JP2019199127A - ブレーキシリンダ装置及びブレーキシステム - Google Patents
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Abstract
Description
上記構成によれば、流体ブレーキを作用させるべく供給された流体の圧力を比例減圧弁によって常に一定比率で減少させ、この流体をばねブレーキに供給することができる。
上記構成によれば、流体ブレーキを作用させるべく供給された流体の圧力を圧力制限弁によって所定圧力までは制限し、この流体をばねブレーキに供給することができる。
以下、図1及び図2を参照して、ブレーキシリンダ装置をユニットブレーキに具体化した第1の実施形態について説明する。ブレーキシリンダ装置には弁装置が設けられている。
図1に示すユニットブレーキ200は、鉄道車両のブレーキ装置として構成されている。ユニットブレーキ200は、車両の車輪Wに制輪子31を当接させることにより当該車輪Wの回転を制動する。ユニットブレーキ200は、ロッド駆動部251を駆動するブレーキシリンダ装置250と、ロッド駆動部251の移動によって進退可能であるロッド220と、ロッド220の先端に取り付けられ、制輪子31が取り付けられる制輪子受230と、を備えている。
ロッド220は、ブレーキシリンダ装置250の下部に設けられたロッド支持部221によって移動可能に支持されている。ロッド220は、車両の車輪Wの車軸方向に対して直交する方向に沿って延びるように設けられている。ロッド支持部221は、内側ケース222と、外側ケース223と、固定ローラ224と、可動ローラ225と、戻しばね226とを備えている。
ブレーキシリンダ装置250の軸方向は、ロッド220が延びる方向に対して略直交する方向に沿って延びるように設けられ、車両の上下方向に沿って延びるように設置されている。ブレーキシリンダ装置250は、ロッド駆動部251を軸方向に沿って移動させることにより、ロッド220を移動させる。ロッド駆動部251は、先端から基端に向かって幅が広くなる楔形状の部材であって、可動ローラ225に当接する。ロッド駆動部251がロッド支持部221側へ移動すると、可動ローラ225及び外側ケース223を介してロッド220がブレーキ方向(矢印Y1方向)に移動する。一方、ロッド駆動部251がロッド支持部221から離間する方向である反ブレーキ方向(矢印Z1方向)へ移動すると、戻しばね226によってロッド220が反ブレーキ方向(矢印Y2方向)に移動する。
流体ブレーキ260は、流体として圧縮空気によって作動する。流体ブレーキ260は、ロッド駆動部251に接続された第1ピストン261を有している。第1ピストン261には、第1圧力室264と第1ばね266とが対向して作用する。流体ブレーキ260は、第1圧力室264に圧縮空気が供給されることで第1ばね266の付勢力に抗して第1ピストン261(ロッド駆動部251)がロッド支持部221側へ移動する。流体ブレーキ260は、第1ピストン261を摺動可能に収容する有底筒状の第1シリンダ262を備えている。
ばねブレーキ270は、流体として圧縮空気によって作動する。ばねブレーキ270は、第2ピストン271を有している。第2ピストン271には、第2圧力室274と第2ばね276とが対向して作用する。ばねブレーキ270は、第2圧力室274に流体として圧縮空気が供給されている状態から排出される状態へと移行することで第2ばね276の付勢力により第2ピストン271がロッド支持部221側へ近づく方向であるブレーキ方向(矢印Z1方向)へ移動する。ばねブレーキ270は、第2ピストン271を摺動可能に収容する第2シリンダ272を備えている。第2シリンダ272は、第1シリンダ262とほぼ同径であって、隔壁部280を介して繋がっている。
