JP2019194997A - 固体電解質スラリー、固体電解質シートの製造方法、固体電解質スラリーの封入体、電極スラリー、電極シートの製造方法、電極スラリーの封入体および全固体型リチウムイオン電池の製造方法 - Google Patents

固体電解質スラリー、固体電解質シートの製造方法、固体電解質スラリーの封入体、電極スラリー、電極シートの製造方法、電極スラリーの封入体および全固体型リチウムイオン電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大面積化および薄膜化が可能で、かつ、イオン伝導性に優れた固体電解質シートおよび電極シートを提供すること。【解決手段】本発明の固体電解質スラリーは、無機固体電解質材料(A)と、無機固体電解質材料(A)を分散し、かつ、無機固体電解質材料(A)に対して不活性な液体(B)と、を含む。そして、当該固体電解質スラリー中のバインダー樹脂(D)の含有量が、当該固体電解質スラリーの固形分を100質量%としたとき、0.5質量%未満である。また、本発明の電極スラリーは、無機固体電解質材料(A)と、無機固体電解質材料(A)を分散し、かつ、無機固体電解質材料(A)に対して不活性な液体(B)と、正極活物質および負極活物質から選択される電極活物質(C)と、を含む。そして、当該電極スラリー中のバインダー樹脂(D)の含有量が、当該電極スラリーの固形分を100質量%としたとき、0.5質量%未満である。【選択図】なし

Description

本発明は、固体電解質スラリー、固体電解質シートの製造方法、固体電解質スラリーの封入体、電極スラリー、電極シートの製造方法、電極スラリーの封入体および全固体型リチウムイオン電池の製造方法に関する。
リチウムイオン電池は、一般的に、携帯電話やノートパソコン等の小型携帯機器の電源として使用されている。また、最近では小型携帯機器以外に、電気自動車や電力貯蔵等の電源としてもリチウムイオン電池は使用され始めている。
現在市販されているリチウムイオン電池には、可燃性の有機溶媒を含む電解液が使用されている。一方、電解液を固体電解質に変えて、電池を全固体化したリチウムイオン電池(以下、全固体型リチウムイオン電池とも呼ぶ。)は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性に優れると考えられている。
このような全固体型リチウムイオン電池には、固体電解質層として、無機固体電解質材料を主に含む固体電解質シートが使用されている。以下の特許文献1および2には、こうした固体電解質シートの例が記載されている。
特許文献1(特開平4−133209号)には、リチウムイオン伝導性固体電解質と、熱可塑性高分子樹脂との混合物を含むことを特徴とする固体電解質シートが記載されている。
特許文献2(特開2008−124011号)には、ガラス状のリチウムイオン伝導性固体電解質を、シート状に成形後熱処理する、またはシート状に成形すると共に熱処理する結晶性の固体電解質シートの製造方法が記載されている。
全固体型リチウムイオン電池には、電極層として、電極活物質および固体電解質材料を主に含む電極シートが使用されている。以下の特許文献3および4には、こうした電極シートの例が記載されている。
特許文献3(特開2010−40218号)には、三次元網目構造を有する多孔質金属シートと、この多孔質金属シートの空孔部に挿入された無機固体電解質を有することを特徴とする電極シートが記載されている。
特許文献4(特開2008−103258号)には、電極材および複数の開口を有する支持体を含み、上記電極材が、上記支持体の開口において、厚さ方向に連続貫通構造を有し、上記支持体がガラスからなり、上記支持体の開口率が40〜90%である電極シートが記載されている。
特開平4−133209号公報 特開2008−124011号公報 特開2010−40218号公報 特開2008−103258号公報
しかし、熱可塑性高分子樹脂等のバインダー樹脂はイオン伝導性がほとんどないため、バインダー樹脂が無機固体電解質材料間に存在すると、無機固体電解質材料間のイオン伝導が阻害されてしまう。そのため、特許文献1に記載されているような固体電解質シートは、リチウムイオン伝導性が低く、全固体型リチウムイオン電池用の固体電解質シートとしてまだまだ満足できるものではなかった。
また、特許文献2に記載されているような固体電解質シートは、薄膜化すると無機固体電解質材料が欠落したり、固体電解質シートの表面にひび割れが発生したりするため、薄膜化が難しく、実用的ではなかった。
また、本発明者らの検討によれば、特許文献3および4に記載されているような電極シートを薄膜化すると、電極材料が欠落したり、電極シートの表面がひび割れしたりすることが明らかになった。
一方、電極材料の欠落や表面のひび割れを防止するために電極材料にバインダー樹脂を含有させると、得られる電極シートのリチウムイオン伝導性が大きく低下してしまうことが明らかになった。
本発明者らは、大面積化および薄膜化が可能で、かつ、イオン伝導性に優れた固体電解質シートおよび電極シートを提供するため鋭意検討した。その結果、無機固体電解質材料を上記無機固体電解質材料に対して不活性な液体に分散させたスラリーを用いることにより、固体電解質シートおよび電極シートの大面積化および薄膜化が可能となることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明によれば、
無機固体電解質材料(A)と、
上記無機固体電解質材料(A)を分散し、かつ、上記無機固体電解質材料(A)に対して不活性な液体(B)と、
を含む固体電解質スラリーであって、
当該固体電解質スラリー中のバインダー樹脂(D)の含有量が、当該固体電解質スラリーの固形分を100質量%としたとき、0.5質量%未満である固体電解質スラリーが提供される。
さらに、本発明によれば、
上記固体電解質スラリーを基材に塗工する工程と、
上記基材に塗工された上記固体電解質スラリーを乾燥し、上記液体(B)を除去することにより上記基材上に固体電解質層を形成する工程と、
を含む固体電解質シートの製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、
上記固体電解質スラリーと、
上記固体電解質スラリーを封入する容器と、
上記容器の内容積に対して上記固体電解質スラリーの占める容積を除いた空隙部に充填された不活性ガスと、
を含む固体電解質スラリーの封入体が提供される。
さらに、本発明によれば、
無機固体電解質材料(A)と、
上記無機固体電解質材料(A)を分散し、かつ、上記無機固体電解質材料(A)に対して不活性な液体(B)と、
正極活物質および負極活物質から選択される電極活物質(C)と、
を含む電極スラリーであって、
当該電極スラリー中のバインダー樹脂(D)の含有量が、当該電極スラリーの固形分を100質量%としたとき、0.5質量%未満である電極スラリーが提供される。
さらに、本発明によれば、
上記電極スラリーを基材に塗工する工程と、
上記基材に塗工された上記電極スラリーを乾燥し、上記液体(B)を除去することにより上記基材上に電極層を形成する工程と、
を含む電極シートの製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、
上記電極スラリーと、
上記電極スラリーを封入する容器と、
上記容器の内容積に対して上記電極スラリーの占める容積を除いた空隙部に充填された不活性ガスと、
を含む電極スラリーの封入体が提供される。
さらに、本発明によれば、
正極層と、固体電解質層と、負極層とがこの順番に積層された全固体型リチウムイオン電池を製造するための製造方法であって、
上記固体電解質スラリーを上記正極層および上記負極層から選択される第一の電極層上に塗工する工程と、
上記第一の電極層に塗工された上記固体電解質スラリーを乾燥し、上記液体(B)を除去することにより上記第一の電極層上に上記固体電解質層を形成する工程と、
上記固体電解質層の上記第一の電極層と接する面とは反対側の面上に、上記第一の電極層の対極である第二の電極層を形成することにより、上記正極層と、上記固体電解質層と、上記負極層とがこの順番に積層された積層体を得る工程と、
を含む全固体型リチウムイオン電池の製造方法が提供される。
本発明によれば、大面積化および薄膜化が可能で、かつ、イオン伝導性に優れた固体電解質シートおよび電極シートを実現できる。
本実施形態の全固体型リチウムイオン電池の構造の一例を模式的に示した断面図である。 本実施形態の全固体型リチウムイオン電池の製造方法の一例を模式的に示した断面図である。 本実施形態の全固体型リチウムイオン電池の製造方法の一例を模式的に示した断面図である。 本実施形態の全固体型リチウムイオン電池の製造方法の一例を模式的に示した断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には共通の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは必ずしも一致していない。なお、数値範囲の「A〜B」は特に断りがなければ、「A以上B以下」を表す。
