JP2019193478A - 塗布装置およびロータの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノズルと永久磁石との間の間隔が小さくなった場合にも、塗布された接着剤の品質を安定させることが可能な塗布装置を提供する。【解決手段】この塗布装置201は、接着剤4を吐出する吐出口213aを有するノズル213と、ノズル213を、永久磁石1の面11に沿った方向であるノズルの進行方向に移動させる3軸直交ロボット212とを備える。そして、ノズル213は、ノズル213の先端のノズルの進行方向とは反対側の第1部分214よりも、ノズルの進行方向側の第2部分215が、接着剤4が塗布される永久磁石1側に突出するように構成されており、第2部分215が永久磁石1から離間している状態で、ノズル213の吐出口213aから接着剤4を吐出することにより、接着剤4を塗布するように構成されている。【選択図】図11

Description

本発明は、塗布装置およびロータの製造方法に関する。
従来、接着剤により永久磁石がロータコアに接着されるロータの製造方法が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、ロータコアの磁石用孔部に永久磁石が挿入されているロータの製造方法が開示されている。このロータの製造方法では、まず、発泡剤を含む接着剤が、永久磁石の表面に塗布される。具体的には、塗布装置のノズルが永久磁石に対して相対移動しながら、ノズルの先端の吐出口から接着剤が吐出されることにより、接着剤が永久磁石の表面に塗布される。次に、永久磁石の表面に塗布された接着剤が乾燥される。そして、接着剤が塗布された永久磁石が、ロータコアの磁石用孔部に挿入される。その後、永久磁石が挿入されたロータコアが加熱されることにより、接着剤に含まれる発泡剤が発泡する。これにより、接着剤の厚みが大きくなり、永久磁石と磁石用孔部との間の隙間が接着剤によって埋められる。その後、接着剤が硬化されることにより、永久磁石がロータコアに固定される。
また、上記特許文献1には明確には記載されていないが、塗布装置のノズルと永久磁石との間の間隔を一定に保持した状態で、ノズルの先端の吐出口から接着剤が吐出されると考えられる。また、一般的に、永久磁石の表面(塗布面)を完全に平坦にするのは困難であり、永久磁石は、所定の平面度以内の平面度を有するように製造されている。なお、平面度とは、「平面形体の幾何学的に正しい平面からの狂い(ずれ)の大きさ」を意味している。
国際公開第2017/171061号
上記のように、永久磁石の表面(塗布面)が完全に平坦ではないので、ノズルの先端の吐出口から接着剤を吐出する際、塗布装置のノズルと永久磁石との間の間隔は変化する。そして、塗布装置のノズルと永久磁石との間の間隔が小さくなった場合、ノズルから吐出された接着剤が、ノズルの進行方向側に押し出される場合がある。つまり、ノズルと永久磁石との間の間隔が小さくなった場合、永久磁石側の接着剤の配置されるスペースが小さくなるため、永久磁石側とは異なる方向側に接着剤がはみ出す。これにより、ノズルの先端の進行方向側の部分に、接着剤が付着する場合がある。そして、このノズルに付着した接着剤が乾燥して硬化する。その結果、硬化した接着剤が吐出口と永久磁石との間(吐出口の下方)に入り込む場合がある。この場合、後に吐出される接着剤が硬化した接着剤を避けるように吐出され、塗布された接着剤に線状の跡が残るなど、塗布された接着剤の品質(厚みなど)が安定しないという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ノズルと永久磁石との間の間隔が小さくなった場合にも、塗布された接着剤の品質を安定させることが可能な塗布装置およびロータの製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における塗布装置は、ロータコアと、接着剤によりロータコアに接着される永久磁石とを備えるロータの永久磁石の塗布面に接着剤を塗布する塗布装置であって、接着剤を吐出する吐出口を有するノズルと、ノズルを、永久磁石の塗布面に沿った方向であるノズルの進行方向に移動させる移動機構部とを備え、ノズルは、ノズルの先端のノズルの進行方向とは反対側の第1部分よりも、ノズルの進行方向側の第2部分が、接着剤が塗布される永久磁石側に突出するように構成されており、第2部分が永久磁石から離間している状態で、ノズルの吐出口から接着剤を吐出することにより、接着剤を塗布するように構成されている。
この発明の第1の局面における塗布装置では、上記のように、ノズルは、ノズルの先端のノズルの進行方向とは反対側の第1部分よりも、ノズルの進行方向側の第2部分が、接着剤が塗布される永久磁石側に突出するように構成されている。これにより、ノズルと永久磁石との間の間隔が小さくなった場合でも、吐出された接着剤がノズルの進行方向側に押し出されるのを、第1部分よりも永久磁石側に突出している第2部分により防止することができる。その結果、ノズルの先端のノズルの進行方向側の部分に接着剤が付着するのを防止することができるので、ノズルと永久磁石との間の間隔が小さくなった場合にも、塗布された接着剤の品質を安定させることができる。また、第2部分が永久磁石から離間している状態で、ノズルの吐出口から接着剤が吐出されるので、ノズルと永久磁石とが干渉することに起因して、永久磁石が損傷する(たとえば、永久磁石の皮膜が損傷する)のを防止することができる。
