JP2019194746A - Icタグを有する金属製構造部材、及び、icタグを有する金属製構造部材によるトレーサビリティに優れた製品履歴管理システム - Google Patents
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Abstract
Description
このスプリンクラー用巻出し管は、病院やスーパーあるいは大規模な商業店舗及び各種ビルなどの多くの施設に取り付けられており、それらの施設の安全・安心を確保する防災装置として使用されており、建築・土木分野でも広く活用されている。
図8に示すように、設置される施設の天井Aの裏面側には、複雑に設置された消火用配管Xが配管され、この消火用配管Xにスプリンクラー用巻出し管1が取り付けられており、スプリンクラー用巻出し管1の先端側であり天井Aの表面側にスプリンクラーヘッド6が取り付けられている。
すなわち、このスプリンクラー用巻出し管1は、のぶち3aやファイリング(のぶち受け)3bなどにより構成される支持部材3が敷設され、こののぶち3aやファイリング3b間に角バー4が懸け渡され、この角バー4に固定金具5を介してスプリンクラー用巻出し管1が取り付けられている。
しかして、このスプリンクラー用巻出し管1の先端からは、施設の火災時などの異常時にはスプリンクラーヘッド6を介して消火液が散布される。
このスプリンクラー用巻出し管1は、消火用配管Xの端部に接続されており、金属管1a、金属管1aに外嵌される樹脂部材1b、金属管1a及び樹脂部材1bを介してその先端側に取り付けられるナット1c、ナット1cの先端側に天井Aの表面側に臨むようにスプリンクラーヘッド6が取り付けられた構成である。
しかして、このスプリンクラー用巻出し管1は、金属管1aとして従来の剛性を有する直鋼管に替え蛇腹管を使用しているので、撓み性を有すると共に、屈曲性を有しており、配管中の角部などの箇所は一旦切断しエルボなどを用いて継ぎかえる必要がなく、屋内配管として好適であるという利点がある。
また、樹脂部材1bを介しているので、建物の中に生じる迷走電流(漏れ電流など)や金属管との異種金属間に生じる電位差による電蝕を防止することができるという利点もある。
例えば、施工後の製品特定の問題としては、設置済み現場での作業は直接天井裏などに入り目視確認によらなければならず、また、確認作業のためには天井において点検口を造ることや、追加工事や修復工事などを行わなければならないなどの不具合が指摘されている。
また、その工事の際にフロアー養生も必要であり、しかも作業時間は夜間に限定されるという時間的制約などの問題が指摘されている。
すなわち、製品管理上の問題とは、製品の製作段階と、製品の移動段階と、製品の据え付け段階と、製品の維持管理段階などがある中で、製品製作者、製作された製品の移動者、製品の据え付け者、据え付けられた製品の管理者などの各担当者がそれぞれの段階をそれぞれに担当しているのみであって、それぞれの各段階の情報がスムースに互いに連携されておらないという実情によるものと思われる。
例えば、国土交通省でもBIM・CIMを用いて関係各業界の情報共有の導入が奨励され、部材データがインターネットを介してクラウドと連動して情報交換や共有化を行い、管理の見える化や簡略化の仕組み造りが奨励されると共に、なお一層の新たなネットワーク社会の実現が期待されている。
同時に、製品の属性情報を知ることにより、その製品の品質管理や維持管理をスムースに行い、それら製品の追跡性を効率よく検知するというトレーサビリティ管理も求められてきている。
特許文献1として、ICタグを使用し、防災機器を設置位置に設置する前に各防災機器に予め記憶させておくことを想定し、非接触にて情報の読み取り及び書き込みが可能なICタグが格納される第1識別情報と、各防災機器を設置位置に設置した後で各防災機器のICタグに記憶させることを想定し従来のアドレス番号(固有番号)であって各防災機器が設置された防災系統を特定可能な第2識別情報とを記憶させ、管理装置にはこれら第1識別情報と第2識別情報との対応関係を記憶させておくことで、一方の識別情報に基づいて他方の識別情報の修正を命じるなど、防災機器の管理を容易に行なうことができる防災機器用の管理が開示されている。
