JP2019190402A - 内燃機関の動弁機構及びこれを用いたコージェネレーション装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃費の悪化を抑制でき、且つ燃焼室の密閉性を向上できる内燃機関の動弁機構を提供する。【解決手段】動弁機構16は、エンジン6のシリンダヘッド11に摺動可能に設けられたバルブ43と、バルブ43を閉方向に付勢するバルブスプリング46と、シリンダヘッド11とバルブスプリング46との間に介装されたバルブセット荷重変更機構50と、バルブセット荷重変更機構50の動作を制御する制御装置26とを備える。制御装置26は、バルブスプリングのセット荷重を、クランキング動作中T2にエンジン6の運転中T3に比べて大きくする。【選択図】図7

Description

本開示は、吸気バルブ又は排気バルブを閉方向に付勢するバルブスプリングのセット荷重を調整する内燃機関の動弁機構に関する。
内燃機関のバルブスプリングのセット荷重は、エンジン回転速度が上限値に達してもバルブを正常に往復運動させる値に設定される。言い換えれば、バルブスプリングのセット荷重を大きくすることにより、往復運動するバルブが慣性力によってジャンプしたり着座時にバウンスしたりするといったバルブの異常な運動(即ち、エンジンのオーバーラン)を確実に防止することができる。しかしながら、バルブスプリングのセット荷重を大きくすると、フリクションが増大することによって燃費が悪化する。そのため、バルブスプリングのセット荷重は、バルブの異常な運動が生じない範囲においてできるだけ低く設定することが望ましい。また、バルブスプリングのセット荷重を低く設定することにより、バルブやロッカアームの軸受、バルブとカムとの摺動部等の耐久性が向上する。
特許文献1には、既存の形状をできるだけ変更せずに、セット荷重を低く設定することによるフリクションの低減やバルブ系の耐久性向上と、セット荷重を高く設定することによる排気ブレーキ効率の向上とを両立できるセット荷重調整装置が提案されている。このセット荷重調整装置では、ロアスプリングシートの下面にテーパ状の溝が複数個形成され、シリンダヘッドの上面に孔が複数個形成され、シリンダヘッドの孔とそれらの溝との間にボールが挿入され、ロアスプリングシートに回動手段が設けられている。回動手段は、ラック及びピニオンギヤや、ウォーム及びウォームホイール、ワイヤによって構成されている。
特許文献2には、バルブスプリングの下端を昇降させることによってセット荷重を変更可能な荷重調整装置と、エンジンの回転速度に対応してセット荷重を最適に調整するように荷重調整装置の作動を制御する制御装置とが開示されている。この制御装置は、エンジンの回転速度が予め定めた回転速度を超えた時や、排気ブレーキを作動させた時に、セット荷重が高くなるように荷重調整装置の作動を制御している。
特開平8−21217号公報 特開2002−221010号公報
ところで、エンジンの運転が長時間に亘って続くと、オイルや燃料に由来するカーボンがバルブに堆積する。カーボンは燃焼室で発生し、バルブの傘表だけでなくバルブフェースや傘裏、ステムにも堆積する。また、コージェネレーション装置や発電機のように、一定回転速度で長時間に亘って運転される内燃機関では、吸気バルブのカーボン堆積量が多くなる傾向がある。バルブに堆積したカーボンがバルブとバルブシートとの間に挟まると、燃焼室の密閉性が低下するため、圧縮不良が起き、良好な燃焼が阻害される。また、この事象はエンジンストールや始動不良の原因にもなる。
ここで、バルブスプリングのセット荷重を大きくすることによって、バルブとバルブシートとの間に付着したカーボンを挟み潰すことが考えられる。ところが、バルブスプリングのセット荷重を大きくすると、上記のようにフリクションが増大することによって燃費が悪化する。
特許文献2に記載の荷重調整装置は、エンジンの回転速度が高くなった時にセット荷重を高くしているが、低速回転時やエンジン停止時、エンジン始動時にはセット荷重を低くしている。そのため、バルブとバルブシートとの間に付着したカーボンを挟み潰すことができない。
