JP2019194037A - 区画線認識装置 - Google Patents

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【課題】意図しない車両挙動が発生した場合において、その影響を抑制できる区画線情報を取得可能な区画線認識装置を提供する。【解決手段】カメラ情報に基づいて区画線情報を算出する区画線検出部と、車両挙動情報を出力する車両挙動検出部と、車両挙動情報に基づいて推定区画線情報を求めて出力する区画線情報推定部と、推定区画線情報および車両挙動情報を記憶し、記憶した過去の推定区画線情報を過去の車両挙動情報に基づいて現在位置推定区画線情報に補正して出力する推定区画線情報保持部と、推定区画線情報と現在位置推定区画線情報とに基づいて推定区画線情報の精度の判定結果を出力する推定区画線精度判定部と、区画線情報と判定結果に基づいて、区画線情報を補正して出力する区画線情報補正部と、を備えている。【選択図】図3

Description

本発明は、車両の走行レーンを規定する区画線を認識する区画線認識装置に関する。
従来、車両が走行レーンに沿って走行するように転舵輪の操舵制御を行う車両用操舵装置が知られている。この車両用操舵装置では、カメラなどを利用して車両の走行レーンを規定する区画線(白線とも言う)を検出することで、車両が走行すべき走行路情報を取得し、取得した走行路情報に基づいて、転舵輪に適切なアシストトルクを付与することで操舵制御を行う。
例えば特許文献1では、画像認識処理により得た白線線認識結果と、車両情報から推定した推定白線認識結果とを比較して、画像認識処理による白線認識の精度を判定し、この精度が許容範囲内でないと判定されたときには推定白線認識結果を用いて白線認識結果を補正し、補正された前記区画線認識結果に基づいて操舵アシストトルクを発生させ、この精度が許容範囲内であると判定されたときには白線認識結果に基づいて操舵アシストトルクを発生させる運転支援装置が開示されている。
特開2009−202673号公報
特許文献1に開示された運転支援装置においては、ドライバによる操舵およびカント、横風等の外乱による車両挙動への影響を十分に考慮できておらず、車両が走行レーンに沿った挙動から逸脱した場合に、カメラの誤認識を精度良く防止できない可能性がある。そのため、ドライバによる操舵および外乱により走行レーンに沿った車両挙動が得られなイ場合においても、その車両挙動に基づいて白線認識結果が補正されるため、意図しない車両制御が行われる可能性がある。
本発明は上記のような問題を解決するためになされたものであり、意図しない車両挙動が発生した場合において、その影響を抑制できる区画線情報を取得可能な区画線認識装置を提供することを目的とする。
本発明に係る区画線認識装置は、車両が走行する走行路の区画線情報を取得して区画線を認識する区画線認識装置であって、カメラ情報に基づいて、前記車両の前方の前記区画線の位置および形状に関する前記区画線情報を算出する区画線検出部と、前記車両の車速およびヨーレートを検出して車両挙動情報として出力する車両挙動検出部と、前記車両挙動情報に基づいて前記走行路の前記区画線情報の推定値である推定区画線情報を求めて出力する区画線情報推定部と、前記区画線情報推定部から出力される前記推定区画線情報および前記車両挙動検出部から出力される前記車両挙動情報を記憶すると共に、記憶した過去の推定区画線情報を過去の車両挙動情報に基づいて前記車両の現在位置における現在位置推定区画線情報に補正して出力する推定区画線情報保持部と、前記区画線情報推定部から出力される前記推定区画線情報と前記推定区画線情報保持部から出力される前記現在位置推定区画線情報とを比較して、前記推定区画線情報と前記現在位置推定区画線情報との差異が、第1の範囲内であるか否かを判定し、前記第1の範囲内であれば前記現在位置推定区画線情報を判定結果として出力し、前記第1の範囲内でなければ前記現在位置推定区画線情報に基づいて前記推定区画線情報を補正して判定結果として出力する推定区画線精度判定部と、前記区画線検出部から出力される前記区画線情報と推定区画線精度判定部から出力される前記判定結果とを比較して、前記区画線情報と前記判定結果との差異が、第2の範囲内であるか否かを判定し、前記第2の範囲内であれば前記区画線情報を出力し、前記第2の範囲内でなければ前記判定結果に基づいて前記区画線情報を補正して出力する、区画線情報補正部と、を備えている。
本発明に係る区画線認識装置によれば、例えば、ドライバの操舵および外乱により意図しない車両挙動が発生した場合においても、その影響を抑制できる区画線情報を取得できる。
本発明に係る実施の形態の区画線認識装置を搭載した車両の全体構成を示すブロック図である。 本発明に係る実施の形態の区画線認識装置を実現するコントロールユニットを模式的に示す図である。 本発明に係る実施の形態の区画線認識装置の構成を示す機能ブロック図である。 本発明に係る実施形態の区画線認識装置の動作を説明するフローチャートである。 本発明に係る実施形態の区画線認識装置の推定区画線情報保持部の動作を説明するフローチャートである。 現在位置推定区画線情報の算出処理を模式的に示す図である。 中間区画線情報を模式的に説明する図である。 車両が検出位置から距離L進んだ場合の推定区画線情報を模式的に示す図である。 本発明に係る実施形態の区画線認識装置の推定区画線精度判定部での処理を説明するフローチャートである。 本発明に係る実施形態の区画線認識装置の区画線情報補正部での処理を説明するフローチャートである。 本発明に係る実施の形態の区画線認識装置を実現するハードウェア構成を示す図である。 本発明に係る実施の形態の区画線認識装置を実現するハードウェア構成を示す図である。
<実施の形態>
以下、本発明に係る運転支援装置の実施の形態について、図1〜図10を用いて説明する。
<装置構成>
図1は、本発明に係る区画線認識装置を搭載した車両10の全体構成を示すブロック図である。なお、図1においては、主として操舵系を示しており駆動系などは省略している。
