JP2019199214A - パワーステアリング制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】EPS用ECUで路面状況に応じたアシスト制御を行う。【解決手段】操舵トルクを示すトルク情報を取得するトルク取得部101と、車速情報を取得する車速取得部104と、エンジンの回転数情報を取得する回転数取得部105と、車速情報、および回転数情報に基づき路面の状況を判断する判断部106と、判断された路面の状況に対応した操舵トルクに対する補助トルクの関係を示す関係情報を決定する関係決定部107と、決定された関係情報に基づき補助トルクを示す補助情報を出力する補助情報出力部102と、モータを補助情報に基づき制御するモータ制御部103とを備えるパワーステアリング制御装置100。【選択図】図2
Description
本発明は、モータによって補助トルクを発生させるパワーステアリング装置を制御するパワーステアリング制御装置に関する。
従来、農業機械などの車両は、舗装道路、畑、乾田、湿田など路面の状況が大きく異なる場所を走行する必要がある。このような異なる路面の状況で走行する場合、例えば舗装道路では運転者は車両を比較的容易に旋回させることができるが、湿田などにおいては車両を簡単には旋回できない。
そこで例えば、特許文献1には、操舵に必要なトルクから舗装道路か圃場かなどの路面の状況を判別し、判別結果に基づき車速の減速割合を自動的に変更して車両を旋回させる際のフィーリングを変更する技術が記載されている。
また、特許文献2には、設定速度と実質速度との差異に基づき車両の滑り率を算出して路面の状況を判別し、路面の状況に対応したモードに自動的に切り替える技術が記載されている。
昨今、農業機械などの分野においてもパワーステアリング装置によりアシスト力を発生させながら車輪の転舵角を変更し、走行方向を変更する車両も存在する。このような状況下、路面の状況をパワーステアリング装置自身が判断し、路面の状況に応じて補助トルクの大きさを変更することができるパワーステアリング装置が望まれている。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、車両本体から取得する情報量に基づきパワーステアリング制御装置自身が路面の状況を判断し、路面状況に応じた補助トルクを出力させることができるパワーステアリング制御装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の1つであるパワーステアリング制御装置は、ステアリングに付与する補助トルクを発生させるモータを制御するパワーステアリング制御装置であって、操舵部材に付与された操舵トルクを示すトルク情報を取得するトルク取得部と、車速を示す情報である車速情報を取得する車速取得部と、エンジンの回転数を示す情報である回転数情報を取得する回転数取得部と、前記車速取得部が取得した車速情報、および前記回転数取得部が取得した回転数情報に基づき路面の状況を判断する判断部と、操舵トルクに対する補助トルクの関係を示す関係情報を前記判断部により判断された路面の状況に応じて決定する関係決定部と、前記関係決定部が決定した関係情報に基づき補助トルクを示す補助情報を出力する補助情報出力部と、前記モータを前記補助情報に基づき制御するモータ制御部とを備える。
これによれば、パワーステアリング制御装置自体が車両に搭載されるエンジンの回転数および車速を取得することにより路面の状況を把握することができるため、路面の状況に応じて適正な補助トルクをステアリングに与える制御を実行することができる。
また、前記判断部は、前記車速取得部が取得した車速情報と車速閾値とを比較して車速状態を判断し、前記回転数取得部が取得した回転数情報と回転数閾値とを比較してエンジンの回転数状態を判断し、車速状態、および回転数状態の組み合わせに基づいて路面の状況を判断してもよい。
これによれば、路面状況の急な変化に対してもステアリング制御装置が迅速に路面状況を判断することができ、操作トルクに対する補助トルクの関係を適格に変化させることが可能となる。
また、前記関係決定部は、操舵トルクに対する補助トルクの関係を示す関係情報を路面の状況に応じて複数種類記憶し、記憶された複数種類の関係情報から路面の状況に対応した関係情報を1つ決定する。
これによれば、判断部の判断に基づき演算をすることなく関係情報を速やかに出力することができるため、路面状況の変化に速やかに対応することが可能となる。
また、前記関係決定部は、操舵トルクに対する補助トルクの関係を示す基礎関係情報と、前記基礎関係情報に作用させる少なくとも1つの補正値とを記憶し、記憶された前記補正値から路面の状況に対応した補正値を選択することにより関係情報を決定してもよい。
