遠隔操作システム10は、メイン無線通信を用いた遠隔操作が行われている場合には、メイン無線通信を用いて遠隔操作が行われていることを報知する一方、バックアップ無線通信を用いた遠隔操作が行われている場合には、バックアップ無線通信を用いて遠隔操作が行われていることを報知するように構成されている。
かかる構成によれば、操作者がどちらの無線通信を用いて遠隔操作が行われているかを認識でき、それを通じて応答性の違いや動作速度に制限が生じているか否かを認識できる。
(1−10)遠隔操作装置40は、第1周波数帯域f1min〜f1maxにて無線通信を行うメイン無線モジュール71と、第1周波数帯域f1min〜f1maxよりも低い第2周波数帯域f2min〜f2maxにて無線通信を行うバックアップ無線モジュール72とを有するフォークリフト20を遠隔操作するものである。
遠隔操作装置40は、メイン通信接続状態となることによって信号の送受信を行うメインAP61と、バックアップ通信接続状態となることによって信号の送受信を行うバックアップAP62と、を備えている。遠隔操作装置40のリモートCPU44は、メイン通信接続状態である場合には、メイン無線通信を用いてフォークリフト20の遠隔操作を行う。リモートCPU44は、メイン通信接続状態ではなくバックアップ通信接続状態である場合には、バックアップ無線通信を用いてフォークリフト20の遠隔操作を行う。リモートCPU44は、バックアップ無線通信を用いてフォークリフト20の遠隔操作を行う場合には、フォークリフト20が停止し易いように、メイン無線通信を用いた遠隔操作時とは遠隔操作態様を異ならせる。これにより、(1−2)の効果を得ることができる。
(1−11)両無線モジュール71,72を有するフォークリフト20を、両AP61,62を有する遠隔操作装置40を用いて遠隔操作するための産業車両用遠隔操作プログラムの一部であるリモート遠隔制御処理プログラム45bは、リモートCPU44を、リモート通信制御処理を実行するものとして機能させる。リモート遠隔制御処理は、メイン通信接続状態である場合に、メイン無線通信を用いてフォークリフト20の遠隔操作を行う処理(詳細にはステップS203〜S205)を含む。リモート遠隔制御処理は、メイン通信接続状態ではなくバックアップ通信接続状態である場合に、バックアップ無線通信を用いて、メイン無線通信を用いた遠隔操作時よりもフォークリフト20が停止し易い態様でフォークリフト20の遠隔操作を行う処理(詳細にはステップS208〜S210)を含む。これにより、(1−2)の効果を得ることができる。
(1−12)産業車両用遠隔操作方法は、両無線モジュール71,72を有するフォークリフト20を、両AP61,62を有する遠隔操作装置40を用いて遠隔操作する方法である。産業車両用遠隔操作方法は、リモートCPU44が、メイン通信接続状態である場合に、メイン無線通信を用いてフォークリフト20の遠隔操作を行うステップ(詳細にはステップS203〜S205)を含む。更に、産業車両用遠隔操作方法は、リモートCPU44が、メイン通信接続状態ではなくバックアップ通信接続状態である場合に、バックアップ無線通信を用いて、メイン無線通信を用いた遠隔操作時よりもフォークリフト20が停止し易い態様でフォークリフト20の遠隔操作を行うステップ(詳細にはステップS208〜S210)を含む。これにより、(1−2)の効果を得ることができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、メイン無線通信を用いた遠隔操作時とバックアップ無線通信を用いた遠隔操作時とで、遠隔操作態様を異ならせるための具体的な構成が異なっている。その異なる点について以下に説明する。
本実施形態では、メイン無線通信を用いた遠隔操作時とバックアップ無線通信を用いた遠隔操作時とで、遠隔操作態様を異ならせるための具体的な構成が異なっている。その異なる点について以下に説明する。
まず、本実施形態のリモート遠隔制御処理について説明する。
図15に示すように、本実施形態のリモートCPU44は、ステップS501にて、メイン通信接続状態であるか否かを判定する。リモートCPU44は、メイン通信接続状態である場合には、ステップS502にてメイン表示を行い、ステップS505に進む。一方、リモートCPU44は、メイン通信接続状態ではない場合にはステップS503に進み、バックアップ通信接続状態であるか否かを判定する。
図15に示すように、本実施形態のリモートCPU44は、ステップS501にて、メイン通信接続状態であるか否かを判定する。リモートCPU44は、メイン通信接続状態である場合には、ステップS502にてメイン表示を行い、ステップS505に進む。一方、リモートCPU44は、メイン通信接続状態ではない場合にはステップS503に進み、バックアップ通信接続状態であるか否かを判定する。
リモートCPU44は、バックアップ通信接続状態である場合には、ステップS504にてバックアップ表示を行い、ステップS505に進む。一方、リモートCPU44は、バックアップ通信接続状態ではない場合には、ステップS508に進み、通信エラー対応処理を実行して、本リモート遠隔制御処理を終了する。
なお、上述した各処理は、第1実施形態の対応する処理と同一であるため、詳細な説明は省略する。
ステップS505では、リモートCPU44は、走行入力操作及び荷役入力操作を把握する。そして、リモートCPU44は、ステップS506にて、指示値導出処理を実行する。ステップS505,S506の処理は、第1実施形態のステップS204,S205の処理と同一である。
