JP2019192673A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 サーマルコンパウンドの熱伝導率を向上させ、製造時の作業性を確保した、熱抵抗増加が抑制され、信頼性の高い半導体装置を提供する。【解決手段】 半導体素子を実装した積層基板と、封止材とを備える半導体モジュール2と、サーマルコンパウンド1を介して、前記半導体モジュールに配設された冷却器3とを含み、前記サーマルコンパウンドが、基油と、セラミックスを主成分とするマイクロフィラーと、樹脂を主成分とするナノフィラーとを含む、半導体装置。【選択図】 図1

Description

本発明は半導体装置に関する。本発明は、特には熱抵抗の増加を抑制することができる、信頼性の高い半導体装置に関する。
パワー半導体モジュールは、効率的な電力変換が求められる分野で広く適用されている。例えば、産業機器、電気自動車、家電製品などのパワーエレクトロニクス分野に適用領域が拡大している。これらのパワー半導体モジュールには、スイッチング素子とダイオードが内蔵されており、素子にはSi(シリコン)半導体やSiC(シリコンカーバード)半導体が用いられている。
パワー半導体モジュールは半導体素子からなるチップから発生する熱を逃がすために放熱用フィン等の冷却器に取り付けて使用する。一般的な放熱用フィンは表面粗さをもっており、モジュールをフィンに搭載すると隙間が生じ、接触熱抵抗を悪化させる要因となる。この接触熱抵抗を低下させるために、フィンとパワー半導体モジュールの間に、基油とセラミックス充填材から主として構成されるサーマルコンパウンドを塗布する。
金属製の放熱ベース上に、半導体チップを設けた積層基板を備え、かつ放熱ベースの裏面にサーマルコンパウンドを介して冷却器を設けた半導体装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2017-59677号公報
従来のサーマルコンパウンドの熱伝導率は1W/m・K程度であった。この熱伝導率の値は、半導体チップから冷却器までの放熱経路に位置するはんだ、銅回路、セラミックス絶縁基板、銅板等の部材中で、最も熱伝導率が低い。パワー半導体モジュールを用いた製品全体での高効率化を行う一つの方法として、サーマルコンパウンドの熱伝導率を上げる必要がある。
高熱伝導率化のために、サーマルコンパウンドに一般的に含まれているセラミックス等の充填材の増量が試みられている。しかし、セラミックス等の充填材を増加させると、サーマルコンパウンド中で基油が相対的に占める割合が小さくなり、粘性が増加して、パワー半導体モジュールと冷却器の間に塗布する際の作業性が低下する。また、その結果として、塗布後の製品におけるボイド率が高くなるおそれがある。作業性の低下やボイド率の上昇を招くことなく、サーマルコンパウンドの高熱伝導率化・低熱抵抗化を達成して、信頼性の高い半導体装置を提供することが求められる。
本発明者らは、鋭意検討の結果、基油及びセラミックス充填材から主として構成されるサーマルコンパウンドにナノサイズのフィラーをさらに添加することで、セラミックスどうしのつながりをスムーズにし、熱伝導性の高いセラミックスの充填率を高くし、作業性を確保したまま熱伝導率を向上させることできることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、一実施形態によれば、半導体装置であって、半導体素子を実装した積層基板と、封止材とを備える半導体モジュールと、サーマルコンパウンドを介して、前記半導体モジュールに配設された冷却器とを含み、前記サーマルコンパウンドが、基油と、セラミックスを主成分とするマイクロフィラーと、樹脂を主成分とするナノフィラーとを含む。
前記半導体装置において、前記ナノフィラーが、動摩擦係数が0.4以下の樹脂を主成分とすることが好ましい。
前記半導体装置のいずれかにおいて、前記ナノフィラーが、フッ素樹脂であることが好ましい。
前記半導体装置のいずれかにおいて、前記ナノフィラーの平均粒子径が、10nm以上であって100nm以下であることが好ましい。
前記半導体装置のいずれかにおいて、前記ナノフィラーの総体積が、前記マイクロフィラーの総体積に対して、0.1%以上であって10%以下であることが好ましい。
前記半導体装置のいずれかにおいて、前記マイクロフィラーの平均粒子径に対する、前記ナノフィラーの平均粒子径が、0.0003以上であって0.01以下であることが好ましい。
前記半導体装置のいずれかにおいて、前記マイクロフィラーの平均粒子径が、1μm以上であって30μm以下であることが好ましい。
