JP2019196760A - ギヤポンプ - Google Patents

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直史 吉田
Naofumi Yoshida
直史 吉田
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Abstract

【課題】高温時の流量効率の低下を抑制するギヤポンプを提供する。【解決手段】ハウジング2のシールブロック収容部7,8に、ハウジング2より熱膨張係数の大きいシールブロック7,8が収容される。シールブロック7,8とシールブロック収容部50,60との間に弾性シール部材9が介在する。シールブロック7,8は、ハウジング2の内部で互いに噛み合う一対のギヤ3,4の歯先円3C,4Cに倣う形状の円弧面71,81を有する。円弧面71,81とギヤ3,4の歯先32a,42aとの間に歯先隙間Sが形成される。シールブロック収容部50,60の伸長助成部としての背面受け部52,62が、シールブロック7,8の背面72,82(被受け部)を受けることにより、熱膨張時に、シールブロック7,8が歯先隙間Sを縮小するように伸長することを助成する。【選択図】図3

Description

本発明は、ギヤポンプに関する。
特許文献1に開示される外接ギヤポンプでは、ギヤ室の内部に、各ギヤの歯先と摺接するシールブロックが配置されている。シールブロックは、各ギヤの歯先円に倣った形状の曲面を有している。シールブロックの前記曲面とギヤの歯先との間には、歯先隙間が形成される。
特開2013−234635号公報
しかしながら、高温になると、ギヤ室内の作動流体の粘度が低下するため、歯先隙間を介する作動流体の漏れ量が増大し、流量効率が低下する。
本発明の目的は、高温時の流量効率の低下を抑制するギヤポンプを提供することである。
請求項1に記載の発明は、中空のハウジング(2;2E;2G)と、前記ハウジングの内部で互いに外接して噛み合う一対のギヤ(3,4;3E,4E;3G,4G)と、少なくとも一方のギヤの歯先円(3C,4C)に倣う形状の円弧面(71,81)であって、対向するギヤの歯先(32a,42a)との間に歯先隙間(S)を形成する円弧面と、前記円弧面から前記対向するギヤ側とは反対側に離隔して配置された被受け部(72,82;76a,86a)とを有し、前記ハウジングよりも熱膨張係数が大きい材料で形成されたシールブロック(7,8;7A,8A)と、前記ハウジングに形成され、前記シールブロックを収容するシールブロック収容部(50,60;50A,60A)と、前記シールブロックと前記シールブロック収容部との間に介在する弾性シール部材(9)と、を備え、前記シールブロック収容部に、前記シールブロックの被受け部を受けることにより、熱膨張時に、前記シールブロックが、前記歯先隙間を縮小するように伸長することを助成する伸長助成部(52,62;90,100)が設けられる、ギヤポンプ(1;1A)を提供する。
なお、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素等を表すが、このことは、むろん、本発明がそれらの実施形態に限定されるべきことを意味するものではない。以下、この項において同じ。
請求項2に記載の発明のように、請求項1において、前記被受け部が、前記シールブロックの前記円弧面に対する背面(72,82)であり、前記シールブロック収容部が、前記シールブロックの前記被受け部として前記背面を受ける、前記伸長助成部としての背面受け部(52,62)を含んでいてもよい。
請求項3に記載の発明のように、請求項2において、前記円弧面が、対向するギヤの回転方向(R1,R2)の上流側の上流側端(71U,81U)と、前記回転方向の下流側の下流側端(71L,81L)とを含み、前記シールブロックが、前記下流側端と前記背面とを接続する高圧側側面(73,83)と、前記前記上流側端と前記背面とを接続する低圧側側面(74,84)と、を含み、前記シールブロック収容部が、前記高圧側側面に対向する高圧側対向面(53,63)と、前記低圧側側面に対向する低圧側対向面(54,64)と、を含み、前記弾性シール部材が、前記高圧側側面と前記高圧側対向面との間に介在していてもよい。