この発明の第2の局面におけるロータの製造方法は、ロータコアと、接着剤によりロータコアに接着される永久磁石とを備えるロータの製造方法であって、接着剤を吐出する吐出口を有するノズルを永久磁石の塗布面に沿った方向であるノズルの進行方向に移動させながら、塗布面に接着剤を塗布する工程と、接着剤を塗布する工程の後、ロータコアに永久磁石を配置する工程と、永久磁石を配置する工程の後、接着剤を硬化させる工程とを備え、接着剤を塗布する工程は、ノズルの先端のノズルの進行方向とは反対側の第1部分よりも、接着剤が塗布される永久磁石側に突出している第2部分が永久磁石から離間している状態で、ノズルの吐出口から接着剤を吐出することにより、接着剤を塗布する工程である。
この発明の第2の局面におけるロータの製造方法では、上記のように、接着剤を塗布する工程は、ノズルの先端のノズルの進行方向とは反対側の第1部分よりも、接着剤が塗布される永久磁石側に突出している第2部分が永久磁石から離間している状態で、ノズルの吐出口から接着剤を吐出することにより、接着剤を塗布する。これにより、ノズルと永久磁石との間の間隔が小さくなった場合でも、吐出された接着剤がノズルの進行方向側に押し出されるのを、第1部分よりも永久磁石側に突出している第2部分により防止することができる。その結果、ノズルの先端のノズルの進行方向側の部分に接着剤が付着するのを防止することができるので、ノズルと永久磁石との間の間隔が小さくなった場合にも、塗布された接着剤の品質を安定させることが可能なロータの製造方法を提供することができる。また、第2部分が永久磁石から離間している状態で、ノズルの吐出口から接着剤が吐出されるので、ノズルと永久磁石とが干渉することに起因して、永久磁石が損傷する(たとえば、永久磁石の皮膜が損傷する)のを防止することが可能なロータの製造方法を提供することができる。
本発明によれば、ノズルと永久磁石との間の間隔が小さくなった場合にも、塗布された接着剤の品質を安定させることができる。
一実施形態による回転電機(ロータ)の断面図である。 一実施形態によるロータの斜視図である。 一実施形態による永久磁石および接着剤の構成を示す図である。 一実施形態による永久磁石とロータコアとが接着剤により接着された状態を示す部分平面図である。 一実施形態による接着剤の膨張前後の状態を模式的に示す断面図である。 一実施形態による接着剤の構成を示す概念図である。 一実施形態によるロータコアに永久磁石が挿入された状態を示す部分平面図である。 一実施形態による塗布装置を上方から見た図である。 一実施形態による3軸直交ロボットの斜視図である。 一実施形態によるプランジャポンプの断面図である。 一実施形態によるノズルをX方向から見た図である。 一実施形態によるノズルをY方向から見た図である。 一実施形態によるノズルの吐出口を示す図(ノズルをZ方向から見た図)である。 一実施形態によるロータの製造方法を説明するためのフロー図である。 接着剤が吐出される状態を示す図である。 比較例によるノズルをX方向から見た図である。 比較例によるノズルから接着剤が吐出される状態を示す図(間隔が小さい場合)である。 比較例によるノズルにより塗布された接着剤を示す図(1)である。 比較例によるノズルから接着剤が吐出される状態を示す図(間隔が大きい場合)である。 比較例によるノズルにより塗布された接着剤を示す図(2)である。 吐出された接着剤がX方向側に広がる状態を示す図である。 一実施形態による製造工程中の接着剤の厚みおよび温度の変化を示す図である。 変形例によるノズルの吐出口を示す図(ノズルをZ方向から見た図)である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
[ロータの構造]
図1〜図7を参照して、本実施形態によるロータ100の構造について説明する。
なお、本願明細書では、「回転軸線方向」または「軸方向」とは、ロータ100の回転軸線方向(軸C1(図2参照)に沿った方向;図1のA方向)を意味する。また、「周方向」は、ロータ100の周方向(図2のB1方向およびB2方向)を意味する。また、「径方向内側」は、ロータ100の内径側(E1方向側)を意味し、「径方向外側」は、ロータ100の外径側(E2方向側)を意味する。
ロータ100は、図1に示すように、たとえば、複数の永久磁石1がロータ100の内部に配置された埋込永久磁石型モータ(IPMモータ:Interior Permanent Magnet Motor)の一部(回転電機101の一部)を構成している。回転電機101は、たとえば、モータ、ジェネレータ、および、モータおよびジェネレータの双方の機能を有するモータ・ジェネレータのいずれかとして構成されている。たとえば、回転電機101は、ハイブリッド車または電気自動車で使用される走行用モータとして構成されている。
また、ロータ100は、ステータ102の径方向内側において、ステータ102と径方向に対向するように配置されている。すなわち、回転電機101は、インナーロータ型の回転電機101として構成されている。また、ロータ100は、図1に示すように、永久磁石1と、ハブ部材2と、ロータコア3と、接着剤4と、エンドプレート5とを含む。ロータ100は、シャフトに接続されるハブ部材2に固定され、ハブ部材2およびシャフトを介して、回転電機101の外部に回転運動を伝達させる(または伝達される)ように構成されている。
永久磁石1は、図3に示すように、径方向内側から見て、軸方向の長さL1、および、長さL1より小さい幅W1を有する略矩形形状を有するように形成されている。たとえば、永久磁石1は、図4に示すように、軸方向の一方側から見て(A方向に見て)、径方向外側の2つの角部が面取りされた略矩形形状を有する。そして、永久磁石1は、軸方向の一方側から見て、径方向内側の面11が平坦面として、径方向外側の面12が弧状を有する面として構成されている。なお、面11は、特許請求の範囲の「塗布面」の一例である。
また、永久磁石1の面取りされた2つの角部には、それぞれ、後述する磁石用孔部32に当接する当接面としての面13が設けられている。永久磁石1の2つの面13は、それぞれ、磁石用孔部32の壁面32aに当接する(面接触する)ように配置されている。すなわち、永久磁石1は、A方向に見て、一対のテーパー形状を有する壁面32aにより位置決めされた状態で、固定されている。
