JP2019196426A - 塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本開示の目的は、細菌類の中でも比較的抵抗性が強い、真菌類(カビ菌など)を長時間発生することを防ぐことができ、かつ、安全性が極めて高い防カビ抗菌性塗料組成物を提供することを目的とする。【解決手段】本開示に係る塗料組成物は、抗菌剤としてジヨードメチルパラトリルスルホンと、皮膜形成樹脂としてワックス分が0.1質量%以下の乾燥透明セラックと、溶媒と、を含有し、該溶媒の主成分がエチルアルコールであり、該溶媒の副成分がイソプロピルアルコール及びケトンである。【選択図】なし

Description

本開示は、防カビ抗菌性塗料組成物に関する。さらに詳しくは、住宅・病院・介護施設・公共施設などの建造物、食品工場などの工業用建造物の内外装用の塗装をはじめ、冷凍庫、空調装置、厨房、浴槽、トイレ、押入れ、タンス、手摺り、取っ手などの住宅設備の塗装、自動車空調装置のダクト内の塗装などにも使用することができる防カビ抗菌性塗料組成物に関する。また、本開示は、塗料組成物を基材に塗布し、塗布膜を乾燥させて得られた皮膜に関し、この皮膜は持続的に防カビ抗菌性を発揮する。
建材製品、家電製品、建造物、住宅設備など、人の手が触れやすい箇所、カビの繁殖がしやすい箇所などに、防カビ性又は抗菌性を付与することを目的として、各種抗菌剤・防カビ剤を含有した塗料組成物を塗布して、皮膜を形成することが行われている(例えば、特許文献1〜3を参照。)。
特開2001‐115095号公報 特開2017‐25170号公報 特開2017‐39905号公報
「抗菌剤の化学Part2」西野敦編著 冨岡敏一・荒川正澄著 1997年工業調査会
特許文献1は抗菌性及び防カビ性を有し、紫外線などによる変色がなく、毒性が低い塗料組成物を提供することを目的としている。特許文献2は汎用的な抗菌剤を利用した塗料組成物を提供することを目的としている。特許文献3は充分に高い抗菌性を有しつつ、低コストの塗料組成物を提供することを目的としている。
しかし、近年、防カビ抗菌性塗料組成物において、環境にやさしく、ハンドリングしやすく、さらにより安全性の高い塗料組成物が求められている。
そこで本開示の目的は、細菌類の中でも比較的抵抗性が強い、真菌類(カビ菌など)を長時間発生することを防ぐことができ、かつ、安全性が極めて高い防カビ抗菌性塗料組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、SIAA(抗菌製品技術協議会)に認定された抗菌剤と、皮膜形成樹脂として食品にも使用が認められている天然樹脂と、エチルアルコールを主成分とする溶媒と、を塗料組成物に含有させることで、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明に係る塗料組成物は、抗菌剤としてジヨードメチルパラトリルスルホンと、皮膜形成樹脂としてワックス分が0.1質量%以下の乾燥透明セラックと、溶媒と、を含有し、該溶媒の主成分がエチルアルコールであり、該溶媒の副成分がイソプロピルアルコール及びケトンであることを特徴とする。
本発明に係る塗料組成物では、前記塗料組成物が、pH調整剤として、アンモニア水をさらに含有し、かつ、前記塗料組成物のpHが7.4以上であることが好ましい。本発明の塗料組成物をアルカリ性にすると水溶性塗料組成物となる。さらに、保管安定性が向上し、例えば塗料をスプレー缶に充填して1年経過したものを基材にスプレーして塗布膜を形成し、その塗布膜を乾燥させて皮膜とするときに、乾燥途中の塗布膜にべとつき感が生じない。
本開示によれば、細菌類の中でも比較的抵抗性が強い、真菌類(カビ菌など)を長時間発生することを防ぐことができ、かつ、安全性が極めて高い防カビ抗菌性塗料組成物を提供することができる。
以降、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
本実施形態に係る塗料組成物は、抗菌剤としてジヨードメチルパラトリルスルホンと、皮膜形成樹脂としてワックス分が0.1質量%以下の乾燥透明セラックと、溶媒とを含有し、該溶媒の主成分がエチルアルコールであり、該溶媒の副成分がイソプロピルアルコール及びケトンである。
