JP2019196146A - 多方向移動型車輪およびそれを備えた移動車両 - Google Patents

多方向移動型車輪およびそれを備えた移動車両 Download PDF

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田中 宏典
Hironori Tanaka
宏典 田中
高 京介
Kyosuke Ko
京介 高
岡橋 義孝
Yoshitaka Okabashi
義孝 岡橋
菊池吉晃
Yoshiaki Kikuchi
吉晃 菊池
篤史 樋口
Atsushi Higuchi
篤史 樋口
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Abstract

【課題】重量およびコストが増加することなく強度を高めかつ振動を抑制することができる多方向移動型車輪を提供すること。【解決手段】車輪本体32aと、前記車輪本体の外周部に設けられた複数のコロベース32bと、前記複数のコロベース間に設けられた複数のコロシャフト32cと、前記複数のコロシャフトに回転可能に設けられた複数のコロ32aとを備え、前記コロベースは、前記車輪本体の前記外周部に固定されるベース部と、前記車輪本体の径方向外方へ突出するように前記ベース部に連設されたアーム部とを有し、前記アーム部の径方向外方に延びた先端部が、前記車輪本体の回転軸心を中心としかつ前記複数のコロの外周部に接する仮想円と一致する位置または前記仮想円の付近位置まで達していることを特徴とする多方向移動型車輪。【選択図】図3

Description

本発明は、多方向移動型車輪およびそれを備えた移動車両する。
コンテナ、電動台車およびロボット等に利用される車輪として、例えば特許文献1には、車輪本体と、車輪本体の外周部に設けられた複数の軸受アームと、複数の軸受アーム間に設けられた複数の回転軸と、複数の回転軸に回転可能に設けられた複数の回転体とを備えた回転体付き車輪(多方向移動型車輪)が提案されている。
また、特許文献2には、一対のオムニホイール(登録商標:株式会社冨士製作所)を同一回転軸にて連結し、かつ一対のオムニホイールの樽型ローラ同士を位相差をもって隣接させてなる特殊自在キャスタ輪(多方向移動型車輪)が提案されている。
特開2002−137602号公報 特開2013−1207号公報
多方向移動型車輪は外周部の複数のローラ間の隙間が大きいと振動が大きくなってしまうため、特許文献1の場合、ゴム製の各回転体の一端部を隣接する各他方の回転体の方へ延ばして隙間を小さくしている。しかしながら、回転体の延ばした一端部は構造上ゴムが薄肉になってしまうため強度に劣る。
また、特許文献2の場合、一対のオムニホイールの樽型ローラ同士を位相差をもって隣接させることにより多方向移動型車輪の回転時の振動を抑えるようにしているが、重量およびコストが増加する。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、重量およびコストが増加することなく強度を高めかつ振動を抑制することができる多方向移動型車輪を提供することを目的とする。
かくして、本発明によれば、車輪本体と、前記車輪本体の外周部に設けられた複数のコロベースと、前記複数のコロベース間に設けられた複数のコロシャフトと、前記複数のコロシャフトに回転可能に設けられた複数のコロとを備え、
前記コロベースは、前記車輪本体の前記外周部に固定されるベース部と、前記車輪本体の径方向外方へ突出するように前記ベース部に連設されたアーム部とを有し、前記アーム部の径方向外方に延びた先端部が、前記車輪本体の回転軸心を中心としかつ前記複数のコロの外周部に接する仮想円と一致する位置または前記仮想円の付近位置まで達している多方向移動型車輪が提供される。
本発明の多方向移動型車輪は、アーム部の径方向外方に延びた先端部が、車輪本体の回転軸心を中心としかつ複数のコロの外周部に接する仮想円と一致する位置または前記仮想円の付近位置まで達しているため、隣接するコロ間の隙間が小さくなる。この結果、重量およびコストが増加することなく強度を高めかつ振動を抑制することができる。また、隣接するコロ間に小石といった異物が入り込みにくくなるため、小石が入り込んでスパイクのように突出することによる振動および小石の詰まりによるコロの回転性低下を抑制することができる。
