JP2019192740A - 歪抵抗膜および歪センサ、ならびにそれらの製造方法 - Google Patents

歪抵抗膜および歪センサ、ならびにそれらの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019192740A
JP2019192740A JP2018082592A JP2018082592A JP2019192740A JP 2019192740 A JP2019192740 A JP 2019192740A JP 2018082592 A JP2018082592 A JP 2018082592A JP 2018082592 A JP2018082592 A JP 2018082592A JP 2019192740 A JP2019192740 A JP 2019192740A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
strain
film
thin film
sample
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018082592A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6908554B2 (ja
Inventor
英二 丹羽
Eiji Niwa
英二 丹羽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Research Institute for Electromagnetic Materials
Original Assignee
Research Institute for Electromagnetic Materials
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Research Institute for Electromagnetic Materials filed Critical Research Institute for Electromagnetic Materials
Priority to JP2018082592A priority Critical patent/JP6908554B2/ja
Publication of JP2019192740A publication Critical patent/JP2019192740A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6908554B2 publication Critical patent/JP6908554B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Measurement Of Force In General (AREA)
  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Adjustable Resistors (AREA)
  • Apparatuses And Processes For Manufacturing Resistors (AREA)
  • Non-Adjustable Resistors (AREA)

Abstract

【課題】所定の高温領域において、高いゲージ率および温度安定性を示す歪抵抗膜および歪センサ、ならびにそれらの製造方法を提供する。【解決手段】一般式Cr100−x−yAlxNy(ただし、x、yは原子比率(at.%)であり、4≦x≦25、0.1≦y≦20である。)で表され、−50℃以上300℃以下の温度範囲において、ゲージ率が4以上である歪抵抗膜を得る。この歪抵抗膜が起歪構造体上に形成することにより歪センサが得られる。歪薄膜は、上記組成の薄膜に、300℃以上700℃以下の温度で熱処理を施すことにより得られる。【選択図】図6

