JP2019199454A - 液体化粧料 - Google Patents
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Description
一方、赤色202号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、黄色401号、黄色205号、黄色4号Alレーキ、黄色203号Alレーキ、赤色104号Alレーキなどの有機顔料などは、メイクアップ化粧料などの化粧料組成物の色材に用いられているが、特に、赤色226号、赤色228号などの有機顔料を使用した場合は分散時間がかかり、その製造においては生産性、保存安定性などが低いなどの課題があり、それに伴い使用性も未だ十分なものといえないのが現状である。
1) 少なくとも、レシチン又はその水添物、着色剤の一部又は全部としてチタンブラックを含む着色剤、HLB値が10以上の非イオン性界面活性剤を含んでなるアイメイクアップ化粧料(例えば、特許文献1参照)が知られている。
このアイメイクアップ化粧料は、チタンブラックを着色剤とし、その粒子の表面をレシチンによって被覆し、その被覆した部分にHLB値が10以上の非イオン性界面活性剤を作用させて、水中に安定に分散させて、比重が大きな顔料にも拘らず、着色剤の分離がなく、描線濃度も濃く、拭き取り性能も良好なアイメイクアップ化粧料を得るものである。
3) 撥水・撥油性、持続性及び安定性に優れる化粧料として、特定式で表わされるモノアルキルリン酸塩、(B)疎水性粉体、(C)アクリル酸系ポリマーを含有することを特徴とする化粧料(例えば、特許文献3参照)が知られている。
上記特許文献2は、赤色226号、青色404号を含む顔料をPOEアルキルエーテルリン酸等及びアクリル酸アルキルコポリマーエマルジョンを用いた化粧持ちに優れた水性アイシャドウなどであるが、アルカリ可溶型アクリル酸アルキル共重合体またはその塩を用いた場合に保存安定性に優れることについては記載や示唆等はないものである。
上記特許文献3は、フッ素化合物処理した酸化チタン等の無機顔料及び赤色201号等の有機顔料と、特定のモノアルキルリン酸塩及びアクリル酸系ポリマーを用いた持続性と安定性に優れた化粧料であるが、表面処理しない有機顔料を用いた場合について記載や示唆などはなく、また、「アクリル酸系ポリマー」がアルカリ可溶型アクリル酸アルキル共重合体またはその塩ではない単なるアクリル酸のポリマーであり、本発明とは技術思想が異なるものである。
すなわち、本発明の液体化粧料は、少なくとも、有機顔料と、リン酸エステル又はその塩と、アクリル酸アルキル共重合体又はその塩、並びに、被膜形成剤を固形分換算で合計1.0〜20質量%と、水とを含有することを特徴とする。
前記液体化粧料は、コーンプレート型粘度計を用いて、温度25℃、ずり速度192sec−1の条件で粘度を測定した際の粘度値が3〜60mPa・sであることが好ましい。
前記液体化粧料は、プレート法を用いて、25℃、白金プレートで表面張力を測定した際の表面張力が32mN/m以上であることが好ましい。
前記リン酸エステル又はその塩の含有量は、液体化粧料組成物全量に対して、0.1〜1.0質量%であることが好ましい。
前記液体化粧料は、ガラス電極を用いてpHを測定した際のpHが7〜9の範囲であることが好ましい。
前記有機顔料の含有量は、液体化粧料組成物全量に対して、0.1〜20質量%であることが好ましい。
前記アクリル酸アルキル共重合体又はその塩の中に、少なくとも1種類以上の(アクリル酸アルキル・オクチルアクリルアミド)コポリマーを含むことが好ましい。
本発明の液体化粧料は、少なくとも、有機顔料と、リン酸エステル又はその塩と、アクリル酸アルキル共重合体又はその塩、並びに、被膜形成剤を固形分換算で合計1.0〜20質量%と、水とを含有することを特徴とするものである。
なお、補色として、本発明の効果を損なわない範囲で、無機顔料を適宜量含有してもよいものである。無機顔料として、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、黒酸化チタン、黄酸化鉄、黒酸化鉄、ベンガラ、グンジョウ、コンジョウ、酸化クロム、水酸化クロム、マイカ、タルク、シリカ、ガラス、雲母チタンなどの少なくとも1種が挙げられる。
これらの有機顔料の含有量は、発色性、保存安定性、使用性などの点から、液体化粧料全量に対して、0.1〜20質量%であり、好ましくは、0.1〜10質量%が望ましい。
この有機顔料の含有量が0.1質量%未満では、有機顔料の特徴である発色が薄くなり、一方、20質量%超過では、製品形態での保存安定性に乏しくなり、好ましくない。
なお、本発明における「HLB値」は、川上法〔HLB値=7+11.7log(MW/MO)、MW:親水部分の式量の総和、MO:親油部分の式量の総和〕からHLB値を算出した。
本発明では、上記好ましいHLB値が5〜17のリン酸エステル系界面活性剤を用いることにより、顔料の使用感、保存安定性などが更に良好となる。
このリン酸エステル又はその塩の合計含有量が0.05質量%未満では、保存安定性が悪化することとなり、一方、1.2質量%超過では、後述する皮膜形成樹脂となるアクリル酸アルキル共重合体又はその塩を増やしても耐水性を発現することができず、表面張力の低下により製品形態での液もれなど品質不良を引き起こすことが若干あり、好ましくない。
好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸あるいはそれらのアルキルエステルのうちから選択される2種以上の化合物を原料モノマーとする共重合体は、その繰り返し構造中、側鎖として酸性残基を有するものであって、中和によって水に溶解し得るアクリル酸アルキル共重合体(アルカリ可溶型アクリル樹脂)が良い。なお、中和には、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリエタノールアミン、L−アルギニン、アンモニア水、水酸化ナトリウム等のpH調整剤を用いることができ、特に好ましいものは、アミノメチルプロパノール(2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール)である。
