≪≪A.表面保護フィルム≫≫
本発明の表面保護フィルムは、粘着剤層を有する。本発明の表面保護フィルムは、粘着剤層を有していれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の部材を備えていてもよい。代表的には、本発明の表面保護フィルムは、基材層と粘着剤層を有する。
図1は、本発明の一つの実施形態による表面保護フィルムの概略断面図である。図1において、表面保護フィルム10は、基材層1と粘着剤層2を備える。図1において、基材層1と粘着剤層2とは直接に積層されている。
図1において、粘着剤層2の基材層1の反対側の表面には、使用するまでの保護等のために、任意の適切な剥離ライナー(剥離シート、セパレーターと称することもある)が備えられていてもよい(図示せず)。剥離ライナーとしては、例えば、紙やプラスチックフィルム等の基材(ライナー基材)の表面がシリコーン処理された剥離ライナー、紙やプラスチックフィルム等の基材(ライナー基材)の表面がポリオレフィン系樹脂によりラミネートされた剥離ライナーなどが挙げられる。ライナー基材としてのプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムなどが挙げられる。ライナー基材としてのプラスチックフィルムとしては、好ましくは、ポリエチレンフィルムである。
剥離ライナーの厚みは、好ましくは1μm〜500μmであり、より好ましくは3μm〜450μmであり、さらに好ましくは5μm〜400μmであり、特に好ましくは10μm〜300μmである。
表面保護フィルムの厚みは、好ましくは5μm〜500μmであり、より好ましくは10μm〜450μmであり、さらに好ましくは15μm〜400μmであり、特に好ましくは20μm〜300μmである。
本発明の表面保護フィルムは、表面保護フィルムの粘着剤層をガラス板に貼り合わせて温度23℃で30分間放置した後に、温度23℃で該表面保護フィルムを該ガラス板から剥離角度180度、剥離速度300mm/分で剥がした際の剥離力Aが、好ましくは0.024N/25mm〜0.50N/25mmであり、より好ましくは0.024N/25mm〜0.40N/25mmであり、さらに好ましくは0.024N/25mm〜0.30N/25mmであり、特に好ましくは0.024N/25mm〜0.20N/25mmであり、最も好ましくは0.024N/25mm〜0.10N/25mmである。上記剥離力Aが上記範囲内にあれば、本発明の表面保護フィルムは、被着体から容易に剥がれにくくなり得る。上記剥離力Aが上記範囲内にあれば、代表的には、光学部材や電子部材の製造工程中において、該光学部材や該電子部材の露出面に貼り付けられた本発明の表面保護フィルムの剥がれが生じにくくなり得る。なお、上記剥離力Aの測定の詳細については後述する。
本発明の表面保護フィルムは、表面保護フィルムの粘着剤層をガラス板に貼り合わせて温度100℃で2日間放置した後に、温度23℃で該表面保護フィルムを該ガラス板か剥離角度180度、剥離速度300mm/分で剥がした際の剥離力Bが、好ましくは0.20N/25mm〜1.0N/25mmであり、より好ましくは0.25N/25mm〜0.95N/25mmであり、さらに好ましくは0.30N/25mm〜0.90N/25mmであり、特に好ましくは0.35N/25mm〜0.85N/25mmであり、最も好ましくは0.40N/25mm〜0.80N/25mmである。上記剥離力Bが上記範囲内にあれば、本発明の表面保護フィルムは、経時における重剥離化が抑制され得る。なお、上記剥離力Bの測定の詳細については後述する。
本発明の表面保護フィルムは、上記剥離力Aと上記剥離力Bについて、(B/A)×100で算出される剥離力経時上昇率が、好ましくは1000%以下であり、より好ましくは950%以下であり、さらに好ましくは900%以下であり、特に好ましくは850%以下であり、最も好ましくは800%以下である。上記剥離力経時上昇率の下限については、好ましくは450%以上である。上記剥離力経時上昇率が上記範囲内にあれば、本発明の表面保護フィルムは、被着体に貼り付けた後の初期の剥離力が大きくても経時における重剥離化が抑制され得る。
本発明の表面保護フィルムは、表面保護フィルムの粘着剤層をガラス板に貼り合わせて23℃で7日間放置した後に、温度23℃で該表面保護フィルムを該ガラス板から剥離角度180度、剥離速度300mm/分で剥がした際の剥離力Cが、好ましくは0.024N/25mm〜0.50N/25mmであり、より好ましくは0.024N/25mm〜0.40N/25mmであり、さらに好ましくは0.024N/25mm〜0.30N/25mmであり、特に好ましくは0.024N/25mm〜0.20N/25mmであり、最も好ましくは0.024N/25mm〜0.10N/25mmである。上記剥離力Cが上記範囲内にあれば、本発明の表面保護フィルムは、経時における重剥離化が抑制され得る。なお、上記剥離力Cの測定の詳細については後述する。
本発明の表面保護フィルムは、上記剥離力Aと上記剥離力Cについて、(C/A)×100で算出される剥離力経時上昇率が、好ましくは160%以下であり、より好ましくは155%以下であり、さらに好ましくは150%以下であり、特に好ましくは145%以下であり、最も好ましくは140%以下である。上記剥離力経時上昇率の下限については、好ましくは80%以上である。上記剥離力経時上昇率が上記範囲内にあれば、本発明の表面保護フィルムは、被着体に貼り付けた後の初期の剥離力が大きくても経時における重剥離化が抑制され得る。
本発明の表面保護フィルムは、残留接着率が、好ましくは50%以上であり、より好ましくは60%〜100%であり、さらに好ましくは70%〜100%であり、特に好ましくは80%〜100%であり、最も好ましくは85%〜100%である。上記残留接着率が上記範囲内にあれば、本発明の表面保護フィルムは、被着体に貼り付けることによる該被着体表面の汚染性が低いという効果を発現し得る。なお、残留接着率の測定の詳細については後述する。
本発明の表面保護フィルムは、任意の適切な方法により製造することができる。このような製造方法としては、例えば、
(1)粘着剤層の形成材料の溶液や熱溶融液を基材層上に塗布する方法、
(2)粘着剤層の形成材料の溶液や熱溶融液をセパレーター上に塗布して形成した粘着剤層を基材層上に移着する方法、
(3)粘着剤層の形成材料を基材層上に押出して形成塗布する方法、
(4)基材層と粘着剤層を二層または多層にて押出しする方法、
(5)基材層上に粘着剤層を単層ラミネートする方法またはラミネート層とともに粘着剤層を二層ラミネートする方法、
(6)粘着剤層とフィルムやラミネート層等の基材層形成材料とを二層または多層ラミネートする方法、
などの、任意の適切な製造方法に準じて行うことができる。
塗布の方法としては、例えば、ロールコーター法、コンマコーター法、ダイコーター法、リバースコーター法、シルクスクリーン法、グラビアコーター法などが使用できる。
≪A−1.基材層≫
基材層は、1層のみであってもよいし、2層以上であってもよい。基材層は、延伸されたものであってもよい。
基材層の厚みは、好ましくは4μm〜450μmであり、より好ましくは8μm〜400μmであり、さらに好ましくは12μm〜350μmであり、特に好ましくは16μm〜250μmである。
基材層の粘着剤層を付設しない面に対しては、巻戻しが容易な巻回体の形成などを目的として、例えば、基材層に、脂肪酸アミド、ポリエチレンイミン、長鎖アルキル系添加剤等を添加して離型処理を行ったり、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系などの任意の適切な剥離剤からなるコート層を設けたりすることができる。
基材層の材料としては、用途に応じて、任意の適切な材料を採用し得る。例えば、プラスチック、紙、金属フィルム、不織布などが挙げられる。好ましくは、プラスチックである。すなわち、基材層は、好ましくは、プラスチックフィルムである。基材層は、1種の材料から構成されていてもよいし、2種以上の材料から構成されていてもよい。例えば、2種以上のプラスチックから構成されていてもよい。
上記プラスチックとしては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、オレフィンモノマーの単独重合体、オレフィンモノマーの共重合体などが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、具体的には、例えば、ホモポリプロピレン;エチレン成分を共重合成分とするブロック系、ランダム系、グラフト系等のプロピレン系共重合体;リアクターTPO;低密度、高密度、リニア低密度、超低密度等のエチレン系重合体;エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸ブチル共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン系共重合体;などが挙げられる。
基材層は、必要に応じて、任意の適切な添加剤を含有し得る。基材層に含有され得る添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、充填剤、顔料などが挙げられる。基材層に含有され得る添加剤の種類、数、量は、目的に応じて適切に設定され得る。特に、基材層の材料がプラスチックの場合は、劣化防止等を目的として、上記の添加剤のいくつかを含有することが好ましい。耐候性向上等の観点から、添加剤として特に好ましくは、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤が挙げられる。
酸化防止剤としては、任意の適切な酸化防止剤を採用し得る。このような酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系加工熱安定剤、ラクトン系加工熱安定剤、イオウ系耐熱安定剤、フェノール・リン系酸化防止剤などが挙げられる。酸化防止剤の含有割合は、基材層のベース樹脂(基材層がブレンド物の場合にはそのブレンド物がベース樹脂である)に対して、好ましくは1重量%以下であり、より好ましくは0.5重量%以下であり、さらに好ましくは0.01重量%〜0.2重量%である。
紫外線吸収剤としては、任意の適切な紫外線吸収剤を採用し得る。このような紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤などが挙げられる。紫外線吸収剤の含有割合は、基材層を形成するベース樹脂(基材層がブレンド物の場合にはそのブレンド物がベース樹脂である)に対して、好ましくは2重量%以下であり、より好ましくは1重量%以下であり、さらに好ましくは0.01重量%〜0.5重量%である。
光安定剤としては、任意の適切な光安定剤を採用し得る。このような光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾエート系光安定剤などが挙げられる。光安定剤の含有割合は、基材層を形成するベース樹脂(基材層がブレンド物の場合にはそのブレンド物がベース樹脂である)に対して、好ましくは2重量%以下であり、より好ましくは1重量%以下であり、さらに好ましくは0.01重量%〜0.5重量%である。
充填剤としては、任意の適切な充填剤を採用し得る。このような充填剤としては、例えば、無機系充填剤などが挙げられる。無機系充填剤としては、具体的には、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛などが挙げられる。充填剤の含有割合は、基材層を形成するベース樹脂(基材層がブレンド物の場合にはそのブレンド物がベース樹脂である)に対して、好ましくは20重量%以下であり、より好ましくは10重量%以下であり、さらに好ましくは0.01重量%〜10重量%である。
さらに、添加剤としては、帯電防止性付与を目的として、界面活性剤、無機塩、多価アルコール、金属化合物、カーボン等の無機系、低分子量系および高分子量系帯電防止剤も好ましく挙げられる。特に、汚染、粘着性維持の観点から、高分子量系帯電防止剤やカーボンが好ましい。
≪A−2.粘着剤層≫
粘着剤層は、粘着剤から構成され得る。粘着剤は、粘着剤組成物から形成され得る。
粘着剤層は、任意の適切な方法によって形成し得る。このような方法としては、例えば、粘着剤組成物を基材層上に塗布し、基材層上において粘着剤層を形成する方法が挙げられる。このような塗布の方法としては、例えば、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアーナイフコート法、ダイコーターなどによる押出しコートなどが挙げられる。
粘着剤層の厚みは、好ましくは1μm〜150μmであり、より好ましくは2μm〜140μmであり、さらに好ましくは3μm〜130μmであり、さらに好ましくは4μm〜120μmであり、さらに好ましくは5μm〜100μmであり、さらに好ましくは10μm〜90μmであり、特に好ましくは20μm〜85μmであり、最も好ましくは30μm〜80μmである。
粘着剤組成物は、好ましくは、ベースポリマーと、シリコーン系添加剤および/またはフッ素系添加剤とを含む。
粘着剤組成物中の、ベースポリマーとシリコーン系添加剤とフッ素系添加剤との合計量の含有割合は、好ましくは50重量%〜100重量%であり、より好ましくは60重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは70重量%〜100重量%であり、特に好ましくは75重量%〜100重量%であり、最も好ましくは80重量%〜100重量%である。粘着剤組成物中の、ベースポリマーとシリコーン系添加剤とフッ素系添加剤との合計量の含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の表面保護フィルムは、被着体からより容易に剥がれにくくなり得、経時における重剥離化がより抑制され得、被着体に貼り付けることによる該被着体表面の汚染性が低いという効果をより発現し得る。
粘着剤組成物中のシリコーン系添加剤および/またはフッ素系添加剤の含有量は、ベースポリマー100重量部に対する、シリコーン系添加剤とフッ素系添加剤の合計量として、好ましくは0.001重量部〜50重量部であり、より好ましくは0.005重量部〜25重量部であり、さらに好ましくは0.01重量部〜10重量部であり、さらに好ましくは0.01重量部〜1重量部であり、さらに好ましくは0.01重量部〜0.50重量部であり、特に好ましくは0.01重量部〜0.30重量部であり、最も好ましくは0.01重量部〜0.28重量部である。粘着剤組成物中のシリコーン系添加剤および/またはフッ素系添加剤の含有量が上記範囲内にあれば、本発明の表面保護フィルムは、被着体からより容易に剥がれにくくなり得、経時における重剥離化がより抑制され得、被着体に貼り付けることによる該被着体表面の汚染性が低いという効果をより発現し得る。
すなわち、粘着剤組成物中にシリコーン系添加剤は含むもののフッ素系添加剤は含まない場合は、ベースポリマー100重量部に対するシリコーン系添加剤の含有割合は、好ましくは0.001重量部〜50重量部であり、より好ましくは0.005重量部〜25重量部であり、さらに好ましくは0.01重量部〜10重量部であり、さらに好ましくは0.01重量部〜1重量部であり、さらに好ましくは0.01重量部〜0.50重量部であり、特に好ましくは0.01重量部〜0.30重量部であり、最も好ましくは0.01重量部〜0.28重量部である。粘着剤組成物中のシリコーン系添加剤の含有量が上記範囲内にあれば、本発明の表面保護フィルムは、被着体からより容易に剥がれにくくなり得、経時における重剥離化がより抑制され得、被着体に貼り付けることによる該被着体表面の汚染性が低いという効果をより発現し得る。
