以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図19は、本実施の形態に係る紙幣処理装置およびこのような紙幣処理装置を備えた貨幣処理機を示す図である。このうち、図1は、本実施の形態による貨幣処理機の外観を示す斜視図であり、図2は、図1に示す貨幣処理機における紙幣処理装置の内部構成を概略的に示す概略構成図であり、図3は、図1や図2に示す貨幣処理機における制御系の構成を示す機能ブロック図である。また、図4は、図2に示す紙幣処理装置の筐体に設けられた前扉を背面側から見たときの構成を示す斜視図であり、図5および図6は、それぞれ、図2に示す紙幣処理装置の前扉の後方に設けられた入金一時保留部の構成を示す斜視図である。また、図7乃至図14は、それぞれ、図5等に示す入金一時保留部の側面図であり、図15および図16は、それぞれ、図5等に示す入金一時保留部に設けられたセパレータを上方から見たときの構成を示す上面図である。また、図17乃至図19は、それぞれ、図1等に示す貨幣処理機の紙幣処理装置においてバラ紙幣の入金処理、出金処理および計数処理が行われる際のバラ紙幣の流れを示す図である。
本実施の形態による貨幣処理機1は、バラ紙幣やバラ硬貨の入金処理や出金処理を行うことができるとともに、機体内で所定枚数(例えば、100枚)のバラ紙幣から帯封紙幣を形成したり帯封紙幣の出金処理を行ったりすることができるようになっている。図1に示すように、本実施の形態による貨幣処理機1は、左右に並ぶよう配置された紙幣処理装置2および硬貨処理装置3から構成されている。なお、硬貨処理装置3については本発明と直接的な関係がないためその説明を省略する。
本実施の形態による貨幣処理機1における紙幣処理装置2の内部構成の詳細について図1および図2を用いて説明する。図1および図2に示すように、紙幣処理装置2は略直方体形状の筐体12を有しており、この筐体12の前面には、筐体12の外部から内部にバラ紙幣を入金するための投入部(以下、入金部14という)、筐体12の内部から外部にバラ紙幣を出金するためのバラ紙幣出金部16、および筐体12の内部から外部に帯封紙幣を出金するための帯封紙幣出金部17がそれぞれ設けられている。なお、図2における筐体12の左側の側面が紙幣処理装置2の前面側(すなわち、図1に示すように紙幣処理装置2を見たときの正面側)となっており、図2における右方向が筐体12の奥行き方向となっている。ここで、図2に示すように、入金部14にはシャッター14aが設けられており、このシャッター14aは、入金部14における筐体12の前面に面する開口を開閉するようになっている。そして、シャッター14aにより入金部14の開口が開かれると、操作者は入金部14にアクセスすることができるようになり、当該操作者は入金部14に1または複数のバラ紙幣を積層状態で投入することができるようになる。なお、図1では、シャッター14aが開かれて操作者が入金部14にアクセスすることができるようになっている状態が示されている。このようなシャッター14aはシャッター駆動部14b(図3参照)により駆動されるようになっている。なお、シャッター14aを設けずに入金部14を開放したままの状態としてもよい。また、バラ紙幣出金部16にはシャッター16aが設けられており、このシャッター16aは、バラ紙幣出金部16の前面に面する開口および帯封紙幣出金部17の前面に面する開口を一体的に開閉するようになっている。そして、シャッター16aによりバラ紙幣出金部16および帯封紙幣出金部17の開口が開かれると、操作者はバラ紙幣出金部16および帯封紙幣出金部17にそれぞれアクセスすることができるようになり、当該操作者はバラ紙幣出金部16や帯封紙幣出金部17に集積されているバラ紙幣や帯封紙幣を筐体12の外部に取り出すことができるようになる。このようなシャッター16aはシャッター駆動部16b(図3参照)により駆動されるようになっている。
図2に示すように、筐体12の前面における入金部14の下方には、紙幣処理装置2においてバラ紙幣の出金処理が行われる際にバラ紙幣出金部16により出金すべきではないと判断されたバラ紙幣が集積される出金リジェクト部24、および紙幣処理装置2においてバラ紙幣の入金処理が行われる際に後述する一括バラ紙幣収納庫32や各金種別バラ紙幣収納庫34に収納すべきではないと判断されたバラ紙幣が集積される入金リジェクト部26がそれぞれ設けられている。ここで、図1および図2に示すように、出金リジェクト部24および入金リジェクト部26にはそれぞれシャッター24a、26aが設けられており、これらのシャッター24a、26aは、出金リジェクト部24や入金リジェクト部26における筐体12の前面に面する開口をそれぞれ開閉するようになっている。そして、シャッター24a、26aにより出金リジェクト部24や入金リジェクト部26の開口が開かれると、操作者は出金リジェクト部24や入金リジェクト部26にアクセスすることができるようになり、当該操作者は出金リジェクト部24や入金リジェクト部26に集積されているバラ紙幣を筐体12の外部に取り出すことができるようになる。このようなシャッター24a、26aはシャッター駆動部24b、26b(図3参照)により駆動されるようになっている。なお、シャッター26aを設けずに入金リジェクト部26を開放したままの状態としてもよい。また、本実施の形態では、入金部14の隣である直下に出金リジェクト部24が配置されているため、出金リジェクト部24内の出金リジェクト紙幣を入金部14に投入して筐体12内へ戻すようないわゆる出金リジェクト戻し処理を行なうときに、離れた位置から入金部14へ投入するのではないので利便性に富んでいる。
図2に示すように、入金部14には、当該入金部14に投入されたバラ紙幣を1枚ずつ筐体12の内部に繰り出すための紙幣繰出機構14cが設けられている。また、紙幣処理装置2の筐体12の内部には、当該筐体12内でバラ紙幣を1枚ずつ搬送する搬送部15が設けられており、紙幣繰出機構14cにより入金部14から繰り出されたバラ紙幣は当該搬送部15により搬送されるようになっている。また、搬送部15には識別部20が設けられており、搬送部15により搬送されるバラ紙幣は識別部20によりその金種、真偽、表裏、正損、新旧、搬送状態等が識別されるようになっている。また、搬送部15には表裏反転部22が設けられており、識別部20により識別されたバラ紙幣は表裏反転部22によりその表裏が揃うように反転させられるようになっている。
また、図2に示すように、搬送部15には入金一時保留部30、一括バラ紙幣収納庫32および複数(図2に示す例では3つ)の金種別バラ紙幣収納庫34がそれぞれ接続されており、搬送部15からこれらの入金一時保留部30、一括バラ紙幣収納庫32および各金種別バラ紙幣収納庫34にバラ紙幣が送られるようになっている。これらの入金一時保留部30、一括バラ紙幣収納庫32および各金種別バラ紙幣収納庫34では、バラ紙幣が積層状態で集積されるようになっている。また、入金一時保留部30には紙幣繰出繰入機構30aが設けられており、当該入金一時保留部30に一時的に保留されているバラ紙幣は紙幣繰出繰入機構30aにより1枚ずつ搬送部15に繰り出されるようになっている。また、紙幣繰出繰入機構30aにより搬送部15から入金一時保留部30に紙幣が1枚ずつ繰り入れられるようになっている。ここで、入金一時保留部30には、バラ紙幣の入金処理において識別部20により識別されたバラ紙幣が一括バラ紙幣収納庫32や各金種別バラ紙幣収納庫34に収納される前に一時的に保留されるようになっている。このような入金一時保留部30の構成の詳細については後述する。また、一括バラ紙幣収納庫32には紙幣繰出繰入機構32aが設けられており、当該一括バラ紙幣収納庫32に収納されているバラ紙幣は紙幣繰出繰入機構32aにより1枚ずつ搬送部15に繰り出されるようになっている。また、紙幣繰出繰入機構32aにより搬送部15から一括バラ紙幣収納庫32にバラ紙幣が1枚ずつ繰り入れられるようになっている。ここで、一括バラ紙幣収納庫32には、複数の金種のバラ紙幣が混合状態で収納されるようになっている。また、各金種別バラ紙幣収納庫34には紙幣繰出繰入機構34aが設けられており、各金種別バラ紙幣収納庫34に収納されているバラ紙幣は紙幣繰出繰入機構34aにより1枚ずつ搬送部15に繰り出されるようになっている。また、紙幣繰出繰入機構34aにより搬送部15から各金種別バラ紙幣収納庫34にバラ紙幣が1枚ずつ繰り入れられるようになっている。ここで、各金種別バラ紙幣収納庫34には、それぞれ予め設定された特定の金種のバラ紙幣が収納されるようになっている。
図1および図2に示すように、筐体12の下部には前扉12aが設けられており、この前扉12aを開くことにより操作者は入金一時保留部30の内部にアクセスすることができるようになっている。このような前扉12aの構成の詳細については後述する。また、入金一時保留部30、一括バラ紙幣収納庫32および各金種別バラ紙幣収納庫34は、筐体12の内部から手前側に(すなわち、図2における左方向に)引き出し可能となっている引出ユニット13に収容されている。そして、操作者が前扉12aを開いて引出ユニット13を筐体12の内部から手前側に引き出すことにより、当該操作者は一括バラ紙幣収納庫32および各金種別バラ紙幣収納庫34を引出ユニット13から取り外すことができるようになる。
また、図2に示すように、搬送部15には複数(図2に示す例では2つ)の整理一時保留部40が接続されており、当該搬送部15から各整理一時保留部40にバラ紙幣が送られるとこれらの整理一時保留部40にバラ紙幣が積層状態で集積されるようになっている。また、本実施の形態による紙幣処理装置2では、所定枚数(例えば、100枚)のバラ紙幣からなる紙幣束に帯封紙を巻くことにより帯封紙幣を形成する帯封機構50が設けられている。
