JP2019197172A - 透明遮熱断熱部材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
区分A:可視光線透過率60%未満、熱貫流率4.2W/(m2・K)以下
区分B:可視光線透過率60%未満、熱貫流率4.2を超え4.8W/(m2・K)以下
区分C:可視光線透過率60%以上、熱貫流率4.2W/(m2・K)以下
区分D:可視光線透過率60%以上、熱貫流率4.2を超え4.8W/(m2・K)以下
先ず、本発明の透明遮熱断熱部材の実施形態について説明する。本発明の透明遮熱断熱部材の一実施形態は、透明基材と、上記透明基材の上に形成された機能層とを含み、上記機能層は、上記透明基材側から赤外線反射層及び塗布型の保護層をこの順に含み、上記赤外線反射層は、上記透明基材側から、少なくとも金属層、及び、金属亜酸化物層又は金属酸化物層をこの順に含み、上記塗布型の保護層は、複数の層から成り、上記塗布型の保護層の内、最外表面側に位置する層以外の層の少なくとも1層は、硬化前樹脂成分として、硬化性官能基を有する含フッ素樹脂と該硬化性官能基と反応する架橋剤とを含む層から成り、且つ、上記塗布型の保護層の内、最外表面側に位置する層は、硬化前樹脂成分として、電離放射線硬化型樹脂を含む層から成る。
本実施形態の透明遮熱断熱部材を構成する透明基材としては、透光性を有する材料で形成されていれば特に限定されない。上記透明基材としては、例えば、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート等)、脂環式ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂(例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体等)、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、セルロース系樹脂(例えば、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等)、ノルボルネン系樹脂等の樹脂を、フィルム状又はシート状に加工したものを用いることができる。上記樹脂をフィルム状又はシート状に加工する方法としては、押し出し成形法、カレンダー成形法、圧縮成形法、射出成形法、上記樹脂を溶剤に溶解させてキャスティングする方法等が挙げられる。上記樹脂には、酸化防止剤、難燃剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、易滑剤、帯電防止剤等の添加剤を添加してもよい。上記透明基材の厚さは、例えば、10μm以上500μm以下であり、加工性、コスト面を考慮すると25μm以上125μm以下が好ましい。
本実施形態の透明遮熱断熱部材を構成する赤外線反射層は、上記透明基材側から、少なくとも金属層、及び、金属亜酸化物層又は金属酸化物層をこの順に含む構成であれば特に限定されるものではないが、上記透明基材側から、第1の金属亜酸化物層又は金属酸化物層、金属層、第2の金属亜酸化物層又は金属酸化物層をこの順に備え、上記赤外線反射層の総厚さが7nm以上25nm以下であり、上記第2の金属亜酸化物層又は金属酸化物層の厚さは、上記赤外線反射層の総厚さの25%以下に設定されていることが好ましい。上記赤外線反射層の総厚さの下限値は、上記赤外線反射層の機能(遮熱性能及び断熱性能)を発揮させるために、7nm以上が好ましい。上記赤外線反射層の総厚さが7nmを下回ると、赤外線の反射率が低下し、遮蔽係数及び熱貫流率が高くなり、遮熱性能及び断熱性能が劣るおそれがある。
本実施形態の透明遮熱断熱部材を構成する塗布型の保護層は、複数の層を備え、上記塗布型の保護層の内、最外表面側に位置する層以外の層の少なくとも1層は、硬化前樹脂成分として、硬化性官能基を有する含フッ素樹脂と該硬化性官能基と反応する架橋剤とを含む層から成り、且つ、上記塗布型の保護層の内、最外表面側に位置する層は、硬化前樹脂成分として、電離放射線硬化型樹脂を含む層から成る。上記構成とすることにより、熱還流率を低減し、断熱性をより向上させることを目的に、上記塗布型の複数の層からなる保護層を薄く形成しても、また、更に、日射吸収率を低減することを目的に、前述の第2の金属亜酸化物層又は金属酸化物層を薄く形成しても、前述のように、上記架橋剤により硬化された後の含フッ素樹脂を含む層が、「金属層由来の金属が剥き出し状態になっている極微小な部位」や赤外線反射層に対して、酸素、水、塩化物イオン等の外部環境要因から保護する層、即ち、バリア層として機能することができ、酸素、水分、塩化物イオン等の保護層深さ方向への拡散、浸透が大幅に抑制され、その結果、金属層の腐食劣化の進行を著しく抑制することができる。更に、上記塗布型の保護層の最外表面側に位置する層は、電離放射線硬化型樹脂により硬化されるため、実用的な耐擦傷性を付与することができる。
上記光学調整層は、本実施形態の透明遮熱断熱部材の赤外線反射層の光学特性を調整する層であり、波長550nmの光の屈折率が1.60以上2.00以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは1.65以上1.90以下の範囲である。また、上記塗布型の保護層が、複数の層で形成される場合、例えば、好ましい態様として、4層で形成される場合、上記光学調整層の厚さは、上記光学調整層の上に順に積層される中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の各々の層の屈折率や厚さ等によって適切な範囲が異なるので、一概には言えないが、上記他の層の構成との兼ね合いにおいて、30nm以上80nm以下の範囲の中で設定されることが好ましく、より好ましくは35nm以上70nm以下の範囲の中で設定される。上記光学調整層の厚さを30nm以上80nm以下の範囲内とすることにより、本実施形態の透明遮熱断熱部材の可視光線透過率と近赤外線反射率とを高いバランスで両立できる。上記光学調整層の厚さが30nmを下回ると、塗工そのものが困難になり、例えば、「金属層が第2の金属亜酸化物層又は金属酸化物層により完全に被覆されておらず金属層由来の金属が剥き出し状態になっている極微小な部位」で塗液がはじかれやすくなりカバレッジできないおそれがある。また、可視光線透過率が低下し、透明性が劣るおそれや、反射色の赤味が増すおそれがある。一方、上記光学調整層の厚さが80nmを超えると、近赤外線反射率が低下し、遮熱性能が劣るおそれがある。また、上記光学調整層が無機微粒子を多量に含有する場合に遠赤外線領域の光の吸収が大きくなり、断熱性能が低下するおそれがある。