ハブ部材2は、図1に示すように、ロータコア3に固定されている。また、ハブ部材2は、図示しないシャフトに固定されている。そして、ハブ部材2とロータコア3とシャフトとは、軸C1を中心軸として、一体的に回転されるように構成されている。
ロータコア3は、図2に示すように、たとえば、円環形状を有する複数(たとえば、4つ)のコアブロック30を含む。複数のコアブロック30は、軸C1を一致させた状態で、軸方向に積層されている。そして、コアブロック30は、それぞれ、円環形状を有する複数の電磁鋼板31(図1参照;たとえば、珪素鋼板)が、軸方向に積層されて形成されている。
そして、図2に示すように、コアブロック30には、軸方向に沿った貫通孔として構成された複数(たとえば、16個)の孔部132が設けられている。また、複数のコアブロック30は、A方向に見て、互いに孔部132の位置がオーバーラップする(または完全に一致する)ように、軸方向に積層されている。これにより、ロータコア3では、複数のコアブロック30の孔部132が連続して接続されることにより、永久磁石1が軸方向に沿って挿入される磁石用孔部32が形成されている。また、複数の磁石用孔部32は、A方向に見て、周状に、等角度間隔で配置されている。そして、複数の磁石用孔部32には、それぞれ、永久磁石1が配置されている。図1に示すように、磁石用孔部32と永久磁石1とは、接着剤4により接着されており、互いに固定されている。
また、図4に示すように、磁石用孔部32には、接着剤4が配置されるとともに、ロータコア3の径方向内側に窪む、軸方向に沿って延びる2つの溝部32bが設けられている。詳細には、2つの溝部32bは、磁石用孔部32の周方向の両端部の近傍に設けられており、2つの溝部32bの間に、突出部32cが設けられている。言い換えると、ロータコア3の突出部32cは、磁石用孔部32の周方向の中央部において、磁石用孔部32の径方向内側から径方向外側に向かって突出するように構成されている。そして、2つの溝部32bは、それぞれ、底部32dを有し、突出部32cの頂面32eから底部32dまでの溝深さd1は、後述する厚みt1(図7参照)よりも大きく、厚みt2以下に構成されている。
接着剤4は、図4に示すように、永久磁石1の径方向内側の面11の一部に接触して配置されている。たとえば、接着剤4は、図3に示すように、永久磁石1の面11において、短手方向の一方側(B1方向側)および他方側(B2方向側)の2つの部分に配置されている。そして、接着剤4は、永久磁石1の面11の長手方向(軸方向)に延びるように形成されている。具体的には、接着剤4は、長手方向に長さL2を有し、短手方向に幅W2を有する。
また、図5(b)に示すように、接着剤4は、永久磁石1とロータコア3とが接着剤4により接着された状態(ロータ100が完成した状態)において、発泡した状態の発泡剤41と、硬化された状態の主剤42および硬化剤43とを含む。
発泡剤41は、膨張温度T1(図22参照)以上の温度に加熱されることにより発泡(膨張)する膨張剤として構成されている。また、主剤42および硬化剤43は、膨張温度T1より高温である硬化温度T2以上の温度に加熱されることにより、互いに反応して硬化する性質を有する。すなわち、接着剤4は、熱硬化性の接着剤として構成されている。
詳細には、図6に示すように、発泡剤41は、カプセル体として構成されており、膨張温度T1以上の温度に加熱されることにより、カプセル体が膨張して体積が大きくなるように構成されている。たとえば、発泡剤41として、イソペンタン等を用いることができる。また、膨張温度T1は、たとえば、カプセル体が発泡成形する発泡成形温度として設定することが可能である。
そして、図5に示すように、発泡剤41が発泡して膨張することにより、接着剤4の厚みt1は、厚みt1よりも大きい厚みt2に変化する。その結果、接着剤4は、永久磁石1の面11から溝部32bの底部32dに渡って配置された状態になる。また、発泡剤41は、加熱後も接着剤4内(磁石用孔部32内)において、膨張されたカプセル体として残存する。
そして、好ましくは、接着剤4は、発泡剤41が発泡して膨張することにより、膨張前の接着剤4の厚みt1の3倍以上8倍以下の厚みt2に変化するように、接着剤4における発泡剤41の含有割合が設定されている。そして、図7に示すように、接着剤4の発泡剤41が発泡する前の状態では、接着剤4と溝部32bの底部32dとは、互いに離れた位置に配置されているとともに、永久磁石1の面13と磁石用孔部32の壁面32aとは、互いに離れた位置に配置される。そして、接着剤4の発泡剤41が発泡された後の状態(図4参照)では、接着剤4が膨張して、接着剤4が溝部32bの底部32dに接触して、永久磁石1が径方向外側に押圧され、永久磁石1の面13と磁石用孔部32の壁面32aとが、接触する位置に配置される。
主剤42は、たとえば、エポキシ系樹脂(たとえば、ビスフェノールA型液状エポキシ、および、エポキシ樹脂ポリマー)を含む。また、硬化剤43は、たとえば、ジシアンジアミドを含む。そして、永久磁石1とロータコア3とは、接着剤4の主剤42と硬化剤43とが硬化されることにより、接着され固定される。また、硬化温度T2は、後述する乾燥温度T3よりも高く、かつ、膨張温度T1よりも高い。また、硬化温度T2は、主剤42および硬化剤43の組み合わせにより設定され、製品上限温度T5よりも低い。また、製品上限温度T5は、たとえば、ロータ100としての性能に影響が生じない程度の温度として設定することが可能である。