すなわち、金属による通信阻害を抑制する構造を有する非接触ICタグラベルまたはシートであるが、金属体である商品などに直接には貼付しないで、非金属材料である伝票・値札・荷札などに貼付または添付して金属体に置いたり固定したりして使用する用途に関するラベルが開示されている。
また、請求項2記載のように、上記プレート体に格納される製品属性情報は、固有番号と任意番号とであることを特徴とする。
また、請求項3記載のように、上記製品属性情報の固有番号は製品自体の固有の系統を示す番号で、上記製品属性情報の任意番号は製品自体の品質・履歴などの各種の製品情報を示す番号であることを特徴とする。
また、請求項4記載のように、上記ICタグのアンテナ部分は、上記金属製構造部材に対して補強・保護されて非接触状態とされていることを特徴とする。
また、請求項5記載のように、上記ICタグのアンテナ部分は、上記金属製構造部材に対して立ち上がった状態に維持されて非接触状態とされていることを特徴とする。
また、請求項7記載のように、上記プレート体に格納される製品属性情報は、固有番号と任意番号であることを特徴とする。
また、請求項8記載のように、上記製品属性情報の固有番号は製品自体の固有の系統を示す番号で、上記製品属性情報の任意番号は製品自体の品質・履歴など各種の製品情報を示す番号であることを特徴とする。
また、このICタグを有する金属製構造部材を用いて、製品の属性情報を容易に検知・判別可能とし、その製品属性情報よりその製品の品質情報や維持情報あるいは製品の最終情報などを検知した上でその生産段階から流通段階並びに最終段階までの各種情報を容易に検知・判別可能とすることができ、トレーサビリティ管理を行うのに適したICタグによる製品履歴管理システムを提供することができる。
図1は、建築物などを組み立てる際の基礎部品である金属製構造部材のスプリンクラー用巻出し管10を示す説明図である。なお、従来と同一の部材は同一の名称及び同一の符号で説明する。
このスプリンクラー用巻出し管10は、金属管1a、金属管1aに外嵌される樹脂部材1b、金属管1a及び樹脂部材1bを介してその先端側に取り付けられるナット1c、ナット1cの先端側において天井Aの表面側に臨むように取り付けられたスプリンクラーヘッド6、ICタグを実装するプレート体20が金属管1aの所望個所に巻き付けるように取り付けられている。
天井Aの裏面側は、従来例と同様にのぶち3aやファイリング(のぶち受け)3bなどにより構成される支持部材3が敷設され、こののぶち3aやファイリング3b間に角バー4が懸け渡され、この角バー4に固定金具5を介してスプリンクラー用巻出し管10が取り付けられている。
また、樹脂部材1bを有しているので、建物の中に生じる迷走電流(漏れ電流など)や管本体との異種金属間に生じる電位差による電蝕を防止できるという利点を有する。
また、ICタグを実装するプレート体20を蛇腹管に取り付ける際に、ICタグのアンテナ部分が金属製構造部材と非接触状態とされるように取付けられるので、電波障害が無く無線通信が容易に行え、プレート体20を介して製品属性情報が読み取られこの金属製構造部品のトレーサビリティ管理を可能となる。
巻き付け領域20aは、長尺な基体よりなるプレート体20とされ、蛇腹管である金属管1aに巻き付けられて取り付けられているが、貼付けやその他の方法で取り付けられても構わない。
立上り領域20bは、プレート体20の表面側に設けられる印字部21と、プレート体20の裏面側に設けられICタグを実装したアンテナ部であるインレイ部22とよりなる。
なお、この印字部21及びインレイ部22は、製品属性情報が書き換え可能に格納されている。
印字部21は、社名や製品番号など必要事項21aが書き換え可能に印刷されている。
インレイ部22は、プレート体20の裏面側において貼着された粘着層23によって保護され、通信電波に対する感度が最もよい方向、すなわちアンテナ指向方向が好感度となるように設定されている。
なお、通信電波の周波数は、長波〜短波の周波数のうちから適宜選択できるが、この実施例では、UHF帯域を使用すると共に、金属管1aとインレイ部22の距離はデータ読み込み時の作業性と、通信の確実性の維持を考慮して設定される。
立上り補強領域20cは、ICタグを実装したプレート体20を補強・保護するもので、他方領域におけるプレート体端部分を折り返すようにして金属管1aと非接触状態として補強・保護して形成する。