前記半導体装置のいずれかにおいて、前記マイクロフィラーの総体積が、前記マイクロフィラーの総体積と前記基油の総体積の和に対して、30%以上であって75%以下であることが好ましい。
本発明は、別の実施形態によれば、サーマルコンパウンドであって、基油と、セラミックスを主成分とするマイクロフィラーと、樹脂を主成分とするナノフィラーとを含む。
本発明によれば、サーマルコンパウンドの熱伝導率を向上させることができ、熱抵抗の増加を抑制することができる、高効率かつ高信頼性の半導体装置を提供することができる。
図1は、本発明に係る半導体装置の断面構造を示す概念的な断面図である。 図2は、図1中、Aで示す部分を拡大した概念的な断面図である。 図3は、本発明の実施例による、マイクロフィラー配合率と、サーマルコンパウンドの粘度の関係(ナノフィラーの添加効果)を示すグラフである。 図4は、本発明の実施例による、マイクロフィラーの平均粒子径と、サーマルコンパウンドの粘度の関係(ナノフィラーの添加効果)を示すグラフである。
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施の形態によって限定されるものではない。
本発明は一実施形態によれば、半導体装置であって、半導体素子を実装した積層基板と、封止材とを備える半導体モジュールと、サーマルコンパウンドを介して、前記半導体モジュールに配設された冷却器とを含む。
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の一例を示す概念図である。図1において、半導体装置は、冷却器3、サーマルコンパウンド1、半導体モジュール2がこの順に積層されている。
半導体モジュール2は、少なくとも半導体素子が実装された積層基板を含む被封止部材を封止材で封止して得られる部材である。半導体モジュール2には、種々の態様がありうるが、本発明においてはその態様は特には限定されない。
半導体モジュール2の一態様として、例えば、以下の構造を持つものが挙げられる。半導体素子は、はんだ等の接合層を介して、積層基板上に実装されていてよい。半導体素子の上面には、はんだ等の接合層を介して、インプラントピンを備えたインプラント方式プリント基板を取り付けることができ、これらの部材は、封止材で封止されてよい。
半導体素子は、IGBTあるいはダイオードチップ等のパワーチップであり、種々のSiデバイス、SiCデバイス、GaNデバイスなどを用いることができる。また、これらのデバイスを組み合わせて用いても良い。例えば、Si−IGBTとSiC−SBDを用いたハイブリッドモジュールなどを用いることができる。半導体素子の搭載数は、1つであってもよく、複数搭載することもできる。
積層基板は、絶縁基板とその一方の面に形成される第1導電性板と、他方の面に形成される第2導電性板とから構成することができる。絶縁基板としては、電気絶縁性、熱伝導性に優れた材料を用いることができる。絶縁基板の材料としては、例えば、Al、AlN、SiNなどが挙げられる。特に高耐圧用途では、電気絶縁性と熱伝導率を両立した材料が好ましく、AlN、SiNを用いることができるが、これらには限定されない。第2導電性板、第1導電性板としては、加工性の優れているCu、Alなどの金属材料を用いることができる。このようなCuからなる導電性板のうち、半導体素子と接していない導電性板を、裏面銅箔または裏面導電性板と指称することもある。また、導電性板は、防錆などの目的で、Niメッキなどの処理を行ったCu、Alであっても良い。絶縁基板上に導電性板を配設する方法としては、直接接合法(Direct Copper Bonding法)もしくは、ろう材接合法(Active Metal Brazing法)が挙げられる。
接合層は、鉛フリーはんだを用いて形成することができる。例えば、Sn−Ag−Cu系、Sn−Sb系、Sn−Sb−Ag系、Sn−Cu系、Sn−Sb−Ag−Cu系、Sn−Cu−Ni系、Sn−Ag系などを用いることができるが、これらには限定されない。
プリント基板としては、ポリイミドフィルム基板やエポキシフィルム基板にCu、Alなどの導電層が形成されているものを用いることができる。インプラントピンとしては、銅を用いた銅ピンを用いることができる。プリント基板の導電層も、インプラントピンも、CuやAlに、防錆などの目的でNiメッキなどの処理を施したものであってもよい。このプリント基板とインプラントピンは、半導体素子どうし、もしくは、半導体素子と積層基板の間を電気的に接続する。インプラントピンと積層基板もしくは半導体素子とは、上述のはんだ接合層により接合することができる。また、積層基板上からインプラントピンを封止材の外部にまで引き出すことにより、インプラントピンを外部接続端子とすることができる。