ジヨードメチルパラトリルスルホンは、(化1)で表される有機系抗菌剤である。例えば非特許文献1によれば、コウジカビやアオカビに対し0.8ppmなど多くの種類のカビに対し10ppm以下。細菌に対しては、黄色ブドウ球菌に対し6.2ppm、枯草菌に対し10ppmの他は、多くの種類の細菌に対し1000ppmであり、抗菌効果より防カビ効果の方が高いと記載されている。ジヨードメチルパラトリルスルホンは、例えば、商品名パシフィックビームモールド オブスティネイト・ジョイント(PBM−OJ)(株式会社エム・アイ・シー社製)の有効成分である。PBM−OJは、有機合成抗菌剤及び有機防カビ剤としてSIAA認定の登録を受けていて、SIAAの抗菌性及び防カビ性の性能基準と安全基準を満たしている。
Figure 2019196426
本実施形態に係る塗料組成物におけるジヨードメチルパラトリルスルホンの含有量は、0.10〜1.50質量%であることが好ましく、0.30〜1.00質量%であることがより好ましい。ジヨードメチルパラトリルスルホンの含有量が0.10質量%未満であると、充分な抗菌性及び防カビ性を発揮しないおそれがあり、1.50質量%を超えると配合量に対して抗菌性及び防カビ性が向上しないので経済性に劣る。
本実施形態に係る塗料組成物では、皮膜形成樹脂としてワックス分が0.1質量%以下の乾燥透明セラックを含有させる。セラックは黄色から褐色の天然物由来の樹脂であり、皮膜を形成すると茶褐色となる。セラックを漂白すると白色となるが(漂白セラック)、漂白セラックにはワックス分が5.5質量%以下含まれており、食品物への添加が食品衛生法により認められていない。そこで本実施形態では、漂白した上に着色成分等の不純物及びワックス分を除去したセラック、すなわちワックス分が0.1質量%以下の乾燥透明セラックを含有させる。この乾燥透明セラックは、食品物への添加が食品衛生法により認められており、安全性が極めて高いため、皮膜の安全性を高めることができる。本実施形態に係る塗料組成物においてワックス分が0.1質量%以下の乾燥透明セラックの含有量は、0.30〜5.00質量%であることが好ましく、0.50〜2.50質量%であることがより好ましい。ワックス分が0.1質量%以下の乾燥透明セラックの含有量が0.30質量%未満であると、塗布膜の厚さに対して乾燥した皮膜の厚さが薄くなりすぎる場合があり、5.00質量%を超えると塗料組成物の粘性が高くなりすぎるおそれがあり、また、溶解が困難になるおそれがある。
本実施形態に係る塗料組成物では、ジヨードメチルパラトリルスルホン及びワックス分が0.1質量%以下の乾燥透明セラックを溶解させるために、溶媒を含有させる。溶媒として、エチルアルコール、イソプロピルアルコール及びケトンを含有することが好ましい。ここで溶媒は、エチルアルコールを主成分とし、イソプロピルアルコール及びケトンを副成分とする。ここで主成分とは溶媒に占める含有量が50質量%以上であることをいい、副成分とは溶媒に占める含有量が50質量%未満であることをいう。
エチルアルコールは、主として、ワックス分が0.1質量%以下の乾燥透明セラックを溶解させるために配合する。本実施形態に係る塗料組成物においてエチルアルコールの含有量は、92.0〜98.0質量%であることが好ましく、94.0〜96.0質量%であることがより好ましい。エチルアルコールの含有量が92.0質量%未満であると、乾燥透明セラックの溶解が不十分になるおそれがあり、98.0質量%を超えると塗料組成物中の乾燥透明セラック及び抗菌剤の相対的な含有量が低下して1回の塗布による皮膜の厚さが不足する場合がある。
イソプロピルアルコールは、主として、ワックス分が0.1質量%以下の乾燥透明セラックを溶解させるための溶解助剤として配合する。本実施形態に係る塗料組成物においてイソプロピルアルコールの含有量は、0.8〜5.0質量%であることが好ましく、1.5〜3.5質量%であることがより好ましい。イソプロピルアルコールの含有量が0.8質量%未満であると、乾燥透明セラックの溶解が不十分になるおそれがあり、5.0質量%を超えると刺激性が強くなるおそれがある。