本発明は、このような背景に鑑み、燃費の悪化を抑制でき、且つ燃焼室の密閉性を向上できる内燃機関の動弁機構を提供することを課題とする。
このような課題を解決するために、本発明のある実施形態は、内燃機関(6)の動弁機構(16)であって、シリンダヘッド(11)に摺動可能に設けられたバルブ(43)と、前記バルブ(43)を閉方向に付勢するバルブスプリング(46)と、前記シリンダヘッド(11)と前記バルブスプリング(46)との間に介装されたバルブセット荷重変更機構(50)と、前記バルブセット荷重変更機構(50)の動作を制御する制御装置(26)と、を備え、前記制御装置(26)は、前記バルブスプリング(46)のセット荷重を、クランキング動作中(T2)に前記内燃機関(6)の運転中(T3)に比べて大きくする。ここで、内燃機関の運転中(T3)とは、始動のためのクランキング動作中(T2)及び停止のための惰性運転中(T4)を含まない期間(ファイアリング運転中)を意味する。
この構成によれば、クランキング動作中に大きなセット荷重で付勢されたバルブによってカーボンを挟み潰すことができる。また、内燃機関の運転中はセット荷重が低くフリクションの低い状態で運転することができ、燃費効率低下の要因となるセット荷重の高い状態での運転時間を短くすることができる。そのため、内燃機関の良好な圧縮及び燃焼と低燃費とを両立することができる。
また、上記構成において、前記制御装置(26)は、前記セット荷重を、前記内燃機関(6)の運転停止時の惰性運転中(T4)に前記内燃機関(6)の運転中(T3)に比べて大きくするとよい。
この構成によれば、惰性運転中に大きなセット荷重で付勢されたバルブによってカーボンを挟み潰すことができる。そのため、内燃機関の次回の始動を円滑にすることができる。
また、上記構成において、前記制御装置(26)は、前記セット荷重を、前記内燃機関(6)の停止中に前記内燃機関(6)の運転中(T3)に比べて小さな値に維持するとよい。
この構成によれば、内燃機関の停止後及び内燃機関のクランキング前にバルブスプリングのセット荷重を変更する必要がなく、セット荷重の変更に要するエネルギーを省力化できる。
また、上記構成において、前記内燃機関(6)の停止中に、前記内燃機関(6)のピストン(13)が上死点近傍に保持され、且つ前記バルブ(43)が閉位置に保持されるとよい。
この構成によれば、内燃機関の停止中にバルブフェース及びバルブシートにカーボンが付着することを抑制できる。
また、上記構成において、前記バルブセット荷重変更機構(50)は、前記バルブ(43)の軸線回りに回動可能に設けられて前記バルブスプリング(46)の下端を支持するスプリングシート(51)と、前記スプリングシート(51)の回転に応じて前記スプリングシート(51)を昇降させるカム機構(52)と、前記スプリングシート(51)を回転駆動するアクチュエータ(53)と、を備えるとよい。
この構成によれば、カム機構を用いた簡単な構成によってバルブスプリングのセット荷重を変更することができる。
また、上記構成において、前記スプリングシート(51)と前記バルブ(43)とが、前記バルブスプリング(46)を介して相対回転不能に連結されているとよい。
この構成によれば、スプリングシートがアクチュエータによって回転駆動されると、バルブがスプリングシートと一体に回転する。これにより、バルブフェースとバルブシートとが摺動し、これらに付着しているカーボンが破砕、除去される。従って、バルブの密閉性が向上し、良好な圧縮が可能になる。
また、上記構成において、前記カム機構(52)が前記スプリングシート(51)を上昇位置に保持した状態で前記スプリングシート(51)を回転可能に支持するように構成されているとよい。
この構成によれば、スプリングシートを上昇位置に保持したまま、バルブをスプリングシートと一体に回転されることができる。そのため、バルブフェースやバルブシートに付着しているカーボンがより確実に破砕、除去される。
また、上記構成において、前記制御装置(26)は、前記内燃機関(6)の始動信号の入力に応じ、クランキング動作の開始前に、前記スプリングシート(51)を上昇位置にて回動させるとよい。
