JP2019191760A - 調節器、調節方法、および、調節システム - Google Patents

調節器、調節方法、および、調節システム Download PDF

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Abstract

【課題】電動弁の開度の状態を判断する技術を提供する。【解決手段】調節器は、制御対象から取得される制御量が予め設定された目標値と一致するように、第1の指令信号および第2の指令信号のいずれかを間欠的に出力し、指令信号と、フィードバック信号とに基づいて、電動弁の状態を推定する。調節器は、指令信号に応じた、電動弁の弁開度の変化量を算出し、1回分の指令信号の出力が継続した時間の長さからむだ時間を減じることで、電動弁が実質的に動作した時間の有効時間を算出する。調節器は、弁開度変化パターンを基準とした時間あたりの乖離度合いに基づいて、電動弁が予め定められた異常状態であるか否かを判断する。【選択図】図1

Description

本開示は、電動弁を調節して制御量を目標値に近づける技術に関する。
目標値に基づき操作量に関する指令信号を出力し、その指令信号に基づいてモータを駆動させることで、制御対象における制御量(例えば、温度等)を調節する技術がある。例えば、特開平9−198147号公報(特許文献1)では、制御対象空間に配設される熱電対により当該制御対象空間の温度を検知して、設定温度との偏差に基づき、制御対象空間を設定温度に保つ温度調節処理を実行する技術が開示されている。
特開平9−198147号公報
ところで、液体や気体等の流体の流量を調節して、制御対象の温度等を目標値に近づける場合は、電動弁を用いた制御が行われるが、電動弁は機械的な摩擦や、管内の異物の存在等で弁の開度の変化速度が低下する場合がある。このような場合に、電動弁の状態を考慮に入れることなく、制御対象の制御量に基づく調節を行うだけでは、目標値に近づける調節が困難となる場合があった。
本開示は上述のような問題点を解決するためになされたものであって、ある局面における目的は、目標値に対する制御を行う場合に、電動弁の現在の状態を判断する技術を提供することである。
本開示の一例では、第1の指令信号を受けて開方向に動作するとともに、第2の指令信号を受けて閉方向に動作する電動弁を操作要素として利用し、制御対象を制御する調節器であって、上記制御対象から取得される制御量が予め設定された目標値と一致するように、上記第1の指令信号および上記第2の指令信号のいずれかを間欠的に出力する指令信号出力部と、事前のキャリブレーションにより取得された上記電動弁の弁開度の基準変化パターンを保持する保持部と、上記指令信号出力部から出力される指令信号と、上記電動弁の弁開度の度合いを示すフィードバック信号とに基づいて、上記電動弁の状態を推定する状態推定部とを備え、上記状態推定部は、上記指令信号出力部から間欠的に出力される1回分の指令信号に応じた、上記電動弁の弁開度の変化量を算出する変化量算出部と、上記1回分の指令信号の出力が継続した時間の長さを取得するとともに、当該出力が継続した時間の長さから予め定められたむだ時間を減じることで、上記電動弁が実質的に動作した時間である有効時間を算出する有効時間算出部と、上記電動弁の弁開度の変化量と、上記基準変化パターンの上記1回分の指令信号に対応する変化量と、上記有効時間とに基づいて算出される、上記基準変化パターンの変化量を基準とした時間あたりの乖離度合いに基づいて、上記電動弁が予め定められた異常状態であるか否かを判断する判断部とを含む。
この開示によれば、調節器は、目標値に対する制御を行う場合に、電動弁の現在の状態を判断できる。
本開示の一例では、上記有効時間算出部は、上記1回分の指令信号が出力された時点の上記電動弁の現在位置に応じて、複数の上記むだ時間のうち上記有効時間の算出に用いるむだ時間を選択する。
この開示によれば、調節器は、指令信号の出力が開始された時点の電動弁の現在位置が全閉または全開の位置の場合に、その位置に応じたむだ時間を適切に選択できる。
本開示の一例では、上記複数のむだ時間は、上記電動弁の位置が全閉の位置から開度が変化するときのむだ時間と、上記電動弁の位置が全開の位置から開度が変化するときのむだ時間とを含む。
この開示によれば、調節器は、電動弁の位置が全閉位置または全開位置の場合に、有効時間の算出に必要な情報を選択できる。
本開示の一例では、上記有効時間算出部は、上記1回分の指令信号が出力された時点の上記電動弁の現在位置および上記1回分の指令信号が指示する上記電動弁の現在の変化方向と、上記1回分の指令信号が指示する上記電動弁の直前の変化方向とに応じて、複数の上記むだ時間のうち上記有効時間の算出に用いるむだ時間を選択する。
この開示によれば、調節器は、調節器は、電動弁が全閉から全開までの途中に位置する場合にその変化方向に応じた適切なむだ時間を選択できる。
本開示の一例では、上記複数のむだ時間は、上記電動弁の位置が全閉から全開の途中の位置で直前の変化方向と同じ方向に変化するときのむだ時間と、上記電動弁の位置が上記途中の位置で直前の変化方向と異なる方向に変化するときのむだ時間とを含む。
この開示によれば、調節器は、電動弁の位置が全閉から全開の途中の位置の場合に、有効時間の算出に必要な情報を選択できる。
本開示の一例では、上記変化量算出部は、上記1回分の指令信号が出力された時点の上記電動弁の現在位置と、上記1回分の指令信号の出力が継続した時間の長さとに基づいて、上記1回分の指令信号に対応する上記基準変化パターンの変化量の区間を特定する。
この開示によれば、調節器は、現在の電動弁の性能を判断するのに最適な基準開度の変化量を特定できる。
本開示の一例では、上記変化量算出部は、上記弁開度変化パターンが非線形性を有する曲線となる場合に、線形性を有する複数の直線で近似する。
この開示によれば、調節器は、電動弁の開度の変化量に対する抵抗値の変化量を容易に算出できる。
本開示の一例では、上記判断部により上記異常状態であると判断された場合に、警報信号を出力する警報信号出力部をさらに含む。
この開示によれば、調節器は電動弁が異常状態であることをユーザに対して確実に通知できる。
本開示の一例では、第1の指令信号を受けて開方向に動作するとともに、第2の指令信号を受けて閉方向に動作する電動弁を操作要素として利用し、制御対象を制御する調節器の調節方法であって、上記制御対象から取得される制御量が予め設定された目標値と一致するように、上記第1の指令信号および上記第2の指令信号のいずれかを間欠的に出力するステップと、事前のキャリブレーションにより取得された上記電動弁の弁開度の基準変化パターンを保持するステップと、上記間欠的に出力されるステップにより出力される指令信号と、上記電動弁の弁開度の度合いを示すフィードバック信号とに基づいて、上記電動弁の状態を推定するステップとを備え、上記状態を推定するステップは、上記間欠的に出力するステップにより間欠的に出力される1回分の指令信号に応じた、上記電動弁の弁開度の変化量を算出するステップと、上記1回分の指令信号の出力が継続した時間の長さを取得するとともに、当該出力が継続した時間の長さから予め定められたむだ時間を減じることで、上記電動弁が実質的に動作した時間である有効時間を算出するステップと、上記電動弁の弁開度の変化量と、上記基準変化パターンの上記1回分の指令信号に対応する変化量と、上記有効時間とに基づいて算出される、上記基準変化パターンの変化量を基準とした時間あたりの乖離度合いに基づいて、上記電動弁が予め定められた異常状態であるか否かを判断するステップとを含む。
この開示によれば、調節器は、目標値に対する制御を行う場合に、電動弁の状態を判断できる。
本開示の一例では、第1の指令信号を受けて開方向に動作するとともに、第2の指令信号を受けて閉方向に動作する電動弁と、上記電動弁を操作要素として利用して、制御対象を制御する調節器であって、上記制御対象から取得される制御量が予め設定された目標値と一致するように、上記第1の指令信号および上記第2の指令信号のいずれかを間欠的に出力する指令信号出力部と、事前のキャリブレーションにより取得された上記電動弁の弁開度の基準変化パターンを保持する保持部と、上記指令信号出力部から出力される指令信号と、上記電動弁の弁開度の度合いを示すフィードバック信号とに基づいて、上記電動弁の状態を推定する状態推定部とを備え、上記状態推定部は、上記指令信号出力部から間欠的に出力される1回分の指令信号に応じた、上記電動弁の弁開度の変化量を算出する変化量算出部と、上記1回分の指令信号の出力が継続した時間の長さを取得するとともに、当該出力が継続した時間の長さから予め定められたむだ時間を減じることで、上記電動弁が実質的に動作した時間である有効時間を算出する有効時間算出部と、上記電動弁の弁開度の変化量と、上記基準変化パターンの上記1回分の指令信号に対応する変化量と、上記有効時間とに基づいて算出される、上記基準変化パターンの変化量を基準とした時間あたりの乖離度合いに基づいて、上記電動弁が予め定められた異常状態であるか否かを判断する判断部とを備えた調節器とを含む。
この開示によれば、調節器は、目標値に対する制御を行う場合に、電動弁の状態を判断できる。
ある局面において、目標値に対する制御を行う場合に、電動弁の状態を判断できる。
