JP2010163880A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピストンに作用するスラスト力の向きが反転することにより発生するピストン打音を低減できる内燃機関を提供すること。
【解決手段】シリンダの内壁面2aに沿って軸方向に往復運動するピストン1と、ピストンの軸方向の一方側に形成された燃焼室5と、ピストンの軸方向の他方側に形成され、かつピストンの往復運動と連動して回転するクランクシャフトを収容するクランク室6とを備える内燃機関10であって、ピストンに形成され、燃焼室とクランク室とを連通する連通路11と、連通路を開放または閉塞する電磁弁12と、電磁弁に電力を供給する電源部17と電磁弁との間の電力供給経路を開閉するスイッチ20を制御する制御手段30とを備え、制御手段は、ピストンに作用する径方向のスラスト力の向きが反転するタイミングを含むクランクシャフトの回転角度の範囲である所定期間において電磁弁が連通路を開放するようにスイッチを制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関に関し、特に、ピストンと、ピストンの軸方向の一方側に形成された燃焼室と、ピストンの軸方向の他方側に形成されたクランク室とを備える内燃機関に関する。
シリンダボアの内壁面に沿ったピストンの往復運動をクランク機構によって回転運動に変換してクランクシャフトを回転させるいわゆるレシプロエンジン(内燃機関)においては、ピストンに径方向のスラスト力が作用する。スラスト力が作用する方向であるスラスト方向において、スラスト力の作用する向きは、ピストンの往復運動の過程において反転する。スラスト力の作用する向きが反転する際には、スラスト方向の一方側から他方側に向けてピストンが移動することにより、ピストン打音が発生する。
特許文献1には、エンジン燃焼室から導入されるガス圧によりスラスト側から反スラスト側に向かう偏倚力がピストンに作用するようなガス室が一対のピストンリング間に形成され、ガス室とエンジン燃焼室とを連通してエンジン燃焼室のガス圧をガス室に導入するガス通路とガス通路を開閉する弁機構とがピストンに設けられたエンジンが開示されている。特許文献1のエンジンによれば、シリンダ側壁内面とピストン側面との間の摺動摩擦抵抗を低減し得るとされている。
特開平5−86973号公報
ピストンに作用するスラスト力の向きが反転することにより発生するピストン打音を低減することについて、従来十分な検討がなされていない。
本発明の目的は、シリンダの内壁面に沿って軸方向に往復運動するピストンと、ピストンの軸方向の一方側に形成された燃焼室と、ピストンの軸方向の他方側に形成され、かつピストンの往復運動と連動して回転するクランクシャフトを収容するクランク室とを備える内燃機関において、ピストンに作用するスラスト力の向きが反転することにより発生するピストン打音を低減できる内燃機関を提供することである。
本発明の内燃機関は、シリンダの内壁面に沿って軸方向に往復運動するピストンと、前記ピストンの軸方向の一方側に形成された燃焼室と、前記ピストンの軸方向の他方側に形成され、かつ前記ピストンの往復運動と連動して回転するクランクシャフトを収容するクランク室とを備える内燃機関であって、前記ピストンに形成され、前記燃焼室と前記クランク室とを連通する連通路と、前記連通路を開放または閉塞する電磁弁と、前記電磁弁に電力を供給する電源部と前記電磁弁との間の電力供給経路を開閉するスイッチを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記ピストンに作用する径方向のスラスト力の向きが反転するタイミングを含む前記クランクシャフトの回転角度の範囲である所定期間において前記電磁弁が前記連通路を開放するように前記スイッチを制御することを特徴とする。
本発明の内燃機関では、ピストンに形成され、燃焼室とクランク室とを連通する連通路と、連通路を開放または閉塞する電磁弁とを備え、ピストンに作用する径方向のスラスト力の向きが反転するタイミングを含むクランクシャフトの回転角度の範囲である所定期間において連通路が開放される。連通路を介して燃焼室の圧力とクランク室の圧力とが調圧されることで、燃焼室とクランク室との間の差圧によるスラスト力が低減される。これにより、スラスト力の向きが反転する際のピストン打音を低減することができる。
以下、本発明の内燃機関の一実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態により、本発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
