JP2019189552A - 医薬組成物およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ルリコナゾールを高い封入率で包含し、優れた病変部位への標的性と治療効果を示す深在性真菌症用の医薬組成物を提供する。【解決手段】ルリコナゾールまたはその薬学的に許容される塩と、ポリ乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)、および、末端メトキシ化ポリエチレングリコール・ポリ乳酸ブロック共重合体(mPEG-b-PLA)を組み合わせて配合した医薬組成物。本発明の医薬組成物は従来の技術では成しえなかったルリコナゾールの高い封入率を示し、経肺投与に適した物理化学的性質を有し、優れた病変部位への標的性と治療効果を示す。【選択図】なし

Description

本発明は、深在性真菌症の治療に適した経肺投与用の粒状医薬組成物およびその製造方法に関する。
真菌症には、白癬、表在性カンジダ症、癜風などの表在性真菌症の他に、放線菌症、クリプトコッカス症、コクシジオイデス症、ペニシリウム症、深在性白癬、深在性アスペルギルス症、深在性カンジダ症などの深在性真菌症が知られている。これらの真菌症に対する治療薬として、様々な抗真菌剤が開発され実用化されている。既存の抗真菌剤の中でも、ルリコナゾールは、幅広い抗真菌スペクトルと強い抗真菌活性を示すことから、抗真菌医薬組成物の有効成分として使用されているが、実際の使用分野は表在性真菌症に限られている。ルリコナゾールを深在性真菌症に適用する試みとして、肺炎などの肺真菌症への適用が知られている(例えば、特許文献1および2を参照)。しかし、水に難溶なルリコナゾールを高い封入率で包含し、経肺投与による深在性真菌症の治療に適した医薬組成物は未だ知られていない。
また、近年では各種有効成分の封入率や病変部位への標的性を向上させるために、生体適合性を有するポリマーを用いたドラッグデリバリーシステム(Drug Delivery System/薬物送達システム、以下、DDSという)が注目されており、例えば、疎水性ポリマーおよび両親媒性ブロックコポリマーからなる生体適合性のある粒子組成物を用いたDDS用の組成物が知られている(例えば、特許文献3を参照)。しかし、水に難溶なルリコナゾールを含有したポリマーを用いた医薬組成物については未だ知られていない。
一方、経肺投与法は薬物を吸入することで肺へ薬物を送達し、循環血に吸収させて全身に有効成分を移送する手法である。表面積が大きく毛細血管が豊富に存在する肺胞を利用し、また肺胞腔内と毛細血管の距離が近いため薬物の吸収効率が高い、痛みを伴わない、などの利点から新たな投薬方法としてその発展が期待されている。経肺投与に適した薬物キャリアは、肺胞に到達して容易に排出されない適切な粒子径(1.0〜5.0μm)を有し、適切な流動性を示す粒子密度を有し、粒子表面の分子修飾が容易である、などの条件を満たす必要がある。しかし、これらの条件を全て満たす粒子の調製は困難であり、粒子の流動性や保存安定性などの課題があった(例えば、非特許文献1を参照)。
国際公開第2014/115487号パンフレット 国際公開第2015/076352号パンフレット 特開2010−065067号公報
「微粒子吸入による肺局所および全身性疾患の薬物治療」,岡本浩一, Drug delivery System, 20−4,443〜451頁, 2005年、[平成30年03月30日検索]、インターネット<URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/dds1986/20/4/20_4_443/_pdf>
ルリコナゾールは、幅広い抗真菌スペクトルと強い抗真菌活性を示すことから、表在性真菌症のみならず、深在性真菌症への適用が期待される。しかしながら、その難水溶性ゆえ、ルリコナゾールを高い封入率で包含し、かつ経肺投与に適した良好な物性を示す深在性真菌症用の医薬組成物は、これまで知られていない。本発明の課題は、ルリコナゾールを高い封入率で包含し、経肺投与に適した良好な物性を示す深在性真菌症用の医薬組成物を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ルリコナゾールまたはその薬学的に許容される塩と、ポリ乳酸・グリコール酸共重合体(以下、PLGAと略すことがある)、および、末端メトキシ化ポリエチレングリコール・ポリ乳酸ブロック共重合体(以下、mPEG-b-PLAと略すことがある)を組み合わせて配合した医薬組成物が、従来の技術では成しえなかったルリコナゾールの高い封入率を示し、かつ、経肺投与に適した物理化学的性質を有することを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、
[1] ルリコナゾールまたはその薬学的に許容される塩、ポリ乳酸・グリコール酸共重合体および末端メトキシ化ポリエチレングリコール・ポリ乳酸ブロック共重合体からなる、経肺投与用の粒状医薬組成物、
[2] ポリ乳酸・グリコール酸共重合体の乳酸とグリコール酸のモル比が99:1 〜 55:45であり、かつ分子量が10,000〜20,000である、[1]に記載の粒状医薬組成物、
[3] ポリ乳酸・グリコール酸共重合体の乳酸とグリコール酸のモル比が75:25であり、かつ分子量が10,000、である、[1]に記載の粒状医薬組成物、
[4] 末端メトキシ化ポリエチレングリコール・ポリ乳酸ブロック共重合体の組成において、ポリエチレングリコールの重量平均分子量が2,000〜15,000であり、ポリ乳酸の重量平均分子量が2,000〜10,000である、[1]〜[3]いずれかに記載の粒状医薬組成物、
[5] 末端メトキシ化ポリエチレングリコール・ポリ乳酸ブロック共重合体を構成する、ポリエチレングリコールの重量平均分子量が11,700であり、ポリ乳酸の重量平均分子量が6,900である、[1]〜[4]いずれかに記載の粒状医薬組成物、
[6] ルリコナゾールまたはその薬学的に許容される塩の封入率が約0.1〜20%である、[1]〜[5]いずれかに記載の粒状医薬組成物、
[7] ポリ乳酸・グリコール酸共重合体、および末端メトキシ化ポリエチレングリコール・ポリ乳酸ブロック共重合体の質量比が9:1 〜 1:9である、[1]〜[6]いずれかに記載の粒状医薬組成物、
[8] ポリ乳酸・グリコール酸共重合体、および末端メトキシ化ポリエチレングリコール・ポリ乳酸ブロック共重合体の質量比が1:1 〜 1:9である、[1]〜[6]いずれかに記載の粒状医薬組成物、
[9] 粒子径が1.0〜5.0μmである、[1]〜[8]いずれかに記載の粒状医薬組成物、
[10] 経肺投与による対象疾病が深在性真菌症である、[1]〜[9]いずれかに記載の粒状医薬組成物、
[11] 深在性真菌症の原因菌が、アスペルギルス属真菌、カンジダ属真菌、クリプトコックス属真菌、フザリウム属真菌、スケドスポリウム属真菌、ニューモシスチス属真菌、ムコール属真菌、リゾプス属真菌、カニングハメラ属真菌、ヒストプラズマ属真菌、またはトリコスポロン属真菌である[1]〜[10]いずれかに記載の粒状医薬組成物、