ケトンは、ジヨードメチルパラトリルスルホン及びワックス分が0.1質量%以下の乾燥透明セラックを溶解させるために配合する。本実施形態では、ケトンは、具体的には、アセトン及びメチルエチルケトンの少なくともいずれか一方であることが好ましく、アセトン及びメチルエチルケトンの両方であることがより好ましい。アセトン及びメチルエチルケトンを両方含有させることで、ジヨードメチルパラトリルスルホン及びワックス分が0.1質量%以下の乾燥透明セラックの両方をより溶解させやすくすることができる。
本実施形態に係る塗料組成物においてアセトンの含有量は、0.10〜1.50質量%であることが好ましく、0.30〜1.00質量%であることがより好ましい。アセトンの含有量が0.10質量%未満であると、ジヨードメチルパラトリルスルホン及びワックス分が0.1質量%以下の乾燥透明セラックの溶解が不十分になるおそれがあり、特にジヨードメチルパラトリルスルホンの溶解が不十分になるおそれがあり、1.00質量%を超えると刺激性が強くなるおそれがある。
本実施形態に係る塗料組成物においてメチルエチルケトンの含有量は、0.01〜0.20質量%であることが好ましく、0.03〜0.10質量%であることがより好ましい。メチルエチルケトンの含有量が0.01質量%未満であると、ジヨードメチルパラトリルスルホン及びワックス分が0.1質量%以下の乾燥透明セラックの溶解が不十分になるおそれがあり、特にジヨードメチルパラトリルスルホンの溶解が不十分になるおそれがあり、0.20質量%を超えると刺激性が強くなるおそれがある。
本実施形態に係る塗料組成物では、pH調整剤として、アンモニア水をさらに含有し、かつ、塗料組成物のpHが7.4以上であることが好ましい。本実施形態の塗料組成物をアルカリ性にすると水溶性塗料組成物となる。例えば、水で濡れている基材の表面に塗料組成物を吹き付けたときに、塗布膜が水滴の存在に影響を受けることなく基材に馴染み易く、良好な皮膜が得られる。また、塗料組成物の経時安定性を良好にすることができる。例えば、pHが7.4以上の塗料組成物をスプレー式の缶に充填して1年保管したのちに塗布膜を作ったとき、乾燥途中の塗布膜にベトツキがない。なお、皮膜が完全に乾燥した後には塗料組成物のpHに関係なくベトツキはない。また、アンモニアは、乾燥後に皮膜中に残留しないため、皮膜の安全性及び取り扱い性を良好とすることができる。アンモニアの含有量は、塗料組成物のpHが7.4以上となるように適宜配合されることが好ましく、例えば25%アンモニア水の含有量の換算で、0.05〜1.00質量%であることが好ましく、0.15〜0.50質量%であることがより好ましい。塗料組成物のpHの上限は14としても良いが、好ましくは10であり、より好ましくは9である。
本実施形態では、塗料組成物をスプレー缶に封入するときは、スプレー用ガスとしてジメチルエーテルを含有させても良い。このとき塗料組成物100質量部に対して、ジメチルエーテルを80質量部〜170質量部含有させることが好ましい。
本実施形態に係る塗料組成物では、必要に応じて、着色染料、着色顔料、白色顔料、黒色染料、黒色顔料などの着色剤を含有させても良い。
本実施形態に係る塗料組成物は、基材に対して、スプレー、はけ塗り又は浸漬によって、塗布され、塗布膜を乾燥させることによって、皮膜が得られる。乾燥方法は、例えば、自然乾燥、加熱乾燥、熱風乾燥である。このうち自然乾燥が好ましい。乾燥した皮膜は、溶媒が揮発し、ワックス分が0.1質量%以下の乾燥透明セラックの皮膜中に抗菌剤としてジヨードメチルパラトリルスルホンが均一に溶解している形態を有している。ワックス分が0.1質量%以下の乾燥透明セラック自体は、水に対して溶解せずに極めて安定しているため、皮膜に水がかかっても劣化することなく、保護膜となる。皮膜の厚さは、例えば、10μm〜1mmであることが好ましく、必要により、重ね塗りをして厚くすることができる。本実施形態に係る塗料組成物は薄黄色透明であり、pHが7.4以上に調整した塗料組成物も薄黄色透明であるが、乾燥した皮膜は白色を呈している。
基材は、皮膜を形成する対象物であれば特に制限はないが、例えば、住宅・病院・介護施設・公共施設などの建造物、食品工場などの工業用建造物の内外装の壁面、冷凍庫、空調装置、厨房、浴槽、トイレ、押入れ、タンス、手摺り、取っ手などの住宅設備の壁面、自動車空調装置のダクト内の壁面である。