この構成によれば、クランキング動作の開始前にバルブを軸線回りに摺動させることができる。これにより、バルブフェースやバルブシートに付着しているカーボンがより確実に破砕、除去され、内燃機関の始動がより円滑になる。
また、上記構成において、前記制御装置(26)は、前記内燃機関(6)の停止後(t6後)に、前記スプリングシート(51)を上昇位置にて回動させるとよい。
この構成によれば、内燃機関の停止後にバルブを軸線回りに摺動させることができる。これにより、バルブフェースやバルブシートに付着しているカーボンがより確実に破砕、除去され、内燃機関の停止中にバルブフェース及びバルブシートにカーボンが付着することが一層確実に抑制される。
また、本発明のある実施形態は、上記構成の動弁機構(16)を有する前記内燃機関(6)と、前記内燃機関(6)によって駆動されて電力を発生する発電機(5)と、前記内燃機関(6)の排熱を利用して熱交換を行う熱交換器(7)と、を備えるコージェネレーション装置(1)である。
この構成によれば、長時間運転によってカーボンがバルブに堆積し易いコージェネレーション装置において、内燃機関の良好な圧縮及び燃焼と低燃費とを両立することができる。
このように本発明によれば、燃費の悪化を抑制でき、且つ燃焼室の密閉性を向上できる内燃機関の動弁機構を提供することができる。
実施形態に係るコージェネレーション装置の概略構成図 図1に示されるエンジンの平断面図 図2に示される動弁機構の拡大平断面図 図3中のIV-IV断面図 (A)低セット荷重状態、(B)高セット荷重状態における、図4中のV−V断面図 (A)低セット荷重状態、(B)高セット荷重状態における、動弁機構の拡大断面図 エンジン及びバルブセット荷重変更機構の制御状態を示すタイムチャート
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、実施形態に係るコージェネレーション装置1の概略構成図である。図1に示されるように、コージェネレーション装置1は、内燃機関や外燃機関等の排熱を利用して動力・温熱・冷熱を取り出し、総合エネルギー効率を高める新エネルギー供給システムであり、商用電源2(商用電力系統)から電気負荷3に至る交流電力の給電線4に接続される。商用電源2は、単相三線からAC100/200Vで50Hz(又は60Hz)の交流電力を出力する。
コージェネレーション装置1は、給電線4に接続される発電機5(スタータ/ジェネレータ)と、発電機5を駆動する内燃機関からなるエンジン6と、エンジン6の冷却水を排気熱と熱交換させて昇温する熱交換器7とを主要部品として有する。発電機5、エンジン6及び熱交換器7はコージェネレーション装置1の筐体8の内部に収容される。熱交換器7で昇温させられた冷却水は、排熱利用給湯暖房ユニット等の熱負荷9に供給され、温水の生成などに利用される。
図2は、エンジン6の平断面図である。図2に併せて示されるように、エンジン6は、複数種のガスを燃料とする、水冷の4サイクルの単気筒OHV(Over Head Valve)型の火花点火式エンジンである。エンジン6は、シリンダヘッド11及びシリンダブロック12を水平方向(横向き)に配置し、その内部に往復動自在に配置された1個のピストン13を備えている。ピストン13は、コンロッド14を介してクランクシャフト15のクランクピン15aに連結されている。シリンダヘッド11には動弁室が形成され、動弁室には動弁機構16が収容されている。
図1に示されるように、クランクシャフト15は鉛直方向に配置され、エンジン6から上方へ延出している。エンジン6の近傍には、クランク角(具体的には、後述するカムシャフト48の回転角度)を検出するクランク角センサ17が設けられている。
発電機5は多極コイルを備え、クランクシャフト15の上端に取り付けられるフライホイールの内側のクランクケース上に固定される。発電機5は、フライホイールとの間で相対回転する時、交流電力を生成する(即ち、ジェネレータとして機能する)。発電機5は、商用電源2(あるいはバッテリ)から通電される時、エンジン6をクランキングするスタータモータとしても機能する。