[12] 吸入粉末剤である、[1]〜[11]いずれかに記載の粒状医薬組成物、
[13] ポリ乳酸・グリコール酸共重合体と、末端メトキシ化ポリエチレングリコール・ポリ乳酸ブロック共重合体を有機溶媒に溶解する工程、該溶液にルリコナゾールを溶解する工程、該溶液に水を添加・撹拌して乳化する工程、および乳化後に有機溶媒を除去して粒子を得る工程からなる、[1]に記載の粒状医薬組成物の製造方法、
[14] ルリコナゾール、ポリ乳酸・グリコール酸共重合体および末端メトキシ化ポリエチレングリコール・ポリ乳酸ブロック共重合体の有機溶媒溶液と水から、O/Wエマルジョンを調製する工程、前記O/Wエマルジョンから有機溶媒および水を除去する工程からなる、[1]に記載の粒状医薬組成物の製造方法、
[15] 有機溶媒が、トルエンとジクロロメタンの混合溶媒である、[13]または[14]に記載の粒状医薬組成物の製造方法、
[16] 乳化工程が30℃以下に保持して行なわれる、[13]〜[15]のいずれかに記載の粒状医薬組成物の製造方法、
[17] 有機溶媒および水の除去が、高速撹拌、加熱または凍結乾燥によるものである、[13]〜[16]のいずれかに記載の粒状医薬組成物の製造方法、
に関する。
本発明の医薬組成物によれば、従来は適用できなかった、ルリコナゾールによる深在性真菌症の治療が可能となった。
本発明の医薬組成物に使用されるルリコナゾール、およびその塩は、イミダゾール系抗真菌剤として公知の化合物であり、特開平09−100279公報に開示されている方法により、製造することができる。ルリコナゾールまたはその薬学的に許容される塩は、ヒトを含めて動物の真菌感染症の治療または予防的処置に有用である。例えば、カンジダ(Candida) 、白癬菌(Trichophyton)、小胞子菌(Microsporum) もしくは表皮菌(Epidermophyton)属の菌種に起因するヒトの局所性真菌感染症、またはカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)に起因する粘膜感染症(例えば、口腔および膣カンジダ症)の治療に有用である。
ルリコナゾールの薬学的に許容し得る塩としては、ルリコナゾールの抗真菌活性を阻害せず、毒性の低い塩であれば特に限定されず、文献(例えば、Bergeら、J. Pharm. Sci., 66, 1〜19(1977)を参照)などで知られた医薬用塩類が挙げられるが、好ましくは、塩化水素酸塩、臭化水素酸塩、沃化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、燐酸塩、燐酸水素塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩およびp-トルエンスルホン酸塩などの酸付加塩が挙げられる。
本発明の医薬組成物は粒子形成剤の一つとして、生体適合性を有する疎水性ポリマーであるポリ乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)が用いられる。PLGA(Poly(lactic−co−glycolic acid))とは、様々な割合の、乳酸またはラクチドと、グリコール酸またはグリコライドからなるコポリマー、すなわちポリ乳酸・グリコール酸共重合体(ポリラクチドグリコライド)を意味する。PLGAは生体内に存在する乳酸とグリコール酸がエステル結合によってランダム共重合したもので、疎水性で非晶質のポリ乳酸と、親水性で結晶性が高く有機溶媒に不溶であるポリグリコール酸の性質を相補した物性を持つ。両者の組成比や分子量を変えることでポリマー特性の差異をもたらし、ガラス転移点や生体内での加水分解速度を調整することが可能であり、目的とする製剤設計に応じた基材を選択することにより薬物の放出速度を任意に設定できる。このPLGAは任意のモノマーから常法に従って合成してもよいし、市販のものを使用してもよい。市販のPLGAとしては、例えば、「PLGA7525」(和光純薬)などが挙げられる。PLGAの高分子マトリクスはゼロ次速度で加水分解され、乳酸とグリコール酸の比率によりその分解速度も制御できる。乳酸およびグリコール酸の含有量が25重量%〜65重量%であるPLGAは非晶質であり、アセトンなどの有機溶媒に可溶であるから好ましい。本発明においては、とりわけ生体への刺激や毒性が低く、生体適合性に優れることが好ましい。なお、本明細書において使用される「生体適合性」とは、組成物中で用いられる成分、および/または副資材が、生体内において生体組織と接触した時、生体側はもちろん、材料側にも不都合な副反応を引き起こさずに目的とする機能を果たし、かつ、最終的に加水分解または酵素的分解にて無毒な成分へと崩壊または分解し、代謝・吸収・排泄される性質を示す。すなわち、生体との相互作用・干渉作用が極めて少なく、安全性が高いことを意味する。
本発明の医薬組成物に用いられるPLGAの分子量は、3,000〜350,000の範囲内であればよいが、10,000〜20,000が好ましく、さらに好ましくは10,000程度である。乳酸とグリコール酸との組成のモル比は99:1 〜 55:45が好ましく、さらに好ましくは75:25程度である。また、PLGAの分子量分布を評価する指標であるSchulzのパラメーター(重量平均分子量(Mw)と 数平均分子量(Mn)の比 Mw/Mn)は、5.0以下が好ましく、特に好ましくは3.6以下である。ここでいう分子量分布とは、ポリマーの物性評価の指標である。ポリマーは構造単位が同一で、重合度(分子量)の異なる分子の混合物であり、この分子量の広がりをいう。重量平均分子量をMw、 数平均分子量をMnとした場合、Mw/Mnの値が大きいほど分布が広く小さいほど分布が狭い、すなわち、1に近づくほど単一分子に近いことを示す。
本発明の医薬組成物では、もう一つの粒子形成剤として、末端メトキシ化ポリエチレングリコールブロックとポリ乳酸ブロックからなるブロック共重合体(mPEG−b−PLA) が用いられる。mPEG−b−PLA(Poly(ethylene glycol)−block−poly(lactic acid))とは、生体適合性を有する両親媒性ブロックコポリマーであり、親水性ポリマーブロックとして片方の末端がメトキシ化(CHO−)されたポリオキシエチレン、および、疎水性ポリマ−ブロックとして、ポリ(D,L−乳酸)、またはポリ(L−乳酸)を有するポリマーである。mPEG−b−PLAは公知の方法で製造することもできるが、市販品を購入することもできる。市販のmPEG−b−PLAとしては、例えば、「PEG(5,000)−b−PLA(10,000), Diblock Polymer」(Polysciences, Inc.)などが挙げられる。ここで、「PEG(5,000)−b−PLA(10,000)」の記載中、(5,000)、(10,000)の数字はそれぞれポリエチレングリコール(PEG)およびポリ乳酸(PLA)の分子量を表す。