(実施形態)
図1から図3を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、ピストンと、ピストンの軸方向の一方側に形成された燃焼室と、ピストンの軸方向の他方側に形成されたクランク室とを備える内燃機関に関する。図1は、本実施形態にかかる内燃機関の軸方向の断面図である。
本実施形態にかかるエンジン(図1の符号10参照)のピストン(図1の符号1参照)には、燃焼室(図1の符号5参照)とクランク室(図1の符号6参照)とを連通する小通路(圧力調整孔、図1の符号11参照)が設けられている。圧力調整孔11の途中には、電磁弁制御の開閉バルブ(弁体、図1の符号13参照)が配置されている。本実施形態では、以下に詳しく説明するように、電磁弁(図1の符号12参照)を任意の条件下でのみ作動させて燃焼室5の圧力とクランク室6の圧力とを調圧させることで、ピストン打音を低減させる。
図1において、符号10は、エンジン(内燃機関)を示す。このエンジン10としては内燃機関、具体的にはガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンまたはLPGエンジンまたはメタノールエンジンまたは水素エンジンなどを用いることができる。
この実施形態においては、便宜上、エンジン10としてガソリンエンジンを用いた場合について説明する。エンジン10は、燃料の燃焼により図示しないクランクシャフトから動力を出力する装置であって、吸気装置、排気装置、燃料噴射装置、点火装置、冷却装置などを備えたものである。エンジン10は、ピストン1が2往復する間に、吸気行程、圧縮行程、膨張行程および排気行程からなる一連の4行程を行う、いわゆる4サイクルエンジンである。
エンジン10のシリンダブロック2には、複数の気筒3が形成されている。図1には、上記複数の気筒3のうち一つの気筒3にかかる軸方向の断面が示されている。気筒3には、ピストン1が配置されている。ピストン1は、気筒3を構成するシリンダブロック2の内壁面2aに沿って軸方向に往復運動可能である。
気筒3におけるピストン1の上方には、燃焼室5が形成されており、ピストン1の下方には、クランク室6が形成されている。つまり、燃焼室5は、ピストン1の軸方向の一方側に形成され、クランク室6は、ピストン1の軸方向の他方側に形成されている。クランク室6は、図示しないクランクシャフトを収容する空間部である。ピストン1は、ピストンピン7により支持されている。ピストンピン7は、コンロッド4を介してクランクシャフトと連結されており、ピストン1の往復運動がクランクシャフトの回転運動に変換される。つまり、燃焼室5で燃焼される燃料の燃焼エネルギーは、クランクシャフトの回転エネルギーに変換されて出力される。
ピストン1には、径方向のスラスト力が作用する。スラスト力は、ピストンピン7を介してピストン1に作用する力を含むピストン1に作用する力の水平成分(分力)である。スラスト力は、気筒の中心軸線X、およびピストンピン7の中心軸線のそれぞれと直交する方向(図1における左右方向)に作用する。以下、このスラスト力が作用する方向を「スラスト方向」と称する。
ピストン1に作用するスラスト力の向きは、ピストン1が軸方向に往復運動する過程において反転する。例えば、圧縮行程においてピストン1が上昇するときに、スラスト力の向きが、スラスト方向の一方に向かう向きから、他方に向かう向きに反転する。これにより、ピストン1は、スラスト方向の他方に向けて移動し、シリンダブロック2の内壁面2aに衝突する。その結果、ピストン1と内壁面2aとの衝突によりピストン打音が発生する。
特に、エンジン10のアイドル状態においては、車両において発生する他の音が小さい分、ピストン打音が騒音として感じられやすくなる。また、エンジン10の冷間始動時等のピストン1の温度が低いときには、熱によるピストン1の膨張量が小さく、暖機完了後等と比較してピストン1と内壁面2aとの間のクリアランスが大きいため、大きなピストン打音が発生しやすくなる。
また、ピストン2が上昇する過程、特に圧縮行程では、ピストン2が上昇するに連れて筒内圧が高まる。筒内圧が高まったときにスラスト力の向きが反転し、ピストン1が気筒3内のスラスト方向の一方側から他方側へ移動すると、大きなピストン打音が発生しやすくなるという問題がある。
本実施形態では、以下に説明するように、燃焼室5とクランク室6とを連通する圧力調整孔11と、圧力調整孔11を開閉する電磁弁12がピストン1に設けられている。電磁弁12は、スラスト力の向きが反転するタイミングを含む所定期間において圧力調整孔11を開放する。これにより、燃焼室5の圧力と、クランク室6の圧力とが調圧されることで、ピストン打音が低減される。