上記中屈折率層は、波長550nmの光の屈折率が1.45以上1.55以下の範囲であることが好ましく、上記屈折率は1.47以上1.53以下の範囲であることがより好ましい。上記塗布型の保護層が、複数の層で形成される場合、例えば、好ましい態様として、4層あるいは3層で形成される場合、上記中屈折率層の厚さは、中屈折率層に対して下層となる光学調整層、また、中屈折率層に対して順に上層となる高屈折率層、低屈折率層の各々の層の屈折率や厚さ等によって適切な範囲が異なるので、一概には言えないが、上記他の層の構成との兼ね合いにおいて、35nm以上200nm以下の範囲の中で設定されることが好ましく、上記厚さは50nm以上150nm以下の範囲の中で設定されることがより好ましい。上記中屈折率層の厚さが35nmを下回ると、上記赤外線反射層の上記第2の金属亜酸化物層又は金属酸化物層あるいは上記光学調整層との密着性の低下につながるおそれや、例えば、上記透明遮熱断熱部材の反射色において赤系色が強くなったり、透過色において緑系色が強くなったり、全光線透過率が低下したりするおそれがある。一方、上記中屈折率層の厚さが200nmを超えると赤外線領域の光の吸収が大きくなり、断熱性が低下するおそれがあるため好ましくない。また、透明遮熱断熱部材の可視光線反射スペクトルにおけるリップルの大きさ、即ち、可視光線領域の波長に対する反射率の変動も十分に低減することができず、虹彩模様が目立ちやすくなるだけでなく、視野角によって反射色の変化が大きくなり、外観として問題となり得るおそれがあり好ましくない。例えば、透明遮熱断熱部材の反射色において赤系色が強くなったり、可視光線透過率が低下したりするおそれがある。また、赤外線領域の光の吸収が大きくなり、断熱性が低下するおそれがある。
上記高屈折率層は、波長550nmの光の屈折率が1.65以上1.95以下の範囲であることが好ましく、上記屈折率は1.70以上1.90以下の範囲であることがより好ましい。また、上記塗布型の保護層が複数の層で形成される場合、例えば、好ましい態様として、4層、3層あるいは2層で形成される場合、上記高屈折率層の厚さは、高屈折率層に対して順に下層となる中屈折率層、光学調整層、また高屈折率層に対して上層となる低屈折率層の各々の層の屈折率や厚さ等によって適切な範囲が異なるので、一概には言えないが、上記他の層の構成との兼ね合いにおいて、60nm以上550nm以下の範囲の中で設定されることが好ましく、上記厚さは65nm以上400nm以下の範囲の中で設定されることがより好ましい。上記高屈折率層の厚さが60nmを下回ると保護層としての耐擦傷性といった物理特性が低下する懸念があり、上記高屈折率層の厚さが550nmを超えると、上記高屈折率層が無機微粒子を多量に含有する場合に赤外線領域での光の吸収が大きくなり、断熱性の低下につながる可能性があるため好ましくない。
上記低屈折率層は、波長550nmの光の屈折率が1.30以上1.45未満の範囲であることが好ましく、上記屈折率は1.35以上1.43以下の範囲であることがより好ましい。また、上記保護層が複数の層で形成される場合、例えば、好ましい態様として、4層、3層あるいは2層で形成される場合、上記低屈折率層の厚さは、低屈折率層に対して順に下層となる高屈折率層、中屈折率層、光学調整層の各々の層の屈折率や厚さ等によって適切な範囲が異なるので、一概には言えないが、上記他の層の構成との兼ね合いにおいて、70nm以上150nm以下の範囲の中で設定されることが好ましく、上記厚さは80nm以上130nm以下の範囲の中で設定されることがより好ましい。上記低屈折率層の厚さが70nm以上150nm以下の範囲を外れると本実施形態の透明遮熱断熱部材の可視光線領域の反射スペクトルのリップルの大きさ、即ち、可視光線領域の波長に対する反射率の変動を十分に低減することができず、虹彩模様が目立ちやすくなるだけでなく、視野角によって反射色の変化が大きくなり、外観として問題となり得るおそれがある。また、可視光線透過率が低下するおそれがある。
本実施形態の透明遮熱断熱部材は、上記透明基材の塗布型の保護層を形成した面とは反対側の面に粘着剤層を配置することが好ましい。これにより、本実施形態の透明遮熱断熱部材を窓ガラス等の透明基板等に容易に貼り付けることができる。上記粘着剤層の材料としては、可視光線透過率が高く、透明基材との屈折率差が小さいものが好適に用いられる。例えば、アクリル系、ポリエステル系、ウレタン系、ゴム系、シリコーン系等の樹脂を使用できる。中でも、アクリル系樹脂が、光学的透明性が高いこと、濡れ性と粘着力のバランスが良いこと、信頼性が高く実績が多いこと、比較的安価なこと等からより好適に使用される。
本実施形態の透明遮熱断熱部材は、上記構成を有するため、赤外線反射層と塗布型の保護層との適正な設計の組み合わせにより、可視光線透過率を60%以上、遮蔽係数を0.69以下、熱貫流率を4.0W/(m2・K)以下とでき、且つ日射吸収率を20%以下とすることができる。即ち、フィルムを窓ガラスに貼り付けた際のガラスの熱割れリスクが低減された、透明性の高い遮熱断熱性に優れた低放射フィルムを提供することができる。
次に、本発明の透明遮熱断熱部材の製造方法の実施形態を説明する。本発明の透明遮熱断熱部材の製造方法の実施形態は、透明基材の上に赤外線反射層をドライコーティング法で形成する工程と、上記赤外線反射層の上に、複数の層からなる保護層をウェットコーティング法で形成する工程とを備えている。
以下の実施例・比較例にて記載した光学調整層、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の屈折率については、下記に示す方法にて測定した。
以下の実施例・比較例にて記載した光学調整層、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の膜厚については、透明基材の赤外線反射層及び保護層が形成されていない面側に黒色テープを貼り、瞬間マルチ測光システム“MCPD−3000”(商品名、大塚電子社製)により、各層ごとに反射スペクトルを測定し、得られた反射スペクトルから、上記屈折率の測定により求めた屈折率を用いて、最適化法によるフィッティングを行い各層の膜厚を求めた。
以下の実施例にて記載した硬化性官能基を有する含フッ素樹脂と該硬化性官能基と反応する架橋剤とを含む層の樹脂組成物中における炭素原子C(at%)に対するフッ素原子F(at%)の比率(F/C)は、別に作製した同じ樹脂組成物からなる小片を試料として供し、走査電子顕微鏡“S−3400N”(商品名、日立ハイテクノロジー社製)付属のエネルギー分散型X線を用いたSEM−EDX分析(加速電圧15kV、低真空モード30Pa、面分析)により炭素原子C、フッ素原子F、酸素原子O及び塩素Clの4元素について全体を100%とした時の各元素の原子%を求め、算出した。上記試料小片は、該樹脂組成物の溶液を、アルミカップに流延し、溶剤を十分に乾燥した後、120℃にて2分間エージングを行うことにより作製した。
