JP2019192319A - 記録媒体、記録装置及び方法 - Google Patents

記録媒体、記録装置及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019192319A
JP2019192319A JP2018083908A JP2018083908A JP2019192319A JP 2019192319 A JP2019192319 A JP 2019192319A JP 2018083908 A JP2018083908 A JP 2018083908A JP 2018083908 A JP2018083908 A JP 2018083908A JP 2019192319 A JP2019192319 A JP 2019192319A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
layer
color
photothermal conversion
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018083908A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7102207B2 (ja
Inventor
伸樹 根本
Nobuki Nemoto
伸樹 根本
郁稔 森本
Ikutoshi Morimoto
郁稔 森本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba Infrastructure Systems and Solutions Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Infrastructure Systems and Solutions Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Infrastructure Systems and Solutions Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2018083908A priority Critical patent/JP7102207B2/ja
Publication of JP2019192319A publication Critical patent/JP2019192319A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7102207B2 publication Critical patent/JP7102207B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)
  • Holo Graphy (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Optical Head (AREA)

Abstract

【課題】記録媒体の耐熱性を向上しつつ、簡易な構成で迅速にフルカラーの画像を記録できるとともに、装置構成を簡略化してコストの抑制を図る。【解決手段】実施形態の記録媒体は、基材と、基材に積層され、互いに離間した位置に配置されるとともに、光熱変換のために用いられる光の波長が互いに異なる複数の光熱変換層と、基材に積層され、複数の光熱変換層のうち、いずれか対応する光熱変換層から光熱変換による熱が伝達されて発色する発色層と、を備え、複数の光熱変換層のうち、少なくともいずれか一つには、互いに発色の閾値温度が異なる二つの前記発色層が対応づけられて配置されている。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、記録媒体、記録装置及び方法に関する。
従来、レーザでフルカラー記録を施す従来の手法には、大きく分けて以下の二つがあった。
第1の手法は、閾値温度の異なる三原色の発色層を積層した媒体に対し、レーザでエネルギーを与えて三原色の発色層を選択的に発色させる手法である。
例えば、特許文献1には、レンズによりレーザ光が集光する位置を発色させたい層に合わせて上下させることで選択的に三原色を発色させる手法が開示されている。
また、特許文献2には、色毎に異なる温度を閾値に持つ三原色の発色層を積層した媒体に対してレーザで熱を加え、閾値の温度が相対的に低い色を発色させた後に、紫外光によって発色層の熱感度を消失させ、熱を加えても発色しない状態に変化させる手法が開示されており、この工程を2番目に低い温度で発色する色についても行い、最も高温で発色する色を発色後にフルカラー記録を完了させる。
第2の手法は、三原色を担う各層が互いに異なる波長に吸収特性を持ち、各色を記録するために三種類の波長のレーザを用いる手法である。
例えば、特許文献3は、少なくとも1層のレーザ感応性材料を含む層を備えた多層体を備え、各色を記録するためにレーザ光を吸収して発色ないし、脱色することによってフルカラー記録を完成させる手法について開示している。
特開2005−138558号公報 特許第3509246号公報 特許第4411394号公報
しかしながら、第1の手法では、三原色の発色層を表層から基材側に向かって閾値が小さくなるように積層した媒体を用いるため、各色の発色の閾値は3段階持つ必要があり、低温発色層ではおよそ100℃で発色するため、熱湯がかかるなどで低温発色層が発色してしまい、耐熱性に課題があった。また、低温発色層に伝熱するために一定の時間を要するため、トータルの印刷時間も長くなる虞があった。
また、第2の手法では、互いに異なる3種の波長のレーザを用いる必要があり、装置が大型化、かつ高コストになる虞があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、記録媒体の耐熱性を向上しつつ、簡易な構成で迅速にフルカラーの画像を記録できるとともに、装置構成を簡略化してコストの抑制を図ることが可能な記録媒体、記録装置及び方法を提供することにある。
実施形態の記録媒体は、基材と、基材に積層され、互いに離間した位置に配置されるとともに、光熱変換のために用いられる光の波長が互いに異なる複数の光熱変換層と、基材に積層され、複数の光熱変換層のうち、いずれか対応する光熱変換層から光熱変換による熱が伝達されて発色する発色層と、を備え、複数の光熱変換層のうち、少なくともいずれか一つには、互いに発色の閾値温度が異なる二つの前記発色層が対応づけられて配置されている。
図1は、第1実施形態の記録媒体(偽変造防止媒体)の情報記録がなされた状態における外観正面図である。 図2は、第1実施形態の記録媒体の構成例の断面図である。 図3は、第1実施形態の記録媒体の厚み及び熱伝導率比の説明図である。 図4は、光熱変換層の光吸収特性の説明図である。 図5は、第1実施形態のレーザ記録装置の概要構成ブロック図である。 図6は、金(Au)ミラーの波長別反射率の説明図である。 図7は、ゲルマニウム(Ge)の波長別透過率の説明図である。 図8は、ジンクセレン(ZnSe)の波長別透過率の説明図である。 図9は、レーザ記録装置の動作処理フローチャートである。 図10は、第1低温発色層及び第1高温発色層におけるレーザ光のエネルギーと照射時間との関係を説明する図である。 図11は、第2低温発色層及び第2高温発色層におけるレーザ光のエネルギーと照射時間との関係を説明する図である。 図12は、第1低温発色層の発色制御温度の説明図である。 図13は、第1高温温発色層の発色制御温度の説明図である。 図14は、第2低温発色層の発色制御温度の説明図である。 図15は、第2高温温発色層の発色制御温度の説明図である。 図16は、第1実施形態の第1変形例の記録媒体の構成例の断面図である。 図17は、第1実施形態の第2変形例の記録媒体の構成例の断面図である。 図18は、第1実施形態の第3変形例の記録媒体の構成例の断面図である。 図19は、第3変形例の記録媒体をカード基板上に形成したカード状記録媒体の説明図である。 図20は、第2実施形態のレーザ記録装置の概要構成ブロック図である。 図21は、第2実施形態のレーザ記録装置の動作処理フローチャートである。 図22は、第3実施形態のレーザ記録装置の概要構成ブロック図である。
以下図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。
[1]第1実施形態
まず、第1実施形態の記録媒体について説明する。
図1は、第1実施形態の記録媒体(偽変造防止媒体)の情報記録がなされた状態における外観正面図である。
情報記録がなされた記録媒体10は、大別すると、画像を記録する画像形成領域ARGと、ID情報、氏名、発行日などの特定情報が記録された特定情報記録エリアARIと、を備えている。
図2は、第1実施形態の記録媒体の構成例の断面図である。
図3は、第1実施形態の記録媒体の厚み及び熱伝導率比の説明図である。
記録媒体10は、図1に示すように、基材11上に、第1低温発色層12、中間層13、第1高温発色層14、光熱変換層15、中間層16、第2低温発色層17、中間層18、第2高温発色層19、光熱変換層(機能層)20A及び光熱変換層(保護層)20Bがこの順番で積層されている。
ここで、第1低温発色層12、第1高温発色層14、第2低温発色層17及び第2高温発色層19は、画像記録がなされる感熱記録層として機能している。
また、中間層13、中間層16及び中間層18は、伝熱を抑制する断熱層として機能している。
また、基材11は、第1低温発色層12、中間層13、第1高温発色層14、光熱変換層15、中間層16、第2低温発色層17、中間層18、第2高温発色層19、光熱変換層(機能層)20A及び光熱変換層(保護層)20Bを保持する。
ここで、基材11の厚みは、例えば、100μmとされ、その熱伝導率比は、0.01〜5.00W/m/Kとされる。
第1低温発色層12は、その温度が第1閾値温度T1以上となると発色する感熱材料としての示温材料を含む層である。
ここで、第1低温発色層12の厚みは、例えば、1〜10μmとされ、その熱伝導率比は、0.1〜10W/m/Kとされる。
