JP2019201094A - 有機el素子 - Google Patents

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【課題】特定の材料からなる三層構成を持つ電子注入層を用いることで、低駆動電圧でかつ、長寿命の有機EL素子を提供する。【解決手段】陰極に隣接して、金属酸化物/ポリアミン/疎水性ポリマーの三層からなる電子注入層を有する有機EL素子。前記疎水性ポリマーは下記式(1)で表されるポリイオン液体であることが好ましい(式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立にアルキル基を表し、R3及びR4はそれぞれ独立にフッ素原子を含むアルキル基を表し、nは1以上の整数を表す)。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリイオン液体からなる電子注入層を備える有機EL素子に関する。
有機EL(エレクトロルミネッセンス)は、電流注入により自発光する現象であり、この現象を利用した有機ELデバイス(OLED)は、高視野角、高コントラスト、極薄構造、低電圧駆動、及び高い応答速度などの特長を有することから、次世代型面発光デバイスとして照明やディスプレイへの応用が期待されている。
このような有機ELデバイス(OLED)の製造には、工程の容易さからウェットプロセスが用いられる。例えば、発光層を塗布法によって形成したり、OLEDを区画するための隔壁をフォトリソグラフィ法によって形成したりする。将来の大面積有機デバイスを可能にする量産性に優れた塗布型有機ELデバイスの実現には、基板上で安定に発光するOLEDが必要である。安定な発光を阻害する要因は、電子注入層や正孔注入層を構成するキャリア注入材料が、大気中の酸素や水と反応することによるデバイスの劣化にあると考えられており、酸素や水に強い大気安定なOLEDの開発が求められている。大気安定なOLEDの開発にあたり、陰極に隣接して用いられる電子注入材料には、従来、アルカリ金属やアルカリ金属塩といった活性の高い材料が用いられているが、これらの材料は、大気中で酸化又は潮解することで、電子注入層の機能が失活し、さらには陰極部の酸化劣化も引き起こしてしまう。したがって、大気安定なOLEDの開発には、アルカリ金属などの活性の高い電子注入材料の代替材料の探索が必要である。
近年、ポリマー電子注入材料が多く開発されている。例えば、ポリエチレンイミン誘導体であるエトキシ化ポリエチレンイミン(PEIE)は、低電圧駆動することが知られている。しかしながら、PEIEには、駆動寿命が短いという欠点がある(非特許文献1)。また、ポリイオン液体も、低電圧駆動する電子注入材料として知られ、例えば、本発明者らにより、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウム)ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド[Poly(DDA)TFSI]が大気安定な低電圧駆動電子注入材料として報告されている。しかしながら、可動性のイオン性部位を持つ材料は、塗布後の表面粗さの高い界面部分に、駆動中に表面粗さの高い部分に電子が集中したり、印加電解により可動イオンが動いてしまう事が素子の劣化に繋がり、駆動寿命が短いという問題点があった。
Zhou et al., Science 336, 327 (2012).
