以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する固定枠としての外枠11を備えており、この外枠11の一側部に遊技盤取付枠としての内枠12が開閉可能に支持されている。尚、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される遊技部材(遊技釘や役物等)、前面枠14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成され難くなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠14が開閉可能に取付けられている。前面枠14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。尚、前面枠14は、内枠12を介してではなく、外枠11に直接開放可能に支持されるように構成してもよい。
前面枠14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30を外部(パチンコ機10前方)から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1、図2に示すように、前面枠14の前面側には、その下部中央において下皿15が設けられており、下払出口16から払出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。
下皿15の右方には、手前側に突出した操作手段(発射操作手段)としての遊技球発射ハンドル(以下「ハンドル18」と称する)が設けられている。尚、ハンドル18には、回動可能に設けられた操作部としての回転操作体18aが設けられるとともに、図示されない位置において、ハンドル18に人手が触れたことを検知可能なタッチ検知手段としてのタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検知するための操作量検知手段としての可変抵抗器が設けられている。そして、ハンドル18が右回りに回動操作されると、回動操作量に応じた強さで、詳しくは後述する発射装置60によって遊技球が発射される。また、ハンドル18には、ハンドル18を握った右手の親指で押圧操作可能な発射停止操作手段としてのストップレバー18bが設けられている。当該ストップレバー18bを押圧した状態においては、ハンドル18を握っていたとしても、発射装置60による遊技球の発射が禁止される。このため、遊技球の発射を禁止しつつハンドル18の回動操作を行ったり、ハンドル18を握った状態で、一時的に遊技球の発射を止めたりすることができる。
図2に示すように、下皿15の上方には、上払出口17から払出された遊技球を貯留可能な上皿19が設けられている。また、上皿19は、当該上皿19に(一旦)貯留された遊技球を一列に整列させながら詳しくは後述する発射装置60の方へ案内するようになっている。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び下払出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19の上面(貯留部の右側方)には、貸出スイッチ121と、返却スイッチ122と、球抜きボタン123と、残高表示部124とが設けられている。遊技ホール等において、パチンコ機10の(左)側方に配置されるCRユニットに対して残高のある遊技カードが投入(挿入)された状態で貸出スイッチ121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却スイッチ122は、CRユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。また、残高表示部124では、CRユニットに挿入されているカードの残高がいくらあるのかが表示される。
さらに、球抜きボタン123は、上皿19の上面から出没可能に構成され、図示しない付勢手段によって常には上皿19上面から突出する側へと付勢されている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19と下皿15との間が開通し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内されるようになっている。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
加えて、上皿19の上面(貯留部の前方)には、演出操作手段としての演出ボタン125及び十字ボタン126が設けられている。演出ボタン125にはLEDが内蔵されているとともに、演出ボタン125や十字ボタン126を押圧操作することで、後述する装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
また、前面枠14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、遊技状態の変化等に応じて発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12には、窓孔39の後側において、遊技盤30が樹脂ベース38の裏側に当接した状態で装着されている。従って、遊技盤30前面の略中央部分が窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39の下方位置には、発射手段としての発射装置60及び当該発射装置60によって発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。さらに、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
次に、遊技盤30の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞装置31、可変入賞装置32、始動入球手段を構成する第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33b、スルーゲート34、可変表示装置ユニット35等が配設されている。発射装置60により発射された遊技球は、遊技盤30の前面と、ガラスユニット137の後面との間の領域(遊技領域)に案内される。一般入賞装置31、可変入賞装置32、始動入賞装置33a、33b等の各種入賞口は、遊技領域を移動する遊技球が入球(入賞)可能に構成されており、これらの各種入賞口に遊技球が入球した場合、対応する検知スイッチにより検知が行われ、上皿19又は下皿15へ所定数の賞球が払い出される。
本実施形態では、始動入賞装置33a、33bへの入賞があった場合には3個、一般入賞装置31への入賞があった場合には10個、可変入賞装置32への入賞があった場合には14個の遊技球が払出されるように構成されている。また、遊技球が通過するだけで入球することのない(遊技盤30の裏面側に排出されることのない)スルーゲート34に遊技球が通過しても、遊技球の払出しは行われない。加えて、第1始動入賞装置33a、一般入賞装置31、及び、スルーゲート34には、遊技領域を移動する遊技球が常に入球可能、又は、通過可能に構成されているのに対し、第2始動入賞装置33b、及び、可変入賞装置32に関しては、遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態とに状態変化するように構成されている。
その他に、遊技盤30には、遊技領域の最下部に対応してアウト口36が設けられており、一般入賞装置31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の遊技釘が植設されているとともに、風車等の各種遊技部材(役物)が配設されている。
また、本実施形態の遊技盤30は、アクリル樹脂又はポリカーボネート等の透明な樹脂により構成されている。さらに、遊技盤30の前面や後面に対して直接プリントが行われたり、遊技盤30の後方に装飾用の役物が設置されたりする等して、遊技盤30における装飾等が行われている。
遊技領域の略中央部には、可変表示装置ユニット35が配設されている。可変表示装置ユニット35には、後述する装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。
可変表示装置ユニット35の下方位置には、第1始動入賞装置33aが設けられている。図4、図9、図10に示すように、本実施形態の第1始動入賞装置33aは、上方に開口し、遊技領域を移動する遊技球が常時入球可能な入球部331と、入球部331に入球した遊技球が入球可能な左右一対の第1入賞口332、及び、第2入賞口333と、入球部331に入球した遊技球を第1入賞口332、又は、第2入賞口333へ案内する第1通路334、及び、第2通路335と、第1通路334と第2通路335との分岐点に設けられ、入球部331に入球した遊技球を第1通路334、及び、第2通路335に交互に案内する振分け装置336とを備えている。
本実施形態では、入球部331は、遊技盤30の前方に突出して設けられているものの、第1通路334、第2通路335、及び、振分け装置336は、透明な遊技盤30の後面側(本例では、遊技盤30の後面の後方)に設けられている。このため、入球部331に入球した遊技球は、遊技盤30の後面側に案内されるようになっている。さらに、第1通路334、及び、第2通路335を通過する遊技球は、一旦、遊技盤30の前方位置を経由するようになっている。
より具体的には、第1案内通路334、及び、第2案内通路335の下流側端部の前方には、遊技盤30の前方に突出する第1突出部材341、及び、第2突出部材342が設けられている。第1突出部材341、及び、第2突出部材342は、正面視で上下に長い長円状をなす筒状体の前方を閉塞したような後方に開口する略箱状をなしている。また、遊技盤30の後面側の第1案内通路334、及び、第2案内通路335と、第1突出部材341、及び、第2突出部材342の内側空間上部とが連通され、第1突出部材341、及び、第2突出部材342の内側空間下部と、遊技盤30に設けられた第1入賞口332、及び、第2入賞口333とが連通されるようになっている。
さらに、第1突出部材341、及び、第2突出部材342の内側空間の上下幅は、遊技球の直径の2倍よりも長く、第1突出部材341、及び、第2突出部材342の内側空間の下縁部は、後方に向けて下方傾斜している(後方に向けて下方傾斜するリブが設けられている)。そして、第1突出部材341、及び、第2突出部材342は、遊技盤30の後面側の第1案内通路334、及び、第2案内通路335から遊技盤30の前面側に導出された遊技球を受入れるとともに、当該受入れた遊技球を、遊技球の直径以上の距離を下方に移動させた後、第1入賞口332、及び、第2入賞口333へと案内するように構成されている。
また、図12に示すように、第2突出部材342(第1突出部材341も同様)には、一側部(第2突出部材342は右側面、第1突出部材341は左側面)において、遊技球が(ぎりぎり)通過可能な程度の大きさの横孔343が設けられている。このため、遊技領域を移動する遊技球が、横孔343から第1突出部材341、及び、第2突出部材342に直接入球する可能性や、第1案内通路334、及び、第2案内通路335を経由した遊技球が横孔343から第1突出部材341、及び、第2突出部材342の外に抜け出したりする可能性があるように構成されている。
振分け装置336は、前後に延びる円柱状をなし、前後方向を中心軸線方向として回転自在に設けられた軸部337と、軸部337から放射状に延び、軸部337を中心とする均等位置に配置された3枚の回転板338とを備えている。また、振分け装置336は、図10に示すように、入球部331に入球して、直上方位置から落下してくる遊技球を第1入賞口332(左側の第1通路334)へと案内する第1位置と、図11に示すように、入球部331に入球した遊技球を第2入賞口333(右側の第2通路335)へと案内する第2位置との間を変位可能に構成されている。
さらに、第1始動入賞装置33aは、第2位置から第1位置へと変位した振分け装置336の所定の回転板338に当接して、振分け装置336のそれ以上の変位を規制するとともに、第1位置から第2位置へと変位した振分け装置336のうち前記所定の回転板338とは別の回転板338に当接して、振分け装置336のそれ以上の変位を規制する回動量規制部339を備えている。
振分け装置336が第1位置にある場合、第1始動入賞装置33aの入球部331に入球した遊技球が、軸部337から左方に延びている回転板338側に案内されるとともに、当該回転板338に載った遊技球の重さにより、振分け装置336は、回動が許容されている第2位置側へと反時計回り方向に回動変位する。これにより、当該遊技球は、第1通路334へと案内され、第1入賞口332に入球するとともに、振分け装置336は自重バランスにより第2位置にて維持されるようになっている。
また、振分け装置336が第2位置にある場合、第1始動入賞装置33aの入球部331に入球した遊技球が、軸部337から右方に延びている回転板338側に案内されるとともに、当該回転板338に載った遊技球の重さにより、振分け装置336は、回動が許容されている第1位置側へと時計回り方向に回動変位する。これにより、該遊技球は、第2通路335へと案内され、第2入賞口333に入球するとともに、振分け装置336は自重バランスにより第1位置にて維持されるようになっている。
以上のような構成により、第1始動入賞装置33aに入球する遊技球は、第1入賞口332、及び、第2入賞口333に対して交互に入賞することとなる。尚、振分け装置336の具体的な構成は特に限定されるものではなく、遊技球を第1入賞口332、及び、第2入賞口333に対して交互に入球させることができるように構成されていれば、適宜設計変更可能である。例えば、回動量規制部339に磁石を埋設するとともに、当該回動量規制部339に当接し得る2枚の回転板338にそれぞれ金属などの(常)磁性体を埋設するように構成し、遊技球の重さによる振分け装置336の動作を許容しつつ、少しの振動では振分け装置336の姿勢がより確実に維持されるように構成してもよい。
尚、詳しくは後述するが、第1始動入賞装置33aには、第1入賞口332に入球した遊技球を検知する始動入球検知手段(第1入賞口検知手段)としての左始動入賞スイッチ224aと、第2入賞口333に入球した遊技球を検知する始動入球検知手段(第2入賞口検知手段)としての右始動入賞スイッチ224bとが設けられている。当該始動入賞スイッチ224a、224bにて遊技球が検知された場合には、可変入賞装置32が開放される特別遊技状態としての大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選等が行われるとともに、後述する特別表示装置43a、43b、及び、装飾図柄表示装置42にて変動表示が行われる構成となっている。そして、当否抽選にて大当たり状態に当選した場合には、大当たり状態が付与されることとなる。
第1始動入賞装置33aの下方位置には、第2始動入賞装置33bが配設されている。第2始動入賞装置33bは、遊技球が入球可能な第2始動入賞装置33bの入賞口(始動入賞口)の左右両側に隣接して、回動変位可能に設けられた一対の羽根部材37を備えている。本実施形態では、羽根部材37が上下に延びる閉位置とされている場合には、当該羽根部材37の先端部と、第2始動入賞装置33bの上方に設けられた遊技釘との間に遊技球が通過する余地がなく、第2始動入賞装置33bは、遊技球を入球させることが不可能な閉状態となっている。一方、羽根部材37が外側に開く開位置に変化することで、羽根部材37と前記遊技釘との間に遊技球が通過する隙間が確保され、第2始動入賞装置33bは、遊技球の入球が許容されるとともに、羽根部材37によって第2始動入賞装置33bの側方を移動する遊技球が第2始動入賞装置33bの始動入賞口へと案内される開状態となる。
第2始動入賞装置33bの下方位置には、可変入賞装置32が設けられている。可変入賞装置32は、遊技盤30の後方へと通じる大入賞口と、大入賞口を開閉するシャッタと、シャッタを動作させるための大入賞口ソレノイドと、大入賞口に入球した遊技球を検知するカウントスイッチ223とを備え、大入賞口ソレノイドを駆動制御し、シャッタを開閉させることで、可変入賞装置32(大入賞口)を閉状態と開状態とに切替えている。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入球できない閉状態になっており、大当たり状態の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。尚、本実施形態の可変入賞装置32の大入賞シャッタは、大入賞口の下縁部に沿って大入賞シャッタの下縁部が回動可能に軸支されており、可変入賞装置32の閉状態では、大入賞シャッタが上下に延びて大入賞口を閉塞し、大入賞シャッタの前方を遊技球が通過可能な状態となる。一方、可変入賞装置32の開状態では、大入賞シャッタが前方に回動して前後に延び(上面が後方に向けて少し下方傾斜している)、大入賞口の前方に流下してきた遊技球を大入賞シャッタの裏面(上面)で受けて大入賞口へと案内するようになっている。
遊技領域のうち可変表示装置ユニット35の左側方に位置する領域(以下、「左側方領域」と称する)、及び、可変表示装置ユニット35の右側方に位置する領域(以下、「右側方領域」と称する)には、普通始動手段及びゲート手段としてのスルーゲート34が配置されている。スルーゲート34は、遊技領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能に構成されている。詳しくは後述するが、スルーゲート34は、当該スルーゲート34を通過する遊技球を検知可能な普通始動検知手段及びゲート通過手段としてのスルーゲートスイッチ225を備えている。
また、スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検知された場合に、第2始動入賞装置33bを開状態とするか否かの入球サポート抽選が行われるとともに、普通図柄表示装置41にて当該入球サポート抽選の結果を教示するための変動表示が行われる。そして、入球サポート抽選にて当選した場合には、当該変動表示の終了後に第2始動入賞装置33bが規定時間だけ開状態とされる。
本実施形態では、当否抽選にて所定の確率で大当たりに当選する「低確率状態」と、当否抽選にて低確率状態よりも高確率で大当たりに当選する「高確率状態」とがある。さらに、第2始動入賞装置33bの羽根部材37が比較的頻繁に開放され、遊技球を第2始動入賞装置33cへ入球させ易くなる第2入球状態としての「高入球状態」と、高入球状態よりも羽根部材37が開放される時間帯が減少する第1入球状態としての「低入球状態」とがある。以下、低確率状態かつ低入球状態である状態を「通常モード」と称し、低確率状態かつ高入球状態である状態を「時間短縮モード」と称し、高確率状態かつ高入球状態である状態を「確変モード」と称する。
尚、高入球状態としては、例えば、(1)普通図柄表示装置41における変動表示時間が低入球状態時よりも短い状態、(2)第2始動入賞装置33bの一回の開放時間(規定時間)が低入球状態時に比べて長い状態、(3)第2始動入賞装置33bの一回の開放につき入球可能となる遊技球の規定個数が低入球状態時に比べて多い状態、(4)入球サポート抽選の当選一回当たりの第2始動入賞装置33bの開放回数が低入球状態時に比べて多い状態、(5)入球サポート抽選の当選確率が低入球状態時よりも高い状態とすることなどが挙げられる。本実施形態における高入球状態は、上記(1)、(2)、(4)、(5)の構成を採用している。勿論、これに限らず、「高入球状態」として、構成(1)〜(5)のいずれか1つ、又は、これら構成(1)〜(5)の任意の組合せを採用してもよい。これにより、第2始動入賞装置33bに対し遊技球が頻繁に入賞しやすくなり、当否抽選の実行される回数が増えると共に、遊技者の持ち球の減少が抑制される球持ちのよい状態となる。
さらに、本実施形態では、通常モード、及び、確変モードは、大当たり状態が発生するまで継続されるのに対し、時間短縮モードは大当たり状態が発生しなくても特別表示装置43a、43b及び装飾図柄表示装置42における変動表示が予め設定された規定回数(本例では、100回)行われると終了し、通常モードに移行する構成となっている。
また、本実施形態の大当たり種別としては、15ラウンド確変大当たり(以下「15RS」と言う)と、15ラウンド通常大当たり(以下「15RN」と言う)とがある。「15RS」、「15RN」は、可変入賞装置32が30秒間開放されること、又は、可変入賞装置32が開放されてから可変入賞装置32に8個の遊技球が入球することを1ラウンドとして、それが15回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。
加えて、「15RS」の大当たり状態終了後には「確変モード」が付与され、「15RN」の大当たり状態終了後には「時間短縮モード」(本例では、変動表示100回分)が付与される。
さて、図4に示すように、本実施形態では、遊技領域のうち可変表示装置ユニット35の左側方、及び、右側方に位置した遊技球を第1始動入賞装置33aの近傍位置にまで案内する球案内手段としての球案内装置401が設けられている。球案内装置401は、遊技領域の左側方領域を移動する遊技球が入球可能な第1入口部402、及び、右側方領域を移動する遊技球が入球可能な第2入口部403と、第1入口部402、及び、第2入口部403よりも下方に位置するとともに、第1始動入賞装置33aの入球部331の直上方に設けられた出口部404と、第1入口部402、及び、第2入口部403に入球した遊技球を出口部404にまで案内する第1案内通路405、及び、第2案内通路406とを備えている。本実施形態では、第1入口部402、及び、第2入口部403は、左右一対で設けられたスルーゲート34の各下方位置に設けられている。
第1案内通路405、及び、第2案内通路406は、透明な遊技盤30の後面側(本例では、遊技盤30の後面の後方)に設けられており、第1入口部402、及び、第2入口部403に入球した遊技球は、遊技盤30の後面側に案内される。さらに、第1案内通路405、及び、第2案内通路406は、可変表示装置ユニット35の下縁部に沿って、可変表示装置ユニット35の横幅方向中央部側に向けて下方傾斜して延在している。さらに、第1案内通路405、及び、第2案内通路406は、可変表示装置ユニット35の横幅方向中央の下方位置において前方に開口する出口部404の奥側の位置で合流し、そこからは、前方に向けて若干下方傾斜して延びている。そして、出口部404から導出された遊技球は、比較的高い確率(10割に近い確率)で、第1始動入賞装置33aの入球部331に入球するように構成されている。
尚、第1始動入賞装置33aには、球案内装置401を通過していない遊技球についても入球可能に構成されている。本実施形態では、遊技領域のうち第1入口部402が設けられる左側方領域が第1ルートを構成し、第2入口部403が設けられる右側方領域が第2ルートを構成する。加えて、第1案内通路405、及び、第2案内通路406の合流部の構成に関し、出口部404から後方に延びる通路の後端部に対して、第1案内通路405、及び、第2案内通路406の一方側が接続されるとともに、出口部404から後方に延びる通路の中間位置に対して、第1案内通路405、及び、第2案内通路406の他方側が接続されるよう構成してもよい。この場合、第1案内通路405、及び、第2案内通路406における遊技球の逆流や遊技球同士の干渉等を抑止することができる。
また、第1入口部402、及び、第2入口部403の左右両側に隣接して、第1開閉手段としての第1開閉部材407、及び、第2開閉手段としての第2開閉部材408が設けられている。第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408は、上下に延びる閉位置と、側方に開く開位置との間を変位可能に構成されている。第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408が閉位置とされることで、第1入口部402、及び、第2入口部403と、その上方に位置するスルーゲート34との間に遊技球が通過する余地がなくなる。これにより、第1入口部402、及び、第2入口部403は、その直上に位置するスルーゲート34を通過した遊技球のみが入球可能な閉状態とされる。また、第1入口部402、及び、第2入口部403(第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408)と、その直上のスルーゲート34との間には、遊技釘等は設けられておらず、スルーゲート34を通過した遊技球は、必ずその直下の第1入口部402、及び、第2入口部403に入球するように構成されている。
その一方で、第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408が開位置とされることで、第1入口部402、及び、第2入口部403と、その上方に位置するスルーゲート34との間に遊技球が通過する余地が形成される。これにより、第1入口部402、及び、第2入口部403は、スルーゲート34を通過せずにその側方を通過した遊技球についても、開位置とされた第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408の上面に案内されて、第1入口部402、及び、第2入口部403に入球可能となる開状態とされる。
尚、スルーゲート34と、第1入口部402、及び、第2入口部403との相対位置関係については限定されるものではなく、第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408が閉位置にあっても、スルーゲート34を通過していない遊技球が第1入口部402、及び、第2入口部403に入球し得るように構成してもよい。
本実施形態では、第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408は、電気的に駆動制御されるモータやソレノイド等によって開閉されるのではなく、遊技領域を移動する遊技球に連動して開閉されるようになっている。より具体的には、閉状態にある第1入口部402に対し第1規定数(本例では1個)の遊技球が入球した場合に、当該第1規定数個目の遊技球に連動して、第2開閉部材408を開位置とさせる第2開放連動装置411(第2開放連動手段)と、開状態とされた第2入口部403に第2規定数(本例では1個)の遊技球が入球した場合に、当該第2規定数個目の遊技球に連動して、第2開閉部材408を閉位置とさせる第2閉鎖連動装置412(第2閉鎖連動手段)とが設けられている。さらに、閉状態にある第2入口部403に第3規定数(本例では1個)の遊技球が入球した場合に、当該第3規定数個目の遊技球に連動して、第1開閉部材407を開位置とさせる第1開放連動装置413(第1開放連動手段)と、開状態とされた第1入口部402に第4規定数(本例では1個)の遊技球が入球した場合に、当該第4規定数個目の遊技球に連動して、第1開閉部材407を閉位置とさせる第1閉鎖連動装置414(第1閉鎖連動手段)とが設けられている。
また、便宜上、図示は省略するが、本実施形態では、第1開閉部材407を閉位置で維持(ロック)することのできる第1ロック部材が設けられており、第1ロック部材のロック状態が解除された場合に、第1開閉部材407が自重により開位置に変位するように構成されている。さらに、第2開閉部材408を閉位置で維持(ロック)することのできる第2ロック部材が設けられており、第2ロック部材のロック状態が解除された場合に、第2開閉部材408が自重により開位置に変位するように構成されている。
上記した第1開放連動装置413は、閉状態にある第2入口部403に遊技球が入球した場合に、当該遊技球に連動させて、第1ロック部材のロック状態を解除させる機構である。また、第2開放連動装置411は、閉状態にある第1入口部402に遊技球が入球した場合に、当該遊技球に連動させて、第2ロック部材のロック状態を解除させる機構である。
さらに、第1閉鎖連動装置414は、開状態にある第1入口部402に遊技球が入球した場合に、当該遊技球に連動させて、第1ロック部材をロック状態(第1開閉部材407が閉位置とされた場合に当該第1開閉部材407を閉位置で維持することができる状態)とさせ、かつ、第1開閉部材407を閉位置に変位させる機構である。加えて、第2閉鎖連動装置412は、開状態にある第2入口部403に遊技球が入球した場合に、当該遊技球に連動させて、第2ロック部材をロック状態(第2開閉部材408が閉位置とされた場合に当該第2開閉部材408を閉位置で維持することができる状態)とさせ、かつ、第2開閉部材408を閉位置に変位させる機構である。
また、第1開放連動装置413、第1閉鎖連動装置414、第2開放連動装置411、及び、第2閉鎖連動装置412のうち、第1入口部402、及び、第2入口部403に入球した遊技球に接触する部位については第1案内通路405、及び、第2案内通路406に設けられており、前方から視認可能に構成されている。さらに、第1入口部402、及び、第2入口部403に入球した遊技球は、第1開放連動装置413、第1閉鎖連動装置414、第2開放連動装置411、及び、第2閉鎖連動装置412との連動を終えた後、第1案内通路405、及び、第2案内通路406の下流側(出口部404側)に案内されるようになっている。つまり、第1開放連動装置413、第1閉鎖連動装置414、第2開放連動装置411、及び、第2閉鎖連動装置412は、遊技領域を移動する遊技球(各種入賞口、或いは、アウト口36に入球する可能性のある遊技球)と連動するように構成されている。
尚、球案内装置401の第1案内通路405、及び、第2案内通路406は、可変表示装置ユニット35の下方に設けられているのに対し、第1開放連動装置413、及び、第2開放連動装置411は、可変表示装置ユニット35の上部(後述する装飾図柄表示装置42の上方)を介して設けられている。また、上記のように、本実施形態の遊技盤30は透明であることから、遊技盤30を介して、第1開放連動装置413、第1閉鎖連動装置414、第2開放連動装置411、及び、第2閉鎖連動装置412の動作を視認可能に構成されている。これにより、第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408が、電気的に開閉されているのではなく、機械的に開閉されていることを把握し易くなっている。
さらに、第1入口部402には、遊技球が第1入口部402に入球したことを検知する入球検知手段(第1入球検知手段)としての第1入球検知スイッチ415が設けられ、第2入口部403には、遊技球が第2入口部403に入球したことを検知する入球検知手段(第2入球検知手段)としての第2入球検知スイッチ416が設けられている。本実施形態の入球検知スイッチ415、416は、主制御装置261と電気的に接続されている。
また、第1入口部402には、閉位置にある第1開閉部材407を検知可能な開位置検知手段(第1開位置検知手段)としての第1開位置検知センサ417が設けられ、第2入口部403には、閉位置にある第2開閉部材408を検知可能な開位置検知手段(第2開位置検知手段)としての第2開位置検知センサ418が設けられている。本実施形態の開位置検知センサ417、418は、主制御装置261と電気的に接続されている。そして、主制御装置261は、開位置検知センサ417、418により、第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408が検知されていない場合に、第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408が開位置にあるものとして把握することができる。
