以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。ただし、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。なお、図面は必ずしも正確な寸法を反映したものではない。また図では、一部の符号を省略することがある。本明細書においては特に断らない限り、数値A及びBについて「A〜B」という表記は「A以上B以下」を意味するものとする。かかる表記において数値Bのみに単位を付した場合には、当該単位が数値Aにも適用されるものとする。また「又は」及び「若しくは」の語は、特に断りのない限り論理和を意味するものとする。
<積層電池の製造方法S10>
図1は、本発明の一の実施形態に係る積層電池の製造方法S10(以下において単に「製造方法S10」ということがある。)を説明するフローチャートである。図1に示すように、製造方法S10は、発電素子作製工程S1と、単電池作製工程S2と、積層工程S3と、接続工程S4と、をこの順に有する。以下、各工程について順に説明する。
(発電素子作製工程S1)
発電素子作製工程S1(以下において単に「工程S1」ということがある。)は、負極集電体、負極層、セパレータ層、正極層、及び正極集電体をこの順に備えた積層構造を1つ以上含む発電素子を作製する工程である。以下においては、リチウムイオン二次電池である発電素子を作製する実施形態を主に説明するが、工程S1は当該形態に限定されるものではなく、リチウムイオン二次電池に代えて、例えばリチウム一次電池、ナトリウムイオン二次電池、マグネシウムイオン二次電池、アルミニウムイオン二次電池等の他の発電素子を作製する形態の工程S1とすることも可能である。
図2は、工程S1において作製される発電素子の一例(発電素子10)を模式的に示す図である。図2(A)は、発電素子10の平面図であり、図2(B)は発電素子10の底面図であり、図2(C)は図2(A)のC−C矢視側面図である。発電素子10は、正極集電体11、正極層12、セパレータ層13、負極層14、及び負極集電体15をこの順に備えた積層構造を有している。正極層12は正極集電体11の表面に設けられ、負極層14は負極集電体15の表面に設けられ、セパレータ層13は正極層12と負極層14との間に配置されている。
正極層12及び負極層14は、少なくとも活物質を含み、さらに任意に固体電解質、バインダー及び導電助剤を含む。活物質はイオンを吸蔵及び放出することが可能な任意の活物質を用いることができる。活物質のうち、イオンを吸蔵及び放出する電位(充放電電位)の異なる2つの物質を選択し、貴な電位を示す物質を正極活物質とし、卑な電位を示す物質を後述の負極活物質として、それぞれ用いることができる。発電素子10がリチウムイオン二次電池である場合には、例えば、正極活物質としてコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、Li1+αNi1/3Mn1/3Co-1/3O2、マンガン酸リチウム、スピネル型リチウム複合酸化物、チタン酸リチウム等のリチウム含有複合酸化物を用いることができ、負極活物質としてグラファイト、ハードカーボン等の炭素材料、Si及びSi合金、Li4Ti5O12等を用いることができる。尚、正極活物質は表面にニオブ酸リチウム等の被覆層を有していてもよい。固体電解質は無機固体電解質が好ましい。有機ポリマー電解質と比較してイオン伝導度が高いためである。また、有機ポリマー電解質と比較して、耐熱性に優れるためである。好ましい固体電解質としては、Li3PO4等の酸化物固体電解質やLi2S−P2S5、Li2S−SiS2、LiI−Li2S−SiS2、LiI−Si2S−P2S5、LiI−Li2S−P2O5、LiI−Li3PO4−P2S5等の硫化物固体電解質を例示することができる。これらの中でも、特に、Li2S−P2S5を含む硫化物固体電解質が好ましい。バインダーは、公知のバインダーをいずれも適用可能である。例えば、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリレートブタジエンゴム(ABR)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等である。導電助剤としてはアセチレンブラックやケッチェンブラック等の炭素材料や、ニッケル、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属材料を用いることができる。正極層12及び負極層14における各成分の含有量や正極層12及び負極層14の形状及び厚みは、従来と同様とすることができる。なお、正極層12及び負極層14は、活物質と、任意に含有させる固体電解質、バインダー及び導電助剤とを溶剤に入れて混練することによりスラリー状の電極組成物を得た後、この電極組成物を集電体の表面に塗布し乾燥する等の過程を経ることにより作製することができる。
正極集電体11及び負極集電体15は、金属箔や金属メッシュ等により構成することができ、特に金属箔が好ましい。集電体として金属箔を用いることにより、後述する単電池作製工程S2において正極集電体11及び負極集電体15と正極集電タブ及び負極集電タブとをそれぞれ接続することが容易になる。正極集電体11を構成し得る金属としては、ステンレス鋼、Ni、Cr、Au、Pt、Al、Fe、Ti、Zn等を例示することができる。負極集電体15を構成し得る金属としては、ステンレス鋼、Cu、Ni、Fe、Ti、Co、Zn等を例示することができる。
セパレータ層13は、正極層12と負極層14とを電気的に絶縁し、且つ、正極層12と負極層14との間でイオンが移動することを可能にする部材である。セパレータ層13は、電解液を吸収保持した多孔質層であってもよく、電解液を吸収保持した高分子膜であってもよく、固体電解質層であってもよい。