これによれば、複数の関係情報を記憶する必要がないため、パワーステアリング制御装置の記憶装置を低容量化できる。また、補正値を調整することにより複数の関係情報を簡単かつきめ細かに変化させることも可能となる。
なお、前記パワーステアリング制御装置が含む各処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを実施することも本発明の実施に該当する。無論、そのプログラムが記録された記録媒体を実施することも本発明の実施に該当する。
本発明によれば、パワーステアリング制御装置自身が路面の状況を判断し、路面の状況に対応した補助トルクをステアリング装置に付与させる制御を実行することが可能となる。
次に、本発明に係るパワーステアリング制御装置の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、図面は、本発明を示すために適宜強調や省略、比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状や位置関係、比率とは異なる場合がある。
図1は、パワーステアリング制御装置を備えたパワーステアリング装置を示す図である。同図に示すように、パワーステアリング装置200(EPS:electric power steering)は、トラクターなどの農業機械を含む車両(不図示)を操舵するための装置である。パワーステアリング装置200は、機構部材として、ステアリングホイールなどの操舵部材300を回転させることにより発生するトルクを伝達する複数の軸体210と、軸体210の回転に連動して転舵輪310を転舵する転舵機構220と、運転者が操舵部材300を操作することによるトルクを補助するための操舵補助機構230とを備えている。
軸体210の一つは、中間位置にトーションバー211が介在配置されている。トーションバー211の近傍には、トルクセンサ340が配置されている。トルクセンサ340は、トーションバー211の両端の相対回転変位量に基づいて、ステアリングホイールに与えられた操舵トルクを検出する。
操舵補助機構230は、補助トルクを軸体210に付与する機構であって、操舵補助用のモータ231と、モータ231の出力トルクを軸体210に付与するための減速機構232とを備えている。減速機構232は、例えばウォームギヤ機構を例示することができる。
また、車両は、車速出力部320と、回転数出力部330とを備えている。
車速出力部320は、車両の車速を示す情報である車速情報を出力する装置、または処理部である。車速出力部320の種類は、特に限定されるものではない。車速出力部320としては、例えば、車両における車軸の回転数に比例してパルス信号(車速信号)を発生させる車速パルス発生器でもよい。また、車速パルス発生器から取得したパルス信号を転舵輪310の径などに基づき情報処理が行われて生成された車速情報が伝送されるCAN(Controller Area Network)などであってもよい。また、車両が移動する際の加速度を示す情報を出力する加速度センサなどであってもよい。加速度を示す情報は、微分など情報処理をすることにより車速情報に変換することができる。また、位置情報を出力するGPS(Global Positioning System)などであってもよい。位置情報は、位置の変化と時間に基づき車速情報を得ることができる。本実施の形態の場合、車速出力部320は、車速パルス発生器であるとして説明する。
回転数出力部330は、車両が搭載するエンジンの回転数を示す情報である回転数情報を出力する装置、または処理部である。回転数出力部330の種類は特に限定されるものではない。回転数出力部330としては、例えば、エンジンのクランクシャフトの回転数に比例してパルス信号(車速信号)を発生させる回転数パルス発生器でもよい。また、回転数パルス発生器から取得したパルス信号に基づき情報処理が行われて生成された回転数情報が伝送されるCAN(Controller Area Network)などであってもよい。また、イグニッションコイルの一次側等も回転数を示すパルスを出力するため、回転数出力部330と考えることができる。本実施の形態の場合、回転数出力部330は、回転数パルス発生器であるとして説明する。
図2は、パワーステアリング制御装置の機能部を示すブロック図である。同図に示すようにパワーステアリング制御装置100は、いわゆるEPS用ECU(Electronic Control Unit)であり、操舵補助機構230が備えるモータ231を制御して状況に応じた補助トルクを発生させる制御を行う装置である。また、パワーステアリング制御装置100は、インバータを備えたモータ駆動回路190を備えている。パワーステアリング制御装置100は、プログラムに基づく演算により実現される処理部として、トルク取得部101と、補助情報出力部102と、モータ制御部103と、車速取得部104と、回転数取得部105と、判断部106と、関係決定部107とを備えている。