本発明の実施形態1の多方向移動型車輪を備えた移動車両の構成図である。 実施形態1の多方向移動型車輪の正面図である。 (A)は図2の多方向移動型車輪の横断面図であり、(B)は(A)のI-I矢視断面図である。 図3(A)の一部拡大断面図である。 図3(B)の一部拡大断面図である。 実施形態1のコロベースを示す斜視図である。 (A)は図6のコロベースの縦断面図であり、(B)は(A)のII-II矢視断面図である。 実施形態1のコロにおける芯材を示す斜視図である。 実施形態2のコロベースを示す斜視図である。 (A)は図9のコロベースの縦断面図であり、(B)は(A)のIII-III矢視断面図である。 実施形態2の図4対応図である。 実施形態3のコロベースを示す斜視図である。 (A)は図12のコロベースの縦断面図であり、(B)は(A)のIV-IV矢視断面図である。 実施形態3の図4対応図である。
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1の多方向移動型車輪を備えた移動車両の構成図である。
本発明における移動車両10は、車台本体11と、車台本体11の前後左右に設けられた4つの車輪と、4つの車輪のうち少なくとも前後一方側の左右一対の車輪を個別に回転駆動する2つの電動モータ41R、41Lと、2つの電動モータ41R、41Lに電力を供給するバッテリ40と、図示しない距離検出部および制御ユニットとを備える。なお、車台本体11上には、昇降機構によって昇降するカメラが設けられてもよい。
実施形態1の場合、図1に示すように、電動車台部10は矢印A方向に前進するため、矢印A側の左右の車輪が前輪21、31であり、残りの左右の車輪が後輪22、32であり、左右の前輪21、31が2つの電動モータ4RL、43Lにて個別に駆動制御される。なお、左右の後輪22、32には、後述する本発明の多方向移動型車輪が使用されている(図2参照)。
<車台本体について>
車台本体11には、前輪21、31および後輪22、32をそれぞれ回転支持する車軸21a、31aおよび車軸22a、32aが設けられている。前輪21、31の車軸21a、31aは同一の第1軸心P1上に配置されると共に、後輪22、32の車軸22a、32aは同一の第2軸心P2上に配置されている。
なお、各車軸21a、31a、22a、32aは、動力伝達部材によって結合されない場合は、独立して回転可能となっている。
右および左のそれぞれ一対の前輪21、31と後輪22、32は、動力伝達部材であるベルト23、33によって連動する。具体的には、右側の前輪21の車軸21aにはプーリ21bが設けられ、後輪22の車軸22aにはプーリ22bが設けられる。また、前輪21のプーリ21bと後輪22のプーリ22bとの間には、例えばプーリ21b、22bの外周面に設けられた複数の溝と歯合する突起を内面側に設けたベルト23が巻架されている。同様に、左側の前輪31の車軸31aにはプーリ31bが設けられると共に、後輪32の車軸32aにはプーリ32bが設けられており、前輪31のプーリ31bと後輪32のプーリ32bとの間には、ベルト23と同様の構造を持つベルト33が巻架されている。
したがって、右と左の前輪と後輪(21と22、31と32)は、ベルト(23、33)によって連結駆動されるので、一方の車輪を駆動すればよい。実施形態1では、前輪21、31を駆動する場合を例示している。一方の車輪を駆動輪とした場合に、他方の車輪は、動力伝達部材であるベルトによってスリップすることなく駆動される従動輪として機能する。
前輪と後輪とを連結駆動する動力伝達部材としては、プーリとこのプーリの外周面の複数の溝に歯合する突起を設けたベルトを用いるほか、例えば、スプロケットとこのスプロケットに歯合するチェーンを用いてもよい。さらに、スリップが許容できる場合は、摩擦の大きなプーリとベルトを動力伝達部材として用いてもよい。ただし、駆動輪と従動輪の回転数が同じとなるように動力伝達部材を構成する。
図1では、前輪(21、31)が駆動輪に相当し、後輪(22、32)が従動輪に相当する。
車台本体11の前輪側には、右側の前後輪21、22を駆動するための電動モータ41Rと、左側の前後輪31、32を駆動するための電動モータ41Lの2つのモータが設けられている。右側の電動モータ41Rのモータ軸42Rと右側の前輪21の車軸21aとの間には、動力伝達機構としてギアボックス43Rが設けられている。同様に、左側の電動モータ41Lのモータ軸42Lと左側の前輪31の車軸31aとの間には、動力伝達機構としてギアボックス43Lが設けられている。ここでは、2つの電動モータ41R、41Lは車台本体11の進行方向(矢印A方向)の中心線CLに対して左右対称となるように並列配置されており、ギアボックス43R、43Lもそれぞれ電動モータ41R、41Lの左右外側に配設されている。