Description

本発明は、高温で優れた特性を有する歪抵抗膜および歪センサ、ならびにそれらの製造方法に関する。
歪センサは、薄膜、細線または箔形状のセンサ材の電気抵抗が弾性歪によって変化する現象を利用するものであり、その抵抗変化を測定することにより、歪や応力の計測ならびに変換に用いられる。
歪センサの感度は、ゲージ率Kによって決まり、Kの値は一般に以下の(1)式で与えられる。
K=(ΔR/R)/(Δl/l)=1+2σ+(Δρ/ρ)/(Δl/l) (1)
ここで、R、σおよびρは、それぞれセンサ材である薄膜、細線または箔の全抵抗、ポアソン比および比電気抵抗である。またlは被測定体の全長であり、よってΔl/lは被測定体に生じる歪を表す。一般に、金属・合金におけるσはほぼ0.3であるから、前記の式における右辺第1項と第2項の合計は約1.6でほぼ一定の値となる。したがってゲージ率を大きくするためには、前記の式における第3項が大きいことが必須条件である。すなわち、材料に引っ張り変形を与えたとき材料の長さ方向の電子構造が大幅に変化し、比電気抵抗の変化量Δρ/ρが増加することによる。
そこで近年になって注目されたのが、バルクのゲージ率として26〜28という非常に大きい値が報告されていたクロミウム(Cr)である。Crは加工が非常に困難であるが、加工を必要としない薄膜化によって歪センサに応用することができ、Crは薄膜化してもゲージ率が約15と依然として大きいため、Cr薄膜が歪センサとして注目されている(例えば特許文献1)。
一方、歪センサは、高いゲージ率を有するとともに温度に対する安定性が高いことが要求されるが、Cr薄膜では、温度安定性の指標である抵抗温度係数(TCR)が正の大きな値を示し、安定性の点で問題がある。これに対して、ゲージ率が高く、TCRが小さい薄膜材料としてCr−N膜が提案されている(例えば特許文献2)。また、温度安定性の指標としてはゲージ率の温度係数(感度温度係数)(TCS)も重要であり、TCRおよびTCSが低いCr−N薄膜も提案されている(特許文献3)。
一方、近年、自動車および航空機等の内燃機関関連、射出成型、地熱発電、油田開発、火力発電のタービン関連など、200〜700℃の高温領域においてゲージ率が高く高感度な各種力学量のセンシングが強く要望されている。
特開昭61−256233号公報 特許第3642449号公報 特開2015−031633号公報
ところで、上記特許文献2、3に示されたCr−N薄膜を用いた歪センサは、高温領域での使用は考慮されていないため、高温領域でのゲージ率は測定しておらず不明である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、所定の高温領域において、高いゲージ率および温度安定性を示す歪抵抗膜および歪センサ、ならびにそれらの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、先に、Cr薄膜を歪抵抗膜として用い、所定の高温での使用温度領域の上限よりも50℃以上高い温度で大気中において所定時間の熱処理を施すことにより、その高温での使用温度範囲において、実用的なゲージ率が得られることを見出し、特許出願した(特開2018−036143)。
しかし、このようなCr薄膜は、100℃ではゲージ率の値が14程度であるが、100℃を超えるとゲージ率が低下して行き、250℃以上になると6程度、350℃以上になると4程度まで低下する。この値は、実用に供することができる値ではあるものの、常温から100℃におけるゲージ率よりもかなり小さい値である。また、温度安定性係数(感度温度係数)(TCS)が2000ppm/℃以下であり、さらなる温度安定性も望まれている。
そこで100℃以上の高温において大きなゲージ率および優れたTCS特性を示す材料について検討を行った結果、所定組成のCr−Al−N薄膜は、−50〜300℃でのゲージ率が高く、温度安定性も高いことを見出した。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、以下の(1)〜(17)を提供する。
(1)一般式Cr100−x−yAl
(ただし、x、yは原子比率(at.%)であり、4≦x≦25、0.1≦y≦20である。)で表され、−50℃以上300℃以下の温度範囲において、ゲージ率が4以上であることを特徴とする歪抵抗膜。
(2)−50℃以上200℃以下の温度範囲において、感度温度係数(TCS)が、±1500ppm/℃以内であることを特徴とする(1)に記載の歪抵抗膜。
(3)−50℃以上500℃以下の温度範囲において、抵抗温度係数(TCR)が、±500ppm/℃以内であることを特徴とする(1)または(2)に記載の歪抵抗膜。
(4)酸素を含む明確な幅を持つ粒界が存在しないことを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の歪抵抗膜。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの歪抵抗膜を起歪構造体上に形成してなることを特徴とする歪センサ。
(6)一般式Cr100−x−yAl
(ただし、x、yは原子比率(at.%)であり、4≦x≦25、0.1≦y≦20である。)で表される薄膜に、300℃以上700℃以下の温度で熱処理を施し、−50℃以上300℃以下の温度範囲において、ゲージ率が4以上の歪抵抗膜とすることを特徴とする歪抵抗膜の製造方法。
(7)前記薄膜は、ガス圧が16mTorr以下で高周波スパッタリングにより形成されることを特徴とする(6)に記載の歪抵抗膜の製造方法。
(8)前記熱処理によって膜表面に表面保護膜が形成されることを特徴とする(6)または(7)に記載の歪抵抗膜の製造方法。
(9)前記表面保護膜は、Crおよび不可避的不純物からなることを特徴とする(8)に記載の歪抵抗膜の製造方法。
(10)−50℃以上200℃以下の温度範囲において、感度温度係数(TCS)が、±1500ppm/℃以内であることを特徴とする(6)から(9)のいずれかに記載の歪抵抗膜の製造方法。
(11)−50℃以上500℃以下の温度範囲において、抵抗温度係数(TCR)が、±500ppm/℃以内であることを特徴とする(6)から(10)のいずれかに記載の歪抵抗膜の製造方法。
(12)一般式Cr100−x−yAl
(ただし、x、yは原子比率(at.%)であり、4≦x≦25、0.1≦y≦20である。)で表される薄膜を起歪構造体上に形成し、300℃以上700℃以下の温度で熱処理を施し、上記(1)から(4)のいずれかの歪抵抗膜とすることにより歪センサを得ることを特徴とする歪センサの製造方法。
(13)前記薄膜は、ガス圧が16mTorr以下で高周波スパッタリングにより形成されることを特徴とする(12)に記載の歪センサの製造方法。
(14)前記熱処理によって膜表面に表面保護膜が形成されることを特徴とする(12)または(13)に記載の歪センサの製造方法。
(15)前記表面保護膜は、Crおよび不可避的不純物からなることを特徴とする(14)に記載の歪センサの製造方法。
本発明によれば、所定の高温領域において、高いゲージ率および温度安定性を示す歪抵抗膜および歪センサ、ならびにそれらの製造方法が提供される。
Cr−Al合金のAlの添加量とネール温度の関係を示す図である。 Cr−Mn合金のMnの添加量とネール温度の関係を示す図である。 高温歪印加電気抵抗測定装置を示す概略構成図である。 曲げ試験シーケンスを示す図である。 Cr薄膜およびCr−N薄膜の、測定温度とゲージ率および抵抗値との関係を示す図である。 Alチップ数nを0〜16にして製造した薄膜の測定温度とゲージ率との関係を示す図である。 Alチップ数n=8にして製造した薄膜について、大気中500℃で熱処理後、抵抗値の温度に対する変化を把握した結果を示す図である。 Alチップ数が8の場合について、大気中500℃で熱処理を施した試料と、大気中700℃で熱処理を施した試料についてゲージ率を比較して示す図である。 Alチップ数nを0〜16として成膜した後、大気中500℃で熱処理を施した試料における、測定温度とTCSとの関係を示す図である。 Alチップ数が8の場合について、大気中500℃で熱処理を施した試料と、大気中700℃で熱処理を施した試料の、測定温度とTCSとの関係を示す図である。 Alチップ数nを0〜16にして成膜した後、種々の条件で熱処理した試料の、チップ数と室温近傍におけるTCRを示す図である。 Alチップ数nを0〜16にして成膜した後、大気中500℃で熱処理した試料の、測定温度と抵抗値との関係を示す図である。 Alチップ数nを8にして成膜した後、大気中500℃で熱処理を施した試料と、大気中700℃で熱処理を施した試料の、測定温度と抵抗値の関係を示す図である。 Alチップ数nを0〜16にして成膜した後、大気中500℃で熱処理した試料の、測定温度とTCRとの関係を示す図である。 Alチップ数が8の場合について、大気中500℃で熱処理を施した試料と、大気中700℃で熱処理を施した試料の、測定温度とTCRとの関係を示す図である。 Alチップ数nを0〜16にして成膜した後、種々の条件で熱処理した試料の、チップ数と室温近傍のTCSとの関係を示す図である。 Alチップ数nを0〜16にして成膜した後、種々の条件で熱処理した試料の、チップ数と室温近傍のゲージ率との関係を示す図である。 Alチップ数n=0にして製造したCr−N:Al(0)薄膜について、大気中500℃で熱処理後、抵抗値の温度に対する変化を把握した結果を示す図である。 