また、粘着剤組成物中にシリコーン系添加剤は含まないもののフッ素系添加剤は含む場合は、ベースポリマー100重量部に対するフッ素系添加剤の含有割合は、好ましくは0.001重量部〜50重量部であり、より好ましくは0.005重量部〜25重量部であり、さらに好ましくは0.01重量部〜10重量部であり、さらに好ましくは0.01重量部〜1重量部であり、さらに好ましくは0.01重量部〜0.50重量部であり、特に好ましくは0.01重量部〜0.30重量部であり、最も好ましくは0.01重量部〜0.28重量部である。粘着剤組成物中のフッ素系添加剤の含有量が上記範囲内にあれば、本発明の表面保護フィルムは、被着体からより容易に剥がれにくくなり得、経時における重剥離化がより抑制され得、被着体に貼り付けることによる該被着体表面の汚染性が低いという効果をより発現し得る。
また、粘着剤組成物中にシリコーン系添加剤とフッ素系添加剤の両方を含む場合は、ベースポリマー100重量部に対するシリコーン系添加剤とフッ素系添加剤の合計の含有割合は、好ましくは0.001重量部〜50重量部であり、より好ましくは0.005重量部〜25重量部であり、さらに好ましくは0.01重量部〜10重量部であり、さらに好ましくは0.01重量部〜1重量部であり、さらに好ましくは0.01重量部〜0.50重量部であり、特に好ましくは0.01重量部〜0.30重量部であり、最も好ましくは0.01重量部〜0.28重量部である。粘着剤組成物中のシリコーン系添加剤およびフッ素系添加剤の合計の含有量が上記範囲内にあれば、本発明の表面保護フィルムは、被着体からより容易に剥がれにくくなり得、経時における重剥離化がより抑制され得、被着体に貼り付けることによる該被着体表面の汚染性が低いという効果をより発現し得る。
<A−2−1.ベースポリマー>
ベースポリマーは、好ましくは、ウレタンプレポリマー、ポリオール、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、シリコーン系樹脂から選ばれる少なくとも1種である。ベースポリマーが、ウレタンプレポリマー、ポリオール、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、シリコーン系樹脂から選ばれる少なくとも1種であれば、本発明の表面保護フィルムは、被着体からより容易に剥がれにくくなり得、経時における重剥離化がより抑制され得、被着体に貼り付けることによる該被着体表面の汚染性が低いという効果をより発現し得る。
〔A−2−1−a.ウレタンプレポリマー〕
ウレタンプレポリマーは、好ましくは、ポリウレタンポリオールであり、より好ましくは、ポリエステルポリオール(a1)またはポリエーテルポリオール(a2)を、それぞれ単独で、もしくは、(a1)と(a2)の混合物で、触媒存在下または無触媒下で、有機ポリイソシアネ−ト化合物(a3)と反応させてなるものである。
ポリエステルポリオール(a1)としては、任意の適切なポリエステルポリオールを用い得る。このようなポリエステルポリオール(a1)としては、例えば、酸成分とグリコール成分とを反応させて得られるポリエステルポリオールが挙げられる。酸成分としては、例えば、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸などが挙げられる。グリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルペンタンジオール、ポリオール成分としてグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。ポリエステルポリオール(a1)としては、その他に、ポリカプロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)、ポリバレロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオールなども挙げられる。
ポリエステルポリオール(a1)の分子量としては、低分子量から高分子量まで使用可能である。ポリエステルポリオール(a1)の分子量としては、数平均分子量が、好ましくは100〜100000である。数平均分子量が100未満では、反応性が高くなり、ゲル化しやすくなるおそれがある。数平均分子量が100000を超えると、反応性が低くなり、さらにはポリウレタンポリオール自体の凝集力が小さくなるおそれがある。ポリエステルポリオール(a1)の使用量は、ポリウレタンポリオールを構成するポリオール中、好ましくは0モル%〜90モル%である。
ポリエーテルポリオール(a2)としては、任意の適切なポリエーテルポリオールを用い得る。このようなポリエーテルポリオール(a2)としては、例えば、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の低分子量ポリオールを開始剤として用いて、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等のオキシラン化合物を重合させることにより得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。このようなポリエーテルポリオール(a2)としては、具体的には、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の官能基数が2以上のポリエーテルポリオールが挙げられる。
ポリエーテルポリオール(a2)の分子量としては、低分子量から高分子量まで使用可能である。ポリエーテルポリオール(a2)の分子量としては、数平均分子量が、好ましくは100〜100000である。数平均分子量が100未満では、反応性が高くなり、ゲル化しやすくなるおそれがある。数平均分子量が100000を超えると、反応性が低くなり、さらにはポリウレタンポリオール自体の凝集力が小さくなるおそれがある。ポリエーテルポリオール(a2)の使用量は、ポリウレタンポリオールを構成するポリオール中、好ましくは0モル%〜90モル%である。
ポリエーテルポリオール(a2)は、必要に応じてその一部を、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルペンタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のグリコール類や、エチレンジアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、イソホロンジアミン、キシリレンジアミン等の多価アミン類などに置き換えて併用することができる。
ポリエーテルポリオール(a2)としては、2官能性のポリエーテルポリオールのみを用いてもよいし、数平均分子量が100〜100000であり、且つ、1分子中に少なくとも3個以上の水酸基を有するポリエーテルポリオールを一部もしくは全部用いてもよい。ポリエーテルポリオール(a2)として、数平均分子量が100〜100000であり、且つ、1分子中に少なくとも3個以上の水酸基を有するポリエーテルポリオールを一部もしくは全部用いると、粘着力と再剥離性のバランスが良好となり得る。このようなポリエーテルポリオールにおいては、数平均分子量が100未満では、反応性が高くなり、ゲル化しやすくなるおそれがある。また、このようなポリエーテルポリオールにおいては、数平均分子量が100000を超えると、反応性が低くなり、さらにはポリウレタンポリオール自体の凝集力が小さくなるおそれがある。このようなポリエーテルポリオールの数平均分子量は、より好ましくは100〜10000である。
有機ポリイソシアネート化合物(a3)としては、任意の適切な有機ポリイソシアネート化合物を用い得る。このような有機ポリイソシアネート化合物(a3)としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
有機ポリイソシアネート化合物(a3)として、トリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレート環を有する3量体などを併用することができる。
ポリウレタンポリオールを得る際に用い得る触媒としては、任意の適切な触媒を用い得る。このような触媒としては、例えば、3級アミン系化合物、有機金属系化合物などが挙げられる。
3級アミン系化合物としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(DBU)などが挙げられる。
有機金属系化合物としては、例えば、錫系化合物、非錫系化合物などが挙げられる。
錫系化合物としては、例えば、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫などが挙げられる。
非錫系化合物としては、例えば、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライドなどのチタン系化合物;オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛などの鉛系化合物;2−エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネートなどの鉄系化合物;安息香酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルトなどのコバルト系化合物;ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛などの亜鉛系化合物;ナフテン酸ジルコニウムなどのジルコニウム系化合物;などが挙げられる。
ポリウレタンポリオールを得る際に触媒を使用する場合、ポリエステルポリオールとポリエーテルポリオールの2種類のポリオールが存在する系では、その反応性の相違のため、単独の触媒の系では、ゲル化したり反応溶液が濁ったりするという問題が生じやすい。そこで、ポリウレタンポリオールを得る際に2種類の触媒を用いることにより、反応速度、触媒の選択性等が制御しやすくなり、これらの問題を解決し得る。このような2種類の触媒の組み合わせとしては、例えば、3級アミン/有機金属系、錫系/非錫系、錫系/錫系が挙げられ、好ましくは錫系/錫系であり、より好ましくはジブチル錫ジラウレートと2−エチルヘキサン酸錫の組み合わせである。その配合比は、重量比で、2−エチルヘキサン酸錫/ジブチル錫ジラウレートが、好ましくは1未満であり、より好ましくは0.2〜0.6である。配合比が1以上では、触媒活性のバランスによりゲル化しやすくなるおそれがある。
ポリウレタンポリオールを得る際に触媒を使用する場合、触媒の使用量は、ポリエステルポリオール(a1)とポリエーテルポリオール(a2)と有機ポリイソシアネ−ト化合物(a3)の総量に対して、好ましくは0.01重量%〜1.0重量%である。
ポリウレタンポリオールを得る際に触媒を使用する場合、反応温度は、好ましくは100℃未満であり、より好ましくは85℃〜95℃である。100℃以上になると反応速度、架橋構造の制御が困難となるおそれがあり、所定の分子量を有するポリウレタンポリオールが得難くなるおそれがある。
ポリウレタンポリオールを得る際には、触媒を用いなくても良い。その場合は、反応温度が、好ましくは100℃以上であり、より好ましくは110℃以上である。また、無触媒下でポリウレタンポリオールを得る際は、3時間以上反応させることが好ましい。
ポリウレタンポリオールを得る方法としては、例えば、1)ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、触媒、有機ポリイソシアネートを全量フラスコに仕込む方法、2)ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、触媒をフラスコに仕込んで有機ポリイソシアネ−トを滴下する添加する方法が挙げられる。ポリウレタンポリオールを得る方法として、反応を制御する上では、2)の方法が好ましい。
ポリウレタンポリオールを得る際には、任意の適切な溶剤を用い得る。このような溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、アセトンなどが挙げられる。これらの溶剤の中でも、好ましくはトルエンである。
〔A−2−1−b.ポリオール〕
ポリオールとしては、例えば、好ましくは、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ひまし油系ポリオールが挙げられる。ポリオールとしては、より好ましくは、ポリエーテルポリオールである。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、ポリオール成分と酸成分とのエステル化反応によって得ることができる。
ポリオール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,8−デカンジオール、オクタデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキサントリオール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。酸成分としては、例えば、コハク酸、メチルコハク酸、アジピン酸、ピメリック酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸、1,14−テトラデカン二酸、ダイマー酸、2−メチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−エチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェエルジカルボン酸、これらの酸無水物などが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、水、低分子ポリオール(プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど)、ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)、ジヒドロキシベンゼン(カテコール、レゾルシン、ハイドロキノンなど)などを開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加重合させることによって得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。具体的には、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
