JP2019191219A - 眼鏡用レンズ及び眼鏡 - Google Patents

眼鏡用レンズ及び眼鏡 Download PDF

Info

Publication number
JP2019191219A
JP2019191219A JP2018080056A JP2018080056A JP2019191219A JP 2019191219 A JP2019191219 A JP 2019191219A JP 2018080056 A JP2018080056 A JP 2018080056A JP 2018080056 A JP2018080056 A JP 2018080056A JP 2019191219 A JP2019191219 A JP 2019191219A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
spectacle lens
ewg
resin
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018080056A
Other languages
English (en)
Inventor
加藤 隆志
Takashi Kato
隆志 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2018080056A priority Critical patent/JP2019191219A/ja
Publication of JP2019191219A publication Critical patent/JP2019191219A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Eyeglasses (AREA)
  • Optical Filters (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】少なくとも380nm〜400nmの波長領域のブルーライトを遮断することができ、レンズを介して対象物を視認した際に色味の変化を感じ難い眼鏡用レンズ及び眼鏡を提供する。【解決手段】樹脂と、ベンゾジチラン化合物から選ばれる少なくとも1種の紫外線吸収剤と、を含有する眼鏡レンズ及び眼鏡。【選択図】なし

Description

本開示は、眼鏡用レンズ及び眼鏡に関する。
画像表示装置、タッチパネルを搭載した小型端末等のディスプレイから発せられるブルーライトは、眼精疲労を引き起こす要因となることが知られている。
近年、メガネレンズにブルーライト(特に、380nm〜400nmの波長領域の光)を吸収させ、ブルーライトの眼への影響を低減する試みがなされている。
例えば、ブルーライトを吸収することができる眼鏡用レンズとして、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含む眼鏡用レンズが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
眼鏡用レンズには、ブルーライト吸収性に加え、一般的には、レンズを介して対象物を視認した際に色味の変化を感じ難いことが求められる。
特開2004−315556号公報 特開2010−84006号公報
しかしながら、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、プラスチックレンズの材料である樹脂との相溶性が良好ではないため、眼鏡用レンズに適用すると析出し得る。紫外線吸収剤が析出したプラスチックレンズは、ヘイズが高く、透明性が低いため、眼鏡用レンズとしての適性に劣る傾向がある。また、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含む眼鏡用レンズでは、400nm近傍の波長のブルーライトを十分に遮断することができない。
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、少なくとも380nm〜400nmの波長領域のブルーライトを遮断することができ、レンズを介して対象物を視認した際に色味の変化を感じ難い眼鏡用レンズを提供することである。
本発明の別の実施形態が解決しようとする課題は、上記眼鏡用レンズを備える眼鏡を提供することである。
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 樹脂と、ベンゾジチラン化合物から選ばれる少なくとも1種の紫外線吸収剤と、を含有する眼鏡用レンズ。
<2> ベンゾジチラン化合物が、下記式(1)で表される化合物及び下記式(2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である<1>に記載の眼鏡用レンズ。