Alチップ数n=4にして製造したCr−N:Al(4)薄膜について、大気中500℃で熱処理後、抵抗値の温度に対する変化を把握した結果を示す図である。 Alチップ数n=8にして製造したCr−N:Al(8)薄膜について、大気中500℃で熱処理後、抵抗値の温度に対する変化を把握した結果を示す図である。 Alチップ数n=12にして製造したCr−N:Al(12)薄膜について、大気中500℃で熱処理後、抵抗値の温度に対する変化を把握した結果を示す図である。 Alチップ数n=16にして製造したCr−N:Al(16)薄膜について、大気中500℃で熱処理後、抵抗値の温度に対する変化を把握した結果を示す図である。 Alチップ数n=8にして製造したCr−N:Al(8)薄膜について、大気中700℃で熱処理後、抵抗値の温度に対する変化を把握した結果を示す図である。 Alチップ数nと、Al量(at.%)との関係を示す図である。 Alチップ数n=4で成膜した後、大気中500℃で0.5時間の熱処理を施した試料を示すSEM写真であり、スパッタガス圧が20mTorrと5mTorr場合を比較して示すものである。 Alチップ数n=8で成膜した後、大気中500℃で0.5時間の熱処理を施した試料を示すTEM写真であり、スパッタガス圧が20mTorrと5mTorr場合を比較して示すものである。 Alチップ数n=16で成膜した後、大気中500℃で0.5時間の熱処理を施した試料を示すTEM写真であり、スパッタガス圧が20mTorrと5mTorr場合を比較して示すものである。 Alチップ数n=8で成膜した後、大気中700℃で0.5時間の熱処理を施した試料を示すTEM写真であり、スパッタガス圧が20mTorrと5mTorr場合を比較して示すものである。 Alチップ数n=8、Alチップ数n=16でスパッタガス圧5mTorrで成膜した場合の、as−depositedの試料を示すTEM写真である。 Alチップ数n=8で成膜した場合の、as−depositedの試料、大気中500℃で0.5時間の熱処理を施した試料、および大気中700℃で0.5時間の熱処理を施した試料を示すTEM写真である。 Alチップ数n=8でスパッタガス圧20mTorrの条件で成膜した後、大気中500℃で熱処理を施した試料のEDX面分析結果を示す図である。 Alチップ数n=8でスパッタガス圧5mTorrの条件で成膜した後、大気中500℃で熱処理を施した試料のEDX面分析結果を示す図である。 Alチップ数n=8でスパッタガス圧20mTorrの条件で成膜した後、大気中700℃で熱処理を施した試料のEDX面分析結果を示す図である。 Alチップ数n=8でスパッタガス圧5mTorrの条件で成膜した後、大気中570℃で熱処理を施した試料のEDX面分析結果を示す図である。 Alチップ数n=8でスパッタガス圧20mTorrの条件で成膜した後、大気中500℃で熱処理を施した試料のXPSによる深さ方向の組成プロファイルを示す図である。 Alチップ数n=8でスパッタガス圧5mTorrの条件で成膜した後、大気中500℃で熱処理を施した試料のXPSによる深さ方向の組成プロファイルを示す図である。 Alチップ数n=8でスパッタガス圧20mTorrの条件で成膜した後、大気中700℃で熱処理を施した試料のXPSによる深さ方向の組成プロファイルを示す図である。 Alチップ数n=8でスパッタガス圧5mTorrの条件で成膜した後、大気中570℃で熱処理を施した試料のXPSによる深さ方向の組成プロファイルを示す図である。 Alチップ数n=8でスパッタガス圧5mTorrで成膜時間を約5倍にして厚く成膜した後、大気中500℃で熱処理を施した試料の断面TEM写真である。 Alチップ数n=8でスパッタガス圧5mTorrで成膜時間を約5倍にして厚く成膜した後、大気中500℃で熱処理を施した試料のEDX面分析結果を示す図である。 Alチップ数n=8でスパッタガス圧5mTorrで成膜時間を約5倍にして厚く成膜した後、大気中500℃で熱処理を施した試料のXPSによる深さ方向の組成プロファイルを示す図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
常温ではゲージ率が大きいことが知られているCr薄膜、ならびにゲージ率が大きくTCRおよびTCSのゼロ近傍への調整を可能とするCr−N薄膜について高温でのゲージ率を調べた。その結果、100℃以上でゲージ率が急激に低下した。また、そのゲージ率の温度に対する変化率、すなわちTCSの絶対値が大きい傾向があり温度安定性が不十分になることがあった。
そこで、100℃以上の高温において大きなゲージ率および優れた温度安定性を示す材料について検討した。様々な検討を行って800℃までのゲージ率測定を可能にした装置と方法を用い、Cr−Nに様々な第3元素を添加したCr−N−X薄膜について、その添加量を変えて高温におけるゲージ率およびその挙動等の調査を行った。
XとしてAlを用い、300℃〜700℃で熱処理した試料、特に500℃以上で熱処理した試料では、Al量の増加にともなって、室温のゲージ率が100℃を超えても低減することなく、約300℃まで高温側に拡大する挙動が見出された。すなわち、室温のゲージ率が300℃まで変わらず4以上の値が得られた。また、200℃までゲージ率の値の変化が小さいことを初めて見出した。その結果、−50℃から200℃までのTCSが0±1500ppm/℃以内という良好な値を示す。
一方、300℃〜700℃で熱処理を施した試料では、Al量の増加にともなって、室温近傍のTCRは減少し負に大きな値を示した。それらの値は熱処理温度が高いほど(正の方向に)大きな値を示した。このことから、熱処理温度の上昇にともなってTCRは正方向に増加することが確認された。
すなわち、Cr−N−Al薄膜において、窒素量とAl量と熱処理温度でTCRを制御可能であることが初めて明らかとなり、Cr−N−Al膜が500℃までの高温域においても±500ppm/℃以内の低TCRとなるものがあることが明らかとなった。また、このことから、高温用途に必要な、より高温で熱処理を施す場合においてもTCRを低減(=0)可能であることが明らかとなった。
また、Cr−N−Al薄膜において、TCRをほぼ0に調整可能な、500℃付近以上の高い温度で大気中において30分以上4時間以下の熱処理を施すことによって、400℃以下の温度範囲においては上記特性に加えて、抵抗値の安定性が100時間で±0.02%以内、すなわち±2ppm/h以内の良好な特性を示すことを見出した。これは、大気中熱処理の効果と考えられる。
一方、Cr系薄膜においては、一般に、その電気抵抗は、広い温度領域全般にわたっては通常の金属と同様に温度変化に対し正の傾きで変化するが、Crの反強磁性に関連するネール温度において極小値をとること、または傾きが変化することが知られている。すなわち、ネール温度近傍のそれ以下の温度領域では負の値または増加量の減少が生じて極小点または傾きが変化する点にてネール温度に至り、ネール温度からそれ以上の温度領域では再び正の傾きで抵抗値が増加していく挙動を示す。そこで、Cr−N−Al薄膜において抵抗値の温度依存性を調査した結果、ネール温度と考えられる極小値または傾きが変化する抵抗値が見出された。
Cr−N−Al薄膜においては、ゲージ率が、室温からネール温度直下近傍の温度まで一定の値を示し、ネール温度近傍で低減することが確認され、Al成分量の増加にともなって、ネール温度とともに、ゲージ率一定領域の高温側のゲージ率低減の傾斜部分が高温側へシフトしていく挙動が観察された。このことから、Cr−N−Al薄膜が上記のように高温領域まで大きなゲージ率を示す要因は、Al量の増加に追従するネール温度の高温化に関連があると考えられる。
一方、過去の文献(E.Fawcett et al.:"Spin-density-wave antiferromagnetism in chromium alloys",Rev.Mod.Phys.,66(1),(1994).)には、AlとMnは、Crに加える量に応じて、ネール温度を500℃を超える温度まで上昇させ得ることが報告されている。
具体的には、同文献の48ページには、Cr−Al合金の磁気状態図、つまりAlの添加量とネール温度の関係が示されている。その図を図1に示すが、図1からCrへのAlの添加量が約25at%までネール温度が上昇し、その最高温度は約800K、すなわち約530℃であることがわかる。
また、Mnの添加量とネール温度の関係については、上記文献の85ページに示されている。その図を図2に示すが、この図の中で1〜20は、Mn添加量が異なっており、1がMn:0at.%、2がMn:0.1at.%、3がMn:0.2at.%、・・・・8がMn:0.7at.%、9が1.0at.%、・・・・16がMn:6.0at.%、・・・・19がMn:30at.%、20がMn:34at.%である。この図に示すように、Mn添加量が34at.%まで、ネール温度が一様に上昇し、その最高温度は約780K、すなわち約510℃であることがわかる。
以上は、Cr薄膜をベースにした結果であるが、上述したように、Cr−N薄膜をベースにしたCr−N−Al薄膜の場合においてもほぼ同様の挙動が得られたことから、Crの場合と同じメカニズムが作用したと考えられ、室温近傍の比較的大きなゲージ率が300℃まで保たれたと考えられる。