ステップS505では、リモートCPU44は、走行入力操作及び荷役入力操作を把握する。そして、リモートCPU44は、ステップS506にて、指示値導出処理を実行する。ステップS505,S506の処理は、第1実施形態のステップS204,S205の処理と同一である。
その後、ステップS507では、リモートCPU44は、ステップS506にて導出された各指示値Dxv,Dxα,Dxθ,Dxfa,Dxfb,Dxfcが設定された遠隔指示信号SGxを送信するための処理を実行して、本リモート通信制御処理を終了する。
詳細には、リモートCPU44は、メイン通信接続状態である場合には、メインAP61を用いて遠隔指示信号SGxを送信する一方、メイン通信接続状態ではなくバックアップ通信接続状態である場合には、バックアップAP62を用いて遠隔指示信号SGxを送信する。
すなわち、本実施形態の遠隔操作装置40は、メイン通信接続状態及びバックアップ通信接続状態に関わらず、共通の遠隔指示信号SGxを送信するように構成されている。換言すれば、遠隔操作装置40は、メイン無線通信を用いた遠隔操作時及びバックアップ無線通信を用いた遠隔操作時の双方において、共通の遠隔指示信号SGxを送信する。
本実施形態では、共通の遠隔指示信号SGxは、第1上限速度vr1,va1,vb1,vc1の範囲内の各指示値Dxv,Dxfa,Dxfb,Dxfcが設定された信号である。
次に、本実施形態の車両受信処理について説明する。
図16に示すように、無線マイコン73は、まずステップS601にて、メイン無線モジュール71が遠隔指示信号SGxを受信したか否かを判定する。
図16に示すように、無線マイコン73は、まずステップS601にて、メイン無線モジュール71が遠隔指示信号SGxを受信したか否かを判定する。
無線マイコン73は、メイン無線モジュール71が遠隔指示信号SGxを受信した場合には、ステップS602に進み、遠隔指示信号SGxをそのまま受信バッファ74aに保存して、ステップS305に進む。この場合、遠隔指示信号SGxに設定されている各指示値Dxv,Dxα,Dxθ,Dxfa,Dxfb,Dxfcは変更されることなく、そのまま維持される。
一方、メイン無線モジュール71が遠隔指示信号SGxを受信していない場合には、無線マイコン73は、ステップS603にて、バックアップ無線モジュール72が遠隔指示信号SGxを受信しているか否かを判定する。無線マイコン73は、バックアップ無線モジュール72が遠隔指示信号SGxを受信していない場合にはステップS305に進む。
一方、無線マイコン73は、バックアップ無線モジュール72が遠隔指示信号SGxを受信している場合には、ステップS604にて、遠隔指示信号SGxに設定されている各指示値Dxv,Dxfa,Dxfb,Dxfcを変換する変換処理を実行する。
詳細には、車両受信処理プログラム74bには、指示値を変換するための変換テーブルが記憶されている。変換テーブルには、遠隔指示信号SGxに設定されている指示値Dxv,Dxfa,Dxfb,Dxfcと変換値Dtv,Dtfa,Dtfb,Dtfcとが対応付けられて設定されている。
変換値Dtv,Dtfa,Dtfb,Dtfcは、バックアップ無線通信を用いた遠隔操作に対応させて設定された指示値であり、詳細には第2上限速度vr2,va2,vb2,vc2に制限されている。つまり、無線マイコン73は、受信した遠隔指示信号SGxの指示値Dxv,Dxfa,Dxfb,Dxfcを、第2上限速度vr2,va2,vb2,vc2の範囲内の変換値Dtv,Dtfa,Dtfb,Dtfcに変換する。
なお、変換の具体的な態様は、任意であるが、例えば以下の構成が考えられる。
図17に示すように、変換テーブルでは、第2走行上限速度vr2に対応する閾値操作量St未満の走行操作量に対して、走行速度指示値Dxvと同一の走行変換値Dtvが設定されている。このため、無線マイコン73は、走行操作量が閾値操作量St未満である場合には、走行速度指示値Dxvと同一の走行変換値Dtvを導出する。
図17に示すように、変換テーブルでは、第2走行上限速度vr2に対応する閾値操作量St未満の走行操作量に対して、走行速度指示値Dxvと同一の走行変換値Dtvが設定されている。このため、無線マイコン73は、走行操作量が閾値操作量St未満である場合には、走行速度指示値Dxvと同一の走行変換値Dtvを導出する。
一方、変換テーブルでは、閾値操作量St以上の走行操作量に対して、第2走行上限速度vr2に対応した走行変換値Dtvが設定されている。このため、無線マイコン73は、走行操作量が閾値操作量St以上である場合には、走行変換値Dtvとして第2走行上限速度vr2を導出する。荷役動作に関する指示値Dxfa,Dxfb,Dxfcについても同様である。
すなわち、無線マイコン73は、第2上限速度vr2,va2,vb2,vc2以上の指示値Dxv,Dxfa,Dxfb,Dxfcを、一律に第2上限速度vr2,va2,vb2,vc2に対応した変換値Dtv,Dtfa,Dtfb,Dtfcに変換する。
ちなみに、無線マイコン73は、操舵角指示値Dxθについては変更しない。また、無線マイコン73は、走行速度指示値Dxvと走行変換値Dtvとが異なる場合には、加速度指示値Dxαも変換してもよいし、変換しなくてもよい。無線マイコン73によって加速度指示値Dxαが変換されない場合には、車両CPU83が、走行変換値Dtvと現在の走行速度とに基づいて加速度を調整してもよい。
図16に示すように、無線マイコン73は、変換処理の実行後は、ステップS605にて、その変換された変換値Dtv,Dtfa,Dtfb,Dtfcを含む変換信号SGzを受信バッファ74aに保存して、ステップS305に進む。ステップS305以降の処理は、第1実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
