JP2019199654A - 造花 - Google Patents
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Abstract
【課題】紙の強度の向上を図るとともに、デザイン性の向上および創作の自由度の向上を図ることができる造花の提供。【解決手段】造花1は、和紙4と接着剤5とを有する花弁(造花体)2を備える。花弁2は、和紙4と同一の面積、または和紙4よりも小さい面積を有する布6を備え、和紙4を布6の両面に接着剤5にて貼り付け、布6を和紙4にて挟み込むようにして形成されている。布6は、和紙4にて覆われている。これにより、花弁2は、保形性が低い和紙4であっても、千切れや、裂け、破れを防ぎ、その強度および保形性を向上させることができる。また、花弁2の布6は和紙4にて覆われているため、造花1は、和紙4のみで形成されているようにみせることができ、美観を損ねることなくデザイン性の向上および創作の自由度の向上を図ることができる。【選択図】図2
Description
本発明は、造花に関する。
従来、紙と接着剤とを有する造花体を備える造花が知られている。造花体は、造花における花弁や葉、茎などである。例えば特許文献1に記載の造花の人工葉(造花体)は、和紙(紙)と、細布糸を網目状にした素材(布)と、で構成されている。人工葉は、細布糸を網目状にした素材を和紙の表面に一般的なのりで貼着している。人工葉は、細布糸を網目状にした素材を和紙の表面に貼着することで、和紙に自然な湾曲をつけることができ、その形状を長期に亘って保つことができる。人工葉は、細布糸を網目状にした素材を人工葉の表側に配置することで、人工葉の繊維の形状を細布糸で表現することができ、外観的にも自然の葉に近似させることができる。また、特許文献2に記載の和紙製造花は、複数枚の和紙(紙)を接着剤にて接合した素材により形成されている。
ここで、和紙は、保形性が低く、複数枚を接着剤で接合したとしても、千切れやすく、裂けやすく、破れやすいという問題がある。これに対し、特許文献1の人工葉は、細布糸を網目状にした素材を和紙の表面に貼着しているため、細布糸により千切れや、裂け、破れを防ぐことができる。しかし、和紙と細布糸を網目状にした素材とは別素材であり、それぞれのもとに戻ろうとする力が異なる。このため、人工葉では、和紙と細布糸を網目状にした素材とがそれぞれ別の方向に向かって剥がれてしまうという問題がある。また、和紙のみで造花を形成したい場合、細布糸を網目状にした素材が外部に露出していると、和紙の美観を損ねてしまうという問題がある。
本発明の目的は、紙の強度の向上を図るとともに、デザイン性の向上および創作の自由度の向上を図ることができる造花を提供することである。
本発明の造花は、紙と接着剤とを有する造花体を備え、造花体は、紙と同一の面積、または紙よりも小さい面積を有する布を備え、紙を布の両面に接着剤にて貼り付け、布を紙にて挟み込むようにして形成され、布は、紙にて覆われていることを特徴とする。
このような本発明によれば、造花体は、紙を布の両面に接着剤にて貼り付けて形成されているため、例えば保形性が低い和紙であっても、千切れや、裂け、破れを防ぐとともに、その強度を向上させることができる。また、造花体における布は、紙と同一の面積、または紙よりも小さい面積を有するため、その面積において、紙の保形性を向上させることができる。
さらに、造花体は、紙を布の両面に接着剤にて貼り付け、布を紙にて挟み込むようにして形成され、布は、紙にて覆われているため、布を造花体の外部に露出させることなく造花体を形成することができる。したがって、造花は、紙のみで形成されているようにみせることができるため、美観を損ねることなくデザイン性を向上させることができる。また、本来、紙のみでは強度や保形性の点から創作することができない作品を創作することができるため、造花は、創作の自由度を向上させることができる。
この際、造花体は、紙と布と接着剤とを一体にした状態で透光性を有することを特徴とする。
このような構成によれば、造花は、紙の風合いや造花体を透過する光を生かした創作ができるため、デザイン性の向上および創作の自由度の向上を図ることができる。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。
図1は、第1実施形態に係る造花を示す斜視図である。
造花1は、図1に示すように、造花体である花弁2と、茎3と、を備える。茎3は、芯である図示しない針金と、和紙と、を備える。茎3は、針金を和紙で覆うように形成されている。
花弁2は、造花1において複数枚用いられ、紙である和紙4を備える。和紙4は、透光性を有する。