抗菌性は、ISO 22196(JIS Z 2801:2012 抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果)によって規定された抗菌性試験方法を用いて、無加工品の24時間培養後菌数を抗菌加工品の24時間培養後菌数で除した数の対数値で算出される。抗菌活性値2.0以上(99%以上の死滅率)で抗菌効果があると規定されている。防カビ性は、JIS Z 2911に準拠したSIAAの試験方法の結果に基づいて判定される。ジヨードメチルパラトリルスルホンは、SIAAの抗菌性及び防カビ性の認定を受けている。
以下、実施例を示しながら本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定して解釈されない。
(実施例1)
抗菌剤としてジヨードメチルパラトリルスルホン(商品名パシフィックビームモールド オブスティネイト・ジョイント(PBM−OJ)、エム・アイ・シー社製)が0.47質量部、皮膜形成樹脂としてワックス分が0.1質量%以下の乾燥透明セラック(興洋化学社製)1.18質量部と、エチルアルコール95.43質量部と、イソプロピルアルコール2.31質量部と、アセトン0.56質量部と、メチルエチルケトン0.05質量部とを混合し、実施例1の塗料組成物を得た。塗料組成物のpHは6.4であった。塗料組成物は薄黄色透明であった。
(実施例2)
実施例1で得られた塗料組成物100質量部に対して、25%アンモニアを0.4質量部混合し、実施例2の塗料組成物を得た。塗料組成物のpHは7.4であった。塗料組成物は薄黄色透明であった。
(実施例3)
実施例1で得られた塗料組成物100質量部に対して、25%アンモニアを0.5質量部混合し、実施例3の塗料組成物を得た。塗料組成物のpHは7.8であった。塗料組成物は薄黄色透明であった。
(実施例4)
実施例1で得られた塗料組成物100質量部に対して、25%アンモニアを1.0質量部混合し、実施例4の塗料組成物を得た。塗料組成物のpHは8.8であった。塗料組成物は薄黄色透明であった。
(実施例5)
実施例1で得られた塗料組成物100質量部に対して、25%アンモニアを2.0質量部混合し、実施例5の塗料組成物を得た。塗料組成物のpHは9.2であった。塗料組成物は薄黄色透明であった。
(実施例6)
実施例1で得られた塗料組成物100質量部に対して、25%アンモニアを3.0質量部混合し、実施例6の塗料組成物を得た。塗料組成物のpHは9.4であった。塗料組成物は薄黄色透明であった。
(実施例7)
実施例1で得られた塗料組成物100質量部に対して、25%アンモニアを4.0質量部混合し、実施例7の塗料組成物を得た。塗料組成物のpHは9.6であった。塗料組成物は薄黄色透明であった。
(実施例8)
実施例1で得られた塗料組成物100質量部に対して、25%アンモニアを5.0質量部混合し、実施例8の塗料組成物を得た。塗料組成物のpHは10であった。塗料組成物は薄黄色透明であった。
(実施例9)
実施例1で得られた塗料組成物100質量部に対して、25%アンモニアを10.0質量部混合し、実施例9の塗料組成物を得た。塗料組成物のpHは12であった。塗料組成物は薄黄色透明であった。
(実施例10)
実施例1で得られた塗料組成物100質量部に対して、25%アンモニアを20.0質量部混合し、実施例10の塗料組成物を得た。塗料組成物のpHは14であった。塗料組成物は薄黄色透明であった。
(実施例11)
実施例1で得られた塗料組成物100質量部に対して、25%アンモニアを30.0質量部混合し、実施例11の塗料組成物を得た。塗料組成物のpHは14であった。塗料組成物は薄黄色透明であった。
(実施例12)
実施例1で得られた塗料組成物50質量部に対して、25%アンモニアを50.0質量部混合し、実施例12の塗料組成物を得た。塗料組成物のpHは14であった。塗料組成物は薄黄色透明であった。
(実施例13)
抗菌剤としてジヨードメチルパラトリルスルホン(商品名パシフィックビームモールド オブスティネイト・ジョイント(PBM−OJ)、エム・アイ・シー社製)が0.47質量部、皮膜形成樹脂としてワックス分が0.1質量%以下の乾燥透明セラック(興洋化学社製)1.18質量部と、エチルアルコール94.65質量部と、イソプロピルアルコール2.29質量部と、アセトン1.36質量部と、メチルエチルケトン0.05質量部とを混合し、実施例13の塗料組成物を得た。塗料組成物のpHは6.4であった。塗料組成物は薄黄色透明であった。