金属対応のICタグとプレート体20との関係は密接な関係を有するので、次に詳細に述べるがいずれにせよ、このプレート体20自体はRFIDとして構成されている。
従来から市場には金属対応ICタグもあったが、市場流通量の問題や形状の問題(非常に大きい)なども有って、非常に高価なものになるため様々な工夫をしなければ現実的な金属対応のICタグとはならない。
このような課題を解決し、安価で使用可能で普及可能なICタグとするために、本発明では次のような観点から立上り補強領域20cなどの工夫をした。
具体的には、ICタグを実装したプレート体20を金属管1aと非接触状態としたもので、立上り補強領域20cにおけるプレート体端部分を折り返すようにし補強・保護することとして立上り補強領域20cを形成した。
第1番目:プレート体20において所謂「こし」がないと金属管に密着してしまうため、プレート体20を折り畳んで補強・保護するようにした(図5参照)あるいは図6ではプレート体20の幅方向に凸部を設け横方向から折り畳んで補強するようにした。
第2番目:金属管とICタグとの距離を好適にもたせ、ICタグのアンテナ部が金属管に密着させないようにするため、金属管とICタグ装着箇所との間に予め厚み(1ミリ〜10ミリ)のあるスペーサなどを巻付け、その上からICタグを巻くようにする。厚みのあるものとしては、例えば、発泡プラスチックシートやプラスチック成型品などを選択する。
第3番目:金属管とICタグとの距離を好適にもたせるため、ICタグのアンテナ部が金属管に密着させないため、シールであるプレート体同士を貼付し密着できないようにする。なお、剛性が確保できるものであれば、プラスチックフィルムをラミネートした紙などでもよい。
第4番目;金属管とICタグとの距離を好適にもたせるため、また、ICタグのアンテナ部が金属管に密着させないため、ICタグをプラスチック射出成形時にインサートするなどの方法を採用する。その場合には、熱と圧力によりICタグが破損する恐れもあるため、直接熱と圧力がかからないようにするなどの工夫が必要となる。
金属製構造部材は、当然他の金属製構造部材の製品と区別されるが、互いの区別のためには、型式などのように製品それ自体の固有の情報に基づくものと製品それ自体が持つ各種の情報とに区別される。この場合、製品の固有の情報は固有番号で表わし、製品の各種の情報は任意番号で表わすこととなるが、但し、製品属性情報である固有番号と任意番号は上記の趣旨に基づきつつ他の用語に置き換えてもよい。
製品属性情報の固有番号は、金属製構造部材自体の固有の状態(金属製構造部材自体の系統)を示すものであるから、例えば、付される製造番号のようなものであり、それによって製造ロットや製造年月日などが知れ読み取れる(ロット番号などと称してもよい)。
製品属性情報の任意番号は、金属製構造部材の種々の任意の状態を示すものであるから、例えば、金属製構造部材の設置個所や金属製構造部材の品質やその履歴など種々の情報である(各種状態番号と称してもよい)。例えば、製品の品質、履歴情報、商品名、製造年月日、製造履歴詳細(使用材料、作業担当者、製造ロットの不良有無など)、使用材料の購入履歴、生産ロット毎の出荷記録など種々の情報がある。
このとき、作業員が携帯したリーダーRで金属製構造部材の下方から読み取りを行っていくと、金属製構造部材が「製品属性情報『12345678』で固有番号が型番『1234』かつ任意番号『5678』のものが検知され特定され、多数の金属製構造部材の中より製品属性情報「12345678」が金属製構造部材として検知されることとなる。
したがって、作業員は現地調査用のタブレットTを介して基地局Bと連絡を取り、このリーダーRから検索された製品属性情報より固有番号および任意番号を基地局Bに送信し、基地局BのサーバーパソコンPなどで受信されたデータを演算処理し、その結果を表示するなどして必要なかつ望む処理を行うこととなる。このため、数多くの金属製構造部材の中から特定の金属製構造部材を迅速に容易に確実に検索し、必要な処理をすることができるので、製品の流通経路を生産段階から最終消費段階あるいは廃棄段階まで追跡可能として管理することができ、ICタグを有する金属製構造部材およびICタグを有する金属製構造部材のトレーサビリティ管理に優れた製品履歴管理システムとする。
第1工程:金属製構造部材をスプリンクラー用巻出し管10として準備し、基地局Bと連携しつつそれぞれの金属製構造部材の固有番号を登録し、現場に金属製構造部材10を設置する。