エア供給源18から供給されるエア(吸気)は、エアクリーナ19を通ってミキサ20に供給される。一方、燃料供給源21から供給されるガスは、遮断弁22、流量調整弁23を介してミキサ20に供給される。ミキサ20にてエアとガスとが混合されることによって混合気が生成される。
ミキサ20で生成された混合気はエンジン6内部の燃焼室(図2)に流れる。燃焼室の付近には図示しない点火プラグが配置される。点火プラグは、図示しないバッテリの出力がパワートランジスタやイグニッションコイルなどからなる点火装置を介して供給されると、燃焼室に臨む電極間に火花放電を生じ、混合気を着火して燃焼させる。燃焼室で発生した既燃焼ガスは排ガスとしてエンジン6外へ排出され、熱交換器7を介してエンジン6に接続される排気管24を通って筐体8の外に排出される。
発電機5の出力はインバータユニット25に送られる。インバータユニット25は発電機5の出力をAC100/200V(単相)に変換する。インバータユニット25は、ECU(Electronic Control Unit;電子制御ユニット)からなる制御装置26の指令を受けて発電機5の機能をスタータとジェネレータの間で切り替える。制御装置26には、熱負荷9の操作ユニット9aが接続される。また、制御装置26には、電動モータ27〜29が接続されている。電動モータ27は遮断弁22を駆動し、電動モータ28は流量調整弁23を駆動し、電動モータ29はミキサ20の下流側に設けられたスロットル弁30をそれぞれ駆動する。
制御装置26は、熱負荷9の操作ユニット9aにより入力される情報、及びクランク角センサ17の他、各種センサを介して入力された情報に基づき、発電機5及び電動モータ27〜29を制御することにより、クランクシャフト15、遮断弁22、流量調整弁23、スロットル弁30を駆動してエンジン6の始動と運転の制御並びに発電の制御を行う。
制御装置26は、始動信号(エンジン始動要求)を検出すると所定の開度による所定期間に亘るクランキングを開始させる制御を行う。停止信号(エンジン停止要求)を検出すると、エンジン6への燃料供給や点火プラグによる着火を停止する制御を行う。
インバータユニット25の出力は屋内配電盤31に送られる。屋内配電盤31は、過電流の通電などを防止する主幹ブレーカと、インバータユニット25の出力に商用電源2の電力を加えて電気負荷3に供給する分電盤と、発電機5の専用ブレーカと、商用電源2から主幹ブレーカに至る給電路に配置されてそこを流れる交流電力の電流に応じた信号を生じる電流センサなどを備える。即ち、インバータユニット25の出力は、屋内配電盤31で商用電源2の電力と連系されて電気負荷3に供給される。
インバータユニット25の出力は、屋内配電盤31で商用電源2から電気負荷3に至る交流電力の給電線4に接続可能にされる。なお、発電機5の発電出力(定格電力)は、1.0kW程度である。
エンジン6を冷却するための冷却水通路32は、エンジン6のシリンダブロック12とオイルタンクや熱交換器7を通り、熱負荷9に接続される。熱交換器7において、冷却水は、排気(排ガス)と熱交換して昇温させられる。なお、熱交換器7は、例えば、冷却水通路32を変形させ、排気管24を覆うような構造としたものである。熱交換器7を通過した冷却水は、シリンダブロック12及びシリンダヘッド11に形成されるシリンダ通路に供給されてエンジン6と熱交換し、エンジン6を冷却する。排気やエンジン6との熱交換によって昇温させられた高温の冷却水は、冷却水通路32を通ってコージェネレーション装置1の筐体8の外部から熱負荷9に戻される。
図3は、図2に示される動弁機構16の拡大断面図である。図3に示されるように、シリンダヘッド11には吸気ポート41及び排気ポート42が形成されている。シリンダヘッド11には、吸気ポート41の燃焼室側の開口を開閉する吸気バルブ43Iが摺動可能に設けられると共に、排気ポート42の燃焼室側の開口を開閉する排気バルブ43Eが摺動可能に設けられている。これらのバルブ43は、傘部と軸状のステムとを有するポペットバルブであり、シリンダヘッド11に圧入されて上方に突出するバルブガイド44によって摺動可能に支持されている。これらのバルブ43のステムエンド近傍にはそれぞれ円盤形状のリテーナ45が固定されており、各リテーナ45とシリンダヘッド11の上面との間には圧縮コイルばねからなるバルブスプリング46が介装されている。これにより、バルブ43は、常時閉方向(図3の上方向)に付勢されて傘部がバルブシート47に着座する。傘部の傘裏外周部に形成されたバルブフェースは、バルブシート47に着座することによって対応する吸気ポート41又は排気ポート42を閉じて燃焼室を密閉するシール面をなす。