加えて、第1案内通路405、及び、第2案内通路406の合流後の部位に対し、出口検知スイッチ419が設けられている。出口検知スイッチ419についても主制御装置261と電気的に接続されている。
本実施形態では、主制御装置261は、周期的に、第1入球検知スイッチ415、第2入球検知スイッチ416、出口検知スイッチ419、第1開位置検知センサ417及び第2開位置検知センサ418の検知情報があるか否かを確認し、必要に応じて検知情報を記憶している。そして、第1開位置検知センサ417の検知が行われなくなった場合、すなわち、第1開閉部材407が開位置とされた場合には、第2入球検知スイッチ416の検知情報があるか否かを判別する。そこで否定判別された場合には、エラー表示ランプ104を点灯させ、エラー報知音を発生させ、外部端子板240を介してホールコンピュータ等に対応する信号を出力する報知処理が行われるように構成されている。
さらに、第2開位置検知センサ418の検知が行われなくなった場合、すなわち、第2開閉部材408が開位置とされた場合には、第1入球検知スイッチ415の検知情報があるか否かを判別する。そこで否定判別された場合には、エラー表示ランプ104を点灯させ、エラー報知音を発生させ、外部端子板240を介してホールコンピュータ等に対応する信号を出力する報知処理が行われるように構成されている。
加えて、図示は省略するが、第1入口部402には、第1発光手段が内蔵され、第1開閉部材407(左右一対の羽根状部材)には、第1羽根発光手段が内蔵されている。さらに、第2入口部403には、第2発光手段が内蔵され、第2開閉部材408には、第2羽根発光手段が内蔵されている。本実施形態では、第1入球検知スイッチ415の検知が行われた場合に第1発光手段が発光状態とされ、第2入球検知スイッチ416の検知が行われた場合に第2発光手段が発光状態とされ、出口検知スイッチ419の検知が行われた場合に第1発光手段及び第2発光手段が非発光状態とされる。
尚、第1入球検知スイッチ415、第2入球検知スイッチ416、及び、出口検知スイッチ419の検知情報に基づいて、第1案内通路405、及び、第2案内通路406において遊技球が残存している状態を把握可能に構成してもよい。さらに、第1入球検知スイッチ415、第2入球検知スイッチ416、及び、出口検知スイッチ419の検知情報に基づいて、遊技球が残存していると判別される状態では、対応する第1発光手段及び第2発光手段の発光状態が維持され、入球検知スイッチ415、416の検知が最後に行われてから規定時間が経過しても遊技球が残存していると判別される場合に、球詰りエラー処理が実行されるように構成してもよい。
また、第1開位置検知センサ417の検知が行われなくなった場合に第1羽根発光手段が発光状態とされ、第1開位置検知センサ417の検知が行われている場合に第1羽根発光手段が非発光状態とされる。さらに、第2開位置検知センサ418の検知が行われなくなった場合に第2羽根発光手段が発光状態とされ、第2開位置検知センサ418の検知が行われている場合に第2羽根発光手段が非発光状態とされる。
尚、第1入球検知スイッチ415の検知が行われた場合に、第2開閉部材408の第2羽根発光手段が発光状態とされるとともに、第1開閉部材407の第1羽根発光手段が非発光状態とされ、第2入球検知スイッチ416の検知が行われた場合に、第1開閉部材407の第1羽根発光手段が発光状態とされるとともに、第2開閉部材408の第2羽根発光手段が非発光状態とされるように構成してもよい。
また、略楕円形状の遊技領域の右上部に隣接して、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球を契機として行われる当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われる特別表示手段としての第1特別表示装置43aと、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球を契機として行われる当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われる特別表示手段としての第2特別表示装置43bと、特別表示装置43a、43bにおける変動表示中に始動入賞装置33a、33bへの遊技球の入球があった場合に、当該入球に対応する変動表示を保留記憶したことを示す保留表示手段としての第1保留表示装置46a及び第2保留表示装置46bと、スルーゲート34への遊技球の通過に基づいて行われる入球サポート抽選の結果を教示するための変動表示が行われる普通表示手段としての普通図柄表示装置41と、普通図柄表示装置41における変動表示中にスルーゲート34への遊技球の通過があった場合に、当該通過に対応する変動表示を保留記憶したことを示す普通保留表示装置44とが、パチンコ機10の前方から視認可能に設けられている。本実施形態では、第1特別表示装置43a、第2特別表示装置43b、第1保留表示装置46a、第2保留表示装置46b、普通図柄表示装置41、及び、普通保留表示装置44は、後述する主制御手段としての主制御装置261により直接的に表示制御される。
第1特別表示装置43aは、4個のLED(第1特図ランプ)により構成されている。そして、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球を契機として、第1特別表示装置43aにて第1特図ランプの切替表示(変動表示)が行われる構成となっている。
第2特別表示装置43bは、4個のLED(第2特図ランプ)により構成されている。そして、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球を契機として第2特別表示装置43bにて第2特図ランプの切替表示(変動表示)が行われる構成となっている。
また、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにて変動表示が所定時間行われた後、当否抽選の結果に基づいて、変動表示が停止されることとなる。つまり、変動表示が停止したときの点灯態様(点灯している特図ランプの組合わせ)と、当否抽選の各種結果とが対応付けられており、変動表示が停止したときの点灯態様により、当否抽選の結果、すなわち、「大当たり」、又は、「外れ」であることが確定的に表示されるようになっている。
さらに、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにおいては、停止させる点灯態様(停止態様)によって、大当たり種別、すなわち、「15RS」、及び、「15RN」のどちらであるかについても教示される。また、各種大当たり種別や外れであることをそれぞれ教示する第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bの停止態様は1つではなく複数存在し、それらのいずれかが選択されて停止表示される。
尚、本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球を契機として行われる当否抽選、及び、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球を契機として行われる当否抽選のどちらでも、当否抽選の当選確率、及び、当選した場合の大当たり種別(本例では、「15RS」、及び、「15RN」)の振分けの割合が同じとなっている。
また、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにおける停止表示は規定時間維持されるように構成されており、規定時間経過後(変動インターバル後)に次の変動表示を開始可能に構成されている。さらに、第1特別表示装置43a又は第2特別表示装置43bにおける停止表示後、規定時間が経過しても、次の変動表示が行われない場合には、当該第1特別表示装置43a又は第2特別表示装置43bにおいて、当否抽選の結果を示す点灯態様から、変動表示が行われていない待機状態であることを示す点灯態様へと切替えられるように構成されている。尚、当否抽選の結果を示す点灯態様がそのまま維持される構成としてもよい。
第1保留表示装置46a及び第2保留表示装置46bは、それぞれ2個のLED(第1保留ランプ、第2保留ランプ)によって構成されている。本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第1変動表示」と称する)を4回分まで保留記憶可能に構成されている。さらに、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第2変動表示」と称する)についても4回分まで保留記憶可能に構成されている。
また、例えば、第1変動表示が1回分保留されている場合には、左側(遊技領域内周側)の第1保留ランプが点灯し、第1変動表示が2回分保留されている場合には、左右の第1保留ランプが点灯し、第1変動表示が3回分保留されている場合には、左側の第1保留ランプが点滅するとともに、右側の第1保留ランプが点灯し、第1変動表示が4回分保留されている場合には、左右の第1保留ランプが点滅する。尚、大当たり状態中に新たに遊技球が始動入賞装置33a、33bに入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。また、保留表示装置46a,46bの第1保留ランプ及び第2保留ランプの態様が保留表示に相当する。
本実施形態では、保留された変動表示は、保留された順番で消化されるようになっている。特に、本実施形態では、入球部331に入球した遊技球を第1入賞口332及び第1入賞口333に交互に入賞させる第1始動入賞装置33bにより、通常モードにおいては、基本的に、第1変動表示、及び、第2変動表示が交互に保留記憶され、交互に実行(消化)されるようになっている。
また、本実施形態では、始動入賞装置33a、33bへの遊技球の入球に基づいて行われる変動表示が保留されていること(変動表示を実行させる権利を得ていること)が、装飾図柄表示装置42においても教示されるようになっている。例えば、装飾図柄表示装置42の下部において、変動表示が保留記憶されていることを示す保留アイコンが表示されるようになっている。本実施形態では、保留アイコンが演出保留表示に相当し、保留アイコンが表示される装飾図柄表示装置42が演出保留表示手段を構成する。
普通図柄表示装置41は、2個のLED(普図ランプ)により構成されている。そして、普通図柄表示装置41では、スルーゲート34への遊技球の通過を契機として、例えば、右側(遊技領域外周側)の普図ランプが点滅表示される(変動表示される)構成となっている。また、普通図柄表示装置41にて変動表示が所定時間行われた後、入球サポート抽選の結果に基づいて、変動表示を停止させる。つまり、変動表示が停止したときの点灯態様(点灯している普図ランプの組合わせ)と、入球サポート抽選の各種結果とが対応付けられており、変動表示が停止したときの点灯態様により、入球サポート抽選の結果が確定的に表示される。例えば、左右の普図ランプを両方とも点灯させることで「当選」を示し、左側の普図ランプのみを点灯させることで「外れ」を示す。
普通保留表示装置44は、2個のLED(普通保留ランプ)により構成されている。本実施形態では、スルーゲート34への遊技球の通過に基づいて行われる普通図柄表示装置41の変動表示を4回分まで保留記憶可能に構成されている。例えば、普通図柄表示装置41の変動表示が1回分保留されている場合には、左側(遊技領域内周側)の普通保留ランプが点灯し、2回分保留されている場合には、左右の普通保留ランプが点灯し、3回分保留されている場合には、左側の普通保留ランプが点滅するとともに、右側の普通保留ランプが点灯し、4回分保留されている場合には、左右の普通保留ランプが点滅する。尚、大当たり状態中に新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合、その分の変動表示についても保留される。
また、可変表示装置ユニット35には、液晶表示装置によって構成され、装飾図柄を表示可能な演出表示手段としての装飾図柄表示装置42が設けられている。装飾図柄表示装置42は、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bによる変動表示に合わせて装飾図柄を変動表示させるように構成されている。さらに、装飾図柄表示装置42は、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、当該決定に基づき、表示制御装置45によって表示が行われる。
装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中、下の3つの図柄表示領域(上図柄表示領域、中図柄表示領域、下図柄表示領域)が設けられ、各図柄表示領域において複数種類の装飾図柄(例えば1〜9の数字が付された数字図柄)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)装飾図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて大当たり状態の発生が確定すると、第1又は第2特別表示装置43a、43bにて大当たりに対応する表示がなされるとともに、装飾図柄表示装置42にて装飾図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(例えば、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域において所定の有効ライン上に同一の装飾図柄が並ぶようにして停止表示され)、大当たり状態が開始される。
また、装飾図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において同一の装飾図柄が所定の有効ライン上に停止表示されることとなる。このように上図柄表示領域及び下図柄表示領域にて所定の有効ライン上に同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。勿論、リーチ状態が発生したからといって必ずしも大当たりとなるわけではなく、外れる場合もある。
本実施形態では、リーチ状態が発生した後、中図柄表示領域において、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において停止表示された装飾図柄(リーチ図柄)と同じ装飾図柄が同じ有効ライン上に停止表示された場合(ゾロ目が停止表示された場合)に、大当たり状態が付与される。また、奇数のゾロ目の場合には、「15RS」が発生し、偶数のゾロ目の場合には、「15RS」、又は、「15RN」のどちらかが発生する。
尚、本実施形態では、滞在している遊技モードを教示又は示唆する演出として、装飾図柄表示装置42において(背景等が異なる)複数の演出ステージが用意されている。より具体的には、確変モードに滞在していることが確定する「確変ステージ」と、通常モードに滞在していることが確定する「通常ステージ」と、時間短縮モードに滞在している「引き戻しステージ」とがある。つまり、「15RS」に当選した場合には、その大当たり状態終了後に「確変ステージ」に移行する。また、「15RN」に当選した場合には、その大当たり状態終了後に「引き戻しステージ」に移行し、さらに、引き戻しステージにおいて変動表示が100回行われた場合には、「通常ステージ」に移行する。
また、本実施形態では、始動入賞装置33a、33bへの遊技球の入球に基づいて行われる変動表示が保留されていること(変動表示を実行させる権利を得ていること)が、装飾図柄表示装置42においても教示されるようになっている。
左側方領域及び右側方領域の下部には、遊技領域の周縁部に沿って一般入賞装置31が配設されている。一般入賞装置31は、遊技盤30の前面部から前方へ突出し、その上側に遊技球が常時入賞可能な入賞口が開口している。
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール構成部52の略先端部(図4の右上部)には、返しゴム54が取着されている。所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻されることとなる。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が、戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
さて、図4、図13、図14に示すように、本実施形態では、透明な遊技盤30の後面に対し、シート状の視認態様具備手段としての情報シール431が貼着されており、遊技盤30の前面側から情報シール431に付された情報部432を視認可能に構成されている。本実施形態の情報部432は、パチンコ機10のスペックの情報(所定の大当たり確率となるバージョンであることを示す情報)を有している。
また、本実施形態では、樹脂で構成された遊技盤30に対し遊技釘451を(遊技盤30の破損なく)取付けるべく、遊技盤30のうち遊技釘451の設置位置に対して前後に貫通する下孔452が設けられている。
さらに、本実施形態では、情報シール431は、遊技釘451が設けられる範囲に貼着されている。また、図14に示すように、情報シール431のうち、下孔452に対応する部位である下孔対応部位433(下孔452の内周側に位置する範囲の部位)には、情報シール431を貫通する切込み部434が設けられている。
図15に示すように、切込み部434は、第1切込み部435と、第1切込み部435に対して十字に交差する第2切込み部436とを備えている。第1切込み部435と、第2切込み部436との交差点は、下孔452の中心に対応して設けられている。さらに、第1切込み部435、及び、第2切込み部436の各端部は、下孔対応部位433よりも外周側に位置し、第1切込み部435、及び、第2切込み部436の端部同士を結ぶ仮想の直線X(図15の2点鎖線)により、下孔452(下孔対応部位433)の外周を囲むことができるように構成されている。
図13に示すように、情報シール431は、透明なポリプロピレンによりなるシート状のベース437と、ベース437の後面側に設けられ、情報部432を構成する印刷層438とを備え、弾性変形可能に構成されている(ベース部437が遊技盤30の構成材料よりも高い弾性を有する材料で構成されている)。尚、図13では、便宜上、ベース437、印刷層438、及び、後述する接着層439の厚みを実際よりも厚く図示している。
また、本実施形態の遊技盤30は、遊技盤30の後面に情報シール431が貼着された後、遊技釘451等の各種遊技部材が取付けられるように構成されている。さらに、遊技釘451の外径は、下孔452の内径と同じ、又は、若干大きく構成されている。このため、後側が情報シール431で閉鎖された下孔452に対して遊技釘451を取付ける場合には、下孔452の空気を遊技盤30の後面側に逃がす(後方に抜く)必要がある。
この点、本実施形態では、遊技釘451の取付けに際して、情報シール431の下孔対応部位433が下孔452の空気に押されて後方に開くようにして変位するようになっている。つまり、下孔対応部位433において、下孔452の空気を逃がす開口が形成されるようになっている。また、下孔452の空気が抜けた後は、下孔対応部位433(下孔対応部位433に十字の切込み部434が形成されることで構成された略三角形状の4つの可動片433a)は、自身の弾性力により、前記開口を閉塞するようにして元の形状に戻るようになっている。尚、切込み部434としては、下孔対応部位433の可動片433aが同一平面上にある場合に(ほぼ)隙間がなくなる(可動片433aの端縁同士が合わさる)ようなものを意図している。
さらに、本実施形態では、後側が情報シール431で閉鎖された下孔452に取付けられている遊技釘451が折れてしまった場合、後側が開口している下孔452に取付けられている遊技釘451と同様にして、折れてしまった遊技釘451を遊技盤30の後面側に抜いて(新たに取付けられる遊技釘451によって後方に押し出して)除去するようになっている。当該遊技釘451の交換に際しても、下孔対応部位433は、折れた遊技釘451に押されて後方に開くようにして変位し、下孔対応部位433には、折れた遊技釘451を挿通させる開口が形成されるようになっている。また、折れた遊技釘451が抜けた後は、下孔対応部位433は、自身の弾性力により、前記開口を閉塞するようにして、元の形状に戻るようになっている。
尚、情報シール431の外周縁を跨ぐようにして存在する下孔対応部位433に関して、例えば、下孔対応部位433の面積がその他の下孔対応部位433の半分以下の場合には切込み部434を1本とし、半分を超える場合には切込み部を2本とするように構成してもよい。ちなみに、切込み部434を形成しなくても、下孔対応部位433と遊技盤30との間の空気は、情報シール431の外周縁から側方に比較的容易に抜くことが可能であるが、遊技釘451を後方に抜き取る場合に、情報シール431が破損するおそれがあるため、下孔対応部位433には切込み部434を形成することが望ましい。
また、図13に示すように、情報シール431が遊技盤30に貼着される際に、情報シール431(ベース437)の前面と遊技盤30の後面との間に接着層439が設けられる。図15に示すように、本実施形態の情報シール431の前面(接着面)には、遊技盤30との間に接着層439が形成される接着領域441と、遊技盤30との間に接着層439が形成されない非接着領域442とが設けられている。本実施形態では、下孔対応部位433を含み、上記仮想直線Xで囲まれた範囲を囲む円形の範囲の内側は非接着領域442とされ、さらに、当該非接着領域442は接着領域441で囲まれるように構成されている。
図3に示すように、前面枠14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の下払出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73とを備えている。
さらに、上皿19と、球送り装置63との間を連通させ、上皿19に貯留された遊技球を球送り装置63へと案内する発射球通路74が設けられている。尚、発射球通路74(上皿19の下流部でも可)には、下皿連通路71と連通する連通孔(図示略)が形成されるとともに、当該連通孔を開閉させる上皿シャッタ(図示略)が設けられている。上皿シャッタは、図示しない付勢手段によって常には連通孔を閉鎖する閉位置側へと付勢されている。さらに、上皿シャッタは、球抜きボタン123と連動し、球抜きボタン123が押圧操作された場合には、連通孔を開口させる開位置へと変位するように構成されている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側に設けられた発射レール61とレール50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、前面枠14の球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
また、図2に示すように、下皿15には、下皿15に貯留されている遊技球をパチンコ機10の外部へと排出可能な排出口15aが形成されるとともに、当該排出口15aを開閉させる下皿シャッタ15bが設けられている。下皿シャッタ15bは、図示しない付勢手段によって常には排出口15aを閉鎖する閉位置側へと付勢されている。さらに、下皿シャッタ15bは、球抜きレバー25と連動するように構成されており(例えば、連結、又は、一体形成されており)、球抜きレバー25が(左側へ)押圧操作された場合には、排出口15aを開口させる開位置へと変位するように構成されている。
加えて、下皿15は、下皿シャッタ15bを開位置において保持可能な保持手段(図示略)を備え、遊技者が球抜きレバー25を押圧操作し続けなくても、排出口15aを開状態で維持することができる。尚、保持手段としては、例えば、球抜きレバー25を開位置側へ一杯まで押圧操作することで、球抜きレバー25及び下皿シャッタ15b側の所定部位と係止状態とされ、該係止状態から、再度、球抜きレバー25を開位置側へ一杯まで押圧操作することで、前記係止状態が解除されるような構成が挙げられる。
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、装飾図柄表示装置42における表示や音声等を用いて下皿15が満杯であることを教示するエラー報知の制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)エラー報知の状態が解除される。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞装置31、可変入賞装置32及び始動入賞装置33等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、遊技盤30には、一般入賞装置31等の各種入賞口に対応して、当該各種入賞口へ入球した遊技球を検知する入球検知スイッチが設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞装置31に対応する位置には一般入賞スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32には、カウントスイッチ223が設けられている。また、第1始動入賞装置33a、及び、第2始動入賞装置33bには、左始動入賞スイッチ224a、右始動入賞スイッチ224b、及び、第2始動入賞スイッチ224cが設けられている。さらに、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲートスイッチ225が設けられている。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、一般入賞スイッチ221、カウントスイッチ223、及びスルーゲートスイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、一般入賞スイッチ221等と、主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。これに対し、第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
各種入球検知スイッチにて各々検知された検知結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225により検知された場合を除く)。
この他、図示は省略するが、遊技盤30の裏面には、可変入賞装置32の大入賞口を開放する大入賞口用ソレノイドや、第2始動入賞装置33bの羽根部材37を開閉させるソレノイド等が設けられている。さらに、裏枠セット215には、これらソレノイドやモータと主制御装置261とを中継する第2盤面中継基板(図示略)も設けられている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部端子板240が設けられている。
外部端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や確変モード等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91、92によって検知される前面枠14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、タンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、一般入賞装置31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、電源・発射制御装置310、払出制御装置311、及び、CRユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。電源・発射制御装置310は、発射制御回路312と、電源回路313とを備え、基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(電源・発射制御装置310)の背面側に固定されている。払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、CRユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(電源・発射制御装置310)の背面側に固定されている。なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源回路313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠14の閉鎖時において検知部が前面枠14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御手段としての主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても、電源回路313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、第1及び第2特別表示装置43a、43b、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43a、43b、及び普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、一般入賞スイッチ221、カウントスイッチ223、始動入賞スイッチ224a,224b、224c、スルーゲートスイッチ225、入球検知スイッチ415、416、及び、開位置検知センサ417、418等の各種検知スイッチや、電源・発射制御装置310、払出制御装置311、サブ制御装置262等の各種基板や、保留表示装置46a、46b、普通保留表示装置44、可変入賞装置32を開閉させるためのソレノイド、第2始動入賞装置33b(羽根部材37)を開閉させるためのモータ等の各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御手段としてのサブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、演出ボタン125、十字ボタン126、環状電飾部102、及び、エラー表示ランプ104等が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する第1及び第2特別表示装置43a、43bにて大当たりに当選したことを教示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、特別表示装置43a、43bにおける特別図柄の変動表示に合わせて、演出変動表示として装飾図柄の変動表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源回路313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、電源・発射制御装置310(発射制御回路312)、払出装置358、CRユニット接続基板314等がそれぞれ接続されている。
CRユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(貸出スイッチ121及び返却スイッチ122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるCRユニット(カードリーダーユニット、球貸しユニット)のCRユニット制御装置と、払出制御装置311とにそれぞれ電気的に接続されている。