請求項4に記載の発明のように、請求項3において、前記低圧側対向面が、前記シールブロックの前記低圧側側面と当接することにより、前記シールブロックの前記円弧面を前記対向するギヤの歯先円と同心に位置決めする位置決め部として機能してもよい。
請求項5に記載の発明のように、請求項1において、前記シールブロック(7A,8A)に、前記ギヤの軸方向と平行に延びる孔部(76,86)が形成され、前記伸長助成部が、前記ハウジングに固定されて前記孔部に嵌合され、前記被受け部としての前記孔部の内面(76a,86a)を受ける軸部材(90,100)であってもよい。
請求項6に記載の発明のように、請求項5において、前記シールブロックが、前記円弧面に対する背面(72,82)を含み、前記シールブロック収容部が、前記シールブロックの前記背面と対向する背面対向部(52A,62A)を含み、前記弾性シール部材が、前記シールブロックの前記背面と前記シールブロック収容部の前記背面対向部との間に介在していてもよい。
請求項1に記載の発明では、高温時に、ハウジングよりも熱膨張係数の大きいシールブロックが熱膨張するときに、シールブロック収容部の伸長助成部が、シールブロックの被受け部を受けることにより、シールブロックが少なくとも一方のギヤの歯先側へ伸長することを助成する。このため、シールブロックの円弧面と少なくとも一方のギヤの歯先との間の歯先隙間が縮小される。このため、高温時に歯先隙間を介する流体漏れを抑制して、流量効率を向上することができる。
請求項2に記載の発明では、シールブロックの背面が、シールブロック収容部の伸長助成部としての背面受け部により受けられた状態で、シールブロックが、円弧面と背面との間の全域で熱膨張する。このため、高温時における歯先隙間の縮小効果を高くすることができ、歯先隙間を介する流体漏れを十分に抑制して、流量効率を十分に向上することができる。
請求項3に記載の発明では、シールブロックは、当該シールブロックの高圧側側面とシールブロック収容部の高圧側対向面との間に導かれた高圧によって、シールブロック収容部の高圧側対向面から離間する方向に付勢される。このため、弾性シール部材が、高圧側側面と高圧側対向面との間で過度に圧縮されることがなく、弾性シール部材の耐久性を向上することができる。
請求項4に記載の発明では、シールブロック収容部の低圧側対向面が、シールブロックの円弧面を対向するギヤの歯先円と同心に位置決めする。このため、円弧面に対して非同心である歯先円を有するギヤによって円弧面が削られて該円弧面に偏摩耗を生じることが抑制される。このため、前記偏摩耗に起因して歯先隙間の一部が拡大されて、該歯先隙間を介する流体漏れが増大することが抑制される。
請求項5に記載の発明では、ハウジングに固定されシールブロックの孔部に嵌合された伸長助成部としての軸部材と、円弧面との間における、シールブロックの部分が、熱膨張することで、シールブロックの円弧面とギヤの歯先との間の歯先隙間が低減される。このため、歯先隙間を介する流体漏れを抑制して、流量効率を向上することができる。
請求項6に記載の発明では、シールブロックの円弧面が高圧を受けても、シールブロック収容部の背面対向部側への、シールブロックの移動が、軸部材によって規制される。このため、シールブロックの背面とシールブロック収容部の背面対向部との間に介在する弾性シール部材が、過度に圧縮されることがなく、弾性シール部材の耐久性が向上する。
図1(a)は本発明の第1実施形態に係るギヤポンプの正面図であり、図1(b)はギヤポンプの側面図である。 ギヤポンプの概略断面図であって、図1(b)のII−II断面図に相当する。 ギヤポンプの概略断面図であって、図2のIII−III断面図に相当する。簡略化のため断面を示すハッチングを省略してある。 一方のシールブロック、一方のシールブロック収容部及び一方の弾性シール部材の分解斜視図である。 他方のシールブロック、他方のシールブロック収容部及び他方の弾性シール部材の分解斜視図である。 本発明の第2実施形態に係るギヤポンプの概略断面図である。 本発明の第3実施形態に係るギヤポンプの概略断面図である。 本発明の第4実施形態に係るギヤポンプの概略断面図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に従って説明する。