<赤外線反射層付き透明基材の作製>
先ず、透明基材として東レ社製の両面を易接着処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム“U483”(商品名、厚さ:50μm)を用い、上記PETフィルムの片面側に、PETフィルム側から第1の金属亜酸化物層、金属層、第2の金属亜酸化物層を次のようにして形成した。先ず、チタンターゲットを用いて、反応性スパッタリング法により厚さ2nmの第1の金属亜酸化物層(TiOX層)を形成した。上記反応性スパッタリング法におけるスパッタリングガスとしては、Ar/O2の混合ガスを用い、ガス流量体積比はAr97%/O23%とした。続いて、上記第1の金属亜酸化物層上に銀ターゲットを用いて、スパッタリング法により厚さ12nmの金属層(Ag層)を形成した。上記スパッタリング法におけるスパッタリングガスとしては、Arガス100%を用いた。更に、上記金属層上にチタンターゲットを用いて、反応性スパッタリング法により厚さ2nmの第2の金属亜酸化物層(TiOX層)を形成した。上記反応性スパッタリング法におけるスパッタリングガスとしては、Ar/O2の混合ガスを用い、ガス流量体積比はAr97%/O23%とした。これにより、PETフィルム側から第1の金属亜酸化物層(TiOX層)/金属層(Ag層)/第2の金属亜酸化物層(TiOX層)の3層構造からなる赤外線反射層付きPETフィルムを作製した。上記TiOX層のxは1.5であった。
東洋インキ社製の酸化チタン系ハードコート剤“リオデュラスTYT80−01”(商品名、固形分濃度25質量%、屈折率1.80[公称値])96.00質量部と、金属に対する腐食防止剤として硫黄含有基を有する2−メルカプトベンゾチアゾール1.20質量部(上記TYT80−01の固形分に対して5.00質量部)と、希釈溶剤としてメチルイソブチルケトン902.80質量部とをディスパーにて配合し、光学調整塗料Aを作製した。次に、上記光学調整塗料Aを、マイクログラビアコータ(廉井精機社製)を用いて上記赤外線反射層の上に乾燥後の厚さが50nmになるよう塗工し、乾燥させた後、高圧水銀灯にて300mJ/cm2の光量の紫外線を照射して硬化させることにより、厚さ50nmの光学調整層を形成した。作製した光学調整層の屈折率を前述の方法で測定したところ1.79であった。
ダイキン工業社製の含フッ素樹脂“ゼッフルGK−570”(商品名、固形分濃度65.0質量%、水酸基含有TFE系共重合体、水酸基価64mgKOH/g、酸価4mgKOH/g)25.11質量部と、東ソー社製のイソシアネート系硬化剤“コロネートHX”(商品名、架橋剤、固形分濃度100質量%)3.68質量部(NCO/OH=1.0)と、希釈溶剤としてメチルイソブチルケトン971.21質量部とをディスパーにて配合し、中屈折率塗料Aを作製した。次に、上記中屈折率塗料Aを、上記マイクログラビアコータを用いて上記光学調整層の上に乾燥後の厚さが60nmになるよう塗工し、120℃で2分間乾燥して熱硬化させることにより、厚さ60nmの中屈折率層を形成した。作製した中屈折率層の屈折率を前述の方法で測定したところ1.46であった。また、中屈折率層中における含フッ素樹脂の含有量は、中屈折率層の樹脂組成物の全質量に対して、82質量%であった。更に、この中屈折率層のみをSEM−EDX分析による元素分析を行ったところ、層中における炭素原子C(at%)に対するフッ素原子F(at%)の比率(F/C)は0.23であった。
東洋インキ社製の酸化チタン系ハードコート剤“リオデュラスTYT80−01”(商品名、固形分濃度25質量%、屈折率1.80[公称値])200.00質量部と、希釈溶剤としてメチルイソブチルケトン800.00質量部とをディスパーにて配合し、高屈折率塗料Aを作製した。次に、上記高屈折率塗料Aを、上記マイクログラビアコータを用いて上記中屈折率層の上に乾燥後の厚さが90nmになるよう塗工し、乾燥させた後、高圧水銀灯にて300mJ/cm2の光量の紫外線を照射して硬化させることにより、厚さ90nmの高屈折率層を形成した。作製した高屈折率層の屈折率を前述の方法で測定したところ1.80であった。
日揮触媒化成社製の中空シリカ含有低屈折率塗料“ELCOM P−5062”(商品名、固形分濃度3質量%、屈折率1.38[公称値])を低屈折率塗料Aとして用い、上記低屈折率塗料Aを、上記マイクログラビアコータを用いて上記高屈折率層の上に乾燥後の厚さが100nmになるよう塗工し、乾燥させた後、高圧水銀灯にて300mJ/cm2の光量の紫外線を照射して硬化させることにより、厚さ100nmの低屈折率層を形成した。作製した低屈折率層の屈折率を前述の方法で測定したところ1.37であった。
先ず、片面がシリコーン処理された中本パックス社製の離型PETフィルム“NS−38+A”(商品名、厚さ:38μm)を用意した。また、綜研化学社製のアクリル系粘着剤“SKダイン2094”(商品名、固形分:25質量%)1000.00質量部に対して、和光純薬社製の紫外線吸収剤(ベンゾフェノン)12.50質量部及び綜研化学社製の架橋剤“E−AX”(商品名、固形分:5質量%)2.70質量部を添加し、ディスパーにて混合して粘着剤塗料を調製した。
先ず、ガラス基板として、大きさ5cm×5cm、厚さ3mmのフロートガラス(日本板硝子社製)を用意した。次に、上記保護層を備えた粘着剤層付き赤外線反射フィルムを3cm×3cmの大きさに切断し、離型PETフィルムを剥離して、上記粘着剤層付き赤外線反射フィルムの粘着剤層側を上記フロートガラスの中央部に貼り合せた。
東ソー社製のイソシアネート系硬化剤“コロネートHX”(商品名、架橋剤、固形分濃度100質量%)の使用量を7.36質量部(NCO/OH=2.0)に変更した以外は、実施例1の中屈折率塗料Aと同様にして中屈折率塗料Bを作製し、この中屈折率塗料Bを用いた以外は、実施例1と同様にして4層から成る保護層を備えた粘着剤層付き赤外線反射フィルムを作製してガラス基板に貼り合わせた。作製した中屈折率層の屈折率を前述の方法で測定したところ1.46であった。また、中屈折率層中における含フッ素樹脂の含有量は、中屈折率層の樹脂組成物の全質量に対して、69質量%であった。更に、この中屈折率層のみをSEM−EDX分析による元素分析を行ったところ、層中における炭素原子C(at%)に対するフッ素原子F(at%)の比率(F/C)は0.20であった。