ブレーキ解放機構290は、ラッチホイール286の回転を規制する規制部であるとともに、ラッチホイール286の回転規制を手動解除する解除部としての上記ロックレバー291を有する。ブレーキ解放機構290は、ロックレバー291が操作されることでロックレバー291による規制が解除されて軸部282と第2ピストン271との相対変位を許容することによりばねブレーキ270のブレーキ力を解除する。また、ブレーキ解放機構290は、ロックレバー291の操作が解除されると、ラッチホイール286の反リセット方向の回転が規制される。そして、軸部282に対する第2ピストン271の位置が復帰されるまで第2圧力室274に圧縮空気が供給されることで、円筒部材285とラッチホイール286とがリセット方向に回転して、第2ピストン271に対する軸部282の位置が復帰する。
図1に示すように、ブレーキシリンダ装置250は、第1圧力室264に圧縮空気を供給する第1供給路1と、第2圧力室274に複式逆止弁8を介して圧縮空気を供給する第2供給路2と、第1供給路1と複式逆止弁8との間に接続された第3供給路3と、を備えている。
次に、ユニットブレーキ200の動作について説明する。
まず、車両に対してブレーキが掛けられていない状態について説明する。この状態では、ユニットブレーキ200は、流体ブレーキ制御装置5によって、第1空気源4から第1ポート63を介して第1圧力室264へ圧縮空気の供給は行われないように制御されている。そして、第1圧力室264内の圧縮空気は第1ポート63を介して流体ブレーキ制御装置5から排出される。このため、第1ばね266によって第1ピストン261が反ブレーキ方向(矢印Z2方向)に付勢され、第1ピストン261が隔壁部280に当接した状態となる。
図2に示すように、ばねブレーキ270を作動させる場合は、例えば、流体ブレーキ260を作動させて、完全に鉄道車両を停止させた状態で駐車ブレーキ等としてばねブレーキ270が作動されることになる。ばねブレーキ270は、ばねブレーキ制御電磁弁7の制御に基づいて、第2圧力室274から圧縮空気が排出されることで作動する。
(1)回送運用のためにブレーキ解放機構290を通じてばねブレーキ270のブレーキ力を解除した後に、流体ブレーキ260を作動させるべく第1圧力室264に圧縮空気の供給を開始すると、反ブレーキ圧力付与部としての第3供給路3と弁装置10とによって第2ピストン271を反ブレーキ方向に移動させるように反ブレーキ圧力が付与されるが、その圧力は圧力制御弁としての比例減圧弁11によって第2ピストン271が第2ばね276の付勢力に抗して移動する圧力未満に制御される。このため、流体ブレーキ260の利用を意図して圧縮空気の供給を行ったとしても第2ピストン271が第2ばね276の付勢力に抗して移動し、第2ばね276を圧縮してブレーキ力を蓄える状態を回避することができる。したがって、ブレーキ解放機構290によってばねブレーキ270のブレーキ力を解除した後の流体ブレーキ260に供給された圧縮空気によるばねブレーキ270のブレーキ力の解除のリセットは好適に回避される。
以下、図3を参照して、ブレーキシリンダ装置をユニットブレーキに具体化した第2の実施形態について説明する。この実施形態のブレーキシリンダ装置は、上記第1の実施形態では制限部及び圧力制御弁として比例減圧弁11を採用したが、これに代えて図4に示すように圧力制限弁12を採用する。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
(4)圧力制限弁12によって所定圧力までは第1供給路1に供給された圧縮空気の圧力が複式逆止弁8に供給されるので、流体ブレーキ260を作用させ始めるときなどに第2圧力室274に圧縮空気を確実に供給することができる。
以下、図4を参照して、第3の実施形態としてブレーキシステムについて説明する。このブレーキシステムは、上記の弁装置10を台車Tに搭載している。このブレーキシステムの弁装置10は、圧力制御弁として比例減圧弁11を採用している。
図4に示すように、車両V(Vehicle)は、台車T(Truck)に車体B(Body)が載置されている。各台車Tには、ブレーキシリンダ装置250を備えた複数(2個)のユニットブレーキ200と複数(2個)のブレーキチャンバーBCが設けられている。なお、全てユニットブレーキ200でもよい。ここで、台車Tと車体Bとに設置される配管は、金属管であって、基本的に空気漏れ等は発生しない。一方、台車Tと車体Bとの各配管は、相対移動するため、柔軟な空気ホースH,HPで接続される。