ピストン1の下部には、ピストンスカート1aが形成されている。ピストンスカート1aの径方向内方の空間部8は、下方に向けて開口している。言い換えると、ピストンスカート1aの径方向内方の空間部8は、クランク室6と連通している。ピストン1には、燃焼室5とクランク室6とを連通する圧力調整孔(連通路)11が形成されている。圧力調整孔11の一端は、ピストン1の頂面1bに開口しており、他端は、ピストンスカート1aの内壁面に開口している。つまり、燃焼室5とクランク室6とは、圧力調整孔11およびピストンスカート1aの径方向内方の空間部8を介して連通されている。
ピストン1には、圧力調整孔11を開閉する電磁弁12が配置されている。電磁弁12は、ピストン1に固定された本体16と、圧力調整孔11を開閉する弁体13と、リターンスプリング14と、ソレノイド15を有している。弁体13は、圧力調整孔11を流れるガスの流れ方向と直交する方向に配置されており、上記直交する方向に進退することで圧力調整孔11を開放または閉塞する。本実施形態では、弁体13は、スラスト方向に沿って配置されており、圧力調整孔11のうちピストン1の軸方向に形成された部分を開放または閉塞する。弁体13は、スラスト方向の他方(図1の右方向)に向けて駆動されると、圧力調整孔11に進入し、圧力調整孔11の内壁に当接して圧力調整孔11を閉塞する。一方、弁体13は、スラスト方向の一方(図1の左方向)に向けて駆動されると、圧力調整孔11の内壁から離間し、圧力調整孔11を開放する。
リターンスプリング14は、コイルスプリングであり、電磁弁12の本体16と弁体13との間に圧縮された状態で配置されている。リターンスプリング14は、上記直交する方向のうち、圧力調整孔11を閉塞させる向き、言い換えると、スラスト方向の他方に向かう向きに弁体13を付勢している。つまり、弁体13は、リターンスプリング14に駆動されて圧力調整孔11を閉塞する。
ソレノイド15は、弁体13の径方向外方に配置されている。ソレノイド15に後述する電源から電力が供給されると、電磁力により、弁体13に対して圧力調整孔11を開放させる向きの吸引力が作用する。ソレノイド15に通電されると、弁体13は、スラスト方向の一方に向かう向きに駆動され、リターンスプリング14の付勢力に抗してスラスト方向の一方に向けて移動する。これにより、ソレノイド15に通電されると、圧力調整孔11が開放される。また、ソレノイド15に通電されていない場合、電磁力による吸引力が発生しないため、弁体13は、リターンスプリング14に駆動されて圧力調整孔11を閉塞する。
車両には、電磁弁12に電力を供給する電源(電源部)17、および、電磁弁12と電源17との間の電力供給経路を開閉するスイッチ20が設けられている。電源17は、例えば、車両に搭載されたバッテリーであり、電力を供給するON状態と、電力の供給を行わないOFF状態とに切り替え可能に構成されている。
スイッチ20は、シリンダブロック2の内壁面2aに配置されたシリンダ側端子21と、ピストン1に設けられたピストン側端子22とを有する。
シリンダ側端子21は、金属等の導体で構成されており、シリンダブロック2の内壁面2aに形成された凹部2bに配置されている。シリンダ側端子21とシリンダブロック2との間には、絶縁部材23が介在しており、シリンダ側端子21とシリンダブロック2とは絶縁されている。シリンダ側端子21は、電源17と電気的に接続されている。
ピストン側端子22は、ピストンスカート1aに固定されたケース24によりピストン1の径方向に移動可能に支持されている。ケース24は、中空の筒状に形成されており、ピストン側端子22は、ピストン1の径方向にケース24を貫通している。ピストン側端子22におけるケース24内に位置する部分には、フランジ部22aが形成されている。フランジ部22aとケース24の内壁面との間には、スプリング25が圧縮した状態で配置されている。スプリング25は、フランジ部22aに対してピストン1の径方向外側へ向かう付勢力を作用させている。これにより、ピストン側端子22は、シリンダブロック2の内壁面2aに向けて押圧され、シリンダ側端子21と接触可能となっている。
ピストン側端子22は、電磁弁12と電気的に接続されている。スイッチ20が閉じる(ピストン側端子22がシリンダ側端子21に接触する)と、電源17から電磁弁12に電力が供給され、圧力調整孔11が開放される。一方、スイッチ20が開く(ピストン側端子22がシリンダ側端子21に接触していない)と、電源17から電磁弁12に電力が供給されず、弁体13により圧力調整孔11が閉塞される。