図1に示すように車両10は、前輪の2つのタイヤ20を操作する操舵装置6(ステアリング)には、一般的な電動パワーステアリングと同様にステアリングの切れ角(操舵角)を制御するモータ5が取り付けられており、コントロールユニット1からの目標電流に基づいて、モータ5が操舵装置6を自動操舵する構成となっている。
コントロールユニット1は、ADAS(Advanced Driving Assistance Systems)−ECUとも呼称され、地図データ、車両の前方を撮像する前方カメラ2から得られる走行レーンの情報および衛星測位装置7を介して複数の測位衛星STから受信した測位衛星信号に基づいて得られた現在位置情報とに基づいて、走行レーンから逸脱しない目標操舵角を演算してモータ5に入力する運転支援装置である。
前方カメラ2は、車両内のルームミラー周辺に設置され、車両のフロントガラスを介して車両の前方を撮影して得られる区画線(白線)の情報を、カメラ情報として出力しコントロールユニット1に入力する。
前方カメラ2は単眼カメラを用いても良く、ステレオカメラを用いても良い。また、可視光カメラに限定されず、赤外線カメラを用いても良く、環境に合わせてカメラの種類を変更し、また、組み合わせて用いても良い。
各タイヤ20には車輪速センサ3が設けられており、車両の車速に関する車速情報を検出しコントロールユニット1に与える。
また、コントロールユニット1には、ヨーレートセンサ4で検出した車両のヨーレート(旋回方向への回転角の変化速度)情報も与えられる。
測位衛星STは、GNSS(Global Navigation Satellite System)、準天頂衛星などの地球の周囲を飛行している複数の衛星であるが、便宜的に図1では1機のみを示している。
衛星測位装置7は、複数の測位衛星STからの衛星信号を図示されないアンテナを介して受信し、自車の現在位置(自車位置)を演算し、コントロールユニット1に出力する。
図2は、コントロールユニット1に入力される各種の情報と、コントロールユニット1の出力とを模式的に示したブロック図である。
図2に示すように、本発明に係る区画線認識装置100は、コントロールユニット1によって実現され、同じくコントロールユニット1によって実現される操舵制御装置200に区画線情報を与える。
車輪速センサ3から出力される車速情報には、例えば、車両の車速、当該車速の時間微分によって得られる車両の走行距離、車速の時間積分によって得られる車両の加速度などが含まれる。
ヨーレートセンサ4から出力されるヨーレート情報には、例えば、車両のヨー角、当該ヨー角の時間微分によって得られる車両のヨーレート、車両のヨーレートから算出される車両のモーメントなどが含まれている。
衛星測位装置7から出力される車両の現在位置情報は、走行レーンから逸脱しない目標操舵角を演算するために、区画線認識装置100によって認識された区画線情報と共に操舵制御装置200に与えられ、コントロールユニット1は目標操舵角を実現する目標電流を決定してモータ5を駆動する。なお、コントロールユニット1は、一般的な電動パワーステアリングの機能を有していても良い。
図3は、コントロールユニット1によって実現される区画線認識装置100の構成を示す機能ブロック図である。図3に示すように区画線認識装置100は、区画線検出部11、車両挙動検出部12、区画線情報推定部13、推定区画線情報保持部14、推定区画線精度判定部15および区画線情報補正部16を備えている。
区画線検出部11は、前方カメラ2で撮影された車両前方の画像のデータに基づいて区画線情報を検出し、検出した区画線情報を例えば0.1sec周期で推定区画線情報保持部14に出力する。
区画線情報は、前方カメラ2での画像撮影時の車両の位置を基準として、車両前方の区画線の位置および形状に関するカメラ情報から算出される。区画線情報には、例えば、車両と車両側方の区画線との距離である区画線距離、車両側方の区画線に対する車両の進行方向の傾きである車両角度、区画線の曲率および区画線の曲率変化率が含まれている。
なお、区画線情報の算出には公知の方法を用いれば良く、例えば、前方カメラ2で撮影された画像に対してエッジ検出処理を行い、区画線を構成する線を近似的に求め、得られた近似線に基づいて、区画線距離等を求める方法が挙げられるが、これに限定されるものではなく、本実施の形態ではどのような方法を用いて区画線情報を算出しても効果には影響しない。
車両挙動検出部12は、車速検出部12aおよびヨーレート検出部12bを備えている。車速検出部12aは、車輪速センサ3で検出された車速情報に基づいて、区画線検出部11が区画線を検出した時点から現在までの車両の車速を随時に検出する。この検出周期は、前方カメラ2での撮影周期、例えば0.1sec程度である。
ヨーレート検出部12bは、ヨーレートセンサ4から出力されるヨーレート情報に基づいて、区画線検出部11が区画線を検出した時点から現在までの車両のヨーレートを随時検出する。この検出周期は、ヨーレートセンサ4の更新周期と同じく、例えば0.01sec程度である。
このように、車両挙動検出部12は、区画線の検出時点からの車両の車速およびヨーレートを検出して車両挙動とする。車両挙動検出部12は、検出した車両挙動を区画線情報推定部13および推定区画線情報保持部14に車両挙動情報として出力する。
区画線情報推定部13は、車両挙動検出部12で検出された車両挙動に基づいて、区画線検出部11で検出した区画線で規定される走行レーンの推定区画線情報を推定する。推定区画線情報には、例えば、車両と車両側方の区画線との推定距離である推定区画線距離、車両側方の区画線に対する車両の進行方向の推定の傾きである推定車両角度、区画線の推定曲率、区画線の推定曲率変化率のうち、少なくとも1つ以上が含まれる。区画線情報推定部13は、推定した推定区画線情報を推定区画線情報保持部14および推定区画線精度判定部15に出力する。
例えば、区画線の推定曲率は、ヨーレートをγとし、車速をVとした場合にγ/Vにより求めることができ、得られた推定曲率を時間微分することで推定曲率変化率を求めることができる。また、推定車両角度は、車両のヨー角などのヨーレートセンサ4から出力されるヨーレート情報に基づいて求めることができる。また、推定区画線距離については、後に説明する現在の推定区画線情報の精度の判定において、精度が高いと判定される場合のカメラ情報に基づいて区画線距離を取得しておけば、そこからの変動は車両挙動に基づいて推定できる。同様の方法で、推定車両角度も推定できる。