式(1)中、EWG及びEWGは、それぞれ独立にハメットの置換基定数σp値が0.2以上の基を表す。Vは、水素原子又は一価の置換基を表す。
式(2)中、EWG、EWG、EWG及びEWGは、それぞれ独立にハメットの置換基定数σp値が0.2以上の基を表し、Vは、水素原子又は一価の置換基を表す。
<3> 式(1)で表される化合物を含み、式(1)におけるEWG及びEWG、は、それぞれ独立に、−COOR、−SO、−CN、又は−CORを表し、Rがアリール基を表し、R及びRがそれぞれ独立にアルキル基を表し、EWGとEWGは互いに連結して環を形成してもよい、<2>に記載の眼鏡用レンズ。
<4>式(2)で表される化合物を含み、式(2)におけるEWG、EWG、EWG及びEWGは、それぞれ独立に、−COOR、−SO、−CN、又は−CORを表し、Rがアリール基を表し、R及びRがそれぞれ独立にアルキル基を表す、EWGとEWG及びEWGとEWGは、それぞれ独立に、は互いに連結して環を形成してもよい、<2>に記載の眼鏡用レンズ。
<5> 樹脂がチオウレタン樹脂及びポリカーボネート樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の眼鏡用レンズ。
<6> ベンゾジチラン化合物から選ばれる少なくとも1種の紫外線吸収剤とは異なる、他の紫外線吸収剤をさらに含有し、他の紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール化合物及びベンゾトリアジン化合物から選択される少なくとも1種である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の眼鏡用レンズ。
<7> 樹脂と、ベンゾジチラン化合物から選ばれる少なくとも1種の紫外線吸収剤と、を含有し、ベンゾジチラン化合物から選ばれる少なくとも1種の紫外線吸収剤の極大吸収波長の吸光度を1.0としたときに、波長410nmにおける吸光度比率が0.10以下であり、波長400nmにおける吸光度比率が0.05以上であり、かつ、410nmにおける吸光度比率に対する400nmにおける吸光度比率との割合が5.0以上である眼鏡用レンズ。
<8> <1>〜<7>のいずれか1つに記載の眼鏡用レンズを備える眼鏡。
本発明の一実施形態によれば、少なくとも380nm〜400nmの波長領域のブルーライトを遮断することができ、レンズを介して対象物を視認した際に色味の変化を感じ難い眼鏡用レンズを提供することができる。
本発明の別の実施形態によれば、上記眼鏡用レンズを備える眼鏡を提供することができる。
以下、本開示の眼鏡用レンズ及び眼鏡について説明する。但し、本開示に係る眼鏡用レンズ及び眼鏡は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、目的の範囲内において、適宜、変更を加えて実施することができる。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、各成分の濃度又は含有量は、各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、複数種の物質の合計の濃度又は含有量を意味する。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、「ブルーライトの遮断」とは、ブルーライトを完全に遮断する場合のみならず、眼鏡用レンズを介することで、ブルーライトの少なくとも一部を遮断し、ブルーライトの透過率を減少させることを包含する。
[眼鏡用レンズ]
本開示の眼鏡用レンズは、屈樹脂と、ベンゾジチラン化合物から選ばれる少なくとも1種の紫外線吸収剤(以下、「特定紫外線吸収剤」と称することがある。)と、を含有する。
本開示の眼鏡用レンズは、少なくとも380nm〜400nmの波長領域のブルーライトを遮断することができ、かつレンズを介して対象物を視認した際に色味の変化を感じ難い。本開示の眼鏡用レンズがこのような効果を奏し得る理由については明らかではないが、本発明者は、以下のように推測している。
380nm〜400nmの波長領域のブルーライトは、380nm〜400nmの波長領域に極大吸収を有する紫外線吸収剤によって、ある程度、遮断することができる。
しかし、一般的な紫外線吸収剤は、樹脂を用いたプラスチックレンズに適用すると析出しやすく、ヘイズが高くなる。そのため、一般的な紫外線吸収剤を含むプラスチックレンズは、眼鏡用レンズとしての適性に劣る傾向がある。
これに対し、本開示の眼鏡用レンズに含まれる特定紫外線吸収剤は、380nm〜400nmの波長領域に極大吸収を有し、かつ、眼鏡用のプラスチックレンズに用いられる樹脂との相溶性が良好である。よって、特定紫外線吸収剤を含有する本開示の眼鏡用レンズは、ヘイズが低く、透明性に優れるという眼鏡用レンズとしての適性を有しつつ、380nm〜400nmの波長領域のブルーライトを遮断することができる。
また、本開示の眼鏡用レンズに含まれる特定紫外線吸収剤は、吸収スペクトルにおける極大吸収波長のピークがシャープであり、極大吸収波長よりも短波長側或いは長波長側の波長の光の吸収性が著しく低く、吸収スペクトルのスソ切れがよいため、眼鏡用レンズに適用した際に、眼鏡用レンズが黄色味を帯び難い。
よって、特定紫外線吸収剤を含有する本開示の眼鏡用レンズは、レンズを介して対象物を視認した際に色味の変化を感じ難いと考えられる。
本開示の眼鏡用レンズに対して、特許文献1(特開2004−315556号公報)及び特許文献2(特開2010−84006号公報)に記載された眼鏡用レンズは、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含んでいる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、400nm近傍の波長におけるモル吸光係数が高くないため、400nm近傍の波長のブルーライトを十分に遮断することができないと考えられる。
また、特許文献1及び特許文献2に記載された眼鏡用レンズに含まれるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、450nm付近の波長の光を吸収し得るため、眼鏡用レンズが黄色味を帯びやすい。よって、特許文献1及び特許文献2に記載された眼鏡用レンズは、レンズを介して対象物を視認した際に色味の変化を感じやすいと考えられる。
さらに、特許文献1及び特許文献2に記載された眼鏡用レンズに含まれるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、プラスチックレンズの材料である樹脂との相溶性が良好ではないため、眼鏡用レンズに適用すると析出し得る。よって、特許文献1及び特許文献2に記載された眼鏡用レンズは、ヘイズが高く、透明性が低いため、眼鏡用レンズとしての適性に劣ると考えられる。
なお、上記の推測は、本発明の効果を限定的に解釈するものではなく、一例として説明するものである。
以下、本開示の眼鏡用レンズにおける各成分について詳細に説明する。
本開示の眼鏡用レンズに含まれる特定紫外線吸収剤であるベンゾジチラン化合物としては、下記式(1)で表される化合物及び
〔特定紫外線吸収剤〕
本開示の眼鏡用レンズは、ベンゾジチラン化合物(特定紫外線吸収剤)を含有する。
<特定化合物>
ベンゾジチラン化合物(特定紫外線吸収剤)としては、下記の式(1)で表される化合物、及び式(2)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。以下、特定紫外線吸収剤のうち、式(1)、及び式(2)で表される化合物を、適宜「特定化合物」と総称する。
特定化合物は、380nm〜400nmの波長領域のブルーライトを吸収することができる紫外線吸収能を有する化合物である。
本開示の眼鏡用レンズは、特定化合物を含有することにより、少なくとも380nm〜400nmの波長領域のブルーライトを遮断することができ、レンズを介して対象物を視認した際に色味の変化を感じ難いという効果を奏し得る。また、特定化合物を含有する本開示の眼鏡用レンズは、ヘイズが生じ難く、耐光性に優れ、黄色味を帯び難く、眼鏡に用いられるレンズとしての適性を十分に備える。
以下、特定化合物の詳細な説明に先立ち、まず、本開示における「一価の置換基」について詳細に説明する。ここで説明する「一価の置換基」は、後述する式(1)におけるV、又は式(2)におけるVが、その定義中に含む「一価の置換基」を意味する。
なお以下では、「一価の置換基」を総括して説明するが、式(1)におけるV、又は式(2)におけるVが、一価の置換基を表す場合、これらの一価の置換基は、各々独立した置換基であることは言うまでもない。
本開示における「一価の置換基」の例としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、−C(=O)OR基、−OC(=O)R基、−OC(=O)OR基、−OC(=O)NHR基、−OC(=O)N(R)基、ニトロ基、ハロゲン原子等が挙げられる。Rは各々独立にアルキル基を表す。
アルキル基は、無置換アルキル基であってもよいし、置換アルキル基であってもよい。
ここで、「置換アルキル基」とは、アルキル基の水素原子が他の置換基で置換されているアルキル基を意味する。なお、後述の置換アルケニル基、置換アルキニル基、及び置換アラルキル基についても同様に、各基の水素原子が他の置換基で置換されているものを意味する。ここでいう「他の置換基」については、後述する。
アルキル基は、直鎖状、分岐状、及び環状のいずれの分子構造を有していてもよい。
アルキル基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、1〜18であることがより好ましい。なお、これらの炭素数には、アルキル基が更に置換基を有している場合の置換基の炭素数は含まれない。
アルケニル基は、無置換アルケニル基であってもよいし、置換アルケニル基であってもよい。
アルケニル基は、直鎖状、分岐状、及び環状のいずれの分子構造を有していてもよい。
アルケニル基の炭素数は、2〜20であることが好ましく、2〜18であることがより好ましい。なお、これらの炭素数には、アルケニル基が更に置換基を有している場合の置換基の炭素数は含まれない。
アルキニル基は、無置換アルキニル基であってもよいし、置換アルキニル基であってもよい。
アルキニル基は、直鎖状、分岐状、及び環状のいずれの分子構造を有していてもよい。
アルキニル基の炭素数は、2〜20であることが好ましく、2〜18であることがより好ましい。なお、これらの炭素数には、アルキニル基が更に置換基を有している場合の置換基の炭素数は含まれない。
アルコキシ基は、無置換アルコキシ基であってもよいし、置換アルコキシ基であってもよい。
アルコキシ基の炭素数は、1〜20であることが好ましい。なお、これらの炭素数には、アルコキシ基が更に置換基を有している場合の置換基の炭素数は含まれない。
アリール基は、無置換アリール基であってもよいし、置換アリール基であってもよい。
アリール基の炭素数は、6〜20であることが好ましく、6〜10であることがより好ましい。なお、これらの炭素数には、アリール基が更に置換基を有している場合の置換基の炭素数は含まれない。
アラルキル基は、無置換アラルキル基であってもよいし、置換アラルキル基であってもよい。
アラルキル基のアルキル部分は、既述の置換基であるアルキル基と同様である。
アラルキル基のアリール部分は、脂肪族環、他の芳香族環、又は複素環が縮合していてもよい。
アラルキル基のアリール部分は、既述の置換基であるアリール基と同様である。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。
置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基、置換アリール基、及び置換アラルキル基が有する置換基(即ち、他の置換基)は、以下の置換基群の中から、任意に選択することができる。
置換基群:ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールアゾ基、ヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基。
なお、置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基、及び置換アラルキル基が有する置換基の例の詳細は、特開2007−262165号公報の記載を参照することができる。
次いで、式(1)で表される化合物、及び式(2)で表される化合物について説明する。