すなわち、本実施形態の無線マイコン73は、メイン無線モジュール71によって受信された遠隔指示信号SGxについてはそのまま保存する一方、バックアップ無線モジュール72によって受信された遠隔指示信号SGxについては、第2上限速度vr2,va2,vb2,vc2に制限された変換信号SGzに変換して保存する。
車両CPU83は、第1実施形態にて説明したとおり、受信バッファ74aに保存された信号(遠隔指示信号SGx又は変換信号SGz)に基づいて各アクチュエータ81,82を駆動制御する。
本実施形態では、ステップS602の処理を実行する無線マイコン73及び各アクチュエータ81,82の駆動制御を行う車両CPU83が「第1遠隔制御部」に対応し、ステップS604,S605の処理を実行する無線マイコン73及び各アクチュエータ81,82の駆動制御を行う車両CPU83が「第2遠隔制御部」に対応する。
次に本実施形態の作用について説明する。
メインAP61又はバックアップAP62から遠隔指示信号SGxが送信される。メインAP61から送信される遠隔指示信号SGxと、バックアップAP62から送信される遠隔指示信号SGxとは共通しており、両コントローラ51,52の操作態様が同一であれば、両AP61,62から送信される遠隔指示信号SGxの各指示値Dxv,Dxα,Dxθ,Dxfa,Dxfb,Dxfcは同一である。
メインAP61又はバックアップAP62から遠隔指示信号SGxが送信される。メインAP61から送信される遠隔指示信号SGxと、バックアップAP62から送信される遠隔指示信号SGxとは共通しており、両コントローラ51,52の操作態様が同一であれば、両AP61,62から送信される遠隔指示信号SGxの各指示値Dxv,Dxα,Dxθ,Dxfa,Dxfb,Dxfcは同一である。
メインAP61から送信された遠隔指示信号SGxは、メイン無線モジュール71によって受信される。メイン無線モジュール71によって受信された遠隔指示信号SGxは、そのまま受信バッファ74aに保存される。これにより、遠隔指示信号SGxに対応した動作が行われる。
バックアップAP62から送信された遠隔指示信号SGxは、バックアップ無線モジュール72によって受信される。バックアップ無線モジュール72によって受信された遠隔指示信号SGxは、変換信号SGzに変換されて当該変換信号SGzが受信バッファ74aに保存される。これにより、変換信号SGzに対応した動作が行われる。
ここで、変換信号SGzの変換値Dtv,Dtfa,Dtfb,Dtfcは、第2上限速度vr2,va2,vb2,vc2に制限されている。これにより、フォークリフト20は、第2上限速度vr2,va2,vb2,vc2の範囲内で遠隔操作される。
ちなみに、本実施形態では、両コントローラ51,52の操作量が閾値操作量St未満である場合には、各指示値Dxv,Dxα,Dxθ,Dxfa,Dxfb,Dxfcは、メイン無線通信を用いた遠隔操作時及びバックアップ無線通信を用いた遠隔操作時において同一となる。これにより、両コントローラ51,52の操作量が閾値操作量St未満である範囲内においては、フォークリフト20の遠隔操作態様は、メイン無線通信を用いた遠隔操作時及びバックアップ無線通信を用いた遠隔操作時において同一となる。
以上詳述した本実施形態によれば以下の作用効果を奏する。
(2−1)メインAP61及びバックアップAP62を有する遠隔操作装置40によって遠隔操作されるフォークリフト20は、両無線モジュール71,72を備えている。メインAP61及びメイン無線モジュール71は、通信接続されることによって第1周波数帯域f1min〜f1maxの無線通信を用いて互いに信号の送受信を行う。バックアップAP62及びバックアップ無線モジュール72は、通信接続されることによって第2周波数帯域f2min〜f2maxの無線通信を用いて互いに信号の送受信を行う。
(2−1)メインAP61及びバックアップAP62を有する遠隔操作装置40によって遠隔操作されるフォークリフト20は、両無線モジュール71,72を備えている。メインAP61及びメイン無線モジュール71は、通信接続されることによって第1周波数帯域f1min〜f1maxの無線通信を用いて互いに信号の送受信を行う。バックアップAP62及びバックアップ無線モジュール72は、通信接続されることによって第2周波数帯域f2min〜f2maxの無線通信を用いて互いに信号の送受信を行う。
ここで、フォークリフト20の無線マイコン73及び車両CPU83は、メイン通信接続状態である場合には、メイン無線通信を用いてフォークリフト20の遠隔操作を行う。また、無線マイコン73及び車両CPU83は、メイン通信接続状態ではなくバックアップ通信接続状態である場合には、バックアップ無線通信を用いてフォークリフト20の遠隔操作を行う。そして、無線マイコン73は、バックアップ無線通信を用いてフォークリフト20の遠隔操作を行う場合には、フォークリフト20が停止し易いように、メイン無線通信を用いた遠隔操作時とは異なる態様で遠隔操作を行う。これにより、(1−2)の効果を得ることができる。
(2−2)遠隔操作装置40は、メイン無線通信を用いた遠隔操作時及びバックアップ無線通信を用いた遠隔操作時の双方において、共通の遠隔指示信号SGxを送信するように構成されている。
フォークリフト20の無線マイコン73は、バックアップ無線モジュール72が遠隔指示信号SGxを受信した場合には、当該遠隔指示信号SGxを、第2上限速度vr2,va2,vb2,vc2に制限された変換信号SGzに変換する。そして、車両CPU83は、変換信号SGzに基づいて各アクチュエータ81,82の駆動制御を行う。