セパレータ層13に電解液が用いられる場合、該電解液としては、リチウムイオン二次電池に用いられる公知の有機電解液を適宜用いることができる。かかる有機電解液は、リチウム塩および有機溶媒を含有している。有機電解液に含有されるリチウム塩としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、及び、LiAsF6等の無機リチウム塩、並びに、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiN(C2F5SO2)2、及び、LiC(CF3SO2)3等の有機リチウム塩等を例示することができる。また、有機電解液の有機溶媒としては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシメタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、及び、これらの混合物等を挙げることができる。また、有機電解液におけるリチウム塩の濃度は、例えば0.1mol/L〜3mol/Lの範囲内とすることができる。なお、有機電解液として、例えばイオン性液体等の低揮発性液体を用いても良い。電解液を吸収保持する多孔質層または高分子膜としては、従来セパレータ層に用いられている多孔質層または高分子膜を特に制限なく用いることができる。
セパレータ層13が固体電解質層である場合、セパレータ層13は、正極層12に含まれる正極活物質及び負極層14に含まれる負極活物質が吸蔵及び放出するイオンの伝導性を有する固体電解質を含んでなる。そのような固体電解質としては、正極層12及び負極層14に関連して上記説明した固体電解質を特に制限なく用いることができる。ただし固体電解質層であるセパレータ層13は硫化物固体電解質を含むことが好ましい。好ましい固体電解質の例としては、Li3PO4等の酸化物固体電解質やLi2S−P2S5、Li2S−SiS2、LiI−Li2S−SiS2、LiI−Si2S−P2S5、LiI−Li2S−P2O5、LiI−Li3PO4−P2S5等の硫化物固体電解質を挙げることができる。これらの中でも、特に、Li2S−P2S5を含む硫化物固体電解質が好ましい。固体電解質層であるセパレータ層13は、2種以上の固体電解質を含んでいてもよい。また、固体電解質層であるセパレータ層13は任意的にバインダーを含む。バインダーとしては、正極12や負極14に用いられるバインダーと同様のものを用いることができる。固体電解質層であるセパレータ層13における各成分の含有量やセパレータ層13の形状及び厚みは、従来と同様とすることができる。なお、固体電解質層であるセパレータ層13は、固体電解質および任意的にバインダーを溶剤に加えて混練することによりスラリー状の電解質組成物を得た後、該電解質組成物を基材の表面に塗布し乾燥する等の過程を経ることにより作製することができる。
上記の各層が積層されて一体化されることで、正極集電体11、正極層12、セパレータ層13、負極層14、及び負極集電体15をこの順に備えた積層構造(素電池)1を含む発電素子10が構成される。図2の発電素子10は積層構造(素電池)1を1つのみ備えているが、工程S1において作製される発電素子が含む素電池1の数は特に制限されるものではなく、1以上の任意の数とすることができる。特に、工程S1においては積層構造(素電池)1を複数含む発電素子が作製されることが好ましい。図3は、そのような他の一例に係る発電素子10’を模式的に説明する断面図である。発電素子10’は、複数の素電池1、1、…が、集電体(正極集電体11又は負極集電体15)を共有することにより一体に積層されてなる。発電素子10’において、一体に隣接する素電池1、1の組に共有されている正極集電体11には、その両面に正極層12が設けられている。また一体に隣接する素電池1、1の組に共有されている負極集電体15には、その両面に負極層14が設けられている。そして後述するように単電池作製工程S2において、正極集電体11、11、…がそれぞれ正極集電タブに電気的に接続され、負極集電体15、15、…がそれぞれ負極集電タブに電気的に接続されることにより、各素電池1が電気的に並列に接続される。
(単電池作製工程S2)
単電池作製工程S2(以下において単に「工程S2」ということがある。)は、発電素子10の正極集電体11に正極集電タブ31を接続し、発電素子10の負極集電体15に負極集電タブ32を接続した後、発電素子10を外装体20に封入することにより方形の単電池100を作製する工程である。図4は、工程S2で作製される単電池100を模式的に説明する平面図である。図5(A)は、図4のA−A矢視図(右側面図)である。図5(B)は、図5(A)のB−B矢視断面図である。図5(C)は、図5(A)のC−C矢視断面図である。以下、図4及び5を参照しつつ、工程S2について説明する。
図5に示すように、単電池100は、発電素子10と、外装体(電池ケース)20と、正極集電タブ31と、負極集電タブ32とを有している。発電素子10の正極集電体11は正極集電タブ31に電気的に接続されており、発電素子10の負極集電体15は負極集電タブ32に電気的に接続されている。正極集電タブ31及び負極集電タブ32には、従来通り各種金属材料を特に制限なく用いることができる。また正極集電体11を正極集電タブ31に電気的に接続する方法、及び、負極集電体15を負極集電タブ32に電気的に接続する方法としては、スポット溶接、レーザー溶接、抵抗溶接、電磁圧接、シーム溶接、ロウ付け等の公知の接続手法を特に制限なく用いることができる。
図4及び図5に示すように、外装体20は直方体形状を有している。外装体20としては、発電素子10、正極集電タブ31の少なくとも一部、及び負極集電タブ32の少なくとも一部を収容可能な方形の外装体であれば、材質は特に限定されない。例えば、金属製の筐体等を、外装体20として用いることができる。正極集電体11が正極集電タブ31に電気的に接続され、負極集電体15が負極集電タブ32に電気的に接続された発電素子10を外装体20に封入する方法としては、従来の封入方法を特に制限なく用いることができる。