(第1実施形態)
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係るギヤポンプ1の正面図であり、図1(b)はギヤポンプ1の側面図である。図2は、図1(b)のII−II断面図である。図3は図2のIII−III断面図である。図3では、簡略化のため、断面を示すハッチングが省略されている。
図2乃至図3に示すように、ギヤポンプ1は、中空のハウジング2と、駆動ギヤ3及び被動ギヤ4(一対のギヤ)と、一対の軸受5と、サイドプレート6と、一対のシールブロック7,8と、一対の弾性シール部材9と、複数の固定ねじ10とを備える。
図1(a)及び図2に示すように、ハウジング2は、中空の本体部20と、板状のカバー21とを含む。本体部20は略直方体形状に形成されている。本体部20は、一端面20aと他端面20bとを有する。本体部20の一端面20aにカバー21の一端面21aが突き当てられた状態で、本体部20とカバー21とが、固定ねじ10により締結されている。
図2及び図3に示すように、本体部20には、凹部22と、一対のシールブロック収容部50,60とが形成されている。凹部22は、本体部20の一端面20a側に開放された長円形の有底の孔部である。各シールブロック収容部50,60は、本体部20の一端面20a側に開放されている。
図3に示すように、一対のシールブロック収容部50,60は、凹部22の内周面22aの一部に形成され径方向外側に窪む凹部であり、対応するシールブロック7,8を収容する。各弾性シール部材9は、各シールブロック7,8と、対応するシールブロック収容部50,60との間に介在している。
凹部22及び各シールブロック収容部50,60の底は、本体部20において他端面20bを形成する端面板部23(図2を参照)によって構成されている。また、凹部22及び各シールブロック収容部50,60の開放側(本体部20の一端面20a側)は、本体部20に締結されたカバー21により閉塞されている。
図2に示すように、凹部22の開放側がカバー21により閉塞された状態で、図3に示すように、凹部22によって、ギヤ室GCが形成されている。ギヤ室GCには、互いに噛み合わされた駆動ギヤ3及び被動ギヤ4と、サイドプレート6とが収容されている。サイドプレート6は、両ギヤ3,4とカバー21との間に介在している。図示していないが、サイドプレート6の外郭形状は、凹部22の長円形の断面形状と相似形で若干小さい形状に形成されている。
図2に示すように、凹部22の底面部22bから、一対の支軸24が突出形成されている。各支軸24は、軸受5を介して、対応するギヤ3,4を回転可能に支持する。軸受5は、ブッシュのようなすべり軸受であってもよいし、針状ころ軸受のような転がり軸受であってもよい。図3に示すように、凹部22の底における端面板部23には、凹部22内(ギヤ室GC内)に連通する作動流体の吸込口25と吐出口26とが開口されている。
図2に示すように、駆動ギヤ3は、中心孔31を有し外周に複数の歯32が形成された環状歯体33と、環状歯体の一端面33aから突出するボス部34と、ボス部34から突出形成された連結軸部35とを含む。
駆動ギヤ3において、ボス部34及び連結軸部35は、中心孔31と同軸的に設けられている。ボス部34は、サイドプレート6の挿通孔6aに挿通されている。連結軸部35は、支軸24の軸方向Xに延びている。連結軸部35は、カバー21の挿通孔21bに嵌合された環状のシール構造体11を挿通して、ハウジング2の外部に突出している。シール構造体11は、カバー21の挿通孔21bの内周面と連結軸部35の外周面との間をシールする。
ハウジング2の外部に突出した連結軸部35は、図示しない電動モータの回転軸と駆動連結される。前記電動モータによって、連結軸部35を介して駆動ギヤ3が回転方向R1(図3を参照)に回転される。被動ギヤ4は、駆動ギヤ3に従動して駆動ギヤ3の回転方向R1とは反対方向である回転方向R2(図3を参照)に回転される。