本実施の形態に従う調節システム1の構成例を示す図である。 本実施の形態に従う状態推定部22の機能を説明する図である。 本実施の形態に従う計測開度の変化量P1と基準開度の変化量P2と追従度P3との関係を示す図である。 本実施の形態に従う基準変化パターンBPの導出について説明する図である。 本実施の形態に従う電動弁32が全閉の位置から開方向に開度が変化する場合のむだ時間TD1について説明する図である。 本実施の形態に従う電動弁32が全開の位置から閉方向に開度が変化する場合のむだ時間TD2について説明する図である。 本実施の形態に従う基準開度の変化量P2と抵抗値変化量について説明する図である。 本実施の形態に従う異常判定処理の具体例について説明する図である。 本実施の形態に従う調節システム1のハードウェア構成例を示すブロック図である。 本実施の形態に従うプロセッサ20が実行する処理の一部を表すフローチャートである。 本実施の形態に従うプロセッサ20が実行するむだ時間TDの設定についての処理の一部を表すフローチャートである。 本実施の形態に従うプロセッサ20の有効時間TEの算出処理について説明する図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明に従う各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。
<A.適用例>
<A−1.システム構成>
図1を参照して、本発明の適用例について説明する。図1は、本実施の形態に従う調節システム1の構成例を示す図である。調節システム1は、例えば炉等の制御対象4における温度の調節を行うシステムであって、調節器2とコントロールバルブ3とを含む。
調節器2は、制御対象4の温度を検出して、コントロールバルブ3に指令を行う。そのため、コントロールバルブ3は調節器2の操作要素となる。調節器2は、指令信号出力部21と、状態推定部22と、記憶装置23とを含む。
指令信号出力部21は、ユーザが操作する外部端末(図示せず)から入力される目標値SVと、制御対象4からの制御量PVとを受け付けて、制御量PVを目標値SVに近づける操作量を指示する指令信号MVを出力する。指令信号出力部21は、指令信号MVをコントロールバルブ3と状態推定部22とに出力する。
目標値SVは、炉等の制御対象4における希望温度であり、制御量PVは炉内の実際の温度である。また、指令信号MVは、炉内の希望温度と実際の温度との差を減少させるために、コントロールバルブ3の制御を指示する信号である。
コントロールバルブ3は、調節器2からの指令信号MVに基づいて、制御対象4へ供給される流体の流量を調節する。コントロールバルブ3は、モータ31と、電動弁32と、配管33と、ポテンショメータ34とを有する。モータ31は、指令信号MVに含まれる第1の指令信号に基づいてある方向に回転(例えば、正転)する。また、モータ31は、指令信号MVに含まれる第2の指令信号に基づいてある方向とは逆方向に回転(例えば、反転)する。第1の指令信号および第2の指令信号は、指令信号出力部21から間欠的に出力される信号である。なお、指令信号出力部21は、いずれか一方の信号を出力している間は他方の信号は出力しない。
モータ31は、指令信号出力部21から出力される1回分の指令信号MVの継続する時間に応じて、正転または逆転の動作を継続して行う。電動弁32は、モータ31の回転により開方向または閉方向のいずれかの方向に移動して開度が変化する。具体的には、電動弁32は、第1の指令信号に基づくモータの正転により開方向に位置が変化する。電動弁32が開方向に動作することで、配管33を介して制御対象4に流入する流体(例えば、ガス)の流量が増加する。また、電動弁32は、第2の指令信号に基づくモータの反転により閉方向に位置が変化する。電動弁32が閉方向に動作することで、配管33を介して制御対象4に流入するガスの流量が減少する。
電動弁32の開度が変化することで、配管33内のガスの流量も変化し、制御対象4側の配管33の一端に設けられるバーナ(後述する図9に示すバーナ35)の火力が調節される。具体的には、バーナの火力が大きくなれば制御対象4内の温度が上昇し、バーナの火力が小さくなれば制御対象4内の温度が低下する。このようにして調節された温度を示す制御量PVは、制御対象4から指令信号出力部21に出力される。
また、モータ31の回転によりポテンショメータ34から調節器2の状態推定部22に入力される電圧が変化する。ポテンショメータ34は、モータの31の回転に伴う移動量や回転角を電圧に変換する機器であり、具体的には可変抵抗器やロータリーエンコーダ等である。本実施の形態では可変抵抗器を例に説明するが、上述のように回転角や移動量を変換する機器であれば他の機器を用いてもよい。
ポテンショメータ34は、モータ31の回転により生じる電動弁32の移動量に応じたフィードバック信号FBを状態推定部22に出力する。言い換えると、ポテンショメータ34は、モータ31が回転することで開度が変化する電動弁32の弁の開度の変化量に応じたフィードバック信号FBを状態推定部22に出力する。
なお、電動弁32は、例えば全閉の位置が開度0%で、全開の位置が開度100%となる。そして、電動弁32の開度の変化量は、開度が変化した割合(変化率)である。例えば、電動弁32の位置が全閉から全開の位置まで変化した場合、電動弁32の開度の変化量は+100%となる。また例えば、電動弁32の位置が全閉の位置から開方向に20%変化(開度0%→20%)した場合は、電動弁32の開度の変化量は+20%となる。さらに、電動弁32の位置が全閉から全開の位置までの半分の位置(開度50%)の場合に、閉方向に30%変化(開度50%→20%)した場合は、電動弁32の開度の変化量は−30%となる。
<A−2.状態推定部の機能(変化量算出部)>
状態推定部22は、指令信号出力部21から出力された指令信号MVと、ポテンショメータ34から出力されたフィードバック信号FBとに基づいて電動弁32の状態を推定する。具体的には、状態推定部22は、指令信号MVの出力が継続した時間の長さと、電動弁32の弁開度の度合いとに基づいて電動弁32の状態を推定する。
図2を参照して状態推定部22の機能について説明する。図2は、本実施の形態に従う状態推定部22の機能を説明する図である。状態推定部22は、変化量算出部221と、有効時間算出部223と、判断部225とを含む。
変化量算出部221は、指令信号出力部21から間欠的に出力される1回分の指令信号MVに応じた、電動弁32の弁開度の基準変化パターンを基準とした追従度P3を算出する。追従度P3は、電動弁32のキャリブレーション時に取得される弁開度の基準変化パターン(例えば、後述する図7等に示す弁開度の基準変化パターンであり、以下、基準変化パターンともいう。)BPに示される正常時の(理想的な)電動弁32の変化量と比べて、現在の電動弁32の変化量とどれくらい追従できているかを示す値であり、現在の電動弁32の性能を示す指標である。変化量算出部221は、計測開度の変化量P1を基準開度の変化量P2により除算することで、追従度P3を算出する。
計測開度の変化量P1は、調節システム1が製造された後、実際に運用されているときの1回分の指令信号MVにより算出される値である。指令信号出力部21から出力される1回分の指令信号MVが発生(ON)したタイミングで、モータ31が正転または反転を開始し、電動弁32の開度が変化する。この指令信号MVの出力が継続している間は、モータ31の回転と電動弁32の開度の変化が継続する。指令信号MVの出力が終了(OFF)すると、モータ31は回転を停止し、電動弁32の開度の変化はゼロになる。
また、モータ31の回転に伴いポテンショメータ34の可変抵抗器の抵抗値が変化することで、フィードバック信号FBの電圧が変化する。例えば、モータ31の正転に伴い可変抵抗器の抵抗値が減少することで、フィードバック信号FBの電圧が減少する。また、例えば、モータ31の反転に伴い可変抵抗器の抵抗値が増加することで、フィードバック信号FBの電圧が増加する。
このようにして変化量算出部221は、調節システム1が製造された後、実際に運用されているときに、ポテンショメータ34の可変抵抗器の抵抗値の変化に伴う電圧の変化量に応じたフィードバック信号FBを取得して、電動弁32の計測開度の変化量P1を算出する。なお、変化量算出部221は、計測開度の変化量P1における電動弁32の開度の変化が開始される位置(現在位置)を、記憶装置23に記憶されている電動弁32の初期位置と、電動弁32のこれまで(前回以前)の開度の変化量とに基づいて導出する。
基準開度の変化量P2は、基準変化パターンBPのうちの1回分の指令信号MVに対応する区間における変化量である。具体的には、基準開度の変化量P2は、後述する図7の時間t17〜t18(時間T1)の区間における抵抗値Q1からQ2の変化量に対応する変化量20%(開度60%→80%)である。変化量算出部221は、計測開度の変化量P1に対応する基準開度の変化量P2の区間を特定し追従度P3を算出する。
変化量算出部221は、1回分の指令信号MVが出力された時点の電動弁32の現在位置と、この1回分の指令信号MVの出力が継続した時間の長さとから、計測開度の変化量P1に対応する変化量の区間を特定する。これにより、調節器2は、現在の電動弁32の性能を判断するのに最適な基準開度の変化量P2を特定できる。変化量算出部221は、例えば、計測開度の変化量P1における1回分の指令信号MVが出力された時点の電動弁32の現在位置が開度60%の場合で、この1回分の指令信号MVの出力が継続した時間の長さ時間t17〜t18までの時間の長さ(時間T1)と同じ長さのときは、基準変化パターンBPのうちの時間t17〜t18の区間の基準変化量を特定する。時間t17〜t18の区間の基準変化量は、抵抗値の変化量r7に対応する開度の変化量が20%であり、この変化量が現在の計測開度P1に対応する基準開度の変化量P2となる。