図4及び図5(A)に示すように、単電池100において、外装体20は第1の面20aを備え、該第1の面20aから正極集電タブ31及び負極集電タブ32が外装体20の外側に突出している。第1の面20aは長手方向(図4中の矢印X)と短手方向(図4中の矢印Y)とを有する。また図4に示すように、正極集電タブ31及び負極集電タブ32は第1の面20aの長手方向Xに離隔して配置されており、且つ、第1の面20aにおいて、第1の面20aの長手方向の2辺の中点M1、M2を通る第1の直線L1を挟んで、該第1の直線L1からの距離D1、D2が相互に異なった位置に配置されている。第1の直線L1は、長手方向Xに直交し第1の面20aを長手方向Xに2等分する直線と言い換えることができる。なお図4に示すように、第1の面20aにおいて、正極集電タブ31及び負極集電タブ32のうち一方(単電池100においては正極集電タブ31。)は、第1の直線L1と平行な直線であって第1の面20aの長手方向Xにおける一方の端部E1及び第1の直線L1からの距離が等しい直線L2と、該一方の端部E1との間に配置されていることが好ましく、正極集電タブ31及び負極集電タブ32の他方(単電池100においては負極集電タブ32。)は、第1の直線L1と平行な直線であって第1の面20aの長手方向Xにおける他方の端部E2及び第1の直線L1からの距離が等しい直線L3と、第1の直線L1との間に配置されていることが好ましい。第1の面20aに正極集電タブ31及び負極集電タブ32がこのように配置されていることにより、後述する積層工程S3において各単電池100の正極集電タブ31から負極集電タブ32を見る向きが交互に逆になるように複数の単電池100を積層した際に、隣接する2つの単電池100、100の組のいずれにおいても一方の単電池100の正極集電タブ31及び負極集電タブ32がそれぞれ長手方向Xに占める範囲と他方の単電池100の正極集電タブ31及び負極集電タブ32がそれぞれ長手方向Xに占める範囲とが重複しないので、後述する接続工程S4において各集電タブとセル間接続部材との接続作業がさらに容易になる。
(積層工程S3)
積層工程S3(以下において単に「工程S3」ということがある。)は、4つ以上の偶数個の単電池100、100、…を、各単電池100の第1の面20aが揃うように(すなわち各第1の面20aが同じ方向を向くように)、且つ、各単電池100の正極集電タブ31から負極集電タブ32を見る向きが交互に逆になるように積層する工程である。図6は、積層工程S3において4つの単電池100を積層した姿勢を模式的に示す平面図である。図6において、正極集電体31には「+」の符号を付し、負極集電体32には「−」の符号を付している。図6に示すように、工程S3においては、各単電池100の正極集電タブ31から負極集電タブ32を見る向き(図6中の矢印Z)が交互に逆になるように積層が行われる。
(接続工程S4)
接続工程S4(以下において単に「工程S4」ということがある。)は、少なくとも、2つ隣の単電池の同極の集電タブ同士をセル間接続部材(バスバー)で接続する工程である。接続工程S4を経ることにより、積層電池1000が製造される。図7は、接続工程S4後の積層電池1000を模式的に説明する平面図である。図7(A)は、積層工程S3で積層した4つの単電池100(図6参照)について、セル間接続部材201、201、202の配置及び接続が行われた姿勢を模式的に説明する平面図である。図7(B)は、セル間接続部材201を模式的に説明する平面図である。図7(C)は、セル間接続部材202を模式的に説明する平面図である。図7(A)において、説明の便宜上、積層工程S3で積層した4つの単電池100を、一方の端から順にそれぞれB1、B2、B3、B4と称する。
接続工程S4においては、工程S3において積層した単電池の個数N(Nは4以上の偶数)に対して、N=2mnとなる1以上の整数m及び2以上の整数nを選択し、工程S3において積層したN個の単電池がm個のグループからなり、各グループが2n個の隣接する単電池からなるものとして、各グループについて、正極集電タブから負極集電タブを見る向きが第1の向きであるn個の単電池からなる第1のサブグループの各正極集電タブをセル間接続部材で相互に電気的に接続し、正極集電タブから負極集電タブを見る向きが第1の向きとは逆の第2の向きであるn個の単電池からなる第2のサブグループの各負極集電タブをセル間接続部材で相互に電気的に接続し、第1のサブグループの各負極集電タブ及び第2のサブグループの各正極集電タブをセル間接続部材で相互に電気的に接続することができる。そしてm≧2のときにはさらに、隣接するm個のグループが電気的に直列に接続されるように、1≦k≦m−1を満たす全ての整数kについて、一方の端からk番目のグループの第2のサブグループの各負極集電タブとk+1番目のグループの第1のサブグループの各正極集電タブとをセル間接続部材で相互に電気的に接続することができる。これにより、各グループにおいて、第1のサブグループのn個の単電池が並列に接続され、第2のサブグループのn個の単電池が並列に接続され、第1のサブグループと第2のサブグループとが直列に接続され、m≧2のときには更に、m個のグループが直列に接続される。なお、m≧2のとき、各kについて、上記k番目のグループの第2のサブグループの各負極集電タブとk+1番目のグループの第1のサブグループの各正極集電タブとの電気的接続、k番目のグループの第2のサブグループの各負極集電タブ同士の電気的接続、及び、k+1番目のグループの第1のサブグループの各正極集電タブ同士の電気的接続は、単一のセル間接続部材を用いて行うことが好ましい。なお、積層工程S3においては偶数個の単電池を積層するので、積層工程S3において得られる単電池の積層体は、その積層方向において、第1のサブグループの単電池が配置された第1の端部と、第2のサブグループの単電池が配置された第2の端部とを有する。一の好ましい実施形態において、m≧2のとき、隣接するm個のグループが電気的に直列に接続されるように、1≦k≦m−1を満たす全ての整数kについて、上記第1の端部からk番目のグループの第2のサブグループの各負極集電タブと、上記第1の端部からk+1番目のグループの第1のサブグループの各正極集電タブとをセル間接続部材で相互に電気的に接続することができる。