被動ギヤ4は、貫通孔からなる中心孔41を有し外周に複数の歯42が形成された環状歯体43で構成されている。駆動ギヤ3と被動ギヤ4とは、鉄合金製である。シールブロック7が駆動ギヤ3と対向され、シールブロック8が被動ギヤ4と対向している。各シールブロック7,8は、ハウジング2よりも熱膨張係数の大きい材料で形成されている。具体的には、各シールブロック7,8は、アルミニウム合金製である。ハウジング2のうち本体部20は、鉄製である。
図3に示すように、支軸24の軸方向からギヤ室GCを見たとき、ギヤ室GCにおいて、両支軸24の中心軸C1,C2を含む平面Qに対して、両ギヤ3,4の噛み合い位置MPを挟んだ一側には作動流体の吸込口25に連通する低圧室27が、噛み合い位置MPを挟んだ他側には作動流体の吐出口26に連通する高圧室28が、それぞれ形成されている。これら低圧室27および高圧室28は、それぞれ、吸込口25および吐出口26を介して、図示しない吸込先および吐出先にそれぞれ接続されている。
両ギヤ3,4が回転するギヤポンプ1の駆動時に、吸込口25を経て低圧室27に導入される作動流体は、低圧室27に臨む駆動ギヤ3の歯32間及び被動ギヤ4の歯42間に受け入れられ、両ギヤ3,4の回転により、歯間と凹部22の内周面22aとの間に封止された状態で搬送され、高圧室28に送り出される。
駆動ギヤ3の歯32間と凹部22の内周面22aとの間に封止された作動流体の圧力は、低圧室27から高圧室28側へと回転方向R1の下流側に向かうほど高圧となる。また、被動ギヤ4の歯42間と凹部22の内周面22aとの間に封止された作動流体の圧力は、低圧室27から高圧室28側へと回転方向R2の下流側に向かうほど高圧となる。
サイドプレート6は、両ギヤ3,4とカバー21との間で、支軸24の軸方向Xに浮動支持されている。ギヤポンプ1の駆動時(両ギヤ3,4の回転時)において、ギヤ室GC内の圧力を受けたサイドプレート6と両ギヤ3,4との間に隙間(いわゆるサイドクリアランス)が形成される。該隙間内の作動流体が、潤滑機能を果たす。
図4は、シールブロック7、シールブロック収容部50及び弾性シール部材9の分解斜視図である。図3及び図4に示すように、シールブロック7は、円弧面71と平坦面である背面72と高圧側側面73と低圧側側面74とで構成される周側面と、該周側面を挟んで平行に対向する一対の端面75とを含む。一対の端面75は、支軸24の軸方向Xと直交するように配置された平坦面である。背面72、高圧側側面73及び低圧側側面74は、一対の端面75と直交する平坦面からなる。
図5は、シールブロック8、シールブロック収容部60及び弾性シール部材9の分解斜視図である。図3及び図5に示すように、シールブロック8は、円弧面81と平坦面である背面82と高圧側側面83と低圧側側面84とで構成される周側面と、該周側面を挟んで平行に対向する一対の端面85とを含む。一対の端面85は、支軸24の軸方向と直交するように配置された平坦面である。背面82、高圧側側面83及び低圧側側面84は、一対の端面85と直交する平坦面からなる。
シールブロック7とシールブロック8とは、共通の部材により形成されており、互いの低圧側側面と高圧側側面の配置関係が逆になるように対称に配置されている。具体的には、図3に示すように、シールブロック収容部50に収容されたシールブロック7とシールブロック収容部60に収容されたシールブロック8とは、互いの低圧側側面74,84を近接させるように配置されている。
各円弧面71,81は、対応するギヤ3,4の歯先円3C,4Cに倣う形状の円弧面である。各円弧面71,81は、対向するギヤ3,4の歯先32a,42aとの間に歯先隙間Sを形成する。
各背面72,82は、対応する円弧面71,81に対する背面であり、各円弧面71,81に対して対向するギヤ3,4側とは反対側に配置される。各円弧面71,81は、対向するギヤ3,4の回転方向R1,R2の上流側の上流側端71U,81Uと、回転方向R1,R2の下流側の下流側端71L,81Lとを含む。各シールブロック7,8の高圧側側面73,83は、対応する下流側端71L,81Lと対応する背面72,82とを接続する。各シールブロック7,8の低圧側側面74,84は、対応する上流側端71U,81Uと対応する背面72,82とを接続する。