図3を参照して計測開度の変化量P1と基準開度の変化量P2と追従度P3との関係について説明する。図3は、本実施の形態に従う計測開度の変化量P1と基準開度の変化量P2と追従度P3との関係を示す図である。図3の横軸は変化量の値(変化率)を示す。
例えば、上述の時間t17〜t18の区間の変化量を当てはめて、基準開度の変化量P2を20%とした場合、計測開度の変化量P1が14%のときは、追従度P3は70%となる。すなわち、電動弁32は、正常時(100%)に比べて現在の性能が70%となっている。言い換えると、現在の電動弁の劣化量は30%であり、基準変化パターンBPの変化量を基準とした乖離度合いが30%となる。このように乖離度合いは、電動弁32の正常時に対する現在の劣化度合いを示す指標であり、追従度と乖離度合いとは相反する関係となる。
図4を参照して、基準変化パターンBPの具体的な算出方法について説明する。図4は、本実施の形態に従う基準変化パターンBPの導出について説明する図である。図4の横軸は時間(秒)を示し、各時間軸では上から第1の指令信号のON/OFF状態、第2の指令信号のON/OFF状態、および、開度の変化量を示す。
時間t10で指令信号出力部21が第1の指令信号をコントロールバルブ3に出力する(第1の指令信号ON)ことで、モータ31が正転を開始する。モータ31の正転により電動弁32は全閉の位置から開方向に変化し開度が変化する。変化量算出部221は、第1の指令信号がONになったタイミング(時間t10)から第1の指令信号がOFFになるタイミング(時間t20)までの電動弁32の開度の変化量をポテンショメータ34の抵抗値の変化に基づく電圧の変化量から算出する。
具体的には、変化量算出部221は、第1の指令信号がONとなるタイミング(時間t10)から全閉の位置にある電動弁32が開方向への変化を開始し、第1の指令信号がOFFとなるタイミング(時間t20)までに全開の位置に変化するまでの電圧の変化を示すフィードバック信号FBを取得する。変化量算出部221は、取得したフィードバック信号FBに基づいて、電動弁32の位置が全閉から全開の位置に変化するまでの抵抗値の変化と、開度の変化とを示す基準変化パターンBP1を導出して記憶装置23に保持する。
時間t20からt30の間は第1の指令信号および第2の指令信号は出力されることないため、電動弁32の位置は全開の位置ままであり、開度の変化は生じない。
時間t30で指令信号出力部21が第2の指令信号をコントロールバルブ3に出力する(第2の指令信号ON)ことで、モータ31が反転を開始する。モータ31の反転により電動弁32は全開の位置から閉方向に変化し開度が変化する。変化量算出部221は、第2の指令信号がONになったタイミング(時間t30)から第2の指令信号がOFFになるタイミング(時間t40)まで電動弁32の開度の変化量をポテンショメータ34の抵抗値の変化に基づく電圧の変化量から算出する。
具体的には、変化量算出部221は、第2の指令信号がONとなるタイミング(時間t30)から全開の位置にある電動弁32が閉方向への変化を開始し、第2の指令信号がOFFとなるタイミング(時間t40)までに全閉の位置に変化するまでの電圧の変化を示すフィードバック信号FBを取得する。変化量算出部221は、取得したフィードバック信号FBに基づいて、電動弁32の位置が全開から全閉の位置に変化するまでの抵抗値の変化と、開度の変化とを示す基準変化パターンBP2を導出して記憶装置23に保持する。
なお、上述の電動弁32の全閉から全開までの基準変化パターンBP1と全開から全閉までの基準変化パターンBP2との時間ごとの開度の値は異なる値となる。このように異なる値となるのは、モータ31の正転と反転とのトルクの違いや、電動弁32が開方向に移動する場合と、閉方向に移動するときの速度の違い等によるものである。
このように、変化量算出部221は、指令信号出力部21による指令信号MVに基づいて、基準変化パターンBP1を導出する。指令信号出力部21は、電動弁32の位置が全閉の位置のときに1回分の指令信号MVを発生(ON)させて、開方向に変化している間は指令信号MVの出力を継続して、全開の位置となったときに指令信号MVの出力を終了(OFF)させる。また、変化量算出部221は、指令信号出力部21による指令信号MVに基づいて、基準変化パターンBP2を導出する。指令信号出力部21は、電動弁32の位置が全開の位置のときに1回分の指令信号MVを発生(ON)させて、閉方向に変化している間は指令信号MVの出力を継続して、全閉の位置となったときに指令信号MVの出力を終了(OFF)させる。なお、以下では、基準変化パターンBP1とBP2とを総称して基準変化パターンBPという場合もある。
なお、基準変化パターンBPの導出は、上述のように調節システム1の最初の稼働時や、調節システム1のメンテナンス時などのキャリブレーション時に行われる。すなわち電動弁32が正常な状態のときに行われる。そのため、基準変化パターンBPのうちの基準開度の変化量P2は、電動弁32が正常な状態での変化量である。基準変化パターンBPは、記憶装置23に保持される。なお、基準変化パターンBPが記憶装置23に格納された後に新たな基準変化パターンBPが算出された場合は、更新後の基準変化パターンBPが記憶装置23に保持される。記憶装置23は、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置などで構成される。
<A−3.状態推定部の機能(有効時間算出部)>
図2に戻り、状態推定部22の有効時間算出部223は、指令信号MVの出力が継続した時間から、むだ時間TDを減じることで、有効時間TEを算出する。有効時間TEは、電動弁32が実質的に動作した時間である。最初に、図5および図6を参照して、むだ時間TDについて説明する。
図5は、本実施の形態に従う電動弁32が全閉の位置から開方向に開度が変化する場合のむだ時間TD1について説明する図である。図6は、本実施の形態に従う電動弁32が全開の位置から閉方向に開度が変化する場合のむだ時間TD2について説明する図である。
図5の基準変化パターンBP1と、図6の基準変化パターンBP2とは、図4で説明した基準変化パターンBP1と、基準変化パターンBP2と同じパターンである。図5および図6の横軸は時間(秒)を示し、縦軸は電動弁32の開度(%)を示す。図5において、指令信号出力部21は、時間t10〜t20まで継続して指令信号MV(第1の指令信号)を出力する。このように第1の指令信号の出力がONとなる時間t10から第1の指令信号の出力がOFFとなる時間t20までの時間を以下ではトラベル時間TR1という。時間t10〜t20のトラベル時間TR1のうち、時間t10からt11までの間は電動弁32の位置を開方向に変化させる第1の指令信号が発せられているにもかかわらず、実際には電動弁32の開度が変化しない、むだ時間TD1が発生している。
有効時間算出部223は、第1の指令信号の出力の開始タイミングと電動弁32の開度の変化の開始タイミングとに基づき、むだ時間TD1を算出する。すなわち、有効時間算出部223は、第1の指令信号が出力された時点から電動弁32の開度の変化が開始する時点までのむだ時間TD1を算出する。
また、図6において、指令信号出力部21は、時間t30〜t40まで継続して指令信号MV(第2の指令信号)を出力する。このように第2の指令信号がONとなる時間t30から第2の指令信号がOFFとなる時間t40までの時間を以下ではトラベル時間TR2という。時間t30〜t40のトラベル時間TR2のうち、時間t30からt31までの間は電動弁32の位置を開方向に変化させる第2の指令信号が発せられているにもかかわらず、実際には電動弁32の開度が変化しない、むだ時間TD2が発生している。
有効時間算出部223は、第2の指令信号の出力の開始タイミングと電動弁32の開度の変化の開始タイミングとに基づき、電動弁32が全開状態から開度が変化するまでのむだ時間TD2を算出する。すなわち、有効時間算出部223は、第2の指令信号が出力された時点から電動弁32の開度の変化が開始する時点までのむだ時間TD2を算出する。これにより、調節器2は、指令信号MVの出力が開始されてから終了するまでの間で、電動弁32が実質的に動作した時間の算出に必要な情報を取得できる。
以下では、むだ時間TD1とむだ時間TD2とを第1のむだ時間という場合がある。また、むだ時間TD1とむだ時間TD2とを総称してむだ時間TDという場合がある。むだ時間TDは、モータ31の駆動に関する摩擦力による生じるものであり、例えば、モータ31が停止状態から駆動し始めたときに、その駆動力が軸回りの摩擦力よりも大きくなるまでにかかる時間である。なお、むだ時間TD1とTD2との時間の長さは、基本的には異なる時間となる。モータの正転と反転とではトルクが異なることが多いためである。むだ時間TDは記憶装置23に保持される。
また、以下では、上述のトラベル時間TR1とトラベル時間TR2とを総称してトラベル時間TRという場合がある。有効時間算出部223は、トラベル時間TRからむだ時間TDを減じることで、電動弁32が実質的に動作した時間である有効時間TEを算出する。
なお、有効時間算出部223が電動弁32の全閉状態から全開状態となるまでの間の第1のむだ時間(むだ時間TD1、TD2)を算出することについて説明した。これに対して、有効時間算出部223は、むだ時間TD3とむだ時間TD4とを算出するようにしてもよい。むだ時間TD3は、電動弁32が全閉から全開までの途中の位置にある場合に、電動弁32の現在の変化方向と直前の変化方向とが同じ方向のときのむだ時間である。むだ時間TD4は、電動弁32が全閉から全開までの途中の位置にある場合に、電動弁32の現在の変化方向と直前の変化方向とが異なる方向のときのむだ時間である。