トルク取得部101は、操舵部材300に付与された操舵トルクを示すトルク情報をトーションバー211の近傍に配置されるトルクセンサ340から取得する処理部である。本実施の形態の場合、トルク取得部101は、トルクセンサ340からの信号を換算処理してトルク情報を生成している。
車速取得部104は、車速を示す情報である車速情報を車速出力部320から取得する処理部である。本実施の形態の場合、車速取得部104は、車速パルス発生器からのパルス信号と転舵輪310の径に基づき演算により車速情報を生成している。
回転数取得部105は、車両に搭載されるエンジンの回転数を示す情報である回転数情報を回転数出力部330から取得する処理部である。本実施の形態の場合、回転数取得部105は、回転数パルス発生器からのパルス信号に基づき演算により回転数情報を生成している。
判断部106は、車速取得部104が取得した車速情報、および回転数取得部105が取得した回転数情報に基づき路面の状況を判断する処理部である。判断部106の判断方法は、特に限定されるものではない。本実施の形態の場合、判断部106は、図3に示すように、車速情報と第一車速閾値v1とを比較して車速状態を判断し、回転数情報と第一回転数閾値r1とを比較してエンジンの回転数状態を判断し、車速状態、および回転数状態の組み合わせに基づいて路面の状況を判断する。
具体的に例えば、判断部106は、第一車速閾値v1以上の車速情報を取得した場合、取得した回転数情報にかかわらず路面状況はA、例えば舗装道路などの硬い路面状況であると判断する。一方、第一車速閾値v1未満の車速情報を取得した場合、取得した回転数情報が第一回転数閾値r1未満の場合は、路面状況はAであると判断する。また、第一車速閾値v1未満の車速情報を取得し、取得した回転数情報が第一回転数閾値r1以上の場合は、路面状況はB、例えば舗装道路よりは柔らかいが圃場であると判断する。
以上のように、判断部106が閾値判断を行う事により、車両の走行により路面の状況が変化した場合に迅速に対応することが可能となる。
判断部106は、少なくとも1つの車速閾値を備えればよいが、本実施の形態の場合、判断部106は、車速閾値として第一車速閾値v1の他、第一車速閾値v1よりも遅い閾値である第二車速閾値v2、さらに遅い閾値である第三車速閾値v3、さらに遅い閾値である第四車速閾値v4を備えており、車速を多段階で判断している。また、判断部106は、少なくとも1つの回転数閾値を備えればよいが、本実施の形態の場合、第一回転数閾値r1の他、第一回転数閾値r1よりも高い閾値である第二回転数閾値r2、さらに高い閾値である第三回点数閾値r3、さらに高い閾値である第四回転数閾値r4を備えており回転数も多段階で判断している。なお、路面状況の固さは、路面状況Aが最も硬い状況であり、路面状況B、路面状況C、路面状況D、路面状況Eの順で路面状況が柔らかい状態を想定している。具体的に例えば、路面状況Aが舗装道路、路面状況Bが畑1、路面状況Cが畑2、路面状況Dが乾田、路面状況Eが湿田に対応付けることができる。
以上のように、多段階で判断することにより、路面の状況の変化に迅速、かつきめ細かに対応することができる。
関係決定部107は、操舵トルクに対する補助トルクの関係を示す関係情報を判断部106により判断された路面の状況に応じて決定する処理部である。関係決定部107の関係情報を決定する方法は特に限定されるものではない。本実施の形態の場合、関係決定部107は、図4に示すように、路面状況A〜Eに対応した、複数の関係情報を記憶しており、判断部106により判断された路面状況に対応する一つの関係情報を選択し決定する。なお、図4では、関係情報を概念的に線で示しているが、関係決定部107は、量子化されたデジタルデータであるテーブルとして関係情報を記憶している。
また、関係決定部107は、図5に示すように、例えば操舵トルクに対し舗装道路の路面の状況である路面状況Aに対応した補助トルクの関係を示す基礎関係情報171として記憶し、基礎関係情報171に作用させる少なくとも1つ(図5においては五つ)の補正値を記憶しても構わない。これにより関係決定部107は、記憶された補正値から路面の状況に対応した補正値を選択し、基礎関係情報に補正値を乗算などにより作用させて関係情報を決定してもかまわない。
補助情報出力部102は、トルク取得部101が取得した操舵トルクに対応付けられる補助トルクを示す補助情報を関係決定部107が決定した関係情報に基づき出力する処理部である。
なお、補助情報出力部102は、車速出力部320から取得する車速情報に応じて、出力する補助情報を調整してもかまわない。