はじめに、本実施形態に係る固体電解質スラリー、この固体電解質スラリーを用いた固体電解質シートの製造方法、および固体電解質スラリーの封入体について詳細に説明する。
[固体電解質スラリー]
本実施形態に係る固体電解質スラリーは、無機固体電解質材料(A)と、無機固体電解質材料(A)を分散し、かつ、無機固体電解質材料(A)に対して不活性な液体(B)と、を含む。そして、当該固体電解質スラリー中のバインダー樹脂(D)の含有量が、当該固体電解質スラリーの固形分を100質量%としたとき、0.5質量%未満であり、好ましくは0.1質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以下であり、さらに好ましくは0.01質量%以下である。
本実施形態に係る固体電解質スラリーは、例えば、リチウムイオン電池を構成する固体電解質層に用いられる。中でも、全固体型リチウムイオン電池を構成する固体電解質層を形成するために好適に用いられる。
従来のリチウムイオン電池用固体電解質シートは、無機固体電解質材料を高圧でプレス成型することにより作製していた。しかし、本発明者らの検討によれば、このような方法で作製された固体電解質シートは大面積化が難しく、工業的生産性に劣っていた。また、薄膜化すると無機固体電解質材料の欠落や表面のひび割れが起きてしまい、固体電解質シートの形状を一定に保つことが難しかった。
一方、無機固体電解質材料の欠落や表面のひび割れを防止するために無機固体電解質材料にバインダー樹脂を含有させると、得られる固体電解質シートのリチウムイオン伝導性が大きく低下してしまった。
上記知見を元に、本発明者らは、大面積化および薄膜化が可能で、かつ、イオン伝導性に優れた固体電解質シートを提供するため鋭意検討した。その結果、無機固体電解質材料を上記無機固体電解質材料に対して不活性な液体に分散させたスラリーを用いることにより、固体電解質シートの大面積化および薄膜化が可能となることを見出し、本発明に至った。
本実施形態に係る固体電解質スラリーにおいて、無機固体電解質材料(A)が液体(B)中に分散している。液体(B)は無機固体電解質材料(A)に対し不活性であるため、無機固体電解質材料(A)をスラリー中に安定的に、かつ、均一に分散させることができる。そのため、本実施形態に係る固体電解質スラリーは無機固体電解質材料(A)の反応による消費や無機固体電解質材料(A)の沈降が起こりにくく、スラリーの安定性に優れている。よって、本実施形態に係る固体電解質スラリーによれば、例えば、固体電解質スラリーを基材に塗工する方法により、均一性に優れた固体電解質シートを安定して連続的に作製することができる。その結果、固体電解質シートの大面積化を実現できる。
また、固体電解質スラリーを基材に塗工する方法によれば、固体電解質シートの薄膜化を実現できるため、固体電解質シートのインピーダンスを低下させることができる。その結果、得られる固体電解質シートのリチウムイオン伝導性を向上させることができる。
さらに、本実施形態に係る固体電解質スラリー中のバインダー樹脂(D)の含有量が、上記上限値以下または未満であることにより、無機固体電解質材料(A)間の接触性が改善され、得られる固体電解質シートの界面接触抵抗を低下させることができる。その結果、固体電解質シートのリチウムイオン伝導性をより一層向上させることができる。
以上から、本実施形態に係る固体電解質スラリーによれば、大面積化および薄膜化が可能で、かつ、イオン伝導性に優れた固体電解質シートを実現できる。
つぎに、本実施形態に係る固体電解質スラリーの各成分について説明する。
<無機固体電解質材料(A)>
無機固体電解質材料(A)としては、イオン伝導性および絶縁性を有するものであれば特に限定されないが、一般的に全固体型リチウムイオン電池に用いられるものを用いることができる。例えば、硫化物系無機固体電解質材料、酸化物系無機固体電解質材料等を挙げることができる。これらの中でも、硫化物系無機固体電解質材料が好ましい。これにより、無機固体電解質材料間の界面抵抗がより一層低下し、リチウムイオン伝導性により一層優れた固体電解質シートにすることができる。
硫化物系無機固体電解質材料としては、例えば、LiS−P材料、LiS−SiS材料、LiS−GeS材料、LiS−Al材料、LiS−SiS−LiPO材料、LiS−P−GeS材料、LiS−LiO−P−SiS材料、LiS−GeS−P−SiS材料、LiS−SnS−P−SiS材料等が挙げられる。これらの中でも、リチウムイオン伝導性が優れており、製造方法が簡便である点から、LiS−P材料が好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、リチウムイオン伝導性に優れ、かつ広い電圧範囲で分解等を起こさない安定性を有する点から、LiS−P材料が好ましい。
無機固体電解質材料(A)の形状としては、例えば、粒子状を挙げることができる。本実施形態の粒子状の無機固体電解質材料(A)は特に限定されないが、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量基準粒度分布における平均粒子径d50が、好ましくは1μm以上20μm以下であり、より好ましくは1μm以上10μm以下である。
無機固体電解質材料(A)の平均粒子径d50を上記範囲内とすることにより、良好なハンドリング性を維持すると共に、得られる固体電解質シートのリチウムイオン伝導性をより一層向上させることができる。
<液体(B)>
液体(B)としては、無機固体電解質材料(A)に対して不活性な液体であれば特に限定されないが、フッ素系不活性液体およびシリコーンオイルから選択される一種または二種以上を含むことが好ましい。これらの液体は、水の溶解度が小さく、化学的に安定で無機固体電解質材料(A)に対し不活性である。さらに高い沸点を有するものがあり、かつ、表面張力が低いため無機固体電解質材料(A)をスラリー中により良好に分散させることができる。また、固体電解質スラリーを塗工後、液体(B)を完全に蒸発除去する必要はない。液体(B)が残留していても加熱加圧成形を行えば、プレス成型時に蒸発除去できる。
固体電解質スラリーを塗工後に液体(B)を完全に蒸発除去しない場合には、液体(B)の低い表面張力特有の良好な濡れ性によって粒子の流動性が向上し、無機固体電解質材料(A)が基材に良好に保持されるため無機固体電解質材料(A)は脱落しにくい利点がある。
上記フッ素系不活性液体とは、分子内にフッ素を含み、化学的安定性が高く不活性であって、常温(0℃〜40℃)において液体の有機化合物をいう。
上記フッ素系不活性液体としては、パーフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロポリエーテル等から選択される一種または二種以上が好ましい。
パーフルオロカーボンとしては、住友スリーエム社製のフロリナート(登録商標)等;ハイドロフルオロエーテルとしては、住友スリーエム社製のノベック(登録商標);ハイドロクロロフルオロカーボンとしては、旭硝子社製のアサヒクリン(登録商標)等;ハイドロフルオロカーボンとしては、三井デュポンフロロケミカル社製のバートレル(登録商標);パーフルオロポリエーテルとしては、ソルベイ製社製のガルデン(登録商標)等;を挙げることができる。
上記シリコーンオイルとしては、環状シロキサンが好ましく、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンがより好ましく、デカメチルシクロペンタシロキサンが特に好ましい。
上記液体(B)の25℃における水の溶解度は、好ましくは15ppm以下であり、より好ましくは8ppm以下である。上記液体(B)の25℃における水の溶解度が上記上限値以下であると、上記液体(B)中の水分量を減らせるため、水と無機固体電解質材料(A)との反応により、固体電解質スラリー中の無機固体電解質材料(A)が消費されるのを抑制できる。その結果が、リチウムイオン伝導性により一層優れた固体電解質シートを得ることができる。
ここで、上記液体(B)の25℃における水の溶解度は、25℃における液体(B)中の水の飽和濃度であり、25℃での液体(B)1kgに溶解できる水の質量(mg)を意味する。上記液体(B)の25℃における水の溶解度は、例えば、カールフィッシャー電量滴定装置により測定できる。
上記液体(B)の沸点は、好ましくは100℃以上であり、より好ましくは150℃以上である。上記液体(B)の沸点が上記下限値以上であると、固体電解質スラリーを基材等に塗工する際の固体電解質スラリーの乾燥をより効果的に抑制することができる。これにより、塗工時のスラリーの粘度が一定となり、より安定的に固体電解質スラリーの塗工をおこなうことができる。
ここで、上記液体(B)の沸点は大気圧における沸点であり、例えば、熱重量・示差熱分析(TG/DTA)により測定できる。