尚、貸出スイッチ121、返却スイッチ122、及び、残高表示部124は、パチンコ機10に搭載されているものの、CRユニットによる遊技球の貸出操作に関する構成であることから、実質的にCRユニットに含まれるものである。また、CRユニット接続基板314についても、パチンコ機10に搭載されているものの、CRユニット制御装置と、貸出スイッチ121、返却スイッチ122、及び、残高表示部124との間や、CRユニット制御装置と、払出制御装置311との間を電気的に接続するものであることから、実質的にはCRユニットに含まれるものである。
そして、遊技者による貸球操作部、又は、CRユニットの本体に設けられたボタンへの球貸し操作に関する情報がCRユニット制御装置に入力され、かつ、CRユニットに挿入されている記録媒体(遊技価値媒体)であるカードに遊技価値の残高が記憶されている場合には、カードの残高が減算されるとともに、減算に対応する数の遊技球の貸出要求信号が払出制御装置311に出力される。なお、CRユニットの記録媒体は、カードタイプに限定されず、コインタイプやスティックタイプのものであってもよい。
また、払出制御装置311は、CRユニット接続基板314と、CRユニットとが電気的に接続されていることを示すCRユニット接続信号を電源・発射制御装置310の発射制御回路312に対して定期的(例えば、2msec毎)に出力するように構成されている。
電源・発射制御装置310の発射制御回路312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものである。発射制御回路312には、ハンドル18、払出制御装置311、主制御装置261が電気的に接続されている。また、発射制御回路312は、ハンドル18から、ハンドル18(回転操作体18a)の回動操作量(回転角度)を示す可変抵抗器からのダイヤル位置信号と、遊技者がハンドル18をタッチしていることを示すタッチセンサからのタッチ信号と、遊技者がストップレバー18bを操作していないことを示す発射スイッチ信号とを入力可能に構成されている。さらに、発射制御回路312は、払出制御装置311から、CRユニット接続基板314と、CRユニットとが電気的に接続されていることを示すCRユニット接続信号を入力可能に構成されている。
そして、発射制御回路312は、タッチ信号、発射スイッチ信号、及び、CRユニット接続信号が入力されていることを条件に、発射状態信号を主制御装置261に出力し、主制御装置261では、発射状態信号が入力されていることを条件に、発射許可信号、及び、球送り信号を発射制御回路312に出力する。主制御装置261は、発射状態信号が入力されている状態において、0.6秒間隔で、発射許可信号が出力されるようになっている。
また、発射制御回路312は、球送り信号が入力された場合に、球送り装置63を駆動させ、遊技球を発射位置に送るように構成されている。尚、球送り装置63に設けられ、発射位置に遊技球が存在するか否かを検知可能な準備球検知センサを設け、当該準備球検知センサによって発射位置に既に遊技球が存在すると検知される状態においては、球送り装置63を駆動させない(球送り信号を受信しても、遊技球を発射位置に送らない)ように構成してもよい。
さらに、発射制御回路312は、タッチ信号、発射スイッチ信号、CRユニット接続信号、(ダイヤル位置信号、)及び、発射許可信号が入力されていることを条件に、発射装置60(発射ソレノイド)を駆動させるように構成されている。これにより、発射位置にセットされた遊技球が、発射装置60により、ダイヤル位置信号に基づく強さで打ち出されるようになっている。
また、電源回路313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(VDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施形態では、主制御手段としての主制御装置261に設けられたCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選を行うこととしている。具体的には、図8に示すように、大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選に使用する当否乱数生成手段としての当否乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定(種別抽選)に使用する種別決定カウンタC2と、装飾図柄表示装置42においてリーチ状態を発生させるか否かの決定に使用する変動選択カウンタC3と、当否乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、第1及び第2特別表示装置43a、43b(装飾図柄表示装置42)の変動表示時間の決定等に使用する第1変動種別カウンタCS1、第2変動種別カウンタCS2と、第2始動入賞装置33bを開状態とさせるか否かの入球サポート抽選に使用する普通図柄乱数カウンタC4とを用いることとしている。なお、変動選択カウンタC3は、装飾図柄表示装置42を外れ変動させる際のリーチパターンの抽選にも使用される。また、変動種別カウンタCS1、CS2は、装飾図柄表示装置42の変動パターン選択(演出パターン選択)にも使用される。
カウンタC1、C2、C3、CINI、CS1、CS2、C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
RAM503には、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び、変動選択カウンタC3の各値が記憶される保留記憶手段としての特別変動保留エリアと、普通図柄乱数カウンタC4の値が記憶される普通変動保留エリアとが設けられている。普通変動保留エリアは、4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)と、1つの実行エリアとを備えている。普通変動保留エリアの各保留エリアには、スルーゲート34への遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタC4の値が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、普通図柄表示装置41における変動表示を4回まで保留可能としている。
また、特別変動保留エリアは、8つの保留エリア(保留第1〜保留第8エリア)と、1つの実行エリアとを備えている。特別変動保留エリアの各保留エリアには、第1始動入賞装置33a(第1入賞口332及び第2入賞口333)、及び、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び、変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。本実施形態では、第1特別表示装置43aで行われる第1変動表示、及び、第2特別表示装置43bで行われる第2変動表示をそれぞれ4回まで保留可能としている。
また、変動表示の開始に際し、特別変動保留エリアに格納されたデータ(変動情報)をシフトさせる処理が行われる。このデータシフト処理は、特別変動保留エリアの保留第1エリア〜保留第8エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各保留エリア内のデータがシフトされる。そして、特別変動保留エリアの実行エリアに記憶された変動情報に基づいて、変動表示が設定され、設定された変動表示が開始されることとなる。
尚、特別変動保留エリアの各保留エリア、及び、実行エリアがそれぞれ保留記憶手段の記憶領域を構成する。また、各保留エリア、及び、実行エリアには、記憶されている変動情報が、第1変動表示、及び、第2変動表示のどちらに対応するものであるかを示す第1変動フラグ、及び、第2変動フラグが設けられ、データシフト処理では、第1変動フラグ、及び、第2変動フラグの設定もシフトされる。
各カウンタについて詳しく説明すると、当否乱数カウンタC1は、例えば0〜890の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり890)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、当否乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が当該当否乱数カウンタC1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、当否乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜890)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、当否乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、当否乱数カウンタC1の値が当否乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、当否乱数カウンタバッファに格納されている当否乱数カウンタC1の値が、特別変動保留エリアに格納される。
また、本実施形態では、低確率状態(通常モード、時間短縮モード)であれば大当たりとなる当否乱数カウンタC1の値の数は9つで、その値は「7〜9、137〜139、207〜209」であり、高確率状態(確変モード)であれば大当たりとなる当否乱数カウンタC1の値の数は10個で、その値は「7〜10、137〜139、207〜209」である。本実施形態では、ROM502に対し、当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応するか否かの判定を行う際に参照される当選値記憶手段としての当否判定テーブルが2つ設けられており、「7〜9、137〜139、207〜209」を大当たり値として記憶した第1当否判定テーブルと、「7〜10、137〜139、207〜209」を大当たり値として記憶した第2当否判定テーブルとがある。
種別決定カウンタC2は、例えば0〜19の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり19)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。また、ROM502には、種別決定カウンタC2の値がいずれの大当たり種別に対応するかの判定を行う際に参照される種別判定テーブルが設けられている(本例では、第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bのどちらへの入球に対応する大当たりでも、大当たり種別の振分けを同じとするため、種別判定テーブルは1つ)。そして、当否抽選にて大当たりに当選した場合に、種別決定カウンタC2の値に基づいて付与される大当たり状態の種別が決定され(種別抽選が行われ)、決定された種別の大当たり状態が付与されることとなる。
尚、種別決定カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、種別決定カウンタC2の値が種別決定カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、種別決定カウンタバッファに格納されている種別決定カウンタC2の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
変動選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり238)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、変動選択カウンタC3によって、装飾図柄に関してリーチ状態が発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ状態が発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ状態が発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。本実施形態では、ROM502に対し、変動選択カウンタC3の値とリーチパターンとの対応関係を記憶しているリーチ判定テーブルが1つであるが、例えば、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球を契機として取得された変動選択カウンタC3の値に基づいて(大当たりしない場合の)リーチパターンを決定する際に参照される第1リーチ判定テーブルと、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球を契機として取得された変動選択カウンタC3の値に基づいて(大当たりしない場合の)リーチパターンを決定する際に参照される第2リーチ判定テーブルとを設けることとしてもよい。
変動選択カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、変動選択カウンタバッファに変動選択カウンタC3の値が格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、変動選択カウンタバッファに格納されている変動選択カウンタC3の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1、CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜255の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり255)に達した後、下限値である0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜31の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり31)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。加えて、特別表示装置43a、43bにおける変動表示の変動時間と、装飾図柄表示装置42における演出変動表示の大まかな変動パターン(ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のリーチパターン)とが対応付けられており、特別表示装置43a、43bの変動時間が決まれば、装飾図柄表示装置42の変動パターンも決まる(特別表示装置43a、43bにおける変動表示の変動時間に丁度収まるような装飾図柄表示装置42における変動パターンを選択させる)ようになっている。
尚、変動時間や変動パターンを決定するために使用されるカウンタ等は特に限定されるものではなく、機種毎に適宜変更可能である。例えば、第1変動種別カウンタCS1だけで装飾図柄のリーチパターンを決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄とを組合わせて装飾図柄のリーチパターンを決定したりすることも可能である。
また、変動種別カウンタCS1、CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1、CS2のバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1、CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、普通図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜232の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり232)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかのスルーゲート34を通過した時に普通図柄乱数カウンタC4の値が取得される。低入球状態の際の当選となる乱数の値の数は31であり、その範囲は「1〜31」である。一方、高入球状態の際の当選となる乱数の値の数は232であり、その範囲は「1〜232」である。つまり、本実施形態では、ROM502に対し、低入球状態での入球サポート抽選において参照される低入球時サポート判定テーブルと、高入球状態での入球サポート抽選において参照される高入球時サポート判定テーブルとが用意されている。そして、当選となる普通図柄乱数カウンタC4の値が取得された場合、普通図柄表示装置41において変動表示が所定時間行われた後(普通図柄表示装置41を構成する普図ランプが交互に点滅した後)、当選に対応する態様(点灯パターン)で停止表示され、第2始動入賞装置33bがそのときの遊技モードに応じたパターンで開放される。
以上詳述したように、本実施形態では、可変表示装置ユニット35の左右側方を移動する遊技球を第1始動入賞装置33aの近傍にまで案内する球案内装置401の第1入口部402、及び、第2入口部403に対応して第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408が設けられている。このため、第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408が開位置とされることで、遊技領域を移動する遊技球を球案内装置401の第1入口部402、及び、第2入口部403へ入球させ易くする(第1入口部402、及び、第2入口部403を開状態とする)ことができる。従って、遊技球が球案内装置401を通過する機会を確実に増やし、球案内装置401を十分に機能させることができる。つまり、第1始動入賞装置33aの実質的な入口とも言える第1入口部402、及び、第2入口部403の開口面積(受け入れ可能となる範囲の面積;第1入口部402、及び、第2入口部403が開状態にある場合の第1入口部402、及び、第2入口部403、並びに、第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408を上面視した場合の面積)を、第1始動入賞装置33aの入口(始動口)の開口面積よりも大きくすることができる。さらに、球案内装置401の入口が、第1入口部402、及び、第2入口部403の2つ設けられていることから、第1始動入賞装置33aの実質的な入口を増やし、かつ、遊技領域の第1始動入賞装置33aから離間した所期の位置に配置することが可能である。結果として、遊技球の第1始動入賞装置33aへの入球具合が偏って全く入球しない状態ができてしまう等の事態を抑制し、第1始動入賞装置33aへの入球を安定させることができる。さらに、例えば、球案内装置401の入口部が拡大されただけの構成に比べ、遊技性の向上が図られる上、遊技のバランスを遊技者に有利になり過ぎないように、その他の構成を犠牲にする(例えば、球案内装置401に入球しなかった遊技球は、いずれの入賞装置にも入球しないような調整にする)といった事態を抑制することができる。
さらに、第1入口部402に遊技球が入球することに連動して、第2開閉部材408が開位置とされ、第2入口部403に遊技球が入球することに連動して、第1開閉部材407が開位置とされるように構成されている。このため、遊技球が第1入口部402、及び、第2入口部403へ入球することの特典として、左右反対側に位置する第2開閉部材408、及び、第1開閉部材407が開位置とされるような格好となり、また、開位置とされた第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408を狙って遊技球を発射させるという遊技要素を付加することができる。特に、左側方領域を経由した遊技球に連動して(第1入口部402に遊技球が入球すると)、右側方領域の第2入口部403が開状態とされ、右側方領域を経由した遊技球に連動して(第2入口部403に遊技球が入球すると)、左側方領域の第1入口部402が開状態とされることから、遊技球を狙う位置(及び遊技者の視線)を右に左に比較的大きく動かしながら遊技を進行させることができる。従って、第1始動入賞装置33aを狙って遊技球を発射させる状況において、遊技意欲を向上させる機会を断続的に増加させることができ、遊技に際しての単調感を抑制することができる。結果として、興趣の向上を図ることができる。
加えて、本実施形態では、第1入口部402、及び、第2入口部403への入球と、第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408とを、電気的に連動させるのではなく、第1開放連動装置413、第2開放連動装置411、第1閉鎖連動装置414、及び、第2閉鎖連動装置412によって、第1入口部402、及び、第2入口部403へ入球した遊技球と、第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408とを、機械的に連動させるように構成されている。このため、開位置とされた第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408は、対応する第1入口部402、及び、第2入口部403に遊技球が入球しないと閉位置とされない。このため、遊技球を狙ったところに打ち出すといった技術が高くない遊技者であっても、(時間をかければ)開位置とされた第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408に遊技球を至らせ、対応する第1入口部402、及び、第2入口部403に入球させることができる。従って、第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408が開位置とされたものの、遊技球を第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408へ至らせることができないまま、第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408が閉位置に戻る制限時間を迎えてしまうといった事態を回避することができ、技術や知識の差で遊技の有利不利に差が開いてしまうことを抑制することができる。加えて、第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408が開位置とされた状態では、遊技者は遊技を終了し難いことから、遊技の滞在時間の増加を図ることができる。また、第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408の電気的な開閉制御を行わなくても済み、制御の簡素化等を図ることができる。
さらに、左側方領域を経由した遊技球に連動して(開状態の第1入口部402に遊技球が入球すると)、左側方領域の第1入口部402が閉状態とされ、右側方領域を経由した遊技球に連動して(開状態の第2入口部403に遊技球が入球すると)、右側方領域の第2入口部403が閉状態とされる。このため、例えば、第2入口部が開状態とされた後、第2ルートに遊技球を発射させ続ければ、第2入口部を閉状態とすることなく、開状態にある第2入口部に遊技球を入球し続けられてしまうといった事態を回避することができる。
また、遊技球が第1入口部402、及び、第2入口部403に入球しただけでは、一般的に遊技球が入賞口に入球した場合に行われる遊技球の増減に関わる処理を行わなくとも済み、構成の簡素化を図ることができるとともに、第1入口部402、及び、第2入口部403に入球しただけでは賞球が発生しないことにより、遊技バランスの調整において、第1入口部402、及び、第2入口部403に入球した遊技球が第1始動入賞装置33aにどの程度入球するのかの点を調節可能とすることができ、利便性の向上を図ることができる。
さらに、第1開閉部材407が開位置とされたことを検知可能とする第1開位置検知センサ417と、第2開閉部材408が開位置とされたことを検知可能とする第2開位置検知センサ418とを備え、第1開閉部材407が開位置とされた場合には、第1開閉部材407に内蔵された第1羽根発光手段が発光状態とされ、第2開閉部材408が開位置とされた場合には、第2開閉部材408に内蔵された第2羽根発光手段が発光状態とされるように構成されている。従って、第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408が開位置とされる(開位置とされた)ことに気付き易くすることができ、開位置とされた第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408を狙う動作を比較的素早く行うことができるようにする等、遊技の進行をアシストすることができる。
尚、上記のように、第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408は機械的に連動する構成であるため、第1入球検知スイッチ415、及び、第2入球検知スイッチ416の検知が第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408の動作の契機となるようなことはない。
加えて、本実施形態では、第1開位置検知センサ417、及び、第2開位置検知センサ418の検知情報に基づいて、第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408が開位置とされたと判別される場合に、第1入球検知スイッチ415、及び、第2入球検知スイッチ416の検知情報があるか否かが判別され、否定判別された場合に、エラー報知処理が行われるようになっている。従って、例えば、不正に第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408が開位置とされている、或いは、故障で第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408が連動しない等の事態を把握することができ、迅速な対処を行うことが可能となる。
また、本実施形態の遊技盤30は透明樹脂により構成され、球案内装置401の第1案内通路405、及び、第2案内通路406は、遊技盤30を介して前方から視認可能に構成されている。このため、球案内装置401を通過する遊技球を視認させつつ、球案内装置401や連動装置411、412、413、414によって遊技領域が分断されることを回避することができる。従って、遊技領域における各種遊技部材の配置や、球案内装置401の配置に関する自由度を向上させることができ、遊技性等の向上を図ることができる。
また、本実施形態の第1始動入賞装置33aは、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な入球部331と、遊技球が入球することで第1変動表示が保留記憶される第1入賞口332と、遊技球が入球することで第2変動表示が保留記憶される第1入賞口333を備えるとともに、入球部331に入球した遊技球を第1入賞口332、及び、第1入賞口333に交互に案内する振分け装置336とを備えている。このため、第1始動入賞装置33aの入球部331に遊技球を入球させていくだけで、遊技球を第1入賞口332及び第1入賞口333に交互に入球させることができ、第1当否関連情報(第1変動表示の変動情報)、及び、第2当否関連情報(第2変動表示の変動情報)を効率よく保留記憶させていくことができる。
さらに、上記のように、第1入口部402、及び、第2入口部403に第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408が設けられた球案内装置401により遊技球が第1始動入賞装置33a(入球部331)の近傍まで効率的に案内されることから、第1変動表示、及び、第2変動表示を効率よく保留記憶させることのできる第1始動入賞装置33aの機能を十分に発揮させることができる。従って、変動表示を比較的たくさん保留することのできる機能を備えていても、その機能を十分に発揮させることができず、興趣の低下を招くといった事態を抑止することができる。
特に、例えば、第1入口部402に入球した遊技球が左始動入賞スイッチ224aに検知される(右始動入賞スイッチ224bには検知されない)よう構成され、及び、第2入口部403に入球した遊技球が右始動入賞スイッチ224bに検知される(左始動入賞スイッチ224aには検知されない)よう構成される場合に比べ、変動表示の保留記憶が偏ってしまうといった事態を確実に回避することができ、第1始動入賞装置33aが遊技球に入球させ易くなっている構成を十分に活かすことができる。
尚、第1変動表示、及び、第2変動表示が効率よく保留記憶されている様子は、装飾図柄表示装置42において表示される保留アイコンを視認することでも分かり易く認識することができる。従って、変動表示の保留が好適に行われていることをアピールすることができる。
また、第1始動入賞装置33aには、球案内装置401を通過していない遊技球についても入球可能に構成されている。このため、例えば、遊技領域に設けられる遊技釘(例えば、第1始動入賞装置33aの入球部331の両側部に設けられる遊技釘、いわゆる命釘)の変形等により、球案内装置401経由の遊技球が第1始動入賞装置33aに入球し難くなった場合(例えば、左右一対の命釘間の距離が狭まってしまう等)、球案内装置401を経由せずに第1始動入賞装置33aに向かう遊技球についても第1始動入賞装置33aに入球し難くなる等といった影響が生じる。従って、球案内装置401を経由した遊技球が第1始動入賞装置33aに入球し難くなっていることを迅速に把握することができ、遊技者としては、不具合が生じているパチンコ機10の遊技を避ける、或いは、遊技ホール関係者に伝える等することができ、遊技ホール側としては、遊技釘を正常な姿勢に戻す等のメンテナンスを早期に行う等する(第1始動入賞装置33aに遊技球が入球し難くなっている状態が長期維持されないようにする)ことができる。
さらに、第1入口部402、及び、第2入口部403は、それぞれスルーゲート34の直下方位置に設けられているとともに、第1入口部402、及び、第2入口部403と、その直上方のスルーゲート34との間には遊技釘は設けられておらず、スルーゲート34を通過した遊技球は、第1入口部402、及び、第2入口部403に入球するようになっている。このため、第1入口部402、及び、第2入口部403付近の遊技釘の変形によって第1入口部402、及び、第2入口部403へ遊技球が入球し難くなってしまうといった事態を抑制するとともに、第1入口部402、及び、第2入口部403の保護の観点から、第1入口部402、及び、第2入口部403の直上方に遊技釘が無くても、スルーゲート34の存在により、遊技領域を勢いよく流下する遊技球の衝突を回避することができる。また、遊技釘の変形等により、スルーゲート34に遊技球を入球させ難くなっている場合、その他の遊技性(高入球状態において遊技がスムースに進行しない等)に影響が発生することから、その原因となる遊技釘の変形等を迅速に把握することができる。従って、遊技者としては、不具合が生じているパチンコ機10の遊技を避ける、或いは、遊技ホール関係者に伝える等することができ、遊技ホール側としては、遊技釘を正常な姿勢に戻す等のメンテナンスを早期に行う等する(第1入口部402、及び、第2入口部403に遊技球が入球し難くなっている状態が長期維持されないようにする)ことができる。