ポリカプロラクトンポリオールとしては、例えば、ε−カプロラクトン、σ−バレロラクトンなどの環状エステルモノマーの開環重合により得られるカプロラクトン系ポリエステルジオールなどが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、上記ポリオール成分とホスゲンとを重縮合反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記ポリオール成分と、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロビル、炭酸ジイソプロピル、炭酸ジブチル、エチルブチル炭酸、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、炭酸ジフェニル、炭酸ジベンジル等の炭酸ジエステル類とをエステル交換縮合させて得られるポリカーボネートポリオール;上記ポリオール成分を2種以上併用して得られる共重合ポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとカルボキシル基含有化合物とをエステル化反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとヒドロキシル基含有化合物とをエーテル化反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとエステル化合物とをエステル交換反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとヒドロキシル基含有化合物とをエステル交換反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとジカルボン酸化合物とを重縮合反応させて得られるポリエステル系ポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとアルキレンオキサイドとを共重合させて得られる共重合ポリエーテル系ポリカーボネートポリオール;などが挙げられる。
ひまし油系ポリオールとしては、例えば、ひまし油脂肪酸と上記ポリオール成分とを反応させて得られるひまし油系ポリオールが挙げられる。具体的には、例えば、ひまし油脂肪酸とポリプロピレングリコールとを反応させて得られるひまし油系ポリオールが挙げられる。
ポリオールの数平均分子量Mnは、好ましくは300〜100000であり、より好ましくは400〜75000であり、さらに好ましくは450〜50000であり、特に好ましくは500〜30000である。ポリオールの数平均分子量Mnが上記範囲内にあれば、本発明の表面保護フィルムは、被着体からより容易に剥がれにくくなり得、経時における重剥離化がより抑制され得る。
ポリオールとしては、好ましくは、OH基を3個有する数平均分子量Mnが300〜100000のポリオール(A1)を含有する。ポリオール(A1)は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
ポリオール中のポリオール(A1)の含有割合は、好ましくは5重量%以上であり、より好ましくは25重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは50重量%〜100重量%である。ポリオール中のポリオール(A1)の含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の表面保護フィルムは、被着体からより容易に剥がれにくくなり得、経時における重剥離化がより抑制され得る。
ポリオール(A1)の数平均分子量Mnは、好ましくは1000〜100000であり、より好ましくは1200〜80000であり、さらに好ましくは1500〜70000であり、さらに好ましくは1750〜50000であり、特に好ましくは1500〜40000であり、最も好ましくは2000〜30000である。ポリオール(A1)の数平均分子量Mnが上記範囲内にあれば、本発明の表面保護フィルムは、被着体からより容易に剥がれにくくなり得、経時における重剥離化がより抑制され得る。
ポリオールは、OH基を3個以上有する数平均分子量Mnが20000以下のポリオール(A2)を含有していてもよい。ポリオール(A2)は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。ポリオール(A2)の数平均分子量Mnは、好ましくは100〜20000であり、より好ましくは150〜10000であり、さらに好ましくは200〜7500であり、特に好ましくは300〜6000であり、最も好ましくは300〜5000である。ポリオール(A2)の数平均分子量Mnが上記範囲内から外れると、特に、本発明の表面保護フィルムの剥離力の経時上昇性が高くなるおそれがある。ポリオール(A2)としては、好ましくは、OH基を3個有するポリオール(トリオール)、OH基を4個有するポリオール(テトラオール)、OH基を5個有するポリオール(ペンタオール)、OH基を6個有するポリオール(ヘキサオール)が挙げられる。
ポリオール(A2)としての、OH基を4個有するポリオール(テトラオール)、OH基を5個有するポリオール(ペンタオール)、OH基を6個有するポリオール(ヘキサオール)の合計量は、ポリオール中の含有割合として、好ましくは70重量%以下であり、より好ましくは60重量%以下であり、さらに好ましくは40重量%以下であり、特に好ましくは30重量%以下である。ポリオール中に、ポリオール(A2)としての、OH基を4個有するポリオール(テトラオール)、OH基を5個有するポリオール(ペンタオール)、OH基を6個有するポリオール(ヘキサオール)の合計量のポリオール中の含有割合が上記範囲にあれば、透明性に優れた粘着剤層を提供し得、また、本発明の表面保護フィルムは、被着体からより容易に剥がれにくくなり得、経時における重剥離化がより抑制され得る。
ポリオール中のポリオール(A2)の含有割合は、好ましくは95重量%以下であり、より好ましくは0重量%〜75重量%である。ポリオール中のポリオール(A2)の含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の表面保護フィルムは、被着体からより容易に剥がれにくくなり得、経時における重剥離化がより抑制され得る。
ポリオール(A2)としての、OH基を4個以上有する数平均分子量Mnが20000以下のポリオールの含有割合は、ポリオール全体に対して、好ましくは70重量%未満であり、より好ましくは60重量%以下であり、さらに好ましくは50重量%以下であり、特に好ましくは40重量%以下であり、最も好ましくは30重量%以下である。ポリオール(A2)としての、OH基を4個以上有する数平均分子量Mnが20000以下のポリオールの含有割合が、ポリオール全体に対して上記範囲にあれば、透明性に優れた粘着剤層を提供し得、また、本発明の表面保護フィルムは、被着体からより容易に剥がれにくくなり得、経時における重剥離化がより抑制され得る。
〔A−2−1−c.アクリル系樹脂〕
アクリル系樹脂としては、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、特開2013−241606号公報などに記載の公知のアクリル系粘着剤など、任意の適切なアクリル系粘着剤を採用し得る。
アクリル系樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な成分を含有し得る。このような成分としては、例えば、アクリル系樹脂以外の樹脂成分、粘着付与剤、無機充填剤、有機充填剤、金属粉、顔料、箔状物、軟化剤、老化防止剤、導電剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、表面潤滑剤、レベリング剤、腐食防止剤、耐熱安定剤、重合禁止剤、滑剤、溶剤、触媒などが挙げられる。
〔A−2−1−d.ゴム系樹脂〕
ゴム系樹脂としては、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、特開2015−074771号公報などに記載の公知のゴム系粘着剤など、任意の適切なゴム系粘着剤を採用し得る。これらは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
ゴム系樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な成分を含有し得る。このような成分としては、例えば、ゴム系樹脂以外の樹脂成分、粘着付与剤、無機充填剤、有機充填剤、金属粉、顔料、箔状物、軟化剤、老化防止剤、導電剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、表面潤滑剤、レベリング剤、腐食防止剤、耐熱安定剤、重合禁止剤、滑剤、溶剤、触媒などが挙げられる。
〔A−2−1−e.シリコーン系樹脂〕
シリコーン系粘着剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、特開2014−047280号公報などに記載の公知のシリコーン系粘着剤など、任意の適切なシリコーン系粘着剤を採用し得る。これらは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
シリコーン系樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な成分を含有し得る。このような成分としては、例えば、シリコーン系樹脂以外の樹脂成分、粘着付与剤、無機充填剤、有機充填剤、金属粉、顔料、箔状物、軟化剤、老化防止剤、導電剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、表面潤滑剤、レベリング剤、腐食防止剤、耐熱安定剤、重合禁止剤、滑剤、溶剤、触媒などが挙げられる。
<A−2−2.シリコーン系添加剤>
シリコーン系添加剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なシリコーン系添加剤を採用し得る。このようなシリコーン系添加剤としては、好ましくは、シロキサン結合含有化合物、水酸基含有シリコーン系化合物、架橋性官能基含有シリコーン系化合物から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
シリコーン系添加剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
シロキサン結合含有化合物としては、例えば、ポリオルガノシロキサン骨格(ポリジメチルシロキサンなど)の主鎖または側鎖にポリエーテル基を導入したポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン、ポリオルガノシロキサン骨格の主鎖または側鎖にポリエステル基を導入したポリエステル変性ポリオルガノシロキサン、ポリオルガノシロキサン骨格の主鎖または側鎖に有機化合物を導入した有機化合物導入ポリオルガノシロキサン、(メタ)アクリル系樹脂にポリオルガノシロキサンを導入したシリコーン変性(メタ)アクリル系樹脂、有機化合物にポリオルガノシロキサンを導入したシリコーン変性有機化合物、有機化合物とシリコーン化合物を共重合したシリコーン含有有機化合物などが挙げられる。このようなシロキサン結合含有ポリマーとしては、市販品としては、例えば、商品名「LE−302」(共栄社化学株式会社製)、ビックケミー・ジャパン(株)製のBYKシリーズのレベリング剤(「BYK−300」、「BYK−301/302」、「BYK−306」、「BYK−307」、「BYK−310」、「BYK−315」、「BYK−313」、「BYK−320」、「BYK−322」、「BYK−323」、「BYK−325」、「BYK−330」、「BYK−331」、「BYK−333」、「BYK−337」、「BYK−341」、「BYK−344」、「BYK−345/346」、「BYK−347」、「BYK−348」、「BYK−349」、「BYK−370」、「BYK−375」、「BYK−377」、「BYK−378」、「BYK−UV3500」、「BYK−UV3510」、「BYK−UV3570」、「BYK−3550」、「BYK−SILCLEAN3700」、「BYK−SILCLEAN3720」など)、Algin Chemie社製のACシリーズのレベリング剤(「AC FS180」、「AC FS360」、「AC S20」など)、共栄社化学(株)製のポリフローシリーズのレベリング剤(「ポリフローKL−400X」、「ポリフローKL−400HF」、「ポリフローKL−401」、「ポリフローKL−402」、「ポリフローKL−403」、「ポリフローKL−404」など)、信越化学工業(株)製のKPシリーズのレベリング剤(「KP−323」、「KP−326」、「KP−341」、「KP−104」、「KP−110」、「KP−112」など)、信越化学社製のX22シリーズ、KFシリーズなど、東レ・ダウコーニング(株)製のレベリング剤(「LP−7001」、「LP−7002」、「8032ADDITIVE」、「57ADDITIVE」、「L−7604」、「FZ−2110」、「FZ−2105」、「67ADDITIVE」、「8618ADDITIVE」、「3ADDITIVE」、「56ADDITIVE」など)などが挙げられる。
水酸基含有シリコーン系化合物としては、例えば、ポリオルガノシロキサン骨格(ポリジメチルシロキサンなど)の主鎖または側鎖にポリエーテル基を導入したポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン、ポリオルガノシロキサン骨格の主鎖または側鎖にポリエステル基を導入したポリエステル変性ポリオルガノシロキサン、ポリオルガノシロキサン骨格の主鎖または側鎖に有機化合物を導入した有機化合物導入ポリオルガノシロキサン、(メタ)アクリル系樹脂にポリオルガノシロキサンを導入したシリコーン変性(メタ)アクリル系樹脂、有機化合物にポリオルガノシロキサンを導入したシリコーン変性有機化合物、有機化合物とシリコーン化合物を共重合したシリコーン含有有機化合物などが挙げられる。これらにおいて、ヒドロキシル基は、ポリオルガノシロキサン骨格が有していてもよく、ポリエーテル基、ポリエステル基、(メタ)アクリロイル基、有機化合物が有していてもよい。このような水酸基含有シリコーンとしては、市販品としては、例えば、商品名「X−22−4015」、「X−22−4039」、「KF6000」、「KF6001」、「KF6002」、「KF6003」、「X−22−170BX」、「X−22−170DX」、「X−22−176DX」、「X−22−176F」(信越化学工業株式会社製)、ビックケミー・ジャパン(株)製の「BYK−370」、「BYK−SILCLEAN3700」、「BYK−SILCLEAN3720」などが挙げられる。
架橋性官能基含有シリコーン系化合物しては、例えば、ポリオルガノシロキサン骨格(ポリジメチルシロキサンなど)の主鎖または側鎖にポリエーテル基を導入したポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン、ポリオルガノシロキサン骨格の主鎖または側鎖にポリエステル基を導入したポリエステル変性ポリオルガノシロキサン、ポリオルガノシロキサン骨格の主鎖または側鎖に有機化合物を導入した有機化合物導入ポリオルガノシロキサン、(メタ)アクリル系樹脂にポリオルガノシロキサンを導入したシリコーン変性(メタ)アクリル系樹脂、有機化合物にポリオルガノシロキサンを導入したシリコーン変性有機化合物、有機化合物とシリコーン化合物を共重合したシリコーン含有有機化合物などが挙げられる。これらにおいて、架橋性官能基は、ポリオルガノシロキサン骨格が有していてもよく、ポリエーテル基、ポリエステル基、(メタ)アクリロイル基、有機化合物が有していてもよい。架橋性官能基としては、アミノ基・エポキシ基・メルカプト基・カルボキシル基・イソシアネート基・メタクリレート基などが挙げられる。このようなイソシアネート基含有シリコーンとしては、市販品としては、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製の「BY16−855」、「SF8413」、「BY16−839」、「SF8421」、「BY16−750」、「BY16−880」、「BY16−152C」、信越化学工業株式会社製の「KF−868」、「KF−865」、「KF−864」、「KF−859」、「KF−393」、「KF−860」、「KF−880」、「KF−8004」、「KF−8002」、「KF−8005」、「KF−867」、「KF−8021」、「KF−869」、「KF−861」、「X−22−343」、「KF−101」、「X−22−2000」、「X−22−4741」、「KF−1002」、「KF−2001」、「X−22−3701E」、「X−22−164」、「X−22−164A」、「X−22−164B」、「X−22−164AS」、「X−22−2445」などが挙げられる。