東ソー社製のイソシアネート系硬化剤“コロネートHX”(商品名、架橋剤、固形分濃度100質量%)の使用量を1.84質量部(NCO/OH=0.5)に変更した以外は、実施例1の中屈折率塗料Aと同様にして中屈折率塗料Cを作製し、この中屈折率塗料Cを用いた以外は、実施例1と同様にして4層から成る保護層を備えた粘着剤層付き赤外線反射フィルムを作製してガラス基板に貼り合わせた。作製した中屈折率層の屈折率を前述の方法で測定したところ1.46であった。また、中屈折率層中における含フッ素樹脂の含有量は、中屈折率層の樹脂組成物の全質量に対して、90質量%であった。更に、この中屈折率層のみをSEM−EDX分析による元素分析を行ったところ、層中における炭素原子C(at%)に対するフッ素原子F(at%)の比率(F/C)は0.25であった。
<中屈折率塗料の作製>
先ず、AGCコーテック社製の含フッ素樹脂“オブリガードSS0057主剤”(商品名、固形分濃度38質量%、水酸基含有CTFE系共重合体)45.06質量部と、AGCコーテック社製のイソシアネート系硬化剤“オブリガードSS0057硬化剤”(商品名、架橋剤、固形分濃度83質量%)3.47質量部と、希釈溶剤としてメチルイソブチルケトン951.47質量部とをディスパーにて配合し、中屈折率塗料Dを作製した。
<中屈折率塗料の作製>
先ず、AGC旭硝子社製の含フッ素樹脂“ルミフロンLF−400”(商品名、固形分濃度50質量%、水酸基含有CTFE系共重合体、水酸基価47mgKOH/g、酸価5mgKOH/g)34.32質量部と、東ソー社製のイソシアネート系硬化剤“コロネートHX”(商品名、架橋剤、固形分濃度100質量%)2.84質量部(NCO/OH=1.0)と、希釈溶剤としてメチルイソブチルケトン962.84質量部とをディスパーにて配合し、中屈折率塗料Eを作製した。
先ず、ダイキン工業社製の含フッ素樹脂“ゼッフルGK−510”(商品名、固形分濃度50.0質量%、水酸基含有TFE系共重合体、水酸基価60mgKOH/g、酸価11mgKOH/g)35.33質量部と、日産化学工業社製のエポキシ系架橋剤“TEPIC−VL”(商品名、固形分濃度100質量%)0.47質量部(エポキシ基/COOH=1.0)と、東ソー社製のイソシアネート系硬化剤“コロネートHX”(商品名、架橋剤、固形分濃度100質量%)1.87質量部(NCO/OH=0.5)と、希釈溶剤としてメチルイソブチルケトン962.33質量部とをディスパーにて配合し、中屈折率塗料Fを作製した。
光学調整層及び中屈折率層の形成を下記に変更した以外は、実施例1と同様にして4層から成る保護層を備えた粘着剤層付き赤外線反射フィルムを作製してガラス基板に貼り合わせた。
先ず、石原産業社製の酸化チタン超微粒子“TTO−55(A)”(商品名)13.92質量部と、ダイキン工業社製の含フッ素樹脂“ゼッフルGK−570”(商品名、固形分濃度65.0質量%、水酸基含有TFE系共重合体、水酸基価64mgKOH/g、酸価4mgKOH/g)12.67質量部と、メチルイソブチルケトン47.27質量部とを混合して混合液を調製した。この混合液に直径0.3mmのジルコニアビーズを加えて、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)を用いて分散処理し、酸化チタン超微粒子分散体を調製した。この酸化チタン超微粒子分散体に、東ソー社製のイソシアネート系硬化剤“コロネートHX”(商品名、架橋剤、固形分濃度100質量%)1.86質量部(NCO/OH=1.0)と、希釈溶剤としてメチルイソブチルケトン924.28質量部とをディスパーにて配合し、光学調整塗料Bを作製した。次に、上記光学調整塗料Bを、マイクログラビアコータ(廉井精機社製)を用いて、実施例1で用いた赤外線反射層の上に乾燥後の厚さが50nmになるよう塗工し、120℃で2分間乾燥して熱硬化させることにより、厚さ50nmの光学調整層を形成した。作製した光学調整層の屈折率を前述の方法で測定したところ1.79であった。また、光学調整層の樹脂組成物中における含フッ素樹脂の含有量は、光学調整層の樹脂組成物の全質量に対して、82質量%であった。更に、この光学調整層の樹脂組成物のみをSEM−EDX分析による元素分析を行ったところ、樹脂組成物中における炭素原子C(at%)に対するフッ素原子F(at%)の比率(F/C)は0.23であった。
共栄社化学社製のUV硬化型アクリルポリマー“SMP−360A”(商品名、固形分濃度50質量%)28.00質量部と、希釈溶剤としてメチルエチルケトン389.80質量部と、シクロヘキサノン582.20質量部と、BASF社製の光重合開始剤“イルガキュア907”(商品名)0.30質量部とをディスパーにて配合し、中屈折率塗料Gを作製した。次に、上記中屈折率塗料Gを、上記マイクログラビアコータを用いて上記光学調整層の上に乾燥後の厚さが60nmになるよう塗工し、乾燥させた後、高圧水銀灯にて300mJ/cm2の光量の紫外線を照射して硬化させることにより、厚さ60nmの中屈折率層を形成した。作製した中屈折率層の屈折率を前述の方法で測定したところ1.50であった。
光学調整層を設けずに、中屈折率層の乾燥後の厚さを150nmに変更し、高屈折率層の乾燥後の厚さを290nmに変更した以外は、実施例1と同様にして中屈折率層、高屈折率層及び低屈折率層の3層から成る保護層を備えた粘着剤層付き赤外線反射フィルムを作製してガラス基板に貼り合わせた。得られた保護層の厚さは、540nmであった。
光学調整層及び中屈折率層を設けずに、高屈折率層の形成を下記に変更し、低屈折率層の乾燥後の厚さを95nmに変更した以外は、実施例1と同様にして高屈折率層及び低屈折率層の2層から成る保護層を備えた粘着剤層付き赤外線反射フィルムを作製してガラス基板に貼り合わせた。得られた保護層の厚さは、240nmであった。
先ず、石原産業社製の酸化チタン超微粒子“TTO−55(A)”(商品名)29.00質量部と、ダイキン工業社製の含フッ素樹脂“ゼッフルGK−570”(商品名、固形分濃度65.0質量%、水酸基含有TFE系共重合体、水酸基価64mgKOH/g、酸価4mgKOH/g)26.40質量部と、メチルイソブチルケトン98.47質量部とを混合して混合液を調製した。この混合液に直径0.3mmのジルコニアビーズを加えて、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)を用いて分散処理し、酸化チタン超微粒子分散体を調製した。この酸化チタン超微粒子分散体に、東ソー社製のイソシアネート系硬化剤“コロネートHX”(商品名、架橋剤、固形分濃度100質量%)3.87質量部(NCO/OH=1.0)と、希釈溶剤としてメチルイソブチルケトン842.30質量部とをディスパーにて配合し、高屈折率塗料Bを作製した。次に、上記高屈折率塗料Bを、マイクログラビアコータ(廉井精機社製)を用いて、実施例1で用いた赤外線反射層の上に乾燥後の厚さが145nmになるよう塗工し、120℃で2分間乾燥して熱硬化させることにより、厚さ145nmの高屈折率層を形成した。作製した高屈折率層の屈折率を前述の方法で測定したところ1.79であった。また、高屈折率層の樹脂組成物中における含フッ素樹脂の含有量は、高屈折率層の樹脂組成物の全質量に対して、82質量%であった。更に、この高屈折率層の樹脂組成物のみをSEM−EDX分析による元素分析を行ったところ、樹脂組成物中における炭素原子C(at%)に対するフッ素原子F(at%)の比率(F/C)は0.23であった。