一方、無線マイコン73は、メイン無線モジュール71が遠隔指示信号SGxを受信した場合には当該遠隔指示信号SGxを変換信号SGzに変換しない。そして、車両CPU83は、遠隔指示信号SGxに基づいて各アクチュエータ81,82の駆動制御を行う。
かかる構成によれば、遠隔操作装置40から共通の遠隔指示信号SGxが送信される場合であっても、メイン無線通信を用いた遠隔操作時とバックアップ無線通信を用いた遠隔操作時とで、遠隔操作態様を異ならせることができる。
特に、本実施形態では、車両CPU83としては、変換処理を実行する必要がない。したがって、車両CPU83の処理負荷の軽減、及び、車両制御プログラム84aの変更の抑制を図ることができる。
(2−3)産業車両用遠隔操作システム10は、両コントローラ51,52の操作量が第2上限速度に対応する閾値操作量St未満である場合には、メイン無線通信を用いた遠隔操作時及びバックアップ無線通信を用いた遠隔操作時の双方において、同一の遠隔操作態様でフォークリフト20を遠隔操作する。
かかる構成によれば、両コントローラ51,52の操作量が閾値操作量St未満である場合には、フォークリフト20の遠隔操作態様が同一となっている。これにより、メイン無線通信を用いた遠隔操作時とバックアップ無線通信を用いた遠隔操作時とで、異なる反応が生じることに起因する違和感を軽減できる。
ちなみに、本実施形態では、両コントローラ51,52の操作量が閾値操作量St以上である場合には、メイン無線通信を用いた遠隔操作時とバックアップ無線通信を用いた遠隔操作時とで、遠隔操作態様が異なる。つまり、本実施形態では、バックアップ無線通信を用いた遠隔操作の一部についての遠隔操作態様が、メイン無線通信を用いた遠隔操作の遠隔操作態様と異なっている。
なお、第1実施形態では、両単位変化量δv1,δv2が異なっているため、いずれの走行操作量であっても、メイン無線通信を用いた遠隔操作時の遠隔操作態様としての走行速度と、バックアップ無線通信を用いた遠隔操作時の遠隔操作態様としての走行速度とが異なっている。両実施形態を鑑みれば、産業車両用遠隔操作システム10は、バックアップ無線通信を用いた遠隔操作の少なくとも一部について、メイン無線通信を用いた遠隔操作の遠隔操作態様とは異なる態様で行うものといえる。
(2−4)両無線モジュール71,72を有するフォークリフト20を、両AP61,62を有する遠隔操作装置40を用いて遠隔操作するための産業車両用遠隔操作プログラムは、車両受信処理プログラム74b及び車両制御プログラム84aを含む。車両受信処理プログラム74b及び車両制御プログラム84aは、無線マイコン73及び車両CPU83を、メイン通信接続状態である場合に、メイン無線通信を用いてフォークリフト20の遠隔操作を行うものとして機能させる。更に、車両受信処理プログラム74b及び車両制御プログラム84aは、メイン通信接続状態ではなくバックアップ通信接続状態である場合に、バックアップ無線通信を用いて、メイン無線通信を用いた遠隔操作時よりもフォークリフト20が停止し易い態様でフォークリフト20の遠隔操作を行うものとして機能させる。これにより、(2−1)の効果を得ることができる。
(2−5)産業車両用遠隔操作方法は、両無線モジュール71,72を有するフォークリフト20を、両AP61,62を有する遠隔操作装置40を用いて遠隔操作する方法である。産業車両用遠隔操作方法は、無線マイコン73及び車両CPU83が、メイン通信接続状態である場合に、メイン無線通信を用いてフォークリフト20の遠隔操作を行うステップを含む。更に、産業車両用遠隔操作方法は、無線マイコン73及び車両CPU83が、メイン通信接続状態ではなくバックアップ通信接続状態である場合に、バックアップ無線通信を用いて、メイン無線通信を用いた遠隔操作時よりもフォークリフト20が停止し易い態様でフォークリフト20の遠隔操作を行うステップを含む。これにより、(2−1)の効果を得ることができる。
上記各実施形態は以下のように変更してもよい。なお、上記各実施形態及び以下の各別例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせてもよい。
○ 産業車両用遠隔操作システム10は、メイン通信接続状態である状況下よりもバックアップ通信接続状態である状況下の方が、減速時に大きな制動力が働くように構成されてもよい。
○ 産業車両用遠隔操作システム10は、メイン通信接続状態である状況下よりもバックアップ通信接続状態である状況下の方が、減速時に大きな制動力が働くように構成されてもよい。
例えば、メイン通信接続状態である状況下において、減速時における走行速度指示値Dxvと走行速度との差に対する加速度の変化量を第1制動変化量とし、バックアップ通信接続状態である状況下において、減速時における走行速度指示値Dxvと走行速度との差に対する加速度の変化量を第2制動変化量とする。
かかる構成において、第2制動変化量は第1制動変化量よりも大きくてもよい。これにより、リモートCPU44は、走行速度指示値Dxvと走行速度との差が同一である条件下では、メイン通信接続状態である場合よりもバックアップ通信接続状態である場合の方が絶対値として大きな加速度指示値Dxαを導出する。つまり、リモートCPU44は、同一条件下において減速させる場合に、メイン通信接続状態よりもバックアップ通信接続状態の方が、大きな加速度で減速するように加速度指示値Dxαを導出する。同一条件下とは、現在のフォークリフト20の走行速度及び走行コントローラ51の操作態様が同一であることを意味する。