<A−2−3.フッ素系添加剤>
フッ素系添加剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なフッ素系添加剤を採用し得る。このようなフッ素系添加剤としては、好ましくは、フッ素含有化合物、水酸基含有フッ素系化合物、架橋性官能基含有フッ素系化合物から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
フッ素系添加剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
フッ素含有化合物としては、例えば、フルオロ脂肪族炭化水素骨格を有する化合物、有機化合物とフッ素化合物を共重合したフッ素含有有機化合物、有機化合物を含むフッ素含有化合物などが挙げられる。フルオロ脂肪族炭化水素骨格としては、例えば、フルオロメタン、フルオロエタン、フルオロプロパン、フルオロイソプロパン、フルオロブタン、フルオロイソブタン、フルオロt−ブタン、フルオロペンタン、フルオロヘキサンなどのフルオロC1−C10アルカンなどが挙げられる。このようなフッ素含有化合物としては、市販品としては、例えば、AGCセイミケミカル(株)製のサーフロンシリーズのレベリング剤(「S−242」、「S−243」、「S−420」、「S−611」、「S−651」、「S−386」など)、ビックケミー・ジャパン(株)製のBYKシリーズのレベリング剤(「BYK−340」など)、Algin Chemie社製のACシリーズのレベリング剤(「AC 110a」、「AC 100a」など)、DIC(株)製のメガファックシリーズのレベリング剤(「メガファックF−114」、「メガファックF−410」、「メガファックF−444」、「メガファックEXP TP−2066」、「メガファックF−430」、「メガファックF−472SF」、「メガファックF−477」、「メガファックF−552」、「メガファックF−553」、「メガファックF−554」、「メガファックF−555」、「メガファックR−94」、「メガファックRS−72−K」、「メガファックRS−75」、「メガファックF−556」、「メガファックEXP TF−1367」、「メガファックEXP TF−1437」、「メガファックF−558」、「メガファックEXP TF−1537」など)、住友スリーエム(株)製のFCシリーズのレベリング剤(「FC−4430」、「FC−4432」など)、(株)ネオス製のフタージェントシリーズのレベリング剤(「フタージェント100」、「フタージェント100C」、「フタージェント110」、「フタージェント150」、「フタージェント150CH」、「フタージェントA−K」、「フタージェント501」、「フタージェント250」、「フタージェント251」、「フタージェント222F」、「フタージェント208G」、「フタージェント300」、「フタージェント310」、「フタージェント400SW」など)、北村化学産業(株)製のPFシリーズのレベリング剤(「PF−136A」、「PF−156A」、「PF−151N」、「PF−636」、「PF−6320」、「PF−656」、「PF−6520」、「PF−651」、「PF−652」、「PF−3320」など)などが挙げられる。
水酸基含有フッ素系化合物としては、例えば、従来公知の樹脂が使用でき、例えば、国際公開第94/06870号パンフレット、特開平8−12921号公報、特開平10−72569号公報、特開平4−275379号公報、国際公開第97/11130号パンフレット、国際公開第96/26254号パンフレットなどに記載された水酸基含有フッ素樹脂が挙げられる。その他の水酸基含有フッ素樹脂としては、例えば、特開平8−231919号公報、特開平10−265731号公報、特開平10−204374号公報、特開平8‐12922号公報などに記載されたフルオロオレフィン共重合体などが挙げられる。その他、水酸基含有化合物にフッ素化されたアルキル基を有する化合物の共重合体、水酸基含有化合物にフッ素含有化合物を共重合したフッ素含有有機化合物、水酸基含有有機化合物を含むフッ素含有化合物などが挙げられる。このような水酸基含有フッ素系化合物としては、市販品としては、例えば、商品名「ルミフロン」(旭硝子(株)製)、商品名「セフラルコート」(セントラル硝子(株)製)、商品名「ザフロン」(東亜合成(株)製)、商品名「ゼッフル」(ダイキン工業(株)製)、商品名「メガファックF−571」、「フルオネート」(DIC(株)製)などが挙げられる。
架橋性官能基含有フッ素系化合物としては、例えば、ペルフルオロオクタン酸などのようなフッ素化されたアルキル基を有するカルボン酸化合物、架橋性官能基含有化合物にフッ素化されたアルキル基を有する化合物の共重合体、架橋性官能基含有化合物にフッ素含有化合物を共重合したフッ素含有有機化合物、架橋性官能基含有化合物を含むフッ素含有化合物などが挙げられる。このような架橋性官能基含有フッ素系化合物としては、市販品としては、例えば、商品名「メガファック F−570」、「メガファックRS−55」、「メガファックRS−56」、「メガファックRS−72−K」、「メガファックRS−75」、「メガファックRS−76−E」、「メガファックRS−76−NS」、「メガファックRS−78」、「メガファックRS−90」(DIC(株)製)などが挙げられる。
<A−2−4.ウレタン系樹脂>
上記のベースポリマーとしてのウレタンプレポリマーおよびポリオールは、それぞれ、多官能イソシアネート化合物(B)と組み合わせて、ウレタン系樹脂を形成するための組成物の成分となり得る。ウレタン系樹脂を形成するための組成物の成分として上記のようなものを採用することにより、本発明の表面保護フィルムは、被着体からより容易に剥がれにくくなり得、経時における重剥離化がより抑制され得る。
ウレタン系樹脂を形成するための組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の成分を含有し得る。このような成分としては、例えば、ウレタン系樹脂以外の樹脂成分、粘着付与剤、無機充填剤、有機充填剤、金属粉、顔料、箔状物、軟化剤、老化防止剤、導電剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、表面潤滑剤、レベリング剤、腐食防止剤、耐熱安定剤、重合禁止剤、滑剤、溶剤、触媒などが挙げられる。
ウレタン系樹脂を形成するための組成物は、好ましくは、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤といった劣化防止剤を含む。ウレタン系樹脂を形成するための組成物が劣化防止剤を含むことにより、形成される粘着剤層を被着体に貼り付けた後に加温状態で保存しても被着体に糊残りが生じにくいなど、糊残り防止性に優れるようになり得る。劣化防止剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。劣化防止剤として、特に好ましくは、酸化防止剤である。
酸化防止剤としては、例えば、ラジカル連鎖禁止剤、過酸化物分解剤などが挙げられる。
ラジカル連鎖禁止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤などが挙げられる。
過酸化物分解剤としては、例えば、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、モノフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、高分子型フェノール系酸化防止剤などが挙げられる。
モノフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリン−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどが挙げられる。
ビスフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどが挙げられる。
高分子型フェノール系酸化防止剤としては、例えば、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H、3H、5H)トリオン、トコフェノールなどが挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネートなどが挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイトなどが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤などが挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタンなどが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’,−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2’メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタアクリロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
サリチル酸系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレートなどが挙げられる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレートなどが挙げられる。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線安定剤などが挙げられる。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートなどを挙げることができる。
紫外線安定剤としては、例えば、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、[2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェノラート)]−n−ブチルアミンニッケル、ニッケルコンプレックス−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−リン酸モノエチレート、ニッケル−ジブチルジチオカーバメート、ベンゾエートタイプのクエンチャー、ニッケル−ジブチルジチオカーバメートなどが挙げられる。
〔A−2−4−a.ウレタンプレポリマーと多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物から形成されるウレタン系樹脂〕
ウレタンプレポリマーと多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物から形成されるウレタン系樹脂は、例えば、ウレタンプレポリマーとしてのポリウレタンポリオールと多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物から形成されるウレタン系樹脂が挙げられる。
ウレタンプレポリマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
多官能イソシアネート化合物(B)は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
多官能イソシアネート化合物(B)としては、ウレタン化反応に用い得る任意の適切な多官能イソシアネート化合物を採用し得る。このような多官能イソシアネート化合物(B)としては、例えば、多官能脂肪族系イソシアネート化合物、多官能脂環族系イソシアネート、多官能芳香族系イソシアネート化合物などが挙げられる。
多官能脂肪族系イソシアネート化合物としては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
多官能脂環族系イソシアネート化合物としては、例えば、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,3−シクロへキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
多官能芳香族系ジイソシアネート化合物としては、例えば、フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソソアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,2’一ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
多官能イソシアネート化合物(B)としては、上記のような各種多官能イソシアネート化合物のトリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレート環を有する3量体なども挙げられる。また、これらを併用してもよい。
ウレタンプレポリマーと多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物中には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なその他の成分を含み得る。このようなその他の成分としては、例えば、ポリウレタン系樹脂以外の樹脂成分、粘着付与剤、無機充填剤、有機充填剤、金属粉、顔料、箔状物、軟化剤、老化防止剤、導電剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、表面潤滑剤、レベリング剤、腐食防止剤、耐熱安定剤、重合禁止剤、滑剤、溶剤、触媒などが挙げられる。
ウレタンプレポリマーと多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物からポリウレタン系樹脂を形成する方法としては、いわゆる「ウレタンプレポリマー」を原料として用いてポリウレタン系樹脂を製造する方法であれば、任意の適切な製造方法を採用し得る。
ウレタンプレポリマーの数平均分子量Mnは、好ましくは3000〜1000000である。
ウレタンプレポリマーと多官能イソシアネート化合物(B)における、NCO基とOH基の当量比は、NCO基/OH基として、好ましくは5.0以下であり、より好ましくは0.01〜4.75であり、さらに好ましくは0.02〜4.5であり、特に好ましくは0.03〜4.25であり、最も好ましくは0.05〜4.0である。NCO基/OH基の当量比が上記範囲内にあれば、本発明の表面保護フィルムは、被着体からより容易に剥がれにくくなり得、経時における重剥離化がより抑制され得る。