<中屈折率塗料の作製>
先ず、ダイキン工業社製の含フッ素樹脂“ゼッフルGK−570”(商品名、固形分濃度65.0質量%、水酸基含有TFE系共重合体、水酸基価64mgKOH/g、酸価4mgKOH/g)20.27質量部と、大成ファインケミカル社製のアクリルポリオール樹脂“アクリット6AN−6000”(商品名、固形分濃度44.5質量%、水酸基価48mgKOH/g、酸価6mgKOH/g)7.40質量部と、東ソー社製のイソシアネート系硬化剤“コロネートHX”(商品名、架橋剤、固形分濃度100質量%)3.53質量部(NCO/OH=1.0)と、希釈溶剤としてメチルイソブチルケトン968.80質量部とをディスパーにて配合し、中屈折率塗料Hを作製した。
東ソー社製のイソシアネート系硬化剤“コロネートHX”(商品名、架橋剤、固形分濃度100質量%)の使用量を6.00質量部(NCO/OH=2.0)に変更した以外は、実施例10の中屈折率塗料Hと同様にして中屈折率塗料Iを作製し、この中屈折率塗料Iを用いた以外は、実施例1と同様にして4層から成る保護層を備えた粘着剤層付き赤外線反射フィルムを作製してガラス基板に貼り合わせた。作製した中屈折率層の屈折率を前述の方法で測定したところ1.47であった。また、中屈折率層中における含フッ素樹脂の含有量は、中屈折率層の樹脂組成物の全質量に対して、56質量%であった。更に、この中屈折率層のみをSEM−EDX分析による元素分析を行ったところ、層中における炭素原子C(at%)に対するフッ素原子F(at%)の比率(F/C)は0.15であった。
<中屈折率塗料の作製>
先ず、ダイキン工業社製の含フッ素樹脂“ゼッフルGK−570”(商品名、固形分濃度65.0質量%、水酸基含有TFE系共重合体、水酸基価64mgKOH/g、酸価4mgKOH/g)12.56質量部と、大成ファインケミカル社製のアクリルポリオール樹脂“アクリット6AN−6000”(商品名、固形分濃度44.5質量%、水酸基価48mgKOH/g、酸価6mgKOH/g)12.23質量部と、東ソー社製のイソシアネート系硬化剤“コロネートHX”(商品名、架橋剤、固形分濃度100質量%)4.14質量部(NCO/OH=1.5)と、東ソー社製のイソシアネート系硬化剤“コロネートHL”(商品名、架橋剤、固形分濃度75質量%)3.01質量部(NCO/OH=0.5)、希釈溶剤としてメチルイソブチルケトン968.06質量部とをディスパーにて配合し、中屈折率塗料Jを作製した。
<中屈折率塗料の作製>
先ず、AGC旭硝子社製の含フッ素樹脂“ルミフロンLF−400”(商品名、固形分濃度50質量%、水酸基含有CTFE系共重合体、水酸基価47mgKOH/g、酸価5mgKOH/g)13.31質量部と、大成ファインケミカル社製のアクリルポリオール樹脂“アクリット6AN−6000”(商品名、固形分濃度44.5質量%、水酸基価48mgKOH/g、酸価6mgKOH/g)12.96質量部と、東ソー社製のイソシアネート系硬化剤“コロネートHX”(商品名、架橋剤、固形分濃度100質量%)3.61質量部(NCO/OH=1.5)と、東ソー社製のイソシアネート系硬化剤“コロネートHL”(商品名、架橋剤、固形分濃度75質量%)2.63質量部(NCO/OH=0.5)、希釈溶剤としてメチルイソブチルケトン967.49質量部とをディスパーにて配合し、中屈折率塗料Kを作製した。
金属に対する腐食防止剤として硫黄含有基を有する2−メルカプトベンゾチアゾールを、窒素含有基を有する1−o−トリルビグアニドに変更した以外は、実施例1の光学調整塗料Aと同様にして光学調整塗料Cを作製し、この光学調整塗料Cを用いた以外は、実施例1と同様にして4層から成る保護層を備えた粘着剤層付き赤外線反射フィルムを作製してガラス基板に貼り合わせた。作製した光学調整層の屈折率を前述の方法で測定したところ1.79であった。
金属に対する腐食防止剤として硫黄含有基を有する2−メルカプトベンゾチアゾールを添加しなかった以外は、実施例1の光学調整塗料Aと同様にして光学調整塗料Dを作製し、この光学調整塗料Dを用いた以外は、実施例1と同様にして4層から成る保護層を備えた粘着剤層付き赤外線反射フィルムを作製してガラス基板に貼り合わせた。作製した光学調整層の屈折率を前述の方法で測定したところ1.80であった。
中屈折率層の乾燥後の厚さを130nm、高屈折率層の乾燥後の厚さを500nmに変更した以外は、実施例1と同様にして4層から成る保護層を備えた粘着剤層付き赤外線反射フィルムを作製してガラス基板に貼り合わせた。得られた保護層の厚さは、780nmであった。
赤外線反射層の金属層(Ag層)の厚さを8nm、光学調整層の乾燥後の厚さを60nm、中屈折率層の乾燥後の厚さを200nm、高屈折率層の乾燥後の厚さを550nm、低屈折率層の乾燥後の厚さを120nmに変更した以外は、実施例1と同様にして4層から成る保護層を備えた粘着剤層付き赤外線反射フィルムを作製してガラス基板に貼り合わせた。得られた赤外線反射層[第1の金属亜酸化物層(TiOX層)+金属層(Ag層)+第2の金属亜酸化物層(TiOX層)]の総厚さは12nmであり、上記総厚さに対する上記第2の金属亜酸化物層(TiOX層)の厚さの割合は16.7%であった。また、得られた保護層の厚さは、930nmであった。
中屈折率層の乾燥後の厚さを150nm、高屈折率層の乾燥後の厚さを700nm、低屈折率層の乾燥後の厚さを110nmに変更した以外は、実施例1と同様にして4層から成る保護層を備えた粘着剤層付き赤外線反射フィルムを作製してガラス基板に貼り合わせた。得られた保護層の厚さは、1010nmであった。
赤外線反射層の第2の金属亜酸化物層(TiOX層)の厚さを4nmに変更した以外は、実施例1と同様にして4層から成る保護層を備えた粘着剤層付き赤外線反射フィルムを作製してガラス基板に貼り合わせた。得られた赤外線反射層[第1の金属亜酸化物層(TiOX層)+金属層(Ag層)+第2の金属亜酸化物層(TiOX層)]の総厚さは18nmであり、上記総厚さに対する上記第2の金属亜酸化物層(TiOX層)の厚さの割合は22.2%であった。