本態様においては、半導体素子、積層基板、インプラントピン、プリント基板を含み、その他の端子等を含んでもよい被封止部材が、封止材で絶縁封止されている。封止材は、熱硬化性樹脂を含み、例えば、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂、あるいはそれらの混合物であることが好ましく、特には、エポキシ樹脂を含むことが好ましい。封止材は、最も好ましい態様においては、エポキシ樹脂主剤と、硬化剤とを含み、任意選択的に無機充填材やその他の添加剤を含んでもよいエポキシ樹脂組成物により形成することができる。エポキシ樹脂主剤としては、脂肪族エポキシ、または脂環式エポキシを用いることができる。
脂肪族エポキシとは、エポキシ基が直接結合する炭素が、脂肪族炭化水素を構成する炭素であるエポキシ化合物をいうものとする。したがって、主骨格に芳香環が含まれている化合物であっても、上記条件をみたすものは、脂肪族エポキシに分類される。脂肪族エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ、ビスフェノールF型エポキシ、ビスフェノールAD型エポキシ、ビフェニル型エポキシ、クレゾールノボラック型エポキシ、3官能以上の多官能型エポキシ等が挙げられるが、これらには限定されない。これらを単独で、または二種類以上混合して使用することができる。
脂環式エポキシ樹脂とは、エポキシ基を構成する2つの炭素原子が、脂環式化合物を構成するエポキシ化合物をいうものとする。脂環式エポキシ樹脂としては、単官能型エポキシ、2官能型エポキシ、3官能以上の多官能型エポキシ等が挙げられるが、これらには限定されない。脂環式エポキシ樹脂も、単独で、または異なる二種以上の脂環式エポキシ樹脂を混合して用いることができる。
硬化剤としては、エポキシ樹脂主剤と反応し、硬化しうるものであれば特に限定されないが、酸無水物系硬化剤を用いることが好ましい。酸無水物系硬化剤としては、例えば芳香族酸無水物、具体的には無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸等が挙げられる。あるいは、環状脂肪族酸無水物、具体的にはテトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸等、もしくは脂肪族酸無水物、具体的には無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物等を挙げることができる。硬化剤の配合量は、エポキシ樹脂主剤100質量部に対し、50質量部以上であって170質量部以下程度とすることが好ましく、80質量部以上であって150質量部以下程度とすることがより好ましい。硬化剤の配合量が50質量部未満であると架橋不足からガラス転移温度が低下する場合があり、170質量部より多くなると耐湿性、高熱変形温度、耐熱安定性の低下を伴う場合がある。
エポキシ樹脂組成物には、さらに、任意選択的な成分として、硬化促進剤を添加することができる。硬化促進剤としては、イミダゾールもしくはその誘導体、三級アミン、ホウ酸エステル、ルイス酸、有機金属化合物、有機酸金属塩等を適宜配合することができる。硬化促進剤の添加量は、エポキシ樹脂主剤100質量部に対して、0.01質量部以上であって50質量部以下とすることが好ましく、0.1質量部以上であって20質量部以下とすることがより好ましい。
また、エポキシ樹脂組成物が任意選択的な成分として含んでもよい無機充填材としては、例えば、溶融シリカ、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、チタニア、ジルコニア、窒化アルミニウム、タルク、クレー、マイカ、ガラス繊維等が挙げられるが、これらには限定されない。これらの無機充填材により、硬化物の熱伝導率を高め、熱膨張率を低減することができる。これらの無機充填材は、単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらの無機充填材は、マイクロフィラーであってもよく、ナノフィラーであってもよく、粒径及びまたは種類が異なる2種以上の無機充填材を混合して用いることもできる。特には、平均粒径が、0.2μm以上であって20μm以下程度の無機充填材を用いることが好ましい。無機充填材の添加量は、エポキシ樹脂主剤と硬化剤との総質量を100質量部としたとき、100質量部以上であって600質量部以下であることが好ましく、200質量部以上であって400質量部以下であることがさらに好ましい。無機充填材の配合量が100質量部未満であると封止材の熱膨張係数が高くなって剥離やクラックが生じ易くなる場合がある。配合量が600質量部よりも多いと組成物の粘度が増加して押出し成形性が悪くなる場合がある。