推定区画線情報保持部14は、区画線情報推定部13から出力される推定区画線情報を過去値として記憶すると共に、記憶した過去の推定区画線情報に対して随時、推定時から現在までの車両挙動に基づいて補正を行い、現在位置推定区画線情報として更新し、推定区画線精度判定部15に出力する。例えば、車両挙動情報が0.05sec周期で更新される場合、0.05secごとに過去の推定区画線情報の補正を行う。すなわち、推定した瞬間の区画線情報に対し0.05sec後にはその0.05sec間で動いた分の補正を行って現在位置推定区画線情報とする。このような補正処理を繰り返して現在位置推定区画線情報を更新し続ける。なお、補正の対象には区画線の位置および形状などが挙げられる。
推定区画線精度判定部15は、区画線情報推定部13から出力される現在の推定区画線情報の精度を推定区画線情報保持部14から出力される現在位置推定区画線情報に基づいて判定する。そして、現在の推定区画線情報の精度が低い場合は、現在位置推定区画線情報に基づいて補正を行い、補正後の推定区画線情報を判定結果として出力する。なお、現在の推定区画線情報の精度の判定方法については後に説明する。
ここで、現在の区画線情報の精度の判定に用いられる現在位置推定区画線情報の個数が多いほど判定結果の精度は安定するが、その一方で、記憶領域および演算負荷が増加してしまう。また、推定区画線情報が推定された時点と現時点との間の時間が長いほど、当該推定区画線情報の過去値の推定精度は低下してしまう。そこで、本実施の形態では、推定区画線情報保持部14は、最大で10個までの現在位置推定区画線情報を記憶するものとする。これにより、安定して推定区画線情報および車両挙動が得られる場合には、例えば現在から約0.1sec前の時点までの過去の現在位置推定区画線情報が、推定区画線情報保持部14に記憶されることになる。
区画線情報補正部16は、推定区画線精度判定部15から出力された判定結果に基づいて、区画線検出部11で検出された区画線情報を補正する。補正後の区画線情報は、操舵制御装置200与えられて走行レーンの認識に使用され、また、認識した走行レーンから逸脱しないように車両を走行させるための目標操舵角の演算に使用される。
<動作>
次に、図4に示すフローチャートを用いて、実施の形態に係る区画線認識装置100の動作について説明する。なお、このフローチャートの開始から終了までの動作は、例えば0.01secを1周期とする一定周期で複数回繰り返して実行される。
まず、ステップS1において、区画線検出部11が、区画線検出処理を実施して区画線情報を検出する。区画線検出部11は、前方カメラ2から出力されるカメラ情報から、公知の方法を用いて、区画線距離、車両角度、区画線の曲率および区画線の曲率変化率を含む現在の区画線情報を検出する。また、車両挙動検出部12が、区画線情報の検出に合わせて、車両挙動情報を検出する。検出される車両挙動には、車輪速センサ3から出力される車速情報に基づいて車速検出部12aで検出される車速、およびヨーレートセンサ4から出力されるヨーレート情報に基づいてヨーレート検出部12bで検出されるヨーレートを含んでいる。
次に、区画線情報推定部13において、車速検出部12aおよびヨーレート情報検出部12bがそれぞれ出力する車速およびヨーレート等の現在の車両挙動情報に基づいて区画線推定処理を実施し、推定区画線距離、推定車両角度、区画線の推定曲率および区画線の推定曲率変化率のうち、少なくとも1つ以上を含む現在の推定区画線情報を推定する(ステップS2)。
次に、推定区画線情報保持部14において、区画線情報推定部13で推定した現在の推定区画線情報を過去値として記憶する(ステップS3)。また、本実施の形態における推定区画線情報保持部14は、保記憶した過去の推定区画線情報を、過去の車両挙動情報に基づいて車両の現在位置を基準とする現在位置推定区画線情報に補正する。なお、本実施の形態における過去とは、図4に示すフローの少なくとも1周期前を指す。
次に、推定区画線精度判定部15において、推定区画線情報保持部14から出力される現在位置推定区画線情報に基づいて、区画線情報推定部13から出力される現在の推定区画線情報の精度を判定する(ステップS4)。すなわち、区画線情報推定部13から出力される現在の推定区画線情報と、推定区画線情報保持部14から出力される現在位置推定区画線情報とを比較し、両者の変動量が許容範囲内であれば現在の推定区画線情報の精度が高いものとして現在の推定区画線情報を判定結果として出力する。一方、両者の変動量が許容範囲外であれば現在の推定区画線情報の精度が低いものとして現在位置推定区画線情報に基づいて補正した補正後の推定区画線情報を判定結果として出力する。
次に、区画線情報補正部16において、推定区画線精度判定部15から出力される判定結果に基づき、区画線検出部11から出力される区画線情報を補正する(ステップS5)。すなわち、判定結果と区画線情報とが大きく乖離している場合など、区画線情報が所定の範囲を超えた場合は、区画線情報が所定の範囲内となるように補正する。なお、区画線情報の補正については、後に説明する。
先に説明したように、上述したステップS1〜S5のフローは、予め定めた所定数の情報が蓄積されるまで複数回繰り返して実行され、所定数の情報が蓄積された後は、新たに情報が入った場合は、一番古い情報を削除して最新の情報を記憶する。保持している情報の分散値が許容値より大きい場合、または、補正された回数をカウントしておき、保持している情報のうち、予め定めた所定数以上の情報が補正されたものであれば保持している情報の信頼度が低いと判断して一度保持している履歴をリセットする。
ここで、区画線検出部11が区画線を検出した時点の車両位置については、区画線検出部11が区画線情報を検出した第1の時点から区画線情報補正部16が区画線情報を取得した第2の時点までの時間差による影響が無視できない場合がある。