図4に示すように、シールブロック収容部50は、端面受け部51と、背面受け部52と、高圧側対向面53と、低圧側対向面54とを含む。図5に示すように、シールブロック収容部60は、端面受け部61と、背面受け部62と、高圧側対向面63と、低圧側対向面64とを含む。
各シールブロック収容部50,60の端面受け部51,61は、端面板部23により構成されており、対応するシールブロック7,8の一方の端面75,85を受ける。シールブロック7,8の他方の端面75,85は、カバー21によって受けられる。
各背面受け部52,62は、対応するシールブロック7,8の被受け部としての背面72,82を受ける。すなわち、各背面受け部52,62は、対応するシールブロック7,8の被受け部としての背面72,82を受ける座であり、熱膨張時に、対応するシールブロック7,8が歯先隙間Sを縮小するように伸長することを助成する伸長助成部として機能する。
図3に示すように、各高圧側対向面53,63は、対応するシールブロック7,8の高圧側側面73,83と対向する。各弾性シール部材9は、対応するシールブロック7,8の高圧側側面73,83と、対応するシールブロック収容部50,60の高圧側対向面53,63との間に介在する。具体的には、各弾性シール部材9の一部が、対応する高圧側対向面53,63に設けられた収容溝55,65に収容され保持されている。
各低圧側対向面54,64は、対応するシールブロック7,8の低圧側側面74,84と対向する。各低圧側対向面54,64は、対応するシールブロック7,8の低圧側側面74,84と当接することにより、各シールブロック7,8を対応する背面受け部52,62と平行な方向に位置決めする位置決め部として機能する。
本実施形態によれば、高温時に、ハウジングよりも熱膨張係数の大きいシールブロック7,8が熱膨張するときに、シールブロック収容部50,60の伸長助成部(背面受け部52,62)が、シールブロック7,8の被受け部(背面72,82)を受けることにより、シールブロック7,8が対向するギヤ3,4の歯先32a,42a側へ伸長することを助成する。このため、シールブロック7,8の円弧面71,81と対向するギヤ3,4の歯先32a,42aとの間の歯先隙間Sが縮小される。このため、高温時に歯先隙間Sを介する流体漏れを抑制して、流量効率を向上することができる。
また、シールブロック7,8の被受け部としての背面72,82が、シールブロック収容部50,60の伸長助成部としての背面受け部52,62により受けられた状態で、シールブロック7,8が、円弧面71,81と背面72,82との間の全域で熱膨張する。このため、高温時における歯先隙間Sの縮小効果を高くすることができ、歯先隙間Sを介する流体漏れを十分に抑制して、流量効率を十分に向上することができる。
また、シールブロック7,8は、当該シールブロック7,8の高圧側側面73,83とシールブロック収容部50,60の高圧側対向面53,63との間に導かれた高圧によって、シールブロック収容部50,60の高圧側対向面53,63から離間する方向に付勢される。このため、高圧側側面73,83と高圧側対向面53,63との間に介在する弾性シール部材9が、高圧側側面73,83と高圧側対向面53,63との間で過度に圧縮されることがなく、弾性シール部材9の耐久性を向上することができる。
また、シールブロック収容部50,60の低圧側対向面54が、シールブロック7,8の低圧側側面74,84と当接することにより、シールブロック7,8の円弧面71,81を対向するギヤ3,4の歯先円3C,4Cと同心に位置決めする。このため、円弧面71,81に対して非同心である歯先円3C,4Cを有するギヤ3,4によって円弧面71,81が削られることにより該円弧面71,81に偏摩耗を生じることが抑制される。このため、前記偏摩耗に起因して歯先隙間Sの一部が拡大されて、該歯先隙間Sを介する流体漏れが増大することが抑制される。