中間層13は、第1低温発色層12の非発色時に熱的障壁を与え、第1低温発色層12に対する第1高温発色層14側からの伝熱を抑制する層である。
ここで、中間層13の厚みは、例えば、7〜100μmとされ、その熱伝導率比は、0.01〜1W/m/Kとされる。
第1高温発色層14は、その温度が第2閾値温度T2(>T1)以上となると発色する感熱材料としての示温材料を含む層である。
ここで、第1高温発色層14の厚みは、例えば、1〜10μmとされ、その熱伝導率比は、0.1〜10W/m/Kとされる。
光熱変換層15は、近赤外線に属する第1の波長λ1(例えば、λ1=1064nm)を吸収して光/熱変換を行って第1低温発色層12及び第1高温発色層14のうち、少なくともいずれか一方を発色させるための熱を生成し、伝達する層である。
ここで、光熱変換層15の厚みは、例えば、0.5〜30μmとされ、その熱伝導率比は、0.01〜1W/m/Kとされる。
中間層16は、第2低温発色層17あるいは第2高温発色層19の発色時に熱的障壁を与え、第1低温発色層12及び第1高温発色層14に対する第2低温発色層17側からの伝熱を抑制する層である。
ここで、中間層16の厚みは、例えば、7〜100μmとされ、その熱伝導率比は、0.01〜50W/m/Kとされる。
第2低温発色層17は、その温度が第3閾値温度T3以上となると発色する感熱材料としての示温材料を含む層である。
ここで、第2低温発色層17の厚みは、例えば、1〜10μmとされ、その熱伝導率比は、0.1〜10W/m/Kとされる。
中間層18は、第2低温発色層17の非発色時に熱的障壁を与え、第2低温発色層17に対する第2高温発色層19側からの伝熱を抑制する層である。
ここで、中間層18の厚みは、例えば、7〜100μmとされ、その熱伝導率比は、0.01〜1W/m/Kとされる。
第2高温発色層19は、その温度が第4閾値温度T4(>T3)以上となると発色する感熱材料としての示温材料を含む層である。
ここで、第2高温発色層19の厚みは、例えば、1〜10μmとされ、その熱伝導率比は、0.1〜10W/m/Kとされる。
光熱変換層(機能層)20Aは、遠赤外線に属する第2の波長λ2(例えば、λ2=9300nm)を吸収して光/熱変換を行って第2低温発色層17及び第2高温発色層19のうち、少なくともいずれか一方を発色させるための熱を生成し、伝達する層である。さらにこの光熱変換層(機能層)20Aの具体的な機能としては、ホログラム、レンチキュラーレンズ、マイクロアレイレンズ、紫外励起型の蛍光インク等の偽造防止アイテムの挿入、紫外線カット層など内部保護アイテムの挿入、またはそれら両方の機能等を用いるために設けられる層である。
ここで、光熱変換層20Aの厚みは、例えば、0.5〜10μmとされ、その熱伝導率比は、0.01〜1W/m/Kとされる。
光熱変換層(保護層)20Bは、光熱変換層(機能層)20Aと同様に、遠赤外線に属する第2の波長λ2(例えば、λ2=9300nm)を吸収して光/熱変換を行って第2低温発色層17及び第2高温発色層19のうち、少なくともいずれか一方を発色させるための熱を生成し、伝達する層である。さらに、この光熱変換層20Bは、第1低温発色層12、中間層13、第1高温発色層14、光熱変換層15、中間層16、第2低温発色層17、中間層18、第2高温発色層19及び光熱変換層(機能層)20Aを保護するための層である。
ここで、光熱変換層20Bの厚みは、例えば、0.5〜10μmとされ、その熱伝導率比は、0.01〜1W/m/Kとされる。
以下の説明においては、光熱変換層としての機能のみを扱う場合には、光熱変換層(機能層)20Aと光熱変換層(保護層)20Bと、を区別することなく光熱変換層20と称するものとする。
また、以上の説明では、光熱変換層(機能層)20A及び光熱変換層(保護層)20Bのいずれにも熱変換機能を持たせていたが、光熱変換層(機能層)20A及び光熱変換層(保護層)20Bのうち、いずれか一方が光熱変換機能を有していれば、他方は光熱変換機能を有する必要はない。この場合において、光熱変換層が発色層に近い方がより熱伝導効率の観点からより好ましいので、上述の例の場合には、第2高温発色層19に接している層である光熱変換層(機能層)20Aを設けるようにするのがよい。
ここで、光熱変換層15及び光熱変換層20について詳細に説明する。
図4は、光熱変換層の光吸収特性の説明図である。
図4に示すように、光熱変換層15は、波長1000nm近傍に吸収ピークを有しており、さらに波長2000nm以上ではほぼ全域にわたって赤外線を吸収する特性を有している。
一方、光熱変換層20は、波長2000nm以下では、ほとんど吸収せず(透過する)、2000nm以上では、ほぼ全域にわたって赤外線を吸収する特性を有している。
さらに、中間層16、第2低温発色層17、中間層18及び第2高温発色層19は、非発色状態及び発色状態のいずれにおいても、近赤外線に属する第1の波長λ1(例えば、λ1=1064nm)を有する光(近赤外光)を透過する材料で形成されているものとする。これは、光熱変換層15に近赤外線に属する第1の波長λ1(例えば、λ1=1064nm)を有する光(近赤外光)を到達させるためだからである。
したがって、光熱変換層20側から第1の波長λ1(例えば、λ1=1064nm)を有する近赤外光が入射された場合には、光熱変換層20→第2高温発色層19→中間層18→第2低温発色層17→中間層16の順番で各層を透過し、光熱変換層15にほとんど吸収されて、光熱変換され、第1低温発色層12あるいは第1高温発色層14を発色させることとなる。
一方、光熱変換層20側から第2の波長λ2(例えば、λ2=9300nm)を有する遠赤外光が入射された場合には、光熱変換層20にほとんど吸収されて光熱変換層15に到ることなく、光熱変換され、第2低温発色層17あるいは第2高温発色層19を発色させることとなる。
次に各層を構成する材料について説明する。
まず基材11について説明する。
基材11としては、一般的にカード、紙、フィルム素材として用いられる、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタラート(PET)、グリコール変性ポリエステル(PET−G)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、スチレンブタジエンコポリマー(SBR)、ポリアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂などフィルム状あるいは板状に加工できる樹脂を用いることが可能である。
さらには、上述した樹脂にフィラーとして、シリカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、アルミナなどを添加して白色性や表面の平滑性、断熱性等を有する樹脂を基材11として用いることも可能である。
例えば、また、これらのほかに特許第3889431号、特許第4215817号、特許第4329744号、特許第4391286号、などに記載の紙(用紙)および樹脂材料を使用可能である。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート(A−PET、PETG)、ポリシクロヘキサン1,4−ジメチルフタレート(PCT)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、透明ABS(MABS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリビニルアルコール(PVA)、スチレンブタジエンコポリマー(SBR)、アクリル樹脂、アクリル変性ウレタン樹脂、スチレン/アクリル樹脂、エチレン/アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアマイド樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、生分解性樹脂、セルロース系樹脂等のその他の樹脂、紙基材、金属素材等が使用できる。
なお、上記の樹脂類およびフィラーは一例であり、加工性、機能性を満たせば他の材料を使用することも可能である。
上記構成において、好ましくは白色ないし透明な樹脂を使用することが望ましい。
ここで透明とは、可視光領域における光透過率が、可視光領域を平均して30%以上であることをいう。
次に第1低温発色層12、第1高温発色層14、第2低温発色層17及び第2高温発色層19について説明する。
第1低温発色層12、第1高温発色層14、第2低温発色層17及び第2高温発色層19としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル、など透明性の高い樹脂類をバインダとして、ある閾値の温度を超えた時に発色する色材としては、ロイコ染料、ロイコ色素又は示温材料、並びに顕色剤を用いる。
ロイコ染料、ロイコ色素又は示温材料としては、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチル−インドール−3−イル)フタリド、7−(1−ブチル−2−メチル−1H−インドール−3−イル)−7−(4−ジエチルアミノ−2−メチル−フェニル)−7H−フロ[3,4−b]ピリジン−5−オン、1−(2,4−ジクロロ−フェニルカルバモイル)−3,3−ジメチル−2−オキソ−1−フェノキシ−ブチル]−(4−ジエチルアミノーフェニル)−カルバミン酸イソブチルエステル、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン=CVL)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−アミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ニトロフタリド、3,3−ビス3−ジメチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(2−フルオロフェニルアミノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2−フルオロフェニルアミノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(N−メチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−イソアミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N,N−ジエチルアミノ−7−o−クロルアニリノフルオラン、ローダミンBラクタム、3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロナフトピランなどの発色染料を用いルことが可能である。