また、図6に示すように、接着剤4は、永久磁石1とロータコア3とが接着剤4により接着される前で、かつ、乾燥される前の状態において、揮発性を有する揮発剤としての希釈溶剤44と、発泡される前の状態の膨張剤としての発泡剤41と、硬化されていない状態の主剤42および硬化剤43とを含む。また、接着剤4は、乾燥された後の状態(図5(a)参照)において、発泡剤41と、硬化されていない状態の主剤42および硬化剤43とを含む。すなわち、接着剤4が乾燥された後では、接着剤4における希釈溶剤44の量が減少しているか、または、接着剤4における希釈溶剤44が略含有されていない状態になる。
希釈溶剤44として、たとえば、メチルエチルケトン等のケトン類や、アルコール類、エーテル類などの揮発性有機溶剤を用いることができ、好ましくは、メチルエチルケトンおよび酢酸エチルの両方を含む。希釈溶剤44は、接着剤4に含有されることにより、接着剤4の流動性を高める機能を有する。
また、希釈溶剤44は、乾燥温度T3以上の温度(たとえば、図22の温度T10)にされることにより、揮発する。ここで、乾燥温度T3として、たとえば、希釈溶剤44の沸点温度、または、沸点温度近傍の温度を設定することが可能である。また、乾燥温度T3は、膨張温度T1よりも低い。また、膨張温度T1は、硬化温度T2よりも低い。これにより、接着剤4の温度を、膨張温度T1未満で、かつ、乾燥温度T3以上の温度にすることにより、発泡剤41を膨張させない状態で、希釈溶剤44を揮発させることが可能になる。
[本実施形態による接着剤の塗布装置の構造]
次に、本実施形態による塗布装置201の構造について説明する。塗布装置201は、ロータコア3と、接着剤4によりロータコア3に接着される永久磁石1とを備えるロータ100(図1参照)の永久磁石1の面11に接着剤4を塗布する装置である。
図8〜図10に示すように、塗布装置201は、プランジャポンプ211と、3軸直交ロボット212と、ノズル213とを備える。なお、3軸直交ロボット212は、特許請求の範囲の「移動機構部」の一例である。また、本願明細書では、面11に直交する方向をZ方向とし、ノズル213の進行方向(接着剤4の塗布方向)をY1方向とし、ノズル213の進行方向とは反対の方向をY2方向とする。また、Z方向およびY方向に直交する方向をX方向として説明する。
また、図10に示すように、プランジャポンプ211は、接着剤4を押し出す棒状のプランジャ211aと、棒状のプランジャ211aが収容される円筒状の収容部材211bとを含む。円筒状の収容部材211bの側面部には、移動壁部211cが設けられているとともに、収容部材211bの先端側の部分には、移動壁部211dが設けられている。移動壁部211cは、接着剤4が収容される接着剤タンク部217と収容部材211bの内部空間との間に設けられている。
図10に示すように、ノズル213は、接着剤4を吐出する吐出口213aを有する。3軸直交ロボット212は、ノズル213を面11に対して移動させるように構成されている。そして、塗布装置201は、3軸直交ロボット212により、ノズル213を面11に沿った方向であるノズルの進行方向(Y1方向)に移動させながら、面11に接着剤4を塗布するように構成されている。
詳細には、プランジャポンプ211は、接着剤4を内部に収容する。また、プランジャポンプ211は、3軸直交ロボット212に固定されている。3軸直交ロボット212は、プランジャポンプ211を永久磁石1に対して相対的に移動させるように構成されている。具体的には、3軸直交ロボット212は、プランジャポンプ211を水平方向(X−Y方向)と垂直方向(Z方向)とに移動可能に構成されている。
ここで、本実施形態では、図11に示すように、ノズル213は、ノズル213の先端のノズル213の進行方向とは反対側(Y2方向)の第1部分214よりも、ノズル213の進行方向側(Y1方向側)の第2部分215が、接着剤4が塗布される永久磁石1側(Z2方向側)に突出するように構成されている。そして、第2部分215が永久磁石1から離間している状態で、ノズル213の吐出口213aから接着剤4を吐出することにより、接着剤4を塗布するように構成されている。
また、ノズル213の、第1部分214と第2部分215と間に対応する部分に、接着剤4の流路216が構成されている。また、X方向から見て、ノズル213は、先端側(Z2方向側)に向かって先細るテーパー形状を有する。また、図12に示すように、ノズル213は、Y方向から見て、先端側(Z2方向側)に向かって先細るテーパー形状を有する。また、第1部分214のZ2方向側の端面214aは、面11に沿った平坦面である。また、第2部分215のZ2方向側の端面215aは、面11に沿った平坦面である。
また、図11に示すように、ノズル213の第2部分215と接着剤4が塗布される永久磁石1の面11との間の間隔D1が、永久磁石1の面11の平面度よりも大きくなるように、第2部分215は、第1部分214よりも永久磁石1側に突出している。ここで、「平面度」とは、「平面形体の幾何学的に正しい平面からの狂い(ずれ)の大きさ」を意味している。そして、永久磁石1の面11は、製造誤差などに起因して、完全に平坦にはならない。そこで、製造誤差の許容範囲として「平面度」が所定の値の範囲内に収まるように、永久磁石1が製造される。たとえば、平面度(単位はmm)が、n/100(nは、自然数)である場合、ノズル213の第2部分215と永久磁石1の面11との間の間隔D1が、n/100よりも大きくなるように、第2部分215の突出長さD2が設定される。
また、第2部分215は、ノズル213の進行方向に直交する方向でかつ面11に平行な方向(X方向)に沿って延びる壁形状を有する。具体的には、第2部分215は、X方向に沿って略直線状に延びるように設けられている。また、図12に示すように、Y方向から見て、図11に示すように、第2部分215は、台形形状を有している。
また、図11に示すように、ノズル213の第2部分215の第1部分214に対する永久磁石1側への突出長さD2は、第1部分214と永久磁石1の面11との間の間隔D1の1/2未満である。たとえば、突出長さD2は、永久磁石1の平面度の以下になるように構成されている。