工程S4においては、単電池B1の正極集電タブ31と、該単電池B1の2つ隣の単電池B3の正極集電タブ31とが、セル間接続部材201により電気的に接続される。また、単電池B1に隣接する単電池B2の負極集電タブ32と、該単電池B2の2つ隣の単電池B4の負極集電タブ32とが、セル間接続部材201により電気的に接続される。そして、単電池B1の負極集電タブ32と、該単電池B1の2つ隣の単電池B3の負極集電タブ32と、単電池B1に隣接する単電池B2の正極集電タブ31と、該単電池B2の2つ隣の単電池B4の正極集電タブ31とが、セル間接続部材202により電気的に接続される。
言い換えると、工程S4においては、工程S3において積層した単電池の個数N=4に対して、N=2mnとなる1以上の整数m及び2以上の整数nが、m=1及びn=2として選択され、工程S3において積層したN個の単電池がm(=1)個のグループからなり、該グループが2n(=4)個の隣接する単電池からなるものとして、該グループについて、正極集電タブ31から負極集電タブ32を見る方向が第1の方向であるn(=2)個の単電池からなる第1のサブグループ(単電池B1、B3)の各正極集電タブ31がセル間接続部材201によって相互に接続され、正極集電タブ31から負極集電タブ32を見る方向が第1の方向とは逆の第2の方向であるn(=2)個の単電池からなる第2のサブグループ(単電池B2、B4)の各負極集電タブ32がセル間接続部材201によって相互に接続され、第1のサブグループ(単電池B1、B3)の各負極集電タブ32及び第2のサブグループ(単電池B2、B4)の各正極集電タブ31がセル間接続部材202によって相互に接続される。
セル間接続部材201は、板状の金属部材であって、図7(B)に示すように貫通孔201a、201bを備えている。貫通孔201aに単電池B1の正極集電タブ31が挿通され、貫通孔201bに単電池B3の正極集電タブ31が挿通された状態で、単電池B1、B3の正極集電タブ31、31とセル間接続部材201とを溶接することにより、単電池B1の正極集電タブ31と単電池B3の正極集電タブ31とが電気的に接続される。また貫通孔201aに単電池B2の負極集電タブ32が挿通され、貫通孔201bに単電池B4の負極集電タブ32が挿通された状態で、単電池B2、B4の負極集電タブ32、32とセル間接続部材201とを溶接することにより、単電池B2の負極集電タブ32と単電池B4の負極集電タブ32とが電気的に接続される。またセル間接続部材202は、板状の金属部材であって、図7(C)に示すように貫通孔202a、202b、202c、202dを備えている。貫通孔202aに単電池B1の負極集電タブ32が挿通され、貫通孔202cに単電池B3の負極集電タブ32が挿通され、貫通孔202bに単電池B2の正極集電タブ31が挿通され、貫通孔202dに単電池B4の正極集電タブ31が挿通された状態で、単電池B1、B3の負極集電タブ32、32及び単電池B2、B4の正極集電タブ31、31とセル間接続部材202とを溶接することにより、単電池B1の負極集電タブ32と、単電池B3の負極集電タブ32と、単電池B2の正極集電タブ31と、単電池B4の正極集電タブ31とが電気的に接続される。工程S4において用いられるセル間接続部材としては、このように当該セル間接続部材が接続すべき集電タブに対応する位置に該集電タブが挿通可能な貫通孔を備える板状の金属部材を好ましく用いることができる。セル間接続部材を構成する材料の好ましい例としては、ステンレス鋼、Cu、Fe、Al等を挙げることができる。工程S4においては、同極の集電タブ同士の間に単電池2つ分の隙間が存在するので、セル間接続部材と集電タブとを電気的に接続する作業の作業性が高められている。セル間接続部材と集電タブとを溶接する方法としては、スポット溶接、レーザー溶接、抵抗溶接、電磁圧接、シーム溶接、超音波接合等の公知の溶接手法を特に制限なく用いることができる。
図8は、積層電池1000の等価回路図である。積層電池1000において、単電池B1、B3の正極集電タブ31、31に接続されたセル間接続部材201が積層電池1000の総プラス極として機能し、単電池B2、B4の負極集電タブ32、32に接続されたセル間接続部材201が積層電池1000の総マイナス極として機能する。積層電池1000においては、単電池B1、B3が並列に接続され、単電池B2、B4が並列に接続され、並列に接続された2つの単電池B1、B3と、並列に接続された2つの単電池B2、B4とが、直列に接続されている。すなわち、上記第1のサブグループのn(=2)個の単電池(B1、B3)が並列に接続され、上記第2のサブグループのn(=2)個の単電池(B2、B4)が並列に接続され、第1のサブグループと第2のサブグループとが直列に接続されている。
(他の実施形態)
本発明に関する上記説明では、積層工程S3においてN=4個の単電池が積層され、接続工程S4において、N=2mnとなる1以上の整数m及び2以上の整数nが、m=1及びn=2として選択され、工程S3において積層したN(=4)個の単電池がm(=1)個のグループからなり、該グループが2n(=4)個の隣接する単電池からなるものとして、第1のサブグループのn(=2)個の単電池が並列に接続され、第2のサブグループのn(=2)個の単電池が並列に接続され、第1のサブグループと第2のサブグループとが直列に接続される形態の積層電池の製造方法S10を例に挙げたが、本発明は当該形態に限定されない。例えば、nが3以上の整数である形態の積層電池の製造方法や、mが2以上の整数である形態の積層電池の製造方法とすることも可能である。