また、図2に示すように、筐体12の内部には第1アーム機構41および第2アーム機構42が設けられている。第1アーム機構41は、各整理一時保留部40および帯封機構50の間で移動可能となっており、各整理一時保留部40に集積された所定枚数のバラ紙幣からなる紙幣束を帯封機構50に搬送するようになっている。ここで、帯封機構50において帯封処理が行われる際に、第1アーム機構41の上下一対のアーム部により挟持された状態にある紙幣束の外周面に帯封紙が巻かれるようになっている。また、第1アーム機構41は図2に示す位置から上方に移動して第2アーム機構42に対向する位置まで到達することができるようになっている。このことにより、各整理一時保留部40から第1アーム機構41により取り出された1または複数の束状態のバラ紙幣を当該第1アーム機構41から第2アーム機構42に受け渡したり、帯封機構50により形成された帯封紙幣を第1アーム機構41から第2アーム機構42に受け渡したりすることができるようになる。
第2アーム機構42は図2に示す位置からバラ紙幣出金部16に向かって筐体12の手前側に(すなわち、図2における左方向に)移動することができるようになっている。このことにより、第1アーム機構41から1または複数の束状態のバラ紙幣や帯封紙幣が第2アーム機構42に受け渡された後、第2アーム機構42の上下一対のアーム部により1または複数の束状態のバラ紙幣や帯封紙幣が挟持された状態で当該第2アーム機構42が図2の矢印に示すようにバラ紙幣出金部16に向かって移動することにより、第2アーム機構42によって保持されている1または複数の束状態のバラ紙幣や帯封紙幣がバラ紙幣出金部16に送られるようになる。より詳細には、図2に示すように、バラ紙幣出金部16の背面側(すなわち、図2における右側)には、図2に示す位置から下方に移動可能となっている、鉛直方向に延びる板状の分離部材19が設けられており、第2アーム機構42の上下一対のアーム部により1または複数の束状態のバラ紙幣や帯封紙幣が挟持された状態で当該第2アーム機構42の各アーム部がバラ紙幣出金部16の内部にアクセスした後、分離部材19が図2に示す位置から下方に移動し、その後に第2アーム機構42において各アーム部から1または複数の束状態のバラ紙幣や帯封紙幣が解放されて当該第2アーム機構42がバラ紙幣出金部16から遠ざかる方向(すなわち、図2における右方向)に移動すると、1または複数の束状態のバラ紙幣や帯封紙幣は分離部材19に当接することにより第2アーム機構42から分離してバラ紙幣出金部16に残るようになる。
また、図2に示すように、本実施の形態では、バラ紙幣出金部16および帯封紙幣出金部17をまたがって図2における上下方向に移動可能となっているステージ18が設けられている。ここで、本実施の形態の紙幣処理装置2においてバラ紙幣の出金処理が行われる際には、ステージ18は図2に示すように帯封紙幣出金部17の底面近傍に位置するようになり、第2アーム機構42からバラ紙幣出金部16に送られた1または複数の束状態のバラ紙幣は当該バラ紙幣出金部16に集積されるようになる。一方、本実施の形態の紙幣処理装置2において帯封紙幣の出金処理が行われる際には、ステージ18は図2に示す位置から下方に移動してバラ紙幣出金部16の底面近傍に位置するようになり、第2アーム機構42からバラ紙幣出金部16に帯封紙幣が送られると当該帯封紙幣はステージ18上に集積されるようになる。そして、ステージ18が上昇してバラ紙幣出金部16から帯封紙幣出金部17に移動すると、ステージ18から帯封紙幣出金部17に帯封紙幣が受け渡されて当該帯封紙幣は帯封紙幣出金部17に集積されるようになる。本実施の形態では、紙幣処理装置2において複数の帯封紙幣の出金処理が行われるときには、帯封紙幣出金部17に帯封紙幣が下から順次積み上げられるようになる。
また、図2に示すように、筐体12の内部における上部領域には、一括帯封紙幣収納庫70および複数(図2に示す例では3つ)の金種別帯封紙幣収納庫72が設けられており、これらの一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72には、帯封機構50により形成された帯封紙幣が積層状態で収納されるようになっている。具体的には、一括帯封紙幣収納庫70には、複数の金種の帯封紙幣が混合状態で収納されるようになっており、一方、各金種別帯封紙幣収納庫72には、それぞれ予め設定された特定の金種の帯封紙幣が収納されるようになっている。ここで、ある金種の金種別帯封紙幣収納庫72がフル状態またはニアフル状態であり当該金種別帯封紙幣収納庫72に帯封紙幣をこれ以上収納することができなくなった場合には、当該金種の帯封紙幣はオーバーフロー帯封紙幣として一括帯封紙幣収納庫70に収納されるようになる。
一括帯封紙幣収納庫70および各金種別帯封紙幣収納庫72の内部にはそれぞれ図2における上下方向に移動可能となっているステージ70a、72aが設けられており、一括帯封紙幣収納庫70および各金種別帯封紙幣収納庫72の上端部(天井部分)に設けられた開口からこれらの一括帯封紙幣収納庫70および各金種別帯封紙幣収納庫72に送られた帯封紙幣はステージ70a、72a上に積層状態で集積されるようになっている。また、一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72から帯封紙幣を出す場合には、ステージ70a、72aが上昇することにより一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72の上端部(天井部分)に設けられた開口から帯封紙幣が上方に出されるようになる。
また、これらの一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72の上方には帯封紙幣の搬送を行う帯封紙幣搬送部60が設けられている。帯封紙幣搬送部60は、複数の突起60aが等間隔で設けられた循環ベルト60bを有しており、この循環ベルト60bは図2における時計回りの方向および反時計回りの方向の両方向に循環移動することができるようになっている。そして、帯封紙幣搬送部60により帯封紙幣が搬送される際に、当該帯封紙幣は循環ベルト60bの下面に沿って突起60aにより引っ掛けられた状態で図2における左右いずれかの方向に移動するようになる。また、図2に示すように、帯封紙幣搬送部60による帯封紙幣の搬送路における帯封紙幣出金部17と一括帯封紙幣収納庫70との間には判別部62が設けられており、帯封紙幣搬送部60により搬送される帯封紙幣は当該判別部62によりその金種が判別されるようになっている。
ここで、帯封機構50により形成された帯封紙幣を一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72に収納させる際には、第2アーム機構42により帯封紙幣がステージ18上に集積された後に当該ステージ18が上昇して帯封紙幣搬送部60の近傍の位置まで到達するようになる。また、循環ベルト60bは図2における反時計回りの方向に循環移動する。このことにより、ステージ18上の帯封紙幣が突起60aにより引っ掛けられて循環ベルト60bの下面に沿って図2における右方向に搬送され、判別部62によりその金種が判別された後、当該判別部62による判別結果に基づいて一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72に収納されるようになる。一方、一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72に収納されている帯封紙幣を帯封紙幣出金部17により出金する際には、循環ベルト60bは図2における時計回りの方向に循環移動し、一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72から上方に押し出された帯封紙幣が突起60aにより引っ掛けられて循環ベルト60bの下面に沿って図2における左方向に搬送されるようになる。また、ステージ18が上昇して帯封紙幣搬送部60の近傍の位置まで到達するようになる。そして、帯封紙幣搬送部60により搬送される帯封紙幣の金種が判別部62により判別された後、当該帯封紙幣はステージ18上に1つずつ集積され、ステージ18上に所定の数の帯封紙幣が集積されると当該ステージ18が下降してこのステージ18から帯封紙幣出金部17に帯封紙幣が受け渡されるようになる。帯封紙幣が循環ベルト60bの下面に沿って搬送される際に、一括帯封紙幣収納庫70および各金種別帯封紙幣収納庫72の上端部(天井部分)に設けられた開口のうち、帯封紙幣の繰り出しや繰り入れの対象となる一括帯封紙幣収納庫70および各金種別帯封紙幣収納庫72の開口が開くようになる。一方、帯封紙幣の繰り出しや繰り入れの対象外の一括帯封紙幣収納庫70および各金種別帯封紙幣収納庫72の開口はシャッター(図示しない)で塞がれるようになり、帯封紙幣の通過の妨げとならないようになっている。
次に、本実施の形態の紙幣処理装置2における入金一時保留部30および前扉12aの構成の詳細について図4乃至図16を用いて説明する。
図2等に示すように、本実施の形態の紙幣処理装置2における入金一時保留部30の内部にはステージ90が設けられている。ステージ90は図2における上下方向に移動可能となっており、搬送部15から紙幣繰出繰入機構30aにより入金一時保留部30の内部に送られたバラ紙幣はステージ90上に積層状態で集積されるようになっている。また、この際に、搬送部15から入金一時保留部30の内部に所定枚数のバラ紙幣が送られる度にステージ90は少しずつ図2における下方向に移動するようになっている。また、入金一時保留部30の内部に一時的に保留されているバラ紙幣を紙幣繰出繰入機構30aにより搬送部15に繰り出す場合には、ステージ90が図2における上方向に移動し、このステージ90に積層状態で集積されている複数のバラ紙幣のうち最上層に位置するバラ紙幣を紙幣繰出繰入機構30aのキッカローラ30c(後述)に当接させるようになっている。