第2工程:同時に同様な作業を行い、金属製構造部材の任意番号を登録しつつ、このような設定作業と同時に、それぞれの金属製構造部材の登録を基地局と連携して行う。
第3工程:無線通信により金属製構造部材の製品属性情報および固有番号と任意番号は基地局Bと送受信して保管する。
すなわち、リーダーRから入手した製品属性情報は、タブレットTなどの端末より基地局BのPC Pを介してデーターベースDに吸い上げられ、基地局Bのデータを移行し生産管理システムを管理することとなる。
第4工程:基地局Bでは、吸い上げられたデータを生産管理システムから各システム(社内など)との照合を行い、対象製品の有無などを判別すると共に、様々な検索を行ってその確認結果を再び現場へと確認することとなる。
但し、これに限定されず本発明の趣旨を踏まえ種々の展開をすることができる。
すなわち、設置済み製品の製品属性情報および固有番号と任意番号をリーダーRなどで読み取ることにより、判明した各種データをビル管理システムへ連動させ、ビルの維持管理に展開可能とする。
また、建築物の使用部材情報として、建築物の品質管理をおこなう。
また、クラウドなどへの展開で、この発明の情報をオープンにすることで、この発明の製品使用各社が瞬時に製品の詳細履歴把握などが容易となる。
また、樹脂部材を使用しているので、建物の中に生じる迷走電流(漏れ電流など)や管本体との異種金属間に生じる電位差による電蝕を防止できるという利点を有する。
また、ICタグ実装のプレート体を蛇腹管に立ち上げて取り付けているので、無線通信によって金属製構造部材であるスプリンクラー用巻出し管に取付けても、金属製構造部材とは非接触状態とされて電波障害なきよう図られて、トレーサビリティ管理を可能とすることができる。
イ)設置済み製品の固有番号などの各種の情報の番号をリーダーRなどで読み取った情報より判明した各種データをビル管理システムへ連動させ、ビルの維持管理に展開可能とする。
ロ)建築物の使用部材情報として、建築物の品質管理を可能とする。
ハ)クラウドなどへの展開で、この発明の情報をオープンにすることで、この発明の製品使用各社が瞬時に製品の詳細履歴把握が容易となるなどの応用展開が見込まれる。
A 天井
1 スプリンクラー用巻出し管
6 スプリンクラーヘッド
10 ICタグを有するスプリンクラー用巻出し管(ICタグを有する金属製構造部材)
20 プレート体
20a 巻き付け領域
20b 立上り領域
20c 立上り補強領域
21 印字部
22 インレイ部
23 粘着層
R リーダー
T タブレッド
P パソコン
D データーベース
B 基地局
上記プレート体を所望箇所に取り付けてなる建築・土木分野の基礎部品である金属製構造部材であって、
上記金属製構造部材には、上記ICタグのアンテナ部分が非接触状態とされて電波障害なきよう図られて取り付けられると共に、格納されている上記製品属性情報が上記リーダーによって読み込まれて上記システムに伝達され、かつ製品自体の特定と製品自体の流通経路の特定のうちいずれか一方又は双方が検知されて処理されることが可能であることを特徴とする。
また、請求項2記載のように、上記ICタグのアンテナ部分は、上記金属製構造部材に対して補強し保護して非接触状態とされていることを特徴とする。
また、請求項3記載のように、上記ICタグのアンテナ部分は、上記金属製構造部材に対して立ち上がった状態に維持されて非接触状態とされていることを特徴とする。
また、請求項4記載のように、上記製品属性情報は、製品の流通経路を生産段階から最終消費段階であることを特徴とする。
また、請求項5記載のように、上記製品属性情報は、製品の流通経路を最終消費段階から廃棄段階までとすることを特徴とする。
上記システムに備えられているリ−ダーによって上記製品属性情報を読み込むと共に、タブレットの端末より基地局の制御手段に送信し、かつ上記制御手段によって受信された上記製品属性情報を分析して演算し表示し、
演算された結果である上記製品属性情報に基づいて製品自体の特定と製品自体の流通経路を検知し判断することを特徴とする。
また、請求項7記載のように、上記製品属性情報の製品の流通経路は、生産段階から最終消費段階とすることを特徴とする。
また、請求項8記載のように、上記製品属性情報の製品の流通経路は、最終消費段階から廃棄段階までとすることを特徴とする。