また、顕色剤としては、感熱記録体において電子受容体として使用される酸性物質がいずれも使用できる。
例えば、活性白土、酸性白土等の無機物質、無機酸、芳香族カルボン酸、その無水物またはその金属塩類、有機スルホン酸、その他の有機酸、フェノール系化合物等の有機系顕色剤などが顕色剤として挙げられるが、フェノール系化合物が好ましい。
顕色剤の具体例としては、ビス3−アリル−4−ヒドロキシフェニルスルホン、ポリヒドロキシスチレン、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸の亜鉛塩、3−オクチル−5−メチルサリチル酸の亜鉛塩、フェノール、4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシアセトフェノン、2,2′−ジヒドロキシジフェニル、2,2′−メチレンビス(4−クロロフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−イソプロピリデンジフェノール(別名ビスフェノールA)、4,4′−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、4,4′−イソプロピリデンビス(2−メチルフェノール)、4,4′エチレンビス(2−メチルフェノール)、4,4′−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−ヘプタン、4,4′−シクロヘキシリデンビス(2−イソプロピルフェノール)、4,4′−スルホニルジフェノール等のフェノール系化合物、該フェノール系化合物の塩、サリチル酸アニリド、ノボラック型フェノール樹脂、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル等などが挙げられる。
また、中間層13、中間層16、中間層18としては、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルアルコール(PVA)、スチレンブタジエンコポリマー(SBR)、ポリスチレン、ポリアクリル等を用いることができる。
次に光熱変換層20について説明する。
光熱変換層20としては、遠赤外線を吸収する樹脂系材料を用いることができるが、基本的には、樹脂系材料全般が使用できる。
例えば、PET系樹脂、PETG、PVC系樹脂、PVA系樹脂、PC系樹脂、PP系樹脂、PE系樹脂、ABS系樹脂、ポリアミド系樹脂、酢酸ビニル系樹脂などがその代表である。さらに、これらをベースしたコポリマーやシリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、カーボンなどの添加物を加えたものも光熱変換層20として使用可能である。
次に光熱変換層15について説明する。
一方、光熱変換層15としても、樹脂系材料全般が使用できるが、赤外線吸収発熱剤(近赤外線吸収発熱剤)及びバインダ樹脂を含んでいる。
そして、光熱変換層15は、固形分の質量比が赤外線吸収発熱剤:バインダ樹脂=1〜20:99〜80となるように溶媒中で混合し塗布することにより形成する。塗布した際の膜厚は0.5〜10μmが好ましく、より好ましくは、1〜5μmである。これは、効率よく発熱を行わせるとともに、発熱量の制御を容易とするためである。
赤外線吸収発熱剤としては、ポリメチン系のシアニン色素、アゾ系色素、ナフトキノン系やアントラキノン系のキノン系色素などが使用可能である。
また、バインダ樹脂としては、ニトロセルロース、燐酸セルロース、硫酸セルロース、プロピオン酸セルロース、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、パルミチン酸セルロース、ミリスチン酸セルロース、セルロースアセテテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートなどのセルロースエステル類、ポリエステル系樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロースなどのセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリアクリルアミドなどのビニル系樹脂、その他、ポリメチルアクリレート、ポリアクリル酸などのアクリル樹脂類、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリアクリレート樹脂類、エポキシ樹脂類、フェノール樹脂類などが使用可能である。
特に、PET系樹脂、PETG、PVC系樹脂、PVA系樹脂、PC系樹脂、PP系樹脂、PE系樹脂、ABS系樹脂、ポリアミド系樹脂、酢酸ビニル系樹脂などがより好ましい。
さらに、これらをベースにしたコポリマーやシリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、カーボンなどの添加物を加えたものが光熱変換層15として使用可能である。
次に第1実施形態のレーザ記録装置について説明する。
図5は、第1実施形態のレーザ記録装置の概要構成ブロック図である。
第1実施形態のレーザ記録装置30は、近赤外レーザ光LNIR(=波長λ1)を出力する第1レーザ発振器31と、近赤外レーザ光LNIRのビーム径を拡大する第1ビームエキスパンダ32と、近赤外レーザ光LNIRを反射する第1ミラー33と、遠赤外レーザ光LFIR(=波長λ2)を出力する第2レーザ発振器34と、遠赤外レーザ光LFIRのビーム径を拡大する第2ビームエキスパンダ35と、近赤外レーザ光LNIRを反射し、遠赤外レーザ光LFIRを透過する第2ミラー36と、近赤外レーザ光LNIR及び遠赤外レーザ光LFIRを反射する第1方向スキャンミラー37を駆動し、第1方向に近赤外レーザ光LNIR及び遠赤外レーザ光LFIRを走査するために第1方向スキャンミラー37を駆動する第1モータ38を備えた第1方向走査ユニット39と、近赤外レーザ光LNIR及び遠赤外レーザ光LFIRを反射する第2方向スキャンミラー40を駆動し、第1方向と直交する第2方向に近赤外レーザ光LNIR及び遠赤外レーザ光LFIRを走査するために第2方向スキャンミラー40を駆動する第2モータ41を備えた第2方向走査ユニット42と、第1方向走査ユニット39及び第2方向走査ユニット42を介して導かれた近赤外レーザ光LNIR及び遠赤外レーザ光LFIRを記録媒体10に集光する集光レンズ(F・θレンズ)43と、記録媒体10を所定位置に搬送し、保持するステージ44と、入力された入力画像データGDに基づいて、遠赤外レーザ光LFIR及び近赤外レーザ光LNIRの照射位置及び照射強度を算出する計算部45と、計算部45の算出結果に基づいて第1レーザ発振器31及び第2レーザ発振器34のレーザ出力を制御する出力制御部46と、計算部45の算出結果に基づいて第1モータ38及び第2モータ41を制御し、近赤外レーザ光LNIR及び遠赤外レーザ光LFIRの記録媒体10への照射位置を制御する照射位置制御部47と、を備えている。
上記構成において、第1レーザ発振器31としては、近赤外領域のレーザである半導体レーザ、ファイバーレーザ、YAGレーザ、YVOレーザ等を用いることが可能である。
また、第2レーザ発振器34としては、炭酸ガスレーザ等を用いることが可能である。
ここで、第1ミラー33、第2ミラー36、第1方向スキャンミラー37、第2方向スキャンミラー40及び集光レンズ(F・θレンズ)43の材料について説明する。
図6は、金(Au)ミラーの波長別反射率の説明図である。
上記構成において、第1ミラー33は近赤外レーザ光LNIRを反射し、第1方向スキャンミラー37及び第2方向スキャンミラー40は、近赤外レーザ光LNIR及び遠赤外レーザ光LFIRを反射する必要がある。
したがって、第1ミラー33、第1方向スキャンミラー37及び第2方向スキャンミラー40としては、図6に示すように、近赤外レーザ光LNIR及び遠赤外レーザ光LFIRを反射する金ミラーが用いられる。
図7は、ゲルマニウム(Ge)の波長別透過率の説明図である。
また、第2ミラー36は、赤外レーザ光LNIRを反射し、遠赤外レーザ光LFIRを透過する必要がある。
したがって、第2ミラー36としては、図7に示すように、近赤外レーザ光LNIRを反射し、遠赤外レーザ光LFIRを透過するゲルマニウムを用いたゲルマニウムミラーが用いられる。
図8は、ジンクセレン(ZnSe)の波長別透過率の説明図である。
また、集光レンズ(F・θレンズ)42は、近赤外レーザ光LNIR及び遠赤外レーザ光LFIRを透過する必要がある。
従って、集光レンズ(F・θレンズ)42としては、図8に示すように、近赤外レーザ光LNIR及び遠赤外レーザ光LFIRを透過するジンクセレンが用いられる。
次にレーザ記録装置30における記録媒体10への記録処理について説明する。
図9は、レーザ記録装置の動作処理フローチャートである。
以下の説明においては、第1低温発色層12を黒(K)発色層とし、第1高温発色層14をシアン(C)発色層とし、第2低温発色層17をマゼンタ(M)発色層とし、第2高温発色層19をイエロー(Y)発色層とするものとする。
まずレーザ記録装置30の計算部45は、RGBデータとしての入力画像データGDが入力されると(ステップS11)、入力画像データGDを解析し、ピクセル毎の色データ(CMYKデータ)に変換する(ステップS12)。
続いて、計算部45は、ピクセル毎の色データに基づいて、発色させる層の組合せに応じて、色データをレーザ照射パラメータ値に変換する(ステップS13)。