動弁機構16は、シリンダヘッド11に支持されたカムシャフト48、吸気側及び排気側の2本のロッカシャフトに揺動可能に支持された吸気側及び排気側のロッカアーム49等を備えた公知の構成を有している。ロッカアーム49は、それぞれ一端においてカム当接し、他端において対応するバルブ43のステムエンドに当接している。
カムシャフト48が図示しない動力伝達機構を介してクランクシャフト15の2分の1の回転速度をもって回転駆動されると、ローラを介してカムに転接する吸気側及び排気側のロッカアーム49がそれぞれ所定のタイミングで揺動する。吸気バルブ43I及び排気バルブ43Eがバルブスプリング46の付勢力に抗して開方向(図3の下方向)に駆動されて傘部がバルブシート47から離間することにより、吸気ポート41及び排気ポート42が開放されて燃焼室と連通する。
シリンダヘッド11とバルブスプリング46との間には、バルブスプリング46のセット荷重を変更可能なバルブセット荷重変更機構50が設けられている。バルブセット荷重変更機構50は、バルブ43の軸線回りに回動可能に設けられてバルブスプリング46の下端を支持するスプリングシート51と、スプリングシート51の回転に応じてスプリングシート51を昇降させるカム機構52と、スプリングシート51を回転駆動するアクチュエータ53とを備えている。アクチュエータ53がスプリングシート51を回転駆動することにより、スプリングシート51が昇降し、バルブスプリング46の長さが変化することによってバルブスプリング46のセット荷重が変化する。以下、詳細に説明する。
カム機構52は、スプリングシート51の下面に形成された周方向に延在する下向斜面51aと、この下向斜面51aに対抗する上向斜面54aとによって構成される。本実施形態では、上向斜面54aは、スプリングシート51と上下を逆さまにしてシリンダヘッド11に固定したスプリングシート51と同一形状の部材(以下、カムベース54という)の上面に形成されている。スプリングシート51及びカムベース54は、下向斜面51a及び上向斜面54aの周方向の両側に凸部と凹部とを備えている。
図4は、図3中のIV-IV断面図である。図3及び図4に示されるように、スプリングシート51及びカムベース54は、バルブガイド44の外側に組み付けられており、それらの外周面にはギヤ55が全周に亘って形成されている。カムベース54は、シリンダヘッド11に固定されて外周部のギヤ55に係合するストッパ56によって回転不能とされている。一方、スプリングシート51はバルブガイド44に沿って上下動可能とされている。
アクチュエータ53は、スプリングシート51の外周部のギヤ55に係合するラック57と、ラック57を進退駆動するリニアソレノイド58とを備えている。リニアソレノイド58は制御装置26(図1)によって駆動制御される。
図5は、(A)低セット荷重状態、(B)高セット荷重状態における、図4中のV−V断面図であり、図6は、(A)低セット荷重状態、(B)高セット荷重状態における、動弁機構16の拡大平断面図である。図5(A)及び図6(A)に示されるように、スプリングシート51及びカムベース54が凸部と凹部とを対向させている状態では、スプリングシート51は下降位置(低位置)に位置し、バルブスプリング46のセット荷重が低くなる。図5(B)及び図6(B)に示されるように、スプリングシート51及びカムベース54が凸部同士及び凹部同士を対向させている状態では、スプリングシート51は上昇位置(高位置)に位置し、バルブスプリング46のセット荷重が高くなる。
スプリングシート51は、上昇位置にある状態のまま、即ち、バルブスプリング46のセット荷重が高い状態で、凸部の周方向長さに対応する角度分だけ回動可能となっている。図5(B)及び図6(B)には、スプリングシート51が下降位置から上昇位置に移動した後に更に回転した状態が示されている。