かかる構成によれば、バックアップ無線通信を用いた遠隔操作時の方がメイン無線通信を用いた遠隔操作時よりも制動距離L2が短くなり易いため、全体停止距離Laを短くできる。これにより、フォークリフト20が停止し易い。つまり、バックアップ無線通信を用いた遠隔操作時とメイン無線通信を用いた遠隔操作時とで異ならせる遠隔操作態様の一例として制動力を採用してもよい。
換言すれば、上記異ならせる遠隔操作態様としては、フォークリフト20の走行速度でもよいし、フォーク25の動作速度でもよいし、フォークリフト20又はフォーク25の制動力又は加速度でもよいし、その他動作に関するものでもよい。
○ 無線マイコン73は、メイン通信接続状態である状況においてバックアップAP62を探索し、バックアップAP62とバックアップ無線モジュール72とを通信接続し、その通信接続状態を維持する構成であったが、これに限られない。例えば、無線マイコン73は、メイン通信接続状態が解除されたことに基づいて、バックアップAP62を探索し、探索されたバックアップAP62とバックアップ無線モジュール72とを通信接続する構成でもよい。但し、メイン通信接続状態が解除されてからバックアップ無線通信を用いた遠隔操作が開始されるまでのタイムラグを小さくする点に着目すれば、メイン通信接続状態である状況においてバックアップ通信接続状態が維持される方が好ましい。
○ 遠隔操作装置40は複数のメインAP61及び複数のバックアップAP62を備えていてもよい。複数のメインAP61は互いに離間した位置に配置されているとよく、複数のバックアップAP62は互いに離間した位置に配置されているとよい。
かかる構成において、フォークリフト20は複数の無線ユニット70を備えていてもよい。この場合、産業車両用遠隔操作システム10は、複数のメインAP61のうち第1メイン対象APが第1無線ユニット70のメイン無線モジュール71と通信接続し、複数のメインAP61のうち第2メイン対象APが第2無線ユニット70のメイン無線モジュール71と通信接続するとよい。
また、産業車両用遠隔操作システム10は、複数のバックアップAP62のうち第1バックアップ対象APが第1無線ユニット70のバックアップ無線モジュール72と通信接続し、複数のバックアップAP62のうち第2バックアップ対象APが第2無線ユニット70のバックアップ無線モジュール72と通信接続するように構成されているとよい。
かかる構成によれば、仮にフォークリフト20の移動に起因して、第1メイン対象APと第1無線ユニット70のメイン無線モジュール71との無線通信が不調となった場合には、第2メイン対象APと第2無線ユニット70のメイン無線モジュール71との無線通信を用いて遠隔指示信号SGxの送受信を行うことができる。
同様に、仮にフォークリフト20の移動に起因して、第1バックアップ対象APと第1無線ユニット70のバックアップ無線モジュール72との無線通信が不調となった場合には、第2バックアップ対象APと第2無線ユニット70のバックアップ無線モジュール72との無線通信を用いて遠隔指示信号SGxの送受信を行うことができる。これにより、フォークリフト20が複数のAPの通信範囲に跨って移動する場合であっても、メイン無線通信及びバックアップ無線通信を維持できる。
○ 図18に示すように、フォークリフト20は、メイン無線モジュール101、メイン無線マイコン102及びメイン無線メモリ103を有するメイン無線ユニット100と、バックアップ無線モジュール111、バックアップ無線マイコン112及びバックアップ無線メモリ113を有するバックアップ無線ユニット110と、を備えてもよい。
かかる構成においては、メイン無線ユニット100とバックアップ無線ユニット110とは電気的に接続されており、互いに信号のやり取りを行うとよい。これにより、両無線ユニット100,110は、互いに通信状態を把握できる。
また、上記別例においては、メイン無線マイコン102がメイン無線モジュール101の通信制御を行い、バックアップ無線マイコン112がバックアップ無線モジュール111の通信制御を行うとよい。これにより、処理負荷の分散化を図ることができる。
なお、フォークリフト20は複数のメイン無線ユニット100と、複数のバックアップ無線ユニット110とを備えている構成でもよい。
○ リモートCPU44は、AP61,62と無線モジュール71,72との双方が通信接続されている場合には、両AP61,62の双方から遠隔指示信号SGxを送信するようにしてもよい。すなわち、通信制限部は必須ではない。この場合、産業車両用遠隔操作システム10は、AP61,62と無線モジュール71,72との双方において信号の送受信が正常に行われているか否かを把握できる。
○ リモートCPU44は、AP61,62と無線モジュール71,72との双方が通信接続されている場合には、両AP61,62の双方から遠隔指示信号SGxを送信するようにしてもよい。すなわち、通信制限部は必須ではない。この場合、産業車両用遠隔操作システム10は、AP61,62と無線モジュール71,72との双方において信号の送受信が正常に行われているか否かを把握できる。
なお、かかる構成では、無線マイコン73は、両無線モジュール71,72によって受信される2つの遠隔指示信号SGxのうちいずれか一方を受信バッファ74aに保存してもよい。
○ 無線マイコン73は、車両受信処理の実行というソフトウェア構成によって遠隔指示信号SGxを受信バッファ74aに保存する構成であったが、これに限られない。例えば、無線ユニット70は、遠隔指示信号SGxの受信に伴い、遠隔指示信号SGxを受信バッファ74aに保存する専用のハードウェア回路を備えていてもよい。つまり、遠隔指示信号SGxを受信バッファ74aに保存するという機能は、ソフトウェア構成で実現されてもよいし、ハードウェア構成によって実現されてもよい。他の機能(処理)についても同様である。