ここで、レーザ照射パラメータ値は、具体的には、遠赤外レーザ光LFIRあるいは近赤外レーザ光LNIRのいずれを選択(波長選択値)、パワー設定値、走査速度設定値、パルス幅設定値、照射繰返数設定値、走査ピッチ設定値等である。
続いて、ステップS13で設定されたレーザ照射パラメータ値に基づいて、近赤外レーザ光LNIRを用いて、第1低温発色層12及び第1高温発色層14について発色を行わせるための画像記録を行う(ステップS14)。
次に各発色層における発色制御について説明する。
以下の説明においては、理解の容易のため、第1閾値温度T1及び第3閾値温度T3は等しく、第2閾値温度T2及び第4閾値温度T4は等しいものとする。
まず、第1低温発色層12及び第1高温発色層14に対する画像記録について詳細に説明する。
上述したように、第1低温発色層12は、その温度が第1閾値温度T1以上となると発色し、第1高温発色層14は、その温度が第2閾値温度T2(>T1)以上となると発色する。
図10は、第1低温発色層及び第1高温発色層におけるレーザ光のエネルギーと照射時間との関係を説明する図である。
図10に示すように第1低温発色層12については、対応する発色曲線CL1の右上の領域(第1低温発色層12の発色領域)で、発色することとなる。
また第1高温発色層14については、対応する発色曲線CH1の右上の領域(第1高温発色層14の発色領域)で発色する。
従って、第1低温発色層12の発色領域と、第1高温発色層14の非発色領域とで共通する領域ARL1においては、第1低温発色層12及び第1高温発色層14のうち、第1低温発色層12のみが発色する。すなわち、本実施形態では、黒(K)が発色する。
同様に、第1高温発色層14の発色領域と、第1低温発色層12の非発色領域とで共通する領域ARH1においては、第1低温発色層12及び第1高温発色層14のうち、第1高温発色層14のみが発色する。すなわち、本実施形態では、シアン(C)が発色する。
さらに第1低温発色層12の発色領域と、第1高温発色層14の発色領域とで共通する領域ARLH1では、第1低温発色層12及び第1高温発色層14が発色する。すなわち、本実施形態では、黒(K)及びシアン(C)が発色することとなる。
次に、第2低温発色層17及び第2高温発色層19に対する画像記録について詳細に説明する。
上述したように、第2低温発色層17は、その温度が第3閾値温度T3以上となると発色し、第2高温発色層19は、その温度が第4閾値温度T4(>T3)以上となると発色する。
図11は、第2低温発色層及び第2高温発色層におけるレーザ光のエネルギーと照射時間との関係を説明する図である。
図11に示すように第2低温発色層17については、対応する発色曲線CH1の右上の領域(第2低温発色層17の発色領域)で、発色することとなる。
また第2高温発色層19については、対応する発色曲線CH2の右上の領域(第2高温発色層19の発色領域)で発色する。
従って、第2低温発色層17の発色領域と、第2高温発色層19の非発色領域とで共通する領域ARL2においては、第2低温発色層17及び第2高温発色層19のうち、第2低温発色層17のみが発色する。すなわち、本実施形態では、マゼンタ(M)が発色する。
同様に、第2高温発色層19の発色領域と、第2低温発色層17の非発色領域とで共通する領域ARH2においては、第2低温発色層17及び第2高温発色層19のうち、第2高温発色層19のみが発色する。すなわち、本実施形態では、イエロー(Y)が発色する。
さらに第1低温発色層12の発色領域と、第1高温発色層14の発色領域とで共通する領域ARLH1では、第1低温発色層12及び第1高温発色層14が発色する。すなわち、本実施形態では、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)が発色することとなる。
以下、より具体的な発色制御について説明する。
まずは、第1低温発色層12の発色制御について説明する。
図12は、第1低温発色層の発色制御温度の説明図である。
第1低温発色層12を発色させる場合には、光熱変換層15において熱を生成させる必要があるので、近赤外レーザ光LNIR(波長λ1)を選択して、記録媒体10に照射することとなる。
すなわち、レーザ記録装置30の第1レーザ発振器31が駆動され、第1レーザ発振器31は、近赤外レーザ光LNIR(=波長λ1)を第1ビームエキスパンダ32に出力する。
第1ビームエキスパンダ32は、近赤外レーザ光LNIRのビーム径を拡大して、第1ミラー33側に出射する。
これにより第1ミラー33は、近赤外レーザ光LNIRを反射して、第1方向走査ユニット39の第1方向スキャンミラー37に導く。
第1方向スキャンミラー37は、第1モータ38により駆動されて第1方向(例えば、X方向)の走査位置に対応する方向に近赤外レーザ光LNIRを反射して、第2方向スキャンミラー40に導く。
第2方向スキャンミラー40は、第2モータ41により駆動されて第2方向(例えば、X方向と直交するY方向)の走査位置に対応する方向に近赤外レーザ光LNIRを反射して、集光レンズ43に導く。
これらの結果、集光レンズ43は、第1方向走査ユニット39及び第2方向走査ユニット42を介して導かれた所定の走査位置に向けて近赤外レーザ光LNIRを集光し、記録媒体10上に照射する。
このとき、図12に示すように、光熱変換層15の温度が第1低温発色層12に対応する第1閾値温度T1を超え、第1高温発色層14に対応する第2閾値温度T2を超えないようにレーザ照射パラメータ値を設定して近赤外レーザ光LNIRを照射する。
この結果、近赤外レーザ光LNIRは、光熱変換層20、第2高温発色層19、中間層18、第2低温発色層17及び中間層16を介して、光熱変換層15に到達する。
光熱変換層15は、近赤外レーザ光LNIRを吸収して、光−熱変換を行い、発熱するので、光熱変換層15により近い第1高温発色層14の温度は、徐々に上昇し、光熱変換層15の温度とほぼ等しくなる。
一方、光熱変換層15から第1高温発色層14及び中間層13を介して第1低温発色層12に熱が伝導され、図12に示すように、第1低温発色層12の温度も徐々に上昇して、近赤外レーザ光LNIRの照射の終了までには、第1低温発色層12の温度は、第1閾値温度T1を超えて、第1低温発色層12は、黒(K)を発色することとなる。
次に第1高温発色層14の発色制御について説明する。
図13は、第1高温温発色層の発色制御温度の説明図である。
第1高温発色層14を発色させる場合にも、光熱変換層15において熱を生成させる必要があるので、近赤外レーザ光LNIR(波長λ1)を選択して、記録媒体10に照射することとなる。
そして、図13に示すように、光熱変換層15の温度が第1低温発色層12に対応する第1閾値温度T1を超えず、第1高温発色層14に対応する第2閾値温度T2を超えるようにレーザ照射パラメータ値を設定して近赤外レーザ光LNIRを照射する。
この結果、近赤外レーザ光LNIRは、光熱変換層20、第2高温発色層19、中間層18、第2低温発色層17及び中間層16を介して、光熱変換層15に到達する。
この場合において、光熱変換層15に照射する近赤外レーザ光LNIRは、第1低温発色層12を発色させる場合よりも急激に発熱量が大きくなるとともに、発熱時間が短くなるようにレーザ照射パラメータ値が設定されている。
従って、光熱変換層15は、近赤外レーザ光LNIRを吸収して、光−熱変換を行い、急激に発熱するので、光熱変換層15により近い第1高温発色層14の温度は、急激に上昇し、第2閾値温度T2を超えて、第1高温発色層14は、シアン(C)を発色することとなる。
一方、光熱変換層15から第1高温発色層14及び中間層13を介して第1低温発色層12に熱が伝導されるが、図13に示すように、熱が伝導される時間が短く、第1低温発色層12に伝達される熱の熱量(熱エネルギー)は少ないため、第1低温発色層12の温度上昇は少なく、第1低温発色層12の温度は、第1閾値温度T1を超えることはなく、第1低温発色層12が発色することはない。
続いて、遠赤外レーザ光LFIRを用いるように照射波長を変更する(ステップS15)。
そして、ステップS13で設定されたレーザ照射パラメータ値に基づいて、遠赤外レーザ光LFIRを用いて、第2低温発色層17及び第2高温発色層19について発色を行わせるための画像記録を行う(ステップS16)。
すなわち、レーザ記録装置30の第2レーザ発振器34が駆動され、第2レーザ発振器34は、遠赤外レーザ光LFIR(=波長λ2)を第2ビームエキスパンダ35に出力する。
第2ビームエキスパンダ35は、遠赤外レーザ光LFIRのビーム径を拡大して、第1ミラー33側に出射する。
これにより第1ミラー33は、遠赤外レーザ光LFIRを透過して、第1方向走査ユニット39の第1方向スキャンミラー37に導く。
第1方向スキャンミラー37は、第1モータ38により駆動されて第1方向(例えば、X方向)の走査位置に対応する方向に遠赤外レーザ光LFIRを反射して、第2方向スキャンミラー40に導く。
第2方向スキャンミラー40は、第2モータ41により駆動されて第2方向(例えば、X方向と直交するY方向)の走査位置に対応する方向に遠赤外レーザ光LFIRを反射して、集光レンズ43に導く。
これらの結果、集光レンズ43は、第1方向走査ユニット39及び第2方向走査ユニット42を介して導かれた所定の走査位置に向けて遠赤外レーザ光LFIRを集光し、記録媒体10上に照射する。
次に、第2低温発色層17の発色制御について説明する。
図14は、第2低温発色層の発色制御温度の説明図である。
第2低温発色層17を発色させる場合には、光熱変換層20において熱を生成させる必要があるので、遠赤外レーザ光LFIR(波長λ2)を選択して、記録媒体10に照射することとなる。
そして、図14に示すように、光熱変換層20の温度が第2低温発色層17に対応する第3閾値温度T3を超え、第2高温発色層19に対応する第4閾値温度T4を超えないようにレーザ照射パラメータ値を設定して遠赤外レーザ光LFIRを光熱変換層20に照射する。
この結果、光熱変換層20は、遠赤外レーザ光LFIRを吸収して、光−熱変換を行い、発熱するので、光熱変換層20により近い第2高温発色層19の温度は、徐々に上昇し、光熱変換層20の温度とほぼ等しくなる。