エポキシ樹脂組成物には、また、その特性を阻害しない範囲で、任意選択的な添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、難燃剤、樹脂を着色するための顔料、耐クラック性を向上するための可塑剤やシリコンエラストマーが挙げられるが、これらには限定されない。これらの任意成分、およびその添加量は、半導体装置及び/または封止材に要求される仕様に応じて、当業者が適宜決定することができる。
上記態様の半導体モジュールの製造は、被封止部材を適切な金型に載置し、封止材を金型に充填して加熱硬化することにより実施することができる。このような封止体の成形法としては、真空注型、トランスファー成形、液状トランスファー成形が挙げられるが、所定の成形法には限定されない。このような成形法を用いることで、被封止部材のうち、第1導電性板(裏面銅箔)の一方の面および必要な外部端子が露出し、他の部材は封止材により絶縁封止された半導体モジュールを製造することができる。あるいは、ケースを備える半導体モジュールの製造は、ケース内に被封止部材を載置し、封止材をケースに充填して加熱硬化することにより実施することができる。この場合の封止材は、上記において説明した熱硬化性樹脂の他、シリコーンゲルであってもよい。
上記態様によるモジュールおいては、積層基板の裏面、すなわち半導体素子が実装されているのとは反対側の導電性板の露出した主面が、半導体モジュールの裏面となり、サーマルコンパウンドと接する面となりうる。あるいは、半導体モジュールは、上記態様における積層基板の裏面に、はんだ接合層等を介して接合された金属ベース基板をさらに含むものであってもよい。この場合は、金属ベース基板の露出した主面が半導体モジュールの裏面となり、サーマルコンパウンド1と接する面となりうる。なお、金属ベース基板は導電性に優れた銅やアルミニウムなど平坦な板材であってよく、表面にニッケルやクロムなどの保護膜が形成されていても良い。また、積層基板の裏面導電性板及び金属ベース基板を半導体モジュールの金属部とも言う。
別の態様による半導体モジュールとしては、例えば、先に詳述した銅ピンに代えて、ワイヤボンディングや、リードフレームなどの導電性接続部材を用いた態様や、プリント基板を封止材の内部に設けない態様であってもよい。いずれの場合も、サーマルコンパウンドを塗布する面となる半導体モジュールの裏面は積層基板を構成する導電性板(銅板、裏面銅箔などともいう)である場合もあり、積層基板に接合された金属製の放熱ベースである場合もある。
サーマルコンパウンド1は、基油と、充填材とを含む組成物から構成される。サーマルコンパウンド1は、半導体モジュール2と冷却器3との接着層として、並びに半導体モジュール2が生成する熱の放熱層として機能する。サーマルコンパウンド1は、熱伝導率が概ね10W/(m・K)以上程度とすることが好ましい。サーマルコンパウンド1は、半導体モジュール2の裏面に層状に塗布し、冷却器3をさらに重ねて、ネジなどにより押圧固定して、半導体装置とする。サーマルコンパウンド1は、少なくとも半導体モジュールの裏面の金属部に接するように形成され、前記金属部の全面に接することが好ましい。固定後のサーマルコンパウンド層の厚さは、その両側に位置する半導体モジュール2及び冷却器3の反りを緩和することができる範囲で薄いものであることが好ましく、例えば、10μm以上であって100μm以下程度であってよく、20μm以上であって30μm以下程度とすることがより好ましい。サーマルコンパウンドには、絶縁性も求められる。導電性であると、離散した場合にショートの原因になるからである。さらに、パワー半導体モジュールは熱応力による反りなどの形状変化を伴うことから、それに追従できるように、高剛性材料ではなく、有機油等の高粘性、低弾性が求められる。
次に、サーマルコンパウンド1を構成する組成物について説明する。基油としては、絶縁性のノンシリコーン系の有機油あるいはシリコーン系の有機油を用いることができる。ノンシリコーン系の有機油としては、例えば、鉱油、合成炭化水素油などの炭化水素油、エステル油、エーテル油、フッ素油等を主成分として含む組成物が挙げられるが、これらには限定されない。シリコーン系の有機油としては、オルガノポリシロキサンを主成分とする組成物が挙げられ、特には、1分子中に少なくとも2個の脂肪族不飽和炭化水素基を有するオルガノポリシロキサンを主成分とする組成物が好ましいが、これらには限定されない。本実施形態における基油は、絶縁性及び、150℃程度の耐熱性を持つ一般的な半導体装置用サーマルコンパウンドの基油として用いられるものであればよく、特定の組成を備えるものには限定されない。