図3の例では、各シールブロック7,8が、対応するギヤ3,4の中心軸(支軸24の中心軸C1,C2)に対して、低圧室側に配置されているが、これに限らず、シールブロック7は、駆動ギヤ3の歯先32aが対向される凹部22の内周面22aにおいて、回転方向R1の何れの位置に配置されても、高温時に、歯先隙間Sを縮小する効果がある。また、シールブロック8は、被動ギヤ4の歯先42aが対向される凹部22の内周面22aにおいて、回転方向R2の何れの位置に配置されても、高温時に、歯先隙間Sを縮小する効果がある。
ただし、ギヤポンプ1の製造段階で、シールブロック7,8の円弧面71,81を対応するギヤ3,4の歯先32a,42aを摺接させて削ることにより、円弧面71,81の形状をギヤ3,4の歯先円3C,4Cに一致する形状に均すための慣らし運転が実施される場合には、図3に示すように、各シールブロック7,8が、対応するギヤ3,4の中心軸(支軸24の中心軸C1,C2)に対して、低圧室側に配置されていることが必要である。
その理由は下記である。組立時において、各ギヤ3,4を支軸24の軸方向Xに組み付けるときには、各ギヤ3,4と対応するシールブロック7,8の円弧面71,81との間には、所定量の隙間が必要である。
しかるに、各ギヤ3,4の中心孔31,41と対応する支軸24との間に介在する軸受5が、各ギヤ3,4や支軸24に対する嵌合誤差や内部隙間に起因して径方向のガタを有している。このため、ギヤ3,4の回転時において、作動流体の圧力を受けた各ギヤ3,4が、高圧室側から低圧室側へ前記ガタ分だけ、変位される。仮に、各シールブロック7,8を、対応するギヤ3,4の中心軸(支軸24の中心軸C1,C2)に対して、高圧室側に配置した場合には、慣らし運転時に、各ギヤ3,4が対応するシールブロック7,8と摺接できないため、慣らし運転が行えない。
これに対して、各シールブロック7,8が、対応するギヤ3,4の中心軸(支軸24の中心軸C1,C2)に対して、低圧室側に配置されていることにより、慣らし運転時に、前記ガタ分だけ各ギヤ3,4がシールブロック7,8の円弧面71,81側に変位されるため、各ギヤ,3,4を対応する円弧面71,81に摺接させて、慣らし運転を良好に行うことができる。
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態に係るギヤポンプ1Aの概略断面図である。
図6の第2実施形態に係るギヤポンプ1Aが、図3の第1実施形態に係るギヤポンプ1と主に異なるのは下記である。
すなわち、シールブロック7Aがシールブロック収容部50Aに収容され、シールブロック8Aがシールブロック収容部60Aに収容されている。シールブロック7A,8Aは、ハウジング2よりも熱膨張係数の大きい材料で形成されている。
各シールブロック7A,8Aに、各ギヤ3,4の軸方向(紙面と直交する方向)と平行に延びる孔部76,86が形成されている。ハウジング2の本体部20に固定された伸長助成部としての軸部材90が、対応するシールブロック7A,8Aの孔部76,86に嵌合されている。伸長助成部としての軸部材90,100は、被受け部としての、孔部76,86の内面76a,86aを受ける。
シールブロック収容部50A,60Aが、対応するシールブロック7A,8Aの背面72,82と離隔して対向する背面対向部52A,62Aを含む。各弾性シール部材9が、各シールブロック7A,8Aの背面72,82と対応するシールブロック収容部50A,60Aの背面対向部52A,62Aとの間に介在している。背面対向部52A,62Aには、対応する弾性シール部材9の一部を収容する収容溝55A,65Aが形成されている。
図6の第2実施形態の構成において、図3の第1の実施形態と共通する構成については、共通の参照符号を付してある。
本実施形態では、各シールブロック7A,8Aは、ハウジング2に固定され各シールブロック7A,8Aの孔部76,86に嵌合された伸長助成部としての軸部材90,100によって拘束されるので、軸部材90,100と円弧面71,81との間における、各シールブロック7A,8Aの部分が、熱膨張することで、各シールブロック7A,8Aの円弧面71,81と対応するギヤ3,4の歯先32a,42aの間の歯先隙間Sが低減される。このため、歯先隙間Sを介する流体漏れを抑制して、流量効率を向上することができる。