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。
図1は、第1実施形態に係る造花を示す斜視図である。
造花1は、図1に示すように、造花体である花弁2と、茎3と、を備える。茎3は、芯である図示しない針金と、和紙と、を備える。茎3は、針金を和紙で覆うように形成されている。
花弁2は、造花1において複数枚用いられ、紙である和紙4を備える。和紙4は、透光性を有する。
和紙4は、薄くとも強靭であり、千年以上もつともいわれる優れた保存性を有し、独特の風合いをもつことから、照明器具やインテリア、アクセサリ、工芸品、家具の部材などに使用されている。造花1は、花弁2の表面や裏面など、全方向のどの角度から見ても、和紙4のみから形成されているように視認される。
図2は、第1実施形態に係る花弁を示す断面図である。具体的には、図2は、図1におけるA−A断面の花弁2の断面図である。
図2に示すように、花弁2は、和紙4と、接着剤5と、和紙4と同一の面積を有する布6と、を備える。花弁2は、和紙4と接着剤5と布6とを一体にした状態で透光性を有する。このため、例えば花弁2をライトLにかざした場合、ライトLの光は、花弁2を介して視認することができる。花弁2は、接着剤5を介して布6を和紙4にて挟み込むように、積層されて形成されている。
図2に示すように、花弁2は、和紙4と、接着剤5と、和紙4と同一の面積を有する布6と、を備える。花弁2は、和紙4と接着剤5と布6とを一体にした状態で透光性を有する。このため、例えば花弁2をライトLにかざした場合、ライトLの光は、花弁2を介して視認することができる。花弁2は、接着剤5を介して布6を和紙4にて挟み込むように、積層されて形成されている。
接着剤5は、デンプン糊(デンプン系接着剤)である。デンプン糊は、植物由来のデンプンを主成分とする溶液系の接着剤であり、デンプンを糊化させ、水分を蒸発させることで硬化する。デンプン糊は、硬化することで和紙4および布6を接着する。また、硬化したデンプン糊は、水分を含ませることで軟化する。この際、デンプン糊が軟化することでデンプン糊の粘性も回復するため和紙4と布6とは剥離したり分離したりしない。軟化したデンプン糊は、水分を蒸発させることで再び硬化する。デンプン糊は、軟化時は白濁しているが、硬化することで略透明になる。
布6は、絹糸を目の粗い平織りにした布であり、粗い目の部分より光を透過する。布6の絹糸は非常に細いため、布6は、花弁2をライトLにかざした場合、和紙4により視認することはできない。したがって、ライトLの光は、和紙4だけを透過してきた光のように視認される。
また、布6は色を有し、本実施形態では赤色を有している。花弁2は、ライトLにかざしていない場合、和紙4が有する色(例えば白色)が視認される。これに対して、花弁2は、ライトLにかざした場合、和紙4の白色と布6の赤色とが合わさり、桃色の花弁2として視認される。したがって、花弁2は、布6が有する色により、ライトLにかざした場合とライトLにかざしていない場合とで異なる色調を表現することができる。これにより、造花1は、花弁2の透光性を生かしてライトLによる色調の変化を表現することができ、創作の自由度の向上を図ることができる。なお、布6は赤色ではなく、他の色を有していてもよい。また、布6は、色彩による模様を有していてもよいし、無色であってもよいし透明であってもよい。
図3は、第1実施形態に係る花弁の作成方法を示す図である。具体的には、図3(A)は、花弁2を形成するための台紙7の作成方法であり、図3(B)は、台紙7から花弁2を作成する方法である。
以下、図3を用いて、花弁2の作成方法を説明する。
以下、図3を用いて、花弁2の作成方法を説明する。
花弁2は、図3に示すように、台紙7より作成される。創作者は、図3(A)に示すように、先ず、台紙7に用いる2枚の和紙4と、和紙4と略同一の面積を有する布6と、を用意する。次に、創作者は、布6が和紙4にて挟み込まれた状態となるように、接着剤5を1枚目(紙面上方向側)の和紙4の一面に塗布し、1枚目の和紙4を布6の一面に貼り付ける。この際、創作者は、接着剤5を和紙4に対して刷毛で塗り広げてもよいし、手で塗り広げてもよい。また、接着剤5は、和紙4の一面に塗布されることが好ましいが、和紙4と布6とが互いに異なる方向に向かって剥離しなければ、縁だけ、あるいは一部のみに塗布されてもよい。
続いて、創作者は、接着剤5を2枚目(紙面下方向側)の和紙4の一面に塗布し、1枚目の和紙4を貼り付けた布6の一面とは反対側の布6の一面に、2枚目の和紙4を貼り付ける。このように台紙7を作成することで、布6は和紙4にて挟み込まれた状態となる。