多官能イソシアネート化合物(B)の含有割合は、ウレタンプレポリマーに対して、多官能イソシアネート化合物(B)が、好ましくは0.01重量%〜30重量%であり、より好ましくは0.05重量%〜25重量%であり、さらに好ましくは0.1重量%〜20重量%であり、特に好ましくは0.5重量%〜17.5重量%であり、最も好ましくは1重量%〜15重量%である。多官能イソシアネート化合物(B)の含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の表面保護フィルムは、被着体からより容易に剥がれにくくなり得、経時における重剥離化がより抑制され得る。
〔A−2−4−b.ポリオールと多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物から形成されるウレタン系樹脂〕
ポリオールと多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物から形成されるウレタン系樹脂は、具体的には、好ましくは、ポリオールと多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物を硬化させて得られるウレタン系樹脂である。
ポリオールは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
多官能イソシアネート化合物(B)は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
多官能イソシアネート化合物(B)としては、前述したものを援用し得る。
ポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)における、NCO基とOH基の当量比は、NCO基/OH基として、好ましくは5.0以下であり、より好ましくは0.1〜3.0であり、さらに好ましくは0.2〜2.5であり、特に好ましくは0.3〜2.25であり、最も好ましくは0.5〜2.0である。NCO基/OH基の当量比が上記範囲内にあれば、本発明の表面保護フィルムは、被着体からより容易に剥がれにくくなり得、経時における重剥離化がより抑制され得る。
多官能イソシアネート化合物(B)の含有割合は、ポリオールに対して、多官能イソシアネート化合物(B)が、好ましくは1.0重量%〜30重量%であり、より好ましくは1.5重量%〜27重量%であり、さらに好ましくは2.0重量%〜25重量%であり、特に好ましくは2.3重量%〜23重量%であり、最も好ましくは2.5重量%〜20重量%である。多官能イソシアネート化合物(B)の含有割合が上記範囲内にあれば、本発明の表面保護フィルムは、被着体からより容易に剥がれにくくなり得、経時における重剥離化がより抑制され得る。
ポリウレタン系樹脂は、具体的には、好ましくは、ポリオールと多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物を硬化させて形成される。ポリオールと多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物を硬化させてウレタン系樹脂を形成する方法としては、塊状重合や溶液重合などを用いたウレタン化反応方法など、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な方法を採用し得る。
ポリオールと多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物を硬化させるために、好ましくは触媒を用いる。このような触媒としては、例えば、有機金属系化合物、3級アミン化合物などが挙げられる。
有機金属系化合物としては、例えば、鉄系化合物、錫系化合物、チタン系化合物、ジルコニウム系化合物、鉛系化合物、コバルト系化合物、亜鉛系化合物などを挙げることができる。これらの中でも、反応速度と粘着剤層のポットライフの点で、鉄系化合物、錫系化合物が好ましい。
鉄系化合物としては、例えば、鉄アセチルアセトネート、2−エチルヘキサン酸鉄などが挙げられる。
錫系化合物としては、例えば、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルフィド、トリブチル錫メトキシド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキシド、トリブチル錫エトキシド、ジオクチル錫オキシド、ジオクチル錫ジラウレート、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫などが挙げられる。
チタン系化合物としては、例えば、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライドなどが挙げられる。
ジルコニウム系化合物としては、例えば、ナフテン酸ジルコニウム、ジルコニウムアセチルアセトネートなどが挙げられる。
鉛系化合物としては、例えば、オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛などが挙げられる。
コバルト系化合物としては、例えば、2−エチルヘキサン酸コバルト、安息香酸コバルトなどが挙げられる。
亜鉛系化合物としては、例えば、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛などが挙げられる。
3級アミン化合物としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビシク口−(5,4,0)−ウンデセン−7などが挙げられる。
触媒は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。また、触媒と架橋遅延剤などを併用してもよい。触媒の量は、ポリオールに対して、好ましくは0.005重量%〜1.00重量%であり、より好ましくは0.01重量%〜0.75重量%であり、さらに好ましくは0.01重量%〜0.50重量%であり、特に好ましくは0.01重量%〜0.20重量%である。触媒の量が上記範囲内にあれば、本発明の表面保護フィルムは、被着体からより容易に剥がれにくくなり得、経時における重剥離化がより抑制され得る。
ポリオールと多官能イソシアネート化合物(B)を含有する組成物中には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なその他の成分を含み得る。このようなその他の成分としては、例えば、ポリウレタン系樹脂以外の樹脂成分、粘着付与剤、無機充填剤、有機充填剤、金属粉、顔料、箔状物、軟化剤、老化防止剤、導電剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、表面潤滑剤、レベリング剤、腐食防止剤、耐熱安定剤、重合禁止剤、滑剤、溶剤、触媒などが挙げられる。
<A−2−5.脂肪酸エステル>
粘着剤組成物は、好ましくは、脂肪酸エステルを含む。脂肪酸エステルは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。粘着剤組成物が脂肪酸エステルを含めば、本発明の表面保護フィルムは、被着体からより容易に剥がれにくくなり得、経時における重剥離化がより抑制され得、被着体に貼り付けることによる該被着体表面の汚染性が低いという効果をより発現し得る。
脂肪酸エステルの数平均分子量Mnは、好ましくは100〜800であり、より好ましくは150〜750であり、さらに好ましくは200〜700であり、特に好ましくは200〜650であり、最も好ましくは200〜600である。脂肪酸エステルの数平均分子量Mnが上記範囲内にあれば、本発明の表面保護フィルムは、被着体からより容易に剥がれにくくなり得、経時における重剥離化がより抑制され得、被着体に貼り付けることによる該被着体表面の汚染性が低いという効果をより発現し得る。
脂肪酸エステルとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な脂肪酸エステルを採用し得る。このような脂肪酸エステルとしては、例えば、ポリオキシエチレンビスフェノールAラウリン酸エステル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、べへン酸モノグリセライド、2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソステアリン酸コレステリル、メタクリル酸ラウリル、ヤシ脂肪酸メチル、ラウリン酸メチル、オレイン酸メチル、ステアリン酸メチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ペンタエリスリトールモノオレエート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸イソトリデシル、2−エチルヘキサン酸トリグリセライド、ラウリン酸ブチル、オレイン酸オクチルなどが挙げられる。
粘着剤組成物が脂肪酸エステルを含む場合、脂肪酸エステルの含有割合は、ベースポリマー100重量部に対して、好ましくは0.01重量部〜50重量部であり、より好ましくは0.05重量部〜45重量部であり、さらに好ましくは0.1重量部〜40重量部であり、さらに好ましくは0.3重量部〜35重量部であり、さらに好ましくは0.5重量部〜30重量部であり、特に好ましくは0.5重量部〜25重量部であり、最も好ましくは0.5重量部〜20重量部である。脂肪酸エステルの含有割合がベースポリマー100重量部に対して上記範囲内にあれば、本発明の表面保護フィルムは、被着体からより容易に剥がれにくくなり得、経時における重剥離化がより抑制され得、被着体に貼り付けることによる該被着体表面の汚染性が低いという効果をより発現し得る。
<A−2−6.他の成分>
粘着剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の成分を含有し得る。このような他の成分としては、例えば、他の樹脂成分、粘着付与剤、無機充填剤、有機充填剤、金属粉、顔料、箔状物、軟化剤、老化防止剤、導電剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、表面潤滑剤、レベリング剤、腐食防止剤、耐熱安定剤、重合禁止剤、滑剤、溶剤、触媒などが挙げられる。
粘着剤組成物は、フルオロ有機アニオンを含むイオン性液体を含んでいてもよい。粘着剤組成物がフルオロ有機アニオンを含むイオン性液体を含むことにより、帯電防止性に非常に優れた粘着剤組成物を提供することができる。このようなイオン性液体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
本発明において、イオン性液体とは、25℃で液状を呈する溶融塩(イオン性化合物)を意味する。
イオン性液体としては、フルオロ有機アニオンを含むイオン性液体であれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なイオン性液体を採用し得る。このようなイオン性液体としては、好ましくは、フルオロ有機アニオンとオニウムカチオンから構成されるイオン性液体である。イオン性液体として、フルオロ有機アニオンとオニウムカチオンから構成されるイオン性液体を採用することにより、帯電防止性に極めて優れた粘着剤組成物を提供することができる。
イオン性液体を構成し得るオニウムカチオンとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なオニウムカチオンを採用し得る。このようなオニウムカチオンとしては、好ましくは、窒素含有オニウムカチオン、硫黄含有オニウムカチオン、リン含有オニウムカチオンから選ばれる少なくとも1種である。これらのオニウムカチオンを選択することにより、帯電防止性に極めて優れた粘着剤組成物を提供することができる。
イオン性液体を構成し得るオニウムカチオンとしては、好ましくは、一般式(1)〜(5)で表される構造を有するカチオンから選ばれる少なくとも1種である。
一般式(1)において、Raは、炭素数4から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいても良く、RbおよびRcは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいても良い。ただし、窒素原子が2重結合を含む場合、Rcはない。
一般式(2)において、Rdは、炭素数2から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいても良く、Re、Rf、およびRgは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいても良い。
一般式(3)において、Rhは、炭素数2から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいても良く、Ri、Rj、およびRkは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいても良い。
一般式(4)において、Zは、窒素原子、硫黄原子、またはリン原子を表し、Rl、Rm、Rn、およびRoは、同一または異なって、炭素数1から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいても良い。ただしZが硫黄原子の場合、Roはない。
一般式(5)において、Xは、Li原子、Na原子、またはK原子を表す。
一般式(1)で表されるカチオンとしては、例えば、ピリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリン骨格を有するカチオン、ピロール骨格を有するカチオンなどが挙げられる。
一般式(1)で表されるカチオンの具体例としては、例えば、1−エチルピリジニウムカチオン、1−ブチルピリジニウムカチオン、1−へキシルピリジニウムカチオン、1−エチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−へキシル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−オクチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3,4−ジメチルピリジニウムカチオン、1,1−ジメチルピロリジニウムカチオン等のピリジニウムカチオン;1−エチル−1−メチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−へキシルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ヘプチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−へキシルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−へプチルピロリジニウムカチオン、1,1−ジプロピルピロリジニウムカチオン、1−プロピル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1,1−ジブチルピロリジニウムカチオン等のピロリジニウムカチオン;1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−エチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ヘキシルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−へプチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ヘキシルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−へプチルピペリジニウムカチオン、1−プロピル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1,1−ジメチルピペリジニウムカチオン、1,1−ジプロピルピペリジニウムカチオン、1,1−ジブチルピペリジニウムカチオン等のピペリジニウムカチオン;2−メチル−1−ピロリンカチオン;1−エチル−2−フェニルインドールカチオン;1,2−ジメチルインドールカチオン;1−エチルカルバゾールカチオン;などが挙げられる。