また、シールブロック7A,8Aの円弧面71,81が高圧を受けても、シールブロック収容部50A,60Aの背面対向部52A,62A側への、シールブロック7A,8Aの移動が、軸部材90,100によって規制される。このため、シールブロック7A,8Aの背面72,82とシールブロック収容部50A,60Aの背面対向部52A,62Aとの間に介在する弾性シール部材9が、過度に圧縮されることがなく、弾性シール部材9の耐久性が向上する。
なお、各軸部材90,100を複数設けたり、各軸部材90,100の断面を角断面とすることで、円弧面71,81と歯先円3C,4Cとが非同心に配置されることを抑制してもよい
(第3実施形態)
図7は本発明の第3実施形態に係るギヤポンプ1Eの概略断面図である。図7の第3実施形態では、第1実施形態乃至第2実施形態に対して、ギヤの構造およびギヤの支持構造が主に異なっている。
すなわち、図7に示す第3実施形態では、ハウジング2Eが、凹部22Eが貫通形成された本体部20Eと、本体部20Eを挟んで配置されて凹部22Eの両端を閉塞する一対のカバー21E,21Fとを含む。駆動ギヤ3Eと支軸36Eとが単一の材料で一体に形成され、被動ギヤ4Eと支軸46Eとが単一の材料で一体に形成されている。カバー21Eに一対の支持孔111,112が形成されている。カバー21Fに一対の支持孔113,114が形成されている。
各ギヤ3E,4Eの支軸36E,46Eの一端部36Ea,46Eaが、カバー21Eの対応する支持孔111,112の内面に、軸受5を介して回転可能に支持されている。また、各ギヤ3E,4Eの支軸36E,46Eの他端部36Eb,46Ebが、カバー21Fの対応する支持孔113,114の内面に、軸受5を介して回転可能に支持されている。
図示していないが、シールブロック7,8;7A,8Aを収容するシールブロック収容部50,60;50A,60Aが本体部20Eに形成される点については、第1実施形態乃至第2実施形態と同じであり、第3実施形態においても、第1実施形態乃至第2実施形態と同じ効果を奏することができる。
(第4実施形態)
図8は本発明の第4実施形態に係るギヤポンプ1Gの概略断面図である。図7の第3実施形態では、第1実施形態乃至第2実施形態に対して、ギヤの構造およびギヤの支持構造が主に異なっている。
すなわち、図8に示す第4実施形態では、ハウジング2Gが、凹部22Gが貫通形成された本体部20Gと、本体部20Gを挟んで配置されて凹部22Gの両端を閉塞する一対のカバー21G,21Hとを含む。駆動ギヤ3Gと支軸36Gとが単一の材料で一体に形成され、被動ギヤ4Gと支軸46Gとが単一の材料で一体に形成されている。
両ギヤ3G,4Gと各カバー21G,21Hとの間に、それぞれサイドプレート6Gが介在されている。各サイドプレート6Gには、各支軸36G,46Gの対応する端部36Ga,46Ga;36Gb,46Gbが挿通される一対の支持孔115,116が形成されている。各支軸36G,46Gの各端部36Ga,46Ga;36Gb,46Gbが、対応するサイドプレート6Gの対応する支持孔115,116の内面に、軸受5を介して回転可能に支持されている。
図示していないが、シールブロック7,8;7A,8Aを収容するシールブロック収容部50,60;50A,60Aが本体部20Gに形成される点については、第1実施形態乃至第2実施形態と同じであり、第4実施形態においても、第1実施形態乃至第2実施形態と同じ効果を奏することができる。
本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。例えば、単一のシールブロックが設けられて、該シールブロックが、駆動ギヤ3の歯先32aと対向する円弧面71と、被動ギヤ4の歯先42aに対向する円弧面81とを有していてもよい。
また、何れか一方のギヤ3,4のみに対向するシールブロックが設けられる構成であってもよい。
また、第1実施形態、第2実施形態乃至第3実施形態において、サイドプレート6が無くされてもよい。また、第1実施形態乃至第2実施形態において、凹部22が貫通孔とされ、凹部22の両端が一対のカバー21で閉塞される構成とされてもよい。