ギアボックス43R、43Lは、複数の歯車や軸などから構成され、電動モータからの動力をトルクや回転数、回転方向を変えて出力軸である車軸に伝達する組立部品であり、動力の伝達と遮断を切替えるクラッチを含んでいてもよい。なお、一対の後輪22、32はそれぞれ軸受44R、44Lによって軸支されており、軸受44R、44Lはそれぞれ車台本体11の右側面12R、左側面12Lに近接させて配設されている。
以上の構成により、進行方向右側の前後輪21、22と、左側の前後輪31、32とは、独立して駆動することが可能となる。すなわち、右側の電動モータ41Rの動力はモータ軸42Rを介してギアボックス43Rに伝わり、ギアボックス43Rによって回転数、トルクあるいは回転方向が変更されて車軸21aに伝達される。そして、車軸21aの回転によって前輪21が回転するとともに、車軸21aの回転は、プーリ21b、ベルト23、および、プーリ22bを介して後軸22bに伝わり、後輪22を回転させることになる。左側の電動モータ41Lからの前輪31および後輪32への動力の伝達については上記した右側の動作と同様である。
右と左の電動モータ41R、41Lの回転数が同じである場合、各ギアボックス43R、43Lのギア比(減速比)を同じにすれば、移動車両10は前進あるいは後進を行うことになる。移動車両10の速度を変更する場合は、各ギアボックス43R、43Lのギア比を同じ値に維持しつつ変化させればよい。
また、進行方向を変える場合は、各ギアボックス43R、43Lのギア比を変更して、右側の前輪21および後輪22の回転数と左側の前輪31および後輪32の回転数とに、回転差を持たせればよい。さらに、各ギアボックス43R、43Lからの出力の回転方向を変えることにより、右と左の車輪の回転方向を反対にかつ回転速度を同じにすることで、一対の前輪21、31および一対の後輪22、32の4つの接地中心点G21、G31、G22、G32で囲まれた矩形エリアの中心点CPを中心とした超信地旋回が可能になる。なお、実施形態1の場合、車台本体11の中央部が前記中心点CPとほぼ一致するように設定される。
移動車両10を超信地旋回させる場合は、前後の車輪の角度を可変にするステアリング機構が設けられていないため、前後の車輪の間隔(ホイールベース)が大きいほど、車輪にかかる抵抗が大きくなり、旋回のために大きな駆動トルクが必要となる。しかし、各ギアボックス43R、43L内のギア比は可変にしているので、旋回時の車輪の回転数を下げるだけで車輪に大きなトルクを与えることができる。
前輪21、31は、車輪本体と、車輪本体の外周部に取り付けられて空気を充填されたタイヤとを有してなる。
駆動輪である左右の前輪21、31が空気を充填されたタイヤを備えるものであることにより、移動車両10の凹凸路面の走行時において、左右の前輪21、31のタイヤによって振動を吸収することができる。
<後輪について>
図2は実施形態1の多方向移動型車輪の正面図である。図3(A)は図2の多方向移動型車輪の横断面図であり、(B)は(A)のI-I矢視断面図である。図4は図3(A)の一部拡大断面図であり、図5は図3(B)の一部拡大断面図である。図6は実施形態1のコロベースを示す斜視図である。図7(A)は図6のコロベースの縦断面図であり、(B)は(A)のII-II矢視断面図である。図8は実施形態1のコロにおける芯材を示す斜視図である。なお、図2〜図5では、図1で示した移動車両10の左側の後輪32を示している。
以下、左側の後輪32について説明するが、右側の後輪22は左側の後輪32と同一の構成を有するものであるため説明を省略する。
図2〜図7(A)、(B)に示すように、後輪32は、車輪本体32aと、車輪本体32aの外周部に設けられた複数のコロベース32bと、複数のコロベース32b間に設けられた複数のコロシャフト32cと、複数のコロシャフト32cに回転可能に設けられた複数のコロ32dとを備えた多方向移動型車輪である。
図2〜図5に示すように、車輪本体32aは、車台本体11の車軸32a(図1)の先端部を通す中心孔32a11および車軸先端部に設けられたフランジ部(不図示)とボルト・ナット結合するための複数のボルト挿通孔32a12を有する円板部32a1と、円板部32a1の外周部に沿ってかつ円板部32a1の両面側に同一寸法で突出するように設けられたフランジ部32a2とを有する。