ノズル213の第1部分214と永久磁石1の面11との間の間隔D3は、吐出された接着剤4の厚みt11に対応するように構成されている。つまり、吐出口213aから吐出された接着剤4が第1部分214と永久磁石1の面11との間に配置されるので、第1部分214と永久磁石1の面11との間の間隔D3は、吐出された接着剤4の厚みt11に対応する。また、接着剤4の厚みt11とは、吐出直後(乾燥前)の厚みt11である。
また、ノズル213の接着剤4を吐出する吐出口213aは、第2部分215に対してノズル213の進行方向とは反対側(Y2方向側)に設けられている。また、吐出口213aは、第2部分215のZ2方向側の端面215aよりも上方に配置されている。また、吐出口213aの高さ位置(Z方向の位置)は、第1部分214のZ2方向側の端面214aの高さ位置と略同じである。また、X方向から見て、流路216の幅W21は、吐出口213aの近傍において小さくなる。
また、図13に示すように、吐出口213aは、Z2方向側から見て、X方向を長手方向とする略矩形形状を有する。そして、吐出口213aのY1方向側の長辺に沿うように、第2部分215が設けられている。なお、吐出口213aの形状として、上記形状に限らず、略三角形状、略長方形状、略正方形形状、その他の多角形状、略円形状、略楕円形状より適宜選択して用いることができる。
ノズル213の吐出口213aから、単位時間当たりに一定の量の接着剤4が吐出されるように構成されている。具体的には、プランジャポンプ211から、一定の量の接着剤4が押し出されることにより、ノズル213の吐出口213aから単位時間当たりに一定の量の接着剤4が吐出される。
また、図8に示すように、塗布装置201は、複数の永久磁石1が載置されるパレット218を備えている。図8では、1つのパレット218に、6個の永久磁石1が載置されている例を示しているが、永久磁石1の数はこれに限られない。また、パレット218は、複数設けられている。また、複数のパレット218は、コンベア219によって、順次、プランジャポンプ211の下方に移動される。そして、塗布装置201は、複数のパレット218に各々載置された永久磁石1に、順次、接着剤4を塗布するように構成されている。
[本実施形態によるロータの製造方法]
次に、本実施形態によるロータ100の製造方法について説明する。
〈接着剤を塗布する工程〉
ステップS1(図14参照)において、接着剤4を永久磁石1に塗布する工程が行われる。具体的には、図15に示すように、接着剤4を吐出する吐出口213aを有するノズル213を永久磁石1の面11に沿った方向であるノズルの進行方向(Y1方向)に移動させながら、面11に接着剤4を塗布する。ここで、本実施形態では、第1部分214よりも、接着剤4が塗布される永久磁石1側(Z2方向側)に突出している第2部分215が永久磁石1から離間している状態で、ノズル213の吐出口213aから接着剤4が吐出される。また、第2部分215と面11との間の間隔D1が、面11の平面度よりも大きくなるように第2部分215が第1部分214よりも永久磁石1側に突出するように構成されているノズル213によって、接着剤4が塗布される。また、第1部分214よりも突出している第2部分215がノズル213の進行方向に直交する方向でかつ面11に平行な方向(X方向)に沿って延びるように構成されているノズル213の吐出口213aから接着剤4が吐出される。
なお、第2部分215が永久磁石1から離間している状態で、ノズル213の吐出口213aから接着剤4が吐出されるので、ノズル213と永久磁石1とが干渉することに起因して、永久磁石1が損傷する(たとえば、永久磁石1の皮膜が損傷する)のを防止することが可能になる。その結果、永久磁石1がロータコア3に配置された状態における、永久磁石1とロータコア3との絶縁性を確保することが可能になる。つまり、絶縁性の低下に伴う損失の低下を防止することが可能になる。
ここで、図16に示す比較例によるノズル313のように、先端313aに突出した部分が設けられていない場合、図17に示すように、ノズル313の先端313aと面11との間の間隔DHが小さくなると、接着剤4が押し出される。たとえば、接着剤4は、Y1方向側に押し出される。このため、ノズル313の移動方向側(Y1方向側)に接着剤4が付着するとともに硬化する。そして、硬化した接着剤4(図17の接着剤4a)がノズル313と面11との間に挟まると、図18に示すように、後に吐出される接着剤4が硬化した接着剤4aを避けるように吐出され、塗布された接着剤4に線状の跡Mが残る場合がある。また、塗布された接着剤4の厚みにばらつきが生じる。
また、図19に示すように、ノズル313の先端313aと面11との間の間隔DHを予め大きくすると、先端313aと面11との間の隙間を埋めるだけの接着剤4の量が不足する。このため、塗布された接着剤(4)と永久磁石(1)との間に隙間が生じる。その結果、図20に示すように、塗布された接着剤4に気泡(ボイドV)が含まれる。
一方、図21に示すように、本実施形態のノズル213では、ノズル213の進行方向側(Y1方向側)の第2部分215が第1部分214よりもZ2方向側に突出しているので、第2部分215と面11との間の間隔D1が小さくなっても、接着剤4は、ノズル213の進行方向側(Y1方向側)には押し出されない。たとえば、間隔D1が比較的大きいノズル213のX2方向側に押し出される。これにより、ノズル213(第2部分215)のY1方向側に接着剤4が付着しないので、塗布された接着剤4に線状の跡Mなどが生じない。なお、接着剤4が、ノズル213のX2方向側(または、X1方向側)に押し出されるため、塗布された接着剤4のX方向の幅W11にばらつきが生じる場合がある。しかしながら、塗布された接着剤4の厚みt11のばらつきの許容範囲に比べて、塗布された接着剤4のX方向の幅W11のばらつきの許容範囲は大きいので、接着剤4のX方向の幅W11にばらつきが生じても問題は生じない。また、塗布された接着剤4の厚みt11にばらつきが生じるのが防止されるので、接着剤4の発泡剤41を発泡させた際に、永久磁石1と磁石用孔部32との間の隙間を、接着剤4によって埋めることができる。つまり、永久磁石1のロータコア3に対する固着力を確保することができる。