この時間差の原因としては、前方カメラ2(図2)が撮影した前方画像を処理して区画線情報を求める際の演算に必要な時間、および、CAN(Controller Area Network)等の通信線を経由することによる通信遅れなどが挙げられる。例えば、時間差が無視できるレベル、例えば0.01sec程度であれば、第1の時点と第2の時点とは同時とみなせるため、時間差に起因する走行距離および車両回転角のずれはともに0とすることができる。一方、時間差が無視できないレベル、例えば0.1sec程度であれば、その間に車両は数m走行する。
このような場合には、区画線情報補正部16は、取得した車両の位置を、取得時点から0.1sec前に検出された車両の位置として用いる。0.1sec前の車両の位置は、0.1sec間の車両挙動を、積算することで得られる。
以上説明したように、区画線検出部11で検出した区画線情報を、区画線情報補正部16において、推定区画線情報保持部14が出力する車両挙動から推定した現在位置推定区画線情報に基づいて補正をするので、区画線情報の精度を高めることができる。
また、推定区画線精度判定部15において、推定区画線情報保持部14から出力される現在位置推定区画線情報に基づいて、区画線情報推定部13から出力される現在の推定区画線情報の精度を判定し、精度が低い場合には現在位置推定区画線情報に基づいて補正するので、ドライバの操舵および外乱により車両が区画線情報と異なる挙動をした場合においても連続性のある推定区画線情報を取得することができ、精度の良い区画線情報を取得することができる。
なお、本実施の形態では、コントロールユニット1(図1)で実現される区画線認識装置100の区画線情報補正部16から出力された区画線情報が、同じくコントロールユニットで実現される操舵制御装置200に与えられ、走行レーンの認識に使用され、また、認識した走行レーンから逸脱しないように車両を走行させるための目標操舵角の演算に使用され、目標操舵角に基づいてモータ5の電流を制御することによって、舵角制御を実現する。これにより、例えば、車両が車線間の車線中央などの部分を走行することを維持するレーンキープアシスト機能をより適切に実行することができる。
<推定区画線情報保持部での処理>
次に、図5に示すフローチャートを用いて、図4に示すステップS3の推定区画線情報保持部14において現在位置推定区画線情報を求めるフローについて説明する。また、図6は、現在位置推定区画線情報の算出処理を模式的に示す図である。
図6においては、過去の推定区画線情報を取得した時点の車両の位置を検出位置DPとし、車両の現在位置を現在位置CPとして示しており、車両がカーブした走行レーンに沿って移動した状態を示しており、推定区画線情報を曲線で模式的に示している。なお、推定区画線情報には、区画線距離k0、車両角度k1、区画線の曲率k2および曲率変化率k3を含んでいる。また、図6においては、検出位置DPにおける車両の前後方向および左右方向をそれぞれx方向およびy方向とする直行座標系を検出位置座標系とし、現在位置CPにおける車両の前後方向をx’方向、車両の左右方向をy’方向とする現在位置座標系としている。
<ステップS31の処理>
推定区画線情報保持部14は、ステップS31において、区画線情報推定部13で推定された現在位置CPでの現在の推定区画線情報を記憶区画線情報(過去値)として記憶する。また、推定区画線情報保持部14は、記憶区画線情報に加え、推定区画線情報を推定するのに使用した車両挙動情報も過去値として記憶し、積算して車両挙動積算値とする。過去から現在までの車両挙動を周期ごとに積算することで、図4に示すフローの開始から現在までに変化した車両の位置および方向を取得する。例えば、区画線情報推定部13での過去の推定時に車両の左側の区画線と車両との距離が2mであった場合、過去の推定時から現在までに車両が左側に1m移動した場合には、左側の区画線との距離は1mになっていると推測できる。
<ステップS32の処理>
次に、推定区画線情報保持部14は、ステップS32において、記憶区画線情報に含まれる区画線距離k0、車両角度k1および区画線の曲率k2から、中間区画線情報を求める。なお、中間区画線は、検出位置DPにおける過去の推定区画線情報を現在位置CPにおける現在位置推定区画線情報に変換する途中の情報である。すなわち、中間区画線情報は、車両が、過去に区画線情報を推定した時点の検出位置DPから現在位置CPに進んだ時点の推定区画線を見た場合の検出位置座標系における推定区画線の位置および形状に関する情報である。
図7は、中間区画線情報を模式的に説明する図であり、現在位置CPにおける車両の横の円CRで囲まれた部分の推定区画線を検出位置DPから見た場合の情報が中間区画線情報である。例えば、車両横方向については、現在位置CPにおける車両から円CR内の推定区画線情報までの距離は区画線距離k0’であるが、検出位置DPの車両から円CR内の推定区画線情報を見ると、検出位置DPの車両から円CR内の推定区画線情報までの距離はk0(DP)となる。k0(DP)を含む中間区画線情報は、最終的に現在位置CPにおける区画線情報に補正されるが、補正前の区画線情報が中間区画線情報である。なお、中間区画線情報は、上述したように推定区画線の位置および形状に関する情報であるので、推定区画線情報と同様に区画線距離、車両角度、区画線の曲率および曲率変化率を含んでいる。
以下、中間区画線情報の算出方法についてさらに説明する。車両が検出位置DPから距離L[m]進んだ時点での中間区画線情報は、検出位置座標における推定区画線距離をk0(L)、推定車両角度をk1(L)および区画線の推定曲率をk2(L)とすると、これらは、推定区画線情報のk0〜k2を含む以下の数式(1)を用いて求めることができる。なお、推定曲率変化率k3(L)は一定であり、推定区画線情報k3と同じであるものとする。
Figure 2019194037
図8は、車両が検出位置DPから距離L[m]進んだ場合の推定区画線情報を模式的に示す図であり、推定区画線距離k0(L)および推定車両角度k1(L)を矢印で表している。