一方、光熱変換層20から第2高温発色層19及び中間層18を介して第2低温発色層17に熱が伝導され、図14に示すように、第2低温発色層17の温度も徐々に上昇して、遠赤外レーザ光LFIRの照射の終了までには、第2低温発色層17の温度は、第3閾値温度T3を超えて、第2低温発色層17は、マゼンタ(M)を発色することとなる。
次に第2高温発色層19の発色制御について説明する。
図15は、第2高温温発色層の発色制御温度の説明図である。
第2高温発色層19を発色させる場合にも、光熱変換層20において熱を生成させる必要があるので、遠赤外レーザ光LFIR(波長λ2)を選択して、記録媒体10に照射することとなる。
そして、図15に示すように、光熱変換層20の温度が第2低温発色層17に対応する第3閾値温度T3を超えず、第2高温発色層19に対応する第4閾値温度T4を超えるようにレーザ照射パラメータ値を設定して遠赤外レーザ光LFIRを照射する。
このとき、光熱変換層20に照射する遠赤外レーザ光LFIRは、第2低温発色層17を発色させる場合よりも急激に発熱量が大きくなるとともに、発熱時間が短くなるようにレーザ照射パラメータ値が設定されている。
従って、光熱変換層20は、遠赤外レーザ光LFIRを吸収して、光−熱変換を行い、急激に発熱するので、光熱変換層20により近い第2高温発色層19の温度は、急激に上昇し、第4閾値温度T4を超えて、第2高温発色層19は、イエロー(Y)を発色することとなる。
一方、光熱変換層20から第2高温発色層19及び中間層18を介して第2低温発色層17に熱が伝導されるが、図15に示すように、熱が伝導される時間が短く、第2低温発色層17に伝達される熱の熱量(熱エネルギー)は少ないため、第2低温発色層17の温度上昇は少なく、第2低温発色層17の温度は、第3閾値温度T3を超えることはなく、第2低温発色層17が発色することはない。
以上の説明のように、本第1実施形態によれば、フルカラー記録を行う場合であっても、実効的な発色の閾値温度は、二つの温度を設定できれば良いので、最も低温で発色する発色層の発色の閾値温度を高く設定することができ、記録媒体の実効的な耐熱性を向上することができる。
また、レーザ記録装置30としては、レーザ光源としてのレーザ発振器を2系統設けるだけで良いので、装置コストの抑制が図れ、フルカラー記録時の記録時間の短縮が図れる。
[1.1]第1実施形態の第1変形例
次に第1実施形態の第1変形例について説明する。
図16は、第1実施形態の第1変形例の記録媒体の構成例の断面図である。
図16において、図2の第1実施形態の記録媒体10と異なる点は、記録媒体10Aにおいては、第1低温発色層12、中間層13、第1高温発色層14及び光熱変換層15を、基材11上に、光熱変換層15、第1高温発色層14、中間層13、第1低温発色層12の順番で積層した点である。なお、中間層16以降は、第1実施形態と同様の順番で積層している。
この場合において、光熱変換層15に近い場所により高温で発色する第1高温発色層14を配置し、光熱変換層15から離れた場所により低温で発色する第1低温発色層12を配置しているので、本第1変形例においても、第1実施形態と同様の手順で発色を行わせることが可能である。
したがって、本第1変形例においても、第1実施形態と同様に、フルカラー記録を行う場合に、最も低温で発色する発色層の発色の閾値温度を高く設定することができ、記録媒体の実効的な耐熱性を向上することができる。
[1.2]第1実施形態の第2変形例
次に第1実施形態の第2変形例について説明する。
図17は、第1実施形態の第2変形例の記録媒体の構成例の断面図である。
図17において、図2の第1実施形態の記録媒体と異なる点は、記録媒体10Bにおいては、第1低温発色層12、中間層13、第1高温発色層14及び光熱変換層15を、基材11上に、第1高温発色層14、光熱変換層15、中間層13、第1低温発色層12の順番で積層した点である。なお、中間層16以降は、第1実施形態と同様の順番で積層している。
この場合においても、第1変形例と同様に光熱変換層15に近い場所により高温で発色する第1高温発色層14を配置し、光熱変換層15から中間層13を介して、より離れた場所により低温で発色する第1低温発色層12を配置しているので、本第2変形例においても、第1実施形態と同様の手順で発色を行わせることが可能である。
したがって、本第2変形例においても、第1実施形態と同様に、フルカラー記録を行う場合に、最も低温で発色する発色層の発色の閾値温度を高く設定することができ、記録媒体の実効的な耐熱性を向上できる。
[1.3]第1実施形態の第3変形例
次に第1実施形態の第3変形例について説明する。
本第3変形例は、フルカラー画像の形成時に、発色させたい色が3色である場合のものである。
図18は、第1実施形態の第3変形例の記録媒体の構成例の断面図である。
図18において、図2の第1実施形態の記録媒体と異なる点は、記録媒体10Cにおいて、フルカラー記録層10CCと、モノカラー(モノクロ)記録層10CMと、を備えている点と、第1低温発色層12及び中間層13が設けられていない点である。
図19は、第3変形例の記録媒体をカード基板上に形成したカード状記録媒体の説明図である。
図19(a)は、断面図、図19(b)は、平面図である。
記録媒体10Cをカード基板BC上に形成したカード状記録媒体10Xは、図19(b)に示すように、表面側から見ると、フルカラー(例えば、YMC)の記録が可能なフルカラー記録層10CCで形成されたフルカラー記録領域ARCと、文字列、モノカラー画像などの記録が可能なモノカラー記録層10CMで形成されたモノカラー記録領域ARMと、を備えている。
上記構成によれば、フルカラー記録領域ARC、すなわち、フルカラー記録層10CCを全面に設ける場合と比較して、モノカラー記録領域ARMについて記録速度を各段に速くすることが可能となる。
この場合において、光熱変換層15に吸収されて発熱を起こさせるレーザ光の波長と、モノカラー記録領域ARMを構成しているモノカラー記録層10CMの記録波長とを共通にすれば、第1高温発色層14及びモノカラー記録層10CMへの記録を一度の照射で連続的に行える。
この場合において、モノカラー記録層10CMとしては、例えば、PC系樹脂、PVC系樹脂、PET系樹脂等に、カーボンや銅などを発色剤として添加し、ファイバーレーザ、YAGレーザ、YVOレーザ等で黒色に発色する一般的なレーザーマーキング用のフィルム用が使用できる。
[2]第2実施形態
次に第2実施形態のレーザ記録装置について説明する。
図20は、第2実施形態のレーザ記録装置の概要構成ブロック図である。
第2実施形態のレーザ記録装置30Aは、近赤外レーザ光LNIR(=波長λ1)を出力する第1レーザ発振器31と、近赤外レーザ光LNIRのビーム径を拡大する第1ビームエキスパンダ32と、近赤外レーザ光LNIRを反射する第1方向スキャンミラー37Aを駆動し、第1方向に近赤外レーザ光LNIRを走査するために第1方向スキャンミラー37Aを駆動する第1モータ38Aを備えた第1方向走査ユニット39Aと、近赤外レーザ光LNIRを反射する第2方向スキャンミラー40Aを駆動し、第1方向と直交する第2方向に近赤外レーザ光LNIRを走査するために第2方向スキャンミラー40Aを駆動する第2モータ41Aを備えた第2方向走査ユニット42Aと、第1方向走査ユニット39A及び第2方向走査ユニット42Aを介して導かれた近赤外レーザ光LNIRを記録媒体10に集光する集光レンズ(F・θレンズ)43Aと、記録媒体10を保持するステージ44Aと、を備えている。
また、レーザ記録装置30Aは、遠赤外レーザ光LFIR(=波長λ2)を出力する第2レーザ発振器34と、遠赤外レーザ光LFIRのビーム径を拡大する第2ビームエキスパンダ35と、赤外レーザ光LFIRを反射する第1方向スキャンミラー37Bを駆動し、遠赤外レーザ光LFIRを走査するために第1方向スキャンミラー37Bを駆動する第1モータ38Bを備えた第1方向走査ユニット39Bと、遠赤外レーザ光LFIRを反射する第2方向スキャンミラー40Bを駆動し、第1方向と直交する第2方向に遠赤外レーザ光LFIRを走査するために第2方向スキャンミラー40Bを駆動する第2モータ41Bを備えた第2方向走査ユニット42Bと、第1方向走査ユニット39B及び第2方向走査ユニット42Bを介して導かれた近赤外レーザ光LNIR及び遠赤外レーザ光LFIRを記録媒体10に集光する集光レンズ(F・θレンズ)43Bと、記録媒体10を所定位置に保持するステージ44Bと、を備えている。
さらにレーザ記録装置30Aは、入力された入力画像データGDに基づいて、遠赤外レーザ光LFIR及び近赤外レーザ光LNIRの照射位置及び照射強度を算出する計算部45と、計算部45の算出結果に基づいて第1レーザ発振器31及び第2レーザ発振器34のレーザ出力を制御する出力制御部46と、計算部45の算出結果に基づいて第1モータ38A、38B及び第2モータ41A、41Bを制御し、近赤外レーザ光LNIR及び遠赤外レーザ光LFIRの記録媒体10への照射位置を制御する照射位置制御部47と、を備えている。
次にレーザ記録装置30Aにおける記録媒体10への記録処理について説明する。
図21は、第2実施形態のレーザ記録装置の動作処理フローチャートである。
まずレーザ記録装置30Aのステージ44Aに記録媒体10を図示しない搬送装置により搬入し(ステップS21)、所定位置に記録媒体10が至ったか否かを検知し(ステップS22)、所定位置に記録媒体10が至った場合には、記録媒体10のステージ44Aへの固定を行う(ステップS23)。
続いて、レーザ記録装置30Aの計算部45は、RGBデータとしての入力画像データGDが入力されると(ステップS24)、入力画像データGDを解析し、ピクセル毎の色データ(CMYKデータ)に変換する(ステップS25)。
続いて、計算部45は、ピクセル毎の色データに基づいて、発色させる層の組合せに応じて、色データをレーザ照射パラメータ値に変換する(ステップS26)。
ここで、レーザ照射パラメータ値は、具体的には、遠赤外レーザ光LFIR及び近赤外レーザ光LNIR毎のパワー設定値、走査速度設定値、パルス幅設定値、照射繰返数設定値、走査ピッチ設定値等である。
続いて、ステップS26で設定されたレーザ照射パラメータ値に基づいて、近赤外レーザ光LNIRを用いて、第1低温発色層12及び第1高温発色層14について発色を行わせるための画像記録を行う(ステップS27)。