図9は、他の一の実施形態に係る積層電池の製造方法によって製造される積層電池2000を模式的に説明する平面図である。積層電池2000は、N=6個の単電池B1乃至B6(それぞれ単電池100)と、セル間接続部材2201、2201、2202とを備える。積層電池2000を製造する形態の積層電池の製造方法(S10)においては、積層工程(S3)において、N=6個の単電池が、各単電池の第1の面20aが揃うように(すなわち各第1の面20aが同じ方向を向くように)、且つ、各単電池の正極集電タブ31から負極集電タブ32を見る向きが交互に逆になるように積層される。そして接続工程(S4)において、N=2mnとなる1以上の整数m及び2以上の整数nが、m=1及びn=3として選択され、積層工程(S3)において積層したN(=6)個の単電池がm(=1)個のグループからなり、該グループが2n(=6)個の隣接する単電池からなるものとして、第1のサブグループのn(=3)個の単電池が並列に接続され、第2のサブグループのn(=3)個の単電池が並列に接続され、第1のサブグループと第2のサブグループとが直列に接続される。具体的には、接続工程(S4)において、正極集電タブ31から負極集電タブ32を見る向きが第1の向きであるn(=3)個の単電池(B1、B3、B5)からなる第1のサブグループの各正極集電タブ31がセル間接続部材2201で相互に電気的に接続され、正極集電タブ31から負極集電タブ32を見る向きが第1の向きとは逆の第2の向きであるn(=3)個の単電池(B2、B4、B6)からなる第2のサブグループの各負極集電タブ32がセル間接続部材2201で相互に電気的に接続され、第1のサブグループ(単電池B1、B3、B5)の各負極集電タブ32及び第2のサブグループ(単電池B2、B4、B6)の各正極集電タブ31がセル間接続部材2202で相互に電気的に接続される。
積層電池2000において、セル間接続部材2201、2202としては、上記説明したセル間接続部材201、202と同様に、当該セル間接続部材が接続すべき集電タブが挿通可能な貫通孔を有する金属板を用いることができる。またセル間接続部材2201、2202を構成する金属材料の好ましい例としては、セル間接続部材201、202について上記説明したものと同様の金属材料を挙げることができる。
積層電池2000においては、第1のサブグループのn=3個の単電池B1、B3、B5が並列に接続され、第2のサブグループのn=3個の単電池B2、B4、B6が並列に接続され、第1のサブグループと第2のサブグループとが直列に接続されている。積層電池2000において、単電池B1、B3、B5の正極集電タブ31、31、31に接続されたセル間接続部材2201が積層電池2000の総プラス極として機能し、単電池B2、B4、B6の負極集電タブ32、32、32に接続されたセル間接続部材2201が積層電池2000の総マイナス極として機能する。このような形態の積層電池の製造方法においても、接続工程において同極の集電タブ同士の間に単電池2つ分の隙間が存在するので、セル間接続部材と集電タブとを電気的に接続する作業の作業性が高められている。
図10は、他の一の実施形態に係る積層電池の製造方法によって製造される積層電池3000を模式的に説明する平面図である。積層電池3000は、N=8個の単電池B1乃至B8(それぞれ単電池100)と、セル間接続部材201、201、202、202、3203とを備える。積層電池3000を製造する形態の積層電池の製造方法(S10)においては、積層工程(S3)において、N=8個の単電池が、各単電池の第1の面20aが揃うように(すなわち各第1の面20aが同じ方向を向くように)、且つ、各単電池の正極集電タブ31から負極集電タブ32を見る向きが交互に逆になるように積層される。そして接続工程(S4)において、N=2mnとなる1以上の整数m及び2以上の整数nが、m=2及びn=2として選択され、積層工程(S3)において積層したN(=8)個の単電池がm(=2)個のグループG1、G2からなり、各グループが2n(=4)個の隣接する単電池からなるものとして、各グループについて、第1のサブグループのn(=2)個の単電池が並列に接続され、第2のサブグループのn(=2)個の単電池が並列に接続され、第1のサブグループと第2のサブグループとが直列に接続される。そして、隣接するm(=2)個のグループG1、G2が直列に接続される。具体的には、グループG1においては、正極集電タブ31から負極集電タブ32を見る向きが第1の向きであるn(=2)個の単電池(B1、B3)からなる第1のサブグループの各正極集電タブ31がセル間接続部材201で相互に電気的に接続され、正極集電タブ31から負極集電タブ32を見る向きが第1の向きとは逆の第2の向きであるn(=2)個の単電池(B2、B4)からなる第2のサブグループの各負極集電タブ32がセル間接続部材3203で相互に電気的に接続され、第1のサブグループ(単電池B1、B3)の各負極集電タブ32及び第2のサブグループ(単電池B2、B4)の各正極集電タブ31がセル間接続部材202で相互に電気的に接続される。またグループG2においては、正極集電タブ31から負極集電タブ32を見る向きが第1の向きであるn(=2)個の単電池(B5、B7)からなる第1のサブグループの各正極集電タブ31がセル間接続部材3203で相互に電気的に接続され、正極集電タブ31から負極集電タブ32を見る向きが第1の向きとは逆の第2の向きであるn(=2)個の単電池(B6、B8)からなる第2のサブグループの各負極集電タブ32がセル間接続部材201で相互に電気的に接続され、第1のサブグループ(単電池B5、B7)の各負極集電タブ32及び第2のサブグループ(単電池B5、B7)の各正極集電タブ31がセル間接続部材202で相互に電気的に接続される。さらに、1≦k≦m−1(=1)を満たす全ての整数k(=1)について、一方の端からk(=1)番目のグループ(G1)の第2のサブグループ(単電池B2、B4)の各負極集電タブ32とk+1(=2)番目のグループ(G2)の第1のサブグループ(単電池B5、B7)の各正極集電タブ31とがセル間接続部材3203で相互に電気的に接続される。
積層電池3000においては、グループG1においては第1のサブグループのn=2個の単電池B1、B3が並列に接続され、第2のサブグループのn=2個の単電池B2、B4が並列に接続され、第1のサブグループ(単電池B1、B3)と第2のサブグループ(単電池B2、B4)とが直列に接続されている。またグループG2においては第1のサブグループのn=2個の単電池B5、B7が並列に接続され、第2のサブグループのn=2個の単電池B6、B8が並列に接続され、第1のサブグループ(単電池B5、B7)と第2のサブグループ(単電池B6、B8)とが直列に接続されている。そして積層電池3000においては、グループG1の第2のサブグループ(単電池B2、B4)の各負極集電タブ32とグループG2の第1のサブグループ(単電池B5、B7)の各正極集電タブ31とがセル間接続部材3203によって電気的に接続されていることにより、グループG1とグループG2とが直列に接続されている。積層電池3000において、一方の端のグループG1の第1のサブグループ(単電池B1、B3)の各正極集電タブ31に接続されたセル間接続部材201が積層電池3000の総プラス極として機能し、他方の端のグループG2の第2のサブグループ(単電池B6、B8)の各負極集電タブ32に接続されたセル間接続部材201が積層電池3000の総マイナス極として機能する。このような形態の積層電池の製造方法においても、接続工程において同極の集電タブ同士の間に単電池2つ分の隙間が存在するので、セル間接続部材と集電タブとを電気的に接続する作業の作業性が高められている。