式(1)中、EWG及びEWGは、それぞれ独立にハメットの置換基定数σp値が0.2以上の基を表し、Vは、水素原子又は一価の置換基を表す。

式(2)中、EWG、EWG、EWG及びEWGは、それぞれ独立にハメットの置換基定数σp値が0.2以上の基を表し、Vは、水素原子又は一価の置換基を表す。
式(1)中、Vで表される一価の置換基の数は、1であってもよいし、2〜4であってもよいが、2であることが好ましい。
式(1)中、Vで表される一価の置換基の例としては、既述の一価の置換基が挙げられ、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、及びハロゲン原子が好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、及びカルバモイル基がより好ましい。
式(2)中、Vで表される一価の置換基の数は、1であってもよいし、2であってもよいが、2であることが好ましい。
式(2)中、Vで表される一価の置換基の例としては、既述の一価の置換基が挙げられ、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、及びハロゲン原子が好ましく、アルキル基、アルコキシ基、及びハロゲン原子がより好ましい。
式(1)又は式(2)中、EWG、EWG、EWG又はEWGで表される基のハメットの置換基定数σp値の上限は、特に制限されず、例えば、1.0以下であることが好ましい。
本開示において「ハメットの置換基定数」とは、ハメット則として成立する関係式における置換基に特有の定数である。ハメットの置換基定数σ値が正であることは、置換基が電子吸引性であることを示す。
ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるため、1935年にL.P.Hammettによって提唱された経験則であるが、今日では広く妥当性が認められている。ハメット則により求められた置換基定数には、σp値とσm値とがある。これらの値は、多くの一般的な成書に記載されており、例えば、J.A.Dean編「Lange’sHandbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw−Hill)及び「化学の領域増刊」、122号、第96頁〜第103頁、1979年(南江堂)を参照することができる。
式(1)におけるEWG及びEWG、並びに式(2)におけるEWG、EWG、EWG及びEWGは、それぞれ、ハメットの置換基定数σp値により規定されるが、これらの成書に記載の文献既知の値かある置換基にのみ限定されるものではなく、その値が文献未知であっても、ハメット則に基づいて測定した場合に、0.2以上である限り、包含されることは勿論である。
ハメットの置換基定数σp値が0.2以上の基の例としては、シアノ基(0.66)、カルボキシ基(−COOH:0.45)、アルコキシカルボニル基(−COOMe:0.45、−COOC17:0.44、−COOC19:0.44、−COOC1327:0.44)、アリールオキシカルボニル基(−COOPh:0.44)、カルバモイル基(−CONH:0.36)、アセチル基(−COMe:0.50)、アリールカルボニル基(−COPh:0.43)、アルキルスルホニル基(−SOMe:0.72)、アリールスルホニル基(−SOPh:0.68)等が挙げられる。括弧内は、代表的な置換基及びそのσp値をChem.Rev.,1991年,91巻,第165頁〜第195頁から抜粋したものである。また、スルファモイル基、スルフィニル基、ヘテロ環基等もハメットの置換基定数σp値が0.2以上の基に包含される。
なお、本開示において、「Me」はメチル基を表し、「Ph」はフェニル基を表す。
式(1)又は式(2)におけるEWG、EWG、EWG又はEWGは、380nm〜400nmの波長領域のブルーライトをより良好に遮断することができ、レンズを介して対象物を視認した際に色味の変化をより感じ難くなるという観点から、それぞれ独立に、−COOR、SO、CN、又はCORを表し、R、R、及びRが、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表すことが好ましい。
、R又はRで表されるアルキル基は、無置換アルキル基であってもよいし、置換アルキル基であってもよい。
EWG、EWG、EWG又はEWGの具体例としては、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シアノ基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基の炭素数は、特に制限されず、例えば、2〜20であることが好ましく、2〜9であることがより好ましい。炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、トリデシルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。
アリールカルボニル基の炭素数は、特に制限されず、例えば、7〜20であることが好ましく、7〜15であることがより好ましい。炭素数7〜20のアリールカルボニル基の具体例としては、フェニルカルボニル基等が挙げられる。
アルキルスルホニル基の炭素数は、特に制限されず、例えば、6〜20であることが好ましく、6〜15であることがより好ましい。炭素数6〜20のアルキルスルホニル基の具体例としては、へキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等が挙げられる。
アリールスルホニル基の炭素数は、特に制限されず、例えば、6〜15であることが好ましい。炭素数6〜15のアリールスルホニル基の例としては、フェニルスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、p−クロロベンゼンスルホニル基、ナフタレンスルホニル基等が挙げられる。
アシル基の炭素数は、特に制限されず、例えば、2〜20であることが好ましく、2〜5であることがより好ましい。炭素数2〜20のアシル基の具体例としては、アセチル基、プロピオニル基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基の炭素数は、特に制限されず、例えば、7〜20であることが好ましく、7〜15であることがより好ましい。炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基の具体例としては、フェノキシカルボニル基、p−ニトロフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
アミノカルボニル基の炭素数は、特に制限されず、例えば、2〜20であることが好ましく、2〜15であることがより好ましい。炭素数2〜20のアミノカルボニル基の具体例としては、N−メチルアミノカルボニル基、N−エチルアミノカルボニル基等が挙げられる。
本開示の眼鏡レンズは、式(1)で表される化合物を含むことが好ましく、式(1)で表される化合物においては、式(1)におけるEWG及びEWGは、380nm〜400nmの波長領域のブルーライトを更に良好に遮断することができ、レンズを介して対象物を視認した際に色味の変化を更に感じ難くなるという観点から、それぞれ独立に、−COOR、−SO、−CN、又は−CORを表し、Rがアリール基を表し、R及びRがそれぞれ独立にアルキル基を表す化合物であることが好ましい。なお、EWGとEWGは互いに連結して環を形成してもよい。
本開示の眼鏡レンズは、式(2)で表される化合物を含むことが好ましく、式(2)で表される化合物は、式(2)におけるEWG、EWG、EWG及びEWGは、380nm〜400nmの波長領域のブルーライトを更に良好に遮断することができ、レンズを介して対象物を視認した際に色味の変化を更に感じ難くなるという観点から、それぞれ独立に、−COOR、−SO、−CN、又は−CORを表し、Rがアリール基を表し、R及びRがそれぞれ独立にアルキル基を表す化合物であることが好ましい。なお、EWGとEWG及びEWGとEWGは、それぞれ独立に、互いに連結して環を形成してもよい。
式(1)におけるEWGとEWG、並びに、式(2)における、EWG、EWG、EWG及びEWGの特に好ましい態様としては、EWG及びEWG、並びに、EWG及びEWGが共に、シアノ基、カルボニル基、又はアミノカルボニル基であることが挙げられる。
このような態様によれば、380nm〜400nmの波長領域のブルーライト(特に、波長400nmのブルーライト)の遮蔽性が顕著に優れ、レンズを介して対象物を視認した際に色味の変化がほとんど感じられない眼鏡用レンズを実現し得る。
以下に、式(1)で表される化合物、及び式(2)で表される化合物(即ち、特定化合物)の具体例として、例示化合物を示す。但し、特定化合物は、これらの例示化合物に限定されるものではない。
なお、化合物(S−1)〜化合物(S−36)及び化合物(T−1)〜化合物(T−35)は、式(1)で表される化合物の例示化合物であり、化合物(B−1)〜化合物(B−40)は、式(2)で表される化合物の例示化合物である。
例示化合物中、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Buはブチル基を表し、Prはプロピル基を表し、Hexはヘキシル基を表し、Acはアセチル基を表し、Tsはトシル基を表し、Phはフェニル基を表す。


