JP2019188950A - 舶用プロペラ及び船舶 - Google Patents
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Abstract
Description
プロペラボスと、
前記プロペラボスから半径方向外側に延びる複数のプロペラ翼と、
隣り合う2つの前記プロペラ翼の間で前記プロペラボスから半径方向外側に延びる複数の短翼と、を備え、
前記短翼の前記半径方向外側の端部は、前記プロペラボスの外周面から前記プロペラ翼の前記半径方向外側の端部までの距離の15%以上、且つ、前記プロペラボスの回転軸線から前記プロペラ翼の前記半径方向外側の端部までの距離の60%以下の位置に存在する。
さらに、上記(1)の構成によれば、舶用プロペラによる推進力を複数の短翼でも負担できるので、プロペラ翼の負荷を軽減できる。これにより、プロペラ翼のキャンバや迎角を小さくすることができるので、水流の転向角が小さくなり、水流がプロペラ翼から剥離することを抑制できる。
したがって、上記(1)の構成によれば、短翼を設けることによる損失の増加を抑制しつつ、水流がプロペラ翼から剥離することを抑制できる。
その点、上記(4)の構成によれば、プロペラ翼と短翼との位置関係を上記の位置関係とすることで、プロペラ翼に対して短翼が下流側にオフセットされるので、水流がプロペラ翼から剥離することを効果的に抑制できる。
その点、上記(5)の構成によれば、短翼の少なくとも一部が回転軸線方向において該位置に存在するので、水流がプロペラ翼から剥離することを効果的に抑制できる。
上記(6)の構成では、短翼の最大翼厚を有する最大翼厚部の位置をプロペラ翼の後縁に近づけることができるので、プロペラ翼の翼面から水流が剥離しようとする領域における水流の流れを加速流れとすることができ、水流の剥離を効果的に抑制できる。
前記複数のプロペラ翼は、第1プロペラ翼と、該第1プロペラ翼に対して周方向において隣に設けられて前記第1プロペラ翼の負圧面に対向する正圧面を有する第2プロペラ翼とを含み、
前記短翼の正圧面は、前記周方向において、前記第1プロペラ翼と前記第2プロペラ翼との間にて前記第1プロペラ翼寄りに位置する。
前記複数のプロペラ翼は、第1プロペラ翼と、該第1プロペラ翼に対して周方向において隣に設けられて前記第1プロペラ翼の負圧面に対向する正圧面を有する第2プロペラ翼とを含み、
前記短翼の正圧面は、前記周方向において、前記第1プロペラ翼の前記負圧面の位置を0%とし前記第2プロペラ翼の前記正圧面の位置を100%としたときの15%以上50%未満の位置に存在する。
その点、上記(8)の構成によれば、短翼の負圧面における水流の剥離を抑制しつつ、第1プロペラ翼における負圧面側で生じる水流の剥離を短翼の正圧面で効果的に抑制できる。
船体と、
前記船体の船尾に配置された上記構成(1)乃至(11)の何れかの舶用プロペラと、を備える。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
なお、図2において、舶用プロペラ3の回転方向は、矢印Rで示すように反時計方向である。以下、図3〜5の各図においても、舶用プロペラ3の回転方向を矢印Rによって表す。
また、図4は、図2における一点鎖線で示したA−A断面における、他の実施形態の舶用プロペラ3のプロペラ翼5及び短翼6の断面を模式的に示す図である。
なお、図3(b)以外の各図において、図3(b)において2点鎖線で示す範囲12のように、翼面からの水流11の剥離が生じ易い範囲を図3(b)と同様に2点鎖線で示し、符号12を付す。また、以下の説明では、該範囲を水流の剥離が生じ易い範囲12とも呼ぶ。
さらに、図3(a)及び図4に示す幾つかの実施形態の舶用プロペラ3では、舶用プロペラ3による推進力を複数の短翼6でも負担できるので、プロペラ翼5の負荷を軽減できる。これにより、プロペラ翼5のキャンバや迎角を小さくすることができるので、水流11の転向角が小さくなり、水流11がプロペラ翼5から剥離することを抑制できる。
水流11の剥離は、プロペラ翼5の後縁52側での流れの拡大率の影響も受ける。一般的に、プロペラ翼の翼根では、翼の半径方向外側の部分と比べると、最大翼厚は大きく、翼弦長は短い。そのため、プロペラ翼の翼根では、翼の半径方向外側の部分と比べると、最大翼厚部よりも後縁側における流れの拡大率は一般的に大きくなる。そのため、翼根5a側で水流11の剥離が生じ易くなるおそれがある。
したがって、図3(a)及び図4に示す幾つかの実施形態の舶用プロペラ3によれば、短翼6を設けることによる摩擦損失等の損失の増加を抑制しつつ、水流11がプロペラ翼5から剥離することを抑制できる。