このようなステージ90は図7等に示す駆動部91により図2等における上下方向に移動させられるようになっている。駆動部91は、駆動モータ91aと、駆動モータ91aのプーリに掛けられた循環ベルト91bとを有しており、この循環ベルト91bにステージ90が取り付けられている。また、循環ベルト91bは概ね入金一時保留部30の内部で上下方向に延びるよう設けられている。また、駆動モータ91aは正逆両方向に回転可能となっており、このことにより循環ベルト91bは図7等における時計回りの方向および反時計回りの方向の両方向に循環移動することができるようになっている。そして、駆動モータ91aが回転して循環ベルト91bが循環移動を行うことにより、この循環ベルト91bに取り付けられたステージ90が図7等における上下方向に移動するようになる。
また、ステージ90には検知板90aが取り付けられており、入金一時保留部30の内部における下部領域にはこの検知板90aを検知するためのフォトインタラプタ等の2つの検知センサ92a、92bが設けられている。図7に示すようにステージ90が上方位置に位置するときにはこのステージ90に取り付けられている検知板90aが各検知センサ92a、92bにより検知されないが、図8に示すようにステージ90が下降するとまず検知板90aが上側の検知センサ92aにより検知される。そして、ステージ90が更に下降すると検知板90aが下側の検知センサ92bにより検知される。ここで、下側の検知センサ92bはステージ90が下限位置に到達したことを検知するための下限センサとして機能するようになっており、下側の検知センサ92bにより検知板90aが検知されると駆動部91の駆動モータ91aが停止させられてステージ90が下方向にこれ以上移動しないようになっている。
図6や図7等に示すように、入金一時保留部30の上端部近傍に設けられた紙幣繰出繰入機構30aは、左右一対のフィードローラ30bと、左右一対のキッカローラ30cと、各フィードローラ30bに対向するよう設けられたゲートローラ30dとを有している。ここで、搬送部15から紙幣繰出繰入機構30aにより入金一時保留部30にバラ紙幣を送る際には、各フィードローラ30bと各ゲートローラ30dとの間に形成されたゲート部を通過したバラ紙幣が入金一時保留部30の内部に送られてステージ90上に集積されるようになる。また、入金一時保留部30に一時的に保留されているバラ紙幣を紙幣繰出繰入機構30aにより搬送部15に繰り出す際には、ステージ90に集積されている複数のバラ紙幣のうち最上層に位置するバラ紙幣が各キッカローラ30cにより各フィードローラ30bに向かって蹴り出され、これらのキッカローラ30cにより蹴り出されたバラ紙幣が各フィードローラ30bにより1枚ずつ搬送部15に繰り出されるようになる。この際に、各フィードローラ30bにより繰り出されるバラ紙幣は各フィードローラ30bと各ゲートローラ30dとの間に形成されたゲート部を通過することにより1枚ずつに分離されるようになっている。
また、図7乃至図14に示すように、各キッカローラ30cは、フィードローラ30bの軸を中心として揺動可能となっている。より詳細には、フィードローラ30bの軸には、ステージ90上の紙幣に各キッカローラ30cを押し付けるために当該フィードローラ30bの軸を中心として各キッカローラ30cを図7等における反時計回りの方向に付勢するねじりバネ等の付勢部材が設けられている。ここで、入金一時保留部30の内部に紙幣が保留されている場合には、各キッカローラ30cはステージ90に載置された紙幣により上方に持ち上げられるようになるが、各キッカローラ30cがステージ90上の紙幣により上方に持ち上げられなくなると、各キッカローラ30cはフィードローラ30bの軸を中心として図7等における反時計回りの方向に回転するようになる。また、各キッカローラ30cと一体的にフィードローラ30bの軸を中心として揺動する検知板30eが設けられているとともに、この検知板30eを検知するためのフォトインタラプタ等の検知センサ31が設けられている。このことにより、図7に示すような状態では検知板30eが検知センサ31により検知されているが、図7に示すような状態からステージ90が下方向に移動し、各キッカローラ30cがフィードローラ30bの軸を中心として図7等における反時計回りの方向に回転すると、図10や図11に示すように検知板30eが検知センサ31により検知されなくなり、よって後述する制御部80において各キッカローラ30cがフィードローラ30bの軸を中心として回転したと判断されるようになる。
また、本実施の形態の紙幣処理装置2では、入金一時保留部30の内部においてステージ90の上方にセパレータ93(区分け部材)が設けられており、このセパレータ93により入金一時保留部30の内部を複数(図2に示す例では2つ)の紙幣収納領域に区分けることができるようになっている。ここで、セパレータ93は、入金一時保留部30の内部を2つの紙幣収納領域に区分ける区分け位置(具体的には、図2において実線で示す位置)と、入金一時保留部30の内部を1つの紙幣収納領域とする退避位置(具体的には、図2において二点鎖線で示す位置)との間で図2における上下方向に移動自在となっている。より詳細には、セパレータ93が区分け位置に移動したときには、当該セパレータ93は紙幣繰出繰入機構30aの下方に位置するようになる。このことにより、ステージ90とセパレータ93との間に第1紙幣収納領域が形成されるとともに、セパレータ93と紙幣繰出繰入機構30aとの間に第2紙幣収納領域が形成されるようになる。一方、セパレータ93が退避位置に移動したときには、当該セパレータ93は、後述するように上側セパレータ部分94が後退位置にあって前後方向に縮小した状態となって紙幣繰出繰入機構30aの手前側(前方)に位置するようになる。このことにより、ステージ90と紙幣繰出繰入機構30aとの間に1つの紙幣収納領域が形成されるようになる。なお、本実施の形態では、セパレータ93には当該セパレータ93を入金一時保留部30の内部で上下方向に移動させる駆動源が設けられておらず、セパレータ93はステージ90と連れ立って入金一時保留部30の内部で上下方向に移動するようになっている。
本実施の形態では、図6や図7等に示すように、セパレータ93は、上側セパレータ部分94および下側セパレータ部分96からなる2つのセパレータ部分から構成されている。なお、図6(a)は、セパレータ93が退避位置にあるときの上側セパレータ部分94および下側セパレータ部分96の状態を示す図であり、図6(b)は、セパレータ93が区分け位置にあるときの上側セパレータ部分94および下側セパレータ部分96の状態を示す図である。ここで、セパレータ93が図6(a)に示すような退避位置にあるときには、当該セパレータ93は図示しないロック部によってロックされ、退避位置からセパレータ93が自重により入金一時保留部30内で下方向に落下しないようになっている。一方、このようなロック部によるセパレータ93のロックが外れると、当該セパレータ93は自重により入金一時保留部30内で下方向に落下するようになり、ステージ90に集積されている紙幣の上にセパレータ93が載るようになる。この際に、ステージ90に紙幣が集積されていない場合には、ステージ90にセパレータ93が直接載るようになる。なお、このようなロック部によるセパレータ93のロックは、ステージ90が図7に示すような上方位置から下降してこのステージ90に取り付けられている検知板90aが上側の検知センサ92aによって検知されたときに解除されるようになっている。これは、ステージ90とセパレータ93との間に収納される紙幣の枚数を確保するためである。
また、入金一時保留部30の内部における上下方向の中央位置には、セパレータ93(具体的には、下側セパレータ部分96)の移動を規制するための規制部材(図示せず)が設けられており、ロック部によるロックが解除されたセパレータ93の下側セパレータ部分96はこの規制部材よりも下方に移動することができないようになっている。
また、図6、図7等に示すように、上側セパレータ部分94の奥行き方向の長さは、下側セパレータ部分96の奥行き方向の長さの約半分の大きさとなっている。また、上側セパレータ部分94は、下側セパレータ部分96の奥行き方向における手前側の半分の領域である後退位置と、下側セパレータ部分96の奥行き方向における奥側の半分の領域である進出位置との間で移動自在となっている。このような上側セパレータ部分94の動作の詳細について図15および図16を用いて説明する。なお、図15および図16は、入金一時保留部30に設けられたセパレータ93を上方から見たときの構成を示す上面図であり、このうち図15は上側セパレータ部分94が後退位置に位置しているときの状態を示す図であり、図16は上側セパレータ部分94が進出位置に位置しているときの状態を示す図である。
図15および図16に示すように、上側セパレータ部分94と下側セパレータ部分96との間には図15等における上下方向に伸縮可能となっているパンタグラフ機構97が設けられている。ここで、パンタグラフ機構97の手前側の端部に設けられた各軸97a、97cは下側セパレータ部分96に回転自在に取り付けられているのに対し、パンタグラフ機構97の奥側の端部に設けられた各軸97b、97dは上側セパレータ部分94に回転自在に取り付けられている。また、軸97aは下側セパレータ部分96に位置固定で設けられており、軸97bは上側セパレータ部分94に位置固定で設けられているのに対し、軸97cは下側セパレータ部分96に対して図15等における左右方向に移動可能となっており、また軸97dは上側セパレータ部分94に対して図15等における左右方向に移動可能となっている。