上記液体(B)の25℃における動粘度は、好ましくは1cSt以上であり、より好ましくは2cSt以上である。上記液体(B)の25℃における動粘度が上記下限値以上であると、固体電解質スラリーを基材等に塗工する際の固体電解質スラリーの乾燥をより効果的に抑制することができる。これにより、塗工時のスラリーの粘度が一定となり、安定して固体電解質スラリーの塗工をおこなうことができる。
ここで、上記液体(B)の25℃における動粘度は、例えば、ASTM D445−46Tによるウベローデ粘度計により測定できる。
上記液体(B)の25℃における表面張力は、好ましくは25mN/m以下であり、より好ましくは20mN/m以下である。上記液体(B)の25℃における表面張力が上記上限値以下であると、無機固体電解質材料(A)をスラリー中により良好に分散させることができる。また、固体電解質スラリーの基材への濡れ性がより良好となり、無機固体電解質材料(A)が基材により安定的に保持されるため無機固体電解質材料(A)がより脱落しにくくなる。上記液体(B)の25℃における表面張力が上記上限値以下であると、固体電解質スラリーの基材への濡れ性がより良好となり、より安定的に固体電解質スラリーの塗工をおこなうことができる。
ここで、上記液体(B)の25℃における表面張力は表面張力計により測定できる。
<バインダー樹脂(D)>
また、本実施形態に係る固体電解質スラリーにはバインダー樹脂が含まれてもよいが、バインダー樹脂の含有量は、当該固体電解質スラリーの固形分を100質量%としたとき、は0.5質量%未満であり、好ましくは0.1質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以下であり、さらに好ましくは0.01質量%以下である。また、本実施形態に係る固体電解質スラリーは、バインダー樹脂を実質的に含まないことがよりさらに好ましく、バインダー樹脂を含まないことが特に好ましい。
これにより、無機固体電解質材料(A)間の接触性が改善され、得られる固体電解質シートの界面接触抵抗をより一層低下させることができる。その結果、固体電解質シートのリチウムイオン伝導性を向上させることができる。
なお、「バインダー樹脂を実質的に含まない」とは、本発明の効果が損なわれない程度には含有してもよいことを意味する。
上記バインダー樹脂とは無機固体電解質材料間を結着させるために、リチウムイオン電池に一般的に使用される結着剤のことをいい、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、スチレン・ブタジエン系ゴム、ポリイミド等が挙げられる。
本実施形態に係る固体電解質スラリーは、液体(B)によって無機固体電解質材料(A)が基材に保持されるため無機固体電解質材料(A)は基材から脱落しにくい。よって、バインダー樹脂の含有量が上記上限値未満または以下であっても、本実施形態に係る無機固体電解質材料(A)を基材上に安定的に保持することができる。その結果、無機固体電解質材料(A)の欠落や、固体電解質シート表面のひび割れを抑制しながら、固体電解質シートの大面積化および薄膜化を実現できる。
また、本実施形態に係る固体電解質スラリーは、非イオン伝導性であるバインダー樹脂の含有量を上記上限値未満または以下とすることができるため、得られる固体電解質シートの界面接触抵抗を低減することができる。その結果、得られる固体電解質シートのリチウムイオン伝導性を向上させることができる。
<固体電解質スラリーの調製方法>
本実施形態に係る固体電解質スラリーは、例えば、無機固体電解質材料(A)、液体(B)等を混合機により混合することにより調製することができる。
混合機としては、ボールミル、プラネタリーミキサー等公知のものが使用でき、特に限定されない。混合方法も特に限定されず、公知の方法に準じておこなうことができる。
本実施形態に係る固体電解質スラリー中の無機固体電解質材料(A)の含有量は特に限定されないが、例えば、固体電解質スラリー全体を100質量%としたとき、5質量%以上50質量%以下である。
[固体電解質スラリーの封入体]
つづいて、本実施形態に係る固体電解質スラリーの封入体について説明する。
本実施形態に係る固体電解質スラリーの封入体は、本実施形態に係る固体電解質スラリーと、上記固体電解質スラリーを封入する容器と、上記容器の内容積に対して上記固体電解質スラリーの占める容積を除いた空隙部に充填された不活性ガスと、を含む。
上記固体電解質スラリーを封入する容器としては、アルミ製ラミネート袋、ステンレス製容器、ポリ容器、ガラス容器等が挙げられる。これらの中でもアルミ製ラミネート袋、ステンレス製容器、ポリ容器が、破損しにくいという点で好ましい。
不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。
本実施形態に係る固体電解質スラリーを封入体とすることにより、固体電解質スラリーと大気との接触を抑制できる。これにより、大気中に含まれる水分が固体電解質スラリーに混入して、水と無機固体電解質材料(A)との反応により、固体電解質スラリー中の無機固体電解質材料(A)が消費されるのを抑制できる。その結果、固体電解質スラリーを安定的に保管することができる。
[固体電解質シートの製造方法]
つぎに、本実施形態に係る固体電解質シートの製造方法について説明する。
本実施形態に係る固体電解質シートの製造方法は、下記(1)および(2)の工程を含み、必要に応じて(3)の工程をさらに含む。
(1)本実施形態に係る固体電解質スラリーを基材に塗工する工程
(2)基材に塗工された固体電解質スラリーを乾燥し、液体(B)を除去することにより基材上に固体電解質層を形成する工程
(3)固体電解質層を加熱加圧する工程
はじめに、(1)本実施形態に係る固体電解質スラリーを基材に塗工する。固体電解質スラリーを基材に塗工する方法としては特に限定されないが、ドクターブレード塗工法、スクリーン印刷法、浸漬塗工法、スプレー塗工法、バーコーター塗工法等の一般的に公知の方法を使用できる。この方法によれば、基材上に固体電解質スラリーを連続的に塗工することができる。固体電解質スラリーの基材への塗工は、無機固体電解質材料(A)の反応を抑制する観点から、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
上記基材としては、例えば、正極層、負極層、金属箔、プラスチックフィルム、カーボン等が挙げられる。
上記基材の固体電解質スラリーが塗工される面は粗化処理されていてもよい。基材の表面を粗化処理することにより、基材表面に微細な凹凸を形成することができる。
これにより、無機固体電解質材料(A)が基材表面の微細な凹凸に入り込み、固体電解質層と基材との接着性を向上させることができる。その結果、基材から無機固体電解質材料(A)が脱落するのをより一層抑制できる。
基材表面の粗化処理は基材の種類によって適宜選択され、一般的に公知の情報に準じておこなうことができる。例えば、ステンレス箔であるSUS304であれば40〜45℃に加温した37%FeCl水溶液に10秒浸漬するだけで2〜3μmの凹凸表面を形成できる。
つぎに、(2)基材に塗工された固体電解質スラリーを乾燥し、液体(B)を除去することにより上記基材上に固体電解質層を形成する。
つづいて、必要に応じて、(3)上記固体電解質層を加熱加圧する。ここで、基材が積層された状態で加熱加圧してもよいし、基材を剥離してから加熱加圧してもよい。
これにより、無機固体電解質材料(A)同士のアンカー効果で一定の強度を有する固体電解質層になる。加熱加圧を行えば無機固体電解質材料(A)同士の融着・結合が起こり、得られる固体電解質層の強度はより一層高くなる。その結果、無機固体電解質材料(A)の欠落や、固体電解質シート表面のひび割れをより一層抑制できる。
上記固体電解質層を加圧する方法は特に限定されず、例えば、ロールプレス、平板プレス等を用いることができる。
上記固体電解質層を加圧する圧力は、例えば、40MPa以上500MPa以下である。上記固体電解質層を加熱する温度は無機固体電解質材料(A)が軟化して結晶化が起きる温度が好ましく、例えば、150℃以上500℃以下である。
この固体電解質シートの製造方法は、使用する装置が簡便であり、生産性に優れている。また、固体電解質スラリーの塗工厚みを調整することにより、得られる固体電解質シートの厚みを容易に調整することができる。さらに、上記(1)〜(3)の工程は連続的におこなうことができるため、固体電解質シートの連続生産が可能となり、固体電解質シートの大面積化を実現できる。よって、この固体電解質シートの製造方法によれば、固体電解質シートの大面積化および薄膜化を容易におこなうことができ、かつ、固体電解質シートの生産性を向上させることができる。
固体電解質シートの平面形状は、特に限定されず、電極層や集電体層の形状に合わせて適宜選択することが可能であるが、例えば、矩形とすることができる。