また、本実施形態では、情報部432を有する情報シール431が、透明な遊技盤30の後面に貼着され、前方から視認可能に構成されている。特に、本実施形態の情報シール431は、遊技釘451の下孔452が設けられた部位を含む範囲に貼着され、情報シール431のうち下孔452に対応する下孔対応部位433には、切込み部434が形成されている。このため、後部が情報シール431で閉鎖されている下孔452に対して遊技釘451を取付ける際に、遊技釘451によって後方に押し出される下孔452の空気を、切込み部434を介して比較的スムースに遊技盤30の後方に逃がすことができる。これにより、遊技釘451の取付作業に際して下孔452の空気によって情報シール431(下孔対応部位433)が後方に押圧され、情報シール431に皺ができてしまう、或いは、情報シール431が遊技盤30から浮き上がってしまう(気泡ができたり剥がれたりしてしまう)等の視認態様の悪化を招くような事態を防止することができる。従って、情報シール431の貼着範囲が遊技釘451の下孔452と重複しても、情報シール431の視認態様に関して意匠性の低下を回避することができる。結果として、情報シール431の貼着場所として、遊技釘451が設けられる範囲も対象として、前方から比較的視認し易い位置(本例では、遊技盤30の中央に近い位置)を選択することができ、情報シール431の認識率の向上、情報シール431の形状や大きさの自由度の向上等を図ることができる。
さらに、情報シール431を、欠損(下孔対応部位433に丸く孔を開ける等)や皺なく、きれいに視認させることができる。特に、本実施形態では、一部でも欠けてしまうと意味が通じなくなってしまうことの懸念される情報部432の情報を、欠けなく、読取り易く表示することができる。このため、遊技盤30の前面や後面の装飾の一部や各種情報を、遊技盤30への印刷等ではなく、情報シール431を貼着することで済ませることができる。従って、利便性の向上、及び、意匠性の向上等を図ることができる。
また、下孔対応部位433に孔を形成するような場合に比べ、情報シール431の貼着位置に僅かなずれが生じた場合であっても目立たなくすることができる。加えて、前面側に遊技釘451を設ける前段階の遊技盤30の後面に、視認態様具備手段を貼着することができるため、情報手段を貼着する際の作業性の向上を図ることができる。
さらに、情報シール431は弾性を有しており、下孔452の空気が遊技盤30の後方に抜ける際に、情報シール431の下孔対応部位433が弾性変形して隙間を形成し、比較的スムースに下孔452の空気を後方に逃がすことができ、また、下孔452の空気を逃がした後は、自らの弾性によって、前記隙間を塞ぎ、下孔452を閉塞するような姿勢に復帰することとなる。従って、例えば、下孔対応部位433が変形しない材料で構成される場合に比べて、通気(排気)性能の向上、耐久性の向上(損傷や塑性変形の防止)、及び、通常時に下孔対応部位433において隙間が形成されることの防止を図ることができる。また、例えば、情報シール431の下孔対応部位433を、弾性のない暖簾のような構成とし、下孔452の空気を遊技盤30後方に逃がした後、重力で情報シール431の下孔対応部位433が、下孔452を塞ぐような姿勢に復帰することを期待するような構成に比べ、前記復帰をより確実なもの(下孔対応部位433が復帰したときの情報シール431の形状を元の通りの形状)とし、情報シール431の視認態様を、遊技盤30の後面に面一となるような本来の視認態様に確実に戻す(情報シール431の下孔対応部位433と、その周辺部との間に段差ができること等を回避する)ことができる。さらに、パチンコ機10の振動等によって情報シール431の下孔対応部位433が不用意に変位・変形してしまうといった事態を防止することができる。
また、切込み部434は、第1切込み部435と、第1切込み部435と交差する第2切込み部436とを備えている。このため、各下孔対応部位433に設けられる切込み部434が1本だけの場合に比べ、遊技釘451の取付けに際して下孔452の空気を遊技盤30の後面側に逃がす際に、情報シール431の下孔対応部位433に比較的大きな開口部を形成することができ、下孔452の空気をよりスムースに逃がすことができる。従って、遊技釘451の取付け作業性の向上を図るとともに、遊技釘451の取付けに際して下孔452の空気に押圧されることによって情報シール431が損傷するといった事態をより確実に防止することができる。特に、第1切込み部435と、第2切込み部436とは十字に交差するとともに、第1切込み部435と、第2切込み部436との交差点が下孔452の中心に位置していることから、下孔対応部位433において、下孔452の空気を逃がす際には極力大きな開口を形成させるとともに、下孔452の空気を逃がした後は、前記開口を塞ぐ元の態様に比較的容易に復帰させることができる。
さらに、第1切込み部435、及び、第2切込み部436の各端部は、下孔対応部位433よりも外周側に位置し、第1切込み部435、及び、第2切込み部436の端部同士を結ぶ仮想の直線Xにより、下孔452の外周を囲むことができるように構成されている。このため、下孔対応部位433において、下孔452と同程度の開口を形成することが可能になる。これにより、下孔452に取付けられていて折れてしまった遊技釘451を遊技盤30の後面側に抜取ることが可能となる。すなわち、遊技盤30の後側に抜取られる遊技釘451が情報シール431に引っ掛かり、情報シール431が損傷して、情報シール431を新しく貼り直す等といった事態を回避することができる。従って、遊技釘451が折れた場合のメンテナンス性の向上を図ることができる。
また、遊技盤30の後面に貼着される情報シール431は、透明なベース437の後面側に印刷層438が形成されるように構成されている。このため、印刷層438の保護を図ることができ、例えば、折れた遊技釘451を遊技盤30の後方に抜取る際に、遊技釘451が印刷層438を削るといった事態を回避することができる。
加えて、切込み部434は、非接着領域442に設けられているため、切込み部434に接着剤が塗布されることで形成される接着層439により切込み部434が接合されてしまうといった事態を回避することができる。
さらに、下孔対応部位433は、非接着領域442に設けられているため、例えば、下孔対応部位433に接着剤が塗布されることで形成された接着層439によって下孔対応部位433が想定よりも変形し難くなってしまったり、下孔対応部位433に形成された接着層439にひびが入ったり、接着層439の厚みに斑が生じたりして意匠性の低下を招いたりしてしまう等の懸念を払拭することができる。
また、各下孔対応部位433に対応する切込み部434を囲むようにして設けられる非接着領域442は、接着領域441に囲まれるようになっている。このため、下孔対応部位433(の可動片433a)が比較的大きく変位し、切込み部434の端部が裂けるといった事態を防止することができる。さらに、各切込み部434の端部は接着領域にまで延びている。このため、切込み部434の端部が裂ける(意図しない方向に裂ける)ことを抑止することができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a;球案内装置の入口部の数)上記実施形態では、球案内装置401に第1入口部402及び第2入口部403が設けられる構成となっているが、入口部の数については特に限定されるものではなく、1つとしてもよいし、3つ以上としてもよい。例えば、第2入口部403を省略し、閉状態にある第1入口部402に遊技球が第1規定数(例えば、1個)入球することで第1開閉部材407が開位置とされて第1入口部402が開状態とされ、開状態とされた第1入口部402に遊技球が第2規定数(例えば、2個)入球することで、第1開閉部材407が閉位置とされて第1入口部402が閉状態とされるように構成してもよい。
また、例えば、球案内装置401が、第1入口部、第2入口部、及び、第3入口部を備えるとともに、各入口部に対応して、第1開閉部材、第2開閉部材、及び、第3開閉部材を備え、閉状態にある第1入口部に対し第1規定数の遊技球が入球した場合に第2開閉部材が開位置とされ、閉状態にある第2入口部に対し第2規定数の遊技球が入球した場合に第3開閉部材が開位置とされ、閉状態にある第3入口部に対し第3規定数の遊技球が入球した場合に第1開閉部材が開位置とされ、開状態にある第1入口部に対し第4規定数の遊技球が入球した場合に第1開閉部材が閉位置とされ、開状態にある第2入口部に対し第5規定数の遊技球が入球した場合に第2開閉部材が閉位置とされ、開状態にある第3入口部に対し第6規定数の遊技球が入球した場合に第3開閉部材が閉位置とされるように構成してもよい。尚、第1〜第6規定数は、それぞれ同じ数、及び、異なる数のどちらであってもよい。
尚、球案内装置401の第1案内通路405、及び、第2案内通路406は、遊技盤30の前面よりも前方に突出して設けられてもよいが、遊技球の移動可能な領域をより広く確保するべく、遊技盤30の前面よりも後方に設けられることが望ましい。また、第1案内通路405、及び、第2案内通路406を通過する遊技球は視認可能に構成されていることとする。
加えて、上記実施形態では、第1入口部402には、図示されない第1発光手段が内蔵され、第2入口部403には、図示されない第2発光手段が内蔵されているが、入口部402,403の各近傍に発光手段を設けることとしてもよいし、発光手段とは別の表示手段で入口部402,403の開閉に関する情報の教示・示唆(可動式の役物で開・閉を教示したり、ドット表示装置や液晶表示装置で開・閉の教示、或いは、開状態とされる可能性の示唆をしたり)してもよい。
(b;球案内装置の入口部、及び、出口部の配置)上記実施形態では、遊技領域のうち左側方領域に第1入口部402が設けられ、右側方領域に第2入口部403が設けられているが、例えば、左側方領域に第1入口部402及び第2入口部403が設けられてもよいし、右側方領域に第1入口部402及び第2入口部403が設けられてもよい。また、上記実施形態では、スルーゲート34の直下方に第1入口部402、及び、第2入口部403が設けられているが、第1入口部402、及び、第2入口部403をスルーゲート34から離間した位置に設けることも可能である。例えば、スルーゲート34を左右側方領域の下部に配置し、第1入口部402及び第2入口部403をスルーゲート34よりも上方位置に設けることとしてもよい。尚、右側方領域と、左側方領域とに遊技球を発射させる位置を変更する場合、その中間位置(可変表示装置ユニット35の上方)にも遊技球が落下することが考えられることから、かかる中間位置に落下した遊技球にも、開状態とされた第1入口部402、及び、第2入口部403への入球の可能性があるように構成されることが望ましい。
さらに、出口部404の位置についても特に限定されるものではなく、球案内装置401の出口部404から導出される遊技球に対し、第1始動入賞装置33aに入球する可能性が高められる軌道が付与されるように構成されていればよい。また、出口部404から導出される遊技球がどの程度の割合で第1始動入賞装置33aに入球するのかの程度については、機種毎に設定可能である。
さらに、上記実施形態では、球案内装置401に入球した遊技球は、球案内装置401を経由させずとも入球させることが可能な第1始動入賞装置33aの直上方位置に導出されるよう構成されているが、例えば、球案内装置401を経由させなければ入球が困難、又は、不可能な位置に設けられた始動入賞装置を設けることとしてもよい。
加えて、上記実施形態では、第1入口部402及び第2入口部403と、出口部404との高低差により、第1入口部402及び第2入口部403に入球した遊技球を出口部404にまで移動させることとしているが、例えば、モータ等の駆動手段により駆動される搬送手段により、第1案内通路405、及び、第2案内通路406の少なくとも一部において遊技球を第1案内通路405、及び、第2案内通路406の上流側から下流側に搬送するように構成してもよい。尚、ここで言う上流側及び下流側は高さの上下とは関係なく、例えば、搬送手段で遊技球が上方に移動させられるように構成してもよい。
また、第1入口部402及び第2入口部403(の近傍位置、閉状態にある場合でも入球可能な位置)に遊技球を案内可能なワープ手段を設けることとしてもよい。さらに、ワープ手段の入口は1箇所であり、ワープ手段の途中で分岐があり、第1入口部402及び第2入口部403のうちどちらか一方にランダムに、又は、順番に(所定の法則に従って)案内されるように構成してもよい。加えて、当該構成を採用する場合には、閉状態にある第1入口部402及び第2入口部403への入球は困難又は不可能となるように構成してもよい。
加えて、遊技球が左側方領域、及び、右側方領域のどちらを狙って打ち出されている状態なのかを把握可能なターゲット把握手段を備えることとしてもよい。例えば、左側方領域に設けられた入賞装置(スルーゲート34や第1入口部402でもよい)へ入球した遊技球を検知するスイッチによる検知が行われた場合に、左側方領域を狙った遊技球の打ち出しが行われていることとしてもよいし(勿論、当該構成を右側方領域に具現化可能)、ハンドル18の操作量や、打ち出しの強さ等に基づいて、遊技球が打ち出されている位置を把握するように構成してもよい。当該構成を採用する場合、第1入口部402及び第2入口部403のうち開状態とされている方を狙って遊技球を発射させる旨のアナウンスを行うことも可能となる。
尚、左側方領域、及び、右側方領域の他にも遊技領域を移動する遊技球の移動ルートがある場合には、かかる移動ルートを狙って遊技球が打出されている状態であることについても把握可能としてもよい。また、打出し位置のアナウンスについては、装飾図柄表示装置42での説明表示等により行うこととしてもよいし、左側方領域、及び、右側方領域のうち狙わない方に設けられた発光手段を消灯、減光してもよいし、第1入口部402、及び、第2入口部403のうち開状態とされている方に対応して設けられた発光手段や表示手段を該当する態様に変化させてもよい。さらに、例えば、遊技領域の前方に透明又は半透明の液晶表示装置、EL表示装置、又は、導光板を設け、遊技球の狙い所が教示されるような表示態様を導出可能に構成してもよい。
また、第1入口部402及び第2入口部403に入球した遊技球は、共通の出口部404から排出される構成ではあるものの、例えば、出口部が複数設けられ、第1入口部402及び第2入口部403に入球した遊技球が排出される出口部がランダムになるような構成としてもよい。
(c;開閉部材の連動のパターン)
上記実施形態では、閉状態の第1入口部402及び第2入口部403のうち一方に遊技球が1個入球することで、他方が開位置とされ、開状態とされた第1入口部402及び第2入口部403に遊技球が1個入球することで、当該開状態とされていた第1入口部402及び第2入口部403が閉状態とされるように構成されているが、開状態と閉状態とに切替える契機とされる遊技球の数や、どこに入球するとどこが開位置とされるかの対応関係についても特に限定されるものではない。つまり、基本的には、閉状態とされている入口部に第1規定数の遊技球が入球することで、閉状態とされている所定の入口部(自他いずれの入口部を対象とすることが可能)が開状態とされ、開状態とされている入口部に第2規定数の遊技球が入球することで、開状態とされている所定の入口部が閉状態とされるように構成されていればよい。
例えば、開状態とされている第1入口部402に2個の遊技球が入球した場合に第1開閉部材407が閉位置とされる(1つ目の入球で、第1閉鎖連動装置414の状態を、第1開閉部材407が閉位置とされた場合に当該第1開閉部材407を閉位置でロックすることができ、かつ、次の入球が第1開閉部材407の閉位置への移動に作用するようになるロック待機状態とし、2つ目の入球で、第1開閉部材407が閉位置に変位し、当該閉位置でロックされる)ように構成してもよい。
また、例えば、第1入口部402に第1規定数(例えば1個)の遊技球が入球した場合に、第1開閉部材407を開位置とさせる第1同側開放連動装置(第1同側開放連動手段)と、開状態とされた第1入口部402に第2規定数(例えば1個)の遊技球が入球した場合に、第1開閉部材407を閉位置とさせる第1同側閉鎖連動装置(第1同側閉鎖連動手段)、及び、第2開閉部材408を開位置とさせる第2反対側開放連動装置(第2反対側開放連動手段)とを備えるとともに、第2入口部403に第3規定数(例えば1個)の遊技球が入球した場合に、第2開閉部材408を開位置とさせる第2同側開放連動装置(第2同側開放連動手段)と、開状態とされた第2入口部403に第4規定数(例えば1個)の遊技球が入球した場合に、第2開閉部材408を閉位置とさせる第2同側閉鎖連動装置(第2同側閉鎖連動手段)、及び、第1開閉部材407を開位置とさせる第1反対側開放連動装置(第1反対側開放連動手段)とを備えていることとしてもよい。
さらに、例えば、開状態とされた第1入口部402、及び、第2入口部403に遊技球が複数(例えば、2個)入球することで第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408が閉位置とされる構成において、第1入口部402、及び、第2入口部403に対応して7セグメント表示装置等の残り回数教示手段としての表示装置(2個のランプ等でも可)を設け、第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408が閉位置とされる場合に、前記表示装置において、開位置とされる第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408が閉位置とされるまでに、対応する第1入口部402、及び、第2入口部403へ入球可能な遊技球の残り数(例えば、残り2個であることを示す「2」)を表示し、第1入球検知スイッチ415、及び、第2入球検知スイッチ416の検知に基づいて、残り数を減算し、その数を前記表示装置に表示するように構成してもよい。この場合、遊技者は、残りの回数情報に応じて遊技の調整を行うことができ、利便性の向上等を図ることができる。尚、残り回数がランダムに設定されるように構成することとしてもよい。
加えて、例えば、球案内装置において、第1入口部、第2入口部、及び、第3入口部と、第1開閉部材、第2開閉部材、及び、第3開閉部材とを設け、閉状態の第1入口部に遊技球が入球することで第2開閉部材が開位置とされ、閉状態の第2入口部に遊技球が入球することで第3開閉部材が開位置とされ、閉状態の第3入口部に遊技球が入球することで第1開閉部材が開位置とされるように構成してもよい。また、例えば、閉状態の第1入口部への入球で第2開閉部材が開位置とされ、開状態の第2入口部への入球で第3開閉部材が開位置とされるとともに、第2開閉部材が閉位置とされ、開状態の第3入口部への入球で第1入口部が開状態とされるとともに、第3開閉部材が閉位置とされ、開状態の第1入口部への入球で第1開閉部材が閉位置とされるように構成してもよい。さらに、例えば、第2案内通路が二手以上に分岐するとともに、分岐した通路のいずれかにおいて、当該分岐通路を移動する遊技球と連動させて第3開閉部材を開位置とさせるための第3開放連動装置の対象部位を設置する、或いは、第3入口部を第3開閉部材がソレノイド等の電気部品で開閉される電動役物とし、第2入球検知スイッチの検知に基づいて、第3開閉部材を開位置とするか否かの抽選が行われるように構成してもよい。
また、例えば、球案内装置は、第1入口部、及び、第2入口部と、第1入口部、及び、第2入口部への入球を許容する開位置と、入球を不可能とする閉位置との間を変位可能な第1開閉部材、及び、第2開閉部材を備え、開状態にある第1入口部に遊技球が入球することで、第1開閉部材が閉位置に変位するとともに、第2開閉部材が開位置とされ、開状態にある第2入口部に遊技球が入球することで、第2開閉部材が閉位置に変位するとともに、第1開閉部材が開位置とされるように構成してもよい。この場合、第1入口部、及び、第2入口部のうち常にどちらか一方が開状態とされる。
尚、各種連動手段(上記実施形態では、第1開放連動装置413、第1閉鎖連動装置414、第2開放連動装置411、及び、第2閉鎖連動装置412)の具体的な構成については機種毎に適宜設計することが可能である。
(d;ランダム連動)上記実施形態では、遊技球がどの入口部402、403に入球すると、どの開閉部材407、408が開位置とされるのかの対応関係が決まっていたが、例えば、入口部402、403へ入球した遊技球をどの連動装置に移動させるのかを振り分ける開放先振分け手段や閉鎖先振分け手段を設け、遊技球の入球に連動して開状態とされる開閉部材407、408や、閉状態とされる開閉部材407、408をランダムに決定するように構成してもよい。例えば、第1入口部402に遊技球が入球したことに連動して、第1開閉部材407が開位置とされる場合と、第2開閉部材408が開位置とされる場合とがあり、第2入口部403に遊技球が入球したことに連動して、第2開閉部材408が開位置とされる場合と、第2開閉部材408が開位置とされる場合とがあるように構成してもよい。さらに、例えば、開状態にある第1入口部402に遊技球が入球したことに連動して、第1開閉部材407が閉位置とされる場合と、第2開閉部材408が閉位置とされる(第1開閉部材407が閉位置とされない)場合とがあり、開状態にある第2入口部403に遊技球が入球したことに連動して、第2開閉部材408が閉位置とされる場合と、第2開閉部材408が閉位置とされる(第2開閉部材408が閉位置とされない)場合とがあるように構成してもよい。この場合、遊技の単調感を抑制する等の作用効果がより一層奏されることとなる。
また、当該構成を採用する場合であっても、第1入口部402及び第2入口部403に入球した場合には迅速に対応する開閉部材407、408が開位置とされることが望ましいことから、第1案内通路405、及び、第2案内通路406に対し、それぞれ第1開放連動装置413と、第2開放連動装置411と、遊技球を第1開放連動装置413又は第2開放連動装置411に振り分ける振分け装置とを設けることが望ましい。
尚、例えば、球案内装置401が、第1入口部、第2入口部、及び、第3入口部を備えるとともに、各入口部に対応して、第1開閉部材、第2開閉部材、及び、第3開閉部材を備える構成において、第1入口部に入球した遊技球が案内される第1案内通路は、第1分岐通路と、第2分岐通路とを備えるように構成してもよい。また、第1分岐通路を通過する遊技球と連動し、閉状態にある第2入口部の第2開閉部材を開位置とする第2開放連動装置と、第2分岐通路を通過する遊技球と連動し、閉状態にある第3入口部の第3開閉部材を開位置とする第3開放連動装置と、第2入口部、又は、第3入口部に遊技球が入球した場合に、閉状態にある第1入口部の第1開閉部材を開位置とする第1開放連動部材とを備えるように構成してもよい。さらに、第1分岐通路、及び、第2分岐通路に第1検知スイッチ、及び、第2検知スイッチを設け、遊技球がどちらの分岐通路を通過しているのか(第2開閉部材、及び、第3開閉部材のどちらが開位置とされるのか)の演出を装飾図柄表示装置42等において行うこととしてもよい。加えて、例えば、第1分岐通路と、第2分岐通路との分岐地点において、上記実施形態の第1始動入賞装置33aの振分け装置336と同様の振分け手段を設け、第1入口部に入球した遊技球が、第1分岐通路と、第2分岐通路とに交互に案内されるように構成してもよい。尚、第1入口部に入球した遊技球が、第1分岐通路と、第2分岐通路とに交互に案内されるように構成しなくてもよく、例えば、上記実施形態の振分け装置336の回転板338が自由に回転可能となるような構成としてもよいし、第1案内通路以外を移動する遊技球により、振分け手段により案内される分岐通路を変更可能(例えば、回転板に連動するレバーを第2案内通路、或いは、球案内装置401の外部の遊技領域に突出するようにして設け、当該レバーに遊技球が接触することで、回転板の回転位相がランダムに変更される等)に構成してもよい。
(e;連動装置の活用)上記実施形態において、第1開放連動装置413、及び、第2開放連動装置411の一部が前方から視認可能に構成され、当該視認可能な部位には、特定オブジェクト(例えば、カニをモチーフにした役物)の一部を構成する可動パーツ(例えば、カニの目をした役物)が設けられ、第1開放連動装置413、及び、第2開放連動装置411が変位することで、特定オブジェクトの一部が変位するように構成してもよい。この場合、意匠性の向上を図りつつ、特定オブジェクトの視認態様でも、対応する開閉部材407、408が開状態とされる(開状態とされている)ことを把握し易くすることができる。
尚、連動装置413、411の構成は特に限定されるものではなく、機種毎に適宜変更可能である。また、例えば、連動装置413、411は、それぞれ対応する入口部402、403に遊技球が1球入球した場合に、対応する開閉部材407、408を閉鎖するショート連動装置と、対応する入口部402、403に遊技球が2球入球した場合に、対応する開閉部材407、408を閉鎖するロング連動装置とを備え、遊技球は入口部402、403に入球した後、ショート連動装置、又は、ロング連動装置のどちらかに(ランダム、或いは、交互に)案内されるように構成してもよい。
(f;開閉部材の開放契機及び閉鎖契機が入球部への入球以外の構成)上記実施形態では、閉位置にある第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408が開位置に変位する契機は、第1入口部402、及び、第2入口部403への入球とされているが、例えば、第1入口部402、及び、第2入口部403とは別の入賞装置への入球、又は、遊技領域を移動する遊技球が通過可能なゲート装置への遊技球の通過に連動して、開放連動装置411、413が変位し、当該開放連動装置411、413に連動して、閉位置にある第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408が開位置に変位するように構成してもよい。
例えば、図16に示す球案内装置470は、第1入口部471の上方において遊技領域を移動する遊技球が常時入球可能な第1契機入球手段としての第1契機入球装置473と、第2入口部472の上方において遊技領域を移動する遊技球が常時入球可能な第2契機入球手段としての第2契機入球装置474とを備えている。また、第1契機入球装置473に入球した遊技球を検知する第1契機入球検知スイッチ475、及び、第2契機入球装置474に入球した遊技球を検知する第2契機入球検知スイッチ476が設けられ、契機入球検知スイッチ475、476の検知に基づいて遊技球を所定数払出す処理が行われる。さらに、第1開閉部材477が閉位置にある場合には、当該第1開閉部材477と、第1契機入球装置473との間に遊技球が通過可能な隙間がなくなり、遊技球が第1入口部471へ入球不可能に構成され、第2開閉部材478が閉位置にある場合には、当該第2開閉部材478と、第2契機入球装置474との間に遊技球が通過可能な隙間がなくなり、遊技球が第2入口部472へ入球不可能に構成されるようにする。
また、第1契機入球装置473に第1規定数(例えば1個)の遊技球が入球した場合に、第2開閉部材478を開位置とさせる第2開放連動装置479と、開状態とされた第2入口部472に第2規定数(例えば1個)の遊技球が入球した場合に、第2開閉部材478を閉位置とさせる第2閉鎖連動装置(図示略)とを備えるとともに、第2契機入球装置474に第3規定数(例えば1個)の遊技球が入球した場合に、第1開閉部材477を開位置とさせる第1開放連動装置(図示略)と、開状態とされた第1入口部471に第4規定数(例えば1個)の遊技球が入球した場合に、第1開閉部材477を閉位置とさせる第1閉鎖連動装置(図示略)とを備えている。尚、球案内装置470のその他の構成(出口部404、案内通路405、406、入球検知スイッチ415、416、開位置検知センサ417、418)は上記実施形態と同じである。
当該構成を採用する場合においても、上記実施形態と同様にして、第1始動入賞装置33aへの入球を安定させるとともに、第1始動入賞装置33aを狙って遊技球を発射させる状況における単調感の抑制を図ることができるといった作用効果が奏される。また、当該構成を採用する場合には、第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408の両方を閉位置とすることができ、気兼ねなく遊技を終了することができる。
尚、第1契機入球装置473、及び、第2契機入球装置474に入球した遊技球は、第2開放連動装置479、又は、第1開放連動装置との連動を済ませた後、遊技領域の外部に排出されることとなる。また、第1契機入球装置473、及び、第2契機入球装置474、又は、その近傍に発光手段を設けるとともに、第2開閉部材478、及び、第1開閉部材477が閉位置にある場合に、対応する第1契機入球装置473、及び、第2契機入球装置474の発光手段が発光状態とされるように構成してもよい。さらに、第1契機入球検知スイッチ475、及び、第2契機入球検知スイッチ476の検知に基づいて、対応する第2入口部403、及び、第1入口部402の発光手段が発光状態とされるように構成してもよい。
また、第1契機入球装置473、及び、第2契機入球装置474を省略し、左側方領域のスルーゲート34を通過した遊技球に連動して第2開閉部材408が開位置とされ、右側方領域のスルーゲート34を通過した遊技球に連動して第1開閉部材407が開位置とされるように構成してもよい。さらには、所定の一般入賞口31への入球に連動して、開閉部材407、408が開位置とされるように構成してもよい。但し、第1開閉部材407を開位置とさせる第1開放連動装置413は、左側方領域を移動する遊技球と連動するようにして設けられ、第2開閉部材408を開位置とさせる第2開放連動装置411は、右側方領域を移動する遊技球と連動するようにして設けられることが望ましい。この場合、遊技領域をより広く使ってダイナミックな遊技を行うといった作用効果が確実に奏される。
尚、上記実施形態では、開位置にある第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408が閉位置に変位する契機は、開状態にある第1入口部402、及び、第2入口部403への入球とされているが、例えば、第1入口部402、及び、第2入口部403とは別の入賞装置への入球、又は、遊技領域を移動する遊技球が通過可能なゲート装置への遊技球の通過(通過の過程で連動装置と連動する)を契機として、開位置にある第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408が閉位置に変位するように構成してもよい。但し、第1開閉部材407を閉位置とさせる第1閉鎖連動装置414は左側方領域を移動する遊技球と連動するようにして設けられ、第2開閉部材408を閉位置とさせる第2閉鎖連動装置412は右側方領域を移動する遊技球と連動するようにして設けられることが望ましい。この場合、開閉部材407、408が開位置とされると閉位置に戻らないといった事態を回避することができる。
また、図16の第1入口部471、第1契機入球装置473、第2入口部472、及び、第2契機入球装置474の配置は特に限定されるものではなく、例えば、第1入口部471、及び、第2入球部472の下方に、第1契機入球装置473、及び、第2契機入球装置474が配置されることとしてもよい。さらに、例えば、第1契機入球装置が複数設けられ、各第1契機入球装置に入球した遊技球と連動する第1連動装置が設けられ、複数の第1契機入球装置473に対して予め定められた順番で遊技球が入球した場合に、または、予め定められた組合せの第1契機入球装置473に入球した場合に、第1入口部が開状態とされる、或いは、複数設けられた第1入口部のうち遊技者にとって有利な第1入口部(第1始動入賞装置33aへの入球確率が高い等)が開状態とされるような構成としてもよい。