ここで、前述の台紙7の作成方法は、和紙4よりも布6がやわらかい場合の作成方法である。これに対して、布6よりも和紙4がやわらかい場合は、創作者は、接着剤5を和紙4ではなく布6の両面に塗布し、和紙4を布6の両面に貼り付ける。すなわち、創作者は、和紙4と布6とを比較したときに、材質として堅い方に接着剤5を塗布する。和紙4または布6がやわらかい場合、創作者は、接着剤5の塗り広げることが困難であり、和紙4がやわらかい場合は、和紙4が破けてしまうこともあるからである。
台紙7の接着剤5の水分が蒸発して硬化した後、創作者は、図3(B)の点線のように、花弁2の形状を鉛筆やペン等で決定する。創作者は、はさみやカッター等を用いて、点線に沿って台紙7から切り出すことで、花弁2を作成する。なお、創作者は、鉛筆やペン等で花弁2の形状を決定せずに、直接、台紙7より花弁2を切り出してもよい。創作者は、1つの台紙7から複数枚の花弁2を切り出すことができる。台紙7から花弁2を切り出すことで、布6は、和紙4と同一の面積であり、同一の形状を有するように形成される。
台紙7より切り出された花弁2は、例えば霧吹きで湿らせることで、接着剤5が水分を含み、軟化する。このため、創作者は、花弁2に水分を含ませることで、簡単に花弁2に手で凹凸をつけることができる。創作者は、水分を含ませて軟化させた花弁2を手で凹凸をつけて立体的に成型する。なお、軟化した花弁2は、手ではなく、コテやヘラ等、道具を用いて所望の形状に成型してもよい。
所望の形状に成型された花弁2は、乾かすことで硬化する。これにより、花弁2は、和紙4のみで作成されたときよりも保形性が向上するだけでなく、強度も向上する。また、花弁2の布6は、和紙4に挟み込まれて外部に露出しないので、創作者は、花弁2を和紙4のみで作成したようにみせることができる。このため、花弁2は、和紙4による創作の幅を広げることができる。花弁2は、透光性を有するため、例えば照明器具を造花1の中に設置したり、造花1を照明器具(インテリア)の装飾品として用いることができる。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)花弁2は、和紙4を布6の両面に接着剤5にて貼り付けて形成されているため、保形性が低い和紙4であっても、千切れや、裂け、破れを防ぐとともに、その強度を向上させることができる。
(2)花弁2における布6は、和紙4と同一の面積を有するため、その面積において、和紙4の保形性を向上させることができる。
(1)花弁2は、和紙4を布6の両面に接着剤5にて貼り付けて形成されているため、保形性が低い和紙4であっても、千切れや、裂け、破れを防ぐとともに、その強度を向上させることができる。
(2)花弁2における布6は、和紙4と同一の面積を有するため、その面積において、和紙4の保形性を向上させることができる。
(3)花弁2は、和紙4を布6の両面に接着剤5にて貼り付け、布6を和紙4にて挟み込むようにして形成され、布6は、和紙4にて覆われているため、布6を花弁2の外部に露出させることなく花弁2を形成することができる。したがって、造花1は、和紙4のみで形成されているようにみせることができるため、美観を損ねることなくデザイン性を向上させることができる。
(4)造花1は、本来、和紙4のみでは強度や保形性の点から創作することができない作品を創作することができるため、創作の自由度を向上させることができる。
(5)造花1は、和紙4の風合いや花弁2を透過する光を生かした創作ができるため、デザイン性の向上および創作の自由度の向上を図ることができる。
(4)造花1は、本来、和紙4のみでは強度や保形性の点から創作することができない作品を創作することができるため、創作の自由度を向上させることができる。
(5)造花1は、和紙4の風合いや花弁2を透過する光を生かした創作ができるため、デザイン性の向上および創作の自由度の向上を図ることができる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態を図4に基づいて説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
以下、本発明の第2実施形態を図4に基づいて説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
前記第1実施形態では、台紙7から切り出された花弁2における布6は、和紙4と同一の面積を有していた。
本実施形態では、造花1Aの花弁2Aにおける布6Aは、和紙4よりも小さい面積を有する点で前記第1実施形態と異なる。また、花弁2Aは、布6Aの外周において布6Aを挟まず、接着剤5を介して和紙4と和紙4とを貼り付けた領域がある点で前記第1実施形態と異なる。