本発明は、電子注入層を、ポリイオン液体を含む特定の材料からなる三層構成とすることにより、低駆動電圧でかつ、長寿命の有機EL素子を提供することを目的とする。
本発明は以下の事項からなる。
本発明の有機EL素子は、陰極に隣接して、金属酸化物/ポリアミン/疎水性ポリマーの三層からなる電子注入層を有する。
前記疎水性ポリマーは下記式(1)で表されるポリイオン液体であることが好ましい。
Figure 2019201094
式(1)中、R1及びRはそれぞれ独立にアルキル基を表し、R3及びR4はそれぞれ独立にフッ素原子を含むアルキル基を表し、nは1以上の整数を表す。
前記金属酸化物は、酸化亜鉛ナノ粒子であることが好ましい。
前記ポリアミンは、下記式(2)で表されるエトキシ化ポリエチレンイミン(PEIE)であることが好ましい。
Figure 2019201094
式(2)中、R5は水素原子、2−ヒドロキシエチル基、2−アミノエチル基、又はN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノエチル基を表す。
本発明に係る電子注入材料を用いれば、低駆動電圧でかつ長寿命化を実現した有機EL素子を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る素子構成を表す。 図2は、実施例1と比較例1〜4の比較において、素子を5.0mA/cm2で定電流駆動したときに輝度が経時的に減衰する様子を示すグラフである。 図3は、実施例1と比較例1〜4の比較において、素子を5.0mA/cm2で定電流駆動したときの動作電圧の変化を示すグラフである。 図4は、実施例1と比較例1の比較において、素子を5.0mA/cm2で定電流駆動したときに輝度が経時的に減衰する様子を示すグラフである。 図5は、実施例1と比較例1の比較において、素子を5.0mA/cm2で定電流駆動したときの動作電圧の変化を示すグラフである。
次に、本発明について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
本発明の有機EL素子は、陰極7に隣接して、金属酸化物/ポリアミン/疎水性ポリマーの三層からなる電子注入層6,6’をこの順に有する。
電子注入層6,6’を構成する金属酸化物には、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO)及び酸化ジルコニウム(ZrO)などが挙げられる。金属酸化物は、電子注入層の表面粗さを改質する役割を果たす。電子注入層6,6’中の金属酸化物からなる層の厚みは、通常10〜40nm、好ましくは10〜20nmである。これら金属酸化物は多孔質である事が好ましく、ナノ粒子からなる事がさらに好ましい。
ポリアミンは、電子注入層及びポリイオン液体中のイオンの移動防止層の役割を果たす。ポリアミンには、例えば、下記式(2)で表されるエトキシ化ポリエチレンイミン(PEIE)、ポリ(エチレンイミン)(PEI)などが挙げられる。
Figure 2019201094
式(2)中、R5は水素原子、2−ヒドロキシエチル(−CH2CH2OH)基、2−アミノエチル(−CH2CH2NH2)基、又はN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノエチル基(−CH2CH2N(CH2CH2OH)2)を表す。
これらのうち、金属酸化物上の成膜性の理由により、前記式(2)で表されるエトキシ化ポリエチレンイミン(PEIE)が好ましい。
電子注入層6,6’中のポリアミンからなる層の厚みは、通常5〜30nm、好ましくは10〜20nmである。
疎水性ポリマーは、下記式(1)に示すように、1,1−ジアルキルピロリジニウム基を含む陽イオン(poly(DDA)+)とビス(フルオロアルカンスルホニル)アミン陰イオン(TFSI-)とからなるポリイオン液体である。
ここで、ポリイオン液体とは、100度以下で液体の塩のユニットを繰り返し単位として含むポリマーであり、不揮発性、難燃性、及び高イオン導電性などの特徴を有する。陽イオンと陰イオンとの組み合わせにより、ポリイオン液体には、様々な物理的及び化学的特性を持たせることができる。例えば、対アニオンの交換による疎水性化などにより、大気下での安定性の付与が可能である。また、ポリイオン液体は、一般的なキャリア注入材料とは異なり、高い電荷密度を有することから大きい双極子が形成され、高いキャリアの注入特性が期待できる。よって、ポリイオン液体はアルカリ金属に代替するキャリア注入材料として有望といえる。
Figure 2019201094
式(1)中、R1及びRはそれぞれ独立にアルキル基を表す。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、及びヘキシル基等が挙げられる。これらのうち、メチル基、及びエチル基等が好ましく、メチル基がより好ましい。
