JP2019190297A - 分割型モータケースとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このうちモータケースは、固体推進薬を内部に収容する圧力容器であり、中空円筒形の円筒部と、その前後に設けられたドーム部とを有する。モータケースの円筒部とドーム部は、通常一体的に製造される。
分割型モータケースは、例えば特許文献1,2に開示されている。
特許文献2は、モータケースの円筒部の後端内側に機軸を中心とする雌ねじを設け、これとドーム部の外側に設けた雄ねじとを螺合して結合している。
そのため円筒部とドーム部の結合手段は、これらの過酷な環境に対応できる必要がある。
また結合手段として接着材を用いる場合、その強度特性の安定性や信頼性が低く、かつ経年変化の影響も大きい。
軸線を中心とする中空円筒形の円筒部と、
前記円筒部の端部に外縁が着脱可能に結合されその内側を塞ぐドーム部と、を備え、
前記ドーム部は、前記軸線の一方向に突出する鏡板部と、
前記鏡板部の半径方向外方端部に固定され前記軸線に沿って外方に延びる中空円筒形のスカート部と、を有し、
前記円筒部は、前記端部に前記スカート部の外面に密着して嵌合する中空円筒形の嵌合内面を有し、
さらに、前記円筒部の前記端部と前記スカート部とを貫通して挟持する結合ファスナと、
前記スカート部の前記外面と前記嵌合内面の間を気密にシールするシール部材とを備える、分割型モータケースが提供される。
(A)前記円筒部と、前記円筒部の前端部に外縁が固定されその内側を塞ぐ前方ドーム部とが一体に成型された1対の前側モータケースを、前記円筒部の後端部を連結した状態で一体に成型し、次いで、前記後端部で切断する第1ステップと、
(B)1対の前記鏡板部を、内部インシュレータの外縁を連結した状態で一体に成型し、次いで、前記外縁で切断する第2ステップと、
(C)前記前側モータケースの前記後端部に、前記ドーム部の前記外縁を結合する第3ステップと、を有する、分割型モータケースの製造方法が提供される
さらに、スカート部の剛性が高いので、内圧に起因する変形を抑えることができ、シール部材によるスカート部と円筒部の間のシール性能を維持することができる。
この図において、分割型モータケース100は、内部に固体推進薬1を収納するモータケースであり、円筒部10、ドーム部20、及びノズル部30を有する。
なお、前方ドーム部20Aと後方ドーム部20Bは、いずれか一方のみでもよい。以下、区別が必要な場合を除き、両方を単に「ドーム部20」と呼ぶ。
なお、ノズル部30の位置はこの位置に限定されず、その他でもよい。またノズル部30は必須ではなくこれを省略してもよい。
図2、図3において、ドーム部20は、鏡板部22とスカート部24を有する。
「一体に成型」とは、同時に一体成型することと、別々に成型したものを一体にすることの両方を意味する。
内部インシュレータ23は、高温のガスと粒子に対して耐性の高いEPDM等のゴム配合物に繊維(例えばアラミド繊維)が混ぜ込まれているのがよい。
この例では、鏡板部22の半径方向外方端部の外面とスカート部24の内面との間に応力緩和ゴム25が接着されている。
スカート部24の先端部24aは、鏡板部22から応力緩和ゴム25を介してラジアル力FRとスラスト力FSを受ける。
スカート部24は、このラジアル力FRとスラスト力FSによる変形と内部応力が許容範囲になるように設定されている。
内部インシュレータ14は、内部インシュレータ23と同様に、高温のガスと粒子に対して耐性の高いEPDM等のゴム配合物に繊維(例えばアラミド繊維)が混ぜ込まれているのがよい。
シールリング16は、シール部を構成する部品である。シールリング16は、シール性を保持するために表面に凹凸のないフラット面を有する。また、シールリング16は、質量、腐食などの特別な条件を満たす限りで金属材料が好ましい。
ステップS11では、1対の前側モータケース40に適合する第1マンドレル42を準備する。
前側モータケース40は、円筒部10と、円筒部10の前端部に外縁が固定されその内側を塞ぐ前方ドーム部20Aとが一体に成型されたモータケースの部分である。この場合、円筒部10と前方ドーム部20Aは、一体であるのがよい。
この第1ステップS1により、1対の前側モータケース40を同時に製造することができる。
ステップS21では、1対のドーム部20に適合する第2マンドレル44を準備する。図5(B)において、第2マンドレル44は、単一のマンドレルであるが、単一でなくてもよい。
次いで、ステップS23では、内部インシュレータ23の外周面にCFRPからなる鏡板22aを、フィラメントワインディング及び積層で一体に成型する。
次いで、ステップS25では、応力緩和ゴム25の外周面に1対のスカート部24を接合する。
次いで、ステップS26では、図5(B)の矢印で示す内部インシュレータ23及び鏡板22aの外縁で切断する。この外縁は、図3の内部インシュレータ23の左端面に相当する。