また、ノズル213の吐出口213aから、単位時間当たりに一定の量の接着剤4が吐出される。また、ノズル213の移動速度は一定である。また、接着剤4を塗布している最中のノズル213の高さ位置は、一定である。つまり、接着剤4を塗布している最中に、ノズル213は、Z方向に移動しない。なお、図示しないレーザ変位計等によって、永久磁石1の面11の形状を測定し、ノズル213のZ方向の高さ位置や傾きを調整することにより、ノズル213のY1方向側に接着剤4が付着するのを防止することが可能である。しかしながら、レーザ変位計を用いると、その分、塗布装置201が大型化するとともに、構成が複雑になる。本実施形態では、ノズル213の第2部分215を突出させることによって、レーザ変位計などを用いることなく、ノズル213のY1方向側に接着剤4が付着するのを防止することが可能になる。
〈接着剤を乾燥させる工程〉
ステップS2(図14参照)において、接着剤4を乾燥させて薄膜化する工程が行われる。図22に示すように、接着剤4の希釈溶剤44を揮発させることにより、接着剤4の厚みt11が厚みt1に減少する。具体的には、接着剤4が乾燥温度T3以上でかつ膨張温度T1未満の温度T10に加熱される。たとえば、加熱炉(図示せず)内で熱風を与えること(エアブロー)や、ヒータ等により永久磁石1が加熱されることにより、接着剤4が加熱される。その後、ステップS3に進む。
〈永久磁石を配置する工程〉
ステップS3(図14参照)において、図7に示すように、乾燥された接着剤4が配置された永久磁石1をロータコア3の磁石用孔部32に挿入する工程が行われる。具体的には、ロータコア3と、接着剤4が配置された面11を径方向内側に向けた状態の永久磁石1とが軸方向に相対移動されることにより、磁石用孔部32の各々に、永久磁石1が挿入される。なお、図7では、1つの永久磁石1のみを図示しているが、磁石用孔部32の各々に、永久磁石1が挿入される。そして、図7に示すように、磁石用孔部32の溝部32bの底部32dと、厚みt1を有する接着剤4とは、離れた位置に配置された状態となる。
〈接着剤を硬化させる工程〉
ステップS4(図14参照)において、接着剤4の主剤42および硬化剤43を硬化することにより、永久磁石1とロータコア3とを接着する工程が行われる。具体的には、接着剤4が膨張温度T1よりも高く、かつ、硬化温度T2以上の温度T11(図22参照)に加熱される。たとえば、加熱炉内において、接着剤4が温度T11に熱風加熱される。これにより、図5に示すように、接着剤4の発泡剤41が発泡することにより膨張し、接着剤4の厚みが厚みt1から厚みt2に変化する。また、図4に示すように、接着剤4の厚みt2は、永久磁石1の面11から、溝部32bの底部32dまでの距離に略等しくなる。すなわち、接着剤4が、永久磁石1の面11から溝部32bの底部32dに渡って膨張された状態になる。また、接着剤4が膨張して、永久磁石1の面13が径方向外側に押圧されて、磁石用孔部32の壁面32aと永久磁石1の面13とが当接する。
そして、接着剤4の主剤42および硬化剤43が硬化することにより、硬化された接着剤4によって、永久磁石1と磁石用孔部32とが固定される。その後、ロータ100が完成される。そして、ロータ100は、図1に示すように、ステータ102との組み立て等が行われ、回転電機101が完成される。
[本実施形態の塗布装置の効果]
本実施形態の塗布装置201では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、ノズル(213)は、ノズル(213)の先端のノズル(213)の進行方向とは反対側の第1部分(214)よりも、ノズル(213)の進行方向側の第2部分(215)が、接着剤(4)が塗布される永久磁石(1)側に突出するように構成されている。これにより、ノズル(213)と永久磁石(1)との間の間隔(D1)が小さくなった場合でも、吐出された接着剤(4)がノズル(213)の進行方向側に押し出されるのを、第1部分(214)よりも永久磁石(1)側に突出している第2部分(215)により防止することができる。その結果、ノズル(213)の先端のノズル(213)の進行方向側の部分に接着剤(4)が付着するのを防止することができるので、ノズル(213)と永久磁石(1)との間の間隔(D1)が小さくなった場合にも、塗布された接着剤(4)の品質を安定させることができる。また、第2部分(215)が永久磁石(1)から離間している状態で、ノズル(213)の吐出口(213a)から接着剤(4)が吐出されるので、ノズル(213)と永久磁石(1)とが干渉することに起因して、永久磁石(1)が損傷する(たとえば、永久磁石(1)の皮膜が損傷する)のを防止することができる。
また、本実施形態では、上記のように、ノズル(213)の第2部分(215)と接着剤(4)が塗布される永久磁石(1)の塗布面(11)との間の間隔(D1)が、永久磁石(1)の塗布面(11)の平面度よりも大きくなるように、第2部分(215)は、第1部分(214)よりも永久磁石(1)側に突出している。このように構成すれば、ノズル(213)と永久磁石(1)とが干渉するのが防止されるので、永久磁石(1)が損傷する(たとえば、永久磁石(1)の皮膜が損傷する)のを確実に防止することができる。