親水性ブロックであるポリエチレングリコールの重量平均分子量は、2,000〜15,000が好ましく、特に好ましくは1,1700程度である。疎水性ブロックであるポリ乳酸の重量平均分子量は、300〜15,000が好ましく、さらに好ましくは2,000〜10,000であり、特に好ましくは6,900程度である。また、mPEG-b-PLAの分子量分布を評価する指標であるSchulzのパラメーター(重量平均分子量(Mw)と 数平均分子量(Mn)の比 Mw/Mn)は、1.5以下が好ましく、さらに好ましくは1.3以下であり、特に好ましくは1.05程度である。
本発明の医薬組成物は粒状であり、mPEG−b−PLAのうちの親水性ポリマーブロックであるPEGの部分が少なくとも表面に存在する薬剤を含んだ多孔質粒子である。すなわち、O/Wエマルジョンの攪拌によって良溶媒が蒸発することにより得られた粒子の内部は、ルリコナゾールとPLGAから構成され、粒子の外郭(シェル)は、主にmPEG−b−PLAから構成され、粒子の表面にmPEG−b−PLAの親水性ポリマーブロックであるPEGの部分が配置されている状態となる。その粒子径は0.5〜10.0μmが好ましく、さらに好ましくは、経肺投与に適したサイズである1.0〜5.0μmである。
本明細書における粒子径とは、モード(Mode)径を意味し、測定された粒子径のうち、出現比率が最も高い粒子径をいう。通常、粒子径は、ストークス径、光散乱相当径、拡散相当径、体積球相当径、表面積球相当径、面積円相当径、周長円相当径などの相当径における粒子径のことであり、好ましくは、表面積球相当径または光散乱相当径である。光散乱相当径は、より具体的には、レーザー回折散乱光法または動的光散乱法により測定される。また、光学顕微鏡、走査トンネル顕微鏡(STM)、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)などの電子顕微鏡による観察を併用して粒子径、および/または粒子形状を確認することができる。本明細書におけるモード径は、粒子を分散させた懸濁液をレーザー光路中に流し、通過する粒子の回折像をレンズに生じさせ、その回折像を検出器にて検出し、得られた回折光強度分布を解くことによって粒子径を測定する前記記載のレーザー回折散乱光法、または、走査型電子顕微鏡(SEM)により測定される。
本発明の医薬組成物は、前述の好ましい粒子径を有する粒子に加工可能であればいかなる方法によっても製造することができるが、球形晶析法を使用して製造するのが好ましい。球形晶析法は、化合物合成の最終プロセスにおける結晶の生成・成長プロセスを制御することで、球状の結晶粒子を設計し、その物性を直接制御して加工する方法である。好ましくは、エマルジョン溶媒拡散法(Emulsion Solvent Diffusion method、以下、ESD法という)が良い。ESD法とは、エマルジョンを形成してから、良溶媒と貧溶媒との相互拡散を利用して薬物を球状に結晶化させる方法であり、薬物を封入する基剤を溶解できる良溶媒と、溶解し難い貧溶媒の二種類の溶媒を用いる。この良溶媒は、基剤を溶解し、かつ貧溶媒へ混和する有機溶媒であり、良溶媒および貧溶媒の種類は封入される薬物の種類などに応じて決定され、特に限定されない。
良溶媒としては、抗真菌医薬である有効成分のルリコナゾール、PLGA、およびmPEG-b-PLAを溶解させることができれば特に限定されないが、例えば、アセトンなどのケトン系溶剤;n−ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ベンゼンなどの炭化水素系溶媒;メタノール、エタノールなどのアルコール系溶媒;エチルアセテートなどのエステル系溶媒;ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素系溶媒などが挙げられる。ここで、有機溶媒は、微量の水液滴を含む混合有機溶媒(すなわち、W/Oエマルション)でも良く、有機溶媒中に占める有機溶媒の体積比が1/2以上であれば、有機溶媒中に含まれる物質・液体などの種類は問わない。良溶媒としては、トルエン、ジクロロメタンが好ましく、トルエンとジクロロメタンの混合溶媒が特に好ましい。また、貧溶媒としては、水、あるいは界面活性剤を添加した水が挙げられるが、例えば分散安定剤としてポリビニルアルコールやポリエチレングリコールなどを添加した水溶液が好適に用いられる。ポリビニルアルコール以外の界面活性剤としては、レシチン、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。なお、余剰のポリビニルアルコールが残存している場合は、溶媒留去工程の後に、遠心分離などによりポリビニルアルコールを除去する工程を設けても良い。
本発明の医薬組成物の製造手順としては、まず、PLGAおよびmPEG−b−PLAをそれぞれ良溶媒に溶解する。次いで、これら二つの溶媒を混合し、この混合液へルリコナゾールを添加混合し、溶解する。このルリコナゾール、PLGA、およびmPEG−b−PLAを含む良溶媒溶液を、攪拌下で貧溶媒である水に滴下すると、混合液中の良溶媒が貧溶媒中へ急速に拡散移行する。その結果、貧溶媒中で良溶媒の自己乳化が起き、マイクロサイズの良溶媒のエマルジョン滴が形成される。さらに、良溶媒と貧溶媒の相互拡散が進むにつれ、エマルジョン滴内のルリコナゾール、PLGAおよびmPEG−b−PLAの溶解度が低下し、最終的に、良溶媒を除去することにより、ルリコナゾールを包含した略球形の多孔質粒子が生成する。生成した多孔質粒子を遠心分離などの常法に従って分離することで本発明の医薬組成物を製造できる。乳化において、貧溶媒に対する良溶媒の使用量は50%(v/v)以下が好ましい。
乳化手段は、例えば、高速撹拌、超音波照射、膜乳化などの一般的な乳化手段を用いることができる。乳化は、高速撹拌により短時間で行うことが好ましい。また、乳化温度は0〜30℃が好ましい。乳化温度が30℃を超えると、エマルションの安定性が低下し、および/または良溶媒の蒸発速度が速くなりすぎるため、得られる粒子が変形しやすくなる。さらに、ルリコナゾール、PLGA、およびmPEG−b−PLAの運動性が高まる結果、粒子同士が凝集しやすくなる。
なお、良溶媒の除去は、例えば、蒸発により行うが、その際の乳化液の攪拌速度を制御することにより、得られる粒子の粒子径を制御することができる。すなわち、本実施形態に係る製造方法によれば、粒子径および形状が揃った粒子を簡便な方法にて得ることができる。特に、粒子の分散を維持し、かつ、粒子同士が衝突して崩壊しない程度の低速撹拌にて除去することが好ましい。
経肺投与法は薬物を吸入することで肺へ薬物を送達し、循環血に吸収させて全身に有効成分を移送する手法である。表面積が大きく毛細血管が豊富に存在する肺胞を利用し、また肺胞腔内と毛細血管の距離が近いため薬物の吸収効率が高い、痛みを伴わない、などの利点から新たな投薬方法としてその発展が期待されている。経肺投与に適した薬物キャリアは、肺胞に到達して容易に排出されない適切な粒子径(1.0〜5.0μm)を有し、適切な流動性を示す粒子密度を有し、粒子表面の分子修飾が容易である、などの条件を満たす必要がある。本発明の医薬組成物は、多孔質粒子を形成することで、粒子径が同じでも粒子密度が小さくなるため、経肺投与に適した粒子径と流動性を有する粒子である。