推定区画線情報保持部14は、ステップS31で取得した車両挙動情報と、これを用いて更新した車両挙動積算値に基づいて、検出位置DPから現在位置CPまでの距離を求める。そして、推定区画線情報保持部14は、当該距離を上記数式(1)のLに代入することにより、中間区画線情報の区画線距離、車両角度および区画線の曲率を求めることができる。
厳密には、現在位置CPにおける車両の傾きθ分のずれが生じるが、レーンキープアシストが作動する状態では、車両が比較的高速で走行していることが想定されるので、実際には車両の傾きθ分のずれはほとんど生じない。このため、中間区画線情報を求めるためには、検出位置DPから現在位置CPまでのx方向の移動量である垂直移動量、図6ではdxを数式(1)のLに代入すれば良い。一方、渋滞時に先行車両に追従する場合などのように、低速走行で操舵角が比較的大きくて車両の傾きθ分のずれが許容できない場合には、現在位置CPにおける車両傾き分を考慮して計算すれば良い。具体的にはL×cosθで得られるL’を数式(1)のLに代入すれば良い。
次に、車両挙動に基づいて垂直移動量dxを求める方法について説明する。なお、車両挙動積算値に基づいて求めることが可能な値としては、垂直移動量dxの他に、検出位置DPから現在位置CPまでのy方向の移動量である横方向移動量dyと、検出位置DPのx方向と現在位置CPのx方向とがなす角度である自車角度変化θとが挙げられる。これらは以下のように計算することができる。
まず、自車角度変化θは、ヨーレートを検出時から現在まで積算することによって求めることができる。垂直移動量dxおよび横方向移動量dyは、車速を検出時から現在まで積算し、当該積算によって得られる走行距離(Svsp)を、自車角度変化を用いてx方向成分とy方向成分とに分離することによって求めることができる。垂直移動量dxおよび横方向移動量dyなどの車両移動量に関しても、厳密には蛇行等により誤差が生じるが、上述したように、車両は比較的高速で走行していることを想定しているため、誤差およびその影響は小さいと言える。なお、自車角度変化θが小さい場合は、sin(θ)≒θ、cos(θ)≒1−θ/2として近似することで、以下の数式(2)のように演算し、演算負荷を低減することができる。
Figure 2019194037
以上説明したように、推定区画線情報保持部14は、ステップS31で取得した車両挙動情報と、これを用いて更新した車両挙動積算値に基づいて垂直移動量dxを求め、それを数式(1)のLに代入することにより、中間区画線情報を求めることができる。
上述した演算を推定区画線情報保持部14で記憶している複数の記憶区画線情報のそれぞれに実施すれば、複数の中間区画線情報を得ることができる。しかしながら、中間区画線情報の座標系は検出位置座標系であり、検出位置座標は各推定区画線情報の検出位置によって異なるため、複数の中間区画線情報についてそのまま平均化等の処理を実施すべきではない。すなわち、複数の中間区画線情報について平均化等の処理を行う場合は、処理対象となる中間区画線情報の座標系を同一にした後に行う。
<ステップS33の処理>
そこで、推定区画線情報保持部14は、ステップS32で得られた複数の中間区画線情報の座標系を、検出位置DPを基準とする検出位置座標系から、現在位置CPを基準とする現在位置座標系に変換することで、複数の現在位置推定区画線情報に補正する(ステップS33)。この処理により、各記憶区画線情報の検出位置に関わらず、車両の現在位置に対応した値を制御に用いること、および、車両の現在位置に対応した値をまとめて処理することが可能となる。
なお、現在位置推定区画線情報は、現在位置座標を基準とする推定区画線の位置および形状に関する情報である。図6では、現在位置CPにおける車両の前後方向をx’方向、車両の左右方向をy’方向とする現在位置座標系を用いている。現在位置推定区画線情報は推定区画線の位置および形状に関する情報であるので、記憶区画線情報と同様に区画線距離、車両角度、区画線の曲率および曲率変化率を含んでいる。
次に、推定区画線情報保持部14において現在位置区画線情報を求める方法について説明する。現在位置推定区画線情報の推定区画線距離については、k0(dx)を公知の座標変換方法で、検出位置座標系から現在位置座標系に変換すれば良い。例えば、k0(dx)に対して、検出位置DPから現在位置CPまでの移動距離(dx,dy)分ずらした後、自車角度変化θの分だけ回転させれば現在位置推定区画線情報が得られる。なお、k0’の検出位置座標系のx方向における車両の位置はdxであり、現在位置座標系のx’方向における車両の位置は0になる。推定区画線情報保持部14は、中間区画線情報のk0(dx)と、車両挙動から求められるdyおよびθを以下の数式(3)に適用し、現在位置推定区画線情報のk0’を求める。
Figure 2019194037
現在位置推定区画線情報の車両角度は、検出位置座標系における検出時の車両の傾きと区画線とのなす角であるため、現在の車両傾きに変換する必要がある。検出時から現在までの車両傾きの変化量はθであることから、現在位置推定区画線情報の車両角度は、以下の数式(4)のように表される。推定区画線情報保持部14は、中間区画線情報のk1(dx)と、車両挙動から求められるdyおよびθを以下の数式(4)に適用し、現在位置推定区画線情報のk1’を求める。
Figure 2019194037
現在位置推定区画線情報の曲率は、車両の傾きは影響しないので、中間区画線情報の曲率をそのまま利用でき、現在位置推定区画線情報の曲率は、以下の数式(5)のように表される。推定区画線情報保持部14は、中間区画線情報のk2(dx)を以下の数式(5)に適用して、現在位置推定区画線情報の曲率を求める。
Figure 2019194037
以上説明したステップS33の処理によって、推定区画線情報保持部14は、複数の現在位置推定区画線情報を取得する。
<ステップS34の処理>
次に、推定区画線情報保持部14は、ステップS34において、複数の現在位置推定区画線情報に基づいて1つの現在位置推定区画線情報を決定する。すなわち、推定区画線情報保持部14は、図4に示したステップS1〜S5のフローを繰り返す間に複数の現在位置推定区画線情報を記憶することになるので、記憶した複数の現在位置推定区画線情報を用いて1つの現在位置推定区画線情報を決定することで、より安定した現在位置推定区画線情報を得ることができる。