図3(a)と図3(b)とを比較して明らかなように、また、図5(a)と図5(b)とを比較して明らかなように、図3(a)及び図4に示す幾つかの実施形態の舶用プロペラ3では、従来の船舶用プロペラ7に比べて、水流の剥離が生じ易い範囲12を狭くすることができる。
これにより、短翼6を設けることによる損失の増加を抑制しつつ、水流11がプロペラ翼5から剥離することを効果的に抑制できる。
このように、プロペラ翼5と短翼6との位置関係を上記の位置関係とすることで、短翼6の翼面の少なくとも一部が回転軸線O方向においてプロペラ翼5と重複するように短翼6を設置することよって、プロペラ翼5の表面からの水流11の剥離を抑制することができる。
その点、図3(a)及び図4に示す幾つかの実施形態では、プロペラ翼5と短翼6との位置関係を上記の位置関係とすることで、プロペラ翼5に対して短翼6が下流側にオフセットされるので、水流11がプロペラ翼5から剥離することを効果的に抑制できる。
その点、図3(a)及び図4に示す幾つかの実施形態では、短翼6の少なくとも一部が回転軸線O方向において該位置に存在するので、水流11がプロペラ翼5から剥離することを効果的に抑制できる。
また、図4に示す一実施形態では、最大翼厚部66の位置を上記範囲の位置に存在するようにすることで、短翼6の最大翼厚tmaxを有する最大翼厚部66の位置をプロペラ翼5の後縁52に近づけることができるので、プロペラ翼5の翼面から水流11が剥離しようとする領域、すなわち、水流の剥離が生じ易い範囲12における水流11の流れを加速流れとすることができ、水流11の剥離を効果的に抑制できる。
なお、短翼6の最大翼厚tmaxを有する最大翼厚部66の少なくとも一部が、回転軸線O方向において、プロペラ翼5の前縁51の位置を0%とし後縁52の位置を100%としたときの90%以上100%以下の位置に存在していれば、上記の作用効果を奏することができる。
これにより、第1プロペラ翼5Aにおける負圧面55側で生じる水流11の剥離を短翼6で効果的に抑制できる。
なお、図3(a)及び図4において、符号16を付した破線は、第1プロペラ翼5Aの負圧面55の位置を0%とし第2プロペラ翼5Bの正圧面54の位置を100%としたときの15%の位置を示す。また、図3(a)及び図4において、符号17を付した破線は、第1プロペラ翼5Aの負圧面55の位置を0%とし第2プロペラ翼5Bの正圧面54の位置を100%としたときの50%の位置を示す。
その点、短翼6の正圧面64の周方向における位置を、上記の範囲に設定することで、短翼6の負圧面65における水流11の剥離を抑制しつつ、第1プロペラ翼5Aにおける負圧面55側で生じる水流11の剥離を短翼6の正圧面64で効果的に抑制できる。
これにより、回転軸線O方向において短翼6の正圧面64と第1プロペラ翼5Aの負圧面55との重複領域を増やすことができるので、水流11の剥離の抑制効果を向上できる。
これにより、短翼6による推進力を効果的に得られるので、プロペラ翼5の負荷を効果的に軽減できる。これにより、プロペラ翼5のキャンバや迎角を小さくすることができるので、水流11の転向角が小さくなり、水流11がプロペラ翼5から剥離することを効果的に抑制できる。
これにより、短翼6の設計を簡素化できる。
また、短翼6の形状をプロペラ翼5の形状を縮小した形状とし、さらに、回転軸線Oからの距離が同じ距離の位置では、短翼6とプロペラ翼5とでキャンバーラインや翼厚が相似となるように、短翼6の形状を調節してもよい。
例えば、上述した幾つかの実施形態では、舶用プロペラ3には、プロペラ翼5と短翼6とが周方向に交互に配置されている。すなわち、上述した幾つかの実施形態では、隣り合う2つのプロペラ翼5の間には、短翼6が配置されている。しかし、隣り合う2つのプロペラ翼5の間のうち、例えば、プロペラ翼5の回転方向に沿って1番目のプロペラ翼5と2番目のプロペラ翼5の間に短翼6を設けるが、プロペラ翼5の回転方向に沿って2番目のプロペラ翼5と3番目のプロペラ翼5の間には短翼6を設けないなど、隣り合う2つのプロペラ翼5の間であっても短翼6を設けない場所があってもよい。
3 舶用プロペラ
4 プロペラボス
5 プロペラ翼
5A 第1プロペラ翼
5B 第2プロペラ翼
5a 翼根
6 短翼
10 船舶
51,61 前縁
52,62 後縁
53,63 翼弦
54,64 正圧面
55,65 負圧面
66 最大翼厚部
Claims (12)
- プロペラボスと、
前記プロペラボスから半径方向外側に延びる複数のプロペラ翼と、
隣り合う2つの前記プロペラ翼の間で前記プロペラボスから半径方向外側に延びる複数の短翼と、を備え、
前記短翼の前記半径方向外側の端部は、前記プロペラボスの外周面から前記プロペラ翼の前記半径方向外側の端部までの距離の15%以上、且つ、前記プロペラボスの回転軸線から前記プロペラ翼の前記半径方向外側の端部までの距離の60%以下の位置に存在する