車輪本体32aにおいて、フランジ部32a2は、外周面側に設けられた凹周溝32a21と、凹溝32a21における両側壁に周方向等間隔で設けられたボルト挿通孔32a22とを有する。
図3〜図7(A)、(B)に示すように、コロベース32bは、車輪本体32aの外周部の凹周溝32a21内に固定されるベース部32b1と、車輪本体32aの径方向外方へ突出するようにベース部32b1の一端部から屈曲したアーム部32b2とを有し、側面視略L形に形成されている。
コロベース32bにおいて、ベース部32b1は、側面視略円弧形の板状部分であり、そのアーム部32b2側の端部には、厚みと直交する方向に貫通するボルト挿通孔32b11および厚み方向の深さを有する切欠き部32b12が設けられている。
コロベース32bにおいて、アーム部32b2は、比較的厚みの厚いベース部32b1側の基端部32b21と、基端部32b21に連設された比較的厚みの薄い中間部32b22および先端部32b23とを有する板状部分である。
また、実施形態1の場合、アーム部32b2の先端部32b23の厚みはほぼ一定となっている。
また、アーム部32b2において、基端部32b21はベース部32b1の切欠き部32b12とは反対側に屈曲し、中間部32b22および先端部32b23は基端部32b21とは反対側に屈曲し、中間部32b22および先端部32b23にはコロシャフト32cの端部を挿入するための厚み方向に貫通する大小の挿入孔32b221、32b231が設けられている。
なお、コロベース32bのベース部32b1およびアーム部32b2を含む長さL1は所定寸法に設定されており、これについて詳しくは後述する。
図4に示すように、コロシャフト32cは、同一径円柱形の胴部32c1と、胴部の一端側の小径端部32c2と、胴部の他端側の大径端部32c3と、胴部32c1と大径端部32c3との間のフランジ部32c4とを有する。
図4と図8に示すように、コロ32dは、芯材32d1と弾性体層32d2とによって構成されている。
コロ32dは、例えば、芯材32d1を内部に入れ込んだ型内に弾性体材料を流し込んで固化させ、芯材32d1の周囲に弾性体層32d2を形成するインサート成形によって得ることができる。
芯材32d1の材料としては、硬質なものであれば特に限定されるものではないが、例えば、鉄やアルミニウム等の金属、硬質の樹脂等を好適に用いることができる。なお、実施形態1ではアルミニウムが使用されている。
弾性体層32d2の材料としては、ゴム、弾性樹脂等のクッション性を有する弾性体材料を好適に用いることができる。なお、実施形態1ではゴムが使用されている。
芯材32d1は、貫通孔32d111を有する円筒形の軸部32d11と、軸部32d11の周囲に設けられた複数のリブ32d12と、軸部32d11の一端側の周囲にかつ複数のリブ32d12を連結するように設けられたフランジ部32d13とを有する。
複数のリブ32d12は、軸部32d11の外周面から放射状に突出するようにかつ軸心方向に沿って延びて形成されており、フランジ部32d13側へ向かって径方向外方へ広がっている。
弾性体層32d2は、フランジ部32d13の外周面を覆うように、かつ軸部32d11の他端側から一端側(フランジ部32d13側)へ向かって拡径する円錐台形状に形成されている。なお、弾性体層32d2の一端側にはフランジ部32d13の外面が露出した凹部32d21が形成されている。
このように構成されたコロ32dによれば、芯材32d1と弾性体層32d2との間での回転力の伝達および周方向のずれ防止がリブ32d12において行われると共に、芯材32d1と弾性体層32d2との軸方向のずれ防止がフランジ部32d13において行われる。
<多方向移動型車輪の組み立て構造について>
車輪本体32aの凹周溝32a21内にコロベース32bのベース部32b1が配置され、凹周溝32a21とベース部32b1の各ボルト挿通孔32a22、32b11にボルト32bvを挿入しナット32bnにて締め付けることにより、コロベース32bが車輪本体32aに固定される。
複数のコロベース32bが同じ向きで車輪本体32aに固定される際、一つのコロベース32bのベース部32b1の切欠き部32b12に、隣接する他のコロベース32bのベース部32b1の端部が嵌り込む。
コロ32dは、コロシャフト32cを介して隣接する2つのコロベース32b間に取り付けられる。この際、コロ32dの貫通孔32d111内にコロシャフト32cが挿入され、コロシャフト32cの大径端部32c3と小径端部32c2が隣接する2つのコロベース32bの大小の挿入孔32b221、32b231内に挿入されることにより、コロシャフト32cが隣接する2つのコロベース32b間に取り付けられる。