しかしCr−N−Mn薄膜の場合、Cr−N−Al薄膜の場合とは異なり、Mn量の増加にともなってTCR値が変化することはなく、300℃を超える温度での熱処理によってTCR=0への調整は不可能であることがわかった。また、Cr−N−Mn薄膜を用いた歪センサのゲージ率は、従来のCr−N薄膜を用いた場合よりは大きいものの、Mn添加によって比較的大きく低減し、300℃以上の熱処理で室温付近のゲージ率が3程度と小さく、300℃までは温度の上昇にともなってゲージ率が上昇し、TCSが大きいことが確認された。また、TCSは、Mn添加量および熱処理温度の上昇にともなって、その値が正に増加し、低減は難しいと考えられる。したがって、Cr−N−Mn薄膜では、室温近傍〜200℃においてTCSが大きく、かつTCR調整ができず、ゲージ率が小さいことから、高温域での歪センサとして利用するには問題が多いことが判明した。
以上の結果から、本発明では、高感度でかつ高安定性な歪センサとしてCr−N−Al薄膜を用いる。すなわち、所定の組成を有するCr−N−Al薄膜を用いることによって、初めて−50℃から300℃の温度領域に亘ってゲージ率が4以上であり、かつ温度安定性が高いことを見出し本発明を完成するに至ったのである。また、−50℃から200℃の温度領域においてTCSが0±1500ppm/℃とゲージ率変化が小さく、さらに、−50から500℃の温度領域において、TCRが±500ppm以内に低減調整が可能であり、さらに、400℃以下の温度領域においては100時間にわたる高温保持を行っても抵抗値がほとんど変化しないことを確認しており、良好な抵抗の安定性も得ることができる。
このような優れた特性により、本発明の歪センサは、各種力学量センサへの応用も可能となる。
本発明の歪センサにおいて、歪抵抗膜は、一般式Cr100−x−yAlで表され、x、yは原子比率(at.%)であり、4≦x≦25、0.1≦y≦20である。4≦x≦25としたのは、CrにAlを添加した場合と同様、CrまたはCr−NにAlを添加した場合に、4≦x≦25の範囲で、ネール温度の上昇が見られるからである。また、0.1≦y≦20としたのは、この範囲を外れると、TCRが±500ppm/℃よりも大きくなり、かつ、yが20を超えるとゲージ率が5よりも小さくなるからである。xのより好ましい範囲は10≦x≦25である。xがこの範囲で、−50℃以上300℃以下の温度範囲におけるゲージ率を6以上とすることができる。
次に、高温におけるゲージ率の測定装置および方法について説明する。
上述したように、本発明は高温領域でのゲージ率が高い抵抗薄膜および歪センサを提供するものであり、高温でのゲージ率を把握することが必要であるが、従来、高温におけるゲージ率の測定方法が確立されていなかった。
このため、高温におけるゲージ率を測定することができる装置と方法について様々な検討を行った結果、図3に示す高温歪印加電気抵抗測定装置に想到した。
図3の装置は、大気中で1000℃付近まで加熱することができる温度制御機能付きの電気オーブン1を有し、電気オーブン1の上部には窓2が形成されている。窓2は蓋部材3により塞がれており、蓋部材3には、電気オーブン1内に向けて下方に延びる支持棒4が固定されている。支持棒4は、電気オーブン1内の測定台5を支持している。
測定台5の上には固定部材6が設けられており、固定部材6には、基板7上に高周波スパッタリング等により所定パターンの薄膜8が形成された試料20が片持ち梁固定されている。測定台5は箱状をなしており、内部に端子11を有する端子台10が設けられている。薄膜8と端子11はボンディングワイヤー9で接続されている。
端子11には耐熱配線ケーブル(図示せず)が接続されている。耐熱配線ケーブルは窓2を介して引き出され、測定系(DMM)14に接続されている。また、電源15も耐熱配線ケーブルにより接続されている。
蓋部材3にはマイクロメータ12が固定されており、マイクロメータ12からは歪印加用押し込み棒13が下方に延び、試料20の自由端近傍に接触するようになっている。これにより、マイクロメータ12により歪印加用押し込み棒13を所定長さ降下させて、試料20に所定の歪を印加することができるようになっている。
このような高温歪印加電気抵抗測定装置により高温でのゲージ率を測定するに際しては、電気オーブン1内の温度を約800℃までの所定の温度に設定し、電気オーブン1の外部からマイクロメータ12により歪印加用押し込み棒13を操作して、試料20に所定の歪を印加し、歪抵抗膜の抵抗を測定する。このような操作を各温度で行い、各温度で得られた抵抗変化率を別途100℃で測定したゲージ率で校正し、高温でのゲージ率を求める。これにより、高温でのゲージ率を正確に求めることができる。
次に、本発明の歪抵抗膜および歪センサの製造方法について説明する。
本発明では、基板上に歪抵抗膜として上述したCr−N−Al薄膜を成膜した後、300℃以上700℃以下の温度で熱処理を施す。この際の熱処理は、大気中で30分以上4時間以下の期間施すことが好ましい。
これにより、上述したように、−50℃から300℃の温度領域に亘ってゲージ率が4以上、好ましくは6以上であり、−50℃から200℃でTCSが0±1500ppm/℃のほぼ一定のゲージ率を示し、また、−50℃から500℃で、TCRが±500ppm以内に低減調整が可能な歪センサが得られる。
また、400℃以下の温度領域においては長時間その温度に保持しても抵抗変化が極めて小さい、良好な抵抗の安定性も得ることができる。
このように大気中の熱処理によって表面保護膜が形成される。この表面保護膜は、ほぼCrであり、典型的にはCrおよび不可避的不純物からなるものを挙げることができる。このような表面保護膜によって、高温でも膜中への酸素の侵入を抑制することができる。
本発明において、Cr−N−Al薄膜を成膜する基材(起歪構造体)としては、耐熱性が良好な絶縁性セラミックスであるアルミナを好適に用いることができる。また、アルミナに限らず、他の種々のセラミックスを用いることもできる。さらに、基材としてステンレス鋼(SUS)等、種々の金属板に絶縁コートを施したものを用いることもできる。
また、Cr−N−Al薄膜を成膜する手法は特に限定されないが、微量の窒素ガスの雰囲気中でスパッタリングを行う反応性スパッタリングが好ましく、スパッタリングとしては特に高周波スパッタリングが好ましい。高周波スパッタリング装置としてはマグネトロン方式のものが好適である。高周波スパッタリングの際のガス圧は、16mTorr(2.13Pa)以下、例えば5mTorr(0.67Pa)の低圧で行うことが好ましい。
この範囲よりも高圧、例えば20mTorr(2.67Pa)で高周波スパッタリングを行うと、粗い柱状晶が発達しやすくなり、柱状晶の周囲に酸素を含む明確な幅を持つ粒界が存在するようになる。これに対し、ガス圧を16mTorr(2.13Pa)以下、例えば5mTorr(0.67Pa)にすることにより、膜組織が緻密であり、酸素を含む明確な粒界が存在せず、より良好な特性を得ることができる。
歪抵抗膜として用いる薄膜のパターンとしては、歪センサとして通常用いるパターンでよく、例えば格子状パターンを用いることができる。また、高周波スパッタリングに用いるターゲットとしては高純度のCr円盤にAlのチップを所定個数貼り付けた複合ターゲットでもよいが、予め所定組成のCr−Alに調製された合金ターゲットを用いてもよい。
歪センサは、上述したCr−N−Al薄膜からなる歪抵抗膜を歪材料として歪構造体上に形成することにより得られる。
以下、本発明の実施例について説明する。
ここでは、まず、以下に示す製造条件により、基材(起歪構造体)としてのアルミナ基板上に、高周波スパッタリングにより、格子状パターンのCr−N(N:8.5at.%)薄膜を成膜し、その後、図3とは別の熱処理装置により試料を大気中500℃で0.5時間の熱処理を施した後、図3の装置により500℃までの温度範囲におけるゲージ率を測定した。
<製造条件>
1.成膜方法:Arガスと微量の窒素ガスの雰囲気中でスパッタリングを行う反応性スパッタリング法
2.成膜装置:マグネトロン方式の高周波スパッタリング装置を使用
3・ターゲット:公称純度99.9%で直径75.5mmのCr円盤
4.基板:純度99.9%、厚さ0.1mmのアルミナ板
5・成膜条件
・成膜真空度(背景真空度):1×10−5Pa
・ターゲット−基板間距離(T−S距離):43mm
・スパッタガス圧:5mTorr(0.67Pa)
・スパッタガス総流量:5sccm
・窒素ガス流量比(N/(Ar+N)):0.06%
・入力電力:10W
・基板温度:20℃水冷
6.薄膜歪センサ(歪ゲージ)素子のパターニングおよび熱処理等
・受感部形状:8回の折り返しからなる格子状
・格子の線幅および間隔:線幅0.04mm、間隔0.05mm
・格子長さ:1mm
・薄膜の厚さ:約100nm
・パターン形状:フォトリソグラフィー技術とCrエッチング液による腐食整形技術を利用
・熱処理:大気中において所定の温度で30分間保持
・電極形成:センサ薄膜の所定位置にAu/Ni/Cr積層薄膜をリフトオフ法で重ねて形成
・評価用素子の切り出し:ダイシング装置を用いて素子を個別に切り出し
ゲージ率の測定に際しては、試料を測定台の所定の位置にセットし、各温度に保持した状態で、図3の装置のマイクロメータにより歪印加用押し込み棒を操作して、試料に図4のシーケンスで約0.05%の歪を印加する曲げ試験を行い、450℃までの各温度において抵抗測定を行った。各温度で得られた抵抗変化率を、別途100℃で測定したゲージ率で校正し、各温度でのゲージ率を求めた。また、スパッタリングの際のガスをArのみとした以外は同様にして格子状パターンのCr膜を成膜し、同様にして、各温度で得られた抵抗変化率に基づいて各温度でのゲージ率を求めた。