本発明の医薬組成物中のルリコナゾールの配合割合は、該組成物の用途や製剤形態などに応じて適宜設定される。通常、抗真菌医薬組成物中のルリコナゾールの配合割合として、ルリコナゾールが総量で0.01〜25質量%であり、好ましくは0.1〜20質量%である。また、本発明の医薬組成物において、PLGAと同時にmPEG−b−PLAを用いることにより、ルリコナゾールを含む粒子の乳化性が向上しルリコナゾールを封入した多孔質粒子が製造できるが、PLGAとmPEG−b−PLAの混合比によって形成される多孔質の孔径や粒子密度などが変化するため、その混合比はPLGA:mPEG−b−PLAの質量比で1:9 〜 9:1が好ましく、さらに好ましくは1:1 〜 1:9である。
本発明の医薬組成物は使用前の貯蔵のために、あるいは吸入用の粒子を得る方法として、凍結乾燥法、噴霧乾燥法、または超臨界二酸化炭素晶析法などを用いることができる。好ましくは、フリーズグラニュレーションや、グラスライニングコニカルドライヤーなどによる凍結乾燥(フリーズドライイング)を施すことにより粒子を得ることがよい。粒子は、そのまま吸入粉末剤としてドライパウダー定量噴霧器(Dry Powder Inhaler/以下、DPIという)などの吸入器、必要に応じて生理食塩水に懸濁後、ネブライザー療法(霧滴吸入療法)などの噴霧器や吸入器などを用いて経肺投与することができる。DPIに用いる吸入器としては、スピンヘラー、イーヘラー、FlowCaps、ジェットヘラー、ディスクヘラー、ローターヘーラー、インスパイヤーイース、インハレーションエイト等を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の医薬組成物には、発明の効果を損なわず、薬学的に、または生理学的に許容される範囲であれば、その用途や形態に応じて、基材、担体や添加物からなる補助成分を適宜選択し、1種または2種以上を併用して配合することができる。それらの基材、担体または添加物として、例えば、固形剤、半固形剤、液剤などの調製に一般的に使用される担体(水、水性溶媒、水性または油性基剤など)、pH調整剤、緩衝剤、酸化防止剤、凍結復元剤、増粘剤、界面活性剤、防腐剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤、流動化剤、安定化剤、甘味料、香料および着色剤などの各種添加剤を挙げることができる。以下に本発明の医薬組成物に使用される代表的な成分を例示するが、これらに限定されるものではない。
本発明の医薬組成物に使用することができる基材または担体成分としては、水、エタノール、その他水性溶媒、カルボキシメチルスターチナトリウム、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、セルロース、乳糖、ハードファット、オクチルドデカノール、グリセリン、軽質流動パラフィン、ゲル化炭化水素、ショ糖脂肪酸エステル、酒石酸、シリコン樹脂、ジエタノールアミン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、ジメチルポリシロキサン、スクワラン、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、メチルエチルケトン、ステアリン酸、ステアリン酸グリセリン、セタノール、セトステアリルアルコール,D−ソルビトール、炭酸水素ナトリウム、中鎖脂肪酸トリグリセリド、トウモロコシデンプン、パラフィン、パルミチン酸、パルミチン酸セチル、プロピレングリコール、プロピレングリコール脂肪酸エステル、1,3−ブチレングリコール、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ミリスチン酸イソプロピル、パルチミン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸セチル、モノステアリン酸グリセリン、ワセリンなどが挙げられる。
pH調整剤や緩衝剤としては、塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、ホウ酸などの無機酸;乳酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、プロピオン酸、酢酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、
アミノエチルスルホン酸などの有機酸;炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどの無機塩基;モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、リジンなどの有機塩基;アラニン、アルギニンまたはその塩類、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、アスコルビン酸またはその塩類、アスパラギン酸、アスパラギン酸塩、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、酸化亜鉛、などが挙げられる。
酸化防止剤としては、安息香酸、アスコルビン酸とその製薬学的に許容される塩またはエステル類、α−脂肪酸、ベータカロテン、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、エデト酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、乾燥亜硫酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、α−トコフェロール、α−トコフェロール アシルエステル、アスコルビルパルミテート、ビタミンE、ペグ化ビタミンE(TPGS)などが挙げられる。
凍結復元剤としては、スクロース、トレハロースなどの糖類、マンニトール、ソルビトールなどのポリヒドロキシアルコールなどが挙げられる。