モータ制御部103は、軸体210、転舵機構220などのステアリングに補助トルクを出力するモータ231を前記補助情報出力部102が出力した補助情報に基づき制御する処理部である。本実施の形態の場合、モータ制御部103は、インバータ回路を備えたモータ駆動回路190に補助情報に対応した信号を出力することによりモータ231を制御する。
上記において説明した実施の形態によれば、車両に搭載されるエンジンの回転数を示す回転数情報をパワーステアリング制御装置100が取得することにより、車両が走行している路面の状況をパワーステアリング制御装置100が判断して路面状況に応じた補助トルクをモータ231に出力させることが可能となる。従って、舗装道路と圃場など路面状況、特に路面の固さが異なる場所を頻繁に行き来する農業機械などの車両であっても、本実施の形態に係るパワーステアリング制御装置を搭載することによって、運転者は路面状況をあまり意識することなく一定の条件で車両を転舵させることが可能となる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本発明の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本発明に含まれる。
例えば、パワーステアリング制御装置100が、車速出力部320から車速情報を取得する場合を説明したが、パワーステアリング制御装置100が加速度センサなどを備え、パワーステアリング制御装置100自体が車速情報を生成してもかまわない。
また、判断部106は車速閾値、回転数閾値を記憶し、これらの閾値に基づき路面の状況を判断していたが、判断部106は、車速情報と回転数情報とを所定の関数に代入して演算することにより路面の状況を判断してもかまわない。さらに、判断部106は、車速情報と回転数情報とを演算器に入力し、得られた出力に基づき路面の状況を判断してもかまわない。
本発明は、固さの異なる路面を行き来する車両に利用可能である。例えば、車両としての農業機械、建設機械などに利用可能である。
100…パワーステアリング制御装置、101…トルク取得部、102…補助情報出力部、103…モータ制御部、104…車速取得部、105…回転数取得部、106…判断部、107…関係決定部、171…基礎関係情報、190…モータ駆動回路、200…パワーステアリング装置、210…軸体、211…トーションバー、220…転舵機構、230…操舵補助機構、231…モータ、232…減速機構、300…操舵部材、310…転舵輪、320…車速出力部、330…回転数出力部、340…トルクセンサ
Claims (4)
- ステアリングに付与する補助トルクを発生させるモータを制御するパワーステアリング制御装置であって、
操舵部材に付与された操舵トルクを示すトルク情報を取得するトルク取得部と、
車速を示す情報である車速情報を取得する車速取得部と、
エンジンの回転数を示す情報である回転数情報を取得する回転数取得部と、
前記車速取得部が取得した車速情報、および前記回転数取得部が取得した回転数情報に基づき路面の状況を判断する判断部と、
操舵トルクに対する補助トルクの関係を示す関係情報を前記判断部により判断された路面の状況に応じて決定する関係決定部と、
前記関係決定部が決定した関係情報に基づき補助トルクを示す補助情報を出力する補助情報出力部と、
前記モータを前記補助情報に基づき制御するモータ制御部と
を備えるパワーステアリング制御装置。 - 前記判断部は、
前記車速取得部が取得した車速情報と車速閾値とを比較して車速状態を判断し、前記回転数取得部が取得した回転数情報と回転数閾値とを比較してエンジンの回転数状態を判断し、車速状態、および回転数状態の組み合わせに基づいて路面の状況を判断する
請求項1に記載のパワーステアリング制御装置。 - 前記関係決定部は、
路面の状況に対応した操舵トルクに対する補助トルクの関係を示す関係情報を複数種類記憶し、記憶された複数種類の関係情報から路面の状況に対応した関係情報を1つ決定する
請求項1または2に記載のパワーステアリング制御装置。 - 前記関係決定部は、
路面の状況に対応した操舵トルクに対する補助トルクの関係を示す基礎関係情報と、前記基礎関係情報に作用させる少なくとも1つの補正値とを記憶し、記憶された前記補正値から路面の状況に対応した補正値を選択することにより関係情報を決定する
請求項1または2に記載のパワーステアリング制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018095720A JP2019199214A (ja) | 2018-05-17 | 2018-05-17 | パワーステアリング制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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