図5はCr薄膜およびCr−N薄膜の、測定温度とゲージ率および抵抗値との関係を示す図である。この図に示すように、Cr膜およびCr−N薄膜のいずれも、100℃を超えると急激にゲージ率が低減することが確認された。また、抵抗値の変化からCr薄膜およびCr−N薄膜のネール温度は200℃付近であることが確認された。
次に、ターゲットとして、公称純度99.9%で直径75.5mmのCr円盤上に5×5mm大で厚さ1mmのAlチップを乗せた複合ターゲットを用い、チップ数nを0〜16の間で変化させて、上記製造条件で、基材(起歪構造体)としてのアルミナ基板上に、高周波スパッタリングにより、Cr−N:Al(n)薄膜を成膜した。なお、後述する図24に示すように、Alチップの枚数nとAl量x(at%)との間には、およそx=1.56nの関係がある。なお、図24はEPMA(XDX)を用いて測定した値であり、2〜3%程度の誤差を含むものである。
nを0、4、8、12、16(Al量は、それぞれ、およそ0、6.24、12.48、18.72、24.96at%)として成膜した試料について、図3とは別の熱処理装置により、試料を大気中500℃で0.5時間の熱処理を施した後、500℃までの温度範囲におけるゲージ率を測定した。
ゲージ率の測定に際しては、試料を測定台の所定の位置にセットし、各温度に保持した状態で、図3の装置のマイクロメータにより歪印加用押し込み棒を操作して、試料に図4のシーケンスで約0.05%の歪を印加する曲げ試験を行い、450℃または500℃までの各温度において抵抗測定を行った。各温度で得られた抵抗変化率を、別途100℃で測定したゲージ率で校正し、各温度でのゲージ率を求めた。
その結果を図6に示す。この図に示すように、Al量の増加(Alチップ数nの増加)にともなって、ゲージ率の大きい領域が高温側に拡大する傾向が得られた。特に、Alチップ数nが12〜16の場合に、−50〜500℃まででゲージ率が7以上のほぼ一様な値を示すことが確認された。また、Alチップ数が8の場合は、450℃でゲージ率がわずかに低下しているものの、−50〜400℃まではほぼ一様であり、ゲージ率の値は7以上であった。また、Alチップ数が4の場合は、200℃まではほぼ一様なゲージ率を示すが、200℃を超えるとゲージ率が低下し、300℃以下ではゲージ率4以上であるものの、300℃を超えるとゲージ率は4よりも低い値となることが確認された。それはAl量が少ないためにネール温度の上昇も小さかったためである。このことから、Alチップ数が8程度以上、Al量がおよそ10at%以上の場合がより好ましいことが確認された。
図7は、Alチップ数が0、4、8の場合の抵抗値の昇降温依存性を示す図であるが、Alチップ数が8の場合のネール温度は測定温度の上限よりも高く500℃を超える値であると考えられ、Al添加によりネール温度の高温シフトが確認された。図6のAl添加によりゲージ率が大きい領域が高温に拡大する傾向は、ネール温度の上昇によるものと考えられる。
次に、Alチップ数が8の場合について、上述した大気中500℃で0.5時間の熱処理を施した試料と、大気中700℃で0.5時間の熱処理を施した試料についてゲージ率を比較した。なお、700℃のものについては、650℃までのゲージ率を求めた。その結果を図8に示す。この図に示すように、熱処理温度が700℃の試料では、250℃以上において、ゲージ率が低下する傾向にあるが、それは後述するように、700℃の熱処理によって酸素が膜中に取り込まれ、そのためネール温度が低下したことによる。それでも、300℃付近まではゲージ率4以上を維持していることが確認された。
次に、上述したAlチップ数nを0〜16として成膜した後、大気中500℃で0.5時間の熱処理を施した試料について、感度温度係数(TCS)を求めた。図9は、その際の測定温度とTCSとの関係を示す図である。なお、各温度のプロットは、その温度からその温度+50℃でのTCSを示す。つまり、150℃のプロットは、150〜200℃でのTCSを示す。この図に示すように、n=4では、200℃を超えるとTCSが±1500ppm/℃の範囲を超えたが、n=8では400℃まで、n=12〜16では500℃まで、TCSが±1500ppm/℃以内であった。
次に、Alチップ数が8の場合について、上述した大気中500℃で0.5時間の熱処理を施した試料と、大気中700℃で0.5時間の熱処理を施した試料について各温度のTCSを求めた。なお、700℃のものについては、650℃までのTCSを求めた。その結果を図10に示す。熱処理温度が700℃の試料では、250℃までTCSが±1500ppm/℃の範囲内であった。
次に、上述したCr円盤上にn個のAlチップを乗せた複合ターゲットを用い、nを0〜16の間で変化させ、上記製造条件で成膜後、種々の熱処理条件で熱処理した場合について、室温近傍の抵抗温度係数(TCR)を測定した。図11は、300℃、500℃、700℃で熱処理した場合のAlチップの数nとTCRの関係を示す図である。
図11に示すように、Cr−N薄膜にAlを添加した場合でも、Cr−N薄膜と同様、TCRはas−depo.で負の値をとり、熱処理で正方向に変化することが確認された。また、Al量の増加にともなってTCRが減少し、負に大きな値を示すことが確認された。このことから、Cr−N−Al薄膜の組成(N量およびAl量)と熱処理温度によりTCRを制御可能であることが明らかとなった。また、いずれの熱処理温度においても、室温でのTCRがほぼゼロの試料が存在することが確認された。
次に、上記Alチップの数nを0〜16の間で変化させた複合ターゲットを用いて上記製造条件で成膜後、大気中500℃で0.5時間の熱処理を施した試料について、0〜500℃または0〜450℃の範囲の抵抗値を求めた。その結果を図12に示す。この図に示すように、Alチップの数nが増加するに従って、温度上昇に対する抵抗値の変化(低下)が大きくなることが確認された。
次に、Alチップ数が8の場合について、上述した大気中500℃で0.5時間の熱処理を施した試料と、大気中700℃で0.5時間の熱処理を施した試料について抵抗値の温度変化を比較した。なお、700℃のものについては、650℃までの抵抗値を求めた。その結果を図13に示す。この図に示すように、熱処理温度が500℃の場合は、測定温度の上昇にともなって抵抗値が比較的大きく低下しているが、熱処理温度が700℃の場合は、測定温度による抵抗値の変化が小さいことが確認された。
次に、上記Alチップの数nを0〜16の間で変化させた複合ターゲットを用いて上記製造条件で成膜後、大気中500℃で0.5時間の熱処理を施した試料について、100〜500℃または100〜450℃の範囲のTCRを求めた。その結果を図14に示す。なお、各温度のプロットは、その温度からその温度+50℃でのTCRを示す。つまり、150℃のプロットは、150〜200℃でのTCRを示す。この図に示すように、Alチップ数0の試料は、100〜450℃の範囲において、TCRが+500ppm/℃を超えているのに対し、Alチップ数の増加(Al量の増加)にともなって、TCRがマイナス側にシフトした。Alチップ数4の試料は、100〜500℃の範囲でTCRがほぼ0となった。また、Alチップ数が8の試料は、100〜450℃の範囲でTCRが±1000ppm/℃以内であった。一方、Alチップ数が12、16の試料は、100℃〜500℃の範囲でTCRが−1000ppm/℃よりも小さい(不の絶対値が大きい)値となった。このことから、Al量を調整することにより、500℃までの温度範囲で、±1000ppm/℃以内、さらには±500ppm/℃以内のTCRが得られることが確認された。
次に、Alチップ数が8の場合について、上述した大気中500℃で0.5時間の熱処理を施した試料と、大気中700℃で0.5時間の熱処理を施した試料について各温度のTCRを求めた。なお、700℃のものについては、650℃までのTCRを求めた。その結果を図15に示す。この図に示すように、熱処理温度が500℃の試料は、TCRが−500ppm/℃よりも小さい値であったのに対し、熱処理温度が700℃の試料は、500℃まで、TCRが±500ppm/℃以内であった。このことから、熱処理によってTCRを調整することができ、±500ppm/℃以内にすることが可能であることが確認された。
次に、ターゲットとして、同様にAlチップn個を乗せた複合ターゲットを用い、nの数を0〜16の間で変化させて、上記製造条件で成膜後、種々の熱処理条件で熱処理した場合について、室温近傍のTCS、ゲージ率を測定した。図16はAlチップ数とTCSとの関係を示す図、図17はAlチップ数とゲージ率との関係を示す図である。
図16に示すように、Alチップ数nが2〜16において、300℃以上の熱処理で、TCSが−1500〜+1000ppm/℃の範囲内の良好な値を示すことが確認された。
さらに、図17に示すように、Alチップ数nが2〜16において、300℃以上の熱処理で、ゲージ率4以上の、従来用いられている歪ゲージよりも大きな値を示すことが確認された。
次に、Al量を変化させたCr−N−Al薄膜の抵抗の安定性について試験を行った。図18〜22は、各測定温度における抵抗変化率(ΔR/R)を示す図であり、図18はAlチップ個数n=0(Cr−N:Al(0)薄膜)の場合、図19はAlチップ個数n=4(Cr−N:Al(4)薄膜)の場合、図20はAlチップ数n=8(Cr−N:Al(8)薄膜)の場合、図21はAlチップ数n=12(Cr−N:Al(12)薄膜)の場合、図22はAlチップ数n=16(Cr−N:Al(16)薄膜)の場合である。抵抗変化率は、図4に示すように、曲げを含む30分保持前後の抵抗値から求めた。なお、成膜後の熱処理は、大気中500℃で0.5時間とした。