気筒3の軸方向におけるシリンダ側端子21の設置位置および設置範囲は、ピストン1の作用するスラスト力の向きが反転するタイミングに基づいて設定されている。スラスト力の向きが反転するクランクアングルを含むクランクアングルの範囲である所定期間において、シリンダ側端子21とピストン側端子22とがピストン1の径方向に対向するように、シリンダ側端子21の設置位置および設置範囲が設定されている。言い換えると、ピストン打音が発生するタイミングを含むクランクアングルの範囲である所定期間において、燃焼室5とクランク室6とが圧力調整孔11を介して連通されるように、シリンダ側端子21の設置位置および設置範囲が設定されている。
車両には、エンジン10を含む車両システムを制御する制御手段として、電子制御装置(以下、ECUと記す)30が設けられている。ECU(制御手段)30は、周知のマイクロコンピュータによって構成されており、電源17を制御する。ECU30は、電源17の図示しないスイッチを制御し、電源17のON状態とOFF状態とを切り替える。ECU30の図示しない入力ポートには、エンジン10のエンジン回転数を示す信号、クランクシャフトの回転角度(クランクアングル)を示す信号、エンジン10の冷却水温を示す信号、および、アクセル開度を示す信号のそれぞれが入力される。
エンジン回転数、および、クランクアングルは、クランクシャフトの近傍に配置された図示しないクランク角センサにより検出され、検出結果を示す信号がECU30に出力される。また、冷却水温は、図示しない冷却水温センサにより検出され、検出結果を示す信号がECU30に出力される。アクセル開度は、図示しないアクセルペダルに設けられたアクセル開度センサにより検出され、検出結果を示す信号がECU30に出力される。ECU30は、入力されたアクセル開度に基づき、エンジン1の負荷を算出する。
ECU30は、各センサから入力される信号に基づき、予め定められた条件下でのみ電源17をON状態に制御する。具体的には、ECU30は、エンジン10のアイドル時で、かつ、圧縮行程の所定期間に限り、電源17をON状態に制御する。
図2は、エンジン10の運転状態と電源17のON/OFF状態との関係を示す図、図3は、クランクアングルと、電源17のON/OFF状態との関係を示す図である。
図2において、横軸はエンジン回転数、縦軸は負荷を示す。符号R1は、アイドル領域、すなわち、エンジン回転数が予め定められた所定回転数よりも低回転であり、かつ、負荷が、予め定められた所定値よりも低負荷であるエンジン10の運転状態の領域を示す。ECU30は、エンジン10の運転状態がアイドル領域R1にある場合に、電源17をON状態とする2つの条件のうち一方が成立したと判定する。
図3において、横軸はクランク角度を示す。符号R2は、所定期間を示す。所定期間R2は、BTDC(圧縮上死点前)65°を中心とするクランクアングル60°の範囲、すなわち、BTDC95°からBTDC35°のクランクアングルの範囲として設定されている。ECU30は、現在のクランクアングルが、所定期間R2にある場合に、電源17をON状態とする2つの条件のうち他方が成立したと判定する。
ECU30は、各センサの検出結果に基づき、エンジン10の運転状態がアイドル領域R1にあり、かつ、クランクアングルが所定期間R2にあると判定した場合に、電源17をON状態に制御する。これにより、電磁弁12に電力が供給され、圧力調整孔11が開放され、燃焼室5とクランク室6とが連通される。燃焼室5の圧力とクランク室6の圧力とが調圧され、燃焼室5とクランク室6との間の差圧の増加が抑制される。その結果、ピストン1に作用するスラスト力が抑制され、ピストン打音が低減される。
本実施形態では、単にピストン1の軸方向の位置(言い換えると、クランクアングル)によりスイッチ20が開閉するだけでなく、エンジン10の運転状態、および、気筒3の現在の行程に基づいて、電源17のスイッチが制御される。エンジン10の運転状態がアイドル状態でない場合、あるいは、気筒3が圧縮行程でない場合には、電源17がOFF状態に制御され、シリンダ側端子21とピストン側端子22とが接触していても、電磁弁12に電力が供給されない。つまり、ECU30は、エンジン10がアイドル状態である場合に、所定期間R2において電磁弁12が圧力調整孔11を開放するように電源17のスイッチを制御する。