本実施形態では、造花1Aの花弁2Aにおける布6Aは、和紙4よりも小さい面積を有する点で前記第1実施形態と異なる。また、花弁2Aは、布6Aの外周において布6Aを挟まず、接着剤5を介して和紙4と和紙4とを貼り付けた領域がある点で前記第1実施形態と異なる。
図4は、第2実施形態に係る花弁の作成方法を示す図である。具体的には、図4(A)は、花弁2Aを形成するための台紙7Aの作成方法であり、図4(B)は、台紙7Aから花弁2Aを作成する方法である。
以下、図4を用いて、花弁2Aの作成方法を説明する。
以下、図4を用いて、花弁2Aの作成方法を説明する。
造花体である花弁2Aは、図4に示すように、台紙7Aより作成される。創作者は、図4(A)に示すように、先ず、台紙7Aに用いる2枚の和紙4と、2枚の和紙4よりも小さい面積を有する布6Aと、を用意する。次に、前記第1実施形態と同様に、創作者は、花弁2Aにおいて布6Aが和紙4にて挟み込まれた状態となるように、接着剤5を塗布して2枚の和紙4と布6Aとを貼り付ける。
ここで、和紙4は、水分を含ませることで簡単に千切ることができる。千切られた和紙4の縁は、はさみやカッター等で切り取った場合と異なり、和紙4の繊維により毛羽立った状態となる。例えば水を含ませた筆などを用いて、和紙4に水分を含ませて和紙4の縁を毛羽立たせて和紙4を千切る方法を水切りという。
続いて、接着剤5で和紙4と布6Aとを接着した後、創作者は、図4(B)の点線のように、布6Aよりも外周に花弁2Aの縁(輪郭)が来るように、花弁2Aの形状を鉛筆やペン等で決定する。創作者は、点線に沿って、水を含ませた筆で点線部分を湿らせる。そして、創作者は、点線に沿って千切って水切りをすることで、和紙4の縁を毛羽立たせて、台紙7Aから花弁2Aを作成することができる。
なお、創作者は、花弁2Aの形状を鉛筆やペン等で決定せずに直接、台紙7Aより水切りしてもよい。また、創作者は、台紙7Aからではなく、あらかじめ水切りにより和紙4を花弁2Aの形状に成型した後、布6Aが和紙4にて挟み込まれた状態となるように、接着剤5を塗布して2枚の和紙4と布6Aとを貼り付けてもよい。
創作者は、このように花弁2Aを作成することで、より和紙4の風合いを生かして造花1Aを作成することができる。
創作者は、このように花弁2Aを作成することで、より和紙4の風合いを生かして造花1Aを作成することができる。
このような本実施形態においても、前記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる他、以下の作用、効果を奏することができる。
(6)花弁2Aは、和紙4よりも小さい面積を有する布6Aを用いることで、布6Aを花弁2Aの外部に露出させず、かつ、和紙4の縁を毛羽立たせ、和紙4の風合いを生かすことができる。したがって、造花1Aは、デザイン性の向上および創作の自由度の向上を図ることができる。
(6)花弁2Aは、和紙4よりも小さい面積を有する布6Aを用いることで、布6Aを花弁2Aの外部に露出させず、かつ、和紙4の縁を毛羽立たせ、和紙4の風合いを生かすことができる。したがって、造花1Aは、デザイン性の向上および創作の自由度の向上を図ることができる。
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記各実施形態では、造花体は花弁2,2Aであったが、造花体は花弁だけでなく葉や茎、花柱、花糸、がく片などであってもよい。また、造花は、一部に造花体を備え、他の部分に造花体ではない部位を備えていてもよい。例えば、造花体による花弁と、セロファンや金箔など他の部材による花弁と、を組み合わせて造花を作成してもよいし、造花体による花弁と、他の部材による葉と、を組み合わせてもよい。要するに、造花は、本発明の造花体を備えていればよい。
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記各実施形態では、造花体は花弁2,2Aであったが、造花体は花弁だけでなく葉や茎、花柱、花糸、がく片などであってもよい。また、造花は、一部に造花体を備え、他の部分に造花体ではない部位を備えていてもよい。例えば、造花体による花弁と、セロファンや金箔など他の部材による花弁と、を組み合わせて造花を作成してもよいし、造花体による花弁と、他の部材による葉と、を組み合わせてもよい。要するに、造花は、本発明の造花体を備えていればよい。
前記各実施形態では、紙は和紙4であったが、和紙ではなく、表面に漆を塗ったり蝋を染み込ませたり等して加工された紙(機械漉和紙など)や、竹紙、羊皮紙、衛生用紙(ティッシュペーパやトイレットペーパ等)、雑種紙(トレーシングペーパ、合成紙、絶縁紙、剥離紙、ライスペーパ等)、新聞用紙、不織布などであってもよい。要するに、造花体において、布を挟み込むようにして布の両面に貼り付けられる紙は、紙であればどのようなものであってもよい。