これらの図に示すように、大気中500℃で0.5時間の熱処理によって、Alチップ数n=8までは400℃まで抵抗変化率が±0.02%以内の高い安定性を示すことが確認された。これに対し、Alチップ数n=12、16の試料は、安定性が多少低下した。しかしその低下は、図11および図14に示されているように、n=12および16の試料のTCRの絶対値が大きいため、図3の電気オーブンおよび室内の空調の温度コントロールの、それほど大きくはないが生じる変動によって生起したものである。測定温度による変動であれば、後述の図23のように一方向に値がシフトしていく挙動を示すはずであるが、図18から22において400℃までにそのようなシフトは見られず、バラツキ的な変化を示すことから、そのように判断できる。この結果は、TCRの低減がいかに重要であるかを示唆するものであり、それを含んでもなお、変化率は±0.05%以内と良好である。
次に、Alチップ数n=8のCr−N:Al(8)薄膜について、成膜後の熱処理を大気中700℃で0.5時間として、熱処理後同様に各測定温度で曲げを含む30分間保持による試験を行い、保持前後の抵抗変化率を求めた。図23はその際の各測定温度における抵抗変化率(ΔR/R)を示す図である。この図に示すように、Cr−N:Al(8)薄膜は、700℃で熱処理することにより、500℃とより高温まで抵抗変化率が±0.02%以内の高い安定性を示すことが確認された。
なお、図24に、上述した製造条件のときの、Alチップ数nと、Al量(at.%)との関係を示す。上述したとおり、Alチップ数nとAl濃度x(at%)との間には、およそx=1.56nの関係がある。
次に、以上の条件で製造した試料と、スパッタガス圧を5mTorr(0.67Pa)から20mTorr(2.67Pa)に変更し、さらに、それにともなって、成膜方法をコンベンショナル方式、ターゲット直径を101.6mm、スパッタガス総流量を20sccm、入力電力を100Wに変更した以外は同様の条件で製造した試料とについてミクロ組織を観察した。
図25は、Alチップ数n=4で成膜した後、大気中500℃で0.5時間の熱処理を施した試料を示すSEM写真であり、図26は、Alチップ数n=8で成膜した後、大気中500℃で0.5時間の熱処理を施した試料を示すSEM写真であり、図27は、Alチップ数n=8で成膜した後、大気中500℃で0.5時間の熱処理を施した試料を示すSEM写真である。いずれもスパッタガス圧が20mTorrと5mTorrの場合を比較して示す。また、図28は、Alチップ数8で成膜した後、大気中700℃で0.5時間の熱処理を施した試料を示すSEM写真であり、スパッタガス圧が20mTorrと5mTorrの場合を比較して示すものである。また、図29は、Alチップ数n=8、Alチップ数n=16でスパッタガス圧5mTorrで成膜した場合の、成膜まま(as−deposited)の試料を示すSEM写真である。さらに、図30は、Alチップ数n=8で成膜した場合の、as−depositedの試料、大気中500℃で0.5時間の熱処理を施した試料、および大気中700℃で0.5時間の熱処理を施した試料を示すTEM写真である。
これらTEM写真に示すように、条件にかかわらず、スパッタガス圧が20mTorrで成膜した試料は、粗い柱状晶が発達しているのに対し、スパッタガス圧を5mTorrとした試料は、こちらも柱状晶ではあるが、膜組織が緻密であることが確認された。この膜組織の違いにより、スパッタガス圧を5mTorrとした試料のほうが、スパッタガス圧が20mTorrで成膜した試料よりも、200℃以上でのゲージ率が2倍以上上昇した。
また、図29のas−depositedの試料からは、緻密な柱状晶からなる組織のセンシング膜のみからなり、その上には何もないことが確認された。それに対し、500℃熱処理ではそのセンシング膜の上に薄い別の層が、700℃では厚い別の層が形成されていることがわかる。このことから、成膜時には存在しなかった別の層が、高温での熱処理によって形成され、より高温なほど厚く成長することが確認できる。後段で示す分析結果からそれらはCrからなり、センシング層の酸化を防ぐ保護層として機能するものであることが初めて明らかになった。
次に、以上の条件で製造した試料と、スパッタガス圧を5mTorr(0.67Pa)から20mTorr(2.67Pa)に変更し、さらに上記と同様の一連の変更を施した以外は同様の条件で製造した試料について、それらの薄膜断面のEDX面分析を行った。
図31、図32は、いずれもAlチップ数n=8で成膜した後、大気中500℃で0.5時間の熱処理を施した試料における薄膜断面のEDX面分析結果を示す図であり、図31はスパッタガス圧が20mTorr、図32はスパッタガス圧が5mTorrである。また、図33、図34は、いずれもAlチップ数n=8で成膜した後、大気中700℃で0.5時間の熱処理を施した試料における薄膜断面のEDX面分析結果を示す図であり、図33はスパッタガス圧が20mTorr、図34はスパッタガス圧が5mTorrである。図31〜34は、いずれもHAADEF−STEM像と、各元素の面分析を示す。
図31、図33に示すスパッタガス圧を20mTorrとした試料については、HAADEF−STEM像に明確な濃淡が観察され、明るい箇所にCr、暗い箇所にO(酸素)が、それぞれ対応していることかがわかる。Cr基の結晶粒の間に酸素を多く含む幅のある粒界が薄膜内全体に存在し、密でない結晶組織を呈していることがわかる。
図32、図34に示すスパッタガス圧を5mTorrとした試料については、HAADEF−STEM像に明確な濃淡が観察されず、薄膜内には、ほぼ一様にCrが多く、O(酸素)はあまり存在しないことがわかる。したがって幅広な粒界はなく、Crリッチな結晶粒が密に詰まった結晶組織を呈していることがわかる。
次に、Alチップ数n=8で、それぞれスパッタガス圧20mTorr、5mTorrで成膜した後、それぞれ大気中500℃、700℃で0.5時間の熱処理を施した試料について、XPSにより深さ方向の組成プロファイルを測定した。その結果を図35〜38に示す。
図35は、スパッタガス圧20mTorrで500℃熱処理を施した試料の深さ方向の組成プロファイルを示す図であるが、薄膜中にO(酸素)が約20%も含まれており、面分析結果と良い一致を示した。左側の最表面にはCrが約40%、酸素が約60%であることから、安定なCrの酸化層が形成されていると考えられる。
図36は、スパッタガス圧5mTorrで500℃熱処理を施した試料の深さ方向の組成プロファイルを示す図であるが、薄膜中にO(酸素)は約2%程度と不可避的に含まれているだけで、こちらも面分析結果と良い一致を示した。左側の最表面には20mTorrと同様に、安定なCrの酸化層が形成され、保護膜として薄膜内部の酸化を防いでいると考えられる。
図37は、スパッタガス圧20mTorrで700℃熱処理を施した試料の深さ方向の組成プロファイルを示す図であるが、薄膜中にO(酸素)が約25%も含まれており、面分析結果と良い一致を示した。左側の最表面にはCrが約45%、酸素が約55%と少しCrリッチではあるが、Crの厚い酸化層が形成されていると考えられる。
図38は、スパッタガス圧5mTorrで700℃熱処理を施した試料の深さ方向の組成プロファイルを示す図であるが、薄膜中にO(酸素)は約10数%程度と、比較的多く含まれていた。700℃ではOは膜中に一様に拡散すると考えられ、そのため面分析ではよくわからなかったと思われる。左側の最表面には20mTorrと同様に、CrリッチなCrの厚い酸化層が形成されている。この酸化層はおよそ500℃以下で保護膜として薄膜内部の酸化を防いでいると考えられるが、700℃ではその効果が低下している。
次に、Alチップ数n=8でスパッタガス圧5mTorrで成膜時間を約5倍にして20mTorrの場合とほぼ同じ厚さで成膜した後、大気中500℃で0.5時間の熱処理を施した試料を作製した。
図39は、その試料の断面のTEM写真である。このTEM写真から、幅広の粒界が形成されることもなく、表面まで密な組織を示していることが確認され、厚さの違いの影響はないと考えられる。なお、中央の横に入った非結晶的な層は成膜途中のトラブルにより一時的に生じたものである。図40はその試料における薄膜断面のEDX面分析結果を示すが、膜厚を厚くしてもHAADEF−STEM像に明確な濃淡が観察されず、薄膜内には、ほぼ一様にCrが多く、O(酸素)があまり存在しないことが確認された。また、幅広な粒界はなく、全厚さにわたってCrリッチな結晶粒が密に詰まった結晶組織を呈していることがわかる。図41はその試料のXPSによる深さ方向の組成プロファイルを示す図であるが、薄膜中にO(酸素)は1〜2%程度と不可避的に含まれているだけで、こちらも面分析結果と良い一致を示した。やはり左側の最表面に安定なCrの酸化層が形成され、保護膜として薄膜内部の酸化を防いでいると考えられる。中央の非結晶的な層は酸素を多く含むことから、成膜時の酸素混入のトラブルが発生したと思われる。
1;電気オーブン、2;窓、3;蓋部材、4;支持棒、5;測定台、6;固定部材、7;基板、8;薄膜(歪抵抗膜)、10;端子台、11;端子、12;マイクロメータ、13;歪印加用押し込み棒