ステップS27では、図5(C)の矢印で示す内部インシュレータ23及び鏡板22aの外縁で切断する。この外縁は、図3の内部インシュレータ23の左端面に相当する。
次いで、ステップS28では、図5(D)のように、鏡板22aの外周面に1対の応力緩和ゴム25と1対のスカート部24を接着する。
この第2ステップS2により、1対のドーム部20を同時に製造することができる。
すなわち、図6(A)に示すように、第1ステップS1で製造した前側モータケース40と、第2ステップS2で製造したドーム部20とを準備し、図6(B)に示すように連結し、図2に示すように結合ファスナ32を用いて結合する。
上述した方法によれば、1対の前側モータケース40と1対のドーム部20を、それぞれ一体に成型後に切断して製造するので、円筒部とドーム部にそれぞれ適した治具を準備し、それぞれ1つずつ別々に製造する場合と比較して、低コスト化が可能となる。
12a 外殻端部、13 嵌合内面、14 内部インシュレータ、
16 シールリング、20 ドーム部、20A 前方ドーム部、
20B 後方ドーム部、22 鏡板部、22a 鏡板、
23 内部インシュレータ、24 スカート部、24a 先端部、
24b シール溝、25 応力緩和ゴム、30 ノズル部、
32 結合ファスナ、34 シール部材、40 前側モータケース、
42 第1マンドレル42a,42b,42c 部分マンドレル、
44 第2マンドレル、100 分割型モータケース
Claims (9)
- 内部に固体推進薬を収納する分割型モータケースであって、
軸線を中心とする中空円筒形の円筒部と、
前記円筒部の端部に外縁が着脱可能に結合されその内側を塞ぐドーム部と、を備え、
前記ドーム部は、前記軸線の一方向に突出する鏡板部と、
前記鏡板部の半径方向外方端部に固定され前記軸線に沿って外方に延びる中空円筒形のスカート部と、を有し、
前記円筒部は、前記端部に前記スカート部の外面に密着して嵌合する中空円筒形の嵌合内面を有し、
さらに、前記円筒部の前記端部と前記スカート部とを貫通して挟持する結合ファスナと、
前記スカート部の前記外面と前記嵌合内面の間を気密にシールするシール部材とを備える、分割型モータケース。 - 前記円筒部は、一体に成型された外殻と内部インシュレータを有し、
前記外殻は、フィラメントワインディングで製造されたCFRP及びシート状のCFRPからなる、請求項1に記載の分割型モータケース。 - 前記鏡板部は、一体に成型された鏡板と内部インシュレータを有し、
前記鏡板は、フィラメントワインディングで製造されたCFRP及びシート状のCFRPからなる、請求項1に記載の分割型モータケース。 - 前記円筒部は、前記嵌合内面の軸方向内端部に設けられ内面が前記軸線に平行なシールリングを有し、
前記シールリングは、前記円筒部に一体に成型されており、
前記スカート部は、前記シールリングの内面と嵌合する先端部と、該先端部に前記シール部材を収容するシール溝と、を有する、請求項1に記載の分割型モータケース。 - 請求項1に記載の分割型モータケースの製造方法であって、
(A)前記円筒部と、前記円筒部の前端部に外縁が固定されその内側を塞ぐ前方ドーム部とが一体に成型された1対の前側モータケースを、前記円筒部の後端部を連結した状態で一体に成型し、次いで、前記後端部で切断する第1ステップと、
(B)1対の前記鏡板部を、内部インシュレータの外縁を連結した状態で一体に成型し、次いで、前記外縁で切断する第2ステップと、
(C)前記前側モータケースの前記後端部に、前記ドーム部の前記外縁を結合する第3ステップと、を有する、分割型モータケースの製造方法。 - 1対の前記前側モータケースに適合する第1マンドレルを準備し、
前記第1マンドレルの外周面に内部インシュレータを一体に成型し、
次いで、前記内部インシュレータの外周面に1対のシールリングを結合し、
次いで、前記内部インシュレータと前記シールリングの外周面に圧力容器と継手部を施工する、請求項5に記載の分割型モータケースの製造方法。 - 1対の前記ドーム部に適合する第2マンドレルを準備し、
前記第2マンドレルの外周面に内部インシュレータを一体に成型し、
次いで、前記内部インシュレータの外周面にCFRPからなる鏡板を、フィラメントワインディング及び積層で一体に成型し、
次いで、前記鏡板の外周面に1対の応力緩和ゴムを一体に成型し、
次いで、前記応力緩和ゴムの外周面に1対の前記スカート部を接合する、請求項5に記載の分割型モータケースの製造方法。 - 前記第2ステップにおいて、鏡板の外周面に1対の応力緩和ゴムを一体に成型し、次いで前記応力緩和ゴムの外周面に1対の前記スカート部を接合した後、前記内部インシュレータ及び前記鏡板の外縁で切断する、請求項5に記載の分割型モータケースの製造方法。
- 前記第2ステップにおいて、前記内部インシュレータ及び前記鏡板の外縁で切断し、次いで、鏡板の外周面に1対の応力緩和ゴムと1対の前記スカート部を接着する、請求項5に記載の分割型モータケースの製造方法。
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