○ バックアップ無線通信を用いた遠隔操作が行われる場合には、メイン無線通信を用いた遠隔操作時よりも、走行コントローラ51の操作可能範囲を狭くする制限機構を設けてもよい。この場合、産業車両用遠隔操作システム10は、両単位変化量δv1,δv2を異ならせなくても、第2走行上限速度vr2の範囲内でバックアップ無線通信を用いた遠隔操作を行うことができる。
○ 第2実施形態において、メインAP61又はバックアップAP62から送信される共通の遠隔指示信号SGxは、第2上限速度vr2,va2,vb2,vc2の範囲内の指示値Dxv,Dxfa,Dxfb,Dxfcが設定された信号でもよい。
この場合、無線マイコン73は、バックアップ無線モジュール72が遠隔指示信号SGxを受信した場合には、遠隔指示信号SGxを受信バッファ74aに保存する。一方、無線マイコン73は、メイン無線モジュール71が遠隔指示信号SGxを受信した場合には、当該遠隔指示信号SGxを第1上限速度vr1,va1,vb1,vc1の範囲内の変換値Dtv,Dtfa,Dtfb,Dtfcが設定された変換信号SGzに変換し、その変換された変換信号SGzを受信バッファ74aに保存する。これにより、(2−1)と同様の効果を奏する。
○ 第2実施形態において、無線マイコン73は、両無線モジュール71,72のいずれかが遠隔指示信号SGxを受信したことに基づいて、当該遠隔指示信号SGxを変換することなくそのまま受信バッファ74aに保存する構成でもよい。この場合、車両CPU83は、メイン通信接続状態である場合には、遠隔指示信号SGxの各指示値Dxv,Dxfa,Dxfb,Dxfcに基づいて各アクチュエータ81,82の駆動制御を行う。一方、車両CPU83は、メイン通信接続状態ではなくバックアップ通信接続状態である場合には、遠隔指示信号SGxの指示値Dxv,Dxfa,Dxfb,Dxfcを変換値Dtv,Dtfa,Dtfb,Dtfcに変換し、当該変換値Dtv,Dtfa,Dtfb,Dtfcに基づいて各アクチュエータ81,82の駆動制御を行ってもよい。すなわち、変換処理を行う実行主体は任意である。
○ 第1周波数帯域f1min〜f1maxと第2周波数帯域f2min〜f2maxとが一部重なっていてもよい。
○ 走行コントローラ51及び荷役コントローラ52の具体的な構成は任意である。例えばボタン式のコントローラやタッチパネルなどでもよい。
○ 走行コントローラ51及び荷役コントローラ52の具体的な構成は任意である。例えばボタン式のコントローラやタッチパネルなどでもよい。
○ 遠隔操作装置40が両AP61,62を備えていることは必須ではない。つまり、両AP61,62は、遠隔操作装置40の一部ではないと捉えてもよい。この場合、遠隔操作装置40は、両AP61,62と接続され且つ両AP61,62のうち少なくとも1つを用いて遠隔指示信号SGxを送信するように構成されていればよい。同様に、遠隔操作装置40がモニタ41を備えていることは必須ではなく、モニタ41の表示制御を行うことができるように構成されていればよい。
○ 画像送信部86及び画像受信部48を省略し、メインAP61とメイン無線モジュール71との間で画像信号SGgの送受信が行われてもよい。
○ カメラ31〜36やモニタ41等を省略してもよい。この場合、作業者は、目視によって遠隔操作装置40を用いたフォークリフト20の遠隔操作を行ってもよい。
○ カメラ31〜36やモニタ41等を省略してもよい。この場合、作業者は、目視によって遠隔操作装置40を用いたフォークリフト20の遠隔操作を行ってもよい。
○ 遠隔操作装置40の具体的な構成は任意であり、例えばスマートフォンなどの汎用品であってもよい。
○ 産業車両用遠隔操作システム10は、メイン表示及びバックアップ表示のうちいずれか一方のみ(例えばバックアップ表示のみ)が行われる構成でもよい。また、メイン表示及びバックアップ表示の双方を省略してもよい。つまり、メイン表示及びバックアップ表示は必須ではない。
○ 産業車両用遠隔操作システム10は、メイン表示及びバックアップ表示のうちいずれか一方のみ(例えばバックアップ表示のみ)が行われる構成でもよい。また、メイン表示及びバックアップ表示の双方を省略してもよい。つまり、メイン表示及びバックアップ表示は必須ではない。
○ 産業車両は、フォークリフト20に限られず任意である。産業車両は、走行動作以外の動作を行う動作対象物(換言すれば操作対象物)を1又は複数有するものでもよい。この場合、動作とは走行動作及び動作対象物の動作の少なくとも一方を含むとよい。また、産業車両は、動作対象物を有さなくてもよい。この場合、動作とは走行動作である。
○ 各実施形態では、走行動作及び荷役動作の双方において、メイン無線通信を用いた遠隔操作時の方が、バックアップ無線通信を用いた遠隔操作時よりも、停止し易くなるように遠隔操作態様が異なっていたが、これに限られない。例えば、走行動作及び荷役動作のいずれか一方についてのみ、遠隔操作態様が異なる構成でもよい。また、複数種類の荷役動作のうち特定の荷役動作についてのみ、遠隔操作態様(例えば当該特定の荷役動作の動作速度や制動力)を異ならせる構成でもよい。換言すれば、各指示値Dxv,Dxfa,Dxfb,Dxfcのうち少なくとも1つが「動作速度指示値」に対応すればよい。
○ 産業車両用遠隔操作プログラムとしての各種プログラムが記憶された記憶媒体を別途用意し、当該記憶媒体をフォークリフト20又は遠隔操作装置40に接続した状態で、遠隔操作装置40によるフォークリフト20の遠隔操作等を行う構成でもよい。
○ リモートCPU44とは別のCPUが通信制御を行ってもよい。例えば、遠隔操作装置40は、両AP61,62の通信制御を行う専用の無線マイコンを有してもよい。