固体電解質シートの厚みは、好ましくは5μm以上300μm以下であり、より好ましくは10μm以上200μm以下であり、さらに好ましくは15μm以上80μm以下であり、さらに好ましくは15μm以上50μm以下であり、特に好ましくは15μm以上30μm以下である。固体電解質シートの厚みが上記下限値以上であると、無機固体電解質材料(A)の欠落や、固体電解質シート表面のひび割れをより一層抑制できる。また、固体電解質シートの厚みが上記上限値以下であると、固体電解質シートのインピーダンスをより一層低下させることができる。その結果、得られる全固体型リチウムイオン電池の充放電特性をより一層向上できる。
つぎに、本実施形態に係る電極スラリー、この電極スラリーを用いた電極シートの製造方法、および電極スラリーの封入体について詳細に説明する。
[電極スラリー]
本実施形態に係る電極スラリーは、無機固体電解質材料(A)と、無機固体電解質材料(A)を分散し、かつ、無機固体電解質材料(A)に対して不活性な液体(B)と、正極活物質および負極活物質から選択される電極活物質(C)と、を含む。そして、当該電極スラリー中のバインダー樹脂(D)の含有量が、当該電極スラリーの固形分を100質量%としたとき、0.5質量%未満であり、好ましくは0.1質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以下であり、さらに好ましくは0.01質量%以下である。
本実施形態に係る電極スラリーは、例えば、リチウムイオン電池を構成する電極層を形成するために用いられる。中でも、全固体型リチウムイオン電池を構成する電極層を形成するために好適に用いられる。
電極シートが全固体型リチウムイオン電池を構成する正極層に用いられるとき、本実施形態に係る電極スラリーは、正極活物質および無機固体電解質材料(A)を含み、必要に応じて、導電助剤、バインダー樹脂等を含んでいる。
また、電極シートが全固体型リチウムイオン電池を構成する負極層に用いられるとき、本実施形態に係る電極スラリーは、負極活物質および無機固体電解質材料(A)を含み、必要に応じて、導電助剤、バインダー樹脂等を含んでいる。
従来の全固体型リチウムイオン電池用電極シートは、電極活物質および無機固体電解質材料を含む電極材料を高圧でプレス成型した後、このプレス成型体と集電体層とを高圧でプレスすることにより作製していた。しかし、本発明者らの検討によれば、このような方法で作製された電極は大面積化が難しく、工業的生産性に劣っていた。また、薄膜化すると電極材料の欠落や表面のひび割れが起きてしまい、電極シートの形状を一定に保つことが難しかった。
また、本発明者らの検討によれば、特許文献3および4に記載されているような電極シートも、薄膜化すると電極材料の欠落や表面のひび割れが起きてしまい、電極シートの形状を一定に保つことが難しいことが明らかになった。
一方、電極材料の欠落や表面のひび割れを防止するために電極材料にバインダー樹脂を含有させると、得られる電極シートのリチウムイオン伝導性が大きく低下してしまうことが明らかになった。
上記知見を元に、本発明者らは、電極材料の欠落や表面のひび割れを抑制しながら大面積化および薄膜化が可能で、かつ、イオン伝導性に優れた電極シートを提供するため鋭意検討した。その結果、電極活物質および無機固体電解質材料を上記無機固体電解質材料に対して不活性な液体に分散させたスラリーを用いることにより、電極シートの大面積化および薄膜化が可能となることを見出し、本発明に至った。
本実施形態に係る電極スラリーにおいて、電極活物質(C)および無機固体電解質材料(A)が液体(B)中に分散している。液体(B)は無機固体電解質材料(A)に対し不活性であるため、無機固体電解質材料(A)をスラリー中に安定的に、かつ、均一に分散させることができる。そのため、本実施形態に係る電極スラリーは無機固体電解質材料(A)の反応による消費や無機固体電解質材料(A)の沈降が起こりにくく、スラリーの安定性に優れている。よって、本実施形態に係る電極スラリーによれば、例えば、電極スラリーを基材に塗工する方法により、均一性に優れた電極シートを安定して連続的に作製することができる。その結果、電極シートの大面積化を実現できる。
また、電極スラリーを基材に塗工する方法によれば、電極シートの薄膜化を実現できるため、電極シートのインピーダンスを低下させることができる。その結果、得られる電極シートのリチウムイオン伝導性を向上させることができる。
さらに、本実施形態に係る電極スラリー中のバインダー樹脂(D)の含有量が、上記上限値以下または未満であることにより、無機固体電解質材料(A)と電極活物質(C)との接触性や、無機固体電解質材料(A)間の接触性が改善され、得られる電極シートの界面接触抵抗を低下させることができる。その結果、電極シートのリチウムイオン伝導性をより一層向上させることができる。
以上から、本実施形態に係る電極スラリーによれば、大面積化および薄膜化が可能で、かつ、イオン伝導性に優れた電極シートを実現できる。
つぎに、本実施形態に係る電極スラリーの各成分について説明する。
<無機固体電解質材料(A)>
無機固体電解質材料(A)としては、前述した本実施形態に係る固体電解質スラリーにおいて使用されるものと同様のものを用いることができる。ここでは、説明を省略する。
<液体(B)>
液体(B)としては、前述した本実施形態に係る固体電解質スラリーにおいて使用されるものと同様のものを用いることができる。ここでは、説明を省略する。
<電極活物質(C)>
電極活物質(C)は、正極活物質および負極活物質から選択される。
(正極活物質)
正極活物質としてはリチウムイオンを可逆に放出・吸蔵でき、電子輸送が容易におこなえるように電子伝導度が高い材料であれば特に限定されず、全固体型リチウムイオン電池の正極層に使用可能な一般的に公知の正極活物質を用いることができる。例えば、リチウムコバルト酸化物(LiCoO)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO)、リチウムマンガン酸化物(LiMn)、固溶体酸化物(LiMnO−LiMO(M=Co、Ni等))、リチウム−マンガン−ニッケル酸化物(LiNi1/3Mn1/3Co1/3)、オリビン型リチウムリン酸化物(LiFePO)等の複合酸化物;ポリアニリン、ポリピロール等の導電性高分子;LiS、CuS、Li-Cu-S化合物、TiS、FeS、MoS、Li−Mo−S化合物、LiTiS化合物、LiS化合物等の硫化物;硫黄とカーボンの混合物;等を用いることができる。これらの正極活物質は1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
正極活物質の形状としては、例えば粒子状を挙げることができる。
また、本実施形態の粒子状の正極活物質は特に限定されないが、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量基準粒度分布における平均粒子径d50が、好ましくは0.5μm以上20μm以下であり、より好ましくは1μm以上10μm以下である。
正極活物質の平均粒子径d50を上記範囲内とすることにより、良好なハンドリング性を維持すると共に、より一層高密度の正極層を作製することができる。
(負極活物質)
負極活物質としてはリチウムイオンを可逆に放出・吸蔵でき、電子輸送が容易におこなえるように電子伝導度が高い材料であれば特に限定されず、全固体型リチウムイオン電池の負極層に使用可能な一般的に公知の負極活物質を用いることができる。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、樹脂炭、炭素繊維、活性炭、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素質材料;スズ、スズ合金、シリコン、シリコン合金、ガリウム、ガリウム合金、インジウム、インジウム合金、アルミニウム、アルミニウム合金等を主体とした合金系材料;ポリアセン、ポリアセチレン、ポリピロール等の導電性ポリマー;金属リチウム;リチウムチタン複合酸化物(例えばLiTi12)等が挙げられる。これらの負極活物質は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
負極活物質の形状としては、例えば粒子状を挙げることができる。
本実施形態に係る粒子状の負極活物質は特に限定されないが、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量基準粒度分布における平均粒子径d50が、好ましくは1μm以上50μm以下であり、より好ましくは5μm以上30μm以下である。
負極活物質の平均粒子径d50を上記範囲内とすることにより、良好なハンドリング性を維持すると共に、より一層高密度の負極を作製することができる。
<バインダー樹脂(D)>
また、本実施形態に係る電極スラリーにはバインダー樹脂が含まれてもよいが、バインダー樹脂の含有量は、当該電極スラリーの固形分を100質量%としたとき、は0.5質量%未満であり、好ましくは0.1質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以下であり、さらに好ましくは0.01質量%以下である。また、本実施形態に係る電極スラリーは、バインダー樹脂を実質的に含まないことがよりさらに好ましく、バインダー樹脂を含まないことが特に好ましい。