制御装置26がアクチュエータ53の動作を制御してラック57を進退させることにより、スプリングシート51がカム機構52を介して昇降する。ラック57は、金属板等の薄い板材からなる弾性体であり、自身の進退によって回転するスプリングシート51の昇降を許容する。
スプリングシート51がアクチュエータ53によって回転駆動されるとバルブシート47の上面に下端を当接させているバルブスプリング46も回転する。バルブスプリング46が回転するとバルブスプリング46の上端が当接しているリテーナ45も回転する。なお、バルブシート47とバルブスプリング46との当接部及びバルブスプリング46とリテーナ45との当接部には相対回転防止用の係合手段が設けられていてもよい。リテーナ45が回転すると、図示しないコッタを介して結合されたバルブ43も回転する。従って、アクチュエータ53がスプリングシート51を回転駆動すると、バルブ43もスプリングシート51と共に回転する。バルブ43が回転すると、そのバルブフェースがバルブシート47に対して摺動する。
次に、制御装置26による制御と、それによるエンジン6や動弁機構16の動作について説明する。図7は、エンジン6及びバルブセット荷重変更機構50の制御状態を示すタイムチャートである。図7に示されるように、エンジン6の停止中T1は、バルブスプリング46のセット荷重は大に設定されている。時点t1にて、「ON」として示されるエンジン始動信号(始動要求)が入力すると、制御装置26は、アクチュエータ53を駆動し、セット荷重を大に維持したまま(スプリングシート51を上昇位置に保持したまま)、時点t1から時点t2までの所定期間に亘ってスプリングシート51を回転駆動し、バルブ43をバルブシート47に対して摺動させる。
その後、制御装置26は発電機5をスタートモータとして作動させてクランキング動作を行う。クランキング動作中T2は、制御装置26はアクチュエータ53を駆動しておらず、バルブスプリング46のセット荷重は大に設定されている。エンジン回転数が所定値以上になった時点t3において、制御装置26はエンジン6の運転制御(ファイアリング制御)を開始すると共に、発電機5の機能をスタータモータからジェネレータに変更し、エンジン6の運転中T3に発電機5に発電させる。また、制御装置26は時点t3において、アクチュエータ53を駆動してバルブスプリング46のセット荷重を小に切り替える。バルブスプリング46のセット荷重は、エンジン6の運転中T3、小に維持される。
時点t4にて、「OFF」として示されるエンジン停止信号(停止要求)が入力すると、制御装置26は、エンジン6の運転制御(ファイアリング制御)を停止すると共に、アクチュエータ53を駆動してバルブスプリング46のセット荷重を大に変更する。これにより、エンジン6は停止に至る前の惰性運転状態となる。その後、エンジン6の回転数が低下した時点t5において、制御装置26は、発電機5のコイルに通電することによって発電機5を電磁ブレーキとして機能させ、時点t6にてエンジン回転数が0になる際に、ピストン13が上死点近傍を保持し、且つバルブ43を閉位置に保持する。運転制御が停止された時点t4からエンジン回転数が0になる時点t6までの期間が、停止のための惰性運転中T4であり、その後、エンジン6は停止中T1になる。
エンジン6の停止後、制御装置26は、アクチュエータ53を駆動し、セット荷重を大にした状態のまま時点t6から時点t7までの所定期間に亘ってスプリングシート51を回転駆動することでバルブ43をバルブシート47に対して摺動させる。
次に、このように構成された動弁機構16の作用効果を説明する。
制御装置26がバルブスプリング46のセット荷重をクランキング動作中T2にエンジン6の運転中T3に比べて大きくすることにより、クランキング動作中T2に大きなセット荷重で付勢されたバルブ43によってカーボンが挟み潰される。そのため、エンジン6の良好な圧縮が可能になる。また、エンジン6の運転中T3はセット荷重が低くフリクションの低い状態でエンジン6が運転されるため、燃費効率低下の要因となるセット荷重の高い状態での運転時間が短くなり、低燃費運転が可能である。