10…産業車両用遠隔操作システム、20…フォークリフト(産業車両)、21…機台、25…フォーク、40…遠隔操作装置、44…リモートCPU、45…リモートメモリ、45a…リモート通信制御処理プログラム、45b…リモート遠隔制御処理プログラム、51…走行コントローラ、52…荷役コントローラ、61…メインAP(第1リモート通信部)、62…バックアップAP(第2リモート通信部)、70…無線ユニット、71,101…メイン無線モジュール(第1車両通信部)、72,111…バックアップ無線モジュール(第2車両通信部)、73…無線マイコン、74…無線メモリ、74c…車両通信制御処理プログラム、81,82…アクチュエータ(駆動部)、83…車両CPU、84a…車両制御プログラム、SGx…遠隔指示信号、SGx1…メイン遠隔指示信号、SGx2…バックアップ遠隔指示信号、SGy…車両信号、δv1…第1単位変化量、δv2…第2単位変化量、f1min〜f1max…第1周波数帯域、f2min〜f2max…第2周波数帯域。
Claims (10)
- 第1周波数帯域にて無線通信を行う第1車両通信部、及び、前記第1周波数帯域よりも低い第2周波数帯域にて無線通信を行う第2車両通信部を有する産業車両と、
前記第1車両通信部と通信接続されることによって当該第1車両通信部と無線通信にて信号の送受信を行う第1リモート通信部、及び、前記第2車両通信部と通信接続されることによって当該第2車両通信部と無線通信にて信号の送受信を行う第2リモート通信部を有し、前記産業車両を遠隔操作するのに用いられる遠隔操作装置と、
前記第1車両通信部及び前記第1リモート通信部が通信接続されている場合には、前記第1車両通信部と前記第1リモート通信部との無線通信である第1無線通信を用いて、前記産業車両が動作するように遠隔操作を行う第1遠隔制御部と、
前記第1車両通信部及び前記第1リモート通信部が通信接続されておらず、前記第2車両通信部及び前記第2リモート通信部が通信接続されている場合には、前記第2車両通信部と前記第2リモート通信部との無線通信である第2無線通信を用いて、前記産業車両が動作するように遠隔操作を行う第2遠隔制御部と、
を備え、
前記第2遠隔制御部は、少なくとも一部の遠隔操作について、前記第1遠隔制御部による遠隔操作時よりも前記産業車両の前記動作が停止し易くなるように、前記第1遠隔制御部による遠隔操作態様とは異なる態様で行うことを特徴とする産業車両用遠隔操作システム。 - 前記第1遠隔制御部は、第1上限値の動作速度の範囲内にて前記産業車両が動作するように遠隔操作を行うものであり、
前記第2遠隔制御部は、前記第1上限値よりも低い第2上限値の動作速度の範囲内にて前記産業車両が動作するように遠隔操作するものである請求項1に記載の産業車両用遠隔操作システム。 - 前記産業車両用遠隔操作システムは操作部を有し、
前記遠隔操作装置は、前記第1遠隔制御部及び前記第2遠隔制御部を有し、
前記第1遠隔制御部は、
前記操作部の操作に基づいて、前記第1上限値の範囲内の動作速度指示値を導出する第1導出部と、
前記第1リモート通信部を用いて、前記第1導出部によって導出された前記動作速度指示値が設定された第1遠隔指示信号を、前記第1車両通信部に向けて送信する第1送信制御部と、
を備え、
前記第2遠隔制御部は、
前記操作部の操作に基づいて、前記第2上限値の範囲内の動作速度指示値を導出する第2導出部と、
前記第2リモート通信部を用いて、前記第2導出部によって導出された前記動作速度指示値が設定された第2遠隔指示信号を、前記第2車両通信部に向けて送信する第2送信制御部と、
を備え、
前記産業車両は、
前記動作が行われるように駆動する駆動部と、
前記第1車両通信部及び前記第2車両通信部のいずれか一方によって受信される遠隔指示信号に対応した動作が行われるように前記駆動部を制御する駆動制御部と、
を備えている請求項2に記載の産業車両用遠隔操作システム。 - 前記第1車両通信部及び前記第1リモート通信部が通信接続され、且つ、前記第2車両通信部及び前記第2リモート通信部が通信接続されている場合には、前記第2遠隔指示信号の送信が行われないように制限する一方、前記第2車両通信部と前記第2リモート通信部とが通信接続されている状態を維持する通信制限部を備えている請求項3に記載の産業車両用遠隔操作システム。
- 前記産業車両用遠隔操作システムは操作部を有し、
前記第1遠隔制御部は、前記操作部の操作量に応じた動作速度で前記産業車両が動作するように遠隔操作を行うものであり、
前記第2遠隔制御部は、前記操作部の操作量に応じた動作速度で前記産業車両が動作するように遠隔操作を行うものであり、
前記第2遠隔制御部による遠隔操作時における前記操作部の単位操作量当たりの前記動作速度の変化量である第2単位変化量は、前記第1遠隔制御部による遠隔操作時における前記単位操作量当たりの前記動作速度の変化量である第1単位変化量よりも小さい請求項2に記載の産業車両用遠隔操作システム。 - 前記第1遠隔制御部は、前記遠隔操作装置に対して動作停止操作が行われた場合には、第1制動力で前記動作を停止させるものであり、
前記第2遠隔制御部は、前記遠隔操作装置に対して前記動作停止操作が行われた場合には、前記第1制動力よりも大きい第2制動力で前記動作を停止させる請求項1に記載の産業車両用遠隔操作システム。 - 第1周波数帯域にて無線通信を行う第1車両通信部、及び、前記第1周波数帯域よりも低い第2周波数帯域にて無線通信を行う第2車両通信部を有する産業車両を遠隔操作するのに用いられる遠隔操作装置であって、
前記第1車両通信部と通信接続されることによって当該第1車両通信部と無線通信にて信号の送受信を行う第1リモート通信部と、