加えて、例えば、第1入口部402を狙って打ち出された遊技球が入球し得る位置(左側方領域)において、第1入口部402が開状態にある場合に遊技球が入球することで第1入口部402が閉状態とされる第1閉鎖契機入球装置を設け、第2入口部403を狙って打ち出された遊技球が入球し得る位置(右側方領域)において、第2入口部403が開状態にある場合に遊技球が入球することで第2入口部403が閉状態とされる第2閉鎖契機入球装置を設けることとしてもよい。この場合、入口部402,403が開状態とされている期間に入口部402,403に入球し得る数がランダムになり、そこにも面白みを見出すことができる。尚、閉鎖契機入球装置への入球を避けて開状態とされた入口部402,403に遊技球を入球され続けてしまう(遊技の技術によって大きな差がでてしまう)といった事態を抑制するべく、閉鎖契機入球装置は、入口部402,403よりも遊技球が入球し易いような構成とされること(例えば、遊技性の低下や意匠性の低下を抑制するべく入口部402,403よりも遊技領域下流側であって、開口間口が入口部402,403よりも広い等)が望ましい。
(g;開閉部材の構成)上記実施形態において、非電動の第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408の構成、配置、及び、数等については特に限定されるものではなく、第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408が開位置にある場合には、遊技領域を移動する遊技球が第1入口部402、及び、第2入口部403に入球可能であって、閉位置とされている場合に比べると、遊技領域を移動する遊技球が第1入口部402、及び、第2入口部403に入球し易くなるように構成されていればよい。
例えば、第1入口部が左側方に開口し、第2入口部が右側方に開口するとともに、上下にスライド可能な第1開閉部材が閉位置において第1入口部の一部を閉鎖し、上下にスライド可能な第2開閉部材が閉位置において第2入口部の一部を閉鎖するように構成してもよい。また、例えば、第1入口部402、及び、第2入口部403が前方に開口するとともに、第1開閉部材、及び、第2開閉部材が、左右に延びる回転軸を中心として、回転軸から上方に延びる閉位置と、回転軸から前斜め上方に延びる開位置との間を回動変位可能に構成してもよい。
さらに、第1入口部402、及び、第2入口部403のそれぞれを開閉する非電動の開閉部材の数が1つとしてもよいし、3つ以上としてもよい。また、上記実施形態では、第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408が閉位置とされている場合には、直上方のスルーゲート34を通過した遊技球以外は入球しないような構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、スルーゲート34を通過しない遊技球についても第1入口部402、及び、第2入口部403に入球可能としてもよい。尚、第1入口部402、及び、第2入口部403を開状態とさせる契機が、閉状態にある第2入口部403、及び、第1入口部402への入球しかない場合には、第1入口部402、及び、第2入口部403が閉状態でも入球可能とする必要がある。一方、尚、第1入口部402、及び、第2入口部403を開状態とさせる契機が、閉状態にある第2入口部403、及び、第1入口部402への入球以外にある場合には、第1入口部402、及び、第2入口部403が閉状態にある場合には第1入口部402、及び、第2入口部403への入球を不可能とすることも可能である。
加えて、上記実施形態では、開閉部材407、408において、開閉部材407、408が開状態とされることを報知する第1羽根発光手段、及び、第2羽根発光手段が内蔵されているが、開閉部材407、408の近傍に第1羽根発光手段、及び、第2羽根発光手段を設けることとしてもよい。また、第1羽根発光手段、及び、第2羽根発光手段は、第1入球検知スイッチ415、及び、第2入球検知スイッチ416の検知が行われた場合に、発光状態とされるように構成されているが、第1開位置検知センサ417、及び、第2開位置検知センサ418の検知が行われた場合に、発光状態とされるよう構成してもよい。加えて、第1羽根発光手段、及び、第2羽根発光手段に代えて、開閉部材407、408が開状態とされることを別の表示手段(可動式の役物や液晶表示装置、ドット表示装置等)によって報知することとしてもよい。
尚、上記実施形態では、開閉部材407、408が非電動の役物であるが、電動の役物として構成すること(対応する入球検知に基づいて開閉制御される)としてもよい。また、第1入口部402、第2入口部403が、閉状態と、第1の開状態と、第1の開状態よりも遊技球が第1入口部402、第2入口部403に入球し易い第2の開状態とに状態変化可能に構成されることとしてもよい。例えば、羽根部材407、408を、回動可能なベース部と、ベース部に対し、遠心方向にスライド可能に取付けられたスライド部とを備え、羽根部材407、408が開位置とされることで、羽根部材407、408が略水平に延在するとともに、ベース部、及び、スライド部の上面は、入口部402、403側に下方傾斜する構成であって、(例えば、第1入口部402、第2入口部403に遊技球が1つ入球することに基づき)羽根部材407、408が閉位置から直接開位置とされることで第1の開状態とされ、(例えば、第1入口部402、第2入口部403に遊技球が2つほぼ連続して入球することに基づき)閉位置から垂下に近い位置取りを経て開位置とされることで、第1の状態よりもスライド部がベース部から突出した(重なり合う面積の少ない)第2の開状態とされることとしてもよい。
(h;右打ちと左打ちとの境界)上記実施形態において、ハンドル18を同じ回動角度で保った状態で、遊技球を左側方領域、及び、右側方領域のどちらにも行かせるような打ち方が困難となるように構成してもよい。例えば、遊技盤上部中央の遊技釘(天釘)に触れずに、当該天釘の右方に越えるように打出された遊技球は右側方領域に進入し、天釘の右方に越えないように打出された遊技球は左側方領域に進入し、天釘に接触して天釘の右方に越えた遊技球については、当該遊技球を左側方領域に案内する手段(左下がりに配設された複数の遊技釘等)によって左側方領域に進入するように構成されることとしてもよい。
また、例えば、左側方領域と、右側方領域との境界に遊技球が発射されるような強さで遊技球が発射されることのないように(前記境界に対応するようなハンドル18の回動角度では、遊技球が発射されないように)構成してもよい。
(i;大外ルート)遊技領域において、第1入口部402が設けられた第1ルートとしての左側方領域と、第2入口部403が設けられた第2ルートとしての右側方領域との他に、発射装置60により最大、或いは、ほぼ最大の強さで発射された遊技球(図4の返しゴム54に衝突した遊技球)が案内される第3ルートとしての大外ルートを備えることとしてもよい。例えば、遊技領域の右下部を外周側に拡張することで拡張領域を設け、当該拡張領域には、大外ルートを経由した遊技球のみが入球可能とする。大外ルートは、返しゴム54の直下方位置から、遊技盤30の後方を経由して、拡張領域に接続されている。
拡張領域には、スルーゲート34と、第2始動入賞装置33bと、第2可変入賞装置とを設け、高入球状態、及び、高入球状態において当選した大当たり状態に際して必要な遊技部材が設置されている(アウト口36は共通)。遊技者は、ハンドル18の操作により、遊技球の打ち出す強さを調節して、遊技球を左側方領域と、右側方領域と、大外ルートとに打ち分けることができる。
以上のような構成を採用する場合、第1始動入賞装置33aを狙って遊技球を発射させる第1遊技状態(通常モード)と、第2始動入賞装置33bを狙って遊技球を発射させる第2遊技状態(時間短縮モード、及び、確変モード)とが設けられる構成において、遊技球の打ち分けを確実に行うことができる。従って、遊技性の多様化等を図ることができる。
また、遊技球が右側方領域に発射される状態から、大外ルートに発射される状態へと切り替わる場合に、大外ルートに遊技球が発射される状態とされる前の状態で、ハンドル18の操作の感触を変更させる境界教示手段を設けることとしてもよい。この場合、例えば、左側方領域と、右側方領域との間の遊技球の打ち替えを行っている状態において、不用意に大外ルートに遊技球を発射させてしまう(遊技球が無駄になってしまう)といった事態を抑制することができる。
尚、「ハンドル18の操作の感触を変更させる」とは、遊技者が触覚で境界を認知することができるように構成されていればよく、操作感が一旦重くなる、振動がある等の構成を適宜採用することが可能である。また、例えば、ハンドル18は、ストップレバー18bが操作されている状態においては、前記境界教示手段が機能しない状態とされること」としてもよい。つまり、遊技球の打ち替え(狙い所の変更)に際して、遊技球が無駄にならないようにストップレバー18bが操作されることから、ストップレバー18bが操作される状態は遊技球の打ち替えが行われる可能性が高いものとして、境界教示手段を機能させないようにすることで、遊技球の打ち替えをスムースに行うことができる。
(j;バイパス通路)左側方領域を移動する遊技球が入球可能に構成されるとともに、当該遊技球が右側方領域に案内される第1バイパス通路、及び、右側方領域を移動する遊技球が入球可能に構成されるとともに、当該遊技球が左側方領域に案内される第2バイパス通路のうち少なくとも一方を備えていることとしてもよい。この場合、遊技領域における遊技球の挙動をより興味深いものとすることができる。尚、バイパス通路を移動する遊技球については視認可能に構成されていることとしてもよい。また、バイパス通路は、遊技盤30の裏側に設けられていることとしてもよい。さらに、バイパス通路を移動する遊技球に対して光を照射する(例えば、バイパス通路入口にバイパス入球検知手段を設け、当該検知に応じて発光する発光手段を設ける)ように構成してもよい。加えて、バイパス通路の前方に透過型の液晶を設けるとともに、少なくともバイパス通路に遊技球が通過する際に、当該透過型の液晶を介して、バイパス通路(を移動する遊技球)を視認可能となるように構成してもよい。
また、第1バイパス通路を通過した遊技球は、第2開閉部材408(上記(f)の構成を採用する場合には第2契機入球装置474)の近傍(少なくとも第2開閉部材408が開位置とされた場合に第2入口部403に入球可能な位置、或いは、第2入口部403が閉状態でも第2入口部403に入球可能となる位置)に案内され、第2バイパス通路を通過した遊技球は、第1開閉部材407(上記(f)の構成を採用する場合には第1契機入球装置473)の近傍(少なくとも第1開閉部材407が開位置とされた場合に第1入口部402に入球可能な位置、或いは、第1入口部402が閉状態でも第1入口部402に入球可能となる位置)に案内されるよう構成されていることとしてもよい。
この場合、第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408が開位置とされる状況のバリエーションが増え(例えば、開位置とされた第1開閉部材407を狙って左側方領域に遊技球を打ち出していたところ、第1バイパス通路に遊技球が入球し、開位置の第1開閉部材407に遊技球が入球して第1開閉部材407が閉位置とされた直後に、第1バイパス通路を通過していた遊技球が閉位置にある第2開閉部材408に入球し、第1開閉部材407がもう一度開位置とされる等)、興趣の向上を図ることができる。また、例えば、第2入口部403が開状態とされているにもかかわらず、遊技領域のうち左側方領域のみに遊技球を発射し続けているような遊技者にとっての不利益を極力抑制する(右側方領域に発射させる方が第2入口部403に入球させ易いが、左側方領域に遊技球を発射させ続けても、第2入球部403に入球する可能性がある)ことができる。
(k;入球検知手段、開位置検知手段)上記実施形態では、入口部402、403に入球した直後の遊技球を検知する入球検知スイッチ415、416が設けられているが、入球検知スイッチ415、416の検知情報の利用方法や、入球検知スイッチ415、416の構成については特に限定されるものではなく、機種毎に適宜変更可能である。例えば、入球検知スイッチ415、416は、入口部402、403に入球する遊技球を検知するのではなく、対応する第1開放連動装置413、第2開放連動装置411の動作を検知するような構成としてもよい。さらに、上記実施形態では、入球検知スイッチ415、416は主制御装置261に接続されているが、サブ制御装置262に接続されるように構成してもよい。
また、例えば、入球検知スイッチ415、416の検知に基づいて効果音を導出させるように構成してもよい。当該構成を採用する場合、かかる効果音を効いて遊技球の発射を一時的に停止することで、出口部404よりも上流側に配置された入球検知スイッチ415、416に検知された遊技球が出口部404から排出される頃に、球案内装置401を経由せずに出口部404付近に至った遊技球が出口部404付近に存在するといった事態を回避することができ、球案内装置401を経由した遊技球に対し、経由していない遊技球が衝突してしまうといった事態を回避することができる。加えて、例えば、入球検知スイッチ415、416、及び、出口検知スイッチ419により、案内通路405、406での球詰りエラーの報知(対応するランプを点灯、消灯する。制御により、遊技を中断させる、エラー用のランプを点灯させる、ホールコンピュータへのエラー信号の出力を行う等)を行うように構成してもよい。
また、開位置検知センサ417、418は、閉位置にある開閉部材407、408を検知するように構成されているが、開位置にある開閉部材407、408を検知するように構成してもよい。但し、開位置検知手段は、第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408の状態を確実に把握するべく、連動装置411、412、413、414の位置を検知するのではなく、開位置とされている第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408を直接検知する(検知があると第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408が開位置にあると判別)、又は、閉位置とされている第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408を直接検知する(検知がないと第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408が開位置にあると判別)ことが望ましい。さらに、開位置検知センサ417、418の検知情報の利用方法や、開位置検知センサ417、418の構成については特に限定されるものではなく、機種毎に適宜変更可能である。
加えて、上記実施形態では、入球検知スイッチ415、416の検知情報に基づいて、対応する(開状態とされる)入口部402、403の発光手段を発光状態としているが、開位置検知センサ417、418の検知情報に基づいて、対応する(開状態とされる)入口部402、403の発光手段を発光状態とするように構成してもよい。つまり、上記実施形態では、開位置検知センサ417、418の検知情報に基づいて、開位置とされている第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408の第1羽根発光手段、及び、第2羽根発光手段を発光させるように構成されているが、第1入球検知スイッチ415の検知に基づいて第2羽根発光手段を発光させるとともに第1羽根発光手段を非発光状態とし、第2入球検知スイッチ416の検知に基づいて第1羽根発光手段を発光させるとともに第2羽根発光手段を非発光状態とするように構成してもよい。
尚、入球検知スイッチ415、416や開位置検知センサ417、418を省略することも可能である。但し、開閉部材407、408を不正開放させる行為等を防止するべく、入球検知スイッチ415、416及び開位置検知センサ417、418を設けることが望ましい。また、エラー報知の方法に関しても特に限定されるものではなく、例えば、装飾図柄表示装置42において、「不良動作を確認しましたので、店員が確認に参ります」等の表示を導出するように構成してもよい。
また、球案内装置401の第1入口部402及び第2入口部403から出口部404までの距離が長くなる場合、第1案内通路405、及び、第2案内通路406を視認可能としても、遊技球が始動入賞装置に入球しそうな状態であるのかより気付き難くなる。このため、上記実施形態の第1入口部402の第1発光手段及び第2入口部403の第2発光手段のように、遊技球が対応する案内通路405、406に存在する場合に態様を変化させる手段を設けることが望ましい。例えば、遊技球が存在する案内通路405、406に対して光を照射する照射手段を設けたり、各案内通路405、406に沿って案内通路405、406の上方、下方、又は、後方に可動役物を設け、遊技球が存在する案内通路405、406に対応する可動役物の視認態様を変化させたり(例えば、動作させる、図形を変える、色を変える等)することとしてもよい。
また、例えば、案内通路405、406の前方に偏光板を設け、遊技球が案内通路405、406を通過していない状態では、遊技球が案内通路405、406を通過している状態に比べ、案内通路405、406の視認性が低下するように構成してもよい。この場合、案内通路405、406の前方の遊技領域を移動する遊技球の挙動を視認し易くすることができる。尚、当該偏光板の構成については、第1始動入賞装置33aの第1通路334、及び、第2通路335にも適用可能である。
さらに、第1始動入賞装置33aの入球部331から左始動入賞スイッチ224a、右始動入賞スイッチ224bまでの距離が長くなる場合、第1始動入賞装置33aの入球部331に入球した遊技球がどうなったのかというような不安を招くことが懸念される。この点、入球部331において、入球部331に入球した遊技球を検知する入球直後検知スイッチ(入球直後検知手段)を設け、入球直後検知スイッチの検知が行われた場合に、例えば、装飾図柄表示装置42(演出保留表示手段)において、入球直後検知スイッチの検知が行われたことを示し、保留アイコン(演出保留表示)とは異なる態様の保留予告アイコン(仮演出保留表示)を表示し、実際に左始動入賞スイッチ224a、右始動入賞スイッチ224bの検知が行われた場合に、保留予告アイコンを1つ保留アイコンに変化させることとしてもよい。この場合、もうすぐ特別変動保留エリア(記憶領域)に当否関連情報が記憶される可能性が高い、すなわち、変動表示の権利が得られる可能性が高いことを教示することができる。従って、遊技球が入球部331に入球した反応がないために不安になる、或いは、遊技球が入球部331に入球してから左始動入賞スイッチ224a、右始動入賞スイッチ224bに検知されるまでの間に、遊技者が保留がないことを確認して遊技を止めてしまう等といった事態を回避することができる。
尚、第1始動入賞装置33aは、入球部331に入球した遊技球が横孔343から第1始動入賞装置33aの外部に排出される可能性が僅かにある。このため、入球直後検知スイッチの検知が(最後に)行われてから規定時間経過しても左始動入賞スイッチ224a、右始動入賞スイッチ224bの検知が行われない場合、及び、変動表示の保留上限に達した場合に、保留予告アイコンを消去することとしてもよい。
また、第1入口部402、及び、第2入口部403に入球すること自体が、第1始動入賞装置33aへの入球確率が高められるといった特典になっているが、さらに、第1入球検知スイッチ415、及び、第2入球検知スイッチ416の検知が行われた場合に、所定の表示装置(装飾図柄表示装置42やスピーカSP)等による専用の演出が導出される、保留された変動表示の内容の示唆が行われる保留先読み演出を導出させる権利が付与される、後述のモバイル連動遊技に使用可能なポイントが溜まる等といった特典が付与されるように構成してもよい。さらに、かかる演出は、その後、第1始動入賞装置33aの左始動入賞スイッチ224a、右始動入賞スイッチ224bの検知で進展する(かかる検知に基づく当否抽選等の結果に対応する変動表示に繋がる)ように構成してもよい。
加えて、例えば、特別表示装置43a、43bの変動表示が上限数保留記憶されている状態において第1入球検知スイッチ415、及び、第2入球検知スイッチ416の検知が行われた場合に、保留先読み演出を導出させる場合もあるように構成してもよい。
(l;第1始動入賞装置)上記実施形態の第1始動入賞装置33aの構成等については特に限定されるものではなく、例えば、第1案内通路405、第2案内通路406、及び、振分け装置336が、遊技盤30の前面側に位置するような構成としてもよい。但し、第1始動入賞装置33aの直下方、すなわち、遊技盤30の中央下部に第2始動入賞装置33bを配置する等のスペースを確保したい場合には、遊技盤30が透明で遊技球の挙動が視認できるようであれば、第1案内通路405、第2案内通路406、及び、振分け装置336を遊技盤30の裏側に配置することが望ましい。尚、第1始動入賞装置33aが、単に、入球部331(始動入賞口)に入球した遊技球を、分岐もなく、第1始動入賞装置33aに入球した遊技球を検知する第1始動入球検知スイッチに検知させるだけの構成としてもよい。
尚、上記実施形態では、第1始動入賞装置33aの横孔343から遊技球が入球可能とされているが、横孔343から遊技球が第1始動入賞装置33aの外部に飛び出してしまうといった事態も起こり得るようになっていることとしてもよい。
(m;開閉部材の連動対象に第1始動入賞装置)上記実施形態の開放連動装置411、413に代えて、又は、加えて、第1始動入賞装置33aの第1入賞口332、及び、第1入賞口333に遊技球が入球した場合に、対応する第1開閉部材407、及び、第2開閉部材408が開位置とさせる開放連動装置を設けることとしてもよい。
また、例えば、球案内装置401を省略し、第1始動入賞装置33aの入球部331に対応して、遊技領域を移動する遊技球が入球部331に入球し易くなる開位置と、入球し難くなる閉位置とに状態変化可能な開閉手段を設けることとしてもよい。さらに、例えば、第1入賞口332、及び、第1入賞口333のうち一方に遊技球が入球した場合に、第1始動入賞装置33aの開閉手段を開位置とさせる開放連動手段と、第1入賞口332、及び、第1入賞口333のうち他方に遊技球が入球した場合に開閉手段を閉位置とさせる閉鎖連動手段とを設けることとしてもよい。
(n;遊技盤)上記実施形態では、遊技盤30が透明樹脂により構成されているが、不透明な材料により構成されたり、部分的に透明な樹脂により構成されたりすることとしてもよい。但し、遊技球を遊技盤30の後面側にいったん移動させた後、遊技盤30の前面側に戻す場合には、その途中の経路全体が視認可能となるように構成されることとする。
また、上記実施形態では、球案内装置401の第1案内通路405、及び、第2案内通路406や、第1始動入賞装置33aの第1通路334、及び、第2通路335が遊技盤30の後面よりも後方に設けられているが、遊技盤30の厚みの範囲に全体又は一部が埋設されるようにして設けることとしてもよい。さらに、遊技盤30が透明な材料ではない場合には、少なくとも前方から遊技球の移動を視認可能なように第1案内通路405、及び、第2案内通路406等を設ける(例えば、遊技盤30の前面側において凹状に第1案内通路405を設け、その前方に透明なカバーを被せる等する)こととする。但し、球案内装置401の第1案内通路405、及び、第2案内通路406等が遊技領域を大いに狭めるおそれがある場合には、第1案内通路405、及び、第2案内通路406等は、遊技盤30の前面よりも後方に位置することが望ましい。
さらに、上記実施形態において、遊技盤30の本体(板状体)が複数のパーツ(ピース)により構成されることとしてもよい。例えば、遊技盤30本体が、不透明な遊技盤ベースと、透明な遊技盤構成ピースとにより構成され、遊技盤構成ピース、及び、遊技盤ベースの合わせ面の凹凸による嵌合と、遊技盤30の外周側の抜け止めとにより、遊技盤ベースと、遊技盤構成ピースとが組み付けられる(接着で固定しても可)構成されることとしてもよい。加えて、遊技盤構成ピースにおいても前面側に遊技釘451が設けられるとともに、裏面側に情報シール431が設けられ、当該情報シール431に関し、下孔対応部位433において切込み部434が形成されていたり、非接着領域442が設けられていたりすることとしてもよい。尚、遊技盤構成ピースの範囲に収まるように情報シール431が貼着されることにより、遊技盤構成ピースとともに情報シール431を比較的容易に交換することができる。
(o;情報シール)上記実施形態では、視認態様具備手段として、情報部432を有する情報シール431が採用されているが、薄い膜状であり、所定の視認態様を加えることのできるものであればよい。例えば、情報部432が文字や図形(キャラクタ等の図形等)等の記号情報を表示するものではなく、装飾用の絵柄(波等の模様等)が印刷されるものであってもよい。尚、切込み部434は、情報シール431のデザインに沿って延在するように構成してもよい(下孔対応部位433において湾曲して延びる線があれば、それに沿って切込み部434を形成する等してもよい)。この場合、切込み部434を目立たなくすることができる。
また、情報シール431の材料や構造についても特に限定されるものではない。例えば、ベース437に直接印刷を行うのではなく、情報部432を有するシートをベース437に貼り合わせてもよい。但し、情報シール431に切込み部434を形成し、切込み部434に空気や遊技釘451を通過させるような構成の場合、空気や遊技釘451の通過に際しては、切込み部434の形成された部位(下孔対応部位433の可動片433a)が変形・変位して、通り道としての開口を形成し、空気や遊技釘451の通過後は、自然に元に(通り道を塞ぐ状態)戻るように構成されるものとする。
さらに、上記実施形態の情報シール431は、弾性(遊技盤30等の情報シール431が貼着される被貼着部よりも高い弾性)を有するように構成されているが、弾性のない材料により構成してもよい。但し、情報シール431に対して外的負荷が作用していない状態においては、情報シール431において遊技釘451の挿通を許容するような開口部は閉塞されるように構成されることが望ましい。
また、下孔対応部位433の少なくとも一部、或いは、非接着領域442の少なくとも一部が弾性(遊技盤30等の情報シール431が貼着される被貼着部よりも高い弾性)を有することが望ましい。つまり、下孔対応部位433が弾性を有することで、下孔対応部位433の可動片433aが元の状態に復帰することをより確実にすることができる。さらに、非接着領域442が弾性を有することで、被貼着部との間に空気が進入した場合に、非接着領域442が比較的スムースに万遍なく変形し、局所的な凹凸が形成されたり、非接着領域が損傷(皺が残ってしまう等)したりすることをより確実に回避することができる。
加えて、折れた遊技釘451を後方に抜く際に、当該遊技釘451によって印刷層438(情報部432)が傷つけられないように、印刷層438の被貼着部側(遊技盤30の後面に貼着される情報シール431に関しては前方)に透明な保護層(上記実施形態ではベース437によって構成される)が設けられることが望ましい。
加えて、情報シール431において、導電性を有する静電気除去層を設けることとしてもよい。この場合、遊技盤30や遊技盤30に設けられる各種遊技部材の帯電を比較的簡易な方法で防止することができる。従って、静電気を防止して、埃等の付着を抑制する等の作用効果が奏される。また、下孔対応部位433には切込み部434を設ける構成により、静電気除去層を下孔452の位置を気にすることなく、遊技盤30の裏面に貼着することができる。
尚、静電気除去層はアースされていることとしてもよい。また、当該構成を採用する場合には、情報部432や模様などの視認態様が全くない透明な静電気除去シートを遊技盤30に貼着することとしてもよい。つまり、例えば、情報シール431(静電気除去シート)のうち下孔452に対応する部位である下孔対応部位433において切込み部434を設けることで、下孔452が形成されている部位にも(全体的にバランス良く)静電気除去シートを設けることができる。また、例えば、静電気除去シートのうち、第2始動入賞装置33b等の遊技盤30を貫通して設けられるような遊技部材(配線等含む)に対応する遊技部材対応部位に切込み部434を形成し、かつ、遊技部材対応部位は非接着領域442とするように構成してもよい。この場合、遊技部材対応部位を切り取らなくても、遊技部材を遊技盤30に取付けることが可能となる。尚、遊技部材により後方に押し退けられた遊技部材対応部位は、遊技盤30の後面(前面でも可)に貼着されている部位の印刷層438の表示態様により前方から視認不可能とすることが望ましい。
また、情報シール431は、シール部材の一部であり、シール部材を遊技盤30の後面に貼着する場合に、情報シール431に対応する部位の台紙を剥がして、情報シール431の接着層を露出させ、情報シール431を遊技盤30に貼着した後、情報シール431を遊技盤30に残して、シール部材のうち情報シール431以外の部分を遊技盤30から取除くように構成されていることとしてもよい。さらに、シール部材の情報シール431以外の部位は、遊技盤30の所定位置との位置合わせが可能に構成されていることとしてもよい。つまり、例えば、シール部材の情報シール431以外の部位(少なくとも台紙)は、情報シール431を、その貼着位置に合わせた場合に、パチンコ機10側において前方から視認不可能な部位に設けられている位置合わせ部(例えば、遊技盤30の端縁)にまで延びており、シール部材の端縁(位置合わせ部)と、位置合わせ部(例えば、遊技盤30の端縁)とを揃えることで、情報シール431の向き、位置等が定まるように構成してもよい。
(p;情報シールの切込み部)上記実施形態において切込み部434の形状等は特に限定されるものではなく、適宜設計変更可能である。例えば、遊技釘451を情報シール431に挿通させる必要のない場合、例えば、下孔452等の遊技盤30に設けられた孔に差し掛からないように情報シール431が貼着されるような場合には、情報シール431において、当該情報シール431を貫通する貫通部(点状、線状のものを含む)を形成しなくてもよい。但し、情報シール431と、遊技盤30との間に閉じ込められた気泡を情報シール431の外周縁以外の部位から外部に逃がすために、情報シール431に貫通部を設けることが望ましい。
さらに、貫通部は、情報シール431と、遊技盤30との間に閉じ込められた気泡を集め易い非接着領域442に設けることで、前記気泡をよりスムースに外部に逃がすことができる。加えて、貫通部は、下孔対応部位433に設けることで、先ず、情報シール431を遊技盤30に貼着する際には、情報シール431と、遊技盤30との間に閉じ込められた気泡を、下孔452を介して、外部に逃がすことができ、その後、遊技釘451を下孔452に取付ける際に、遊技釘451に押された下孔452の空気を、貫通部を介して、外部に逃がすことができる。
そして、当然、貫通部が大きい(長い等)ほど、情報シール431と、遊技盤30との間の空気を外部に逃がし易くなり、下孔対応部位433等、瞬間的に一定量の空気を外部に逃がす必要のある部位、さらには、遊技釘451等の空気以外の遊技部材(取付手段等)を挿通させる必要のある部位に関しては、貫通部を、線状の切込み部434として構成することが望ましい。
また、上記実施形態では、切込み部434は、略線状に延びる切れ目(スリット状のもの)を意図しており、情報シール431(視認態様具備手段)に対して外力が付加されていない状態では、基本的には、情報シール431のうち、切込み部434を挟んだ一端部側と、他端部側とが互いに当接、又は、近接する(ほぼ隙間なし)ことが望ましい。さらに、下孔452に挿入されて固定された状態の遊技釘451(遊技釘451のうち遊技盤30に挿入されて固定される取付手段としての挿入部)は、視認態様具備手段と接触しない(離間していて干渉しない)ものとする。
また、情報シール431の切込み部434の正面視形状等については特に限定されるものではなく、下孔対応部位433に1本の切込み部434を設けることとしてもよいし、3本以上の切込み部434を設けることとしてもよい。さらに、3本の切込み部434を下孔対応部位433の中心で突き合わせるようにして設けてもよい。加えて、切込み部434をT字やL字となるように延在させてもよい。