本開示の眼鏡用レンズは、特定紫外線吸収剤(好ましくは特定化合物)を、1種のみ含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
本開示の眼鏡用レンズ中における特定紫外線吸収剤の含有量は、特に制限されず、例えば、樹脂の全質量に対して、0.01質量%〜1.0質量%であることが好ましく、0.01質量%〜0.5質量%であることがより好ましく、0.01質量%〜0.1質量%であることが更に好ましい。
本開示の眼鏡用レンズ中における特定紫外線吸収剤の含有量が上記範囲内であると、樹脂との相溶性が良好となるため、特定紫外線吸収剤が析出し難く、ヘイズが生じ難い。特定紫外線吸収剤は、380nm〜400nmの波長領域(特に、400nm)におけるモル吸光係数が高いため、本開示の眼鏡用レンズ中における含有量が上記範囲内であっても、上記波長領域のブルーライトを良好に遮断することができる。
〔樹脂〕
本開示の眼鏡用レンズは、樹脂を含有する。
樹脂としては、眼鏡用レンズに求められる透明性、屈折率、加工性、硬化後の硬度等の物性を満たす樹脂であれば、特に制限はない。樹脂は、熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂であってもよい。
眼鏡レンズに用い得る熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート(PC)が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エピスルフィド樹脂等が挙げられる。ウレタン樹脂としては、チオウレタン樹脂が好ましい。
樹脂としては、屈折率が高いという観点からチオウレタン樹脂が好ましく、透明性が良好であるという観点からポリカーボネート樹脂が好ましい。
即ち、本開示の眼鏡レンズにおける樹脂としては、チオウレタン樹脂及びポリカーボネート樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
チオウレタン樹脂及びエピスルフィド樹脂は、高い屈折率を有する眼鏡用レンズの材料として広く用いられているが、従来の眼鏡用レンズに用いられている紫外線吸収剤(例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤)との相溶性が悪く、紫外線吸収剤が析出しやすい樹脂である。
本開示の眼鏡用レンズは、特定紫外線吸収剤を含有することから、樹脂としてチオウレタン樹脂及びエピスルフィド樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含有する場合であっても、特定紫外線吸収剤と樹脂との相溶性に悪化に起因する紫外線吸収剤の析出が抑制される。さらに、特定紫外線吸収剤は、吸収スペクトルのスソ切れがよいため、眼鏡用レンズに適用した際に、眼鏡用レンズが黄色味を帯び難い。このため、眼鏡用レンズは透明性が良好であり、且つ、眼鏡用レンズの良好な透明性が長期間維持されることから、眼鏡用レンズを介して対象物を視認した際に色味の変化を感じ難いと考えられる。
なお、本開示の眼鏡用レンズの樹脂として好適なチオウレタン樹脂及びエピスルフィド樹脂の詳細については、特開2009−256692号公報、特開2007−238952号公報、特開2009−74624号公報、特開2015−212395号公報、及び特開2016−84381号公報の記載を参照することができる。
樹脂としては、市販の樹脂を用いることができる。
樹脂の市販品の例としては、パンライト(登録商標)L−1250WP〔商品名、芳香族ポリカーボネート樹脂パウダー、帝人化成(株)〕、SP−1516〔商品名、帝人化成(株) EP5000、三菱瓦斯化学(株)〕、EP4000〔商品名、三菱瓦斯化学(株)〕等が挙げられる。
また、樹脂は、市販の樹脂の前駆体モノマーを用いて形成された樹脂であってもよい。
樹脂の前駆体モノマーの市販品の例としては、チオウレタン樹脂の前駆体モノマーである、MR−6(登録商標)(屈折率n=1.59)、MR−7(登録商標)(屈折率n=1.67)、MR−8(登録商標)(屈折率n=1.60)、MR−10(登録商標)(屈折率n=1.67)、MR−174(登録商標)(屈折率n=1.74)〔以上商品名、三井化学(株)〕等が挙げられる。
また、ルミプラスLPB−1102(登録商標)(屈折率n=1.71)〔以上商品名、菱化化学(株)〕、TS−26(登録商標)(屈折率n=1.60)〔以上商品名、トクヤマ(株)〕等が挙げられる。
本開示の眼鏡用レンズは、樹脂を1種のみ含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
本開示の眼鏡用レンズ中における樹脂の含有量は、特に制限されず、例えば、眼鏡用レンズの全質量に対して、30質量%〜99.99質量%であることが好ましく、50質量%〜99.99質量%であることがより好ましく、60質量%〜99.99質量%であることが更に好ましい。
本開示の眼鏡用レンズ中における樹脂の含有量が上記範囲内であると、軽量で、かつ薄いレンズが作製できる。
本開示の眼鏡レンズの別の好ましい態様として、樹脂と、ベンゾジチラン化合物から選ばれる少なくとも1種の紫外線吸収剤と、を含有し、ベンゾジチラン化合物から選ばれる少なくとも1種の紫外線吸収剤の極大吸収波長の吸光度を1.0としたときに、波長410nmにおける吸光度比率が0.10以下であり、波長400nmにおける吸光度比率が0.05以上であり、かつ、410nmにおける吸光度比率に対する400nmにおける吸光度比率との割合(すなわち、「400nmにおける吸光度比率/410nmにおける吸光度比率」)が5.0以上である態様が挙げられる。
即ち、特定紫外線吸収剤は、極大吸収波長の吸光度を1.0としたときに、波長400nmにおける吸光度比率が0.10以上であり、0.20以上が好ましく、0.30以上がより好ましい。また、特定紫外線吸収剤は、極大吸収波長の吸光度を1.0としたときに、波長410nmにおける吸光度比率が0.10以下であり、0.08以下が好ましく、0.06以下がより好ましい。
特定紫外線吸収剤は、410nmにおける吸光度比率に対する400nmにおける吸光度比率との割合は5.0以上であることが好ましく、ブルーライトの遮断性、ヘイズの抑制、耐光性、及びレンズの色味抑制の観点からは、6.0以上が好ましく、7.0以上がより好ましい。
特定紫外線吸収剤の吸光度は、公知の吸光度計を用いて、クロロホルム溶液中での測定した吸収スペクトルから確認することができる。吸光度計の例としては、(株)島津製作所の分光光度計(型番:UV3150)が挙げられるが、これに限定されない。
〔その他の紫外線吸収剤〕
本開示の眼鏡用レンズは、既述の特定紫外線吸剤に加え、特定紫外線吸収剤以外の化合物であって紫外線吸収能を有する化合物(以下、「他の紫外線吸収剤」と称することがある。)を含有していてもよい。
本開示の眼鏡用レンズは、他の紫外線吸収剤を含有することにより、紫外線領域の広い範囲において、ブルーライトを遮断し得る。
他の紫外線吸収剤としては、眼鏡用レンズに用いられる公知の紫外線吸収剤であり、既述の特定紫外線吸収剤に包含されない化合物であれば、特に制限はない。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール化合物、トリアジン化合物、ベンゾフェノン化合物、シアニン化合物、ジベンゾイルメタン化合物、桂皮酸化合物、アクリレート化合物、安息香酸エステル化合物、シュウ酸ジアミド化合物、ホルムアミジン化合物、ベンゾオキサジノン系化合物、メロシアニン系化合物等の紫外線吸収剤が挙げられ、広範囲なブルーライトの遮断性の観点からは、ベンゾトリアゾール化合物及びベンゾトリアジン化合物から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
これらの紫外線吸収剤の詳細については、例えば、「月刊ファインケミカル」2004年5月号、28ページ〜38ページ、東レリサーチセンター調査研究部門発行「高分子用機能性添加剤の新展開」(東レリサーチセンター、1999年)96ページ〜140ページ、大勝靖一監修「高分子添加剤の開発と環境対策」(シーエムシー出版、2003年)54ページ〜64ページ、(株)技術情報協会発行「高分子の劣化・変色メカニズムとその安定化技術−ノウハウ集−」(技術情報協会、2006年)等の記載を参照することができる。
ベンゾオキサジノン系化合物の具体例としては、例えば、特許第5591453号公報及び特許第5250289号公報に記載の化合物が挙げられる。
既述の特定化合物に代表される特定紫外線吸収剤は、波長350nm以下の光を吸収しないため、特定紫外線吸収剤としては、紫外線領域の広い範囲においてブルーライトを遮断するという観点から、例えば、極大吸収波長が350nm以下の紫外線吸収剤であることが好ましい。
本開示の眼鏡用レンズは、他の紫外線吸収剤を含有する場合、他の紫外線吸収剤を1種のみ含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
本開示の眼鏡用レンズが他の紫外線吸収剤を含有する場合、眼鏡用レンズにおける他の紫外線吸収剤の含有量は、選択される紫外線吸収剤の種類によって、適宜設定される。
一般的には、本開示の眼鏡用レンズ中における他の紫外線吸収剤の含有量は、その他の紫外線吸収剤1種類あたり、樹脂の全質量に対して、0.01質量%〜3.0質量%であることが好ましい。
本開示の眼鏡用レンズが他の紫外線吸収剤を2種以上含有する場合、本開示の眼鏡用レンズ中における他の紫外線吸収剤の合計含有量は、樹脂の全質量に対して、0.01質量%〜3.0質量%であることが好ましい。
本開示の眼鏡用レンズ中における特定紫外線吸収剤の合計含有量が上記範囲内であると、ヘイズが発生したり、黄色味を帯びたりすることを抑制しつつ、広い範囲の紫外線領域のブルーライトを良好に遮断し得る。
また、特定紫外線吸収剤と他の紫外線吸収剤との含有比率としては、質量基準で、0.1:1〜1:0.1が好ましく、0.2:1〜1:0.2がより好ましく、0.3:1〜1:0.3がさらに好ましい。
特定紫外線吸収剤は色価が高いために、他の紫外線吸収剤と併用した場合、全紫外線吸収剤に対する特定紫外線吸収剤の含有比率が10質量%程度であっても、優れたブルーライト遮断性を示す。特定紫外線吸収剤が少量でも効果を奏することは、後述の実施例2−1〜実施例2−6でよっても裏付けられている。
〔その他の成分〕
本開示の眼鏡用レンズは、既述した成分以外の成分(所謂、他の添加剤)を含んでいてもよい。
他の添加剤としては、可塑剤、劣化防止剤(例えば、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)、染料、内部離型剤、消臭剤等が挙げられる。
〔眼鏡用レンズの製造方法〕
本開示の眼鏡用レンズの製造方法は、既述の本開示の眼鏡用レンズを製造できればよく、特に制限されるものではない。
例えば、眼鏡用レンズに含有される樹脂が熱可塑性樹脂の場合、本開示の眼鏡用レンズは、樹脂と、特定紫外線吸収剤と、必要に応じて、任意成分である他の紫外線吸収剤と、その他の添加剤と、を含む樹脂組成物を、溶融押出機を用いて混練し、混練物をペレット状に成形し、得られたペレット状の樹脂組成物を用いて、射出成形法等の公知の成形法を適用することにより製造することができる。
例えば、眼鏡用レンズに含有される樹脂が熱硬化性樹脂の場合、本開示の眼鏡用レンズは、樹脂の前駆体であるモノマーと、特定化合物と、重合触媒(例えば、ジブチルスズジクロリド)と、必要に応じて、任意成分であるその他の紫外線吸収剤と、その他の添加剤と、を含む樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物をモールド(成形型)内に充填し、加熱して硬化させることにより製造することができる。
[眼鏡]
本開示の眼鏡は、既述の本開示の眼鏡用レンズを備える。
すなわち、本開示の眼鏡は、既述の本開示の眼鏡用レンズを適切な眼鏡フレームに装着した構成を有する。
本開示の眼鏡によれば、少なくとも380nm〜400nmの波長領域のブルーライトを遮断することができるので、画像表示装置のディスプレイを見る作業等を長時間行った場合の眼の疲労の軽減が期待できる。
また、本開示の眼鏡によれば、レンズを介して対象物を視認した際に色味の変化を感じ難い。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[吸収スペクトルの測定]
下記の表1に示す特定化合物及び比較化合物について、クロロホルム溶液中の吸収スペクトルの測定を行った。測定装置には、(株)島津製作所の分光光度計(型番:UV3150)を用いた。
各化合物の極大吸収波長における吸光度を1としたときの、波長400nm及び波長410nmにおける吸光度の比率、並びに、吸光度比率の割合を表1に示す。
表1中、「400nm吸光度における比率*1」及び「410nm吸光度における比率*2」の欄に示す数値(比率*1及び比率*2)は、測定された各化合物の吸光度の測定値から、下記の式A及び式Bにより算出した値である。また「吸光度比率の割合」は、比率*1の値を比率*2の値で除算して算出した値である。
比率*1=(400nm吸光度)/(極大吸収波長の吸光度) ・・・式A
比率*2=(410nm吸光度)/(極大吸収波長の吸光度) ・・・式B