前記第2車両通信部と通信接続されることによって当該第2車両通信部と無線通信にて信号の送受信を行う第2リモート通信部と、
前記第1車両通信部及び前記第1リモート通信部が通信接続されている場合には、前記第1車両通信部と前記第1リモート通信部との無線通信である第1無線通信を用いて、前記産業車両が動作するように遠隔操作を行う第1遠隔制御部と、
前記第1車両通信部及び前記第1リモート通信部が通信接続されておらず、前記第2車両通信部及び前記第2リモート通信部が通信接続されている場合には、前記第2車両通信部と前記第2リモート通信部との無線通信である第2無線通信を用いて、前記産業車両が動作するように遠隔操作を行う第2遠隔制御部と、
を備え、
前記第2遠隔制御部は、少なくとも一部の遠隔操作について、前記第1遠隔制御部による遠隔操作時よりも前記産業車両の前記動作が停止し易くなるように、前記第1遠隔制御部による遠隔操作態様とは異なる態様で行うことを特徴とする遠隔操作装置。 - 第1周波数帯域にて無線通信を行う第1車両通信部、及び、前記第1周波数帯域よりも低い第2周波数帯域にて無線通信を行う第2車両通信部を備えた産業車両であって、
前記産業車両は、前記第1車両通信部と通信接続されることによって当該第1車両通信部と無線通信にて信号の送受信を行う第1リモート通信部、及び、前記第2車両通信部と通信接続されることによって当該第2車両通信部と無線通信にて信号の送受信を行う第2リモート通信部を有する遠隔操作装置によって遠隔操作されるものであり、
前記産業車両は、
前記第1車両通信部及び前記第1リモート通信部が通信接続されている場合には、前記第1車両通信部と前記第1リモート通信部との無線通信である第1無線通信を用いて、前記産業車両が動作するように遠隔操作を行う第1遠隔制御部と、
前記第1車両通信部及び前記第1リモート通信部が通信接続されておらず、前記第2車両通信部及び前記第2リモート通信部が通信接続されている場合には、前記第2車両通信部と前記第2リモート通信部との無線通信である第2無線通信を用いて、前記産業車両が動作するように遠隔操作を行う第2遠隔制御部と、
を備え、
前記第2遠隔制御部は、少なくとも一部の遠隔操作について、前記第1遠隔制御部による遠隔操作時よりも前記産業車両の前記動作が停止し易くなるように、前記第1遠隔制御部による遠隔操作態様とは異なる態様で行うことを特徴とする産業車両。 - 第1周波数帯域にて無線通信を行う第1車両通信部、及び、前記第1周波数帯域よりも低い第2周波数帯域にて無線通信を行う第2車両通信部を有する産業車両を、前記第1車両通信部と通信接続されることによって当該第1車両通信部と無線通信にて信号の送受信を行う第1リモート通信部、及び、前記第2車両通信部と通信接続されることによって当該第2車両通信部と無線通信にて信号の送受信を行う第2リモート通信部を有する遠隔操作装置を用いて遠隔操作するための産業車両用遠隔操作プログラムであって、
前記遠隔操作装置又は前記産業車両を、
前記第1車両通信部及び前記第1リモート通信部が通信接続されている場合には、前記第1車両通信部と前記第1リモート通信部との無線通信である第1無線通信を用いて、前記産業車両が動作するように遠隔操作を行う第1遠隔制御部と、
前記第1車両通信部及び前記第1リモート通信部が通信接続されておらず、前記第2車両通信部及び前記第2リモート通信部が通信接続されている場合には、前記第2車両通信部と前記第2リモート通信部との無線通信である第2無線通信を用いて、前記産業車両が動作するように遠隔操作を行う第2遠隔制御部と、
として機能させるものであり、
前記第2遠隔制御部は、少なくとも一部の遠隔操作について、前記第1遠隔制御部による遠隔操作時よりも前記産業車両の前記動作が停止し易くなるように、前記第1遠隔制御部による遠隔操作態様とは異なる態様で行うことを特徴とする産業車両用遠隔操作プログラム。 - 第1周波数帯域にて無線通信を行う第1車両通信部、及び、前記第1周波数帯域よりも低い第2周波数帯域にて無線通信を行う第2車両通信部を有する産業車両を、前記第1車両通信部と通信接続されることによって当該第1車両通信部と無線通信にて信号の送受信を行う第1リモート通信部、及び、前記第2車両通信部と通信接続されることによって当該第2車両通信部と無線通信にて信号の送受信を行う第2リモート通信部を有する遠隔操作装置を用いて遠隔操作する産業車両用遠隔操作方法であって、
前記遠隔操作装置又は前記産業車両が、前記第1車両通信部及び前記第1リモート通信部が通信接続されている場合には、前記第1車両通信部と前記第1リモート通信部との無線通信である第1無線通信を用いて、前記産業車両が動作するように遠隔操作を行う第1遠隔制御ステップと、
前記遠隔操作装置又は前記産業車両が、前記第1車両通信部及び前記第1リモート通信部が通信接続されておらず、前記第2車両通信部及び前記第2リモート通信部が通信接続されている場合には、前記第2車両通信部と前記第2リモート通信部との無線通信である第2無線通信を用いて、前記産業車両が動作するように遠隔操作を行う第2遠隔制御ステップと、
を備え、
前記第2遠隔制御ステップは、少なくとも一部の遠隔操作について、前記第1遠隔制御ステップによる遠隔操作時よりも前記産業車両の前記動作が停止し易くなるように、前記第1遠隔制御ステップによる遠隔操作態様とは異なる態様で行うことを特徴とする産業車両用遠隔操作方法。
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2019
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