ここで、複数の現在位置推定区画線情報の値は、ステップS33で変換された現在位置座標系の値であるため、誤差なく検出および変換されていれば、互いに同じとなる値である。本実施の形態では、推定区画線情報保持部14は、複数の現在位置区画線情報の平均を取ることで、1つの現在位置推定区画線情報を決定する。これにより、安定した現在位置推定区画線情報を得ることができる。なお、推定区画線情報保持部14が複数の現在位置推定区画線情報を記憶している場合、上述したような平均を取る以外にも、出力する現在位置推定区画線情報を、時間的に直近の情報を重く用いて決定しても良い。すなわち、直近の情報の方が誤差等の蓄積が少なく、比較的信頼度は高くなるので重み付けで直近の情報を重く用いるような処理をする。例えば3つの情報の平均値をとる場合、出力する現在位置推定区画線情報をnとした場合、n=(n−1)×0.6+(n−2)×0.3+(n−3)×0.1とすることで、直近である(n−1)の情報の重みを大きくする。なお、(n−2)は(n−1)の1つ前の情報であり、(n−3)は(n−2)の1つ前の情報である。なお、上述した0.6、0.3および0.1等の重みの数値は一例であり、これらに限定されるものでものなく、また、現在位置推定区画線情報を算出する数式も上記数式に限定されるものではない。
また、現在位置推定区画線情報の求め方は上述したものに限られない。例えば、検出時からの走行距離または経過時間に応じて重みづけをした加重平均を取っても良い。具体的には、検出時からの走行距離または経過時間が長いほど古い情報として重みづけを小さくし、検出時からの走行距離または経過時間が短いほど新しい情報として重みづけを大きくする。これにより、誤差の蓄積が小さい情報の寄与率が高くなり、より精度の向上が見込める。
なお、上述したステップS32およびステップS33の処理は、推定区画線情報保持部14で記憶されている予め決められた個数以下の記憶区画線情報のそれぞれに対して実行されるが、処理内容は同様であるため、1つの記憶区画線情報に対して処理した場合を説明した。
<推定区画線精度判定部での処理>
次に、図9に示すフローチャートを用いて、図4のステップS4における推定区画線の精度の判定処理のフローについて説明する。
まず、推定区画線精度判定部15は、ステップS41において、推定区画線情報保持部14から出力される現在位置推定区画線情報K_histに対するオフセット値(第1の値)であるK_offsetを求める。K_offsetは、例えば、車速によって可変とし、車両変動が大きくなる高車速時には大きな値を設定し、車両変動が小さい低車速時には小さな値を設定することができる。なお、K_offsetは、推定区画線情報の変動量がどの程度になると車両挙動に対して影響を及ぼすかを実測によって決定し、車速に対する値をマップ形式で設定し、保存しておくことで車速に応じた設定が可能となる。
推定区画線精度判定部15は、現在位置推定区画線情報K_histを受信し、オフセットK_offsetが決定すると、次に、ステップS42において、区画線情報推定部13の出力である現在の推定区画線情報K_estがK_hist+K_offsetよりも大きいか否かを判定する。
K_estがK_hist+K_offsetよりも大きいと判定された場合は、ステップS46に進み、K_estがK_hist+K_offset以下と判定された場合はステップS43に進む。
ステップS42からステップS46に処理が進んだ場合は、推定区画線精度判定部15は、現在の推定区画線情報K_estの時間変化量が大き過ぎるため、車両挙動に連続性がなく現在の推定区画線情報の精度が低いと判断して、K_estをそのまま出力するのではなく、許容範囲(第1の範囲)の上限値、すなわちK_hist+K_offsetに制限するように補正し、判定結果K_judgeとして出力する。
一方、ステップS42からステップS43に処理が進んだ場合は、区画線情報推定部13の出力である現在の推定区画線情報K_estが、K_hist−K_offsetよりも小さいか否かを判定する。K_estがK_hist−K_offsetよりも小さいと判定された場合は、ステップS44に進み、K_estがK_hist−K_offset以上と判定された場合はステップS45に進む。
ステップS43からステップS44に処理が進んだ場合は、推定区画線精度判定部15は、現在の推定区画線情報K_estの時間変化量が大き過ぎるため、車両挙動に連続性がなく推定区画線情報の精度が低いと判断して、K_estをそのまま出力するのではなく、許容範囲の下限値、すなわちK_hist−K_offsetに制限するように補正し、判定結果K_judgeとして出力する。
一方、ステップS43からステップS45に処理が進んだ場合、すなわち、K_estとK_histとの差分がK_offset以下の場合は、推定区画線精度判定部15は、K_estの時間変化量が許容範囲内(K_hist−K_offset≦K_est≦K_hist+K_offset)にあって適切であり、車両挙動に連続性があり推定区画線情報の精度が高いと判断し、現在の推定区画線情報K_estをそのまま判定結果K_judgeとして出力する。
このようにして、推定区画線精度判定部15は、現在の推定区画線情報の時間変化量に基づいて現在の推定区画線情報の精度を判定し、精度が低いと判断される場合は、現在位置推定区画線情報に基づいて現在の推定区画線情報を制限するように補正した判定結果K_judgeを出力することができる。
次に、区画線情報補正部16において、推定区画線精度判定部15から出力される判定結果に基づき、区画線検出部11から出力される区画線情報を補正する(ステップS5)。すなわち、判定結果と区画線情報とが大きく乖離している場合など、区画線情報が所定の範囲を超えた場合は、区画線情報が所定の範囲内となるように補正する。なお、区画線情報の補正については、後に説明する。
<区画線情報補正部での処理>
次に、図10に示すフローチャートを用いて、図4のステップS5における区画線情報の補正処理のフローについて説明する。