また、図15等に示すように、下側セパレータ部分96には、パンタグラフ機構97の軸97cがその端部に設けられたアクチュエータ98が図15等における左右方向に移動自在となるよう設けられており、このアクチュエータ98は図示しない駆動モータ等の駆動源により駆動されるようになっている。そして、アクチュエータ98が図15等における左右方向に移動することによりパンタグラフ機構97の軸97dも図15等における左右方向に移動し、このことによりパンタグラフ機構97が図15等における上下方向に伸縮するようになる。図15に示すように上側セパレータ部分94が後退位置に位置しているときには、当該上側セパレータ部分94は紙幣繰出繰入機構30aの各キッカローラ30cよりも手前側に位置するようになり、一方、図15に示すように上側セパレータ部分94が進出位置に位置しているときには、セパレータ93を上方から見て上側セパレータ部分94が紙幣繰出繰入機構30aの各キッカローラ30cと重複するようになる。すなわち、上側セパレータ部分94が進出位置に位置しているときには、当該上側セパレータ部分94の真上に紙幣繰出繰入機構30aの各キッカローラ30cが位置するようになる(図11、図12参照)。また、図15および図16に示すように、ステージ90やセパレータ93が入金一時保留部30の内部で上下方向に移動する際にこれらのステージ90やセパレータ93を案内する棒状の案内部材99が設けられている。このような案内部材99は入金一時保留部30の内部で上下方向に沿って延びるようになっている。
また、図7等に示すように、入金一時保留部30の内部には、上側セパレータ部分94の位置を検知するためのフォトインタラプタ等の3つの検知センサ95a、95b、95cが設けられている。ロック部によりセパレータ93がロックされており、当該セパレータ93が図7に示すような退避位置に位置しているときには、上側セパレータ部分94に取り付けられた検知板94aが検知センサ95cにより検知されるようになる。このことにより、後述する制御部80においてセパレータ93が図7に示すような退避位置に位置していると判断されるようになる。一方、ロック部によるセパレータ93のロックが解除され、当該セパレータ93が図7に示すような退避位置から下方向に移動すると、上側セパレータ部分94に取り付けられた検知板94aが検知センサ95a、95bにより検知されるようになる。このようにして、セパレータ93が図7に示すような退避位置から下方向に移動したときの当該セパレータ93の位置が検知されるようになる。
次に、このようなセパレータ93の上側セパレータ部分94および下側セパレータ部分96の動作について図7乃至図14を用いて説明する。
図7は、セパレータ93が退避位置にあるとともにステージ90が上方位置にあるときの状態を示す図である。図7に示すような状態では図示しないロック部によりセパレータ93がロックされており、このセパレータ93は図7に示すような退避位置から下方向に移動することができないようになっている。また、セパレータ93が退避位置に位置しているときには、このセパレータ93の上側セパレータ部分94は図15に示すような後退位置に位置しており、当該上側セパレータ部分94は紙幣繰出繰入機構30aの各キッカローラ30cよりも手前側に位置するようになっている。また、図7に示すようにセパレータ93が退避位置に位置しているときには、ステージ90とセパレータ93との間に紙幣収納空間30pが形成されるようになる。
一方、ステージ90が図7に示すような上方位置から下方向に移動すると、図8に示すようにこのステージ90に取り付けられた検知板90aが上側の検知センサ92aにより検知されるようになる。このことによりロック部によるセパレータ93のロックが解除され、当該セパレータ93は図7に示すような退避位置から下方向に移動することができるようになる。
図9は、ロック部によるセパレータ93のロックが解除された後、当該セパレータ93が自重により図7に示すような退避位置から下方向に移動してステージ90上に載置されたときの状態を示す図である。なお、図9ではステージ90とセパレータ93との間に紙幣が存在しないか、ステージ90上の最後の1枚の紙幣が紙幣繰出繰入機構30aにより搬送部15に繰り出されるときの状態が示されているが、ステージ90とセパレータ93との間に複数の紙幣が存在する場合には、セパレータ93はステージ90に集積されている複数の紙幣の上に載置されるようになる。
図10は、図9に示す状態からステージ90およびセパレータ93が更に下方向に移動して後退位置(図15参照)にある上側セパレータ部分94が進出位置に移動可能となった状態を示す図である。また、図11は、図10に示す状態からパンタグラフ機構97が伸びて上側セパレータ部分94が後退位置から進出位置(図16参照)に移動したときの状態を示す図である。図11に示すように、上側セパレータ部分94が後退位置から進出位置に移動すると、セパレータ93の上方に紙幣収納空間30qが形成されるようになる。すなわち、図11に示すような状態では、ステージ90とセパレータ93との間に紙幣収納空間が形成されるとともに、セパレータ93の上方にも紙幣収納空間30qが形成されるようになり、入金一時保留部30がセパレータ93によって2つの紙幣収納空間に区切られるようになる。また、図10および図11では紙幣繰出繰入機構30aとステージ90との間にセパレータ93が位置しており、各キッカローラ30cがステージ90上の紙幣により上方に持ち上げられなくなるため、各キッカローラ30cはフィードローラ30bの軸を中心として図10等における反時計回りの方向に回転し、検知板30eが検知センサ31により検知されなくなる。
図12は、図11に示す状態からステージ90およびセパレータ93が上方向に移動してセパレータ93上の最後の紙幣を入金一時保留部30から搬送部15に繰り出すときの状態を示す図である。ここで、セパレータ93上の紙幣を紙幣繰出繰入機構30aによって搬送部15に繰り出す際に、上側セパレータ部分94に載置されている紙幣によって各キッカローラ30cが上方に持ち上げられることにより各キッカローラ30cはフィードローラ30bの軸を中心として図12等における時計回りの方向に回転し、検知板30eが検知センサ31により検知されるようになる。また、図13は、図12に示す状態からステージ90およびセパレータ93が更に上方向に移動して進出位置にある上側セパレータ部分94が後退位置に移動可能となった状態を示す図である。ここで、図12に示す状態からステージ90およびセパレータ93が上方向に移動する際に、各キッカローラ30cは上側セパレータ部分94によって更に上方に持ち上げられるようになる。また、図14は、図13に示す状態から上側セパレータ部分94が進出位置から後退位置に移動したときの状態を示す図である。図14に示すように上側セパレータ部分94が進出位置から後退位置に移動した後、ステージ90およびセパレータ93が上方向に更に移動すると、図7に示すようにセパレータ93が退避位置に戻るともにステージ90が上方位置に位置するようになる。ここで、セパレータ93が退避位置に戻るとロック部により当該セパレータ93がロックされるようになる。
また、本実施の形態の紙幣処理装置2では、図4および図5に示すように、筐体12に設けられた前扉12aは外扉部分12bおよび内扉部分12cからなる二重の扉部分から構成されている。ここで、内扉部分12cは外扉部分12bにロック可能となっているとともに、この内扉部分12cは筐体12にもロック可能となっている。内扉部分12cが外扉部分12bにロックされた場合には、これらの外扉部分12bおよび内扉部分12cは一体的に開閉するようになり、外扉部分12bおよび内扉部分12cを開くと入金一時保留部30におけるセパレータ93により区分けされた全ての紙幣収納領域(すなわち、上述したようなセパレータ93より下側の第1紙幣収納領域およびセパレータ93より上側の第2紙幣収納領域)にアクセス可能となる。このことにより、操作者は外扉部分12bおよび内扉部分12cを一体的に開いたときに入金一時保留部30におけるセパレータ93により区分けされた各紙幣収納領域からバラ紙幣を取り出したりこれらの各紙幣収納領域にバラ紙幣を投入したりすることができるようになる。
一方、内扉部分12cが筐体12にロックされた場合には、この内扉部分12cを動かすことができなくなるため外扉部分12bのみが開閉するようになる。この場合には、外扉部分12bを開いたときに、入金一時保留部30におけるセパレータ93により区分けされた複数の紙幣収納領域のうち一部の紙幣収納領域(具体的には、セパレータ93と紙幣繰出繰入機構30aとの間にある第2紙幣収納領域)のみにアクセス可能となる。このことにより、操作者は外扉部分12bのみを開いたときにセパレータ93と紙幣繰出繰入機構30aとの間にある第2紙幣収納領域からバラ紙幣を取り出したりこの第2紙幣収納領域にバラ紙幣を投入したりすることができるようになるが、ステージ90とセパレータ93との間にある第1紙幣収納領域からバラ紙幣を取り出したりこの第1紙幣収納領域にバラ紙幣を投入したりすることができなくなる。ここで、第1紙幣収納領域からバラ紙幣を取り出すことができないようにするために、内扉部分12cの上端縁の高さは、規制部材(図示せず)によりその下限位置が規制されたセパレータ93(具体的には、下側セパレータ部分96)の当該下限位置と同じ高さかそれよりも高い位置に設定されている。なお、内扉部分12cを外扉部分12bと筐体12のどちらの側にロックするかは、操作者がアクセスしようとする紙幣収納領域によって決められるようになっている。また、ロック機構としては、例えば電気的ロック機構が用いられるようになっている。このような前扉12aの構造によれば、アクセスしようとする紙幣収納領域に関係なく、操作者にしてみれば外扉部分12bを開けるという共通の動作で、第1紙幣収納領域と第2紙幣収納領域の全てにアクセスできたり、第2紙幣収納領域のみにアクセスできたりするので扱いやすく操作性に優れたものとなる。
また、本実施の形態の貨幣処理機1には、当該貨幣処理機1の各構成部材の制御を行う制御部80が設けられている。より詳細には、図3に示すように、制御部80には、紙幣処理装置2の入金部14(具体的には、入金部14に設けられた紙幣繰出機構14c)、搬送部15、識別部20、表裏反転部22、入金一時保留部30(具体的には、入金一時保留部30に設けられた紙幣繰出繰入機構30a、駆動部91、アクチュエータ98の駆動源等)、一括バラ紙幣収納庫32(具体的には、一括バラ紙幣収納庫32に設けられた紙幣繰出繰入機構32a)、各金種別バラ紙幣収納庫34(具体的には、各金種別バラ紙幣収納庫34に設けられた紙幣繰出繰入機構34a)、第1アーム機構41、第2アーム機構42、帯封機構50、帯封紙幣搬送部60、判別部62、一括帯封紙幣収納庫70、各金種別帯封紙幣収納庫72、各シャッター14a、16a、24a、26aを開閉させるシャッター駆動部14b、16b、24b、26bがそれぞれ接続されている。そして、識別部20による紙幣の識別結果に係る信号や判別部62による帯封紙幣の金種の判別結果に係る情報等が制御部80に送られるとともに、制御部80は紙幣処理装置2の各構成部材に指令信号を送ることによりこれらの構成部材の動作を制御するようになっている。