(1)このブレーキシステムは、各台車Tに弁装置10がそれぞれ設置されたブレーキシステムであるため、万一、第2供給路2の空気ホースHPが破断してもその台車Tの駐車ブレーキは作用するが、第1供給路1の流体ブレーキ260の圧縮空気が排出されることはない。
以下、図5を参照して、第4の実施形態としてブレーキシステムについて説明する。このブレーキシステムは、上記の弁装置10を車体Bに搭載している。このブレーキシステムの弁装置10は、圧力制御弁として圧力制限弁12を採用している。
図5に示すように、車両V(Vehicle)は、台車T(Truck)に車体B(Body)が載置されている。各台車Tには、ブレーキシリンダ装置250を備えた複数(2個)のユニットブレーキ200と複数(2個)のブレーキチャンバーBCとが設けられている。なお、全てユニットブレーキ200でもよい。
(1)各ユニットブレーキ200の上流側の車体Bに弁装置10が設置されたブレーキシステムであるため、弁装置10が半減される。なお、空気ホースHPが破断した場合、第1供給路1の流体ブレーキ260の圧縮空気が圧力制限弁12から複式逆止弁8を通過して破断した空気ホースHPから大気に放出される。その放出を遅らせる目的で絞り15を挿入することが好ましい。
・上記実施形態において、ばねブレーキ270のブレーキ力の解除は手動でも機械によってもどちらで行ってもよい。
・上記各実施形態において、複式逆止弁8をブレーキシリンダ装置250の筐体に内蔵してもよい。すなわち、弁装置10を複式逆止弁8と圧力制御弁(11,12)とに分離して、複式逆止弁8をブレーキシリンダ装置250の筐体に内蔵し、圧力制御弁(11,12)をブレーキシリンダ装置250の筐体の外部に設置して、複式逆止弁8に接続する。
Claims (8)
- 流体を供給することによりブレーキ力を発生させる流体ブレーキと、前記流体ブレーキとは独立して前記流体を排出することでブレーキ力を発生させるばねブレーキと、前記ばねブレーキのブレーキ力を解除する解放部と、を備え、前記流体ブレーキが作用しているときに前記ばねブレーキのブレーキ力を低減させるように前記流体が前記ばねブレーキに供給されるブレーキシリンダ装置であって、
前記解放部によって前記ばねブレーキのブレーキ力が解除されているときは、前記ばねブレーキに供給される前記流体の圧力を所定以下に制限する制限部を備える
ブレーキシリンダ装置。 - 前記制限部は、前記解放部によってブレーキ力が解除された前記ばねブレーキが復帰する圧力未満に、前記流体の圧力を制御する圧力制御弁である
請求項1に記載のブレーキシリンダ装置。 - 前記圧力制御弁は、前記流体の圧力を一定比率で減少させる比例減圧弁である
請求項2に記載のブレーキシリンダ装置。 - 前記圧力制御弁は、前記流体の圧力を所定圧力以下に制限する圧力制限弁である
請求項2に記載のブレーキシリンダ装置。 - 前記流体ブレーキに供給される前記流体と前記ばねブレーキに供給される前記流体との圧力の高い方を前記ばねブレーキに供給する複式逆止弁を備え、
前記圧力制御弁は、前記複式逆止弁よりも前記流体ブレーキに前記流体を供給する圧力源側に位置する
請求項2〜4のいずれか一項に記載のブレーキシリンダ装置。 - 台車に車体が載置された鉄道車両に設置され、前記制限部に対して複数の請求項1〜5のいずれか一項に記載のブレーキシリンダ装置が並列に接続されるブレーキシステムであって、
前記制限部は、前記車体に配置され、前記車体の単位で前記制限部と前記ブレーキシリンダ装置とが接続されている
ブレーキシステム。 - 前記制限部の下流の前記車体側に絞りが設置されている
請求項6に記載のブレーキシステム。 - 台車に車体が載置された鉄道車両に設置され、前記制限部に対して複数の請求項1〜5のいずれか一項に記載のブレーキシリンダ装置が並列に接続されるブレーキシステムであって、
前記制限部は、前記台車に配置され、前記台車の単位で前記制限部と前記ブレーキシリンダ装置とが接続されている
ブレーキシステム。
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