更に好ましくは、本発明の効果を更に発揮せしめる点などから、前記アクリル酸アルキル共重合体又はその塩の中に、少なくとも1種類以上の(アクリル酸アルキル/オクチルアクリルアミド)共重合体を含むことが望ましい。
具体的には、ダイトゾール5000SJ、5000AD(大東化成工業社製)、ヨドゾールGH800F、34F、GH41F(アクゾノーベル社製)の少なくとも1種を挙げることができる。
本発明において、液体化粧料の残部(残分)は、水(精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、水道水等)で調整される。
用いることができる増粘剤としては、塗布性、保存安定性、顔料の沈降抑制などの点から、例えば、キサンタンガム、サクシノグリカン、アクリル系増粘剤、セルロースガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、セルロースにカチオン性官能基を付加したカチオン化セルロースなどのセルロース系増粘剤、ポリビニルアルコールなどのビニル系増粘剤、ベントナイトなどの粘土鉱物などの少なくとも1種が挙げられる。
液体化粧料の表面張力が30mN/m未満であると、描線が肌上でのにじみが大きくなり、収納する塗布具等からの垂れ落ちなどが生じやすくなり、好ましくないものとなる。
この表面張力の調整は、用いる上記顔料、リン酸エステル又はその塩と、アクリル酸アルキル共重合体又はその塩、水、溶剤、増粘剤などを好適に組み合わせることなどにより調整することができる。
このように構成される本発明の液体化粧料の配合系では、被膜形成剤を含有した場合、化粧もちに優れた液体化粧料を得ることができるが、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸又はその塩などのリン酸エステル又はその塩のみの処方に比べて保存安定性が悪くなる傾向となる。本発明では、リン酸エステル又はその塩と、アクリル酸アルキル共重合体又はその塩とを所定量含有することで、塗膜の発色性や保存安定性に優れ、かつ耐水性や化粧もちなどの使用性が良好な液体化粧料を得ることができ、更に好ましい形態として、上記粘度範囲、上記表面張力となる液体化粧料とすることにより、本発明の効果を更に高度に発揮せしめることができるものとなる。
下記表1及び表2に示す配合処方(アイライナー用の液体化粧料)で、適宜、分散処理、撹拌・混合、及び、ろ過などの工程を経て液体化粧料を調製した。なお、表1と表2は用いる有機顔料等の配合組成等が相違するものである。
得られた実施例1〜14及び比較例1〜9の液体化粧料について、下記評価法などにより、粘度、表面張力、視認による色相の確認、使用性、製品の保存安定性の評価等を行った。
これらの評価結果を下記表1及び表2に示す。
得られた各液体化粧料について、コーンプレート型粘度計(TVE−20L、東機産業社製)を用いて、温度25℃、ずり速度192sec−1の条件で粘度を測定した。
(液体化粧料のpH値の測定)
得られた各液体化粧料について、pH(25℃)をガラス電極pH計(LAQUA F−72、HORIBA社製)により常法にて測定した。
(液体化粧料の表面張力の測定)
白金プレート型表面張力計(CBVP−Z、協和界面科学社製)を用いて、25℃、表面張力を測定した。
得られた各液体化粧料について、株式会社ユニコスモ製UC−76またはUC-22容器に充填して下記評価基準で使用性について評価した。
評価基準:
◎:にじみがなく化粧もちや耐水性が非常に優れている。
○:にじみが概ねなく化粧もちや耐水性も良好である。
△:にじみが若干みられ、化粧もちや耐水性が若干良くない。
×:にじみが悪く、化粧もちや耐水性が悪い。
得られた各液体化粧料について、日電理化硝子株式会社製SV−30のねじ口瓶に充填して下記評価基準で保存安定性について評価した。
評価基準:
◎:経時保管でカスレもしくは色相の変化を生じず、使用性が良好。
○:経時保管でカスレもしくは色相の変化が少なく、使用性が良好。
△:経時保管でカスレもしくは色相の変化を生じるが、良好な状態に復帰可能。
×:経時保管でカスレもしくは色相の変化を著しく生じ、使用性が悪い。
Claims (7)
- 少なくとも、有機顔料と、リン酸エステル又はその塩と、アクリル酸アルキル共重合体又はその塩、並びに、被膜形成剤を固形分換算で合計1.0〜20質量%と、水とを含有することを特徴とする液体化粧料。
- コーンプレート型粘度計を用いて、温度25℃、ずり速度192sec−1の条件で粘度を測定した際の粘度値が3〜60mPa・sであることを特徴とする請求項1に記載の液体化粧料。
- プレート法を用いて、25℃、白金プレートで表面張力を測定した際の表面張力が32mN/m以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体化粧料。
- 前記リン酸エステル又はその塩の含有量が、液体化粧料組成物全量に対して、0.1〜1.0質量%であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の液体化粧料。
- ガラス電極を用いてpHを測定した際のpHが7〜9の範囲であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の液体化粧料。
- 前記有機顔料の含有量が、液体化粧料組成物全量に対して、0.1〜20質量%であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の液体化粧料。
- 前記アクリル酸アルキル共重合体又はその塩の中に、少なくとも1種類以上の(アクリル酸アルキル・オクチルアクリルアミド)コポリマーを含むことを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の液体化粧料。
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