むだ時間TD3とむだ時間TD4は基本的には異なる時間となる。具体的には、むだ時間TD3よりもむだ時間TD4が長い時間となる。モータ31の回転方向が逆回転となるため、モータが駆動するまでに時間を要するためである。なお、以下では、むだ時間TD3とむだ時間TD4とを総称して第2のむだ時間という場合がある。また、むだ時間TD3およびむだ時間TD4を、上述のむだ時間TD1およびTD2とともに総称してむだ時間TDという場合がある。
また、第2のむだ時間は、第1のむだ時間よりも短い時間となる。有効時間算出部223は、例えば第2のむだ時間を第1のむだ時間の半分(1/2)の時間として算出する。
有効時間算出部223は、このようにしてむだ時間TDを算出し、1回の指令信号の出力が継続した時間の長さであるトラベル時間TRからむだ時間TDを減じることで、電動弁32が実質的に動作した時間である有効時間TEを算出する。これにより、調節器2は、電動弁32が全閉から全開までのいずれの位置にある場合でもむだ時間TDを用いて正確な有効時間TEを算出できる。
<A−4.状態推定部の機能(判断部)>
図2に戻り、状態推定部22は、変化量算出部221が算出した追従度P3と、有効時間算出部223が算出した有効時間TEとに基づいて、基準変化パターンBPの変化量を基準とした、単位時間あたりの追従度を算出する。
判断部225は、単位時間あたりの追従度に基づく乖離度合いから電動弁32が予め定められた異常状態であるか否かを判断する。これにより、調節器2は、目標値SVに対する制御を行う場合に、電動弁32の状態を判断できる。また、調節器2は、目標値SVと制御量PVとに差が生じる原因の少なくとも一つを特定できる。
<A−5.まとめ>
このように、調節器2の指令信号出力部21は、ユーザの使用する端末から取得した目標値SVと、制御対象4から取得した制御量PVとの入力を受け付ける。指令信号出力部21は、目標値SVと制御量PVとに基づく指令信号MVをコントロールバルブ3に出力する。状態推定部22の変化量算出部221は、指令信号MVに基づくモータ31の回転によるポテンショメータ34の電圧の変化を示すフィードバック信号FBを取得して、電動弁32の開度の現在の変化量である計測開度の変化量P1を算出する。
状態推定部22の変化量算出部221は、電動弁32の現在の開度の変化量を示す計測開度の変化量P1を、電動弁32の正常時の開度の変化量を示す基準開度の変化量P2で除算することで、電動弁32の正常時の開度の変化量に対する現在の開度の変化量の割合を示す追従度P3を算出する。基準開度の変化量P2は、キャリブレーションにより取得された電動弁32の弁開度の基準変化パターンのうちのある区間(時間)の変化量である。計測開度の変化量P1に対する基準開度の変化量P2の特定は、計測開度の変化量P1における1回分の指令信号MVが出力された時点の電動弁32の現在位置と、1回分の指令信号MVが出力が計測した時間の長さとに基づいて行われる。
状態推定部22の有効時間算出部223は、1回分の指令信号MVの出力の開始タイミングと電動弁32の開度の変化の開始タイミングとに基づきむだ時間TDを算出する。有効時間算出部223は、出力が継続した時間の長さを示すトラベル時間TRからむだ時間TDを減じることで、電動弁32が実質的に動作した時間である有効時間TEを算出する。
判断部225は、追従度P3と有効時間TEとに基づく単位時間あたりの追従度PTと、予め定められた閾値である異常判断閾値23aとに基づいて電動弁32の状態が異常状態であるか否かを判断する。判断部225は、例えば、単位時間あたりの追従度PTが異常判断閾値23aの未満の場合に電動弁32の状態が異常状態であると判断する。言い換えると、判断部225は、例えば、単位時間あたりの乖離度合いが異常判断閾値23a以上の場合に電動弁32の状態が異常状態であると判断する。これにより、調節器2は、目標値SVに対する制御を行う場合に、電動弁32の状態を判断できる。また、調節器2は、目標値SVと制御量PVとに差が生じる原因の少なくとも一つを特定できる。
<B.異常判断処理の具体例>
<B−1.基準開度の変化量と抵抗値の変化量についての説明>
次に、図7および図8を参照して、異常判断処理の具体例について詳細に説明する。図7は、本実施の形態に従う基準開度の変化量P2と抵抗値変化量について説明する図である。図7の横軸は時間(秒)を示し、縦軸の左側は電動弁32の開度(%)を示す。また、縦軸の右側は、抵抗値(Ω)を示す。
有効時間算出部223は、時間t10で第1の指令信号がONになってから、時間t20で第1の指令信号がOFFになるまでの第1の指令信号の継続した時間の長さ(トラベル時間TR1)を算出する。有効時間算出部223は、トラベル時間TR1(時間t10〜t20)からむだ時間TD(時間t10〜t11)を減じた有効時間TE(時間t11〜t20)を算出する。
有効時間算出部223は、1回分の指令信号MVが出力された時点の電動弁32の現在位置に応じて、複数のむだ時間のうち有効時間の算出に用いるむだ時間を選択する。具体的には、有効時間算出部223は、1回分の指令信号MVが出力された時点の電動弁32の現在位置が例えば全閉の場合は、むだ時間TD1〜TD4のうち有効時間TEの算出に用いるむだ時間TD1を選択する。むだ時間TD1は、電動弁32が全閉状態から開度が変化するときのむだ時間である。
また具体的には、有効時間算出部223は、1回分の指令信号MVが出力された時点の電動弁32の現在位置が例えば全開の場合は、むだ時間TD1〜TD4のうち有効時間TEの算出に用いるむだ時間TD2を選択する。電動弁32が全開状態から開度が変化するときのむだ時間である。これにより、調節器2は、指令信号MVの出力が開始された時点の電動弁32の現在位置が全閉または全開の位置の場合に、その位置に応じたむだ時間を適切に選択できる。調節器2は、電動弁32の位置が全閉位置の場合と全開位置の場合のそれぞれの位置に応じたむだ時間を選択できる。また、調節器2は、電動弁32の位置が全閉位置または全開位置の場合に、有効時間TEの算出に必要な情報を選択できる。
有効時間算出部223は、1回分の指令信号MVが出力された時点の電動弁32の現在位置および1回分の指令信号MVが指示する電動弁32の現在の変化方向と、1回分の指令信号MVが指示する電動弁32の直前の変化方向とに応じて、複数のむだ時間TDのうち有効時間TEの算出に用いるむだ時間TDを選択する。具体的には、有効時間算出部223は、1回分の指令信号MVが出力された時点の電動弁32の現在位置が、例えば全閉から全開の途中の位置で、1回分の指令信号MVが指示する電動弁32の現在の変化方向が開方向で、1回分の指令信号MVが指示する電動弁32の直前の変化方向が開方向の場合、むだ時間TD3a(TD3)を有効時間TEの算出に用いるむだ時間として選択する。なお、むだ時間TD3は、電動弁32の位置が全閉から全開の途中の位置で直前の変化方向と同じ方向に変化するときのむだ時間である。
また、具体的には、有効時間算出部223は、1回分の指令信号MVが出力された時点の電動弁32の現在位置が、例えば全閉から全開の途中の位置で、1回分の指令信号MVが指示する電動弁32の現在の変化方向が開方向で、1回分の指令信号MVが指示する電動弁32の直前の変化方向が閉方向の場合、むだ時間TD4a(TD4)を有効時間TEの算出に用いるむだ時間として選択する。むだ時間TD4は、電動弁32の位置が全閉から全開の途中の位置で直前の変化方向と異なる方向に変化するときのむだ時間TDである。このように、調節器2は、調節器2は、電動弁32が全閉から全開までの途中に位置する場合にその変化方向に応じた適切なむだ時間TDを選択できる。また、調節器2は、電動弁32の位置が全閉から全開の途中の位置の場合に、有効時間TEの算出に必要な情報を選択できる。
なお、図7および図8では時間t10〜t20の間の時間t14の直前で第1の指令信号がOFFとなり、時間t14でONになることで、時間t14〜t14aにおいてむだ時間TD3aが発生している。このように電動弁32の開度の変化が、基準変化パターンBP破線で示されている。なお、基準変化パターンBPは、基準変化パターンBP1を例に説明する。
状態推定部22の変化量算出部221は、基準変化パターンBP1の時間t10〜t20間を例えば10等分して、それぞれの区間における基準開度の変化量P2を算出する。具体的には、変化量算出部221は、時間t10〜t11、時間t11〜t12、時間t12〜t13、・・・・・、時間t18〜t19、および、時間t19〜t20の各時間の区間における基準開度の変化量P2を算出する。具体的には、変化量算出部221は、ポテンショメータ34の可変抵抗器の抵抗の変化量(電圧の変化量)と算出して、これに対応する基準開度の変化量P2を算出する。
変化量算出部221は、時間t10〜t11の間の抵抗値の変化量0Ωを算出して、この間の電動弁32の基準開度の変化量P2が0%であることを算出する。この時間は第1の指令信号がON状態であるにも関わらず、開度の変化量が0%であることからむだ時間TDとなる。また、変化量算出部221は、時間t11以降の各区間から抵抗値の変化量を算出して、それぞれの区間の電動弁32の基準開度の変化量P2を算出する。例えば、変化量算出部221は、時間t15〜t16の間の抵抗値の変化量r5Ωを算出して、この抵抗値の変化量に対応する電動弁32の基準開度の変化量P2を10%(開度40%→50%)として算出する。また、別の例としては時間t16〜t17の間の抵抗値の変化量r6Ωを算出して、この抵抗値の変化量に対応する電動弁32の基準開度の変化量P2を10%(開度50%→60%)として算出する。このようにして、変化量算出部221は、各区間の抵抗値の変化量を算出し、抵抗値の変化量に対応する基準開度の変化量P2aを記憶装置23に格納する。なお、抵抗値の変化量は、上述のフィードバック信号FBの電圧の変化量に対応する値である。