サーマルコンパウンド1を構成する組成物に含まれる充填材は、絶縁性材料が好ましく、セラミックスを主成分とするマイクロフィラーと、樹脂を主成分とするナノフィラーとを含んでいる。本明細書において、マイクロフィラーとは、その平均粒子径が、1μm以上であって500μm未満程度のものをいうものとする。また、ナノフィラーとは、その平均粒子径が0.1nm以上であって、500nm未満程度のものをいうものとする。いずれの平均粒子径も、レーザー回折法により測定した粒子径とする。
セラミックスからなるマイクロフィラーは、従来技術において、充填材として一般的に用いられてきたものであってよい。したがって、マイクロフィラーは、熱伝導率が、25W/m・k程度以上のセラミックス材料からなるフィラーであってよく、例えば、アルミナ(Al)、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si、酸化ケイ素(SiO)、炭化ケイ素(SiC)、酸化マグネシウム(MgO)あるいはこれらの混合物が挙げられるが、これらには限定されない。なお、単体で好ましい熱伝導率に達成しないセラミックス材料のマイクロフィラーは、より高い熱伝導率を有するセラミックス材料と混合して用いることができる。
マイクロフィラーの平均粒子径は、1μm以上であって30μm以下程度であることが好ましく、20μm以上であって30μm以下程度であることがより好ましい。マイクロフィラーの平均粒子径がこの範囲にあると、熱伝導率及び粘性が特に良好である。マイクロフィラーの平均粒子径が大きすぎると、マイクロフィラー間に隙間が生じ、熱伝導率は低下する場合がある。マイクロフィラーの平均粒子径が小さすぎると、マイクロフィラー粒子間に介在する基油等が多くなるので、熱伝導性が悪くなり、粘性も増加する場合がある。上記に加え、マイクロフィラーの最大粒子径が、サーマルコンパウンド層の厚さ(半導体装置の組み立て、固定後の厚さ)よりも小さくなるように選択する必要がある。また、マイクロフィラーの好ましい粒子径は、ナノフィラーの粒子径とも関連があり、上記範囲であればナノフィラーがマイクロフィラーの隙間等に介在しやすい。また、マイクロフィラーの形状は、球状または楕円形状等、粘度上昇を招きにくい形状であることが好ましい。
サーマルコンパウンドにおけるマイクロフィラーの配合率は、30体積%以上であって、75体積%以下程度であることが好ましい。本発明において、マイクロフィラーの配合率(体積%)とは、[マイクロフィラーの総体積/(マイクロフィラーの総体積+基油の体積)]*100(%)により得られる値である。なお、前記式の分母のマイクロフィラーの総体積+基油の体積は、サーマルコンパウンド層の体積にほぼ等しい。マイクロフィラーの配合量は多い方が熱伝導性は向上するが、多すぎるとナノフィラーを添加しても流動性が低下し粘性が増加する場合がある。サーマルコンパウンドの粘度は、100Pa・s以下であることが好ましく、このような粘度を達成するためのマクロフィラーの配合率は、50体積%以上であって、75体積%以下程度の範囲が好ましい。ここでいう粘度は、B型回転粘度計により測定した値をいうものとする。粘度が高いと作業性が悪化し、サーマルコンパウンド層の膜厚を均一に形成できなくなる場合がある。狙いのサーマルコンパウンド層の膜厚から20%以上の変動がある場合は、金属部や冷却器の界面に空隙を生じやすい。また、粘度が高いと、サーマルコンパウンド層中においてボイドの発生につながるため好ましくない。
樹脂からなるナノフィラーは、動摩擦係数が前述のマイクロフィラーより小さく、好ましくは、半導体装置の作動温度条件下で溶融もしくは変形することなく、粒子のままで存在しうるものを用いることができる。具体的には、動摩擦係数が0.4以下であって、−40℃から+150℃の範囲において軟化や溶融もしくは反応することなく、個体として粒子のままで存在するものを用いることができる。このようなナノフィラーは、マイクロフィラーの周囲に介在し若しくはマイクロフィラー間の隙間に入り込んで、マイクロフィラー間の滑りを向上させ、基油へのマイクロフィラーの高充填を可能にする。