(実施例14)
抗菌剤としてジヨードメチルパラトリルスルホン(商品名パシフィックビームモールド オブスティネイト・ジョイント(PBM−OJ)、エム・アイ・シー社製)が0.47質量部、皮膜形成樹脂としてワックス分が0.1質量%以下の乾燥透明セラック(興洋化学社製)1.18質量部と、エチルアルコール95.68量部と、イソプロピルアルコール2.32質量部と、アセトン0.30質量部と、メチルエチルケトン0.05質量部とを混合し、実施例14の塗料組成物を得た。塗料組成物のpHは6.4であった。塗料組成物は薄黄色透明であった。
(比較例1)
抗菌剤としてジヨードメチルパラトリルスルホン(商品名パシフィックビームモールド オブスティネイト・ジョイント(PBM−OJ)、エム・アイ・シー社製)が0.47質量部、皮膜形成樹脂としてワックス分が0.1質量%以下の乾燥透明セラック(興洋化学社製)1.18質量部と、アセトン98.35質量部とを混合し、比較例1の塗料組成物を作製したが、未溶解物が残存し、霧吹きできなかった。
(比較例2)
抗菌剤としてジヨードメチルパラトリルスルホン(商品名パシフィックビームモールド オブスティネイト・ジョイント(PBM−OJ)、エム・アイ・シー社製)が0.47質量部、皮膜形成樹脂としてワックス分が0.1質量%以下の乾燥透明セラック(興洋化学社製)1.18質量部と、イソプロピルアルコール98.35質量部とを混合し、比較例2の塗料組成物を作製したが、未溶解物が残存し、霧吹きできなかった。
(比較例3)
抗菌剤としてジヨードメチルパラトリルスルホン(商品名パシフィックビームモールド オブスティネイト・ジョイント(PBM−OJ)、エム・アイ・シー社製)が0.47質量部、皮膜形成樹脂としてワックス分が0.1質量%以下の乾燥透明セラック(興洋化学社製)1.18質量部と、メチルエチルケトン98.35質量部とを混合し、比較例3の塗料組成物を作製したが、未溶解物が残存し、霧吹きできなかった。
(比較例4)
抗菌剤としてジヨードメチルパラトリルスルホン(商品名パシフィックビームモールド オブスティネイト・ジョイント(PBM−OJ)、エム・アイ・シー社製)が0.47質量部、皮膜形成樹脂としてワックス分が0.1質量%以下の乾燥透明セラック(興洋化学社製)1.18質量部と、エチルアルコール98.35質量部とを混合し、比較例4の塗料組成物を作製したが、未溶解物が残存し、霧吹きできなかった。
(比較例5)
抗菌剤を添加しなかった以外は実施例2と同様にして、比較例5の塗料組成物を作製した。
(pHの測定方法)
塗料組成物のpHは、pH試験紙(東洋濾紙株式会社製、ADVANTEC(登録商標))を用いて測定した。実施例11と12は、pH14と測定されたが、実施例10よりは実質的に塩基性が高いと推測される。
(皮膜の形成1)
実施例1〜実施例14の塗料組成物をスプレー缶にそれぞれ封入し、塗料組成物を基材に吹き付け、塗布膜を作製し、そのまま自然乾燥させて皮膜を得た。皮膜の厚さは200μmとなるように調整した。基材は、アクリル樹脂板(100mm×30mm×厚さ3mm)とした。なお、スプレー缶には、塗料組成物100質量部に対して、スプレーガスとして、ジメチルエーテルを100質量部混合して封入した。
(皮膜の形成2)
実施例1〜実施例14の塗料組成物をスプレー缶にそれぞれ封入したものであってそのまま1年保管したものを準備した。(皮膜の形成1)の場合と同様に皮膜を得た。
(皮膜の形成1)における実施例1〜実施例14の塗料組成物から得られた皮膜と、(皮膜の形成2)における実施例2〜実施例12の塗料組成物から得られた皮膜とは、いずれも白色であり、艶消しの外観を有していた。また、皮膜となる手前の乾燥途中の塗布膜は無色透明であり、塗膜表面には光沢が観察された。乾燥皮膜となる手前の乾燥途中の塗布膜は、触るとベトツキ感がなかった。一方、(皮膜の形成2)において、実施例1、実施例13及び実施例14の塗料組成物から得られた皮膜は、白色であり、艶消しの外観を有していた。また、皮膜となる手前の乾燥途中の塗布膜は、無色透明であり、塗膜表面には光沢が観察された。乾燥皮膜となる手前の乾燥途中の塗布膜は、触るとベトツキ感があった。ただし、そのまま完全に乾燥させた皮膜にはベトツキ感はなかった。このことから、pHが7.4以上に調整された実施例2〜実施例12の塗料組成物は、経時安定性に優れていることがわかった。ただし、乾燥皮膜になったのちは、(皮膜の形成1)における実施例1〜実施例14と、(皮膜の形成2)における実施例1〜実施例14において触感の差異はなかった。