増粘剤としては、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、マクロゴール400、マクロゴール1500、マクロゴール4000、カルボキシビニルポリマー、親水性ポリマー、例えば、部分的にエーテル化したセルロース誘導体、カルボキシメチル-セルロース、ヒドロキシエチル-セルロース、ヒドロキシプロピル-セルロース、ヒドロキシプロピルメチル-セルロースまたはメチル-セルロースを含む;完全合成親水性ポリマー、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ(ヒドロキシエチル)- メタクリレート、ポリ(ヒドロキシプロピル)-メタクリレート、ポリ(ヒドロキシプロピルメチル)メタクリレート、ポリアクリロニトリル、メタアリル-スルホネート、ポリエチレン、ポリオキシエチレン、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール-ラクチド、ポリエチレングリコール-ジアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ(プロピルメタクリルアミド)、ポリ(プロピレンフマレート-co-エチレングリコール)、ポロキサマー、ポリアスパルトアミド、(ヒドラジン架橋)ヒアルロン酸、シリコーンを含む;天然ゴム、アルギネート、カラジーナン、グアーガム、ゼラチン、トラガカント、(アミド化)ペクチン、キサンタン、キトサンコラーゲン、アガロースを含む;その混合物およびさらなる誘導体またはコポリマーなどが挙げられる。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、リン酸ポリオキシエチレンオレイルエーテル(8MOL)、ポリソルベート20(Tween 20)、ポリソルベート40(Tween 40)、ポリソルベート60(Tween 80)、ポリソルベート80(Tween 80) などのモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジエステル、アジピン酸ジイソプロピル、オレイン酸エチル、モノステアリン酸バチル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタンセスキオレイン酸エステル、グリセリルジエステル(Glyceryl diesters)などの非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンカリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、N-ココイル-N-メチルアミノエチルスルホン酸ナトリウム、ノニルフェノキシポリオキシエチレンエタン硫酸エステルアンモニウム、N-ヤシ油脂肪酸アシル L-アルギニンエチル・DL-ピロリドンカルボン酸塩、コール酸ナトリウム(Na-chol)などのアニオン性界面活性剤、ミリスチルアミン(Myristylamine)、パルミチルアミン(Palmitylamine)、ラウリルアミン(Laurylamine)、ステアリルアミン(Stearylamine)などのカチオン性界面活性剤などが挙げられる。
防腐剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、クレゾール、クロロブタノール、酢酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、チメロサール、チモール、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、ベンジルアルコール、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、プロピルパラベン、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
賦形剤は、通常、散剤(細粒剤)、吸入粉末剤、錠剤などの固形製剤の増量、希釈、充填、補形などの目的で加えられるものが使用され、薬剤の溶解性を高めるため、および/または自己凝集能を低減させるために効果的である。従って、賦形剤としては、水易溶性のものが好ましいが、著しく吸湿するものは本製剤の性質上好ましくない。賦形剤は、生物学的に不活性であり、かつ、ある程度の代謝が期待されるものを用いても良い。また、水溶性高分子を用いることもでき、医薬として許容されるものであれば特に限定されない。具体的には、乳糖(ラクトース;α-1水和物、α-無水物、β-無水物)、ブドウ糖、白糖、トレハロース、デキストロース、蔗糖(スクロース)、果糖、麦芽糖などの糖類;イソマルト、エリスリトール、マンニトール、D−マンニトール、ソルビトール、フルクトース、キシリトール、マルチトール、などの糖アルコール類;トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、コムギデンプン、コメデンプン、部分アルファー化デンプン、有孔デンプンなどなどのデンプン類;結晶セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルメロースナトリウム、プルラン、デキストリン、アラビアゴム、寒天、ゼラチン、トラガント、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールなどの高分子ポリマー類、ステアリン酸などの脂肪酸あるいはその塩、ワックス類、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン、合成ケイ酸アルミニウム、リン酸水素カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸などが挙げられる。
結合剤としては、天然ゴム、アカシア(樹皮ポリフェノール) のような合成ゴム、アルギン酸ナトリウム、ゼイン(種子蛋白の1種)、糖(例えば、グルコース)、デンプン(例えば、コーンスターチ、馬鈴薯デンプン、アルファ化デンプン、米デンプン、小麦デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム可溶性デンプン、部分アルファー化デンプン、アルファ化デンプンなど)、デキストリン、マルトデキストリン、シクロデキストリン、デキストラン、セルロースまたはその誘導体(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、酢酸セルロース、カルオキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)、カルボキシメチルセルロースカルシウム、結晶セルロース、変性セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアルギニン、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール、ポリアクリレート、メタクリレートポリマー、キトサン、キサンタンガム、ポリエチレンポリプロピレンオキサイド、ポリビニルスルホン酸ナトリウム、ポリカーボフィル、ポロキサマー、ポリアクリル酸、ポビドン(ポリビニルピロリドン)、ポリビニルアルコール、PVAコポリマー(例えば、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、ポリビニルピロリドン−ビニルアセテートコポリマーなど)、アラビアゴム末、ゼラチン、寒天、プルラン、粉末トラガント、ガーガム、ケイ酸ナトリウム、ゼオライト、などが挙げられる。