表1中の備考欄に「特定化合物」とある各化合物は、特定化合物の例示化合物として前掲した化合物にそれぞれ対応する。比較用化合物である化合物(H−1)、化合物(H−2)及び化合物(H−3)の構造を以下に示す。

表1に示すとおり、特定化合物(特定紫外吸収剤)は、極大吸収波長の吸光度を1.0としたときに、410nmにおける吸光度比率が0.10以下であり、400nmにおける吸光度比率が0.10以上であり、かつ、410nmにおける吸光度比率に対する400nmにおける吸光度比率との割合が5.0以上であることがわかる。
一方、比較化合物は、極大吸収波長の吸光度を1.0としたときに、410nmにおける吸光度が0.10以下であるが、400nmにおける吸光度が0.10以上ではなく、410nmにおける吸光度比率に対する400nmにおける吸光度比率との割合も5.0未満であることがわかる。
次に、特定化合物(S−6、T−29、B−2及びB−23)、並びに、比較化合物(H−1、及びH−2)の色価(=モル吸光係数/分子量)を算出した。結果を表2に示す。

表2に示すとおり、特定化合物は、色価が比較例よりも高い場合が多く、特にB−2及びB−23は、高い色価を示した。これより、特定化合物は同じ添加量であっても効率的にブルーライトを吸収できることがわかる。即ち、少ない添加量で効率的にブルーライトを吸収できる特定化合物は、含有量を少なくしても、所望の効果を奏し、且つ、特定化合物に起因するヘイズの低下をより効果的に抑制することができ、透明性が高い眼鏡レンズとして有用であることがわかる。
なお、上記では特定化合物である4種の化合物を例として色価の測定を行なったが、他の特定化合物についても、これら4種の化合物と同様の傾向を示すことが推察される。
[レンズの作製]
(実施例1−1)
チオウレタン樹脂の前駆体モノマーであるMR−8(登録商標)〔商品名、屈折率:1.60、三井化学(株)〕を100質量部と、既述の特定化合物S−6を0.1質量部と、重合触媒であるジブチルスズジクロリドを0.01質量部とを混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をモールド(即ち、成形型)内に充填した後、130℃で2時間加熱し、硬化させることにより、厚さ2mmの眼鏡用レンズを作製した。作製した眼鏡用レンズは、目視にて確認したところ、透明であることが確認された。
(実施例1−2)
チオウレタン樹脂の前駆体モノマーであるMR−6(登録商標)〔商品名、屈折率:1.59、三井化学(株)〕を100質量部と、既述の特定化合物S−6を0.1質量部と、重合触媒であるジブチルスズジクロリドを0.01質量部とを混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をモールド(即ち、成形型)内に充填した後、130℃で2時間加熱し、硬化させることにより、厚さ2mmの眼鏡用レンズを作製した。作製した眼鏡用レンズは、目視にて確認したところ、透明であることが確認された。
(実施例1−3)
チオウレタン樹脂の前駆体モノマーであるMR−8(登録商標)〔商品名、屈折率:1.60、三井化学(株)〕を100質量部と、既述の特定化合物T−29を0.1質量部と、重合触媒であるジブチルスズジクロリドを0.01質量部とを混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をモールド(即ち、成形型)内に充填した後、130℃で2時間加熱し、硬化させることにより、厚さ2mmの眼鏡用レンズを作製した。作製した眼鏡用レンズは、目視にて確認したところ、透明であることが確認された。
(実施例1−4)
チオウレタン樹脂の前駆体モノマーであるMR−8(登録商標)〔商品名、屈折率:1.60、三井化学(株)〕を100質量部と、既述の特定化合物B−2を0.1質量部と、重合触媒であるジブチルスズジクロリドを0.01質量部とを混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をモールド(即ち、成形型)内に充填した後、130℃で2時間加熱し、硬化させることにより、厚さ2mmの眼鏡用レンズを作製した。作製した眼鏡用レンズは、目視にて確認したところ、透明であることが確認された。
(実施例1−5)
チオウレタン樹脂の前駆体モノマーであるMR−8(登録商標)〔商品名、屈折率:1.60、三井化学(株))〕を100質量部と、既述の特定化合物B−23を0.1質量部と、重合触媒であるジブチルスズジクロリドを0.01質量部とを混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をモールド(即ち、成形型)内に充填した後、130℃で2時間加熱し、硬化させることにより、厚さ2mmの眼鏡用レンズを作製した。作製した眼鏡用レンズは、目視にて確認したところ、透明であることが確認された。
(実施例1−6)
チオウレタン樹脂の前駆体モノマーであるMR−8(登録商標)〔商品名、屈折率:1.60、三井化学(株))〕を100質量部と、既述の特定化合物B−2を0.1質量部と、他の紫外線吸収剤である化合物H−1(上記構造を有する化合物)0.05質量部と、重合触媒であるジブチルスズジクロリドを0.01質量部とを混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をモールド(即ち、成形型)内に充填した後、130℃で2時間加熱し、硬化させることにより、厚さ2mmの眼鏡用レンズを作製した。作製した眼鏡用レンズは、目視にて確認したところ、透明であることが確認された。
(実施例1−7)
チオウレタン樹脂の前駆体モノマーであるMR−8(登録商標)〔商品名、屈折率:1.60、三井化学(株))〕を100質量部と、既述の特定化合物B−2を0.1質量部と、他の紫外線吸収剤である化合物H−2(上記構造を有する化合物)0.05質量部と、重合触媒であるジブチルスズジクロリドを0.01質量部とを混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をモールド(即ち、成形型)内に充填した後、130℃で2時間加熱し、硬化させることにより、厚さ2mmの眼鏡用レンズを作製した。作製した眼鏡用レンズは、目視にて確認したところ、透明であることが確認された。
(実施例1−8)
ポリカーボネート樹脂(屈折率n=1.58)であるパンライト(登録商標)L−1250WP〔商品名、ビスフェノールとホスゲンとから界面縮重合法により製造された芳香族ポリカーボネート樹脂パウダー、粘度平均分子量:24,000、帝人化成(株)〕を100質量部と、既述の特定化合物S−6を0.1質量部と、重合触媒であるジブチルスズジクロリドを0.01質量部と、ブレンダーを用いて混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、ベント式二軸押出機を用いて溶融混練し、ペレットを得た。なお、ベント式二軸押出機には、(株)日本製鋼所のTEX30α(仕様:完全かみ合い、同方向回転、2条ネジスクリュー)を用いた。混練ゾーンは、ベント口手前(上流方向)に1箇所備えるタイプとした。押出条件は、吐出量を30kg/hrとし、スクリュー回転数を150rpm(rotations per minute:以下同じ)とし、ベントの真空度を3kPaとし、第1供給口からダイズ部分までの押出温度を280℃とした。
得られたペレットを120℃で5時間、熱風循環式乾燥機を用いて乾燥させた後、射出成形機(射出条件:シリンダー温度340℃、金型温度80℃)を用いて、厚さ2mmの眼鏡用レンズを作製した。作製した眼鏡用レンズは、目視にて確認したところ、透明であることが確認された。
(実施例1−9)
ポリカーボネート樹脂(屈折率n=1.58)であるパンライト(登録商標)L−1250WP〔商品名、ビスフェノールとホスゲンとから界面縮重合法により製造された芳香族ポリカーボネート樹脂パウダー、粘度平均分子量:24,000、帝人化成(株)〕を100質量部と、既述の特定化合物B−2を0.1質量部と、重合触媒であるジブチルスズジクロリドを0.01質量部と、ブレンダーを用いて混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、ベント式二軸押出機を用いて溶融混練し、ペレットを得た。なお、ベント式二軸押出機には、(株)日本製鋼所のTEX30α(仕様:完全かみ合い、同方向回転、2条ネジスクリュー)を用いた。混練ゾーンは、ベント口手前に1箇所備えるタイプとした。押出条件は、吐出量を30kg/hrとし、スクリュー回転数を150rpm(rotations per minute:以下同じ)とし、ベントの真空度を3kPaとし、第1供給口からダイズ部分までの押出温度を280℃とした。
得られたペレットを120℃で5時間、熱風循環式乾燥機を用いて乾燥させた後、射出成形機(射出条件:シリンダー温度340℃、金型温度80℃)を用いて、厚さ2mmの眼鏡用レンズを作製した。作製した眼鏡用レンズは、目視にて確認したところ、透明であることが確認された。
(実施例1−10)
チオウレタン樹脂の前駆体モノマーであるMR−8(登録商標)〔商品名、屈折率:1.60、三井化学(株))〕を100質量部と、既述の特定化合物S−18を0.1質量部と、重合触媒であるジブチルスズジクロリドを0.01質量部とを混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をモールド(即ち、成形型)内に充填した後、130℃で2時間加熱し、硬化させることにより、厚さ2mmの眼鏡用レンズを作製した。作製した眼鏡用レンズは、目視にて確認したところ、透明であることが確認された。
(実施例1−11)
チオウレタン樹脂の前駆体モノマーであるMR−8(登録商標)〔商品名、屈折率:1.60、三井化学(株))〕を100質量部と、既述の特定化合物S−36を0.1質量部と、重合触媒であるジブチルスズジクロリドを0.01質量部とを混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をモールド(即ち、成形型)内に充填した後、130℃で2時間加熱し、硬化させることにより、厚さ2mmの眼鏡用レンズを作製した。作製した眼鏡用レンズは、目視にて確認したところ、透明であることが確認された。
(実施例1−12)
チオウレタン樹脂の前駆体モノマーであるMR−8(登録商標)〔商品名、屈折率:1.60、三井化学(株))〕を100質量部と、既述の特定化合物S−1を0.1質量部と、重合触媒であるジブチルスズジクロリドを0.01質量部とを混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をモールド(即ち、成形型)内に充填した後、130℃で2時間加熱し、硬化させることにより、厚さ2mmの眼鏡用レンズを作製した。作製した眼鏡用レンズは、目視にて確認したところ、透明であることが確認された。
(実施例1−13)
チオウレタン樹脂の前駆体モノマーであるMR−8(登録商標)〔商品名、屈折率:1.60、三井化学(株))〕を100質量部と、既述の特定化合物T−29を0.1質量部と、重合触媒であるジブチルスズジクロリドを0.01質量部とを混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をモールド(即ち、成形型)内に充填した後、130℃で2時間加熱し、硬化させることにより、厚さ2mmの眼鏡用レンズを作製した。作製した眼鏡用レンズは、目視にて確認したところ、透明であることが確認された。
(比較例1−1)