3及びR4はそれぞれ独立にフッ素原子を含むアルキル基を表す。フッ素原子を含むアルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、及びヘプタフルオロプロピル基等が挙げられる。フッ素原子を含むアルキル基はパーフルオロアルキル基が好ましく、具体的には、トリフルオロメチル基、及びペンタフルオロエチル基がより好ましく、トリフルオロメチル基が特に好ましい。
nは1以上、具体的には1〜1万の整数を表す。
前記疎水性ポリマーは、下記構造式で表されるPoly(DDA)TFSI又はPoly(DDA)PFSIが特に好ましい。
Figure 2019201094
電子注入層6,6’中の疎水性ポリマーからなる層の厚みは、通常5〜20nm、好ましくは5〜10nmである。
なお、前記疎水性ポリマーは、先に単分子型化合物を合成した後、これを通常のラジカル反応させることにより、高分子形態の化合物を合成してもよいし、或いは、高分子で合成した化合物を変換させて合成してもよい。一例を挙げると、Poly(DDA)TFSIは、以下に示すように、Poly(DDA)Cl水溶液と、LiTFSI(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム)水溶液とを混合して、アニオン交換反応させることで合成することができる。
Figure 2019201094
電子注入層6,6’は、金属酸化物、ポリアミン、及び疎水性ポリマーの各材料が順に積層した三層を形成していてもよいし、これらの材料同士が一部混合した混合層を含んでいてもよい。
次に、前記した金属酸化物/ポリアミン/疎水性ポリマーの三層からなる電子注入層7を備える有機EL素子について説明する。前記有機EL素子は、典型的には、図1に示すように、陰極7、電子注入層6,6’、発光層5、正孔輸送層4、正孔注入層3、陽極2、支持基板1がこの順に積層した構造を有する。
陰極7と発光層5との間に設けられる層としては、電子注入層6,6’、電子輸送層、正孔ブロック層等が挙げられる。陰極7と発光層5との間に電子注入層6,6’と電子輸送層との両方を設ける場合、陰極7に近い層が電子注入層6,6’であり、発光層5に近い層が電子輸送層である。陽極2と発光層5との間に設けられる層としては、正孔注入層3、正孔輸送層4、電子ブロック層等が挙げられる。陽極2と発光層5との間に正孔注入層3と正孔輸送層4との両方を設ける場合、陽極2に近い層が正孔注入層3であり、発光層5に近い層が正孔輸送層4である。
次に各層の構成材料について説明する。
<支持基板1>
支持基板1には、ボトムエミッション型の有機EL素子の場合、光透過性を示すものが用いられ、トップエミッション型の有機EL素子の場合、光透過性又は不透光性のものが用いられる。
支持基板1には、具体的には、ガラス板、金属板、プラスチック、高分子フィルム、及びシリコン板、並びにこれらを積層したものなどが用いられる。
<陽極2>
ボトムエミッション型の有機EL素子の場合、陽極2には光透過性を示す電極が用いられる。陽極2には、例えば、電気伝導度の高い金属酸化物、金属硫化物又は金属等の薄膜が挙げられ、具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、金、白金、銀、又は銅等からなる薄膜が挙げられる。また、ポリアニリン若しくはその誘導体、又はポリチオフェン若しくはその誘導体等の有機の透明導電膜を陽極2として用いてもよい。
トップエミッション型の有機EL素子の場合、陽極2には、光を反射する材料を用いてもよく、このような材料としては、仕事関数3.0eV以上の金属、金属酸化物、金属硫化物が好ましい。
<正孔注入層3>
正孔注入材料としては、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム及び酸化アルミニウム等の酸化物、並びにフェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、アモルファスカーボン、ポリアニリン、及びポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT:PSS)等のポリチオフェン誘導体等が挙げられる。
<正孔輸送層4>
正孔輸送材料には、例えば、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−アルト−N−(4−ブチルフェニル)ジフェニルアミン)(TFB)、4,4’−シクロヘキシリデンビス[N,N−ビス(4−メチルフェニル)ベンゼンアミン](TAPC)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(m−トリル)ベンジジン(TPD)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(α−NPD)、(4,4’,4’’トリ−9−カルバゾリルトリフェニルアミン(TCTA))及び(4,4’,4’’トリス[フェニル(m−トリル)アミノ]トリフェニルアミン))等が挙げられる。これらのうち、塗布成膜が可能でかつ、寿命の向上の観点から、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−アルト−N−(4−ブチルフェニル)ジフェニルアミン)(TFB)が好ましい。