<赤外線反射層付き透明基材の作製>
先ず、透明基材として両面を易接着処理した前述のPETフィルム“U483”(厚さ:50μm)を用い、上記PETフィルムの片面側に、PETフィルム側から第1の金属亜酸化物層、金属層、第2の金属酸化物層を次のようにして形成した。先ず、チタンターゲットを用いて、反応性スパッタリング法により厚さ2nmの第1の金属亜酸化物層(TiOX層)を形成した。上記反応性スパッタリング法におけるスパッタリングガスとしては、Ar/O2の混合ガスを用い、ガス流量体積比はAr97%/O23%とした。続いて、上記金属亜酸化物層上に銀ターゲットを用いて、スパッタリング法により厚さ13nmの金属層(Ag層)を形成した。上記スパッタリング法におけるスパッタリングガスとしては、Arガス100%を用いた。更に、上記金属層上に酸化チタンターゲットを用いて、スパッタリング法により厚さ5nmの第2の金属酸化物層(TiO2層)を形成した。上記スパッタリング法におけるスパッタリングガスとしては、Arガス100%を用いた。これにより、透明基材側から第1の金属亜酸化物層(TiOX層)/金属層(Ag層)/第2の金属酸化物層(TiO2層)の3層構造からなる赤外線反射層付きPETフィルムを作製した。上記TiOX層のxは1.5であった。
赤外線反射層の第2の金属酸化物層(TiO2層)の厚さを7nmに変更した以外は、実施例20と同様にして4層から成る保護層を備えた粘着剤層付き赤外線反射フィルムを作製してガラス基板に貼り合わせた。得られた赤外線反射層[第1の金属亜酸化物層(TiOX層)+金属層(Ag層)+第2の金属酸化物層(TiO2層)]の総厚さは22nmであり、上記総厚さに対する上記第2の金属酸化物層(TiO2層)の厚さの割合は31.8%であった。
<赤外線反射層付き透明基材の作製>
先ず、透明基材として両面を易接着処理した前述のPETフィルム“U483”(厚さ:50μm)を用い、上記PETフィルムの片面側に、PETフィルム側から第1の金属酸化物層、金属層、第2の金属亜酸化物層を次のようにして形成した。先ず、酸化チタンターゲットを用いて、スパッタリング法により厚さ2nmの第1の金属酸化物層(TiO2層)を形成した。上記スパッタリング法におけるスパッタリングガスとしては、Arガス100%を用いた。続いて、上記金属酸化物層上に銀ターゲットを用いて、スパッタリング法により厚さ12nmの金属層(Ag層)を形成した。上記スパッタリング法におけるスパッタリングガスとしては、Arガス100%を用いた。更に、上記金属層上にチタンターゲットを用いて、反応性スパッタリング法により厚さ2nmの第2の金属亜酸化物層(TiOX層)を形成した。上記反応性スパッタリング法におけるスパッタリングガスとしては、Ar/O2の混合ガスを用い、ガス流量体積比はAr97%/O23%とした。これにより、透明基材側から第1の金属酸化物層(TiO2層)/金属層(Ag層)/第2の金属亜酸化物層(TiOX層)の3層構造からなる赤外線反射層付きPETフィルムを作製した。上記TiOX層のxは1.5であった。
<中屈折率層(下層)の形成>
先ず、実施例4で用いた中屈折率塗料Dを、上記マイクログラビアコータを用いて実施例1で用いた赤外線反射層の上に乾燥後の厚さが60nmになるよう塗工し、120℃で2分間乾燥して熱硬化させることにより、厚さ60nmの中屈折率層(下層)を形成した。作製した中屈折率層(下層)の屈折率を前述の方法で測定したところ1.50であった。また、中屈折率層(下層)中における含フッ素樹脂の含有量は、中屈折率層(下層)の樹脂組成物の全質量に対して、86質量%であった。更に、この中屈折率層(下層)のみをSEM−EDX分析による元素分析を行ったところ、層中における炭素原子C(at%)に対するフッ素原子F(at%)の比率(F/C)は0.19であった。
共栄社化学社製の電離放射線硬化性アクリルポリマー溶液“SMP−250A”(商品名、固形分濃度50質量%)165.40質量部と、共栄社化学社製のリン酸基含有メタクリル酸誘導体“ライトエステルP−2M”(商品名)4.80質量部と、ソルベイスペシャルティポリマーズジャパン社製のフッ素含有ウレタン(メタ)アクリレートモノマー“Fomblin MT70”(商品名、固形分濃度80質量%)を8.30質量部と、エボニックデグサジャパン社製のシリコーン変性アクリレート“TEGO Rad 2650”を1.30質量部と、BASF社製の光重合開始剤“イルガキュア819”(商品名)4.80質量部と、希釈溶剤としてメチルイソブチルケトン815.40質量部とをディスパーにて配合し、中屈折率塗料Lを作製した。次に、上記中屈折率塗料Lを、上記マイクログラビアコータを用いて上記中屈折率層(下層)の上に乾燥後の厚さが920nmになるよう塗工し、乾燥させた後、高圧水銀灯にて300mJ/cm2の光量の紫外線を照射して硬化させることにより、厚さ920nmの中屈折率層(上層)を形成した。作製した中屈折率層(上層)の屈折率を前述の方法で測定したところ1.49であった。
中屈折率層(上層)の厚さを620nmに変更した以外は、実施例23と同様にして中屈折率層(下層)及び中屈折率層(上層)の2層から成る保護層を備えた粘着剤層付き赤外線反射フィルムを作製してガラス基板に貼り合わせた。得られた保護層の厚さは、680nmであった。
中屈折率層の形成を下記に変更した以外は、実施例15と同様にして4層から成る保護層を備えた粘着剤層付き赤外線反射フィルムを作製してガラス基板に貼り合わせた。
アイカ工業社製のハードコート剤“Z−773”(商品名、固形分濃度34質量%、屈折率1.53[公称値])96.47質量部と、希釈溶剤として酢酸ブチル903.53部とをディスパーにて配合し、中屈折率塗料Mを作製した。上記中屈折率塗料Mを、上記マイクログラビアコータを用いて光学調整層の上に乾燥後の厚さが60nmになるよう塗工し、乾燥させた後、高圧水銀灯にて300mJ/cm2の光量の紫外線を照射して硬化させることにより、厚さ60nmの中屈折率層を形成した。作製した中屈折率層の屈折率を前述の方法で測定したところ1.52であった。
<赤外線反射層付き透明基材の作製>