その他、本発明は、特許請求の範囲記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
1;1A;1E;1G…ギヤポンプ、2;2E;2G…ハウジング、3;3E;3G…駆動ギヤ、3C…歯先円、4;4E;4G…被動ギヤ、4C…歯先円、7;7A…シールブロック、8;8A…シールブロック、9…弾性シール部材、32…歯、32a…歯先、42…歯、42a…歯先、50;50A…シールブロック収容部、52…背面受け部(伸長助成部)、52A…背面対向部、53…高圧側対向面、54…低圧側対向面、60;60A…シールブロック収容部、62…背面受け部(伸長助成部)、62A…背面対向部、63…高圧側対向面、64…低圧側対向面、71…円弧面、71L…下流側端、71U…上流側端、72…背面(被受け部)、73…高圧側側面、74…低圧側側面、76…孔部、76a…内面(被受け部)、81…円弧面、81L…下流側端、81U…上流側端、82…背面(被受け部)、83…高圧側側面、84…低圧側側面、86…孔部、86a…内面(被受け部)、90,100…軸部材(伸長助成部)、R1,R2…回転方向、S…歯先隙間、X…軸方向

Claims (6)

  1. 中空のハウジングと、
    前記ハウジングの内部で互いに外接して噛み合う一対のギヤと、
    少なくとも一方のギヤの歯先円に倣う形状の円弧面であって、対向するギヤの歯先との間に歯先隙間を形成する円弧面と、前記円弧面から前記対向するギヤ側とは反対側に離隔して配置された被受け部とを有し、前記ハウジングよりも熱膨張係数が大きい材料で形成されたシールブロックと、
    前記ハウジングに形成され、前記シールブロックを収容するシールブロック収容部と、 前記シールブロックと前記シールブロック収容部との間に介在する弾性シール部材と、を備え、
    前記シールブロック収容部に、前記シールブロックの前記被受け部を受けることにより、熱膨張時に、前記シールブロックが、前記歯先隙間を縮小するように伸長することを助成する伸長助成部が設けられる、ギヤポンプ。
  2. 請求項1に記載のギヤポンプにおいて、前記被受け部が、前記シールブロックの前記円弧面に対する背面であり、
    前記シールブロック収容部が、前記シールブロックの前記被受け部として前記背面を受ける、前記伸長助成部としての背面受け部を含む、ギヤポンプ。
  3. 請求項2に記載のギヤポンプにおいて、前記円弧面が、対向するギヤの回転方向の上流側の上流側端と、前記回転方向の下流側の下流側端とを含み、
    前記シールブロックが、前記下流側端と前記背面とを接続する高圧側側面と、前記前記上流側端と前記背面とを接続する低圧側側面と、を含み、
    前記シールブロック収容部が、前記高圧側側面に対向する高圧側対向面と、前記低圧側側面に対向する低圧側対向面と、を含み、
    前記弾性シール部材が、前記高圧側側面と前記高圧側対向面との間に介在する、ギヤポンプ。
  4. 請求項3に記載のギヤポンプにおいて、前記低圧側対向面が、前記シールブロックの前記低圧側側面と当接することにより、前記シールブロックの前記円弧面を前記対向するギヤの歯先円と同心に位置決めする位置決め部として機能する、ギヤポンプ。
  5. 請求項1に記載のギヤポンプにおいて、前記シールブロックに、前記ギヤの軸方向と平行に延びる孔部が形成され、
    前記伸長助成部が、前記ハウジングに固定されて前記孔部に嵌合され、前記被受け部としての前記孔部の内面を受ける軸部材である、ギヤポンプ。
  6. 請求項5に記載のギヤポンプにおいて、前記シールブロックが、前記円弧面に対する背面を含み、
    前記シールブロック収容部が、前記シールブロックの前記背面と対向する背面対向部を含み、
    前記弾性シール部材が、前記シールブロックの前記背面と前記シールブロック収容部の前記背面対向部との間に介在する、ギヤポンプ。
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