具体的なナノフィラーとしては、例えば、フッ素樹脂を主成分とするナノフィラーが好ましい。フッ素樹脂を主成分とするナノフィラーは、凝集しにくく、マクロフィラーと吸着しづらいため、マイクロフィラーの高充填を実現する観点から特に好ましい。フッ素樹脂は、フッ素を含むオレフィンモノマーを重合して得られる高分子化合物であって、C−F結合を含む化合物をいう。好適なフッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、あるいはこれらの二種以上の組み合わせが挙げられるが、これらには限定されない。フッ素樹脂以外の好適なナノフィラーとしては、例えば、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニルサルファイド(PPS)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、あるいはこれらの二種以上の組み合わせが挙げられるが、これらには限定されない。なお、アルミナなどのセラミックをナノフィラーとして導入しても粘性は向上しなかった。これは、動摩擦係数が大きいからではないかと考えられる。
ナノフィラーの平均粒子径は、10nm以上であって100nm以下程度であることが好ましく、10nm以上であって50nm以下程度であることがより好ましい。平均粒子径が10nmより小さいと分散させることが難しく、100nmよりも大きいと、粘性が上がる傾向があるためである。また、表2に示すように、ナノフィラーの平均粒子径は、マイクロフィラーの平均粒子径との関係において決定することができ、ナノフィラーの平均粒子径/マイクロフィラーの平均粒子径が、0.0003以上であって0.001以下程度であることが好ましい。この範囲においては、ナノフィラーはマイクロフィラーの粒子間に効率的に介在し、サーマルコンパウンドの流動性を向上させることができ、結果として粘性を抑制することができる。
サーマルコンパウンドにおけるナノフィラーの配合率は、0.1体積%以上であって、10体積以下程度であることが好ましい。本発明において、ナノフィラーの配合率(体積%)とは、(ナノフィラーの総体積/マイクロフィラーの総体積)*100により得られる値である。かかる配合率の範囲において、粘性の上昇を抑え、かつ熱伝導率を好ましい値とすることができる。ナノフィラーの配合率が大きすぎると熱伝導率が低下する場合がある。
サーマルコンパウンド1を構成する組成物には、基油とマイクロフィラー、ナノフィラーの他に、その特性を阻害しない範囲で、任意選択的な添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤や改質剤が挙げられるが、これらには限定されない。サーマルコンパウンド1は絶縁性であることが好ましく、金属粒子などの導電性材料を含まないことが好ましい。サーマルコンパウンド1が飛散した場合に、半導体装置の配線などをショートさせるおそれがあるためである。サーマルコンパウンド1として用いる組成物は、マイクロフィラー及びナノフィラーを混合した後、これらを基油に混合することで得ることができる。
図2は、図1中、サーマルコンパウンド層1のAで示す部分を拡大した概念的な断面図である。サーマルコンパウンド層1においては、基油13中に、マイクロフィラー11、ナノフィラー12が含有され、分散されている。ナノフィラー12は、複数のマイクロフィラー11間に存在し、複数のマイクロフィラー11間の潤滑剤として機能する。なお、図2は本発明を説明するための概念図であって、マイクロフィラー11とナノフィラー12との径の相対的関係や、マイクロフィラー11の周囲に存在しているナノフィラー12数、マイクロフィラー11間の距離などは本発明を限定するものではない。また、ナノフィラー11は、単独であるいは凝集して基油13中に存在する場合もある。
冷却器3は、一般的に用いられている任意の冷却器であってよく、空冷式であってもよく、水冷式であってもよいし、フィンであってもよく、板状であってもよい。また、その素材については、熱伝導性能が優れ、導電性を有している部材であればよく、例えば、Cu、Alなどの金属部材が用いられ、より軽量性も求められる場合は、Alが好ましい。また、Al部材の冷却器3には必要に応じNi,Cr等のめっき処理などをして、少なくともサーマルコンパウンドと接する個所においては導電性を有する構成とすることができる。冷却器3の形状や仕様は、半導体モジュールの使用目的等に適合するように任意に選択することができ、特定のものには限定されない。
本実施形態による半導体装置によれば、半導体素子からの放熱経路に存在するサーマルコンパウンドの熱伝導率が向上しており、全体として放熱特性が向上したものとなっている。そのため、熱抵抗の上昇による半導体素子の破壊を抑制し、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