このスプリンクラー用巻出し管は、病院やスーパーあるいは大規模な商業店舗及び各種ビルなどの多くの施設に取り付けられており、それらの施設の安全・安心を確保する防災装置として使用されており、建築・土木分野でも広く活用されている。
図8に示すように、設置される施設の天井Aの裏面側には、複雑に設置された消火用配管Xが配管され、この消火用配管Xにスプリンクラー用巻出し管1が取り付けられており、スプリンクラー用巻出し管1の先端側であり天井Aの表面側にスプリンクラーヘッド6が取り付けられている。
すなわち、このスプリンクラー用巻出し管1は、のぶち3aやファイリング(のぶち受け)3bなどにより構成される支持部材3が敷設され、こののぶち3aやファイリング3b間に角バー4が懸け渡され、この角バー4に固定金具5を介してスプリンクラー用巻出し管1が取り付けられている。
しかして、このスプリンクラー用巻出し管1の先端からは、施設の火災時などの異常時にはスプリンクラーヘッド6を介して消火液が散布される。
このスプリンクラー用巻出し管1は、消火用配管Xの端部に接続されており、金属管1a、金属管1aに外嵌される樹脂部材1b、金属管1a及び樹脂部材1bを介してその先端側に取り付けられるナット1c、ナット1cの先端側に天井Aの表面側に臨むようにスプリンクラーヘッド6が取り付けられた構成である。
しかして、このスプリンクラー用巻出し管1は、金属管1aとして従来の剛性を有する直鋼管に替え蛇腹管を使用しているので、撓み性を有すると共に、屈曲性を有しており、配管中の角部などの箇所は一旦切断しエルボなどを用いて継ぎかえる必要がなく、屋内配管として好適であるという利点がある。
また、樹脂部材1bを介しているので、建物の中に生じる迷走電流(漏れ電流など)や金属管との異種金属間に生じる電位差による電蝕を防止することができるという利点もある。
例えば、施工後の製品特定の問題としては、設置済み現場での作業は直接天井裏などに入り目視確認によらなければならず、また、確認作業のためには天井において点検口を造ることや、追加工事や修復工事などを行わなければならないなどの不具合が指摘されている。
また、その工事の際にフロアー養生も必要であり、しかも作業時間は夜間に限定されるという時間的制約などの問題が指摘されている。
すなわち、製品管理上の問題とは、製品の製作段階と、製品の移動段階と、製品の据え付け段階と、製品の維持管理段階などがある中で、製品製作者、製作された製品の移動者、製品の据え付け者、据え付けられた製品の管理者などの各担当者がそれぞれの段階をそれぞれに担当しているのみであって、それぞれの各段階の情報がスムースに互いに連携されておらないという実情によるものと思われる。
例えば、国土交通省でもBIM・CIMを用いて関係各業界の情報共有の導入が奨励され、部材データがインターネットを介してクラウドと連動して情報交換や共有化を行い、管理の見える化や簡略化の仕組み造りが奨励されると共に、なお一層の新たなネットワーク社会の実現が期待されている。
同時に、製品の属性情報を知ることにより、その製品の品質管理や維持管理をスムースに行い、それら製品の追跡性を効率よく検知するというトレーサビリティ管理も求められてきている。
特許文献1として、ICタグを使用し、防災機器を設置位置に設置する前に各防災機器に予め記憶させておくことを想定し、非接触にて情報の読み取り及び書き込みが可能なICタグが格納される第1識別情報と、各防災機器を設置位置に設置した後で各防災機器のICタグに記憶させることを想定し従来のアドレス番号(固有番号)であって各防災機器が設置された防災系統を特定可能な第2識別情報とを記憶させ、管理装置にはこれら第1識別情報と第2識別情報との対応関係を記憶させておくことで、一方の識別情報に基づいて他方の識別情報の修正を命じるなど、防災機器の管理を容易に行なうことができる防災機器用の管理が開示されている。
すなわち、金属による通信阻害を抑制する構造を有する非接触ICタグラベルまたはシートであるが、金属体である商品などに直接には貼付しないで、非金属材料である伝票・値札・荷札などに貼付または添付して金属体に置いたり固定したりして使用する用途に関するラベルが開示されている。
また、請求項 2 記載のように、上記I C タグのアンテナ部分は、上記金属製構造部材に対して補強し保護して非接触状態とする。