また、図3に示すように、制御部80には硬貨処理装置3の各構成部材が接続されており、当該制御部80が硬貨処理装置3の各構成部材の動作を制御することにより硬貨処理装置3においてバラ硬貨の入金処理や出金処理等が行われるようになっている。このような制御部80による硬貨処理装置3の各構成部材の制御方法の詳細については説明を省略する。また、図3に示すように、制御部80には操作表示部82、記憶部84、印字部86および通信インターフェース部88がそれぞれ接続されている。図1に示すように、操作表示部82は貨幣処理機1の前面に設けられたタッチパネル等からなり、当該操作表示部82には、貨幣処理機1における貨幣の処理状況や、紙幣処理装置2や硬貨処理装置3に収納されているバラ紙幣、帯封紙幣およびバラ硬貨の在高等に関する情報が表示されるようになっている。また、操作者は操作表示部82により制御部80に対して様々な指令を与えることができるようになっている。
記憶部84には、貨幣処理機1における貨幣の処理履歴や、紙幣処理装置2や硬貨処理装置3に収納されているバラ紙幣、帯封紙幣およびバラ硬貨の在高等に関する情報が記憶されるようになっている。また、図1に示すように、印字部86は貨幣処理機1の前面に設けられたプリンタ等からなり、当該印字部86は、貨幣処理機1における貨幣の処理履歴や、紙幣処理装置2や硬貨処理装置3に収納されているバラ紙幣、帯封紙幣およびバラ硬貨の在高等に関する情報をレシート等に印字するようになっている。また、制御部80は通信インターフェース部88を介して本実施の形態による貨幣処理機1とは別に設けられた外部装置(具体的には、例えば上位端末)に対して信号の送受信を行うことができるようになっている。
次に、このような構成からなる貨幣処理機1における紙幣処理装置2の動作について説明する。なお、以下に示すような紙幣処理装置2の動作は、制御部80が紙幣処理装置2の各構成部材を制御することにより行われるようになっている。また、紙幣処理装置2において帯封機構50により帯封紙幣を作成する動作、ならびに帯封機構50により作成された帯封紙幣や、一括帯封紙幣収納庫70や各金種別帯封紙幣収納庫72に収納されている帯封紙幣を出金する動作等については本発明と直接的な関係がないためその説明を省略する。
まず、紙幣処理装置2においてバラ紙幣の入金処理を行う際の動作について説明する。本実施の形態による紙幣処理装置2が待機状態となっているときに、操作者が入金処理開始の指令を操作表示部82により制御部80に入力したり上位端末等の外部装置から通信インターフェース部88を介して制御部80に入金処理開始の指令が送信されたりすると、入金部14に設けられたシャッター14aが開かれるようになり、操作者は入金部14に1または複数のバラ紙幣を投入することができるようになる。入金部14に投入されたバラ紙幣は紙幣繰出機構14cにより1枚ずつ筐体12内に繰り出され、搬送部15により1枚ずつ搬送される。そして、搬送部15により搬送されるバラ紙幣は識別部20によりその金種、真偽、表裏、正損、新旧、搬送状態等が識別される。また、識別部20により識別されたバラ紙幣は表裏反転部22によりその表裏が揃うよう整えられる。そして、識別部20により正常な紙幣ではないと識別された紙幣、すなわちリジェクト紙幣は表裏反転部22から搬送部15により入金リジェクト部26に送られる。ここで、入金部14に投入されたバラ紙幣が全て筐体12内に繰り出されると、入金リジェクト部26に設けられたシャッター26aが開かれるようになり、操作者は入金リジェクト部26に集積されたリジェクト紙幣を手動で取り出し、入金部14に再投入等することができるようになる。
一方、識別部20により正常な紙幣であると識別されたバラ紙幣は、表裏反転部22から搬送部15により入金一時保留部30に送られ、この入金一時保留部30で一時的に保留されるようになる。なお、この際にセパレータ93は図2において実線で示すような退避位置に退避しており、ステージ90上にバラ紙幣が集積されるようになる。そして、入金部14に投入されたバラ紙幣が全て筐体12内に繰り出されて入金一時保留部30または入金リジェクト部26に送られると、操作表示部82には操作者に対して入金確定の指令を促すメッセージが表示される。操作表示部82に表示される当該メッセージを見た操作者が操作表示部82により入金確定の指令を入力すると、入金一時保留部30から紙幣繰出繰入機構30aによりバラ紙幣が1枚ずつ搬送部15に繰り出され、当該搬送部15により一括バラ紙幣収納庫32または各金種別バラ紙幣収納庫34に送られる。より詳細には、入金一時保留部30から搬送部15に繰り出されたバラ紙幣は、識別部20により識別され、表裏反転部22によりその表裏が揃うよう整えられた後に、対応する金種の各金種別バラ紙幣収納庫34に送られるが、対応する金種の金種別バラ紙幣収納庫34がフル状態またはニアフル状態である場合には当該バラ紙幣はオーバーフロー紙幣として一括バラ紙幣収納庫32に送られるようになる。そして、入金一時保留部30からバラ紙幣が全て搬送部15に繰り出されて各金種別バラ紙幣収納庫34や一括バラ紙幣収納庫32に送られると、紙幣処理装置2におけるバラ紙幣の入金処理に係る一連の動作が完了する。
また、本実施の形態の紙幣処理装置2では、セパレータ93により入金一時保留部30の内部を2つの紙幣収納領域に区分けることができるようになっているため、ある取引に関するバラ紙幣の入金処理を行っている最中に、別の取引に関するバラ紙幣の割り込み入金処理を行うことができるようになる。このような割り込み入金処理を行うにあたり、制御部80において入金一時保留部30の内部をセパレータ93により2つの紙幣収納領域に区分けるか否かの判断が行われる。すなわち、最初に行われていたバラ紙幣の入金処理において入金一時保留部30に一時的に保留されるバラ紙幣の枚数が比較的少なく、このバラ紙幣の入金処理を先に終わらせた方が最初の入金処理および割り込み入金処理の合計処理時間が短くなると制御部80において判断された場合には、割り込み入金処理において入金部14に投入されたバラ紙幣を筐体12の内部に繰り出す前に入金一時保留部30に保留されている最初の入金処理に係るバラ紙幣をこの入金一時保留部30から搬送部15に1枚ずつ繰り出し、識別部20により識別させた後に各金種別バラ紙幣収納庫34に収納させるようにする。そして、最初の入金処理に係るバラ紙幣が入金一時保留部30から全て各金種別バラ紙幣収納庫34に送られると、割り込み入金処理において入金部14に投入されたバラ紙幣を筐体12の内部に繰り出し、識別部20により識別させた後に入金一時保留部30に保留されるようにする。
一方、最初に行われていたバラ紙幣の入金処理において入金一時保留部30に一時的に保留されるバラ紙幣の枚数が比較的多く、割り込み入金処理を先に終わらせた方が最初の入金処理および割り込み入金処理の合計処理時間が短くなると制御部80において判断された場合には、入金一時保留部30においてステージ90が下降して検知板90aが上側の検知センサ92aにより検知されることによってロック部によるセパレータ93のロックが解除され、当該セパレータ93が図2において二点鎖線で示すような退避位置から図2において実線で示すような区分け位置に移動する。このことにより、入金一時保留部30の内部が2つの紙幣収納領域(すなわち、上述したような下側の第1紙幣収納領域および上側の第2紙幣収納領域)に区分けされる。ここで、第1紙幣収納領域(具体的には、ステージ90とセパレータ93との間にある紙幣収納領域)には、最初の入金処理に係るバラ紙幣が収納されている。一方、第2紙幣収納領域(具体的には、セパレータ93と紙幣繰出繰入機構30aとの間にある紙幣収納領域)には、割り込み入金処理において入金部14から筐体12の内部に繰り出されて識別部20により識別された後に入金一時保留部30に送られたバラ紙幣が収納されるようになる。また、続行していた最初の入金処理が一時的に中断された後、入金一時保留部30の内部がセパレータ93により2つの紙幣収納空間に区分けされ、割り込み入金処理が行われるようになる。そして、割り込み入金処理においてセパレータ93と紙幣繰出繰入機構30aとの間にある第2紙幣収納領域に収納されたバラ紙幣が全て入金一時保留部30から搬送部15に繰り出されて識別部20により識別された後に各金種別バラ紙幣収納庫34に収納されると、セパレータ93は退避位置に移動し、当該セパレータ93がロック部によりロックされることにより、最初の入金処理が再開されるようになる。
また、本実施の形態では、ある取引に関するバラ紙幣の入金処理を行っている最中に、この入金処理において入金一時保留部30に一時的に保留されるバラ紙幣の枚数が比較的多く、割り込み入金処理を先に終わらせた方が最初の入金処理および割り込み入金処理の合計処理時間が短くなると制御部80において判断された場合にのみ、操作表示部82に割り込み入金処理ボタンを表示させるようにしてもよい。具体的には、搬送部15の搬送路上にあるバラ紙幣を各金種別バラ紙幣収納庫34に送る時間およびセパレータ93が退避位置から区分け位置まで移動する時間の合計時間が、最初の入金処理に係るバラ紙幣を入金一時保留部30から繰り出して識別部20により識別させた後に各金種別バラ紙幣収納庫34に送る時間よりも短いと制御部80において判断された場合においてのみ、操作表示部82に割り込み入金処理ボタンが表示され、操作者はこの割り込み入金処理ボタンを押下することにより上記の割り込み入金処理を行うことができるようになっている。