以下に、本発明の実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。しかし、本発明は、以下の実施例の範囲に限定されるものではない。
[1.マイクロフィラー配合率と粘性]
マイクロフィラーの配合率を変化させたサーマルコンパウンドについて、配合率と粘性の関係、並びにナノフィラーの添加効果を検討した。
ナノフィラー(PTFE粒子、動摩擦係数=0.1、平均粒子径50nm、配合率5体積%)と、マイクロフィラー(Al粒子、平均粒子径30μm)、シリコーン系の基油(主成分:ジメチルシリコーンオイル)を用い、実施例のサーマルコンパウンドを調製した。ナノフィラーとマイクロフィラーを最初に混合し、この混合物を基油に添加して、均一に分散して、サーマルコンパウンドを得た。マイクロフィラーの配合率は、20体積%〜75体積%のあいだで変化させた。得られたサーマルコンパウンドについて、B型粘度計(回転粘度計:ブルックフィールド社製HBDV-1M)を用いて粘度を測定した。
ナノフィラーを添加しなかったこと以外は上記と同様にして比較例のサーマルコンパウンドを調製し、上記と同様の方法で粘度を測定した。
結果を、図3に示す。図3のグラフから、マイクロフィラーの配合率が同一の、実施例のサーマルコンパウンド(ナノフィラー添加)と、比較例のサーマルコンパウンド(ナノフィラー未添加)を比較した場合に、ナノフィラーの添加により、粘度の値が半分未満、特には、約30%〜40%程度に抑えられていることがわかった。特に、サーマルコンパウンドの粘度は、100Pa・s以下であることが好ましく、このような粘度を達成するためのマクロフィラーの配合率は、50体積%以上であって、75体積%以下程度の範囲が好ましい。
[2.マイクロフィラー径と粘性]
マイクロフィラーの平均粒子径を変化させたサーマルコンパウンドについて、マイクロフィラーの平均粒子径と粘性の関係、並びにナノフィラーの添加効果を検討した。
ナノフィラー(PTFE粒子、動摩擦係数=0.1、平均粒子径50nm、配合率5体積%)と、マイクロフィラー(Al粒子、平均粒子径30μm、配合率50体積%)、シリコーン系の基油(主成分:ジメチルシリコーンオイル)を用い、上記1と同様にして、実施例のサーマルコンパウンドを調製した。マイクロフィラーの平均粒子径は、0.5μm〜30μmのあいだで変化させた。得られたサーマルコンパウンドについて、上記1と同様にして粘度を測定した。
ナノフィラーを添加しなかったこと以外は上記と同様にして比較例のサーマルコンパウンドを調製し、上記と同様の方法で粘度を測定した。
結果を、図4に示す。図4のグラフから、マイクロフィラーの平均粒子径が同一の、実施例のサーマルコンパウンド(ナノフィラー添加)と、比較例のサーマルコンパウンド(ナノフィラー未添加)を比較した場合に、ナノフィラーの添加により、粘度の値が約半分に抑えられていることがわかった。また、マイクロフィラーの平均粒子径が概ね1μm以上の範囲において、作業性が好適となることがわかった。
[3.特性評価]
サーマルコンパウンドを調製し、その特性を評価した。ナノフィラー(PTFE粒子、動摩擦係数=0.1)とマイクロフィラー(Al粒子)を最初に混合し、混合物をシリコーン系の基油(主成分:ジメチルシリコーンオイル)に添加して、均一に分散して、サーマルコンパウンドを得た。評価したサーマルコンパウンドのナノフィラー及びマイクロフィラーの仕様、並びに配合率を以下の表に示す。なお、以下の表中の、フィラー径は平均粒子径をいうものとする。
Figure 2019192673
得られたサーマルコンパウンドの特性を、試験片を用いて評価した。熱伝導率は、リガク製熱伝導率測定装置TCiを用いて測定した。粘度は上記1、2と同様に測定した。作業性の判断基準は、サーマルコンパウンドの膜厚が100μmとなるように塗布した場合の膜厚ムラが20%以内の場合を「良好」、20%より大きい場合を「不良」とした。光学式膜厚計(変位計)および断面写真より膜厚を測定した。ボイド率は、スライドガラスとアルミ板の間に100μmのスペーサーを挟み、0.1gのサーマルコンパウンドを充填して、ヒートサイクル試験の前後でボイド生成を観察し、ボイドの面積率により評価した。ヒートサイクル試験前のボイド率は1以下であった。ヒートサイクル試験条件は、−40℃で30分、175℃で30分を1サイクルとし、1000サイクルとした。面積率は、ガラスプレート表面に対し鉛直方向からガラスプレートを平面視した場合の、(ボイド面積/ボイド面積とコンパウンドの面積の総和)*100)により算出した。結果を以下の表2に示す。なお、ボイド率はヒートサイクル試験の後のボイド率を表2に示す。ヒートサイクル試験をおこなうことで、ボイドが顕著に生じやすくなり、また実際に半導体モジュールにした際の熱履歴にも対応しているため、サーマルコンパウンドの特性を判断するうえで有効である。本発明に係るサーマルコンパウンドでは、ボイド率の実質的な増加はみられなかった。