また、請求項 3 記載のように、上記I C タグのアンテナ部分は、上記金属製構造部材に対して立ち上がった状態に維持されて非接触状態とされていることを特徴とする。
また、請求項 4記載のように、上記製品属性情報は、製品の流通経路を生産段階から最終消費者段階までとすることを特徴とする。
また、請求項 5 記載のように、上記製品属性情報は、製品の流通経路を最終消費者段階から廃棄段階までとすることを特徴とする。
また、請求項 7記載のように、上記製品属性情報は、製品の流通経路を生産段階から最終消費者段階までとすることを特徴とする。
また、請求項 8記載のように、上記製品属性情報の製品の流通経路は、最終消費者段階から廃棄段階までとすることを特徴とする。
また、このICタグを有する金属製構造部材を用いて、製品の属性情報を容易に検知・判別可能とし、その製品属性情報よりその製品の品質情報や維持情報あるいは製品の最終情報などを検知した上でその生産段階から流通段階並びに最終段階までの各種情報を容易に検知・判別可能とすることができ、トレーサビリティ管理を行うのに適したICタグによる製品履歴管理システムを提供することができる。
図1は、建築物などを組み立てる際の基礎部品である金属製構造部材のスプリンクラー用巻出し管10を示す説明図である。なお、従来と同一の部材は同一の名称及び同一の符号で説明する。
このスプリンクラー用巻出し管10は、金属管1a、金属管1aに外嵌される樹脂部材1b、金属管1a及び樹脂部材1bを介してその先端側に取り付けられるナット1c、ナット1cの先端側において天井Aの表面側に臨むように取り付けられたスプリンクラーヘッド6、ICタグを実装するプレート体20が金属管1aの所望個所に巻き付けるように取り付けられている。
天井Aの裏面側は、従来例と同様にのぶち3aやファイリング(のぶち受け)3bなどにより構成される支持部材3が敷設され、こののぶち3aやファイリング3b間に角バー4が懸け渡され、この角バー4に固定金具5を介してスプリンクラー用巻出し管10が取り付けられている。
また、樹脂部材1bを有しているので、建物の中に生じる迷走電流(漏れ電流など)や管本体との異種金属間に生じる電位差による電蝕を防止できるという利点を有する。
また、ICタグを実装するプレート体20を蛇腹管に取り付ける際に、ICタグのアンテナ部分が金属製構造部材と非接触状態とされるように取付けられるので、電波障害が無く無線通信が容易に行え、プレート体20を介して製品属性情報が読み取られこの金属製構造部品のトレーサビリティ管理を可能となる。
巻き付け領域20aは、長尺な基体よりなるプレート体20とされ、蛇腹管である金属管1aに巻き付けられて取り付けられているが、貼付けやその他の方法で取り付けられても構わない。
立上り領域20bは、プレート体20の表面側に設けられる印字部21と、プレート体20の裏面側に設けられICタグを実装したアンテナ部であるインレイ部22とよりなる。
なお、この印字部21及びインレイ部22は、製品属性情報が書き換え可能に格納されている。
印字部21は、社名や製品番号など必要事項21aが書き換え可能に印刷されている。
インレイ部22は、プレート体20の裏面側において貼着された粘着層23によって保護され、通信電波に対する感度が最もよい方向、すなわちアンテナ指向方向が好感度となるように設定されている。
なお、通信電波の周波数は、長波〜短波の周波数のうちから適宜選択できるが、この実施例では、UHF帯域を使用すると共に、金属管1aとインレイ部22の距離はデータ読み込み時の作業性と、通信の確実性の維持を考慮して設定される。
立上り補強領域20cは、ICタグを実装したプレート体20を補強・保護するもので、他方領域におけるプレート体端部分を折り返すようにして金属管1aと非接触状態として補強・保護して形成する。
金属対応のICタグとプレート体20との関係は密接な関係を有するので、次に詳細に述べるがいずれにせよ、このプレート体20自体はRFIDとして構成されている。
従来から市場には金属対応ICタグもあったが、市場流通量の問題や形状の問題(非常に大きい)なども有って、非常に高価なものになるため様々な工夫をしなければ現実的な金属対応のICタグとはならない。
このような課題を解決し、安価で使用可能で普及可能なICタグとするために、本発明では次のような観点から立上り補強領域20cなどの工夫をした。