これにより、無機固体電解質材料(A)と電極活物質(C)との接触性や、無機固体電解質材料(A)間の接触性が改善され、得られる電極シートの界面接触抵抗をより一層低下させることができる。その結果、電極シートのリチウムイオン伝導性を向上させることができる。
なお、「バインダー樹脂を実質的に含まない」とは、本発明の効果が損なわれない程度には含有してもよいことを意味する。
上記バインダー樹脂とは電極活物質(C)同士、電極活物質(C)と集電体、無機固体電解質材料間等を結着させるために、リチウムイオン電池に一般的に使用される結着剤のことをいい、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、スチレン・ブタジエン系ゴム、ポリイミド等が挙げられる。
本実施形態に係る電極スラリーは、液体(B)によって電極活物質(C)および無機固体電解質材料(A)が基材に保持されるため電極活物質(C)および無機固体電解質材料(A)は基材から脱落しにくい。よって、バインダー樹脂の含有量が上記上限値未満または以下であっても、本実施形態に係る電極活物質(C)および無機固体電解質材料(A)を基材上に安定的に保持することができる。その結果、電極活物質(C)および無機固体電解質材料(A)の欠落や、電極シート表面のひび割れを抑制しながら、電極シートの大面積化および薄膜化を実現できる。
また、本実施形態に係る電極スラリーは、非イオン伝導性であるバインダー樹脂の含有量を上記上限値未満または以下とすることができるため、得られる電極シートの界面接触抵抗を低減することができる。その結果、得られる電極シートのリチウムイオン伝導性を向上させることができる。
<導電助剤>
本実施形態に係る電極スラリーは、得られる電極シートの電子導電性を向上させる観点から、導電助剤を含むのが好ましい。導電助剤としては全固体型リチウムイオン電池に使用可能な通常の導電助剤であれば特に限定されないが、例えば、アセチレンブラック、ケチェンブラック等のカーボンブラック;カーボンファイバー;気相法炭素繊維;黒鉛粉末;カーボンナノチューブ等の炭素材料が挙げられる。これらの導電助剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、粒子径が小さく、価格が安いカーボンブラックが好ましい。
<電極スラリーの配合割合>
本実施形態に係る電極スラリーにおいて、電極活物質(C)の含有量は、当該電極スラリーの固形分を100質量%としたとき、好ましくは25質量%以上50質量%以下、より好ましくは30質量%以上40質量%以下である。また、本実施形態に係る電極スラリーにおいて、無機固体電解質材料(A)の含有量は、好ましくは25質量%以上60質量%以下、より好ましくは30質量%以上50質量%以下である。また、本実施形態に係る電極スラリーにおいて、導電助剤の含有量は、好ましくは10質量%以上45質量%以下、より好ましくは15質量%以上35質量%以下である。
<電極スラリーの調製方法>
本実施形態に係る電極スラリーは、例えば、無機固体電解質材料(A)、液体(B)、電極活物質(C)、必要に応じて導電助剤等を混合機により混合することにより調製することができる。
混合機としては、ボールミル、プラネタリーミキサー等公知のものが使用でき、特に限定されない。混合方法も特に限定されず、公知の方法に準じておこなうことができる。
[電極スラリーの封入体]
つづいて、本実施形態に係る電極スラリーの封入体について説明する。
本実施形態に係る電極スラリーの封入体は、本実施形態に係る電極スラリーと、電極スラリーを封入する容器と、上記容器の内容積に対して電極スラリーの占める容積を除いた空隙部に充填された不活性ガスと、を含む。
上記電極スラリーを封入する容器としては、アルミ製ラミネート袋、ステンレス製容器、ポリ容器、ガラス容器等が挙げられる。これらの中でもアルミ製ラミネート袋、ステンレス製容器、ポリ容器が、破損しにくいという点で好ましい。
不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。
本実施形態に係る電極スラリーを封入体とすることにより、電極スラリーと大気との接触を抑制できる。これにより、大気中に含まれる水分が電極スラリーに混入して、水と無機固体電解質材料(A)との反応により、電極スラリー中の無機固体電解質材料(A)が消費されるのを抑制できる。その結果、電極スラリーを安定的に保管することができる。
[電極シートの製造方法]
つぎに、本実施形態に係る電極シートの製造方法について説明する。
本実施形態に係る電極シートの製造方法は、下記(1)および(2)の工程を含み、必要に応じて(3)の工程をさらに含む。
(1)本実施形態に係る電極スラリーを基材に塗工する工程
(2)基材に塗工された電極スラリーを乾燥し、液体(B)を除去することにより基材上に電極層を形成する工程
(3)電極層を加熱加圧する工程
はじめに、(1)本実施形態に係る電極スラリーを基材に塗工する。電極スラリーを基材に塗工する方法としては特に限定されないが、ドクターブレード塗工法、スクリーン印刷法、浸漬塗工法、スプレー塗工法、バーコーター塗工法等の一般的に公知の方法を使用できる。この方法によれば、基材上に電極スラリーを連続的に塗工することができる。電極スラリーの基材への塗工は、無機固体電解質材料(A)の反応を抑制する観点から、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
上記基材としては、例えば、固体電解質層、金属箔、プラスチックフィルム、カーボン等が挙げられる。特に集電体として使用できる金属箔が好ましい。
金属箔としては特に限定されず、リチウムイオン電池に使用可能な通常の集電体を使用することができる。例えば、銅箔、アルミニウム箔、ステンレス箔等を用いることができる。リチウムイオンとの反応性が低く、耐腐食性に優れる観点からステンレス箔が好ましい。
上記基材の電極スラリーが塗工される面は粗化処理されていることが好ましい。基材の表面を粗化処理することにより、基材表面に微細な凹凸を形成することができる。
これにより、電極スラリーを構成する各成分が基材表面の微細な凹凸に入り込み、電極層と基材との接着性を向上させることができる。その結果、基材から電極材料が脱落するのをより一層抑制できる。
基材表面の粗化処理は基材の種類によって適宜選択され、一般的に公知の情報に準じておこなうことができる。例えば、ステンレス箔であるSUS304であれば40〜45℃に加温した37%FeCl水溶液に10秒浸漬するだけで2〜3μmの凹凸表面を形成できる。
つぎに、(2)基材に塗工された電極スラリーを乾燥し、液体(B)を除去することにより上記基材上に電極層を形成する。
つづいて、必要に応じて、(3)上記電極層を加熱加圧する。ここで、基材が積層された状態で加熱加圧してもよいし、基材を剥離してから加熱加圧してもよい。
これにより、各構成材料同士のアンカー効果で一定の強度を有す電極層になる。加熱加圧を行えば無機固体電解質材料(A)同士の融着・結合が起こり、得られる電極層の強度はより一層高くなる。その結果、電極活物質(C)および無機固体電解質材料(A)の欠落や、電極シート表面のひび割れをより一層抑制できる。
上記電極層を加圧する方法は特に限定されず、例えば、ロールプレス、平板プレス等を用いることができる。
上記電極層を加圧する圧力は、例えば、40MPa以上500MPa以下である。上記電極層を加熱する温度は無機固体電解質材料(A)が軟化して結晶化が起きる温度が好ましく、例えば、150℃以上500℃以下である。
この電極シートの製造方法は、使用する装置が簡便であり、生産性に優れている。また、電極スラリーの塗工厚みを調整することにより、得られる電極シートの厚みを容易に調整することができる。さらに、上記(1)〜(3)の工程は連続的におこなうことができるため、電極シートの連続生産が可能となり、電極シートの大面積化を実現できる。よって、この電極シートの製造方法によれば、電極シートの大面積化および薄膜化を容易におこなうことができ、かつ、電極シートの生産性を向上させることができる。
電極シートの平面形状は、特に限定されず、固体電解質層や集電体層の形状に合わせて適宜選択することが可能であるが、例えば、矩形とすることができる。
電極シートの厚みは、好ましくは10μm以上300μm以下であり、より好ましくは20μm以上200μm以下であり、さらに好ましくは20μm以上100μm以下であり、特に好ましくは20μm以上80μm以下である。電極シートの厚みが上記下限値以上であると、電極材料の欠落や、電極シート表面のひび割れをより一層抑制できる。また、電極シートの厚みが上記上限値以下であると、電極シートのインピーダンスをより一層低下させることができる。その結果、得られる全固体型リチウムイオン電池の充放電特性をより一層向上できる。
[全固体型リチウムイオン電池の製造方法]
つぎに、本実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100の製造方法について説明する。