図11は、積層電池3000の製造において用いられるセル間接続部材3203を模式的に説明する平面図である。セル間接続部材3203は板状の金属部材であって、図11に示すように、貫通孔3203a、3203b、3203c、3203dを備えている。貫通孔3203aに単電池B2の負極集電タブ32が挿通され、貫通孔3203bに単電池B4の負極集電タブ32が挿通され、貫通孔3203cに単電池B5の正極集電タブ31が挿通され、貫通孔3203dに単電池B7の正極集電タブ31が挿通された状態で、単電池B2、B4の負極集電タブ32、32、及び単電池B5、B7の正極集電タブ31、31のそれぞれとセル間接続部材3203とを溶接することにより、単電池B2の負極集電タブ32、単電池B4の負極集電タブ32、単電池B5の正極集電タブ31、及び単電池B7の正極集電タブ31が相互に電気的に接続される。セル間接続部材3203を構成する金属材料の好ましい例としては、セル間接続部材201、202について上記説明したものと同様の金属材料を挙げることができる。
図12は、他の一の実施形態に係る積層電池の製造方法によって製造される積層電池4000を模式的に説明する平面図である。積層電池4000は、N=12個の単電池B1乃至B12(それぞれ単電池100)と、セル間接続部材201、201、202、202、202、3203、3203とを備える。積層電池4000を製造する形態の積層電池の製造方法(S10)においては、積層工程(S3)において、N=12個の単電池が、各単電池の第1の面20aが揃うように(すなわち各第1の面20aが同じ方向を向くように)、且つ、各単電池の正極集電タブ31から負極集電タブ32を見る向きが交互に逆になるように積層される。そして接続工程(S4)において、N=2mnとなる1以上の整数m及び2以上の整数nが、m=3及びn=2として選択され、積層工程(S3)において積層したN(=12)個の単電池がm(=3)個のグループG1、G2、G3からなり、各グループが2n(=4)個の隣接する単電池からなるものとして、各グループについて、第1のサブグループのn(=2)個の単電池が並列に接続され、第2のサブグループのn(=2)個の単電池が並列に接続され、第1のサブグループと第2のサブグループとが直列に接続される。そして、隣接するm(=3)個のグループG1、G2、G3が直列に接続される。具体的には、グループG1においては、正極集電タブ31から負極集電タブ32を見る向きが第1の向きであるn(=2)個の単電池(B1、B3)からなる第1のサブグループの各正極集電タブ31がセル間接続部材201で相互に電気的に接続され、正極集電タブ31から負極集電タブ32を見る向きが第1の向きとは逆の第2の向きであるn(=2)個の単電池(B2、B4)からなる第2のサブグループの各負極集電タブ32がセル間接続部材3203で相互に電気的に接続され、第1のサブグループ(単電池B1、B3)の各負極集電タブ32及び第2のサブグループ(単電池B2、B4)の各正極集電タブ31がセル間接続部材202で相互に電気的に接続される。またグループG2においては、正極集電タブ31から負極集電タブ32を見る向きが第1の向きであるn(=2)個の単電池(B5、B7)からなる第1のサブグループの各正極集電タブ31がセル間接続部材3203で相互に電気的に接続され、正極集電タブ31から負極集電タブ32を見る向きが第1の向きとは逆の第2の向きであるn(=2)個の単電池(B6、B8)からなる第2のサブグループの各負極集電タブ32がセル間接続部材3203で相互に電気的に接続され、第1のサブグループ(単電池B5、B7)の各負極集電タブ32及び第2のサブグループ(単電池B5、B7)の各正極集電タブ31がセル間接続部材202で相互に電気的に接続される。またグループG3においては、正極集電タブ31から負極集電タブ32を見る向きが第1の向きであるn(=2)個の単電池(B9、B11)からなる第1のサブグループの各正極集電タブ31がセル間接続部材3203で相互に電気的に接続され、正極集電タブ31から負極集電タブ32を見る向きが第1の向きとは逆の第2の向きであるn(=2)個の単電池(B10、B12)からなる第2のサブグループの各負極集電タブ32がセル間接続部材201で相互に電気的に接続され、第1のサブグループ(単電池B9、B11)の各負極集電タブ32及び第2のサブグループ(単電池B9、B12)の各正極集電タブ31がセル間接続部材202で相互に電気的に接続される。さらに、1≦k≦m−1(=2)を満たす全ての整数k(=1、2)について、一方の端からk番目のグループの第2のサブグループの各負極集電タブ32とk+1番目のグループの第1のサブグループの各正極集電タブ31とがセル間接続部材3203で相互に電気的に接続される。具体的には、k=1について、一方の端からk(=1)番目のグループ(G1)の第2のサブグループ(単電池B2、B4)の各負極集電タブ32とk+1(=2)番目のグループ(G2)の第1のサブグループ(単電池B5、B7)の各正極集電タブ31とがセル間接続部材3203で相互に電気的に接続される。またk=2について、一方の端からk(=2)番目のグループ(G2)の第2のサブグループ(単電池B6、B8)の各負極集電タブ32とk+1(=3)番目のグループ(G3)の第1のサブグループ(単電池B9、B11)の各正極集電タブ31とがセル間接続部材3203で相互に電気的に接続される。