<発光層5>
発光層5は、通常、蛍光やりん光を発光する有機物、又は該有機物とドーパントとから構成される。なお、有機物は、低分子化合物でも高分子化合物でもよいが、標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が103〜108程度の高分子化合物を含むことが好ましい。
発光材料には、種々のものが用いられる。青色に発光する材料には、例えば、ジスチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ポリ[(9,9−ジ−n−オクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−アルト−(ベンゾ[2,1,3]チアジアゾール−4,8−ジイル)](F8BT)等のチアジアゾール誘導体、及びそれらの重合体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、並びにポリフルオレン誘導体が挙げられる。緑色に発光する材料には、例えば、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、及びそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、並びにポリフルオレン誘導体が挙げられる。赤色に発光する材料には、例えば、クマリン誘導体、チオフェン環化合物、及びそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、並びにポリフルオレン誘導体が挙げられる。
<電子輸送層>
電子輸送材料には、例えば、ビス−4,6−(3,5−ジ−3−ピリジルフェニル)−2−メチルピリミジン(B3PymPm)、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)、1,3−ビス[5−(4−t−ブチルフェニル)−2−[1,3,4]オキサジアゾリル]ベンゼン(OXD−7)、3−(ビフェニル−4−イル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−4−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、バソクプロイン(BCP)、1,3,5−トリス(1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン(TPBi)等が挙げられる。
<電子注入層6,6’>
前記のとおり、本発明の有機EL素子は、金属酸化物/ポリアミン/疎水性ポリマーの三層からなる電子注入層6,6’を含んで構成される。電子注入層6,6’は、金属酸化物からなる層6’と、ポリアミン及び疎水性ポリマーからなる層6とで構成される。本発明の有機EL素子では、陰極7に隣接して、電子注入層6及び電子注入層6’がこの順に積層される。
本発明で用いられる電子注入層6,6’は、大気中で安定に存在し、かつ、電荷の注入性や輸送性に優れるため、高輝度で発光する素子を提供することができる。
なお、電子注入材料には、炭酸セシウム(Cs2CO3);8−キノリノラトナトリウム(Naq)、8−ヒドロキシキノリノラートリチウム(Liq)、リチウム2−(2−ピリジル)フェノラート(Lipp)、及びリチウム2−(2’,2’’−ビピリジン−6’−イル)フェノラート(Libpp)等のリチウムフェノラート塩等のアルカリ金属塩等が知られている。これらのうち、特にLiqは、大気中で安定であり、しかも大気下に曝露できないCs2CO3よりも低電圧化及び高効率化できることから、塗布型電子注入材料として好適である。これらの公知の電子注入材料を、本発明で用いられる電子注入層6,6’に所期の量で添加してもよい。
<陰極7>
陰極7には、一般的にAlの金属電極が用いられるが、銀など他の金属であってもよい。この金属電極は蒸着法または塗布法により形成される。その他、例えば、PEDOT:PSS等の導電性樹脂からなる薄膜、並びに樹脂及び導電性フィラーからなる薄膜等が用いられる。
樹脂及び導電性フィラーからなる薄膜の場合、樹脂には導電性樹脂が使用でき、導電性フィラーには、金属微粒子や導電性ワイヤー等を使用できる。導電性フィラーには、Au、Ag、Al、Cu、及びC等が使用できる。