まず、本実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100について説明する。図1は、本実施形態の全固体型リチウムイオン電池の構造の一例を模式的に示した断面図である。本実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100はリチウムイオン二次電池であるが、リチウムイオン一次電池であってもよい。
本実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100は、正極層110と、固体電解質層120と、負極層130とがこの順番に積層されてなる。そして、少なくとも固体電解質層120が、本実施形態に係る固体電解質シートにより構成されたものである。
全固体型リチウムイオン電池100の形状は特に限定されず、円筒型、コイン型、角型、フィルム型その他任意の形状が挙げられる。
(正極層)
正極層110は特に限定されず、全固体型リチウムイオン電池に一般的に用いられている正極を使用することができる。正極層110は特に限定されないが、一般的に公知の方法に準じて製造することができる。例えば、正極活物質を含む正極活物質層をアルミ箔等の集電体上に形成することにより得ることができる。
正極層110の厚みや密度は、電池の使用用途等に応じて適宜決定されるため特に限定されず、一般的に公知の情報に準じて設定することができる。
また、正極層110は本実施形態に係る電極シートにより構成されたものであってもよい。また、固体電解質層120上に正極スラリーを塗工し、乾燥することにより形成してもよい。正極スラリーとしては、前述した本実施形態に係る電極スラリーを用いてもよい。
(負極層)
負極層130は特に限定されず、全固体型リチウムイオン電池に一般的に用いられているものを使用することができる。負極層130は特に限定されないが、一般的に公知の方法に準じて製造することができる。例えば、負極活物質を含む負極活物質層を銅等の集電体上に形成することにより得ることができる。
負極活物質層の厚みや密度は、電池の使用用途等に応じて適宜決定されるため特に限定されず、一般的に公知の情報に準じて設定することができる。
また、負極層130が本実施形態に係る電極シートにより構成されたものであってもよい。また、固体電解質層120上に負極スラリーを塗工し、乾燥することにより形成してもよい。負極スラリーとしては、前述した本実施形態に係る電極スラリーを用いてもよい。
本実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100の製造方法は、下記(1)〜(3)の工程を含み、必要に応じて(4)の工程をさらに含む。
(1)本実施形態に係る固体電解質スラリーを正極層110および負極層130から選択される第一の電極層上に塗工する工程
(2)第一の電極層に塗工された固体電解質スラリーを乾燥し、液体(B)を除去することにより第一の電極層上に固体電解質層120を形成する工程
(3)固体電解質層120の第一の電極層と接する面とは反対側の面上に、第一の電極層の対極である第二の電極層(正極層110または負極層130)を形成することにより、正極層110と、固体電解質層120と、負極層130とがこの順番に積層された積層体を得る工程
(4)積層体を加熱加圧することにより正極層110と、固体電解質層120と、負極層130とを一体化する工程
はじめに、(1)本実施形態に係る固体電解質スラリーを正極層110および負極層130から選択される第一の電極層上に塗工する。固体電解質スラリーを第一の電極層に塗工する方法としては特に限定されないが、ドクターブレード塗工法、スクリーン印刷法、浸漬塗工法、スプレー塗工法、バーコーター塗工法等の一般的に公知の方法を使用できる。この方法によれば、第一の電極層上に固体電解質スラリーを連続的に塗工することができる。固体電解質スラリーの第一の電極層への塗工は、無機固体電解質材料(A)の反応を抑制する観点から、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
つぎに、(2)第一の電極層に塗工された固体電解質スラリーを乾燥し、液体(B)を除去することにより第一の電極層上に固体電解質層120を形成する。
つづいて、(3)固体電解質層120の第一の電極層と接する面とは反対側の面上に、第一の電極層の対極である第二の電極層(正極層110または負極層130)を形成することにより、正極層110と、固体電解質層120と、負極層130とがこの順番に積層された積層体(全固体型リチウムイオン電池100)を得る。
第二の電極層の形成方法は特に限定されず、固体電解質層120上に第二の電極層を積層することにより形成してもよいし、固体電解質層120上に電極スラリーを塗工し、乾燥することにより形成してもよい。電極スラリーとしては、前述した本実施形態に係る電極スラリーを用いてもよい。
つづいて、必要に応じて、(4)得られた積層体を加熱加圧することにより正極層110と、固体電解質層120と、負極層130とを一体化する。
これにより、各層間のアンカー効果で一定の強度を有する全固体型リチウムイオン電池100になる。加熱加圧を行えば無機固体電解質材料(A)同士の融着・結合が起こり、得られる固体電解質層120の強度はより一層高くなる。その結果、無機固体電解質材料(A)の欠落や、固体電解質層120表面のひび割れをより一層抑制できる。
上記積層体を加圧する方法は特に限定されず、例えば、平板プレス、ロールプレス等を用いることができる。
上記積層体を加圧する圧力は、例えば、40MPa以上500MPa以下である。上記積層体を加熱する温度は無機固体電解質材料(A)が軟化して結晶化が起きる温度が好ましく、例えば、150℃以上500℃以下である。
この全固体型リチウムイオン電池100の製造方法は、使用する装置が簡便であり、生産性に優れている。また、固体電解質スラリーの塗工厚みを調整することにより、得られる固体電解質層120の厚みを容易に調整することができる。さらに、上記(1)〜(4)の工程は連続的におこなうことができるため、全固体型リチウムイオン電池100の連続生産が可能となる。よって、この全固体型リチウムイオン電池100の製造方法によれば、全固体型リチウムイオン電池100の生産性を向上させることができる。
本実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100の製造方法、例えば、下記例1〜3が挙げられる。図2〜4は、本実施形態の全固体型リチウムイオン電池100の製造方法の一例を模式的に示した断面図である。
(例1)
この例は、以下の手順で全固体型リチウムイオン電池100を製造する。
はじめに、正極スラリーを正極集電体201上に塗工し、正極集電体201上に正極塗工膜205を形成する(図2(a))。このとき図2(a)に示すように所定の厚みを有するマスク203を設けることにより、得られる正極塗工膜205および正極層110の厚みを調整することができる。
次いで、得られた正極塗工膜205を乾燥することにより、正極層110が得られる(図2(b))。
次いで、所定の厚みを有するマスク203を設け、本実施形態に係る固体電解質スラリーを正極層110上に塗工し、正極層110上に固体電解質塗工膜207を形成する(図2(c))。このとき、固体電解質塗工膜207が正極層110を覆うように形成するのが好ましい。これにより、正極層110と負極層130の短絡をより効果的に防止することができる。
次いで、得られた固体電解質塗工膜207を乾燥することにより、固体電解質層120が得られる(図2(d))。
次いで、所定の厚みを有するマスク203を設け、負極スラリーを固体電解質層120上に塗工し、固体電解質層120上に負極塗工膜209を形成する(図2(e))。
次いで、得られた負極塗工膜209を乾燥することにより、負極層130が得られる(図2(f))。
次いで、得られた負極層130上に負極集電体211を積層し、得られた積層体を加熱加圧する(図2(g)および(h))。
以上の手順により、本実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100が得られる(図2(i))。
(例2)
この例は、以下の手順で全固体型リチウムイオン電池100を製造する。
はじめに、正極スラリーを正極集電体201上に塗工し、正極集電体201上に正極塗工膜205を形成する(図3(a))。このとき図3(a)に示すように所定の厚みを有するマスク203を設けることにより、得られる正極塗工膜205および正極層110の厚みを調整することができる。
次いで、得られた正極塗工膜205を乾燥することにより、正極層110が得られる(図3(b))。
次いで、所定の厚みを有するマスク203を設け、本実施形態に係る固体電解質スラリーを正極層110上に塗工し、正極層110上に固体電解質塗工膜207を形成する(図3(c))。このとき、固体電解質塗工膜207が正極層110を覆うように形成するのが好ましい。これにより、正極層110と負極層130の短絡をより効果的に防止することができる。