ここで、図7、8の破線で示す基準変化パターンBP1は非線形の曲線となっている。変化量算出部221は、各区間の曲線に対して線形補完を行うことで、基準変化パターンBP1を直線に近似する処理を行う。変化量算出部221は、例えば、時間t17における抵抗値Q1と、時間t18における抵抗値Q2との間の曲線に対して線形補完を行うことで曲線を直線に近似する。変化量算出部221は、他の区間でもこのような線形補完を行うことで、非線形性を有する曲線を複数の直線をつないで近似した折線近似を実行し、折線推移線PLを算出する。これにより、調節器2は、電動弁32の開度の変化量に対する抵抗値の変化量を容易に算出できる。
<B−2.異常判定処理>
次に、異常判定処理の具体例について、図8を用いて説明する。図8は、本実施の形態に従う異常判定処理の具体例について説明する図である。図8に示すように、電動弁32の今回の開度変化の開始位置が、全閉から全開までの途中の位置にあるとして説明する。具体的には、電動弁32が全閉状態である開度0%から開方向に22%移動した開度22%の位置にあり、トラベル時間が時間t14〜17に相当する時間(トラベル時間TR3)であるとして説明する。
変化量算出部221は、計測開度の変化量P1に関し、電動弁32の開度の変化が開始した位置が開度22%であり、トラベル時間TR3の場合、抵抗値Q3〜Q4まで変化する計測パターンRLが得られ、抵抗値の変化量R1(r4b+r5)を算出する。変化量算出部221は、基準変化パターンBP1の変化量の区間を電動弁32の現在位置(22%)とトラベル時間TR3から時間t14〜t17として特定する。この区間における抵抗値Q3〜Q5までの抵抗値の変化量R2(r4b+r5+r6)を算出する。
なお、時間t14〜t14aの間はむだ時間TD3aとなるため、抵抗の変化量r4aは0Ωとなる。このむだ時間TD3aは、例えば、指令信号出力部21が時間t10〜t20(第1の指令信号ON〜OFF)の間において、時間t14の例えば直前に電動弁32を開方向に変化させる第1の指令信号の出力をOFFして、時間t14で第1の指令信号の出力をONすることで算出される。また、むだ時間TD1の半分の時間をむだ時間TD3aとしてもよい。
有効時間算出部223は、第1の指令時間のONからOFFまでにトラベル時間TR3からむだ時間TD3を減じて有効時間TE3を算出する。
状態推定部22は、(P1/P2)=P3、P3/TE3=BTの計算を行う。状態推定部22は、抵抗の変化量R1に対応する計測開度の変化量P1を、抵抗の変化量R2に対応する基準開度の変化量P2で除算して、追従度P3を算出する。また、状態推定部22は、追従度P3を有効時間TE3で除算して、単位時間あたりの追従度PTを算出する。
判断部225は、単位時間あたりの追従度PTに基づいて、電動弁32が予め定められた異常状態であるか否かを判断する。具体的には、判断部225は、記憶装置23に格納されている異常判断閾値23aを読み出す。判断部225は、例えば、単位時間あたりの追従度PTが異常判断閾値23a未満の場合に電動弁32の状態が異常であると判断し、弁追従度PTが異常判断閾値以上のときに電動弁32の状態が正常であると判断する。言い換えると、判断部225は、例えば、単位時間あたりの乖離度合いが異常判断閾値23a以上の場合に電動弁32の状態が異常であると判断し、乖離度合いが異常判断閾値未満のときに電動弁32の状態が正常であると判断する。これにより、調節器2は、目標値SVに対する制御を行う場合に、電動弁32の状態を判断できる。また、調節器2は、目標値SVと制御量PVとに差が生じる原因の少なくとも一つを特定できる。
<C.ハードウェア構成>
図9は、本実施の形態に従う調節システム1のハードウェア構成例を示すブロック図である。図9を参照して、調節システム1は、炉等の制御対象4における温度の調節を行うシステムであって、調節器2と、コントロールバルブ3と、警報器5とを含む。
調節器2は、制御対象4の温度を検出して、コントロールバルブ3に指令を行う。そのため、コントロールバルブ3は調節器2の操作要素となる。調節器2は、プロセッサ20と記憶装置23と、定電流回路24と、AD(Analog-to-Digital)コンバータ25と、第1のスイッチ部SW1と、第2のスイッチ部SW2と、検知部30と、警報信号出力部50とを含む。
プロセッサ20は、記憶装置23に格納されたプログラムを読み出して処理を実行することで、電動弁32を操作要素として利用し、制御対象4を制御する。プロセッサ20は記憶装置23に格納された指令信号出力プログラム21aを読み出して実行する。具体的には、プロセッサ20は、ユーザが操作する外部端末(図示せず)から入力された目標値SVと、制御対象4からの受け付けた制御量PVとにより、制御量PVが目標値SVに近づくような操作量を指示する指令信号MVを第1のスイッチ部SW1と第2のスイッチ部SW2のいずれかに出力する。
第1のスイッチ部SW1および第2のスイッチ部SW2は、電動弁32の開閉を切替える。本実施の形態では、第1のスイッチ部SW1および第2のスイッチ部SW2は、開動作用リレー131、および、閉動作用リレー132を含んでいる。第1のスイッチ部SW1および第2のスイッチ部SW2は、プロセッサ20からの指令信号MVに基づき、開動作用リレー131、および、閉動作用リレー132のいずれかをON(導通状態)とする。開動作用リレー131がONされると、コントロールバルブ3に対して第1の指令信号が出力され、閉動作用リレー132がONされると、第2の指令信号が出力される。
目標値SVは、例えば炉等の制御対象4における希望温度であり、制御量PVは炉内の実際の温度である。また、指令信号MVは、炉内の希望温度と実際の温度との差を減少させるために、第1のスイッチ部SW1と第2のスイッチ部SW2のいずれかがOFF状態からON状態となることで、コントロールバルブ3に含まれるモータ31を駆動する。
制御対象4には、熱電対41が設けられており、熱電対41の端子間に発生する熱起電力に基づき、制御対象4の実際温度に対応する温度を検知部30が検知して、制御量PVとしてプロセッサ20に出力する。
コントロールバルブ3は、調節器2からの指令信号MVに基づいて、制御対象4へ供給される流体の流量を調節する。コントロールバルブ3は、モータ31と、電動弁32と、配管33と、ポテンショメータ34とを有する。モータ31は、指令信号MVに含まれる第1の指令信号により第1のスイッチ部SW1がON状態となることで、ある方向に回転(例えば、正転)する。また、モータ31は、指令信号MVに含まれる第2の指令信号により第2のスイッチ部SW2がON状態となることで、ある方向とは逆方向に回転(例えば、反転)する。第1の指令信号および第2の指令信号は、指令信号出力部21から間欠的に出力される信号である。
なお、指令信号出力部21は、いずれか一方のスイッチへ信号を出力している場合、他方のスイッチへの信号は出力しない。このように、モータ31は、指令信号出力部21から出力される1回分の指令信号MVの継続する時間に応じて、正転または逆転することで、電動弁32は開方向または閉方向のいずれかの方向に移動する。
電動弁32は、第1の指令信号に基づくモータの正転により開方向に移動する。このように電動弁32が開方向に動作することで、配管33を介して制御対象4に流入するガスの流量が増加する。また、電動弁32は、第2の指令信号に基づくモータの反転により閉方向に移動する。このように電動弁32が閉方向に動作することで、配管33を介して制御対象4に流入するガスの流量が減少する。
電動弁32の動作により配管33内のガスの流量を調節することで、制御対象4側の配管33の一端に設けられるバーナ35の火力が調整される。具体的には、バーナ35の火力が大きくなれば制御対象4内の温度が上昇し、バーナの火力が小さくなれば制御対象4内の温度が低下する。このように調節された温度を示す制御量PVが、制御対象4からプロセッサ20に出力される。
また、モータ31の回転によりポテンショメータ34からプロセッサ20に入力される電圧が変化する。ポテンショメータ34は、モータの31の回転に伴う移動量や回転角を電圧に変換する機器であり、具体的には可変抵抗器340である。可変抵抗器340は、摺動子(摺動する端子)W、端子Cおよび端子Oを有し、モータ31の回転に連動して、摺動子Wが端子Cと端子Oとの間を摺動する。摺動子Wの摺動により、可変抵抗器340の抵抗値は変化する。例えば電動弁32が開方向に制御されている場合、摺動子Wは端子C側へ摺動し、電動弁32が閉方向に制御されている場合には、摺動子Wは端子O側へ摺動する。摺動子Wが端子Cに到達すると、電動弁32の位置は全開位置となるためモータ31の回転は停止する。摺動子Wが端子Oに到達すると、電動弁32の位置は全閉位置となるためモータ31の回転は停止する。
可変抵抗器340を含むポテンショメータ34は、モータ31の回転により生じる移動量に応じたフィードバック信号FBを出力する。具体的には、ポテンショメータ34は、モータ31が回転することで開度が変化する電動弁32の弁の開度の変化量に応じたフィードバック信号FBをADコンバータ25に出力する。
ADコンバータ25は、可変抵抗器340の上記3つの端子W、C、Oそれぞれと接続される。ADコンバータ25は、フィードバック信号FBに基づき、可変抵抗器340の端子Wと端子Cと間の電圧を検出する。ADコンバータ25により検出された電圧は、プロセッサ20に出力される。また、定電流回路24から可変抵抗器340の端子Oと端子Cとの間を通る電流が供給される。