制御装置26がバルブスプリング46のセット荷重を、エンジン6の運転停止時の惰性運転中T4にエンジン6の運転中T3に比べて大きくすることにより、惰性運転中T4に大きなセット荷重で付勢されたバルブ43によってカーボンが挟み潰される。そのため、エンジン6の次回の始動が円滑になる。
制御装置26が、バルブスプリング46のセット荷重を、エンジン6の停止中T1にエンジン6の運転中T3に比べて小さな値に維持することにより、エンジン6の停止後及びエンジン6のクランキング前にバルブスプリング46のセット荷重を変更する必要がなく、セット荷重の変更に要するエネルギーが省力化される。
上記のように発電機5が電磁ブレーキとして動作することによって、エンジン6の停止中T1に、エンジン6のピストン13が上死点近傍に保持され、且つバルブ43が閉位置に保持される。そのため、エンジン6の停止中T1にバルブフェース及びバルブシート47にカーボンが付着することが抑制される。
図3、図5及び図6に示されるように、バルブセット荷重変更機構50は、スプリングシート51の回転に応じてスプリングシート51を昇降させるカム機構52を備えており、カム機構52を用いた簡単な構成によってバルブスプリング46のセット荷重の変更が可能である。
スプリングシート51とバルブ43とが、バルブスプリング46を介して相対回転不能に連結されているため、スプリングシート51がアクチュエータ53によって回転駆動されると、バルブ43がスプリングシート51と一体に回転する。これにより、バルブフェースとバルブシート47とが摺動し、これらに付着しているカーボンが破砕、除去される。従って、バルブ43の密閉性が向上し、良好な圧縮が可能になる。
カム機構52がスプリングシート51を上昇位置に保持した状態でスプリングシート51を回転可能に支持するように構成されているため、スプリングシート51を上昇位置に保持したまま、スプリングシート51と一体にバルブ43を回転させることができる。そのため、バルブフェースやバルブシート47に付着しているカーボンがより確実に破砕、除去される。
図7に示されるように、制御装置26が、時点t1におけるエンジン6の始動信号の入力に応じ、クランキング動作の開始前(時点t3前)に、スプリングシート51を上昇位置にて回動させることにより、バルブ43が軸線回りに摺動する。これにより、バルブフェースやバルブシート47に付着しているカーボンがより確実に破砕、除去され、エンジン6の始動がより円滑になる。
制御装置26が、エンジン6の停止後(時点t6後)に、スプリングシート51を上昇位置にて回動させることにより、バルブ43が軸線回りに摺動する。これにより、バルブフェースやバルブシート47に付着しているカーボンがより確実に破砕、除去され、エンジン6の停止中T1にバルブフェース及びバルブシート47にカーボンが付着することが一層確実に抑制される。
図1に示されるように本実施形態では、上記構成の動弁機構16を有するエンジン6が、エンジン6によって駆動されて電力を発生する発電機5と、エンジン6の排熱を利用して熱交換を行う熱交換器7と、を備えるコージェネレーション装置1されている。そのため、長時間運転によってカーボンがバルブ43に堆積し易いコージェネレーション装置1において、エンジン6の良好な圧縮及び燃焼と低燃費とが両立される。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態では、一例として動弁機構16がコージェネレーション装置1に適用されているが、発電機5や自動車用の内燃機関に適用されてもよい。また、上記実施形態では、エンジン6がガスを燃料としているが、ガソリンや軽油などの液体を燃料としてもよい。この場合、ミキサ20の代わりに、燃焼室に燃料を供給する手段としてキャブレターや燃料噴射弁が用いられるとよい。この他、各部材や部位の具体的構成や配置、数量、角度など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。一方、上記実施形態に示した各構成要素は必ずしも全てが必須ではなく、適宜選択することができる。