すなわち、第1低温発色層12及び第1高温発色層14を発色させる場合には、レーザ記録装置30の第1レーザ発振器31が駆動され、第1レーザ発振器31は、近赤外レーザ光LNIR(=波長λ1)を第1ビームエキスパンダ32に出力する。
第1ビームエキスパンダ32は、近赤外レーザ光LNIRのビーム径を拡大して、第1方向走査ユニット39Aの第1方向スキャンミラー37Aに導く。
第1方向スキャンミラー37Aは、第1モータ38Aにより駆動されて第1方向(例えば、X方向)の走査位置に対応する方向に近赤外レーザ光LNIRを反射して、第2方向スキャンミラー40Aに導く。
第2方向スキャンミラー40Aは、第2モータ41により駆動されて第2方向(例えば、X方向と直交するY方向)の走査位置に対応する方向に近赤外レーザ光LNIRを反射して、集光レンズ43Aに導く。
これらの結果、集光レンズ43Aは、第1方向走査ユニット39及び第2方向走査ユニット42を介して導かれた所定の走査位置に向けて近赤外レーザ光LNIRを集光し、記録媒体10上に照射し、記録媒体10の第1低温発色層12及び第1高温発色層14に対する記録がなされる。
第1低温発色層12及び第1高温発色層14に対する記録が終了すると、記録媒体10のステージ44Aへの固定を解除し(ステップS28)、図示しない搬送装置によりステージ44Bに記録媒体10を搬入し(ステップS29)、所定位置に記録媒体10が至ったか否かを検知し(ステップS30)、所定位置に記録媒体10が至った場合には、記録媒体10のステージ44Bへの固定を行う(ステップS31)。
この場合において、画像記録位置のずれを防止するため、物理的に位置ずれが起こらないようにするか、あるいは、ステップS27における記録位置を検出するカメラなどの記録位置検出装置を設け、記録位置の位置合わせを行うようにする。
そして、ステップS13で設定されたレーザ照射パラメータ値に基づいて、遠赤外レーザ光LFIRを用いて、第2低温発色層17及び第2高温発色層19について発色を行わせるための画像記録を行う(ステップS32)。
すなわち、第2低温発色層17及び第2高温発色層19について発色を行わせる場合には、第2レーザ発振器34が駆動され、第2レーザ発振器34は、遠赤外レーザ光LFIR(=波長λ2)を第2ビームエキスパンダ35に出力する。
第2ビームエキスパンダ35は、遠赤外レーザ光LFIRのビーム径を拡大して、第1方向走査ユニット39Bの第1方向スキャンミラー37Bに導く。
第1方向スキャンミラー37Bは、第1モータ38Bにより駆動されて第1方向(例えば、X方向)の走査位置に対応する方向に遠赤外レーザ光LFIRを反射して、第2方向スキャンミラー40Bに導く。
第2方向スキャンミラー40Bは、第2モータ41Bにより駆動されて第2方向(例えば、X方向と直交するY方向)の走査位置に対応する方向に遠赤外レーザ光LFIRを反射して、集光レンズ43Bに導く。
これらの結果、集光レンズ43Bは、第1方向走査ユニット39B及び第2方向走査ユニット42Bを介して導かれた所定の走査位置に向けて遠赤外レーザ光LFIRを集光し、記録媒体10上に照射し、記録媒体10の第2低温発色層17及び第2高温発色層19に対する記録がなされる。
第2低温発色層17及び第2高温発色層19に対する記録が終了すると、記録媒体10のステージ44Bへの固定を解除し(ステップS33)、図示しない搬送装置によりステージ44Bから記録媒体10が搬出されて記録処理を終了する(ステップS34)。
以上の説明のように、本第2実施形態によれば、第1低温発色層12及び第1高温発色層14への記録処理と、第2低温発色層17及び第2高温発色層19への記録処理とは、並行して行うこともでき、第1実施形態の場合と比較して処理能力を2倍近くとすることができる。
[3]第3実施形態
次に第3実施形態のレーザ記録装置について説明する。
図22は、第3実施形態のレーザ記録装置の概要構成ブロック図である。
第3実施形態のレーザ記録装置30Bが、図5の第1実施形態のレーザ記録装置30と異なる点は、第1ビームエキスパンダ32と第1ミラー33との間に第1レーザ発振器31が出力した近赤外レーザ光LNIR(=波長λ1)の出力を可変しつつ減衰可能な出力制御ユニット51を設けた点と、第2ビームエキスパンダ35と第2ミラー36との間に第2レーザ発振器34が出力した遠赤外レーザ光LFIR(=波長λ2)の出力を可変しつつ減衰可能な出力制御ユニット52を設けた点と、出力制御部46が計算部45の算出結果に基づいて出力制御ユニット51及び出力制御ユニット52を制御して、対応するレーザ出力を制御する点である。
上記構成において、出力制御ユニット51及び出力制御ユニット52は、厚さが異なる位置を透過させることにより無段階で光量を低下させることが可能なND(Neutral Density)フィルタあるいは複数のNDフィルタを有し、多段階で光量を低下させるNDフィルタユニットを用いることが可能である。
上記構成によれば、レーザ光の出力制御を第1レーザ発振器31あるいは第2レーザ発振器34の電源系で制御する場合と比較して、レーザ出力を安定化させることができ、より正確な発色制御が行える。特に、レーザを定格の出力に対して30%以下の低出力帯で使用する場合には有効である。
[4]実施形態の変形例
以上の説明においては、第1低温発色層12及び第1高温発色層14の発色処理と、第2低温発色層17及び第2高温発色層19の発色処理とは、別個に行っていたが、同時並行して発色処理を行う場合の他方の発色処理による熱的影響を考慮すれば、同時並行して処理を行うことができ、処理時間を別個に行う場合と比較して、1/2程度に短くすることが可能である。
具体的には、例えば、第1低温発色層12及び第1高温発色層14の発色処理を行った場合には、光熱変換層20において近赤外レーザ光LNIR(=波長λ1)が吸収されて、熱が発生するので、当該発生した熱量も考慮して第2低温発色層17及び第2高温発色層19の発色処理を行うようにすればよい。また、第2低温発色層17及び第2高温発色層19の発色処理により記録媒体10自体の温度が上昇することも考えられるので、この温度上昇分を第1低温発色層12及び第1高温発色層14の発色処理の際に考慮するようにすれば良い。
以上の説明においては、光熱変換層15に対応して互いに発色の閾値温度が異なる二つの発色層(第1低温発色層12及び第1高温発色層14)を配置し、光熱変換層20に対応して互いに発色の閾値温度が異なる二つの発色層(第2低温発色層17及び第2高温発色層19)を配置する構成を採っていたが、いずれか一方については一つの発色層のみを対応して設けるようにすることも可能である。
さらには、複数の光熱変換層のうち、少なくともいずれか一つには、互いに発色の閾値温度が異なる二つの発色層が対応づけられて配置されているようにすれば、光熱変換層が3層以上の場合でも同様である。
以上の説明においては、発色層が4層及び3層の場合について説明したが、5層以上の場合も同様に適用が可能である。
例えば、以上の説明では、CMYKの4色記録の場合について述べたが、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、レッド(R)、グリーン(G)ブルー(B)及び黒(K)の7色の発色層を有するCMYRGBKの7色記録の場合等にも適用が可能である。
以上の説明においては、レーザ光として近赤外レーザ光及び遠赤外レーザ光を用いていたが、光熱変換層の吸収波長によりレーザ光として近紫外レーザ光及び遠紫外レーザ光を用いるように構成することも可能である。
以上の説明においては、計算部45、出力制御部46及び照射位置制御部47を別体の物として説明したが、これらをMPU、ROM、RAM等を有するコンピュータとして構成し、これらの機能をプログラム及び各種インタフェースを介して実行するように構成することも可能である。
この場合において、コンピュータで実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、DVD(Digital Versatile Disk)、USBメモリなどの半導体記録装置等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されるようにしてもよい。
また、コンピュータで実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、制御部52で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
また、コンピュータで実行されるプログラムをROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10、10A、10B、10C 記録媒体
10CC フルカラー記録層
10CM モノカラー記録層
10X カード状記録媒体
11 基材
12 第1低温発色層
13 中間層
14 第1高温発色層
15 光熱変換層
16 中間層
17 第2低温発色層
18 中間層
19 第2高温発色層
20 光熱変換層
20A 光熱変換層(機能層)
20B 光熱変換層(保護層)
30、30A、30B レーザ記録装置
31 第1レーザ発振器
32 第1ビームエキスパンダ
33 第1ミラー
34 第2レーザ発振器
35 第2ビームエキスパンダ
36 第2ミラー
37、37A、37B 第1方向スキャンミラー
38、38A、38B 第1モータ
39、39A、39B 第1方向走査ユニット
40、40A、40B 第2方向スキャンミラー
41、41A、41B 第2モータ
42、42A、42B 第2方向走査ユニット
43、43A、43B 集光レンズ
44、44A、44B ステージ
45 計算部
46 出力制御部
47 照射位置制御部
51 出力制御ユニット
52 出力制御ユニット
52 制御部
ARC フルカラー記録領域
ARG 画像形成領域
ARI 特定情報記録エリア
ARM モノカラー記録領域
BC カード基板
GD 入力画像データ
LFIR 遠赤外レーザ光
LNIR 近赤外レーザ光
T1 第1閾値温度
T2 第2閾値温度
T3 第3閾値温度
T4 第4閾値温度