チオウレタン樹脂の前駆体モノマーであるMR−8(登録商標)〔商品名、屈折率:1.60、三井化学(株)〕を100質量部と、比較化合物H−1を0.1質量部と、重合触媒であるジブチルスズジクロリドを0.01質量部とを混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をモールド(即ち、成形型)内に充填した後、130℃で2時間加熱し、硬化させることにより、厚さ2mmの眼鏡用レンズを作製した。作製した眼鏡用レンズは、目視にて確認したところ、透明であることが確認された。
(比較例1−2)
チオウレタン樹脂の前駆体モノマーであるMR−8(登録商標)〔商品名、屈折率:1.60、三井化学(株)〕を100質量部と、比較化合物H−2を0.1質量部と、重合触媒であるジブチルスズジクロリドを0.01質量部とを混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をモールド(即ち、成形型)内に充填した後、130℃で2時間加熱し、硬化させることにより、厚さ2mmの眼鏡用レンズを作製した。作製した眼鏡用レンズは、目視にて確認したところ、透明であることが確認された。
(比較例1−3)
チオウレタン樹脂の前駆体モノマーであるMR−8(登録商標)〔商品名、屈折率:1.60、三井化学(株)〕を100質量部と、比較化合物H−2を1.0質量部と、重合触媒であるジブチルスズジクロリドを0.01質量部とを混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をモールド(即ち、成形型)内に充填した後、130℃で2時間加熱し、硬化させることにより、厚さ2mmの眼鏡用レンズを作製した。作製した眼鏡用レンズは、目視にて確認したところ、透明であることが確認された。
(比較例1−4)
チオウレタン樹脂の前駆体モノマーであるMR−8(登録商標)〔商品名、屈折率:1.60、三井化学(株)〕を100質量部と、比較化合物H−3を0.1質量部と、重合触媒であるジブチルスズジクロリドを0.01質量部とを混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をモールド(即ち、成形型)内に充填した後、130℃で2時間加熱し、硬化させることにより、厚さ2mmの眼鏡用レンズを作製した。作製した眼鏡用レンズは、目視にて確認したところ、透明であることが確認された。
(実施例2−1)
チオウレタン樹脂の前駆体モノマーであるMR−8(登録商標)〔商品名、屈折率:1.60、三井化学(株)〕を100質量部と、既述の特定化合物S−1を0.01質量部と、重合触媒であるジブチルスズジクロリドを0.01質量部とを混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をモールド(即ち、成形型)内に充填した後、130℃で2時間加熱し、硬化させることにより、厚さ2mmの眼鏡用レンズを作製した。作製した眼鏡用レンズは、目視にて確認したところ、透明であることが確認された。
(実施例2−2)
チオウレタン樹脂の前駆体モノマーであるMR−8(登録商標)〔商品名、屈折率:1.60、三井化学(株)〕を100質量部と、既述の特定化合物S−18を0.01質量部と、重合触媒であるジブチルスズジクロリドを0.01質量部とを混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をモールド(即ち、成形型)内に充填した後、130℃で2時間加熱し、硬化させることにより、厚さ2mmの眼鏡用レンズを作製した。作製した眼鏡用レンズは、目視にて確認したところ、透明であることが確認された。
(実施例2−3)
チオウレタン樹脂の前駆体モノマーであるMR−8(登録商標)〔商品名、屈折率:1.60、三井化学(株)〕を100質量部と、既述の特定化合物S−36を0.01質量部と、重合触媒であるジブチルスズジクロリドを0.01質量部とを混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をモールド(即ち、成形型)内に充填した後、130℃で2時間加熱し、硬化させることにより、厚さ2mmの眼鏡用レンズを作製した。作製した眼鏡用レンズは、目視にて確認したところ、透明であることが確認された。
(実施例2−4)
チオウレタン樹脂の前駆体モノマーであるMR−8(登録商標)〔商品名、屈折率:1.60、三井化学(株)〕を100質量部と、既述の特定化合物T−29を0.01質量部と、重合触媒であるジブチルスズジクロリドを0.01質量部とを混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をモールド(即ち、成形型)内に充填した後、130℃で2時間加熱し、硬化させることにより、厚さ2mmの眼鏡用レンズを作製した。作製した眼鏡用レンズは、目視にて確認したところ、透明であることが確認された。
(実施例2−5)
チオウレタン樹脂の前駆体モノマーであるMR−8(登録商標)〔商品名、屈折率:1.60、三井化学(株)〕を100質量部と、既述の特定化合B−2を0.01質量部と、重合触媒であるジブチルスズジクロリドを0.01質量部とを混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をモールド(即ち、成形型)内に充填した後、130℃で2時間加熱し、硬化させることにより、厚さ2mmの眼鏡用レンズを作製した。作製した眼鏡用レンズは、目視にて確認したところ、透明であることが確認された。
(実施例2−6)
チオウレタン樹脂の前駆体モノマーであるMR−8(登録商標)〔商品名、屈折率:1.60、三井化学(株)〕を100質量部と、既述の特定化合物B−23を0.01質量部と、重合触媒であるジブチルスズジクロリドを0.01質量部とを混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をモールド(即ち、成形型)内に充填した後、130℃で2時間加熱し、硬化させることにより、厚さ2mmの眼鏡用レンズを作製した。作製した眼鏡用レンズは、目視にて確認したところ、透明であることが確認された。
(比較例2−1)
チオウレタン樹脂の前駆体モノマーであるMR−8(登録商標)〔商品名、屈折率:1.60、三井化学(株)〕を100質量部と、比較化合物H−1を0.01質量部と、重合触媒であるジブチルスズジクロリドを0.01質量部とを混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をモールド(即ち、成形型)内に充填した後、130℃で2時間加熱し、硬化させることにより、厚さ2mmの眼鏡用レンズを作製した。作製した眼鏡用レンズは、目視にて確認したところ、透明であることが確認された。
(比較例2−2)
チオウレタン樹脂の前駆体モノマーであるMR−8(登録商標)〔商品名、屈折率:1.60、三井化学(株)〕を100質量部と、比較化合物H−2を0.01質量部と、重合触媒であるジブチルスズジクロリドを0.01質量部とを混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をモールド(即ち、成形型)内に充填した後、130℃で2時間加熱し、硬化させることにより、厚さ2mmの眼鏡用レンズを作製した。作製した眼鏡用レンズは、目視にて確認したところ、透明であることが確認された。
(比較例2−3)
チオウレタン樹脂の前駆体モノマーであるMR−8(登録商標)〔商品名、屈折率:1.60、三井化学(株)〕を100質量部と、比較化合物H−3を0.01質量部と、重合触媒であるジブチルスズジクロリドを0.01質量部とを混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をモールド(即ち、成形型)内に充填した後、130℃で2時間加熱し、硬化させることにより、厚さ2mmの眼鏡用レンズを作製した。作製した眼鏡用レンズは、目視にて確認したところ、透明であることが確認された。
[眼鏡の作製]
上記にて作製した各実施例及び比較例の眼鏡用レンズを、それぞれ眼鏡フレームに装着し、眼鏡を作製した。
[評価]
1.透過率
各実施例及び比較例の眼鏡用レンズのそれぞれについて、作製直後の波長400nmにおける透過率を測定した。測定装置には、(株)島津製作所の分光光度計(型番:UV 3150)を用いた。測定された透過率の値(%)が低いほど、波長400nmのブルーライトの遮蔽性が良好であることを示す。
結果を表3及び表5に示す。なお、以下の表3〜表5では、評価結果の数値は、単位「%」を省略して記載する。
2.ヘイズ
各実施例及び比較例の眼鏡用レンズのそれぞれについて、作製直後のヘイズを測定した。
測定装置には、日本電色工業(株)のヘイズメーター(型番:NDH 7000)を用いた。測定されたヘイズの値(%)が低いほど、眼鏡用レンズが透明性に優れることを示す。結果を表3及び表5に示す。なお、以下の表3〜表5では、評価結果の数値は、単位「%」を省略して記載する。
3.耐光性
各実施例及び比較例の眼鏡用レンズの耐光性を評価した。
まず、眼鏡用レンズの波長400nmにおける透過率を、(株)島津製作所の分光光度計(型番:UV 3150)を用いて測定した。
次いで、超促進耐候性試験機〔製品名:アイ スーパーUVテスター、岩崎電気(株)〕を用いて、眼鏡用レンズに対して、メタルハライドランプ(約290nm以下カット)の光を、照度90mW/cm、温度63℃、相対湿度50%の条件で、60時間照射した。光照射後、眼鏡用レンズの波長400nmにおける透過率を、上記と同様に、(株)島津製作所の分光光度計(型番:UV 3150)を用いて測定した。
光照射前後の波長400nmにおける透過率の変化の幅を算出し、変化の幅が5%未満の場合を耐光性が「特に良好」であると評価し、変化の幅が5%から10%未満の場合を耐光性が「良好」であると評価し、変化の幅が10%以上の場合を耐光性が「不良」であると評価した。結果を表3及び表5に示す。
耐光性は、眼鏡用レンズが長期間紫外線に曝されても、眼鏡用レンズに含まれる特定化合物等の紫外線吸収剤の分解、析出、樹脂との相分離などが抑制され、長期間に亘り、ブルーライトの良好な遮断性を維持することの指標となる。
4.黄色味
各実施例及び比較例で作製した眼鏡用レンズを白い紙の上に配置した。評価モニター1名に、紙上の眼鏡用レンズを目視にて観察してもらい、眼鏡用レンズに黄色味があるか否かを評価してもらった。結果を表3及び表5に示す。
5.眼の疲れ
評価モニター2名に、作製した眼鏡を装着してもらい、画像表示装置のディスプレイを3時間連続して眺めてもらった後、眼の疲れを感じるか否かを評価してもらった。
その結果、各実施例の眼鏡用レンズを備える眼鏡を装着した2名の評価モニターは、いずれも眼の疲れが感じられないと評価した。
一方、各比較例の眼鏡用レンズを備える眼鏡を装着した2名の評価モニターは、いずれも眼の疲れを感じると評価した。
眼鏡に装着された各実施例の眼鏡用レンズは、上記1.透過率の評価に明な如く、各比較例の眼鏡用レンズに対し、極大吸収波長のブルーライト遮断性がより良好である。このため、ブルーライトに起因する目の疲れを効果的に抑制することができる。
6.色味の変化
評価モニター2名に、作製した眼鏡を装着してもらい、画像表示装置のディスプレイに表示された画像を視認してもらった。そして、眼鏡用レンズを介して画像を視認した際に、装着の前後において色味の変化を感じるか否かを評価してもらった。
その結果、各実施例の眼鏡用レンズを備える眼鏡を装着した2名の評価モニターは、いずれも色味の変化がほとんど感じられないと評価した。
一方、各比較例の眼鏡用レンズを備える眼鏡を装着した2名の評価モニターは、いずれも色味の変化を感じると評価した。