舶用プロペラ。 - 前記回転軸線から前記短翼の前記半径方向外側の端部までの距離は、前記回転軸線から前記プロペラ翼の前記半径方向外側の端部までの距離の30%より大きく60%以下である
請求項1に記載の舶用プロペラ。 - 前記プロペラボスの前記外周面から前記短翼の前記半径方向外側の端部までの距離の50%の半径方向位置において、前記回転軸線方向において前記短翼と前記プロペラ翼とが少なくとも部分的に重複する
請求項1又は2に記載の舶用プロペラ。 - 前記プロペラボスの前記外周面から前記短翼の前記半径方向外側の端部までの距離の50%の半径方向位置において、前記短翼の翼弦中央の位置は、前記回転軸線方向において、前記プロペラ翼の翼弦中央の位置よりも下流側である
請求項1乃至3の何れか一項に記載の舶用プロペラ。 - 前記プロペラボスの前記外周面から前記短翼の前記半径方向外側の端部までの距離の50%の半径方向位置において、前記短翼の少なくとも一部は、前記回転軸線方向において、前記プロペラ翼の前縁の位置を0%とし後縁の位置を100%としたときの70%以上100%以下の位置に存在する
請求項1乃至4の何れか一項に記載の舶用プロペラ。 - 前記プロペラボスの前記外周面から前記短翼の前記半径方向外側の端部までの距離の50%の半径方向位置において、該半径方向位置における前記短翼の最大翼厚を有する最大翼厚部の位置は、前記回転軸線方向において、前記プロペラ翼の前縁の位置を0%とし後縁の位置を100%としたときの90%以上100%以下の位置に存在する
請求項1乃至5の何れか一項に記載の舶用プロペラ。 - 前記複数のプロペラ翼は、第1プロペラ翼と、該第1プロペラ翼に対して周方向において隣に設けられて前記第1プロペラ翼の負圧面に対向する正圧面を有する第2プロペラ翼とを含み、
前記短翼の正圧面は、前記周方向において、前記第1プロペラ翼と前記第2プロペラ翼との間にて前記第1プロペラ翼寄りに位置する
請求項1乃至6の何れか一項に記載の舶用プロペラ。 - 前記複数のプロペラ翼は、第1プロペラ翼と、該第1プロペラ翼に対して周方向において隣に設けられて前記第1プロペラ翼の負圧面に対向する正圧面を有する第2プロペラ翼とを含み、
前記短翼の正圧面は、前記周方向において、前記第1プロペラ翼の前記負圧面の位置を0%とし前記第2プロペラ翼の前記正圧面の位置を100%としたときの15%以上50%未満の位置に存在する
請求項1乃至7の何れか一項に記載の舶用プロペラ。 - 前記プロペラボスの前記外周面から前記短翼の前記半径方向外側の端部までの距離の50%の半径方向位置において、前記回転軸線方向において前記短翼の前記正圧面と前記第1プロペラ翼の前記負圧面とが少なくとも部分的に重複する
請求項8に記載の舶用プロペラ。 - 前記複数の短翼のそれぞれは、断面形状が翼型である
請求項1乃至9の何れか一項に記載の舶用プロペラ。 - 前記複数の短翼のそれぞれは、前記プロペラ翼と相似形状である
請求項1乃至10の何れか一項に記載の舶用プロペラ。 - 船体と、
前記船体の船尾に配置された請求項1乃至11の何れか一項に記載の舶用プロペラと、を備える船舶。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2018082314A Active JP7146437B2 (ja) | 2018-04-23 | 2018-04-23 | 舶用プロペラ及び船舶 |
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Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6150893A (ja) * | 1984-08-17 | 1986-03-13 | Kobe Steel Ltd | 舶用プロペラ |
JP2008062660A (ja) * | 2006-09-04 | 2008-03-21 | Mitsui Zosen Akishima Kenkyusho:Kk | 船舶用推進器 |
JP2013116727A (ja) * | 2011-11-18 | 2013-06-13 | Becker Marine Systems Gmbh & Co Kg | 特に船舶のためのプロペラ装置 |
JP2018039411A (ja) * | 2016-09-08 | 2018-03-15 | 株式会社大内海洋コンサルタント | フィン付プロペラボスキャップ |
-
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- 2018-04-23 JP JP2018082314A patent/JP7146437B2/ja active Active
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