また、本実施形態では、上記のように、第2部分(215)は、ノズル(213)の進行方向に直交する方向でかつ塗布面(11)に平行な方向に沿って延びる壁形状を有する。このように構成すれば、ノズル(213)と永久磁石(1)との間の間隔(D1)が小さくなった場合、接着剤(4)が壁形状の第2部分(215)に沿って、ノズル(213)の進行方向に直交する方向でかつ塗布面(11)に平行な方向に移動する。これにより、ノズル(213)の先端のノズル(213)の進行方向側の部分に接着剤(4)が付着するのを効果的に防止することができる。
また、本実施形態では、上記のように、ノズル(213)の第2部分(215)の第1部分(214)に対する永久磁石(1)側への突出長さ(D2)は、第1部分(214)と永久磁石(1)の塗布面(11)との間の間隔(D1)の1/2未満である。このように構成すれば、第2部分(215)の突出長さ(D2)が第1部分(214)と永久磁石(1)の塗布面(11)との間の間隔(D1)の1/2以上になる場合と異なり、第2部分(215)の突出長さ(D2)が比較的短くなる。これにより、第2部分(215)と永久磁石(1)とが干渉するのを、効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、ノズル(213)の第1部分(214)と永久磁石(1)の塗布面(11)との間の間隔(D1)は、吐出された接着剤(4)の厚み(t11)に対応するように構成されている。このように構成すれば、第1部分(214)と永久磁石(1)の塗布面(11)との間の間隔(D1)が接着剤(4)の厚み(t11)よりも大きくなる場合と異なり、吐出口(213a)と永久磁石(1)の塗布面(11)との間が接着剤(4)によって埋められる(塗布された接着剤(4)と永久磁石(1)との間に隙間が生じない)ので、永久磁石(1)の塗布面(11)に吐出された接着剤(4)の内部に気泡(ボイド(V))が含まれるのを防止することができる。
また、本実施形態では、上記のように、ノズル(213)の吐出口(213a)は、第2部分(215)に対してノズル(213)の進行方向とは反対側に設けられている。このように構成すれば、接着剤(4)が第2部分(215)の進行方向とは反対側に吐出されるので、ノズル(213)の進行方向側の部分に接着剤(4)が押し出されるのを効果的に防止することができる。
また、本実施形態では、上記のように、ノズル(213)の吐出口(213a)から、単位時間当たりに一定の量の接着剤(4)が吐出されるように構成されている。このように構成すれば、容易に、接着剤(4)の厚み(t11)を略一定にすることができる。
[本実施形態の製造方法の効果]
本実施形態の製造方法では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、ノズル(213)の先端のノズル(213)の進行方向とは反対側の第1部分(214)よりも、接着剤(4)が塗布される永久磁石(1)側に突出している第2部分(215)が永久磁石(1)から離間している状態で、ノズル(213)の吐出口(213a)から接着剤(4)を吐出することにより、接着剤(4)を塗布する。これにより、ノズル(213)と永久磁石(1)との間の間隔(D1)が小さくなった場合にも、塗布された接着剤(4)の品質を安定させることができる。また、ノズル(213)と永久磁石(1)とが干渉することに起因して、永久磁石(1)が損傷する(たとえば、永久磁石(1)の皮膜が損傷する)のを防止することができる。
また、本実施形態では、上記のように、ノズル(213)の第2部分(215)と接着剤(4)が塗布される永久磁石(1)の塗布面(11)との間の間隔(D1)が、永久磁石(1)の塗布面(11)の平面度よりも大きくなるように第2部分(215)が第1部分(214)よりも永久磁石(1)側に突出するように構成されているノズル(213)によって、接着剤(4)を塗布する。このように構成すれば、ノズル(213)と永久磁石(1)とが干渉するのが防止されるので、永久磁石(1)が損傷する(たとえば、永久磁石(1)の皮膜が損傷する)のを確実に防止することができる。
また、本実施形態では、上記のように、第2部分(215)がノズル(213)の進行方向に直交する方向でかつ塗布面(11)に平行な方向に沿って延びるように構成されているノズル(213)の吐出口(213a)から接着剤(4)を吐出することにより、接着剤(4)を塗布する。このように構成すれば、ノズル(213)と永久磁石(1)との間の間隔(D1)が小さくなった場合、接着剤(4)が第2部分(215)に沿って、ノズル(213)の進行方向に直交する方向でかつ塗布面(11)に平行な方向に移動する。これにより、ノズル(213)の先端のノズル(213)の進行方向側の部分に接着剤(4)が付着するのを確実に防止することができる。
また、本実施形態では、上記のように、ノズル(213)の吐出口(213a)から、単位時間当たりに一定の量の接着剤(4)を吐出することにより、接着剤(4)を塗布する。このように構成すれば、容易に、接着剤(4)の厚み(t11)を略一定にすることができる。
また、本実施形態では、上記のように、ノズル(213)の吐出口(213a)から、単位時間当たりに一定の量の接着剤(4)を吐出するとともに、ノズル(213)の移動速度を一定にした状態で、接着剤(4)を塗布する。このように構成すれば、接着剤(4)の厚み(t11)を精度よく略一定にすることができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、ロータをステータの径方向内側に配置するいわゆるインナーロータとして構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、ロータをアウターロータとして構成してもよい。