これらの中でも、本発明の効果がより一層発現し得る点で、好ましくは、1−エチルピリジニウムカチオン、1−ブチルピリジニウムカチオン、1−へキシルピリジニウムカチオン、1−エチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−へキシル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−オクチル−4−メチルピリジニウムカチオン等のピリジニウムカチオン;1−エチル−1−メチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−へキシルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ヘプチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−へキシルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−へプチルピロリジニウムカチオン等のピロリジニウムカチオン;1−メチル−1−エチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ヘキシルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−へプチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ヘキシルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−へプチルピペリジニウムカチオン、1−プロピル−1−ブチルピペリジニウムカチオン等のピペリジニウムカチオン;などが挙げられ、より好ましくは、1−へキシルピリジニウムカチオン、1−エチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−オクチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムカチオンである。
一般式(2)で表されるカチオンとしては、例えば、イミダゾリウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウムカチオン、ジヒドロピリミジニウムカチオンなどが挙げられる。
一般式(2)で表されるカチオンの具体例としては、例えば、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−へキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン等のイミダゾリウムカチオン;1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン等のテトラヒドロピリミジニウムカチオン;1,3−ジメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,3−ジメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオンなどのジヒドロピリミジニウムカチオン;などが挙げられる。
これらの中でも、本発明の効果がより一層発現し得る点で、好ましくは、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン等のイミダゾリウムカチオンであり、より好ましくは、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムカチオンである。
一般式(3)で表されるカチオンとしては、例えば、ピラゾリウムカチオン、ピラゾリニウムカチオンなどが挙げられる。
一般式(3)で表されるカチオンの具体例としては、例えば、1−メチルピラゾリウムカチオン、3−メチルピラゾリウムカチオン、1−エチル−2−メチルピラゾリニウムカチオン、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン等のピラゾリウムカチオン;1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムカチオン、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムカチオン、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムカチオン等のピラゾリニウムカチオン;などが挙げられる。
一般式(4)で表されるカチオンとしては、例えば、テトラアルキルアンモニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオン、テトラアルキルホスホニウムカチオンや、上記アルキル基の一部がアルケニル基やアルコキシル基、さらにはエポキシ基に置換されたものなどが挙げられる。
一般式(4)で表されるカチオンの具体例としては、例えば、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、テトラペンチルアンモニウムカチオン、テトラヘキシルアンモニウムカチオン、テトラヘプチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、トリメチルプロピルアンモニウムカチオン、トリメチルデシルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムカチオン、グリシジルトリメチルアンモニウムカチオン、トリメチルスルホニウムカチオン、トリエチルスルホニウムカチオン、トリブチルスルホニウムカチオン、トリヘキシルスルホニウムカチオン、ジエチルメチルスルホニウムカチオン、ジブチルエチルスルホニウムカチオン、ジメチルデシルスルホニウムカチオン、テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、テトラヘキシルホスホニウムカチオン、テトラオクチルホスホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン、トリブチルエチルホスホニウムカチオン、トリメチルデシルホスホニウムカチオン、ジアリルジメチルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。
これらの中でも、本発明の効果がより一層発現し得る点で、好ましくは、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、トリメチルデシルアンモニウムカチオン、ジエチルメチルスルホニウムカチオン、ジブチルエチルスルホニウムカチオン、ジメチルデシルスルホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン、トリブチルエチルホスホニウムカチオン、トリメチルデシルホスホニウムカチオンなどの非対称のテトラアルキルアンモニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオン、テトラアルキルホスホニウムカチオンや、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムカチオン、グリシジルトリメチルアンモニウムカチオン、ジアリルジメチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−プロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ブチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ノニルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N,N−ジプロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ブチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−ブチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−ペンチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N,N−ジヘキシルアンモニウムカチオン、トリメチルヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−プロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、トリエチルプロピルアンモニウムカチオン、トリエチルペンチルアンモニウムカチオン、トリエチルヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−エチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N,N−ジヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、トリオクチルメチルアンモニウムカチオン、N−メチル−N−エチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオンなどが挙げられ、より好ましくは、トリメチルプロピルアンモニウムカチオンである。
イオン性液体を構成し得るフルオロ有機アニオンとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なフルオロ有機アニオンを採用し得る。このようなフルオロ有機アニオンは、完全にフッ素化(パーフルオロ化)されていても良いし、部分的にフッ素化されていても良い。
このようなフルオロ有機アニオンとしては、例えば、フッ素化されたアリールスルホネート、パーフルオロアルカンスルホネート、ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミド、シアノパーフルオロアルカンスルホニルアミド、ビス(シアノ)パーフルオロアルカンスルホニルメチド、シアノ−ビス−(パーフルオロアルカンスルホニル)メチド、トリス(パーフルオロアルカンスルホニル)メチド、トリフルオロアセテート、パーフルオロアルキレート、トリス(パーフルオロアルカンスルホニル)メチド、(パーフルオロアルカンスルホニル)トリフルオロアセトアミドなどが挙げられる。
これらのフルオロ有機アニオンの中でも、より好ましくは、パーフルオロアルキルスルホネート、ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドであり、より具体的には、例えば、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドである。
イオン性液体の具体例としては、上記カチオン成分と上記アニオン成分の組み合わせから適宜選択して用いられ得る。このようなイオン性液体の具体例としては、例えば、1−ヘキシルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−エチル−3−メチルピリジニウムペンタフルオロエタンスルホネート、1−エチル−3−メチルピリジニウムヘプタフルオロプロパンスルホネート、1−エチル−3−メチルピリジニウムノナフルオロブタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−オクチル−4−メチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1,1−ジメチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−エチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−メチル−1 −ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へキシルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へプチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へキシルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピル−1−ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ペンチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジメチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−エチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−メチル−1−ブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へキシルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へプチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へキシルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピル−1−ブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジメチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド,1−メチル−1−エチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へキシルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へプチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へキシルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−プロピル−1−ブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−プロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−ペンチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジメチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−エチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ブチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へキシルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へプチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へキシルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド,1−プロピル−1−ブチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロプロパンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムノナフルオロブタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムパーフルオロブタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、トリメチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ノニルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N,N−ジプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ペンチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N,N−ジヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N,N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチ
ルペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−エチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N,N−ジヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジブチル−N−メチル−N−へキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリオクチルメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−メチル−N−エチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド,1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、テトラヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジアリルジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、グリシジルトリメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、グリシジルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、グリシジルトリメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルビス(ペンタフルオロエタンタンスルホニル)イミド、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドなどが挙げられる。
これらのイオン性液体の中でも、より好ましくは、1−ヘキシルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−エチル−3−メチルピリジニウムペンタフルオロエタンスルホネート、1−エチル−3−メチルピリジニウムヘプタフルオロプロパンスルホネート、1−エチル−3−メチルピリジニウムノナフルオロブタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−オクチル−4−メチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロプロパンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、トリメチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドである。
イオン性液体は、市販のものを使用してもよいが、下記のようにして合成することも可能である。イオン性液体の合成方法としては、目的とするイオン性液体が得られれば特に限定されないが、一般的には、文献「イオン性液体−開発の最前線と未来−」((株)シーエムシー出版発行)に記載されているような、ハロゲン化物法、水酸化物法、酸エステル法、錯形成法、および中和法などが用いられる。
下記にハロゲン化物法、水酸化物法、酸エステル法、錯形成法、および中和法について、窒素含有オニウム塩を例にその合成方法について示すが、その他の硫黄含有オニウム塩、リン含有オニウム塩など、その他のイオン性液体についても同様の手法により得ることができる。
ハロゲン化物法は、反応式(1)〜(3)に示すような反応によって行われる方法である。まず3級アミンとハロゲン化アルキルと反応させてハロゲン化物を得る(反応式(1)、ハロゲンとしては塩素、臭素、ヨウ素が用いられる)。
得られたハロゲン化物を目的とするイオン性液体のアニオン構造(A−)を有する酸(HA)あるいは塩(MA、Mはアンモニウム、リチウム、ナトリウム、カリウムなど目的とするアニオンと塩を形成するカチオン)と反応させて目的とするイオン性液体(R4NA)が得られる。
水酸化物法は、反応式(4)〜(8)に示すような反応によって行われる方法である。まずハロゲン化物(R4NX)をイオン交換膜法電解(反応式(4))、OH型イオン交換樹脂法(反応式(5))または酸化銀(Ag2O)との反応(反応式(6))で水酸化物(R4NOH)を得る(ハロゲンとしては塩素、臭素、ヨウ素が用いられる)。
得られた水酸化物について上記ハロゲン化法と同様に反応式(7)〜(8)の反応を用いることにより、目的とするイオン性液体(R4NA)が得られる。
酸エステル法は、反応式(9)〜(11)に示すような反応によって行われる方法である。まず3級アミン(R3N)を酸エステルと反応させて酸エステル物を得る(反応式(9)、酸エステルとしては、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、炭酸などの無機酸のエステルやメタンスルホン酸、メチルホスホン酸、ギ酸などの有機酸のエステルなどが用いられる)。
得られた酸エステル物について上記ハロゲン化法と同様に反応式(10)〜(11)の反応を用いることにより、目的とするイオン性液体(R4NA)が得られる。また、酸エステルとしてメチルトリフルオロメタンスルホネート、メチルトリフルオロアセテートなどを用いることにより、直接イオン性液体を得ることもできる。
中和法は、反応式(12)に示すような反応によって行われる方法である。3級アミンとCF3COOH,CF3SO3H,(CF3SO2)2NH、(CF3SO2)3CH、(C2F5SO2)2NHなどの有機酸とを反応させることにより得ることができる。
上記の反応式(1)〜(12)に記載のRは、水素または炭素数1から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでいても良い。
イオン性液体の配合量としては、使用するポリマーとイオン性液体の相溶性により変わるため一概に定義することができないが、一般的には、ベースポリマー100重量部に対して、好ましくは0.001重量部〜50重量部であり、より好ましくは0.01重量部〜40重量部であり、さらに好ましくは0.01重量部〜30重量部であり、特に好ましくは0.01重量部〜20重量部であり、最も好ましくは0.01重量部〜10重量部である。イオン性液体の配合量を上記範囲内に調整することにより、帯電防止性に非常に優れた粘着剤組成物を提供することができる。イオン性液体の上記配合量が0.01重量部未満であると十分な帯電防止特性が得られないおそれがある。イオン性液体の上記配合量が50重量部を超えると被着体への汚染が増加する傾向がある。
粘着剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、変性シリコーンオイルを含んでいても良い。粘着剤組成物が変性シリコーンオイルを含むことにより、帯電防止特性の効果を発現し得る。特に、イオン性液体と併用することにより、帯電防止特性の効果をより一層効果的に発現し得る。
粘着剤組成物が変性シリコーンオイルを含む場合、その含有割合は、ベースポリマー100重量部に対して、好ましくは0.001重量部〜50重量部であり、より好ましくは0.005重量部〜40重量部であり、さらに好ましくは0.007重量部〜30重量部であり、特に好ましくは0.008重量部〜20重量部であり、最も好ましくは0.01重量部〜10重量部である。変性シリコーンオイルの含有割合を上記範囲内に調整することにより、帯電防止特性の効果をより一層効果的に発現し得る。
変性シリコーンオイルとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な変性シリコーンオイルを採用し得る。このような変性シリコーンオイルとしては、例えば、信越化学工業(株)から入手可能な変性シリコーンオイルが挙げられる。
変性シリコーンオイルとしては、好ましくは、ポリエーテル変性シリコーンオイルである。ポリエーテル変性シリコーンオイルを採用することにより、帯電防止特性の効果をより一層効果的に発現し得る。
ポリエーテル変性シリコーンオイルとしては、側鎖型のポリエーテル変性シリコーンオイル、両末端型のポリエーテル変性シリコーンオイルなどが挙げられる。これらの中でも、帯電防止特性の効果を十分に一層効果的に発現し得る点で、両末端型のポリエーテル変性シリコーンオイルが好ましい。
≪≪B.用途≫≫
本発明の表面保護フィルムは、被着体から容易に剥がれにくくなり得、経時における重剥離化が抑制され得、被着体に貼り付けることによる該被着体表面の汚染性が低いという効果を発現し得る。このため、光学部材や電子部材の表面保護に好適に用いることができる。本発明の光学部材は、本発明の表面保護フィルムが貼着されたものである。本発明の電子部材は、本発明の表面保護フィルムが貼着されたものである。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。なお、実施例等における、試験および評価方法は以下のとおりである。なお、「部」と記載されている場合は、特記事項がない限り「重量部」を意味し、「%」と記載されている場合は、特記事項がない限り「重量%」を意味する。
<ガラス板からの剥離力A(温度23℃で30分間放置後)>
セパレーターを剥がした表面保護フィルム(幅25mm×長さ140mm)の粘着剤層側をガラス板(ソーダライムガラス、松浪硝子工業株式会社製)に2kgハンドローラー1往復にて貼り合わせ、23℃の環境温度下で30分間放置した。
上記のようにして得られた評価用試料を、引張試験機にて測定した。引張試験機としては、島津製作所社製の商品名「オートグラフAG−Xplus HS 6000mm/min高速モデル(AG−50NX plus)」を用いた。引張試験機に評価用試料をセットし、引張試験を開始した。具体的には、上記ガラス板から表面保護フィルムを剥離した時の荷重を測定し、その際の平均荷重を表面保護フィルムのガラス板からの剥離力Aとした。引張試験の条件は、試験環境温度:23℃、剥離角度:180度、剥離速度(引張速度):300mm/分とした。
<ガラス板からの剥離力B(温度100℃で2日間放置後)>
セパレーターを剥がした表面保護フィルム(幅25mm×長さ140mm)の粘着剤層側をガラス板(ソーダライムガラス、松浪硝子工業株式会社製)に2kgハンドローラー1往復にて貼り合わせ、100℃の温度環境下で2日間放置した。
上記のようにして得られた評価用試料を、引張試験機にて測定した。引張試験機としては、島津製作所社製の商品名「オートグラフAG−Xplus HS 6000mm/min高速モデル(AG−50NX plus)」を用いた。引張試験機に評価用試料をセットし、引張試験を開始した。具体的には、上記ガラス板から表面保護フィルムを剥離した時の荷重を測定し、その際の平均荷重を表面保護フィルムのガラス板からの剥離力Bとした。引張試験の条件は、試験環境温度:23℃、剥離角度:180度、剥離速度(引張速度):300mm/分とした。
<ガラス板からの剥離力C(温度23℃で7日間放置後)>
セパレーターを剥がした表面保護フィルム(幅25mm×長さ140mm)の粘着剤層側をガラス板(ソーダライムガラス、松浪硝子工業株式会社製)に2kgハンドローラー1往復にて貼り合わせ、23℃の温度環境下で7日間放置した。
上記のようにして得られた評価用試料を、引張試験機にて測定した。引張試験機としては、島津製作所社製の商品名「オートグラフAG−Xplus HS 6000mm/min高速モデル(AG−50NX plus)」を用いた。引張試験機に評価用試料をセットし、引張試験を開始した。具体的には、上記ガラス板から表面保護フィルムを剥離した時の荷重を測定し、その際の平均荷重を表面保護フィルムのガラス板からの剥離力Cとした。引張試験の条件は、試験環境温度:23℃、剥離角度:180度、剥離速度(引張速度):300mm/分とした。
<23℃におけるガラス板に対する残留接着率>
ガラス板(松浪硝子製、1.35mm×10cm×10cm)に、セパレーターを剥がした表面保護フィルムの粘着剤層側を2kgハンドローラー1往復にて全面に貼り合せ、温度23℃、湿度55%RHの雰囲気下で、24時間保管した後、0.3m/minの速度で表面保護フィルムを剥離し、処理済みガラス板を準備した。
続いて、上記処理済みガラス板の表面保護フィルムが剥離された面に、長さ150mmに切断した19mm幅のNo.31Bテープ(日東電工(株)製、基材厚:25μm)を、温度23℃、湿度55%RHの雰囲気下で、2kgハンドローラー1往復により貼り付けた。温度23℃、湿度55%RHの雰囲気下で、30分間養生した後、引張試験機(島津製作所社製の商品名「オートグラフAG−Xplus HS 6000mm/min高速モデル(AG−50NX plus)」)を用い、剥離角度:180度、剥離速度:300mm/minで剥離し、粘着力aを測定した。
別途、上記のような表面保護フィルムの貼り合わせと剥離の処理を行っていないガラス板(松浪硝子製、1.35mm×10cm×10cm)に対しても、上記と同様に、19mm幅のNo.31Bテープの粘着力bを測定した。
下記の式によって残留接着率を算出した。
残留接着率(%)=(粘着力a/粘着力b)×100