また、本実施の形態では、バラ紙幣の入金処理を行う際に、筐体12に設けられた前扉12aを開き(具体的には、外扉部分12bおよび内扉部分12cを一体的に開き)、入金一時保留部30にバラ紙幣を直接投入してもよい。この際に、セパレータ93は図7に示すような退避位置に位置しており、入金一時保留部30におけるステージ90上にバラ紙幣が投入されるようになる。このような前扉12aを開けて入金一時保留部30にバラ紙幣を直接投入するような入金処理について図17に示すバラ紙幣の流れ図を用いて説明する。
操作者が前扉12aを開けて入金一時保留部30にバラ紙幣を投入した後、操作表示部82により入金処理開始の指令を入力すると、入金一時保留部30に投入されたバラ紙幣が紙幣繰出繰入機構30aにより1枚ずつ搬送部15に繰り出される。そして、入金一時保留部30から搬送部15に繰り出されたバラ紙幣は、識別部20により識別され、表裏反転部22によりその表裏が揃うよう整えられた後に、対応する金種の各金種別バラ紙幣収納庫34に送られる。なお、識別部20により識別されたバラ紙幣の金種に対応する金種別バラ紙幣収納庫34がフル状態またはニアフル状態である場合には当該バラ紙幣はオーバーフロー紙幣として一括バラ紙幣収納庫32に送られるようになる。そして、入金一時保留部30からバラ紙幣が全て搬送部15に繰り出されて各金種別バラ紙幣収納庫34や一括バラ紙幣収納庫32に送られると、紙幣処理装置2におけるバラ紙幣の入金処理に係る一連の動作が完了する。なお、このようなバラ紙幣の入金処理を行う際に、操作者は入金一時保留部30にバラ紙幣を直接投入した後、前扉12aを閉めることにより離席することが可能となる。
本実施の形態では、入金部14に入金することができるバラ紙幣の枚数よりも、入金一時保留部30で一時的に保留することができるバラ紙幣の枚数が多いため、大量のバラ紙幣の入金処理を行う場合には、筐体12に設けられた前扉12aを開き、入金一時保留部30にバラ紙幣を直接投入することにより、入金部14にバラ紙幣を何度も投入するという手間を省くことができるようになるため、バラ紙幣の入金処理を行う際の利便性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、前扉12aが開けられて入金一時保留部30に直接投入されたバラ紙幣を筐体12の内部に繰り出して識別部20により識別した後に各金種別バラ紙幣収納庫34に収納させるような入金処理が行われる最中に、入金部14に投入されたバラ紙幣を筐体12の内部に繰り出して各金種別バラ紙幣収納庫34に収納させるような割り込み入金処理を行うことができるようになっている。このような割り込み入金処理が行われる際には、入金一時保留部30においてロック部によるセパレータ93のロックが解除され、当該セパレータ93が図2において二点鎖線で示すような退避位置から図2において実線で示すような区分け位置に移動する。このことにより、入金一時保留部30の内部が2つの紙幣収納領域に区分けされる。ここで、下側の第1紙幣収納領域には、前扉12aが開けられて入金一時保留部30に直接投入されたバラ紙幣が収納されている。一方、上側の第2紙幣収納領域には、割り込み入金処理において入金部14から筐体12の内部に繰り出されて識別部20により識別された後に入金一時保留部30に送られたバラ紙幣が収納されるようになる。また、続行していた最初の入金処理が一時的に中断された後、入金一時保留部30の内部がセパレータ93により2つの紙幣収納空間に区分けされ、割り込み入金処理が行われるようになる。そして、割り込み入金処理においてセパレータ93と紙幣繰出繰入機構30aとの間にある第2紙幣収納領域に収納されたバラ紙幣が全て入金一時保留部30から搬送部15に繰り出されて識別部20により識別された後に各金種別バラ紙幣収納庫34に収納されると、セパレータ93は退避位置に移動し、当該セパレータ93がロック部によりロックされることにより、前扉12aが開けられて入金一時保留部30に直接投入されたバラ紙幣の入金処理が再開されるようになる。
また、本実施の形態では、入金部14に投入されたバラ紙幣を筐体12の内部に繰り出して識別部20により識別した後に入金一時保留部30に一時的に保留させるような入金処理が行われる最中に、前扉12aが開けられて入金一時保留部30に直接投入されたバラ紙幣を筐体12の内部に繰り出して識別部20により識別した後に各金種別バラ紙幣収納庫34に収納させるような割り込み入金処理を行うことができるようになっている。このような割り込み入金処理が行われる際には、入金一時保留部30においてセパレータ93のロックが解除され、当該セパレータ93が図2において二点鎖線で示すような退避位置から図2において実線で示すような区分け位置に移動する。このことにより、入金一時保留部30の内部が2つの紙幣収納領域に区分けされる。ここで、下側の第1紙幣収納領域には、入金部14から筐体12の内部に繰り出されて識別部20により識別された後に入金一時保留部30に送られたバラ紙幣が収納されている。また、操作者は割り込み入金処理を行う際に前扉12aを開けた後、上側の第2紙幣収納領域にバラ紙幣を直接投入するようになる。また、続行していた最初の入金処理が一時的に中断された後、入金一時保留部30の内部がセパレータ93により2つの紙幣収納空間に区分けされ、割り込み入金処理が行われるようになる。そして、割り込み入金処理においてセパレータ93と紙幣繰出繰入機構30aとの間にある第2紙幣収納領域に直接投入されたバラ紙幣が全て入金一時保留部30から搬送部15に繰り出されて識別部20により識別された後に各金種別バラ紙幣収納庫34に収納されると、セパレータ93は退避位置に移動し、当該セパレータ93がロック部によりロックされることにより、入金部14から筐体12の内部に繰り出されて識別部20により識別された後に入金一時保留部30に送られたバラ紙幣の入金処理が再開されるようになる。
次に、紙幣処理装置2においてバラ紙幣の出金処理を行う際の動作について説明する。本実施の形態による紙幣処理装置2が待機状態となっているときに、出金すべきバラ紙幣の金種毎の枚数や合計金額等に係る情報を含むバラ紙幣の出金処理開始の指令を操作者が操作表示部82により制御部80に入力したり上位端末等の外部装置から通信インターフェース部88を介して制御部80に上記のバラ紙幣の出金処理開始の指令が送信されたりすると、出金すべき金種のバラ紙幣が各金種別バラ紙幣収納庫34から1枚ずつ紙幣繰出繰入機構34aにより搬送部15に繰り出される。そして、搬送部15に繰り出されたバラ紙幣は当該搬送部15により1枚ずつ搬送され、識別部20によりその金種、表裏、搬送状態等が識別される。また、識別部20により識別されたバラ紙幣は表裏反転部22によりその表裏が揃うよう整えられる。
識別部20により識別されたバラ紙幣が、バラ紙幣出金部16により出金することができると判断された紙幣である場合には、当該バラ紙幣はバラ紙幣出金部16に送られる。具体的には、バラ紙幣出金部16により出金することができると判断された紙幣は、識別部20から搬送部15により上下の整理一時保留部40のうち一方の整理一時保留部40に送られ、当該整理一時保留部40に集積される。そして、整理一時保留部40に集積されたバラ紙幣の枚数が出金すべき枚数に達すると、整理一時保留部40に集積されたバラ紙幣の束が第1アーム機構41により当該整理一時保留部40から取り出される。その後、第1アーム機構41が図2に示す位置から上昇して第2アーム機構42に対向する位置まで移動することにより、整理一時保留部40から取り出された紙幣の束は第1アーム機構41から第2アーム機構42に受け渡され、当該第2アーム機構42により紙幣の束がバラ紙幣出金部16に送られる。ここで、バラ紙幣の出金処理が行われる際には、ステージ18は図2に示すように帯封紙幣出金部17の底面近傍に位置するようになり、第2アーム機構42からバラ紙幣出金部16に送られたバラ紙幣は当該バラ紙幣出金部16に集積されるようになる。そして、出金されるべきバラ紙幣が全てバラ紙幣出金部16に送られると、このバラ紙幣出金部16に設けられたシャッター16aが開くことにより、操作者はバラ紙幣出金部16からバラ紙幣を取り出すことができるようになる。なお、識別部20により識別されたバラ紙幣が、バラ紙幣出金部16により出金することができると判断された紙幣ではない場合には、当該バラ紙幣は出金リジェクト部24に送られてこの出金リジェクト部24に集積されるようになる。
また、本実施の形態では、各金種別バラ紙幣収納庫34から搬送部15に繰り出されたバラ紙幣を入金一時保留部30に送り、筐体12に設けられた前扉12aを開くことにより入金一時保留部30に収納されたバラ紙幣を筐体12の外部に取り出し可能とするようなバラ紙幣の出金処理を行うことができるようになっている。この際に、セパレータ93は図7に示すような退避位置に位置しており、入金一時保留部30におけるステージ90上に出金すべきバラ紙幣が収納されるようになる。このような前扉12aを開けて入金一時保留部30から出金すべきバラ紙幣を取り出すような出金処理について図18に示すバラ紙幣の流れ図を用いて説明する。
図18に示すように、出金すべき金種のバラ紙幣が各金種別バラ紙幣収納庫34から1枚ずつ紙幣繰出繰入機構34aにより搬送部15に繰り出されると、このバラ紙幣は搬送部15により1枚ずつ搬送され、識別部20によりその金種、表裏、搬送状態等が識別される。また、識別部20により識別されたバラ紙幣は表裏反転部22によりその表裏が揃うよう整えられる。その後、当該バラ紙幣は搬送部15により入金一時保留部30に送られ、この入金一時保留部30のステージ90上に集積される。そして、出金すべきバラ紙幣が全て各金種別バラ紙幣収納庫34から入金一時保留部30に送られると、操作者は筐体12の前扉12aを開くことによりこの入金一時保留部30から出金すべきバラ紙幣を取り出すことができるようになる。なお、図18に示すように、各金種別バラ紙幣収納庫34からバラ紙幣が入金一時保留部30に送られる際に、当該バラ紙幣は搬送部15のループ形状部分を一周し、識別部20を通る前のバラ紙幣の搬送経路と識別部20を通った後のバラ紙幣の搬送経路が重複するため、金種別バラ紙幣収納庫34からある1枚のバラ紙幣が搬送部15に繰り出されて識別部20を通過して入金一時保留部30に送られた後に、次のバラ紙幣が金種別バラ紙幣収納庫34から搬送部15に繰り出されるようになる。