具体的には、ICタグを実装したプレート体20を金属管1aと非接触状態としたもので、立上り補強領域20cにおけるプレート体端部分を折り返すようにし補強・保護することとして立上り補強領域20cを形成した。
第1番目:プレート体20において所謂「こし」がないと金属管に密着してしまうため、プレート体20を折り畳んで補強・保護するようにした(図5参照)あるいは図6ではプレート体20の幅方向に凸部を設け横方向から折り畳んで補強するようにした。
第2番目:金属管とICタグとの距離を好適にもたせ、ICタグのアンテナ部が金属管に密着させないようにするため、金属管とICタグ装着箇所との間に予め厚み(1ミリ〜10ミリ)のあるスペーサなどを巻付け、その上からICタグを巻くようにする。厚みのあるものとしては、例えば、発泡プラスチックシートやプラスチック成型品などを選択する。
第3番目:金属管とICタグとの距離を好適にもたせるため、ICタグのアンテナ部が金属管に密着させないため、シールであるプレート体同士を貼付し密着できないようにする。なお、剛性が確保できるものであれば、プラスチックフィルムをラミネートした紙などでもよい。
第4番目;金属管とICタグとの距離を好適にもたせるため、また、ICタグのアンテナ部が金属管に密着させないため、ICタグをプラスチック射出成形時にインサートするなどの方法を採用する。その場合には、熱と圧力によりICタグが破損する恐れもあるため、直接熱と圧力がかからないようにするなどの工夫が必要となる。
金属製構造部材は、当然他の金属製構造部材の製品と区別されるが、互いの区別のためには、型式などのように製品それ自体の固有の情報に基づくものと製品それ自体が持つ各種の情報とに区別される。この場合、製品の固有の情報は固有番号で表わし、製品の各種の情報は任意番号で表わすこととなるが、但し、製品属性情報である固有番号と任意番号は上記の趣旨に基づきつつ他の用語に置き換えてもよい。
製品属性情報の固有番号は、金属製構造部材自体の固有の状態(金属製構造部材自体の系統)を示すものであるから、例えば、付される製造番号のようなものであり、それによって製造ロットや製造年月日などが知れ読み取れる(ロット番号などと称してもよい)。
製品属性情報の任意番号は、金属製構造部材の種々の任意の状態を示すものであるから、例えば、金属製構造部材の設置個所や金属製構造部材の品質やその履歴など種々の情報である(各種状態番号と称してもよい)。例えば、製品の品質、履歴情報、商品名、製造年月日、製造履歴詳細(使用材料、作業担当者、製造ロットの不良有無など)、使用材料の購入履歴、生産ロット毎の出荷記録など種々の情報がある。
このとき、作業員が携帯したリーダーRで金属製構造部材の下方から読み取りを行っていくと、金属製構造部材が「製品属性情報『12345678』で固有番号が型番『1234』かつ任意番号『5678』のものが検知され特定され、多数の金属製構造部材の中より製品属性情報「12345678」が金属製構造部材として検知されることとなる。
したがって、作業員は現地調査用のタブレットTを介して基地局Bと連絡を取り、このリーダーRから検索された製品属性情報より固有番号および任意番号を基地局Bに送信し、基地局BのサーバーパソコンPなどで受信されたデータを演算処理し、その結果を表示するなどして必要なかつ望む処理を行うこととなる。このため、数多くの金属製構造部材の中から特定の金属製構造部材を迅速に容易に確実に検索し、必要な処理をすることができるので、製品の流通経路を生産段階から最終消費段階あるいは廃棄段階まで追跡可能として管理することができ、ICタグを有する金属製構造部材およびICタグを有する金属製構造部材のトレーサビリティ管理に優れた製品履歴管理システムとする。
第1工程:金属製構造部材をスプリンクラー用巻出し管10として準備し、基地局Bと連携しつつそれぞれの金属製構造部材の固有番号を登録し、現場に金属製構造部材10を設置する。
第2工程:同時に同様な作業を行い、金属製構造部材の任意番号を登録しつつ、このような設定作業と同時に、それぞれの金属製構造部材の登録を基地局と連携して行う。
第3工程:無線通信により金属製構造部材の製品属性情報および固有番号と任意番号は基地局Bと送受信して保管する。
すなわち、リーダーRから入手した製品属性情報は、タブレットTなどの端末より基地局BのPC Pを介してデーターベースDに吸い上げられ、基地局Bのデータを移行し生産管理システムを管理することとなる。