Claims (15)

  1. 一般式Cr100−x−yAl
    (ただし、x、yは原子比率(at.%)であり、4≦x≦25、0.1≦y≦20である。)で表され、−50℃以上300℃以下の温度範囲において、ゲージ率が4以上であることを特徴とする歪抵抗膜。
  2. −50℃以上200℃以下の温度範囲において、感度温度係数(TCS)が、±1500ppm/℃以内であることを特徴とする請求項1に記載の歪抵抗膜。
  3. −50℃以上500℃以下の温度範囲において、抵抗温度係数(TCR)が、±500ppm/℃以内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の歪抵抗膜。
  4. 酸素を含む明確な幅を持つ粒界が存在しないことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の歪抵抗膜。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項の歪抵抗膜を起歪構造体上に形成してなることを特徴とする歪センサ。
  6. 一般式Cr100−x−yAl
    (ただし、x、yは原子比率(at.%)であり、4≦x≦25、0.1≦y≦20である。)で表される薄膜に、300℃以上700℃以下の温度で熱処理を施し、−50℃以上300℃以下の温度範囲において、ゲージ率が4以上の歪抵抗膜とすることを特徴とする歪抵抗膜の製造方法。
  7. 前記薄膜は、ガス圧が16mTorr以下で高周波スパッタリングにより形成されることを特徴とする請求項6に記載の歪抵抗膜の製造方法。
  8. 前記熱処理によって膜表面に表面保護膜が形成されることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の歪抵抗膜の製造方法。
  9. 前記表面保護膜は、Crおよび不可避的不純物からなることを特徴とする請求項8に記載の歪抵抗膜の製造方法。
  10. −50℃以上200℃以下の温度範囲において、感度温度係数(TCS)が、±1500ppm/℃以内であることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の歪抵抗膜の製造方法。
  11. −50℃以上500℃以下の温度範囲において、抵抗温度係数(TCR)が、±500ppm/℃以内であることを特徴とする請求項6から請求項10のいずれか1項に記載の歪抵抗膜の製造方法。
  12. 一般式Cr100−x−yAl
    (ただし、x、yは原子比率(at.%)であり、4≦x≦25、0.1≦y≦20である。)で表される薄膜を起歪構造体上に形成し、300℃以上700℃以下の温度で熱処理を施し、請求項1から請求項4のいずれか1項の歪抵抗膜とすることにより歪センサを得ることを特徴とする歪センサの製造方法。
  13. 前記薄膜は、ガス圧が16mTorr以下で高周波スパッタリングにより形成されることを特徴とする請求項12に記載の歪センサの製造方法。
  14. 前記熱処理によって膜表面に表面保護膜が形成されることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の歪センサの製造方法。
  15. 前記表面保護膜は、Crおよび不可避的不純物からなることを特徴とする請求項14に記載の歪センサの製造方法。
JP2018082592A 2018-04-23 2018-04-23 歪抵抗膜および歪センサ、ならびにそれらの製造方法 Active JP6908554B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018082592A JP6908554B2 (ja) 2018-04-23 2018-04-23 歪抵抗膜および歪センサ、ならびにそれらの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018082592A JP6908554B2 (ja) 2018-04-23 2018-04-23 歪抵抗膜および歪センサ、ならびにそれらの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019192740A true JP2019192740A (ja) 2019-10-31
JP6908554B2 JP6908554B2 (ja) 2021-07-28