但し、遊技釘451の取付けに際して下孔452の空気を後方に抜く際に、下孔対応部位433において空気を逃がすための開口が比較的スムースに形成されるように、2本の切込み部434が交わるように構成されることが望ましい。また、下孔452の空気を抜く際に下孔対応部位433に開口を形成し、抜いた後、開口を塞ぐという下孔対応部位433の各可動片433aの動作が効率的に行われるように、複数本の切込み部434が交わる位置は、下孔452の中心、又は、中心の近傍位置であることが望ましい。特に、切込み部434が交わる位置を下孔452の中心のやや下方位置とすることで、下孔対応部位433の可動片433aのうち下側のものが自立状態を維持し易くすることができる。
さらに、折れた遊技釘451を後方に抜くことを考慮する場合には、下孔対応部位433が完全に開口となる(下孔対応部位433の全体を下孔452に差し掛からないように捲ることができるように)ことが望ましく、従って、複数の切込み部434の端部同士を結ぶ仮想の直線により、下孔452の外周を囲むことができるように構成されていることが望ましい。
また、上記実施形態では、いずれの下孔対応部位433に対応して形成される切込み部434についても、切込み部434の延在角度が同じとなるように構成されているが、例えば、図17に示すように、遊技盤30のうち遊技球の直径よりも短い間隔で並ぶ遊技釘451の下孔452に対応する範囲に設けられる情報シール431の下孔対応部位433の切込み部434と、隣の下孔対応部位433の切込み部434との延在角度を異ならせることとしてもよい。
より具体的に、図17では、互いに隣接する一対の下孔対応部位433(特に、遊技球の直径よりも短い間隔で並ぶ遊技釘451の下孔452に対応する下孔対応部位433)に関し、一方の下孔対応部位433の切込み部434は、当該一対の下孔対応部位433の中心間を結ぶ仮想直線に沿って延びる第1切込み部435、及び、第1切込み部435に対して直交する方向に延びる第2切込み部436により構成され、他方の下孔対応部位433の切込み部434(第1切込み部435及び第2切込み部436)は、前記一方の下孔対応部位433の切込み部434から45度傾いた方向に延びている。この場合、隣接する下孔対応部位433の切込み部434同士を極力離間させることができ、切込み部434が繋がるようにして情報シール431が破断してしまうといった事態を抑制することができる。
また、例えば、下孔対応部位433同士の間隔に応じて、可動片433aに十分な強度が確保されるように、切込み部434の形状を適宜変更してもよい。例えば、下孔対応部位433同士の間隔が近い場合、下孔対応部位433の中央部から遠心方向に向けて互いに異なる3方向に延びる切込み部434が設けられた下孔対応部位433と、下孔対応部位433の中央部から遠心方向に向けて互いに異なる4方向に延びる切込み部434が設けられた下孔対応部位433とが交互に配置されるように構成してもよい。
尚、情報シール431の切込み部434の端縁のうち被貼着部側(情報シール431が遊技盤30の後面に貼着される場合には情報シール431の前面側)は、若干の面取り形状とされていることとしてもよい。この場合、各可動片433aが開いた状態から閉じた状態に戻る際に、可動片433aの端縁が合わさる時点の動作を比較的スムースなものとすることができる。但し、面取り部が大きすぎる場合には、(印刷層が削られることが懸念され)情報シール431の意匠性、情報部432の視認性が低下することが懸念されるため、面取り部の形成範囲としては、可動片433aの端縁全体に設けられることが望ましいが、面取り部の幅としては微小であることが望ましい(切込み部434の形成時に前面側から断面V字状の刃先を有するカッターが使用される程度でよい)。また、切込み部434が情報シール431の情報部432に重複する場合には、情報部432の視認態様の低下を抑制するべく、前記面取り部を形成しない方が望ましい(極力、印刷面(印刷層438)が平坦面とされることが望ましい)。
(q;情報シールの貼着対象)上記実施形態では、透明な遊技盤30の後面に情報シール431が貼着される構成となっているが、情報シール431の貼着される位置や対象は特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
1)例えば、被貼着部としての透明な遊技盤30と、遊技盤30のうち情報シール431が貼着される被貼着面(後面)とは反対側の取付面(前面)に取付けられる取付部材としての始動入賞装置や装飾役物等の各種遊技部材とを備える構成であり、取付部材を被貼着部に取付けるための取付手段としてのねじを遊技盤30の前面側から、遊技部材に設けられた挿通孔としてのねじ係止孔(周縁部にねじ頭が係止される)を介して、遊技盤30に設けられた下孔(ねじ孔)に固定する(螺着させる)構成において、遊技盤30の後面のうち、ねじ孔を含む範囲に対し情報シール431が貼着される場合に、情報シール431のうち、ねじ孔に対応する部位(下孔対応部位)についても、切込み部434又は非接着領域442の少なくとも一方が設けられるように構成してもよい。この場合、ねじ孔にねじ(取付手段)を取付ける際に、ねじ孔の空気を、切込み部434を介して外部に逃がす等することができ、情報シール431の意匠性の向上等を図ることができる。尚、遊技盤30全体が透明に構成されて前方の遊技者側から遊技盤30の後面を視認可能な場合(例えば、遊技盤30の前面に不透明な役物やシールが貼着される等して後面が視認不可能な場合には、その部位を除く)、遊技盤30の全体が透視部に相当する。
2)また、例えば、被貼着部としての遊技盤30(不透明でも可)の後面に対し、取付部材としての制御装置等の遊技部材を取付ける構成であり、取付手段としてのねじを遊技盤30の後面側から、遊技部材に設けられた挿通孔としてのねじ係止孔を介して、遊技盤30に設けられた下孔(ねじ孔)に螺着する構成において、遊技盤30の前面のうち、前記ねじ孔を含む範囲に対し情報シール431が貼着される場合に、情報シール431のうち、ねじ孔に対応する部位(下孔対応部位)についても、切込み部434又は非接着領域442の少なくとも一方が設けられるように構成してもよい。この場合、ねじ孔の前面側が情報シール431で閉塞され、意匠性の向上を図ることができる。
3)さらに、例えば、被貼着部としての遊技盤30(不透明でも可)の前面に対し、取付部材としての始動入賞装置等の各種遊技部材を取付ける構成であり、取付手段としてのねじを遊技盤30の「後面側」から遊技盤30のねじ係止孔(周縁部にねじ頭が係止される)を介して「遊技部材」において前後に貫通して設けられたねじ孔に螺着する構成において、「遊技部材」の前面のうち、ねじ孔を含む範囲に対し情報シール431が貼着される場合に、情報シール431のうち、ねじ孔に対応する部位(下孔対応部位)についても、切込み部434又は非接着領域442の少なくとも一方等が設けられるように構成してもよい。この場合、ねじ孔の前面側が情報シール431で閉塞され、意匠性の向上を図ることができる。
尚、被貼着部は遊技盤30に限定されるものではなく、内枠12や前面枠14等であってもよいし、遊技盤30、内枠12、及び、前面枠14等に取付けられる部材であってもよい。そして、これらの被貼着部に設けられた下孔を含む範囲に情報シール431が貼着される場合には、下孔対応部位に切込み部や非接着領域を設けることとしてもよい。また、取付部材を被貼着部に取付けるための取付手段は特に限定されるものではなく、圧入されることで固定されるピンや、爪等の係止構造を有する係止手段等であってもよい。
さらに、被貼着部の後面側に情報シール431が貼着される(被貼着部の後面が被貼着面である場合)場合には、被貼着部は、少なくとも一部において後面側を透視可能とする透視部を有し、情報シール431は、透視部に設けられた下孔を含む範囲に貼着されることとする。その一方で、被貼着部の前面側に情報シール431が貼着される場合には、被貼着部のうち情報シール431が貼着される部位は必ずしも透視性を有するように構成されていなくてもよい。
また、下孔452が設けられていない部位に対し非接着領域442等を有する情報シール431を貼着することも可能である。加えて、情報シール431が貼着される貼着対象面は、平坦面でなくてもよく、滑らかな曲面であってもよい。
また、例えば、被貼着部としての遊技盤30の前面に対し、取付部材としての装飾役物が、取付手段としてのねじにより取付けられる構成において、前記ねじが、装飾部材の前方から装飾役物に設けられた挿通孔(ボス孔)を介して、遊技盤30の下孔に螺着される場合に、ねじの前端部が挿通孔に没入するとともに、装飾部材の前面に対し、挿通孔を塞ぐようにして、特殊視認態様具備手段としての特殊情報シールを貼着することとしてもよい。さらに、特殊情報シールのうち、挿通孔に対応する挿通孔対応部位には、ねじを下孔に螺着するための工具(ドライバー)の先端部を挿入可能とする切込み部が設けられていることとしてもよい。この場合、挿通孔及び挿通孔の内側のねじを目隠しするとともに、特殊情報シールを貼着した後でも、ねじを着脱させることができる。
さらに、取付部材、及び、被貼着部が変位可能に構成され、取付部材、及び、被貼着部を変位させる変位駆動手段としてのモータ等が設けられ、取付部材、及び、被貼着部は、前記モータ等の駆動に伴い、取付部材と、被貼着部との前後を入替えるようにして回動変位可能に構成されていることとしてもよい。
この場合、下孔を視認態様具備手段で塞ぐとともに、挿通孔を特殊視認態様具備手段で塞ぐことによって、例えば、被貼着部が前側に配置された場合には、下孔の開口部が前方から直接視認されることを回避することができ、取付部材が前側に配置された場合には、挿通孔の開口部が前方から直接視認されることを回避することができる。従って、下孔の開口部、及び、挿通孔の開口部が前方から視認される、或いは、下孔や挿通孔を介して取付手段が前方から視認されることにより意匠性が低下するといった事態を回避することができる。また、視認態様具備手段を被貼着部に貼着した後に、取付手段を挿通孔に挿入して下孔に取付ける作業を行うことができ、作業性の向上を図ることができるといった作用効果がより確実に奏される。
尚、この場合の取付部材、及び、被貼着部は、例えば、液晶表示装置等の表示手段を収容するケース(或いは、表示手段そのもの)であってもよいし、取付部材、及び、被貼着部の表面に所定情報が記された可動役物であってもよい。また、下孔を塞ぐ視認態様具備手段を省略し、挿通孔を塞ぐ特殊視認態様具備手段を設ける構成を採用してもよい。
(r;非接着領域)非接着領域442は、情報シール431のうち外周縁、遊技盤30に設けられた孔部、及び、情報シール431に設けられた切込み部434のうち少なくとも一つに通じていることとしてもよい。この場合、情報シール431の貼着作業に際し、例えば、接着領域441において気泡ができてしまった場合に、当該気泡の空気を、一旦、近くの非接着領域442に移動させてから、当該非接着領域442と通じる外部に排出するといったリカバリー作業を比較的容易に行うことができる。
ちなみに、図18の情報シール431は、切込み部434がなく、非接着領域442は、情報シール431の外周縁に通じるように構成され、下孔452が設けられていない範囲に貼着される(図18では、散点模様を付した部位が接着領域441)。また、情報部432は、非接着領域442に設けられている。この場合、情報部432に気泡や皺等が形成されることをより確実に防止することができる。また、万一、接着領域441と、非接着領域442とで視認態様の差が形成される事態が生じたとしても、情報部432は非接着領域442として統一されることで、情報部432の視認態様が部分的に変化するといった事態を回避することができる。従って、情報シール431の意匠性(情報部432の読取り易さ)の向上等を図ることができる。尚、図18の情報シール431を下孔452が設けられた範囲に貼着することも可能である。この場合には、遊技釘451を下孔452に取付ける際に遊技盤30の後方に抜ける下孔452の空気が非接着領域442を介して情報シール431の外周縁から外方に逃がされることとなる。
また、例えば、図18の情報シール431において、非接着領域442を情報シール431の外周縁と繋げる構成を省略することとしてもよい。この場合においても、情報部432が非接着領域442に収まるように構成することで、情報部432において、情報シール431と、遊技盤30との間に小さな気泡ができ、これに起因して情報部432が視認し難くなってしまうといった事態を回避することができる。
また、図18の情報シール431に対し、非接着領域442において前後に貫通する貫通部を設けることとしてもよい。この場合、非接着領域442と、遊技盤30との間に挟まれた空気を、貫通部を介して逃がすことができる。さらに、情報シール431に下孔対応部位433が存在する場合には、下孔対応部位433に対して貫通部を設けるとともに、当該貫通部をスリット状に構成する(貫通部として、上記実施形態の切込み部434を設ける)ことが望ましい。この場合、接着領域441において気泡などが形成されてしまった場合に、切込み部434を介して気泡の空気を外部によりスムースに逃がすことができるとともに、遊技釘451の取付け、折れた遊技釘451の交換に際して、下孔452の空気や折れた遊技釘を、切込み部434を介して遊技盤30の後方に抜くことが可能となる。さらに、貫通部を孔状とする場合に比べ、情報シール431の意匠性を向上させることができる。
尚、「切込み部434」としては、略線状に延びる形状(スリット状のもの)を意図しており、情報シール431に対して外力が付加されていない状態では、情報シール431のうち、切込み部434を挟んだ一端部側と、他端部側とが互いに当接、又は、近接することとなる。
(s)上記実施形態において、パチンコ機10と、遊技機メーカー等が運営するサーバとの間で、遊技者の所有する通信携帯端末等を介して、データのやりとり(所謂、モバイル連動遊技)を行えるように構成してもよい。さらに、モバイル連動遊技を終了させる場合に、今回の遊技情報を含む2次元コードを装飾図柄表示装置42に表示させ、遊技者がかかる2次元コードを携帯通信端末で読取るとともに、該携帯通信端末でサーバにアクセスすることで、前記遊技情報がサーバに送信される構成において、パチンコ機10は、特別表示装置43a,43bの変動回数をカウントする変動回数カウンタや、各種大当たり状態の発生回数をカウントする大当たりカウンタ等を備え、モバイル連動遊技の終了に際して装飾図柄表示装置42で表示される2次元コードに、各種前記カウンタの値を示す情報が含まれるように構成されていることとしてもよい。さらには、遊技球の発射総数の情報、導出された演出の種別、及び、その回数、遊技者がボタン演出中に演出ボタン125を操作した回数等についても、該2次元コードに含ませることとしてもよい。この場合、遊技機メーカー側で、遊技状況を把握することができる。尚、上記カウンタの値は、2次元コード化されることで消去され、それ以外は(電源が落とされたとしても)蓄積されることとしてもよい。
(t)上記実施形態において大当たり確率や、大当たり種別の数や、各種大当たり種別の可変入賞装置32の開閉パターン等は特に限定されるものではなく、機種ごとに適宜設定可能である。また、高確率状態かつ低入球状態である状態(「潜確モード」)を設けることとしてもよい。さらに、潜確モードが付与される大当たり状態は、遊技球の増加が見込める大当たり(所謂、「出玉有り大当たり」)ではなく、可変入賞装置32の開放時間が短く、かつ、大当たりラウンド数が少ない、遊技球の増加がほぼ見込めない大当たり(所謂、「出玉無し大当たり」)としてもよい。例えば、可変入賞装置32が0.4秒間開放されることを1ラウンドとして、それが2回繰り返されてから、大当たり状態が終了するように構成してもよい。また、可変入賞装置32が、潜確モードが付与される大当たり状態と同様のパターンで開閉される小当たり状態(大当たり状態が発生しなかった場合に所定の確率で当選する)を設けることとしてもよい。この場合、潜確モードの付与が分かり難くなることから、潜確モードが付与されているか否かを示唆する演出等を行うことができる。
加えて、「潜確モード」の大当たりとなる場合には、装飾図柄表示装置42においてゾロ目ではなく、装飾図柄が有効ライン上において特定の組合せ(チャンス図柄の組合せ、例えば、上・中・下図柄表示領域で「3」・「4」・「1」が停止表示される態様)で停止表示されるようにしてもよい。また、装飾図柄表示装置42の演出ステージとして、「潜確モード」の大当たり状態終了後、及び、「小当たり」状態の終了後に移行する「前兆ステージ」を設け、当該「前兆ステージ」では、背景が通常ステージ等と比べて若干変化するとともに、演出バランス又は演出内容が変化する(例えば、通常は選択され難い演出パターンが選択され易くなる等)ように構成してもよい。
尚、装飾図柄表示装置42において、出玉有りの確変大当たり(15RS)に当選したことについての教示が、遅くとも対応する大当たり状態が終了するまでの間に必ず行われるように構成してもよいし、対応する大当たり状態が終了しても行われない(内部的に確変モードである場合でも、装飾図柄表示装置42では、時間短縮モードと同じ引き戻しステージに移行し、時間短縮モードにおいて特別表示装置43a、43bの変動表示が時間短縮モードの上限回数(100回)を超えた場合に、確変ステージに移行する)ように構成してもよい。
加えて、上記実施形態では、当否抽選での当選確率が変動する構成となっているが、当選確率が変動せず(一定であり)、大当たり状態終了後に付与される高入球状態の期間(変動回数)が複数パターン用意されているパチンコ機に上記構成を適用してもよい。さらに、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選においても、「小当たり」に当選する場合があるように構成してもよいし、「小当たり」を省略してもよい。
また、入球サポート抽選における当選確率や、当選した場合の第2始動入賞装置33bの開閉パターン等についても、機種毎に適宜設定可能である。例えば、第2始動入賞装置33bへの1回の開放における遊技球の入賞上限を設定することとしてもよい。より具体的には、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球が入賞上限となるまでの数をカウントする始動入賞上限カウンタを設け、第2始動入賞装置33bを開放する場合に、始動入賞上限カウンタに対して、入賞上限に対応する値を設定し、第2始動入賞スイッチ224bの検知が行われた場合に、始動入賞上限カウンタの値を1減算する処理を行い、第2始動入賞装置33bの開状態中において、閉状態とするタイミングが未だ到来していない場合であっても、始動入賞上限カウンタの値が「0」になった場合には、直ちに第2始動入賞装置33bを閉状態とするように構成してもよい。
(u)上記実施形態では、可変入賞装置32の数が1つであったが2つ設けてもよい。さらに、第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33b、スルーゲート34、可変入賞装置32等の配置、数についても特に限定されるものではなく、機種毎に適宜配置可能である。加えて、第2始動入賞装置33bは、閉状態でも遊技球が入球可能となるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、第1変動表示及び第2変動表示が保留可能に構成されるとともに、保留された順番通りに、変動表示が消化されるように構成されているが、特別変動保留エリアの保留エリアを、4つずつ、第1変動表示用の第1特別変動保留エリアと、第2特別変動保留エリアとに分けるとともに、既に保留されている第1変動表示よりも後に保留された第2変動表示が、前記第1変動表示よりも先に消化されるといった具合に、保留された順番を前後するようにして、第2変動表示が第1変動表示よりも優先的に消化されるよう構成してもよい。
さらに、上記実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づいて行われた当否抽選にて大当たりに当選した場合と、第2始動入賞装置33bへの入球に基づいて行われた当否抽選にて大当たりに当選した場合とで、付与され得る大当たり種別の振分け割合が同一とされているが、異なるように構成してもよい。例えば、第1始動入賞装置33aへの入球に基づいて大当たりに当選した場合よりも、第2始動入賞装置33bへの入球に基づいて大当たりに当選した方が、遊技者にとってより有利な大当たり種別が選択され易くなるように構成されていてもよい。加えて、上記実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球があった場合と、第2始動入賞装置33bへの入球があった場合とで、遊技者に付与される賞球の数が異なるように構成されているが、同一となるように構成してもよい。
(v)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。例えば、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定領域と、特定領域への入球を許容する開状態と、特定領域への入球を禁止する閉状態とに変化可能な可動手段(羽部材)とを具備する可変入球手段と、特定領域に入球した遊技球が入球可能な特定入球手段及び非特定入球手段と、特定入球手段に入球した遊技球を検知する特定入球検知手段(条件成立検知手段)と、特定領域の外部に設けられ、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特別始動手段と、特別始動手段に入球した遊技球を検知する特別始動検知手段と、可変入球手段の開閉制御を行う主制御手段とを備え、特定領域に遊技球が入球した場合には、当該遊技球が特定入球手段及び非特定入球手段のどちらに入球する場合であっても遊技者に所定数の遊技価値(遊技球)が付与され、主制御手段は、特別始動検知手段の検知に基づいて、可変入球手段を第1時間だけ1回又は複数回開状態とさせる小当たり状態、又は、可変入球手段を前記第1時間よりも長い第2時間開状態とさせる、又は、開状態とされた可変入賞手段に規定個数の遊技球が入球するまでを1ラウンドとして、これを規定回数繰り返す大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選を行い、当否抽選にて小当たりに当選した場合には小当たり状態を発生させ、当否抽選にて大当たりに当選した場合、及び、小当たり状態において特定入球検知手段の検知が行われた場合に大当たり状態を発生させるといった遊技機に適用してもよい。当該構成を採用する場合、球案内手段としての案内装置が、遊技球を特別始動手段に案内することとしてもよい。
[付記]
上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下に記載する。
A.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、例えば、発射装置にて打ち出された遊技球が案内される遊技領域に設けられた始動入球手段に遊技球が入球すると、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるようになっている(特開2006−271480号公報参照)。
ところで、遊技を進行させる上で、遊技球を始動入球手段へ入球させる必要があるが、当該入球の具合が偏って全く入球しない状態ができてしまう等の事態を回避したり、始動入球手段を狙って遊技球を発射させる状況における単調感の抑制を図ったりすることが望まれている。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、始動入球手段への入球を安定させるとともに、始動入球手段を狙って遊技球を発射させる状況における単調感の抑制を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段A−1−a.発射装置にて打出された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段に入球した遊技球を検知する始動入球検知手段と、
前記始動入球検知手段の検知が行われた場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選に当選した場合に前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な入口部と、前記始動入球手段の近傍に設けられた出口部と、前記入口部に入球した遊技球を前記出口部まで案内する案内通路とを有する球案内手段とを備える遊技機において、
前記入口部には、開位置と、閉位置との間を変位可能な開閉手段が設けられ、
前記入口部は、前記開閉手段が前記開位置とされることで、前記開閉手段により前記入口部の側方の前記遊技領域を移動する遊技球が前記入口部に案内される開状態とされるとともに、前記開閉手段が前記閉位置とされることで、前記開状態よりも前記遊技領域を移動する遊技球が前記入口部に入球し難くなる閉状態とされる構成であって、
前記入口部として、第1入口部と、第2入口部とを備え、
前記開閉手段として、前記第1入口部に設けられた第1開閉手段と、前記第2入口部に設けられた第2開閉手段とを備え、
前記閉状態にある前記第1入口部、及び、前記閉状態にある前記第2入口部のうち一方に対し第1規定数の遊技球が入球した場合に、前記第1開閉手段を前記開位置とさせる第1開放連動手段、及び、
前記閉状態にある前記第1入口部、及び、前記閉状態にある前記第2入口部のうち他方に対し第1規定数の遊技球が入球した場合に、前記第2開閉手段を前記開位置とさせる第2開放連動手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
手段A−1−aによれば、球案内手段の入口部に開閉手段が設けられている。このため、開閉手段が開位置とされることで、遊技領域を移動する遊技球を球案内手段の入口部へ入球させ易くする(入口部を開状態とする)ことができる。従って、遊技球が球案内手段を通過する機会を確実に増やし、球案内手段を十分に機能させることができる。つまり、始動入球手段の実質的な入口とも言えるように構成することの可能な入口部の開口面積を、始動入球手段の入口(始動口)の開口面積よりも大きくすることができる。さらに、入口部は、第1入口部と第2入口部とを備え、始動入球手段の実質的な入口の数を増やし、かつ、遊技領域の始動入球手段から離間した所期の位置に配置することが可能である。結果として、遊技球の始動入球手段への入球具合が偏って全く入球しない状態ができてしまう等の事態を抑制し、始動入球手段への入球を安定させることができる。さらに、例えば、球案内手段の入口部が拡大されただけの構成に比べ、遊技性の向上が図られる上、遊技のバランスを遊技者に有利になり過ぎないように、その他の構成を犠牲にする(例えば、球案内手段に入球しなかった遊技球は、いずれの入球手段にも入球しないような調整にする)といった事態を抑制することができる。
また、入口部に遊技球が入球することに連動して、対応する開閉手段が開位置とされるように構成されている。このため、遊技球が所定の入口部へ入球することの特典として、開閉手段が開位置とされるような格好となり、また、開位置とされた開閉手段を狙って遊技球を発射させるという遊技要素を付加することができる。従って、始動入球手段を狙って遊技球を発射させる状況において、遊技意欲を向上させる機会を断続的に増加させることができ、遊技に際しての単調感を抑制することができる。結果として、興趣の向上を図ることができる。
尚、「前記球案内手段の前記出口部から導出される遊技球は、前記始動入球手段に入球する可能性が高められる軌道を付与されるように構成されること」を意図しており、始動入球手段に入球不可能又は困難な位置に案内されてしまうような構成は含まれない。また、球案内手段を通過する遊技球が視認可能に構成されていることとしてもよい。加えて、入口部の数等は特に限定されるものではなく、例えば、「前記入口部として、第1入口部と、第2入口部と、第3入口部とがあり、閉状態にある第1入口部への第1規定数の入球で第2開閉手段が開位置とされ、閉状態にある第2入口部への第1規定数の入球で第3開閉手段が開位置とされ、閉状態にある第3入口部への第1記載数の入球で第1開閉手段が開位置とされ、開状態にある第1入口部への第2規定数の入球で第1開閉手段が閉位置とされ、開状態にある第2入口部への第2規定数の入球で第2開閉手段が閉位置とされ、開状態にある第3入口部への第2規定数の入球で第3開閉手段が閉位置とされるように構成されること」としてもよい。また、「前記第1入口部、及び、前記第2入口部に入球した遊技球は、共通の前記出口部から排出されること」としてもよい。
手段A−1−b.前記開状態にある前記第1入口部、及び、前記開状態にある前記第2入口部のうち一方に対し第2規定数の遊技球が入球した場合に、前記第1開閉手段を前記閉位置とさせる第1閉鎖連動手段、及び、
前記開状態にある前記第1入口部、及び、前記開状態にある前記第2入口部のうち他方に対し第2規定数の遊技球が入球した場合に、前記第2開閉手段を前記閉位置とさせる第2閉鎖連動手段とを備えていることを特徴とする手段A−1−aに記載の遊技機。
手段A−2.前記第1開放連動手段は、前記第2入口部に前記第1規定数の遊技球が入球した場合に、前記第1開閉手段を前記開位置とさせ、
前記第2開放連動手段は、前記第1入口部に前記第1規定数の遊技球が入球した場合に、前記第2開閉手段を前記開位置とさせることを特徴とする手段A−1に記載の遊技機。
手段A−2によれば、第1入口部及び第2入口部の一方を狙って遊技球を発射させていると、他方に対応する開閉手段が開位置とされる。従って、始動入球手段を狙って遊技球を発射させる状況における遊技に際しての単調感を抑制し、興趣の向上を図るといった作用効果がより顕著に奏される。
尚、「前記第1閉鎖連動手段は、前記第1入口部に前記第2規定数の遊技球が入球した場合に、前記第1開閉手段を前記開位置とさせ、
前記第2閉鎖連動手段は、前記第2入口部に前記第2規定数の遊技球が入球した場合に、前記第2開閉手段を前記開位置とさせること」としてもよい。この場合、第1入口部、及び、第2入口部が、一度開状態とされてしまえば、開状態とされた入口部に遊技球を幾ら入球させても開状態とされ続けられてしまうといった事態を回避することができる。
手段A−3.前記開放連動手段(、及び、前記閉鎖連動手段)は、前記入口部に入球した遊技球と、前記開閉手段とを機械的に連動させるように構成されていることを特徴とする手段A−1又はA−2に記載の遊技機。
手段A−3によれば、連動手段は、所定の入口部に入球した遊技球と、開閉手段とを機械的に連動させる構成であることから、開位置とされた開閉手段は、対応する入口部に遊技球が入球しないと閉位置とされない。このため、遊技球を狙ったところに打ち出すといった技術が高くない遊技者であっても、(時間をかければ)開位置とされた開閉手段に遊技球を至らせ、対応する入口部に入球させることができる。従って、開閉手段が開位置とされたものの、遊技球を開閉手段へ至らせることができないまま、開閉手段が閉位置に戻る制限時間を迎えてしまうといった事態を回避することができ、技術や知識の差で遊技の有利不利に差が開いてしまうことを抑制することができる。加えて、開閉手段が開位置とされた状態では、遊技者は遊技を終了し難いことから、遊技の滞在時間の増加を図ることができる。また、開閉手段の電気的な開閉制御を行わなくても済み、制御の簡素化等を図ることができる。
手段A−4.発射装置にて打出された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段に入球した遊技球を検知する始動入球検知手段と、