プロセッサ20は、記憶装置23に格納された状態推定プログラム22aを読み出して実行する。具体的には、プロセッサ20は指令信号出力部21から出力された指令信号MVと、ポテンショメータ34から出力されたフィードバック信号FBとに基づいて電動弁32の状態を推定する。
プロセッサ20は、計測開度の変化量P1と基準開度の変化量P2とに基づいて、追従度P3を算出する。
また、プロセッサ20は、トラベル時間TRからむだ時間TDを減じることで有効時間TEを算出する。プロセッサ20は、追従度P3を有効時間TEで除算して、単位時間あたりの追従度PTを算出する。
プロセッサ20は、電動弁32の単位時間あたりの追従度PT(単位時間あたりの乖離度合い)に基づいて、電動弁32が予め定められた異常状態であるか否かを判断する。具体的には、プロセッサ20は、記憶装置23に格納されている異常判断閾値23aを読み出して、例えば、単位時間あたりの追従度PTが、異常判断閾値23aの速度未満(の場合に電動弁32の状態が異常であると判断する。また、プロセッサ20は、単位時間あたりの追従度PTが異常判断閾値以上のときに電動弁32の状態が正常であると判断する。
プロセッサ20は、電動弁32の状態が異常であると判断した場合は、警報信号出力部50に指示信号を出力する。プロセッサ20からの指示信号を受け付けた警報信号出力部50は、ユーザへの画像や音等で警告に関する信号を警報器5に出力する。警報器5は警報信号出力部50から出力された信号を受け付けてユーザに対する警告を出力する。これにより、調節器2は電動弁32が異常状態であることをユーザに対して確実に通知できる。
<D.プロセッサの制御構造>
図10を参照して、調節器2のプロセッサ20の制御構造について説明する。図10は、本実施の形態に従うプロセッサ20が実行する処理の一部を表すフローチャートである。プロセッサ20は、記憶装置23に記憶されている指令信号出力プログラム21a、状態推定プログラム22a、基準変化パターンBP、および、異常判断閾値23aを読み出して実行することで実現される。
ステップS101の処理において、プロセッサ20は、追従度P3と有効時間TEとに基づいて、単位時間あたりの追従度PTを算出する。
ステップS103の処理において、プロセッサ20は、単位時間あたりの追従度PTに基づいて、電動弁32が予め定められた異常状態であるか否かを判断する。具体的には、プロセッサ20は、記憶装置23に格納されている異常判断閾値23aを読み出して、単位時間あたりの追従度PTが異常判断閾値23a未満の場合は(ステップS103においてYES)、制御をステップS105に切り替える。また、単位時間あたりの追従度PTが異常判断閾値23a以上のときは(ステップS103においてNO)、この処理を終了する。
ステップS105の処理において、プロセッサ20は、電動弁32の状態が異常であると判断した場合は、警報信号出力部50に指示信号を出力する。プロセッサ20からの指示信号を受け付けた警報信号出力部50は、ユーザに対して画像や音等で警告に関する信号を警報器5に出力する。警報器5は警報信号出力部50からの信号を受け付けてユーザに対する警告を出力する。これにより、調節器2は電動弁32が異常状態であることをユーザに対して確実に通知できる。
次に、図11を参照して、むだ時間TDの設定の処理について説明する。図11は、本実施の形態に従うプロセッサ20が実行するむだ時間TDの設定についての処理の一部を表すフローチャートである。
ステップS201の処理において、プロセッサ20は、むだ時間TDの設定を開始するか否かを判定する。具体的には、プロセッサ20が、図10において説明したステップS101の処理における単位時間あたりの抵抗値の変化量R4を算出する場合に、ステップS201の処理が実行される。プロセッサ20は、むだ時間TDの設定を開始すると判断した場合は(ステップS201においてYES)、制御をステップS203に切り替える。また、プロセッサ20は、むだ時間TDの設定を開始しないと判断したときは(ステップS201においてNO)、この処理を終了する。
ステップS203の処理において、プロセッサ20は電動弁32の現在位置が全閉から全開までの途中の位置か否かを判断する。プロセッサ20は、現在の位置が全閉から全開までの途中の位置の場合(ステップS203でYES)、制御をステップS211に切り替える。プロセッサ20は、現在位置が全閉から全開までの途中の位置ではない場合(ステップS203でNO)、制御をステップS205に切り替える。
ステップS205の処理において、プロセッサ20は電動弁32の位置が全閉の位置か否かを判断する。プロセッサ20は電動弁32の位置が全閉の位置の場合は、(ステップS205でYES)、制御をステップS207に切り替える。プロセッサ20は、電動弁32の位置が全開の位置の場合は、(ステップS205でNO)、制御をステップS209に切り替える。
ステップS207の処理において、プロセッサ20は電動弁32の現在位置が全閉の位置であるため、むだ時間TD1(全閉→開方向)を選択して処理を終了する。
ステップS209の処理において、プロセッサ20は電動弁32の現在位置が全開の位置であるため、むだ時間TD2(全開→閉方向)を選択して処理を終了する。
ステップS211の処理において、プロセッサ20は、電動弁32の現在の変化方向が開方向か否かを判断する。プロセッサ20は、現在の変化方向が開方向の場合は(ステップS211においてYES)、制御をステップS213に切り替える。プロセッサ20は、現在の変化方向が開方向でない場合、すなわち閉方向の場合は(ステップS211においてNO)、制御をステップS219に切り替える。
ステップS213の処理において、プロセッサ20は、電動弁32の直前の変化方向が開方向か否かを判断する。プロセッサ20は、直前の変化方向が開方向の場合は(ステップS213においてYES)、制御をステップS215に切り替える。プロセッサ20は、直前の変化方向が開方向ではない場合、すなわち閉方向の場合は(ステップS213においてNO)、制御をステップS217に切り替える。
ステップS215の処理において、プロセッサ20は、指令信号MV(第1の指令信号)の出力の開始タイミング(トラベル時間TRの開始タイミング)から電動弁32の開度が変化するタイミングまでのむだ時間をむだ時間TD3aとして設定して処理を終了する。このむだ時間TD3aは、電動弁32の位置が全閉から全開の間の途中の位置で、直前の変化方向が開方向であり現在の変化方向も開方向に変化する場合のむだ時間となる。
ステップS217の処理において、プロセッサ20は、指令信号MV(第1の指令信号)の出力の開始タイミングから電動弁32の開度が変化するタイミングまでのむだ時間をむだ時間TD4aとして設定して処理を終了する。このむだ時間TD4aは、電動弁32の位置が全閉から全開の間の途中の位置で、直前の変化方向が閉方向であり現在の変化方向が開方向に変化する場合のむだ時間となる。
ステップS219の処理において、プロセッサ20は、電動弁32の直前の変化方向が開方向か否かを判断する。プロセッサ20は、直前の変化方向が開方向の場合は(ステップS219においてYES)、制御をステップS221に切り替える。プロセッサ20は、直前の移動方向が開方向ではない場合、すなわち閉方向の場合は(ステップS219においてNO)、制御をステップS223に切り替える。
ステップS221の処理において、プロセッサ20は、指令信号MV(第2の指令信号)の出力の開始タイミングから電動弁32の開度が変化するタイミングまでのむだ時間をむだ時間TD4bとして設定して処理を終了する。このむだ時間TD4bは、電動弁32の位置が全閉から全開の間の途中の位置で、直前の変化方向が開方向であり現在の変化方向が閉方向に変化する場合のむだ時間となる。
ステップS223の処理において、プロセッサ20は、指令信号MV(第2の指令信号)の出力の開始タイミングから電動弁32の開度が変化するタイミングまでのむだ時間をむだ時間TD3bとして設定して処理を終了する。このむだ時間TD3bは、電動弁32が全閉から全開の間の途中の位置にある状態で、直前の移動方向が閉方向であり現在の移動方向も閉方向に移動する場合のむだ時間となる。
このように、プロセッサ20は電動弁32の現在と直前の移動状況に応じたむだ時間TDを設定することで、有効時間TEを精度良く算出して、電動弁32の開度の状態を正確に判断できる。
次に、プロセッサ20がむだ時間TDを設定して有効時間TEを算出する処理の具体例について、図12を参照して説明する。図12は、本実施の形態に従うプロセッサ20の有効時間TEの算出処理について説明する図である。
プロセッサ20は、状態推定プログラム22aの有効時間を算出する機能部として、動作状態導出部201と、むだ時間設定部202と、むだ時間格納部203と、動作時間算出部204と、有効時間算出部223とを含む。
動作状態導出部201は、電動弁32の現在の移動方向に関する指令信号MVと、直前の移動方向に関する指令信号MV(−1)とから、電動弁32の直前の移動方向と現在の移動方向を導出する。動作状態導出部201は、例えば、直前の移動方向が閉方向であり現在の移動方向が開方向であることを導出する。
むだ時間設定部202は、動作状態導出部201により導出された電動弁32の直前の移動方向(閉方向)と現在の移動方向(開方向)とに基づき、むだ時間格納部203に格納された複数種類のむだ時間TD(例えば、むだ時間TD1〜TD4b)の中から、むだ時間TD1を選択する。