なお、コロ32dの貫通孔32d111の両端側の開口端部それぞれにフランジを有する円筒形の滑り軸受32eが挿入されていてもよく、これによりコロ32dがコロシャフト32cに対して摺動回転しやすくなる。
さらに、コロシャフト32cの小径端部32c2側における滑り軸受32eとコロベース32bとの間にポリスライダーワッシャ32fおよびウレタン等の弾性ワッシャ32gを介装してもよく、コロシャフト32cの大径端部32c3側における滑り軸受32eとフランジ部32c4との間にポリスライダーワッシャ32fおよび弾性ワッシャ32gを介装してもよく、フランジ部32c4とコロベース32bとの間に弾性ワッシャ32gおよびポリスライダーワッシャ32fを介装してもよい。ポリスライダーワッシャ32fを設けることにより、コロベース32bとコロシャフト32cとコロ32dとの部材間での摺動性確保と部材間でのがたつきにより生じる異音の抑制を行うことができる。
このようにして車輪本体32aに複数のコロベース32b、コロシャフト32cおよびコロ32dが組み立てられた後輪32としての多方向移動型車輪は、図4に示すように、複数のコロベース32bのアーム部32b2の径方向外方に延びた先端部32b23が、車輪本体32aの回転軸心P(図3(A))を中心としかつ複数のコロ32dの外周部に接する仮想円Cの付近まで達している。
すなわち、複数のコロベース32bのアーム部32b2の先端部32b23が、前記仮想円Cよりも所定寸法D1だけ径方向内方へ埋没した状態となるように、コロベース32bの長さL1(図7(A))が設定されている。この所定寸法D1としては、後輪32の直径、コロ32dのサイズ、コロ32dの弾性体層32d2のクッション性および耐摩耗性等にもよるが、例えば、0.5〜2mm程度とすることができる。
このようにコロベース32bの長さL1を設定することにより、隣接する2つのコロ32d間の隙間をコロベース32bのアーム部32b2の先端部32b23によって小さくすることができるため、多方向移動型車輪(後輪32)が走行面上を走行する際の振動を小さく抑えることができる。また、コロ32d間の隙間に小石等の異物が挟まり、異物がコロ32dよりも径方向外方へ突出することによる走行時の振動が大きくなること、およびコロ32d間の隙間に異物が詰まることによりコロ32dの回転が妨げられることを抑制することができる。
さらに、コロベース32bのアーム部32b2の先端部32b23が、前記仮想円Cよりも所定寸法D1だけ径方向内方へ埋没した状態となっているため、コロ32dの弾性体層32d2が軽度に摩耗しても、それによってコロベース32bの金属製の先端部32b23が走行面に当たって振動が生じるといった不具合を回避することができる。なお、実施形態1の場合、コロ32dの弾性体層32d2がある程度摩耗し、それによってコロベース32bの金属製の先端部32b23が走行面に当たって振動が生じるようになれば、コロ32が寿命を迎えたため交換する必要がある。
(実施形態2)
図9は実施形態2のコロベースを示す斜視図である。図10(A)は図9のコロベースの縦断面図であり、(B)は(A)のIII-III矢視断面図である。図11は実施形態2の図4対応図である。なお、図9〜図11において、図4、図6および図7(A)、(B)中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
図9〜図11に示すように、実施形態2の後輪132としての多方向移動型車輪は、コロベース132bの構成が実施形態1におけるコロベース23bとは異なる以外は、実施形態1と同様に構成されている。
実施形態2におけるコロベース132bは、実施形態1におけるコロベース32bと基本構造は同じであるが、そのアーム部132b2の先端部132b23は、回転軸心P(図3(A))の方向から視て、径方向外方へ向かって広がった形状を有していることが実施形態1とは異なる点である。
コロベース132bをこのように構成することにより、アーム部132b2の先端部132b23によって隣接する2つのコロ32d間の隙間をより小さくすることができるため、多方向移動型車輪(後輪132)が走行面上を走行する際の振動をより小さく抑えることができる。また、コロ32d間の隙間に小石等の異物が挟まり、異物がコロ32dよりも径方向外方へ突出することによる走行時の振動が大きくなること、およびコロ32d間の隙間に異物が詰まることによりコロ32dの回転が妨げられることをより効果的に抑制することができる。