次いで、得られた固体電解質塗工膜207を乾燥することにより、固体電解質層120が得られる(図3(d))。
また、負極スラリーを負極集電体211上に塗工し、負極集電体211上に負極塗工膜209を形成する(図3(e))。このとき図3(e)に示すように所定の厚みを有するマスク203を設けることにより、得られる負極塗工膜209および負極層130の厚みを調整することができる。
次いで、得られた負極塗工膜209を乾燥することにより、負極層130が得られる(図3(f))。
次いで、所定の厚みを有するマスク203を設け、本実施形態に係る固体電解質スラリーを負極層130上に塗工し、負極層130上に固体電解質塗工膜207を形成する(図3(g))。このとき、固体電解質塗工膜207が負極層130を覆うように形成するのが好ましい。これにより、正極層110と負極層130の短絡をより効果的に防止することができる。
次いで、得られた固体電解質塗工膜207を乾燥することにより、固体電解質層120が得られる(図3(h))。
次いで、図3(d)で得られた正極積層体と図3(h)で得られた負極積層体を、それぞれの固体電解質層120の面がそれぞれ接触するように積層し、得られた積層体を加熱加圧する(図3(i)および(j))。
以上の手順により、本実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100が得られる(図3(k))。
(例3)
この例は、以下の手順で全固体型リチウムイオン電池100を製造する。
はじめに、正極スラリーを正極集電体201上に塗工し、正極集電体201上に正極塗工膜205を形成する(図4(a))。このとき図4(a)に示すように所定の厚みを有するマスク203を設けることにより、得られる正極塗工膜205および正極層110の厚みを調整することができる。
次いで、得られた正極塗工膜205を乾燥することにより、正極層110が得られる(図4(b))。
次いで、所定の厚みを有するマスク203を設け、本実施形態に係る固体電解質スラリーを正極層110上に塗工し、正極層110上に固体電解質塗工膜207を形成する(図4(c))。このとき、固体電解質塗工膜207が正極層110を覆うように形成するのが好ましい。これにより、正極層110と負極層130の短絡をより効果的に防止することができる。
次いで、得られた固体電解質塗工膜207を乾燥することにより、固体電解質層120が得られる(図4(d))。
また、導電性粘着剤215を負極集電体211上に形成し、導電性粘着剤215上に負極層130を形成する(図4(e)および(f))。
導電性粘着剤215としては、例えば、粘着性を示す樹脂(以下、粘着性樹脂とも呼ぶ)を含んでいるものが好ましく、全固体型リチウムイオン電池100の電子伝導性を向上させる観点から、粘着性樹脂および導電性微粒子を含んでいるものがより好ましい。粘着性樹脂および導電性微粒子を含む場合、導電性微粒子が導電性粘着剤215中に分散していることが好ましい。
導電性粘着剤215に含まれる粘着性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルエーテル、ゴム等が挙げられる。
次いで、図4(d)で得られた正極積層体を加熱加圧し(図4(g))、得られた正極積層体に図4(f)で得られた負極積層体を、負極層130が固体電解質層120と接するように積層する。
次いで、得られた積層体を加熱加圧する(図4(h))。
以上の手順により、本実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100が得られる(図4(i))。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[1]測定方法
はじめに、以下の実施例、比較例における測定方法を説明する。
(1)リチウムイオン伝導度の測定
実施例および比較例で得られた固体電解質シートに対して、交流インピーダンス法によるリチウムイオン伝導度の測定をおこなった。
リチウムイオン伝導度の測定は北斗電工社製、ポテンショスタット/ガルバノスタットSP−300を用いた。測定条件は、印加電圧10mV、測定温度27.0℃、測定周波数域0.1Hz〜7MHz、電極はカーボン板とした。
[2]材料
つぎに、以下の実施例、比較例において使用した材料について説明する。
(1)無機固体電解質材料(Li1112
原料には、LiS(シグマアルドリッチ製、純度99.9%)、P(関東化学製試薬)を使用した。LiNは、以下の手順で作製した。
まず、窒素雰囲気のグローブボックス中で、Li箔(本城金属社製純度99.8%、厚さ0.5mm)にステンレス製の網(150メッシュ)を圧着した。Li箔は網の開口部から黒紫色に変化し始め、そのまま、常温で24時間放置することでLi箔すべてが黒紫色のLiNに変化した。LiNは、メノウ乳鉢で粉砕後、ステンレス製篩で篩い分けし、25μm以下の粉末を回収し無機固体電解質材料の原料とした。
つづいて、アルゴングローブボックス中で各原料をLiS:P:LiN=67.5:22.5:10.0(モル%)になるように精秤し、これら粉末を20分間メノウ乳鉢で混合した。次いで、混合粉末2gを秤量し、φ10mmのZrO製ボール500gとともに、Al製ボールミルポット(内容積400mL)に入れ、120rpmで200時間混合粉砕した。混合粉砕後の粉末はカーボンボートに入れアルゴン気流中で330℃、2時間加熱処理し、Li1112を得た。
(2)不活性な液体(B)
・フッ素系不活性溶媒1(パーフルオロカーボン、住友スリーエム社製のフロリナート(登録商標)FC−40、25℃における水の溶解度:7ppm、大気圧における沸点:155℃、25℃における動粘度:2.2cSt、25℃における表面張力:16mN/m)
・シリコーンオイル1(デカメチルシクロペンタシロキサン、信越シリコーン社製、KF‐99J(製品名)、25℃における水の溶解度:6ppm、大気圧における沸点:210℃、25℃における動粘度:4cSt、25℃における表面張力:17.8mN/m)
<実施例1>
無機固体電解質材料であるLi1112を500mgと、フッ素系不活性溶媒1を3000μLと、φ2mmのZrOボール50gとを、遊星ボールミルポット(内容積45mL)に入れ密閉した。
次いで、遊星ボールミルポットを、ボールミル回転台に乗せ400rpmで、1時間ミリング処理を行った。ミリング後、目開き75μmメッシュのふるいを用いてZrOボールを分離し、固体電解質スラリーを得た。
次いで、得られた固体電解質スラリーを、ドクターブレード(隙間150μm)を使用してφ14 mmのカーボン板(鏡面研磨済)の上に塗工した。固体電解質スラリーを塗工した後、グローブボックス中で放置し、フッ素系不活性溶媒1の一部を蒸発除去した。
固体電解質層を形成したカーボン板をφ14 mmのホットプレス冶具の中に入れ、固体電解質層をもう一枚のカーボン板(鏡面研磨済み)で挟んだ。80 MPaでプレスをしながら330℃まで昇温させ、1時間保持した。1時間後、プレス圧を解除して速やかにカーボン板を回収して固体電解質シートを得た。
得られた固体電解質シートには空隙は認められず、均一な厚さになっていた(厚さ19μm)。この固体電解質シートのイオン伝導度は、4.6×10−4 Scm−1であった。
<実施例2>
#100メッシュのスクリーン(スクリーン厚さ100μm)を用いて、実施例1で作製した固体電解質スラリーをφ14 mmのカーボン板 (両面研磨済)の上に塗工した。カーボン板に固体電解質を均一に塗布するため、スクリーン印刷は上下左右方向から各1回(合計4回)実施した。塗布した固体電解質層は真空乾燥を行い、フッ素系不活性溶媒1を除去した。
固体電解質層を形成したカーボン板をφ14 mmのホットプレス冶具の中に入れ、固体電解質層をもう一枚のカーボン板(鏡面研磨済み)で挟んだ。80 MPaでプレスをしながら330℃まで昇温させ、1時間保持した。1時間後、プレス圧を解除して速やかにカーボン板を回収して固体電解質シートを得た。
得られた固体電解質シートには空隙は認められず、均一な厚さになっていた(厚さ92μm)。
この固体電解質シートのイオン伝導度は、4.5×10−4 Scm−1であった。
<実施例3>
無機固体電解質材料であるLi1112を500mgと、シリコーンオイル1を3000μLと、φ2mmのZrOボール50gとを、遊星ボールミルポット(内容積45mL)に入れ密閉した。
次いで、遊星ボールミルポットを、ボールミル回転台に乗せ400rpmで、1時間ミリング処理を行った。ミリング後、目開き75μmメッシュのふるいを用いてZrOボールを分離し、固体電解質スラリーを得た。
次いで、得られた固体電解質スラリーを、ドクターブレード(隙間150μm)を使用してφ14 mmのカーボン板(鏡面研磨済)の上に塗工した。固体電解質スラリーを塗工した後、真空チャンバーに入れ、ロータリーポンプで真空度100Pa以下に保ちながら1時間静置し、シリコーンオイル1の一部を蒸発除去した。