むだ時間格納部203は、記憶装置23から読み出した情報を展開するメモリであり、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)などの揮発性記憶装置などで構成される。
動作時間算出部204は、現在の移動方向に関する指令信号MVの出力が継続した時間の長さを示すトラベル時間TRを算出する。
有効時間算出部223は、トラベル時間TRからむだ時間TD1を減じた有効時間TEを算出する。これによりプロセッサ20は、電動弁32が実際に動作を開始して終了するまでの正確な時間を算出できる。
<E.変形例>
本実施の形態では、上述のように制御対象4を炉としてこの炉内の温度を制御するために、流体をガスとして制御対象4へ放出されるガスの流量の調節を例として説明したが、制御対象4はこれに限定されることなく他(例えば、水槽等)を対象とするものであってもよい。この場合、制御対象4へ放出される流体は水であり、水槽内の水位を制御するために、水の流量を調節するようにしてもよい。
本実施の形態では、変化量算出部221は、基準開度の変化量P2を算出するための区間の設定に関して、基準変化パターンBPの時間を10分割することを説明した。分割する数は例示であって、10よりも多くても少なくてもよい。また、変化量算出部221は、分割せずに計測開度の変化量P1の時間に対応する基準開度の変化量P2の時間を基準変化パターンBPのうちから選択してもよい。例えば、変化量算出部221は、全閉から全開までの時間t10〜t20のうち、計測開度の変化量P1が生じた1回の指令信号MVが出力された時間(ON時間)から出力が終了した時間(OFF時間)までの時間と、同じ時間を時間t10〜t20の間で選択し、その時間における基準開度の変化量P2を比較の対象としてもよい。
本実施の形態では、基準開度の変化量P2が非線形性を有する場合に、各区間の変化量を線形補完して折線近似することについて説明した。これに対して、基準開度の変化量P2が線形性を有している場合は、折線近似の処理を実行することなく、各区間の変化量をそのまま用いてもよい。
また、本実施の形態では、目標値に対する制御を行う場合に、電動弁32の状態を判断する処理として、計測開度の変化量P1を基準開度の変化量P2で除算した追従度P3を有効時間TEで除算した単位時間あたりの追従度PTを閾値と比較する処理について説明した。これに対して、他の処理方法で電動弁32の状態を判断するようにしてもよい。例えば、計測開度の変化量P1を有効時間TEで除算した値を閾値と比較して電動弁32が異常状態か否かを判断するようにしてもよい。
本実施の形態では、図7および図8を用いて、電動弁32の全閉から全開の基準開度の変化量(基準開度の変化量P2a)についての説明を行ったが、電動弁32の全開から全閉の基準開度の変化量(基準開度の変化量P2b)についても時間を複数の区間に分けて、区間ごとの抵抗値の変化量から電動弁32の開度の変化量の算出する処理や、折線近似の処理等が上記図7および図8で説明した内容と同様に行われる。
本実施の形態では、変化量算出部221が、各区間の曲線に対して線形補完を行うことで、基準変化パターンBP1を直線に近似する処理を行うことについて説明した。これに対して、変化量算出部221は、計測パターンRLに対して線形補完を行って、直線に近似する処理を行ってもよい。
本実施の形態では、むだ時間TDについて、むだ時間TD1(全閉→開方向)、むだ時間TD2(全開→閉方向)、むだ時間TD3a(開方向→開方向)、むだ時間TD3b(閉方向→閉方向)、むだ時間TD4a(閉方向→開方向)、むだ時間TD4b(開方向→閉方向)の合計6つを例に示した。すなわち、(1)全閉または全開から電動弁32の開度が変化するむだ時間TD1およびTD2のグループと、(2)全閉から全開までの途中の位置で直前と現在の変化方向が同じむだ時間TD3のグループと、(3)全閉から全開までの途中の位置で直前と現在の変化方向異なるむだ時間TD4のグループとの3種類を例に説明した。そして、目標値SVに対する制御を行う場合に、電動弁32の状態を判断する場合、これら3種類すべてを実施してもよいし、(1)および(2)の2種類(4つのむだ時間)を用いて電動弁32の状態の判断を実施するようにしてもよい。
<F.付記>
以上のように、本実施形態は以下のような開示を含む。
[構成1]
第1の指令信号を受けて開方向に動作するとともに、第2の指令信号を受けて閉方向に動作する電動弁(32)を操作要素として利用し、制御対象(4)を制御する調節器(2)であって、
前記制御対象(4)から取得される制御量(PV)が予め設定された目標値(SV)と一致するように、前記第1の指令信号および前記第2の指令信号のいずれかを間欠的に出力する指令信号出力部(21)と、
事前のキャリブレーションにより取得された前記電動弁(32)の弁開度の基準変化パターンを保持する保持部(23)と、
前記指令信号出力部(21)から出力される指令信号(MV)と、前記電動弁(32)の弁開度の度合いを示すフィードバック信号(FB)とに基づいて、前記電動弁(32)の状態を推定する状態推定部(22)とを備え、
前記状態推定部(22)は、
前記指令信号出力部(21)から間欠的に出力される1回分の指令信号に応じた、前記電動弁(32)の弁開度の変化量(P3)を算出する変化量算出部(221)と、
前記1回分の指令信号(MV)の出力が継続した時間の長さを取得するとともに、当該出力が継続した時間の長さから予め定められたむだ時間(TD)を減じることで、前記電動弁(32)が実質的に動作した時間である有効時間(TE)を算出する有効時間算出部(223)と、
前記電動弁(32)の弁開度の変化量(P3)と、弁開度変化パターンのうち前記1回分の指令信号(MV)に対応する変化量と、前記有効時間(TE)とに基づいて算出される、前記弁開度変化パターンの変化量を基準とした時間あたりの乖離度合いに基づいて、前記電動弁(32)が予め定められた異常状態であるか否かを判断する判断部(225)とを含む、調節器。
[構成2]
前記有効時間算出部(223)は、前記1回分の指令信号が出力された時点の前記電動弁(32)の現在位置に応じて、複数の前記むだ時間(TD)のうち前記有効時間(TE)の算出に用いるむだ時間(TD)を選択する、構成1に記載の調節器。
[構成3]
前記複数のむだ時間(TD)は、前記電動弁(32)の位置が全閉の位置から開度が変化するときのむだ時間と、前記電動弁(32)の位置が全開の位置から開度が変化するときのむだ時間とを含む、構成2に記載の調節器。
[構成4]
前記有効時間算出部(223)は、前記1回分の指令信号が出力された時点の前記電動弁(32)の現在位置および前記1回分の指令信号(MV)が指示する前記電動弁(32)の現在の変化方向と、前記1回分の指令信号(MV)が指示する前記電動弁(32)の直前の変化方向とに応じて、複数の前記むだ時間(TD)のうち前記有効時間(TE)の算出に用いるむだ時間(TD)を選択する構成1に記載の調節器。
[構成5]
前記複数のむだ時間(TD)は、前記電動弁(32)の位置が全閉から全開の途中の位置で直前の変化方向と同じ方向に変化するときのむだ時間と、前記電動弁の位置が前記途中の位置で直前の変化方向と異なる方向に変化するときのむだ時間とを含む、構成4に記載の調節器。
[構成6]
前記変化量算出部(221)は、前記1回分の指令信号(MV)が出力された時点の前記電動弁(32)の現在位置と、前記1回分の指令信号(MV)の出力が継続した時間の長さとに基づいて、前記1回分の指令信号(MV)に対応する前記基準変化パターン(BP)の変化量の区間を特定する、構成1〜5のいずれか1項に記載の調節器。
[構成7]
前記変化量算出部(221)は、前記弁開度変化パターンが非線形性を有する曲線となる場合に、線形性を有する複数の直線で近似する、構成5に記載の調節器。
[構成8]
前記変化量算出部(221)により前記異常状態であると判断された場合に、警報信号を出力する警報信号出力部(50)をさらに含む構成1〜7のいずれか1項に記載の調節器。
[構成9]
第1の指令信号を受けて開方向に動作するとともに、第2の指令信号を受けて閉方向に動作する電動弁(32)を操作要素として利用し、制御対象(4)を制御する調節器(2)の調節方法であって、
前記制御対象(4)から取得される制御量(PV)が予め設定された目標値(SV)と一致するように、前記第1の指令信号および前記第2の指令信号のいずれかを間欠的に出力するステップ(S101)と、
事前のキャリブレーションにより取得された前記電動弁(32)の弁開度の基準変化パターンを保持するステップと、
前記間欠的に出力するステップにより出力される指令信号(MV)と、前記電動弁(32)の弁開度の度合いを示すフィードバック信号(FB)とに基づいて、前記電動弁(32)の状態を推定するステップ(S101)とを備え、
前記状態を推定するステップ(S101)は、
前記間欠的に出力するステップにより間欠的に出力される1回分の指令信号(MV)に応じた、前記電動弁(32)の弁開度の変化量を算出するステップ(S101)と、
前記1回分の指令信号(MV)の出力が継続した時間の長さを取得するとともに、当該出力が継続した時間の長さから予め定められたむだ時間(TD)を減じることで、前記電動弁(32)が実質的に動作した時間である有効時間(TE)を算出するステップ(S101)と、
前記電動弁(32)の弁開度の変化量と、弁開度変化パターンのうち前記1回分の指令信号(MV)に対応する変化量と、前記有効時間(TE)とに基づいて算出される、前記弁開度変化パターンの変化量を基準とした時間あたりの乖離度合いに基づいて、前記電動弁(32)が予め定められた異常状態であるか否かを判断するステップ(S103)とを含む、調節方法。