表3に示すように、実施例1−1〜1−13の眼鏡用レンズは、比較例1−1〜1−4の眼鏡用レンズと比較して、波長400nmにおける透過率の値が低く、ブルーライトの遮蔽性に優れていることが確認された。
また、実施例1−1〜実施例1−13の眼鏡用レンズは、比較例1−1から比較例1−4の眼鏡用レンズと比較して、ヘイズの値が低く、透明性に優れていることが確認された
7.透過率及びヘイズの湿熱経時
上各実施例1−10〜実施例1−13の眼鏡用レンズのそれぞれについて、作製直後及び湿熱環境下に経時後の波長400nmにおける透過率及びヘイズを測定した。
透過率の測定方法は、既述の3.透過率に記載したとおりであり、ヘイズの値の測定方法は、既述の4.ヘイズに記載した通りである。
透過率の値が低いほど、波長400nmのブルーライトの遮蔽性が良好であることを示し、ヘイズの値が低いほど、透明性が良好であることを示す。
なお、湿熱経時の条件は、温度:85℃、湿度:85%RH、期間:300時間とした。
結果を表4に示す。
また、既述の実施例2−1〜実施例2−6及び比較例2-1〜比較例2−3についても、同様に、湿熱経時試験を行なった。結果を表5に併記する。

表4に示すように、実施例1−10〜実施例1−13の眼鏡用レンズは、湿熱経時後においても、実用上問題のないヘイズ及び透明性の値を維持していることが確認された。

表5に示すように、実施例2−1〜2−6の眼鏡用レンズは、実施例1−1等に比較し、特定紫外線吸収剤の含有量が、100分の1という少量であるにも係わらず、実用上問題のないブルーライトの遮蔽性を発現することが確認された。
他方、既述の如き少量の含有量であると、比較化合物では、いずれも有効なブルーライトの遮断性は得られなかった。
また、実施例2−1〜実施例2−6の眼鏡用レンズは、比較例2−1〜比較例2−3の眼鏡用レンズと比較して、ヘイズの値が大幅に低く、透明性に優れていることが確認された。
実施例2−1〜実施例2−6の眼鏡用レンズは、湿熱経時後においても、作製直後と同等のヘイズ及び透明性を維持していたが、比較例2−1〜比較例2−3は、いずれもヘイズの値が上昇し、透明性が低下したことが確認された。
さらに、実施例2−1〜実施例2−6の眼鏡用レンズは、比較例2−1から比較例2−3の眼鏡用レンズと比較して、耐光性に優れ、黄色味を帯び難いことも確認された。
表5の結果からは、本開示の眼鏡用レンズは、特定紫外線吸収剤(特定化合物)の含有量が著しく少ない場合でも、所望とする効果が発揮されることがわかる。
上記評価結果より、既述の各実施例の眼鏡用レンズを用いた眼鏡を装着することで、ブルーライトに起因する目の疲れ、睡眠障害の発生などが抑制され、眼鏡を介して視認する対象物の色味の変化を感じ難いことが期待される。