第4工程:基地局Bでは、吸い上げられたデータを生産管理システムから各システム(社内など)との照合を行い、対象製品の有無などを判別すると共に、様々な検索を行ってその確認結果を再び現場へと確認することとなる。
但し、これに限定されず本発明の趣旨を踏まえ種々の展開をすることができる。
すなわち、設置済み製品の製品属性情報および固有番号と任意番号をリーダーRなどで読み取ることにより、判明した各種データをビル管理システムへ連動させ、ビルの維持管理に展開可能とする。
また、建築物の使用部材情報として、建築物の品質管理をおこなう。
また、クラウドなどへの展開で、この発明の情報をオープンにすることで、この発明の製品使用各社が瞬時に製品の詳細履歴把握などが容易となる。
また、樹脂部材を使用しているので、建物の中に生じる迷走電流(漏れ電流など)や管本体との異種金属間に生じる電位差による電蝕を防止できるという利点を有する。
また、ICタグ実装のプレート体を蛇腹管に立ち上げて取り付けているので、無線通信によって金属製構造部材であるスプリンクラー用巻出し管に取付けても、金属製構造部材とは非接触状態とされて電波障害なきよう図られて、トレーサビリティ管理を可能とすることができる。
イ)設置済み製品の固有番号などの各種の情報の番号をリーダーRなどで読み取った情報より判明した各種データをビル管理システムへ連動させ、ビルの維持管理に展開可能とする。
ロ)建築物の使用部材情報として、建築物の品質管理を可能とする。
ハ)クラウドなどへの展開で、この発明の情報をオープンにすることで、この発明の製品使用各社が瞬時に製品の詳細履歴把握が容易となるなどの応用展開が見込まれる。
A 天井
1 スプリンクラー用巻出し管
6 スプリンクラーヘッド
10 ICタグを有するスプリンクラー用巻出し管(ICタグを有する金属製構造部材)
20 プレート体
20a 巻き付け領域
20b 立上り領域
20c 立上り補強領域
21 印字部
22 インレイ部
23 粘着層
R リーダー
T タブレッド
P パソコン
D データーベース
B 基地局
Claims (8)
- ICタグを実装すると共に、製品属性情報を書き換え可能に格納してなるプレート体を所望箇所に取り付けてなる金属製構造部材であって、
上記ICタグのアンテナ部分が上記金属製構造部材と非接触状態とされて電波障害なきよう図られていることを特徴とするICタグを有する金属製構造部材。 - 上記プレート体に格納される製品属性情報は、固有番号と任意番号とであることを特徴とする請求項1記載のICタグを有する金属製構造部材。
- 上記製品属性情報の固有番号は製品自体の固有の系統を示す番号で、上記製品属性情報の任意番号は製品自体の品質・履歴などの各種の製品情報を示す番号であることを特徴とする請求項2記載のICタグを有する金属製構造部材。
- 上記ICタグのアンテナ部分は、上記金属製構造部材に対して補強・保護されて非接触状態とされていることを特徴とする請求項1記載のICタグを有する金属製構造部材。
- 上記ICタグのアンテナ部分は、上記金属製構造部材に対して立ち上がった状態に維持されて非接触状態とされていることを特徴とする請求項4記載のICタグを有する金属製構造部材。
- 請求項1記載のICタグを有する金属製構造部材を、建築物を組み立てる基礎部品として取り付けると共に、上記金属製構造部材に格納されている製品属性情報をリ−ダーによって読み込み、かつタブレットなどの端末より基地局などの制御手段に送信し、上記制御手段によって受信された上記製品属性情報を分析して演算し表示し、演算された製品属性情報に基づいて種々の管理を行うことを特徴とするICタグを有する金属製構造部材によるトレーサビリティに優れた製品履歴管理システム。
- 上記プレート体に格納される製品属性情報は、固有番号と任意番号であることを特徴とする請求項6記載のICタグを有する金属製構造部材によるトレーサビリティに優れた製品履歴管理システム。
- 上記製品属性情報の固有番号は製品自体の固有の系統を示す番号で、上記製品属性情報の任意番号は製品自体の品質・履歴など各種の製品情報を示す番号であることを特徴とする請求項7記載のICタグを有する金属製構造部材によるトレーサビリティに優れた製品履歴管理システム。
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