[構成10]
第1の指令信号を受けて開方向に動作するとともに、第2の指令信号を受けて閉方向に動作する電動弁(32)と、
前記電動弁(32)を操作要素として利用して、制御対象(4)を制御する調節器(2)であって、
前記制御対象(4)から取得される制御量(PV)が予め設定された目標値(SV)と一致するように、前記第1の指令信号および前記第2の指令信号のいずれかを間欠的に出力する指令信号出力部(21)と、
事前のキャリブレーションにより取得された前記電動弁(32)の弁開度の基準変化パターンを保持する保持部(23)と、
前記指令信号出力部(21)から出力される指令信号(MV)と、前記電動弁(32)の弁開度の度合いを示すフィードバック信号(FB)とに基づいて、前記電動弁(32)の状態を推定する状態推定部(22)とを備え、
前記状態推定部(22)は、
前記指令信号出力部(21)から間欠的に出力される1回分の指令信号(MV)に応じた、前記電動弁(32)の弁開度の変化量を算出する変化量算出部(221)と、
前記1回分の指令信号の出力が継続した時間の長さを取得するとともに、当該出力が継続した時間の長さから予め定められたむだ時間(TD)を減じることで、前記電動弁(32)が実質的に動作した時間である有効時間(TE)を算出する有効時間算出部(223)と、
前記電動弁(32)の弁開度の変化量と、弁開度変化パターンのうち前記1回分の指令信号(MV)に対応する変化量と、前記有効時間(TE)とに基づいて算出される、前記弁開度変化パターンの変化量を基準とした時間あたりの乖離度合いに基づいて、前記電動弁(32)が予め定められた異常状態であるか否かを判断する判断部(225)とを備えた調節器(2)とを含む、調節システム。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 調節システム、2 調節器、3 コントロールバルブ、4 制御対象、5 警報器、20 プロセッサ、21 指令信号出力部、21a 指令信号出力プログラム、22 状態推定部、22a 状態推定プログラム、23 記憶装置、23a 異常判断閾値、24 定電流回路、30 検知部、31 モータ、32 電動弁、33 配管、34 ポテンショメータ、35 バーナ、41 熱電対、50 警報信号出力部、131 開動作用リレー、132 閉動作用リレー、201 動作状態導出部、202 むだ時間設定部、203 むだ時間格納部、204 動作時間算出部、221 変化量算出部、223 有効時間算出部、225 判断部、340 可変抵抗器、FB フィードバック信号、MV 指令信号、PL 折線推移線、PV 制御量、Q1,Q2,Q3,Q4,Q5 抵抗値、SV 目標値、SW1 第1のスイッチ部、SW2 第2のスイッチ部、TD,TD1,TD2,TD3,TD4 むだ時間、TE,TE3 有効時間、TR,TR1,TR2,TR3 トラベル時間、W 摺動子。

Claims (10)

  1. 第1の指令信号を受けて開方向に動作するとともに、第2の指令信号を受けて閉方向に動作する電動弁を操作要素として利用し、制御対象を制御する調節器であって、
    前記制御対象から取得される制御量が予め設定された目標値と一致するように、前記第1の指令信号および前記第2の指令信号のいずれかを間欠的に出力する指令信号出力部と、
    事前のキャリブレーションにより取得された前記電動弁の弁開度の基準変化パターンを保持する保持部と、
    前記指令信号出力部から出力される指令信号と、前記電動弁の弁開度の度合いを示すフィードバック信号とに基づいて、前記電動弁の状態を推定する状態推定部とを備え、
    前記状態推定部は、
    前記指令信号出力部から間欠的に出力される1回分の指令信号に応じた、前記電動弁の弁開度の変化量を算出する変化量算出部と、
    前記1回分の指令信号の出力が継続した時間の長さを取得するとともに、当該出力が継続した時間の長さから予め定められたむだ時間を減じることで、前記電動弁が実質的に動作した時間である有効時間を算出する有効時間算出部と、
    前記電動弁の弁開度の変化量と、前記基準変化パターンの前記1回分の指令信号に対応する弁開度の変化量と、前記有効時間とに基づいて算出される、前記基準変化パターンの変化量を基準とした時間あたりの乖離度合いに基づいて、前記電動弁が予め定められた異常状態であるか否かを判断する判断部とを含む、調節器。
  2. 前記有効時間算出部は、前記1回分の指令信号が出力された時点の前記電動弁の現在位置に応じて、複数の前記むだ時間のうち前記有効時間の算出に用いるむだ時間を選択する、請求項1に記載の調節器。
  3. 前記複数のむだ時間は、前記複数のむだ時間は、前記電動弁の位置が全閉の位置から開度が変化するときのむだ時間と、前記電動弁の位置が全開の位置から開度が変化するときのむだ時間とを含む、請求項2に記載の調節器。
  4. 前記有効時間算出部は、前記1回分の指令信号が出力された時点の前記電動弁の現在位置および前記1回分の指令信号が指示する前記電動弁の現在の変化方向と、前記1回分の指令信号が指示する前記電動弁の直前の変化方向とに応じて、複数の前記むだ時間のうち前記有効時間の算出に用いるむだ時間を選択する、請求項1に記載の調節器。
  5. 前記複数のむだ時間は、前記電動弁の位置が全閉から全開の途中の位置で直前の変化方向と同じ方向に変化するときのむだ時間と、前記電動弁の位置が前記途中の位置で直前の変化方向と異なる方向に変化するときのむだ時間とを含む、請求項4に記載の調節器。
  6. 前記変化量算出部は、前記1回分の指令信号が出力された時点の前記電動弁の現在位置と、前記1回分の指令信号の出力が継続した時間の長さとに基づいて、前記1回分の指令信号に対応する前記基準変化パターンの変化量の区間を特定する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の調節器。
  7. 前記変化量算出部は、前記基準変化パターンが非線形性を有する曲線となる場合に、線形性を有する複数の直線で近似する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の調節器。
  8. 前記判断部により前記異常状態であると判断された場合に、警報信号を出力する警報信号出力部をさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の調節器。
  9. 第1の指令信号を受けて開方向に動作するとともに、第2の指令信号を受けて閉方向に動作する電動弁を操作要素として利用し、制御対象を制御する調節器の調節方法であって、
    前記制御対象から取得される制御量が予め設定された目標値と一致するように、前記第1の指令信号および前記第2の指令信号のいずれかを間欠的に出力するステップと、
    事前のキャリブレーションにより取得された前記電動弁の弁開度の基準変化パターンを保持するステップと、
    前記間欠的に出力されるステップにより出力される指令信号と、前記電動弁の弁開度の度合いを示すフィードバック信号とに基づいて、前記電動弁の状態を推定するステップとを備え、
    前記状態を推定するステップは、
    前記間欠的に出力するステップにより間欠的に出力される1回分の指令信号に応じた、前記電動弁の弁開度の変化量を算出するステップと、
    前記1回分の指令信号の出力が継続した時間の長さを取得するとともに、当該出力が継続した時間の長さから予め定められたむだ時間を減じることで、前記電動弁が実質的に動作した時間である有効時間を算出するステップと、
    前記電動弁の弁開度の変化量と、前記基準変化パターンの前記1回分の指令信号に対応する変化量と、前記有効時間とに基づいて算出される、前記基準変化パターンの変化量を基準とした時間あたりの乖離度合いに基づいて、前記電動弁が予め定められた異常状態であるか否かを判断するステップとを含む、調節方法。
  10. 第1の指令信号を受けて開方向に動作するとともに、第2の指令信号を受けて閉方向に動作する電動弁と、
    前記電動弁を操作要素として利用して、制御対象を制御する調節器であって、
    前記制御対象から取得される制御量が予め設定された目標値と一致するように、前記第1の指令信号および前記第2の指令信号のいずれかを間欠的に出力する指令信号出力部と、
    事前のキャリブレーションにより取得された前記電動弁の弁開度の基準変化パターンを保持する保持部と、
    前記指令信号出力部から出力される指令信号と、前記電動弁の弁開度の度合いを示すフィードバック信号とに基づいて、前記電動弁の状態を推定する状態推定部とを備え、
    前記状態推定部は、
    前記指令信号出力部から間欠的に出力される1回分の指令信号に応じた、前記電動弁の弁開度の変化量を算出する変化量算出部と、
    前記1回分の指令信号の出力が継続した時間の長さを取得するとともに、当該出力が継続した時間の長さから予め定められたむだ時間を減じることで、前記電動弁が実質的に動作した時間である有効時間を算出する有効時間算出部と、
    前記電動弁の弁開度の変化量と、前記基準変化パターンの前記1回分の指令信号に対応する変化量と、前記有効時間とに基づいて算出される、前記基準変化パターンの変化量を基準とした時間あたりの乖離度合いに基づいて、前記電動弁が予め定められた異常状態であるか否かを判断する判断部とを備えた調節器を含む、調節システム。
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