Claims (10)

  1. 基材と、
    前記基材に積層され、互いに離間した位置に配置されるとともに、光熱変換のために用いられる光の波長が互いに異なる複数の光熱変換層と、
    前記基材に積層され、前記複数の光熱変換層のうち、いずれか対応する光熱変換層から前記光熱変換による熱が伝達されて発色する発色層と、を備え、
    前記複数の光熱変換層のうち、少なくともいずれか一つには、互いに発色の閾値温度が異なる二つの前記発色層が対応づけられて配置されている、
    記録媒体。
  2. 同一の光熱変換層に対応する前記閾値温度が異なる二つの前記発色層のうち、前記閾値温度が低い一方の前記発色層は、他方の前記発色層よりも対応する前記光熱変換層から離間した位置に積層されている、
    請求項1記載の記録媒体。
  3. 同一の光熱変換層に対応する前記閾値温度が異なる二つの前記発色層は、断熱性を有する中間層を介して積層されている、
    請求項2記載の記録媒体。
  4. 前記光熱変換層を介さずに前記光が入射されて発色する単色発色層を備えている、
    請求項1乃至請求項3のいずれか一項記載の記録媒体。
  5. 前記光熱変換層は、赤外光あるいは紫外光のいずれかを吸収して、前記光熱変換を行う、
    請求項1乃至請求項4のいずれか一項記載の記録媒体。
  6. 基材に積層され、互いに離間した位置に配置されるとともに、光熱変換のために用いられる光の波長が互いに異なる複数の光熱変換層と、前記基材に積層され、前記複数の光熱変換層のうち、いずれか対応する光熱変換層から前記光熱変換による熱が伝達されて発色する発色層と、を備えた記録媒体に記録を行う記録装置であって、
    対応するいずれかの前記光熱変換層に吸収される前記光熱変換のために用いられる光を出力する複数の光源と、
    前記複数の光源からの光を前記記録媒体に導き、集光するとともに、前記記録媒体上で前記光の走査を行う光学系と、
    入力画像データに基づいて、前記光源及び光学系の制御を行う制御部と、
    を備えた記録装置。
  7. 前記光学系は、複数の前記光源にそれぞれ対応する複数の副光学系を備えている、
    請求項6記載の記録装置。
  8. 複数の前記光源が出力した前記光の光路中にそれぞれ設けられ、前記光の光量を低減して前記記録媒体の対応する前記光熱変換層への入射光量を調整する複数の光量低減部を備えている、
    請求項6又は請求項7記載の記録装置。
  9. 複数の前記光源は、赤外光あるいは紫外光のいずれか一方を全ての光源が出力するとともに、互いにその波長が異なる、
    請求項6乃至請求項8のいずれか一項記載の記録装置。
  10. 複数の光源及び前記複数の光源からの光を記録媒体に導き、集光するとともに、前記記録媒体上で前記光の走査を行う光学系を備えるとともに、基材に積層され、互いに離間した位置に配置されるとともに、光熱変換のために用いられる光の波長が互いに異なる複数の光熱変換層と、前記基材に積層され、前記複数の光熱変換層のうち、いずれか対応する光熱変換層から前記光熱変換による熱が伝達されて発色する発色層と、を備えた記録媒体に記録を行う記録装置で実行される方法であって、
    入力された記録対象の画像データに基づいて、色データに変換する過程と、
    前記色データを前記記録媒体に照射する光照射のためのパラメータ値に変換する過程と、
    変換した前記パラメータ値に基づいて前記光源及び光学系の制御を行い、前記光熱変換層において光熱変換を行わせて、前記発色層の発色制御を行う過程と、
    を備えた方法。
JP2018083908A 2018-04-25 2018-04-25 記録媒体、記録装置及び方法 Active JP7102207B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018083908A JP7102207B2 (ja) 2018-04-25 2018-04-25 記録媒体、記録装置及び方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018083908A JP7102207B2 (ja) 2018-04-25 2018-04-25 記録媒体、記録装置及び方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019192319A true JP2019192319A (ja) 2019-10-31
JP7102207B2 JP7102207B2 (ja) 2022-07-19