この残留接着率は、表面保護フィルムの粘着剤層の成分が被着体に対してどの程度被着体の表面に転写して汚染しているかの指標となる。残留接着率の値が高いほど、被着体の表面を粘着剤層の成分で汚染しにくい表面保護フィルムであり、残留接着率の値が低いほど、被着体の表面を粘着剤層の成分で汚染しやすい表面保護フィルムである。
〔製造例1〕
1L丸底セパラブルフラスコ、セパラブルカバー、分液ロート、温度計、窒素導入管、リービッヒ冷却器、バキュームシール、攪拌棒、攪拌羽が装備された重合用実験装置に、ポリプロピレングリコール(製品名「サンニックスPP−2000」、三洋化成社製):150g、ポリエステルポリオール(製品名「クラレポリオールP−2010」、クラレ社製):150g、溶剤としてトルエン(東ソー社製):110g、触媒としてジラウリン酸ジブチル錫(IV)(和光純薬工業社製):0.041gを投入し、撹拌しながら、常温で窒素置換を1時間実施した。その後、窒素流入下、攪拌しながら、ヘキサメチレンジイソシアネート(製品名「HDI」、東ソー社製):33.5gを投入し、ウォーターバスにて実験装置内溶液温度が90±2℃となるように制御しつつ、4時間保持した後、ポリプロピレングリコール(製品名「GP1000」、三洋化成社製):74.9gを投入し、ウォーターバスにて実験装置内溶液温度が90±2℃となるように制御しつつ、2時間保持した後、ヘキサメチレンジイソシアネート(製品名「HDI」、東ソー社製):25.4gを投入し、ウォーターバスにて実験装置内溶液温度が90±2℃となるように制御しつつ、2時間保持し、ウレタンプレポリマー溶液Aを得た。なお、重合途中に、重合中の温度制御および粘度上昇による撹拌性低下防止のために、適宜トルエンを滴下した。滴下したトルエンの総量は320gであった。ウレタンプレポリマー溶液Aの固形分濃度は50重量%であった。
〔実施例1〕
表1に示すように、製造例1で得られたウレタンプレポリマー溶液Aをポリマー固形分換算で100重量部と、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートHL」、日本ポリウレタン株式会社製)を固形分換算で5.2重量部と、耐熱安定剤(商品名「イルガノックス1010」、BASF製)を固形分換算で0.5重量部と、フッ素含有ポリマー(商品名「F−571」、DIC株式会社製)を固形分換算で0.01重量部と、脂肪酸エステル(商品名「サラコス816」、日清オイリオ株式会社製)を固形分換算で1重量部とを配合し、全体の固形分が45重量%となるように酢酸エチルで希釈し、粘着剤組成物(1)を得た。
得られた粘着剤組成物(1)を、ポリエステル樹脂からなる基材(商品名「T100−75S」、厚み75μm、三菱樹脂株式会社製)に乾燥後の厚みが75μmとなるよう塗布し、乾燥温度130℃、乾燥時間3分の条件でキュアーして乾燥した。このようにして、基材上に、粘着剤組成物(1)から形成される粘着剤層(1)を作製した。
次いで、得られた粘着剤層(1)の表面に、一方の面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエステル樹脂からなるセパレーター(商品名「MRF25」、厚み25μm、三菱ケミカル社製)のシリコーン処理面を貼り合わせて、表面保護フィルム(1)を得た。
得られた表面保護フィルム(1)は、常温で7日間エージングを行い、評価を行った。剥離シートは評価の直前に剥離した。結果を表2に示した。
〔実施例2〕
表1に示すように、脂肪酸エステル(商品名「サラコス816」、日清オイリオ株式会社製)の配合量を固形分換算で5重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、粘着剤組成物(2)から形成される粘着剤層(2)を作製し、表面保護フィルム(2)を得た。結果を表2に示した。
〔実施例3〕
表1に示すように、脂肪酸エステル(商品名「サラコス816」、日清オイリオ株式会社製)の配合量を固形分換算で15重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、粘着剤組成物(3)から形成される粘着剤層(3)を作製し、表面保護フィルム(3)を得た。結果を表2に示した。
〔実施例4〕
表1に示すように、フッ素含有ポリマー(商品名「F−571」、DIC株式会社製)の配合量を固形分換算で0.05重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、粘着剤組成物(4)から形成される粘着剤層(4)を作製し、表面保護フィルム(4)を得た。結果を表2に示した。
〔実施例5〕
表1に示すように、フッ素含有ポリマー(商品名「F−571」、DIC株式会社製)の配合量を固形分換算で0.05重量部に、肪酸酸エステル(商品名「サラコス816」、日清オイリオ株式会社製)の配合量を固形分換算で5重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、粘着剤組成物(5)から形成される粘着剤層(5)を作製し、表面保護フィルム(5)を得た。結果を表2に示した。
〔実施例6〕
表1に示すように、フッ素含有ポリマー(商品名「F−571」、DIC株式会社製)の配合量を固形分換算で0.05重量部に、肪酸酸エステル(商品名「サラコス816」、日清オイリオ株式会社製)の配合量を固形分換算で15重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、粘着剤組成物(6)から形成される粘着剤層(6)を作製し、表面保護フィルム(6)を得た。結果を表2に示した。
〔実施例7〕
表1に示すように、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートHL」、日本ポリウレタン株式会社製)の配合量を固形分換算で3.9重量部に、肪酸酸エステル(商品名「サラコス816」、日清オイリオ株式会社製)の配合量を固形分換算で5重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、粘着剤組成物(7)から形成される粘着剤層(7)を作製し、表面保護フィルム(7)を得た。結果を表2に示した。
〔実施例8〕
表1に示すように、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートHL」、日本ポリウレタン株式会社製)の配合量を固形分換算で3.9重量部に、フッ素含有ポリマー(商品名「F−571」、DIC株式会社製)の配合量を固形分換算で0.05重量部に、肪酸酸エステル(商品名「サラコス816」、日清オイリオ株式会社製)の配合量を固形分換算で5重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、粘着剤組成物(8)から形成される粘着剤層(8)を作製し、表面保護フィルム(8)を得た。結果を表2に示した。
〔実施例9〕
表1に示すように、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートHL」、日本ポリウレタン株式会社製)の配合量を固形分換算で2.6重量部に、フッ素含有ポリマー(商品名「F−571」、DIC株式会社製)の配合量を固形分換算で0.10重量部に、肪酸酸エステル(商品名「サラコス816」、日清オイリオ株式会社製)の配合量を固形分換算で5重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、粘着剤組成物(9)から形成される粘着剤層(9)を作製し、表面保護フィルム(9)を得た。結果を表2に示した。
〔実施例10〕
表1に示すように、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートHL」、日本ポリウレタン株式会社製)の配合量を固形分換算で2.6重量部に、フッ素含有ポリマー(商品名「F−571」、DIC株式会社製)の配合量を固形分換算で0.20重量部に、肪酸酸エステル(商品名「サラコス816」、日清オイリオ株式会社製)の配合量を固形分換算で5重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、粘着剤組成物(10)から形成される粘着剤層(10)を作製し、表面保護フィルム(10)を得た。結果を表2に示した。
〔実施例11〕
表1に示すように、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートHL」、日本ポリウレタン株式会社製)の配合量を固形分換算で9.5重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、粘着剤組成物(11)から形成される粘着剤層(11)を作製し、表面保護フィルム(11)を得た。結果を表2に示した。
〔実施例12〕
表1に示すように、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートHL」、日本ポリウレタン株式会社製)の配合量を固形分換算で12.7重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、粘着剤組成物(12)から形成される粘着剤層(12)を作製し、表面保護フィルム(12)を得た。結果を表2に示した。
〔実施例13〕
表1に示すように、フッ素含有ポリマー(商品名「F−571」、DIC株式会社製)を用いる代わりに、水酸基含有シリコーン(商品名「X−22−4015」、信越化学工業株式会社製)を固形分換算で0.05重量部を用い、肪酸酸エステル(商品名「サラコス816」、日清オイリオ株式会社製)の配合量を固形分換算で5重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、粘着剤組成物(13)から形成される粘着剤層(13)を作製し、表面保護フィルム(13)を得た。結果を表2に示した。
〔実施例14〕
表1に示すように、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートHL」、日本ポリウレタン株式会社製)を用いる代わりに、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートHX」、日本ポリウレタン株式会社製)を固形分換算で3.2重量部を用い、フッ素含有ポリマー(商品名「F−571」、DIC株式会社製)の配合量を固形分換算で0.05重量部に、肪酸酸エステル(商品名「サラコス816」、日清オイリオ株式会社製)の配合量を固形分換算で5重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、粘着剤組成物(14)から形成される粘着剤層(14)を作製し、表面保護フィルム(14)を得た。結果を表2に示した。
〔実施例15〕
表1に示すように、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートHL」、日本ポリウレタン株式会社製)を用いる代わりに、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートHX」、日本ポリウレタン株式会社製)を固形分換算で5.6重量部を用い、肪酸酸エステル(商品名「サラコス816」、日清オイリオ株式会社製)の配合量を固形分換算で5重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、粘着剤組成物(15)から形成される粘着剤層(15)を作製し、表面保護フィルム(15)を得た。結果を表2に示した。
〔比較例1〕
表1に示すように、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートHL」、日本ポリウレタン株式会社製)の配合量を固形分換算で3.9重量部に変更し、フッ素含有ポリマー(商品名「F−571」、DIC株式会社製)と肪酸酸エステル(商品名「サラコス816」、日清オイリオ株式会社製)を用いない以外は、実施例1と同様に行い、粘着剤組成物(C1)から形成される粘着剤層(C1)を作製し、表面保護フィルム(C1)を得た。結果を表2に示した。
〔比較例2〕
表1に示すように、フッ素含有ポリマー(商品名「F−571」、DIC株式会社製)と肪酸酸エステル(商品名「サラコス816」、日清オイリオ株式会社製)を用いない以外は、実施例1と同様に行い、粘着剤組成物(C2)から形成される粘着剤層を作製し、表面保護フィルム(C2)を得た。結果を表2に示した。
〔比較例3〕
表1に示すように、フッ素含有ポリマー(商品名「F−571」、DIC株式会社製)の配合量を固形分換算で0.05重量部に変更し、肪酸酸エステル(商品名「サラコス816」、日清オイリオ株式会社製)を用いない以外は、実施例1と同様に行い、粘着剤組成物(C3)から形成される粘着剤層(C3)を作製し、表面保護フィルム(C3)を得た。結果を表2に示した。
〔比較例4〕
表1に示すように、肪酸酸エステル(商品名「サラコス816」、日清オイリオ株式会社製)を固形分換算で5重量部に変更し、フッ素含有ポリマー(商品名「F−571」、DIC株式会社製)を用いない以外は、実施例1と同様に行い、粘着剤組成物(C4)からなる粘着剤層を作製し、表面保護フィルム(C4)を得た。結果を表2に示した。
〔比較例5〕
表1に示すように、フッ素含有ポリマー(商品名「F−571」、DIC株式会社製)を用いる代わりに、シリコーン剥離剤(商品名「KS−776A」、信越化学工業株式会社製)を固形分換算で1.0重量部を用い、肪酸酸エステル(商品名「サラコス816」、日清オイリオ株式会社製)を用いない以外は、実施例1と同様に行い、粘着剤組成物(C5)から形成される粘着剤層(C5)を作製し、表面保護フィルム(C5)を得た。結果を表2に示した。
〔比較例6〕
表1に示すように、製造例1で得られたウレタンプレポリマー溶液Aを用いる代わりに、市販のウレタンプレポリマー溶液(商品名「サイアバインSH−109」、トーヨーケム株式会社製)を固形分換算で100重量部を用い、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートHL」、日本ポリウレタン株式会社製)を用いる代わりに、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートHX」、日本ポリウレタン株式会社製)を固形分換算で3.6重量部を用い、フッ素含有ポリマー(商品名「F−571」、DIC株式会社製)の配合量を固形分換算で1重量部に変更し、肪酸酸エステル(商品名「サラコス816」、日清オイリオ株式会社製)を用いない以外は、実施例1と同様に行い、粘着剤組成物(C6)から形成される粘着剤層(C6)を作製し、表面保護フィルム(C6)を得た。結果を表2に示した。
〔実施例16〜30〕
実施例1〜15で得られた表面保護フィルム(1)〜(15)のそれぞれについて、セパレーターを剥離し、粘着剤層側を、光学部材である偏光板(日東電工株式会社製、商品名「TEG1465DUHC」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された光学部材を得た。
〔実施例31〜45〕
実施例1〜15で得られた表面保護フィルム(1)〜(15)のそれぞれについて、セパレーターを剥離し、粘着剤層側を、電子部材である導電性フィルム(日東電工株式会社製、商品名「エレクリスタV270L−TFMP」)に貼着し、表面保護フィルムが貼着された電子部材を得た。