有機EL素子は、前記各層の構成材料を順次積層することによって形成される。各層は、真空蒸着法又は塗布法で積層される。真空蒸着法を用いる場合、通常10-3Pa以下に減圧した雰囲気で、蒸着物を加熱して行う。塗布法を用いる場合、各層の構成材料を例えば、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、及び水等に溶解させて公知の塗布法により各層を形成する。塗布法には、例えば、バーコート法、キャピラリーコート法、スリットコート法、インクジェット法、スプレーコート法、ノズルコート法、及び印刷法が挙げられる。各層の形成にすべて同じ塗布法を用いてもよいし、インクの種類に応じて適宜最適な塗布法を個別に用いてもよい。
塗布法を用いる場合、表面に予め陽極2が形成された支持基板1を用意し、該支持基板1上に正孔注入材料を含むインクを塗布成膜して正孔注入層3を形成し、次いで正孔輸送材料を含むインクを塗布成膜し、正孔輸送層4を形成する。次に、発光層5となる材料を含むインクを正孔輸送層4上に塗布成膜し、発光層5を形成した後、電子輸送材料を含むインクを塗布成膜し、電子輸送層を形成し、電子注入材料(金属酸化物/ポリアミン/疎水性ポリマー)を含むインクを発光層5上に塗布成膜し、電子注入層6,6’を形成する。陰極材料を含むインクを電子注入層7上に塗布成膜して陰極7を形成し、有機EL素子を形成する。なお、陰極7は、陰極材料を含むインクを塗布成膜するか、又は陰極7となる導電性薄膜を転写することによって形成される。陰極7は、塗布成膜法に代えて、いわゆるラミネート法によって形成してもよい。陽極2は、スパッタリング法、イオンプレーティング法、及びメッキ法等によって形成してもよい。
各層の膜厚は、層の種類や使用する材料によって異なるが、通常、陽極2及び陰極7は100nm程度、発光層5を含む他の層は50nm未満である。なお、電子注入層6,6’等は、例えば1nm以下の厚みで形成されることもある。
本発明の有機EL素子は、枚葉方式によって各層を形成する以外に、例えば、ロール・ツー・ロール法によって形成してもよい。
上記した有機EL素子の製造工程は、大気中で行うことができ、例えば、クリーンルームにおいて行うことができる。なお、必要に応じて、不活性ガス雰囲気下において上記製造工程を行ってもよい。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明は下記実施例により制限されるものではない。
〔実施例1〕
有機EL素子をスピンコート法により、作製した。
電子注入層6、6’の成膜条件は以下のとおりである。
(1)ZnOnps
溶液調製:メタノール分散液である母液を調製した。
成膜条件:
[10nm]:5mgmL-1 クロロホルム:2−エトキシエタノール(1:4)溶液
スロープ(2.5秒)→2000rpm(30秒)→ スロープ(2.5秒)→アニーリング(110℃で10分)
(2)PEIE
溶液調製: PEIE(シグマアルドリッチジャパン製)を2−エトキシエタノールで希釈して調製した。
成膜条件:
[20nm]:7mg mL-1 2−エトキシエタノール溶液
スロープ(2.5秒)→2000rpm(30秒)→スロープ(2.5秒)→アニーリング(110℃で10分)
(3)Poly(DDA)TFSI
溶液調製:合成したPoly(DDA)TFSIをアセトニトリルに溶解して調製した。
成膜条件:
[20nm]:5mg mL-1 アセトニトリル溶液
スロープ(1.5秒)→2500rpm(30秒)→スロープ(5.0秒)→アニーリング(110℃で10分)
[10nm]:1mgmL-1アセトニトリル溶液
スロープ(1.5秒)→2500rpm(30秒)→スロープ(5.0秒)→アニーリング(110℃で10分)
素子構成は以下のとおりである。
[ガラス基板/ITO(130nm)/PEDOT:PSS(30nm)/TFB(20nm)/F8BT(80nm)/ZnOnps(10nm)/PEIE(20nm)+Poly(DDA)TFSI(10nm)/Al(100nm)(支持基板1/陽極2/正孔注入層3/正孔輸送層4/発光層5/電子注入層6’/電子注入層6/陰極7)]
なお、括弧内は膜厚(nm)を表し、ZnOnpsは、酸化亜鉛ナノ粒子を表す。
得られた素子の初期特性を表1に表し、素子を5.0mA/cm2で定電流駆動した時の輝度及び電圧の変化を表2、3、及び図2〜5に示す。
[比較例1]
実施例1において、電子注入層6として、PEIE(20nm)+Poly(DDA)(10nm)の代わりに、Liq(1nm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子を作製した。
素子構成は以下のとおりである。
[ガラス基板/ITO(130nm)/PEDOT:PSS(30nm)/TFB(20nm)/F8BT(80nm)/ZnOnps(10nm)/Liq(1nm)/Al(100nm)(支持基板1/陽極2/正孔注入層3/正孔輸送層4/発光層5/電子注入層6’/電子注入層6/陰極7)]
結果を表1〜3及び図2〜5に示す。