崩壊剤としては、デンプン(例えば、バレイショデンプン、タピオカデンプン、α化デンプンなど)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(カルメロースナトリウム、CMC−Na)、カルボキシメチルセルロースカルシウム(カルメロースカルシウム、CMC−Ca)、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、その他のセルロース、クロスカルメロースナトリウムやカルボキシメチルスターチナトリウムなどのデンプン誘導体、デンプングリコール酸ナトリウム、ポビドン(ポリビニルピロリドン)、ポラクリリンカリウム、アルギン、ガム、カンテン、炭酸カルシウム、などが挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、鉱油、植物油(例えば、ピーナッツ油、綿種油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、大豆油など)、グリセリン、ソルビトール、D−マンニトール、ポリエチレングリコール、その他のグリコール、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリル硫酸ナトリウム、カンテン、ロイシン、ポリビニルアルコール、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、軽質無水ケイ酸、シリカゲル、凝固性エアロゾル合成シリカ、発熱性二酸化ケイ素、タルク、などが挙げられる。
流動化剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、ラウリル硫酸ナトリウム、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸水素カルシウムまたはその水和物、酸化チタンまたはその水和物、タルク、および、硬化油などが挙げられる。
コーティング剤としては、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、セラセフェート、ヒプロメロースフタル酸エステル、メタクリル酸コポリマーなどが挙げられる。
安定化剤としては、例えば、酢酸マグネシウム、塩化マグネシウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、リン酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムなどのカチオンなどが挙げられる。また、ヒスチジン、フェニルアラニン、アラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、グルタミン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、チロシン、トレオニン、イソロイシン、トリプトファン、バリンなどのアミノ酸などが挙げられる。
甘味料としては、デキストロース、ポリデキストロース、マンニトール、サッカリン、サッカリンナトリウム、ソルビトール、スクロース、アスパルテーム、アセスルファムK、ステビア、ソーマチン、グリチルリチン二カリウム、またはキシリトールが挙げられ、香料としては、例えば、レモン、レモンライム、オレンジ、メントールなどが挙げられる。
着色剤としては、例えば、黄色三二酸化鉄、赤色三二酸化鉄、黒色酸化鉄、食用黄色4号、5号、食用赤色3号、102号、食用青色3号などが挙げられる。
本発明の医薬組成物は、経肺投与で使用可能である限り、その製剤形態については特に制限されない。本発明の医薬組成物の剤型の具体例としては、吸入粉末剤、懸濁液、用時懸濁液、液剤、ドライシロップ剤、エアゾール剤、噴霧剤、またはスプレー剤が好ましく、特に、DPIなどのドライパウダー吸入形式によって施用できる吸入粉末剤が好ましい。
本発明の医薬組成物は、臨床的に重要な深在性真菌症、例えば、慢性進行性肺アスペルギルス症、単純性肺アスペルギローマ、侵襲性肺アスペルギルス症、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、肺カンジダ症、気管支カンジダ症、肺クリプトコックス症などのクリプトコックス症、カニングハメラ肺感染症などのカニングハメラ感染症、コニディオボルス症、トリコスポロン症、ニューモシスチス肺炎などのニューモシスチス症、スケドスポリウム症、ムーコル症、フザリウム症、ヒストプラズマ症などの治療に有効であり、特に、真菌由来の肺炎に有効である。また、これらの深在性真菌症の重複併発時にも有効である。
本発明の医薬組成物が有効な真菌症の原因菌としては、アスペルギルス属真菌、カンジダ属真菌、クリプトコックス属真菌、フザリウム属真菌、スケドスポリウム属真菌、ニューモシスチス属真菌、ムコール属真菌などが挙げられ、アスペルギルス属真菌(Aspergillus spp.)としては、アルペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・テレウス(Aspergillus terreus)、アスペルギルス・クラバタス(Aspergillus clavatus)、アスペルギルス・ニベウス(Aspergillus niveus)、アスペルギルス・バージカラー(Aspergillus versicolor)、アスペルギルス・シドウィ(Aspergillus sydowii)、またはアスペルギルス・ウスタス(Aspergillus ustus)、などが挙げられ、
カンジダ属真菌(Candida spp.)としては、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、カンジダ・パラシローシス(Candida parapsilosis、)、カンジダ・メタシローシス(Candida matapsilosis)、カンジダ・オルトシローシス(Candida orthopsilosis)、カンジダ・グラブラタ(Candida glabrata)、カンジダ・ニバリエンシス(Candida nivariensis)、カンジダ・ブラカレンシス(Candida bracarensis)、カンジダ・クルセイ(Candida krusei)、カンジダ・ギリエルモンジィ(Candida guilliermondii)、カンジダ・ギリエルモンジィ(Candida guilliermondii var.menbranifaciens)、カンジダ・ルシタニエ(Candida lusitanie)、カンジダ・インコンスピキュア(Candida inconspicua)、カンジダ・ファマタ(Candida famata)、カンジダ・ルゴーザ(Candida rugosa)、カンジダ・ドゥブリニエンシス(Candida dubliniensis)、カンジダ・ノーベゲンシス(Candida norvegensis)、カンジダ・リポリティカ(Candida lipolytica)、カンジダ・サケ(Candida sake)、カンジダ・ペリキュロサ(Candida pelliculosa)、カンジダ・アピコラ(Candida apicola)、カンジダ・ズィラノイデス(Candida zeylanoides)、およびカンジダ・ケフィール(Candida kefyr)などが挙げられる。