まず、区画線情報補正部16は、ステップS51において、推定区画線精度判定部15が出力する判定結果K_judgeに対する所定のガード値(第2の値)であるK_guardを求める。ガード値とは、カメラ情報から取得した区画線情報と、車両挙動から推定した検出時推定区画線情報との差異として許容できる範囲を規定する値である。K_guardは、例えば、車速によって可変とし、車両変動が大きくなる高車速時には大きい値を設定し、車両変動が小さい低車速時には小さい値を設定することができる。なお、K_guardは、推定区画線情報の変動量がどの程度になると車両挙動に対して影響を及ぼすかを実測によって決定し、車速に対する値をマップ形式で設定し、保存しておくことで車速に応じた設定が可能となる。
また、K_guardは、車両から車両前方の区画線までの距離によって可変とし、例えば、車両から車両前方の区画線までの距離が遠くなるにつれて値を大きくすることができる。すなわち、区画線はある程度の連続性があるため、車両からの距離が近い場合は現在の区画線情報からの変動は小さいが、距離が遠くなるにつれて、現在の区画線情報からの変動が大きくなる可能性があり、特にカーブにおいては顕著である。そのため、車両から近い場所の区画線情ではガード値を小さくすることで区画線情報の急変を防止し、遠い場所の区画線情報では、ガード値を大きくして余裕を持たせることで無理な補正を緩和する。
区画線情報補正部16は、区画線検出部11から出力される区画線情報K_partingを受信し、ガード値K_guardを決定すると、次に、ステップS52において、K_partingがK_judge+K_guardよりも大きいか否かを判定する。K_partingがK_judge+K_guardよりも大きいと判定された場合は、ステップS56に進み、K_partingがK_judge+K_guard以下と判定された場合はステップS53に進む。
ステップS52からステップS56に処理が進んだ場合は、区画線情報補正部16は、区画線情報K_partingと車両挙動から推定された区画線情報であるK_judgeとの差異、すなわち乖離が大きいため、区画線検出部11が誤認識したと判断し、K_partingをそのまま出力するのではなく、許容範囲(第2の範囲)の上限値、すなわちK_judge+K_guardに制限するように補正し、判定結果K_outとして出力する。
一方、ステップS52からステップS53に処理が進んだ場合は、次に、区画線情報補正部16は、K_partingがK_judge−K_guardよりも小さいか否かを判定する。K_partingがK_judge−K_guardよりも小さいと判定された場合は、ステップS54に進み、K_estがK_judge−K_guard以上と判定された場合はステップS55に進む。
ステップS53からステップS54に処理が進んだ場合は、区画線情報補正部16は、区画線情報K_partingと車両挙動から推定された区画線情報であるK_judgeとの差異、すなわち乖離が大きいため、区画線検出部11が誤認識したと判断して、K_partingをそのまま出力するのではなく、許容範囲の下限値、すなわちK_hist−K_offsetに制限するように補正し、判定結果K_outとして出力する。
一方、ステップS53からステップS55に処理が進んだ場合、すなわち、K_partingとK_judgeの差分が許容範囲内(K_judge−K_guard≦K_parting≦K_judge+K_guard)にある場合は、区画線情報補正部16は、区画線検出部11から取得した区画線情報K_partingと車両挙動が一致していると判断し、K_partingをそのまま判定結果K_outとして出力する。
このようにして、区画線情報補正部16は、車両挙動に基づいて補正した区画線情報をK_outとし、区画線情報の誤認識を抑制することが可能となる。
以上説明したように、本実施の形態に係る区画線認識装置によれば、区画線検出部11で検出した区画線情報を、区画線情報補正部16において、推定区画線情報保持部14が出力する車両挙動から推定した現在位置推定区画線情報に基づいて補正をするので、区画線検出部11で検出した区画線情報のみを用いる場合に比べ、より精度の高い区画線情報を取得することができる。
また、本実施の形態では、推定区画線情報保持部14が出力する車両挙動から推定した推定区画線情報を、推定区画線精度判定部15において、過去の推定区画線情報に基づいて補正するので、ドライバによる操舵および横風などの外乱により車両が区画線に沿わない急な挙動をした場合においても、連続性のある推定区画線情報を取得することができる。また、現在位置推定区画線情報の決定には、複数の現在位置推定区画線情報を用いるため、検出誤差および外乱による区画線情報ばらつきが推定区画線情報に影響することを抑制できる。
<変形例>
以上の説明では、走行路の認識結果をレーンキープアシストに使用する装置について述べたが、これに限らず、走行路の認識結果を車線逸脱警報装置、自動運転装置等に使用しても良くそれぞれの装置で区画線情報、または走行路情報として使用することができる。
なお、本実施の形態に係る区画線認識装置100の各部はコンピュータを用いて構成することができ、コンピュータがプログラムを実行することで実現される。すなわち、図2に示した区画線認識装置100、例えば図11に示す処理回路100により実現される。処理回路100には、CPU、DSP(Digital Signal Processor)などのプロセッサが適用され、記憶装置に格納されるプログラムを実行することで各部の機能が実現される。
なお、処理回路100には、専用のハードウェアが適用されても良い。処理回路100が専用のハードウェアである場合、処理回路100は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものなどが該当する。