前記始動入球検知手段の検知が行われた場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選に当選した場合に前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な入口部と、前記始動入球手段の近傍に設けられた出口部と、前記入口部に入球した遊技球を前記出口部まで案内する案内通路とを有する球案内手段とを備える遊技機において、
前記入口部には、開位置と、閉位置との間を変位可能な開閉手段が設けられ、
前記入口部は、前記開閉手段が前記開位置とされることで、前記開閉手段により前記入口部の側方の前記遊技領域を移動する遊技球が前記入口部に案内される開状態とされるとともに、前記開閉手段が前記閉位置とされることで、前記開状態よりも前記遊技領域を移動する遊技球が前記入口部に入球し難くなる閉状態とされる構成であって、
下記要件(1)、(2)、(3)、及び、(4)のうちいずれかを満たすことを特徴とする遊技機。
要件(1);前記入口部は、前記閉状態にあっても前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能に構成され、
前記閉状態にある前記入口部に対し第1規定数の遊技球が入球した場合に、当該入口部の前記開閉手段を前記開位置とさせる開放連動手段と、前記開状態にある前記入口部に対し第2規定数の遊技球が入球した場合に、当該入口部の前記開閉手段を前記閉位置とさせる閉鎖連動手段とを備えていること。
要件(2);前記入口部として、第1入口部と、第2入口部とを備え、
前記開閉手段として、前記第1入口部に設けられた第1開閉手段と、前記第2入口部に設けられた第2開閉手段とを備え、
前記第1入口部は、前記閉状態にあっても前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能に構成され、
前記第2入口部は、前記閉状態にあっても前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能に構成され、
前記閉状態にある前記第1入口部に対し第1規定数の遊技球が入球した場合に、前記第2開閉手段を前記開位置とさせる第2開放連動手段と、前記開状態にある前記第2入口部に対し第2規定数の遊技球が入球した場合に、前記第2開閉手段を前記閉位置とさせる第2閉鎖連動手段とを備えるとともに、
前記閉状態にある前記第2入口部に対し第3規定数の遊技球が入球した場合に、前記第1開閉手段を前記開位置とさせる第1開放連動手段と、前記開状態にある前記第1入口部に対し第4規定数の遊技球が入球した場合に、前記第1開閉手段を前記閉位置とさせる第1閉鎖連動手段とを備えていること。
要件(3);前記入口部として、第1入口部と、第2入口部とを備え、
前記開閉手段として、前記第1入口部に設けられた第1開閉手段と、前記第2入口部に設けられた第2開閉手段とを備え、
前記第1入口部は、前記閉状態においても前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能に構成され、
前記第2入口部は、前記閉状態においても前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能に構成され、
前記閉状態にある前記第1入口部に対し第1規定数の遊技球が入球した場合に、前記第1開閉手段を前記開位置とさせる第1同側開放連動手段と、前記開状態にある前記第1入口部に対し第2規定数の遊技球が入球した場合に、前記第1開閉手段を前記閉位置とさせる第1同側閉鎖連動手段、及び、前記第2開閉手段を開位置とさせる第2反対側開放連動手段とを備えるとともに、
前記閉状態にある前記第2入口部に対し第3規定数の遊技球が入球した場合に、前記第2開閉手段を前記開位置とさせる第2同側開放連動手段と、前記開状態にある前記第2入口部に対し第4規定数の遊技球が入球した場合に、前記第2開閉手段を前記閉位置とさせる第2同側閉鎖連動手段、及び、前記第1開閉手段を開位置とさせる第1反対側開放連動手段とを備えていること。
要件(4);前記入口部として、第1入口部と、第2入口部とを備え、
前記開閉手段として、前記第1入口部に設けられた第1開閉手段と、前記第2入口部に設けられた第2開閉手段とを備え、
前記第1入口部の近傍に設けられた第1契機入球手段と、前記第2入口部の近傍に設けられた第2契機入球手段とを備え、
前記第1入口部は、前記閉状態にある場合に、前記遊技領域を移動する遊技球が入球不可能に構成され、
前記第2入口部は、前記閉状態にある場合に、前記遊技領域を移動する遊技球が入球不可能に構成され、
前記第1契機入球手段に対し第1規定数の遊技球が入球した場合に、前記第2開閉手段を前記開位置とさせる第2開放連動手段と、前記開状態にある前記第2開閉手段に対し第2規定数の遊技球が入球した場合に、前記第2開閉手段を前記閉位置とさせる第2閉鎖連動手段とを備えるとともに、
前記第2契機入球手段に対し第3規定数の遊技球が入球した場合に、前記第1開閉手段を前記開位置とさせる第1開放連動手段と、前記開状態にある前記第1開閉手段に対し第4規定数の遊技球が入球した場合に、前記第1開閉手段を前記閉位置とさせる第1閉鎖連動手段とを備えていること。
手段A−4によれば、球案内手段の入口部に対応して開閉手段が設けられている。このため、開閉手段が開位置とされることで、遊技領域を移動する遊技球を球案内手段の入口部へ入球させ易くする(入口部を開状態とする)ことができる。従って、遊技球が球案内手段を通過する機会を確実に増やし、球案内手段を十分に機能させることができる。結果として、遊技球の始動入球手段への入球具合が偏って全く入球しない状態ができてしまう等の事態を抑制し、始動入球手段への入球を安定させることができる。さらに、例えば、球案内手段の入口部が拡大されただけの構成に比べ、遊技性の向上が図られる上、遊技のバランスを遊技者に有利になり過ぎないように、その他の構成を犠牲にする(例えば、球案内手段に入球しなかった遊技球は、いずれの入球手段にも入球しないような調整にする)といった事態を抑制することができる。
また、上記要件(1)〜(3)に関しては、入口部に遊技球が入球することに連動して、対応する開閉手段が開位置とされ、上記要件(4)に関しては契機入球手段に遊技球が入球することに連動して、対応する開閉手段が開位置とされるように構成されている。このため、遊技球が所定の入球部へ入球することの特典として、開閉手段が開位置とされるような格好となり、また、開位置とされた開閉手段を狙って遊技球を発射させるという要素も加わることから、始動入球手段を狙って遊技球を発射させる状況における遊技に際しての単調感を抑制することができる。特に、上記要件(2)〜(4)に関しては、第1入口部及び第2入口部の一方を狙って遊技球を発射させていると、他方に対応する開閉手段が開位置とされるため、かかる作用効果がより顕著に奏される。従って、遊技意欲の向上等を図ることができる。
尚、「前記球案内手段の前記出口部から導出される遊技球は、前記始動入球手段に入球する可能性が高められる軌道を付与されるように構成されること」を意図しており、始動入球手段に入球不可能又は困難な位置に案内されてしまうような構成は含まれない。また、球案内手段を通過する遊技球が視認可能に構成されていることとしてもよい。
手段A−5.前記要件(1)〜(3)を満たす場合において、
前記開放連動手段、及び、前記閉鎖連動手段は、前記入口部に入球した遊技球と、前記開閉手段とを機械的に連動させるように構成され、
前記要件(4)を満たす場合において、
前記開放連動手段は、前記契機入球手段に入球した遊技球と、前記開閉手段とを機械的に連動させるとともに、前記契機入球手段に入球した遊技球を前記遊技領域の外部に排出させ、
前記閉鎖連動手段は、前記入口部に入球した遊技球と、前記開閉手段とを機械的に連動させるように構成されていることを特徴とする手段A−4に記載の遊技機。
手段A−5によれば、連動手段は、所定の入口部、又は、契機入球手段に入球した遊技球と、開閉手段とを機械的に連動させる構成であることから、開位置とされた開閉手段は、対応する入口部に遊技球が入球しないと閉位置とされない。このため、遊技球を狙ったところに打ち出すといった技術が高くない遊技者であっても、(時間をかければ)開位置とされた開閉手段に遊技球を至らせ、対応する入口部に入球させることができる。従って、開閉手段が開位置とされたものの、遊技球を開閉手段へ至らせることができないまま、開閉手段が閉位置に戻る制限時間を迎えてしまうといった事態を回避することができ、技術や知識の差で遊技の有利不利に差が開いてしまうことを抑制することができる。加えて、開閉手段が開位置とされた状態では、遊技者は遊技を終了し難いことから、遊技の滞在時間の増加を図ることができる。また、開閉手段の電気的な開閉制御を行わなくても済み、制御の簡素化等を図ることができる。
尚、上記要件(4)に関しては、第1開閉手段及び第2開閉手段の両方を閉位置とすることができ、気兼ねなく遊技を終了することができる(上記要件(1)〜(3)に関しても、前記規定数の調整を行うことで、第1開閉手段及び第2開閉手段の両方を閉位置とすることが可能になる)。
また、「前記要件(1)〜(3)を満たす場合において、前記入口部に入球した遊技球は前記案内通路の前記出口部側に移動されるように構成され、前記要件(4)を満たす場合において、前記契機入球手段に入球した遊技球は前記遊技領域の外部に排出され、前記入口部に入球した遊技球は前記案内通路の前記出口部側に移動されるように構成されていること」としてもよい。この場合、遊技球が入口部に入球しただけでは、一般的に遊技球が入賞口に入球した場合に行われる遊技球の増減に関わる処理を行わなくとも済み、構成の簡素化を図ることができるとともに、入口部に入球しただけでは賞球が発生しないことにより、遊技バランスの調整において、入口部に入球した遊技球が始動入球手段にどの程度入球するのかの点を調節可能とすることができ、利便性の向上を図ることができる。
手段A−6.前記入口部に遊技球が入球したことを検知する入球検知手段を備えていることを特徴とする手段A−1乃至A−5のいずれかに記載の遊技機。
手段A−6によれば、遊技球が入口部に入球したことを把握することができ、当該情報に基づいて、例えば、開位置とされる開閉手段を報知したり、開位置とされる開閉手段が閉位置とされるまでに、対応する入口部へ入球可能な遊技球の残り数を教示したりする等、遊技の進行をアシストするような各種案内等を行うことが可能になる。
尚、上記手段A−5のように、開閉手段は機械的に連動する構成であるため、入球検知手段の検知が開閉手段の動作の契機となるようなことはない。また、入球検知手段は、入口部に入球する遊技球を検知する構成に限定されず、対応する連動手段の動作を検知するような構成としてもよい。加えて、「前記各規定数が複数である場合に、前記規定数となるまでの残りの回数を教示する残り回数教示手段を備えていること」としてもよい。この場合、遊技者は、残りの回数情報に応じて遊技の調整を行うことができ、利便性の向上等を図ることができる。
手段A−7.前記開閉手段が前記開位置とされているか否かを検知可能な開位置検知手段を備えていることを特徴とする手段A−1乃至A−6のいずれかに記載の遊技機。
手段A−7によれば、開閉手段が機械的に連動する構成において、開閉手段が開位置とされていることを把握することができる。従って、例えば、不正に開閉手段が開位置とされている、或いは、故障で開閉手段が連動しない等の事態を把握することができ、迅速な対処を行うことが可能となる。
手段A−8.前記入口部に入球した遊技球を検知する入球検知手段を備え、
前記開位置検知手段の検知が行われた場合に、前記入球検知手段の検知情報に基づいて、前記入口部への遊技球の入球が検知されていないと判別される場合には、対応する報知処理が実行されることを特徴とする手段A−7に記載の遊技機。
手段A−8によれば、不正に開閉手段が開位置とされていること等をより確実に把握することができる。
手段A−9.前記開閉手段又はその近傍に発光手段が設けられ、前記開閉手段が前記開位置とされる場合に、当該開閉手段に対応する前記発光手段が発光状態とされ、前記開閉手段が前記閉位置とされる場合に、当該開閉手段に対応する前記発光手段が非発光状態とされることを特徴とする手段A−6乃至A−8のいずれかに記載の遊技機。
手段A−9によれば、開閉手段が開位置とされる(開位置とされた)ことに気付き易く、開位置とされた開閉手段を狙う動作を比較的素早く行うことができる。尚、「前記要件(4)を満たす場合において、前記第1契機入球手段及び前記第2契機入球手段、又は、その近傍に発光手段が設けられ、前記第1開閉手段が前記閉位置とされている場合に、前記第2契機入球手段に対応する前記発光手段が発光状態とされ、前記第2開閉手段が前記閉位置とされている場合に、前記第1契機入球手段に対応する前記発光手段が発光状態とされること」としてもよい。
また、入球検知手段を備える構成においては、「前記入球検知手段の検知情報に基づいて、前記開閉手段が前記開位置とされるか否かを判別する」よう構成され、開位置検知手段を備える構成においては、「前記開位置検知手段の検知情報に基づいて、前記開閉手段が前記開位置とされるか(開位置とされているか)否かを判別する」よう構成ることとしてもよい。
手段A−10―a.(上記手段A−4に係る手段に関しては、前記要件(2)〜(4)を満たす場合において、)
前記発射手段による遊技球を打ち出す強さを調節可能な発射強さ調節手段を備え、
前記始動入球手段は、第1始動入球手段と、第2始動入球手段とを備え、
前記始動入球検知手段は、前記第1始動入球手段に入球した遊技球を検知する第1始動入球検知手段と、前記第2始動入球手段に入球した遊技球を検知する第2始動入球検知手段とを備え、
前記球案内手段の前記第1入口部、及び、前記第2入口部に入球し、前記出口部から導出された遊技球が、前記第1始動入球手段の近傍まで案内される構成であって、
前記遊技領域は、
前記第1入口部が設けられた第1ルートと、
前記第2入口部が設けられた第2ルートと、
前記第2始動入賞装置が設けられた第3ルートとを備え、
前記発射強さ調節手段は、遊技者が操作可能に構成され、遊技者の操作に伴って変位する操作部を備え、
前記操作部を特定方向に変位させることで、前記発射手段による遊技球を打ち出す強さが調節可能に構成されるとともに、打ち出す強さを調節して、遊技球を前記第1ルートと、前記第2ルートと、前記第3ルートとに打ち分け可能に構成されていることを特徴とする手段A−1乃至A−9のいずれかに記載の遊技機。
手段A−10−aによれば、第1始動入球手段を狙って遊技球を発射させる第1遊技状態と、第2始動入球手段を狙って遊技球を発射させる第2遊技状態とが設けられる構成において、遊技球の打ち分けを確実に行うことができる。従って、遊技性の多様化等を図ることができる。また、第3ルートが設けられることで、第2遊技状態においては、開状態とされる第1入口部、及び、第2入口部を気にすることなく、遊技を進行させることができる。特に、第2遊技状態が第1遊技状態よりも遊技がスピーディに進行するような場合(当否抽選の結果を教示するために行われる演出(識別情報を表示可能な可変表示手段における識別情報の変動表示等)の時間が短く設定される状態、当否抽選の当選確率が高くなる状態等)、遊技を快適に進行させるといった作用効果がより顕著に奏されることとなる。
尚、遊技領域の遊技部材を増やす等して、遊技球が球案内手段を経由せずに始動入球手段に入り難くなるような配置になってしまったとしても、球案内手段が設けられていることにより、遊技球の始動入球手段への入球の程度をカバーすることができ、設計の自由度の向上等を図ることができる。
尚、「前記第2始動入球手段は、遊技領域を移動する遊技球の入球を許容する開位置と、遊技球の入球を規制する閉位置とに状態変化可能に構成され、
前記遊技領域を移動する遊技球が通過可能な普通始動手段と、前記普通始動手段を通過する遊技球を検知する普通始動検知手段とを備え、
前記普通始動検知手段の検知に基づいて、前記第2始動入球手段を開位置とさせるか否かの入球サポート抽選が行われ、
前記第3ルートにおいて、前記普通始動手段が設けられていること」としてもよい。
また、「前記遊技盤は、少なくとも一部において、前記遊技盤の前面側から前記遊技盤の後方を視認可能とする透明部を備え、
前記第3ルートは、(最強の強さで発射された遊技球が入球可能な位置に設けられた)特定入口部と、(前記特定入口部に入球しなければ到達不可能な位置に設けられた)特定出口部と、前記特定入口部に入球した遊技球を前記特定出口部に入球可能な位置にまで案内する特定案内通路とを備え、
前記第3ルートの前記特定案内通路は、前記遊技盤のうち前記透明部の裏側に設けられていること」としてもよい。
手段A−10−b.前記発射手段による遊技球を打ち出す強さを調節可能な発射強さ調節手段を備え、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態とに状態変化可能に構成されるとともに、前記当否抽選に当選した場合に前記開状態とされる可変入球手段を備え、
前記遊技領域は、
前記第1ルートと、及び、前記第2ルートの他に、
前記第2可変入賞装置が設けられた第3ルートを備え、
前記第3ルートを移動する遊技球が入球可能な位置に前記可変入球手段が設けられ、
前記発射強さ調節手段は、遊技者が操作可能に構成され、遊技者の操作に伴って変位する操作部を備え、
前記操作部を特定方向に変位させることで、前記発射手段による遊技球を打ち出す強さが調節可能に構成されるとともに、打ち出す強さを調節して、遊技球を前記第1ルートと、前記第2ルートと、前記第3ルートとに打ち分け可能に構成されていることを特徴とする手段A−1乃至A−10−aのいずれかに記載の遊技機。
手段A−10−bによれば、始動入球手段を狙って遊技球を発射させる通常遊技状態と、可変入球手段を狙って遊技球を発射させる特別遊技状態とが設けられる構成において、遊技球の打ち分けを確実に行うことができる。従って、遊技性の多様化等を図ることができる。また、第3ルートが設けられることで、特別遊技状態においては、開状態とされる第1入口部、及び、第2入口部を気にすることなく、遊技をテンポよく進行させることができる。
手段A−11.前記操作部の操作量に応じて、前記第1ルート又は前記第2ルートに遊技球が発射される状態から、前記第3ルートに遊技球が発射される状態へと切替わる場合に、前記第3ルートに遊技球が発射される状態とされる前の状態で、前記操作部の操作の感触を変更させる境界教示手段を備えていることを特徴とする手段A−10に記載の遊技機。
手段A−11によれば、例えば、第1ルートと、第2ルートとの間の遊技球の打ち替えを行っている状態において、不用意に第3ルートに遊技球を発射させてしまう(遊技球が無駄になってしまう)といった事態を抑制することができる。
尚、「前記操作部の操作の感触を変更させる」とは、遊技者が触覚で境界を認知することができるように構成されていればよく、操作感が一旦重くなる、振動がある等の構成を適宜採用することが可能である。また、例えば、前記発射強さ調節手段は、操作することで、前記発射手段の発射が停止される発射停止操作手段を備え、前記発射停止操作手段が操作されている状態においては、前記境界教示手段が機能しない状態とされること」としてもよい。つまり、遊技球の打ち替え(狙い所の変更)に際して、遊技球が無駄にならないように発射停止操作手段が操作されることから、発射停止操作手段が操作される状態は遊技球の打ち替えが行われる可能性が高いものとして、境界教示手段を機能させないようにすることで、遊技球の打ち替えをスムースに行うことができる。
手段A−12.(上記手段A−4に係る手段に関しては、前記要件(2)〜(4)を満たす場合において、)
前記遊技領域は
前記発射手段により発射された遊技球を前記第1入口部に到達させることの可能な第1ルートと、
前記発射手段により発射された遊技球を前記第2入口部に到達させることの可能な第2ルートとを備え、
前記第1ルートを移動する遊技球が入球可能に構成されるとともに、当該遊技球が前記第2ルートに案内される第1バイパス通路、及び、前記第2ルートを移動する遊技球が入球可能に構成されるとともに、当該遊技球が前記第1ルートに案内される第2バイパス通路のうち少なくとも一方を備え、
前記第1バイパス通路、及び、前記第2バイパス通路から排出された遊技球は、前記開状態にある前記第2入口部、及び、前記第1入口部に入球可能に構成されていることを特徴とする手段A−1乃至A−11のいずれかに記載の遊技機。
手段A−12によれば、遊技領域における遊技球の挙動をより興味深いものとすることができる。また、例えば、第2入口部が開状態とされているにもかかわらず、遊技領域のうち第1ルートのみに遊技球を発射し続けているような遊技者にとっての不利益を極力抑制する(第2ルートに発射させる方が第2入口部に入球させ易いが、第1ルートに遊技球を発射させ続けても、第2入球部に入球する可能性がある)ことができる。
尚、バイパス通路を移動する遊技球については視認可能に構成されていることとしてもよい。また、バイパス通路は、遊技盤の裏側に設けられていることとしてもよい。バイパス通路を移動する遊技球に対して光を照射する(例えば、バイパス通路入口にバイパス入球検知手段を設け、当該検知に応じて発光する発光手段を設ける)ように構成してもよい。
手段A−13.上記手段A−1に係る手段、及び、
上記手段A−4に係る手段のうち、前記要件(2)、(3)を満たす場合において、
前記第1バイパス通路を通過した遊技球は、前記第2開閉手段の近傍に案内され、前記第2バイパス通路を通過した遊技球は、前記第1開閉手段の近傍に案内されるよう構成され、
上記手段A−4に係る手段の前記要件(4)を満たす場合において、
前記第1バイパス通路を通過した遊技球は、前記第2契機入球手段の近傍に案内され、前記第2バイパス通路を通過した遊技球は、前記第1契機入球手段の近傍に案内されるよう構成されていることを特徴とする手段A−12に記載の遊技機。
手段A−13によれば、第1開閉手段、及び、第2開閉手段が開位置とされる状況のバリエーションが増え(例えば、開位置とされた第1開閉手段を狙って第1ルートに遊技球を打ち出していたところ、第1バイパス通路に遊技球が入球し、開位置の第1開閉手段に遊技球が入球して第1開閉手段が閉位置とされた直後に、第1バイパス通路を通過していた遊技球が閉位置にある第2開閉手段に入球し、第1開閉手段がもう一度開位置とされる等)、興趣の向上を図ることができる。
手段A−14.前記遊技盤は、少なくとも一部において、前記遊技盤の前面側から前記遊技盤の後方を視認可能とする透明部を備え、
前記球案内手段の前記案内通路は、前記遊技盤のうち前記透明部の裏側に設けられていることを特徴とする手段A−1乃至A−13のいずれかに記載の遊技機。
手段A−14によれば、球案内手段を通過する遊技球を視認させつつ、球案内手段や連動手段によって遊技領域が分断されることを回避することができる。従って、遊技領域における各種遊技部材の配置や、球案内手段の配置に関する自由度を向上させることができ、遊技性等の向上を図ることができる。尚、透明部の裏側とは、遊技盤の後面よりも後方位置であってもよいし、遊技盤の後面側に形成された凹部の内側であってもよい。
手段A−15.前記始動入球検知手段の検知が行われた場合に、前記当否抽選に関する当否関連情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得された前記当否関連情報を記憶可能な記憶領域を複数有する保留記憶手段とを備え、
前記始動入球手段は、
前記遊技領域を移動する遊技球が常時入球可能な入球部と、
前記入球部に入球した遊技球が入球可能な(左右一対の)第1入賞口、及び、第2入賞口と、
前記入球部に入球した遊技球を前記第1入賞口、及び、前記第2入賞口に交互に案内する振分け装置とを備え、
前記始動入球検知手段として、前記第1入賞口に入球した遊技球を検知する第1入賞口検知手段と、前記第2入賞口に入球した遊技球を検知する第2入賞口検知手段とが設けられ、
前記保留記憶手段には、前記第1入賞口検知手段の検知に基づいて取得された第1当否関連情報を、所定数を上限として記憶可能に構成されるとともに、前記第2入賞口検知手段の検知に基づいて取得された第2当否関連情報を、所定数を上限として記憶可能に構成されていることを特徴とする手段A−1乃至A−14のいずれかに記載の遊技機。
手段A−15によれば、始動入球手段の入球部に遊技球を入球させていくだけで、遊技球を第1入賞口及び第2入賞口に交互に入球させることができ、第1当否関連情報及び第2当否関連情報(変動表示)を効率よく保留記憶させていくことができる。
さらに、上記のように、入口部に開閉手段が設けられた球案内手段により遊技球が始動入球手段(入球部)の近傍まで効率的に案内されることから、第1当否関連情報及び第2当否関連情報(変動表示)を効率よく保留記憶させることのできる始動入球手段の機能を十分に発揮させることができる。従って、変動表示を比較的たくさん保留することのできる機能を備えていても、その機能を十分に発揮させることができず、興趣の低下を招くといった事態を抑止することができる。
特に、例えば、第1入口部に入球した遊技球は第1入賞口検知手段に検知される(第2入賞口検知手段には検知されない)よう構成され、及び、第2入口部に入球した遊技球は第2入賞口検知手段に検知される(第1入賞口検知手段には検知されない)よう構成される場合に比べ、変動表示の保留記憶が偏ってしまうといった事態を確実に回避することができ、始動入球手段が遊技球に入球させ易くなっている構成を十分に活かすことができる。
尚、「前記保留記憶手段の前記記憶領域に前記当否関連情報が記憶されていることを示す保留表示を導出可能な保留表示手段を備えること」としてもよい。この場合、変動表示の保留が好適に行われていることをアピールすることができる。また、始動入球手段の第1入賞口に遊技球が入球する(或いは入球確実となる)ことで、対応する開閉手段が開位置とされ、第2入賞口に遊技球が入球する(或いは入球確実となる)ことで、対応する開閉手段が開位置とされるように開放連動手段を設けることとしてもよい。
さらに、「前記保留記憶手段の前記記憶領域に記憶されている前記当否関連情報の示唆又は教示を行う演出保留表示手段を備え、前記演出保留表示手段では、前記保留表示手段の前記保留表示に対応する演出保留表示が導出可能に構成され、前記振分け装置の前記入球部に入球した直後の遊技球を検知可能な入球直後検知手段を備え、前記入球直後検知手段の検知が行われた場合に、前記演出保留表示手段において、前記入球直後検知手段の検知が行われたことを示し、前記演出保留表示とは異なる態様の仮演出保留表示を表示し、前記第1入賞口検知手段、及び、前記第2入賞口検知手段の検知が行われた場合に、前記仮演出保留表示を前記演出保留表示に変更すること」としてもよい。
つまり、始動入球手段の入球部から第1入賞口検知手段、第2入賞口検知手段までの距離が長くなる場合、入球部に入球した遊技球がどうなったのかというような不安を招くことが懸念される。この点、入球部に入球した遊技球を検知する入球直後検知手段を設け、入球直後検知手段の検知が行われた場合に、演出保留表示手段において、仮演出保留表示を導出し、実際に第1入賞口検知手段、第2入賞口検知手段の検知が行われた場合に、仮演出保留表示を1つ演出保留表示に変化させることで、もうすぐ記憶領域に当否関連情報が記憶される可能性が高い、すなわち、変動表示の権利が得られる可能性が高いことを教示することができる。従って、遊技球が入球部に入球した反応がないために不安になる、或いは、遊技球が入球部に入球してから第1入賞口検知手段、第2入賞口検知手段に検知されるまでの間に、遊技者が、保留がないことを確認して遊技を止めてしまう等といった事態を回避することができる。
手段A−16.前記始動入球手段には、前記球案内手段を通過していない遊技球についても入球可能に構成されていることを特徴とする手段A−1乃至A−15のいずれかに記載の遊技機。
手段A−16によれば、例えば、遊技領域に設けられる遊技釘(例えば、始動入球手段の入球部の両側部に設けられる命釘)の変形等により、球案内手段経由の遊技球が始動入球手段に入球し難くなった場合、球案内手段を経由せずに始動入球手段に向かう遊技球についても始動入球手段に入球し難くなる等といった影響が生じる。従って、球案内手段を経由した遊技球が始動入球手段に入球し難くなっていることを迅速に把握することができ、遊技者としては、不具合が生じている遊技機の遊技を避ける、或いは、遊技ホール関係者に伝える等することができ、遊技ホール側としては、遊技釘を正常な姿勢に戻す等のメンテナンスを早期に行う等する(始動入球手段に遊技球が入球し難くなっている状態が長期維持されないようにする)ことができる。
手段A−17.前記遊技領域を移動する遊技球が通過可能なゲート手段と、
前記ゲート手段を通過する遊技球を検知するゲート通過検知手段とを備え、
前記入口部の直上方において前記ゲート手段を配置し、前記ゲート手段を通過した遊技球は前記入口部に入球可能に構成され、
前記入口部と、前記ゲート手段との間に遊技釘を配置しないことを特徴とする手段A−1乃至A−16のいずれかに記載の遊技機。
手段A−17によれば、入口部の直上方にゲート手段が配置され、入口部とゲート手段との間に遊技釘が設けられないことから、入口部付近の遊技釘の変形によって入口部へ遊技球が入球し難くなってしまうといった事態を抑制するとともに、入口部の保護の観点から、入口部の直上方に遊技釘が無くても、ゲート手段の存在により、遊技領域を勢いよく流下する遊技球の衝突を回避することができる。また、遊技釘の変形等により、ゲート手段に遊技球を入球させ難くなっている場合、その他の遊技性に影響が発生することから、その原因となる遊技釘の変形等を迅速に把握することができる。従って、遊技者としては、不具合が生じている遊技機の遊技を避ける、或いは、遊技ホール関係者に伝える等することができ、遊技ホール側としては、遊技釘を正常な姿勢に戻す等のメンテナンスを早期に行う等する(第1入口部、及び、第2入口部に遊技球が入球し難くなっている状態が長期維持されないようにする)ことができる。
B.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、例えば、発射装置にて打ち出された遊技球が案内される遊技領域に設けられた始動入球手段に遊技球が入球すると、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるようになっている(特開2006−271480号公報参照)。
ところで、一般に、遊技に際しては、遊技球が始動入球手段に入球するように遊技球を発射させることとなるが、基本的に、遊技球を同じ強さで発射させ続けることとなり、単調感を招くことが懸念される。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、単調感の抑制を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段B−1.発射装置にて打出された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段に入球した遊技球を検知する始動入球検知手段と、
前記始動入球検知手段の検知が行われた場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選に当選した場合に前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な第1入口部、及び、第2入口部と、前記始動入球手段の近傍に設けられた出口部と、前記第1入口部、及び、前記第2入口部に入球した遊技球を前記出口部まで案内する第1案内通路、及び、第2案内通路とを有する球案内手段とを備える遊技機において、
前記第1入口部、及び、前記第2入口部には、開位置と、閉位置との間を変位可能な第1開閉手段、及び、第2開閉手段が設けられ、