なお、実施形態2におけるコロベース132bの長さL1は、実施形態1と同様に、コロベース32bのアーム部32b2の先端部32b23が、前記仮想円Cよりも所定寸法D1だけ径方向内方へ埋没した状態となる長さに設定されているため、コロ32dの弾性体層32d2が軽度に摩耗し、それによってコロベース132bの金属製の先端部132b23が走行面に当たって振動が生じるといった不具合も回避することができる。なお、実施形態2の場合も、コロ32dの弾性体層32d2がある程度摩耗し、それによってコロベース132bの金属製の先端部132b23が走行面に当たって振動が生じるようになれば、コロ32が寿命を迎えたため交換する必要がある。
(実施形態3)
図12は実施形態3のコロベースを示す斜視図である。図13(A)は図12のコロベースの縦断面図であり、(B)は(A)のIV-IV矢視断面図である。図14は実施形態3の図4対応図である。なお、図12〜図14において、図4、図6および図7(A)、(B)中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
図12〜図14に示すように、実施形態3の後輪232としての多方向移動型車輪は、コロベース232bの構成が実施形態1におけるコロベース23bとは異なる以外は、実施形態1と同様に構成されている。
実施形態3におけるコロベース232bは、実施形態1におけるコロベース32bと基本構造は同じであるが、そのアーム部232b2の先端部232b23は、(a)回転軸心P(図3(A))の方向から視て径方向外方へ向かって広がった形状を有する点、(b)先端部232b23が弾性体材料からなる点、および(c)車輪本体32aの回転軸心P(図3(A))を中心としかつ複数のコロ32dの外周部に接する仮想円Cと一致する位置まで達する長さL2を有している点が実施形態1とは異なる。
実施形態3の場合、コロベース232bにおいて、ベース部32b1、アーム部232b2の基端部32b21および中間部32b22を構成する中間部品232bxは金属(この場合アルミニウム)にて一体成形されている。
また、この中間部品232bxの中間部32b22における先端部232b23側の端部には、先端部232b23との接合のための複数(この場合3つ)の小突片232b221が幅方向に一列で配置されている。
コロベース232bの先端部232b23は、コロ32dの弾性体層32d2と同じ弾性体材料(この場合ゴム)からなり、複数の小突片232b221を覆うように中間部品232bxの中間部32b22の端部に接合一体化されている。
金属からなる中間部品232bxの中間部32b22と弾性体材料からなる先端部232b23との接合は、例えば、中間部品232bxを内部に入れ込んだ型内に弾性体材料を流し込んで固化させ、中間部品232bxの中間部32b22の端部に先端部232b23を形成するインサート成形によって行うことができる。
実施形態3のコロベース232bによれば、前記構成(a)〜(c)を備えることにより、アーム部232b2の先端部232b23によって隣接する2つのコロ32d間の隙間をより一層小さくすることができるため、多方向移動型車輪(後輪232)が走行面上を走行する際の振動をより一層小さく抑えることができる。また、コロ32d間の隙間に小石等の異物が挟まり、異物がコロ32dよりも径方向外方へ突出することによる走行時の振動が大きくなること、およびコロ32d間の隙間に異物が詰まることによりコロ32dの回転が妨げられることをより一層効果的に抑制することができる。
さらに、コロ32dの弾性体層32d2とアーム部232b2の弾性体材料からなる先端部232b23とが同様に摩耗するため、コロ32d間の隙間が広がりにくくなり、寿命となったコロ32dを交換するまで前記効果を持続させることができる。なお、実施形態3の場合、弾性体層32d2の摩耗によるコロ32dの交換と同時に、先端部232b23の摩耗によるコロベース232bの交換を行うことが好ましい。
(他の実施形態)
1.実施形態1〜3では円錐台形のコロを有する多方向移動型車輪を例示したが、コロの形状は円錐台形に限定されるものではなく、本発明の多方向移動型車輪は同一径の円筒形、樽形等のコロにも適用可能である。