その他の原因菌としては、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)やクリプトコッカス・ガッチ(Cryptococcus gatti)などのクリプトコッカス属、ムーコル・サーシネロイデス(Mucor circinelloides)、ムーコル・プランベウス(Mucor plumbeus)、ムーコル・ラセモサス(Mucor racemosus)、ムーコル・ラモシシムス(Mucor ramosissimus)、ムーコル・ルーキシィ(Mucor rouxii)、などのムーコル属真菌(Mucor Spp.)、リゾプス・アルヒズス(Rhizopus arrhizus)、リゾプス・オリゼ(Rhizopus oryzae)、リゾプス・ストロニファー(Rhizopus stolonifera)、リゾプス・ミクロスポラス(Rhizopus microspores)などのリゾプス属真菌(Rhizopus Spp.)、リゾムーコル・プシラス(Rhizomucor pusillus)などのリゾムーコル属(Rhizomucor Spp.)、リクテイミア・コリンビフェラ(Lichtheimia corymbifera)などのリクテイミア属(Lichtheimia Spp.)、アブシディア・コリンビフェラ(Absidia corymbifera)、アブシディア・ブトレリ(Absidia butleri)などのアブシディア属(Absidia Spp.) 、カニングハメラ・ベルトレティエ(Cunnighamella bertholletiae)、カニングハメラ・エキヌラタ(Cunninghamella echinulate) などのカニングハメラ属真菌(Cunnighamella Spp.) 、コニディオボルス・ブレフェルディアヌス(Conidiobolus brefeldianus)、コニディオボルス・コロナタス(Conidiobolus coronatus)、コニディオボルス・インコングルス(Conidiobolus incongruous)、コニディオボルス・ランプラゲス(Conidiobolus lamprauges)などのコニディオボルス属(Conidiobolus Spp.)、トリコスポロン・アサヒ(Trichosporon asahii)、トリコスポロン・クタネウム(Trichosporon cutaneum)、トリコスポロン・インキン(Trichosporon inkin)、トリコスポロン・ムコイデス(Trichosporon mucoides)などのトリコスポロン属真菌(Trichosporon Spp.)、シェドスポリウム・アピオスペルマム(Scedosporium apiospermum)などのシェドスポリウム属真菌(Scedosporium Spp.)、フザリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum )や、フザリウム・ソラニ(Fusarium solani) などのフザリウム属真菌(Fusarium Spp.)、ニューモシスチス・イロベチイ(Pneumocystis jirovecii)などのニューモシスチス属真菌(Pneumocystis Spp.)、ヒストプラズモシス・カプスラーツム(histoplasmosis capsulati)などのヒストプラズマ属真菌(Histoplasma Spp.)が挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に示す方法に従い、本発明の粒状医薬組成物を調製した。
実施例1
ルリコナゾール封入多孔質粒子の調製
ポリ乳酸・グリコール酸共重合体 (PLGA、分子量:10,000、乳酸:グリコール酸=75:25 (mol:mol))をトルエン-ジクロロメタン混合有機溶媒(1.0g/cm)に溶解し、含PLGA有機溶媒(5mM、1.12ml)を調製した。末端メトキシ化ポリエチレングリコール・ポリ乳酸ブロック共重合体(mPEG(11,700)-b-PLA(6,900)、Mw/Mn=1.05)を混合有機溶媒 1.0g/cm に溶解し、含PEG−b−PLA有機溶液(5mM, 1.12ml)を調製した。これら二つの溶媒を混合し、ルリコナゾールを添加して溶解した(ルリコナゾール添加濃度0〜100mM)。ルリコナゾール-高分子含有有機溶液に純水 53.76mlを添加し、ホモジナイザー(IKA、T25 digital ULTRA−TURRAX, シャフトジェネレータ:S25N−18G)により乳化(8,000rpm, 10sec)した。乳化物の形態は光学顕微鏡で観察した。得られた乳化物を純水(168ml)に添加し、開放系において撹拌して有機溶媒を除去(100rpm, 12hr)することによって、ルリコナゾール含有粒子を形成した。得られた懸濁液を遠心分離し(2,000rpm, 10min)、純水で洗浄を行った。遠心分離、純水洗浄を計3回行った。その後凍結乾燥を行い、ルリコナゾール封入多孔質粒子、すなわち本発明の粒状医薬組成物を得た。その性状および粒子径については、後述のように測定し結果を表1〜3に示した。また、ルリコナゾールの添加濃度ごとの収率を式1より求め、結果を表4に示した。なお、全ての操作は遮光条件下にて行った。
式1
比較例1
ポリ乳酸・グリコール酸共重合体 (PLGA、分子量:10,000、乳酸:グリコール酸=75:25 (mol:mol))のトルエン-ジクロロメタン混合有機溶媒(1.0g/cm)、および、末端メトキシ化ポリエチレングリコール・ポリ乳酸ブロック共重合体(mPEG(11,700)-b-PLA(6,900)、Mw/Mn=1.05)のトルエン-ジクロロメタン混合有機溶媒 1.0g/cmの各溶媒にルリコナゾールを添加し、実施例1と同じ手順によりルリコナゾール封入粒子を作製した。
比較例2
実施例1と同じ手順により、ポリ乳酸・グリコール酸共重合体 (PLGA、分子量:10,000、乳酸:グリコール酸=75:25 (mol:mol))を、ポリ乳酸・グリコール酸共重合体 (PLGA、分子量:10,000、乳酸: グリコール酸=50:50 (mol/mol))、または、ポリ乳酸(PLA、分子量 :10,000、乳酸:グリコール酸=100:0(mol:mol))に代えて、ルリコナゾール封入粒子を作製した。
ルリコナゾール封入多孔質粒子の物性測定
実施例1および比較例1、2にて作製した粒子をカーボンテープ上に留置し、白金蒸着(蒸着膜厚5nm)した後にSEM観察(KEYENCE、VE−9800)を行い、粒子の形成状態を観察した。
実施例1および比較例1,2にて作製した粒子の状態を表1および2に示す。
本発明による製造方法により、ポリ乳酸・グリコール酸共重合体 (PLGA;分子量:10,000、乳酸:グリコール酸=75:25(mol:mol))、および、末端メトキシ化ポリエチレングリコール・ポリ乳酸ブロック共重合体(mPEG(11,700)-b-PLA(6,900)、Mw/Mn=1.05)を用いることで、良好な状態のルリコナゾール含有粒子を作製することができた。