また、図12には、図2に示した区画線認識装置100がプロセッサを用いて構成されている場合におけるハードウェア構成を示している。この場合、区画線認識装置100の各部の機能は、ソフトウェア等(ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェア)との組み合わせにより実現される。ソフトウェア等はプログラムとして記述され、メモリ120に格納される。処理回路100として機能するプロセッサ110は、メモリ120(記憶装置)に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
11 区画線検出部、12 車両挙動検出部、13 区画線情報推定部、14 推定区画線情報保持部、15 推定区画線精度判定部、16 区画線情報補正部。
本発明に係る区画線認識装置は、車両が走行する走行路の区画線情報を取得して区画線を認識する区画線認識装置であって、カメラ情報に基づいて、前記車両の前方の前記区画線の位置および形状に関する前記区画線情報を算出する区画線検出部と、前記車両の車速およびヨーレートを検出して車両挙動情報として出力する車両挙動検出部と、前記車両挙動情報に基づいて前記走行路の前記区画線情報の推定値である推定区画線情報を求めて出力する区画線情報推定部と、前記区画線情報推定部から出力される前記推定区画線情報および前記車両挙動検出部から出力される前記車両挙動情報を記憶すると共に、記憶した過去の推定区画線情報を過去の車両挙動情報に基づいて前記車両の現在位置における現在位置推定区画線情報に補正して出力する推定区画線情報保持部と、前記区画線情報推定部から出力される前記推定区画線情報と前記推定区画線情報保持部から出力される前記現在位置推定区画線情報とを比較して、前記推定区画線情報と前記現在位置推定区画線情報との差異が、第1の範囲内であるか否かを判定し、前記第1の範囲内であれば前記推定区画線情報を判定結果として出力し、前記第1の範囲内でなければ前記現在位置推定区画線情報に基づいて前記推定区画線情報を補正して判定結果として出力する推定区画線精度判定部と、前記区画線検出部から出力される前記区画線情報と推定区画線精度判定部から出力される前記判定結果とを比較して、前記区画線情報と前記判定結果との差異が、第2の範囲内であるか否かを判定し、前記第2の範囲内であれば前記区画線情報を出力し、前記第2の範囲内でなければ前記判定結果に基づいて前記区画線情報を補正して出力する、区画線情報補正部と、を備えている。

Claims (8)

  1. 車両が走行する走行路の区画線情報を取得して区画線を認識する区画線認識装置であって、
    カメラ情報に基づいて、前記車両の前方の前記区画線の位置および形状に関する前記区画線情報を算出する区画線検出部と、
    前記車両の車速およびヨーレートを検出して車両挙動情報として出力する車両挙動検出部と、
    前記車両挙動情報に基づいて前記走行路の前記区画線情報の推定値である推定区画線情報を求めて出力する区画線情報推定部と、
    前記区画線情報推定部から出力される前記推定区画線情報および前記車両挙動検出部から出力される前記車両挙動情報を記憶すると共に、記憶した過去の推定区画線情報を過去の車両挙動情報に基づいて前記車両の現在位置における現在位置推定区画線情報に補正して出力する推定区画線情報保持部と、
    前記区画線情報推定部から出力される前記推定区画線情報と前記推定区画線情報保持部から出力される前記現在位置推定区画線情報とを比較して、前記推定区画線情報と前記現在位置推定区画線情報との差異が、第1の範囲内であるか否かを判定し、前記第1の範囲内であれば前記現在位置推定区画線情報を判定結果として出力し、前記第1の範囲内でなければ前記現在位置推定区画線情報に基づいて前記推定区画線情報を補正して判定結果として出力する推定区画線精度判定部と、
    前記区画線検出部から出力される前記区画線情報と推定区画線精度判定部から出力される前記判定結果とを比較して、前記区画線情報と前記判定結果との差異が、第2の範囲内であるか否かを判定し、前記第2の範囲内であれば前記区画線情報を出力し、前記第2の範囲内でなければ前記判定結果に基づいて前記区画線情報を補正して出力する、区画線情報補正部と、を備える区画線認識装置。
  2. 前記推定区画線情報は、
    前記車両と車両側方の区画線との推定距離で規定される推定区画線距離、
    前記車両側方の区画線に対する前記車両の進行方向の推定の傾きで規定される推定車両角度、
    前記区画線の推定曲率および前記区画線の推定曲率変化率のうち、少なくとも1つ以上を含む、請求項1記載の区画線認識装置。
  3. 前記現在位置推定区画線情報は、
    前記過去の車両挙動情報に含まれる前記車両の進行方向の移動量の積算値を変数とし、前記過去の推定区画線情報を係数として設定される数式に基づいて算出される、請求項2記載の区画線認識装置。
  4. 前記推定区画線情報保持部は、
    定められた過去の期間分について前記現在位置推定区画線情報を複数記憶し、複数の現在位置推定区画線情報の平均を取って前記現在位置推定区画線情報とする、請求項1記載の区画線認識装置。
  5. 前記第1の範囲は、
    前記現在位置推定区画線情報に第1の値を加えた上限値と、
    前記現在位置推定区画線情報から前記第1の値を引いた下限値との間に設定され、
    前記第1の値は、
    前記車両の車速に基づいて設定される、請求項1記載の区画線認識装置。
  6. 前記第1の値は、
    前記車速が比較的速い場合は比較的大きな値に設定され、
    前記車速が比較的遅い場合は比較的小さな値に設定される、請求項5記載の区画線認識装置。
  7. 前記第2の範囲は、
    前記判定結果に第2の値を加えた上限値と、
    前記判定結果から前記第2の値を引いた下限値との間に設定され、
    前記第2の値は、
    前記車両の車速に基づいて決定される、請求項1記載の区画線認識装置。
  8. 前記第2の値は、
    前記車速が比較的速い場合は比較的大きな値に設定され、
    前記車速が比較的遅い場合は比較的小さな値に設定される、請求項7記載の区画線認識装置。
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