[比較例2]
実施例1において、電子注入層6として、PEIE(20nm)+Poly(DDA)(10nm)の代わりに、PEIE(20nm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子を作製した。
素子構成は以下のとおりである。
[ガラス基板/ITO(130nm)/PEDOT:PSS(30nm)/TFB(20nm)/F8BT(80nm)/ZnOnps(10nm)/PEIE(20nm)/Al(100nm)(支持基板1/陽極2/正孔注入層3/正孔輸送層4/発光層5/電子注入層6’/電子注入層6/陰極7)]
結果を表1〜3及び図2〜5に示す。
[比較例3]
実施例1において、電子注入層6として、PEIE(20nm)+Poly(DDA)(10nm)の代わりに、Poly(DDA)TFSI(10nm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子を作製した。
素子構成は以下のとおりである。
[ガラス基板/ITO(130nm)/PEDOT:PSS(30nm)/TFB(20nm)/F8BT(80nm)/ZnOnps(10nm)/Poly(DDA)TFSI(10nm)/Al(100nm)(支持基板1/陽極2/正孔注入層3/正孔輸送層4/発光層5/電子注入層6’/電子注入層6/陰極7)]
結果を表1〜3及び図2〜5に示す。
[比較例4]
実施例1において、電子注入層6’をPEIE(20nm)+Poly(DDA)(10nm)の代わりに、Poly(DDA)TFSI(20nm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子を作製した。
素子構成は以下のとおりである。
[ガラス基板/ITO(130nm)/PEDOT:PSS(30nm)/TFB(20nm)/F8BT(80nm)/ZnOnps(10nm)/Poly(DDA)TFSI(20nm)/Al(100nm)(支持基板1/陽極2/正孔注入層3/正孔輸送層4/発光層5/電子注入層6’/電子注入層6/陰極7)]
結果を表1〜3及び図2〜5に示す。
Figure 2019201094
表1に示すように、実施例1の素子は、従来の素子である、比較例1〜4の素子とほぼ同じ駆動開始電圧Vonであった。実施例1の素子が、比較例1の素子に比べて高輝度下で高電圧になってしまうのは、素子のキャリアバランスの問題で発光効率が下がってしまうためである。
Figure 2019201094
Figure 2019201094
表2、3及び図2〜5より、実施例1の素子では、比較例1〜4の素子に比べて、定電流密度で駆動した際の輝度半減寿命が大幅に長寿命化し、また、駆動電圧がほとんど経時変化しないことが示された。
1 支持基板
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 発光層
6,6’ 電子注入層
7 陰極

Claims (4)

  1. 陰極に隣接して、金属酸化物/ポリアミン/疎水性ポリマーの三層からなる電子注入層を有する有機EL素子。
  2. 前記疎水性ポリマーが下記式(1)で表されるポリイオン液体である請求項1に記載の有機EL素子。
    Figure 2019201094
    (式(1)中、R1及びRはそれぞれ独立にアルキル基を表し、R3及びR4はそれぞれ独立にフッ素原子を含むアルキル基を表し、nは1以上の整数を表す。)
  3. 前記金属酸化物が酸化亜鉛ナノ粒子である請求項1又は2に記載の有機EL素子。
  4. 前記ポリアミンが下記式(2)で表されるエトキシ化ポリエチレンイミン(PEIE)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機EL素子。
    Figure 2019201094
    (式(2)中、R5は水素原子、2−ヒドロキシエチル基、2−アミノエチル基、又はN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノエチル基を表す。)
JP2018094372A 2018-05-16 2018-05-16 有機el素子 Pending JP2019201094A (ja)

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KR102594806B1 (ko) * 2022-12-29 2023-10-30 한국표준과학연구원 소수성 보호층을 포함하는 수직형 발광 트랜지스터 및 이의 제조 방법
JP7467966B2 (ja) 2020-02-13 2024-04-16 株式会社デンソー 電界駆動型の機能素子、固体冷媒サイクル、および、アクチュエータ

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