(水溶性試験1)
(皮膜の形成1)の場合と同様にして、実施例1〜実施例14の塗料組成物が封入されたスプレー缶をそれぞれ準備した。スプレー缶を用いて、それぞれの塗料組成物を水に濡れた基材に吹き付け、塗布膜を作製し、そのまま自然乾燥させて乾燥皮膜を得た。皮膜の厚さは200μmとなるように調整した。基材は、(皮膜の形成1)で用いた基材と同様とした。実施例2〜12の塗料組成物を吹き付けた場合、基材が水に濡れていたとしても、塗布膜は均一に形成された。一方、実施例1、実施例13及び実施例14の塗料組成物を吹き付けた場合、塗料組成物は水に溶け込まず、分離が観察された。
(水溶性試験2)
(皮膜の形成1)の場合と同様にして、実施例1〜実施例14の塗料組成物が封入されたスプレー缶をそれぞれ準備した。スプレー缶を用いて、それぞれの塗料組成物を容器に入れた水に向けて吹き付けた。実施例2〜12の塗料組成物を吹き付けた場合、塗料組成物は水に溶け込んでいった。一方、実施例1、実施例13及び実施例14の塗料組成物を吹き付けた場合、塗料組成物は水に溶け込まず、分離が観察された。
水溶性試験1及び水溶性試験2の結果によれば、pHが7.4以上に調整された実施例2〜実施例12の塗料組成物は、水溶性を有しており、水滴が付着した基材にも安定して皮膜を形成できることがわかった。
(抗菌性・防カビ性試験)
(皮膜の形成1)の場合と同様にして、実施例1〜実施例14の塗料組成物の乾燥皮膜を形成した基板をそれぞれ準備した。また、比較例5の塗料組成物について、スプレー缶を同様にして作製し、塗料組成物の乾燥皮膜を形成した基板を準備した。これらの基板を住宅の浴槽近くの壁面に並べ、6ヶ月間放置し、カビの発生の比較を行った。比較例5の基板の皮膜上には、黒色のカビの発生が観察された。一方、実施例1〜実施例14の基板の皮膜上には、カビの発生は観察されなかった。
(皮膜の形成1)で準備した、実施例1〜実施例14の塗料組成物のスプレー缶を用いて、家庭用エアコンの吹き出し口近辺に、皮膜をそれぞれ形成した。また、比較例5の塗料組成物について、スプレー缶を同様にして作製し、家庭用エアコンの吹き出し口近辺に、皮膜を形成した。比較例5の皮膜上には、黒色のカビの発生が観察された。一方、実施例1〜実施例14の皮膜上には、カビの発生は観察されなかった。
(皮膜の形成1)で準備した、実施例1〜実施例14の塗料組成物のスプレー缶を用いて、自動車のエアコンの吹き出し口の中にスプレーし、皮膜を塗料組成物ごとに形成した。また、比較例5の塗料組成物について、スプレー缶を同様にして作製し、自動車のエアコンの吹き出し口の中にスプレーし、皮膜を形成した。実施例1〜実施例14の皮膜を形成した吹き出し口からは、タバコ臭が消えた。一方、比較例5では、タバコ臭は消えなかった。
(皮膜の形成1)で準備した、実施例1〜実施例14の塗料組成物のスプレー缶を用いて、食パンに皮膜をそれぞれ形成した。また、比較例5の塗料組成物について、スプレー缶を同様にして作製し、食パンに皮膜を形成した。比較例5の食パンには、黒色のカビの発生が観察された。一方、実施例1〜実施例14の食パンには、30日経過してもカビの発生は観察されなかった。

Claims (2)

  1. 抗菌剤としてジヨードメチルパラトリルスルホンと、
    皮膜形成樹脂としてワックス分が0.1質量%以下の乾燥透明セラックと、
    溶媒と、を含有し、該溶媒の主成分がエチルアルコールであり、該溶媒の副成分がイソプロピルアルコール及びケトンであることを特徴とする塗料組成物。
  2. 前記塗料組成物が、pH調整剤として、アンモニア水をさらに含有し、かつ、前記塗料組成物のpHが7.4以上であることを特徴とする請求項1に記載の塗料組成物。
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