1 コージェネレーション装置
5 発電機(ジェネレータ、スタータモータ)
6 エンジン(内燃機関)
7 熱交換器
11 シリンダヘッド
13 ピストン
16 動弁機構
26 制御装置
43 バルブ
43E 排気バルブ
43I 吸気バルブ
46 バルブスプリング
50 バルブセット荷重変更機構
51 スプリングシート
52 カム機構
53 アクチュエータ
T1 停止中
T2 クランキング動作中
T3 運転中
T4 惰性運転中

Claims (10)

  1. 内燃機関の動弁機構であって、
    シリンダヘッドに摺動可能に設けられたバルブと、
    前記バルブを閉方向に付勢するバルブスプリングと、
    前記シリンダヘッドと前記バルブスプリングとの間に介装されたバルブセット荷重変更機構と、
    前記バルブセット荷重変更機構の動作を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記バルブスプリングのセット荷重を、クランキング動作中に前記内燃機関の運転中に比べて大きくすることを特徴とする前記内燃機関の動弁機構。
  2. 前記制御装置は、前記セット荷重を、前記内燃機関の運転停止時の惰性運転中に前記内燃機関の運転中に比べて大きくすることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の動弁機構。
  3. 前記制御装置は、前記セット荷重を、前記内燃機関の停止中に前記内燃機関の運転中に比べて小さな値に維持することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の動弁機構。
  4. 前記内燃機関の停止中に、前記内燃機関のピストンが上死点近傍に保持され、且つ前記バルブが閉位置に保持されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の内燃機関の動弁機構。
  5. 前記バルブセット荷重変更機構は、
    前記バルブの軸線回りに回動可能に設けられて前記バルブスプリングの下端を支持するスプリングシートと、
    前記スプリングシートの回転に応じて前記スプリングシートを昇降させるカム機構と、
    前記スプリングシートを回転駆動するアクチュエータと、を備えることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の内燃機関の動弁機構。
  6. 前記スプリングシートと前記バルブとが、前記バルブスプリングを介して相対回転不能に連結されていることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の動弁機構。
  7. 前記カム機構が前記スプリングシートを上昇位置に保持した状態で前記スプリングシートを回転可能に支持するように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の動弁機構。
  8. 前記制御装置は、前記内燃機関の始動信号の入力に応じ、クランキング動作の開始前に、前記スプリングシートを上昇位置にて回動させることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の内燃機関の動弁機構。
  9. 前記制御装置は、前記内燃機関の停止後に、前記スプリングシートを上昇位置にて回動させることを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれかに記載の内燃機関の動弁機構。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれかに記載の動弁機構を有する前記内燃機関と、
    前記内燃機関によって駆動されて電力を発生する発電機と、
    前記内燃機関の排熱を利用して熱交換を行う熱交換器と、を備えることを特徴とするコージェネレーション装置。
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