固体電解質層を形成したカーボン板をφ14 mmのホットプレス冶具の中に入れ、固体電解質層をもう一枚のカーボン板(鏡面研磨済み)で挟んだ。80 MPaでプレスをしながら330℃まで昇温させ、1時間保持した。1時間後、プレス圧を解除して速やかにカーボン板を回収して固体電解質シートを得た。
得られた固体電解質シートには空隙は認められず、均一な厚さになっていた(厚さ20μm)。この固体電解質シートのイオン伝導度は、4.2×10−4 Scm−1であった。
<比較例1>
無機固体電解質材料であるLi1112を500mgと、バインダー(PTFEディスパージョン、旭硝子フロロポリマーズ社製、CD123)2.6mg(PTFEの質量)と、フッ素系不活性溶媒1を3000μLと、φ2mmのZrOボール50gとを、遊星ボールミルポット(内容積45mL)に入れ密閉した。
次いで、遊星ボールミルポットを、ボールミル回転台に乗せ400rpmで、1時間ミリング処理を行った。ミリング後、目開き75μmメッシュのふるいを用いてZrOボールを分離し、固体電解質スラリーを得た以外は実施例1と同様の操作を行い固体電解質シート得た。ここで、当該固体電解質スラリー中のPTFEの含有量は0.52質量%であった。
得られた固体電解質シートには空隙は認められず、均一な厚さになっていた(厚さ23μm)。この固体電解質シートのイオン伝導度は、2.2×10−5 Scm−1であった。
以上から、実施例1〜3の固体電解質スラリーを用いて作製した固体電解質シートは、比較例1の固体電解質スラリーを用いて作製したものに比べて、イオン伝導度が一桁以上優れていることが分かった。
100 全固体型リチウムイオン電池
110 正極層
120 固体電解質層
130 負極層
201 正極集電体
203 マスク
205 正極塗工膜
207 固体電解質塗工膜
209 負極塗工膜
211 負極集電体
213 プレス装置
215 導電性粘着剤

Claims (28)

  1. 無機固体電解質材料(A)と、
    前記無機固体電解質材料(A)を分散し、かつ、前記無機固体電解質材料(A)に対して不活性な液体(B)と、
    を含む固体電解質スラリーであって、
    当該固体電解質スラリー中のバインダー樹脂(D)の含有量が、当該固体電解質スラリーの固形分を100質量%としたとき、0.5質量%未満である固体電解質スラリー。
  2. 請求項1に記載の固体電解質スラリーにおいて、
    前記液体(B)の25℃における水の溶解度が15ppm以下である固体電解質スラリー。
  3. 請求項1または2に記載の固体電解質スラリーにおいて、
    前記液体(B)の沸点が100℃以上である固体電解質スラリー。
  4. 請求項1乃至3いずれか一項に記載の固体電解質スラリーにおいて、
    前記液体(B)の25℃における動粘度が1cSt以上である固体電解質スラリー。
  5. 請求項1乃至4いずれか一項に記載の固体電解質スラリーにおいて、
    前記液体(B)の25℃における表面張力が25mN/m以下である固体電解質スラリー。
  6. 請求項1乃至5いずれか一項に記載の固体電解質スラリーにおいて、
    前記液体(B)がフッ素系不活性液体およびシリコーンオイルから選択される一種または二種以上を含む固体電解質スラリー。
  7. 請求項6に記載の固体電解質スラリーにおいて、
    前記フッ素系不活性液体がパーフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロポリエーテルから選択される一種または二種以上を含む固体電解質スラリー。
  8. 請求項6に記載の固体電解質スラリーにおいて、
    前記シリコーンオイルが環状シロキサンを含む固体電解質スラリー。
  9. 請求項1乃至8いずれか一項に記載の固体電解質スラリーにおいて、
    前記無機固体電解質材料(A)が硫化物系無機固体電解質材料を含む固体電解質スラリー。
  10. 請求項1乃至9いずれか一項に記載の固体電解質スラリーにおいて、
    リチウムイオン電池を構成する固体電解質層を形成するために用いられる固体電解質スラリー。
  11. 請求項1乃至10いずれか一項に記載の固体電解質スラリーを基材に塗工する工程と、
    前記基材に塗工された前記固体電解質スラリーを乾燥し、前記液体(B)を除去することにより前記基材上に固体電解質層を形成する工程と、
    を含む固体電解質シートの製造方法。
  12. 請求項11に記載の固体電解質シートの製造方法において、
    前記固体電解質層を加熱加圧する工程をさらに含む固体電解質シートの製造方法。
  13. 請求項1乃至10いずれか一項に記載の固体電解質スラリーと、
    前記固体電解質スラリーを封入する容器と、
    前記容器の内容積に対して前記固体電解質スラリーの占める容積を除いた空隙部に充填された不活性ガスと、
    を含む固体電解質スラリーの封入体。
  14. 無機固体電解質材料(A)と、
    前記無機固体電解質材料(A)を分散し、かつ、前記無機固体電解質材料(A)に対して不活性な液体(B)と、
    正極活物質および負極活物質から選択される電極活物質(C)と、
    を含む電極スラリーであって、
    当該電極スラリー中のバインダー樹脂(D)の含有量が、当該電極スラリーの固形分を100質量%としたとき、0.5質量%未満である電極スラリー。
  15. 請求項14に記載の電極スラリーにおいて、
    前記液体(B)の25℃における水の溶解度が15ppm以下である電極スラリー。
  16. 請求項14または15に記載の電極スラリーにおいて、
    前記液体(B)の沸点が100℃以上である電極スラリー。
  17. 請求項14乃至16いずれか一項に記載の電極スラリーにおいて、
    前記液体(B)の25℃における動粘度が1cSt以上である電極スラリー。
  18. 請求項14乃至17いずれか一項に記載の電極スラリーにおいて、
    前記液体(B)の25℃における表面張力が25mN/m以下である電極スラリー。
  19. 請求項14乃至18いずれか一項に記載の電極スラリーにおいて、
    前記液体(B)がフッ素系不活性液体およびシリコーンオイルから選択される一種または二種以上を含む電極スラリー。
  20. 請求項19に記載の電極スラリーにおいて、
    前記フッ素系不活性液体がパーフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロポリエーテルから選択される一種または二種以上を含む電極スラリー。
  21. 請求項20に記載の電極スラリーにおいて、
    前記シリコーンオイルが環状シロキサンを含む電極スラリー。
  22. 請求項14乃至21いずれか一項に記載の電極スラリーにおいて、
    前記無機固体電解質材料(A)が硫化物系無機固体電解質材料を含む電極スラリー。
  23. 請求項14乃至22いずれか一項に記載の電極スラリーにおいて、
    リチウムイオン電池を構成する電極層を形成するために用いられる電極スラリー。
  24. 請求項14乃至23いずれか一項に記載の電極スラリーを基材に塗工する工程と、
    前記基材に塗工された前記電極スラリーを乾燥し、前記液体(B)を除去することにより前記基材上に電極層を形成する工程と、
    を含む電極シートの製造方法。
  25. 請求項24に記載の電極シートの製造方法において、
    前記基材の前記電極スラリーが塗工される面は粗化処理されている電極シートの製造方法。
  26. 請求項14乃至23いずれか一項に記載の電極スラリーと、
    前記電極スラリーを封入する容器と、
    前記容器の内容積に対して前記電極スラリーの占める容積を除いた空隙部に充填された不活性ガスと、
    を含む電極スラリーの封入体。
  27. 正極層と、固体電解質層と、負極層とがこの順番に積層された全固体型リチウムイオン電池を製造するための製造方法であって、
    請求項1乃至10いずれか一項に記載の固体電解質スラリーを前記正極層および前記負極層から選択される第一の電極層上に塗工する工程と、
    前記第一の電極層に塗工された前記固体電解質スラリーを乾燥し、前記液体(B)を除去することにより前記第一の電極層上に前記固体電解質層を形成する工程と、
    前記固体電解質層の前記第一の電極層と接する面とは反対側の面上に、前記第一の電極層の対極である第二の電極層を形成することにより、前記正極層と、前記固体電解質層と、前記負極層とがこの順番に積層された積層体を得る工程と、
    を含む全固体型リチウムイオン電池の製造方法。
  28. 請求項27に記載の全固体型リチウムイオン電池の製造方法において、
    前記積層体を加熱加圧することにより前記正極層と、前記固体電解質層と、前記負極層とを一体化する工程と、
    をさらに含む全固体型リチウムイオン電池の製造方法。
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