Family

ID=68390581

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018083908A Active JP7102207B2 (ja) 2018-04-25 2018-04-25 記録媒体、記録装置及び方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7102207B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11942125B2 (en) 2020-03-24 2024-03-26 Kabushiki Kaisha Toshiba Thermal medium and laser recording device

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005199494A (ja) * 2004-01-14 2005-07-28 Sony Corp 感熱記録媒体、及びこれを用いた記録方法
JP2010173266A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Ricoh Co Ltd 熱可逆記録媒体及びそれを用いた画像処理方法
JP2013506582A (ja) * 2009-10-05 2013-02-28 ズィンク イメージング, インコーポレイテッド 多色サーマル画像生成材料
JP2017015866A (ja) * 2015-06-30 2017-01-19 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 光走査装置及びこれを用いた画像形成装置
JP2017052261A (ja) * 2015-09-08 2017-03-16 株式会社東芝 レーザ記録装置
JP2018043497A (ja) * 2016-09-16 2018-03-22 株式会社東芝 情報記録媒体

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005199494A (ja) * 2004-01-14 2005-07-28 Sony Corp 感熱記録媒体、及びこれを用いた記録方法
JP2010173266A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Ricoh Co Ltd 熱可逆記録媒体及びそれを用いた画像処理方法
JP2013506582A (ja) * 2009-10-05 2013-02-28 ズィンク イメージング, インコーポレイテッド 多色サーマル画像生成材料
JP2017015866A (ja) * 2015-06-30 2017-01-19 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 光走査装置及びこれを用いた画像形成装置
JP2017052261A (ja) * 2015-09-08 2017-03-16 株式会社東芝 レーザ記録装置
JP2018043497A (ja) * 2016-09-16 2018-03-22 株式会社東芝 情報記録媒体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11942125B2 (en) 2020-03-24 2024-03-26 Kabushiki Kaisha Toshiba Thermal medium and laser recording device

Also Published As

Publication number Publication date
JP7102207B2 (ja) 2022-07-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6786687B2 (ja) レーザ記録装置
US11453231B2 (en) Recording medium and recording device
US8912118B2 (en) Colour laser marking of articles and security document precursors
US11294306B2 (en) Recording medium and recording device
EP3296119B1 (en) Information recording medium
US9956787B2 (en) Laser recording device and recording method
JP2011079308A (ja) 感熱記録材料及びその製造方法
JP7102207B2 (ja) 記録媒体、記録装置及び方法
JP3221579U (ja) 識別証
JP6976115B2 (ja) レーザ記録装置および方法
JP2021079562A (ja) 記録媒体
JP7155057B2 (ja) レーザ記録装置
JP3218527U (ja) 記録媒体
JP6762822B2 (ja) レーザ記録装置、方法及びプログラム
WO2021193541A1 (ja) レーザ記録装置
JP2024011779A (ja) 画像記録媒体
JP2023141354A (ja) 記録媒体
JP2023141355A (ja) 画像記録装置、画像記録装置の制御方法及び制御プログラム
JP2021151748A (ja) 感熱記録媒体およびこの感熱記録媒体のためのレーザ記録方法
CN115107391B (zh) 热敏记录介质、激光印刷方法和激光印刷设备
WO2022209205A1 (ja) 描画システムおよび描画方法
KR101785616B1 (ko) 고내열 감열지
JPH11147368A (ja) 熱記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210208

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211004

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220107

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220607

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220706

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7102207

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150