2.実施形態3ではコロベース232bのアーム部232b2における中間部232b22の端部に複数の小突片232b221を設けた場合を例示したが、これらの小突片232b221を少し大きくしてそれらに貫通孔を形成してもよい。このようにすれば、アーム部232b2における金属製の中間部232b22と弾性材料からなる先端部232b23との接合がより強固となる。
(まとめ)
本発明の多方向移動型車輪は、車輪本体と、前記車輪本体の外周部に設けられた複数のコロベースと、前記複数のコロベース間に設けられた複数のコロシャフトと、前記複数のコロシャフトに回転可能に設けられた複数のコロとを備え、
前記コロベースは、前記車輪本体の前記外周部に固定されるベース部と、前記車輪本体の径方向外方へ突出するように前記ベース部に連設されたアーム部とを有し、前記アーム部の径方向外方に延びた先端部が、前記車輪本体の回転軸心を中心としかつ前記複数のコロの外周部に接する仮想円と一致する位置または前記仮想円の付近位置まで達している。
本発明の多方向移動型車輪は、次のように構成されてもよく、それらが適宜組み合わされてもよい。
(1)前記アーム部の前記先端部は、前記回転軸心の方向から視て、径方向外方へ向かって広がった形状を有していてもよい。
この構成によれば、アーム部の先端部によってコロ間の隙間をより小さくすることができる。
(2)前記コロは、弾性体層を外周部に有し、
前記アーム部は、全体が金属からなり、かつ前記先端部が前記仮想円の付近位置まで達していてもよい。
この構成によれば、アーム部全体が金属製の場合、先端部が前記仮想円の付近位置まで達していること(前記仮想円まで達していないこと)により、コロの弾性体層が摩耗しても走行面にアーム部の先端部が当たることはないため、アーム部の先端部が走行面に当たることにより生じる振動を回避することができる。
(3)前記コロは、弾性体層を外周部に有し、
前記アーム部は、前記先端部を除く部分が金属からなり、かつ前記先端部が弾性体材料からなるのもよい。
この構成によれば、コロの外周部とアーム部の先端部とを弾性体材料にて形成することにより、コロの外周部である弾性体層とアーム部の先端部とを同様に摩耗させることができる。そのため、前記先端部が前記仮想円と一致する位置まで達していることにより、コロ間の隙間をより小さくすることができると共に、前記(2)のようなコロの外周部の摩耗によってアーム部の金属製の先端部が走行面に当たって振動が発生するということがない。また、超信地旋回によるアーム部の先端部の過度なすり減りを生じることもない。
なお、開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
10 移動車両
11 車台本体
32、132、232 後輪(多方向移動型車輪)
32a 車輪本体
32b、132b、232b コロベース
32b1 ベース部
32b2、232b2 アーム部
32b23、232b23 先端部
32c コロシャフト
32d コロ
32d2 弾性体層
C 仮想円
P 回転軸心

Claims (6)

  1. 車輪本体と、前記車輪本体の外周部に設けられた複数のコロベースと、前記複数のコロベース間に設けられた複数のコロシャフトと、前記複数のコロシャフトに回転可能に設けられた複数のコロとを備え、
    前記コロベースは、前記車輪本体の前記外周部に固定されるベース部と、前記車輪本体の径方向外方へ突出するように前記ベース部に連設されたアーム部とを有し、前記アーム部の径方向外方に延びた先端部が、前記車輪本体の回転軸心を中心としかつ前記複数のコロの外周部に接する仮想円と一致する位置または前記仮想円の付近位置まで達していることを特徴とする多方向移動型車輪。
  2. 前記アーム部の前記先端部は、前記回転軸心の方向から視て、径方向外方へ向かって広がった形状を有している請求項1に記載の車輪。
  3. 前記コロは、弾性体層を外周部に有し、
    前記アーム部は、全体が金属からなり、かつ前記先端部が前記仮想円の付近位置まで達している請求項1または2に記載の車輪。
  4. 前記コロは、弾性体層を外周部に有し、
    前記アーム部は、前記先端部を除く部分が金属からなり、かつ前記先端部が弾性体材料からなる請求項1または2に記載の車輪。
  5. 前記先端部が前記仮想円と一致する位置まで達している請求項4に記載の車輪。
  6. 車台本体と、前記車台本体に回転可能に設けられた請求項1〜5のいずれか1つに記載の多方向移動型車輪とを備えた移動車両。
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