前記第1入口部、及び、前記第2入口部は、前記第1開閉手段、及び、前記第2開閉手段が前記開位置とされることで、前記第1開閉手段、及び、前記第2開閉手段により前記第1入口部、及び、前記第2入口部の側方の前記遊技領域を移動する遊技球が前記第1入口部、及び、前記第2入口部に案内される開状態とされるとともに、前記第1開閉手段、及び、前記第2開閉手段が前記閉位置とされることで、前記開状態よりも前記遊技領域を移動する遊技球が前記入口部に入球し難くなる閉状態とされる構成であって、
前記遊技領域は
前記第1入口部が設けられた第1ルートと、
前記第2入口部が設けられた第2ルートとを備え、
前記第1開閉手段を前記開位置とさせる第1開放連動手段が前記第2ルートを経由する遊技球と連動するようにして設けられ、
前記第1開閉手段を前記閉位置とさせる第1閉鎖連動手段が前記第1ルートを経由する遊技球と連動するようにして設けられ、
前記第2開閉手段を前記開位置とさせる第2開放連動手段が前記第1ルートを経由する遊技球と連動するようにして設けられ、
前記第2開閉手段を前記閉位置とさせる第2閉鎖連動手段が前記第2ルートを経由する遊技球と連動するようにして設けられていることを特徴とする遊技機。
手段B−1によれば、球案内手段の第1入口部、及び、第2入口部に対応して第1開閉手段、及び、第2開閉手段が設けられている。このため、第1開閉手段、及び、第2開閉手段が開位置とされることで、遊技領域を移動する遊技球を球案内手段の第1入口部、及び、第2入口部へ入球させ易くする(第1入口部、及び、第2入口部を開状態とする)ことができる。従って、遊技球が球案内手段を通過する機会を確実に増やし、球案内手段を十分に機能させることができる。つまり、始動入球手段の実質的な入口とも言えるように構成することの可能な入口部の開口面積を、始動入球手段の入口(始動口)の開口面積よりも大きくすることができる。さらに、入口部は、第1入口部と第2入口部とを備え、始動入球手段の実質的な入口の数を増やし、かつ、遊技領域の始動入球手段から離間した所期の位置に配置することが可能である。結果として、遊技球の始動入球手段への入球具合が偏って全く入球しない状態ができてしまう等の事態を抑制し、始動入球手段への入球を安定させることができる。さらに、球案内手段の第1入口部、及び、第2入口部が拡大されただけの構成に比べ、遊技性の向上が図られる上、遊技のバランスを遊技者に有利になり過ぎないように、その他の構成を犠牲にする(例えば、球案内手段に入球しなかった遊技球は、いずれの入球手段にも入球しないような調整にする等)といった事態を抑制することができる。
また、第1開閉手段を開位置とさせる第1開放連動手段は第2ルートを経由する遊技球と連動するようにして設けられ、第2開閉手段を開位置とさせる第2開放連動手段は第1ルートを経由する遊技球と連動するようにして設けられている。このため、例えば、第1ルートに遊技球を発射させていると、第1ルートを移動していた遊技球と第2開放連動手段とが連動して第2開閉手段が開位置とされ、今度は、開位置とされた第2開閉手段を狙って第2ルートに遊技球を発射させると、第2ルートを移動していた遊技球と第1開放連動手段とが連動して第1開閉手段が開位置とされるといった具合に、第1開閉手段、及び、第2開閉手段が交互に開位置とされるような状況が発生し得る。従って、開位置とされる第1開閉手段、及び、第2開閉手段を狙うようにして、遊技球を狙う位置(及び遊技者の視線)を比較的大きく動かしながら遊技を進行させるという新たな遊技要素を付加することができ、始動入球手段を狙って遊技球を発射させる状況における遊技に際しての単調感を抑制することができる。結果として、遊技意欲の向上等を図ることができる。
さらに、第1開閉手段を閉位置とさせる第1閉鎖連動手段は第1ルートを経由する遊技球と連動するようにして設けられ、第2開閉手段を閉位置とさせる第2閉鎖連動手段は第2ルートを経由する遊技球と連動するようにして設けられている。このため、例えば、第2入口部が開状態とされた後、第2ルートに遊技球を発射させ続ければ、第2入口部を閉状態とすることなく、開状態にある第2入口部に遊技球を入球し続けられてしまうといった事態を回避することができる。
尚、「前記球案内手段の前記出口部から導出される遊技球は、前記始動入球手段に入球する可能性が高められる軌道を付与されるように構成されること」を意図しており、始動入球手段に入球不可能又は困難な位置に案内されてしまうような構成は含まれない。また、球案内手段を通過する遊技球が視認可能に構成されていることとしてもよい。
手段B−2.前記第1入口部は、前記閉状態にあっても前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能に構成され、
前記第2入口部は、前記閉状態にあっても前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能に構成され、
前記閉状態にある前記第1入口部に対し第1規定数の遊技球が入球した場合に、前記第2開放連動手段が前記第2開閉手段を前記開位置とさせ、
前記開状態にある前記第2入口部に対し第2規定数の遊技球が入球した場合に、前記第2閉鎖連動手段が前記第2開閉手段を前記閉位置とさせ、
前記閉状態にある前記第2入口部に第3規定数の遊技球が入球した場合に、前記第1開放連動手段が前記第1開閉手段を前記開位置とさせ、
前記開状態にある前記第1入口部に対し第4規定数の遊技球が入球した場合に、前記第1閉鎖連動手段が前記第1開閉手段を前記閉位置とさせることを特徴とする手段B−1に記載の遊技機。
手段B−2によれば、上記手段B−1の構成を確実に実現することができる。また、第1開放連動手段及び第2開放連動手段は、第2入口部及び第1入口部に入球した遊技球と連動することから、例えば、所定の入賞口に入球した遊技球に第1開放連動手段及び第2開放連動手段が連動するような構成に比べ、前記所定の入賞口を設けなくても済む分だけ遊技領域のうち遊技領域が移動可能な領域を広く確保することができたり、連動の対応関係を分かり易くしたりすることができる。
手段B−3.前記第1開放連動手段、前記第2開放連動手段、前記第1閉鎖連動手段、及び、前記第2閉鎖連動手段は、前記第1入口部、及び、前記第2入口部に入球した遊技球と、前記第1開閉手段、及び、前記第2開閉手段とを機械的に連動させるように構成されていることを特徴とする手段B−2に記載の遊技機。
手段B−3によれば、連動手段は、所定の入口部に入球した遊技球と、開閉手段とを機械的に連動させる構成であることから、開位置とされた開閉手段は、対応する入口部に遊技球が入球しないと閉位置とされない。このため、遊技球を狙ったところに打ち出すといった技術が高くない遊技者であっても、(少し時間はかかるかもしれないが)開位置とされた開閉手段に遊技球を至らせ、対応する入口部に入球させることができる。従って、開閉手段が開位置とされたものの、遊技球を開閉手段へ至らせることができないまま、開閉手段が閉位置に戻る制限時間を迎えてしまうといった事態を回避することができ、技術や知識の差で遊技の有利不利に差が開いてしまうことを抑制することができる。加えて、開閉手段が開位置とされた状態では、遊技者は遊技を終了し難いことから、遊技の滞在時間の増加を図ることができる。また、開閉手段の電気的な開閉制御を行わなくても済み、制御の簡素化等を図ることができる。
尚、「前記第1入口部、及び、前記第2入口部に入球した遊技球は、前記第1案内通路、及び、前記第2案内通路の前記出口部側に移動される」としてもよい。この場合、遊技球が入口部に入球しただけでは、一般的に遊技球が入賞口に入球した場合に行われる遊技球の増減に関わる処理を行わなくとも済み、構成の簡素化を図ることができるとともに、入口部に入球しただけでは賞球が発生しないことにより、遊技バランスの調整において、入口部に入球した遊技球が始動入球手段にどの程度入球するのかの点を調節可能とすることができ、利便性の向上を図ることができる。
手段B−4.前記第1入口部の近傍に設けられた第1契機入球手段と、前記第2入口部の近傍に設けられた第2契機入球手段とを備え、
前記第1入口部は、前記閉状態にある場合に、前記遊技領域を移動する遊技球が入球不可能に構成され、
前記第2入口部は、前記閉状態にある場合に、前記遊技領域を移動する遊技球が入球不可能に構成され、
前記閉状態にある前記第1契機入球手段に対し第1規定数の遊技球が入球した場合に、前記第2開放連動手段が前記第2開閉手段を前記開位置とさせ、
前記開状態にある前記第2入口部に対し第2規定数の遊技球が入球した場合に、前記第2閉鎖連動手段が前記第2開閉手段を前記閉位置とさせ、
前記閉状態にある前記第2契機入球手段に対し第3規定数の遊技球が入球した場合に、前記第1開放連動手段が前記第1開閉手段を前記開位置とさせ、
前記開状態にある前記第1開閉手段に対し第4規定数の遊技球が入球した場合に、前記第1閉鎖連動手段が、前記第1開閉手段を前記閉位置とさせることを特徴とする手段B−1に記載の遊技機。
手段B−4によれば、上記手段B−1の構成を確実に実現することができる。
手段B−5.前記第1開放連動手段、及び、前記第2開放連動手段は、前記第1契機入球手段、及び、前記第2契機入球手段に入球した遊技球と、前記第1開閉手段、及び、前記第2開閉手段とを機械的に連動させ、
前記第1閉鎖連動手段、及び、前記第2閉鎖連動手段は、前記第1入口部、及び、前記第2入口部に入球した遊技球と、前記第1開閉手段、及び、前記第2開閉手段とを機械的に連動させるように構成されていることを特徴とする手段B−4に記載の遊技機。
手段B−5によれば、上記手段B−3と基本的に同様の作用効果が奏される。また、第1開閉手段及び第2開閉手段の両方を閉位置とすることができ、気兼ねなく遊技を終了することができる。また、開閉手段の電気的な開閉制御を行わなくても済み、制御の簡素化等を図ることができる。
尚、「前記第1契機入球手段、及び、前記第2契機入球手段に入球した遊技球は前記遊技領域の外部に排出され、前記第1入口部、及び、前記第2入口部に入球した遊技球は前記第1案内通路、及び、前記第2案内通路の前記出口部側に移動されるように構成されていること」としてもよい。この場合、遊技球が入口部に入球しただけでは、一般的に遊技球が入賞口に入球した場合に行われる遊技球の増減に関わる処理を行わなくとも済み、構成の簡素化を図ることができるとともに、入口部に入球しただけでは賞球が発生しないことにより、遊技バランスの調整において、入口部に入球した遊技球が始動入球手段にどの程度入球するのかの点を調節可能とすることができ、利便性の向上を図ることができる。
手段B−6.前記第1入口部に遊技球が入球したことを検知する第1入球検知手段と、
前記第2入口部に遊技球が入球したことを検知する第2入球検知手段とを備えていることを特徴とする手段B−1乃至B−5のいずれかに記載の遊技機。
手段B−6によれば、遊技球が第1入口部、及び、第2入口部に入球したことを把握することができ、当該情報に基づいて、例えば、開位置とされる第1開閉手段、及び、第2開閉手段を報知したり、開位置とされる第1開閉手段、及び、第2開閉手段が閉位置とされるまでに、対応する第1入口部、及び、第2入口部へ入球可能な遊技球の残り数を教示したりする等、遊技の進行をアシストするような各種案内等を行うことが可能になる。
尚、上記手段B−3及び手段B−5のように、第1開閉手段及び第2開閉手段が機械的に連動する構成の場合、第1入球検知手段及び第2入球検知手段の検知が第1開閉手段及び第2開閉手段の動作の契機となるようなことはない。また、第1入球検知手段及び第2入球検知手段は、第1入口部及び第2入口部に入球する遊技球を検知する構成に限定されず、対応する連動手段の動作を検知するような構成としてもよい。加えて、「前記各規定数が複数である場合に、前記規定数となるまでの残りの回数を教示する残り回数教示手段を備えていること」としてもよい。この場合、遊技者は、残りの回数情報に応じて遊技の調整を行うことができ、利便性の向上等を図ることができる。
尚、「前記出口部を通過する遊技球を検知する出口検知手段を備えていること」としてもよい。この場合、球案内手段における球詰りを把握することができ、特に、第1入球検知手段の検知情報と、第2入球検知手段の検知情報とを別々に記憶する記憶手段を設けることで、第1案内通路、及び、第2案内通路のどちらに遊技球が詰まっているのかについても把握することができる。
手段B−7.前記第1開閉手段が前記開位置とされているか否かを検知可能な第1開位置検知手段と、
前記第2開閉手段が前記開位置とされているか否かを検知可能な第2開位置検知手段とを備えていることを特徴とする手段B−2乃至B−6のいずれかに記載の遊技機。
手段B−7によれば、第1開閉手段及び第2開閉手段が機械的に連動する構成において、第1開閉手段及び第2開閉手段が開位置とされていることを把握することができる。従って、例えば、不正に第1開閉手段及び第2開閉手段が開位置とされている、或いは、故障で第1開閉手段及び第2開閉手段が連動しない等の事態を把握することができ、迅速な対処を行うことが可能となる。
尚、「前記発射装置により前記遊技領域に打出された遊技球が、前記第1ルート、及び、前記第2ルートのうちどちらに打ち出されている状態なのかを把握可能なターゲット把握手段を備えていること」としてもよい。この場合、開状態とされている入口部を狙って遊技球を打出して欲しい旨のアナウンス等を行うことができる。尚、第1ルート、及び、第2ルートの他にも遊技領域を移動する遊技球の移動ルートがある場合には、かかる移動ルートを狙って遊技球が打出されている状態であることについても把握可能としてもよい。また、打出し位置のアナウンスについては、表示手段により行うこととしてもよいし、第1ルート、及び、第2ルートのうち狙わない方に設けられた発光手段を消灯、減光してもよいし、第1入口部、及び、第2入口部のうち開状態とされている方に対応して設けられた発光手段や表示手段を該当する態様に変化させてもよい。
手段B−8.前記第1入口部に遊技球が入球したことを検知する第1入球検知手段と、
前記第2入口部に遊技球が入球したことを検知する第2入球検知手段とを備え、
前記第1開位置検知手段の検知が行われた場合に、前記第1入球検知手段の検知情報に基づいて、前記第1入口部への遊技球の入球が検知されていないと判別される場合、及び、
前記第2開位置検知手段の検知が行われた場合に、前記第2入球検知手段の検知情報に基づいて、前記第2入口部への遊技球の入球が検知されていないと判別される場合には、対応する報知処理が実行されることを特徴とする手段B−7に記載の遊技機。
手段B−8によれば、不正に開閉手段が開位置とされていること等をより確実に把握することができる。
手段B−9.前記第1開閉手段及び前記第2開閉手段、又は、その近傍に発光手段が設けられ、前記第1開閉手段が前記開位置とされる場合に、当該第1開閉手段に対応する前記発光手段が発光状態とされ、前記第2開閉手段が前記開位置とされる場合に、当該第2開閉手段に対応する前記発光手段が発光状態とされ、
前記第1開閉手段が前記閉位置とされる場合に、当該第1開閉手段に対応する前記発光手段が非発光状態とされ、前記第2開閉手段が前記閉位置とされる場合に、当該第2開閉手段に対応する前記発光手段が非発光状態とされることを特徴とする手段B−6乃至B−8のいずれかに記載の遊技機。
手段B−9によれば、第1開閉手段及び第2開閉手段が開位置とされる(開位置とされた)ことに気付き易く、開位置とされた第1開閉手段及び第2開閉手段を狙う動作を比較的素早く行うことができる。尚、「上記手段B−4の構成を採用する場合において、前記第1契機入球手段及び前記第2契機入球手段、又は、その近傍に発光手段が設けられ、前記第1開閉手段が前記閉位置とされている場合に、前記第2契機入球手段に対応する前記発光手段が発光状態とされ、前記第2開閉手段が前記閉位置とされている場合に、前記第1契機入球手段に対応する前記発光手段が発光状態とされること」としてもよい。
また、入球検知手段を備える構成においては、「前記入球検知手段の検知情報に基づいて、前記開閉手段が前記開位置とされるか否かを判別する」よう構成され、開位置検知手段を備える構成においては、「前記開位置検知手段の検知情報に基づいて、前記開閉手段が前記開位置とされるか(開位置とされているか)否かを判別する」よう構成ることとしてもよい。
手段B−10.前記遊技盤は、少なくとも一部において、前記遊技盤の前面側から前記遊技盤の後方を視認可能とする透明部を備え、
前記球案内手段の前記第1案内通路及び前記第2案内通路は、前記遊技盤のうち前記透明部の裏側に設けられていることを特徴とする手段B−1乃至B−9のいずれかに記載の遊技機。
手段B−10によれば、球案内手段を通過する遊技球を視認させつつ、球案内手段や連動手段によって遊技領域が分断されることを回避することができる。従って、遊技領域における各種遊技部材の配置や、球案内手段の配置に関する自由度を向上させることができ、遊技性等の向上を図ることができる。尚、透明部の裏側とは、遊技盤の後面よりも後方位置であってもよいし、遊技盤の後面側に形成された凹部の内側であってもよい。
手段B−11.前記始動入球検知手段の検知が行われた場合に、前記当否抽選に関する当否関連情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得された前記当否関連情報を記憶可能な記憶領域を複数有する保留記憶手段とを備え、
前記始動入球手段は、
前記遊技領域を移動する遊技球が常時入球可能な入球部と、
前記入球部に入球した遊技球が入球可能な(左右一対の)第1入賞口、及び、第2入賞口と、
前記入球部に入球した遊技球を前記第1入賞口、及び、前記第2入賞口に交互に案内する振分け装置とを備え、
前記始動入球検知手段として、前記第1入賞口に入球した遊技球を検知する第1入賞口検知手段と、前記第2入賞口に入球した遊技球を検知する第2入賞口検知手段とが設けられ、
前記保留記憶手段には、前記第1入賞口検知手段の検知に基づいて取得された第1当否関連情報を、所定数を上限として記憶可能に構成されるとともに、前記第2入賞口検知手段の検知に基づいて取得された第2当否関連情報を、所定数を上限として記憶可能に構成されていることを特徴とする手段B−1乃至B−10のいずれかに記載の遊技機。
手段B−11によれば、始動入球手段の入球部に遊技球を入球させていくだけで、遊技球を第1入賞口及び第2入賞口に交互に入球させることができ、第1当否関連情報及び第2当否関連情報(変動表示)を効率よく保留記憶させていくことができる。
さらに、上記のように、第1入口部及び第2入口部に第1開閉手段及び第2開閉手段が設けられた球案内手段により遊技球が始動入球手段(入球部)の近傍まで効率的に案内されることから、第1当否関連情報及び第2当否関連情報(変動表示)を効率よく保留記憶させることのできる始動入球手段の機能を十分に発揮させることができる。従って、変動表示を比較的たくさん保留することのできる機能を備えていても、その機能を十分に発揮させることができず、興趣の低下を招くといった事態を抑止することができる。
特に、例えば、第1入口部に入球した遊技球は第1入賞口検知手段に検知される(第2入賞口検知手段には検知されない)よう構成され、及び、第2入口部に入球した遊技球は第2入賞口検知手段に検知される(第1入賞口検知手段には検知されない)よう構成される場合に比べ、変動表示の保留記憶が偏ってしまうといった事態を確実に回避することができ、始動入球手段が遊技球に入球させ易くなっている構成を十分に活かすことができる。
尚、「前記保留記憶手段の前記記憶領域に対して前記当否関連情報が記憶されていることを示す保留表示を導出可能な保留表示手段を備えること」としてもよい。この場合、変動表示の保留が好適に行われていることをアピールすることができる。また、始動入球手段の第1入賞口に遊技球が入球する(或いは入球確実となる)ことで、対応する開閉手段が開位置とされ、第2入賞口に遊技球が入球する(或いは入球確実となる)ことで、対応する開閉手段が開位置とされるように開放連動手段を設けることとしてもよい。
手段B−12−a.前記発射手段による遊技球を打ち出す強さを調節可能な発射強さ調節手段を備え、
前記始動入球手段は、第1始動入球手段と、第2始動入球手段とを備え、
前記始動入球検知手段は、前記第1始動入球手段に入球した遊技球を検知する第1始動入球検知手段と、前記第2始動入球手段に入球した遊技球を検知する第2始動入球検知手段とを備え、
前記球案内手段の前記第1入口部、及び、前記第2入口部に入球し、前記出口部から導出された遊技球が、前記第1始動入球手段の近傍まで案内される構成であって、
前記遊技領域は、
前記第1ルートと、及び、前記第2ルートの他に、
前記第2始動入賞装置が設けられた第3ルートを備え、
前記発射強さ調節手段は、遊技者が操作可能に構成され、遊技者の操作に伴って変位する操作部を備え、
前記操作部を特定方向に変位させることで、前記発射手段による遊技球を打ち出す強さが調節可能に構成されるとともに、打ち出す強さを調節して、遊技球を前記第1ルートと、前記第2ルートと、前記第3ルートとに打ち分け可能に構成されていることを特徴とする手段B−1乃至B−11のいずれかに記載の遊技機。
手段B−12−aによれば、第1始動入球手段を狙って遊技球を発射させる第1遊技状態と、第2始動入球手段を狙って遊技球を発射させる第2遊技状態とが設けられる構成において、遊技球の打ち分けを確実に行うことができる。従って、遊技性の多様化等を図ることができる。また、第3ルートが設けられることで、第2遊技状態においては、開状態とされる第1入口部、及び、第2入口部を気にすることなく、遊技を進行させることができる。特に、第2遊技状態が第1遊技状態よりも遊技がスピーディに進行するような場合(当否抽選の結果を教示するために行われる演出(識別情報を表示可能な可変表示手段における識別情報の変動表示等)の時間が短く設定される状態、当否抽選の当選確率が高くなる状態等)、遊技を快適に進行させるといった作用効果がより顕著に奏されることとなる。
尚、遊技領域の遊技部材を増やす等して、遊技球が球案内手段を経由せずに始動入球手段に入り難くなるような配置になってしまったとしても、球案内手段が設けられていることにより、遊技球の始動入球手段への入球の程度をカバーすることができ、設計の自由度の向上等を図ることができる。
尚、「前記第2始動入球手段は、遊技領域を移動する遊技球の入球を許容する開位置と、遊技球の入球を規制する閉位置とに状態変化可能に構成され、
前記遊技領域を移動する遊技球が通過可能な普通始動手段と、前記普通始動手段を通過する遊技球を検知する普通始動検知手段とを備え、
前記普通始動検知手段の検知に基づいて、前記第2始動入球手段を開位置とさせるか否かの入球サポート抽選が行われ、
前記第3ルートにおいて、前記普通始動手段が設けられていること」としてもよい。
また、「前記遊技盤は、少なくとも一部において、前記遊技盤の前面側から前記遊技盤の後方を視認可能とする透明部を備え、
前記第3ルートは、(最強の強さで発射された遊技球が入球可能な位置に設けられた)特定入口部と、(前記特定入口部に入球しなければ到達不可能な位置に設けられた)特定出口部と、前記特定入口部に入球した遊技球を前記特定出口部に入球可能な位置にまで案内する特定案内通路とを備え、
前記第3ルートの前記特定案内通路は、前記遊技盤のうち前記透明部の裏側に設けられていること」としてもよい。
手段B−12−b.前記発射手段による遊技球を打ち出す強さを調節可能な発射強さ調節手段を備え、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態とに状態変化可能に構成されるとともに、前記当否抽選に当選した場合に前記開状態とされる可変入球手段を備え、
前記遊技領域は、
前記第1ルートと、及び、前記第2ルートの他に、
前記第2可変入賞装置が設けられた第3ルートを備え、
前記第3ルートを移動する遊技球が入球可能な位置に前記可変入球手段が設けられ、
前記発射強さ調節手段は、遊技者が操作可能に構成され、遊技者の操作に伴って変位する操作部を備え、
前記操作部を特定方向に変位させることで、前記発射手段による遊技球を打ち出す強さが調節可能に構成されるとともに、打ち出す強さを調節して、遊技球を前記第1ルートと、前記第2ルートと、前記第3ルートとに打ち分け可能に構成されていることを特徴とする手段B−1乃至B−12−aのいずれかに記載の遊技機。
手段B−12−bによれば、始動入球手段を狙って遊技球を発射させる通常遊技状態と、可変入球手段を狙って遊技球を発射させる特別遊技状態とが設けられる構成において、遊技球の打ち分けを確実に行うことができる。従って、遊技性の多様化等を図ることができる。また、第3ルートが設けられることで、特別遊技状態においては、開状態とされる第1入口部、及び、第2入口部を気にすることなく、遊技をテンポよく進行させることができる。
手段B−13.前記操作部の操作量に応じて、前記第1ルート又は前記第2ルートに遊技球が発射される状態から、前記第3ルートに遊技球が発射される状態へと切替わる場合に、前記第3ルートに遊技球が発射される状態とされる前の状態で、前記操作部の操作の感触を変更させる境界教示手段を備えていることを特徴とする手段B−1乃至B−12のいずれかに記載の遊技機。
手段B−13によれば、例えば、第1ルートと、第2ルートとの間の遊技球の打ち替えを行っている状態において、不用意に第3ルートに遊技球を発射させてしまう(遊技球が無駄になってしまう)といった事態を抑制することができる。
尚、「前記操作部の操作の感触を変更させる」とは、遊技者が触覚で境界を認知することができるように構成されていればよく、操作感が一旦重くなる、振動がある等の構成を適宜採用することが可能である。また、例えば、前記発射強さ調節手段は、操作することで、前記発射手段の発射が停止される発射停止操作手段を備え、前記発射停止操作手段が操作されている状態においては、前記境界教示手段が機能しない状態とされること」としてもよい。つまり、遊技球の打ち替え(狙い所の変更)に際して、遊技球が無駄にならないように発射停止操作手段が操作されることから、発射停止操作手段が操作される状態は遊技球の打ち替えが行われる可能性が高いものとして、境界教示手段を機能させないようにすることで、遊技球の打ち替えをスムースに行うことができる。
手段B−14.前記第1ルートを移動する遊技球が入球可能に構成されるとともに、当該遊技球が前記第2ルートに案内される第1バイパス通路、及び、前記第2ルートを移動する遊技球が入球可能に構成されるとともに、当該遊技球が前記第1ルートに案内される第2バイパス通路のうち少なくとも一方を備え、
前記第1バイパス通路、及び、前記第2バイパス通路から排出された遊技球は、前記開状態にある前記第2入口部、及び、前記第1入口部に入球可能に構成されていることを特徴とする手段B−1乃至B−13のいずれかに記載の遊技機。
手段B−14によれば、遊技領域における遊技球の挙動をより興味深いものとすることができる。また、例えば、第2入口部が開状態とされているにもかかわらず、遊技領域のうち第1ルートのみに遊技球を発射し続けているような遊技者にとっての不利益を極力抑制する(第2ルートに発射させる方が第2入口部に入球させ易いが、第1ルートに遊技球を発射させ続けても、第2入球部に入球する可能性がある)ことができる。
尚、バイパス通路を移動する遊技球については視認可能に構成されていることとしてもよい。バイパス通路は、遊技盤の裏側に設けられていることとしてもよい。バイパス通路を移動する遊技球に対して光を照射する(例えば、バイパス通路入口にバイパス入球検知手段を設け、当該検知に応じて発光する発光手段を設ける)ように構成してもよい。
手段B−15.上記手段B−2に係る手段に対応して、
前記第1バイパス通路を通過した遊技球は、前記第2開閉手段の近傍に案内され、前記第2バイパス通路を通過した遊技球は、前記第1開閉手段の近傍に案内されるよう構成され、
上記手段B−4に係る手段に対応して、
前記第1バイパス通路を通過した遊技球は、前記第2契機入球手段の近傍に案内され、前記第2バイパス通路を通過した遊技球は、前記第1契機入球手段の近傍に案内されるよう構成されていることを特徴とする手段B−14に記載の遊技機。
手段B−15によれば、第1開閉手段、及び、第2開閉手段が開位置とされる状況のバリエーションが増え(例えば、開位置とされた第1開閉手段を狙って第1ルートに遊技球を打ち出していたところ、第1バイパス通路に遊技球が入球し、開位置の第1開閉手段に遊技球が入球して第1開閉手段が閉位置とされた直後に、第1バイパス通路を通過していた遊技球が閉位置にある第2開閉手段に入球し、第1開閉手段がもう一度開位置とされる等)、興趣の向上を図ることができる。
手段B−16.前記始動入球手段には、前記球案内手段を通過していない遊技球についても入球可能に構成されていることを特徴とする手段B−1乃至B−15のいずれかに記載の遊技機。
手段B−16によれば、例えば、遊技領域に設けられる遊技釘(例えば、始動入球手段の入球部の両側部に設けられる命釘)の変形等により、球案内手段経由の遊技球が始動入球手段に入球し難くなった場合、球案内手段を経由せずに始動入球手段に向かう遊技球についても始動入球手段に入球し難くなる等といった影響が生じる。従って、球案内手段を経由した遊技球が始動入球手段に入球し難くなっていることを迅速に把握することができ、遊技者としては、不具合が生じている遊技機の遊技を避ける、或いは、遊技ホール関係者に伝える等することができ、遊技ホール側としては、遊技釘を正常な姿勢に戻す等のメンテナンスを早期に行う等する(始動入球手段に遊技球が入球し難くなっている状態が長期維持されないようにする)ことができる。
手段B−17.前記遊技領域を移動する遊技球が通過可能なゲート手段と、
前記ゲート手段を通過する遊技球を検知するゲート通過検知手段とを備え、
前記第1入口部、及び、前記第2入口部の直上方において前記ゲート手段を配置し、前記ゲート手段を通過した遊技球は前記第1入口部、又は、前記第2入口部に入球可能に構成され、
前記第1入口部、及び、前記第2入口部と、前記ゲート手段との間に遊技釘を配置しないことを特徴とする手段B−1乃至B−16のいずれかに記載の遊技機。
手段B−17によれば、第1入口部、及び、第2入口部の直上方にゲート手段が配置され、第1入口部、及び、第2入口部とゲート手段との間に遊技釘が設けられないことから、第1入口部、及び、第2入口部付近の遊技釘の変形によって第1入口部、及び、第2入口部へ遊技球が入球し難くなってしまうといった事態を抑制するとともに、第1入口部、及び、第2入口部の保護の観点から、第1入口部、及び、第2入口部の直上方に遊技釘が無くても、ゲート手段の存在により、遊技領域を勢いよく流下する遊技球の衝突を回避することができる。また、遊技釘の変形等により、ゲート手段に遊技球を入球させ難くなっている場合、その他の遊技性に影響が発生することから、その原因となる遊技釘の変形等を迅速に把握することができる。従って、遊技者としては、不具合が生じている遊技機の遊技を避ける、或いは、遊技ホール関係者に伝える等することができ、遊技ホール側としては、遊技釘を正常な姿勢に戻す等のメンテナンスを早期に行う等する(第1入口部、及び、第2入口部に遊技球が入球し難くなっている状態が長期維持されないようにする)ことができる。
尚、上記各手段A、及び、手段Bに記載されている各技術事項を適宜組合せて実施することも可能(各手段の一部同士を組合せることも可能)である。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
a.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞装置、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
b.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞装置、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
c.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。