積層電池4000においては、グループG1においては第1のサブグループのn=2個の単電池B1、B3が並列に接続され、第2のサブグループのn=2個の単電池B2、B4が並列に接続され、第1のサブグループ(単電池B1、B3)と第2のサブグループ(単電池B2、B4)とが直列に接続されている。またグループG2においては第1のサブグループのn=2個の単電池B5、B7が並列に接続され、第2のサブグループのn=2個の単電池B6、B8が並列に接続され、第1のサブグループ(単電池B5、B7)と第2のサブグループ(単電池B6、B8)とが直列に接続されている。またグループG3においては第1のサブグループのn=2個の単電池B9、B11が並列に接続され、第2のサブグループのn=2個の単電池B10、B12が並列に接続され、第1のサブグループ(単電池B9、B11)と第2のサブグループ(単電池B10、B12)とが直列に接続されている。そして積層電池4000においては、グループG1の第2のサブグループ(単電池B2、B4)の各負極集電タブ32とグループG2の第1のサブグループ(単電池B5、B7)の各正極集電タブ31とがセル間接続部材3203によって電気的に接続され、グループG2の第2のサブグループ(単電池B6、B8)の各負極集電タブ32とグループG3の第1のサブグループ(単電池B9、B11)の各正極集電タブ31とがセル間接続部材3203によって電気的に接続されていることにより、隣接するm(=3)個のグループG1、G2、及びG3が直列に接続されている。積層電池4000において、一方の端のグループG1の第1のサブグループ(単電池B1、B3)の各正極集電タブ31に接続されたセル間接続部材201が積層電池4000の総プラス極として機能し、他方の端のグループG3の第2のサブグループ(単電池B10、B12)の各負極集電タブ32に接続されたセル間接続部材201が積層電池4000の総マイナス極として機能する。このような形態の積層電池の製造方法においても、接続工程において同極の集電タブ同士の間に単電池2つ分の隙間が存在するので、セル間接続部材と集電タブとを電気的に接続する作業の作業性が高められている。
本発明に関する上記説明では、積層工程(S3)において積層された単電池の個数N=12に対して、N=2mnとなる1以上の整数m及び2以上の整数nが、m=3及びn=2として選択され、当該N(=12)個の単電池がm(=3)個のグループG1、G2、G3からなり、各グループが2n(=4)個の隣接する単電池からなるものとして、各グループについて、第1のサブグループのn(=2)個の単電池が並列に接続され、第2のサブグループのn(=2)個の単電池が並列に接続され、第1のサブグループと第2のサブグループとが直列に接続され、さらに、隣接するm(=3)個のグループG1、G2、G3が直列に接続される形態の積層電池(4000)の製造方法を例に挙げたが、本発明は当該形態に限定されない。4以上の偶数Nに対してN=2mnとなる1以上の整数m及び2以上の整数nの組は、一般には一意とは限らない。例えば、N=12に対して、積層工程(S3)において積層された単電池の個数N=12に対して、N=2mnとなる1以上の整数m及び2以上の整数nが、m=2及びn=3として選択され、当該N(=12)個の単電池がm(=2)個のグループG1、G2からなり、各グループが2n(=6)個の隣接する単電池からなるものとして、各グループについて、第1のサブグループのn(=3)個の単電池が並列に接続され、第2のサブグループのn(=3)個の単電池が並列に接続され、第1のサブグループと第2のサブグループとが直列に接続され、さらに、隣接するm(=2)個のグループが直列に接続される形態の積層電池の製造方法とすることも可能である。また例えば、N=12に対して、積層工程(S3)において積層された単電池の個数N=12に対して、N=2mnとなる1以上の整数m及び2以上の整数nが、m=1及びn=6として選択され、当該N(=12)個の単電池がm(=1)個のグループG1からなり、各グループが2n(=12)個の隣接する単電池からなるものとして、各グループについて、第1のサブグループのn(=6)個の単電池が並列に接続され、第2のサブグループのn(=6)個の単電池が並列に接続され、第1のサブグループと第2のサブグループとが直列に接続される形態の積層電池の製造方法とすることも可能である。
本発明に関する上記説明では、m≧2のとき、1≦k≦m−1を満たす全ての整数kについて、一方の端からk番目のグループの第2のサブグループの各負極集電タブとk+1番目のグループの第1のサブグループの各正極集電タブとの電気的接続、k番目のグループの第2のサブグループの各負極集電タブ同士の電気的接続、及び、k+1番目のグループの第1のサブグループの各正極集電タブ同士の電気的接続を、単一のセル間接続部材3203を用いて行う形態の積層電池(3000、4000)の製造方法を例に挙げたが、本発明は当該形態に限定されない。例えば、一方の端からk番目のグループの第2のサブグループの各負極集電タブとk+1番目のグループの第1のサブグループの各正極集電タブとの電気的接続、k番目のグループの第2のサブグループの各負極集電タブ同士の電気的接続、及び、k+1番目のグループの第1のサブグループの各正極集電タブ同士の電気的接続を、別々のセル間接続部材を用いて行う形態の積層電池の製造方法とすることも可能である。例えば、積層電池3000の接続形態を実現するにあたって、一方の端から1番目のグループG1の第2のサブグループの負極集電タブ32、32同士の接続を、セル間接続部材201を用いて行うとともに、一方の端から2番目のグループG2の第1のサブグループの正極集電タブ31、31同士の接続を、セル間接続部材201を用いて行った後、グループG1の第2のサブグループの負極集電タブ32、32を接続しているセル間接続部材201と、グループG2の第1のサブグループの正極集電タブ31、31を接続しているセル間接続部材201とを、他のセル間接続部材を用いて接続することによっても、グループG1の第2のサブグループの負極集電タブ32、32及びグループG2の第1のサブグループの正極集電タブ31、31が相互に電気的に接続することが可能である。