このように、エンジン10がアイドル状態である場合に限り、圧力調整孔11が開放されることにより、エンジン10の運転状態にかかわらず圧力調整孔11の開閉がなされる場合と比較して、出力低下の問題を抑制することができる。エンジン10の運転状態にかかわらず、所定期間R2において圧力調整孔11が開放されてしまうと、エンジン10が高回転や高負荷で運転されている場合など、出力が欲しいときにも燃焼室5の圧力がクランク室6に導かれてしまい、出力低下が生ずる。これに対して、本実施形態によれば、出力低下の問題が生じにくい(出力が低下したとしても問題とされる可能性が小さい)アイドル状態に限り、圧力調整孔11が開放される。これにより、出力低下の問題を抑制しつつ、ピストン打音を低減することができる。
また、アイドル状態において圧力調整孔11が開かれることで、騒音が効果的に低減される。アイドル状態においては、エンジン10の高回転時等と比較して、ピストン打音以外の音が小さい。このため、ピストン打音が騒音として感じられやすくなる。本実施形態では、アイドル状態において、電磁弁12に電力が供給されて圧力調整孔11が開放され、ピストン打音が低減されることで、アイドル状態における騒音レベルを低減することができる。
また、シリンダ側端子21にピストン側端子22が接触可能な期間は、ピストン1の上昇過程と下降過程のそれぞれに存在するが、このうちピストン1の上昇過程、特に、圧縮行程に限り、圧力調整孔11が開放される。所定期間R2は、圧縮行程に対応するクランクアングルの範囲のうち、スラスト力の向きが反転するクランクアングルを含むように設定されている。これにより、特にピストン1の上昇に伴って筒内圧が高くなる圧縮行程において、燃焼室5の圧力とクランク室6の圧力とが調圧され、燃焼室5とクランク室6との差圧の増加を抑制することができる。例えば、圧力調整孔11が開放されない場合と比較して、燃焼室5とクランク室6との差圧を減少させることが可能である。これにより、燃焼室5とクランク室6との間の差圧によりピストン1に作用するスラスト力を低下させることができる。その結果、スラスト力の向きが反転する際に発生するピストン打音を低減することができる。
なお、本実施形態では、所定期間R2が、圧縮行程に設定されたが、これには限定されない。圧縮行程以外の他の行程、例えば、排気行程等に所定期間R2が設定されてもよい。また、所定期間R2の幅(始点と終点との間のクランクアングルの幅)は、運転状態等に基づいて可変に設定されてもよい。
本実施形態では、電源17をON状態とするか否かを判定するエンジン10の運転状態として、エンジン回転数と負荷が用いられたが、エンジン10の運転状態は、これには限定されない。例えば、エンジン回転数と負荷に加えて、冷却水温に基づいて電源17をON状態とするか否かが判定されてもよい。
本発明の内燃機関の実施形態にかかる装置の軸方向の断面図である。 本発明の内燃機関の実施形態におけるエンジンの運転状態と電源のON/OFF状態との関係を示す図である。 本発明の内燃機関の実施形態におけるクランクアングルと電源のON/OFF状態との関係を示す図である。
1 ピストン
2 シリンダブロック
5 燃焼室
6 クランク室
10 エンジン
11 圧力調整孔
12 電磁弁
17 電源
20 スイッチ
21 シリンダ側端子
22 ピストン側端子

Claims (1)

  1. シリンダの内壁面に沿って軸方向に往復運動するピストンと、前記ピストンの軸方向の一方側に形成された燃焼室と、前記ピストンの軸方向の他方側に形成され、かつ前記ピストンの往復運動と連動して回転するクランクシャフトを収容するクランク室とを備える内燃機関であって、
    前記ピストンに形成され、前記燃焼室と前記クランク室とを連通する連通路と、
    前記連通路を開放または閉塞する電磁弁と、
    前記電磁弁に電力を供給する電源部と前記電磁弁との間の電力供給経路を開閉するスイッチを制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記ピストンに作用する径方向のスラスト力の向きが反転するタイミングを含む前記クランクシャフトの回転角度の範囲である所定期間において前記電磁弁が前記連通路を開放するように前記スイッチを制御する
    ことを特徴とする内燃機関。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019065759A (ja) * 2017-09-29 2019-04-25 株式会社Subaru エンジン暖機システム
JP2019065761A (ja) * 2017-09-29 2019-04-25 株式会社Subaru エンジンのピストン

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