Claims (8)

  1. 樹脂と、ベンゾジチラン化合物から選ばれる少なくとも1種の紫外線吸収剤と、を含有する眼鏡用レンズ。
  2. 前記ベンゾジチラン化合物が、下記式(1)で表される化合物及び下記式(2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の眼鏡用レンズ。


    式(1)中、EWG及びEWGは、それぞれ独立にハメットの置換基定数σp値が0.2以上の基を表す。Vは、水素原子又は一価の置換基を表す。

    式(2)中、EWG、EWG、EWG及びEWGは、それぞれ独立にハメットの置換基定数σp値が0.2以上の基を表し、Vは、水素原子又は一価の置換基を表す。
  3. 前記式(1)で表される化合物を含み、前記式(1)におけるEWG及びEWG、は、それぞれ独立に、−COOR、−SO、−CN、又は−CORを表し、Rがアリール基を表し、R及びRがそれぞれ独立にアルキル基を表す、請求項2に記載の眼鏡用レンズ。
  4. 前記式(2)で表される化合物を含み、前記式(2)におけるEWG、EWG、EWG及びEWGは、それぞれ独立に、−COOR、−SO、−CN、又は−CORを表し、Rがアリール基を表し、R及びRがそれぞれ独立にアルキル基を表す、請求項2に記載の眼鏡用レンズ。
  5. 前記樹脂がチオウレタン樹脂及びポリカーボネート樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の眼鏡用レンズ。
  6. ベンゾジチラン化合物から選ばれる少なくとも1種の紫外線吸収剤とは異なる、他の紫外線吸収剤をさらに含有し、前記他の紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール化合物及びベンゾトリアジン化合物から選択される少なくとも1種である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の眼鏡用レンズ。
  7. 樹脂と、ベンゾジチラン化合物から選ばれる少なくとも1種の紫外線吸収剤と、を含有し、
    前記ベンゾジチラン化合物から選ばれる少なくとも1種の紫外線吸収剤の極大吸収波長の吸光度を1.0としたときに、波長410nmにおける吸光度比率が0.10以下であり、波長400nmにおける吸光度比率が0.05以上であり、かつ、410nmにおける吸光度比率に対する400nmにおける吸光度比率との割合が5.0以上である眼鏡用レンズ。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の眼鏡用レンズを備える眼鏡。
JP2018080056A 2018-04-18 2018-04-18 眼鏡用レンズ及び眼鏡 Pending JP2019191219A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018080056A JP2019191219A (ja) 2018-04-18 2018-04-18 眼鏡用レンズ及び眼鏡

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018080056A JP2019191219A (ja) 2018-04-18 2018-04-18 眼鏡用レンズ及び眼鏡

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019191219A true JP2019191219A (ja) 2019-10-31

Family

ID=68391403

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018080056A Pending JP2019191219A (ja) 2018-04-18 2018-04-18 眼鏡用レンズ及び眼鏡

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019191219A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022265028A1 (ja) * 2021-06-18 2022-12-22 富士フイルム株式会社 混練物、混練物の製造方法、成形体および光学部材
EP4083142A4 (en) * 2019-12-25 2023-02-08 FUJIFILM Corporation RESIN COMPOSITION, CURED PRODUCT, UV ABSORBER, UV CUT FILTER, LENS, PROTECTIVE MATERIAL, COMPOUND AND METHOD OF SYNTHETICING A COMPOUND

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000147201A (ja) * 1998-11-06 2000-05-26 Ito Kogaku Kogyo Kk プラスチックレンズ
WO2008102822A1 (ja) * 2007-02-20 2008-08-28 Fujifilm Corporation 紫外線吸収剤を含む高分子材料
JP2009298898A (ja) * 2008-06-12 2009-12-24 Fujifilm Corp 紫外線吸収剤及びこれを含む高分子材料
JP2010095661A (ja) * 2008-10-17 2010-04-30 Fujifilm Corp 紫外線吸収剤
JP2010100787A (ja) * 2008-10-27 2010-05-06 Fujifilm Corp 紫外線吸収剤およびこれを含む高分子材料
JPWO2017169370A1 (ja) * 2016-03-29 2018-07-12 富士フイルム株式会社 保護シート、画像表示装置、眼鏡レンズおよび眼鏡
JPWO2017122503A1 (ja) * 2016-01-12 2018-11-08 富士フイルム株式会社 組成物、膜、ガラス物品、化合物、高純度組成物、化合物の製造方法および膜の製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000147201A (ja) * 1998-11-06 2000-05-26 Ito Kogaku Kogyo Kk プラスチックレンズ
WO2008102822A1 (ja) * 2007-02-20 2008-08-28 Fujifilm Corporation 紫外線吸収剤を含む高分子材料
JP2009298898A (ja) * 2008-06-12 2009-12-24 Fujifilm Corp 紫外線吸収剤及びこれを含む高分子材料
JP2010095661A (ja) * 2008-10-17 2010-04-30 Fujifilm Corp 紫外線吸収剤
JP2010100787A (ja) * 2008-10-27 2010-05-06 Fujifilm Corp 紫外線吸収剤およびこれを含む高分子材料
JPWO2017122503A1 (ja) * 2016-01-12 2018-11-08 富士フイルム株式会社 組成物、膜、ガラス物品、化合物、高純度組成物、化合物の製造方法および膜の製造方法
JPWO2017169370A1 (ja) * 2016-03-29 2018-07-12 富士フイルム株式会社 保護シート、画像表示装置、眼鏡レンズおよび眼鏡

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4083142A4 (en) * 2019-12-25 2023-02-08 FUJIFILM Corporation RESIN COMPOSITION, CURED PRODUCT, UV ABSORBER, UV CUT FILTER, LENS, PROTECTIVE MATERIAL, COMPOUND AND METHOD OF SYNTHETICING A COMPOUND
WO2022265028A1 (ja) * 2021-06-18 2022-12-22 富士フイルム株式会社 混練物、混練物の製造方法、成形体および光学部材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009001658A (ja) トリアジン系樹脂組成物およびそれよりなる成形体
US7133209B2 (en) Transparent molding composition for optical applications
WO2021235393A1 (ja) 逆波長分散性位相差フィルム用メタクリル系共重合体、組成物、フィルム、フィルムの製造方法および積層体
CN110036332B (zh) 眼镜用透镜、眼镜、保护片及显示器
JP2019191219A (ja) 眼鏡用レンズ及び眼鏡
EP3627193A1 (en) Polycarbonate resin lens, and polycarbonate resin composition
WO2019203031A1 (ja) 眼鏡用レンズ及び眼鏡
CN110709470B (zh) 聚碳酸酯树脂组合物和由其组成的光学模制品
JP2014062148A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
KR20210124386A (ko) 폴리카보네이트계 수지 조성물 또는 공중합체, 및 광학 필름
US4816504A (en) Stabilized polycarbonates
CA1289290C (en) Stabilized polycarbonates
JP2020007408A (ja) 輸送機器窓用ポリカーボネート樹脂組成物
CN113474416B (zh) 聚碳酸酯组合物和由其形成的光学产品
EP3910015A1 (en) Polycarbonate composition and optical product formed therefrom
CN111954844A (zh) 眼镜用透镜及眼镜
WO2021251433A1 (ja) 組成物、及び化合物
JP2013136659A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品
WO2020049903A1 (ja) 眼鏡用レンズ及び眼鏡
JP4525998B2 (ja) 耐光性ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形品
KR20130090372A (ko) 폴리카보네이트 수지 조성물
JP2003192798A (ja) 透明ポリアミド系成形体
JP2011043557A (ja) 眼鏡レンズ
JP6875952B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物及びそれを含む樹脂成形品
JPH0925386A (ja) 導光体用メタクリル樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200720

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210727

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210927

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211116

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220104