Figure 2019192673
上記結果より、サーマルコンパウンド中に、ナノフィラーとマイクロフィラーを共存させることで、サーマルコンパウンドの粘度を低下させ、ヒートサイクル試験後においてもボイドの発生も低減できることがわかった。その結果、マイクロフィラーの充填量を上げることができることがわかった。
[4.半導体装置の製造と特性評価]
パワー半導体モジュールを作製した。積層基板としては、Cu導電性板厚さ0.3mm、絶縁基板厚さ0.625mmのデンカSINプレート(電気化学工業製、額縁長1.0mm)を用いた。積層基板上に、はんだ及びSiパワー半導体素子、はんだ及び銅ピン、プリント基板を、Nリフロー炉ではんだ接合することにより配設して、被封止部材を得た。次に裏面導電性板が露出するように、封止材を配置した。被封止部材を金型にセットし、封止材で封止した。封止材としては、脂肪族エポキシ樹脂主剤:jER630(三菱化学製)、硬化剤:jERキュア113(三菱化学製)、無機充填剤(シリカ):エクセリカ 平均粒径数μm〜数十μm(トクヤマ)を、質量比10:5:3で混合したものを用いた。この封止材を真空脱泡し、金型に注入した。これを、100℃、1時間で一次硬化後、150℃、3時間で二次硬化して、パワー半導体モジュールを得た。
[評価]
上述のパワー半導体装置について、ヒートサイクル試験を行った。ヒートサイクル試験は、室温で30分、−40℃で1時間、室温で30分、175℃で1時間を1サイクルとして、これを2000サイクル繰り返し、2000サイクル終了後のSiパワー半導体素子の電気特性を確認した。その結果、特性の変動はなかった。また、2000サイクル終了後のボイド率を、超音波探傷装置(SAT)にて測定したところ、1以下であった。
1 サーマルコンパウンド
11 マイクロフィラー
12 ナノフィラー
13 基油
2 半導体モジュール
3 冷却器

Claims (9)

  1. 半導体素子を実装した積層基板と、封止材とを備える半導体モジュールと、
    サーマルコンパウンドを介して、前記半導体モジュールに配設された冷却器と
    を含み、
    前記サーマルコンパウンドが、基油と、セラミックスを主成分とするマイクロフィラーと、樹脂を主成分とするナノフィラーとを含む、半導体装置。
  2. 前記ナノフィラーが、動摩擦係数が0.4以下の樹脂を主成分とする、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記ナノフィラーが、フッ素樹脂である、請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記ナノフィラーの平均粒子径が、10nm以上であって100nm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置。
  5. 前記ナノフィラーの総体積が、前記マイクロフィラーの総体積に対して、0.1%以上であって10%以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
  6. 前記マイクロフィラーの平均粒子径に対する、前記ナノフィラーの平均粒子径が、0.0003以上であって0.01以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置。
  7. 前記マイクロフィラーの平均粒子径が、1μm以上であって30μm以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置。
  8. 前記マイクロフィラーの総体積が、前記マイクロフィラーの総体積と前記基油の総体積の和に対して、30%以上であって75%以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体装置。
  9. 基油と、セラミックスを主成分とするマイクロフィラーと、樹脂を主成分とするナノフィラーとを含むサーマルコンパウンド。
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