粒子径測定
実施例1にて作製した溶媒蒸発後の粒子懸濁液(0.2ml)を純水(4ml)に添加し、レーザー回折散乱光法(HORIBA、LA−300)により粒子径(Mode径)を測定した。また、粒径分布の均一度を示す指標として、スパン値を(式2)により算出した。結果を図1および表3に示す。
スパン値は粒度分布幅 の測度であり、(式2)にて求められる。
式2
スパン値は小さいほど、好ましくは3以下で良好な均一度を示し、また単分散粒子サイズ分布を伴う粒子においては、約2または2未満が好ましい。
(図1)
本発明による製造方法により、ルリコナゾールを含んだ医薬組成物の粒子は1〜10μmの粒径分布を示し、そのモード径(出現比率がもっとも高い粒子径)は3μm付近であった。
本発明による製造方法により、スパン値はいずれも約2を示し、良好な均一度を示していた。すなわち、ルリコナゾールを封入した医薬組成物の粒子を経肺投与に適する粒子径に製造できることが可能であった。
粒子中のルリコナゾール量の測定
実施例1で調製した粒子粉末をクロロホルムに溶解し(0.1mg/ml、1ml)、UV測定(295nm)を行い、ルリコナゾール溶解クロロホルム溶液の検量線を用いることで、粒子中に含まれるルリコナゾール量を測定し、式3によりルリコナゾール封入率を、式4により封入効率を算出した。
式3
式4
本発明による製造方法により、ルリコナゾールを含んだ医薬組成物の粒子への封入が可能であり、封入率は最高で14.2%の高い値を示す。また、その封入効率は65〜75%の高い値を示すことが確認できた。
実施例2
ラットを用いた気管内(経肺)投与による薬物動態試験(PK 試験)
動物はddY 系雄性マウス(8週齢)を用いた。麻酔下のラット気管に被験物質を充填した気管内投与用ゾンデ(Penn−Century社製 Model DP−4)を挿入し、ラット呼気に合わせゾンデに接続したシリンジ(テルモ株式会社製)を用いて、実施例1に倣って調整したルリコナゾール封入多孔質粒子(ルリコナゾール封入率10.4%)の噴霧投与を行った(19.2 mg/kg)。投与後1,2,4,24時間に、ラット鎖骨下静脈から採血し遠心分離により血漿を得た。24時間の採血後はラットを安楽死させ肺を摘出した。血漿中及び肺内のルリコナゾール濃度はLC/MS/MS (SCIEX製)を用いて測定した。
比較例3
ルリコナゾール粉砕品の薬物動態試験(PK 試験)
ルリコナゾール(粒径d50=154.16μm)をナノジェットマイザー(株式会社アイシンナノテクノロジーズ製)で2回繰り返し粉砕し、粒径d50=5.34μm (SPAN値=1.66)のルリコナゾール粉砕品を調整した。これを実施例2と同様にラットへの噴霧投与(2 mg/kg)を行い、血漿中及び肺内のルリコナゾール濃度を測定した。
その結果、採各時間において採取した血漿中のルリコナゾールの濃度は、本発明品を用いた群が比較例3を用いた群より高くなることが確認される。これは経肺投与による効果の向上を示すものであり、本発明の医薬組成物はルリコナゾールの単純な粉砕品と比較して抗真菌作用が増強され真菌症に対して優れた治療効果を奏する。

Claims (17)

  1. ルリコナゾールまたはその薬学的に許容される塩、ポリ乳酸・グリコール酸共重合体および末端メトキシ化ポリエチレングリコール・ポリ乳酸ブロック共重合体からなる、経肺投与用の粒状医薬組成物。
  2. ポリ乳酸・グリコール酸共重合体の乳酸とグリコール酸のモル比が99:1 〜 55:45であり、かつ分子量が10,000〜20,000である、請求項1に記載の粒状医薬組成物。
  3. ポリ乳酸・グリコール酸共重合体の乳酸とグリコール酸のモル比が75:25であり、かつ分子量が10,000、である、請求項1に記載の粒状医薬組成物。
  4. 末端メトキシ化ポリエチレングリコール・ポリ乳酸ブロック共重合体の組成において、ポリエチレングリコールの重量平均分子量が2,000〜15,000であり、ポリ乳酸の重量平均分子量が2,000〜10,000である、請求項1〜3いずれか1項に記載の粒状医薬組成物。
  5. 末端メトキシ化ポリエチレングリコール・ポリ乳酸ブロック共重合体を構成する、ポリエチレングリコールの重量平均分子量が11,700であり、ポリ乳酸の重量平均分子量が6,900である、請求項1〜4いずれか1項に記載の粒状医薬組成物。
  6. ルリコナゾールまたはその薬学的に許容される塩の封入率が約0.1〜20%である、請求項1〜5いずれか1項に記載の粒状医薬組成物。
  7. ポリ乳酸・グリコール酸共重合体、および末端メトキシ化ポリエチレングリコ
    ール・ポリ乳酸ブロック共重合体の質量比が9:1 〜 1:9である、請求項1〜6いずれか1項に記載の粒状医薬組成物。
  8. ポリ乳酸・グリコール酸共重合体、および末端メトキシ化ポリエチレングリコール・ポリ乳酸ブロック共重合体の質量比が1:1 〜 1:9である、請求項1〜6いずれか1項に記載の粒状医薬組成物。
  9. 粒子径が1.0〜5.0μmである、請求項1〜8いずれか1項に記載の粒状医薬組成物。
  10. 経肺投与による対象疾病が深在性真菌症である、請求項1〜9いずれか1項に記載の粒状医薬組成物。
  11. 深在性真菌症の原因菌が、アスペルギルス属真菌、カンジダ属真菌、クリプトコックス属真菌、フザリウム属真菌、スケドスポリウム属真菌、ニューモシスチス属真菌、ムコール属真菌、リゾプス属真菌、カニングハメラ属真菌、ヒストプラズマ属真菌、またはトリコスポロン属真菌である請求項1〜10いずれか1項に記載の粒状医薬組成物。
  12. 吸入粉末剤である、請求項1〜11いずれか1項に記載の粒状医薬組成物。
  13. ポリ乳酸・グリコール酸共重合体と、末端メトキシ化ポリエチレングリコール・
    ポリ乳酸ブロック共重合体を有機溶媒に溶解する工程、該溶液にルリコナゾ
    ールを溶解する工程、該溶液に水を添加・撹拌して乳化する工程、および乳化後に有機溶媒を除去して粒子を得る工程からなる、請求項1に記載の粒状医薬組成物の製造方法。
  14. ルリコナゾール、ポリ乳酸・グリコール酸共重合体および末端メトキシ化ポリエチレングリコール・ポリ乳酸ブロック共重合体の有機溶媒溶液と水から、O/Wエマルジョンを調製する工程、前記O/Wエマルジョンから有機溶媒および水を除去する工程からなる、請求項1に記載の粒状医薬組成物の製造方法。
  15. 有機溶媒が、トルエンとジクロロメタンの混合溶媒である、請求項13または14に記載の粒状医薬組成物の製造方法。
  16. 乳化工程が30℃以下に保持して行なわれる、請求項13〜15のいずれか1項に記載の粒状医薬組成物の製造方法。
  17. 有機溶媒および水の除去が、高速撹拌、加熱または凍結乾燥によるものである、
    請求項13〜16のいずれか1項に記載の粒状医薬組成物の製造方法。
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