このように、本実施の形態の紙幣処理装置2では、各金種別バラ紙幣収納庫34から繰り出されたバラ紙幣を入金一時保留部30に収納させるような出金処理を行うことができるため、通常のバラ紙幣の出金処理における出金経路で故障が発生した場合でも(具体的には、例えば第1アーム機構41や第2アーム機構42が故障した場合でも)、入金一時保留部30を用いてバラ紙幣の出金処理を行うことができるようになる。また、大量のバラ紙幣の出金処理を行う場合には、第1アーム機構41や第2アーム機構42によって整理一時保留部40からバラ紙幣出金部16にバラ紙幣を何度も搬送する必要がなくなるため、バラ紙幣の出金処理にかかる時間を短縮することができるようになる。
また、本実施の形態では、入金部14に投入されたバラ紙幣を筐体12の内部に繰り出して識別部20により識別した後に入金一時保留部30に一時的に保留させるような入金処理が行われる最中に、各金種別バラ紙幣収納庫34から繰り出されたバラ紙幣を入金一時保留部30に収納させるような割り込み出金処理を行うことができるようになっている。このような割り込み出金処理が行われる際には、入金一時保留部30においてセパレータ93のロックが解除され、当該セパレータ93が図2において二点鎖線で示すような退避位置から図2において実線で示すような区分け位置に移動する。このことにより、入金一時保留部30の内部が2つの紙幣収納領域に区分けされる。ここで、下側の第1紙幣収納領域には、入金部14から筐体12の内部に繰り出されて識別部20により識別された後に入金一時保留部30に送られたバラ紙幣が収納されている。また、上側の第2紙幣収納領域には、各金種別バラ紙幣収納庫34から繰り出されて識別部20により識別された後に入金一時保留部30に送られた、割り込み出金すべきバラ紙幣を収納させることができるようになる。また、続行していた最初の入金処理が一時的に中断された後、入金一時保留部30の内部がセパレータ93により2つの紙幣収納空間に区分けされ、割り込み出金処理が行われるようになる。そして、出金すべきバラ紙幣が全て各金種別バラ紙幣収納庫34から入金一時保留部30に送られて、操作者によって筐体12の前扉12aが開かれてこの入金一時保留部30から出金すべきバラ紙幣が取り出されると、セパレータ93は退避位置に移動し、当該セパレータ93がロック部によりロックされることにより、入金部14から筐体12の内部に繰り出されて識別部20により識別された後に入金一時保留部30に送られたバラ紙幣の入金処理が再開されるようになる。
また、本実施の形態では、各金種別バラ紙幣収納庫34から繰り出されたバラ紙幣を入金一時保留部30に収納させ、筐体12に設けられた前扉12aを開くことにより筐体12の外部に取り出し可能とするような出金処理が行われる最中に、入金部14に投入されたバラ紙幣を筐体12の内部に繰り出して識別部20により識別した後に入金一時保留部30に一時的に保留させるような割り込み入金処理を行うことができるようになっている。このような割り込み入金処理が行われる際には、入金一時保留部30においてセパレータ93のロックが解除され、当該セパレータ93が図2において二点鎖線で示すような退避位置から図2において実線で示すような区分け位置に移動する。このことにより、入金一時保留部30の内部が2つの紙幣収納領域に区分けされる。ここで、下側の第1紙幣収納領域には、各金種別バラ紙幣収納庫34から繰り出されて識別部20により識別された後に入金一時保留部30に送られた出金すべきバラ紙幣が収納されている。また、上側の第2紙幣収納領域には、入金部14から筐体12の内部に繰り出されて識別部20により識別された後に入金一時保留部30に送られた、割り込み入金すべきバラ紙幣を収納させることができるようになる。また、続行していた最初の出金処理が一時的に中断された後、入金一時保留部30の内部がセパレータ93により2つの紙幣収納空間に区分けされ、割り込み入金処理が行われるようになる。そして、割り込み入金処理において入金部14から筐体12の内部に繰り出されて識別部20により識別された後に入金一時保留部30に送られたバラ紙幣が入金一時保留部30から搬送部15に繰り出されて識別部20により識別された後に各金種別バラ紙幣収納庫34に収納されると、セパレータ93は退避位置に移動し、当該セパレータ93がロック部によりロックされることにより、各金種別バラ紙幣収納庫34から繰り出されたバラ紙幣を入金一時保留部30に収納させるような出金処理が再開されるようになる。
また、本実施の形態では、入金部14により筐体12の内部に投入されたバラ紙幣を識別部20により識別した後に入金一時保留部30に収納させ、筐体12に設けられた前扉12aを開くことにより筐体12の外部に取り出し可能とするような計数処理を行うことができるようになっている。この際に、セパレータ93は図7に示すような退避位置に位置しており、識別部20により識別されたバラ紙幣は入金一時保留部30におけるステージ90上に収納されるようになる。このような入金部14により筐体12の内部に投入されたバラ紙幣を識別部20により識別した後に入金一時保留部30に収納させる計数処理について図19に示すバラ紙幣の流れ図を用いて説明する。
本実施の形態の紙幣処理装置2によりバラ紙幣の計数処理を行うにあたり、計数されるべきバラ紙幣を入金部14に投入すると、図19に示すように、入金部14に投入されたバラ紙幣は紙幣繰出機構14cにより1枚ずつ筐体12内に繰り出され、搬送部15により1枚ずつ搬送される。そして、搬送部15により搬送されるバラ紙幣は識別部20により識別される。また、識別部20により識別されたバラ紙幣は表裏反転部22によりその表裏が整えられる。その後、このバラ紙幣は搬送部15により入金一時保留部30に送られ、この入金一時保留部30のステージ90上に集積されるようになる。そして、計数されるべきバラ紙幣が全て入金部14から筐体12内に繰り出され、識別部20により識別された後に入金一時保留部30に送られると、操作者は筐体12の前扉12aを開くことによりこの入金一時保留部30から計数済のバラ紙幣を取り出すことができるようになる。
また、本実施の形態では、入金部14に投入されたバラ紙幣を筐体12の内部に繰り出して識別部20により識別した後に入金一時保留部30に一時的に保留させるような入金処理が行われる最中に、入金部14に投入されたバラ紙幣を筐体12の内部に繰り出して識別部20により識別した後に入金一時保留部30に収納させるような割り込み計数処理を行うことができるようになっている。このような割り込み計数処理が行われる際には、入金一時保留部30においてセパレータ93のロックが解除され、当該セパレータ93が図2において二点鎖線で示すような退避位置から図2において実線で示すような区分け位置に移動する。このことにより、入金一時保留部30の内部が2つの紙幣収納領域に区分けされる。ここで、下側の第1紙幣収納領域には、入金部14から筐体12の内部に繰り出されて識別部20により識別された後に入金一時保留部30に送られたバラ紙幣が収納されている。また、上側の第2紙幣収納領域には、入金部14から筐体12の内部に繰り出されて識別部20により識別された後に入金一時保留部30に送られた計数済のバラ紙幣を収納させることができるようになる。また、続行していた最初の入金処理が一時的に中断された後、入金一時保留部30の内部がセパレータ93により2つの紙幣収納空間に区分けされ、割り込み計数処理が行われるようになる。そして、計数されるべきバラ紙幣が全て入金部14から入金一時保留部30に送られて、操作者によって筐体12の前扉12aが開かれてこの入金一時保留部30から計数済のバラ紙幣が取り出されると、セパレータ93は退避位置に移動し、当該セパレータ93がロック部によりロックされることにより、入金部14から筐体12の内部に繰り出されて識別部20により識別された後に入金一時保留部30に送られたバラ紙幣の入金処理が再開されるようになる。
また、本実施の形態の紙幣処理装置2では、セパレータ93により入金一時保留部30の内部を2つの紙幣収納領域に区分けることができるようになっているため、セパレータ93によって区分けされた下側の第1紙幣収納領域に損券やオーバーフロー紙幣を収納させることができるようになる。第1紙幣収納領域に損券が収納される場合には、入金処理において、入金部14より入金されたが識別部20によりリジェクトされるものとして入金リジェクト部26に送られたバラ紙幣を取り出して再び入金部14より入金してもやはり識別部20によりリジェクトされるものと判定されたバラ紙幣を(すなわち、識別部20によりリジェクトされるものと二回判定されたバラ紙幣を)、入金一時保留部30のステージ90上に集積し、その後、セパレータ93で入金一時保留部30を上下に区分けるようになる。また、第1紙幣収納領域に損券やオーバーフロー紙幣が収納される場合には、バラ紙幣の入金処理において入金一時保留部30に一時的に保留されるべきバラ紙幣は上側の第2紙幣収納領域に収納されるようになる。また、このような運用が行われる場合には、セパレータ93は入金一時保留部30の内部における下部領域まで移動することができるようになっていることが好ましい。