また、前記各実施形態では、花弁2,2Aにおける和紙4は、布6,6Aに対して2枚用いられていたが、2枚以上でもよく、紙の上にさらに紙を重ねて貼り付けてもよい。また、前記第2実施形態では、花弁2Aにおける和紙4は、水切りにより縁を毛羽立たせていたが、はさみやカッター等で台紙7Aから切り取り、縁を毛羽立たせなくてもよい。要するに、紙にどのような加工を施すかは創作者の自由である。
前記各実施形態では、接着剤5はデンプン糊であったが、デンプン糊ではなく、ゴム糊(天然ゴム系接着剤や天然ゴムラテックス接着剤など)や、カゼイン接着剤、酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、膠などであってもよい。要するに、接着剤は、造花が備える造花体において、布の両面に紙を貼り付けることができれば、どのような接着剤であってもよい。
前記各実施形態では、布6,6Aは、絹糸を目の粗い平織りにした布であったが、絹糸ではなく、木綿糸(ガーゼ)や、ナイロン、ポリウレタン、アセテート、ポリエステル、キュプラ、レーヨン等であってもよい。また、布として、リネン(亜麻布)や晒、ちりめん、ゴムなど伸縮素材が編み込まれた布などであってもよい。厚めの生地を有する布の場合、例えば漆が沁みないように薄い伸びのない機械漉和紙を布の両面に貼り付けることで、木に漆を塗ったような造花体を形成することができる。要するに、布は、造花が備える造花体において、両面に紙が貼り付けられ、紙にて挟み込むことができる布であれば、どのような布であってもよい。
前記第1実施形態では、花弁2を作成するための台紙7は、2枚の和紙4と、和紙4と略同一の面積を有する布6と、を用い、前記第2実施形態では、花弁2Aを作成するための台紙7Aは、2枚の和紙4と、和紙4よりも小さい面積を有する布6Aと、を用いていたが、台紙における布は、略同一の面積、または小さい面積を有していなくてもよく、紙より大きい面積を有していてもよい。要するに、台紙における布は紙に対してどのような面積を有していてもよく、台紙から作成される造花体における布は、紙と同一の面積、または紙よりも小さい面積を有し、紙にて覆われていればよい。
前記各実施形態では、造花1,1Aの花弁2,2Aは、布6,6Aを和紙4で挟み込んで一体にした状態で透光性を有していたが、造花体は、透光性を有していなくてもよい。すなわち、紙と接着剤と布とは、透光性を有していなくてもよい。また、造花体は、一部分だけ透光性を有していてもよい。例えば、光を透かすことで模様やマークが浮かび上がるようにしてもよいし、透光性の度合を調節することで明暗により模様を形成するようにしてもよい。要するに、造花体は、布の両面に紙を貼り付け、布を紙にて挟み込むようにして形成され、造花体における布は、紙にて覆われていればよい。
以上のように、本発明は、造花に好適に利用できる。
1,1A…造花,2,2A…花弁(造花体),4…和紙(紙),5…接着剤,6,6A…布
Claims (2)
- 造花は、紙と接着剤とを有する造花体を備え、
前記造花体は、
前記紙と同一の面積、または前記紙よりも小さい面積を有する布を備え、
前記紙を前記布の両面に前記接着剤にて貼り付け、前記布を前記紙にて挟み込むようにして形成され、
前記布は、
前記紙にて覆われていることを特徴とする造花。 - 請求項1に記載された造花において、
前記造花体は、
前記紙と前記布と前記接着剤とを一体にした状態で透光性を有することを特徴とする造花。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20220107548A (ko) * | 2021-01-25 | 2022-08-02 | 조정환 | 이중 주름지를 이용한 내구성이 향상된 조화의 제조 방법 |
-
2018
- 2018-05-14 JP JP2018092811A patent/JP2019199654A/ja active Pending
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KR20220107548A (ko) * | 2021-01-25 | 2022-08-02 | 조정환 | 이중 주름지를 이용한 내구성이 향상된 조화의 제조 방법 |
KR102430641B1 (ko) | 2021-01-25 | 2022-08-16 | 조정환 | 이중 주름지를 이용한 내구성이 향상된 조화의 제조 방법 |
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