先ず、透明基材として両面を易接着処理した前述のPETフィルム“U483”(厚さ:50μm)を用い、上記PETフィルムの片面側に、PETフィルム側から第1の金属酸化物層、金属層、第2の金属酸化物層を次のようにして形成した。先ず、錫/亜鉛=90質量%/10質量%の金属組成から成るターゲットを用いて、反応性スパッタリング法により厚さ10nmの第1の金属酸化物層(ZTO層)を形成した。上記反応性スパッタリング法におけるスパッタリングガスとしては、Ar/O2の混合ガスを用い、ガス流量体積比はAr97%/O23%とした。続いて、上記金属酸化物層上に銀ターゲットを用いて、スパッタリング法により厚さ12nmの金属層(Ag層)を形成した。上記スパッタリング法におけるスパッタリングガスとしては、Arガス100%を用いた。更に、上記金属層上に錫/亜鉛=90質量%/10質量%の金属組成から成るターゲットを用いて、反応性スパッタリング法により厚さ10nmの第2の金属酸化物層(ZTO層)を形成した。上記反応性スパッタリング法におけるスパッタリングガスとしては、Ar/O2の混合ガスを用い、ガス流量体積比はAr97%/O23%とした。これにより、透明基材側から第1の金属酸化物層(ZTO層)/金属層(Ag層)/第2の金属酸化物層(ZTO層)の3層構造からなる赤外線反射層付きPETフィルムを作製した。
実施例1で用いた低屈折率塗料Aを、上記マイクログラビアコータ(廉井精機社製)を用いて上記赤外線反射層の上に乾燥後の厚さが60nmになるよう塗工し、乾燥させた後、高圧水銀灯にて300mJ/cm2の光量の紫外線を照射して硬化させることにより、厚さ60nmの低屈折率層を形成した。作製した低屈折率層の屈折率を前述の方法で測定したところ1.37であった。
<中屈折率層の形成>
実施例23で用いた中屈折率塗料Lを、上記マイクログラビアコータ(廉井精機社製)を用いて比較例2で用いた赤外線反射層の上に乾燥後の厚さが680nmになるよう塗工し、乾燥させた後、高圧水銀灯にて300mJ/cm2の光量の紫外線を照射して硬化させることにより、厚さ680nmの中屈折率層を形成した。作製した中屈折率層の屈折率を前述の方法で測定したところ1.49であった。
比較例1の保護層の最外表面側に位置する層である低屈折率層に代えて、実施例1の中屈折率層を保護層の最外表面側に位置する層(厚さ100nm)として塗工、形成(120℃で2分間乾燥して熱硬化)した以外は、比較例1と同様にして4層から成る保護層を備えた粘着剤層付き赤外線反射フィルムを作製してガラス基板に貼り合わせた。
上記実施例1〜24及び上記比較例1〜4に関して、ガラス基板に貼り付けた状態での赤外線反射フィルム(透明遮熱断熱部材)の可視光線透過率、可視光線反射率、可視光線反射率の最大変動差、日射吸収率、遮蔽係数、熱貫流率を以下のように測定し、また、赤外線反射フィルムの耐塩水性、耐擦傷性、外観性について評価した。
可視光線透過率は、ガラス基板側を入射光側として、波長380〜780nmの範囲において、日本分光社製の紫外可視近赤外分光光度計“Ubest V−570型”(商品名)を用いて分光透過率を測定し、JIS A5759−2008に基づき算出した。
可視光線反射率は、ガラス基板側を入射光側として、波長380〜780nmの範囲において、上記紫外可視近赤外分光光度計“Ubest V−570型”を用いて分光反射率を測定し、JIS R3106−1998に準じて算出した。
ガラス基板側を入射光側として、300〜800nmの範囲において日本分光社製の紫外可視近赤外分光光度計“Ubest V−570型”(商品名)を用いて分光反射率をJIS R3106−1998に基づき測定した。測定された可視光線反射スペクトルから上述した方法により、反射率の「最大変動差ΔA」及び「最大変動差ΔB」を求めた。
日射吸収率は、ガラス基板側を入射光側として、波長300〜2500nmの範囲において、上記紫外可視近赤外分光光度計“Ubest V−570型”を用いて分光透過率及び分光反射率を測定し、JIS A5759−2008に準拠して求めた日射透過率及び日射反射率の値から算出した。
遮蔽係数は、ガラス基板側を入射光側として、波長300〜2500nmの範囲において、上記紫外可視近赤外分光光度計“Ubest V−570型”を用いて分光透過率及び分光反射率を測定し、JIS A5759に準拠して日射透過率及び日射反射率を求め、JIS R3106−2008に準拠して垂直放射率を求め、その日射透過率、日射反射率及び垂直放射率の値から求めた。
熱貫流率は、島津製作所製の赤外分光光度計“IR Prestige21”(商品名)に正反射測定用アタッチメントを取り付け、赤外線反射フィルムの保護層側及びガラス基板側の分光正反射率を波長5.5〜25.2μmの範囲において測定し、JIS R3106−2008に準拠して赤外線反射フィルムの保護層側及びガラス基板側の垂直放射率を求め、これに基づきJIS A5759−2008に準拠して熱貫流率を求めた。
先ず、上記紫外可視近赤外分光光度計“Ubest V−570型”を用いて、ガラス基板に貼り付けた赤外線反射フィルムの波長300〜1500nmの範囲における分光透過率を測定し、波長1100nmの光の透過率TB(%単位)を測定した。その後、上記ガラス基板に貼り付けた赤外線反射フィルムを5質量%の塩化ナトリウム水溶液に浸漬し、この状態で50℃の恒温恒湿槽に入れ、30日保存する耐塩水性試験を行った。上記耐塩水性試験の終了後に、上記ガラス基板に貼り付けた赤外線反射フィルムを純水で洗浄し、自然乾燥した。続いて、上記と同様にして、上記耐塩水性試験後の上記ガラス基板に貼り付けた赤外線反射フィルムの波長1100nmの光の透過率TA(%単位)を測定した。以上の測定結果から、上記耐塩水性試験前後の波長1100nmの光の透過率の変差として、TA−TBのポイント値を算出した。
透明遮熱断熱部材の保護層の耐擦傷性は、保護層上に白ネル布を配置し、1000g/cm2の荷重をかけた状態で、白ネル布を1000往復させた後、一定視野内において保護層の表面の状態を目視にて観察して、以下の3段階で評価した。
優良:傷が全くつかなかった場合
良 :傷が数本(5本以下)確認された場合
不良:傷が多数(6本以上)確認された場合
透明遮熱断熱部材の外観(虹彩模様及び視野角による反射色の変化)は、3波長蛍光灯下で、透明遮熱断熱部材の保護層側の表面を目視にて観察し、以下の3段階で評価した。
優良:虹彩模様及び視野角による反射色の変化がほとんど観察されなかった場合
良 :虹彩模様及び/又は視野角による反射色の変化が少し観察された場合
不良:虹彩模様及び/又は視野角による反射色の変化が明らかに観察された場合
11 透明基材
12 第1の金属亜酸化物層又は金属酸化物層
13 金属層
14 第2の金属亜酸化物層又は金属酸化物層
15 光学調整層
16 中屈折率層
17 高屈折率層
18 低屈折率層
19 粘着剤層
21 赤外線反射層
22 塗布型の保護層
23 機能層
Claims (17)
- 透明基材と、前記透明基材の上に形成された機能層とを含む透明遮熱断熱部材であって、