また、本実施の形態の紙幣処理装置2では、セパレータ93により入金一時保留部30の内部を2つの紙幣収納領域に区分けることができるようになっているため、セパレータ93によって区分けされた下側の第1紙幣収納領域に、出金枚数が多いと見込まれる金種のバラ紙幣を予め収納させておくことができる。この場合には、バラ紙幣の出金処理が行われる際に、出金すべきバラ紙幣が収納された金種別バラ紙幣収納庫34が空状態になりそうになったら、入金一時保留部30の第1紙幣収納領域に収納されている予備のバラ紙幣を当該入金一時保留部30から搬送部15に繰り出して各金種別バラ紙幣収納庫34に補充したり、整理一時保留部40に搬送してバラ紙幣出金部16に送ったりするようになる。また、入金一時保留部30の第1紙幣収納領域に収納されている予備のバラ紙幣が使用されなかった場合には、筐体12の前扉12aを開けることにより入金一時保留部30からこの予備のバラ紙幣を回収して他の金庫等に保管したり、入金部14に投入することによって各金種別バラ紙幣収納庫34に収納させたりするようにする。なお、このような運用が行われる場合にも、バラ紙幣の入金処理において入金一時保留部30に一時的に保留されるべきバラ紙幣は上側の第2紙幣収納領域に収納されるようになる。
また、更に別の運用例では、入金一時保留部30においてセパレータ93によって区分けされた下側の第1紙幣収納領域に、使用頻度が低い金種のバラ紙幣(例えば、二千円紙幣)を予め収納させておくことができる。この場合には、バラ紙幣の出金処理が行われる際にこの使用頻度が低い金種のバラ紙幣を出金させる必要が生じたときに、入金一時保留部30の第1紙幣収納領域に収納されているバラ紙幣を当該入金一時保留部30から搬送部15に繰り出して整理一時保留部40に搬送することによりバラ紙幣出金部16に送ることができるようになる。このように、入金一時保留部30においてセパレータ93によって区分けされた下側の第1紙幣収納領域を、金種別バラ紙幣収納庫として用いることもできる。なお、このような運用が行われる場合にも、バラ紙幣の入金処理において入金一時保留部30に一時的に保留されるべきバラ紙幣は上側の第2紙幣収納領域に収納されるようになる。
以上のような構成からなる本実施の形態の紙幣処理装置2によれば、入金一時保留部30には、当該入金一時保留部30の内部を複数の紙幣収納領域に区分けることができるセパレータ93(区分け部材)が設けられているとともに、筐体12に設けられた前扉12aを開けることにより入金一時保留部30にアクセス可能となっているため、複数の紙幣収納領域に区分け可能な入金一時保留部30に容易にアクセス可能となることにより当該入金一時保留部30を様々な用途に使用することができるようになり、入金一時保留部30を有効活用することができるようになる。
また、本実施の形態の紙幣処理装置2においては、上述したように、セパレータ93は、入金一時保留部30の内部を複数の紙幣収納領域に区分ける区分け位置(図2における実線を参照)と、入金一時保留部30の内部を1つの紙幣収納領域とする退避位置(図2における二点鎖線を参照)との間で移動自在となっている。
また、本実施の形態の紙幣処理装置2においては、上述したように、筐体12に設けられた前扉12aは多重の扉部分(具体的には、外扉部分12bおよび内扉部分12c)から構成されており、前扉12aにおける全ての扉部分を開くと入金一時保留部30におけるセパレータ93により区分けされた全ての紙幣収納領域(すなわち、下側の第1紙幣収納領域および上側の第2紙幣収納領域)にアクセス可能となっている。一方、前扉12aにおける一部の扉部分(具体的には、外扉部分12b)のみを開いたときには入金一時保留部30におけるセパレータ93により区分けされた複数の紙幣収納領域のうち一部の紙幣収納領域(具体的には、上側の第2紙幣収納領域)のみにアクセス可能となる。この場合、前扉12aにおける内扉部分12cは外扉部分12bにロック可能となっており、内扉部分12cが外扉部分12bにロックされるとこれらの内扉部分12cおよび外扉部分12bは一体的に筐体12から開閉されるようになる。一方、前扉12aにおける内扉部分12cは筐体12にもロック可能となっており、内扉部分12cが筐体12にロックされると複数の紙幣収納領域のうち一部の紙幣収納領域(具体的には、上側の第2紙幣収納領域)のみにアクセス可能となる。このような技術的事項によれば、セパレータ93により区分けされた複数の紙幣収納領域からバラ紙幣を取り出したり当該紙幣収納領域にバラ紙幣を投入したりする際に、セパレータ93により区分けされた全ての紙幣収納領域へのアクセスおよびセパレータ93により区分けされた複数の紙幣収納領域のうち一部の紙幣収納領域のみへのアクセスを、外扉部分12bを開けるという同一の動作で行うことができるようになり、操作者にとっての利便性を向上させることができる。
また、本実施の形態の紙幣処理装置2においては、上述したように、前扉12aが開けられて入金一時保留部30に直接投入されたバラ紙幣を筐体12の内部に繰り出して識別部20により識別した後に各金種別バラ紙幣収納庫34に収納させるような入金処理を行うことができるようになっている。ここで、入金部14に入金することができるバラ紙幣の枚数よりも、入金一時保留部30で一時的に保留することができるバラ紙幣の枚数が多いことにより、大量のバラ紙幣の入金処理を行う場合には、筐体12に設けられた前扉12aを開き、入金一時保留部30にバラ紙幣を直接投入することにより、入金部14にバラ紙幣を何度も投入するという手間を省くことができるようになるため、バラ紙幣の入金処理を行う際の利便性を向上させることができる。また、入金一時保留部30に直接投入されたバラ紙幣を筐体12の内部に繰り出して識別部20により識別した後に各金種別バラ紙幣収納庫34に収納させるような入金処理が行われる際に、セパレータ93は、入金一時保留部30の内部を1つの紙幣収納領域とする退避位置に位置するようになっている。
また、入金一時保留部30の内部を複数の紙幣収納領域に区分けることができるセパレータ93が設けられているため、このようなセパレータ93によって入金一時保留部30の内部を複数の紙幣収納領域に区分けることにより、前扉12aが開けられて入金一時保留部30に直接投入されたバラ紙幣を筐体12の内部に繰り出して識別部20により識別した後に各金種別バラ紙幣収納庫34に収納させるような入金処理が行われる最中に、入金部14に投入されたバラ紙幣を筐体12の内部に繰り出して各金種別バラ紙幣収納庫34に収納させるような割り込み入金処理を行うことができる。また、セパレータ93によって入金一時保留部30の内部を複数の紙幣収納領域に区分けることにより、入金部14に投入されたバラ紙幣を筐体12の内部に繰り出して識別部20により識別した後に入金一時保留部30に一時的に保留させるような入金処理が行われる最中に、前扉12aが開けられて入金一時保留部30に直接投入されたバラ紙幣を筐体12の内部に繰り出して識別部20により識別した後に各金種別バラ紙幣収納庫34に収納させるような割り込み入金処理を行うことができる。
また、本実施の形態の紙幣処理装置2においては、上述したように、各金種別バラ紙幣収納庫34から繰り出されたバラ紙幣を入金一時保留部30に収納させ、筐体12に設けられた前扉12aを開くことにより筐体12の外部に取り出し可能とするような出金処理を行うことができるようになっている。この場合には、通常のバラ紙幣の出金処理における出金経路で故障が発生した場合でも(具体的には、例えば第1アーム機構41や第2アーム機構42が故障した場合でも)、入金一時保留部30を用いてバラ紙幣の出金処理を行うことができるようになる。また、大量のバラ紙幣の出金処理を行う場合には、第1アーム機構41や第2アーム機構42により整理一時保留部40からバラ紙幣出金部16にバラ紙幣を何度も搬送する必要がなくなるため、バラ紙幣の出金処理にかかる時間を短縮することができるようになる。
また、セパレータ93によって入金一時保留部30の内部を複数の紙幣収納領域に区分けることにより、入金部14に投入されたバラ紙幣を筐体12の内部に繰り出して識別部20により識別した後に入金一時保留部30に一時的に保留させるような入金処理が行われる最中に、各金種別バラ紙幣収納庫34から繰り出されたバラ紙幣を入金一時保留部30に収納させるような割り込み出金処理を行うことができる。また、セパレータ93によって入金一時保留部30の内部を複数の紙幣収納領域に区分けることにより、各金種別バラ紙幣収納庫34から繰り出されたバラ紙幣を入金一時保留部30に収納させ、筐体12に設けられた前扉12aを開くことにより筐体12の外部に取り出し可能とするような出金処理が行われる最中に、入金部14に投入されたバラ紙幣を筐体12の内部に繰り出して識別部20により識別した後に入金一時保留部30に一時的に保留させるような割り込み入金処理を行うことができる。
また、本実施の形態の紙幣処理装置2においては、上述したように、入金部14により筐体12の内部に投入されたバラ紙幣を識別部20により識別した後に入金一時保留部30に収納させ、筐体12に設けられた前扉12aを開くことにより筐体12の外部に取り出し可能とするような計数処理を行うことができるようになっている。また、セパレータ93によって入金一時保留部30の内部を複数の紙幣収納領域に区分けることにより、入金部14に投入されたバラ紙幣を筐体12の内部に繰り出して識別部20により識別した後に入金一時保留部30に一時的に保留させるような入金処理が行われる最中に、割り込み計数処理を行うことができるようになっている。
なお、本実施の形態による紙幣処理装置2は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
例えば、セパレータ93は、図7等に示すような上側セパレータ部分94および下側セパレータ部分96から構成されるものに限定されることはない。セパレータ93として、入金一時保留部30の内部を複数の紙幣収納領域に区分けることができるものであれば、他の様々な構成のものを用いることができる。
また、筐体12に設けられた前扉12aは、図4等に示すような外扉部分12bおよび内扉部分12cからなる二重の扉部分から構成されるものに限定されることはない。前扉12aとして、筐体12から開くことにより入金一時保留部30にアクセスすることができるものであれば、一重の扉等、他の様々な構成のものを用いることができる。
また、本実施の形態に係る紙幣処理装置2では、複数のセパレータ等の区分け部材により、入金一時保留部30の内部を3つ以上の紙幣収納領域に区分けすることができるようになっていてもよい。