Family

ID=68390345

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018082592A Active JP6908554B2 (ja) 2018-04-23 2018-04-23 歪抵抗膜および歪センサ、ならびにそれらの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6908554B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022209963A1 (ja) * 2021-03-31 2022-10-06 Tdk株式会社 歪抵抗膜および圧力センサ
WO2023053606A1 (ja) * 2021-09-29 2023-04-06 Tdk株式会社 感温感歪複合センサ

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2024054754A (ja) * 2022-10-05 2024-04-17 Tdk株式会社 歪抵抗膜および物理量センサおよび歪抵抗膜の製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018091848A (ja) * 2016-12-02 2018-06-14 公益財団法人電磁材料研究所 歪抵抗膜および歪センサ、ならびにそれらの製造方法
JP2019082424A (ja) * 2017-10-31 2019-05-30 ミネベアミツミ株式会社 ひずみゲージ

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018091848A (ja) * 2016-12-02 2018-06-14 公益財団法人電磁材料研究所 歪抵抗膜および歪センサ、ならびにそれらの製造方法
JP2019082424A (ja) * 2017-10-31 2019-05-30 ミネベアミツミ株式会社 ひずみゲージ

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
丹羽 英二: "高温域で安定な高ゲージ率を示すAl添加Cr−Nひずみセンサ薄膜", 応力・ひずみ測定と強度評価シンポジウム講演論文集(第48回), JPN6021000435, 21 January 2017 (2017-01-21), JP, pages 101 - 106, ISSN: 0004477749 *

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022209963A1 (ja) * 2021-03-31 2022-10-06 Tdk株式会社 歪抵抗膜および圧力センサ
WO2023053606A1 (ja) * 2021-09-29 2023-04-06 Tdk株式会社 感温感歪複合センサ

Also Published As

Publication number Publication date
JP6908554B2 (ja) 2021-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2018091848A (ja) 歪抵抗膜および歪センサ、ならびにそれらの製造方法
JP6022881B2 (ja) 歪ゲージ
JP4436064B2 (ja) サーミスタ用材料及びその製造方法
JP6159613B2 (ja) 歪センサ
WO2013129680A1 (ja) サーミスタ用金属窒化物材料及びその製造方法並びにフィルム型サーミスタセンサ
JPH06300649A (ja) 薄膜歪抵抗材料とその製造方法及び薄膜歪みセンサ
JP2019192740A (ja) 歪抵抗膜および歪センサ、ならびにそれらの製造方法
JP5477671B2 (ja) サーミスタ用金属窒化物材料及びその製造方法並びにフィルム型サーミスタセンサ
KR20160034891A (ko) 서미스터용 금속 질화물 재료 및 그 제조 방법 그리고 필름형 서미스터 센서
JP6120251B2 (ja) サーミスタ用金属窒化物材料及びその製造方法並びにフィルム型サーミスタセンサ
US4100524A (en) Electrical transducer and method of making
JP2019129188A (ja) サーミスタ及びその製造方法並びにサーミスタセンサ
JP6774861B2 (ja) 歪抵抗膜および高温用歪センサ、ならびにそれらの製造方法
JP6319568B2 (ja) サーミスタ用金属窒化物材料及びその製造方法並びにフィルム型サーミスタセンサ
JP6708538B2 (ja) 熱安定性に優れた歪センサ用薄膜合金
JP6585679B2 (ja) 熱安定性に優れ、高歪ゲージ率を有する歪センサ用薄膜合金
JP5029885B2 (ja) 薄膜サーミスタ素子及びその製造方法
JP2019096805A (ja) サーミスタ及びその製造方法並びにサーミスタセンサ
JP2015220327A (ja) サーミスタ用金属窒化物材料及びその製造方法並びにフィルム型サーミスタセンサ
JP2019074452A (ja) 薄膜ひずみセンサ材料および薄膜ひずみセンサ
Schultes et al. Improving the electrical and structural stability of highly piezoresistive nickel–carbon sensor thin films
JP6319566B2 (ja) サーミスタ用金属窒化物材料及びその製造方法並びにフィルム型サーミスタセンサ
JP2017174974A (ja) サーミスタ用金属窒化物材料及びその製造方法並びにフィルム型サーミスタセンサ
KR101250191B1 (ko) 전자부품용 박막 배선 및 박막 배선 형성용 스퍼터링 타겟재
JP6562217B2 (ja) サーミスタ用金属窒化物材料及びその製造方法並びにフィルム型サーミスタセンサ

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20180501

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201005

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20201005

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20201015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210406

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210601

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210629

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210701

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6908554

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250