また、上記実施形態では、接着剤を永久磁石の径方向内側の面(面11)に配置する例(図4参照)を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、接着剤を永久磁石の径方向外側の面(面12)に配置してもよいし、径方向内側の面と径方向外側の面との両方に設けてもよい。
また、上記実施形態では、ノズルの先端が永久磁石側に向かって先細るテーパー形状を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ノズルの先端のX方向の幅が一定であってもよい。
また、上記実施形態では、ノズルの第2部分がX方向に沿って略直線状に延びる壁形状を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図23に示す変形例によるノズル413の第2部分415のように、Z2方向側から見て、第2部分415を、端部がY2方向側に延びるU字形状に形成してもよい。これにより、押し出された接着剤4が第2部分415の側方(X1方向側およびX2方向側)に回り込むのが抑制される。
1 永久磁石
3 ロータコア
4 接着剤
11 面(塗布面)
100 ロータ
201 塗布装置
212 3軸直交ロボット(移動機構部)
213a 吐出口
213、413 ノズル
214 第1部分
215、415 第2部分

Claims (12)

  1. ロータコアと、接着剤により前記ロータコアに接着される永久磁石とを備えるロータの前記永久磁石の塗布面に前記接着剤を塗布する塗布装置であって、
    前記接着剤を吐出する吐出口を有するノズルと、
    前記ノズルを、前記永久磁石の塗布面に沿った方向である前記ノズルの進行方向に移動させる移動機構部とを備え、
    前記ノズルは、前記ノズルの先端の前記ノズルの進行方向とは反対側の第1部分よりも、前記ノズルの進行方向側の第2部分が、前記接着剤が塗布される前記永久磁石側に突出するように構成されており、
    前記第2部分が前記永久磁石から離間している状態で、前記ノズルの前記吐出口から前記接着剤を吐出することにより、前記接着剤を塗布するように構成されている、塗布装置。
  2. 前記ノズルの前記第2部分と前記接着剤が塗布される前記永久磁石の塗布面との間の間隔が、前記永久磁石の塗布面の平面度よりも大きくなるように、前記第2部分は、前記第1部分よりも前記永久磁石側に突出している、請求項1に記載の塗布装置。
  3. 前記第2部分は、前記ノズルの進行方向に直交する方向でかつ前記塗布面に平行な方向に沿って延びる壁形状を有する、請求項1または2に記載の塗布装置。
  4. 前記ノズルの前記第2部分の前記第1部分に対する前記永久磁石側への突出長さは、前記第1部分と前記永久磁石の前記塗布面との間の間隔の1/2未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗布装置。
  5. 前記ノズルの前記第1部分と前記永久磁石の前記塗布面との間の間隔は、吐出された前記接着剤の厚みに対応するように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗布装置。
  6. 前記ノズルの前記吐出口は、前記第2部分に対して前記ノズルの進行方向とは反対側に設けられている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の塗布装置。
  7. 前記ノズルの前記吐出口から、単位時間当たりに一定の量の前記接着剤が吐出されるように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の塗布装置。
  8. ロータコアと、接着剤により前記ロータコアに接着される永久磁石とを備えるロータの製造方法であって、
    前記接着剤を吐出する吐出口を有するノズルを前記永久磁石の塗布面に沿った方向である前記ノズルの進行方向に移動させながら、前記塗布面に前記接着剤を塗布する工程と、
    前記接着剤を塗布する工程の後、前記ロータコアに前記永久磁石を配置する工程と、
    前記永久磁石を配置する工程の後、前記接着剤を硬化させる工程とを備え、
    前記接着剤を塗布する工程は、前記ノズルの先端の前記ノズルの進行方向とは反対側の第1部分よりも、前記接着剤が塗布される前記永久磁石側に突出している第2部分が前記永久磁石から離間している状態で、前記ノズルの前記吐出口から前記接着剤を吐出することにより、前記接着剤を塗布する工程である、ロータの製造方法。
  9. 前記接着剤を塗布する工程は、前記ノズルの前記第2部分と前記接着剤が塗布される前記永久磁石の前記塗布面との間の間隔が、前記永久磁石の前記塗布面の平面度よりも大きくなるように前記第2部分が前記第1部分よりも前記永久磁石側に突出するように構成されている前記ノズルによって、前記接着剤を塗布する工程である、請求項8に記載のロータの製造方法。
  10. 前記接着剤を塗布する工程は、前記第2部分が前記ノズルの進行方向に直交する方向でかつ前記塗布面に平行な方向に沿って延びるように構成されている前記ノズルの前記吐出口から前記接着剤を吐出することにより、前記接着剤を塗布する工程である、請求項8または9に記載のロータの製造方法。
  11. 前記接着剤を塗布する工程は、前記ノズルの前記吐出口から、単位時間当たりに一定の量の前記接着剤を吐出することにより、前記接着剤を塗布する工程である、請求項8〜10のいずれか1項に記載のロータの製造方法。
  12. 一定の量の前記接着剤を吐出することにより前記接着剤を塗布する工程は、前記ノズルの前記吐出口から、単位時間当たりに一定の量の前記接着剤を吐出するとともに、前記ノズルの移動速度を一定にした状態で、前記接着剤を塗布する工程である、請求項11に記載のロータの製造方法。
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