前記機能層は、前記透明基材側から赤外線反射層及び塗布型の保護層をこの順に含み、
前記赤外線反射層は、前記透明基材側から、少なくとも金属層、及び、金属亜酸化物層又は金属酸化物層をこの順に含み、
前記塗布型の保護層は、複数の層から成り、
前記塗布型の保護層の内、最外表面側に位置する層以外の層の少なくとも1層は、硬化前樹脂成分として、硬化性官能基を有する含フッ素樹脂と該硬化性官能基と反応する架橋剤とを含む層から成り、且つ、
前記塗布型の保護層の内、最外表面側に位置する層は、硬化前樹脂成分として、電離放射線硬化型樹脂を含む層から成ることを特徴とする透明遮熱断熱部材。 - 前記硬化性官能基を有する含フッ素樹脂の含有量は、前記硬化性官能基を有する含フッ素樹脂と該硬化性官能基と反応する架橋剤とを含む層の樹脂組成物の全質量に対して、34質量%以上94質量%以下である請求項1に記載の透明遮熱断熱部材。
- 前記硬化性官能基を有する含フッ素樹脂と該硬化性官能基と反応する架橋剤とを含む層は、エネルギー分散型X線(EDX)分析による元素分析により測定された該層の硬化後の樹脂組成物中における炭素原子C(at%:原子パーセント)に対するフッ素原子F(at%:原子パーセント)の比率(F/C)が、0.08以上0.30以下である請求項1又は2に記載の透明遮熱断熱部材。
- 前記硬化性官能基を有する含フッ素樹脂の硬化性官能基は、水酸基であり、前記架橋剤は、ポリイソシアネート化合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明遮熱断熱部材。
- 前記硬化性官能基を有する含フッ素樹脂は、パーフルオロオレフィン単位を主体とする水酸基含有パーフルオロオレフィン系ポリマー、及びクロロトリフルオロエチレン単位を主体とする水酸基含有クロロトリフルオロエチレン系ポリマーから成る群より選ばれる少なくとも1種の共重合体ポリマーである請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明遮熱断熱部材。
- 前記塗布型の保護層は、前記赤外線反射層側から、中屈折率層、高屈折率層及び低屈折率層をこの順に含み、前記中屈折率層は、硬化前樹脂成分として、前記硬化性官能基を有する含フッ素樹脂と該硬化性官能基と反応する架橋剤とを含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の透明遮熱断熱部材。
- 前記塗布型の保護層は、前記赤外線反射層側から、光学調整層、中屈折率層、高屈折率層及び低屈折率層をこの順に含み、前記中屈折率層は、硬化前樹脂成分として、前記硬化性官能基を有する含フッ素樹脂と該硬化性官能基と反応する架橋剤とを含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明遮熱断熱部材。
- 前記塗布型の保護層の総厚さは、200nm以上980nm以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の透明遮熱断熱部材。
- 前記塗布型の保護層の内、少なくとも前記金属亜酸化物層又は金属酸化物層に接する層は、金属に対する腐食防止剤を含む請求項1〜8のいずれか1項に記載の透明遮熱断熱部材。
- 前記金属に対する腐食防止剤は、窒素含有基を有する化合物及び硫黄含有基を有する化合物から選択される少なくとも1つの化合物を含む請求項9に記載の透明遮熱断熱部材。
- 前記赤外線反射層は、前記透明基材側から、第1の金属亜酸化物層又は金属酸化物層、金属層、第2の金属亜酸化物層又は金属酸化物層をこの順に含み、前記赤外線反射層の総厚さは、7nm以上25nm以下であり、前記第2の金属亜酸化物層又は金属酸化物層の厚さは、前記赤外線反射層の総厚さの25%以下である請求項1〜10のいずれか1項に記載の透明遮熱断熱部材。
- 前記赤外線反射層の前記第2の金属亜酸化物層又は金属酸化物層に含まれる金属亜酸化物又は金属酸化物は、チタン成分を含む請求項11に記載の透明遮熱断熱部材。
- 前記赤外線反射層の前記金属層は、銀を含み、前記金属層の厚さは、5nm以上20nm以下である請求項1〜12のいずれか1項に記載の透明遮熱断熱部材。
- 前記透明遮熱断熱部材は、可視光線透過率が60%以上、遮蔽係数が0.69以下、熱貫流率が4.0W/(m2・K)以下であり、且つ、日射吸収率が20%以下である請求項1〜13のいずれか1項に記載の透明遮熱断熱部材。
- 前記透明遮熱断熱部材は、温度50℃、濃度5質量%の塩化ナトリウム水溶液に30日間浸漬させる耐塩水性試験を行った場合、前記耐塩水性試験前に測定した前記透明遮熱断熱部材の波長300〜1500nmの範囲における透過スペクトルの波長1100nmの光の透過率をTB%、前記耐塩水性試験後に測定した前記透明遮熱断熱部材の波長300〜1500nmの範囲における透過スペクトルの波長1100nmの光の透過率をTA%とすると、TA−TBの値が10ポイント未満である請求項1〜14のいずれか1項に記載の透明遮熱断熱部材。
- JIS R3106−1998に準じて測定した反射スペクトルにおいて、
前記反射スペクトルの波長500〜570nmの範囲における最大反射率と最小反射率の平均値を示す仮想ラインa上の波長535nmに対応する点を点Aとし、前記反射スペクトルの波長620〜780nmの範囲における最大反射率と最小反射率の平均値を示す仮想ラインb上の波長700nmに対応する点を点Bとし、前記点Aと前記点Bとを通る直線を波長500〜780nmの範囲で延長して基準直線ABとし、
波長500〜570nmの範囲における前記反射スペクトルの反射率の値と前記基準直線ABの反射率の値を比較した際に、各々の反射率の値の差が最大となる波長におけるその反射率の値の差の絶対値を最大変動差ΔAと定義した時に、前記最大変動差ΔAの値が反射率の%単位で7%以下であり、
波長620〜780nmの範囲における前記反射スペクトルの反射率の値と前記基準直線ABの反射率の値を比較した際に、各々の反射率の値の差が最大となる波長におけるその反射率の値の差の絶対値を最大変動差ΔBと定義した時に、前記最大変動差ΔBの値が反射率の%単位で9%以下である請求項1〜15のいずれか1項に記載の透明遮熱断熱部材。 - 請求項1〜16のいずれか1項に記載の透明遮熱断熱部材の製造方法であって、
透明基材の上に赤外線反射層をドライコーティング法で形成する工程と、
前記赤外線反射層の上に、複数の層からなる保護層をウェットコーティング法で形成する工程とを含むことを特徴とする透明遮熱断熱部材の製造方法。
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