本発明に関する上記説明では、積層工程S3において得られた単電池の積層体が、その積層方向において、第1のサブグループの単電池が現れた第1の端部と、第2のサブグループの単電池が現れた第2の端部とを有し、接続工程S4において、m≧2のとき、1≦k≦m−1を満たす全ての整数kについて、第1の端部からk番目のグループの第2のサブグループの各負極集電タブと、該第1の端部からk+1番目のグループの第1のサブグループの各正極集電タブとをセル間接続部材で相互に電気的に接続する形態の積層電池(3000、4000)の製造方法を例に挙げたが、本発明は当該形態に限定されない。例えば、接続工程S4において、m≧2のとき、1≦k≦m−1を満たす全ての整数kについて、第2の端部からk番目のグループの第2のサブグループの各負極集電タブと、該第2の端部からk+1番目のグループの第1のサブグループの各正極集電タブとをセル間接続部材で相互に電気的に接続する形態の積層電池の製造方法とすることも可能である。
本発明に関する上記説明では、接続工程S4においてセル間接続部材と集電タブとを溶接により電気的に接続する形態の積層電池の製造方法S10を例に挙げたが、本発明は当該形態に限定されない。例えば接続工程において、セル間接続部材と集電タブとを溶接以外の手法(例えばロウ付け等。)により電気的に接続する形態の積層電池の製造方法とすることも可能である。
本発明に関する上記説明では、単電池作製工程S2において正極集電体11が正極集電タブ31と直接に接続され、負極集電体15が負極集電タブ32と直接に接続された単電池100を作製する形態の製造方法S10を例に挙げたが、本発明は当該形態に限定されない。例えば、単電池作製工程において、正極集電体が他の導電性部材を介して正極集電タブと電気的に接続され、負極集電体が他の導電性部材を介して負極集電タブと電気的に接続される形態の積層電池の製造方法とすることも可能である。
本発明に関する上記説明では、単電池作製工程S2において1つの素電池1からなる発電素子10を備える単電池100を作製する形態の製造方法S10を例に挙げたが、本発明は当該形態に限定されない。発電素子10が備える素電池(積層構造)1の数は、2以上の任意の数であってもよい。例えば、単電池作製工程において6つの素電池1からなる発電素子10’を備える単電池100を作製する形態の積層電池の製造方法とすることも可能である。ただし、発電素子の反りを抑制することを容易にする観点からは、積層一体化される素電池1の数は、偶数個(2個、4個、6個、…等。)であることが好ましい。
本発明に関する上記説明では、発電素子作製工程S1に関連して、全ての隣接する素電池1、1の組が集電体(正極集電体11又は負極集電体15)を共有することにより一体とされている発電素子10’を例に挙げたが、本発明において作製される発電素子は当該形態に限定されない。例えば、発電素子作製工程において、所定個数の素電池1、1…が一体に積層された一方の素電池の組と、所定個数の素電池1、1、…が一体に積層された他方の素電池の組との間で、集電体が共有されていない形態の発電素子を作製する形態の積層電池の製造方法とすることも可能である。
本発明に関する上記説明では、発電素子作製工程S1に関連して、全ての素電池1、1、…が電気的に並列に接続された発電素子10’を例に挙げたが、本発明において作製される発電素子は当該形態に限定されない。例えば、発電素子作製工程において電気的に直列に接続された複数の素電池を備える発電素子を作製する形態の積層電池の製造方法とすることも可能である。
本発明に関する上記説明では、単電池作製工程S2において、正極集電タブ31が、第1の面20aにおいて、第1の直線L1と平行な直線であって第1の面20aの長手方向Xにおける一方の端部E1及び第1の直線L1からの距離が等しい直線L2と、該一方の端部E1との間に配置され、負極集電タブ32が、第1の面20aにおいて、第1の直線L1と平行な直線であって第1の面20aの長手方向Xにおける他方の端部E2及び第1の直線L1からの距離が等しい直線L3と、第1の直線L1との間に配置されている単電池100を作製する形態の積層電池の製造方法S10を例に挙げたが、本発明は当該形態に限定されない。例えば、単電池作製工程S2において、負極集電タブ32が、第1の面20aにおいて、第1の直線L1と平行な直線であって第1の面20aの長手方向Xにおける一方の端部E1及び第1の直線L1からの距離が等しい直線L2と、該一方の端部E1との間に配置され、正極集電タブ31が、第1の面20aにおいて、第1の直線L1と平行な直線であって第1の面20aの長手方向Xにおける他方の端部E2及び第1の直線L1からの距離が等しい直線L3と、第1の直線L1との間に配置されている単電池を作製する形態の積層電池の製造方法とすることも可能である。
本発明に関する上記説明では、単電池作製工程S2において、正極集電タブ31及び負極集電タブ32のうち一方(単電池100においては正極集電タブ31。)は、第1の面20aにおいて、第1の直線L1と平行な直線であって第1の面20aの長手方向Xにおける一方の端部E1及び第1の直線L1からの距離が等しい直線L2と、該一方の端部E1との間に配置され、正極集電タブ31及び負極集電タブ32の他方(単電池100においては負極集電タブ32。)は、第1の面20aにおいて、第1の直線L1と平行な直線であって第1の面20aの長手方向Xにおける他方の端部E2及び第1の直線L1からの距離が等しい直線L3と、第1の直線L1との間に配置されている単電池100を作製する形態の積層電池の製造方法S10を例に挙げたが、本発明は当該形態に限定されない。例えば、正極集電タブ及び負極集電タブのうち一方が、直線L2又は直線L3が通る位置に配置されている単電池を作製する単電池作製工程を備える形態の積層電池の製造方法とすることも可能である。ただし、各単電池において正極集電タブ及び負極集電タブは、積層工程S3において積層された単電池を積層方向(図6においては紙面左右方向。)に見込む側面視(すなわち直線L1を視線とする側面視。)において、各正極集電タブと各負極集電タブとが第1の面の長手方向に離隔しており、各第1のサブグループの各正極集電タブと各第2のサブグループの各正極集電タブとが第1の面の長手方向に離隔しており、且つ、各第1のサブグループの各負極集電タブと各第2のサブグループの各負極集電タブとが第1の面の長手方向に離隔しているように、配置されることが好ましい。